説明

留守番電話装置

【課題】 受信者ごとの用件メッセージの聞き逃しを防止し、かつ再生時の操作が簡素化された留守番電話装置を提供する。
【解決手段】 親機10と第1および第2子機30,40とを含む留守番電話装置10であって、各子機30,40特有のID番号によって、各子機30,40を識別し、この子機30,40ごとの再生確認情報と録音データとをメモリ12内に蓄積して、各子機30,40を使用する人がそれぞれ個別に確認を取りながら、再生を進めることによって、子機30,40毎に録音データの管理を適切に行う。たとえば、ある録音データが第1子機30で再生されても、その録音データは、他の子機である第2子機40では未再生として管理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録音された用件メッセージの再生・未再生などの再生状況を確認することができる留守番電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数人のユーザが1台の留守番電話装置を共用する場合、あるユーザがある用件メッセージを聞いたとき、その用件メッセージは再生済みとなってしまい、他のユーザは自己の用件メッセージがあったかどうかを知ることができない。このような不具合を解決する従来技術は、たとえば特許文献1に記載されている。この先行技術では、発信者が音声メッセージとともに受信者を指示する情報を送信し、受信者は、用件メッセージを聞くとき、自己の受信者番号を指示することによって、受信者に直接関係のある用件メッセージは再生済みとして消去し、関係のない用件メッセージは未再生として消去せずに残し、未再生の用件メッセージは、直接関係のある他の受信者が同様に自己の受信者番号を指示することによって、後で再生することができる留守番電話装置が提案されている。
【0003】
前記特許文献1に類似する他の先行技術として、たとえば特許文献2,3にも同様に、発信者が用件メッセージとともに受信者を指示する情報を送信することによって、発信者によって指示された受信者宛ての用件メッセージだけを再生することができる留守番電話装置が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−199295号公報
【特許文献2】特開平3−239051号公報
【特許文献3】特開平3−135258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の特許文献1〜3の各先行技術では、発信者によって指定された受信者が自己の用件メッセージを再生するとき、自己の受信者番号を指示する操作が必要であり、受信者にとって自己の用件メッセージを再生するための操作が煩雑であるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、受信者ごとの用件メッセージの聞き逃しを防止し、かつ再生時の操作が簡素化された留守番電話装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、着信後にオンフック状態が継続したとき、発信者からの用件メッセージを録音する録音記憶部と、
前記録音記憶部に記憶された前記用件メッセージを再生する録音再生部と、
留守番電話装置のユーザを識別するためのユーザ情報が登録されるユーザ情報登録部と、
前記録音記憶部に記憶された用件メッセージが前記録音再生部によって再生されたか否かを前記ユーザ情報登録部に登録されているユーザ毎に判別し、その判別結果に基づいて、前記録音記憶部に記憶された用件メッセージの再生状況を表す再生確認情報を生成する再生確認情報生成部と、
前記再生確認情報生成部によって生成された再生確認情報を出力する出力部とを含むことを特徴とする留守番電話装置である。
【0008】
また本発明は、親機と1または複数の子機とを含み、
前記親機は、前記録音記憶部、前記録音再生部、前記ユーザ情報登録部、前記再生確認情報生成部および前記出力部を備え、
前記親機のユーザ情報登録部には、前記1または複数の子機に個別に対応するユーザ情報が登録され、
前記親機は、子機からの再生要求によって、その子機に対応する用件メッセージを録音記憶部から出力させ、前記再生要求のあった子機によって再生させる親機制御部を含むことを特徴とする。
【0009】
また本発明の前記子機は、前記親機の再生確認情報生成部に前記再生確認情報を生成させて前記子機へ送信させる再生確認要求を出力する子機制御部と、前記親機から送信された再生確認情報を表示する子機表示部とを有し、
前記親機制御部は、前記子機からの再生確認要求に応答して、前記再生確認要求のあった子機に前記再生確認情報を送信して子機表示部に表示させることを特徴とする。
【0010】
また本発明の前記再生確認情報は、未再生の用件メッセージがあることを表す未再生情報、未再生の用件メッセージの件数情報および未再生の用件メッセージの発信者を示す発信者情報のうち少なくとも1つであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザ情報登録部には留守番電話装置を使用するユーザを識別するための情報が登録され、再生確認情報生成部によって、録音記憶部に記憶されている用件メッセージが録音再生部によって再生されたか否かが、前記ユーザ情報登録部に登録されているユーザ毎に判別される。
【0012】
前記再生確認情報生成部は、録音記憶部に記憶されている用件メッセージが再生されたか否かの判別結果に基づいて、再生状況を表す再生確認情報を生成し、この再生確認情報は出力部によって出力される。たとえば出力部が表示部である場合、再生確認情報生成部によって生成された再生確認情報を、出力部としての表示部に表示させることによって、どのユーザがどの用件メッセージを再生したか、あるいは再生していないかを煩雑な操作をせずに識別することができ、あるユーザが用件メッセージを再生しても、他のユーザはその用件メッセージについて再生していないことを容易に認識することができ、他のユーザにとって未再生であった用件メッセージが消去されてしまうことが防がれる。
【0013】
また本発明によれば、親機のユーザ情報登録部には、子機に個別に対応するユーザ情報が登録される。親機制御部は、子機から再生要求があると、その子機に対応する用件メッセージを録音記憶部から出力させて、その子機に再生させる。したがって子機によって、その子機のユーザに宛てた用件メッセージを確認することができる。
【0014】
また本発明によれば、子機制御部から再生確認要求が出力されると、親機制御部は子機からの再生確認要求に応答して、再生確認要求のあった子機に再生確認情報を送信し、子機表示部に再生確認情報を表示させる。したがって子機によって、どのユーザが用件メッセージを再生したか否かを確認することができ、各ユーザごとに用件メッセージの再生状況を確認することができる。
【0015】
また本発明によれば、未再生の用件メッセージがあることを表す未再生情報、未再生の用件メッセージの件数情報および未再生の用件メッセージの発信者を示す発信者情報のうち少なくとも1つを再生確認情報とするので、これらの情報から直接または間接に用件メッセージの再生状況を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明に係る実施の一形態である留守番電話装置100の全体構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施形態の留守番電話装置100は、電話回線網21に接続される親機10と、親機10に通信可能な複数の子機30,40とを含む。親機10は、システム制御部11、メモリ12、網制御部13、操作パネル14、通信部15、録音記憶部16、録音再生部17、スピーカ18、通話部19、登録部22、およびこれらが接続されるバスライン20を含む。前記複数の子機30,40は、コードレス子機とも呼ばれ、親機10と無線によって通信することができる。
【0018】
システム制御部11は、中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称CPU)を含み、メモリ12を始め通信部15などの各要素間の情報伝達を円滑に行うためのシステム全体の制御を行う。
【0019】
ユーザ情報登録部である登録部22には、操作パネル14に設けられる複数のキーおよびボタンなどの操作によって入力された、発信者および着信者の名前と電話番号などが記憶され、ユーザ情報として登録される。このユーザ情報には、前記電話番号だけでなく、子機30,40の識別(Identification Data;略称ID)番号も含まれる。この子機30,40のID番号は、たとえば01,02,03などの2桁の数字であってもよい。
【0020】
メモリ12には、装置全体を留守番電話機として動作させるためのプログラムとともに、後述する録音時の録音データ、子機30,40毎の再生確認情報、発信者が使用する発信端末を識別するための発信端末識別情報たとえば発信端末の電話番号、着信者の識別番号、登録部22に登録された名前に関連する情報、および発信に対して未応答だった際の伝言件数などが記憶される。
【0021】
網制御部13は、電話回線網21の状況を監視するとともに、通話部19と通信部15との切換を行う。操作パネル14は、たとえばダイヤルボタン、録音指示キー、再生指示キー、出力部である表示部などを備えている。通信部15は、たとえば子機30,40のID番号を通じて、子機30,40と無線通信する機能を備えている。録音記憶部16は、発信者からの音声を用件メッセージとして録音する。より詳細には、録音記憶部16は、発信者からの用件メッセージを表す録音データを記憶する。発信者からの用件メッセージを表す録音データは、メモリ12に一時的に記憶された後、録音記憶部16に記憶される。また録音記憶部16は、ユーザによって操作パネル14の録音指示キーを通じて録音指示が入力されると、通話モードでの通話を録音する。再生装置としての録音再生部17は操作パネル14の操作や子機30,40からの操作に応じて、録音記憶部16に録音された用件メッセージなどの音声を再生する。スピーカ18は、通常の通話モードでの通話内容および留守番電話モードで録音された用件メッセージなどの録音内容を音によって出力する。通話部19は、相手側と通話する際に、使用する送話器および受話器を有するハンドセットと、その信号処理回路とを含む。
【0022】
前記登録部22に登録されたユーザであるか否かを識別する識別手段および録音された音声を再生したか否かの判別手段は、再生確認情報生成部を構成し、この再生確認情報生成部はシステム制御部11によって実現される。
【0023】
再生確認情報生成部は、録音記憶部16に記憶された用件メッセージが前記録音再生部17によって再生されたか否かを前記登録部22に登録されているユーザ毎に判別し、その判別結果に基づいて、前記録音記憶部16に記憶された用件メッセージの再生状況を表す再生確認情報を生成してメモリ12に出力する。
【0024】
前記複数の子機は、本実施形態においては、説明の煩雑化を避けるため、2台の子機30,40、すなわち第1子機30および第2子機40について述べるが、3台以上の子機が親機10に無線で通信可能に接続される構成であってもよい。第1子機30は、子機制御部31、メモリ32、操作入力部33、通信部34、表示部35、および通話部36を含む。第2子機40は、第1子機30と同様に構成されるので、同様の説明は省略している。
【0025】
第1子機30において、子機制御部31は、中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称CPU)を含み、第1子機30全体の制御を行う。子機制御部31は、少なくとも、メモリ32、操作入力部33、通信部34、表示部35および通話部36を制御する。メモリ32は、親機10から送られてきた各種の情報、たとえば前述の親機10の登録部22およびメモリ12と同様な情報を記憶する。操作入力部33は、ダイヤルボタン、再生ボタンなどを備えている。再生ボタンには、再生指示キーおよび再生選択キーが含まれる。通信部34は、第1子機30のID番号に基づいて、親機10の通信部15を通じて、親機10および第2子機40と通信する機能を備えている。表示部35は、各種のデータや情報を表示することができ、液晶表示パネルなどによって実現される。通話部36は、相手側と通話する際に、使用する送話器および受話器を有するハンドセットと、その信号処理回路とを含む。
【0026】
第2子機40において、図示しない通信部は、第2子機40のID番号に基づいて、親機10の通信部15を通じて、親機10および第1子機30と通信する機能を備える。このように各子機の通信部は、その子機のID番号に基づいて、親機10の通信部15を通じて、親機10および他の子機と通信する機構を備える。
【0027】
図2および図3は、留守番電話装置100の再生動作を説明するためのフローチャートであり、図2は親機10のシステム制御部11の動作を示すフローチャートであり、図3は第1子機30の制御部31および第2子機40の制御部の動作を示すフローチャートである。図4は、再生前の親機10のメモリ12内の記憶内容を示す図であり、録音記憶部16に記憶されている録音データと各子機30,40における再生確認情報との関係を示している。図5は再生前における第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容を示す図であり、図5(a)は再生前における第1子機30の表示部35の表示内容を示し、図5(b)は再生前における第2子機40の表示部の表示内容を示す。また、図6は再生後における親機10のメモリ12内の記憶内容を示す図であり、図7は再生後における第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容を示す図であり、図7(a)は再生後における第1子機30の表示部35の表示内容を示し、図7(b)は再生後における第2子機40の表示部の表示内容を示す。
【0028】
まず、再生動作が開始される図2に示すステップS0および図3に示すステップS10の初期状態では、図4に示すように、録音データとして、親機10の録音記憶部16に伝言として3件の用件メッセージ、すなわち第1〜第3メッセージ101〜103が録音されており、再生確認情報として、第1子機30では全ての用件メッセージ、すなわち第1〜第3メッセージ101,102,103が未再生状態であることが、親機10のメモリ12に記憶されている。一方、第2子機40については、再生確認情報として、第1および第2メッセージ101,102は再生済であり、第3メッセージ103については未再生状態であることが、親機10のメモリ12に記憶されている。
【0029】
このように子機30,40ごとに、録音された発信者からの用件メッセージの再生済または未再生という再生状況を表す再生確認情報が親機10のメモリ12に蓄えられている。親機10では、たとえば操作パネル14の中の表示部に再生確認情報を表示させることによって、子機30,40ごとの再生状況を確認することができる。また再生確認情報は、親機10の通信部15から各子機30,40に送信されて、図3に示すステップS11において第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部に表示される。たとえば図5(a)に示すように、第1子機30の表示部35の表示画面30aには、「未再生の録音が3件あります」などの未再生の用件メッセージの件数が再生確認情報として表示され、図5(b)に示すように、第2子機40の表示部の表示画面40aには、「未再生の録音が1件あります」などの未再生の用件メッセージの件数が再生確認情報として表示される。
【0030】
図2に戻って、留守番電話装置100の電源が入ると、ステップS0で親機10のシステム制御部11の動作が開始されて、再生指示信号の受信待機状態となり、ステップS1に進む。再生指示信号は、ユーザによって再生指示キーが押下されることによって親機10に入力される。再生指示キーは、親機10の操作パネル14、第1子機30の操作入力部33および第2子機40の操作入力部に含まれる。本実施形態における再生動作は、ユーザによって第1子機30の操作入力部33の再生指示キーが押下される場合の再生動作である。
【0031】
ステップS1で、親機10のシステム制御部11は、再生指示信号を受信したか否かを判断し、受信したと判断するとステップS2に進み、受信していないと判断するとステップS1に戻る。ステップS1における再生指示信号の受信の有無の判断は、再生指示信号を受信したと判断するまで続けられる。このように再生指示信号を受信したか否かを親機10のシステム制御部11が判断することによって、第1子機30の操作入力部33にある再生指示キーが押されたことを、第1子機30の通信部34および親機10の通信部15を通じて、親機10のシステム制御部11が検出する。
【0032】
ステップS2において、親機10のシステム制御部11は、再生指示キーが押された子機、本実施形態では第1子機30のID番号を取得し、ステップS3に進む。ここで、親機10のシステム制御部11は、取得したID番号を、親機10の登録部22に予め記憶された各子機30,40とその子機30,40のID番号との対照表(図示しない)を参照して照合することによって、取得したID番号から、再生を要請している子機30を特定することができる。
【0033】
このようにして親機10のシステム制御部11は、登録部22に登録されている各子機30,40のID番号と、取得したID番号とを照合して、再生指示キーが押された子機、すなわち再生要求のあった子機が、第1子機30であることを判別している。
【0034】
次にステップS3では、親機10のシステム制御部11は、ID番号より判別された子機、本実施形態では第1子機30に関して、録音記憶部16に記憶されている録音データの中から未再生の用件メッセージを検索し、存在すればステップS4に進み、存在しなければステップS8に進む。より詳細には、ステップS3において、親機10のシステム制御部11は、親機10のメモリ12に記憶される再生確認情報を参照して、ステップS2で取得したID番号に基づいて、そのID番号に対応する子機である第1子機30の未再生の用件メッセージを検索して、その有無を判断し、未再生の用件メッセージが存在すると判断するとステップs4に進み、未再生の用件メッセージが存在しないと判断するとステップS8に進む。
【0035】
ステップS4では、親機10のシステム制御部11は、ステップS2で取得したID番号に対応する子機である第1子機30に関して、録音記憶部16に記憶された録音データの中から、未再生の用件メッセージの録音データを抽出して第1子機30に送信し、ステップS5に進む。未再生の用件メッセージが複数ある場合は、親機10のシステム制御部11は、複数の未再生の用件メッセージの中から、予め定める条件に合致する1つの用件メッセージを抽出して、抽出した用件メッセージの録音データを第1子機30に送信する。具体的に述べると、親機10のシステム制御部11は、未再生の用件メッセージとして、たとえば録音された時刻の一番古い用件メッセージ101を抽出して、その録音データを第1子機30に送信して、ステップS5に進む。第1子機30ではこの用件メッセージ101を聞くことができる。親機10のメモリ12に記憶される用件メッセージには、録音された時刻の古い順に、第1、第2、第3と番号が付されており、本実施形態では第1用件メッセージ101が、録音された時刻の一番古い用件メッセージとなる。
【0036】
ステップS5では、親機10のシステム制御部11は、図4に示す親機10のメモリ12の記憶内容の内、ステップS4で未再生の用件メッセージの録音データを送信した子機、すなわちステップS2で取得したID番号に対応する子機である第1子機30についてのみ、送信した用件メッセージである第1メッセージ101に対する再生確認情報を図6に示すように再生済に更新して、ステップS6に進む。
【0037】
ステップS6では、親機10のシステム制御部11は、ステップS4で未再生の用件メッセージの録音データを送信した子機である第1子機30から送信される再生済信号を受信したか否かを判断し、受信したと判断するとステップS7に進み、受信していないと判断するとステップS6に戻る。ステップS6における再生済信号の受信の有無の判断は、再生済信号を受信したと判断するまで続けられる。
【0038】
ステップS7では、親機10のシステム制御部11は、ステップS5で更新した再生確認情報を、親機10の通信部15を通じて、ステップS4で未再生の用件メッセージの録音データを送出した子機、すなわち再生要求のあった子機である第1子機30に送信して更新内容を通知し、ステップS9に進み、動作を終了する。
【0039】
なお、子機を識別する情報として、子機のID番号を使用している例を挙げているが、子機に割り当てられたダイヤルインの着番号(以下「ダイヤルイン着番号」という)を使用するようにしても良い。
【0040】
また、ステップS3で未再生の用件メッセージが存在しないと判断されてステップS8に進むと、ステップS8において、親機10のシステム制御部11は、ステップS2で取得したID番号に対応する子機である第1子機30に関して、録音記憶部16に記憶された録音データの中から、再生済の用件メッセージの録音データを抽出して第1子機30に送信し、ステップS9に進み、処理を終了する。再生済の用件メッセージが複数ある場合、親機10のシステム制御部11は、複数の再生済の用件メッセージの中から、予め定める条件に合致する1つの用件メッセージを抽出し、その用件メッセージの録音データを第1子機30に送信する。親機10のシステム制御部11は、たとえば先頭の用件メッセージ、すなわち録音された時刻の一番古い用件メッセージを抽出して、その用件メッセージの録音データを第1子機30に送信する。
【0041】
ステップS8は、ステップS3において未再生の用件メッセージがないと判断された場合に遷移するステップである。したがってステップS8の時点では、再生要求のあった子機30に対する未再生の用件メッセージは存在しないので、ステップS8において、再生要求のあった子機30に送信される録音データは、既に再生済のものである。ユーザは、第1子機30の操作入力部33の再生選択キーによって選択指示を入力することによって、再生済の用件メッセージを再度聞くことができる。
【0042】
本実施形態では、親機10のシステム制御部11は、再生済の録音データのうち、第1子機30から入力される選択信号に対応する用件メッセージを選択して、その選択した用件メッセージの録音データを第1子機30に送信するように構成されるが、これに限定されず、たとえば、全ての用件メッセージを先頭から、すなわち録音された時刻の一番古いものから順に第1子機30に送信して、第1子機30に再生させるように構成されてもよい。
【0043】
図3に示す第1子機30の制御部31および第2子機40の制御部の動作は、留守番電話装置100の電源が入るとステップS10で開始されて、ステップS11に進む。ステップS10のスタート時では、親機10のメモリ12内には、図4に示すように、第1子機30に関する再生確認情報として、第1〜第3メッセージ101,102,103は未再生であることが記憶されている。この再生確認情報は、親機10の通信部15から送信されて第1子機30の通信部34によって受信され、第1子機30のメモリ32に記憶されている。同様に、第2子機40に関する再生確認情報として、第1および第2メッセージ101,102は再生済であり、第3メッセージ103は未再生であることが親機10のメモリ12に記憶されるとともに、親機10の通信部15から送信されて第2子機40の通信部によって受信されて、第2子機40のメモリに記憶されている。
【0044】
ステップS11では、第1子機30の制御部31は、第1子機30のメモリ32に記憶される再生確認情報に基づいて、第1子機30の表示部35に再生確認情報を表示させて、ステップS12に進む。第2子機40の制御部は、第1子機30の制御部31と同様に、ステップS11において、第2子機40のメモリに記憶される再生確認情報に基づいて、第2子機40の表示部に再生確認画像を表示させて、ステップS12に進む。
【0045】
本実施形態では、図5(a)に示すように、第1子機30の表示部35の表示画面30aには、未再生の用件メッセージの件数が表示される。同様に第2子機40の表示部の表示画面40aには、図5(b)に示すように、未再生の用件メッセージの件数が表示される。未再生の用件メッセージの件数は、たとえば「未再生の録音の件数」として表示される。たとえば第1子機30のユーザは、第1子機30の表示部35の表示画面30aに表示される未再生の録音件数によって、未再生の用件メッセージの件数が3件であることを確認することができる。
【0046】
ステップS12では、第1子機30の制御部31は、第1子機30における操作入力部33の再生指示キーが押されたことを検出したか否かを判断し、検出したと判断するとステップS13に進み、検出していないと判断するとステップS12に戻る。第2子機40の制御部は、第1子機30の制御部31と同様に、ステップS12において、第2子機40の操作入力部の再生指示キーが押されたことを検出したか否かを判断し、検出したと判断するとステップS13に進み、検出していないと判断するとステップS12に戻る。ステップS12における再生指示キーの押下の検出の有無の判断は、再生指示キーの押下を検出するまで続けられる。
【0047】
本実施形態における再生動作は、第1子機30の操作入力部33の再生指示キーが押下される場合の再生動作であるので、第1子機30では、ステップS12からステップS13に進み、第2子機40では、ステップS12に留まる。したがって、以下のステップS13以降のステップでは、第1子機30の制御部31の動作のみを説明する。第2子機40の操作入力部の再生指示キーが押下される場合には、第2子機40の制御部は、第1子機30の制御部31と同様の動作を行う。
【0048】
ステップS13では、第1子機30の制御部31は、第1子機30の通信部34を制御して、親機10に対して、第1子機30の操作入力部33の再生指示キーが押下されたことを表す再生指示信号を送信させて、ステップS14に進む。再生指示信号は、第1子機30のID番号とともに親機10に送信される。
【0049】
ステップS14では、第1子機30の制御部31は、第1子機30の通信部34を制御して、親機10の通信部15を通じて親機10から送信される、親機10の録音記憶部16に記憶された録音データの中の用件メッセージ101の受信を待つ受信待ち状態に移行させて、ステップS15に進む。ステップS15において、第1子機30の制御部31は、再生可能な録音データ、つまり用件メッセージ101の受信を完了したか否かを判断し、受信が完了したと判断するとステップS16に進み、受信が完了していないと判断するとステップS16に戻る。つまり第1子機30の制御部31は、用件メッセージ101の受信が完了するまで、ステップS15に留まり、受信が完了すればステップS16に進む。ステップS15で受信される用件メッセージ101は、前述の図2に示すステップS4またはS8において、親機10から送信される用件メッセージであり、本実施形態では第1メッセージ101である。
【0050】
ステップS16では、第1子機30の制御部31は、第1子機30の通話部36を制御して、受信した録音データである用件メッセージ101を再生して、ステップS17に進む。ステップS17では、第1子機30の制御部31は、第1子機30の通信部34を制御して、用件メッセージ101の再生が終了したことを表す再生済信号を親機10に送信させて、ステップS18に進む。
【0051】
ステップS18では、第1子機30の制御部31は、第1子機30の通信部34および
親機10の通信部15を通じて、親機10で更新されて親機10のメモリ12に記憶された再生確認情報を受信したか否かを判断し、受信したと判断するとステップS19に進み、受信していないと判断するとステップS18に戻る。ステップS18における受信の有無の判断は、更新された再生確認情報を受信したと判断するまで続けられる。ステップS19では、第1子機30の制御部31は、第1子機30のメモリ32に記憶される再生確認情報を、親機10から受信した再生確認情報に更新するとともに、第1子機30の表示部35を制御して、更新された再生確認情報を表示させて、ステップS20に進み、動作を終了する。
【0052】
ステップS19が終了した時点では、図6に示すように、親機10のメモリ12には、録音データにおける第1メッセージ101について、第1子機30のみ再生済と記憶し直されており、この更新された再生確認情報が第1子機30に送信されて第1子機30のメモリ32に記憶されている。したがって図7(a)に示すように、第1子機30の表示部35の表示画面30bには「未再生の録音が2件あります」と表示される。第2子機40では、ステップS12に留まっており、再生確認情報が更新されないので、図7(b)に示すように、第2子機40の表示部の表示画面40bには、図5(b)に示す初期状態の表示画面40aと同様に、「未再生の録音が1件あります」と表示される。
【0053】
このようにすれば、伝言の受取人にとって、子機毎に未再生の件数が何件残っているかが、常に明確であり、確認漏れが起こるおそれは全く生じない。親機10および子機30,40…を使用する人は、全ての用件メッセージについて、表示画面に表示された再生確認情報によって、再生状況を確認することができる。
【0054】
以上述べた本実施形態では、録音された音声からなる伝言、即ち録音データを1件ずつ処理する例を挙げているが、未再生の伝言を連続して処理するように変更してもかまわない。
【0055】
また本実施形態では、図5,7に示すように、各子機30,40の表示部には、その子機の再生確認情報のみが表示されるが、これに限定されず、全ての子機の再生確認情報を表示させるようにしてもよい。図8〜10は、第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容の他の例を示す図である。各子機30,40の表示部に全ての子機30,40の再生確認情報を表示させる場合、たとえば図8に示すように、第1子機30に関する再生確認情報および第2子機40に関する再生確認情報を並べて表示させてもよい。
【0056】
また図9に示すように、第1子機30の表示部35では、第1子機30に関する再生確認情報、第2子機40に関する再生確認情報の順に並べて表示させ、第2子機40の表示部では、第2子機40に関する再生確認情報、第1子機30に関する再生確認情報の順に並べて表示させるというように、表示させる子機の再生確認情報を最初に表示させるようにしてもよい。このようにすれば、子機のユーザは、その子機の再生確認情報を容易に確認することができる。さらに図10に示すように、表示させる子機については、「本機」として再生確認情報を表示させてもよい。このようにすれば、ユーザは、さらに容易に再生確認情報を確認することができる。
【0057】
このように各子機30,40の表示部に全ての子機30,40の再生確認情報を表示させる場合、前述の図2に示すステップS7では、親機10のシステム制御部11は、親機10の通信部15を通じて、すべての子機30,40に対して、更新した再生確認情報を通知して、最新の再生確認情報の状況を知らしめ、ステップS9に進み、動作を終了する。また各子機30,40は、再生指示キーが押下されない場合でも、親機10から送信される更新された再生確認情報を受信して、更新された再生確認情報をメモリに記憶して最新の再生確認情報に内容を更新し、表示部に表示するように構成される。このように第1子機30だけでなく、すべての子機30,40に対して更新された再生確認情報を通知する理由は、各子機30,40において、他の子機の再生確認情報も見られるようにして、すべての子機に最新の情報を共有させるためである。
【0058】
また本実施形態では、各子機30,40には、再生確認情報として、未再生の用件メッセージの件数情報が通知され、第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部には、未再生の用件メッセージの件数が表示されるが、各子機30,40に通知される再生確認情報は、これに限定されない。たとえば、未再生の用件メッセージの有無を表す情報、すなわち未再生の用件メッセージがあることを表す未再生情報が通知されてもよい。この場合、第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部には、未再生の用件メッセージの件数に代えて、未再生情報が表示される。たとえば、未再生の用件メッセージがある子機の表示部には「未再生録音があります」と表示され、未再生の用件メッセージがない子機の表示部には「すべての録音は再生済です」と表示される。各子機30,40の表示部に全ての子機30,40の再生確認情報を表示させる場合には、第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部において、各子機30,40における未再生の用件メッセージの有無を表す未再生情報がそれぞれ表示される。
【0059】
また本実施形態では、図2に示すステップS4では、親機10のシステム制御部11は、未再生の用件メッセージが複数ある場合、先頭の用件メッセージを、再生要求のあった子機30に送信させて、その子機30で再生させるが、これに限定されず、再生要求のあった子機30においてユーザが選択した用件メッセージを送信させて、再生させるようにしてもよい。この場合、各子機30,40は、たとえば、再生指示キーが入力されると用件メッセージを選択するための選択画面を表示部に表示し、それに基づいてユーザが選択した用件メッセージを表す選択信号を親機10に送信するように構成される。また図2に示すステップS8において、再生済の用件メッセージを送信する場合も、ステップS4と同様に、ユーザが選択した用件メッセージを送信させるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは、第1子機30の操作入力部33によって用件メッセージを選択することによって、再生済の用件メッセージを再度聞くことができる。
【0060】
図11は再生前における親機10のメモリ12内の記憶内容を示す図であり、図12は再生後における親機10のメモリ12内の記憶内容を示す図である。ユーザによって選択された用件メッセージを再生するように構成される場合、たとえば再生動作が開始される図2に示すステップS0および図3に示すステップS10の初期状態では、図11に示すように、親機10の録音記憶部16に4件の用件メッセージ、すなわち第1〜第4メッセージ101〜104が録音されており、再生確認情報として、第1子機30では第4メッセージ104は再生済であり、残りの用件メッセージ、すなわち第1〜第3メッセージ101,102,103については未再生状態であることが、親機10のメモリ12に記憶されている。一方、第2子機40については、再生確認情報として、第1および第2メッセージ101,102は再生済であり、第3および第4メッセージ103,104については未再生状態であることが、親機10のメモリ12に記憶されている。第1子機30において、第1メッセージ101が再生されると、図12に示すように、第1子機30に関する第1メッセージ101の再生確認情報が「再生済」に更新され、更新された再生確認情報が、再生要求のあった子機またはすべての子機に送信される。
【0061】
また本実施形態では、図4および図6に示す内容は、親機10のメモリ12内の記憶内容として説明しているが、同様の記憶内容を第1子機30のメモリ32および第2子機40のメモリに記憶させ、各子機30,40の表示部で、再生確認情報を確認できるようにしてもよい。このようにすれば、各子機30,40を使用する人が、録音された音声に対する再生の有無について確認できるため、その子機30,40を使用する人にとっての確認漏れおよび子機30,40を使用する人全体としての伝言の確認漏れ、即ち誰も伝言の内容を確認していないような事態を無くすことができる。つまり親機10だけでなく、子機30,40側からも全体の管理を行うことができる。
【0062】
この実施形態では、もともと存在する子機30,40特有のID番号によって、その子機30,40を占有しているユーザがいれば、この子機30,40を占有しているユーザを間接的に識別するようにしているので、親機10と通信を交わすだけで、子機30,40を占有しているユーザ毎に、伝言の件数と再生済・未再生の伝言管理を極めて適切に行うことができる。この子機の数を増やせば、管理できるユーザを極めて簡単に増やすことができる。
【0063】
また本発明の他の実施形態では、留守番電話装置は、発信者毎に伝言管理を行うように構成されてもよい。この場合、留守番電話装置は、発信者が使用する発信端末を識別する発信端末識別手段を備える。発信端末識別手段は、発信端末を識別するための発信端末識別情報、たとえば発信端末の電話番号を使用して、発信端末を識別することができる。具体的には、留守番電話装置は、前述の実施形態と同様の、発信端末を識別するための発信端末識別情報を登録させる登録装置としての登録部22と、登録部22によって登録されメモリ12に記憶された発信端末識別情報に基づいて発信端末を識別する前述の発信端末識別手段と、発信者によって録音された音声を再生装置としての録音再生部17が再生しているか否かを、発信端末毎に判別する判別手段とを親機10に備えて、発信端末毎に、すなわち発信者毎に、再生していない音声の件数を通知するようにすることもできる。特に、発信者が着信者にとって重要なユーザの場合には、この発信者毎に伝言管理を行うことは、極めて意義が大きい。ナンバーディスプレイ対応の電話装置を使用すれば、発信者毎の伝言管理を簡単に実施することができる。
【0064】
発信端末識別手段および判別手段は、再生確認情報生成部を構成し、この再生確認情報生成部は、親機10のシステム制御部11によって実現される。再生確認情報生成部は、録音記憶部16に記憶された用件メッセージが録音再生部17によって再生されたか否かを登録部22に登録されているユーザ毎に、発信端末毎に判別し、その判別結果に基づいて、録音記憶部16に記憶された用件メッセージの再生状況を表す再生確認情報を生成して、たとえば親機10のメモリ12に出力する。
【0065】
図13は、発信端末毎に収められた用件メッセージについて、メモリ12内の記憶内容の一例を示す図であり、図14は図13に示す発信者毎に伝言管理を行う場合の第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容を示す図である。図14(a)は第1子機30における表示部35の表示画面30cを示し、図14(b)は第2子機40における表示部の表示画面40cを示す。図13および図14に示す例では、発信者として、「Aさん」および「Bさん」が登録されている場合を示す。
【0066】
図13に示すように、録音データとして、Aさんからの用件メッセージ201,202,203,204およびBさんからの用件メッセージ301,302,303,304が、それぞれ発信端末毎に記憶されており、各子機30,40での再生状態についても図13のように、子機30,40毎および発信端末毎に、メモリ12内に記憶されている。図13に示す例では、Aさんからの用件メッセージとして、4つの用件メッセージ、すなわち第1〜第4メッセージ201,202,203,204が記憶され、Bさんからの用件メッセージとして、4つの用件メッセージ、すなわち第1〜第4メッセージ301,302,303,304が記憶されている。
【0067】
また再生確認情報として、第1子機30に関しては、Aさんからの用件メッセージ201〜204のうち、第1および第4メッセージ201,204は再生済であり、第2および第3メッセージ202,203は未再生状態であること、およびBさんからの用件メッセージ301〜304のうち、第1および第2メッセージ301,302は再生済であり、第3および第4メッセージ303,304は未再生状態であることが記憶されている。第2子機40に関しては、Aさんからの用件メッセージ201〜204のうち、第1および第2メッセージ201,202は再生済であり、第3および第4メッセージ203,204は未再生状態であること、およびBさんからの用件メッセージ301〜304のうち、第1および第4メッセージ301,304は再生済であり、第2および第3メッセージ302,303は未再生状態であることが記憶されている。
【0068】
再生確認情報のうち、各子機30,40に通知される再生確認情報が、未再生の用件メッセージの件数情報および未再生の用件メッセージの発信者を示す発信者情報である場合、たとえば、第1子機30の表示部35の表示画面30cには、図14(a)に示すように、「Aさんからの未再生の録音が2件あります」、「Bさんからの未再生の録音が2件あります」と表示される。また、第2子機40の表示部の表示画面40cにも、「Aさんからの未再生の録音が2件あります」、「Bさんからの未再生の録音が2件あります」と表示される。
【0069】
ここで、仮にAさんからの第2メッセージ202が第1子機30によって再生されると、Aさんからの第2メッセージ202に関する第1子機30の再生確認情報が未再生から再生済に変わり、第1子機30の表示部35の表示画面30cについても「Aさんからの未再生の録音が1件あります」に更新される。
【0070】
各子機30,40には、未再生の用件メッセージの件数情報に代えて、未再生の用件メッセージの有無を表す情報、すなわち未再生の用件メッセージがあることを表す未再生情報が通知されてもよい。この場合、第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部には、未再生の用件メッセージの件数に代えて、未再生情報が表示される。たとえば、Aさんからの用件メッセージのうち、未再生の用件メッセージがある子機の表示部には「Aさんからの未再生録音があります」と表示され、未再生の用件メッセージがない子機の表示部には「Aさんからの録音は再生済です」と表示される。Bさんからの用件メッセージについても、同様に表示される。
【0071】
さらに、着信者側の子機30,40および発信者側の発信端末の両者を同時に識別して、より効果的に伝言管理を行うことも当然に可能である。
【0072】
また、発信者および着信者に関わらず、親機10の操作パネル14を通じて、予め親機10の登録部22に、特定の人の名前を登録しておき、たとえばこの特定の人の名前に対応する番号を振り当てて、その番号によって、この特定の人を識別するようにすることも可能である。
【0073】
次に、図15は録音データの用件メッセージを受取る子機が明らかな場合について、メモリ12内の記憶内容を示す表である。この中で、「*」印は、「*」印が記入されている欄に対応する用件メッセージ101,103が、その「*」印が記入されている欄に対応する子機、図15に示す例では第1子機30が受取るべき用件メッセージであることを示す。図15に示す例では、4つの用件メッセージ101〜104のうち、第1および第3メッセージ101,103が、第1子機30が受取るべき用件メッセージである場合を示す。つまり図15に示す例は、もし第1子機30を占有する占有者がいれば、この占有者が第1および第3メッセージ101,103の受取人である場合を示している。
【0074】
この「*」印が付与されて用件メッセージ101,103がメモリ12に記憶される場合は、たとえば発信者が第1子機30を直接呼び出すように電話をかけてきたり、第1子機30の識別番号(ID番号)を指示して親機10の方に電話をかけてきた場合に該当する。その際には、メモリ12にそのことが分かるように記憶され、たとえば「*」印を含む再生確認情報が、親機10の操作パネル14の表示部、第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部に表示される。このようにすれば、どの伝言に関しては誰が確認しなければならないかが明確になり、情報伝達に漏れが生じにくくなり、情報管理をより適切に行うことができる。この「*」印に代えて、別の記号や方法で区別できるように表示してもよい。
【0075】
前述のように発信者が子機を直接呼び出すように電話をかけてくる場合、すなわち発信者がダイヤルインの着番号を指定して電話をかけてくる場合、親機10の登録部22に登録されるユーザ情報には、各子機30,40に割り当てられたダイヤルイン着番号が含まれる。各子機30,40は、ダイヤルイン着番号に基づいて識別される。ダイヤルイン着番号は、たとえば、前述の第1および第2子機30,40に加えて、もう1台の子機として第3子機が親機10に接続され、合計3台の子機が存在する場合、第1および第2子機30,40の着番号として「0742−xxx−4567」が割り当てられ、第3子機の着番号として「0742−xxx−4568」が割り当てられる。この場合、着番号「0742−xxx−4567」の用件メッセージは、この着番号が割り当てられた第1子機30および第2子機40のいずれによって再生しても再生済となる。
【0076】
再生確認情報としては、たとえば第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部には、これらの子機30,40に割り当てられた着番号「0742−xxx−4567」の未再生の用件メッセージの有無または件数と、第3子機に割り当てられた着番号「0742−xxx−4568」の未再生の用件メッセージの有無または件数とが表示される。また第3子機の表示部には、この第3子機自身の着番号「0742−xxx−4568」の未再生の用件メッセージの有無または件数と、ほかの子機、すなわち第1および第2子機30,40の着番号「0742−xxx−4567」の未再生の用件メッセージの有無または件数とが表示される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る実施の一形態である留守番電話装置100の全体構成を示すブロック図である。
【図2】留守番電話装置100の親機10のシステム制御部11の動作を示すフローチャートである。
【図3】第1子機30の制御部31および第2子機40の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図4】再生前の親機10のメモリ12内の記憶内容を示す図である。
【図5】再生前における第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容を示す図であり、図5(a)は再生前における第1子機30の表示部35の表示内容を示し、図5(b)は再生前における第2子機40の表示部35の表示内容を示す。
【図6】再生後における親機10のメモリ12内の記憶内容を示す図である。
【図7】再生後における第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容を示す図であり、図7(a)は再生後における第1子機30の表示部35の表示内容を示し、図7(b)は再生後における第2子機40の表示部の表示内容を示す。
【図8】第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容の他の例を示す図である。
【図9】第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容の他の例を示す図である。
【図10】第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容の他の例を示す図である。
【図11】再生前における親機10のメモリ12内の記憶内容を示す図である。
【図12】再生後における親機10のメモリ12内の記憶内容を示す図である。
【図13】発信端末毎に収められた用件メッセージについて、メモリ12内の記憶内容の一例を示す図である。
【図14】図13に示す発信者毎に伝言管理を行う場合の第1子機30の表示部35および第2子機40の表示部の表示内容を示す図であり、図14(a)は第1子機30における表示部35の表示画面30cを示し、図14(b)は第2子機40における表示部の表示画面40cを示す。
【図15】録音データの用件メッセージを受取る子機が明らかな場合について、メモリ12内の記憶内容を示す表である。
【符号の説明】
【0078】
10 親機
11 システム制御部
12 メモリ
13 網制御部
14 操作パネル
15 通信部
16 録音記憶部
17 録音再生部
18 スピーカ
19 通話部
20 バスライン
22 登録部
30 第1子機
32 第1子機30のメモリ
33 第1子機30の操作入力部
34 第1子機30の通信部
35 第1子機30の表示部
40 第2子機
100 留守番電話装置
101 録音データの用件メッセージ(第1メッセージ)
102 録音データの用件メッセージ(第2メッセージ)
103 録音データの用件メッセージ(第3メッセージ)
104 録音データの用件メッセージ(第4メッセージ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信後にオンフック状態が継続したとき、発信者からの用件メッセージを録音する録音記憶部と、
前記録音記憶部に記憶された前記用件メッセージを再生する録音再生部と、
留守番電話装置のユーザを識別するためのユーザ情報が登録されるユーザ情報登録部と、
前記録音記憶部に記憶された用件メッセージが前記録音再生部によって再生されたか否かを前記ユーザ情報登録部に登録されているユーザ毎に判別し、その判別結果に基づいて、前記録音記憶部に記憶された用件メッセージの再生状況を表す再生確認情報を生成する再生確認情報生成部と、
前記再生確認情報生成部によって生成された再生確認情報を出力する出力部とを含むことを特徴とする留守番電話装置。
【請求項2】
親機と1または複数の子機とを含み、
前記親機は、前記録音記憶部、前記録音再生部、前記ユーザ情報登録部、前記再生確認情報生成部および前記出力部を備え、
前記親機のユーザ情報登録部には、前記1または複数の子機に個別に対応するユーザ情報が登録され、
前記親機は、子機からの再生要求によって、その子機に対応する用件メッセージを録音記憶部から出力させ、前記再生要求のあった子機によって再生させる親機制御部を含むことを特徴とする請求項1記載の留守番電話装置。
【請求項3】
前記子機は、前記親機の再生確認情報生成部に前記再生確認情報を生成させて前記子機へ送信させる再生確認要求を出力する子機制御部と、前記親機から送信された再生確認情報を表示する子機表示部とを有し、
前記親機制御部は、前記子機からの再生確認要求に応答して、前記再生確認要求のあった子機に前記再生確認情報を送信して子機表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の留守番電話装置。
【請求項4】
前記再生確認情報は、未再生の用件メッセージがあることを表す未再生情報、未再生の用件メッセージの件数情報および未再生の用件メッセージの発信者を示す発信者情報のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の留守番電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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