説明

癌感受性および欠陥のあるDNA修復機構の診断方法および組成物、ならびにそれらを治療するための方法および組成物

【課題】癌感受性、欠陥のあるDNA修復機構の診断方法および組成物、ならびにそれらを治療するための方法および組成物の提供。
【解決手段】FANCD2遺伝子、該遺伝子に基づく試験において患者をスクリーニングするためのプローブおよびプライマー、ならびにファンコニ貧血および癌について診断するためのプローブおよびプライマー。FANCD2遺伝子を、欠陥のあるDNA修復に関連する病態を治療するための新規治療薬のスクリーニングにおいて実験マウスモデルを調製するためにインビボで標的とする。2つのアイソフォームを識別するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を調製し、対象が無傷ファンコニ貧血/BRCA経路を有するかどうかを決定するための診断学的検査において使用する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が癌を有するかどうか、もしくは患者の発癌リスクが増加しているかどうかを診断または決定する方法であって、前記方法が癌関連性欠陥の存在についてファンコニ貧血/BRCA経路遺伝子を検査するステップを含み、このとき1以上の前記癌関連性欠陥の存在が前記患者における癌または癌のリスクの増加を示す方法。
【請求項2】
前記癌が乳癌、卵巣癌、または前立腺癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記癌関連性欠陥が、ファンコニ貧血/BRCA経路遺伝子内の1以上の癌関連性欠陥を有していない患者における比率に比較してFANCD2−Sに対するFANCD2−Lの比率の低下を生じさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
患者が癌を有するかどうか、もしくは患者の発癌リスクが増加しているかどうかを診断または決定する方法であって、前記方法が癌関連性欠陥の存在についてファンコニ貧血/BRCA経路タンパク質を検査するステップを含み、ここで、前記癌関連性欠陥の存在が前記患者における癌または癌のリスクの増加を示す方法。
【請求項5】
前記癌が乳癌、卵巣癌、または前立腺癌である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
患者の発癌リスクが増加しているかどうかを診断または決定する方法であって:
(a)前記患者由来の組織サンプルを提供するステップと;
(b)前記組織サンプルの細胞内でDNA損傷を誘発するステップと;
(c)前記細胞内のFANCD2−SおよびFANCD2−Lタンパク質の存在についてアッセイするステップと;
を含み、ここで、FANCD2−L対FANCD2−Sの比率の低下が前記患者の発癌リスクの増加を示す方法。
【請求項7】
前記癌が乳癌、卵巣癌、または前立腺癌である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記患者が、BRCA−1またはBRCA−2遺伝子内に既知の癌関連性欠陥を有していない、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記患者が、BRCA−1またはBRCA−2遺伝子内に1以上の癌関連性欠陥を有している、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
複数の前記組織サンプルがアレイに分配されている、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
患者が癌を有するかどうか、または患者の発癌リスクが増加しているかどうかを決定する方法であって、ここで、前記患者がBRCA−1またはBRCA−2遺伝子内に既知の癌を誘発する欠陥を有しておらず、前記方法が:
(a)前記患者からDNAサンプルを提供するステップと;
(b)前記患者由来のFANCD2遺伝子を、配列番号115〜186のFANCD2遺伝子特異的ポリヌクレオチドプライマーを用いて増幅させるステップと;
(c)増幅したFANCD2遺伝子を配列決定するステップと;
(d)前記患者由来のFANCD2遺伝子配列を対照標準FANCD2遺伝子配列と比較し、ここで、2つの遺伝子配列間の不一致が癌関連性欠陥の存在を示すステップと、
を含み、ここで1以上の癌関連性欠陥の存在が、前記患者が癌であること、または患者の発癌リスクが増加していることを示す方法。
【請求項12】
前記癌が乳癌、卵巣癌、または前立腺癌である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記患者が、BRCA−1またはFANC−D1/BRCA−2遺伝子内に既知の癌関連性欠陥を有していない、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記患者が、BRCA−1またはFANC−D1/BRCA−2遺伝子内に1以上の癌関連性欠陥を有している、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
複数の前記DNAサンプルがマイクロアレイに分配されている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
化学感作剤をスクリーニングする方法であって、前記方法が:
(a)ファンコニ貧血/BRCA経路の潜在的阻害剤を提供するステップと;
(b)1以上の抗腫瘍剤に耐性である腫瘍細胞系を提供するステップと;
(c)前記腫瘍細胞系およびファンコニ貧血/BRCA経路の前記潜在的阻害剤および前記1以上の抗腫瘍剤を接触させるステップと;および
(d)ファンコニ貧血/BRCA経路の前記阻害剤および前記抗腫瘍剤の存在下で前記腫瘍細胞系の増殖率を測定するステップと;
を含み、このとき前記抗腫瘍剤の存在下およびファンコニ貧血/BRCA経路の前記阻害剤の不存在下における腫瘍細胞系の細胞に比較した前記腫瘍細胞系の増殖率の低下が、前記潜在的阻害剤が化学増感剤であることを示す方法。
【請求項17】
ファンコニ貧血/BRCA経路の前記潜在的阻害剤がマイクロアレイでスクリーニングすることができ、このとき前記マイクロアレイが、1以上の抗腫瘍剤に耐性である1以上の細胞を含有するアドレスを含有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ファンコニ貧血/BRCA経路の前記潜在的阻害剤が、FANCD2タンパク質のユビキチン化の阻害剤である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記抗腫瘍剤がシスプラチンである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記腫瘍細胞系が卵巣癌細胞系である、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
癌を有する患者を治療する方法であって、前記癌が抗腫瘍剤に耐性であり、前記方法が治療的有効量のファンコニ貧血/BRCA経路阻害剤を前記抗腫瘍剤と一緒に投与するステップを含む方法。
【請求項22】
前記抗腫瘍剤がシスプラチンである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ファンコニ貧血/BRCA経路の前記潜在的阻害剤がFANCD2タンパク質のユビキチン化の阻害剤である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記腫瘍細胞系が卵巣癌細胞系である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
癌治療薬をスクリーニングする方法であって、前記方法が:
(a)1以上の癌関連性欠陥を有するファンコニ貧血/BRCA経路遺伝子を含有する1以上の細胞を提供するステップと;
(b)潜在的癌治療薬の存在下で前記細胞を増殖させるステップと;
(c)前記潜在的癌治療薬の不存在下で増殖した同等の細胞の増殖率に比較した、前記潜在的癌治療薬の存在下における前記細胞の増殖率を決定するステップと;
を含み、このとき前記潜在的癌治療薬の不存在下で増殖した同等の細胞の増殖率に比較した前記潜在的癌治療薬の存在下における前記細胞の増殖率の低下が、前記潜在的癌治療薬が癌治療薬であることを示す方法。
【請求項26】
1以上の癌関連性欠陥を有するファンコニ貧血/BRCA経路遺伝子を含有している前記細胞がアレイにおいて分配されている、請求項26に記載の方法。
【請求項27】
癌患者における治療薬の有効性を予測する方法であって、前記方法が:
(a)前記治療薬を用いて治療されている前記癌患者由来の組織サンプルを提供するステップと;
(b)前記組織サンプルの細胞内でDNA損傷を誘発するステップと;
(c)前記細胞内のFANCD2−Lタンパク質の存在を検出するステップと;
を含み、ここで、FANCD2−Lの存在が前記癌患者における前記治療薬の有効性の低下を表す方法。
【請求項28】
前記治療薬がシスプラチンである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
抗腫瘍剤に対する腫瘍細胞の耐性を決定する方法であって:
(a)抗腫瘍剤を用いて治療されている患者由来の組織サンプルを提供するステップと;
(b)前記組織サンプルの細胞内でDNA損傷を誘発するステップと;
(c)ファンコニ貧血/BRCA経路遺伝子のメチル化状態を測定するステップと;
を含み、このときファンコニ貧血/BRCA経路遺伝子のメチル化が抗腫瘍剤に対する腫瘍細胞の耐性を示す方法。
【請求項30】
前記ファンコニ貧血/BRCA遺伝子がFANCF遺伝子である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記抗腫瘍剤がシスプラチンである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
FANCD2遺伝子における欠陥を検出するためのキットであって、FANCD2遺伝子に対して特異的なポリヌクレオチドプライマー対、対照標準FANCD2遺伝子配列およびそのためのパッケージング材料を含むキット。
【請求項33】
FANCD2−Lの存在を検出するためのキットであって、FANCD2−L特異的抗体およびそのためのパッケージング材料を含むキット。
【請求項34】
ファンコニ貧血/BRCA経路遺伝子のメチル化状態を測定するためのキットであって、FANCD2ポリヌクレオチドプライマー対およびプローブ、対照非メチル化標準FANCD2遺伝子配列およびそのためのパッケージング材料を含むキット。
【請求項35】
化学感作剤についてスクリーニングするためのキットであって、1以上の抗腫瘍剤に耐性である腫瘍細胞系およびそのためのパッケージング材料を含むキット。
【請求項36】
前記腫瘍細胞系が卵巣癌細胞系である、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
前記卵巣癌細胞系がシスプラチン耐性卵巣癌細胞系である、請求項36に記載のキット。
【請求項38】
前記抗腫瘍剤がシスプラチンである、請求項36に記載のキット。
【請求項39】
1以上のファンコニ貧血/BRCA経路遺伝子からの1以上の核酸配列を含有するマイクロアレイ。
【請求項40】
前記遺伝子が、ATM、FANCA、FANCB、FANCC、FANCD1、FANCD2、FANCE、FANCFおよびFANCGからなる群より選択される、請求項39に記載のマイクロアレイ。
【請求項41】
患者が癌を有するかどうか、または患者の発癌リスクが増加しているかどうかを決定する方法であって、前記方法が:
(a)請求項39のマイクロアレイを提供するステップと;
(b)前記患者から核酸サンプルを提供するステップと;
(c)前記核酸サンプルを前記マイクロアレイにおけるファンコニ貧血/BRCA経路からの前記核酸配列にハイブリダイズさせるステップと;
(d)前記患者由来の核酸サンプルにおけるファンコニ貧血/BRCA経路遺伝子内の突然変異の存在を検出するステップと;
を含み、ここで、突然変異の存在についての前記検出が、癌を有する患者であるか、または発癌リスクが増加している患者を示す方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A.B】
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【図3A】
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【図3B.C】
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【図3D.E】
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【図4A.B.C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A.B】
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【図6A.B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A.B.C】
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【図10D.E.F】
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【図11A.B.C】
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【図12A.B.C】
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【図13A.B】
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【図14】
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【図15】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図16F】
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【図16G】
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【図16H】
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【図16I】
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【図16J】
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【図17】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図17F】
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【図18】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−39100(P2009−39100A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−177945(P2008−177945)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【分割の表示】特願2003−541425(P2003−541425)の分割
【原出願日】平成14年6月6日(2002.6.6)
【出願人】(592090692)ダナ ファーバー キャンサー インスティテュート (20)
【出願人】(503061809)オレゴン ヘルス アンド サイエンス ユニバーシティ (7)
【Fターム(参考)】