本発明は、配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合を阻害する物質、そのような物質を含有する癌などの予防・治療剤、癌細胞のアポトーシス促進剤、癌細胞の増殖抑制剤などを提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項１】
配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合を阻害する物質。
【請求項２】
物質が、配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体である請求項１記載の物質。
【請求項３】
物質が、配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合によりもたらされる癌細胞増殖刺激を中和する活性を有する抗体である請求項１記載の物質。
【請求項４】
抗体が、モノクローナル抗体である請求項２または請求項３記載の物質。
【請求項５】
請求項１記載の物質を含有してなる癌の予防・治療剤。
【請求項６】
請求項１記載の物質を含有してなる癌細胞のアポトーシス促進剤。
【請求項７】
請求項１記載の物質を含有してなる癌細胞の増殖抑制剤。
【請求項８】
配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害する物質を含有してなる癌細胞の増殖抑制剤。
【請求項９】
配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害する物質。
【請求項１０】
物質が、配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩のリン酸化を阻害する活性を有する抗体である請求項９記載の物質。
【請求項１１】
抗体が、配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合によりもたらされる癌細胞増殖刺激を中和する活性を有する抗体である請求項１０記載の物質。
【請求項１２】
請求項９記載の物質を含有してなる癌の予防・治療剤。
【請求項１３】
請求項９記載の物質を含有してなる癌細胞のアポトーシス促進剤。
【請求項１４】
請求項９記載の物質を含有してなる癌細胞の増殖抑制剤。
【請求項１５】
（ａ）配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩、および（ｂ）配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、上記（ａ）のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、上記（ｂ）のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合を阻害する物質のスクリーニング方法。
【請求項１６】
（ａ）配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプヂドまたはその塩、および（ｂ）配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有することを特徴とする、上記（ａ）のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、上記（ｂ）のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合を阻害する物質のスクリーニング用キット。
【請求項１７】
配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害する物質のスクリーニング方法。
【請求項１８】
配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有することを特徴とする、配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害する物質のスクリーニング用キット。
【請求項１９】
配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合を阻害することを特徴とする癌の予防・治療方法、癌細胞のアポトーシス促進方法および（または）癌細胞の増殖抑制方法。
【請求項２０】
配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を用いる請求項１９記載の方法。
【請求項２１】
配列番号：２６で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩のリン酸化を阻害することを特徴とする癌の予防・治療方法、癌細胞のアポトーシス促進方法および（または）癌細胞の増殖抑制方法。
【請求項２２】
配列番号：１、配列番号：４、配列番号：７または配列番号：１０で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を用いる請求項２１記載の方法。
【請求項２３】
哺乳動物に対して、請求項１または請求項９記載の物質の有効量を投与することを特徴とする癌の予防・治療方法、癌細胞のアポトーシス促進方法および（または）癌細胞の増殖抑制方法。
【請求項２４】
癌の予防・治療剤、癌細胞のアポトーシス促進剤および（または）癌細胞の増殖抑制剤を製造するための、請求項１または請求項９記載の物質の使用。

【国際公開番号】ＷＯ２００５／０６１７０４
【国際公開日】平成１７年７月７日（２００５．７．７）
【発行日】平成１９年７月１２日（２００７．７．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−５１６５３８（Ｐ２００５−５１６５３８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＪＰ２００４／０１９７２４
【国際出願日】平成１６年１２月２２日（２００４．１２．２２）
【出願人】（０００００２９３４）武田薬品工業株式会社 (396)
【Ｆターム（参考）】