説明

異なる高さに置かれたシート状部品の自動取出据付装置

【課題】異なる高さに積層されているシート状部品を、吸着して取り出し、ワークテーブルに搬送してセットする自動装置を提供する。
【解決手段】吸着体ホルダーの先端に吸着体2を設ける。この吸着体と該ホルダーのセンターに配置して、コイルバネを設けた可動ピンを、吸着体ホルダーに貫通させて装着する。さらに、この該ホルダーを保持体5に挿入して設ける。次に、保持体の内部の適当なる位置に、近接センサーを設ける。また保持体の側面よりホースニップルを取付けて、吸着体ホルダーに繋止して設ける。さらにホースニップルに、ソレノイドバルブへ接続された、エアチューブを装着する。最後に、搬送ロボットアーム10に設けられた、ホールド基体11に、保持体を装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる高さに積層されて置かれている、防音材あるいは断熱材等のシート状部品をロボットアームに装着した吸着体(2)で取出して、ワークテーブルへ搬送し据え付ける、自動装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状の部品等は積層されて置かれているが、使用されるに従って、取出し高さが変わって来るし、また同じ部品でも積層高さ等も、大小サイズも異なる場合もあり、これまでは作業者が1枚ずつ取っては、ワークテーブル等に据え付けを行っていたが大量になると、やはり人に代わって自動化する事になる。
【0003】
こうした中で近年、自動化には多くの作業用ロボットが採用されてきたが、3次元の動きが要求される場合は、やはり多関節ロボットや直行型ロボットが主流となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの技術は大変良い方法であるが、設備費が非常に高くなり採算が合わないとして苦慮していた。
これら問題点を改善するために本発明はなされたのである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は出来る限りの簡単構成で、ローコストに装置化したものである。まずパイプ状の吸着体ホルダー(1)の先端に、ゴム状の吸着体(2)を設ける。この吸着体(2)と吸着体ホルダー(1)のセンターラインに合わせて配置して、コイルバネ(3)を設けた可動ピン(4)を、吸着体(2)および吸着体ホルダー(1)に貫通させて、この部分に装着する。さらにこの該ホルダーを保持体(5)に挿入して固定して設ける。次に保持体(5)の内部の適当なる位置に、近接センサー(6)を設ける。この近接センサー(6)は、可動ピン(4)の先端が上がって来て接触すると、エアーの流れを制御するソレノイドバルブ(9)にバルブ開閉の電気信号を流すのである。また保持体(5)の側面よりホースニップル(7)を取付けて、吸着体ホルダー(1)に繋止して設ける。さらにホースニップル(7)に、ソレノイドバルブ(9)へ接続された、エアチューブ(8)を装着する。次に搬送ロボットアーム(10)の先端に設けられた、ホールド基体(11)に、これら保持体(5)を装着する。以上このような特徴より成る、異なる高さに置かれたシート状部品の自動取出据付装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明はシンプルな2軸ロボットを応用しているので、低価格で自動装置化出来る。また、ホールド基体部分が大きく上下作動してくれるので、積層されているシート状の部品に於いて、とくに部品積み荷の、高さが異なる場合には、その取り出しに威力を、発揮する。さらに工夫を施した吸着部分の構成により、確実にシート状部品の吸着脱着、が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本構成は、出来る限りの簡単構成で、部品取出から搬送据付までの作業をローコストに自動装置化したものである。まずパイプ形状の吸着体ホルダー(1)の先端に、ゴム状の吸着体(2)を設ける。この吸着体(2)は、図1のごとく椀型のカップ状に形成されており、材質はシリコンゴム等が多く、平面に押し付けて行くと椀型から皿形状なる事は周知のごとくである。この吸着体(2)と吸着体ホルダー(1)のセンターに合わせて配置して、コイルバネ(3)を設けた、上下に動く、可動ピン(4)を、吸着体(2)および吸着体ホルダー(1)に貫通させて装着して設ける。さらにこの該ホルダーを保持体(5)に挿入して固定して設ける。次に保持体(5)の内部の適当なる位置に、近接センサー(6)を設ける。この近接センサー(6)は、可動ピン(4)の先端が上がって来て接触すると、エアーの流れを制御するソレノイドバルブ(9)にバルブ開閉の電気信号を流すのである。また保持体(5)の側面よりホースニップル(7)を取付けて、吸着体ホルダー(1)に繋止して設ける。さらにホースニップル(7)に、ソレノイドバルブ(9)へ接続された、エアチューブ(8)を装着する。次に、搬送ロボットアーム(10)の先端に設けられた、ホールド基体(11)に、これら保持体(5)を装着する。このホールド基体(11)は、ワークの大小により保持体(5)を適当なる数だけ、装着できるように形成されている。
本発明は以上のような構成であり、これを使用実施するときには、
【0008】
作業者によりワークテーブル(12)の近くにある、制御盤の電源と共に作業開始スイッチを入れる。これにより設定されたプログラムに従って、全自動で作業工程をこなして行く。まず搬送ロボットアーム(10)が原点より積層されたシート状部品(13)の真上に移動する。ここで図1を参考にして説明すると、ホールド基体(11)は、該アームのシリンダーにより下がり、シート状部品(13)の表面に対して、吸着体(2)を押し付けて行く。この押圧により吸着体(2)は徐々に皿状に潰れていく。この過程で吸着体ホルダー(1)に設けられている、可動ピン(4)も該部品表面に押し当てられて上昇し、保持体(5)に設けられている近接センサー(6)に、該ピン先端が接触する。この接触によりソレノイドバルブ(9)のバルブが開き、コンプレッサーよりのエアー(14)が強力に、メインホース(15)の中を通り抜けていく、この現象により吸着体(2)の内部からホースニップル(7)、エアーチューブ(8)にかけて強いエアー(14)の流れに引っ張られて、吸引エアー力(16)が発生してシート状部品(13)を確実に吸着する。この状態で保持体(5)は上昇して、該ロボットアームはワークテーブル(12)に移動し該部品を置くと、この時に可動ピン(4)に設けられている、圧縮されたコイルバネ(3)が外れて、その伸びる力により可動ピン(4)は押し下げられて近接センサー(6)から、その先端が離れる。同時にソレノイドバルブ(9)が閉じて、エアー(14)の流れが止まり、吸引エアー力(16)も無くなり、可動ピン(4)はコイルバネ(3)の押圧により、さらに下がり続けて、その該先端はシート状部品(13)を離す。最後にまた原点に戻り、あるいは、積層されたシート状部品(13)の上でスタンバイする。そして次の自動取り出し作業が行われる場合には、積層された部品の高さが異なるが、またことなる別部品に於いては、さらに積層高さや位置が異なるが、該アームの動きと保持体(5)のシリンダーの上下のスムーズな動きによる特徴により、さらに作業が続行できる。最後に制御盤の電源を切って作業を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明の吸着部分の断面図である。
【図2】 本発明の動作構成説明図である。
【符号の説明】
【0010】
1 吸着体ホルダー
2 吸着体
3 コイルバネ
4 可動ピン
5 保持体
6 近接センサー
7 ホースニップル
8 エアチューブ
9 ソレノイドバルブ
10 搬送ロボットアーム
11 ホールド基体
12 ワークテーブル
13 シート状部品
14 エアー
15 メインホース
16 吸引エアー力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着体ホルダー(1)の先端に吸着体(2)を設け、この吸着体(2)と該ホルダーのセンターに配置して、コイルバネ(3)を設けた可動ピン(4)を、吸着体ホルダー(1)に貫通させて装着する、さらにこの該ホルダーを保持体(5)に挿入して設ける、次に保持体(5)の内部の適当なる位置に、近接センサー(6)を設け、また保持体(5)の側面よりホースニップル(7)を取付けて、吸着体ホルダー(1)に繋止して設ける、さらにホースニップル(7)に、ソレノイドバルブ(9)へ接続された、エアチューブ(8)を装着し、次に搬送ロボットアーム(10)に設けられた、ホールド基体(11)に、保持体(5)を装着してなる、異なる高さに置かれたシート状部品の自動取出据付装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate