説明

画面業務システム、画面業務システム構築方法およびプログラム

【課題】機能単位(サービス)の動作環境を変更した場合であっても、再コンパイルを不要とし、品質の低下を防ぐ。
【解決手段】画面のレイアウトを構成するオブジェクトであるコンポーネント105−1を表示する画面レイアウト部102に表示されたコンポーネント105−1に対して、利用者によって操作が行われた場合、シナリオエンジン107が、操作の内容に応じて、あらかじめ登録された互いに独立した複数の機能単位を任意の順序で組み立て、機能単位ごとにあらかじめ定義された動作定義情報を順序で解釈しながら機能単位の処理を実行し、実行結果を画面レイアウト部102へ出力し、画面レイアウト部102が、実行結果を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務ロジックを構成する画面業務システム、画面業務システム構築方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な画面業務システムにおいては、画面のコンポーネントのイベントに対し、業務処理をプログラムで記述している。さらに、そのプログラムの中で、部品化、モジュール化したプログラムを呼び出すロジックをコーディングし、コンパイルをおこない業務画面オブジェクトを生成している。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されているように、画面をレイアウトする画面レイアウト部と、ロジック部分とを独立させた形態と、双方を統合した形態とにおいても、コード編集を可能とするシステムが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−150377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したシステムにおいては、機能を追加、変更するためには、プログラム内のコーディングを変更し、呼び出すロジックを修正し、再コンパイルを行わなければならないという問題点がある。
【0006】
また、プログラムのコーディングを変更するため、変更後に生成したプログラムの網羅性のテストを行う必要があり、常に、デグレードを起こすリスクが生じてしまうという問題点がある。
【0007】
さらに、ロジックをコーディングするため、属人性が高いプログラムを標準化し、いかに均一な品質レベルのプログラムを記述させるかという課題が生じてしまう。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決する画面業務システム、画面業務システム構築方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画面業務システムは、
画面のレイアウトを構成するオブジェクトであるコンポーネントを表示する画面レイアウト部と、利用者によって前記コンポーネントに対して操作が行われた場合、該操作の内容に応じて、あらかじめ登録された互いに独立した複数の機能単位の処理を実行する業務ロジック実行部とを有する画面業務システムにおいて、
前記業務ロジック実行部は、前記複数の機能単位を任意の順序で組み立て、該機能単位ごとにあらかじめ定義された動作定義情報を前記順序で解釈しながら該機能単位の処理を実行し、該実行結果を前記画面レイアウト部へ出力するシナリオエンジンを有し、
前記画面レイアウト部は、前記シナリオエンジンから出力されてきた実行結果を表示することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画面業務システム構築方法は、
所定の業務の業務ロジックを画面に表示する画面業務システムを構築する画面業務システム構築方法であって、
前記画面に表示されたコンポーネントに対して利用者によって操作が行われた場合、該操作の内容に応じて、あらかじめ登録された互いに独立した複数の機能単位を任意の順序で組み立て、該機能単位ごとにあらかじめ定義された動作定義情報を前記順序で解釈しながら該機能単位の処理を実行する実行ステップと、
前記実行結果を表示するステップとを有する。
【0011】
また、本発明のプログラムは、
画面のレイアウトを構成するオブジェクトであるコンポーネントを表示する画面レイアウト部に表示された前記コンポーネントに対して利用者によって操作が行われた場合、該操作の内容に応じて、あらかじめ登録された互いに独立した複数の機能単位の処理を実行する業務ロジック実行部に実行させるためのプログラムであって、
前記操作が行われた場合、該操作の内容に応じて、前記複数の機能単位を任意の順序で組み立て、該機能単位ごとにあらかじめ定義された動作定義情報を前記順序で解釈しながら該機能単位の処理を実行する実行手順と、
前記実行結果を前記画面レイアウト部に表示させる手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明においては、画面のレイアウトを構成するオブジェクトであるコンポーネントを表示する画面レイアウト部に表示されたコンポーネントに対して、利用者によって操作が行われた場合、シナリオエンジンが、操作の内容に応じて、あらかじめ登録された互いに独立した複数の機能単位を任意の順序で組み立て、機能単位ごとにあらかじめ定義された動作定義情報を順序で解釈しながら機能単位の処理を実行し、実行結果を画面レイアウト部へ出力し、画面レイアウト部が、実行結果を表示する構成としたため、機能単位(サービス)の動作環境を変更した場合であっても、再コンパイルの必要がなくなり、品質の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画面業務システム構築方法および画面業務システムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示したコンポーネント・イベント別シナリオ定義情報の一例を示す図である。
【図3】図2に示した入力チェックサービスの構成の一例を示す図である。
【図4】図2に示したデータ加工サービスの構成の一例を示す図である。
【図5】図2に示した外部APサービスの構成の一例を示す図である。
【図6】図2に示した外部シナリオサービスの構成の一例を示す図である。
【図7】図2に示した画面遷移サービスの構成の一例を示す図である。
【図8】図2に示した画面表示サービスの構成の一例を示す図である。
【図9】図1に示したシナリオエンジンの処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
設計者は、デザイナが作成した画面レイアウトに対し、本発明を使用して、画面レイアウトを構成するコンポーネントのイベントに対して業務ロジックの組み立てをおこなう。業務ロジックの組み立ては、必要な機能単位(サービス)を任意の順番で定義することにより組み立てる。個々の機能単位(サービス)は、あらかじめ用意された機能単位(サービス)を選択し、必要なインターフェイス情報や動作環境情報を入力することにより定義する。
【0016】
図1は、本発明の画面業務システム構築方法および画面業務システムの実施の一形態を示す図である。
【0017】
本形態は図1に示すように、画面レイアウト部102と、業務ロジック実行部103とから構成された画面オブジェクト101となっている。
【0018】
画面レイアウト部102には、画面104を構成するコンポーネント105−1〜105−3と、イベント106とが設けられている。
【0019】
コンポーネント105−1〜105−3は、ボタンやチェックボックス、テキスト領域など画面のレイアウトを構成するオブジェクトである。ここでは、コンポーネントの数を3つで示したが、これに限らない。
【0020】
イベント106は、ユーザが、画面104よりコンポーネント105−1に対して操作をおこなったとき、その操作の内容を示す。
【0021】
また、業務ロジック実行部103には、シナリオエンジン107と、コンポーネントのイベントごとに定義されたコンポーネント・イベント別シナリオ定義情報108とが設けられている。
【0022】
シナリオエンジン107は、後述する複数の機能単位を任意の順序で組み立て、コンポーネント105−1のイベント106ごとに定義された動作定義情報であるコンポーネント・イベント別シナリオ定義情報108を解釈しながら処理を実行するプログラムである。また、シナリオエンジン107は、コンポーネント・イベント別シナリオ定義情報108のXML(Extensible Markup Language)情報を解釈しながら機能単位の処理を実行する。
【0023】
コンポーネント・イベント別シナリオ定義情報108は、コンポーネント105−1のシナリオごとに定義された処理の定義情報である。
【0024】
図2は、図1に示したコンポーネント・イベント別シナリオ定義情報108の一例を示す図である。
【0025】
シナリオ201は、業務ロジックを構成するサービスを機能単位としてあらかじめ定義する。図2に示した例ではシナリオ201は、入力チェックサービス301、データ加工サービス401、外部APサービス501、外部シナリオサービス601、画面遷移サービス701および画面表示サービス801を互いに独立した複数の機能単位として定義する。また、シナリオ201は、入力チェックサービス301、データ加工サービス401、外部APサービス501、外部シナリオサービス601、画面遷移サービス701、画面表示サービス801の順序で実行するように定義する。この順序は自由に定義することが可能である。
【0026】
図3は、図2に示した入力チェックサービス301の構成の一例を示す図である。
【0027】
図2に示した入力チェックサービス301は図3に示すように、入力チェックサービスエンジン302と、シナリオ別入力チェック起動定義情報303と、入力チェッククラスライブラリ304とから構成されている。
【0028】
シナリオ別入力チェック起動定義情報303は、シナリオごとに入力チェック処理の内容を定義した定義情報である。また、シナリオ別入力チェック起動定義情報303には、入力チェックサービス301の機能概要が含まれていても良い。
【0029】
入力チェッククラスライブラリ304には、入力チェックをおこなう共通のインターフェイスを持ったクラス・メソッドが格納されている。
【0030】
入力チェックサービスエンジン302は、シナリオ別入力チェック起動定義情報303に基づいて、入力チェッククラスライブラリ304のチェック処理の実行を制御するプログラムである。
【0031】
図4は、図2に示したデータ加工サービス401の構成の一例を示す図である。
【0032】
図2に示したデータ加工サービス401は図4に示すように、データ加工サービスエンジン402と、シナリオ別データ加工起動定義情報403と、データ加工クラスライブラリ404とから構成されている。
【0033】
シナリオ別データ加工起動定義情報403は、シナリオごとにデータ加工や編集処理の内容を定義した定義情報である。また、シナリオ別データ加工起動定義情報403には、データ加工サービス401の機能概要が含まれていても良い。
【0034】
データ加工クラスライブラリ404には、データ加工や編集をおこなう共通のインターフェイスを持ったクラス・メソッドが格納されている。
【0035】
データ加工サービスエンジン402は、シナリオ別データ加工起動定義情報403に基づいて、データ加工クラスライブラリ404のデータ加工処理の実行を制御するプログラムである。
【0036】
図5は、図2に示した外部APサービス501の構成の一例を示す図である。
【0037】
図2に示した外部APサービス501は図5に示すように、外部APサービスエンジン502と、シナリオ別外部AP起動定義情報503とから構成されている。
【0038】
シナリオ別外部AP起動定義情報503は、シナリオごとに外部システムの業務プログラムの呼び出し情報を定義した定義情報である。また、シナリオ別外部AP起動定義情報503には、外部APサービス501の機能概要が含まれていても良い。
【0039】
外部APサービスエンジン502は、シナリオ別外部AP起動定義情報503に基づいて、外部システムの業務プログラムを起動し、処理結果の取得をおこなうプログラムである。
【0040】
図6は、図2に示した外部シナリオサービス601の構成の一例を示す図である。
【0041】
図2に示した外部シナリオサービス601は図6に示すように、外部シナリオサービスエンジン602と、シナリオ別外部シナリオ起動定義情報603と、シナリオ604とから構成されている。
【0042】
シナリオ別外部シナリオ起動定義情報603は、シナリオ604ごとに呼び出す外部シナリオを定義した定義情報である。また、シナリオ別外部シナリオ起動定義情報603には、外部シナリオサービス601の機能概要が含まれていても良い。
【0043】
外部シナリオサービスエンジン602は、シナリオ別外部シナリオ起動定義情報603に基づいて、外部のシナリオ604を起動するプログラムである。
【0044】
図7は、図2に示した画面遷移サービス701の構成の一例を示す図である。
【0045】
図2に示した画面遷移サービス701は図7に示すように、画面遷移サービスエンジン702と、シナリオ別画面遷移定義情報703とから構成されている。
【0046】
シナリオ別画面遷移定義情報703は、シナリオごとに遷移する画面を定義した定義情報である。また、シナリオ別画面遷移定義情報703には、画面遷移サービス701の機能概要が含まれていても良い。
【0047】
画面遷移サービスエンジン702は、シナリオ別画面遷移定義情報703に基づいて、画面を遷移するプログラムである。
【0048】
図8は、図2に示した画面表示サービス801の構成の一例を示す図である。
【0049】
図2に示した画面表示サービス801は図8に示すように、画面表示サービスエンジン802と、シナリオ別画面表示属性定義情報803とから構成されている。
【0050】
シナリオ別画面表示属性定義情報803は、シナリオごとに画面の表示属性を定義した定義情報である。また、シナリオ別画面表示属性定義情報803には、画面表示サービス801の機能概要が含まれていても良い。
【0051】
画面表示サービスエンジン802は、シナリオ別画面表示属性定義情報803に基づいて、画面表示のスタイル属性を設定するプログラムである。
【0052】
以下に、本形態における処理について説明する。
【0053】
図9は、図1に示したシナリオエンジン107の処理を説明するためのフローチャートである。
【0054】
まず、利用者によって図1に示したコンポーネント105−1に対して操作が行われることによりコンポーネント105−1にイベント106が発生したとき、シナリオエンジン107が、イベント106を取得し(ステップS1)、コンポーネント・イベント別シナリオ定義情報108より発生したイベント106に対するシナリオを取得する(ステップS2)。
【0055】
シナリオエンジン107は、取得したシナリオ(図2に示したシナリオ201)に定義されたサービスを先頭から順番に順次実行する。以下、図2に示したコンポーネント・イベント別シナリオ定義情報108に沿って動作を説明する。
【0056】
シナリオエンジン107は、シナリオ201に最初に定義された入力チェックサービス301を起動する(ステップS3)。
【0057】
入力チェックサービス301が起動すると、図3に示した入力チェックサービスエンジン302が起動する。入力チェックサービスエンジン302は、シナリオ201に定義されたシナリオ別入力チェック起動定義情報303に定義されているパラメータを編集し、シナリオ別入力チェック起動定義情報303に定義されている入力チェッククラスライブラリ304に登録されている入力チェッククラスのチェックメソッドを起動する。
【0058】
チェックメソッドの処理が終了すると、入力チェックサービス301が終了する。
【0059】
入力チェックサービス301の処理が正常に終了した場合(ステップS4のYes)、シナリオエンジン107は、次の順序で定義されたデータ加工サービス401を起動する(ステップS5)。
【0060】
データ加工サービス401が起動すると、図4に示したデータ加工サービスエンジン402が起動する。データ加工サービスエンジン402は、シナリオ201に定義されたシナリオ別データ加工起動定義情報403に定義されているパラメータを編集し、シナリオ別データ加工起動定義情報403に定義されているデータ加工クラスライブラリ404に登録されているデータ加工クラスのデータ加工メソッドを起動する。
【0061】
データ加工メソッドの処理が終了するとデータ加工サービス401が終了する。
【0062】
データ加工サービス401が正常に終了した場合(ステップS6のYes)、シナリオエンジン107は、次の順序で定義された外部APサービス501を起動する(ステップS7)。
【0063】
外部APサービス501が起動すると、図5に示した外部APサービスエンジン502が起動する。外部APサービスエンジン502は、シナリオ201に定義されたシナリオ別外部AP起動定義情報503に定義されているパラメータを編集し、シナリオ別外部AP起動定義情報503に定義されているプロトコルで外部システムと接続し、外部システムの業務プログラムを起動する。
【0064】
外部APサービスエンジン502は、起動された外部システムの業務プログラムの実行の終了を待ち合わせ、処理が正常に終了すると、処理結果を取得したのちに、外部APサービス501が終了する。
【0065】
外部APサービス501が正常に終了した場合(ステップS8のYes)、シナリオエンジン107は、次の順序で定義された外部シナリオサービス601を起動する(ステップS9)。
【0066】
外部シナリオサービス601が起動すると、図6に示した外部シナリオサービスエンジン602が起動する。外部シナリオサービスエンジン602は、シナリオ201に定義されたシナリオ別外部シナリオ起動定義情報603に定義されているシナリオ604を起動する。
【0067】
起動されたシナリオ604は、シナリオ201と同じレベルの定義情報で、他のシナリオから呼び出し可能な属性が設定されているシナリオである。
【0068】
シナリオ604が終了すると、外部シナリオサービス601が終了する。
【0069】
外部シナリオサービス601が正常に終了した場合(ステップS10のYes)、シナリオエンジン107は、次の順序で定義された画面遷移サービス701を起動する(ステップS11)。
【0070】
画面遷移サービス701が起動すると、図7に示した画面遷移サービスエンジン702が起動する。画面遷移サービスエンジン702は、シナリオ201に定義されたシナリオ別画面遷移定義情報703に定義されている画面に遷移をおこなうと、画面遷移サービス701は終了する。
【0071】
画面遷移サービス701が正常に終了した場合(ステップS12のYes)、シナリオエンジン107は、シナリオ201にて最後の順序で定義された画面表示サービス801を起動する(ステップS13)。
【0072】
画面表示サービス801が起動すると、図8に示した画面表示サービスエンジン802が起動する。画面表示サービスエンジン802は、シナリオ201に定義されたシナリオ別画面表示属性定義情報803に定義されているコンポーネントのスタイル情報などの表示属性の変更をおこない、画面表示サービス801は終了する。
【0073】
すべてのサービスが正常に終了すると(ステップS14のYes)、シナリオ201は終了する。また、シナリオエンジン107は、実行結果を画面レイアウト部102へ出力し、画面レイアウト部102は、シナリオエンジン107から出力されてきた実行結果を表示する。また、その際、シナリオエンジン107は、それぞれの機能単位の機能概要と実行順序とを画面レイアウト部102へ出力し、画面レイアウト部102は、シナリオエンジン107から出力されてきた機能単位の機能概要と実行順序とを表示するものであっても良い。
【0074】
また、実行しているサービスが異常終了した場合は(ステップS4、S6、S8、S10、S12、S14のNo)、異常終了したサービスでシナリオは中断する。
【0075】
なお、上述したシナリオエンジン107が行う処理は、目的に応じて作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を記述したプログラムをシナリオエンジン107にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをシナリオエンジン107に読み込ませ、実行するものであっても良い。シナリオエンジン107にて読取可能な記録媒体とは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、リスク分析システム内に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、シナリオエンジン107にて読み込まれ、シナリオエンジン107の制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、シナリオエンジン107は、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【0076】
このように、インターフェイスを持つ独立した処理単位を、業務を構成する機能単位として登録しておく。業務処理は、この独立した機能単位を任意の順番に組み立てることにより、業務ロジックを構成する。画面に配置されているコンポーネントのイベントに対し、この業務ロジックを紐付けることにより、画面のレイアウトと業務ロジックを疎結合で、業務画面システムを構築することができる。
【0077】
本発明によれば、WEBシステムのRIA(Rich Internet Application)クライアント画面構築といった用途に適用できる。また、クライアントサーバシステムの画面操作性をWEBシステムへ移行するといった用途にも適用可能である。
【0078】
上述したように本発明の実施の形態では、コンポーネントのイベントごとに定義されたシナリオの中に機能単位(サービス)の動作環境を定義するだけで、業務ロジックが構成されている。従来は、機能単位(サービス)である部品の呼び出しを変更することにより呼び出し元のロジックを変更し、コンパイルをおこない実行環境を作成していたため呼び出し元の網羅的なテストが必要であった。
【0079】
本発明では、呼び出し元は、シナリオエンジンに実装されており、呼び出し元のロジック修正は発生せず、機能単位(サービス)の動作環境の定義の追加、変更をおこなうだけで機能追加・変更を可能とすることにより以下の2つの効果がある。
【0080】
第1の効果は、機能追加・変更時の品質と生産性を向上できることにある。その理由は、業務機能の追加、変更をプログラムのコーディング修正ではなく、品質が担保された機能単位(サービス)の組立・組換でおこなうためである。
【0081】
第2の効果は、プログラムによる保守に比べ、業務ロジックの保守性がよいことにある。その理由は、業務ロジックを機能単位(サービス)の構成として確認・保守できるためである。
【符号の説明】
【0082】
101 画面オブジェクト
102 画面レイアウト部
103 業務ロジック実行部
104 画面
105−1〜105−3 コンポーネント
106 イベント
107 シナリオエンジン
108 コンポーネント・イベント別シナリオ定義情報
201,604 シナリオ
301 入力チェックサービス
302 入力チェックサービスエンジン
303 シナリオ別入力チェック起動定義情報
304 入力チェッククラスライブラリ
401 データ加工サービス
402 データ加工サービスエンジン
403 シナリオ別データ加工起動定義情報
404 データ加工クラスライブラリ
501 外部APサービス
502 外部APサービスエンジン
503 シナリオ別外部AP起動定義情報
601 外部シナリオサービス
602 外部シナリオサービスエンジン
603 シナリオ別外部シナリオ起動定義情報
701 画面遷移サービス
702 画面遷移サービスエンジン
703 シナリオ別画面遷移定義情報
801 画面表示サービス
802 画面表示サービスエンジン
803 シナリオ別画面表示属性定義情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面のレイアウトを構成するオブジェクトであるコンポーネントを表示する画面レイアウト部と、利用者によって前記コンポーネントに対して操作が行われた場合、該操作の内容に応じて、あらかじめ登録された互いに独立した複数の機能単位の処理を実行する業務ロジック実行部とを有する画面業務システムにおいて、
前記業務ロジック実行部は、前記複数の機能単位を任意の順序で組み立て、該機能単位ごとにあらかじめ定義された動作定義情報を前記順序で解釈しながら該機能単位の処理を実行し、該実行結果を前記画面レイアウト部へ出力するシナリオエンジンを有し、
前記画面レイアウト部は、前記シナリオエンジンから出力されてきた実行結果を表示することを特徴とする画面業務システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画面業務システムにおいて、
前記シナリオエンジンは、前記動作定義情報のXML(Extensible Markup Language)情報を解釈しながら前記機能単位の処理を実行することを特徴とする画面業務システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画面業務システムにおいて、
前記シナリオエンジンは、前記機能単位の機能概要と実行順序とを前記画面レイアウト部へ出力し、
前記画面レイアウト部は、前記シナリオエンジンから出力されてきた前記機能単位の機能概要と実行順序とを表示することを特徴とする画面業務システム。
【請求項4】
所定の業務の業務ロジックを画面に表示する画面業務システムを構築する画面業務システム構築方法であって、
前記画面に表示されたコンポーネントに対して利用者によって操作が行われた場合、該操作の内容に応じて、あらかじめ登録された互いに独立した複数の機能単位を任意の順序で組み立て、該機能単位ごとにあらかじめ定義された動作定義情報を前記順序で解釈しながら該機能単位の処理を実行する実行ステップと、
前記実行結果を表示するステップとを有する画面業務システム構築方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画面業務システム構築方法において、
前記実行ステップは、前記動作定義情報のXML(Extensible Markup Language)情報を解釈しながら前記機能単位の処理を実行することを特徴とする画面業務システム構築方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の画面業務システム構築方法において、
前記機能単位の機能概要と実行順序とを表示するステップを有することを特徴とする画面業務システム構築方法。
【請求項7】
画面のレイアウトを構成するオブジェクトであるコンポーネントを表示する画面レイアウト部に表示された前記コンポーネントに対して利用者によって操作が行われた場合、該操作の内容に応じて、あらかじめ登録された互いに独立した複数の機能単位の処理を実行する業務ロジック実行部に、
前記操作が行われた場合、該操作の内容に応じて、前記複数の機能単位を任意の順序で組み立て、該機能単位ごとにあらかじめ定義された動作定義情報を前記順序で解釈しながら該機能単位の処理を実行する実行手順と、
前記実行結果を前記画面レイアウト部に表示させる手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7記載のプログラムにおいて、
前記実行手順は、前記動作定義情報のXML(Extensible Markup Language)情報を解釈しながら前記機能単位の処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記機能単位の機能概要と実行順序とを前記画面レイアウト部に表示させる手順を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−3135(P2011−3135A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147718(P2009−147718)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】