説明

癌の治療に使用するためのテトラヒドロピリドチオフェン

式(I)で示され、その式中、Ra及びRbが明細書中に示される意味を有する化合物は、抗増殖活性及び/又はアポトーシス誘導活性を有する新規の効果的な化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の適用分野
本発明は、医薬組成物の製造のための医薬品工業で使用できるヘテロアリールアミドで置換されたテトラヒドロピリドチオフェン誘導体に関する。
【0002】
更に本発明は、前記のテトラヒドロピリドチオフェン誘導体が細胞周期依存性の抗増殖活性及びアポトーシス誘導活性を示すという知見による当該技術分野になした寄与に関連するものである。
【0003】
また本発明は、これらの化合物を、過剰増殖性疾患、特にヒトの癌の治療のために用いる使用に関する。
【0004】
公知の背景技術
癌化学療法は、アルキル化剤であるシクロホスファミド(エンドキサン(登録商標))、腫瘍に選択的に活性化されたオキサザホスホリンプロドラッグで確立された。シクロホスファミドのようなアルキル化剤の標的はDNAであり、そして増殖の制御が不能でありかつ高い分裂指数を有する癌細胞を選択的に死滅させるという概念は非常に好結果をもたらすことが判明した。標準的な癌化学療法薬は、基本的な細胞プロセスと分子とを標的とすることによってプログラムされた細胞死(“アポトーシス”)の誘導により癌細胞を死滅させる。これらの基本的な細胞プロセスと分子には、RNA/DNA(アルキル化剤及びカルバミル化剤、プラチン類似体及びトポイソメラーゼインヒビター)、物質代謝(これらのクラスの薬剤はアンチメタボライトと呼ばれ、例は葉酸、プリンとピリミジンのアンタゴニストである)並びに必須成分としてαβ−チューブリンヘテロダイマーを有する有糸分裂紡錘体装置(これらの薬剤は、安定化及び脱安定化をするチューブリンインヒビターに分類され、例はタキソール/パクリタキセル(登録商標)、ドセタキセル/タキソテレ(登録商標)及びビンカアルカロイドである)が含まれる。アポトーシス促進性の抗癌剤のサブグループは、選択的に有糸分裂段階の細胞を標的とする。一般に、これらの剤は、非分裂細胞、つまり細胞分裂周期のG0期、G1期又はG2期で停止した細胞においてはアポトーシスを誘導しない。それに対して、有糸分裂段階(細胞分裂周期のM期)にある分裂細胞は、前記のサブグループの剤によるアポトーシスの誘導によって効果的に死滅する。従って、このサブグループ又はクラスの抗癌剤は、細胞周期特異的又は細胞周期依存性のチューブリンインヒビターとして説明され、その際、タキソール(パクリタキセル(登録商標)は、卓越した例として、細胞周期特異的なアポトーシス誘導性の抗癌剤の前記のクラスに属する。
【0005】
背景技術
国際出願WO2004/024065号は、とりわけ糖尿病の治療用のグルカゴンアンタゴニストとして、アリールアミドで置換されたテトラヒドロピリドチオフェン誘導体を挙げている。国際出願WO2004/024066号は、とりわけ糖尿病の治療用のグルカゴンアンタゴニストとして、アリールアミドで置換されたテトラヒドロベンゾチオフェン誘導体を挙げている。
【0006】
ドイツ国文献DE4039734号は、とりわけ殺草剤の成分として、N−アルキル化されたテトラヒドロピリドチオフェン誘導体を記載している。
【0007】
ドイツ国文献DD272078号は、とりわけ抗アナフィラキシー特性と抗ヒスタミン特性を有するN−アルキル化されたテトラヒドロピリドチオフェン誘導体を記載している。
【0008】
国際出願WO02/092076号は、カスパーゼアクチベーターとしての置換されたクマリン及びキノリンに関する。
【0009】
米国特許US4963559号は、癌の治療及び癌転移の抑制のための剤としての5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[3,2−c]ピリジンに関する。
【0010】
発明の開示
ここで、以下に非常に詳細に記載されるヘテロアリールアミドで置換されたテトラヒドロピリドチオフェン誘導体が、先行技術の化合物とは独創的な構造の変更点で異なり、かつ意想外かつ特に有利な特性を有することが判明した。より詳細には、予想外かつ予期しないことに、以下に非常に詳細に記載されるテトラヒドロピリドチオフェン誘導体が、細胞(過剰)増殖の強力かつ非常に効果的な癌細胞におけるアポトーシスの細胞周期特異的なインデューサーであることが判明した。従って、更に予期せぬことに、これらのテトラヒドロピリドチオフェン誘導体は、アポトーシス、特に癌におけるアポトーシスの誘導に反応を示す(過剰)増殖疾病及び/又は疾患を治療するのに有用となる。細胞周期特異的な作用様式を有することによって、これらのテトラヒドロピリドチオフェン誘導体は、DNA複製のような基本的な細胞プロセスを標的とするか又はDNAのような基本的な細胞分子と干渉する標準的な化学療法薬と比較してより高い治療指数を有することが望ましい。
【0011】
こうして例えば、本発明による化合物は、標的癌療法において有用であることが期待される。
【0012】
従って、本発明は、第一の態様(態様1)において、式I
【0013】
【化1】

[式中、
Raは、−C(O)R1、−C(O)OR2、−C(O)SR2、−C(O)N(R3)R4、−S(O)R1又は−S(O)N(R3)R4であり;
Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであるか、または
Rbは、Cycであるか、又は
Rbは、クロメニルであり、その際、
R1、R2及びR3は、同一又は異なってよく、かつ水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetのそれぞれは、非置換又はR5から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
それぞれのR4は、水素、C〜C−アルキル及びC〜C−シクロアルキルからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル及びC〜C−シクロアルキルのそれぞれは、非置換又はR5から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
R5、Rca及びRcbは、同一又は異なってよく、かつC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har、Het、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、グアニジノ、アミジノ、−C(O)R6、−C(O)OR7、−C(O)N(R8)R9、−S(O)R6、−S(O)N(R8)R9、−N(R10)C(O)R6、−N(R10)C(O)OR7、−N(R10)C(O)N(R8)R9、−N(R10)S(O)R6、−N(R10)S(O)N(R8)R9、−OC(O)R6、−OC(O)N(R8)R9、−OR7、−N(R8)R9及び−SR7からなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetのそれぞれは、非置換又はR11から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
R6、R7及びR8は、同一又は異なってよく、かつ水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetのそれぞれは、非置換又はR12から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
それぞれのR9は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル及びC〜C−シクロアルキルのそれぞれは、非置換又はR12から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
それぞれのR10は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルからなる群から無関係に選択され;R11は、前記のR5からなる群から選択され;
それぞれのR12は、前記のR5からなる群から無関係に選択され;
それぞれのArは、フェニル及びナフチルから無関係に選択され;
それぞれのHarは、無関係に、任意の完全に芳香族の又は部分的に芳香族の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系であり、
第一の構成成分は、5員又は6員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール環Aであり、該ヘテロアリール環Aは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、
第二の構成成分は、ベンゾ基、ここで定義される任意のC〜C−シクロアルカン基、ここで定義される任意の付加的なヘテロアリール環A又はここで定義される任意の複素環式の環Bであり、その際、
前記のHar環又は環系は、置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合され;
それぞれのHetは、無関係に、任意の完全に飽和の又は部分的に不飽和の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系であり、
第一の構成成分は、3員ないし7員の単環式の完全に飽和の又は部分的に不飽和の非芳香族性の複素環式の環Bであり、該複素環式の環Bは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、かつ該複素環式の環Bは、1又は2個のオキソ基によって場合により置換されており、
第二の構成成分は、ベンゾ基、ここで定義される任意のC〜C−シクロアルカン基又はここで定義される任意の付加的な複素環式の環Bであり、その際、
前記のHet環又は環系は、置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合され;
Cycは、式W
【0014】
【化2】

で示される基であり、その際、
Gは、Rda及び/又はRdbによって環炭素原子上で場合により置換されており、かつ−N(Rdc)−、酸素及び硫黄からなる群から無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有する5員又は6員の飽和の複素環式の環であり、その際、
Rdaは、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、
Rdbは、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、
それぞれのRdcは、水素、C〜C−アルキル及びC〜C−アルキルカルボニルからなる群から無関係に選択され、その際、
前記のCyc環系は、置換可能なベンゾ環炭素原子を介して、親分子基に結合される]で示される化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物に関する。
【0015】
ここで使用される場合に、“アルキル”は、分枝鎖状と直鎖状の両方で、特定数の炭素原子を有する飽和脂肪族の炭化水素基を指し、例えばC〜C−アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基である。例は、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基、特にエチル基及びメチル基である。
【0016】
〜C−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の1〜7個の炭素原子を有するアルキル基である。例は、ヘプチル基、イソヘプチル(5−メチルヘキシル)基、ヘキシル基、イソヘキシル(4−メチルペンチル)基、ネオヘキシル(3,3−ジメチルブチル)基、ペンチル基、イソペンチル(3−メチルブチル)基、ネオペンチル(2,2−ジメチルプロピル)基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基、エチル基又はメチル基である。C〜C−アルキル、C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルの一実施態様は、C〜C−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル又はブチルを指す。
【0017】
ここで挙げた、特定数の炭素原子を有する“アルキル”の注目すべき一実施態様は、その直鎖状の基を指す。
【0018】
〜C−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを表し、そのうちシクロプロピル及びシクロペンチルが強調されるべきである。
【0019】
〜C−シクロアルカンは、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン及びシクロヘプタンを表し、そのうちシクロヘキサン及びシクロペンタンが強調されるべきである。
【0020】
〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキルは、前記のC〜C−シクロアルキル基の1つによって置換された前記のC〜C−アルキル基の1つを示す。挙げられる例は、C〜C−シクロアルキルメチル基(例えばシクロプロピルメチル又はシクロヘキシルメチル)及びシクロヘキシルエチル基である。
【0021】
本発明の意味上の範囲内ではハロゲンは、ヨウ素又は、特に臭素、塩素又はフッ素である。
【0022】
〜C−アルコキシは、酸素原子の他に直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有する基を表す。挙げられる例は、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基及び、有利にはエトキシ基及びメトキシ基である。
【0023】
〜C−アルコキシは、酸素原子の他に直鎖状又は分枝鎖状の2〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有する基を表す。挙げられる例は、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、有利にはエトキシ基である。
【0024】
〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシは、前記のC〜C−アルコキシ基の1つによって置換された前記のC〜C−アルコキシ基の1つを表す。挙げられる例は、2−(メトキシ)エトキシ(CH−O−CH−CH−O−)基及び2−(エトキシ)エトキシ(CH−CH−O−CH−CH−O−)基である。
【0025】
フェニル−C〜C−アルコキシは、フェニル基によって置換されている前記のC〜C−アルコキシ基の1つを表す。挙げられる例は、フェネトキシ基及びベンジルオキシ基である。
【0026】
〜C−アルキルカルボニルは、カルボニル基の他に前記のC〜C−アルキル基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、アセチル基である。
【0027】
〜C−アルコキシカルボニルは、カルボニル基の他に前記のC〜C−アルコキシ基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基及びt−ブトキシカルボニル基である。
【0028】
〜C−アルキルカルボニルオキシ基は、酸素原子の他に、前記のC〜C−アルキルカルボニル基の1つを有する。一例は、アセトキシ基(CHC(O)−O−)である。
【0029】
窒素原子の他に、モノ−又はジ−C〜C−アルキルアミノ基は前記のC〜C−アルキル基の1つ又は2つを含有する。ジ−C〜C−アルキルアミノが有利であり、かつここでは特にジメチルアミノ、ジエチルアミノ又はジイソプロピルアミノである。
【0030】
モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル基はカルボニル基の他に、前記のモノ−又はジ−C〜C−アルキルアミノ基の1つを含有する。挙げられる例は、N−メチルアミノカルボニル基、N,N−ジメチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N−プロピルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基及びN−イソプロピルアミノカルボニル基である。
【0031】
〜C−アルキルカルボニルアミノは、例えばプロピオニルアミノ(CC(O)NH−)及びアセチルアミノ基(CHC(O)NH−)である。
【0032】
(C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ)−C〜C−アルコキシは、前記のC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ基の1つによって置換されたC〜C−アルコキシ基を表す。挙げられる例は、2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ基及び2−(2−エトキシエトキシ)−エトキシ基である。
【0033】
当業者に公知のように、用語、イミダゾロ、ピラゾロ、ピペリジノ又はモルホリノは、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−1−イル、ピペリジン−1−イル又はモルホリン−4−イルをそれぞれ表す。ここで使用される同様の用語は、これらの用語について定義されるのと同様にして必要な変更を加えて理解されるべきである。
【0034】
用語(R5)−メチルは、R5によって置換されたメチルを表す。用語2−(R5)−エチルは、R5によって2位で置換されたエチルを表す。用語3−(R5)−プロピルは、R5によって3位で置換されたプロピルを表す。
【0035】
Arは、ナフチル又は、特にフェニルを表す。
【0036】
Harは、完全に芳香族の又は部分的に芳香族の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系を表し、
第一の構成成分は、5員又は6員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール環Aであり、該ヘテロアリール環Aは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、
第二の構成成分は、ベンゾ基、ここで定義されるC〜C−シクロアルカン基、ここで前記に定義される任意の付加的なヘテロアリール環A又はHetの定義に関してここで以下に定義される複素環式の環Bであり、その際、
前記のHar環又は環系は、前記の任意の構成成分の置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合されている。
【0037】
Harの例は、これらに制限されないが、5員のヘテロアリール基、例えばフラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル及び6位のヘテロアリール基、例えばピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニル、及びそれらのベンゾ縮合された誘導体、例えばキナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、フタラジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾキサジアゾリル又はベンゾチアジアゾリル並びにナフチリジニル、インドリジニル又はプリニルを含んでよい。
【0038】
Hetは、完全に飽和の又は部分的に不飽和の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系を表し、
第一の構成成分は、3員又は7員の単環式の完全に飽和の又は部分的に不飽和の非芳香族性の複素環式の環Bであり、該複素環式の環Bは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、かつ該複素環式の環Bは、1又は2個のオキソ基によって場合により置換されており、
第二の構成成分は、ベンゾ基、ここで定義されるC〜C−シクロアルカン基又はここで定義される付加的な複素環式の環Bであり、その際、
前記のHet環又は環系は、前記の任意の構成成分の置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合されている。 ,
Hetのための例は、これらに制限されないが、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル又はチオモルホリニル、及びそれらの部分的に不飽和の誘導体、例えばピロリニル、イミダゾリニル又はピラゾリニル、及び前記の例のオキソ置換された誘導体、例えば2−オキソピロリジニル、2−オキソイミダゾリジニル、2−オキソピペリジニル、2,5−ジオキソピロリジニル、2,5−ジオキソイミダゾリジニル、2,6−ジオキソピペリジニル、2−オキソピペラジニル又は5−オキソ−1,4−ジアゼパニル又はS−オキソ−チオモルホリニル又はS,S−ジオキソ−チオモルホリニル、及び前記の例のベンゾ縮合された誘導体、例えばインドリニル、イソインドリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル又は1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、並びに1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾチオフェニル、クロメニル、クロマニル又は2,3−ジヒドロベンゾフラニルを含んでよい。
【0039】
より詳細な例としてのHet基は、これらの前記の例の異性体であって環窒素原子を介して結合される異性体、例えばこれらに制限されないが、アジリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ホモピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル又はチオモルホリン−4−イル又はS−オキソ−チオモルホリン−4−イル又はS,S−ジオキソ−チオモルホリン−4−イルを含む。
【0040】
他のより詳細な例としてのHet基は、これらの前記の例の異性体であって環炭素原子を介して結合される異性体、例えばこれらに制限されないが、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−2−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル又はピペラジン−2−イルを含む。
【0041】
ここで使用される場合には、用語“オキソ”は、炭素原子に結合する場合にはカルボニル部を形成し、硫黄原子に結合する場合にはスルホキシド部を形成し、かつこれらの2つが硫黄原子に結合する場合にはスルホニル部を形成する。
【0042】
Cycは、式W
【0043】
【化3】

で示される基であり、その際、
Gは、Rda及び/又はRdbによって環炭素原子上で場合により置換されており、かつ−N(Rdc)−、酸素及び硫黄からなる群から無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有する5員又は6員の飽和の複素環式の環であり、その際、
Rdaは、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、
Rdbは、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、
それぞれのRdcは、水素、C〜C−アルキル及びC〜C−アルキルカルボニルからなる群から無関係に選択され、その際、
前記のCyc環系は、置換可能なベンゾ環炭素原子を介して、親分子基に結合される。
【0044】
Cycの例としては、インドリニル、イソインドリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾチオフェニル、クロマニル又は2,3−ジヒドロベンゾフラニルを挙げることができる。
【0045】
より詳細な例としてのCyc基は、これらに制限されないが、1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、クロマニル又は2,3−ジヒドロベンゾフラニル並びに2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソリルを含む。
【0046】
更により詳細なCyc基の例は、これらに制限されないが、1,3−ベンゾジオキソール−4−イル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル又は2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イルを含む。
【0047】
例示すると、好適なCyc基の例としては、これらに制限されないが、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イルを挙げることができる。
【0048】
Cycは、ここで定義されるHetの一実施態様であると述べられるべきである。
【0049】
一般に、特に記載がない限り、用語、“Har”、“Het”及び“Cyc”は、それらの全ての可能な異性形、特にそれらの位置異性体を含む。このように、例えば用語ピリジル又はピリジニルは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル及びピリジン−4−イルを含む。
【0050】
特に示されない限りは、本願に述べられるようにして場合により置換された構成成分は、それらの置換基又は親分子基によって任意の可能な位置で置換されていてよい。
【0051】
著しくは、特に述べられない限りは、Arは、その置換基又は親分子基によって任意の可能な位置で置換されてよい。
【0052】
なおも更に著しくは、特に述べられない限りは、Har及びHetは、本願に挙げられるそれらの置換基又は親分子基によって任意の可能な位置で、例えば任意の置換可能な環炭素原子又は環窒素原子で置換されていてよい。
【0053】
Cycは、Rda及び/又はRdbによって環Gの任意の可能な環炭素原子で置換されていてよい。
【0054】
更に顕著には、式Iの化合物の部Rbは、足場のアミノカルボニル基のカルボニル部に、任意の可能なかつ許容されるRb環の位置を介して結合されている。こうして、例えばRbがHarである場合には、Har部は、隣接するカルボニル基に、Har環の任意の可能な位置で結合されており、特にHar部は、隣接するカルボニル基に、その環炭素原子の任意の1つで結合されている。同様に、RbがCycである場合には、そのCyc部は、隣接するカルボニル基に、Cycのベンゾ部の任意の可能な位置で結合されている。更に同様に、Rbがクロメニルである場合には、そのクロメニル部は、隣接するカルボニル基に、クロメニル環の任意の可能な位置で結合されている。
【0055】
第4級化可能なイミノ型の環窒素原子(−N=)を有する環は、有利には、これらのイミノ型の環窒素原子上で前記の置換基又は親分子基によって置換(すなわち第4級化)されていなくてよい。
【0056】
特に示されない限りは、本願に挙げられる原子価が満たされていない複素環の任意のヘテロ原子は、水素原子を有することで原子価が満たされると見なす。
【0057】
任意の置換基が任意の成分中に1回以上存在する場合には、各定義は無関係である。
【0058】
当業者は、その専門知識により、本発明の明細書中に挙げられる可変の特徴の一定の組合せが化学的により安定性が低い化合物をもたらすことを認識している。これは、例えば、化学的安定性に不利な様式で、2個のヘテロ原子(S、N又はO)が、直接的に触れるか又は1個の炭素原子によって隔離されているにすぎない一定の化合物に適用できる。また、これは、例えば一定の遊離酸誘導体、例えば遊離のカルバミン酸官能(N−C(O)OH)を有する一定のカルバミン酸誘導体にも適用できる。前記の可変の置換基の組合せが化学的により安定性の低い化合物をもたらさない本発明による化合物が従って好ましい。
【0059】
本発明による化合物についての適当な塩(置換基に依存して)は全ての酸付加塩又は塩基との全ての塩である。薬学で慣用に使用される薬理学的に認容性の無機及び有機の酸及び塩基のそれが特に挙げられる。これらの好適なものは、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のような酸との、一方では、水不溶性の酸付加塩、特に水溶性の酸付加塩であり、その際、前記の酸は塩調製において(一塩基酸又は多塩基酸のどちらが考慮されるかに依存して、そしてどの塩が望ましいかに依存して)等モル量比又はそれとは異なる比で使用される。
【0060】
他方で、置換によっては塩基との塩も適当である。塩基との塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、チタン、アンモニウム、メグルミン又はグアニジニウムの塩であり、その際、この場合にも塩基は塩調製において等モル量比又はそれとは異なる比で使用される。
【0061】
本発明による化合物の工業的規模での製造の間に、例えばプロセス生成物として得ることができる薬理学的に非認容性の塩は当業者に公知の方法によって薬理学的に認容性の塩に変換される。
【0062】
専門知識によれば、本発明による化合物並びにそれらの塩は、例えば結晶形で単離された場合に、種々の量の溶剤を含有してよい。従って本発明の範囲内では、本発明による化合物の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物、及びまた本発明による化合物の塩の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物が包含される。
【0063】
本発明の文脈では、過剰増殖及び類似の用語は、異常型/調節不全型の細胞増殖、つまり癌のような疾病の顕著な特徴を説明するために使用される。この過剰増殖は、各々の細胞における単細胞性又は多細胞性の/分子性の変化によってもたらされ、かつ生物全体に関しては、良性又は悪性の性質であってよい。細胞増殖の阻害及び類似の用語は、化合物の能力であってその化合物と接触した細胞の増殖を、その化合物と接触していない細胞と比較して遅延させる及び/又は該細胞を殺傷する能力を示すために使用される。この細胞増殖の最も好ましい阻害は100%であり、これはつまり全ての細胞の増殖が停止し、かつ/又は細胞がプログラムされた細胞死を受けることを意味する。幾つかの有利な実施態様では、接触される細胞は、新生細胞である。新生細胞は、異常型の細胞増殖を伴う細胞として定義される。良性の新形成は、細胞の増殖であって、それが進行性で転移性の腫瘍をインビボで形成できないこととして説明される。それに対して、悪性の新形成は、細胞が種々異なる細胞性及び生化学的な異常性を有し、例えば腫瘍転移を形成しうることとして説明される。悪性の新生細胞の後天的な機能的な異常性(“癌の顕著な特徴”としても定義される)は、複製能力(“過剰増殖”)、増殖シグナル、抗増殖シグナルに対する感受性における自足、アポトーシスからの回避、持続的な血管形成及び組織侵襲及び転移である。
【0064】
アポトーシスの誘導及び類似の用語は、接触した細胞においてプログラムされた細胞死が引き起こされる化合物を特定するのに使用される。アポトーシスは、接触した細胞内での複雑な生化学的事象、例えばシステイン特異的プロテイナーゼ(“カスパーゼ”)の活性化及びクロマチンの断片化によって定義される。該化合物と接触した細胞におけるアポトーシスの誘導は、必ずしも細胞増殖の阻害と結びつかない。有利には、細胞増殖の阻害及び/又はアポトーシスの誘導は、異常型の細胞増殖(過剰増殖)を伴う細胞に特異的である。このように、異常型の細胞増殖を伴う細胞と比較すると、正常な増殖細胞又は停止細胞は、化合物の増殖阻害活性又はアポトーシス誘導活性に対して感受性が低いか又は更には非感受性である。最後に、細胞毒性とは、種々の機構、例えば細胞周期に依存して又は細胞周期に依存せずに、アポトーシス/プログラムされた細胞死の誘導によって細胞を死滅させる化合物を同定するために、より一般的な範囲で使用される。
【0065】
細胞周期特異的及び類似の用語は、細胞周期の特定の段階を能動的に通過する連続的に増殖する細胞においてのみアポトーシスを誘導するが、停止した非分裂細胞には誘導しない化合物を同定するために使用される。連続的に増殖する細胞は、癌のような疾病に典型的であり、かつ全ての細胞分裂周期の段階、つまりG(“間期”)1、S(“DNA合成”)、G2及びM(“有糸分裂”)にある細胞によって特徴付けられる。
【0066】
挙げられるべき本発明による化合物は、態様1の化合物であって、以下の限定(これらの限定は、以下に“限定群a”として呼称される群を構成する)の1つ又は可能であればそれ以上に該当する化合物及びそれらの塩、それらの溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物である:
a)Raは、−C(O)R1、−C(O)OR2、−C(O)SR2、−C(O)N(R3)R4又は−S(O)R1である;
b)Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHar又はCyc又はクロメニルである;
c)R1、R2及びR3は、同一又は異なってよく、かつC〜C−アルキル、Ar又はHarからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル、Ar及びHarのそれぞれは、非置換又はR5から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよい;
d)R4は水素である;
e)それぞれのR5、Rca及びRcbは、同一又は異なってよく、かつC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har、Het、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、グアニジノ、アミジノ、−C(O)R6、−C(O)OR7、−C(O)N(R8)R9、−S(O)R6、−N(R10)C(O)R6、−N(R10)C(O)N(R8)R9、−OC(O)R6、−OR7又は−N(R8)R(9)からなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル、Ar、Har及びHetのそれぞれは、非置換又はR11から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよい;
f)R6、R7及びR8は、同一又は異なってよく、かつ水素、C〜C−アルキル及びArからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル及びArのそれぞれは、非置換又はR12から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されている;
g)それぞれのR9は、水素及びC〜C−アルキルからなる群から無関係に選択される;
h)それぞれのR10は、水素である;
i)R11は、限定e)について前記に定義されたR5からなる群から選択される;
j)R12は、限定e)について前記に定義されたR5からなる群から選択される;
k)それぞれのArは、フェニルである;
l)それぞれのHarは、無関係に、任意の完全に芳香族の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系を表し、
第一の構成成分は、5員又は6員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール環Aであり、該ヘテロアリール環Aは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、
第二の構成成分は、ベンゾ基、限定l)で定義される任意の付加的なヘテロアリール環Aであり、その際、
前記のHar環又は環系は、置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合されている;
m)それぞれのHetは、無関係に、任意の完全に飽和の又は部分的に不飽和の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系を表し、
第一の構成成分は、3員又は7員の単環式の完全に飽和の又は部分的に不飽和の非芳香族性の複素環式の環Bであり、該複素環式の環Bは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、かつ該複素環式の環Bは、1又は2個のオキソ基によって場合により置換されており、
第二の構成成分は、ベンゾ基であり、その際、
前記のHet環又は環系は、置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合されている;
n)Cycは、前記の態様1で定義されているものと同様である。
【0067】
更に挙げられるべき本発明による化合物は、態様1の化合物であって、以下の限定(これらの群は、以下に“限定群b”として呼称される群を構成する)の1つ又は、特に可能であればそれ以上に該当する化合物及びそれらの塩、それらの溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物である:
a)Raは、−C(O)R1である;
b)Raは、−C(O)OR2である;
c)Raは、−C(O)SR2である;
d)Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであり、その際、
Harは、酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、1又は2個の窒素原子を有する6員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、ベンゼン環部を場合により有し、かつ酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する10員の縮合二環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、ベンゼン環部を場合により有し、かつ酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する11員の縮合二環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であり、その際、
前記のHar環又は環系は、親分子基に、置換可能な環炭素原子を介して結合されている;
e)Rbは、Cycであり、その際、
Cycは、前記の式Wで示され、その際、
Gは、Rda及び/又はRdbによって環炭素原子上で場合により置換されており、かつ−N(Rdc)−、酸素及び硫黄からなる群から無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有する5員又は6員の飽和の複素環式の環であり、その際、
Rdaは、C〜C−アルキル又はフッ素であり、
Rdbは、C〜C−アルキル又はフッ素であり、
それぞれのRdcは、水素、C〜C−アルキル及びC〜C−アルキルカルボニルからなる群から無関係に選択され、その際、前記のCyc環系は、親分子基に、置換可能なベンゾ環炭素原子を介して結合されている;
f)Rbは、クロメニルである;
g)R1及びR2は、同一又は異なってよく、かつC〜C−アルキル又はR5から選択される少なくとも1個の置換基によって置換されたC〜C−アルキルからなる群から無関係に選択される;
h)R5、Rca及びRcbは、同一又は異なってよく、かつC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har、Het、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、グアニジノ、アミジノ、−C(O)R6、−C(O)OR7、−C(O)N(R8)R9、−S(O)R6、−N(R10)C(O)R6、−N(R10)C(O)N(R8)R9、−OC(O)R6、−OR7又は−N(R8)R(9)からなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル、Ar、Har及びHetのそれぞれは、非置換又はR11から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよい;
i)R6、R7及びR8は、同一又は異なってよく、かつ水素、C〜C−アルキル及びArからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル及びArのそれぞれは、非置換又はR12から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよい;
j)それぞれのR9は、水素及びC〜C−アルキルからなる群から無関係に選択される;
k)それぞれのR10は、水素である;
l)R11は、限定h)について前記で定義されたR5からなる群から選択される;
m)R12は、限定h)について前記で定義されたR5からなる群から選択される;
n)それぞれのArは、フェニルである;
o)前記の限定d)を除いて、それぞれのHarは、無関係に、任意の完全に芳香族の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系を表し、
第一の構成成分は、5員又は6員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール環Aであり、該ヘテロアリール環Aは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、
第二の構成成分は、ベンゾ基、この限定o)で定義される任意の付加的なヘテロアリール環Aであり、その際、
前記のHar環又は環系は、置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合されている;
p)それぞれのHetは、無関係に、任意の完全に飽和の又は部分的に不飽和の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系を表し、
第一の構成成分は、3員又は7員の単環式の完全に飽和の又は部分的に不飽和の非芳香族性の複素環式の環Bであり、該複素環式の環Bは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、かつ該複素環式の環Bは、1又は2個のオキソ基によって場合により置換されており、
第二の構成成分は、ベンゾ基であり、その際、
前記のHet環又は環系は、置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合されている。
【0068】
また更に挙げられるべき本発明による化合物は、式Iで示され、その式中、
第一の選択肢においては、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、C〜C−アルキルであるか、又は
第二の選択肢においては、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキルであるか、又は
第三の選択肢においては、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキルであるか、又は
第四の選択肢においては、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、R5によって置換されており、かつC〜C−アルキル、特にエチル又はプロピルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニル、カルバモイル又はC〜C−アルコキシであるか、又は
R5は、インドリル又はチオフェニルであるか、又は
第五の選択肢においては、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、R5によって置換されており、かつC〜C−アルキル、特にエチルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシであるか、又は
R5は、4−メチル−チアゾール−5−イルであり、その際、特に
Raは、エトキシカルボニルであり、かつ
Rbは、3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル、3−フェニル−5−メチル−イソキサゾール−4−イル又はチオフェニル、例えばチオフェン−2−イル又はベンゾチオフェニル、例えばベンゾチオフェン−2−イル又はベンゾフラン、例えばベンゾフラン−5−イル又はピリジル、例えばピリジン−3−イル又はピラジニル、例えばピラジン−2−イル又C〜C−アルキルによって置換されたチオフェニル、例えば5−メチル−チオフェン−2−イル又は1,3−ベンゾジオキソリル、例えば1,3−ベンゾジオキソール−5−イル又は2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、例えば2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル又はクロメニル、例えばクロメン−3−イルであり、その際、特に
Rbは、5−メチル−チオフェン−2−イル、ピリジン−3−イル又はベンゾフラン−5−イルである、化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物である。
【0069】
より挙げるに値する本発明の態様1による化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、C〜C−アルキルであるか、もしくは
R1は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ、(C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ)−C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル−C〜C−アルコキシ、フェノキシ、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、チアゾリル、オキサゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル、フェニル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル、アミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4N−(C〜C−アルキル)−ピペラジノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル、カルバモイル、ウレイド、グアニジノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ又はC〜C−アルキルカルボニルアミノであり、その際、前記のピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)ピラゾリル基、イミダゾロ基、ピラゾロ基又はフェニル基のそれぞれは、単独で又は別の基の一部として、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されていてよいか、もしくは
R1は、2個のヒドロキシル基によって異なる炭素原子上で置換されたC〜C−アルキルであるか、もしくは
R1は、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルによって置換されたC〜C−アルキルであるか;又は
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、チアゾリル、オキサゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル、フェニル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル又はカルバモイルであり、その際、前記のピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル基又はフェニル基のそれぞえrは、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されていてよいか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ、(C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ)−C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル−C〜C−アルコキシ、フェノキシ、アミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4N−(C〜C−アルキル)−ピペラジノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、ウレイド、グアニジノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ又はC〜C−アルキルカルボニルアミノであり、その際、前記のイミダゾロ基、ピラゾロ基又はフェニル基のそれぞれは、単独で又は別の基の一部として、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されていてよいか、もしくは
R2は、2個のヒドロキシル基によって異なる炭素原子上で置換されたC〜C−アルキルであるか、もしくは
R2は、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルによって置換されたC〜C−アルキルであるか;又は
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、チアゾリル、オキサゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル、フェニル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル又はカルバモイルであり、その際、前記のピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル基又はフェニル基のそれぞれは、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されていてよいか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ、(C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ)−C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル−C〜C−アルコキシ、フェノキシ、アミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4N−(C〜C−アルキル)−ピペラジノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、ウレイド、グアニジノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ又はC〜C−アルキルカルボニルアミノであり、その際、前記のイミダゾロ基、ピラゾロ基又はフェニル基のそれぞれは、単独で又は別の基の一部として、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されており;かつ
Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであるか、もしくは
Rbは、Cycであるか、もしくは
Rbは、クロメニルであり、その際、
Harは、
窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有する5員の単環式のヘテロアリール基、例えばフラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル及びオキサジアゾリルから選択されるいずれか1つ、もしくは
1又は2個の窒素原子を有する6員の単環式のヘテロアリール基、例えばピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル及びピリミジニルから選択されるいずれか1つ、もしくは
窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有する9員の縮合二環式のヘテロアリール基、例えばインドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアジアゾリル及びベンゾキサジアゾリルから選択されるいずれか1つ、もしくは
窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有する10員の縮合二環式のヘテロアリール基、例えばキノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びシンノリニルから選択されるいずれか1つ
のいずれかであり、その際、前記のHar基は、親分子基に環炭素原子を介して結合されており、
Cycは、1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソリル、2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソリル、クロマニル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾフラニルであり、その際、前記のCyc環系は、親分子基に置換可能なベンゾ環炭素原子を介して結合されており、
Rcaは、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、フェニル、フェノキシ又はモルホリノであり、
Rcbは、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物である。
【0070】
特に挙げるに値する本発明の態様1による化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、メチル、エチル、プロピル又はブチルであるか、もしくは
R1は、R5によって一置換されたメチル、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ、ヒドロキシル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、チアゾリル、オキサゾリル、1N−メチル−イミダゾリル、1N−メチル−ピラゾリル、フェニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルボキシル、ジメチルアミノカルボニル、モルホリノ、カルバモイル、ウレイド、グアニジノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、エチルカルボニルオキシ又はメチルカルボニルオキシであるか、もしくは
R1は、プロピル又はブチルであり、そのそれぞれは、2個のヒドロキシル基によって異なる炭素原子上で置換されているか、もしくは
R1は、メチル又はエチルであり、そのそれぞれは、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルによって置換されているか;又は
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル、プロピル又はブチルであるか、もしくは
R2は、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、(C〜C−アルコキシカルボニル)−フェニル又は(C〜C−アルコキシ)−フェニルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたメチル、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、1N−メチル−イミダゾリル、1N−メチル−ピラゾリル、フェニル、(C〜C−アルコキシ)−フェニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルボキシル、ジ−メチルアミノカルボニル又はカルバモイルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ、ヒドロキシル、ベンジルオキシ、フェノキシ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4N−(メチル)−ピペラジノ、ジメチルアミノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、メチルカルボニルアミノ又はエチルカルボニルアミノであるか、もしくは
R2は、プロピル又はブチルであり、そのそれぞれは、2個のヒドロキシル基によって異なる炭素原子上で置換されているか、もしくは
R2は、メチル又はエチルであり、そのそれぞれは、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルによって置換されているか;又は
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はペンチルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたメチル、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、ピリジルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、ヒドロキシル、メトキシ又はエトキシであり;かつ
Rbは、Rcaによって置換されており、かつチオフェニル、フラニル、ピリジル又は(フェニル)−イソキサゾリルであるか、もしくは
Rbは、非置換であり、かつチオフェニル、フラニル、ピリジル、ベンゾフラニル又はベンゾチオフェニルであるか、もしくは
Rbは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,3−ベンゾジオキソール−4−イル、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−6−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イルであるか、もしくは
Rbは、クロメニルであり、その際、
Rcaは、メチル又はエチルである、化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物である。
【0071】
殊に挙げるに値する本発明の態様1による化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、メチル、エチル又はプロピルであるか、もしくは
R1は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ、ヒドロキシル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾロ、ピラゾロ又はメチルカルボニルオキシであるか、もしくは
R1は、2,3−ジヒドロキシ−プロピルであるか;又は
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル又はプロピルであるか、もしくは
R2は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピラジニル又はピリミジニルであるか、もしくは
R2は、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ、ヒドロキシル、イミダゾロ、ピラゾロ又はメチルカルボニルオキシであるか、もしくは
R2は、2,3−ジヒドロキシ−プロピルであるか;又は
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル又はプロピルであるか、もしくは
R2は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、ピリジルであるか、もしくは
R2は、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、ヒドロキシルであり;かつ
Rbは、Rcaによって置換されており、かつチオフェニル又はフラニルであるか、もしくは
Rbは、非置換であり、かつチオフェニル、フラニル、ピリジル、ベンゾフラン−4−イル、ベンゾフラン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル又はベンゾフラン−7−イルであるか、もしくは
Rbは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,3−ベンゾジオキソール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イルであり、その際、
Rcaは、メチルである、化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物である。
【0072】
強調されるべき本発明の態様1による化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、エチルであるか、もしくは
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、エチルであり;かつ
Rbは、メチルによって置換されており、かつチオフェン−2−イル又はチオフェン−3−イルであり、特に5−メチル−チオフェン−2−イルであるか、もしくは
Rbは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ベンゾフラン−4−イル、ベンゾフラン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル又はベンゾフラン−7−イル、特にピリジン−3−イル又はベンゾフラン−6−イルであるか、もしくは
Rbは、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル、特に2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イルである、化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物である。
【0073】
本発明による化合物において、以下の詳細/下位詳細及び/又は別形/下位別形に挙げられる重要度は、個々に又はそれらの任意の組合せで考慮される:
本発明による化合物の第一の詳細(詳細a)は、式Iで示され、その式中、Raは、−C(O)R1である化合物を含む。本発明の詳細aによる化合物の下位詳細(詳細a1)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又は前記の態様1で定義された任意のR5によって置換されたC〜C−アルキル、又は一実施態様的な選択肢においては、限定e(限定群aによる)又は限定h(限定群bによる)で前記に定義された任意のR5によって置換されたC〜C−アルキルである化合物を含む。
【0074】
本発明の詳細aによる化合物のより厳密な下位詳細(詳細a11)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、C〜C−アルキル又はR5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニル、カルバモイル、グアニジノ、アミジノ、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、ウレイド、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ又はフェニル−C〜C−アルコキシであり;
その関心が持たれる一実施態様においては、
R1は、R5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシカルボニル、アセチル、グアニジノ、カルバモイル、カルボキシル、ジメチルアミノカルボニル、ジメチルアミノ、ウレイド、メトキシ、ヒドロキシル又は2−メトキシエトキシであり;
そのより関心が持たれる一実施態様においては、
R1は、C〜C−アルキル、特にエチル又はプロピルであり、前記基はR5によって置換されており、その際、
R5は、カルバモイル、メトキシ、メトキシカルボニル又はアセチルである化合物を含む。
【0075】
本発明の詳細aによる化合物のもう一つのより厳密な下位詳細(詳細a12)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、C〜C−アルキル又はR5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、フェニル又はR51で置換されたフェニルであり、その際、
R51は、C〜C−アルコキシであるか、もしくは
R5は、Har、R52で置換されたHar又はHetであり、その際、
その第一の選択肢においては、
Harは、親分子基に任意の環炭素原子又は環窒素原子を介して結合されており、かつ窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する不飽和の(芳香族の)5員の環であり、該環は、場合によりベンゼン環に縮合されているか、もしくは
その第二の選択肢においては、
Harは、親分子基に任意の環炭素原子を介して結合されており、かつ窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1又は2個の窒素原子を有する不飽和の(芳香族の)6員の環であり、該環は、場合によりベンゼン環に縮合されており、
R52は、C〜C−アルキルであるか、もしくは
その第三の選択肢においては、
Hetは、親分子基に任意の環窒素原子を介して結合されており、かつ窒素、−N(R53)−、酸素及び硫黄から無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、かつ1又は2個のオキソ基によって場合により置換されている飽和の3員ないし7員の単環式の環又はそのベンゾ縮合された誘導体であり、その際、
R53は、C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであるか、もしくは
その第四の選択肢においては、
Hetは、親分子基に任意の環炭素原子を介して結合されており、かつ窒素、−N(R53)−、酸素及び硫黄から無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、かつ1又は2個のオキソ基によって場合により置換されており、かつ場合によりベンゼン環に縮合されている飽和の3員ないし7員の単環式の環であり、その際、
R53は、C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであり;
その関心が持たれる一実施態様においては、
R1は、R5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、Har又はHetであり、その際、
前記の第一の選択肢においては、
Harは、インドリル、チオフェニル、N−メチル−イミダゾリル、メチル−チアゾリル又はイミダゾリル(例えばインドール−2−イル、インドール−3−イル、チオフェン−2−イル、4−メチル−チアゾール−5−イル、1−N−メチル−イミダゾール−5−イル、1−N−メチル−イミダゾール−4−イル、1−NH−イミダゾール−4−イル又はイミダゾール−1−イル)であるか、もしくは
前記の第二の選択肢においては、
Harは、ピリジル又はピラジニル(例えばピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル又はピリジン−4−イル又はピラジン−2−イル)であるか、もしくは
前記の第三の選択肢においては、
Hetは、ピペリジニル、モルホリニル、N−メチル−ピペラジニル又はピロリジニル(例えばピペリジン−1−イル、モルホリノ、4−N−メチル−ピペラジン−1−イル又はピロリジノ−1−イル)であるか、もしくは
前記の第四の選択肢においては、
Hetは、1,3−ベンゾジオキソリル(例えば1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)であり;
そのより関心が持たれる一実施態様においては、
R1は、C〜C−アルキル、特にエチル又はプロピルであり、前記基はR5によって置換されており、その際、
R5は、Harであり、その際、
Harは、インドリル(例えばインドール−2−イル)、チオフェニル(例えばチオフェン−2−イル)又はメチル−チアゾリル(例えば4−メチル−チアゾール−5−イル)である、化合物を含む。
【0076】
本発明の詳細aによる化合物のもう一つのより厳密な下位詳細(詳細a13)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキルであり;
その関心が持たれる一実施態様においては、
R1は、C〜C−アルキルであり;
そのより関心が持たれる一実施態様においては、
R1は、メチル、プロピル又はヘキシルである、化合物を含む。本発明の詳細aによる化合物の注目すべき下位詳細(詳細a14)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、メチル、エチル、プロピル又はブチルである、化合物を含む。
【0077】
本発明の詳細aによる化合物のもう一つの注目すべき下位詳細(詳細a15)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾロ又はピラゾロである、化合物を含む。
【0078】
本発明の詳細aによる化合物のもう一つの注目すべき下位詳細(詳細a16)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ、ヒドロキシル又はメチルカルボニルオキシである、化合物を含む。
【0079】
本発明の詳細aによる化合物のもう一つのより注目すべき下位詳細(詳細a17)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、メチル、エチル及びプロピルから選択されるいずれか1つである、化合物を含む。
【0080】
本発明の詳細aによる化合物のもう一つのより注目すべき下位詳細(詳細a18)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、メトキシ−メチル、2−メトキシ−エチル、(2−メトキシエトキシ)−メチル、2−(2−メトキシエトキシ)−エチル、ヒドロキシ−メチル、2−ヒドロキシ−エチル、(ピリジン−2−イル)−メチル、(ピリジン−3−イル)−メチル、(ピリジン−4−イル)−メチル、2−(ピリジン−2−イル)−エチル、2−(ピリジン−3−イル)−エチル及び2−(ピリジン−4−イル)−エチルから選択されるいずれか1つである、化合物を含む。
【0081】
本発明の詳細aによる化合物のもう一つのより注目すべき下位詳細(詳細a19)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、2,3−ジヒドロキシプロピルである、化合物を含む。
【0082】
本発明による化合物の第二の詳細(詳細b)は、式Iで示され、その式中、Raは、−C(O)OR2である化合物を含む。
【0083】
本発明の詳細bによる化合物の下位詳細(詳細b1)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキル又は前記の態様1で定義された任意のR5によって置換されたC〜C−アルキル、又は一実施態様的な選択肢においては、限定e(限定群aによる)又は限定h(限定群bによる)で前記に定義された任意のR5によって置換されたC〜C−アルキルである化合物を含む。
【0084】
本発明の詳細bによる化合物のより厳密な下位詳細(詳細b11)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキル又はR5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニル、カルバモイル、グアニジノ、アミジノ、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、ウレイド、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ又はフェニル−C〜C−アルコキシであり;
その関心が持たれる一実施態様においては、
R2は、R5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル、ジメチルアミノカルボニル、ジメチルアミノ、メトキシ、ヒドロキシル又は2−メトキシエトキシであり;
そのより関心が持たれる一実施態様においては、
R2は、R5によって置換されたエチルであり、その際、
R5は、メトキシである、化合物を含む。
【0085】
本発明の詳細bによる化合物のもう一つのより厳密な下位詳細(詳細b12)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキル又はR5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、フェニル又はR51で置換されたフェニルであり、その際、
R51は、C〜C−アルコキシであるか、もしくは
R5は、Har、R52で置換されたHar又はHetであり、その際、
その第一の選択肢においては、
Harは、親分子基に任意の環炭素原子又は環窒素原子を介して結合されており、かつ窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する不飽和の(芳香族の)5員の環であり、該環は、場合によりベンゼン環に縮合されているか、もしくは
その第二の選択肢においては、
Harは、親分子基に任意の環炭素原子を介して結合されており、かつ窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1又は2個の窒素原子を有する不飽和の(芳香族の)6員の環であり、該環は、場合によりベンゼン環に縮合されており、
R52は、C〜C−アルキルであるか、もしくは
その第三の選択肢においては、
Hetは、親分子基に任意の環窒素原子を介して結合されており、かつ窒素、−N(R53)−、酸素及び硫黄から無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、かつ1又は2個のオキソ基によって場合により置換されている飽和の3員ないし7員の単環式の環又はそのベンゾ縮合された誘導体であり、その際、
R53は、C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであるか、もしくは
その第四の選択肢においては、
Hetは、親分子基に任意の環炭素原子を介して結合されており、かつ窒素、−N(R53)−、酸素及び硫黄から無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、かつ1又は2個のオキソ基によって場合により置換されており、かつ場合によりベンゼン環に縮合されている飽和の3員ないし7員の単環式の環であり、その際、
R53は、C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであり;
その関心が持たれる一実施態様においては、
R2は、R5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、Har又はHetであり、その際、
前記の第一の選択肢においては、
Harは、インドリル、チオフェニル、N−メチル−イミダゾリル、メチル−チアゾリル又はイミダゾリル(例えばインドール−2−イル、インドール−3−イル、チオフェン−2−イル、4−メチル−チアゾール−5−イル、1−N−メチル−イミダゾール−5−イル、1−N−メチル−イミダゾール−4−イル、1−NH−イミダゾール−4−イル又はイミダゾール−1−イル)であるか、もしくは
前記の第二の選択肢においては、
Harは、ピリジル又はピラジニル(例えばピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル又はピリジン−4−イル又はピラジン−2−イル)であるか、もしくは
前記の第三の選択肢においては、
Hetは、ピペリジニル、モルホリニル、N−メチル−ピペラジニル又はピロリジニル(例えばピペリジン−1−イル、モルホリノ、4−N−メチル−ピペラジン−1−イル又はピロリジノ−1−イル)であるか、もしくは
前記の第四の選択肢においては、
Hetは、1,3−ベンゾジオキソリル(例えば1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)であり;
そのより関心が持たれる一実施態様においては、
R2は、R5によって置換されたエチルであり、その際、
R5は、Harであり、その際、
Harは、メチル−チアゾリル(例えば4−メチル−チアゾール−5−イル)である、化合物を含む。
【0086】
本発明の詳細bによる化合物のもう一つのより厳密な下位詳細(詳細b13)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキルであり;
その関心が持たれる一実施態様においては、
R2は、C〜C−アルキルであり;
そのより関心が持たれる一実施態様においては、
R2は、メチル、エチル、t−ブチル又はペンチル、特にエチルである、化合物を含む。
【0087】
本発明の詳細bによる化合物の注目すべき下位詳細(詳細b14)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル、プロピル又はブチルである、化合物を含む。
【0088】
本発明の詳細bによる化合物のもう一つの注目すべき下位詳細(詳細b15)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピリミジニル又はピラジニルである、化合物を含む。
【0089】
本発明の詳細bによる化合物のもう一つの注目すべき下位詳細(詳細b16)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ、ヒドロキシル又はメチルカルボニルオキシである、化合物を含む。
【0090】
本発明の詳細bによる化合物のより注目すべき下位詳細(詳細b17)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル及びプロピルから選択されるいずれか1つである、化合物を含む。
【0091】
本発明の詳細bによる化合物のもう一つのより注目すべき下位詳細(詳細b18)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、2−メトキシ−エチル、2−(2−メトキシエトキシ)−エチル、2−ヒドロキシ−エチル、(ピリジン−2−イル)−メチル、(ピリジン−3−イル)−メチル、(ピリジン−4−イル)−メチル、2−(ピリジン−2−イル)−エチル、2−(ピリジン−3−イル)−エチル及び2−(ピリジン−4−イル)−エチルから選択されるいずれか1つである、化合物を含む。
【0092】
本発明の詳細bによる化合物のもう一つのより注目すべき下位詳細(詳細b19)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、2,3−ジヒドロキシプロピルである、化合物を含む。
【0093】
本発明による化合物の第三の詳細(詳細c)は、式Iで示され、その式中、Raは、−C(O)SR2である化合物を含む。
【0094】
本発明の詳細cによる化合物の注目すべき下位詳細(詳細c1)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル、プロピル又はブチルである、化合物を含む。
【0095】
本発明の詳細cによる化合物のもう一つの注目すべき下位詳細(詳細c2)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピリミジニル又はピラジニルである、化合物を含む。
【0096】
本発明の詳細cによる化合物のもう一つの注目すべき下位詳細(詳細c3)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ、ヒドロキシル又はメチルカルボニルオキシである、化合物を含む。
【0097】
本発明の詳細cによる化合物のより注目すべき下位詳細(詳細c4)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル及びプロピルから選択されるいずれか1つである、化合物を含む。
【0098】
本発明の詳細cによる化合物のもう一つのより注目すべき下位詳細(詳細c5)は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、2−メトキシ−エチル、2−(2−メトキシエトキシ)−エチル、2−ヒドロキシ−エチル、(ピリジン−2−イル)−メチル、(ピリジン−3−イル)−メチル、(ピリジン−4−イル)−メチル、2−(ピリジン−2−イル)−エチル、2−(ピリジン−3−イル)−エチル及び2−(ピリジン−4−イル)−エチルから選択されるいずれか1つである、化合物を含む。
【0099】
本発明による化合物の第一の別形(別形a)は、式Iで示され、その式中、Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarである化合物を含む。
【0100】
本発明の別形aによる化合物の下位別形(別形a1)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであり、その際、
Harは、酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、1又は2個の窒素原子を有する6員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、場合によりベンゼン環部を有し、かつ酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する10員の縮合二環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、場合によりベンゼン環部を有し、かつ酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する11員の縮ご運二環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であり、その際、
前記のHar環又は環系は、親分子基に置換可能な環炭素原子を介して結合されており;かつ
Rca及びRcbは、無関係に、前記の態様1に定義されるものであるか、もしくは
一実施態様的な選択肢においては、
Rca及びRcbは、無関係に、限定e(限定群aによる)又は限定h(限定群bによる)で前記に定義されたものである、化合物を含む。
【0101】
本発明の別形aによる化合物のより厳密な下位別形(別形a11)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであり、その際、
Harは、酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、1又は2個の窒素原子を有する6員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、場合によりベンゼン環部を有し、かつ酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する10員の縮合二環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、場合によりベンゼン環部を有し、かつ酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する11員の縮ご運二環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であり、その際、
前記のHar環又は環系は、親分子基に置換可能な環炭素原子を介して結合されており;かつ
Rcaは、C〜C−アルキル、ハロゲン、フェニル、ニトロ又はフェニルスルホニルであり、
Rcbは、C〜C−アルキル又はハロゲンである、化合物を含む。
本発明の別形aによる化合物の更により厳密な下位別形(別形a12)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであり、その際、
Harは、チオフェニル、イソキサゾリル又はオキサゾリルであるか、もしくは
Harは、ピリジル又はピラジニルであるか、もしくは
Harは、インドリル、ベンゾチオフェニル又はベンゾフラニルであり、その際、
前記のHar環又は環系は、親分子基に置換可能な環炭素原子を介して結合されており;かつ
Rca及びRcbは、無関係に、前記の態様1に定義されるものであるか、もしくは
一実施態様的な選択肢においては、
Rca及びRcbは、無関係に、限定e(限定群aによる)又は限定h(限定群bによる)で前記に定義されたものである、化合物を含む。
【0102】
本発明の別形aによる化合物のなお更により厳密な下位別形(別形a13)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであり、その際、
Harは、チオフェニル、イソキサゾリル又はオキサゾリルであるか、もしくは
Harは、ピリジルであるか、もしくは
Harは、インドリル、ベンゾチオフェニル又はベンゾフラニルであり、その際、
前記のHar環又は環系は、親分子基に置換可能な環炭素原子を介して結合されており;かつ
Rcaは、C〜C−アルキル、ハロゲン、フェニル、ニトロ又はフェニルスルホニルであり、
Rcbは、C〜C−アルキル又はハロゲンであり;
その関心が持たれる一実施態様においては、
Rbは、ピリジル(例えばピリジン−3−イル)、ピラジン−2−イル、チオフェニル(例えばチオフェン−2−イル)、5−フェニル−オキサゾール−4−イル、1−フェニルスルホニル−インドール−2−イル、3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル、3−フェニル−5−メチル−イソキサゾール−4−イル、ベンゾフラニル(例えばベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−5−イル又はベンゾフラン−6−イル)、ベンゾチオフェニル(例えばベンゾチオフェン−2−イル)、4−フェニル−チオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル、3−クロロ−6−メチル−ベンゾチオフェン−2−イル、3−クロロ−ベンゾチオフェン−2−イル、3,6−ジクロロ−ベンゾチオフェン−2−イル又は5−ニトロ−ベンゾチオフェン−2−イルであり;
そのより関心が持たれる一実施態様においては、
Rbは、3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル、3−フェニル−5−メチル−イソキサゾール−4−イル又はピリジル、ピラジニル、例えばピリジン−3−イル又はピラジン−2−イル又はチオフェニル、例えばチオフェン−2−イル又はベンゾチオフェニル又はベンゾフラニル、例えばベンゾチオフェン−2−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−5−イル又はベンゾフラン−6−イル又は、C〜C−アルキルによって置換されたチオフェニル、例えば5−メチル−チオフェン−2−イルであり;
その特定の一実施態様においては、
Rbは、3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル、チオフェン−2−イル、ベンゾチオフェン−2−イル又は、特にベンゾフラン−6−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又はピリジン−3−イルである、化合物を含む。
【0103】
本発明の別形aによる化合物の注目すべき下位別形(別形a14)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、ベンゾフラン−6−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又はピリジン−3−イルである、化合物を含む。
【0104】
本発明による化合物の第二の別形(別形b)は、式Iで示され、その式中、Rbは、Cycである化合物を含む。
【0105】
本発明の別形bによる化合物の下位別形(別形b1)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Cycであり、その際、
Cycは、1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル又は2,3−ジヒドロベンゾフラニルである、化合物を含む。
【0106】
本発明の別形bによる化合物のより厳密な下位別形(別形b11)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Cycであり、その際、
Cycは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル又は2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イルである、化合物を含む。
【0107】
本発明の別形bによる化合物の注目すべき下位別形(別形b12)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,3−ベンゾジオキソール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イルである、化合物を含む。
【0108】
本発明の別形bによる化合物のより厳密な下位別形(別形b13)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イルである、化合物を含む。
【0109】
本発明による化合物の第三の別形(別形c)は、式Iで示され、その式中、Rbは、クロメニルである化合物を含む。
【0110】
本発明の別形cによる化合物の下位別形(別形c1)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Cycであり、その際、
Cycは、クロメン−3−イルである、化合物を含む。
【0111】
本発明の特定の関心は、本発明による化合物であって、以下の実施態様の1つ又は可能であればそれ以上によって包含される化合物を指す:
本発明の化合物の特定の一実施態様(実施態様1)は、式Iで示され、その式中、Raは、−C(O)R1である化合物を含む。
【0112】
実施態様1の特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、C〜C−アルキル、例えばメチル、プロピル又はヘキシルである化合物を含んでよい。
【0113】
実施態様1の更なる特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、メチル、エチル、プロピル又はブチルである化合物を含んでよい。
【0114】
本発明の化合物のもう一つの特定の一実施態様(実施態様2)は、式Iで示され、その式中、Raは、−C(O)OR2である化合物を含む。
【0115】
実施態様2の特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキル、例えばメチル、エチル、t−ブチル又はペンチル、特にエチルである、化合物を含んでよい。
【0116】
実施態様2の更なる特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル、プロピル又はブチルである化合物を含んでよい。
【0117】
実施態様2のより特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、エチルである化合物を含んでよい。
【0118】
本発明の化合物のもう一つの特定の一実施態様(実施態様3)は、式Iで示され、その式中、Raは、−C(O)SR2である化合物を含む。
【0119】
実施態様3の特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキル、例えばエチルである化合物を含んでよい。
【0120】
実施態様3の更なる特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル、プロピル又はブチルである化合物を含んでよい。
【0121】
実施態様3のより特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、エチルである化合物を含んでよい。
【0122】
本発明の化合物のもう一つの特定の一実施態様(実施態様4)は、式Iで示され、その式中、Raは、−C(O)N(R3)R4である化合物を含む。
【0123】
本発明の化合物のもう一つの特定の一実施態様(実施態様5)は、式Iで示され、その式中、Raは、−S(O)R1である化合物を含む。
【0124】
本発明による化合物の特定のもう一つの実施態様(実施態様6)は、式Iで示され、その式中、Raは、−S(O)N(R3)R4である化合物を含む。
【0125】
前記の実施態様のうち、実施態様1と実施態様2と実施態様3が強調されるべきである。
【0126】
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様7)は、式Iで示され、その式中、Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarである化合物を含む。
【0127】
実施態様7の特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Rcaによって場合により置換されており、かつHarであり、その際、
Harは、チオフェニルであり、
Rcaは、C〜C−アルキル、例えばメチル、例えばチオフェン−2−イル又は、特に2−メチル−チオフェン−5−イルである、化合物を含んでよい。
【0128】
実施態様7の更なる特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Harであり、その際、
Harは、ピリジル、例えばピリジン−3−イルである化合物を含んでよい。
【0129】
実施態様7のなおも更なる特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Harであり、その際、
Harは、ベンゾフラニル、例えばベンゾフラン−5−イル又は、特にベンゾフラン−6−イルである化合物を含んでよい。
【0130】
本発明の化合物のもう一つの特定の一実施態様(実施態様8)は、式Iで示され、その式中、Rbは、Cycである化合物を含む。
【0131】
実施態様8の特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Rbは、Cycであり、その際、
Cycは、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、例えば2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル又は、特に2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イルである化合物を含んでよい。
【0132】
本発明の化合物のもう一つの特定の一実施態様(実施態様9)は、式Iで示され、その式中、Rbは、クロメニル、例えばクロメン−3−イルである化合物を含む。
【0133】
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様10)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、クロメン−3−イル、ベンゾフラン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル、3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル、チオフェン−2−イル、ベンゾチオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル及びピリジン−3−イルである化合物を含む。
【0134】
実施態様10の特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Rbは、5−メチル−チオフェン−2−イル、ベンゾフラン−5−イル又はピリジン−3−イルである化合物を含んでよい。
【0135】
実施態様10の更なる特定の化合物は、式Iで示され、その式中、
Rbは、ベンゾフラン−6−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又はピリジン−3−イルである化合物を含んでよい。
【0136】
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様11)は、式Iで示され、その式中、
Rbは、CycAであり、その際、
CycAは、式U
【0137】
【化4】

で示される基であり、その際、
Lは、窒素、−N(Rdc)−、酸素及び硫黄からなる群から無関係に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員又は6員の不飽和の芳香族の複素環式の環であり、その際、
Rdcは、C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであり、その際、
前記のCycA環系は、親分子基に置換可能なベンゾ環炭素原子を介して結合されており、例えばベンゾフラン−5−イル又はベンゾフラン−6−イルである化合物を含む。
【0138】
本発明の化合物のもう一つの特定の一実施態様(実施態様12)は、式Iで示され、その式中、Rbは、Cyc又はCycAである化合物を含む。
【0139】
前記の実施態様のうち、実施態様7、実施態様8及び実施態様10が強調されるべきである。
【0140】
本発明による化合物の特定の実施態様1による化合物の群は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、以下のリスト1から選択される基である、化合物を含んでよい。
【0141】
リスト1は以下の基からなる:
【0142】
【化5】

【0143】
【化6】

【0144】
本発明による化合物のもう一つの群は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、リスト1から選択される基であり、
Rbは、クロメン−3−イル、ベンゾフラン−5−イル、3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル、チオフェン−2−イル、ベンゾチオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又はピリジン−3−イルである化合物を含む。
【0145】
本発明による化合物のもう一つの群は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、リスト1から選択される基であり、かつ
Rbは、ベンゾフラン−6−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又はピリジン−3−イルである化合物を含む。
【0146】
本発明による化合物の特定の実施態様2による化合物の群は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、以下のリスト2から選択される基である、化合物を含んでよい。
【0147】
リスト2は以下の基からなる:
【0148】
【化7】

【0149】
【化8】

【0150】
本発明による化合物のもう一つの群は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、リスト2から選択される基であり、
Rbは、クロメン−3−イル、ベンゾフラン−5−イル、3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル、チオフェン−2−イル、ベンゾチオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又はピリジン−3−イルである化合物を含む。
【0151】
本発明による化合物のもう一つの群は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、リスト2から選択される基であり、かつ
Rbは、ベンゾフラン−6−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又はピリジン−3−イルである化合物を含む。
【0152】
本発明による化合物の特定の実施態様3による化合物の群は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、以下のリスト3から選択される基である、化合物を含んでよい。
【0153】
リスト3は以下の基からなる:
【0154】
【化9】

【0155】
本発明による化合物のもう一つの群は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、リスト3から選択される基であり、
Rbは、クロメン−3−イル、ベンゾフラン−5−イル、3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル、チオフェン−2−イル、ベンゾチオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又はピリジン−3−イルである化合物を含む。
【0156】
本発明による化合物のもう一つの群は、式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、リスト3から選択される基であり、かつ
Rbは、ベンゾフラン−6−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又はピリジン−3−イルである化合物を含む。
【0157】
本発明による化合物は、以下に記載されるようにして、又は以下の反応式に示されるようにして、又はWO2004/024066号又は特にWO2004/024065号(その開示は本願に開示されたものとする)に開示されるようにして、又はそれらと同様にもしくは類似に、当業者に公知の製造法もしくは合成戦略に従って製造することができる。従って、本発明による化合物は、以下の実施例に例として特記されたように、又はそれと同様にもしくは類似に得ることができる。
【0158】
このように、以下の反応式に示されるように、式IIIで示され、その式中、Raは、前記の意味を有する化合物を、硫黄及び好適な塩基、例えばアミン(例えばジエチルアミン又はモルホリン)の存在下にマロンニトリルと縮合させて、当業者に公知のようにして(例えばGewald反応に従って)又は以下の実施例に記載されるようにして、式IIの相応の化合物を得ることができる。
【0159】
式IIIの化合物は、公知であるか、又は当該技術分野で知られるようにして得ることができる。
【0160】
式IIの化合物を、式Rb−C(O)−Xで示され、その式中、Rbは、前記の意味を有し、かつXは、好適な離脱基、有利には、塩素原子である化合物と、アシル化反応において、自体慣習の条件下で反応させて、式Iで示され、その式中、Ra及びRbは、前記の意味を有する所望の化合物を得ることができる。
【0161】
選択的に、式Iの化合物は、式IIで示される及び式Rb−C(O)−Xで示される、それらの式中、Xはヒドロキシルである相応の化合物から、当業者に公知のアミド結合カップリング剤との反応によって製造することもできる。当業者に公知のアミド結合架橋試薬の挙げられる例は、カルボジイミド(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド又は、有利には1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、アゾジカルボン酸誘導体(例えばジエチルアゾジカルボキシレート)、ウロニウム塩[例えばO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート又はO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート]及びN,N’−カルボニルジイミダゾールである。本発明の範囲において、有利なアミド結合架橋試薬はウロニウム塩及び、有利にはカルボジイミド、有利には1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)である。
【0162】
【化10】

【0163】
式Rb−C(O)−Xの酸誘導体は、公知であるか、市販されているか、又は例えば相応のカルボン酸から当業者に公知のように製造することができる。
【0164】
代替的な合成経路において、式VIで示され、その式中、PGは、好適な一時的な保護基、例えばt−ブトキシカルボニル(Boc)又はT.GreeneとP.Wutz著の“Protective Groups in Organic Synthesis”(John Wiley&Sons,Inc.1999,3rd Ed.)又はP.Kocienski著の“Protecting Groups(Thieme Foundations Organic Chemistry Series N Group)”(Thieme Medical Publishers,2000)中に挙げられる保護基の1つである化合物を、マロンニトリルと、硫黄及び前記の好適な塩基の存在下に縮合させて、式Vの相応の化合物を得ることができる。
【0165】
式VIの化合物は、公知であるか、又は当該技術分野で知られるようにして得ることができる。
【0166】
式Vの化合物を、式Rb−C(O)−Xの化合物で、前記と類似にしてアシル化することができる。当業者に自体慣用のように保護基PGを引き続き脱保護することで、式IVで示され、その式中、Rbは、前記の意味を有する化合物が得られる。
【0167】
式IVの化合物は、当業者に公知の方法を介した基Raの導入によって、式Iの所望の化合物に変換することができる。殊に、例えば、式Iで示され、
a)Raがアシル基である化合物は、式IVの化合物から、アシル化反応によって製造することができる;
b)Raがスルホニル基である化合物は、式IVの化合物から、スルホニル化反応によって得ることができる;
c)Raがエステル基である化合物は、式IVの化合物から、カルバメート形成反応によって得ることができる;
d)Raがアミド基である化合物は、式IVの化合物から、尿素形成反応によって製造することができる;
e)Raがチオエステル基である化合物は、式IVの化合物から、チオカルバメート形成反応によって製造することができる;
f)Raがスルホンアミド基である化合物は、式IVの化合物から、スルファミド形成反応によって製造することができる。
【0168】
a)〜f)に挙げられる方法は、当業者に公知の方法と類似にか、又は以下の実施例に例として記載されるように適宜実施される。a)〜f)に挙げられる方法で使用される好適な出発化合物は、当該技術分野で知られるか、又は当該技術分野で知られる方法に従って得ることができる。
【0169】
このように、例えば3−(Har)−プロピオン酸であって、そのHarが前記の意味(例えばピリジル)を有する酸を、a)で挙げた方法において出発化合物として使用する場合に、これらの化合物は、CC−カップリング反応を介して、例えばHeck反応によって、又は式Har−CHOのアルデヒドから出発して、Knoevenagel反応又はHorner−Wadsworth−Emmons反応と水和反応によって得ることができる。
【0170】
本発明による式Iの一定の化合物を、当該技術分野で知られる合成戦略及び当業者に自体慣用の反応によって変換して、更なる式Iの化合物とすることができることは、当業者に理解されているべきである。
【0171】
従って、場合により、式Iの化合物を、当業者に公知の方法によって転化させて、更なる式Iの化合物にすることができる。殊に、例えば、式Iで示され、
i)R5がアシルオキシ、例えばアセトキシである化合物から、相応の遊離のヒドロキシル化合物を、アシル基の除去によって、例えば鹸化反応によって得ることができる;
ii)Hetが環状アセタール又はケタール、例えば2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソランアセタールである化合物から、相応の遊離のジヒドロキシ化合物を、アセタール又はケタールの開裂によって、例えば脱アセタール化反応によって得ることができる;
iii)R5がエステル基、例えばメトキシカルボニル基である化合物から、相応の遊離のカルボキシル化合物を、脱エステル化反応によって、例えば鹸化反応によって得ることができる。i)からiii)で挙げられた方法は便宜上、当業者に公知の方法と同様に実施できる。
【0172】
場合により式Iの化合物をその塩に変換できるか、又は場合により式Iの化合物の塩を遊離の化合物に変換することができる。相応の方法は、当業者に自体慣習的である。
【0173】
更に当業者には、多数の反応中心が出発化合物又は中間体化合物に存在する場合には、1つ以上の反応中心を反応が所望の反応中心だけで行われるように保護基で封鎖する必要があることもあることは知られている。多数の証明された保護基の使用のための詳細な記載は、例えば“Protective Groups in Organic Synthesis”、T.Greene and P.Wuts著(John Wiley & Sons,Inc. 1999,3rd Ed)又は“Protecting Groups(Thieme Foundations Organic Chemistry Series N Group)”、P.Kocienski著(Thieme Medical Publishers, 2000)で述べられている。
【0174】
本発明による物質は、自体公知の方法で、例えば減圧下で溶剤を留去し、そして得られた残留物を適当な溶剤から再結晶させるか、又は慣用の精製法の1つ、例えば適当な担体材料上でのカラムクロマトグラフィーを実施することによって単離及び精製される。
【0175】
塩は、遊離の化合物を所望の酸又は塩基を含有する適当な溶剤(例えばケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン、エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン、塩素化炭化水素、塩化メチレン又はクロロホルム又は低分子量の脂肪族アルコール、例えばエタノール又はイソプロパノール)中に、又は所望の酸又は塩基がその後に添加される溶剤中に溶解させることによって得られる。塩は、付加塩のための非溶剤を用いる濾過、再沈殿、沈殿又は溶剤の蒸発によって得られる。得られた塩を、遊離の化合物に変換してよく、該化合物はまたアルカリ性化又は酸性化によって塩に変換してもよい。前記のように、薬理学的に非認容性の塩を薬理学的に認容性の塩に変換できる。
【0176】
適宜、本発明に挙げられる転化は、当業者に自体公知の方法と類似して又は同様にして実施することができる。
【0177】
当業者はその知識に基づいて、本発明の明細書中に示され記載されたこれらの合成経路に基づいて、式Iの化合物に関して他の可能な合成経路をどのように見いだすかを知っている。全てのこれらの他の可能な合成経路もまた本発明を構成する部分である。
【0178】
本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの記載される特性又は実施態様のみに制限されるものではない。当業者に明らかなように、記載される本発明に対する改変、類推、変更、誘導、対応、代替及び適合はこの分野で知られる知識及び/又は、特に本発明の開示(例えば明示、暗示又は本来の開示)に基づき、付随する特許請求の範囲によって定義される本発明の主旨及び範囲から逸脱することなくなされてよい。
【0179】
以下の実施例は本発明を更に説明するものであり、それを制限するものではない。同様に製造方法が明記されていない他の式Iの化合物は、同様又は類似に又は当業者に公知の方法で慣用の処理技術を用いて製造できる。
【0180】
以下の実施例に、特に最終化合物として挙げられる任意の又は全ての本発明による式Iの化合物並びにそれらの塩は、本発明の有利な対象である。
【0181】
実施例において、MSは、質量スペクトルを表し、calc.は計算値を表し、fnd.は、実測値を表し、Bocは、t−ブトキシカルボニル基を表し、EDCは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を表し、かつ他の略語は、当業者に自体慣用の意味を有する。
【0182】
実施例
最終化合物:
1. N−(6−エトキシカルボニル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−ニコチニルアミド
【0183】
【化11】

【0184】
以下に記載される一般的手順に従って、2−アミノ−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−6(5H)−カルボン酸エチルエステル(化合物A1)及びニコチノイル酸塩化物から出発して製造する。
【0185】
MS:calc.:C17H16N4O3S(356.41) fnd.:357.0[M+H]
2. N−(6−t−ブチルオキシカルボニル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−ニコチニルアミド
【0186】
【化12】

【0187】
以下に記載される一般的手順Aに従って、2−アミノ−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−6(5H)−カルボン酸 1,1−ジメチルエチルエステル(化合物A2)及びニコチノイル酸塩化物から出発して製造する。
【0188】
MS:calc.:C19H20N4O3S(384.46) fnd.:384.9[M+H]
以下の化合物は、以下に記載される一般的手順Aに従って、2−アミノ−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−6(5H)−カルボン酸 エチルエステル(化合物A1)及び好適なカルボン酸誘導体から出発して製造することができる。
【0189】
3. 3−シアノ−2−{[1−(5−フェニル−オキサゾール−4−イル)−メタノイル]−アミノ}−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0190】
【化13】

【0191】
4. 2−{[1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−メタノイル]−アミノ}−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0192】
【化14】

【0193】
5. 3−シアノ−2−{[1−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−メタノイル]−アミノ}−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0194】
【化15】

【0195】
6. 2−[(1−2H−クロメン−3−イル−メタノイル)−アミノ]−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0196】
【化16】

【0197】
7. 3−シアノ−2−[(1−チオフェン−2−イル−メタノイル)−アミノ]−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0198】
【化17】

【0199】
8. 2−[(1−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−メタノイル)−アミノ]−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0200】
【化18】

【0201】
9. 3−シアノ−2−{[1−(4−フェニル−チオフェン−2−イル)−メタノイル]−アミノ}−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0202】
【化19】

【0203】
10. 3−シアノ−2−{[1−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−メタノイル]−アミノ}−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0204】
【化20】

【0205】
11. 2−[(1−ベンゾ[b]フラン−5−イル−メタノイル)−アミノ]−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0206】
【化21】

【0207】
12. 2−[(1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラン)−6−イル−メタノイル)−アミノ]−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0208】
【化22】

【0209】
13. N−(6−アセチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−ニコチニルアミド
【0210】
【化23】

【0211】
一般的手順Aに従って、6−アセチル−2−アミノ−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン(化合物A3)及びニコチニル酸塩化物から出発して製造する。
【0212】
MS:calc.:C16H14N4O2S(326.38) fnd.:327.1[M+H]
14. N−(6−ブタノイル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−ニコチニルアミド
【0213】
【化24】

【0214】
一般的手順Aに従って、N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−ニコチニルアミド(化合物B1)及び塩化ブタノイルから出発して製造する。
【0215】
15. 2−[(1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラン)−6−イル−メタノイル)−アミノ]−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸 t−ブチルエステル
【0216】
【化25】

【0217】
以下に記載される一般的手順Aに従って、2−アミノ−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−6(5H)−カルボン酸 1,1−ジメチルエチルエステル(化合物A2)及び2,3−ジヒドロフラン−6−カルボン酸から出発して製造する。
【0218】
MS:calc.:C22H23N3O4S(325.51)
16. 3−シアノ−2−[(1−ピリジン−3−イル−メタノイル)−アミノ]−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボチオ酸 S−エチルエステル
【0219】
【化26】

【0220】
N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−ニコチンアミド(1ミリモル)及びエチルチオクロロホルミエート(1ミリモル)を無水ジクロロメタン(20ml)中に入れた懸濁液に、DBU(1.2ミリモル)を添加し、そして該混合物を1〜2日間撹拌し、そして該反応をTLC(シリカ、ジクロロメタン−酢酸エチル 10:1混合物を溶出剤として)によってモニタリングする。該反応混合物を、10%の炭酸水素ナトリウム溶液によって2回、水によって1回抽出し、そして有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させる。蒸発後に、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0221】
MS:calc.:C17H16N4O2S2(372.47) fnd.:372[M+H]
17. 3−シアノ−2−[(1−ピリジン−3−イル−メタノイル)−アミノ]−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸 2−(4−メチル−チアゾール−5−イル)−エチルエステル
【0222】
【化27】

【0223】
表題化合物は、以下に示す一般的手順Eに従って、N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−ニコチンアミド及び好適なアルコールから出発して製造することができる。
【0224】
MS:calc.:C21H19N5O3S2(453.55) fnd.:454.2[M+H]
A. アミド結合形成のための一般的手順
a)100ミリモルのアミン及び120ミリモルの好適な酸塩化物(これは、当該技術分野で知られるように、相応の遊離酸から、例えば塩化オキサリルを用いて得ることができる)を、最低限の量のピリジン又はトルエンのいずれかに溶解させる。溶剤がトルエンの場合には、125ミリモルの塩基(例えばトリエチルアミン)を添加する。該反応混合物を、室温で数回撹拌し、そして必要であれば、通常の加熱又はマイクロ波の補助による加熱のいずれかによって数回加熱する。次いで、溶剤を、真空中で除去するか、又は反応混合物を水と好適な溶剤(例えば酢酸エチル)との間で分離させる。第二の場合には、水層を、有機溶剤で数回抽出し、その合した有機層を、乾燥(例えばMgSO)させ、そして真空中で濃縮する。粗生成物の精製は、フラッシュクロマトグラフィー及び/又は好適な溶剤(例えばエタノール)からの再結晶化によって行う。幾つかの場合に、そのアミド結合形成反応は、以下の方法の1つを用いて実施される:
b)20ミリモルのカルボン酸及び20ミリモルのEDOを、好適な溶剤(例えばジクロロメタン)中に溶解又は懸濁させ、そして10ミリモルのアミン及び0.1ミリモルのN,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)を添加する。室温で数時間撹拌した後に(必要であれば、該反応混合物を通常の加熱又はマイクロ波の補助による加熱のいずれかによって加熱する)、該反応混合物を、水と好適な溶剤(例えば酢酸エチル又はジクロロメタン)との間で分離させ、そして水層を同じ有機溶剤で数回抽出する。合した有機層を乾燥(例えばMgSO)させ、そして真空中で濃縮する。粗生成物の精製は、フラッシュクロマトグラフィー及び/又は好適な溶剤(例えばエタノール)からの再結晶化によって行う。
【0225】
出発材料:
A1. 2−アミノ−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−6(5H)−カルボン酸エチルエステル
【0226】
【化28】

【0227】
以下に記載される一般的手順Bに従って、N−カルボエトキシ−4−ピペリドンから出発して製造する。
【0228】
MS:calc.:C11H13N3O2S(251.31) fnd.:252.0[M+H]
B. 縮合した2−アミノ−チオフェン−3−カルボニトリル誘導体のための一般的手順
500ミリモルの環状ケトン及び500ミリモルのマロンニトリルを、最少量のエタノール中に溶解させ、そして500ミリモルの元素の硫黄を添加する。500ミリモルのジエチルアミンを添加した後に、反応混合物を60〜70℃で数分間加熱し、そして次いで室温で数時間撹拌する。該反応混合物を氷水中に注ぎ、そして沈殿物を濾別する。沈殿物が形成しないか又は沈殿物が若干形成する場合には、水層を、ジクロロメタン又は別の好適な有機溶剤で数回抽出し、その合した有機層を、乾燥(例えばMgSO)させ、そして真空中で濃縮する。粗生成物の精製は、フラッシュクロマトグラフィー及び/又は好適な溶剤(例えばエタノール)からの再結晶化によって行う。
【0229】
A2. 2−アミノ−3−シアノ−4,7−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−6(5H)−カルボン酸 1,1−ジメチルエチルエステル
【0230】
【化29】

【0231】
一般的手順Bに従って、Boc−4−ピペリドンから出発して製造する。
【0232】
MS:calc.:C13H17N3O2S(279.36) fnd.:280.0[M+H]
A3. 6−アセチル−2−アミノ−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン
【0233】
【化30】

【0234】
一般的手順Bに従って、アセチル−4−ピペリドンから出発して製造する。
【0235】
MS:calc.:C10H11N3OS(221.28) fnd.:222.0[M+H]
B1. N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−ニコチニルアミド
【0236】
【化31】

【0237】
一般的手順Cに従って、N−(6−t−ブチルオキシカルボニル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−ニコチニルアミド(化合物2)から出発して製造する。
【0238】
MS:calc.:C14H12N4OS(284.34) fnd.:285.0[M+H]
B2. N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラン)−6−カルボン酸アミド
【0239】
【化32】

【0240】
表題化合物は、化合物B1に従って、化合物15から出発して製造することができる。
【0241】
C. Boc保護基の除去のための一般的手順
Boc保護された化合物を、ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(TFA)(2/3)中に溶解させ、そして室温で数時間撹拌する。溶剤を蒸発させ、そして好適な溶剤(例えばエタノール)から再結晶させた後に、所望の生成物が、TFA塩として得られる。TFA塩は、当業者に自体慣用のように遊離塩基に転化させることができる。
【0242】
D. スルホンアミド結合形成のための一般的手順
100ミリモルのアミンと150ミリモルの塩化スルホニルを、ピリジン中に溶解させ、そして室温で若干の時間にわたり撹拌し、そして必要であれば、従来の加熱又はマイクロ波の補助による加熱のいずれかによって若干の時間にわたり加熱する。次いで、溶剤を、真空中で除去するか、又は反応混合物を水と好適な溶剤(例えば酢酸エチル)との間で分離させる。第二の場合には、水層を、有機溶剤で数回抽出し、その合した有機層を、乾燥(例えばMgSO)させ、そして真空中で濃縮する。粗生成物の精製は、フラッシュクロマトグラフィー及び/又は好適な溶剤(例えばエタノール)からの再結晶化によって行う。
【0243】
E. カルバメート形成のための一般的手順
100ミリモルのピリジン及び65ミリモルのトリホスゲンをジクロロメタン中に溶解させる。65ミリモルのアルコールを0℃で添加し、そして該反応物を、室温で3時間撹拌する。この溶液を、ジクロロメタン中の200ミリモルのアミンに−78℃で添加し、そして該反応混合物を、室温で加温し、そして若干の時間にわたり撹拌する。次いで、溶剤を、真空中で除去するか、又は反応混合物を水と好適な溶剤(例えば酢酸エチル)との間で分離させる。第二の場合には、水層を、有機溶剤で数回抽出し、その合した有機層を、乾燥(例えばMgSO)させ、そして真空中で濃縮する。粗生成物の精製は、フラッシュクロマトグラフィー及び/又は好適な溶剤(例えばエタノール)からの再結晶化によって行う。
【0244】
当業者は、当業者の知識、一般的な技術及び/又は当該技術分野で知られる類似もしくは同様の手順に基づいて、本願に挙げられる又は前記化合物と同様にして製造できる出発化合物から出発して、本願に記載される一般的手順を、本願に挙げられる特定の実施例の合成に、そして本発明の範囲から包含される更なる特定の実施例に適用できることに留意すべきである。
【0245】
産業上利用可能性
本発明による化合物は、産業上利用を可能にする有用な多岐に亘る薬理学的特性を有する。従って本発明による化合物は、ヒト医学及び獣医学における疾病の治療又は予防のための治療剤として使用できる。
【0246】
このように例えば、より実施態様的な詳細において、本発明による化合物は、強力であり、かつ細胞性の(過剰)増殖の非常に効果的な細胞周期特異的なインヒビター及び/又は癌細胞におけるアポトーシスのインデューサーである。従って、これらの化合物は、アポトーシス、特に癌におけるアポトーシスの誘導に反応を示す(過剰)増殖疾病及び/又は疾患を治療するのに有用であると考えられる。
【0247】
更に、これらの化合物は、良性又は悪性の新形成の治療において有用でありうる。“新形成”は、異常細胞増殖及び/又は異常細胞生存及び/又は分化の妨害を示す細胞によって定義される。良性の新形成は、細胞の増殖であって、それが進行性で転移性の腫瘍をインビボで形成できないこととして説明される。反対に、“悪性の新形成”は、多細胞性かつ生化学的な異常性を有する細胞が、全身性疾病をもたらしうる、例えば離れた器官に腫瘍転移をもたらすこととして説明される。
【0248】
種々の疾病は、際限ない複製能力及び異常な細胞増殖(“過剰増殖”)並びにアポトーシスからの回避によって引き起こされる。これらの疾病は、前立腺(“BPH”)又は結腸上皮の発育不全のような良性の発育不全、乾癬、腎炎又は変形性関節症を含む。最も重要には、これらの疾病は、通常は癌として説明され、かつ別の器官又は組織に最終的に転移する腫瘍細胞によって特徴付けられる悪性新生物を含む。悪性の新生物は充実性及び血液学的腫瘍を含む。充実性腫瘍は、胸部、膀胱、骨、脳、中枢神経系及び末梢神経系、結腸、内分泌腺(例えば甲状腺及び副腎皮質)、食道、子宮内膜、生殖細胞、頭部及び頚部、腎臓、肝臓、肺、喉頭及び下咽頭の腫瘍、中皮腫、肉腫、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、腎臓、小腸、軟部組織、精巣、胃、皮膚、尿管、膣及び肛門の腫瘍によって例示される。悪性新生物は、網膜芽腫及びウィルムス腫瘍によって例示される遺伝性癌を含む。更に、悪性新生物は、前記の器官における一次腫瘍と別の器官における相応の二次腫瘍(“腫瘍転移”)を含む。血液学的腫瘍は、白血病及びリンパ腫の進行性形及び無痛性形、すなわち非ホジキン病、慢性及び急性の骨髄性白血病(CML/AML)、急性のリンパ芽球性白血病(ALL)、ホジキン病、多発性骨髄腫及びT細胞リンパ腫によって例示される。また骨髄異形成症候群、形質細胞新生物、経産婦腫瘍性症状、未知の原発部位の癌並びにAIDS関連悪性疾患が含まれる。
【0249】
癌疾患並びに悪性新形成は、離れた器官に転移を形成することを必ずしも必要としないことに留意すべきである。一定の腫瘍は、その一次器官にそれらの攻撃的な増殖特性を通じて破壊的な作用を発揮する。これらは、組織及び器官の構造の破壊をもたらし、最終的に器官に割り当てられた機能の不全を引き起こすことがある。
【0250】
本発明による化合物は、前記の良性及び悪性の挙動の疾病の治療、予防又は軽減のために産業上利用可能である。
【0251】
腫瘍細胞増殖は、通常の細胞挙動と器官機能をもたらすことがある。例えば新生血管の形成は血管新生として記載される過程であり、これは腫瘍又は腫瘍転移によって誘発される。本発明による化合物は、良性の細胞増殖又は腫瘍細胞増殖によって引き起こされる病態生理学的な関連過程、例えば制限されないが、血管内皮細胞の非生理学的増殖による血管新生の治療のために産業上利用可能である。
【0252】
標準的な癌療法の屡々起こる不具合について、薬剤耐性が特に重要である。この薬剤耐性は、種々の細胞性及び分子性の機構、例えば薬剤流出ポンプの過剰発現又は細胞標的タンパク質内の突然変異によって引き起こされる。本発明による化合物の産業上利用可能性は、患者の第一選択薬試験に制限されるものではない。規定の癌化学療法剤又は標的特異的抗癌剤(第二選択薬試験又は第三選択薬試験)に対する耐性を有する患者は、本発明による化合物での治療のために改められる。
【0253】
本発明による化合物は、細胞周期依存性の細胞毒性活性を示し、より厳密には、有糸分裂に制限された活性を示し、これは、アポトーシスの開始及び/又は細胞死を必然的にもたらす有糸分裂停止をもたらす。
【0254】
本願に挙げられる特性、機能及び有用性の関連において、本発明による化合物は、それらと関連する有用かつ所望の効果、例えば低い毒性、優れた一般的な生物学的利用能(例えば良好な腸内吸収)、優れた治療ウィンドウ、重篤な副作用の不在及び/又はそれらの治療的かつ製剤的な適性に関連する更なる有用な効果の点で卓越していることが見込まれる。
【0255】
更に本発明は、アポトーシスの誘発に反応を示す(過剰)増殖性疾病及び/又は疾患に罹患するヒトを含む哺乳動物を治療するための方法において、それを必要とする前記哺乳動物に薬理学的に有効かつ治療学的に有効かつ認容性の量の本発明による化合物1種以上を投与することを含む方法を含む。
【0256】
更に本発明は、インビボでアポトーシスを調節するか、又は良性又は悪性の腫瘍性疾病、例えば癌において異常細胞増殖を調節するのに有用な治療法において、かかる両方を必要とする被検体に、治療学的に有効かつ薬理学的に有効かつ認容性の量の本発明による、異常な細胞増殖の停止及び/又はアポトーシスの誘発によって機能する化合物1種以上を投与することを含む方法を含む。
【0257】
更に本発明は、本発明による化合物を、前記の病気の治療、予防及び/又は改善のために使用される医薬組成物の製造のために用いる使用に関する。
【0258】
更に本発明は、本発明による化合物を、良性又は悪性挙動の(過剰)増殖疾病及び/又は哺乳動物におけるアポトーシスの誘導に反応を示す疾患、例えば良性又は悪性の新形成、特に癌の治療、予防又は改善において使用できる医薬組成物の製造のために用いる使用に関する。
【0259】
更に本発明は、本発明による化合物を、異常な細胞増殖の停止及び/又はアポトーシスの誘発に反応を示す疾患の治療、予防又は改善に使用できる医薬組成物の製造のために用いる使用に関する。
【0260】
更に本発明は、1種以上の本発明による化合物と製剤学的に認容性の担体又は希釈剤を含有する医薬組成物に関する。
【0261】
更に本発明は、1種以上の本発明による化合物と製剤学的に認容性の担体又は希釈剤を組み合わせることでなる医薬組成物に関する。
【0262】
更に本発明は、例えば良性又は悪性挙動の過剰増殖疾病及び/又は哺乳動物におけるアポトーシスの誘発に反応を示す疾患、例えば癌の治療、予防又は改善において使用するための、本発明による化合物1種以上、製剤学的に認容性の助剤、賦形剤又はビヒクルを含む組合せ物に関する。
【0263】
更に本発明は、例えば過剰増殖性疾病、例えば癌及び/又はアポトーシスの誘発に反応を示す疾患の治療、予防又は改善のための、本発明によるテトラヒドロピリドチオフェン化合物1種以上の治療学的に有効かつ認容性の量を必須とし、それと一緒に通常の製剤学的に認容性のビヒクル、希釈剤及び/又は賦形剤からなる組成物に関する。
【0264】
更に本発明は、良性又は悪性の挙動の(過剰)増殖性疾患及び/又はアポトーシスの誘導に反応を示す疾患、例えば前記の疾患、特に癌の治療、予防又は改善における使用のための、本発明による化合物に関する。
【0265】
更に本発明は、抗増殖活性及び/又はアポトーシス誘発活性を有する本発明による化合物に関する。
【0266】
更に本発明は、抗増殖活性を有する本発明による医薬組成物に関する。
【0267】
更に本発明は、アポトーシス誘導活性を有する本発明による医薬組成物に関する。
【0268】
更に本発明は、前記の病気の治療又は予防のための医薬製品の製造における、1種以上の本発明による化合物を単独の有効成分として含有し、かつ製剤学的に認容性の担体又は希釈剤を含有する医薬組成物の使用に関する。
【0269】
更に、本発明は、包装材料と、前記包装材料内に含まれる医薬品とを含む製品であって、該医薬品が、細胞性(過剰)増殖の阻害及び/又はアポトーシス誘導の阻害、アポトーシスの誘導に反応を示す(過剰)増殖性の疾患及び/又は疾病の改善に治療学的に有効であり、かつ該包装材料が、前記医薬品がアポトーシスの誘導に反応を示す(過剰)増殖性の疾患及び/又は疾病を予防又は治療するのに有用であることを指示するラベル又は添付文書を内包し、かつ前記医薬品が、1種以上の本発明による化合物を含有する製品に関する。包装材料、ラベル及び添付文書は、その他の点で、関連の利用性を有する医薬品のための標準的な包装材料、ラベル及び添付文書として一般に考慮されるものに対応又は類似している
本発明による医薬組成物は、自体公知かつ当業者によく知られた方法によって製造される。医薬組成物としては、本発明による化合物(=有効化合物)はそれ自体で、又は有利には適当な医薬品助剤及び/又は賦形剤と組み合わせて、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、カプレット剤、坐剤、パッチ剤(例えばTTS)、乳剤、懸濁剤、ゲル剤又は液剤の形で使用され、その際、有効化合物の含有率は有利には0.1〜95%であり、かつ助剤及び/又は賦形剤の適当な選択によって、有効化合物に厳密に適合された、及び/又は作用の所望の開始に厳密に適合された医薬品投与形(例えば遅延放出形又は腸溶形)を達成できる。
【0270】
当業者はその専門知識により所望の医薬品製剤に適した助剤、ビヒクル、賦形剤、希釈剤、担体又はアジュバントに精通している。溶剤、ゲル形成剤、軟膏基材及び他の有効化合物の他に、賦形剤、例えば酸化防止剤、分散剤、乳化剤、保存剤、溶解剤、着色剤、錯化剤又は侵透促進剤を使用してよい。
【0271】
治療されるべき又は予防されるべき特定の疾病によっては、その疾病を治療又は予防するのに通常投与される付加的な治療的活性剤を場合により同時投与してよい。ここで使用される場合に、特定の疾病を治療又は予防するのに通常投与される付加的な治療的活性剤は、治療される疾病に好適であるとして知られている。
【0272】
例えば、本発明による化合物を、以下に記載される1種以上の公知の抗癌化学療法剤及び/又は他の標的特異的抗癌剤と組み合わせてよい。
【0273】
組合せ療法でしばしば使用される公知の化学療法抗癌剤の例は、これらに制限されないが、(i)アルキル化剤/カルバミル化剤、例えばシクロホスファミド(エンドキサン(登録商標))、イフォスファミド(ホロキサン(登録商標))、チオテパ(チオテパレダーレ(登録商標))、メルファラン(アルケラン(登録商標))又はクロロエチルニトロソウレア(BCNU);(ii)白金誘導体、例えばシスプラチン(プラチネックス(登録商標)BMS)、オキサリプラチン又はカルボプラチン(カルボプラット(登録商標)BMS);(iii)有糸分裂阻害剤/チューブリン阻害剤、例えばビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン)、タキサン類、例えばタキソール(パクリタキセル(登録商標))、タキソテレ(ドセタキセル(登録商標))及び類似体並びにその新規の製剤及びコンジュゲート;(iv)トポイソメラーゼインヒビター、例えばアントラサイクリン類、例えばドキソルビシン(アドリブラスチン(登録商標))、エピポドフィロトキシン類(例えばエトポシド(エトポフォス(登録商標))及びカンプトテシン類似体、例えばテポテカン(ハイカムチン(登録商標));(v)ピリミジンアンタゴニスト、例えば5−フルオロウラシル(5−FU)、カペシタビン(キセロダ(登録商標))、アラビノシルシトシン/シタラビン(アレキサン(登録商標))又はゲムシタビン(ゲムザール(登録商標));(vi)プリンアンタゴニスト、例えば6−メルカプトプリン(プリネトール(登録商標))、6−チオグアニン又はフルダラビン(フルダラ(登録商標))及び最後に(vii)葉酸アンタゴニスト、例えばメトトレキセート(ファルミトレキセート(登録商標))及びペメトレキセド(アリムタ(登録商標)を含む。
【0274】
実験的及び標準的癌療法で使用される標的特異的抗癌剤の例は、これらに制限されないが、(i)キナーゼインヒビター、例えばグリベック(イマチニブ(登録商標))、ZD−1839/イレッサ(ゲフィチニブ(登録商標))、Bay43−9006(ソラフェニブ(登録商標))、SU11248(ステント(登録商標))又はOSI−774/タルセバ(エルロチニブ(登録商標));(ii)プロテアソームインヒビター、例えばPS−341(ベルカデ(登録商標));(iii)ヒストンデアセチラーゼインヒビター、例えばSAHA、PXD101、MS275、MGCD0103、デプシペプチド/FK228、NVP−LBH589、バルプロン酸(VPA)及び酪酸塩;(iv)ヒートショックタンパク質インヒビター、例えば17−アリルアミノゲルダナマイシン(17−AAG);(v)血管標的剤(VAT)及び抗脈管形成剤、例えばVEGF抗体アバスチン(ベバシズマブ(登録商標))又はKDRチロシンキナーゼインヒビターPTK787/ZK222584(バタラニブ(登録商標));(vi)モノクローナル抗体、例えばヘルセプチン(トラスツズマブ(登録商標))又はマブテラ/リツキサン(リツキシマブ(登録商標))又はC225/エルビタックス(セツキシマブ(登録商標))並びに突然変異体及びモノクローナル抗体と抗体フラグメントのコンジュゲート;(vii)オリゴヌクレオチド系治療薬、例えばG−3139/ゲナセンス(オブリメルセン(登録商標));(viii)プロテアーゼインヒビター(ix)ホルモン療法剤、例えば抗エストロゲン類(例えばタモキシフェン)、抗アンドロゲン類(例えばフルタミド又はカソデックス)、LHRH類似体(例えばロイプロリド、ゴセレリン又はトリプトレリン)及びアロマターゼインヒビターを含む。
【0275】
組合せ療法のために使用できる他の公知の抗癌剤は、ブレオマイシン、レチノイド類、例えばオールトランスレチノイン酸(ATRA)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば2−デオキシシチジン誘導体デシタビン(ドカゲン(登録商標))、アラノシン、サイトカイン、例えばインターロイキン−2又はインターフェロン、例えばインターフェロンα2又はインターフェロン−γ、TRAIL、DR4/5アゴニスト抗体、FasLアゴニスト及びTNF−Rアゴニストを含む。
【0276】
本発明による組合せ療法で有用となりうる化学療法薬/抗癌剤の例としては、これらに制限されないが、以下の薬剤
5FU、アクチノマイシンD、アバレリックス、アブシキシマブ、アクラルビシン、アダパレン、アレムツズマブ、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミプリローズ、アムルビシン、アナステロゾール、アンシタビン、アルテミシニン、アザチオプリン、バシリキシマブ、ベンダムスチン、ベキサール、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブロクスリジン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルボクオン、カルムスチン、セトロレリックス、クロラムブシル、クロロメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロミフェン、シクロホスファミド、ダカルバジン、ダクリズマブ、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デスロレリン、デキシラゾキサン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロスタノロン、エデルフォシン、エフロルニチン、エミテフール、エピルビシン、エピチオスタノール、エプタプラチン、エルビツックス、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタン、ファドロゾール、フィナステリド、フロクスリジン、フルシトシン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォルメスタン、フォスカルネット、フォスフェストロール、フォテムスチン、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、グリベック、ゴセレリン、グスペリムス、ヘルセプチン、イダルビシン、イドクスリジン、イフォスファミド、イマチニブ、イムプロスルファン、インフリキシマブ、イリノテカン、ランレオチド、レトロゾール、ロイプロレリン、ロバプラチン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、メツレデパ、ミボプラチン、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマイシン、ミトキサントロン、ミゾリビン、モテキサフィン、ナルトグラスチム、ネバズマブ、ネダプラチン、ニルタミド、ニムスチン、オクトレオチド、オルメロキシフェン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パリビズマブ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペンテトレオチド、ペントスタチン、ペルフォスファミド、ピポスルファン、ピラルビシン、プリカマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジン、プロパゲルマニウム、塩化プロスピジウム、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ランピルナーゼ、ラスブリカーゼ、ラゾキサン、リツキシマブ、リファンピシン、リトロスルファン、ロムルチド、ルボキシスタウリン、サルグラモスチム、サトラプラチン、シロリムス、ソブゾキサン、スピロムスチン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、タソネルミン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、チオテパ、チマルファシン、チアミプリン、トポテカン、トレミフェン、トラスツズマブ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリメトレキセート、トリプトレリン、トロフォスファミド、ウレデパ、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ボロゾール及びゼバリンが挙げられる。
【0277】
当業者は、その専門知識に基づいて、同時投与される付加的な治療剤の全日用量及び投与形を認識している。前記の全日用量は広い範囲で変更できる。
【0278】
本発明の実施において、本発明による化合物は、組合せ療法において、別々に、連続的に、同時に又は時間的にずらして(例えば組合せ単位投与形として、別々の単位投与形として、隣接した不連続な単位投与形として、固定組合せ物又は非固定組合せ物として、小分けキットとして又は混合物として)、1種以上の公知の抗癌剤又は標的特異的な抗癌剤、例えば前記の抗癌剤と一緒に投与してよい。
【0279】
ここでは、更に本発明は、少なくとも1種の本発明によるテトラヒドロピリドチオフェン化合物である第一の有効成分と、少なくとも1種の抗癌剤又は標的特異的抗癌剤、例えば前記のものの1種以上である第二の有効成分とを含有する、療法において、例えば良性又は悪性の挙動の過剰増殖疾病及び/又は哺乳動物におけるアポトーシスの誘発に反応を示す疾患、例えば前記に記載の疾病、例えば癌の治療、予防又は改善のために、別々に、連続的に、同時に又は時間的にずらして使用するための組合せ物に関する。
【0280】
本発明による用語“組合せ物”は、固定組合せ物、非固定組合せ物又は小分けキットとして存在してよい。
【0281】
“固定組合せ物”は、前記の第一の有効成分と第二の有効成分とが1つの単位用量で又は単一物で一緒に存在する組合せ物として定義される。“固定組合せ物”の一例は、前記の第一の有効成分と前記の第二の有効成分とが、例えば一製剤中に同時の投与のために混合物で存在する医薬組成物である。“固定組合せ物”のもう一つの例は、前記の第一の有効成分と前記の第二の有効成分とが、混合されることなく1つの単位で存在する医薬品組合せ物である。
【0282】
“小分けキット”は、前記の第一の有効成分と前記の第二の有効成分とが1単位より多くで存在する組合せ物として定義される。“小分けキット”の一例は、前記の第一の有効成分と前記の第二の有効成分とが別々に存在する組合せ物である。小分けキットの成分は、別々に、連続的に、同時に又は時間的にずらして投与してよい。
【0283】
更に本発明は、少なくとも1種の本発明によるテトラヒドロピリドチオフェン化合物である第一の有効成分と、少なくとも1種の抗癌剤又は標的特異的な抗癌剤、例えば前記の抗癌剤の1種以上である第二の有効成分、及び場合により製剤学的に認容性の担体又は希釈剤を含有する、療法において別々に、連続的に、同時に又は時間的にずらして使用するための医薬組成物に関する。
【0284】
更に、本発明は、a)本発明による少なくとも1種の化合物と製剤学的に認容性の担体又は希釈剤との配合物及びb)少なくとも1種の当該技術分野で知られる抗癌剤、例えば前記の1種以上の抗癌剤と製剤学的に認容性の担体又は希釈剤との配合物を含有する組合せ製品に関する。
【0285】
更に本発明は、本発明によるテトラヒドロピリドチオフェン化合物である第一の有効成分と製剤学的に認容性の担体又は希釈剤の調剤;当該技術分野で知られる抗癌剤及び/又は標的特異的な抗癌剤、例えば前記の抗癌剤の1つである第二の有効成分と製剤学的に認容性の担体又は希釈剤の調剤を含有する、療法において同時に、連続的に、別々に又は時間的にずらして使用するための小分けキットに関する。場合により、前記キットは、療法において、例えば過剰増殖疾病及び/又はアポトーシスの誘発に反応を示す疾患、例えば癌を治療するのに使用するための説明書を含む。
【0286】
更に本発明は、本発明による少なくとも1種の化合物と少なくとも1種の当該技術分野で知られる抗癌剤及び/又は標的特異的な抗癌剤とを含有する、同時に、連続的に又は別々に投与するための組合せ調剤に関する。
【0287】
更に本発明は、抗増殖活性及び/又はアポトーシス誘導活性を有する本発明による医薬品組合せ物又は医薬組成物に関する。
【0288】
加えて更に、本発明は、患者において、組合せ療法で、(過剰)増殖疾病及び/又はアポトーシスの誘発に反応を示す疾患を治療する方法において、それを必要とする患者に、本願に記載される組合せ物、組成物、製剤、調剤又はキットを投与することを含む方法に関する。
【0289】
加えて更に、本発明は、患者において、(過剰)増殖疾病及び/又はアポトーシスの誘発に反応を示す疾患を治療する方法において、組合せ療法において、別々に、同時に、連続的に又は時間的にずらして、本発明によるテトラヒドロピリドチオフェン化合物及び製剤学的に認容性の担体又は希釈剤を含有する製剤学的に有効かつ治療学的に有効かつ認容性の量の医薬組成物及び製剤学的に有効かつ治療学的に有効かつ認容性の量の1種以上の抗癌剤及び/又は標的特異的な抗癌剤、例えば前記の1種以上をそれを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
【0290】
加えて更に、本発明は、過剰増殖疾病、例えば癌及び/又はアポトーシスの誘発に反応を示す疾患、特に前記の疾病、例えば良性又は悪性の新形成を治療、予防又は改善するための医薬製品、例えば市販パッケージ又は医薬品の製造における、本発明による組成物、組合せ物、製剤、調剤又はキットの使用に関する。
【0291】
更に本発明は、1種以上の本発明による化合物を含有し、それと一緒に、1種以上の化学療法剤及び/又は標的特異的抗癌剤、例えば前記の任意のものと同時に、連続的に又は別々に使用するための説明書を含有する市販パッケージに関する。
【0292】
更に本発明は、唯一の有効成分としての1種以上の本発明による化合物を必須とし、それと一緒に、1種以上の化学療法剤及び/又は標的特異的抗癌剤、例えば前記の任意のものと同時に、連続的に又は別々に使用するための説明書を含有する市販パッケージに関する。
【0293】
更に本発明は、1種以上の化学療法剤及び/又は標的特異的抗癌剤、例えば前記の任意のものを含有し、それと一緒に、1種以上の本発明によるテトラヒドロピリドチオフェン化合物と同時に、連続的に又は別々に使用するための説明書を含有する市販パッケージに関する。
【0294】
本発明による組合せ療法の文脈で挙げられた組成物、組合せ物、調剤、製剤、キット又はパッケージは、また本発明による化合物1種以上及び/又は当該技術分野で知られる前述の抗癌剤及び/又は標的特異的な抗癌剤1種以上も含む。
【0295】
本発明による組合せ物又は小分けキットの第一の有効成分と第二の有効成分は、組合せ療法において、同時に、連続的に、別々に又は時間的にずらして使用するために後に一緒にされる別々の製剤(すなわち互いに独立している)として提供することができ、又は組合せ療法において、同時に、連続的に、別々に又は時間的にずらして使用するための組合せパッケージの別々のコンポーネントとして一緒に包装され一緒に存在することができる。
【0296】
本発明による組合せ物又は小分けキットの第一の有効成分と第二の有効成分の医薬製剤の型は同様であってよい、すなわち両方の成分は、別々の錠剤又はカプセル剤で製剤されているか、又は前記の医薬製剤の型は異なってよい、すなわち異なる投与形に適合せることができる、例えば一方の有効成分を錠剤又はカプセル剤として製剤し、もう一方を、例えば静脈内投与用に製剤する。
【0297】
本発明による組合せ物、組成物又はキットの第一の有効成分と第二の有効成分の量は、一緒になって、(過剰)増殖性疾患及び/又はアポトーシスの誘導に反応を示す疾患、特に前記の疾病の1つの治療、予防又は改善のために治療学的に有効な量を含む。
【0298】
更に、本発明による化合物は癌の術前又は術後の治療に使用することができる。
【0299】
更に加えて、本発明による化合物は放射線療法と組み合わせて使用することができる。
【0300】
本発明による組合せ物は、本発明による化合物と他の有効な抗癌剤との両者を固定組合せで含有する組成物(固定単位投与形)又は2種の有効成分を不連続な別々の投与形として含有する医薬品パッケージ(非固定組合せ物)を指すことができる。2種の有効成分を含有する医薬品パックの場合に、有効成分は、有利にはコンプライアンスの改善に適したブリスターカード中に入れられる。
【0301】
各ブリスターカードは、有利には一日の治療に摂取されるべき医薬品を含有する。それらの薬品が一日の異なる時点で摂取される場合には、これらの薬剤は、一日のなかでそれらが摂取される時間の種々の範囲に応じてブリスターカードの種々の区画に割り付けてよい。一日の特定の時点で一緒に摂取されるべき医薬品のためのブリスター空隙は一日の時間のそれぞれの範囲で調節される。一日の種々の時間は、もちろんまた明瞭に見えるようにブリスターに付けられる。またもちろん、例えば医薬品を摂取すべき期間を指示する、例えばそれらの時間を述べることも可能である。
【0302】
一日の区画は、ブリスターカードの1本の線に相当することがあり、そしてその際、一日の時間はこの列の時間的順序で確認される。
【0303】
一日の特定の時間で一緒に摂取せねばならない医薬品は、有利には距離を離さず、それらが容易にブリスターから押し出せ、そしてブリスターからその投与形を取り出すのを忘れないという趣旨で、ブリスターカードに適切な時間で一緒に配置される。
【0304】
本発明による医薬組成物又は組合せ物の投与は、この分野で利用できる一般的に許容される任意の様式で実施できる。好適な投与様式の実例は、例えば静脈内、経口、経鼻、非経口、局所、経皮及び直腸内の送達である。経口及び静脈内の送達が好ましい。
【0305】
皮膚病の治療のためには、本発明による化合物を、特に局所適用のために適当な医薬組成物の形で適用する。該医薬組成物の製造のために、本発明による化合物(=有効化合物)を有利には適当な製薬学的賦形剤と混合し、更に加工して適当な医薬品製剤を得る。適当な医薬品製剤は、例えば粉剤、乳剤、懸濁剤、スプレー剤、オイル剤、軟膏剤、脂肪軟膏剤、クリーム剤、ペースト剤、ゲル剤又は液剤である。
【0306】
本発明による医薬組成物は自体公知の方法によって製造される。有効化合物の投与は、アポトーシスインデューサーについて慣用のオーダーで行われる。従って皮膚病の治療のための局所適用形(例えば軟膏)は有効化合物を、例えば0.1〜99%の濃度で含有する。全身療法の場合の慣用の用量は、経口で0.3〜30mg/kg/日であり、静脈内で0.3〜30mg/kg/時間である。その都度必要とされる最適な投与計画及び投薬期間、特に有効化合物の用量及び投与様式の選択は、当業者によってその専門知識に基づいて決定することができる。
【0307】
生物学的調査
本願に記載の化合物の抗増殖活性/細胞毒性活性は、RKO(RKOp27)型ヒト結腸腺癌のサブクローン(Schmidt et al.,Oncogene 19,2423−2429;2000)において、Alamar社製のBlue cell viabilityアッセイ(O’Brien et al.Eur J Biochem 267,5421−5426,2000に記載される)を用いて試験できる。化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に20mMの溶液として溶解させ、引き続き片対数段階で希釈する。DMSO希釈物を更に1:100で、10%の仔ウシ血清を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中に希釈して、試験における最終濃度の2倍だけの最終濃度にする。RKOサブクローンを、96ウェル平底プレート中に、1ウェルあたり4000細胞の密度で、ウェルあたり50μlの容量で播種した。播種24時間後に、DMEM培地中の化合物希釈物それぞれ50μlを96ウェルプレートの各ウェルに添加する。各化合物希釈物を四重反復試験として試験する。未処理の対照細胞を含有するウェルを1%のDMSOを含有する50μlのDMEM培地で満たす。次いでこれらの細胞を物質と一緒に37℃で72時間、5%の二酸化炭素を含有する湿潤雰囲気中でインキュベートする。細胞の生存度を測定するために、10μlのアラマーブルー(バイオソース社)を添加し、そして544nmの吸光及び590nmの発光で蛍光を測定した。細胞生存度の計算のために、未処理の細胞からの蛍光値を100%の生存度に設定し、未処理の細胞の蛍光率を未処理の細胞の値について設定する。生存度は%値として表現する。
【0308】
高増殖活性/細胞毒性についての化合物の相応のIC50値を濃度−効果曲線から決定する。
【0309】
前記のアッセイで測定される抗増殖/細胞毒性についての代表的なIC50値を、表A(第一欄)に記載するが、そこでは化合物の番号が実施例の番号に相当する。
【0310】
本発明による表Aに列記される任意の又は全ての化合物並びにそれらの塩は、本発明の特に関心が持たれる対象として挙げられるべきである。
【0311】
表A 抗増殖活性/細胞毒性活性
【0312】
【表1】

【0313】
表A(続き)
【0314】
【表2】

【0315】
細胞周期に特異的な作用様式を測定するために、RKO型の結腸腺癌細胞のサブクローン(Schmidt他によってOncogene 19,2423−2429;2000に記載されるRKOp27又はRKOp21)を、96ウェル平底プレート中に、1ウェルあたり16000細胞の密度で、ウェルあたり50μlの容量で、10μMのポナステロンAを含有する10%PCSを有するDMEM成長培地中で播種する。播種24時間後に、DMEM培地中の化合物希釈物それぞれ50μlを96ウェルプレートの各ウェルに添加する。各化合物希釈物を四重反復試験として試験する。未処理の対照細胞を含有するウェルを1%のDMSOを含有する50μlのDMEM培地で満たす。次いでこれらの細胞を物質と一緒に37℃で72時間、5%の二酸化炭素を含有する湿潤雰囲気中でインキュベートする。細胞の生存度を測定するために、10μlのアラマーブルー(バイオソース社)を添加し、そして544nmの吸光及び590nmの発光で蛍光を測定した。細胞生存度の計算のために、未処理の細胞からの蛍光値を100%の生存度に設定し、未処理の細胞の蛍光率を未処理の細胞の値について設定する。生存度は%値として表現する。インデューサーのポナステロンAの不在下で発育した増殖細胞の生存度と、ポナステロンAによって誘導された異所性p27Kip1の発現によって停止した細胞の生存度とを比較する。この実験状況のデータを、表A(第二欄)にまとめる。
【0316】
別種の化学療法薬に対して高い耐性を有することが知られる細胞において抗増殖活性/細胞毒性活性を試験するために、HCT15細胞(P−糖タンパク質過剰を有する)及びMCF7 ADR細胞(その両者は一定種の多剤耐性トランスポーターを過剰発現することが知られている)を、前記のAlamar社製のBlueアッセイで使用する。簡潔には、化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に20mMの溶液として溶解させ、引き続き片対数段階で希釈する。DMSO希釈物を更に1:100で、10%の仔ウシ血清を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中に希釈して、試験における最終濃度の2倍だけの最終濃度にした。試験されるべき細胞を、96ウェル平底プレート中に、1ウェルあたり10000細胞の密度で、ウェルあたり50μlの容量で播種する。播種24時間後に、DMEM培地中の化合物希釈物それぞれ50μlを96ウェルプレートの各ウェルに添加する。各化合物希釈物を四重反復試験として試験する。未処理の対照細胞を含有するウェルを1%のDMSOを含有する50μlのDMEM培地で満たす。次いでこれらの細胞を物質と一緒に37℃で72時間、5%の二酸化炭素を含有する湿潤雰囲気中でインキュベートする。細胞の生存度を測定するために、10μlのアラマーブルー(バイオソース社)を添加し、そして544nmの吸光及び590nmの発光で蛍光を測定した。細胞生存度の計算のために、未処理の細胞からの蛍光値を100%の生存度に設定し、未処理の細胞の蛍光率を未処理の細胞の値について設定する。生存度は%値として表現する。アポトーシスの誘発は、細胞死検出ELISA(ロシュ・バイオケミカルズ社、マンハイム、ドイツ)を用いて測定できる。RKOサブクローンを、96ウェル平底プレート中に、1ウェルあたり10000細胞の密度で、ウェルあたり50μlの容量で播種した。播種24時間後に、DMEM培地中の化合物希釈物それぞれ50μlを96ウェルプレートの各ウェルに添加する。各化合物の希釈物は少なくとも三重反復試験で試験する。未処理の対照細胞を含有するウェルを1%のDMSOを含有する50μlのDMEM培地で満たす。次いでこれらの細胞を物質と一緒に37℃で24時間、5%の二酸化炭素を含有する湿潤雰囲気中でインキュベートする。アポトーシスの誘発についてのポジティブコントロールとして、細胞を50μMのシスプラチン(Gry Pharmaceuticals,Kirchzarten,ドイツ)で処理する。次いで培地を除去し、細胞を200μlの溶解バッファー中で溶解させる。製造元によって記載されるように遠心分離した後に、10μlの細胞溶解物をプロトコールに記載されるように処理する。アポトーシスの程度は以下のように計算する:
50μMのシスプラチンで処理された細胞からの溶解物で得られた405nmでの吸光度を100cpu(シスプラチン単位)として設定し、一方で405nmでの吸光度0.0を0.0cpuとして設定した。アポトーシスの程度は、50μMのシスプラチンで処理された細胞から得られた溶解物で達成された100cpuの値に対するcpuとして表現される。
【0317】
有糸分裂に制限された活性を、メチレンブルー/エオシン染色キット(メルク社、ドイツ・ダルムシュタット在)を用いて測定できる。RKOサブクローンを、6ウェル組織培養プレート中に、1ウェルあたり200000細胞の密度で、ウェルあたり2mlの容量で播種する。播種24時間後に、それぞれの化合物を、1%までのDMSOを含有するDMEM中に希釈して、各6ウェルプレート上に添加する。次いでこれらの細胞を物質と一緒に37℃で24時間、5%の二酸化炭素を含有する湿潤雰囲気中でインキュベートする。有糸分裂の誘導のためのポジティブコントロールとして、細胞を20nMのビンクリスチン又はパクリタキセルで処理する。次いで細胞を、トリプシン処理と引き続きの遠心分離によって回収し、そしてリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄する。引き続き、細胞を、顕微鏡スライド上で1200rpmで1分間サイトスピンを用いて遠心する。次いで、細胞をメタノールで固定し、そしてメチレンブルーとエオシンによって製造元の推奨に従って染色する。有糸分裂像は、次いで標準的な顕微鏡によって可視化することができる。
【0318】
有糸分裂に制限された活性を測定するもう一つの方法は、有糸分裂の一般に認められたマーカーであるリン酸化ヒストンH3に特異的な抗体で細胞抽出物をイムノブロッティングすることでありうる。RKOサブクローンを、6ウェル組織培養プレート中に、1ウェルあたり200000細胞の密度で、ウェルあたり2mlの容量で播種する。播種24時間後に、それぞれの化合物を、1%までのDMSOを含有するDMEM中に希釈して、各6ウェルプレート上に添加する。次いでこれらの細胞を物質と一緒に37℃で更に24時間、5%の二酸化炭素を含有する湿潤雰囲気中でインキュベートする。有糸分裂の誘導のためのポジティブコントロールとして、細胞を20nMのビンクリスチン又はパクリタキセルで処理する。次いで細胞を、トリプシン処理と引き続きの遠心分離によって回収し、そしてリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄する。引き続き、細胞を、50mMのTris(pH7.4)、150mMのNaCl、1%のNP−40、50mMのNaF、1mMのNaVO、1mMのフェニルメチルスルホニルフルオリドを含有する溶解バッファー中で溶解させる。溶解物を、遠心分離によって澄明化し、そして上清を回収する。当量の溶解物タンパク質を、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動において、12.5%のゲルを用いて分離させ、引き続きイモビロンメンブレン(ミリポア社、ドイツ・シュヴァルバッハ在)上でブロッティングする。該メンブレンを、0.05%のtween20を含有するTris緩衝生理食塩水中3%のウシ血清アルブミン中でインキュベートすることによって非特異的結合部位をブロッキングした後に、ホスホ−ヒストンH3に特異的な抗体(Cell Signaling Technology,米国・ベヴァリー在)を1時間にわたり添加した。0.05%のtween20を含有するTris緩衝生理食塩水で激しく洗浄した後に、特異的なシグナルを、セイヨウワサビ−ペルオキシダーゼ結合二次抗体を用いて、ECL化学発光検出キット(アマシャム社、ドイツ・ブラウンシュヴァイク在)を使用して製造元の推奨に従って可視化させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
Raは、−C(O)R1、−C(O)OR2、−C(O)SR2、−C(O)N(R3)R4、−S(O)R1又は−S(O)N(R3)R4であり;
Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであるか、または
Rbは、Cycであるか、もしくは
Rbは、クロメニルであり、その際、
R1、R2及びR3は、同一又は異なってよく、かつ水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetのそれぞれは、非置換又はR5から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
それぞれのR4は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル及びC〜C−シクロアルキルのそれぞれは、非置換又はR5から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
R5、Rba、Rbb、Rbc、Rca及びRcbは、同一又は異なってよく、かつC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har、Het、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、グアニジノ、アミジノ、−C(O)R6、−C(O)OR7、−C(O)N(R8)R9、−S(O)R6、−S(O)N(R8)R9、−N(R10)C(O)R6、−N(R10)C(O)OR7、−N(R10)C(O)N(R8)R9、−N(R10)S(O)R6、−N(R10)S(O)N(R8)R9、−OC(O)R6、−OC(O)N(R8)R9、−OR7、−N(R8)R9及び−SR7からなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetのそれぞれは、非置換又はR11から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
R6、R7及びR8は、同一又は異なってよく、かつ水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、Ar、Har及びHetのそれぞれは、非置換又はR12から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
それぞれのR9は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルからなる群から無関係に選択され、その際、前記のC〜C−アルキル及びC〜C−シクロアルキルのそれぞれは、非置換又はR12から無関係に選択される少なくとも1個の置換基によって場合により置換されていてよく;
それぞれのR10は、水素、C〜C−アルキル及びC〜C−シクロアルキルからなる群から無関係に選択され;R11は、前記のR5からなる群から選択され;
それぞれのR12は、前記のR5からなる群から無関係に選択され;
それぞれのArは、フェニル及びナフチルから無関係に選択され;
それぞれのHarは、無関係に、任意の完全に芳香族の又は部分的に芳香族の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系であり、
第一の構成成分は、5員又は6員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール環Aであり、該ヘテロアリール環Aは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、
第二の構成成分は、ベンゾ基、ここで定義される任意のC〜C−シクロアルカン基、ここで定義される任意の付加的なヘテロアリール環A又はここで定義される任意の複素環式の環Bであり、その際、
前記のHar環又は環系は、置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合され;
それぞれのHetは、無関係に、任意の完全に飽和の又は部分的に不飽和の単環式又は縮合二環式の環又は環系であって、第一の構成成分と、場合により該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る環又は環系であり、
第一の構成成分は、3員ないし7員の単環式の完全に飽和の又は部分的に不飽和の非芳香族性の複素環式の環Bであり、該複素環式の環Bは、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、かつ該複素環式の環Bは、1又は2個のオキソ基によって場合により置換されており、
第二の構成成分は、ベンゾ基、ここで定義される任意のC〜C−シクロアルカン基又はここで定義される任意の付加的な複素環式の環Bであり、その際、
前記のHet環又は環系は、置換可能な環炭素原子又は環窒素原子を介して、親分子基に結合され;
Cycは、式W
【化2】

で示される基であり、その際、
Gは、Rda及び/又はRdbによって場合により置換されており、かつ−N(Rdc)−、酸素及び硫黄からなる群から無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有する5員又は6員の飽和の複素環式の環であり、その際、
Rdaは、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、
Rdbは、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、
それぞれのRdcは、水素、C〜C−アルキル及びC〜C−アルキルカルボニルからなる群から無関係に選択され、その際、前記のCyc環系は、置換可能なベンゾ環炭素原子を介して、親分子基に結合される]で示される化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物。
【請求項2】
請求項1記載の化合物であって、式中
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、R5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニル、グアニジノ、カルバモイル、カルボキシル、ジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル、ジ−C〜C−アルキルアミノ、ウレイド、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル又はC〜C−アルコキシエトキシであるか;又は
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、R5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル、ジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル又はC〜C−アルコキシエトキシであるか;又は
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、R5によって置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル、ジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル又はC〜C−アルコキシエトキシであるか;又は
Raは、−C(O)R1、−C(O)OR2又は−C(O)SR2であり、その際、
R1、R2及びR3は、同一又は異なってよく、かつR5によって置換されたC〜C−アルキルからなる群から無関係に選択され、その際、
R5は、Har又はHetであり、その際、
第一の選択肢においては、
Harは、インドリル、チオフェニル、N−メチル−イミダゾリル、メチル−チアゾリル又はイミダゾリル、例えばインドール−2−イル、インドール−3−イル、4−メチル−チアゾール−5−イル、1−N−メチル−イミダゾール−5−イル、1−N−メチル−イミダゾール−4−イル、1−NH−イミダゾール−4−イル又はイミダゾール−1−イルであるか、もしくは
第二の選択肢においては、
Harは、ピリジル又はピラジニルであるか、もしくは
第三の選択肢においては、
Hetは、ピペリジニル、モルホリニル、N−メチル−ピペラジニル又はピロリジニル、例えばピペリジン−1−イル、モルホリノ、4−N−メチル−ピペラジン−1−イル又はピロリジン−1−イルであるか、もしくは
第四の選択肢においては、
Hetは、1,3−ベンゾジオキソリルであるか、もしくは
R1、R2及びR3は、同一又は異なってよく、かつC〜C−アルキルからなる群から無関係に選択される、化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物。
【請求項3】
請求項1記載の化合物であって、式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、メチル、プロピル、ヘキシル、R5で置換されたプロピル又はR5で置換されたエチルであり、その際、
R5は、カルバモイル、メトキシ、メトキシカルボニル又はアセチル、又はインドール−2−イル又はチオフェン−2−イルであるか;又は
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル、t−ブチル、ペンチル又はR5で置換されたエチルであり、その際、
R5は、メトキシ又は4−メチル−チアゾール−5−イルであるか;又は
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、エチルである、化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物。
【請求項4】
請求項1記載の化合物であって、式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、エチルである、化合物及びそれらの塩。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項記載の化合物であって、式中、
第一の実施態様においては、
Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであり、その際、
Harは、酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、1又は2個の窒素原子を有する6員の単環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、場合によりベンゼン環部を有し、かつ酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する10員の縮合二環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であるか、もしくは
Harは、場合によりベンゼン環部を有し、かつ酸素、窒素及び硫黄から無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する11員の縮合二環式の不飽和の芳香族のヘテロアリール基であり、その際、
前記のHar環又は環系は、親分子基に置換可能な環炭素原子を介して結合されており、かつ
Rcaは、C〜C−アルキル、ハロゲン、フェニル、ニトロ及びフェニルスルホニルのいずれかであり、
Rcbは、C〜C−アルキル及びハロゲンのいずれかであるか;又は
第二の実施態様においては、
Rbは、Cycであり、その際、
Cycは、1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル又は2,3−ジヒドロベンゾフラニルであり、その際、
前記のCyc環系は、親分子基に置換可能なベンゾ環炭素原子を介して結合されているか;又は
第三の実施態様においては、
Rbは、クロメニルである、化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物。
【請求項6】
請求項1から4までのいずれか1項記載の化合物であって、式中、
Rbは、3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル、3−フェニル−5−メチル−イソキサゾール−4−イル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ピリジル、ピラジニル、(メチル)−チオフェニル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,3−ベンゾジオキソール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル及びクロメニルである、化合物及びそれらの塩。
【請求項7】
請求項1から4までのいずれか1項記載の化合物であって、式中、
Rbは、ピリジン−3−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル又はベンゾフラン−6−イルである、化合物及びそれらの塩。
【請求項8】
式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際
R1は、C〜C−アルキルであるか、もしくは
R1は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ、(C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ)−C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル−C〜C−アルコキシ、フェノキシ、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、チアゾリル、オキサゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル、フェニル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル、アミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4N−(C〜C−アルキル)−ピペラジノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル、カルバモイル、ウレイド、グアニジノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ又はC〜C−アルキルカルボニルアミノであり、その際、前記のピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル基、イミダゾロ基、ピラゾロ基又はフェニル基のそれぞれは、単独で又は別の基の一部として、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されていてよいか、もしくは
R1は、2個のヒドロキシル基によって異なる炭素原子上で置換されたC〜C−アルキルであるか、もしくは
R1は、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルによって置換されたC〜C−アルキルであるか;又は
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、チアゾリル、オキサゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル、フェニル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル又はカルバモイルであり、その際、前記のピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル基又はフェニル基のそれぞれは、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されていてよいか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ、(C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ)−C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル−C〜C−アルコキシ、フェノキシ、アミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4N−(C〜C−アルキル)−ピペラジノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、ウレイド、グアニジノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ又はC〜C−アルキルカルボニルアミノであり、その際、前記のイミダゾロ基、ピラゾロ基又はフェニル基のそれぞれは、単独で又は別の基の一部として、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されていてよいか、もしくは
R2は、2個のヒドロキシル基によって異なる炭素原子上で置換されたC〜C−アルキルであるか、もしくは
R2は、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルによって置換されたC〜C−アルキルであるか;又は
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、C〜C−アルキルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、チアゾリル、オキサゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル、フェニル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノカルボニル又はカルバモイルであり、その際、前記のピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−イミダゾリル基、1N−(C〜C−アルキル)−ピラゾリル基又はフェニル基のそれぞれは、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されていてよいか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたC〜C−アルキルであり、その際、
R5は、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ、(C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ)−C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル−C〜C−アルコキシ、フェノキシ、アミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4N−(C〜C−アルキル)−ピペラジノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、ウレイド、グアニジノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ又はC〜C−アルキルカルボニルアミノであり、その際、前記のイミダゾロ基、ピラゾロ基又はフェニル基のそれぞれは、単独で又は別の基の一部として、非置換又はハロゲン、C〜C−アルコキシ、ニトロ及びC〜C−アルキルから無関係に選択される1又は2個の置換基によって場合により置換されていてよく;かつ
Rbは、Rca及び/又はRcbによって場合により置換されており、かつHarであるか、もしくは
Rbは、Cycであるか、もしくは
Rbは、クロメニルであり、その際、
Harは、
窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有する5員の単環式のヘテロアリール基、もしくは
1又は2個の窒素原子を有する6員の単環式のヘテロアリール基、もしくは
窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有する9員の縮合二環式のヘテロアリール基、もしくは
窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有する10員の縮合二環式のヘテロアリール基であり、その際、
前記のHar基は、親分子基に環炭素原子を介して結合されており、
Cycは、1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソリル、2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソリル、クロマニル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾフラニルであり、その際、前記のCyc環系は、親分子基に置換可能なベンゾ環炭素原子を介して結合されており、
Rcaは、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、フェニル、フェノキシ又はモルホリノであり、
Rcbは、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、請求項1記載の化合物及びそれらの塩。
【請求項9】
式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、メチル、エチル、プロピル又はブチルであるか、もしくは
R1は、R5によって一置換されたメチル、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ、ヒドロキシル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、チアゾリル、オキサゾリル、1N−メチル−イミダゾリル、1N−メチル−ピラゾリル、フェニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルボキシル、ジメチルアミノカルボニル、モルホリノ、カルバモイル、ウレイド、グアニジノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、エチルカルボニルオキシ又はメチルカルボニルオキシであるか、もしくは
R1は、プロピル又はブチルであり、そのそれぞれは、2個のヒドロキシル基によって異なる炭素原子上で置換されているか、もしくは
R1は、メチル又はエチルであり、そのそれぞれは、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルによって置換されているか;又は
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル、プロピル又はブチルであるか、もしくは
R2は、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、(C〜C−アルコキシカルボニル)−フェニル又は(C〜C−アルコキシ)−フェニルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたメチル、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、1N−メチル−イミダゾリル、1N−メチル−ピラゾリル、フェニル、(C〜C−アルコキシ)−フェニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルボキシル、ジ−メチルアミノカルボニル又はカルバモイルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ、ヒドロキシル、ベンジルオキシ、フェノキシ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4N−(メチル)−ピペラジノ、ジメチルアミノ、イミダゾロ、トリアゾロ、ピラゾロ、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、メチルカルボニルアミノ又はエチルカルボニルアミノであるか、もしくは
R2は、プロピル又はブチルであり、そのそれぞれは、2個のヒドロキシル基によって異なる炭素原子上で置換されているか、もしくは
R2は、メチル又はエチルであり、そのそれぞれは、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルによって置換されているか;又は
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はペンチルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたメチル、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、ピリジルであるか、もしくは
R2は、R5によって一置換されたエチル又はR5によって一置換されたプロピルであり、その際、
R5は、ヒドロキシル、メトキシ又はエトキシであり;かつ
Rbは、Rcaによって置換されており、かつチオフェニル、フラニル、ピリジル又は(フェニル)−イソキサゾリルであるか、もしくは
Rbは、非置換であり、かつチオフェニル、フラニル、ピリジル、ベンゾフラニル又はベンゾチオフェニルであるか、もしくは
Rbは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,3−ベンゾジオキソール−4−イル、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−6−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イルであるか、もしくは
Rbは、クロメニルであり、その際、
Rcaは、メチル又はエチルである、請求項1記載の化合物及びそれらの塩、溶媒和物又はそれらの塩の溶媒和物。
【請求項10】
式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)R1であり、その際、
R1は、メチル、エチル又はプロピルであるか、もしくは
R1は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ、ヒドロキシル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾロ、ピラゾロ又はメチルカルボニルオキシであるか、もしくは
R1は、2,3−ジヒドロキシ−プロピルであるか;又は
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル又はプロピルであるか、もしくは
R2は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、ピリジル、ピラジニル又はピリミジニルであるか、もしくは
R2は、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ、ヒドロキシル、イミダゾロ、ピラゾロ又はメチルカルボニルオキシであるか、もしくは
R2は、2,3−ジヒドロキシ−プロピルであるか;又は
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、メチル、エチル又はプロピルであるか、もしくは
R2は、(R5)−メチル、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、ピリジルであるか、もしくは
R2は、2−(R5)−エチル又は3−(R5)−プロピルであり、その際、
R5は、ヒドロキシルであり;かつ
Rbは、Rcaによって置換されており、かつチオフェニル又はフラニルであるか、もしくは
Rbは、非置換であり、かつチオフェニル、フラニル、ピリジル、ベンゾフラン−4−イル、ベンゾフラン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル又はベンゾフラン−7−イルであるか、もしくは
Rbは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,3−ベンゾジオキソール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イルであり、その際、
Rcaは、メチルである、請求項1記載の化合物及びそれらの塩。
【請求項11】
式Iで示され、その式中、
Raは、−C(O)OR2であり、その際、
R2は、エチルであるか、もしくは
Raは、−C(O)SR2であり、その際、
R2は、エチルであり;かつ
Rbは、メチルによって置換されており、かつチオフェン−2−イル又はチオフェン−3−イルであり、特に5−メチル−チオフェン−2−イルであるか、もしくは
Rbは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ベンゾフラン−4−イル、ベンゾフラン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル又はベンゾフラン−7−イル、特にピリジン−3−イル又はベンゾフラン−6−イルであるか、もしくは
Rbは、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル、特に2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−イルである、請求項1記載の化合物及びそれらの塩。
【請求項12】
疾病の治療に使用するための、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
請求項1記載の1種以上の化合物と一緒に慣用の医薬品賦形剤及び/又はビヒクルを含有する医薬組成物。
【請求項14】
請求項1記載の化合物を、哺乳動物における良性又は悪性挙動の過剰増殖疾病及び/又はアポトーシスの誘導に反応を示す疾患、例えば良性又は悪性の新形成、例えば癌の治療、予防又は改善において使用するための医薬組成物の製造のために用いる使用。
【請求項15】
患者における良性又は悪性の挙動の過剰増殖疾病及び/又はアポトーシスの誘導に反応を示す疾患、例えば癌を治療する方法において、前記患者に、請求項1記載の化合物の治療学的有効量を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2008−501668(P2008−501668A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513968(P2007−513968)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052570
【国際公開番号】WO2005/118592
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(507229021)ニコメッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (90)
【氏名又は名称原語表記】Nycomed GmbH
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2, D−78467 Konstanz, Germany
【Fターム(参考)】