説明

病原体の検出および治療のための改変オプソニン

本発明が提供する改変分子オプソニンは、生物学的病原体に結合させるのに用いられ得るか、または感染性疾患、血液媒介性感染症、もしくは敗血症を有する患者の治療および診断のためのデバイスおよびシステムにおける使用のためのサブクラスもしくは特定病原体種を同定するのに用いられ得る。本発明の局面は、自然免疫系の一部である豊富な天然血清タンパク質であるマンノース結合レクチン(MBL)を提供する。このタンパク質レクチンが事実上すべてのクラスの生物病原体(ウイルス、細菌、真菌、原生動物)上の表面分子に結合する能力があることにより、MBLの改変型は感染性疾患および敗血症を診断および治療するのに極めて有用となる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照によりその全体として本明細書に完全に組み入れられる2010年1月19日に提出された米国仮出願第61/296,222号の恩典を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、分子免疫学、微生物病原体、ならびに血液等の体液を含む流体中の病原体を検出および/または除去するためのシステムに関する。より具体的には、例えば、本発明が提供する改変分子オプソニンは、生物学的病原体に結合させるのに用いられ得るか、または感染性疾患、血液媒介性感染症、もしくは敗血症を有する患者の治療および診断のためのデバイスおよびシステムにおける使用のためのサブクラスもしくは特定病原体種を同定するのに用いられ得る。
【背景技術】
【0003】
背景
米国において、敗血症は、非冠動脈(non-coronary)ICU患者における死亡原因の第2位であり、死亡全体の10番目に多い原因である。敗血症は、全身の炎症状態(全身性炎症応答症候群と呼ばれる)および既知のまたは疑われる感染症の存在によって特徴付けされる重篤な医学的病態である。敗血症は、典型的には菌血症、ウイルス血症、または真菌血症の過程で発症し、かつ典型的な血液媒介性病原体ではない黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)等の病原体によって引き起こされる感染症により生じ得る。血液媒介性病原体は、血液または他の潜在的に感染した体液を介して感染した人から別の人へ伝達された場合に疾患を引き起こす微生物である。最も多い疾患には、B型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、マラリア、C型肝炎、および梅毒が含まれる。
【0004】
残念なことに、全身性炎症応答症候群は、感染物質が血液培養によって同定される前に生命にかかわる事態になる場合がある。この免疫応答は、急性期タンパク質の広範な活性化を引き起こし補体系および凝集経路に影響を及ぼし、これがその後血管系および器官の両方にダメージを引き起こす。様々な神経内分泌拮抗系も活性化され、しばしば問題を悪化させる。緊急かつ積極的治療を用いてさえ、これは、多臓器不全症候群そして最終的には死に進行し得る。それゆえ、感染性疾患、血液媒介性感染症、敗血症、または全身性炎症応答症候群を有する患者の診断および治療のための技術の改良が依然として必要である。
【発明の概要】
【0005】
概要
本発明が提供する改変分子オプソニンは、生物学的病原体に結合させるのに用いられ得るか、または感染性疾患、血液媒介性感染症、もしくは敗血症を有する患者の治療および診断のためのデバイスおよびシステムにおける使用のためのサブクラスもしくは特定病原体種を同定するのに用いられ得るか、あるいは水もしくは食物媒介性病原体の同定において用いられ得る。本発明の局面は、自然免疫系の一部である豊富な天然血清タンパク質であるマンノース結合レクチン(MBL)を提供する。このタンパク質レクチンが事実上すべてのクラスの生物病原体(biopathogen)(ウイルス、細菌、真菌、原生動物)上の表面分子に結合する能力があることにより、MBLの改変型は感染性疾患および敗血症を診断および治療するのに極めて有用となる。
【0006】
本発明の態様は、オプソニンの糖鎖認識ドメイン、基質結合ドメイン、および該認識ドメインを固体表面結合ドメインに連結させるフレキシブルペプチドドメインを含む組換えオプソニンを提供する。本発明の局面において、糖鎖認識ドメインは、レクチンまたはレクチンのフラグメントである。あるいは、糖鎖認識ドメインは、コレクチンもしくはフィコリン(ficollin)、またはこれらの一部分もしくはフラグメントである。特定の局面において、糖鎖認識ドメイン(CRD)は、改変オプソニンのレクチン部分のN末端に残基プロリン81で始まるMBLの一部分を含む。別の特定の局面において、糖鎖認識ドメインは、改変オプソニンのレクチン部分のN末端に残基グリシン111で始まるMBLの一部分を含む。
【0007】
本発明の特定の局面において、組換えオプソニンの基質結合ドメインは、固体基質への化学的架橋を可能にする1つまたは複数のシステイン残基を含む。固体基質には、磁性マイクロビーズ(プロテインAでコートされていてもよい)、微多孔膜、中空糸リアクター、または他の任意の血液濾過膜もしくはフローデバイスが含まれてよい。他の局面において、基質は、免疫細胞(例えば、マクロファージ)等の細胞の表面、免疫系の組織もしくは器官(例えば、リンパ節もしくは脾臓)を裏打ちする細胞の表面、または免疫系の組織もしくは器官の細胞外マトリックスの表面であってよい。
【0008】
本発明の別の局面において、フレキシブルペプチドドメインは、少なくとも1つのグリシン+セリンセグメントおよび/または少なくとも1つのプロリン+アラニン+セリンセグメントを含んでいてよい。本発明の別の局面において、フレキシブルリンカーは、Fcγ等の免疫グロブリンのFc部分である。MBLのネックおよびCRD領域へのヒトIgG1 Fcの融合により、発現および精製、ならびに活性型の基質へのカップリングが向上する。
【0009】
本発明の態様は、流体からオプソニン結合微生物を回収する方法を提し、本方法は、固体表面にコンジュゲートさせた組換えオプソニンと流体を接触させる工程であって、組換えオプソニンが、オプソニンの糖鎖認識ドメイン、固体基質結合ドメイン、および該認識ドメインを固体表面結合ドメインに連結させるフレキシブルペプチドドメインからなる、工程;オプソニン結合微生物を該組換えオプソニン−固体表面コンジュゲートに結合させる工程;ならびに該微生物が結合した組換えオプソニン−固体表面コンジュゲートから該流体を分離する工程を含む。流体は、対象から得られた血液等の生物学的流体であってよい。流体は、その後対象に戻されてよい。
【0010】
本発明の別の態様は、対象における血液感染症を治療する方法を提供し、本方法は、対象の血液に組換えオプソニンを投与する工程であって、組換えオプソニンが、オプソニンの糖鎖認識ドメイン、基質結合ドメイン、および該認識ドメインを基質結合ドメインに連結させるフレキシブルペプチドドメインからなり、糖鎖認識ドメインがオプソニン結合微生物に結合し、かつ基質結合ドメインが免疫系の細胞、組織、もしくは器官に結合する、工程;組換えオプソニンをオプソニン結合微生物に結合させる工程;ならびに微生物が結合した組換えオプソニンを、微生物を殺傷する免疫系の細胞、組織、もしくは器官に結合させる工程を含む。対象は、動物またはヒトであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の態様における、三量体(重合体)のセットへ改変されるマンノース結合レクチン(MBL)の略図を示す。
【図2】図2Aおよび2Bは、立体的に障害のないN末端(任意でN末端においてまたは近くにシステインを有する)を含み、その後に長いフレキシブルペプチドセグメント、次いでC末端にMBLレクチンドメインが続く人工タンパク質(図2A)を、図2Bの例示のデバイスにおける固体基質へ架橋させる本発明の態様の略図である。
【図3】図3は、FcならびにMBLのネックおよび糖鎖認識ドメイン(CRD)のアニメおよびX線結晶学的モデルに基づくモデル型の両方での、本発明の態様であるFc-MBL.81の略図を示す。
【図4】図4は、本発明の局面における、Fcをコードするベクターの図解である。
【図5】図5は、カルシウムが結合を維持させ、EDTAが結合を不安定化する、dynabead−MBLのC.アルビカンス(C. albicans)へのカルシウム依存的結合を示す。
【図6】図6は、異なる病原体へのMBL磁性ビーズの結合を示す。病原体をMBLでコートした磁性ビーズ(対照:MBLなしのビーズ)に結合させ、洗浄し、培養プレート上に溶出した。
【図7】図7は、MBL磁性ビーズの微生物への結合および一晩培養アッセイからのデータを示す。病原体をMBLでコートした磁性ビーズ(対照:MBLなしのビーズ)に結合させ、洗浄し、培養プレート上に溶出し、一晩培養した。
【図8A】図8は、一過性のトランスフェクションによる高レベルのFc MBL発現を実証している。図8Aは、pFUSE Fc MBL.81(およびpFUSE Fc)をトランスフェクションした293細胞の精製されていない上清をロードした還元ゲルの抗hFcでプローブしたウェスタンブロットである。
【図8B】図8は、一過性のトランスフェクションによる高レベルのFc MBL発現を実証している。図8Bは、プロテインAで精製したFc MBL.81を示す。
【図9】図9は、C.アルビカンスに結合することにおいて、Fc MBL.81構築物が全長MBLと同程度に活性があった、枯渇アッセイの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本発明は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコール、および試薬などに限定されるものではなく、そのため変化し得ることが理解されるべきである。本明細書で用いられる用語は、特定の態様を記載することのみを目的とするものであって、特許請求の範囲によってだけ規定される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0013】
本明細書においておよび特許請求の範囲において使用するとき、単数形には、別様に文脈ではっきりと指示されていない限り、複数形の指示対象が含まれ、逆もまた同様である。実施例を行う際以外でまたは別様に指示されていない場合、本明細書において用いられる成分または反応条件の量を表現するすべての数は、「約」という用語によって、すべての場合において修飾されると理解されるべきである。
【0014】
特定されるすべての特許および他の刊行物は、例えば本発明に関連して用いられ得るそのような刊行物に記載される方法論を記載および開示することを目的として、参照により本明細書に明確に組み入れられる。これらの刊行物は、本出願の提出日より前のそれらの開示のためだけに提供される。この点において、先行発明という理由でまたは他の任意の理由で、本発明者らがそのような開示に先行する権利を付与されないことを承認するものとしていかなるものも見なされるべきでない。これらの文献の日時に関するすべての記述または内容に関する表示は、本出願人らが入手可能な情報に基づくものであり、これらの文献の日時または内容の正確性に関していかなる承認を成すものではない。
【0015】
別様に定義されていない限り、本明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が関連する技術分野における当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。任意の公知の方法、デバイス、および材料を本発明の実践または試験に用いてよいが、この点においてこれらの方法、デバイス、および材料は本明細書において記載される。
【0016】
最も広い意味において、オプソニンは、粒子の表面に結合するタンパク質である。本来、オプソニンは、例えば標的病原体の膜上に負に帯電した分子をコートすることによって、貪食作用の過程の結合エンハンサーとして働く。本発明が提供するマンノース結合レクチン(MBL)等の改変分子オプソニンは、生物学的病原体に結合させるのに用いられ得るか、または感染性疾患、血液媒介性感染症、もしくは敗血症を有する患者の治療および診断のためのデバイスおよびシステムにおける使用のためのサブクラスもしくは特定病原体種を同定するのに用いられ得る。治療は、インビボまたはエクスビボで実行されてよい。
【0017】
MBLは、マンノース、N-アセチルグルコサミン(NAG)含有糖鎖、および多くの微生物病原体の表面上に存在する他の種々の糖鎖に結合する血清レクチンオプソニンである。MBL(マンノースまたはマンナン結合タンパク質MBPとも呼ばれる)は、3つまたはそれ以上の32kDa単量体を会合させた重合体タンパク質である。それぞれの単量体は、N末端のシステインリッチ領域、コラーゲン様gly-X-Y領域、ネック領域、および糖鎖認識ドメインを有する。より高い分子量(MW)の重合体の会合は、32kDa単量体の三量体の形成から始まり、これらの三量体は、その後三量体の3〜6セットのより高いMWの重合体へ自己会合する。図1を参照されたい。
【0018】
MBLは、微生物病原体のオプソニン化において、ならびに補体(レクチン経路を介した)および凝集の活性化において主要な構成要素である。オプソニン化とは、標的細胞へのタンパク質の結合、ならびにマクロファージおよび好中球等の食細胞による取り込みおよび破壊のためのこれらの細胞の標的化である。このオプソニン化は、MBLの小さいシステインリッチなN末端ドメイン、ならびにMBLを介したレクチン補体経路の活性化により標的細胞表面上に堆積したC3bによって仲介されると見られる。
【0019】
レクチン経路を介した補体の活性化において、微生物および特殊化タンパク質、すなわちMASP-1(マンナン結合レクチン関連セリンプロテアーゼ)(Matsushita & Fujita, 176 J. Exp. Med. 1497 (1992))およびMASP-2(Thiel et al., 386 Nat. 506 (1997))は、結合したMBLと相互作用し、抗体の非存在下で補体を活性化する。より高い分子量のMBL複合体(5〜6リピートの機能的MBL三量体)は、このレクチン経路を介した補体の強力な活性化因子であり、この経路では、MASP-2が補体を活性化すると見られ、かつMASP1が凝集を活性化する。より小さな複合体(3〜4リピートのMBL三量体ユニット)は、凝集の最も強力な活性化因子である。Krarup et al., 2 PLoS One e623 (2007)。
【0020】
あるヒト集団では、MBLにおけるコラーゲンヘリックス中のコドン52、54、および57に高い対立遺伝子頻度の変異が存在する。Garred et al., 7 Genes Immun. 85 (2006)。これらの変異は、より高い分子量型のMBLの形成を妨げ、補体の活性化を抑制する。これらの場合、MBLはまだオプソニンとして機能し、凝集を促すが、補体を活性化することはない。ヘテロ接合体が最高の生存率を有し、ホモ接合性の「野生型」が2番目によく、そしてホモ接合性の「変異体」が最低の生存率を有するという点で、敗血症に対するヘテロ接合体の利点に関するいくつかの証拠もある。Sprong et al., 49 Clin. Infect Dis. 1380 (2009)を参照されたい。さらに、ホモ接合性変異体の新生児は、獲得免疫系が機能し始める前に感染症に特にかかりやすい。
【0021】
感染性疾患の治療のための治療用組換えタンパク質としてのMBLの有用性に関しては多くの論争がある。第1相および第2相臨床試験では、組換えタンパク質としてのおよびヒトの献血から精製された場合のどちらにおいても、完全なままのMBLが用いられている。実際に、化学療法誘発性好中球減少症を有するMBL欠損の小児患者の第1相および第2相試験では、治療法として血漿由来のMBLが用いられている。Frakking et al., 45 Eur. J. Cancer 50 (2009)。MBLを開発するための商業的努力は、組換えタンパク質を産生することおよび有効性を確立することの両方における困難のために失敗している。本明細書において使用するとき、対象の治療または治療することとは、その疾患、病気、または症状を管理、改善、または軽減するために提供される医学的ケアを表し得る。
【0022】
本発明は、病原体の検出および除去のためのデバイスおよびシステムにおける使用のための改変オプソニン、例えば改変MBLまたはMBL重合体を提供する。図5は、MBLをコンジュゲートさせた磁性マイクロビーズの酵母C.アルビカンスへのカルシウム依存的結合を示す。図6および7は、グラム陽性菌の黄色ブドウ球菌、グラム陰性菌のクレブシエラ(Klebsiella)および大腸菌(E. coli)、ならびに酵母のC.アルビカンスを含む、数種の異なる病原体間でのMBL磁性ビーズの結合を比較している。最近の研究では、血液等の生物学的流体等の流動流体から生きた病原体を除去するために、マイクロ磁気技術およびマイクロ流体技術の組み合わせを用いることの実現可能性が実証されている。Xia et al., 8 Biomed. Dev. Biomed. Microdev. 299 (2006); Yung et al., Lab on a Chip DOI: 10.1039/b816986a (2009)。これらのマイクロデバイス(病原体細胞上の表面マーカーに特異的に結合する分子でコートされた磁性マイクロビーズ)では、ヒトの全血中のこれらの細胞に結合させることが可能であり、その後適用した磁場勾配を用いることによってマイクロ流体チャネル中を流れる血液から引き抜いて除かれる。WO/2008/130618; WO/2007/044642を参照されたい。
【0023】
他の用途の中でも、これらのデバイスは、毒素を産生する病原体を敗血症患者の血液から迅速に除去し、それゆえ従来の抗生物質療法に対する応答を大幅に増大させることが大いに見込まれる。潜在的に安価でかつ簡便なマイクロデバイスを用いて、血中を循環するまたは他の生物学的流体中に存在する生きた病原体を迅速に(数分以内に)結合、検出、および単離することができることにより、病院または商業的研究所において微生物培養に何日も要する現在の病原体の検出および感受性試験アッセイの大きな制限も回避される。
【0024】
本発明において用いられ得る生物学的流体には、例えば血液、脳脊髄液、滑液、尿、精液、唾液、涙液、および注射針の挿入によって回収される流体が含まれる。さらに、本発明に従った迅速で一般的なコンタミネーションアッセイのために、食物または水のサンプルから流体を回収してもよく、そのような流体を回収し、天然の微生物コンタミネーションについてまたは可能性のある「生物テロ」によるコンタミネーションについて分析することができる。
【0025】
さらには、血液浄化デバイスを用いる前にその病原体に対する特異的リガンド(例えば、特異的抗体)を磁性マイクロビーズ上に置くため、これらの方法の現在の有効性は、血液からの除去が望まれる特定病原体についての事前の知識を利用するものである。したがって本発明は、適用に必要とされるのに応じて、生物学的オプソニンのように機能しかつ特定の多くのまたはすべての種類の微生物病原体に結合する改変した包括的結合分子を提供することによって、現在の手法を強化する。この点において、本発明は治療上の応用性を有する。
【0026】
本明細書で取り組んだ別の必要性は、例えばすべての種類の真菌またはすべてのグラム陰性菌またはすべてのもしくは特定のグラム陽性菌またはすべてのウイルスまたはすべての原生動物に結合する特殊化した病原体のクラス特異的オプソニンの開発であり、なぜなら、それを知ることで、しばしば完了するのに多くの日数がかかる従来の方法を用いて抗生物質感受性について種のタイプの完全な特徴が同定される前に、医師が抗微生物療法を選択する際にすぐに助言できるからである。
【0027】
さらに、遺伝子工学、ならびに指向進化および選択ストラテジーを使用して、種特異的様式で病原体に結合する、MBL等の天然オプソニンの修飾版を改変することができる。最終的に、異なる抗生物質または抗微生物療法に対する病原体感受性に特異的である結合は、適切な選択ストラテジーを用いることによって達成され得る。それゆえ、本発明は、これらの高価値の特性を提供する改変オプソニンの開発を提供する。
【0028】
MBLは、本明細書に記載する目的のための包括的オプソニンとしての使用にとって優れた選択であるが、しかしながら、完全なままの分子は、それが診断および治療用マイクロデバイスの機能を妨害し得る血液凝集を促進する複数の機能的ドメインを有するため、全血の存在下では典型的には用いられない。このMBLの特徴は、本明細書において提供されるその病原体結合機能から切り離すことができる。より具体的には、MBLは、N末端からC末端に4つの部分:マクロファージ結合および/またはMASP結合に関与し得る本質的に未知の機能の小さなN末ドメイン;MASP結合およびより高次のオリゴマー化にも関与し得るコラーゲンセグメント;三量化に十分であるαヘリックスの「ネック」セグメント;ならびに直接的な病原体結合を仲介するC末端におけるCRDレクチンドメインを含有する。レクチンドメインは目前の適用に有用であり、その他のドメインは使用者の必要に応じて存在してもまたは欠失してもよく、ルーチン試験によって決定することができる。さらに、レクチン活性はカルシウム依存的であり、そのため結合した微生物を診断目的のためにキレート剤によって放出することができる。
【0029】
診断および治療上の応用のための包括的オプソニンとして有用な改変した形態のMBLの一態様は、MBLのレクチンドメインを含む。例えば、グリシン111(構造バイオインフォマティクス研究共同体(RCSB)、タンパク質データバンクの構造ファイル1HUPにおいて定義されている)は、改変オプソニンのレクチン部分を開始する好都合なN末端のポイントである。既定の単量体の糖へのMBLの結合は弱いため、表面上のタンパク質が移動できかつ微生物の形状に適合できるように、フレキシブルな様式で固体マトリックスへMBLを接着させてよい。例えば、1つもしくは複数のグリシン+セリンセグメント、または1つもしくは複数のプロリン+アラニン+セリンセグメント、あるいは当技術分野において公知の他のペプチドリンカー等のフレキシブルペプチドを、これらのセグメントは折り畳まれた構造を形成しない傾向があるため、図2AにあるようにMBLのN末端に置いてよい。
【0030】
診断および治療上の応用のための包括的オプソニンとして有用な改変した形態のMBLの別の態様は、MBLのネックおよびレクチンドメインを含む。プロリン81(例えば、構造バイオインフォマティクス研究共同体、タンパク質データバンク(RCSB PDB)構造ファイル1HUPにおいて定義されている)は、この改変オプソニン構築物のレクチン配列を開始する好都合なN末のポイントである。MBLのこの部分を、ヒトIgGのFc部分(Fcγ)の下流(C末端)に融合させる。Fc部分には、ブドウ球菌プロテインAを含む多数のFc受容体に対する結合部位を含有するIgG FcドメインのCH2-CH3境界面が含まれてよい。使用の際、Fc部分は二量体化し、MBLレクチンによる単量体の糖への結合の親和性アフィニティーを増強する。さらに、診断用試薬として用いた場合、組換えオプソニンのN-結合型グリコシル化を取り除くことができる。例えばFc MBL.81では、抗体中のアミノ酸を番号付けするKabatシステムにおいて、残基297におけるアミノ酸をアスパラギンからアスパラギン酸(N297D)に変えることによってグリコシル化を取り除くことができ、これはこの特定のFc構築物におけるアミノ酸82に相当する。グリコシル化されたFcは、Fcを介した抗体依存性細胞介在性細胞障害作用(ADCC)および補体介在性細胞障害作用(CDC)の正しい方向性を維持する。
【0031】
マンノース受容体を介したヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の取り込みを避けて、Fc受容体を介したFc MBLオプソニン化ヒト型結核菌の取り込みの活性化に、改変Fc MBLオプソニンを用いることができる。最近の刊行物(Kang et al., 202 J. Exp. Med. 987 (2005))によれば、ヒト型結核菌の細胞表面上にあるリポアラビノマンナン(ManLaM)が、貪食作用の過程の間にマクロファージマンノース受容体(MMR)に関わることが示唆されている。これにより、ヒト型結核菌はその初期ファゴソーム間隙へ導かれ、ファゴソーム−リソソーム(P-L)融合が阻害され、それによってヒトマクロファージの生存率が高まる。興味深いことに、P-L融合の阻害は、Fcγ受容体を介した侵入では起こらなかった。一態様では、例えばヒト型結核菌等の細菌は、Fc受容体エンドサイトーシスによる取り込みにより、異なる細胞内小胞へ送られる。
【0032】
本発明の改変オプソニンの形態は、N末端におけるアミノ基に特異的である化学架橋剤を用いることにより、融合タンパク質の、磁性マイクロビーズもしくは微多孔膜の固体表面等の基質への、または図2Bにあるように該タンパク質のN末端に近接するように改変されている遊離システイン残基への接着も助ける。(リジンはシステインの代替物であり、任意で該タンパク質におけるリジン残基の残りの除去に続く)。
【0033】
いくつかの態様では、オプソニンが結合する基質は、組織または器官の生きた細胞または細胞外マトリックスである。例えば、基質は、免疫応答に関連した細胞、組織、または器官の表面であってよい。例えば、細胞は、食細胞(マクロファージ、好中球、および樹状細胞)、肥満細胞、好酸球、好塩基球、および/またはナチュラルキラー細胞であってよい。細胞は、脾臓、リンパ節、リンパ管、扁桃腺、胸腺、骨髄、パイエル板、結合組織、粘膜、細網内皮系など免疫系の組織または器官の細胞であってよい。オプソニンが結合する表面は、1つまたは複数のこれらの組織または器官の細胞外マトリックスであってもよい。
【0034】
いくつかの態様では、固体基質は、磁性ビーズまたは他の構造化材料を含んでいてよく、その後血液等の生物学的流体を含む流体から微生物を取り出し、かつ生きた微生物を含む微生物を濃縮および回収する。その後ビーズを微生物の存在について調べることができるため、またはビーズを用いて、回収された微生物を従来の病原体培養および感受性試験アッセイに移すことができるため、この手法は有利である。言い換えれば、改変オプソニンを、疾患の診断においてのみでなく、水もしくは食物媒介性病原体、微粒子、または他の混入物質の同定においても、同定するために潜在的な微生物を回収する手段として診断器具において用いてよい。あるいは、固体基質には、中空糸リアクターもしくは他の任意の血液濾過膜もしくはフローデバイス(例えば、単純な透析チューブ)、または生物学的病原体を選択的に結合および隔離する他の樹脂、繊維、もしくはシートが含まれてよい。
【0035】
磁性ビーズは、球状、棒状、楕円状、円筒状、円盤状などを含むがこれらに限定されない任意の形状であってよい。いくつかの態様では、正確な球状の形状を有しかつ表面化学を定義されている磁性ビーズを用いて、化学的凝集反応および非特異的結合を最小限に抑える。本明細書において使用するとき、「磁性ビーズ」という用語は、磁場勾配によって引き寄せられるもしくははねつけられる、またはゼロでない磁化率を有する、ナノまたはマイクロスケールの粒子を表す。磁性ビーズは、常磁性または超常磁性であってよい。いくつかの態様では、磁性ビーズは超常磁性である。磁性ビーズは、本明細書において磁性粒子とも称される。いくつかの態様では、ポリマーシェルを有する磁性ビーズを用いて、病原体を鉄への曝露から保護する。例えば、ポリマーコートされた磁性ビーズを用いて、病原体を鉄への曝露から保護することができる。
【0036】
磁性ビーズはサイズが1nm〜1mmに及んでよい。例えば、磁性ビーズはサイズが約250nm〜約250μmである。いくつかの態様では、磁性ビーズはサイズが0.1μm〜100μmである。いくつかの態様では、磁性ビーズはサイズが0.1μm〜50μmである。いくつかの態様では、磁性ビーズはサイズが0.1μm〜10μmである。いくつかの態様では、磁性ビーズは磁性ナノ粒子または磁性マイクロ粒子である。磁性ナノ粒子は、磁場または磁場勾配を用いることによって操作することができるナノ粒子のクラスである。そのような粒子は、一般に、鉄、ニッケル、およびコバルト、ならびにそれらの化学的化合物等、磁性要素からなる。磁性ナノ粒子は周知であり、それらの調製のための方法は当技術分野において記載されている。例えば、米国特許第6,878,445号、第5,543,158号、第5,578,325号、第6,676,729号、第6,045,925号、および第7,462,446号、ならびに米国特許公報第2005/0025971号、第2005/0200438号、第2005/0201941号、第2005/0271745号、第2006/0228551号、第2006/0233712号、第2007/01666232号、および第2007/0264199号を参照されたい。
【0037】
磁性ビーズは、アフィニティー分子へ結合し得る官能基の有無にかかわらず、容易にかつ広く商業的に入手可能である。適した磁性ビーズは、Dynal Inc. (Lake Success, NY)、PerSeptive Diagnostics, Inc. (Cambridge, MA)、Invitrogen Corp. (Carlsbad, CA)、Cortex Biochem Inc. (San Leandro, CA)、およびBangs Laboratories (Fishers, IN)等から商業的に入手可能である。特定の態様では、磁性粒子は、MyOne(商標)Dynabeads(登録商標)磁性ビーズ(Dynal Inc.)である。
【0038】
固体基質を、生体適合性材料から作製することもまたは生体適合性材料でコートすることもできる。本明細書において使用するとき、「生体適合性材料」という用語は、対象の生物学的組織内に移植したもしくは隣接して置かれた場合に、経時的に、目に見えるほど悪化させず、かつ重大な免疫応答もしくは有害な組織反応、例えば中毒反応もしくは重大な炎症を誘発しないか、またはそれが血液と接触した場合に血液凝固もしくは凝集を誘発しない、任意の材料を表す。適した生体適合性材料には、例えばポリイミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、およびポリビニルアミン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、およびポリスチレンの誘導体および共重合体が含まれる。
【0039】
いくつかの態様では、固体基質は、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンポリスルホン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシリコン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(エチレングリコール)、スチレン−アクリロニトリル樹脂、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリビニルブチラール、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリ(ビニルピロリドン)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される材料から作られているかまたは該材料でコートされている。
【0040】
本発明の局面において、ペプチドを他の分子とコンジュゲートさせるための当技術分野において周知の方法によって、本明細書において記載される組換えオプソニンを、固体基質とコンジュゲートさせることができる。例えば、Hermanson, BIOCONJUGATE TECHNIQUES (2nd Ed., Academic Press (2008))およびNiemeyr, Bioconjugation Protocols: Strategies & Methods, in METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY (Humana Press, 2004)には、ペプチドを他の分子にコンジュゲートさせるための多数の方法および技術が提供されている。de Graaf, et al., 20 Biocojugate Chem. 1281 (2009)には、コンジュゲートのためのペプチド内への非天然アミノ酸の部位特異的導入についての概説が提供されている。
【0041】
あるいは、固体基質の表面を、組換えオプソニンと選択的に結合する結合分子を含むように官能化することができる。これらの結合分子は、本明細書においてアフィニティー分子とも称される。結合分子は、固体基質の表面上で共有結合または非共有結合することができる。本明細書において使用するとき、「結合分子」または「アフィニティー分子」という用語は、本明細書において記載される組換えオプソニンに特異的に結合することができる任意の分子を表す。アフィニティー分子の代表例には、抗体、抗原、レクチン、タンパク質、ペプチド、核酸(DNA、RNA、PNA、およびそれらの混合物である核酸またはヌクレオチド誘導体もしくは類似体を含む核酸);インシュリン受容体等の受容体分子;受容体に対するリガンド(例えば、インシュリン受容体に対するインシュリン);ならびにビオチンおよびアビジン等の別の分子に対するアフィニティーを有する生物学的、化学的、または他の分子が含まれるが、これらに限定されない。結合分子は、天然に存在する分子全体を含む必要はないが、例えば抗体のFabフラグメントのように、天然に存在するまたは天然に存在しない分子の一部分、フラグメント、またはサブユニットのみからなってもよい。結合分子は、検出することができるマーカーをさらに含んでいてよい。
【0042】
結合分子を、当業者に公知の様々な方法のいずれかを用いることによって、固体基質の表面にコンジュゲートさせることができる。結合分子を、固体基質の表面に共有結合または非共有結合でカップリングまたはコンジュゲートさせることができる。共有結合による固定化は、例えばシランカップリングを介して達成され得る。例えば、Weetall, 15 Adv. Mol. Cell Bio. 161 (2008); Weetall, 44 Meths. Enzymol. 134 (1976)を参照されたい。結合分子と表面との間の共有結合による連結は、リンカーによっても仲介され得る。アフィニティー分子と表面との間の非共有結合による連結は、イオン性相互作用、ファンデルワールス相互作用、双極子−双極子相互作用、水素結合、静電相互作用、および/または形状認識相互作用に基づくものであり得る。
【0043】
本明細書において使用するとき、「リンカー」という用語は、組成物の2つの部分を結び付ける分子構成成分を意味する。ペプチドリンカーは、既定の融合タンパク質の折り畳みに影響を及ぼす場合があり、かつ他のタンパク質と反応/結合する場合もあり、これらの特性について公知の技術によってスクリーニングすることができる。本明細書において記載されるものに加えて、例示的なリンカーには、例えばHis6などの連続したヒスチジン残基; Ala-Proペアの数を変化させてリンカーの柔軟性を調節する、AlaおよびProから構成される配列;ならびに、例えばGluおよびLysを混合させた、荷電アミノ酸残基から構成される配列が含まれる。リンカー内の残基の種類および数によって、柔軟性を制御することができる。例えば、Perham, 30 Biochem. 8501 (1991); Wriggers et al., 80 Biopolymers 736 (2005)を参照されたい。化学的リンカーは、直接結合、または酸素もしくは硫黄等の原子、NH、C(O)、C(0)NH、SO、S02、S02NH等のユニット、または1個もしくは複数のメチレンがO、S、S(O)、S02、NH、もしくはC(O)によって中断もしくは終結してよい、置換されているもしくは置換されていないC1-C6アルキル、置換されているもしくは置換されていないC2-C6アルケニル、置換されているもしくは置換されていないC2-C6アルキニル、置換されているもしくは置換されていないC6-C12アリール、置換されているもしくは置換されていないC5-C12ヘテロアリール、置換されているもしくは置換されていないC5-C12ヘテロシクリル、置換されているもしくは置換されていないC3-C12シクロアルキル等の原子の鎖を含んでいてよい。
【0044】
核酸ベースの結合分子には、アプタマーが含まれる。本明細書において使用するとき、「アプタマー」という用語は、ワトソン−クリック塩基対合または三重鎖形成以外のメカニズムによって、選択された非オリゴヌクレオチド分子または分子の群を特異的に認識することができる一本鎖、部分的に一本鎖、部分的に二本鎖、または二本鎖のヌクレオチド配列を意味する。アプタマーには、規定された配列セグメント、ならびにヌクレオチドと、リボヌクレオチドと、デオキシリボヌクレオチドと、ヌクレオチド類似体と、修飾されたヌクレオチドと、骨格修飾、分岐点、および非ヌクレオチドの残基、基、またはブリッジを含むヌクレオチドとを含む配列が含まれてよいが、これらに限定されるわけではない。分子に結合させるためのアプタマーを選択するための方法は、当技術分野において広く公知であり、当業者にとって容易に利用可能である。
【0045】
組換えオプソニンを、アフィニティー結合ペアによって固体基質の表面とコンジュゲートさせることができる。「アフィニティー結合ペア」または「結合ペア」という用語は、互いに特異的に結合する第一および第二の分子を表す。結合ペアの一方のメンバーを固体基質とコンジュゲートさせ、一方で第二のメンバーを組換えオプソニンとコンジュゲートさせる。本明細書において使用するとき、「特異的結合」という用語は、他の分子に対するものより高いアフィニティーおよび特異性を有する、結合ペアの第一のメンバーと結合ペアの第二のメンバーとの結合を表す。
【0046】
例示的な結合ペアには、対応する抗体と組み合わせた任意のハプテン性もしくは抗原性の化合物、またはそれらの結合部分もしくはフラグメント(例えば、ジゴキシゲニンと抗ジゴキシゲニン;マウス免疫グロブリンとヤギ抗マウス免疫グロブリン);ならびに非免疫学的結合ペア(例えば、ビオチン−アビジン、ビオチン−ストレプトアビジン)、ホルモン(例えば、サイロキシンおよびコルチゾールホルモン結合タンパク質)、受容体−受容体アゴニスト、受容体−受容体アンタゴニスト(例えば、アセチルコリン受容体−アセチルコリンもしくはそのアナログ)、IgG−プロテインA、レクチン−糖鎖、酵素−酵素補因子、酵素−酵素阻害剤、および核酸二重鎖を形成することができる相補的オリゴヌクレオチドペアなどが含まれる。結合ペアには、負に帯電している第一の分子および正に帯電している第二の分子も含まれてよい。
【0047】
結合ペアによるコンジュゲートを用いる一例は、ビオチンサンドイッチ法である。例えば、Davis et al., 103 PNAS 8155 (2006)を参照されたい。一緒にコンジュゲートさせるべき2つの分子をビオチン化し、その後リンカーとして四価のストレプトアビジンを用いることによって一緒にコンジュゲートさせる。ビオチン化に対するアクセプターペプチド(APと称される;Chen et al., 2 Nat. Methods 99 (2005))の15アミノ酸配列に、ペプチドをカップリングさせることができる。アクセプターペプチド配列は、大腸菌酵素のビオチンリガーゼ(BirA;Id.)による部位特異的なビオチン化を可能にする。固体基質とのコンジュゲートのために、組換えオプソニンを同様にビオチン化することができる。タンパク質をビオチン化するために、多くの商業的キットも利用可能である。固体表面へのコンジュゲートのための別の例は、PLPを介したバイオコンジュゲーションを用いることであろう。例えば、Witus et al., 132 JACS 16812 (2010)を参照されたい。この例では、FcのN末上のAKT配列により、固体表面へのコンジュゲート、および固体表面から離れたところを指し示す最適な方向にあるレクチン結合ドメインの方向付けが可能となる。
【0048】
糖に対する1個のレクチンドメインのアフィニティーは低く、通常、結合は親和性および多価性によって推進されることに留意すべきである。本発明のデバイスの場合、多量体化ドメインをタンパク質から欠失させ、かつ高密度での固体基質(例えば、ビーズ)への接着によって、タンパク質の多価性を効果的に作り出すものであって、最適な機能性を提供するためにその密度を変化させることができる。
【0049】
さらにMBLに関して、その結合の特徴を、結合特異性の変更に対する指向進化によって操作することができる。MBLを、それがより限定されたセットの糖または他の分子属性(molecular feature)に結合するように修飾してよく、その結果、修飾されたMBLはより限定されたセットの微生物に結合して、病原体クラスの同定(例えば、ウイルス、細菌、真菌、もしくは原生動物のもの)、サブクラスの分類(例えば、グラム陰性菌もしくはグラム陽性菌)、または特定種の判定のための能力を提供すると考えられる。当技術分野において数々のストラテジーが利用可能である。
【0050】
例えば、直進的指向進化のストラテジーは、糖と複合したMBLの原子構造を視覚的に調べ、その後、特有の接触が失われるかまたは特定の種類の立体障害が創出されるように、糖特異的様式で接触する適切なアミノ酸を変異させる。高マンノース型オリゴ糖と、およびN-アセチルグルコサミン、メチル化フコースなどと複合した状態のラットMBLの三次元構造が解かれている。His189ValおよびIle207Valは、修飾によって特異性が変更される置換の例である。
【0051】
指向進化の別のストラテジーでは、タンパク質をランダム変異導入に供し、結果として生じたタンパク質を所望の品質についてスクリーニングする。これは、ファージディスプレイ抗体のアフィニティー成熟のための特に有用な技術であって、抗体の相補性決定領域(CDR)を飽和変異誘発によって変異させ、6つのCDRの成功したバリアントを一緒に混ぜ合わせて、最高アフィニティーの抗体を形成する。
【0052】
酵母、グラム陽性菌、グラム陰性菌、コアグラーゼ陰性菌、好気性細菌などへの特異的結合性を有するMBLバリアントを選択するために、指向進化パラダイムをMBLに適用することができる。しかしながら、これを機能させるために、標的の糖のパターンおよび性質、またはこれらの標的生物上の関係する表面属性は、クラスまたは種の間で異なる必要がある場合がある。
【0053】
MBLは、真菌、グラム陽性菌、およびグラム陰性菌上のマンノースおよびN-アセチルグルコサミンの糖に強く結合することが知られている。例えば、MBLは、カンジダ属(Candida spp.)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、黄色ブドウ球菌、およびβ溶血性A群連鎖球菌(streptococci)に強く結合する。MBLは、大腸菌、クレブシエラ属、およびヘモフィルス・インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型に中間のアフィニティーを有する。MBLは、β溶血性B群連鎖球菌、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、および表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)に弱く結合する。Neth et al., 68 Infect. & Immun. 688 (2000)。血清型B髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型、およびクリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)の莢膜多糖は、細菌内毒素がするように、MBL結合を低下させると考えられる。Id.; Van Emmerik et al., 97 Clin. Exp. Immunol. 411 (1994); Schelenz et al., 63 Infect. Immun. 3360 (1995)。
【0054】
他の研究では、補体のMBL(レクチン)経路は酵母のオプソニン化貪食作用に重要であったが、古典的な補体経路は細菌のオプソニン化貪食作用に重要であったという、MBLは、MBL結合にもかかわらず、細菌ではなく酵母のオプソニン化貪食作用を容易にすることが報告されている。Brouwer et al., 180 J. Immunol. 4124 (2008)。MBLが試験した細菌種に結合したことは報告されず、しかしながら、MBL結合が補体の活性化およびオプソニン化貪食作用を有意には促進しなかったことのみ報告された。
【0055】
特定の特異性を有するMBLの誘導体を、標準的なファージディスプレイのストラテジーである以下の手法によって単離することができる:まず、ファージミドベクターからMBLバリアントのセットを発現させ、その後、このライブラリーを対象となる標的(例えば、大腸菌)に結合させ、1または2ラウンドの選択を実施する;その後、関係する標的(例えば、カンジダ)に対するネガティブ選択のラウンドを実施し、結合しないファージミドを選ぶ。その後、標的に概して結合しかつ標的でないものに結合しないファージ集団が出るまで、これらのポジティブおよびネガティブ選択のサイクルを繰り返す。この方法を、既定の抗生物質に対して耐性がある細菌および感受性がある細菌等、示差的結合が望まれる任意の微生物株のペアに適用することができる。このポジティブ/ネガティブ濃縮ストラテジーを、そのような特異的に結合するものを単離するためのさらに標準的な手段である抗体−ファージディスプレイライブラリーとともに用いてもよい。
【0056】
MBLは、C型(カルシウム依存性)レクチンスーパーファミリー中のコレクチンのクラスに属し、サーファクタントタンパク質A、サーファクタントタンパク質D、CL-L1、およびCL-P1等、その他のメンバーは本発明において有用であり得る。他の可能性のあるオプソニンには、フィコリン(Thiel et al., 1997)が含まれ、これも補体のレクチン経路を活性化し、かつMASPタンパク質に結合する。これらのタンパク質はMBLに関係するが、異なるより限定された特異性を有する。本明細書において記載される診断用デバイスとの関連において、一つの選択肢は、上記のMBLのレクチンドメインに相当するフィコリンのレクチンドメインを単純に用いることである。別の手法は、MBLと1種または複数種のフィコリンとの間のセグメントまたは個々のアミノ酸の「シャフリング」を用いて、ハイブリッド特異性を有し得るハイブリッド分子を創出することである。上記の指向進化および選択手法を潜在的に用いて、上記のクラス、サブクラス、および種特異性を提供するヒト抗体フラグメントまたはペプチドを生成することもできるであろう。
【0057】
本発明は、以下の番号付けされた項目のいずれかにおいて規定され得る。
1.オプソニンの糖鎖認識ドメイン;
基質結合ドメイン;および
該認識ドメインを基質結合ドメインに連結させるペプチドドメイン
を含む、組換えオプソニン。
2.前記糖鎖認識ドメインがコレクチンもしくはフィコリン(ficollin)である、またはコレクチンもしくはフィコリンに由来する、項目1記載の組換えオプソニン。
3.前記糖鎖認識ドメインがレクチン、またはレクチンの一部分もしくはフラグメントである、項目1記載の組換えオプソニン。
4.前記レクチンがマンノース結合レクチン(MBL)である、項目3記載の組換えオプソニン。
5.レクチンがMBLのアミノ酸残基81(プロリン)〜228(イソロイシン)(SEQ ID NO:2)からなる、項目4記載の組換えオプソニン。
6.前記基質結合ドメインが、固体基質への化学的架橋を可能にする少なくとも1つのシステイン残基を含む、前記項目のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
7.フレキシブルペプチドがグリシン+セリンセグメントまたはプロリン+アラニン+セリンセグメントを含む、前記項目のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
8.フレキシブルペプチドが免疫グロブリンのFcの部分を含む、前記項目のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
9.Fc部分がIgG FcドメインのCH2-CH3境界面を含む、項目8記載の組換えオプソニン。
10.前記基質が磁性マイクロビーズ、常磁性マイクロビーズ、微多孔膜、中空糸リアクター、または他の任意の流体濾過膜もしくはフローデバイスである、前記項目のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
11.前記基質が生物学的組織または器官の生きた細胞または細胞外マトリックスである、前記項目のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
12.前記基質が食細胞である、項目11記載の組換えオプソニン。
13.固体表面にコンジュゲートさせた組換えオプソニンと流体を接触させる工程であって、組換えオプソニンが、オプソニンの糖鎖認識ドメイン、固体基質結合ドメイン、および該認識ドメインを固体表面結合ドメインに連結させるフレキシブルペプチドドメインからなる、工程;
オプソニン結合微生物を該組換えオプソニン−固体表面コンジュゲートに結合させる工程;ならびに
該微生物が結合した組換えオプソニン−固体表面コンジュゲートから該流体を分離する工程
を含む、流体からオプソニン結合微生物を回収する方法。
14.固体表面が磁性粒子であり、かつオプソニン結合微生物が組換えオプソニン−固体表面コンジュゲートに結合した後に流体に磁力をかけることによって分離が達成される、項目13記載の方法。
15.微生物を同定する工程をさらに含む、項目13記載の方法。
16.流体が生物学的流体である、項目13記載の方法。
17.生物学的流体が、血液、脳脊髄液、滑液、尿、精液、唾液、涙液、および注射針、生検、または吸引の手順によって回収される流体からなる群より選択される、項目16記載の方法。
18.生物学的流体が血液である、項目17記載の方法。
19.血液をその供給源に戻す工程をさらに含む、項目18記載の方法。
20.供給源が対象である、項目19記載の方法。
21.対象が感染症または敗血症に罹患している、項目20記載の方法。
22.流体が水または食物サンプルに由来する、項目13記載の方法。
23.病原体の同定における、項目1〜10のいずれか一項記載の組換えオプソニンの使用。
24.疾患の診断における、項目1〜10のいずれか一項記載の組換えオプソニンの使用。
25.水または食物のコンタミネーションの同定における、項目1〜10のいずれか一項記載の組換えオプソニンの使用。
26.疾患の治療における、項目1〜12のいずれか一項記載の組換えオプソニンの使用。
27.追加の治療または療法とさらに組み合わせた、項目26記載の組換えオプソニンの使用。
28.対象の血液に組換えオプソニンを投与する工程であって、組換えオプソニンが、オプソニンの糖鎖認識ドメイン、基質結合ドメイン、および該認識ドメインを基質結合ドメインに連結させるフレキシブルペプチドドメインからなり、糖鎖認識ドメインがオプソニン結合微生物に結合し、かつ基質結合ドメインが免疫系の細胞、組織、または器官に結合する、工程;
組換えオプソニンをオプソニン結合微生物に結合させる工程;ならびに
微生物が結合した組換えオプソニンを、微生物を殺傷する免疫系の細胞、組織、または器官に結合させる工程
を含む、対象における血液感染症を治療する方法。
29.対象が動物である、項目28記載の方法。
30.対象がヒトである、項目28記載の方法。
【実施例】
【0058】
実施例1.Fc MBL.81の構築および発現
診断および治療上の応用のための包括的オプソニンとして有用な改変した形態のMBLの態様を、MBLの「ネック」および「レクチン」ドメインを用いて構築した。プロリン81(構造バイオインフォマティクス研究共同体、タンパク質データバンクの構造ファイル1HUPにおいて定義されている)を、レクチン配列を開始するN末端のポイントとして選択した。レクチン分子のこの部分を、ヒトγ1のFc部分(Fcγ)の下流(C末端)に融合させた。改変オプソニン構築物の略図を図3に示す。クローンのFc部分の図式を図4に示す。この構築物のアミノ酸には、以下の残基が含まれる:
Fcタンパク質配列:

MBL.81タンパク質配列(これには、ヒトMBLのコイルドコイルのネック領域および糖鎖認識ドメイン(CRD)が含まれる):

Fc-MBL.81配列:

【0059】
したがって、Fc MBL.81構築物は、Fcγの部分を融合した、MBLのアミノ酸残基81(プロリン)〜228(イソロイシン)を有するレクチンからなる。使用の際、Fc部分は二量体化し、MBLレクチンによる単量体の糖への結合の弱いアフィニティーに親和性を加える。Fc MBL.81を診断用試薬としての使用のために設計する場合、297におけるアミノ酸をアスパラギンからアスパラギン酸(N297D)に、またはFc構築物におけるアミノ酸82を変えることによって、N-結合型グリコシル化を取り除くことができる。グリコシル化されたFcは、Fcを介したADCCおよびCDCの正しい方向性を維持する。さらに、化学的コンジュゲートを介した固体基質への結合を可能にするために、改変オプソニン上へシステイン残基をクローニングすることができる。Fc MBL等の改変オプソニンの構築および発現は、当技術分野において公知の様々な技術によって成し遂げられ得、例えば米国特許第5,541,087号を参照されたい。
【0060】
一過性にトランスフェクションした細胞内での構築物の発現は、図8Aおよび8Bにおいて実証されている。Fc MBL.81は、約35mg/L発現した。
【0061】
実施例2.酵母に結合することにおける、Fc MBL.81構築物と全長MBLとの比較
およそ550万個のカンジダ・アルビカンス酵母細胞に、野生型、全長MBL(三量体の六量体)、またはFc MBL.81のいずれかをコートした種々の数のMBLビーズを接種した。図9に図で表現されているように、1800万個の野生型、全長MBL、またはFc MBL.81のビーズは、550万個のすべての真菌細胞に結合した。この実施例は、C.アルビカンスへの結合において、Fc MBL.81のビーズが、野生型、全長MBLのビーズと同程度に活性があることを実証している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプソニンの糖鎖認識ドメイン;
基質結合ドメイン;および
該認識ドメインを基質結合ドメインに連結させるペプチドドメイン
を含む、組換えオプソニン。
【請求項2】
前記糖鎖認識ドメインがコレクチンもしくはフィコリン(ficollin)である、またはコレクチンもしくはフィコリンに由来する、請求項1記載の組換えオプソニン。
【請求項3】
前記糖鎖認識ドメインがレクチン、またはレクチンの一部分もしくはフラグメントである、請求項1記載の組換えオプソニン。
【請求項4】
前記レクチンがマンノース結合レクチン(MBL)である、請求項3記載の組換えオプソニン。
【請求項5】
レクチンがMBLのアミノ酸残基81(プロリン)〜228(イソロイシン)(SEQ ID NO:2)からなる、請求項4記載の組換えオプソニン。
【請求項6】
前記基質結合ドメインが、固体基質への化学的架橋を可能にする少なくとも1つのシステイン残基を含む、前記請求項のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
【請求項7】
フレキシブルペプチドがグリシン+セリンセグメントまたはプロリン+アラニン+セリンセグメントを含む、前記請求項のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
【請求項8】
フレキシブルペプチドが免疫グロブリンのFcの部分を含む、前記請求項のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
【請求項9】
Fc部分がIgG FcドメインのCH2-CH3境界面を含む、請求項8記載の組換えオプソニン。
【請求項10】
前記基質が磁性マイクロビーズ、常磁性マイクロビーズ、微多孔膜、中空糸リアクター、または他の任意の流体濾過膜もしくはフローデバイスである、前記請求項のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
【請求項11】
前記基質が生物学的組織または器官の生きた細胞または細胞外マトリックスである、前記請求項のいずれか一項記載の組換えオプソニン。
【請求項12】
前記基質が食細胞である、請求項11記載の組換えオプソニン。
【請求項13】
固体表面にコンジュゲートさせた組換えオプソニンと流体を接触させる工程であって、組換えオプソニンが、オプソニンの糖鎖認識ドメイン、固体基質結合ドメイン、および該認識ドメインを固体表面結合ドメインに連結させるフレキシブルペプチドドメインからなる、工程;
オプソニン結合微生物を該組換えオプソニン−固体表面コンジュゲートに結合させる工程;ならびに
該微生物が結合した組換えオプソニン−固体表面コンジュゲートから該流体を分離する工程
を含む、流体からオプソニン結合微生物を回収する方法。
【請求項14】
固体表面が磁性粒子であり、かつオプソニン結合微生物が組換えオプソニン−固体表面コンジュゲートに結合した後に流体に磁力をかけることによって分離が達成される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
微生物を同定する工程をさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
流体が生物学的流体である、請求項13記載の方法。
【請求項17】
生物学的流体が、血液、脳脊髄液、滑液、尿、精液、唾液、涙液、および注射針、生検、または吸引の手順によって回収される流体からなる群より選択される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
生物学的流体が血液である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
血液をその供給源に戻す工程をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
供給源が対象である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
対象が感染症または敗血症に罹患している、請求項20記載の方法。
【請求項22】
流体が水または食物サンプルに由来する、請求項13記載の方法。
【請求項23】
病原体の同定における、請求項1〜10のいずれか一項記載の組換えオプソニンの使用。
【請求項24】
疾患の診断における、請求項1〜10のいずれか一項記載の組換えオプソニンの使用。
【請求項25】
水または食物のコンタミネーションの同定における、請求項1〜10のいずれか一項記載の組換えオプソニンの使用。
【請求項26】
疾患の治療における、請求項1〜12のいずれか一項記載の組換えオプソニンの使用。
【請求項27】
追加の治療または療法とさらに組み合わせた、請求項26記載の組換えオプソニンの使用。
【請求項28】
対象の血液に組換えオプソニンを投与する工程であって、組換えオプソニンが、オプソニンの糖鎖認識ドメイン、基質結合ドメイン、および認識ドメインを基質結合ドメインに連結させるフレキシブルペプチドドメインからなり、糖鎖認識ドメインがオプソニン結合微生物に結合し、かつ基質結合ドメインが免疫系の細胞、組織、または器官に結合する、工程;
組換えオプソニンをオプソニン結合微生物に結合させる工程;ならびに
微生物が結合した組換えオプソニンを、微生物を殺傷する免疫系の細胞、組織、または器官に結合させる工程
を含む、対象における血液感染症を治療する方法。
【請求項29】
対象が動物である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
対象がヒトである、請求項28記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−517327(P2013−517327A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550067(P2012−550067)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2011/021603
【国際公開番号】WO2011/090954
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(507244910)プレジデント・アンド・フェロウズ・オブ・ハーバード・カレッジ (18)
【Fターム(参考)】