説明

画面表示制御方法およびそのシステム

【課題】
複数の端末がネットワーク接続され、聴講者の操作する前記端末の表示内容を、他の聴講者の端末の表示内容と同期する画面表示制御システムにおいて、聴講者の同期対象として、最適な聴講者を選択し、表示する画面を同期する。
【解決手段】
複数の端末がネットワークを介して接続され、前記端末のうちある端末に表示された画面と同一の画面を他の端末に同期して表示する画面表示制御システムにおいて、聴講者の属性情報に基づき、前記聴講者への影響を与えると推定される他の聴講者を同期対象として選択し、その同期対象の表示する画面を前記聴講者の保持する端末に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の端末がネットワークによって接続され、これらの端末のうちある端末に表示された画面と同一の画面を他の端末に同期して表示する画面制御方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
聴講者がそれぞれ自分の端末を持ち、発表者の端末に表示したページに合わせて、他の聴講者の端末に表示するページを切り替えることで、説明や質疑を行う電子会議システムが、実用化されている。ここで、会議においては、発表者の説明を聞く他に、発表者の説明した内容がわからないため前のページを読み直すなど自分の好きなページを閲覧することもある。しかしながら、こうした電子会議システムは、発表者の表示したページに同期するため、各聴講者が自由に見たいページを見ることができないという問題があった。そこで特許文献1に示される電子会議システムにおける画面表示制御方法、電子会議システム、および画面表示制御プログラムを記録した記録媒体では、説明を聴講する時と、任意のページを閲覧する時とで、モード分けを行い、任意のページを表示できるようにした。
【0003】
【特許文献1】特開2000−92217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の方法においては、ページ同期において、必ずしも発表者のページに合わせることはなく、それ以外の利用方法もある。例えば、研究会において、聴講者の中で研究テーマが近い人のページに同期して表示したいなど、複数の聴講者の中から同期対象を選択する場合には、聴講者の操作が必要となり、手間がかかっていた。
【0005】
本発明では、聴講者が同期相手として、その場で最適な聴講者を選択し、同期することができる複数端末からなる画面表示制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
複数の端末がネットワークを介して接続され、前記端末のうちある端末に表示された画面と同一の画面を他の端末に同期して表示するシステムにおける、聴講者が任意の画面を表示する画面表示制御方法において、聴講者の属性情報に基づき、前記聴講者への影響を与えると推定される他の聴講者を同期対象として選択するステップと、その同期対象の表示する画面を前記聴講者の保持する端末に表示するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の前記端末の中から、聴講者の属性情報ならびに行動特性に基づき、適切な同期対象の端末を選択することにより、円滑に会議・打合せ・研究会を進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例1および実施例2を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明の実施形態のひとつである、社内会議において会議参加者の持つ別の会議参加者のページに同期するシステムとプレイヤに関する構成図である。
【0010】
まず、システムについて説明する。資料を表示する3つの端末M1が、伝送媒体(ネットワーク)M30を経由して、前記端末M1の表示内容を管理する表示管理装置M10に接続されている。前記表示管理装置M10 は、表示する資料を格納する資料テーブルT1000を有する表示内容管理データベースD1、前記端末M1の属性のうち会議中に頻繁に更新されるものを管理する端末状態テーブルT2000および前記端末M1の属性のうち会議中に頻繁に更新されないものを管理する端末固有情報テーブルT2050とを有する端末管理データベースD2、各会議参加者の資料閲覧履歴テーブルT3000を有する行動特性管理DBを扱う。各データベースおよび各テーブルは、記憶装置内に蓄積される。前記表示管理装置M10は、同期対象を選択するための基準となる情報を保持する情報源管理装置M20と伝送媒体M31を経由して接続される。情報源管理装置M20は、会議参加者テーブルT10000を有する情報源データベースD10を扱う。また、前記表示管理装置M10は、表示する資料を登録する表示内容登録端末M40とも前記伝送媒体M30を介して接続される。
【0011】
ここで、端末M1には、メモリ性のある表示が可能な電子ペーパーを想定するが、ノートPCやデスクトップPC、PDAを利用してもよい。伝送媒体M30は無線LANを想定するが、有線LANでもよく、VPNを利用しセキュリティへの配慮があれば、WANでもかまわない。また、伝送媒体M31は、有線LANを想定するが、VPNを利用したWANでもよい。あるいは、前記表示管理装置M10と前記情報源管理装置M20を同一のハードウェアで構成してもよい。
【0012】
次に、プレイヤについて説明する。発表者P1、被同期者P2、同期者P3はそれぞれ会議の参加者であり、発表者P1は会議でプレゼンを行い、同期者P3は被同期者P2の表示するページを同期して表示したいと考えているものとする。表示内容登録者P4は、会議が始まる前に資料を前記表示管理装置M10に登録する。ここで、前記表示内容登録者P4は、前記発表者P1と同一人物であってもよい。
【0013】
図2は、前記端末M1のハードウェア構成図である。端末は、会議参加者に表示内容を表示する表示装置H105、会議参加者からの操作要求を受け付ける入力装置H101、前記表示管理装置M10より表示内容に関する指示や報告、資料の取得の通信を行う通信装置H104、表示する資料を格納する記憶装置H102、および、これらの機器を制御する制御装置H103にて構成される。
【0014】
ここで、前記入力装置H101には、ページの遷移を受け付けるための、ページ送りボタン、ページ戻しボタンと、端末の動作モードを変更するモード変更スイッチを有する。なお、端末の動作モードは、発表者の表示するページに同期する共有モード、会議参加者が自由に閲覧する閲覧モード、会議参加者が自由に閲覧しかつ他の人に見ているページを知られない秘密モード、任意の会議参加者の表示するページに同期する同期モード、共有モードに設定する端末に対してページ同期される発表モードの5つとする。
【0015】
図3は、前記端末M1のソフトウェア構成図である。会議参加者からの入力を受け付ける入力受付F101、 前記表示管理装置M10より表示内容に関する指示や報告、資料の取得の通信を行う通信F102、表示部に表示する内容を切り替える表示内容変更F103、前記表示管理装置M10より資料の取得を行う資料取得F104の4つの機能を有する。
【0016】
図4は、前記表示管理装置M10のハードウェア構成図である。前記表示管理装置M10は通常のサーバ・PCを示す、キーボード・マウスを想定する入力装置H1001、ハードディスクやメモリを想定する記憶装置H1002、CPUを示す制御装置H1003、有線のイーサネット(登録商標)を示す通信装置H1004、ディスプレイを示す表示装置H1005にて構成される。
【0017】
図5は、前記表示管理装置M10のソフトウェア構成図である。前記端末M1や前記情報源管理装置M20とのデータ交換のための通信F1001、前記端末M1に表示する資料の登録や配信を行う資料管理F1002、前記端末M1の所有者を管理する端末管理F1003、他の会議参加者に同期させる際の、同期対象選択F1004、それぞれの前記端末M1に表示するページの指示と報告受けを行う表示ページ管理F1005を有する。
【0018】
図6のフロー図に沿って、前記同期者P3が保持する端末M1−3に、前記被同期者P2の表示するページを同期して表示する処理の概略を述べる。この処理は、前記同期者P3が前記端末M1-3を同期モードに設定する処理をモード設定処理A1、前記非同期者P2の行ったページ遷移への同期処理A100の2つの処理に分けることができる。
【0019】
まず、モード設定処理A1に関して概要を説明する。前記同期者P3は手持ちの前記端末M1に被同期者P2が表示するページを同期して表示させるため、前記端末M1-3に同期モード切り替え要求A5を行う。同期モードに切り替ええられた前記端末M1は、前記表示管理装置M10に対して、モード切り替え通知A10を送信する。モード切り替え通知A10を受け取った前記表示管理装置M10は、前記情報源管理装置M20より、同期対象を選択する基準となる情報を取得A15する。前記表示装置M10は取得した情報を元に同期対象を選択し、表示すべきページを決定後、前記端末M1-3に通知する。
【0020】
次に、同期処理A100に関して概要を説明する。前記被同期者が表示するページを切り替ええるため、前記表示端末M1-2にページ遷移要求A105を行う。ページ遷移要求A105を受けた前記端末M1-2は、前記表示管理装置M10に対して、ページ遷移通知A110を送信する。ページ遷移通知A110を受けたM10表示管理装置M10は、同期者P3の扱う端末M1-3が端末M1-2と同期するよう、ページ遷移要求A115を送付する。
【0021】
図7に、資料テーブルT1000を示す。資料テーブルT1000においては、資料を一意に識別するIDである資料IDT1001をキーとしてレコードを保持する。レコードごとに、資料の名称T1002、資料を構成するページ数を示す最大ページT1003、パワーポイントファイルなどの資料のデータファイルを示す、資料データT1004、資料がデータベースに登録・更新された日時を示す更新日時T1005で構成される。
【0022】
図8に、端末状態テーブルT2000を示す。端末状態テーブルT2000においては、端末を一意に識別するIDである端末IDT2001をキーとしてレコードを保持する。レコードごとに、格納する資料のIDである資料IDT2002、表示中の資料のページ番号を示す表示ページT2003、表示中の資料のページの表示を開始した日時である表示開始日時T2004、端末に設定された動作モードT2005、動作モードを同期モード、共有モードとしたときの同期対象の端末IDを示す同期対象T2006を保持する。なお、動作モードが閲覧モード、秘密モード、発表モードの場合には、同期対象はNULLを指定する。
【0023】
図9に、端末固有情報テーブルT2050を示す。端末固有情報テーブルT2050においては、端末を一意に識別するIDである端末IDT2001をキーとしてレコードを保持する。レコードごとに、端末の所有者を示すユーザIDT2052、端末の通信先を示すIPアドレスT2053を保持する。なお、利用されない端末に関しては、ユーザIDT2052はNULLを指定する。
【0024】
図10に、資料閲覧履歴テーブルT3000を示す。資料閲覧履歴テーブルT3000においては、会議参加者を一意に識別するIDであるユーザIDT3001をキーとしてレコードを保持する。レコードごとに、表示したページを指定するのに必要な、資料IDT3002と表示した資料内のページを示す表示ページIDT3003、表示開始日時T3004、ページを表示した期間を示す表示時間T3005、表示開始日時における前記端末M1の動作モードT3006を保持する。
【0025】
図11に、会議参加者テーブルT10000を示す。会議参加者テーブルT10000においては、会議参加者を一意に識別するIDであるユーザIDT10001をキーとしてレコードを保持する。レコードごとに、参加者の氏名を示すユーザ名称T10002、参加者の所属する会社を示す会社名T10003、参加者の会社内での所属する部署を示す所属部署T10004、参加者の会社内での地位を示す役職T10005を保持する。
【0026】
会議を開始する前に、表示管理装置M10に登録する。表示内容登録者P4は、表示内容登録端末M40より、資料を表示管理装置M10の資料管理機能F1002を利用し、資料をアップロードする。アップロードされた資料は、資料テーブルT1000に格納される。
【0027】
その後、会議参加者が会議室に来て端末M1の電源を立ち上げる。電源を立ち上げると、端末M1は表示管理装置M10に資料のダウンロード要求を出す。資料のダウンロード要求を受けた表示管理装置M10は、図12に示すフローで資料を配信する。まず、ダウンロード要求を受け付けた際に、端末M1より端末ID、表示中の資料の資料ID、表示中のページ番号、資料の更新日時を取得する(S10003)。ダウンロード要求のあった端末M1への資料の配信の要否を調べるため、端末状態テーブルT2000を、取得した端末IDをキーとして検索し、資料IDT2002を取得し、その資料の更新日時T1005を資料テーブルT1000より取得する。端末IDが異なる場合、あるいは、資料が更新されていた場合は、資料の配信が必要と判断し、資料を端末M1に配信する。
【0028】
こうして、会議参加者の端末M1全てに同一の資料が格納される。会議が始まると、発表者は発表し、会議の参加者は発表者が説明中のページを閲覧しながら、発表者がプレゼンを聞く。このとき、発表者より他の参加者がどこを見ているか気になる場合がある。たとえば、発表が終わった後の質疑応答のときに、自分の上司とまったく知らない人が挙手し、まったく知らない人が質問することになった場合があげられる。
【0029】
このとき、他の参加者が閲覧中のページに同期させて自分の端末M1に資料を表示させるため、会議参加者は自分の端末M1の動作モードを同期モードに変更する。端末M1は、動作モードが切り替えられると、表示管理装置M10に動作モードが切り替わった旨を通知する。動作モード切り替え通知を受けた表示管理装置M10は、図13に示すフローで、動作モードの変更を受け付ける。まず、端末M1の動作モードが何かを判断し(S10103)、端末状態テーブルT2000に登録する。すなわち、同期モードであれば会議参加者の中から同期対象T2006を選択する(S10150)。閲覧モード、秘密モード、発表モードであれば同期させないため、同期対象T2006はなしと登録する(S10110)。共有モードであれば、同期対象T2006に発表者を登録する(S10105)。また、それぞれの動作モードT2005を登録する。
【0030】
同期対象を選択処理S10150として、参加者の属性を利用した例を、図14を利用し、詳細に説明する。まず、同期を要求した参加者:同期者P3を、端末IDを検索条件として、端末固有情報テーブルT2050から検索し、ユーザIDを取得する。同期者P3のユーザIDを検索条件として、会議参加者テーブルT10000より、会社名T10002、所属部署T10003、役職T10005を取得する。これらの属性のうち、検索条件として会社名T10002、所属部署T10003を検索条件として、再度会議参加者テーブルT10000を参照し、同期対象の候補を取得する(S10156)。つまり、会社名T10002および所属部署T10003が一致するレコードを検索する。ここで、同期対象の有無を判断する(S10159)。複数の会議参加者がいる場合は、役職T10005が同期者よりも上の人で最も職位の低い人を選択する(S10162)。役職に対応して順位を付加しておくのが好ましい。これにより、自分の直属の上司に同期して資料を見ることができ、指示内容を事前に想定し、指示を受けたときにより具体的なことまで決められるようになる。なお、該当する会議参加者がいない場合は、会議参加者の行動特性が類似する人を選択する(S10165)。例えば、資料閲覧履歴テーブルT3000を参照し、過去の会議において閲覧モードで同一のページを表示した期間が最も長い人を選択する。これにより、思考の過程や興味の対象が似た人に同期して資料を見ることができる。
【0031】
なお、この同期対象の選択方法として、役職T10005が最も高い人を選択すれば、自分の関連部署の最高責任者に同期して資料を見ることができる。また、役職T10005が同期者P3よりも低い人で最も職位の高い人を選択すれば、自分の直属の部下に同期して資料を見ることができ、会議の質疑において、部下が質問をする前に部下の質問内容を想定し、フォローする方法を事前に考えておくことが可能になる。
【0032】
また、社内会議では、グループ会社に対して委託開発を行うこともある。こうしたときには、会社間の関係、部署間の関係を利用して、委託元の会社、あるいは委託元の部署の職位が上の人を選択することで、委託元の責任者に同期して資料を見ることができ、委託先に何を要求してくるかを事前に予測することができる。
【0033】
また、会議参加者の行動特性として、会議中の発言履歴を利用しても良い。発言履歴の一例としては、端末M1に追加した音声取得装置を利用して取得した発言日時がある。この発言履歴の多い人に同期することで、会議の中心人物に同期して資料を見ることができる。
【0034】
次に、被同期者P2がページ操作を行ったときの処理を、図15、図16を利用して説明する。図15は端末M1の処理である。ページ遷移要求を被同期者P2より受け付けると、指定されたページが端末に存在するかどうかを確認する(S1003)。ページが存在する場合は、指定されたページを端末M1の表示装置H105に表示し(S1005)、ページを切り替えた旨、および表示中のページを表示管理装置M10に通知する(S1007)。
【0035】
表示管理装置M10は、端末M1からのページ遷移通知とともに、端末IDを受け取ると、端末状態テーブルT2000にある、該当する端末M1のデータを、資料閲覧履歴テーブルT3000に移行する。このとき、端末固有情報テーブルT2050を参照して取得したユーザIDT2052をユーザIDT3001に、現在時刻と表示開始日時T2004の差分を表示時間T3005として登録する(S10003)。動作モードを判定し(S10005)、取得した端末IDを検索条件として、端末M1の動作モードを端末状態テーブルT2000より取得する。発表モードあるいは閲覧モードの場合には、ページ遷移通知のあった端末M1の端末IDを同期対象とした検索条件により、端末状態テーブルT2000を検索し、ページの切り替えが必要な端末を取得する。ページの切り替えが必要な端末に対しては、表示するページ番号とともにページ遷移要求を出す。
【0036】
なお、本実施例では、複数の端末M1と表示管理装置M10による構成であったが、M10が保持する機能を各端末に持たせ、端末間でのアドホック通信により、本機能を実現してもよい。
【実施例2】
【0037】
実施例1では、人数がさほど多くならないことが予想される社内会議を取り上げた。実施例2では、学会の講演会など人数が不特定多数になる場合を想定する。このとき、会議参加者の人数が多くなると、同期対象の検索に時間がかかりページが同期されるまでに時間がかかり利便性が損なわれるため、同期対象の選択範囲の絞込みを行う。会議は着席して参加することが多く、遠くの人の行動に関しては認知しづらいことから、本変形例では会議参加者の位置に基づき同期対象の選択範囲のフィルタリングを行う。以下、重複説明を避けるため、実施例1と変更のある部分のみ説明する。
【0038】
図17は、端末M1のハードウェア構成図である。端末M1の位置を会議参加者の所在地とみなすこととし、端末の位置を検出する位置検出装置H106を追加する。位置検出装置H106としては、GPSを利用してもよく、アクティブタグを利用してよい。
【0039】
図18は、端末M1のソフトウェア構成図である。端末M1の位置を検出し、表示管理装置M10に通知する位置通知する位置通知F105を追加する。位置通知F105は、ある一定間隔でのポーリングで実行してもよく、表示管理装置から位置の取得要求があったときに通知してもよい。
【0040】
図19は、端末状態テーブルT2000を示す。端末M1の位置を管理するために、北緯T2007、東経T2008のフィールドを追加する。
【0041】
図20は、端末M1の動作モードが切り替えられたときの、処理を示す。同期対象を選択する前に、同期対象の選択範囲の絞込みS10130を追加する。
【0042】
図21は、同期対象の選択範囲の絞込み処理の詳細を示す。同期対象を絞り込むため、北緯T2007・東経T2008より、端末M1間の距離を計算し、距離が一定値以下の会議参加者を同期対象候補として選択する(S10136)。学会の講演会では、距離の一定値は、数十m程度である。距離だけでなく、所定の範囲内の方向も選択指標としてもよい。なお、距離が近い順にある一定数だけを同期対象候補として選択してもよい。これにより、会議において、近くの席にいる人のみを同期対象として選択することができる。
【0043】
また、こうした学会の講演会においては、会議参加者の属性情報として、投稿論文の共著関係やキーワードを利用しても良い。共著関係にある会議参加者や、投稿論文のキーワードが類似する会議参加者を同期対象として選択すれば、興味の対象が似た人に同期して資料を見ることができ、その後の議論を活発に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
社内外の会議における質疑応答など、会議の発表者と異なる人に注意を払う場合に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を社内会議に適用した場合のシステムとプレイヤの構成の一例を示す図である。(実施例1)
【図2】本発明を社内会議に適用した場合の、会議参加者が利用する端末のハードウェア構成の一例を示す図である。(実施例1)
【図3】本発明を社内会議に適用した場合の、会議参加者が利用する端末のソフトウェア構成の一例を示す図である。(実施例1)
【図4】本発明を社内会議に適用した場合の、会議参加者が利用する端末の表示内容を管理する装置のハードウェア構成の一例を示す図である。(実施例1)
【図5】本発明を社内会議に適用した場合の、会議参加者が利用する端末の表示内容を管理する装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。(実施例1)
【図6】本発明を社内会議に適用した場合の、会議参加者が他の会議参加者に表示するページを同期するよう選択したときに行う処理、並びに、ページを同期する処理のフローの一例の概要を示す図である。(実施例1)
【図7】本発明を社内会議に適用した場合の、会議で利用する資料を管理するテーブルの一例を示す図である。(実施例1)
【図8】本発明を社内会議に適用した場合の、会議参加者が利用する端末の状態を管理するテーブルの一例を示す図である。(実施例1)
【図9】本発明を社内会議に適用した場合の、端末の固有情報を管理するテーブルの一例を示す図である。(実施例1)
【図10】本発明を社内会議に適用した場合の、会議参加者の資料の閲覧履歴を管理するテーブルの一例を示す図である。(実施例1)
【図11】本発明を社内会議に適用した場合の、会議参加者の属性を管理するテーブルの一例を示す図である。(実施例1)
【図12】本発明を社内会議に適用した場合の、会議で利用する資料の登録を受け付けたときの表示管理装置M10の処理の流れの一例を示す図である。(実施例1)
【図13】本発明を社内会議に適用した場合の、会議参加者が利用する端末の動作モードが切り替わったときの表示管理装置M10の処理の流れの一例を示す図である。(実施例1)
【図14】本発明を社内会議に適用した場合の、利用する端末の動作モードが同期モードに切り替わったときの、表示管理装置M10が同期対象を選択する処理の流れの一例を示す図である。(実施例1)
【図15】本発明を社内会議に適用した場合の、閲覧モードで会議参加者がページ遷移を行ったときの、端末M1の処理の流れの一例を示す図である。(実施例1)
【図16】本発明を社内会議に適用した場合の、閲覧モードで会議参加者がページ遷移を行ったときの、端末M1の処理の流れの一例を示す図である。(実施例1)
【図17】本発明を学会の講演会に適用した場合の、会議参加者が利用する端末のハードウェア構成の一例を示す図である。(実施例2)
【図18】本発明を学会の講演会に適用した場合の、会議参加者が利用する端末のソフトウェア構成の一例を示す図である。(実施例2)
【図19】本発明を学会の講演会に適用した場合の、会議参加者が利用する端末の状態を管理するテーブルを示す図である。(実施例2)
【図20】本発明を学会の講演会に適用した場合の、会議参加者が利用する端末の動作モードが切り替わったときの表示管理装置M10の処理の流れの一例を示す図である。(実施例2)
【図21】本発明を学会の講演会に適用した場合の、利用する端末の動作モードが同期モードに切り替わったときの、表示管理装置M10が同期対象の選択範囲を絞り込む処理の流れの一例を示す図である。(実施例2)
【符号の説明】
【0046】
M1:端末、M10:表示管理装置、M20:情報源管理装置、M30:伝送媒体、M31:伝送媒体、M40:表示内容登録端末、P1:会議参加者(発表者)、P2:会議参加者(被同期者)、P3:会議参加者(同期者)、P4:表示内容(登録者)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末がネットワークを介して接続され、前記端末のうちのある端末に表示された画面と同一の画面を他の端末に同期して表示するシステムにおける、聴講者が任意の画面を表示する画面表示制御方法において、
聴講者の属性情報に基づき、前記聴講者への影響を与えると推定される他の聴講者を同期対象として選択するステップと、
その同期対象の表示する画面を前記聴講者の保持する端末に表示するステップを有することを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項2】
請求項1記載の画面表示制御方法において、
前記聴講者の属性情報は、静的情報に基づくことを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項3】
請求項2記載の画面表示制御方法において、
前記聴講者の静的情報は、前記聴講者間との関係の深さであることを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項4】
請求項2記載の画面表示制御方法において、
前記聴講者の静的情報は、ステータスの高さであることを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項5】
請求項1記載の画面表示制御方法において、
前記聴講者の属性情報は、聴講者の行動特性に基づくことを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項6】
請求項5記載の画面表示制御方法において、
前記聴講者の行動特性は、聴講者の閲覧履歴に基づく、ページ閲覧時間・順序の類似度合いであることを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項7】
請求項5記載の画面表示制御方法において、
前記聴講者の行動特性は、聴講者の発言履歴に基づく、発言の多さであることを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項8】
請求項1記載の画面表示制御方法において、
聴講者の位置情報に基づき、所定の範囲内の聴講者のみを同期対象の候補として絞り込むステップを有する画面表示制御方法。
【請求項9】
請求項1記載の画面表示制御方法において、
同期されることを拒否する聴講者を同期対象から除外するステップを有することを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項10】
前記端末のうちある端末に表示された画面と同一の画面を他の端末に同期して表示する機能と、聴講者が任意の画面を表示する機能を有するシステムにおいて、
聴講者の属性情報に基づき、聴講者への影響を与えると推定される同期対象を選択する手段と、
その同期対象の端末が表示する画面と同じ画面を前記聴講者の持つ端末に表示する手段とを有することを特徴とする画面表示制御システム。
【請求項11】
請求項10記載の画面表示制御システムにおいて、
前記聴講者の属性情報は、聴講者の静的情報であることを特徴とする画面表示制御システム。
【請求項12】
請求項11記載の画面表示制御システムにおいて、
前記聴講者の静的情報は、前記聴講者間との関係の深さであることを特徴とする画面表示制御システム。
【請求項13】
請求項11記載の画面表示制御システムにおいて、
前記聴講者の静的情報は、ステータスの高さであることを特徴とする画面表示制御システム。
【請求項14】
請求項10記載の画面表示制御システムにおいて、
前記聴講者の属性情報は、聴講者の行動特性に基づくことを特徴とする画面表示制御システム。
【請求項15】
請求項14記載の画面表示制御システムにおいて、
前記聴講者の行動特性は、聴講者の閲覧履歴に基づく、ページ閲覧時間、順序の類似度合いであることを特徴とする画面表示制御システム。
【請求項16】
請求項14記載の画面表示制御システムにおいて、
前記聴講者の行動特性は、聴講者の発言履歴に基づく、発言の多さであることを特徴とする画面表示制御システム。
【請求項17】
請求項10記載の画面表示制御システムにおいて、
聴講者の位置情報に基づき、所定の範囲内の聴講者のみを同期対象の候補として絞り込む手段を有することを特徴とする画面表示制御システム。
【請求項18】
請求項10記載の画面表示制御システムにおいて、
同期されることを拒否する聴講者を同期対象から除外する手段を有することを特徴とする画面表示制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−67108(P2010−67108A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234194(P2008−234194)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】