説明

疎水化ポリ(γ−グルタミン酸)からなるナノ粒子の製造方法

【課題】医薬品製造に使用可能な疎水化γ−PGAのナノ粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】疎水化ポリ(γ−グルタミン酸)を弱アルカリ性水溶液と炭素数1から3のアルコールとの混合溶媒からなる良溶媒に溶解させた溶液と、貧溶媒とを混合して、ナノ粒子を生成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水化ポリ(γ−グルタミン酸)からなるナノ粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ(γ−グルタミン酸)はバチルス(Bacillus)属の微生物の発酵により非常に効率よく(例えば、培養液1l当たり50g)生産され、α−カルボキシル基に由来するカルボキシル基を側鎖に有する直鎖の水溶性の生分解性ポリマーである。このような特性を生かし、ポリ(γ−グルタミン酸)(以下、γ−PGAと略す。)は、制ガン剤に化学結合を介して担持させるか、化学的な架橋によるゲル化を介してゲルマトリックス中に薬物を内包させるために薬物担体としての用途が提案されている(例えば、特許文献1と2)。
【0003】
これに対し、本発明者らは、γ−PGAのさらなる機能化を目的として、γ−PGAの化学修飾の検討を行っているが、γ−PGAの側鎖カルボキシル基の一部を介して疎水性基を導入した疎水化γ−PGAが水性媒体中で平均粒径が200nm程度のナノ粒子を生成することを見出し、新たな薬物担体として用いることを提案している(例えば、非特許文献1)。疎水化γ−PGAのナノ粒子は、水性媒体中で、表面にγ−PGAが局在し、内部には疎水性基が存在する構造をとっている。
【0004】
その疎水化γ−PGAのナノ粒子を製造するためには、一旦、疎水化γ−PGAを良溶媒に溶解させた後、その溶解した溶液と貧溶媒とを混合することにより、溶解した疎水化γ−PGAを不溶化させてナノ粒子を生成させる方法を用いている。その良溶媒には、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が知られている。特にジメチルスルホキシドは優れた溶解能を有しており、疎水化γ−PGAのナノ粒子の製造に一般に用いられている。
【特許文献1】特開平6−92870号公報
【特許文献2】特開平6−256220号公報
【非特許文献1】Michiya Matsusaki, Ken-ichiro Hiwatari, Mariko Higashi, Tatsuo Kaneko, Mitsuru Akashi, Chem. Lett., 33, 398-399, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ジメチルスルホキシドは、疎水化γ−PGAを溶解させる点では優れた溶媒であるが、毒性を有している。そして、ジメチルスルホキシドは、ナノ粒子回収時に残留溶剤としてナノ粒子中に残留し除去するのは容易ではない。そのため、無害であることを要求される医薬品の製造に用いることはできない。
【0006】
そこで、本発明は、ジメチルスルホキシド等の有害な溶剤を用いることなく医薬品の製造に使用可能な疎水化γ−PGAのナノ粒子を提供することが可能な、疎水化γ−PGAのナノ粒子の製造方法を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、良溶媒として、弱アルカリ性と炭素数1から3のアルコールとの混合溶媒を用いることにより、疎水化γ−PGAのナノ粒子を製造可能なことを見出して本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明に係る疎水化γ−PGAのナノ粒子の製造方法は、疎水化γ−PGAを弱アルカリ性水溶液と炭素数1から3のアルコールとの混合溶媒からなる良溶媒に溶解させた溶液と、貧溶媒とを混合して、ナノ粒子を生成させることを特徴とする。
【0008】
本発明では、弱アルカリ性水溶液に、溶質として、クエン酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムからなる群から選択された少なくとも1種を含むことができる。
【0009】
また、炭素数1から3のアルコールには、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
【0010】
また、貧溶媒には、弱酸性水溶液を用いることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ジメチルスルホキシド等の有害な溶剤を用いることなく、疎水化γ−PGAのナノ粒子を製造することができる。ジメチルスルホキシドに代えて用いる弱アルカリ性水溶液と炭素数1から3のアルコールとの混合溶媒は、それぞれ生体適合性と生物分解性を有しているので、医薬品製造に使用可能な疎水化γ−PGAのナノ粒子を製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る疎水化γ−PGAのナノ粒子の製造方法は、疎水化γ−PGAを弱アルカリ性水溶液と炭素数1から3のアルコールとの混合溶媒からなる良溶媒に溶解させた溶液と、貧溶媒とを混合して、ナノ粒子を生成させることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に用いる疎水化γ−PGAは、γ−PGAの側鎖カルボキシル基の一部を介して疎水性基を導入したものである。原料のγ−PGAには、微生物による培養法、すなわち、バチルス・ズブチルスの発酵により得られる高分子量のもの、あるいは必要に応じ、その発酵由来のものを機械的あるいは化学的に加水分解して分子量を低下させたものを用いることができる。本発明に用いるγ−PGAの分子量は特に限定されるものはないが、10万Kda〜500万Kdaの分子量のものを好適に用いることができる。
【0014】
また、疎水性基には、−(X)−CHRの一般式で表され、(X)は−O−または−NH−を表し、Rは水素またはC1−C21アルキルを表し、かつ、Rは水素またはC1−C6アルキルオキシカルボニルを表す基や、カルボキシル基をエステル化した疎水性アミノ酸残基(以下、エステル化疎水性アミノ酸残基という。)を用いることができるが、エステル化疎水性アミノ酸残基を用いることが好ましい。生体分解性や生体適合性に優れるからである。ここで、疎水性アミノ酸残基には、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、メチオニン残基、フェニルアラニン残基を挙げることができる。より好ましくは、フェニルアラニン残基である。疎水性基は、カルボジイミド等の縮合剤を用いて、γ−PGAに導入することができる。エステル化疎水性アミノ酸残基のエステルには、炭素数1から6のアルキル基を含むエステルを用いることができるが、好ましくは、メチルエステル又はエチルエステルである。疎水性基の導入率は、全体の側鎖カルボキシル基に対する疎水性基が導入された側鎖カルボキシル基の比率(モル%)で定義され、NMR測定に基づき算出することができる。本発明に用いる疎水化γ−PGAでは、原料のγ−PGAの分子量と導入する疎水性基の種類に応じて広い範囲で制御することが可能である。例えば、分子量30万Kdaのγ−PGAを用い、エステル化フェニルアラニン残基を導入した場合、10〜80モル%である。
【0015】
疎水化γ−PGAのナノ粒子を製造するには、一旦、疎水化γ−PGAを良溶媒に溶解させ、その溶液と貧溶媒とを混合することにより、疎水化γ−PGAのナノ粒子を生成させる。本発明によれば、平均粒径1μm以下、より好ましくは0.5μm、さらに好ましくは0.3μm以下のナノ粒子を製造することができる。
【0016】
本発明では、弱アルカリ性水溶液と炭素数1から3のアルコールとの混合溶媒を良溶媒に用いることができる。弱アルカリ性水溶液のみ、あるいは炭素数1から3のアルコールのみを用いても疎水化γ−PGAを溶解することはできないが、それらの混合溶媒を用いることにより、疎水化γ−PGAを溶解することができる。弱アルカリ性水溶液のpHは7.5〜10、より好ましくは7.5〜9である。また、pH7.5〜10が得られる溶質であれば特に限定されない。例えば、クエン酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムからなる群から選択された少なくとも1種を含むことができるが、医薬品添加物として認められているクエン酸ナトリウムが好ましい。また、炭素数1から3のアルコールには、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができるが、医薬品添加物としての使用が認められているエタノール又は2−プロパノールが好ましい。また、弱アルカリ性水溶液と炭素数1から3のアルコールとの混合比率は、アルコールの種類により異なるが、体積比率で、弱アルカリ性水溶液/メタノールでは、1/1〜1/5、弱アルカリ性水溶液/エタノールでは、1/1〜1/2、弱アルカリ性水溶液/2−プロパノールでは、2/1〜1/2、が好ましい。
【0017】
なお、クエン酸ナトリウムと、炭素数1から3のアルコールが医薬品製造に使用可能な安全性を有することは、例えば、日本医薬品添加剤協会編,「医薬品添加物事典」,薬事日報社,2005年や、厚生労働省発行通知文「医薬審第39号平成12年2月8日」に記載されている。
【0018】
また、本発明に用いる貧溶媒は、疎水化γ−PGAを溶解させた良溶媒と混合することにより、疎水化γ−PGAの溶解性を低下させるものであれば特に限定されない。例えば、貧溶媒には、弱酸性水溶液やクエン酸緩衝液等を用いることができるが、弱酸性水溶液を用いることが好ましい。疎水化γ−PGAのカルボキシル基の解離を抑制して、疎水化γ−PGAの溶解性を低下させることができるからである。弱酸性水溶液のpHは3.0〜5.0、より好ましくは3.5〜4.0である。pH3.0より小さいと凝集が起こり易くなり、またpH5.0より大きいと粒子が生成しにくくなるからである。この弱酸性水溶液は、さらに塩化物イオンを含む塩、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムを含むことが好ましい。疎水化γ−PGAのカルボキシル基の電荷反撥を抑制し、疎水性側鎖の核形成を促進できるからである。より好ましくは、塩化ナトリウムである。塩化ナトリウムの濃度は、50〜200mM、より好ましくは75〜100mMである。塩濃度が50mMより小さいと粒子が生成せず、また塩濃度が200mMより大きいと粒子が凝集し易くなるからである。また、塩化カルシウムのように疎水化γ−PGAのカルボキシル基をキレートして沈殿を生成するような2価以上の金属イオンを含む塩化物は適さない。
【0019】
本発明に用いる良溶媒と貧溶媒との好ましい組合せは、良溶媒にクエン酸ナトリウム水溶液とエタノール又は2−プロパノールとの混合溶媒を用い、貧溶媒に塩化ナトリウムの弱酸性水溶液を用いる組合せである。さらに好ましくは、貧溶媒にpH3.7の100mM塩化ナトリウム水溶液を用いる。
【0020】
また、疎水化γ−PGAを溶解させた良溶媒と貧溶媒の混合方法は、良溶媒へ貧溶媒を滴下する方法、あるいは貧溶媒へ良溶媒を滴下する方法等、ナノ粒子が生成可能であれば特に限定されない。貧溶媒へ良溶媒を滴下する方法が好ましい。より短時間でナノ粒子を生成させることができるからである。また、良溶媒と貧溶媒の割合は、混合後の最終的な比率が3/1〜1/3となることが好ましい。
【0021】
また、疎水化γ−PGAを溶解させた良溶媒と貧溶媒とを混合する際の温度は、20〜37℃が好ましい。20℃より低いと凝集し易くなり、37℃より高いと疎水性相互作用により疎水化γ−PGAが凝集し易くなるからである。
【0022】
また、良溶媒に溶解させる疎水化γ−PGAの濃度は溶解する限り特に制限はない。ただ、凝集を抑制し単分散のナノ粒子を得るため、5〜50mg/ml、より好ましくは、15〜25mg/mlである。5mg/mlより小さいと、ナノ粒子が生成するのに長時間を要し、50mg/mlより大きいと良溶媒に疎水化γ−PGAが溶けにくくなるからである。
【0023】
また、疎水化γ−PGAを溶解させた良溶媒と貧溶媒とを混合することにより生成させたナノ粒子は乳白色の分散液の状態で存在する。この分散液を遠心分離により上澄みと沈殿とに分離し、上澄みを除去する。得られた沈殿を超純水中に再分散し、遠心分離を行い、沈殿を回収する洗浄操作を1回以上行う。回収した沈殿を凍結乾燥等の乾燥操作により乾燥してナノ粒子を得ることができる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
合成例1.
図1の反応式に示すように、γ−PGAにL−フェニルアラニンエチルエステル(PAE)を縮合反応により導入した。すなわち、1.214mgのγ−PGA(分子量38万)を50mM炭酸水素ナトリウム水溶液200mlに溶解させ、1.802mgのWSC(水溶性カルボジイミド)を加え攪拌した。2.160mgのPAEを加え1時間氷冷下で攪拌した。その後室温で24時間攪拌した。反応後、排除分子量(MWCO)50,000の透析膜を用い反応液を純水で3日間透析した。その後、反応液を凍結乾燥した。凍結乾燥した生成物にエタノール200mlを加え6時間攪拌した。その後、その溶液を遠心分離し、上澄みのエタノールを除去し、沈殿物を減圧乾燥して疎水化γ−PGA(I)を得た。NMR測定に基づき算出したPAEの導入率は52%であった。
【0025】
【化1】

反応式中、nとmとlはそれぞれ1〜100の整数を表し、m+l=nである。
【0026】
実施例1.
疎水化γ−PGA(I)を0.1Mクエン酸ナトリウム水溶液(pH8)100μlに分散させた。これにメタノール、エタノール、2−プロパノール、そして比較例として1−ブタノールを所定量添加して、疎水化γ−PGA(I)が溶解するかどうかを調べた。結果を表1に示す。ここで、溶解性の判定基準は、以下の通りである。
○:溶解する。△:若干不透明。×:溶解せず沈殿が生成。
【0027】
【表1】

【0028】
クエン酸ナトリウム水溶液のみ、そしてアルコールのみでは溶解しなかった。しかし、クエン酸ナトリウム水溶液/メタノール比が1/1〜1/5、クエン酸ナトリウム水溶液/エタノール比が1/1〜1/2、クエン酸ナトリウム水溶液/2−プロパノール比が1/0.5〜1/2の範囲で疎水化γ−PGA(I)は溶解した。一方、1−ブタノールでは疎水化γ−PGA(I)を溶解させることはできなかった。
【0029】
実施例2.
疎水化γ−PGA(I)を0.1Mクエン酸ナトリウム水溶液(pH8)50mlに分散させた。これにエタノール50mlを加え溶解させた。最終濃度は、0.1Mクエン酸ナトリウム/エタノール=1/1(体積比)の混合溶媒を用いて、10mg/mlである。
【0030】
疎水化γ−PGA(I)溶液を、同体積の弱酸性塩溶液(pH3.7、NaCl100mM)に滴下し、乳白色の分散液を得た。
【0031】
得られた分散液を遠沈管に移し遠心分離し(15,000rpmで15分)、上澄みを捨て沈殿物を得た。得られた沈殿に超純水を加え、ピペッティング操作で再分散させた。この再分散液をさらに遠心分離し、上澄みを捨て沈殿物を得た(沈殿1)。得られた沈殿に超純水を加え、ピペッティング操作で再分散させた。この再分散液をさらに遠心分離し、上澄みを捨て沈殿物を得た(沈殿2)。沈殿2に超純水を加え十分に分散させた状態にし、これを凍結乾燥した。
【0032】
ナノ粒子の平均粒径は動的光散乱装置を用いて測定した。また、凍結乾燥したナノ粒子の形態を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。
【0033】
比較例1.
疎水化γ−PGA(I)を10mg/mlとなるようにDMSOに溶解した。そのDMSO溶液100μlを300mM NaCl溶液100μlに滴下し、白濁した分散液を得た。その分散液を遠心分離し(14,500rpmで5分)、上澄みを捨て、沈殿を200μlの超純水に再分散させた(洗浄1)。再度遠心分離を行った後、上澄みを捨て、沈殿を200μlのNaCl溶液に再分散させた(洗浄2)。再度遠心分離を行った後、沈殿を100μlのPBSに再分散させた。
【0034】
(結果)
得られた沈殿についてNMR測定を行い、疎水化γ−PGA(I)中の残存DMSO量を測定したところ、24nmol/mgであった。
【0035】
比較例2.
疎水化γ−PGA(I)を10mg/mlとなるようにDMSOに溶解した後、当量の水を添加した。その後、透析膜を用い精製した。この溶液にpH4.7〜4.9の10mMのNaCl溶液を添加し、白濁させた。その分散液を遠心分離して沈殿を生成させ、その沈殿を乾燥した。
【0036】
(結果)
得られた沈殿についてNMR測定を行い、疎水化γ−PGA(I)中の残存DMSO量を測定したところ、6nmol/mgであった。
【0037】
図1と図2は、それぞれ、実施例2と比較例1で回収したナノ粒子の粒径分布を示す図である。本発明の方法によっても、DMSOを用いた場合と同様に、平均粒径が200nm程度のナノ粒子を得ることができた。また、図3と図4は、それぞれ、実施例2と比較例1で回収したナノ粒子のSEM写真である。本発明の方法によっても、DMSOを用いた場合と同様の粒径の揃ったナノ粒子が得られた。
【0038】
以上説明したように、本発明によれば、良溶媒に弱アルカリ性水溶液と炭素数1から3のアルコールとの混合溶媒を用いることにより、DMSOを用いることなくDMSOを用いた場合と同様の平均粒径と粒径分布を有する疎水化γ−PGAのナノ粒子を製造することができる。本発明によれば、DMSOを用いることなく、医薬品製造に使用可能な疎水化γ−PGAのナノ粒子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例2で製造した疎水化γ−PGAのナノ粒子の粒径分布の一例を示す図である。
【図2】比較例1で製造した疎水化γ−PGAのナノ粒子の粒径分布の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施例2で製造した疎水化γ−PGAのナノ粒子のSEM写真の一例である。
【図4】比較例1で製造した疎水化γ−PGAのナノ粒子のSEM写真の一例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水化ポリ(γ−グルタミン酸)からなるナノ粒子の製造方法であって、上記疎水化ポリ(γ−グルタミン酸)を弱アルカリ性水溶液と炭素数1から3のアルコールとの混合溶媒からなる良溶媒に溶解させた溶液と、貧溶媒とを混合して、ナノ粒子を生成させることを特徴とする修飾ポリ(γ−グルタミン酸)からなるナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
上記弱アルカリ性水溶液が、溶質として、クエン酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムからなる群から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
上記アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールからなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
上記貧溶媒が、弱酸性水溶液であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−285624(P2008−285624A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134243(P2007−134243)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(505115854)株式会社ビーエムティーハイブリッド (6)
【出願人】(504258527)国立大学法人 鹿児島大学 (284)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】