説明

界磁磁石として永久磁石を用いても減磁や脱磁が起こり難いDCモーター

【課題】本発明では、電機子の作る磁束と界磁磁石の磁束とが平行であり磁気回路の構成が容易であって、なおかつ界磁磁石に永久磁石を用いても、減磁や脱磁を起こし難い仕組みを作ることが課題である。
【解決手段】回転ダクトの円周部周辺上のアキシャル方向かラジアル方向の少なくともいずれか一ヵ所の表面付近に界磁磁石の配設場所を正確に把握して通電と遮断ができる装置を取付け、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときの電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
地形地物や機体や車体などのプラットホームに対して静止していて電機子を配設したシュラウドと、シュラウドに対して回転して界磁磁石を配設した回転ダクトとの組合せで構成されたDCモーターにおいて、界磁磁石に永久磁石を用い、界磁磁石の磁束と集中巻の電機子の磁束とが平行した磁界となる場合に電機子に強大な電力を印加しても、永久磁石の減磁や脱磁が起こり難い特徴を有するDCモーターを、電機子への電力印加の際のタイミング規制によって実現するための技術に関する。

【背景技術】
【0002】
直流を電源とする電動機やリニアモーターやアクチュエーターでは、界磁磁石と電機子との両磁石間の反発力や引力を利用するものが、大多数である。この場合の界磁磁石に永久磁石を用いた場合は、効率を考えて界磁磁石と電機子との磁心が一致するときに電機子に電力を印加していくことが多い。しかし、その印加の方法では、界磁磁石として使用した永久磁石へ電磁石に生じる強力な磁束が影響して、永久磁石の減磁や脱磁を生じ、モーターやアクチュエーターとしての機能を失うことがある。したがって、このように電機子に発生する磁束の方向と永久磁石が有する磁束の方向とが一致するようなモーターの利用の範囲は、比較的小電力で回す小型モーターに限定される。これに対し、界磁磁石と電機子間の反発力や引力ではなくて、ローレンツ力(フレミングの左手の法則)を直接用いて駆動することによって、電機子には強力な磁界が発生しないようにして、界磁磁石に永久磁石を用いても減磁や脱磁を起こり難い構造とするものもある。また、少数ではあるが、電機子に磁界を生じても、界磁磁石としての永久磁石に磁束を当てない方法、例えば、電機子をリング状の鉄心等にトロイダル状に導線を巻回して、磁石間の反発力や引力は一切用いずに、ローレンツ力のみでモーターに駆動力を与えるものもある。このように導線をトロイダルに巻回することによって界磁磁石の磁束の向きと電機子が作る磁束の向きとが約90°異なるものをトロイダルモーターとすれば、トロイダルモーターにはどのような強電力を印加しても、磁束はトロイダルコイルの中に封じ込まれていて界磁磁石の磁束と平行することがないので、界磁磁石として使用した永久磁石を減磁させたり脱磁させることはなく、強力なパワーを必要とする電気自動車に使用されることがある。
【0003】
特許文献5や特許文献9や特許文献11は、ローレンツ力を直接用いて駆動するリニアモーターである。界磁磁石の磁界と導線内の電流との相互作用で駆動するための電機子なので、構造的に強力な磁束を発生させなくても良いので、電機子への電力印加のタイミングや位置を考えなくても、界磁磁石に永久磁石を用いても減磁や脱磁を急激に起こす心配は少ない。しかしながら、このような印加のタイミングや位置では、導体から出る磁束の影響もあるので、長期間に渡る運用では、永久磁石の減磁の可能性が高い。
【0004】
特許文献10はローレンツ力を直接用いるリニアモーターで、界磁磁石に永久磁石を用いた場合に、永久磁石の減磁や脱磁を防止する配慮をしている。ただし、その方法は、電機子への電力印加のタイミングで行うものではなく、電機子の発生する磁束の経路が、界磁磁石の永久磁石の全体を貫いて、永久磁石の磁束を消してしまうことのないように、電機子の磁束の経路が永久磁石の一部の端部のみを通過するような磁気経路を設けるものである。永久磁石の減磁や脱磁対策としては有効かも知れないが、永久磁石の磁束の一部しか利用できない可能性がある。
【0005】
特許文献4と特許文献6は、リニアモーターに電力を印加する際のタイミングに関する記載がある。リニアモーターの駆動を行う主体となる力は、特許文献4は、界磁磁石と電機子間の反発力と引力であり、特許文献6は、界磁磁石の磁界の中での電機子への印加電流に起こるローレンツ力の直接利用である。いずれも、駆動力が最大の力を発揮するために適切なタイミングについて記載したものであって、界磁磁石に永久磁石を用いた場合の減磁対策や脱磁対策を考慮したものにはなっていない。
【0006】
特許文献1と特許文献8とは、界磁磁石の配置と電機子の構造の一部が本発明と類似性があるものであって、特許文献2と特許文献3とは、界磁磁石の配置と電機子の形状が本発明と類似するものである。特許文献12と特許文献13とは、界磁磁石と電機子の形状が本発明と類似するばかりでなく、電機子への電力印加時期を決めるための位置検知装置の記載もあるが、位置検知装置は発生推力に寄与するためのものであって、界磁磁石に永久磁石を用いた際の減磁や脱磁対策については考慮されていない。この中で、特許文献2には、駆動力として「フレミングの左手の法則」を用いる目的で2組の互いに向きが異なる界磁磁石が1つの電機子上に同時に乗る場合の図が示してあるが、そのための具体的な電力印加手段や方法については記述されていない。また、形状や構造が類似する特許文献1と特許文献2と特許文献3と特許文献8と、タイミングに関する特許文献4と特許文献6とを、当業者が併せ考察したとしても、さらには、形状が類似した上にタイミングに関する位置検知装置を有している特許文献12と特許文献13とを考慮しても、永久磁石の減磁や脱磁防止を目的とした電力印加を行う際の具体的手段としてのタイミングやそれを行う装置の取付場所までを想起容易である、とは言えない。
【0007】
特許文献7や特許文献14や特許文献15や特許文献16や特許文献17は、トロイダルモーターの例であって、電機子に発生する磁束は、トロイダルコイルの中から外部へはほとんど漏れないし、かつ、磁束の向きも界磁磁石の磁束と平行することがない。よって、界磁磁石に永久磁石を用いても、電機子に発生する磁束で永久磁石を減磁したり脱磁することはない。ただし、通常のトロイダルモーターは、特許文献7や特許文献14や特許文献17のように、電機子に対して永久磁石の磁極の一方向のみ、例えば、N極のみを向けているため、永久磁石の両極間の磁束の帰還を目的とした磁気回路の構成が著しく困難である。したがって、永久磁石は電機子からの減磁や脱磁作用は受けないけれども、トロイダルモーターに用いられた永久磁石は長期間における自然減磁が起こり易い。これに対し、特許文献15と特許文献16とは、電機子側に向いている永久磁石の磁極がNとSの両極がある特別な構造を有している。このため、永久磁石の両極間の磁束の帰還のために磁気回路形成は容易である。このような特別な構造でも駆動力を得られるためには、電機子コイルの一方と他方との間に磁気遮蔽を行う特別な物質を挟み込んだり、電機子上の導線の周囲に磁気が通過する濃淡ができるか遮蔽ができる物質で覆うことによって、導線への磁束の通過を選択的に行う仕組みを構成している。しかしながら、電機子コイルがトロイダルなまま界磁磁石の向きがN、Sの両極あるということは、駆動のための力が回転面に対して両方向で存在することとなって、回ったとしても磁束の通過制限の効果によって出た力の差分の部分のみとなるので、大きな駆動力を得ることは著しく難しい。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−093254号公報
【特許文献2】特許第4264961号公報
【特許文献3】特開2008−159847号公報
【特許文献4】特開2005−261135号公報
【特許文献5】特開2004−248400号公報
【特許文献6】特開2004−242488号公報
【特許文献7】特開2004−040991号公報
【特許文献8】特開2003−158865号公報
【特許文献9】特開2002−325421号公報
【特許文献10】特開平11−164543号公報
【特許文献11】特開平08−103063号公報
【特許文献12】特開平07−322597号公報
【特許文献13】特開平07−322595号公報
【特許文献14】特開平06−26147号公報
【特許文献15】特開平05−227735号公報
【特許文献16】特開平05−227712号公報
【特許文献17】特開平02−123956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電機子の作る磁束が界磁磁石と90°異なっているトロイダルコイルは、界磁磁石に永久磁石を用いても電機子からの磁束の影響を受けて減磁や脱磁を起こすことはないが、永久磁石の磁束が環流できる磁気回路の構成が困難である。電機子の作る磁束に平行して界磁磁石の磁界を作る一般に多く用いられる通常のモーターでは、界磁磁石に永久磁石を用いた場合、磁束の環流のための磁気回路の構成は容易であるが、電機子に電力を印加すると永久磁石の磁束の中心部に電機子コイルの磁心が重なった際に、永久磁石の減磁や脱磁を起こし易い。本発明では、電機子の作る磁束と界磁磁石の磁束とが平行であり磁気回路の構成が容易であって、なおかつ界磁磁石に永久磁石を用いても、減磁や脱磁を起こしにくい仕組みを作ることが課題である。

【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、特許文献2にあるようなシュラウド上に集中巻きの電機子コイルがあり、任意の1コの電機子コイル上に互いに向きの異なる永久磁石の界磁磁石が同時に2組乗ることができる構造を有する電機子コイルを「プッシュプル」型の電機子とするとき、回転ダクトの円周部周辺上のアキシャル方向かラジアル方向の少なくともいずれか一ヵ所の表面付近に、界磁磁石の配設場所を正確に把握して通電と遮断ができる装置を取付け、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときに電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを構成する。

【発明の効果】
【0011】
本発明で開示された仕組みを、地形地物や機体や車体などのプラットホームに対して静止していて電機子を配設したシュラウドと、シュラウドに対して回転して界磁磁石を配設した回転ダクトとの組合せで構成されたDCモーターの回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分かアキシャル方向表面部分のいずれか一方に、界磁磁石の位置と向きとを正確に把握できる装置を構成して、界磁磁石に永久磁石を用いた際の「プッシュプル」型の電機子への電力印加のタイミングに適用すると、「プッシュプル」型の電機子上に界磁磁石が1コしかない場合、すなわち、界磁磁石の磁心と電機子の磁心とが一致する周辺での電力印加がないので、界磁磁石に永久磁石を用いても、永久磁石の減磁や脱磁が起こる危険性が極めて少ない上に、磁石の磁束の環流経路としての磁気回路の形成が容易であることから、磁束の最大限の利用ができ、かつ永久磁石の経年変化による減磁も少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図は、羽根の翼端を回転ダクトで連結し、回転ダクトの外側の外周をシュラウドで覆ったシュラウド付回転翼の平面図の一例である。この例は、界磁磁石と電機子とが直径の方向で向き合うラジアルギャップ型の場合であって、電機子は平面から見えるが、界磁磁石は回転ダクトの円周部外側にあるので、平面からは見えない。ラジアルギャップ型は、直径方向の回転ダクトの伸縮が界磁磁石と電機子との間の間隙に影響を与えない比較的小さな直径の際に限定して用いられる。
【図2】図は、羽根の翼端を回転ダクトで連結し、回転ダクトの外側の外周をシュラウドで覆ったシュラウド付回転翼の平面図の一例である。この例は、界磁磁石と電機子とが回転軸に平行する方向で向き合うアキシャルギャップ型の場合であって、界磁磁石は平面から見えるが、電機子は、回転ダクトの外周部の概ねコの字型した内部に納められているので、平面からは見えない。アキシャルギャップ型は、直径方向の回転ダクトの伸縮が界磁磁石と電機子との間の間隙に影響を与えないので、比較的大きな直径の際に用いられる。
【図3】(A)図は、ラジアルギャップ型の回転ダクトの部分のみを取り出した斜視図である。本発明の実施場所である回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分(SR)と回転ダクトの円周周辺部のアキシャル方向表面部分(AR)とを示している。 (B)図は、アキシャルギャップ型の回転ダクトの部分のみを取り出した斜視図である。本発明の実施場所である回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分(SR)と回転ダクトの円周周辺部のアキシャル方向表面部分(AR)とを示している。
【図4】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。回転ダクトには、異方向で交互に並べられた永久磁石と永久磁石との間を一つおきの交互に連接させた磁気経路兼押さえ板が配設されている。永久磁石の磁束は、この永久磁石と磁気経路兼押さえ板とを経て、回転ダクトの円周部を縫うように一周して環流している。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、シュラウド側から回転ダクト側を見た正面図である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。
【図5】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて銅板等の導体を貼り付け、2本で1組にした導電体ブラシを当接させて整流子機構とした本発明をシュラウド側から見た正面図である。この図では、4組ある導電体ブラシのうちの右上と左下とが銅板等の導体に当接して給電しているところを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図6】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて銅板等の導体を貼り付け、2本で1組にした導電体ブラシを当接させて整流子機構とした本発明をシュラウド側から見た正面図である。この図では、4組ある導電体ブラシの全てが銅板等の導体から離れていて、電力が遮断されていることを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、電力が遮断される。
【図7】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて銅板等の導体を貼り付け、2本で1組にした導電体ブラシを当接させて整流子機構とした本発明をシュラウド側から見た正面図である。この図では、4組ある導電体ブラシのうちの左上と右下とが銅板等の導体に当接して給電しているところを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図8】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のアキシャル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて磁気センサーを設置し、磁気センサーで界磁磁石の位置と磁束の向きとを検知して本発明を実施する際のシュラウド側から見た正面図である。この図では、左側の磁気センサーが界磁磁石のNを感知し、右側の磁気センサーが界磁磁石のSを感知したところを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図9】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のアキシャル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて磁気センサーを設置し、磁気センサーで界磁磁石の位置と磁束の向きとを検知して本発明を実施する際のシュラウド側から見た正面図である。この図では、左右の磁気センサーともに界磁磁石を感知していないので、電力を遮断しているところを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、電力が遮断される。
【図10】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のアキシャル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて磁気センサーを設置し、磁気センサーで界磁磁石の位置と磁束の向きとを検知して本発明を実施する際のシュラウド側から見た正面図である。この図では、左側の磁気センサーが界磁磁石のSを感知し、右側の磁気センサーが界磁磁石のNを感知したところを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図11】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて凹または凸のいずれか一方を構成し、その凹や凸に当接して電力スイッチの断続を行うマイクロスイッチのヒンジ部を当接させた本発明をシュラウド側から見た正面図である。この図では、4組あるマイクロスイッチのうちの右上と左下とが凹または凸に当接して給電しているところを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図12】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて凹または凸のいずれか一方を構成し、その凹や凸に当接して電力スイッチの断続を行うマイクロスイッチのヒンジ部を当接させた本発明をシュラウド側から見た正面図である。この図では、4組あるマイクロスイッチの全てが凹または凸に当接していないので電力を遮断していることを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、電力が遮断される。
【図13】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて凹または凸のいずれか一方を構成し、その凹や凸に当接して電力スイッチの断続を行うマイクロスイッチのヒンジ部を当接させた本発明をシュラウド側から見た正面図である。この図では、4組あるマイクロスイッチのうちの左上と右下とが凹または凸に当接して給電しているところを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図14】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて白色マークを貼り付け、その白色マークを光学センサーで感知して電力スイッチの断続を行う本発明をシュラウド側から見た正面図である。この図では、4組ある光学センサーのうちの右上と左下とが白色マークを感知して給電しているところを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図15】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて白色マークを貼り付け、その白色マークを光学センサーで感知して電力スイッチの断続を行う本発明をシュラウド側から見た正面図である。この図では、4組ある光学センサーの全てが白色マークを感知せず、電力を遮断していることを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、電力が遮断される。
【図16】(A)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合の円周付近の一部断面図である。矢印は回転ダクトの進行方向である。 (B)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分の界磁磁石が配設された位置に合わせて白色マークを貼り付け、その白色マークを光学センサーで感知して電力スイッチの断続を行う本発明をシュラウド側から見た正面図である。この図では、4組ある光学センサーのうちの左上と右下とが白色マークを感知して給電しているところを示している。矢印は、回転ダクトの進行方向である。 (C)図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型の回転ダクトの円周周辺部において、回転ダクトを外して電機子が見える状態にした場合の一部断面の平面図である。給電時の界磁磁石との位置関係が分かるように、回転ダクトの永久磁石のみを取り出して記載してある。この場合には、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図17】図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に回転ダクトの上蓋部を外して、中の「プッシュプル」型の電機子が見えるようにして、回転ダクトの回転に応じて電機子への電力の印加や遮断のタイミングを示したものである。この場合には、「プッシュプル」型の電機子にちょうど界磁磁石の2組とも乗った状態なので、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図18】図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に回転ダクトの上蓋部を外して、中の「プッシュプル」型の電機子が見えるようにして、回転ダクトの回転に応じて電機子への電力の印加や遮断のタイミングを示したものである。この場合には、「プッシュプル」型の電機子の間から、回転ダクトの下蓋部の界磁磁石が見えるように、界磁磁石は1組しか電機子上にないので、電力を遮断しているのを示している。
【図19】図は、回転ダクトがアキシャルギャップ型である場合に回転ダクトの上蓋部を外して、中の「プッシュプル」型の電機子が見えるようにして、回転ダクトの回転に応じて電機子への電力の印加や遮断のタイミングを示したものである。この場合には、「プッシュプル」型の電機子にちょうど界磁磁石の2組とも乗った状態なので、記載した+と−との極性で電力が印加される。
【図20】(A)本発明では、回転ダクト上の界磁磁石の位置と向きとを、回転ダクトの円周部周辺に設置した装置で正確に感知して、電機子への電力の印加と遮断のタイミングを決める。このため、銅板等の導体と導電体ブラシとの組合せでは、2本で1組とする接点を4コ組準備し、磁気センサーでは、2コ組準備し、マイクロスイッチでは、4コ組準備し、光学センサーでは、4コ組準備するのを基本とする。ただし、磁気センサーとマイクロスイッチと光学センサーにおいては、出力をIC回路等の演算装置を経由させることができた場合には、センサー等の数量を半減することができる。図は、磁気センサーのうち回転ダクトの右側か左側のいずれか一方を選択して、IC回路を経由して電力スイッチの断切を行う場合を示している。 (B)図は、マイクロスイッチのうち回転ダクトの円周上の2コ組か、回転ダクトの上下方向の2コ組かのいずれか一方を選択して、IC回路を経由して電力スイッチの断切を行う場合を示している。 (C)図は、光学センサーのうち回転ダクトの円周上の2コ組か、回転ダクトの上下方向の2コ組かのいずれか一方を選択して、IC回路を経由して電力スイッチの断切を行う場合を示している。
【図21】(A)図は、本発明を回転ダクトの翼端部に取り付けたシュラウド付回転翼の例である。 (B)シュラウド付回転翼には、迎角が7〜10°の揚力羽根が用いられる。
【図22】(A)図は、本発明を回転ダクトの翼端部に取り付けた巨大な直径の送風機の例である。 (B)送風機には、迎角が20〜45°の抗力羽根が用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
地形地物や機体や車体に対して静止していて電機子(210)を配設したシュラウド(200)と、シュラウド(200)に対して回転して界磁磁石(111)を配設した回転ダクト(100)との間に構成したDCモーターにおいて、本発明を実施する際には、電機子(210)と界磁磁石(111)との間隙が直径方向に対向する図1のようなラジアルギャップ型と、電機子(210)と界磁磁石(111)との間隙が回転軸と平行する方向にある図2のようなアキシャルギャップ型とがある。シュラウド上に集中巻きの電機子(210)コイルがあるとき、任意の1コの電機子(210)コイル上に互いに向きの異なる界磁磁石(111)が同時に2組乗ることのできる構造は、ラジアルギャップ型でも、アキシャルギャップ型でも同様に実現できる。しかしながら、回転ダクト(100)の直径が大きくなるにしたがって、回転ダクト(100)の伸縮が、ラジアルギャップ型では電機子(210)と界磁磁石(111)との間隙に与える影響が無視できないほど大きくなってきて、素材にもよるがラジアルギャップ型では2〜3mの直径が限界であって、それ以上は、アキシャルギャップ型でないと電機子(210)と界磁磁石(111)との間隙の保持が困難となる。静止したシュラウド(200)と回転する回転ダクト(100)の間にDCモーターを構成するこの仕組みは、直径が大きいほど利点があるので、以下の説明は、アキシャルギャップ型の場合を用いて説明する。
【0014】
地形地物や機体や車体に対して静止したシュラウド(200)上に配設した電機子(210)に、回転する回転ダクト(100)に配設された界磁磁石(111)の位置と向きを感知して電力を印加する仕組みを、図3のラジアルギャップ型の(A)やアキシャルギャップ型の(B)に記載したように、回転ダクト(100)の円周周辺部のラジアル方向の表面部(SR)かアキシャル方向の表面部(SA)かに構成するのが、本発明の特徴である。
【0015】
アキシャルギャップ型で説明すると、本発明で使用する界磁磁石(111)は、比較的小型で棒状の永久磁石をN−S−N−Sに対して、反対側にS−N−S−Nのように交互の配設し、それぞれの永久磁石の界磁磁石(111)は、磁気回路兼押さえ板(112)で一つおきに連接されていて、回転ダクトの上下で見ると、互い違いとなっている。このため、界磁磁石(111)の磁束は、回転ダクト(100)の円周部を縫うように、常時、図4(A)の磁気環流経路(300)のように環流していて、界磁磁石(111)の磁束を強化するとともに、自然界減磁も軽減している。
【0016】
本発明の特徴である界磁磁石(111)の位置と向きを、回転ダクト(100)の円周周辺部で感知して、電機子(210)への電力の印加と遮断を行うために方法は、4つの異なる方法がある。最も基本的な方法が、図5〜図7に示した銅板等の導体(130)と導電体ブラシ(230)とを組み合わせた方法である。
【0017】
図5〜図7の場合は、回転ダクト(100)上に配設した界磁磁石(111)が存在する場所に、銅板等の導体(130)を回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分(SR)の一つおきに貼り付ける。シュラウド(200)側には、この銅板等の導体(130)に接触すると電力を流すことができる導電体ブラシ(230)を2コで1組としたものを4コ組準備する。導電体ブラシ(230)は、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分(SR)を摺動するので、その間に銅板等の導体(130)に出会えば電力を電機子(210)へ印加し、出会わない間は、電機子(210)への電力を遮断する。
【0018】
図8〜図10は、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分(SR)に準備した銅板等の導体(130)と導電体ブラシ(230)との組合せの代わりに、回転ダクトの円周周辺部のアキシャル方向表面部分(SA)に設置した磁気センサー(240)で、電機子(230)への電力印加と遮断とを行う。この場合は、2コの磁気センサー(240)で界磁磁石(111)の位置と向きとを感知して、電力の印加と遮断とを行うものである。磁気センサー(240)にホール素子やフラックスゲートセンサーを用いると、界磁磁石(111)の位置と向きとを同時に知ることができる。
【0019】
図11〜図13は、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分(SR)に、界磁磁石(111)の位置に合わせて一つおきに凹か凸の少なくともいずれか一方を構成する。この凹か凸にシュラウド側に設置した4コのマイクロスイッチ(250)のヒンジ部を摺動させる。マイクロスイッチ(250)のヒンジが凹か凸のいずれかを感知すると電力を印加し、感知しない間は、電力を遮断する。
【0020】
図14〜図16は、回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分(SR)に、界磁磁石(111)の位置に合わせて一つおきに白色マーク(160)を貼り付ける。シュラウド(200)には光学センサー(260)を4コ設置して、白色マーク(160)を感知したら電力を印加し、白色マーク(160)を感知しない間は、電力を遮断する。
【0021】
図17〜図19は、回転ダクト(100)の位置と電力印加の関係を示すため、回転ダクト(100)の上蓋部分を外して記載してある。図17や図19の用に、界磁磁石(111)が、電機子(210)コイル状に2コとも乗っている場合には電力が印加され、図18に回転ダクト(100)の下蓋に見えるように界磁磁石(111)が、電機子(210)コイル上には1コしか載っていない間は、電力を遮断している様子が示されている。
【0022】
回転ダクト(100)上の界磁磁石(111)を感知した場合に電力を印加し、感知しない場合には、電力を遮断する仕組みは、磁気センサー(240)を用いる場合は2コ、マイクロスイッチ(250)を用いる場合は4コ、光学センサー(260)を用いる場合は4コをシュラウド(200)側に設置する必要があった。この場合には、IC回路がなくても、それぞれのセンサーとリレースイッチとの簡単な仕組みで実現できた。しかし、印加する電力の向きをIC回路でカウントして変えてやれば、それぞれのセンサーは、半分の数、すなわち、磁気センサー(240)は1コ、マイクロスイッチ(250)は2コ、光学センサー(260)は2コでも、電機子(210)に対し回転ダクト(100)上の界磁磁石(111)の位置と向きに応じた電力の印加や遮断を実現することができる。
【0023】
本発明の仕組みを有する回転ダクト(100)の内周部に揚力羽根(11)を取り付けてシュラウド付回転翼(10)にすると、電動ヘリコプターを構成することができる。この電動ヘリコプターは、回転翼の中央部に原動機を有する通常のヘリコプターに比べ、直径が大きいほど有利である特徴を有する。
【0024】
本発明の仕組みを有する回転ダクト(100)の内周部に抗力羽根(21)を取り付けて送風機(20)とすることができる。この送風機(20)は、回転翼の中央部に原動機を有する通常の送風機に比べ、直径が大きいほど有利である特徴を有する。

【実施例1】
【0025】
図5〜図16は、地形地物や機体や車体などのプラットホームに対して静止していて電機子を配設したシュラウドと、シュラウドに対して回転して界磁磁石を配設した回転ダクトとの組合せで構成されたDCモーターにおいて、シュラウド上に集中巻きの電機子コイルがあり、任意の1コの電機子コイル上に互いに向きの異なる永久磁石の界磁磁石が同時に2組乗ることができる構造を有する電機子コイルを「プッシュプル」型の電機子とするとき、
回転ダクトの円周部周辺上の界磁磁石の配設場所と合致する位置に取り付けた導電体と、シュラウド側から伸延して導電体に当接する導電体ブラシとから成る整流子機構をもって、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときに電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを有するか、
回転ダクトの円周上に配設された界磁磁石の磁束の強度と向きとを判別できる、例えば、ホール素子やフラックスゲートセンサーからなる磁気センサーをシュラウド側から伸延設置して界磁磁石の位置を感知し、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときに電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを有するか、
回転ダクトの円周部周辺上に、界磁磁石の配設場所と合致する位置に凹または凸の形状を構成し、例えば、ヒンジローラー型かヒンジレバー型のマイクロスイッチをシュラウド側に設置し、マイクロスイッチのヒンジ部を、回転ダクトの凹または凸の形状に当接させて界磁磁石の位置を感知し、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときに電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを有するか、
回転ダクトの円周周辺上の界磁磁石の配設位置と合致する位置に、例えば、白色の薄紙から成るマークを貼り付け、マークの有無と位置とをシュラウド側に設置した光学センサーで捉えて界磁磁石の位置を感知し、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときに電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを有するか、
のいずれか少なくとも一つの電力印加の方法によって、界磁磁石に永久磁石を用い、電機子に強大な電力を印加しても、永久磁石の減磁や脱磁が起こり難い特徴を有するDCモーターの実施例である。

【実施例2】
【0026】
図21は、機体に固定したシュラウドに対して回転する回転ダクトの内周部に、揚力羽根の翼端部を連接して構成したシュラウド付回転翼のうち、実施例1に記載した、電機子に強大な電力を印加しても永久磁石の減磁や脱磁が起こり難い特徴を有するDCモーターを用いて回転ダクトを駆動するシュラウド付回転翼の実施例である。

【実施例3】
【0027】
図22は、建物等の地物に固定したシュラウドに対して回転する回転ダクトの内周部に、抗力羽根の翼端部を連接して構成した送風機のうち、実施例1に記載した、電機子に強大な電力を印加しても永久磁石の減磁や脱磁が起こり難い特徴を有するDCモーターを用いて回転ダクトを駆動する送風機の実施例である。

【産業上の利用可能性】
【0028】
直径が大きいほど有利な本発明のシュラウド付回転翼や送風機では、回転ダクトの円周部のラジアル方向やアキシャル方向に界磁磁石の位置と向きとを正確に感知できる機材を取り付けるスペースが確保できるので、インバータなどの高度かつ高価な機材を用いないでも強力なDCモーターを安価に作製することができる。

【符号の説明】
【0029】
10 シュラウド付回転翼
11 揚力羽根
20 送風機
21 抗力羽根
100 回転ダクト
110 羽根
111 界磁磁石
112 磁気回路兼押さえ板
130 銅板等の導体
150 凹か凸のいずれか一方
160 白色マーク
200 シュラウド
210 電機子
220 カムフォロア
230 導電体ブラシ
240 磁気センサー
250 マイクロスイッチ
260 光学センサー
300 磁気の環流経路
SR 回転ダクトの円周周辺部のラジアル方向表面部分
SA 回転ダクトの円周周辺部のアキシャル方向表面部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
地形地物や機体や車体などのプラットホームに対して静止していて電機子を配設したシュラウドと、シュラウドに対して回転して界磁磁石を配設した回転ダクトとの組合せで構成されたDCモーターにおいて、シュラウド上に集中巻きの電機子コイルがあり、任意の1コの電機子コイル上に互いに向きの異なる永久磁石の界磁磁石が同時に2組乗ることができる構造を有する電機子コイルを「プッシュプル」型の電機子とするとき、
回転ダクトの円周部周辺上の界磁磁石の配設場所と合致する位置に取り付けた導電体と、シュラウド側から伸延して導電体に当接する導電体ブラシとから成る整流子機構をもって、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときに電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを有するか、
回転ダクトの円周上に配設された界磁磁石の磁束の強度と向きとを判別できる、例えば、ホール素子やフラックスゲートセンサーからなる磁気センサーをシュラウド側から伸延設置して界磁磁石の位置を感知し、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときに電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを有するか、
回転ダクトの円周部周辺上に、界磁磁石の配設場所と合致する位置に凹または凸の形状を構成し、例えば、ヒンジローラー型かヒンジレバー型のマイクロスイッチをシュラウド側に設置し、マイクロスイッチのヒンジ部を、回転ダクトの凹または凸の形状に当接させて界磁磁石の位置を感知し、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときに電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを有するか、
回転ダクトの円周周辺上の界磁磁石の配設位置と合致する位置に、例えば、白色の薄紙から成るマークを貼り付け、マークの有無と位置とをシュラウド側に設置した光学センサーで捉えて界磁磁石の位置を感知し、1コの「プッシュプル」型の電機子上に2組とも界磁磁石が存在するときに電機子に電力を印加し、1コの「プッシュプル」型の電機子上には1組の界磁磁石しか存在しないときには、電力を遮断して印加しない仕組みを有するか、
のいずれか少なくとも一つの電力印加の方法によって、界磁磁石に永久磁石を用い、電機子に強大な電力を印加しても、永久磁石の減磁や脱磁が起こり難い特徴を有するDCモーター。

【請求項2】
機体に固定したシュラウドに対して回転する回転ダクトの内周部に、揚力羽根の翼端部を連接して構成したシュラウド付回転翼のうち、請求項1に記載した、電機子に強大な電力を印加しても永久磁石の減磁や脱磁が起こり難い特徴を有するDCモーターを用いて回転ダクトを駆動するシュラウド付回転翼。

【請求項3】
建物等の地物に固定したシュラウドに対して回転する回転ダクトの内周部に、抗力羽根の翼端部を連接して構成した送風機のうち、請求項1に記載した、電機子に強大な電力を印加しても永久磁石の減磁や脱磁が起こり難い特徴を有するDCモーターを用いて回転ダクトを駆動する送風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−99052(P2013−99052A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238147(P2011−238147)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(502303544)
【Fターム(参考)】