説明

番組記録装置

【課題】 多くの記録済み番組の中から目的の番組を容易に探し出すことができる番組記録装置を提供する。
【解決手段】 記録番組表作成部18は、記録番組データベース16bにアクセスして、利用者による指示によって記録した番組の一覧表(記録番組表)を作成する機能を有しており、作成した記録番組表が、記録した番組を利用者の識別情報別、及び番組に係る番組情報別に並べた構成をしている。利用者の識別情報は、例えば、利用者のメールアドレスであり、操作部12にて受け付けられる。また、番組に係る番組情報は、番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つであり、利用者は、記録番組表を参照し、利用者の識別情報と番組情報とを手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送される番組を受信して記録する処理を行う番組記録装置に関し、より具体的には、多くの記録済み番組の中から、目的の番組を容易に探し出すことができる番組記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクレコーダのような番組記録装置は、従来のビデオテープ型レコーダと比較すると、データの劣化が極めて低いため、番組を高品質で記録する装置として広く利用されるようになってきている。また、ハードディスクレコーダを用いれば、複数の利用者が記録媒体であるハードディスクを共有し、多くの番組を記録することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−336385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、利用者は、記録済みの番組を再生する場合に、記録した複数の番組のうちから所望の番組を検索する必要があるが、上述したハードディスクレコーダのような番組記録装置は、記録した番組を分別(分類)することなく記録するので、記録した番組数が多くなれば、所望の番組を検索することが困難になるという問題があった。特に、複数の利用者が利用している場合は、自身が記録した番組と他人が記録した番組とが混在されて記録されることになるので、記録されている複数の番組のうちから目的の番組を検索することが極めて困難となる。
【0004】
また、番組の記録をタイマー予約により行う場合、実際に記録処理が実行されたか否かを確認するには、番組記録装置にアクセスする必要があることから、番組記録装置が設置されている自宅などに帰宅してからでないと確認することができなかった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、利用者の識別情報を受け付け、受け付けた識別情報に対して放送される番組の予約記録を受け付け、さらに受け付けた予約記録に係る番組を記録した場合に、記録した番組をその番組を記録するように受け付けた利用者の識別情報別に並べた記録番組表を作成するとともに、記録番組表の中から番組の選択を受け付け、選択を受け付けた番組を再生する構成とすることにより、利用者が、利用者の識別情報を手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができるとともに、記録番組表から目的の番組を探し出した後に、その番組を選択することで目的の番組を確実に選択して再生を行うことができる番組記録装置の提供を目的とする。
【0006】
また本発明は、番組に係る番組情報を番組と共に記録し、記録した番組を番組情報別に並べた記録番組表を作成する構成とすることにより、記録番組表が利用者の識別情報と番組情報とがマトリクス状に並べられたものとなるので、利用者が、利用者の識別情報及び番組情報の要素を手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる番組記録装置の提供を目的とする。
【0007】
また本発明は、放送される番組を番組に係る番組情報と共に記録し、番組を記録した場合に、記録した番組をその番組を番組情報別に並べた記録番組表を作成するとともに、記録番組表の中から番組の選択を受け付け、選択を受け付けた番組を再生する構成とすることにより、利用者が、番組情報の要素を手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができるとともに、記録番組表から目的の番組を探し出した後に、その番組を選択することで目的の番組を確実に選択して再生を行うことができる番組記録装置の提供を目的とする。
【0008】
また本発明は、番組情報が、番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つであることにより、利用者が、記録した番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つを手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる番組記録装置の提供を目的とする。
【0009】
また本発明は、識別情報として利用者に係るメールアドレスを受け付け、番組の記録が終了した場合に、記録が終了した旨の内容を示す電子メールを作成し、通信ネットワークを介して受け付けたメールアドレス宛てに送信する構成とすることにより、利用者が、番組記録装置にアクセスすることなく、実際に記録処理が実行されたか否かを確認することができる番組記録装置の提供を目的とする。
【0010】
また本発明は、記録されている番組を電子メールに添付させ、電子メールを受け付けたメールアドレス宛てに送信する構成とすることにより、番組をメールアドレス宛ての機器に配信して、利用者が電子メールに添付された番組をその機器にて再生することができる番組記録装置の提供を目的とする。
【0011】
また本発明は、記録されている番組のデータ量を圧縮し、圧縮された番組を電子メールに添付させ、電子メールを受け付けたメールアドレス宛てに送信する構成とすることにより、番組をメールアドレス宛ての機器に配信することができるので、利用者が、電子メールに添付された番組をその機器にて再生することができるとともに、番組のデータ量が圧縮されているので、データ通信にかかる時間及びコストを削減することができる番組記録装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1発明に係る番組記録装置は、利用者の識別情報を受け付ける手段と、受け付けた識別情報に対して放送される番組の予約記録を受け付ける手段と、受け付けた予約記録に係る番組を受信して記録する処理を行う記録処理手段とを備える番組記録装置において、記録した番組を前記識別情報別に並べた記録番組表を作成する表作成手段と、該記録番組表の中から番組の選択を受け付ける受付手段と、選択を受け付けた番組を再生する処理を行う再生処理手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第1発明にあっては、利用者の識別情報を受け付け、受け付けた識別情報に対して放送される番組の予約記録を受け付ける。そして、受け付けた予約記録に係る番組を記録した場合に、記録した番組をその番組を記録するように受け付けた利用者の識別情報別に並べた記録番組表を作成する。これにより、利用者は、記録番組表を参照し、利用者の識別情報を手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる。さらに、記録番組表の中から番組の選択を受け付け、選択を受け付けた番組を再生する。これにより、利用者は、記録番組表から目的の番組を探し出した後に、その番組を選択することで目的の番組を確実に選択して再生を行うことができる。
【0014】
第2発明に係る番組記録装置は、前記記録処理手段は、番組に係る番組情報を該番組と共に記録しており、前記表作成手段は、記録した番組を前記番組情報別に並べた前記記録番組表を作成するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
第2発明にあっては、番組に係る番組情報を番組と共に記録し、記録した番組を番組情報別に並べた記録番組表を作成する。つまり、記録番組表は、利用者の識別情報と番組情報とがマトリクス状に並べられたものとなるので、利用者は、利用者の識別情報及び番組情報の要素を手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる。
【0016】
第3発明に係る番組記録装置は、放送される番組を受信して該番組に係る番組情報と共に記録する処理を行う記録処理手段を備える番組記録装置において、記録した番組を前記番組情報別に並べた記録番組表を作成する表作成手段と、該記録番組表の中から番組の選択を受け付ける受付手段と、選択を受け付けた番組を再生する処理を行う再生処理手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
第3発明にあっては、放送される番組を番組に係る番組情報と共に記録する。そして、番組を記録した場合に、記録した番組をその番組を番組情報別に並べた記録番組表を作成する。これにより、利用者は、記録番組表を参照し、番組情報の要素を手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる。さらに、記録番組表の中から番組の選択を受け付け、選択を受け付けた番組を再生する。これにより、利用者は、記録番組表から目的の番組を探し出した後に、その番組を選択することで目的の番組を確実に選択して再生を行うことができる。
【0018】
第4発明に係る番組記録装置は、前記番組情報は、番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つであることを特徴とする。
【0019】
第4発明にあっては、番組情報が、番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つであることにより、番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つを要素として並べられた記録番組表が作成される。これにより、利用者は、記録した番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つを手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる。
【0020】
第5発明に係る番組記録装置は、前記受付手段は、識別情報として利用者に係るメールアドレスを受け付けるようにしてあり、通信ネットワークに接続するための通信接続手段と、番組の記録が終了した場合に、記録が終了した旨の内容を示す前記メールアドレス宛ての電子メールを作成するメール作成手段とを備え、作成された電子メールを前記通信ネットワークを介して送信するようにしてあることを特徴とする。
【0021】
第5発明にあっては、識別情報として利用者に係るメールアドレスを受け付け、番組の記録が終了した場合に、記録が終了した旨の内容を示す電子メールを作成し、通信ネットワークを介して受け付けたメールアドレス宛てに送信する。これにより、利用者は、番組記録装置にアクセスすることなく、例えば番組記録装置が設置されている自宅などに帰宅するまでもなく、実際に記録処理が実行されたか否かを確認することができる。
【0022】
第6発明に係る番組記録装置は、記録されている番組を前記電子メールに添付させる手段を備えることを特徴とする。
【0023】
第6発明にあっては、記録されている番組を電子メールに添付させ、電子メールを受け付けたメールアドレス宛てに送信することにより、番組をメールアドレス宛ての機器(例えば、利用者所有の機器)に配信することができる。したがって、利用者は、電子メールに添付された番組を、例えば利用者所有の機器にて再生することができる。
【0024】
第7発明に係る番組記録装置は、記録されている番組のデータ量を圧縮する圧縮手段と、圧縮された番組を前記電子メールに添付させる手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
第7発明にあっては、記録されている番組のデータ量を圧縮し、圧縮された番組を電子メールに添付させ、電子メールを受け付けたメールアドレス宛てに送信することにより、番組をメールアドレス宛ての機器(例えば、利用者所有の機器)に配信することができる。したがって、利用者は、電子メールに添付された番組を、例えば利用者所有の機器にて再生することができる。また、番組のデータ量が圧縮されているので、データ通信にかかる時間及びコストを削減することができる。このように、番組の詳細な内容を再生するのではなく、番組の概要を把握する場合には、番組のデータ量を圧縮して電子メールに添付することが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、利用者の識別情報を受け付け、受け付けた識別情報に対して放送される番組の予約記録を受け付け、さらに受け付けた予約記録に係る番組を記録した場合に、記録した番組をその番組を記録するように受け付けた利用者の識別情報別に並べた記録番組表を作成するとともに、記録番組表の中から番組の選択を受け付け、選択を受け付けた番組を再生する構成としたので、利用者が、利用者の識別情報を手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができるとともに、記録番組表から目的の番組を探し出した後に、その番組を選択することで目的の番組を確実に選択して再生を行うことができる。
【0027】
本発明によれば、番組に係る番組情報を番組と共に記録し、記録した番組を番組情報別に並べた記録番組表を作成する構成としたので、記録番組表が利用者の識別情報と番組情報とがマトリクス状に並べられたものとなるので、利用者が、利用者の識別情報及び番組情報の要素を手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる。
【0028】
本発明によれば、放送される番組を番組に係る番組情報と共に記録し、番組を記録した場合に、記録した番組をその番組を番組情報別に並べた記録番組表を作成するとともに、記録番組表の中から番組の選択を受け付け、選択を受け付けた番組を再生する構成としたので、利用者が、番組情報の要素を手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができるとともに、記録番組表から目的の番組を探し出した後に、その番組を選択することで目的の番組を確実に選択して再生を行うことができる。
【0029】
本発明によれば、番組情報が、番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つであることとしたので、利用者が、記録した番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つを手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる。
【0030】
本発明によれば、識別情報として利用者に係るメールアドレスを受け付け、番組の記録が終了した場合に、記録が終了した旨の内容を示す電子メールを作成し、通信ネットワークを介して受け付けたメールアドレス宛てに送信する構成としたので、利用者が、番組記録装置にアクセスすることなく、実際に記録処理が実行されたか否かを確認することができる。
【0031】
本発明によれば、記録されている番組を電子メールに添付させ、電子メールを受け付けたメールアドレス宛てに送信する構成としたので、番組をメールアドレス宛ての機器に配信して、利用者が電子メールに添付された番組をその機器にて再生することができる。
【0032】
本発明によれば、記録されている番組のデータ量を圧縮し、圧縮された番組を電子メールに添付させ、電子メールを受け付けたメールアドレス宛てに送信する構成としたので、番組をメールアドレス宛ての機器に配信することができるので、利用者が、電子メールに添付された番組をその機器にて再生することができるとともに、番組のデータ量が圧縮されているので、データ通信にかかる時間及びコストを削減することができる等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0034】
図1は本発明に係る番組記録装置としてのハードディスクレコーダの構成を示すブロック図である。
ハードディスクレコーダ1は、CPUで構成された制御部10を備えている。制御部10はチューナ部11,操作部12,表示部13,信号処理部14,記録再生部15,記録部16,予約管理部17,記録番組表作成部18,OSD信号生成部19,出力部20,圧縮部21,電子メール作成部22,通信部23などと接続され、これら各部を制御して、内蔵するROMに格納された制御プログラムに従って種々の機能を実行する。例えば、ハードディスクレコーダ1は、外部から入力された番組の映像信号を所定形式(例えばMPEG形式)の映像データにエンコードする機能、エンコードした映像データを記録する機能、記録している映像データを映像信号にデコードする機能などを有している。
【0035】
チューナ部11は、例えば放送中継基地の方向に向けて配置されたアンテナ50に接続されており、放送中継基地から送信された映像信号のうちの特定周波数帯域の映像信号を選択して復調する機能を有する。
【0036】
操作部12は、ハードディスクレコーダ1を操作するための各種のファンクションキー、例えば、記録の開始を指示する記録開始ボタン、再生の開始を指示する再生開始ボタン、記録・再生の終了を指示する終了ボタン、予約設定キーなどを備えている。もちろん、操作部12には、番組の予約の際に、番組のチャネル、開始日時及び終了日時の入力などを受け付けるためのテンキー、十字キーなどが備えられている。
【0037】
表示部13は、液晶モニタ又はLEDモニタなどの表示デバイスで構成されており、ハードディスクレコーダ1の動作状態の表示、利用者へ操作入力を促す画面の表示などを行う。なお、オン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)を表示機器60に表示してハードディスクレコーダ1を操作するようにしてもよいし、表示部13をタッチパネル方式とすることにより、操作部12の各種のファンクションキーのうちの一部又は全部を代用することも可能である。以下では、操作性がよく、詳細な設定及び操作が可能なOSDであるとして説明する。
【0038】
信号処理部14は、EPG信号復号部14a,コーデック部14bなどを有している。また、放送中継基地から送信された映像信号には最新の番組情報(以下、EPG信号)が重畳されており、EPG信号復号部14aはEPG信号を復号してEPGを取得する。コーデック部14bは、映像信号を所定形式の映像データに符号化する機能と、所定形式の映像データを映像信号に復号化する機能を有する。エンコード形式としては、例えばMPEG形式、DV圧縮形式、モーションJPEG形式などであり、その映像圧縮規格については限定されるものではないが、以下、現在広く利用されているMPEG形式であるとして説明する。
【0039】
記録再生部15は、信号処理部14にて符号化された映像データを記録部16に記録する記録処理と、記録部16に記録された映像データを読み出し、信号処理部14と協業して映像データを再生する再生処理とを行う機能を有する。また、記録再生部15は、番組を記録する際に、番組に係る番組情報を該番組と共に記録するようにしてある。
【0040】
記録部16は、具体的にはハードディスクであり、記録再生部15と接続されて記録再生部15にて符号化された映像データ(番組)16aを記録するものである。記録部16は、ランダムアクセスが可能であるため、記録再生部15による記録処理と再生処理とをそれぞれ独立して行うことができる。つまり、記録処理を行いながら再生処理を行うことができる。また、記録部16には番組情報と記録を指示した利用者の識別情報とを含む記録番組データベース16bが記録されている。より具体的には、記録番組データベース16bは、図2に示すように、番組のカテゴリ、番組のチャネル、番組名、記録開始日時、記録終了日時、曜日のような番組に係る番組情報と、記録を指示した利用者の識別情報(ここではメールアドレス)と、すでに記録済みであるか否かを判別するためのフラグ情報とからなる。この記録番組データベース16bは、操作部12によって適宜更新可能である。なお、フラグ情報が”1”である番組はすでに記録済みであることを示し、フラグ情報が”0”である番組は今後記録予定であることを示している。
【0041】
予約管理部17は、記録番組データベース16bにアクセスして、フラグ情報が”0”である番組を抽出するとともに、現在の時間と記録開始時間とが一致する記録予定の番組が存在するか否かを判定する。一致する番組が存在する場合には、チューナ部11を制御してその番組のチャネルを選択するとともに、記録再生部15にその番組を記録するように指示を行うことによって、記録部16にその番組の記録が開始される。そして、現在の時間が記録終了時間と一致するまで記録処理を継続し、記録終了時間になった場合に記録処理を終了する。これにより、記録部16には利用者によって予約された番組を記録部16に記録することができる。これら、記録番組データベース16bに係る予約内容は、利用者が操作部12を操作することによって受け付けたものであり、操作部12にてメールアドレスなどの情報を受け付ける形態としておく。
【0042】
また、予約管理部17は、予約番組の記録が終了した場合に、記録番組データベース16bのフラグ情報を”0”から”1”に変更して記録番組データベース16bを更新する。なお、EPGによって予約された番組の記録開始時間、記録終了時間が変更されたことを認識した場合には、記録開始時間、記録終了時間を変更して記録番組データベース16bを更新することが好ましい。一般に、スポーツ中継の番組では時間を延長して放送する場合があり、このような場合には、EPGはリアルタイムで放送される番組の番組情報(チャネル、番組名、記録開始時間、記録終了時間)を更新して配信されることから、EPGの情報を参照して記録番組データベース16bを更新する。これにより、利用者が予約記録を指示した番組の放送時間が変更された場合であっても、番組を確実に記録することができる。
【0043】
記録番組表作成部18は、記録番組データベース16bにアクセスして、利用者による指示によって記録した番組の一覧表(記録番組表)を作成する機能を有しており、詳細は後述するが、作成した記録番組表が、記録した番組を利用者の識別情報別、及び番組に係る番組情報別に並べた構成をしていることに特徴がある。
【0044】
OSD信号生成部19は、記録番組表作成部18によって作成された記録番組表を表示機器60に表示するための映像信号を生成する。出力部20には、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイなどの表示機器60が接続されており、出力部20は、チューナ部11によって選択された番組、又は記録再生部15によって再生が選択された記録済みの番組に係る映像信号を表示機器60へ出力し、映像信号に係る映像を表示機器60に表示する。また、OSD信号生成部19にて生成された記録番組表の映像信号と、記録再生部15によって再生された映像信号とを合成するための図示しない表示合成部が設けられており、合成された映像信号を表示機器60へ出力することによって、表示機器60に合成された映像を表示する。
【0045】
圧縮部21は、記録されている番組の1フレームあたりの解像度を変更したり、フレームレートを変更したりすることにより、そのデータ量を圧縮する機能を有している。圧縮部21を設ける主旨は、記録した番組を電子メールに添付して送信する場合に、データ通信にかかる時間及びコストを削減することにあり、番組の詳細な内容を把握するのではなく、番組の概要を把握する場合には、番組のデータ量を圧縮して電子メールに添付することが好ましい。
【0046】
電子メール作成部22は、番組の記録が終了した場合に、記録が終了した旨の内容を示す電子メールを作成する。また、圧縮部21にてデータ量が圧縮された番組を電子メールに添付する機能を有し、電子メールの宛先は予約の際に操作部12にて受け付けたメールアドレスである。通信部23は、インターネットのような通信ネットワークINに接続するための通信接続手段であり、電子メール作成部22が作成した電子メールをインターネットを介してメールサーバ61に送信する。なお、電子メールの宛先が予約の際に操作部12にて受け付けたメールアドレスであるとしたが、操作部12にて受け付けるメールアドレスの数は1つであることに限定されるものではなく、複数のメールアドレスを受け付けるようにしてもよい。このようにして、利用者は、PC62又は携帯端末(例えば携帯電話)63からメールサーバ61にアクセスして、記録が終了した旨の内容を示す電子メールを受信することができる。もちろん、メールサーバ61がハードディスクレコーダ1から電子メールを受信した場合に、メールサーバ61からPC62又は携帯端末63に転送するようにしてもよく、携帯端末63が携帯電話の場合には、このような形態である場合が一般的である。
【0047】
もちろん、圧縮部21にてデータ量が圧縮された番組を電子メールに添付するのではなく、記録部16に記録されている番組そのものを電子メールに添付するようにしてもよい。つまり、番組の概要を把握する場合には番組のデータ量を圧縮して電子メールに添付し、番組の詳細な内容を把握する場合には記録部16に記録されている番組そのものを電子メールに添付するようにする。もちろん、圧縮部21によってデータ量の圧縮率を調整する場合には、送信しようとする番組のデータ量に応じて、その圧縮率を適宜調整できるようにしてもよいことは勿論である。
【0048】
次に、OSD機能を利用した場合のハードディスクレコーダ1の動作について説明する。
図3は本発明に係るハードディスクレコーダが行う予約設定に関する処理手順を示すフローチャートである。なお、処理手順は一例でありこれに限るものではない。また、このような処理手順は、制御部10に内蔵したROMへ予め制御プログラムを組み込んでおくことにより行うことができる。
【0049】
まず、利用者によって予約設定キーが押下されると、制御部10は、EPG予約又はマニュアル予約の選択を受け付ける予約記録設定メニュー画面を表示機器60にOSD表示し(ステップS1)、EPG予約又はマニュアル予約の選択を受け付ける(ステップS2)。予約記録設定画面は、図4に示すように、EPG予約71とマニュアル予約72とがあり、利用者が操作部12の十字キーを操作することによって、EPG予約71又はマニュアル予約72のいずれかを選択するようになっている。
【0050】
EPG予約71が選択されたか否かを判断し(ステップS3)、EPG予約71が選択されたと判断された場合(S3:YES)には、図5に示すように、EPGに基づいて放送予定の番組73を表示機器60にOSD表示する(ステップS4)。そして、利用者が十字キーを操作して選択枠74を適宜移動させることにより、記録したい番組の選択と、利用者自身を識別するためのメールアドレス75の入力とを受け付ける(ステップS5)。EPGには、番組のカテゴリ、番組のチャネル、番組名、記録開始時間、記録終了時間、曜日のような番組に係る番組情報が含まれており、このようなEPG予約の受け付けが行われた場合、記録番組データベース16bに新しいレコードが追加され、そのレコードに、EPGに基づいて選択された番組に係る番組情報とメールアドレスとが記載される。このようにして、予約記録の設定が行われるごとに記録番組データベース16bを更新する(ステップS6)。
【0051】
一方、S2においてマニュアル予約72が選択された場合(S3:NO)には、図6に示すように、従来と同様に、記録する番組のチャネル76、記録開始日時77及び記録終了日時78の入力を受け付けるとともに、その番組のカテゴリ79と利用者自身を識別するためのメールアドレス80の入力とを受け付ける(ステップS7)。このようなマニュアル予約の受け付けが行われた場合も処理をS6へ移行し、記録番組データベース16bに新しいレコードが追加され、そのレコードに、入力された内容に基づく番組に係る番組情報とメールアドレスとが記載される。このようにして、予約記録の設定が行われるごとに記録番組データベース16bが更新される。
【0052】
なお、番組の予約が、すでに記録番組データベース16bに登録されている他の予約と時間帯が重なる場合、すでに登録されている他の予約を優先するように、予約ができないことをOSD表示して利用者に通知してもよいし、これから登録しようとする番組の予約を優先するように、すでに登録されている番組の予約をキャンセルし、記録番組データベース16bから削除するようにしてもよい。
【0053】
図7は本発明に係るハードディスクレコーダが行う予約記録に関する処理手順を示すフローチャートである。なお、処理手順は一例でありこれに限るものではない。
まず、予約管理部17は、所定周期毎に記録番組データベース16bにアクセスして、フラグ情報が”0”である番組を抽出し(ステップS11)、現在の時間と記録開始時間とが一致する記録予定の番組が存在するか否かを判定する(ステップS12)。なお、S12は、厳密に現在の時間と記録開始時間とが一致することが必須ではなく、開始日時≦現在日時<終了日時である記録予定の番組が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
【0054】
S12において現在の時間と記録開始時間とが一致する記録予定の番組が存在しないと判定された場合(S12:NO)、予約記録を行う番組が存在しないことになるので処理をS11に戻す。一方、S12において現在の時間と記録開始時間とが一致する記録予定の番組が存在すると判定された場合(S12:YES)、予約管理部17は、その番組に対する記録番組データベース16bの各要素に基づいて、チューナ部11を制御してその番組のチャネルを選択するとともに、記録再生部15にその番組を記録するように指示して記録処理を行う(ステップS13)。
【0055】
そして、記録終了時間になったか否かを判定し(ステップS14)、記録終了時間になった場合(S14:YES)に記録処理を終了する(ステップS15)。記録終了時間となるまでは(S14:NO)、記録処理を継続する。これにより、記録部16には利用者によって予約された番組を記録部16に記録することができる。また、予約管理部17は、予約番組の記録が終了した場合、記録番組データベース16bのフラグ情報を”0”から”1”に変更して記録番組データベース16bを更新する(ステップS16)。
【0056】
次に、電子メール作成部22は、記録が終了した旨の内容を示す電子メールを作成する(ステップS17)。また、記録部16に記録された番組のデータ量を圧縮部21にて圧縮して電子メールに添付する(ステップS18)。そして、電子メール作成部22が作成した電子メールをインターネットを介して、メールアドレス宛てに送信する(ステップS19)。
【0057】
このようにして、利用者は電子メールを受信することによって、ハードディスクレコーダ1にアクセスすることなく、実際に記録処理が実行されたか否かを確認することができる。また、記録されている番組を電子メールに添付させることにより、番組をメールアドレス宛ての機器に配信して、利用者が電子メールに添付された番組をその機器にて再生することができる。特に、記録されている番組のデータ量を圧縮し、圧縮された番組を電子メールに添付させ、電子メールを受け付けたメールアドレス宛てに送信するようにした場合は、番組のデータ量が圧縮されているので、データ通信にかかる時間及びコストを削減することができる。
【0058】
図8は本発明に係るハードディスクレコーダが行う再生処理に関する処理手順を示すフローチャートである。なお、処理手順は一例でありこれに限るものではない。
まず、記録番組表作成部18は、記録番組データベース16bにアクセスして、記録した番組の一覧表(記録番組表)を作成する(ステップS21)。作成した記録番組表は、図9に示すように、利用者の識別情報(メールアドレス)91と番組のカテゴリ92とが要素となるようにマトリクス状に並べた構成をしている。このような記録番組表は、記録番組データベース16bにアクセスして、フラグ情報が”1”である番組を、番組のカテゴリ及びメールアドレスをキーワードにして並び替えることによって作成される。例えば、まず、フラグ情報が”1”である番組をメールアドレスごとに抽出して、同一メールアドレスの番組に第1番号(ID)を付与する。さらに、第1番号が同一の番組を番組のカテゴリごとに抽出して、同一カテゴリの番組に第2番号(ID)を付与する。このようにして、第1番号を昇順して縦方向に並び替え、第2番号を昇順して横方向に並び替えることで、図9のような記録番組表が作成される。
【0059】
作成された記録番組表は、OSD信号生成部19によって表示機器60に表示するための映像信号に変換され、表示機器60にOSD表示される。そして、利用者が十字キーを操作して、OSD表示された記録番組表の選択枠90を適宜移動させることにより、再生したい番組の選択を受け付け(ステップS22)、受け付けた番組の再生処理を行う(ステップS23)。
【0060】
このようにして、利用者は、記録番組表を参照し、利用者の識別情報(ここではメールアドレス)と番組情報(ここでは番組のカテゴリ)とを手掛かりにして多くの記録済み番組の中から容易に目的の番組を探し出すことができる。とくに、利用者の識別情報と番組情報とがマトリクス状に並べられたものとなるので詮索が極めて簡単になる。とくに、複数の利用者が共用している場合は、自身が記録した番組と他人が記録した番組とが混在されて記録されることになるが、本発明で作成される記録番組表では、自身が記録した番組を、他人が記録した番組から分別することができるので、目的の番組を検索することが極めて容易になる。さらに、利用者は、記録番組表から目的の番組を探し出した後に、その番組を選択することで目的の番組を確実に選択して再生を行うことができる。
【0061】
なお、本実施形態では、利用者の識別情報がメールアドレスである場合について説明したが、ハードディスクレコーダ1を利用する複数の利用者の各人を識別できる識別情報であれば、これに限定されるものではなく、例えば、利用者の氏名、ニックネームのような情報であってもよい。
【0062】
また、番組情報として、番組のカテゴリに基づいて分別する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日の少なくともいずれか1つ、又は番組の放送源(BS放送、地上放送及びCS放送などのソースなど)であってもよい。もちろん、利用者が自由に設定できる自由要素を用意しておき、この自由要素を活用して、番組を分別するようにしてもよい。
【0063】
さらに、操作部12は、ハードディスクレコーダ1本体に設けられている必要はなく、遠隔操作部としてのリモコンをハードディスクレコーダ1に用意しておくようにしてもよい。また、携帯端末(例えば携帯電話)に、操作部12としての機能(予約機能)を備えるようにしておき、携帯端末から例えば赤外線通信で予約の設定を行うようにしてもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る番組記録装置としてのハードディスクレコーダの構成を示すブロック図である。
【図2】記録番組データベースの概要を示すテーブル図である。
【図3】本発明に係るハードディスクレコーダが行う予約設定に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】予約記録設定画面の表示状態を示す模式図である。
【図5】EPG予約設定画面の表示状態を示す模式図である。
【図6】マニュアル予約設定画面の表示状態を示す模式図である。
【図7】本発明に係るハードディスクレコーダが行う予約記録に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係るハードディスクレコーダが行う再生処理に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】記録番組表の表示状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0065】
1 ハードディスクレコーダ
11 チューナ部
12 操作部
13 表示部
14 信号処理部
14a EPG信号復号部
14b コーデック部
15 記録再生部
16 記録部
16a 映像データ(番組)
16b 記録番組データベース
17 予約管理部
18 記録番組表作成部
19 OSD信号生成部
20 出力部
21 圧縮部
22 電子メール作成部
23 通信部
50 アンテナ
60 表示機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の識別情報を受け付ける手段と、受け付けた識別情報に対して放送される番組の予約記録を受け付ける手段と、受け付けた予約記録に係る番組を受信して記録する処理を行う記録処理手段とを備える番組記録装置において、
記録した番組を前記識別情報別に並べた記録番組表を作成する表作成手段と、
該記録番組表の中から番組の選択を受け付ける受付手段と、
選択を受け付けた番組を再生する処理を行う再生処理手段と
を備えることを特徴とする番組記録装置。
【請求項2】
前記記録処理手段は、番組に係る番組情報を該番組と共に記録しており、
前記表作成手段は、記録した番組を前記番組情報別に並べた前記記録番組表を作成するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の番組記録装置。
【請求項3】
放送される番組を受信して該番組に係る番組情報と共に記録する処理を行う記録処理手段を備える番組記録装置において、
記録した番組を前記番組情報別に並べた記録番組表を作成する表作成手段と、
該記録番組表の中から番組の選択を受け付ける受付手段と、
選択を受け付けた番組を再生する処理を行う再生処理手段と
を備えることを特徴とする番組記録装置。
【請求項4】
前記番組情報は、番組のカテゴリ、記録した日時、記録した曜日、又は番組の放送源の少なくともいずれか1つであること
を特徴とする請求項2又は請求項3に記載の番組記録装置。
【請求項5】
前記受付手段は、識別情報として利用者に係るメールアドレスを受け付けるようにしてあり、
通信ネットワークに接続するための通信接続手段と、
番組の記録が終了した場合に、記録が終了した旨の内容を示す前記メールアドレス宛ての電子メールを作成するメール作成手段とを備え、
作成された電子メールを前記通信ネットワークを介して送信するようにしてあること
を特徴とする請求項1、請求項2又は請求項4のいずれか1つに記載の番組記録装置。
【請求項6】
記録されている番組を前記電子メールに添付させる手段を備えること
を特徴とする請求項5に記載の番組記録装置。
【請求項7】
記録されている番組のデータ量を圧縮する圧縮手段と、
圧縮された番組を前記電子メールに添付させる手段と
を備えることを特徴とする請求項5に記載の番組記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−229780(P2006−229780A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−43166(P2005−43166)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】