説明

異物検査装置および異物検査方法

【課題】回転によって容器の水平方向から容器の内壁に沿って異物が移動して落下による移動軌跡が長く形成されるようにして、この状態における連写による撮像画像を用いることによって正確な異物の検査を行う異物検査装置および異物検査方法を提供する。
【解決手段】回転装置が、容器の水平軸に対して水平もしくは一定の傾斜角度に容器を保持する容器保持部材及び容器を60°以上の角度で回転させて、次に静止させる回転動作を実行させる回転制御手段を備え、異物検出手段が、一定の時間で、回転動作毎に連写して取得した撮像画像を用いて形成される異物移動軌跡によって異物の検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に混入した液体中の異物を検出する異物検査装置及び異物検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒容器中の異物、例えばアンプル、バイアル、シリンジ等の注射剤液体中の微小異物を検出するために、異物検査装置が用いられる。異物検査装置は、微小異物を検出する時に、垂直な円筒容器軸を中心に自転スピン等によって容器内液体に旋回する水流を発生させ、液体内を浮遊、移動する微小異物を撮像して映像差分データを分析して異物を検出している。
【0003】
特許文献1には、容器を透視撮像する赤外線照射装置および赤外線撮像装置と、異物の動きを所定時間間隔をもって撮像し、その画像データから異物映像を抽出する抽出手段とを有し、更に容器を回転させる際、容器中心軸を水平方向に対して一定角度に調整する異物検査装置において、一定時間単位に情報を得ることで異物の移動距離を判定し、比重が重く早く沈殿する物質と比重が液体に近く浮遊状態が継続する物質とを区別することが記載されている。
【0004】
特許文献2には、容器の細径部を略水平に支持した状態で容器を回転させ、細径部の液体を遠心力により容器本体側に一旦移動させた後、回転を停止して容器内の異物の動きを画像処理により検出する異物検査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−257937号公報
【特許文献2】特開2003−254912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、ビン容器に赤ワインが入っている場合における混入異物の検出例が記載されている。
【0007】
一方、容器として、アンプル、バイアル、又はシリンジ容器が用いられ、容器の径が小径であったり、充填される液量が容器容量に対して少量であったり、液体が容器に満充填であったり、充填される液体が例えば油性製剤のように高粘度であったりする場合がある。このような状態で容器に液体が充填され容器を垂直に自転させて液体に水流を発生させる場合、その水流が直ぐに停止したり、液体自体が水流が発生しにくかったり、水流が容器端部や隅部まで発生しにくかったり、異物の動きが鈍く移動する異物の画像処理による検出が困難なときがある。
【0008】
図7は、従来例で容器を直立させて撮像をした場合の異物移動に伴う問題を説明する。ステップ(A)で容器15を回転(スピン)させると、液体Sは容器回転につれて回転し円錐状の液面を生じる。ステップ(B)で回転を止めると、液体Sは慣性回転の減少とともに容器内壁から下方に戻る水流が発生する。ステップ(C)ではさらに液体速度が低下し液面が復元する。水流が発生しにくい状態、例えば、容器径が小径であったり、充填される液量が少量であったり、充填される液体が例えば油性製剤のように高粘度であった場合には、スピン停止後に液体のみが惰性で動くことがなく、直ぐに水流が停止する。また、水流が発生しても動きは鈍く、容器の底部やそのコーナー部Aでは水流自体が発生し難い。
【0009】
従って、特に液体より比重の大きな異物(例えば、ガラス片、金属片など)が存在した場合において、異物は容器底部に沈殿することになり、さらに従来のように異物を動かすため容器をスピンした場合、異物は底部コーナーに移動するため、異物を動かす条件が悪化して、必要な異物の移動を期待することができない。
【0010】
その解決方法として、前述した特許文献に示されるように、容器を水平あるいはある傾斜角度をもって配置し2〜3回転させることで比重をもった異物を回転方向とは反対方向に重力によって、容器内壁に沿って、下方に滑り落すことによって撮像することが考えられる。
【0011】
この解決方法は、赤ワインのように大径容器であって粘度の低い液体では、液中異物の移動速度や移動距離が期待でき、また早く沈殿する異物と浮遊する異物の区別に有効である。しかし、容器が小径であったり、充填される液量が少量であったり、液体が容器に満充填であったり、充填される液体が例えば油性製剤のように高粘度であった場合には、容器の回転角度によっては、確実に容器内壁に沿って異物を動かしたり、移動距離を確保することができず、異物の移動距離を計測判別する手段を用いることで微少異物を確実に検出できる有効な解決方法とはならない。
【0012】
また、液体の粘性または異物の比重に基因して、水流が発生しにくく動きが鈍いため落下速度が遅い異物については有効に検出できない。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みて、使用される容器径が小径であったり、充填される液量が少量であったり、充填される液体が例えば油性製剤のように高粘度であった場合で、水流が直ぐ停止したり、液体自体が水流が発生しにくかったり、水流が端部までに発生しにくかったりして異物の動きが鈍い場合、あるいは比重の高い異物についても検査を行うことのできる異物検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、液体を充填した円筒状の容器を保持する容器保持部材と、前記容器を回転させる回転装置と、前記容器に照射線を照射して容器内の液体に混入している異物を撮像する照射撮像装置と、撮像された画像から異物を検出する異物検出手段とを備えた異物検査装置において、前記回転装置は、容器の中心軸を水平もしくは一定の傾斜角度に保持する容器保持部材、及び容器を±60°以上でかつ±180°以内の範囲の回転角度で回転させて次に静止させる回転動作を実行させる回転制御手段を備え、前記照射撮像装置は、容器回転に伴って回転後の静止時に連写による撮像を行い、前記異物検出手段は、回転動作毎に連写して取得した撮像を用い、予め定めた一定の撮像時間で、当該撮像画像から形成される異物移動軌跡によって異物の検出を行うことを特徴とする。
【0015】
また、異物検査装置において、前記異物検出手段は、前記回転動作を複数回実行し、各回転後の静止毎に連写による撮像を行うことを特徴とする。
【0016】
また、異物検査装置において、前記容器の回転角度が±60°以上でかつ±120°以内の範囲に設定されたことを特徴とする。
【0017】
また、異物検査装置において、前記容器の回転角度が±60°以上でかつ±90°以内の範囲に設定されたことを特徴とする。
【0018】
また、異物検査装置において、前記容器の回転角度が±60°に設定されたことを特徴とする。
【0019】
また、異物検査装置において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれか一つからなり、容器内径が2乃至20mmであることを特徴とする。
【0020】
また、異物検査装置において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれかからなり、容器中の液体の液量が充填可能容量の10%以下であることを特徴とする。
【0021】
また、異物検査装置において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれかからなり、粘度20mPa・s〜2Pa・sの高粘度液体を有することを特徴とする。
【0022】
さらに、液体を充填した円筒状の容器を回転させて、前記容器に照射線を照射して容器内の液体に混入している異物を撮像し、撮像された画像から異物を検出する異物検査方法において、容器の中心軸を水平もしくは一定の傾斜角度に保持し、容器を±60°以上でかつ±180°以内の範囲の回転角度で回転させて次に静止させる回転動作を実行させ、容器回転後の静止時に連写による撮像を行い、回転動作毎に連写して取得した撮像を用い、予め定めた一定の撮像時間で、撮像された画像から形成される異物移動軌跡によって異物の検出を行うことを特徴とする。
【0023】
さらに、異物検査方法において、前記容器の回転動作を複数回実行し、各回転後の静止時毎に連写による撮像を行うことを特徴とする。
【0024】
さらに、異物検査方法において、前記容器の回転角度が±60°以上でかつ±120°以内の範囲に設定されたことを特徴とする。
【0025】
さらに、異物検査方法において、前記容器の回転角度が±60°以上でかつ±90°以内の範囲に設定されたことを特徴とする。
【0026】
さらに、異物検査方法において、前記容器の回転角度が±60°の範囲に設定されたことを特徴とする。
【0027】
さらに、異物検査方法において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれか一つからなり、容器内径が2乃至20mmであることを特徴とする。
【0028】
さらに、異物検査方法において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれかからなり、容器中の液体の液量が充填可能容量の10%以下であることを特徴とする。
【0029】
さらに、異物検査方法において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれかからなり、粘度20mPa・s〜2Pa・sの高粘度液体を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、円筒状の容器を保持する容器保持部材と、容器を回転させる回転装置と、異物を撮像する照射撮像装置と、撮像された画像から異物を検出する異物検出手段とを備えた異物検査装置において、回転装置は、容器の中心軸を水平もしくは一定の傾斜角度に保持する容器保持部材と容器を±60°又は±60°以上でかつ180°以内の範囲の角度で回転させて次に静止させる回転動作を実行させる回転制御手段を備え、容器回転に伴って回転後の静止時に連写による撮像を行い、異物検出手段は、回転動作毎に連写して取得した撮像を用いて、撮像画像から形成される異物移動軌跡によって異物の検出を行うことにより、使用される容器径が小径であったり、充填される液量が少量であったり、充填される液体が例えば油性製剤のように高粘度であって水流が発生しにくく異物の動きが鈍い場合や、比重の高い異物等についても、容易に検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明実施例において異物検査装置の全体構成を示す斜視図
【図2】本発明実施例において異物検査装置のタイミングコントローラを示すブロック図
【図3】本発明実施例において撮像装置で容器を撮像する構成を示す模式図
【図4】図3のア−ア矢視図
【図5】本発明実施例において異物の撮像方法を示す説明図
【図6A】図5における状態(A)のカメラ映像を示す模式図
【図6B】図5における状態(B)のカメラ映像を示す模式図
【図6C】図5における状態(C)のカメラ映像を示す模式図
【図6D】異物移動軌跡を示す模式図
【図7】従来例において、直立回転容器を撮像した場合を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の異物検査装置は、従来例のように異物の移動距離を計測するのではなく、撮像画像を用いて異物の移動軌跡を形成し、異物を検出することを特徴とする。以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0033】
図1は、本発明の実施例である異物検査装置の全体構成を示す図である。図1において、異物検査装置1は、検査装置本体2と照射撮像装置3とから構成され、検査装置本体2の左右の両側にそれぞれ容器搬送装置4、5が設けられる。
【0034】
検査装置本体2は、枠体11の内部に設けられた複数の容器保持部材12と、容器保持部材12を各々回転させる回転装置13と、枠体11に取り付けた一対の枠体部連結装置14とから構成される。
【0035】
枠体11は、右側枠体部11Aと左側枠体部11Bからなり、枠体部連結装置14により連結される。枠体部連結装置14は、ピストン−シリンダ機構およびその操作機構からなり、ピストン−シリンダによって連結距離を伸縮させることができる。
【0036】
容器保持部材12は、容器搬送方向に対し右側配置の容器載置部12Aと左側配置の容器支持部12Bからなり、その間にアンプル、バイアル、シリンジなどの容器15を保持する。
【0037】
容器15は、容器保持部材12上に、容器の水平軸に対して水平もしくは一定の傾斜角度でもって保持され、回転装置13により回転される。
【0038】
回転装置13は、容器保持部材12の回転を制御する回転制御手段(図示せず)を備える。回転制御はプログラムを組み込んだコンピュータ制御によってなされる。
【0039】
容器搬送装置4は、検査前の容器15を検査装置本体2に搬入する装置であり、横置された容器15を搬送するコンベアとその駆動装置から構成される。容器15はコンベアに設けた各溝部に規則正しく並べられて搬送される。
【0040】
容器搬送装置5は、検査後の容器15を検査装置本体2から搬出する装置であり、その構成は容器搬送装置4と同様である。
【0041】
容器搬送装置5による容器搬出時及び容器搬送装置4による容器搬入時には、枠体部連結装置14によって枠体11の左右部は左右に大きく開かれ、これに伴って容器保持部材12の容器載置部12Aと容器支持部12Bは左右に大きく移動される。上述の移動に伴って容器15は容器支持部12Bによる支持が解放され、容器載置部12Aによってのみ保持される。このような状態で、図示しない容器組み込み装置によって容器保持部材12を容器搬送装置5上に移動させ、容器15は容器搬送装置5のコンベア上に搭載される。次いで、容器搬送装置4のコンベア上の容器15が各容器載置部12に載置される。この載置に際しては容器15の尻部に容器載置部12Aの先端部が嵌め込まれ、次いで枠体部連結装置14によって間隔が狭められ、容器15の頭部を容器支持部12Bが支持することで固定される。これによって各容器保持部材12、すなわち各容器15が回転される。
【0042】
照射撮像装置3は、検査装置本体2の上方に設けた複数の照射線照射装置21と下方に設けた複数の撮像装置22から構成され、撮像装置22は異物検出手段(図示せず)に信号線を介して接続される。撮像装置22と異物検出手段とは一体的なものとしてもよい。異物検出手段は、撮像された画像データから異物検出を行う。撮像された画面から異物を判定し、異物検出を行うことはこの分野でよく知られている。照射線としては、赤外線ばかりでなく、可視光が使用可能であり、透過光あるいは反射光が使用可能である。
【0043】
図2は、本発明の実施例である異物検査装置1の制御装置の構成をブロック図で示す。図2において、タイミングコントローラ40は、スピンモータ42を備え、容器搬送装置4、5内の搬送制御部43、タイミングコントロール部44、異物検出手段を構成する画像処理装置45、カメラ等からなる撮像装置22及び照明等からなる照射線照射装置21から構成される。照射線照射装置21、撮像装置22、及び画像処理装置45から照射撮像装置3が形成される。
【0044】
タイミングコントロール部44からの制御信号が回転制御手段としての搬送制御部43に伝えられて、制御信号が生成される。制御信号は搬送部41に伝えられスピンモータ42が回転制御がなされ、回転−静止がなされる。この信号がタイミングコンロトール部44に伝えられ、異物検出手段としての画像処理装置45が動作され、照射線照射装置21および撮像装置22が働き、連続した撮像が画像処理装置45に取得され、異物の存在が検出される。スピンモータ42は、容器保持部材12の回転角と回転速度とをコントロールする。
【0045】
図3は、撮像装置22によって容器15を撮像する状態を示し、図4は図3のア−ア矢視図である。
【0046】
これらの図において、容器15を水平もしくは水平面に対しある傾斜(図3の例では15°であるが液質や容器形状によって変わる)をもって保持し、その容器を円柱軸を中心として一定角度で回転させる。回転角度は図6の例では90°であるが、液質や容器形状によって変わる。
【0047】
すると、容器内壁に沈降した異物は容器15の回転に伴って移動する。この移動の時、液体より大きな比重をもった異物は回転方向とは反対方向に、重力によって容器内壁に沿って、より下方に滑り落ちる。この時に、回転を止めて静止させ、一定の撮像時間で撮像装置22によって連写による複数映像を撮像する。この撮像画像を用いて異物の移動軌跡を形成し、これによって異物の検出が可能になる。
【0048】
実際に使用された容器、液体、異物の条件は以下の通りである。
(1)容器内径:8〔mm〕
(2)容器内部液長:50〔mm〕
(3)容器材質:COP樹脂
(4)液体粘度:40m〔Pa・s〕
(5)液体比重:1.5
(6)異物比重:4.5(ステンレス鋼)
(7)容器回転速度:200〔rpm〕
上記の条件は一例であり、本発明においては例えば以下の範囲で効果を有する。
(1)容器内径:1〜20〔mm〕
(2)容器内部液長5〜50〔mm〕
(3)容器材質:PP,PE.PET,COC、COP、glass
(4)液体粘度:20m〔Pa・s〕〜2〔Pa・s〕
(5)液体比重:1〜3
(6)異物比重:2〜6(ガラス、金属)
(7)容器回転速度:100〜2000〔rpm〕
図4において、カメラ、すなわち撮像装置22の配置角度は、容器15の真下でもよいし、また容器回転方向に角度をもつように設置してもよい。
【0049】
本実施例においては、図5に示す回転制御を採用する。回転制御手段は、容器15を60°以上の角度、例えば90°でスピン(回転)させて、次に静止させる回転動作を2回以上実行させる。異物検出手段は、回転動作毎に連写して取得した撮像を用いて当該撮像から形成される異物移動軌跡を用いて異物の検出を行う。移動距離については、撮像装置で3画素以上ずれれば検出が可能である。このように、異物検出手段は、回転動作毎に連写して取得した撮像を用い、予め定めた一定の撮像時間で、当該撮像から形成される異物移動軌跡によって異物の検出を行う。
【0050】
図5において、(A)はスピン開始、(B)はスピン終了、(C)はスピン停止状態を示し、容器15を90°の角度で2回回転させた状態を示す。容器15を90°の角度で2回回転させると、異物の初期位置がどこにあっても、一定の撮像時間で少なくともその内の1回によって、異物は容器内壁の上部に移動できるから異物が重力により容器内壁に沿って滑り落ちる異物移動軌跡が得られることになる。(A)〜(B)の時間は液体粘度が高いほど長く設定する。
【0051】
図6A〜6Dは容器15を底面から上方に向かってイ−イ矢視方向にみた模式図である。図6Aは図5における(A)スピン開始時のカメラ映像、図6Bは(B)スピン終了時のカメラ映像、図6Cは(C)スピン停止時のカメラ映像である。図6Dは、容器15を複数回回転させて撮像した画像のうち、最も長い移動距離が得られた異物移動軌跡を示す。
【0052】
従って、容器15がいずれの場合にあっても所定角度回転させることによって撮像が可能になり、長い移動軌跡が得られた場合撮像画像を選択することができる。ここで重要なのは、異物を容器内壁上部に移動させることであり、回転角度が大きい場合は一度で所望位置に異物を移動して異物移動軌跡を撮像できる。一方、回転角度が小さい場合は、複数回の回転/撮像を繰り返すうちに、異物が移動しやすくなる効果もある。
【0053】
以上のように、容器がアンプル、バイアル、又はシリンジ容器であり、容器中の液体が油性製剤などの高粘度容器である場合についても異物を有効に検出できる。
【符号の説明】
【0054】
1…異物検査装置
2…検査装置本体
3…照射撮像装置
4、5…容器搬送装置
11…枠体
12…容器保持部材
13…回転装置
15…容器
21…照射線照射装置
22…撮像装置
45…画像処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を充填した円筒状の容器を保持する容器保持部材と、前記容器を回転させる回転装置と、前記容器に照射線を照射して容器内の液体に混入している異物を撮像する照射撮像装置と、撮像された画像から異物を検出する異物検出手段とを備えた異物検査装置において、
前記回転装置は、容器の中心軸を水平もしくは一定の傾斜角度に保持する容器保持部材、及び容器を±60°または±60°以上でかつ±180°以内の範囲の回転角度で回転させて次に静止させる回転動作を実行させる回転制御手段を備え、
前記照射撮像装置は、容器回転に伴って回転後の静止時に連写による撮像を行い、
前記異物検出手段は、回転動作毎に連写して取得した撮像を用い、予め定めた一定の撮像時間で、当該撮像画像から形成される異物移動軌跡によって異物の検出を行うことを特徴とする異物検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の異物検査装置において、前記異物検出手段は、前記回転動作を複数回実行し、各回転後の静止毎に連写による撮像を行うことを特徴とする異物検査装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の異物検査装置において、前記容器の回転角度が±60°以上でかつ±120°以内の範囲に設定されたことを特徴とする異物検査装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の異物検査装置において、前記容器の回転角度が±60°以上でかつ±90°以内の範囲に設定されたことを特徴とする異物検査装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の異物検査装置において、前記容器の回転角度が±60°に設定されたことを特徴とする異物検査装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異物検査装置において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれか一つからなり、容器内径が2乃至20mmであることを特徴とする異物検査装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異物検査装置において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれかからなり、容器中の液体の液量が充填可能容量の10%以下であることを特徴とする異物検査装置。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異物検査装置において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれかからなり、粘度20mPa・s〜2Pa・sの高粘度液体を有することを特徴とする異物検査装置。
【請求項9】
液体を充填した円筒状の容器を回転させて、前記容器に照射線を照射して容器内の液体に混入している異物を撮像し、撮像された画像から異物を検出する異物検査方法において、
容器の中心軸を水平もしくは一定の傾斜角度に保持し、容器を±60°または±60°以上でかつ±180°以内の範囲の回転角度で回転させて次に静止させる回転動作を実行させ、
容器回転後の静止時に連写による撮像を行い、
回転動作毎に連写して取得した撮像を用い、予め定めた一定の撮像時間で、撮像された画像から形成される異物移動軌跡によって異物の検出を行うことを特徴とする異物検査方法。
【請求項10】
請求項9に記載の異物検査方法において、前記容器の回転動作を複数回実行し、各回転後の静止時毎に連写による撮像を行うことを特徴とする異物検査方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の異物検査方法において、前記容器の回転角度が±60°以上でかつ±120°以内の範囲に設定されたことを特徴とする異物検査方法。
【請求項12】
請求項9または10に記載の異物検査方法において、前記容器の回転角度が±60°以上でかつ±90°以内の範囲に設定されたことを特徴とする異物検査方法。
【請求項13】
請求項9または10に記載の異物検査方法において、前記容器の回転角度が±60°に設定されたことを特徴とする異物検査方法。
【請求項14】
請求項9乃至13のいずれか1項に記載の異物検査方法において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれか一つからなり、容器内径が2乃至20mmであることを特徴とする異物検査方法。
【請求項15】
請求項9乃至13のいずれか1項に記載の異物検査方法において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれかからなり、容器中の液体の液量が充填可能容量の10%以下であることを特徴とする異物検査方法。
【請求項16】
請求項9乃至13のいずれか1項に記載の異物検査方法において、前記容器がアンプル、バイアル又はシリンジのいずれかからなり、粘度20mPa・s〜2Pa・sの高粘度液体を有することを特徴とする異物検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−247835(P2011−247835A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123649(P2010−123649)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】