説明

異方性導電材評価基板および異方性導電材の評価方法

【課題】異方性導電材の評価時間を短くすることができる異方性導電材評価基板および異方性導電材の評価方法を提供する。
【解決手段】この異方性導電材評価基板は、異方性導電材を評価するために用いられる基板であり、複数の接続端子13が形成された第1基板10と、各接続端子13に対応する被接続端子が形成された第2基板20とを備えている。そして、第1基板10と第2基板20とを重ね合わせたとき、評価用接続端子と評価用被接続端子とが重なり、かつ、評価接続面積の異なる部分が2箇所以上形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性導電材の評価をするための異方性導電材評価基板および異方性導電材の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の端子と基板の端子、または基板同士の端子を接続するために異方性導電材が用いられている。具体的には、液晶パネルの接続端子とFPC(Flexible Printed Circuits)の接続端子との接続等に異方性導電材が用いられている。近年、電子部品または基板の端子ピッチが小さくなる傾向にあり、これに適した異方性導電材が開発研究されている。異方性導電材の評価をする方法として、特許文献1に記載の方法が知られている。同文献の技術では、実際の端子同士の接続面積よりも端子同士の重なり合う面積を小さくした状態で、異方性導電材を用いて両端子を接続する。そして、端子同士の接続構造体について信頼性試験を行い、当該接続構造体の端子間の抵抗等を測定することにより異方性導電材を評価している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−029535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような異方性導電材の評価を行うとき、接続面積の小さいものから大きいものまで複数種類の接続構造体を用意し、それぞれについて信頼性試験を行う。これにより、接続面積の大きさに対する異方性導電材の信頼性を評価する。しかし、個々の接続構造体について個別に抵抗等の評価を行う必要がある。このため、このような作業の効率化を図りたいという要望がある。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異方性導電材の評価時間を短くすることができる異方性導電材評価基板および異方性導電材の評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1に記載の発明は、異方性導電材を評価する異方性導電材評価基板であって、複数の評価用接続端子が形成された第1基板と、前記各評価用接続端子に対応して評価用被接続端子が形成された第2基板とを備え、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたとき、前記各評価用接続端子と前記各評価用被接続端子とが重なり、かつ、前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子とが重なる部分の面積を評価接続面積として当該評価接続面積の異なる部分が2箇所以上形成されることを要旨とする。
【0007】
この発明によれば、異方性導電材の評価において、異方性導電材を介して第1基板と第2基板とを接続することにより、評価接続面積が異なる接続部分を2箇所以上形成することができる。すなわち、第1基板と第2基板を合わせる作業を1回行うことにより、評価接続面積が異なる接続部分を複数箇所形成することができるため、接続部分の形成作業を効率的に行うことができる。また、第1基板と第2基板が重ねあわされた接続構造体には、2以上の接続部分が含まれ、評価接続面積が異なる接続部分について抵抗値等の物理量を連続して計測することができるため、評価接続面積の異なる接続構造体を複数個形成し、それぞれを計測機器に配置して計測する場合と比べて、信頼性評価の作業時間を短縮することができる。
【0008】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の異方性導電材評価基板において、前記第1基板には前記各評価用接続端子以外に通電用接続端子が設けられ、前記第2基板には前記各評価用被接続端子以外に通電用被接続端子が設けられ、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに、前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子とが互いに重なる部分、および前記通電用接続端子と前記通電用被接続端子とが互いに重なる部分の各面積の総和を第1面積とし、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに、前記評価用接続端子、前記評価用被接続端子、前記通電用接続端子、および前記通電用被接続端子のうち少なくとも一つが存在する部分の各面積の総和を第2面積として、前記第2面積に対する前記第1面積の比率が50%以上であることを要旨とする。
【0009】
異方性導電材により第1基板と第2基板とを接続するとき、両基板に圧力を加える。第2面積に対する第1面積の比率が小さいとき、各接続部分に加わる圧力に差が生じる。すなわち、各接続部分は、異なる圧力で接続されることになるため、評価接続面積に対する信頼性評価を精確に行うことが困難になる。この発明では、第2面積に対する第1面積の比率を50%以上とする。これにより、各接続部分に加わる圧力の差を小さくすることができる。
【0010】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の異方性導電材評価基板において、前記第1基板には前記各評価用接続端子以外に通電用接続端子が設けられ、前記第2基板には前記各評価用被接続端子以外に通電用被接続端子が設けられ、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに、前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子とが互いに重なる部分、および前記通電用接続端子と前記通電用被接続端子とが互いに重なる部分の各面積の総和を第1面積とし、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに、前記評価用接続端子、前記評価用被接続端子、前記通電用接続端子、および前記通電用被接続端子のうち少なくとも一つが存在する部分の各面積の総和を第2面積として、前記第2面積に対する前記第1面積の比率が80%以上であることを要旨とする。
【0011】
この発明では、第2面積に対する第1面積の比率を80%以上とする。これにより、第2面積に対する第1面積の比率を80%未満とする場合に比べて、各接続部分に加わる圧力の差をさらに小さくすることができる。
【0012】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の異方性導電材評価基板において、複数の前記評価用接続端子が前記第1基板に並列して形成され、複数の前記評価用被接続端子が前記第2基板に並列して形成され、前記評価用被接続端子の並び方向を左右方向とし、前記評価用被接続端子の並び方向に対して垂直な方向を上下方向として、前記評価用接続端子の並び方向と前記評価用被接続端子の並び方向とが合わされて両基板が位置決めされたとき、前記評価用接続端子の上辺よりも下側に前記評価用被接続端子の上辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の下辺よりも上側に前記評価用被接続端子の下辺が位置することを要旨とする。
【0013】
異方性導電材を介して端子同士を接続するときに基板同士が位置ずれすることがある。このため、端子同士が重なりあう面積(評価接続面積)を所定の大きさに設定すること難しい。異方性導電材の評価を精確にするためには評価接続面積の大きさ精確に設定することが必要であるが、このようなことを可能とする異方性導電材の評価基板およびその評価方法は未だ提案されていない。
【0014】
例えば、評価用接続端子の上下方向の長さと評価用被接続端子の上下方向の長さとが等しい場合、異方性導電材を介して評価用接続端子と評価用被接続端子とを接続する際に評価用接続端子と評価用被接続端子とが上下方向にずれたとき、両端子の評価接続面積が縮小する。これに対し、本発明では、評価用接続端子の上辺よりも下側に評価用被接続端子の上辺が位置し、かつ評価用接続端子の下辺よりも上側に評価用被接続端子の下辺が位置するため、評価用接続端子の上下方向の長さと評価用被接続端子の上下方向の長さとが等しい場合と比べて、評価用被接続端子が評価用接続端子に対して上下方向に位置ずれしたとき評価接続面積の変化量が少なくなる。すなわち、評価接続面積の大きさを精確に設定することができる。
【0015】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の異方性導電材評価基板において、前記評価用接続端子の並び方向と前記評価用被接続端子の並び方向とが合わされて両基板が位置決めされたとき、前記評価用接続端子の上辺よりも下側に前記評価用被接続端子の上辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の下辺よりも上側に前記評価用被接続端子の下辺が位置され、かつ前記接続端子の左辺よりも右側に前記評価用被接続端子の左辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の右辺よりも左側に前記評価用被接続端子の右辺が位置することを要旨とする。
【0016】
例えば、評価用接続端子と評価用被接続端子との左右方向の長さが一致しているとき、評価用被接続端子が評価用接続端子に対して左右方向に位置ずれしたとき、両端子の評価接続面積が縮小する。これに対し、本発明では、評価用接続端子の左辺よりも右側に評価用被接続端子の左辺が位置し、かつ評価用接続端子の右辺よりも左側に評価用被接続端子の右辺が位置するため、評価用被接続端子が評価用接続端子に対して左右方向に位置ずれしたときの評価接続面積の変化量が小さい。すなわち、評価接続面積の大きさを精確に設定することができる。
【0017】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の異方性導電材評価基板において、前記評価用接続端子の並び方向と前記評価用被接続端子の並び方向とが合わされて両基板が位置決めされたとき、前記評価用接続端子の上辺よりも下側に前記評価用被接続端子の上辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の下辺よりも上側に前記評価用被接続端子の下辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の左辺よりも左側に前記評価用被接続端子の左辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の右辺よりも右側に前記評価用被接続端子の右辺が位置することを要旨とする。
【0018】
例えば、評価用接続端子と評価用被接続端子との左右方向の長さが一致しているとき、評価用被接続端子が評価用接続端子に対して左右方向に位置ずれしたとき、両端子の評価接続面積が縮小する。これに対し、本発明では、評価用接続端子の左辺よりも左側に評価用被接続端子の左辺が位置し、かつ評価用接続端子の右辺よりも右側に評価用被接続端子の右辺が位置するため、評価用被接続端子が評価用接続端子に対して左右方向に位置ずれしたときの評価接続面積の変化量が小さい。すなわち、評価接続面積の大きさを精確に設定することができる。
【0019】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の異方性導電材評価基板において、前記第1基板の前記評価用接続端子のうち互いに隣り合う端子同士が接続され、互いに接続された評価用接続端子のそれぞれに対して評価用被接続端子が設けられていることを要旨とする。
【0020】
評価用接続端子と評価用被接続端子との間の抵抗を求めるときは、評価用接続端子と評価用被接続端子との間の電圧を測定する。この発明によれば、2つの評価用被接続端子は、互い接続された評価用接続端子を介して接続されている。このため、この2つの評価用被接続端子の間の電圧を測定することにより、評価用被接続端子と評価用接続端子との間の抵抗を測定することができる。
【0021】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の異方性導電材評価基板において、前記第1基板の前記評価用接続端子であって互いに接続された評価用接続端子のうち一方を一評価用接続端子とし、他方を他評価用接続端子とし、前記一評価用接続端子に接続される前記評価用被接続端子を一評価用被接続端子とし、前記他評価用接続端子に接続される前記評価用被接続端子を他評価用被接続端子として、前記一評価用被接続端子および前記他評価用被接続端子のそれぞれには電流印加用の接触部と電圧測定用の接触部とが設けられていることを要旨とする。
【0022】
この発明によれば、四端子法により、評価用接続端子と評価用被接続端子との間の抵抗を測定することができる。すなわち、電流印加用のプローブと接触部との間の接触抵抗の影響を小さくすることができるため、評価用接続端子と評価用被接続端子との間の抵抗を精確に測定することができる。
【0023】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の異方性導電材評価基板において、前記第2基板には、前記評価用被接続端子から離間し、かつ前記評価用接続端子に対応するところにダミーランドが形成されていることを要旨とする。
【0024】
評価用接続端子と評価用被接続端子とを接続する場合において、1つの接続構造体において評価用被接続端子の面積を異ならせているとき、評価用接続端子と評価用被接続端子との間に加わる圧力が異なる場合がある。すなわち、評価用被接続端子の面積が小さいものほど評価用接続端子と評価用被接続端子との間に加わる圧力が高くなることがある。これは、2枚の基板内での接触部分に偏りにより基板面上において圧力ばらつきが生じるためである。評価用接続端子と評価用被接続端子との間の評価接続面積に対して異方性導電材の特性を評価する場合に、評価接続面積以外の要素が評価用接続端子と評価用被接続端子との接続構造に影響を与えると、評価接続面積についての異方性導電材の特性を精確に評価することができない。すなわち、評価接続面積に対する異方性導電材の特性評価においては、評価用被接続端子の面積を異ならせたとき評価用接続端子と評価用被接続端子との間に加えられる圧力は一定であることが好ましい。
【0025】
この点、本発明では、第2基板に、評価用被接続端子から離間し、かつ評価用接続端子に対応するところにダミーランドを形成する。このため、基板面上における圧力ばらつきを小さくすることができ、これにより、評価接続面積を小さくしたことに伴う端子同士の接続部分の圧力増大を抑制することができる。このようなダミーランドを形成しない場合と比較して、評価接続面積に対する異方性導電材の特性を精確に評価することができる。
【0026】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の異方性導電材評価基板を用いる異方性導電材の評価方法であって、前記第1基板の複数の前記評価用接続端子と、前記第2基板の複数の前記評価用被接続端子とを前記異方性導電材により接続する工程と、前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子とを前記異方性導電材により接続したものについて設定時間にわたって高温高湿または高温に維持する工程と、高温高湿または高温に維持する工程の前後において前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子との間の抵抗を測定するとともに、前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子との間の前記評価接続面積に対する前記異方性導電材の抵抗変化率を算出する工程とを含むことを要旨とする。
【0027】
この発明によれば、第1基板と第2基板が重ねあわされた接続構造体に、2以上の接続部分が形成される。これにより、評価接続面積が異なる接続部分について抵抗値等の物理量を連続して計測することができるため、評価接続面積の異なる複数の接続構造体をそれぞれ計測機器にセットして計測する場合と比べて、信頼性評価の作業時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、接続面積の大きさを精確に設定することができる異方性導電材評価基板および異方性導電材の評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態の異方性導電材評価基板について、その斜視構造を示す斜視図。
【図2】同実施形態の異方性導電材評価基板について、第1基板の平面構造を示す平面図。
【図3】同実施形態の異方性導電材評価基板について、第2基板の平面構造を示す平面図。
【図4】同実施形態の異方性導電材評価基板について、第1基板と第2基板とを接続した状態を示す平面図。
【図5】同実施形態の異方性導電材評価基板について、第1面積および第2面積を示す平面図。
【図6】基板同士の位置ずれについて、(a)は従来構造に係る基板の位置ずれを示す模式図、(b)は、実施形態に係る基板の位置ずれを示す模式図。
【図7】同実施形態の異方性導電材評価基板について、図4のA−A線に沿う断面構造を示す断面図。
【図8】同実施形態の接続構造体の接続抵抗について、高温高湿試験の経過時間に対する抵抗値の変化を示すグラフ。
【図9】同実施形態の異方性導電材評価基板の第1の変形例について、その平面構造を示す平面図。
【図10】同実施形態の異方性導電材評価基板の第2の変形例について、その平面構造を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1〜図3を参照して、異方性導電材を評価するための異方性導電材評価基板の一実施形態について説明する。
なお、異方性導電材評価基板1を用いて評価される異方性導電材40としては、異方性導電フィルム、異方性導電シート、異方性導電テープ、室温で液状の異方性導電接着剤等が挙げられる。
【0031】
図1に示すように、異方性導電材評価基板1は、第1基板10と第2基板20とを備えている。
図2に示すように、第1基板10は、第1ベース板11と、この第1ベース板11の一方の面に形成された接続端子部12とを備えている。第1ベース板11はガラスにより形成されている。
【0032】
接続端子部12は、複数本の接続端子13により構成されている。各接続端子13は一列に整列されている。
なお、以降の説明では、接続端子13の並び方向を第1基板10の「左右方向」とし、左右方向に垂直な方向を第1基板10の「上下方向」とする。接続端子13の左右方向の幅を「横幅」とし、接続端子13の上下方向の幅を「縦幅」とする。
【0033】
接続端子13の横幅は、所定の横幅長LSAに設定されている。接続端子13それぞれの縦幅は等しい。隣り合う接続端子13の中心線の距離(以下、「端子ピッチ」)は、所定のピッチ距離LPAに設定されている。隣り合う接続端子13同士は、連結部14により互いに接続されている。2本の接続端子13により「接続端子対13X」を構成する。
【0034】
接続端子13は金属により形成されている。具体的には、アルミニウム、タンタル若しくはこれらの金属、またはITO(Indium−Tin−Oxide)により形成される。
【0035】
次に、第1基板10の接続端子13を区分するグループについて説明する。
接続端子13は所定のグループ(以下、「接続グループGS」)に属する。
接続グループGSには6本の接続端子13が含まれる。具体的には、連続して並べられた6本の接続端子13が接続グループGSに属する。すなわち、接続グループGSには3つの接続端子対13Xが含まれている。
【0036】
互いに隣り合う接続グループGS同士は、1つの接続端子対13Xを共有する。すなわち、接続グループGS内に含まれる3つの接続端子対13Xのうち一方端の接続端子対13Xは、2つの接続グループGSに属する。
【0037】
なお、接続グループGSにおいて、一方端から3番目と4番目の接続端子13が、異方性導電材を評価するための接続端子すなわち「評価用接続端子TXa」に該当する。また、一方端から1番目と2番目と5番目と6番目の接続端子13が、評価用接続端子TXaに電流を流すための「通電用接続端子TXc」に該当する。
【0038】
図3に示すように、第2基板20は、第2ベース板21と、第2ベース板21に設けられた被接続端子部30とを備えている。
第2ベース板21は、フレキシブル基板、例えばポリイミドフィルムにより形成されている。なお、第2ベース板21は、エポキシ基板、ポリイミド基板、紙フェノール基板等により形成することもできる。
【0039】
被接続端子部30は、複数本の被接続端子30Aにより構成されている。
被接続端子30Aは一列に整列されている。被接続端子30Aは、第1基板10の接続端子13に対応して設けられている。なお、以降の説明では、被接続端子30Aの並び方向を第2基板20の「左右方向」とし、左右方向に垂直な方向を第2基板20の「上下方向」とする。被接続端子30Aの左右方向の幅を「横幅」とし、被接続端子30Aの上下方向の幅を「縦幅」とする。
【0040】
被接続端子30Aの横幅は、所定の横幅長LSBに設定されている。横幅長LSBは、接続端子13の横幅長LSAよりも小さい。隣り合う被接続端子30Aの端子ピッチは、所定のピッチ距離LPBに設定されている。ピッチ距離LPBは、第1基板10のピッチ距離LPAと等しい。
【0041】
被接続端子部30は、第2基板20の左端に配置される左端被接続端子38と、第2基板20の右端に配置される右端被接続端子39と、左端被接続端子38と右端被接続端子39との間に配置される複数の中間端子列30Mとにより構成されている。
【0042】
中間端子列30Mは、4本の被接続端子30Aと、4本のダミーランドとにより構成されている。
4本の被接続端子30Aのうち、図中の右側から順番に、第1被接続端子31、第2被接続端子32、第3被接続端子33、第4被接続端子34とする。4つのダミーランドをそれぞれ第1ダミーランド37A、第2ダミーランド37B、第3ダミーランド37C、第4ダミーランド37Dとする。
【0043】
なお、第2被接続端子32および第3被接続端子33が、異方性導電材を評価するための被接続端子すなわち「評価用被接続端子TXb」に該当する。第1被接続端子31および第4被接続端子34が、評価用被接続端子TXbに電流を流すための「通電用被接続端子TXd」に該当する。評価用被接続端子TXbは上記評価用接続端子TXaと1対1で対応する。
【0044】
第1被接続端子31および第4被接続端子34は上下方向に直線状に延びている。第1被接続端子31と第2被接続端子32とは連結部31Aにより互いに接続されている。第4被接続端子34と第3被接続端子33とは連結部34Aにより互いに接続されている。連結部31Aの縦幅と連結部34Aの縦幅は等しい。第2被接続端子32の縦幅は第1被接続端子31の縦幅よりも短い。第3被接続端子33の縦幅は第4被接続端子34の縦幅よりも短い。第2被接続端子32の縦幅と第3被接続端子33の縦幅とは等しく、所定の長さに設定されている。
【0045】
第1ダミーランド37Aは、第1被接続端子31の左側に隣接しかつ第2被接続端子32よりも上側に形成されている。第2ダミーランド37Bは、第1被接続端子31の左側に隣接しかつ第2被接続端子32よりも下側に形成されている。第3ダミーランド37Cは、第4被接続端子34の右側に隣接しかつ第3被接続端子33よりも上側に形成されている。第4ダミーランド37Dは、第4被接続端子34の右側に隣接しかつ第3被接続端子33よりも下側に形成されている。これら各ダミーランドの横幅は、第1被接続端子31の横幅と等しい。
【0046】
次に、各被接続端子30Aの区分するグループ(以下、「被接続グループGT」)について説明する。
各被接続端子30Aは3つの被接続グループGTに区分される。被接続グループGTは、左から順に、第1被接続グループGTA、第2被接続グループGTB、第3被接続グループGTCとする。
【0047】
各被接続グループGTには、中間端子列30Mと、第1被接続端子31の外側に配置されている被接続端子(以下、「第1外側被接続端子TA」)と、第4被接続端子34の外側に配置されている被接続端子(以下、「第2外側被接続端子TB」)とが含まれる。
【0048】
第2被接続グループGTBの場合、第1外側被接続端子TAは第3被接続グループGTCの第4被接続端子34に対応する。第2外側被接続端子TBは第1被接続グループGTAの第1被接続端子31に対応する。
【0049】
すなわち、互いに隣り合う被接続グループGT同士は2本の被接続端子30Aを共有する。被接続グループGT内に含まれる6本の被接続端子30Aのうち端側に配置されている2本の被接続端子30Aは、異なる2つの被接続グループGTに属する。
【0050】
図4および図5を参照して、第1基板10の接続端子13と第2基板20の被接続端子30Aとを異方性導電材40を介して接続した接続構造体60について説明する。
なお、図4は第2基板20を透視した図である。異方性導電材40の図示を省略している。
【0051】
接続構造体60は、第1基板10と第2基板20との間に異方性導電材40を挟み、接続端子部12の左右方向と被接続端子部30の左右方向とを合わして位置決めし、両基板を熱圧着することにより形成される。第1基板10の接続グループGSと、第2基板20の被接続グループGTとは1対1に対応している。
【0052】
なお、以降の説明では、接続構造体60のうち、接続グループGSまたは被接続グループGTに対応する部分を、図面上で左側から順に、第1接続構造体61、第2接続構造体62、第3接続構造体63とする。
【0053】
第2接続構造体62について、接続端子13と被接続端子30Aとの対応関係を説明する。なお、第1接続構造体61および第3接続構造体63は、第2接続構造体62と同様の構造である。
【0054】
第2接続構造体62において、接続端子13と被接続端子30Aとは1対1に対応し、互いに向かい合っている。以降の説明では、第2接続構造体62の接続端子13について、左側から順に、第1接続端子131、第2接続端子132、第3接続端子133、第4接続端子134、第5接続端子135、第6接続端子136とする。
【0055】
第1接続端子131は、異方性導電材40を介して第1外側被接続端子TAに接続されている。第2接続端子132は、異方性導電材40を介して第1被接続端子31に接続されている。第3接続端子133は、異方性導電材40を介して第2被接続端子32に接続されている。第4接続端子134は、異方性導電材40を介して第3被接続端子33に接続されている。第5接続端子135は、異方性導電材40を介して第4被接続端子34に接続されている。第6接続端子136は、異方性導電材40を介して第2外側被接続端子TBに接続されている。
【0056】
第2被接続端子32(評価用被接続端子TXb)と第3接続端子133(評価用接続端子TXa)との位置関係は次のように規定されている。
第2被接続端子32の上辺32Aは、第3接続端子133の上辺133Aよりも下側に位置する。第2被接続端子32の下辺32Bは、第3接続端子133の下辺133Bよりも上側に位置する。第2被接続端子32の左辺32Cは、第3接続端子133の左辺133Cよりも右側に位置する。第2被接続端子32の右辺32Dは、第3接続端子133の右辺133Dよりも左側に位置する。
【0057】
第2被接続端子32の左辺32Cと第3接続端子133の左辺133Cとの間の距離DA、および第2被接続端子32の右辺32Dと第3接続端子133の右辺133Dとの間の距離DBは、基板の位置決め寸法公差dよりも大きい(図6参照)。
【0058】
第3被接続端子33と第4接続端子134との位置関係は次のように規定されている。
第3被接続端子33の上辺33Aは、第4接続端子134の上辺134Aよりも下側に位置する。第3被接続端子33の下辺33Bは、第4接続端子134の下辺134Bよりも上側に位置する。第3被接続端子33の左辺33Cは、第4接続端子134の左辺134Cよりも右側に位置する。第3被接続端子33の右辺33Dは、第4接続端子134の右辺134Dよりも左側に位置する。
【0059】
第3被接続端子33の左辺33Cと第4接続端子134の左辺134Cとの間の距離DA、および第3被接続端子33の右辺33Dと第4接続端子134の右辺134Dとの間の距離DBは、基板の位置決め寸法公差dよりも大きい(図6参照)。
【0060】
第1接続端子131と第2接続端子132、第3接続端子133と第4接続端子134、第5接続端子135と第6接続端子136は、それぞれ接続端子対13Xを形成している。第1被接続端子31と第2被接続端子32、第3被接続端子33と第4被接続端子34とは連結部により接続されている。すなわち、第1基板10の接続端子13と第2基板20の被接続端子30Aは、異方性導電材40を介して直列に接続され、一つの導体(以下、「直列導体」)を形成する。
【0061】
第1ダミーランド37Aおよび第2ダミーランド37Bは、異方性導電材40を介して第3接続端子133に接続されている。第3ダミーランド37Cおよび第4ダミーランド37Dは、異方性導電材40を介して第4接続端子134に接続されている。これらダミーランドは、直列導体に対し枝状に接続されている。すなわち、直列導体に電流を流したときに、これらダミーランドには電流が流れない。
【0062】
各接続構造体は次の点で異なる。
各接続構造体は、第2被接続端子32の縦幅長および第3被接続端子33の縦幅長について異なっている。
【0063】
すなわち、第1接続構造体61の第2被接続端子32の縦幅長および第3被接続端子33の縦幅長は、第2接続構造体62の第2被接続端子32の縦幅長および第3被接続端子33の縦幅長よりも小さい。
【0064】
第2接続構造体62の第2被接続端子32の縦幅長および第3被接続端子33の縦幅長は、第3接続構造体63の第2被接続端子32の縦幅長および第3被接続端子33の縦幅長よりも小さい。
【0065】
すなわち、次の構成となっている。
(a)第2被接続端子32と第3接続端子133との接続部分の評価接続面積は、小さい順に、第1接続構造体61、第2接続構造体62、第3接続構造体63となっている。
(b)第3被接続端子33と第4接続端子134との接続部分の評価接続面積は、小さい順に、第1接続構造体61、第2接続構造体62、第3接続構造体63となっている。
(c)第2被接続端子32と第3接続端子133との接続部分の評価接続面積と、第3被接続端子33と第4接続端子134との接続部分の評価接続面積との総和を「総接続面積」とすると、総接続面積は、小さい順に、第1接続構造体61、第2接続構造体62、第3接続構造体63となっている。すなわち、接続構造体60には、評価接続面積の異なる部分が3箇所設けられている。
【0066】
図5を参照して、接続構造体60の各接続部分の接続面積の関係について説明する。
接続構造体60において、第1面積、第2面積、および第3面積は次のように定義される。
【0067】
第1面積は、評価用接続端子TXaと評価用被接続端子TXbとが互いに重なる部分(接続部分)の接続面積と、通電用接続端子TXcと通電用被接続端子TXdとが互いに重なる部分(接続部分)の接続面積との総和として与えられる。図5では、黒色に塗りつぶした領域の面積を示す。
【0068】
第2面積は、接続構造体60を一方の面からみたとき、評価用接続端子TXa、評価用被接続端子TXb、通電用接続端子TXc、および通電用被接続端子TXdのうち少なくとも一つが存在する部分の各面積の総和として与えられる。図5では、灰色に塗りつぶした領域の面積を示す。
【0069】
第3面積は、評価用接続端子TXaと評価用被接続端子TXbとが互いに重なる部分(接続部分)の接続面積と、評価用接続端子TXaとダミーランドとが互いに重なる部分の接続面積と、通電用接続端子TXcと通電用被接続端子TXdとが互いに重なる部分(接続部分)の接続面積との総和として与えられる。
【0070】
そして、このような定義において、第1面積は、第2面積の50%以上に規定されている。第3面積は、第2面積の80%以上に規定されている。なお、第1面積を第2面積の80%以上とすることが、より好ましい。
【0071】
<接続面積について>
図6を参照して、第1基板10と第2基板20とを接続するときに接続端子13と被接続端子30Aの評価接続面積を所定の大きさに設定する場合において、目標とする評価接続面積と実際の接続面積との差に関し、以下に示す比較方法と実施形態の異方性導電材評価基板1を用いる方法とを比較して、説明する。
【0072】
評価接続面積の大きさに対して異方性導電材40の特性を評価するとき、特に問題となるのは、従来の製造方法では容易に形成することができないファインピッチおける評価である。ファインピッチの場合、従来よりも評価接続面積が小さくなる。このため、ファインピッチの接続端子同士の接続における異方性導電材40の評価を行うためには、同ファインピッチと同等の評価接続面積を実現することを要する。
【0073】
(A)比較方法
このような評価接続面積を実現するために、次の方法(以下、「比較方法」)が考えられる。図6(a)は、比較方法により、第1基板10の接続端子(以下、「従来接続端子210」)と第2基板20の被接続端子(以下、「従来被接続端子220」)との評価接続面積を所定の大きさに設定したときの平面図を示す。
【0074】
同図に示すように、比較方法では、従来の製造方法により形成した第1基板10と第2基板20とを用いている。そして、第1基板10の従来接続端子210と第2基板20の従来被接続端子220とを接続したとき、評価接続面積が、通常の方法で接続した場合の接続面積(以下、「従来評価接続面積」)よりも小さくなるように、図6(a)に示すように、従来接続端子210と従来被接続端子220とをずらして位置合わせする。このような方法により、両端子の評価接続面積が従来評価接続面積よりも小さくなる。
【0075】
以降の説明において、比較方法により実現した接続面積の縦幅長を「4・Y」とし、接続面積の横幅長を「X/2」とする。このとき、接続面積は「2・X・Y」となる。
この方法の場合、第2基板20が第1基板10に対して基準位置からずれたとき、評価接続面積が変化する。評価接続面積の増減比率は、その基準位置からのずれに対応する。すなわち、ずれ量を「a」として第2基板20が第1基板10に対し左右方向にずれたとき、目標の評価接続面積に対する評価接続面積の変化面積は「4・a・Y」となる。ずれ量を「b」として第2基板20が第1基板10に対し上下方向にずれたときは、目標の評価接続面積に対する実際の評価接続面積の変化量は「b・X/2」となる。
【0076】
(B)異方性導電材評価基板1を用いる方法
図6(b)は、所定の接続面積を有する第2被接続端子32および第3被接続端子33の拡大図を示す。第2被接続端子32の評価接続面積および第3被接続端子33の評価接続面積の総面積が測定にかかる測定接続面積に相当する。なお、比較のため、第1基板10の接続端子13の横幅長と比較方法の従来接続端子210の横幅長とを等しくし、第2基板20の被接続端子30Aの横幅長と比較方法の従来被接続端子220の横幅長とを等しくする。また、第2被接続端子32の接続面積および第3被接続端子33の接続面積の総和(測定接続面積)と、比較方法の評価接続面積とを等しくする。
【0077】
このような異方性導電材評価基板1において、第2基板20が第1基板10に対して基準位置からずれたときの測定接続面積の変化量は、次のようになる。
第1基板10に対して第2基板20が図中左方向にずれる場合において、第1基板10に対する第2基板20のずれ量が寸法公差d以内のとき、第2被接続端子32に連結する連結部31Aの面積が減少する一方、第3被接続端子33に連結する連結部34Aの面積が増大する。このため、測定接続面積の変化量は略「0」となる。このことは、第1基板10に対して第2基板20が図中右方向にずれる場合においても同様である。
【0078】
第2基板20が第1基板10に対し上下方向にずれたとき、第2被接続端子32に対応する評価接続面積の大きさおよび第3被接続端子33に対応する評価接続面積の大きさは変化しないため、測定接続面積(2つの評価接続面積の和)の変化量は略「0」となる。
【0079】
以上に説明したように、異方性導電材評価基板1を用いて所定の接続面積を設定するとき、第1基板10と第2基板20との位置ずれにおいて、比較方法に比べて、測定接続面積の変化量が小さい。評価接続面積は測定接続面積の2分の1として求められるため、第1基板10と第2基板20との位置ずれに対して評価接続面積の変化量も小さい。
【0080】
<接続構造体の形成方法>
第1基板10と第2基板20とを用いて接続構造体60を形成する方法について説明する。
【0081】
まず、第1基板10を土台に固定し、第1基板10の上に異方性導電材40を配置する。そして、50〜80℃の温度、0.5〜3MPaの圧力により異方性導電材40を第1基板10に1〜3秒の時間押し付けて、同基板に対して異方性導電材40を仮固定する。
【0082】
次に、第1基板10の接続端子13と第2基板20の被接続端子30Aとを対応させて第1基板10と第2基板20とを重ね合わせ、140〜200℃の温度、1〜5MPaの圧力、5〜15秒の時間で両基板を圧着する。以上の工程により、接続構造体60が形成される。
【0083】
<接続抵抗の測定>
図7を参照して、接続抵抗の測定方法について説明する。
なお、測定対象の接続抵抗は、第2被接続端子32と第3被接続端子33との間の抵抗とする。
【0084】
第2被接続端子32(一評価用被接続端子)は異方性導電材40を介して第3接続端子133(一評価用接続端子)に接続されている。第3被接続端子33(他評価用被接続端子)は異方性導電材40を介して第4接続端子134(他評価用接続端子)に接続されている。すなわち、接続抵抗は、第2被接続端子32と第3接続端子133との接続部分の抵抗と、第3被接続端子33と第4接続端子134の接続部分の抵抗の総和に該当する。
【0085】
異方性導電材評価基板1を用いて形成される接続構造体60は、4端子法により接続抵抗を測定することができる構造となっている。この点について、第2接続構造体62において説明する。
【0086】
第2被接続端子32と第1被接続端子31とは互いに接続されている。第1被接続端子31は接続端子対13Xを介して第1外側被接続端子TAに接続されている。第3被接続端子33と第4被接続端子34とは互いに接続されている。第4被接続端子34は、接続端子対13Xを介して第2外側被接続端子TBに接続されている。
【0087】
第1外側被接続端子TAおよび第2外側被接続端子TBは、電流印加用の端子である。すなわち、測定対象の接続抵抗を含む直列回路(直列導体)において、測定対象の部位よりも外側に電流印加用の端子を設けている。すなわち、第1外側被接続端子TAと第2外側被接続端子TBとを用いて測定対象の部位(接続抵抗)に電流を流すことができる構造とされている。
【0088】
以下、第2接続構造体62を対象にして、4端子法に基づくプローブに当て方について説明する。
第2接続構造体62に所定電流を供給する定電流電源のプローブを第1プローブ201および第2プローブ202とする。接続抵抗の電圧を計測する電圧計測器のプローブを第3プローブ203および第4プローブ204とする。
【0089】
接続抵抗を測定するとき、第1プローブ201を第1外側被接続端子TA(電流印加用の接触部)に接続し、かつ第2プローブ202を第2外側被接続端子TB(電流印加用の接触部)に接続する。
【0090】
電圧計測器の第3プローブ203を第1被接続端子31(電圧測定用の接触部)に接続し、第4プローブ204を第4被接続端子34(電圧測定用の接触部)に接続する。そして、第1被接続端子31と第4被接続端子34の間の電圧を測定する。接続抵抗は、電圧と供給電流の値に基づいて算出される。
【0091】
<異方性導電材の評価>
図8を参照して、評価接続面積に対する異方性導電材40の評価について説明する。
信頼性試験の経過時間における評価接続面積に対する抵抗値の変化率(以下、「抵抗変化率」)により、異方性導電材40を評価する。
【0092】
信頼性試験として、温度60℃、湿度90%の条件下で所定時間にわたって接続構造体60を保存する試験を行った。
信頼性試験は、次に示す評価接続面積を有する接続構造体について行った。評価接続面積として、2500μm、3000μm、3500μm、4000μm、4500μmの接続構造体について試験を行った。異方性導電材40として日立化成工業株式会社製AC11800の異方性導電フィルムを用いた。
【0093】
図8に示すように、初期抵抗すなわち信頼性試験の経過時間が「0」のときの接続抵抗は、評価接続面積が大きくなるほど小さくなる。また、評価接続面積が大きいほど、信頼性試験の時間経過に伴う抵抗変化率は小さい。
【0094】
<異方性導電材評価基板について>
異方性導電材評価基板1を用いた接続構造体60では、「異方性導電材の評価」において示したように、接続構造体60の評価接続面積の増大するにつれて抵抗値が小さくなっている。また、評価接続面積が大きいほど、信頼性試験の時間経過に伴う抵抗変化率は小さくなっている。
【0095】
一方、上記に示した比較方法の場合、評価接続面積の増大にも拘わらず抵抗値が大きくなることがある。すなわち、比較方法の場合、上述したように、第1基板10と第2基板20とを接続するときのずれ量が評価接続面積に対して大きいため、目標の評価接続面積と実際の評価接続面積とが異なることがある。すなわち、想定される結果が得られないことがある。この点、異方性導電材評価基板1を用いた異方性導電材40の評価によれば、評価接続面積に対する異方性導電材40の特性傾向に関し予想される結果が得られる。すなわち、評価接続面積が精確に設定することができるため、評価接続面積について定量的な評価が可能である。
【0096】
<異方性導電材評価基板の第1の変形例>
図9を参照して、本実施形態の異方性導電材評価基板1の第1の変形例について説明する。
【0097】
上記実施形態では、異方性導電材評価基板1の使い勝手を考慮して、第1基板10の接続端子部12および第2基板20の被接続端子部30のパターンを形成している。
次に示す異方性導電材評価基板1は、比較方法に比べ、評価接続面積を精確に設定することができることを主目的として構成されたものである。以下、実施形態と異なる点について説明する。
【0098】
第1基板10の接続端子部12は、実施形態と異なり、接続端子13は対を構成していない。
第2基板20には縦幅長の異なる複数の被接続端子801が形成されている。各被接続端子801には電極端子802が接続されている。そして、被接続端子801は、第1実施形態の第2被接続端子32と同様の構造を備えている。すなわち、第1基板10と第2基板とを重ね合わせて位置決めしたとき、被接続端子801の上辺が接続端子13の上辺よりも下側に配置されかつ被接続端子801の下辺が接続端子13の下辺よりも上側に配置される。
【0099】
以上の構成によっても、第1基板10に対し第2基板20が基準位置からずれたときの評価接続面積の変化量は、比較方法と比べて小さい。これは、被接続端子801の縦幅を第1基板10の接続端子13の縦幅よりも小さくしているためである。すなわち、第2基板20が上下方向にずれたとき、接続端子13と被接続端子801との評価接続面積は殆ど変化しない。
【0100】
なお、第1実施形態のように定電流電源のプローブを接触するための通電用被接続端子を設けていないため、抵抗を測定するときは、定電流電源の第1プローブ201を接続端子13および電極端子802のうちのいずれか一方に接続するとともに、第2プローブ202を接続端子13および電極端子802のうちの他方に接続する。また、電圧計測器の第3プローブ203を、接続端子13および電極端子802のうちのいずれか一方に接続するとともに、第4プローブ204を接続端子13および電極端子802のうちの他方に接続する。
【0101】
<異方性導電材評価基板の第2の変形例>
図10を参照して、異方性導電材評価基板1の第2の変形例について説明する。
本実施形態の異方性導電材評価基板1は、比較方法に比べて評価接続面積を精確に設定することができることを主目的として構成されたものである。以下、実施形態と異なる点について説明する。
【0102】
第1基板10の接続端子部12は、実施形態と異なり、接続端子13は対を構成していない。
第2基板20には縦幅長の異なる複数の被接続端子901が形成されている。各被接続端子901には電極端子902が接続されている。そして、第1基板10と第2基板20とを重ね合わせて位置決めしたとき、被接続端子901の上辺が接続端子13の上辺よりも下側に位置し、かつ被接続端子901の下辺が接続端子13の下辺よりも上側に位置する。また、被接続端子901の左辺901Cが接続端子13の左辺13Cよりも左側に位置し、被接続端子901の右辺901Dが接続端子13の右辺13Dよりも右側に位置する。
【0103】
この構成の場合、第1基板10に対し第2基板20が基準位置から左右方向にずれたとき、評価接続面積の変化量は比較方法と比べて小さい。すなわち、第2基板20が左右方向にずれたとき、接続端子13と被接続端子901との評価接続面積は殆ど変化しない。
【0104】
(実施形態の効果)
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、第1基板10と第2基板20とを重ね合わせたとき、評価用接続端子である一対の接続端子13と、評価用被接続端子である第2被接続端子32および第3被接続端子33とが1対1で重なる。評価接続面積の大きさの異なる接続部分が3箇所設けられる。
【0105】
この構成によれば、異方性導電材40の評価において、異方性導電材40を介して第1基板10と第2基板20とを接続することにより、評価接続面積の大きさが異なる接続部分を2箇所以上形成することができる。すなわち、第1基板10と第2基板20を合わせる作業を1回行うことにより、評価接続面積が異なる接続部分を複数箇所形成することができる。このため、接続部分の形成作業を効率的に行うことができる。また、第1基板10と第2基板20とが重ねあわされた接続構造体60に2以上の接続部分が含まれていることから、評価接続面積が異なる接続部分について抵抗値等の物理量を連続して計測することができる。すなわち、評価接続面積の異なる接続構造体を複数個形成し、それぞれを計測機器に配置して計測する場合と比べて、信頼性評価の作業時間を短縮することができる。
【0106】
(2)本実施形態では、第2面積に対する第1面積の比率を50%以上とする。
異方性導電材40により第1基板10と第2基板20とを接続するとき、両基板に圧力を加える。第2面積に対する第1面積の比率が小さいとき、接続部分のそれぞれに加わる圧力に差が生じることが多い。すなわち、評価対象である各接続部分は、異なる圧力で接続されることになるため、評価接続面積に対する信頼性評価を精確に行うことが困難になる。この構成では、第2面積に対する第1面積の比率を50%以上とする。これにより、各接続部分に加わる圧力の差を小さくすることができる。
【0107】
なお、第2面積に対する第1面積の比率を80%以上することがより好ましい。これにより、第2面積に対する第1面積の比率を80%未満とする場合にくらべて、各接続部分に加わる圧力のばらつきをさらに小さくすることができる。
【0108】
(3)本実施形態では、接続端子13の左右方向と被接続端子30Aの左右方向とが合わされて第1基板10と第2基板20が位置決めされたとき、第3接続端子133の上辺133Aよりも下側に第2被接続端子32の上辺32Aが位置し、かつ第3接続端子133の下辺133Bよりも上側に第2被接続端子32の下辺32Bが位置する。
【0109】
この構成によれば、接続端子13の縦幅長と被接続端子30Aの縦幅長とが等しい場合と比べて、被接続端子30Aが接続端子13に対して上下方向に位置ずれしたときの評価接続面積の変化量が小さい。すなわち、上下方向の位置ずれに対し評価接続面積の変化を小さくすることができるため、評価接続面積に対する異方性導電材40の特性について精確に評価することができる。
【0110】
(4)本実施形態では、接続端子13の左右方向と被接続端子30Aの左右方向とが合わされて第1基板10と第2基板20が位置決めされたとき、第3接続端子133の左辺133Cよりも右側に第2被接続端子32の左辺32Cが位置し、かつ第3接続端子133の右辺133Dよりも左側に第2被接続端子32の右辺32Dが位置する。
【0111】
この構成によれば、第2被接続端子32が第3接続端子133に対して左右方向に位置ずれしたときの評価接続面積の変化量が小さい。すなわち、左右方向の位置ずれに対し評価接続面積の変化を小さくすることができるため、評価接続面積に対する異方性導電材40の特性について精確に評価することができる。
【0112】
(5)本実施形態では、互いに隣り合う接続端子13同士が連結部14により接続されている。そして、接続端子13のそれぞれに対して被接続端子30Aが設けられている。このため、2本の被接続端子30Aの間の電圧を測定することにより、被接続端子30Aと接続端子13との間の抵抗を測定することができる。
【0113】
(6)本実施形態では、第2被接続端子32に電流印加用の第1外側被接続端子TA(接触部)と電圧測定用の第1被接続端子31(接触部)とが設けられている。第3被接続端子33に電流印加用の第2外側被接続端子TB(接触部)と電圧測定用の第4被接続端子34(接触部)とが設けられている。
【0114】
この構成によれば、四端子法により、接続端子13と被接続端子30Aとの間の抵抗を測定することができる。すなわち、電流印加用のプローブと被接続端子30Aとの間の接触抵抗の影響を小さくして、接続端子13と被接続端子30Aとの間の抵抗を測定することができるため、接続抵抗を精確に測定することができる。
【0115】
(7)本実施形態では、第2基板20には、被接続端子30Aから離間し、かつ接続端子13に対応するところに、第1ダミーランド37A、第2ダミーランド37B、第3ダミーランド37C、および第4ダミーランド37Dが形成されている。
【0116】
この構成によれば、基板面上における圧力ばらつきを小さくすることができ、これにより、評価接続面積を小さくしたことに伴う端子同士の接続部分の圧力増大の発生を抑制することができる。このようなダミーランドを形成しない場合と比較して、評価接続面積に対する異方性導電材40の特性を精確に評価することができる。
【0117】
(8)本実施形態の第2の変形例では、接続端子13の左右方向と被接続端子30Aの左右方向とが合わされて第1基板10と第2基板20とを位置決めしたとき、接続端子13の左辺13Cよりも左側に被接続端子901の左辺901Cが位置し、かつ接続端子13の右辺13Dよりも右側に被接続端子901の右辺901Dが位置する。
【0118】
この構成では、被接続端子901が接続端子13に対して左右方向に位置ずれしたとき評価接続面積の変化量が小さい。すなわち、左右方向の位置ずれに対し評価接続面積の変化を小さくすることができるため、評価接続面積に対する異方性導電材40の特性について精確に評価することができる。
【0119】
(9)本実施形態では、次のように異方性導電材40の評価を行う。まず、第1基板10の複数本の接続端子13(評価用接続端子)と、第2基板20の複数本の被接続端子30A(評価用被接続端子)とを異方性導電材40により接続して、接続端子13と被接続端子30Aとの評価接続面積が異なる接続構造体60を形成する。次に、接続端子13と被接続端子30Aとを異方性導電材40により接続したものを設定時間にわたって高温高湿条件下におく。そして、この信頼性試験の前後において接続端子13と被接続端子30Aとの間の抵抗を測定するとともに、接続端子13と被接続端子30Aとの間の評価接続面積に対する抵抗変化率を算出する。
【0120】
この構成によれば、第1基板10と第2基板20が重ねあわされた接続構造体60に、2以上の接続部分が形成される。これにより、面積が異なる接続部分について抵抗値等の物理量を連続して計測することができるため、評価接続面積の異なる複数の接続構造体をそれぞれ計測機器に配置して計測する場合と比べて、信頼性評価の作業時間を短縮することができる。
【0121】
また、第1基板10と第2基板20との接続により形成された接続構造は、従来の基板同士の接続により形成された接続構造に比べて、目標の評価接続面積に対する誤差が小さいため、従来の方法に比べて、評価接続面積と抵抗変化率との関係を精確に求めることができる。すなわち、この方法によれば、異方性導電材40の特性についての評価精度を高くすることができる。
【0122】
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記各実施形態にて例示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0123】
・上記実施形態では、電流印加用の第2外側被接続端子TBは、通電用接続端子TXc(第6接続端子136および第5接続端子135)および通電用被接続端子TXd(第4被接続端子34)を介して評価用被接続端子TXb(第3接続端子33)に接続されている。これを次の構成に代えることもできる。すなわち、第2外側被接続端子TBを第4被接続端子34から分岐して設けることもできる。
【0124】
また、同様に、電流印加用の第1外側被接続端子TAは、通電用接続端子TXc(第1接続端子131および第2接続端子132)および通電用被接続端子TXd(第1被接続端子31)を介して評価用被接続端子TXb(第2接続端子32)に接続されている。これを次の構成に代えることもできる。すなわち、第1外側被接続端子TAを第1被接続端子31から分岐して設けることもできる。
【0125】
・上記実施形態では、第2基板20を単層基板により形成しているが、多層基板により形成してもよい。例えば、両面基板により第2基板20を形成する場合は、第2被接続端子32および第3被接続端子33を一方の面に、第1被接続端子31および第4被接続端子34を他方の面に形成する。第1被接続端子31と第2被接続端子32との接続、および第3被接続端子33と第4被接続端子34との接続は、ブラインドビア等により行う。
【0126】
・上記実施形態では、第1ベース板11をガラスにより形成しているが、これ以外の材料により形成してもよい。例えば、エポキシ基板、ポリイミド基板、紙フェノール基板等により形成することができる。また、第1ベース板11は不透明材料でもよい。
【0127】
・上記実施形態では、第2被接続端子32の評価接続面積と第3被接続端子33の評価接続面積とを等しくしているが、両端子の接続面積を異ならせてもよい。また、第2被接続端子32および第3被接続端子33を略矩形にしているが、これらの被接続端子30Aの形状は矩形に限定されない。被接続端子30Aの形が楕円の場合、上辺はその上部の曲線に該当し、下辺はその下部の曲線に該当する。
【符号の説明】
【0128】
1…異方性導電材評価基板、10…第1基板、11…第1ベース板、12…接続端子部、13…接続端子、13C…左辺、13D…右辺、13X…接続端子対、14…連結部、20…第2基板、21…第2ベース板、30…被接続端子部、30A…被接続端子、30M…中間端子列、31…第1被接続端子、31A…連結部、32…第2被接続端子(評価用被接続端子)、33…第3被接続端子(評価用被接続端子)、34…第4被接続端子、34A…連結部、32A,33A…上辺、32B,33B…下辺、32C,33C…左辺、32D,33D…右辺、37A…第1ダミーランド、37B…第2ダミーランド、37C…第3ダミーランド、37D…第4ダミーランド、38…左端被接続端子、39…右端被接続端子、40…異方性導電材、60…接続構造体、61…第1接続構造体、62…第2接続構造体、63…第3接続構造体、TA…第1外側被接続端子、TB…第2外側被接続端子、131…第1接続端子、132…第2接続端子、133…第3接続端子、134…第4接続端子、133A,134A…上辺、133B,134B…下辺、133C,134C…左辺、133D,134D…右辺、135…第5接続端子、136…第6接続端子、201…第1プローブ、202…第2プローブ、203…第3プローブ、204…第4プローブ、210…従来接続端子、220…従来被接続端子、801…被接続端子、802…電極端子、901…被接続端子、902…電極端子、901C…左辺、901D…右辺。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異方性導電材を評価する異方性導電材評価基板であって、
複数の評価用接続端子が形成された第1基板と、前記各評価用接続端子に対応して評価用被接続端子が形成された第2基板とを備え、
前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたとき、前記各評価用接続端子と前記各評価用被接続端子とが重なり、かつ、前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子とが重なる部分の面積を評価接続面積として当該評価接続面積の異なる部分が2箇所以上形成される
ことを特徴とする異方性導電材評価基板。
【請求項2】
請求項1に記載の異方性導電材評価基板において、
前記第1基板には前記各評価用接続端子以外に通電用接続端子が設けられ、
前記第2基板には前記各評価用被接続端子以外に通電用被接続端子が設けられ、
前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに、前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子とが互いに重なる部分、および前記通電用接続端子と前記通電用被接続端子とが互いに重なる部分の各面積の総和を第1面積とし、
前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに、前記評価用接続端子、前記評価用被接続端子、前記通電用接続端子、および前記通電用被接続端子のうち少なくとも一つが存在する部分の各面積の総和を第2面積として、
前記第2面積に対する前記第1面積の比率が50%以上である
ことを特徴とする異方性導電材評価基板。
【請求項3】
請求項1に記載の異方性導電材評価基板において、
前記第1基板には前記各評価用接続端子以外に通電用接続端子が設けられ、
前記第2基板には前記各評価用被接続端子以外に通電用被接続端子が設けられ、
前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに、前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子とが互いに重なる部分、および前記通電用接続端子と前記通電用被接続端子とが互いに重なる部分の各面積の総和を第1面積とし、
前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに、前記評価用接続端子、前記評価用被接続端子、前記通電用接続端子、および前記通電用被接続端子のうち少なくとも一つが存在する部分の各面積の総和を第2面積として、
前記第2面積に対する前記第1面積の比率が80%以上である
ことを特徴とする異方性導電材評価基板。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の異方性導電材評価基板において、
複数の前記評価用接続端子が前記第1基板に並列して形成され、
複数の前記評価用被接続端子が前記第2基板に並列して形成され、
前記評価用被接続端子の並び方向を左右方向とし、前記評価用被接続端子の並び方向に対して垂直な方向を上下方向として、前記評価用接続端子の並び方向と前記評価用被接続端子の並び方向とが合わされて両基板が位置決めされたとき、前記評価用接続端子の上辺よりも下側に前記評価用被接続端子の上辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の下辺よりも上側に前記評価用被接続端子の下辺が位置する
ことを特徴とする異方性導電材評価基板。
【請求項5】
請求項4に記載の異方性導電材評価基板において、
前記評価用接続端子の並び方向と前記評価用被接続端子の並び方向とが合わされて両基板が位置決めされたとき、
前記評価用接続端子の上辺よりも下側に前記評価用被接続端子の上辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の下辺よりも上側に前記評価用被接続端子の下辺が位置され、かつ前記接続端子の左辺よりも右側に前記評価用被接続端子の左辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の右辺よりも左側に前記評価用被接続端子の右辺が位置する
ことを特徴とする異方性導電材評価基板。
【請求項6】
請求項4に記載の異方性導電材評価基板において、
前記評価用接続端子の並び方向と前記評価用被接続端子の並び方向とが合わされて両基板が位置決めされたとき、
前記評価用接続端子の上辺よりも下側に前記評価用被接続端子の上辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の下辺よりも上側に前記評価用被接続端子の下辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の左辺よりも左側に前記評価用被接続端子の左辺が位置し、かつ前記評価用接続端子の右辺よりも右側に前記評価用被接続端子の右辺が位置する
ことを特徴とする異方性導電材評価基板。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の異方性導電材評価基板において、
前記第1基板の前記評価用接続端子のうち互いに隣り合う端子同士が接続され、
互いに接続された評価用接続端子のそれぞれに対して評価用被接続端子が設けられている
ことを特徴とする異方性導電材評価基板。
【請求項8】
請求項7に記載の異方性導電材評価基板において、
前記第1基板の前記評価用接続端子であって互いに接続された評価用接続端子のうち一方を一評価用接続端子とし、他方を他評価用接続端子とし、前記一評価用接続端子に接続される前記評価用被接続端子を一評価用被接続端子とし、前記他評価用接続端子に接続される前記評価用被接続端子を他評価用被接続端子として、
前記一評価用被接続端子および前記他評価用被接続端子のそれぞれには電流印加用の接触部と電圧測定用の接触部とが設けられている
ことを特徴とする異方性導電材評価基板。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の異方性導電材評価基板において、
前記第2基板には、前記評価用被接続端子から離間し、かつ前記評価用接続端子に対応するところにダミーランドが形成されている
ことを特徴とする異方性導電材評価基板。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の異方性導電材評価基板を用いる異方性導電材の評価方法であって、
前記第1基板の複数の前記評価用接続端子と、前記第2基板の複数の前記評価用被接続端子とを前記異方性導電材により接続する工程と、
前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子とを前記異方性導電材により接続したものについて設定時間にわたって高温高湿または高温に維持する工程と、
高温高湿または高温に維持する工程の前後において前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子との間の抵抗を測定するとともに、前記評価用接続端子と前記評価用被接続端子との間の前記評価接続面積に対する前記異方性導電材の抵抗変化率を算出する工程とを含む
ことを特徴とする異方性導電材の評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−21233(P2013−21233A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154984(P2011−154984)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】