説明

発光ダイオードおよび光再循環を利用して出力放射輝度を高める照明システム

照明システムは、光再循環エンベロープ内に少なくとも部分的に収容される光源を有する。光源は、光を放出する発光ダイオードであり、その光の一部分は開口を通して光再循環エンベロープから出射する。照明システムから出射する光の出力放射輝度を向上させるために、光再循環エンベロープは、光源によって放出された光の一部を光源に再循環させる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、参照により本明細書に組み込まれる「ILLUMINATION SYSTEMS UTILIZING HIGHLY REFLECTIVE LIGHT EMITTING DIODES AND LIGHT RECYCLING TO ENHANCE BRIGHTNESS」と称する米国特許出願第10445136号の一部継続出願である。本願はまた、「ILLUMINATION SYSTEMS UTILIZING MULTIPLE WAVELENGTH LIGHT RECYCLING」と称する米国特許出願第 号および「PROJECTION DISPLAY SYSTEMS UTILIZING LIGHT EMITTING DIODES AND LIGHT RECYCLING」と称する米国特許出願第 号にも関連し、それらは両方とも本願と同時に提出され、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、発光ダイオード(LED)を組み込んだ照明システムに関する。発光ダイオードは無機発光ダイオードおよび有機発光ダイオード(OLED)を含む。
【背景技術】
【0003】
照明システムは、スタンドアロン光源、またはより複雑な光学システム用の内部光源のいずれかとして使用される。照明システムを利用するか組み込んだ光学システムの例として、投写型ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、アビオニクスディスプレイ、自動車照明、住居用照明、商業用照明、および工業用照明用途が挙げられる。
【0004】
多くの用途は、高輝度および小さい有効発光面積を持つ照明システムを必要とする。高輝度および小さい有効発光面積を持つ従来の光源の一例として、キセノンアークランプまたは水銀アークランプのようなアークランプ光源がある。アークランプ光源は数平方ミリメートルもの小さい発光面積を持つことができる。高輝度および小さい有効光源面積を持つ照明システムを利用することのできる複雑な光学システムの一例として、投写型テレビジョンディスプレイがある。現在の投写型テレビジョンディスプレイは一般的に、投写レンズを使用して3つの小さい赤、緑、および青色陰極線管(CRT)装置の結合画像をビューイングスクリーン上に投写する。より最近の設計は時々、小面積のアークランプ光源を使用して液晶ディスプレイ(LCD)、液晶オンシリコン(LCOS)装置、またはデジタルライトプロセッサ(DLP)装置からの画像をビューイングスクリーン上に投写する。LED光源は充分な出力輝度を持たないので、LEDのような光源は現在、投写型テレビジョンディスプレイには使用されない。
【0005】
技術用語の輝度(brightness)は、放射測定単位または測光単位のいずれかで定義することができる。放射測定単位系では、光フラックスまたは放射束の単位はワットで表わされ、輝度の単位は放射輝度(radiance)と呼ばれ、それは1ステラジアン当たり1平方メートル当たりのワット数と定義される(ステラジアンは立体角の単位である)。しかし、人間の目は一部の波長の光(例えば緑色光)に対し、他の波長(例えば青色または赤色光)に対するより敏感である。測光系は人間の目の反応を考慮に入れるように設計されており、したがって測光系の輝度は、人間の目によって観察される輝度である。測光系では、人間の目で知覚される光フラックス(light flux)の単位は光束(luminous flux)と呼ばれ、ルーメン単位で表わされる。輝度の単位はルミナンス(luminance)と呼ばれ、それは1ステラジアン当たり1平方メートル当たりのルーメン数と定義される。人間の目は約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの波長範囲の光だけを感じる。約400ナノメートル未満または約700ナノメートルを越える波長を有する光は、放射輝度値に関係なく、零ルミナンスを有する。
【0006】
米国特許出願第10445136号では、輝度向上はルミナンス向上のみを指してした。ルミナンスは、400ないし700ナノメートルの可視波長範囲に対してのみ非零であるので米国特許出願第10445136号は400ないし700ナノメートル波長範囲でのみ有効である。しかし、本願では、輝度向上は放射輝度の向上を指しており、光学スペクトル全体のどの波長に対しても有効である。
【0007】
ある位置の入力光源から第2位置の出力像まで光を搬送する従来の光学システムでは、放射輝度が光源の放射輝度より高い光学出力像を生成することができない。先行技術の従来の光学システム10を図1Aに断面図で示す。図1Aで、入力光源12からの光線18は凸レンズ14によって出力像16に集束される。図1Aの従来の光学システム10はまた、異なる仕方で、図1Bに断面図で示す光学システム20のように図示することもできる。簡単にするために、入力光源22、レンズ24、および出力像26は全て円形であると想定されている。図1Bでは、入力光源22は面積Areainを有する。入力光源22からの光線は、縁21および23を有する円錐台を満たす。図1Bに断面図で示される円錐台は立体角27にわたって広がる。立体角27の大きさはΩinである。レンズ24は、面積Areaoutを有する像26に光線を集束させる。像26を形成する光線は縁25および29を有する円錐を満たす。断面図で示される円錐台は立体角28にわたって広がる。立体角28の大きさはΩoutである。
【0008】
光学システム20に損失が無ければ、入力光源22における入力光フラックス
【数1】

は、
出力像26における出力光フラックス
【数2】

に等しい。これらの式で、「Radiancein」は入力光源22における放射輝度であり、「Radianceout」は出力像26における放射輝度であり、「Areain」は入力光源22の面積であり、「Areaout」は出力像26の面積である。量ΩinおよびΩoutはそれぞれ、入力光源および出力像の光円錐によって張られる投写立体角である。そのような無損失システムでは、
【数3】

および
【数4】

とすることができる。光伝達媒体の屈折率が入力光源位置および出力像位置で異なる場合、式4の等式は修正されて次のようになる。
【数5】

ここで、ninは入力位置における屈折率であり、noutは出力位置における屈折率である。量(n)(Area)(Ω)は様々に、光学システムの「エテンデュ(etendue)」または「光学的広がり」または「スループット」と呼ばれる。従来の無損失光学システムでは、量(n)(Area)(Ω)は一定に保たれる。
【0009】
参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,144,536号で、Zimmermanらは、反射発光面を有する光源の特殊なケースでは、光源によって放出された光の一部分を光源に再循環させて光の残部を出力位置に伝達する光学システムを設計することができることを実証した。そのような光再循環を利用する特定の条件下で、光源の有効ルミナンスのみならず光学システムの出力ルミナンスも、再循環の無い光源の本来のルミナンスより高くすることができ、それは標準エテンデュ式によって予測されない結果である。米国特許第6,144,536号では、用語「ルミナンス」は輝度に対して使用される。前述の通り、用語「ルミナンス」は400から700ナノメートルの間の可視光波長に対してのみ使用される。したがって、米国特許第6,144,536号はそのスペクトル領域でのみ有効である。
【0010】
反射発光面を持つ光源の一例として従来の蛍光ランプがある。従来の蛍光ランプ30の断面を図2Aに示す。蛍光ランプ30は、中空内部36を収容するガラスエンベロープ32を有する。中空内部36には、高電圧が印加されたときに紫外光を放出することのできるガスが充填される。紫外光はガラスエンベロープの内面の蛍光体コーティング34を励起させ、蛍光体コーティング34を通して蛍光体に可視光を放出させる。蛍光体コーティング34は、発光体であることに加えて、部分反射面でもある。したがって、蛍光体コーティング34によって発生した可視光の一部分をコーティング34に再循環させ、それによって従来の蛍光ランプの有効輝度を高める光学システムを設計することが可能である。
【0011】
米国特許第6,144,536号における光再循環に関する開示は、開口面積が100平方ミリメートル(mm)を越える長い出射開口を有する線状光源に関する。一般的に蛍光ランプを光源として使用するそのような構成は、大型投写型ディスプレイ用の照明システムのような多くの用途には適さない。米国特許第6,144,536号の出願日において、典型的なLEDは1平方ミリメートル(mm)当たりわずか1ルーメンの出力しかなく、光反射率は20%未満であった。投写型ディスプレイ用に1000ルーメンの出力を生成する照明システムを作るには、1000mmの総LED表面積を持つ少なくとも1000個のLEDが必要であった。1000個の低反射率低出力LEDを、10mmの出力開口を有しかつ1010mmの総内面積(出力開口の面積を含む)を有する光再循環エンベロープの内面に配置すると、総出力効率は2%未満となる。本来の1000ルーメンのうちの20ルーメン未満が光再循環エンベロープから出射する。このような照明システムはあまり実用的ではない。
【0012】
最近、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、および窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)半導体材料に基づく、高反射緑色、青色、および紫外線LEDならびにダイオードレーザが開発された。これらのLEDデバイスの一部は高い光出力、高い放射輝度を有し、かつデバイスに入射した光の少なくとも50%を反射することのできる光反射面を有する。LEDの反射面は鏡面反射体または拡散反射体とすることができる。一般的にLEDの反射面は鏡面反射体である。単一のパッケージデバイスから1ステラジアン当たり1平方メートル当たり7000ワットに近い放射輝度出力、および約0.18ワットの総出力が可能である。単位面積あたりの光出力は0.045ワット/mmを越えることができる。したがって、照明システムに関連する幾つかの新しい適用が可能になった。スペクトル純度、発熱の低下、および高速のスイッチング速度のような利点は全て、蛍光、白熱、およびアークランプ光源に代わってLEDおよび半導体レーザを使用する動機付けになる。
【0013】
図2Bは、透明な頂部電極43および第2の透明な層44の両方の下に配置された発光層46を有する、最近開発された型のLED40の断面図を示す。発光層46は、電流がデバイス40を通過したときに、光線45を放出する。発光層46の下に、底部電極の一部としても働く反射層47がある。電気接点41および42は、電流がデバイス40を流れるための経路を提供する。発光面とは反対側のLEDの裏面に電気接点41および42の両方を持つことは、最近の新しい概念である。典型的な従来のLED設計は、デバイスの頂部に一方の電極を配置し、それは頂面から出力される光に干渉し、結果的に低反射率のデバイスがもたらされる。反射層47は、LEDが発光体および光反射体の両方になることを可能にする。例えばLumileds Lighting LLCは、この型の高反射緑色、青色、および紫外線LEDデバイスを製造している。高出力および高放射輝度の高反射赤色および赤外線LEDも最終的に開発されると予想される。しかし、新しい緑色、青色、および紫外線窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム、および窒化アルミニウムガリウムLEDでさえも、多くの用途に充分な放射輝度を持たない。
【0014】
無機発光ダイオードおよび有機発光ダイオードを含むLEDは、非コヒーレント光を放出する。他方、エッジ発光レーザダイオードおよび垂直共振器型面発光レーザのような半導体レーザ光源は一般的に、コヒーレント光を放出する。コヒーレント半導体レーザ光源は一般的に非コヒーレント光源より高い輝度を持つが、半導体レーザ光源は、光のコヒーレント性の結果生じる望ましくない光のスペックル光パターンの形成のため、ディスプレイのような多くの用途には適さない。
【0015】
光再循環を利用して照明システムの出力放射輝度を高める、LEDに基づく非コヒーレント照明システムを開発することが極めて望ましい。考えられる用途として、投写型ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、アビオニクスディスプレイ、自動車照明、住居用照明、商業用照明、および工業用照明が挙げられる。
【発明の開示】
【0016】
本発明は、光源と、光再循環エンベロープと、少なくとも1つの光出力開口とから構成される照明システムである。光源は、光を放出する少なくとも1つの発光ダイオードである。少なくとも1つの発光ダイオードはさらに、光を放出する発光層と、反射率Rを有しかつ光を反射する反射層とから構成される。光源の総発光面積は面積Aであり、光源によって放出される光は最大固有光源放射輝度を有する。
【0017】
光再循環エンベロープは少なくとも部分的に光源を収容し、反射率Rを有する。光再循環エンベロープは、発光層によって放出される光の一部を反射し、発光ダイオードの反射層に再循環させる。
【0018】
少なくとも1つの光出力開口は光再循環エンベロープの表面に配置される。総光出力開口面積は面積Aであり、面積Aは面積Aより小さい。光源および光再循環エンベロープは、光の少なくとも一部分を少なくとも1つの光出力開口を通して光再循環エンベロープから外に導く。少なくとも1つの光出力開口から出射する光の一部分は、最大出射放射輝度を有する非コヒーレント光として出射する。光再循環を利用する幾つかの条件下で、最大出射放射輝度は光源の最大固有光源放射輝度より高い。
【0019】
本発明のより完全な理解は、ここに列挙しない本発明の他の目的および利点と同様に、以下の詳細な説明および添付の図面を検討することにより明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、図を参照することによって当業者にはよく理解されるであろう。図に示す本発明の好ましい実施形態は、全てを網羅することや、本発明を開示する厳密な形態に限定することを意図するものではない。図は、本発明の原理およびその適用可能な実際の使用を記載または最もよく説明し、よって当業者が本発明を最もよく利用することを可能にするように選択されている。
【0021】
本発明の実施形態は、少なくとも1つの光源と、光再循環エンベロープと、光再循環エンベロープの表面に配置された光出力開口とから構成される。
【0022】
本発明の好ましい光源は少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含む。好ましいLEDは、光の放出および光の反射の両方を行なう無機発光ダイオードおよび有機発光ダイオード(OLED)である。より好ましいLEDは、より高い出力輝度のため、無機発光ダイオードである。光源によって放出される光は、波長が200ナノメートルを越え、3000ナノメートル未満の波長であることが好ましい。
【0023】
LEDを利用する様々な照明システムを図3〜12に示す。図3〜12に描かれたLEDは、光の放出および光の反射の両方を行なう任意のLEDとすることができる。光の放出および光の反射の両方を行なうLEDの例として、無機発光ダイオードおよびOLEDが挙げられる。無機発光ダイオードは、例えば窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムガリウム、窒化アルミニウム、アルミニウムインジウムガリウム燐、ガリウム砒素、インジウムガリウム砒素、またはインジウムガリウム砒素燐を含む材料から製造することができるが、そのような材料に限定されない。OLEDは、多種多様な発光有機小分子またはポリマから構成することができる。適切な小分子として例えば、Alqと略すことのできるトリス(8‐ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)、ならびに特定の型のキレート、オキサジアゾール、イミダゾール、ベンジジン、およびトリアリールアミンが挙げられるが、そのような材料に限定されない。適切なポリマとして、例えばポリ(エチレンジオキシチオフェン)およびポリ(スチレンスルホネート)が挙げられる。
【0024】
図を簡略化するために、図3〜12の各LEDは同様に図示されており、各LEDは2つの要素、つまり光を放出する発光層および光を反射する反射層から構成されるものとして示される。典型的なLEDは通常3つ以上の要素で構成されるが、図3〜12を簡略化するために、追加の要素は図示されないことに留意されたい。本発明の実施形態の一部は2つ以上のLEDを含むことができる。図3〜12の各LEDは同様に図示されているが、本発明の範囲内で、1つの実施形態の複数のLEDは全てが同一ではないかもしれない。例えば本発明の実施形態に複数のLEDが含まれる場合、本発明の範囲内で、LEDの幾つかは無機発光ダイオードであるかもしれず、LEDの幾つかはOLEDであるかもしれない。複数のLEDを有する照明システムのさらなる例として、本発明の実施形態に複数のLEDが含まれる場合、LEDの幾つかが異なる色の光を放出することも本発明の範囲内である。LEDの色の例として、光学スペクトルの赤外、可視、および紫外領域の波長が挙げられるが、それらに限定されない。例えば光再循環エンベロープ内の1つ以上のLEDは赤色LEDとすることができ、1つ以上のLEDは緑色LEDとすることができ、1つ以上のLEDは青色LEDとすることができる。実施形態に例えば赤色、緑色および青色LEDが含まれる場合、赤色、緑色および青色LEDを同時に作動して、白色光のような単一の合成出力色を生成することができる。代替的にこの実施例で赤色、緑色、および青色LEDを各々異なる時間に作動して、異なる時間に異なる色を生成することができる。
【0025】
好ましいLEDは、LEDに入射した光を反射する少なくとも1つの反射層を有する。LEDの反射層は鏡面反射体または拡散反射体のいずれかとすることができる。一般的に、反射層は鏡面反射体である。好ましくは、LEDの反射層の反射率Rは少なくとも50%である。より好ましくは、反射率Rは少なくとも70%である。最も好ましくは、反射率Rは少なくとも90%である。
【0026】
図3〜8および図10〜12の各LEDは、光再循環エンベロープの内部を向いた発光層および発光層の後に光再循環エンベロープの内面に隣接して配置された反射層を持つように図示されている。この構成で、光は、反射層と接触していない発光層の全ての表面から放出することができる。また、第2反射層が光再循環エンベロープの内部を向いて発光層の表面上に配置することができることも本発明の範囲内である。後者の実施例では、光は、いずれの反射層とも接触しない発光層の側部表面から放出することができる。第2反射層はLEDの総反射率を改善することができるので、第2反射層は、発光層の頂面に電気的接続部を有するある型のLEDにとって特に重要である。
【0027】
光源の総発光面積は面積Aである。2つ以上のLEDが単一の光再循環エンベロープ内にある場合、光源の総発光面積Aは、光再循環エンベロープ内の全てのLEDの総発光面積である。
【0028】
光源は、1つのLEDを含むかそれとも複数のLEDを含むかに関わらず、光源の設計および光源に印加される駆動電力に依存する最大固有光源放射輝度を有する。最大固有光源放射輝度は次のように決定される。第1に、光再循環エンベロープが存在せず、かつ他のLEDが光を測定対象のLEDに導いていないときに、光源の各LEDに対し、放射輝度が測定される。測定は各LEDが照明システムと同一レベルに作動された状態で行なわれ、出射角の関数として行なわれる。これらの放射輝度測定から、全てのLEDの最大放射輝度値を決定することができる。この最大値は最大固有光源放射輝度と定義される。
【0029】
本発明の光再循環エンベロープは、光源を少なくとも部分的に囲む光反射要素である。光再循環エンベロープは、内部容積を囲む任意の三次元表面とすることができる。例えば光再循環エンベロープの表面は、立方体、矩形三次元表面、球面、偏球面、楕円面、任意の三次元切子面、または任意の三次元曲面の形状とすることができる。好ましくは、光再循環エンベロープの三次元形状は、エンベロープの内面へのLEDの取付けを容易にするために、平坦面を持つ切子面である。好ましい三次元形状は、方形、矩形、または多角形の断面を有する。
【0030】
光再循環エンベロープは、光源によって放出された光を反射して光源に再循環させる。好ましくは、光再循環エンベロープの内面の反射率Rは少なくとも50%である。より好ましくは、反射率Rは少なくとも70%である。最も好ましくは、反射率Rは少なくとも90%である。理想的には、照明システムの効率および最大出射放射輝度を最大にするために、反射率Rは可能な限り100%に近づけるべきである。
【0031】
光再循環エンベロープは、本質的に反射性であるバルク材から製造することができる。本質的に反射性であるバルク材は、拡散反射体または鏡面反射体とすることができる。好ましくは、本質的に反射性であるバルク材は拡散反射体である。拡散反射体は光線をランダムな方向に反射し、反射した光が周期的に繰り返す経路に捕捉されるのを防止する。鏡面反射体は、反射角が入射角と等しくなるように光線を反射する。
【0032】
代替的に、光再循環エンベロープが本質的に反射性の材料から製造されない場合、光再循環エンベロープの内面に反射性コーティングを被覆しなければならない。反射性コーティングは、鏡面反射体、拡散反射体、または鏡面反射層を裏当てされた拡散反射体とすることができる。拡散反射体は一般的に、高い反射率を達成するために、比較的厚くする(数ミリメートル)必要がある。鏡面反射体を拡散反射体の裏当てとして使用すると、高い反射率を達成するために必要な拡散反射体の厚さを低減することができる。
【0033】
拡散反射体は、非常に高い反射率(例えば95%超または98%超)を持つ反射体とすることができる。しかし、高い反射率を持つ拡散反射体は一般的に極めて厚い。例えば98%を越える反射率を持つ拡散反射体は一般的に数ミリメートルの厚さである。拡散反射体の例として、Labsphere,Inc.社製のSpectralonTMのようなフルオロポリマ、およびFluorglas(商品名FuronTMで販売)、W.L.Gore and Associates,Inc.(商品名DRTMで販売)、またはE.I.duPont de Nemours & Company(TeflonTMの商品名で販売)のような製造者のポリテトラフルオロエチレンフィルム、硫酸バリウムのフィルム、Pall Gelman Sciences社製のポリエーテルスルホンおよびポリプロピレンフィルタ材のような微小空気通路を含む多孔性ポリマフィルム、ならびに例えば二酸化チタンのような反射性フィルタ材を利用したポリマ複合材料が挙げられるが、それらに限定されない。後者のポリマ複合材料の一例として、RTPによって製造される二酸化チタン充填ABS(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン三量体)がある。二酸化チタン充填ABSのようなポリマ複合材料を反射性材料として使用する場合、光再循環エンベロープはポリマ複合材料から形成することができ、光再循環エンベロープの内面に別個の光反射層は必要ない。
【0034】
ほとんどの鏡面反射性材料は約80%から約98.5%の範囲の反射率を有する。鏡面反射性材料の例として、3M Corporationの製品であるSilverluxTM、および銀、アルミニウム、または金のような薄い金属層を被覆したプラスチックのキャリアフィルムが挙げられるが、それらに限定されない。金属コーティングの厚さは、使用する材料および金属コーティングの製造方法に応じて、約0.05マイクロメートルから約0.1ミリメートルの範囲とすることができる。高い反射率を有する鏡面反射フィルムの他の例として、フォトニックバンドギャップ反射性材料および3M Corporation製のVikuitiTMESR(強化鏡面反射体)が挙げられる。ESRフィルムは、可視光スペクトル全体にわたって98%を越える反射率を有する。
【0035】
光源によって占有されない光再循環エンベロープの内部容積は、真空に占有させることができ、光伝達ガスを充填することができ、あるいは光透過固体を充填または部分的に充填することができる。光再循環エンベロープを充填または部分的に充填するガスまたは固体は、光源によって放出される光を伝達しなければならない。光伝達ガスの一例として空気、窒素、およびアルゴンのような不活性ガスがある。光透過固体の例として、二酸化シリコンまたはサファイアのような無機ガラス、およびポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、またはシリコーン含有材料のような有機ポリマが挙げられる。
【0036】
光再循環エンベロープは少なくとも1つの光出力開口を有する。光源および光再循環エンベロープは、光源によって放出された光の少なくとも一部分を、少なくとも1つの光出力開口を通して、最大出射放射輝度を有する非コヒーレント光として光再循環エンベロープから外に導く。最大出射放射輝度は、出射角の全範囲にわたって出射放射輝度を測定し、かつ最大測定値を決定することによって実験的に決定される。総光出力開口面積は面積Aである。光再循環エンベロープに2つ以上の出力開口がある場合、Aは全ての出力開口の複合面積を指す。出力開口は、方形、矩形、多角形、円形、楕円形、任意の切子形状、または任意の湾曲形状をはじめ、それらに限らず、任意の形状を持つことができる。
【0037】
今、光再循環を利用する本発明の様々な実施形態について説明する。
【0038】
本発明の1つの実施形態は、図3A、3B、3C、3D、および3Eに示す照明システム100である。図3Aは、光再循環エンベロープ102および光出力開口104の外縁を図中に実線で示す、照明システム100の上面外観図である。図3Bは、図3Aに示されたI‐I面に沿った断面図である。図3Cは、図3Aに示されたII‐II面に沿った断面図である。II‐II面は光出力開口104およびLED106を貫通する。図3Dおよび3Eは、LED106から放出される幾つかの代表的光線の経路を示す。
【0039】
光再循環エンベロープ102の表面の立方体三次元形状、光再循環エンベロープ102の方形断面形状、および光出力開口104の方形の形状は、説明の理解を容易にするために使用する例示的実施例である。また、図面は構造の単なる表現であって、実際の寸法および相対的寸法は異なるかもしれないことにも留意されたい。
【0040】
前述の通り、光再循環エンベロープ102は、内部容積を収容する任意の三次元表面とすることができる。例えば光再循環エンベロープの表面は、立方体、矩形三次元表面、球面、偏球面、楕円面、任意の三次元切子面、または任意の三次元曲面の形状とすることができる。好ましくは、光再循環エンベロープの三次元形状は、エンベロープの内面へのLEDの取付けを容易にするために、平坦面を持つ切子面である。光再循環エンベロープの三次元形状の唯一の要件は、光再循環エンベロープ内でLEDから放出される光の一部分が、光再循環エンベロープ内での有限の反射回数内に、光再循環エンベロープの光出力開口から出射しなければならないこと、つまり、LEDから放出される光が光出力開口を通して光再循環エンベロープから出射することなく無限に反射する反射デッドスポットが光再循環エンベロープ内に存在しないことである。
【0041】
図3Cに示す方形断面のような光再循環エンベロープ102の断面は、三次元表面の形状に応じて、規則的および不規則的な任意の形状とすることができる。可能な断面形状の他の例として、矩形、テーパ形、多角形、円形、楕円形、任意の切子形状、または任意の湾曲形状が挙げられる。好ましい断面形状は方形、矩形、または多角形である。
【0042】
照明システム100では、光再循環エンベロープ102の内面は、LED106によって覆われる領域および光出力開口104によって占有される領域を除き、光反射面である。高い光反射率を達成するために、光再循環エンベロープ102は本質的に反射性であるバルク材から製造することができ、あるいは光再循環エンベロープ102の内面を反射性コーティングで被覆することができる。バルク材または反射性コーティングは、鏡面反射体、拡散反射体、または鏡面反射層を裏当てされた拡散反射体とすることができる。反射性材料の例については前述した。好ましくは、LED106および光出力開口104によって占有されない光再循環エンベロープ102の内面の反射率Rは、少なくとも50%である。より好ましくは、反射率Rは少なくとも70%である。最も好ましくは、反射率Rは少なくとも90%である。理想的には、照明システムの効率および最大出射放射輝度を最大にするために、反射率Rは可能な限り100%に近づけるべきである。
【0043】
図3Cに示された照明システム100の方形の断面形状は、光出力開口104を含む第1側面と、第2側面と、第3側面と、第4側面とを有する。第1側面は第3側面に対向し、それと平行である。第2側面は第4側面に対向し、それと平行である。第1側面および第3側面は第2側面および第4側面に直角である。図3Cに断面図で示された照明システムの4つの側面は、六面立方体の残りの2つの面(断面図には図示せず)と共に、光再循環エンベロープの内部を形成する。
【0044】
照明システム100用の光源はLED106であり、それは任意の光学波長または波長範囲の光を放出し、かつ照明システムの第4側面の内側に配置される。LED106は任意の無機発光ダイオードまたはOLEDとすることができる。好ましくは、LED106は無機発光ダイオードである。好ましくは、LED106によって放出される光の波長は、200ナノメートルを越え、かつ3000ナノメートル未満である。LED106によって放出される光が紫外光である場合、波長は200ナノメートルを越え、かつ400ナノメートル未満であることが好ましい。LED106によって放出される光が赤外光である場合、波長は700ナノメートルを越え、かつ3000ナノメートル未満であることが好ましい。
【0045】
LED106は反射層110および発光層108を有する。反射層は第4側面の内側にそれに隣接して存在する一方、発光層は光再循環エンベロープの内部に延びる。反射層110は鏡面反射体または拡散反射体とすることができる。典型的な無機発光ダイオードでは、反射層は、もし存在するならば、通常鏡面反射体である。LED106の反射層110の光反射率はRである。反射率が反射層の領域全体で変化する場合、反射率Rは反射層の平均反射率と定義される。反射層110の反射率Rは好ましくは少なくとも50%である。より好ましくは、反射層110の反射率Rは少なくとも70%である。最も好ましくは、反射層110の反射率Rは少なくとも90%である。理想的には、照明システムの効率および最大出射放射輝度を最大にするために、反射率Rは可能な限り100%に近づけるべきである。
【0046】
光源の総発光面積は面積Aである。図3A〜3Eで、光源は1つだけのLEDから成るので、光源の総発光面積AはLED106の発光面積である。
【0047】
光源、この例ではLED106の光出力は、光源の設計および光源に印加される駆動電力に依存する、最大固有光源放射輝度を有する。光源の最大固有光源放射輝度は、同様に構成され、同様に電力を作動されたLEDであって、光再循環エンベロープ内に収容されないLEDを測定することによって、決定することができる。
【0048】
光出力開口104は照明システムの第1側面にある。光源および光再循環エンベロープからの光の一部分は、光出力開口から出射する。述べた通り、開口は、方形、矩形、多角形、円形、楕円形、任意の切子形状、または任意の湾曲形状をはじめ、それらに限らず、任意の形状を持つことができる。総光出力開口面積は面積Aであり、それはこの場合、ちょうど単一の光出力開口104の面積である。照明システムが2つ以上の光出力開口を持つ場合、面積Aは全ての光出力開口の総面積である。
【0049】
光はLED106の発光層108から、反射層110と接触しない発光層108の1つ以上の表面を通して放出することができる。例えば、光は表面112を通して放出することができる。表面112を通して放出される光線の4つの例示的実施例を、図3Dおよび3Eに示す。
【0050】
図3Dで、第4側面のLED106の発光層108の表面112から放出された第1光線114は、光再循環エンベロープ102の内部を通過して、光再循環エンベロープの反射面で反射することなく第1側面の光出力開口104を通して出射する。
【0051】
LED106の発光層108の表面112から放出された第2光線116は、光再循環エンベロープを通過し、光再循環エンベロープ102の第3側面で反射する。反射した光線116は次いで光再循環エンベロープの内部を通過して、第1側面の光出力開口104から出射する。第2光線116は、光出力開口を通して光再循環エンベロープから出射する前に、いずれかまたは全ての側面の反射面から有限回数反射することができるので、これは単なる例示的実施例にすぎない。
【0052】
LED106の発光層108の表面112から放出される第3光線118は、光再循環エンベロープ102の内部を通過して、光再循環エンベロープ102の第2側面に吸収される。一般的に、光再循環エンベロープは完全な反射体ではなく、100%未満の反射率を有する。光線118のような光の一部は吸収される。吸収損失のため、光再循環エンベロープ内部の光の一部分だけが光出力開口104を通して光再循環エンベロープから出射する。
【0053】
図3Eでは、第1期間中にLED106の発光層108の表面112から放出される第4光線120は、光再循環エンベロープ102の内部を通過して、光再循環エンベロープの第2側面で反射する。反射した第4光線は光再循環エンベロープの内部を通過して、光源に再循環される。第4光線120は表面112およびLED106の発光層108を通過して、LED106の反射層110で反射する。第4光線120は次いで第2期間中にLED106の発光層108および表面112を透過し、光再循環エンベロープの内部を通過し、最終的に光出力開口104から出射する。
【0054】
光線114、116、および118は光源に再循環されない。光線120は光源に再循環される。光源によって放出された光の一部分だけが光源に再循環される。
【0055】
第4光線120が第2期間中にLED106の反射層110で反射し、発光層108および表面112を透過して光再循環エンベロープに入射すると、反射した光線120は、第2期間中にLED106の発光層108から同時に放出される光線に加わる。反射光線はLED106の有効光源放射輝度を増加するので、そのときの有効光源放射輝度は、光再循環の無い状態で測定されたLED106の最大固有光源放射輝度より高くなる。
【0056】
光出力開口から出射する光の最大出射放射輝度は、光源の有効放射輝度より大きくはなり得ない。しかし、光源によって放出された光の一部分を光源に再循環させることによって、光源の有効放射輝度を高めることができるので、光出力開口から出射する光のそのときの最大出射放射輝度は、光再循環の無い状態で測定された同じLEDの最大固有光源放射輝度より高くなり得る。照明システム100の光出力開口から出射する光の最大出射放射輝度を、光再循環の無い状態における同じLEDの最大固有光源放射輝度と比較する場合、照明システム100のLED106および基準測定で使用された同一LEDは同一設計であり、かつ同一電力で動作することに留意されたい。
【0057】
第4光線120は、発光層108が光を放出しているか否かに関係なく、影響されずにLED106の発光層108を透過する。代替的に、第4光線120は、第4側面のLEDの反射層110で反射する前に、光再循環エンベロープの第1または第3側面で反射することができる。
【0058】
第4光線が光出力開口104を通して光再循環エンベロープから出射する前に、第4光線120は、1回または任意の有限回数LEDの反射層110から反射する前または後に、いずれかまたは全ての側面の反射面から有限回数反射することができるので、これは単なる例示的実施例にすぎない。
【0059】
照明システム100の内面の最大反射率および結果的に得られる、光出力開口104から出射する最大出射放射輝度は、光再循環エンベロープの全ての開口の総面積Aを除き、照明システム100の内面全体を好ましくは反射性にすることによって達成される。照明システム100は、面積Aを有する1つの光出力開口104を有する。光再循環エンベロープの総内面積はAであり、それは面積Aおよび光源の総発光面積を含む。LED光源は反射率Rを有する反射層110を有する。光源の総発光面積は面積Aである。図3A〜3Eの実施例では、面積AはLED106の発光面積であるが、2つ以上のLEDを有する他の実施例の場合、Aは光再循環エンベロープ内の全てのLEDの総発光面積である。LEDの総発光面積Aおよび出力開口または開口の面積Aに含まれない光再循環エンベロープの残部内面積は、残部面積Aと表わされる。好ましくは、光出力開口または開口から出射される放射輝度を最大にするために、光再循環エンベロープの残部面積Aは反射率Rの反射面を持つべきである。前述の通り、反射率Rは好ましくは少なくとも50%である。より好ましくは、反射率Rは少なくとも70%である。最も好ましくは、反射率Rは少なくとも90%である。理想的には、照明システムの効率および最大出射放射輝度を最大にするために、反射率Rは可能な限り100%に近づけるべきである。
【0060】
面積Aおよび面積Aは完全な反射体ではなく、各反射中に光の一部を吸収するので、最大限の照明システム効率および最大出射放射輝度は、光反射の回数を最小限にすることによって達成される。所与の固定総発光面積Aおよび一つまたは複数の光出力開口の所与の固定総面積Aに対し、一つまたは複数の光出力開口から送り出される最大出射放射輝度は、反射回数を最小限にするために、残部面積Aを最小限にすることによって達成される。しかし、光出力開口によって占有されない光再循環エンベロープの面積全体を覆うように、照明システムに1つ以上のLEDを配設することは通常可能ではないので、残部面積Aを零にすることは通常可能ではない。
【0061】
照明システム100は、光出力開口104の総光出力開口面積Aが光源の総発光面積A未満である場合にのみ、光源の最大固有光源放射輝度より高い、向上した最大出射放射輝度を達成することができる。最大出射放射輝度を向上するためのこの面積要件は、以下の理論的実施例から理解することができる。最初に、理論的照明システムの内面積は吸収損失を持たない、つまり面積AおよびAは全て100%の反射率を有する、と仮定する。また、光源は光をランバーティアン分布(Lambertial distribution)で放出する。ランバーティアンエミッタ(ランバーティアンエミッタ)は、−90度から+90度までの全ての出射角に対し一定放射輝度を有するエミッタであることに注目されたい。
【0062】
光出力面積Aが総発光面積Aに等しい場合には、光源によって放出される全ての光フラックスは理論的照明システムから同一面積に出射し、多くの場合、同一ランベルト分布を持つ。光出力開口から出射する光の最大出射放射輝度は、最大固有光源放射輝度に等しくなる。
【0063】
理論的照明システムの光出力面積Aが総発光面積Aより大きい場合、光出力開口から出射する光は同一ランベルト分布を持つことができるが、出力光フラックスがより大きい面積に広がるため、最大出射放射輝度は最大固有光源放射輝度より低くなる。光出力開口から導かれる最大出射放射輝度はA/Aに低下する。
【0064】
理論的照明システムの光出力面積Aが総発光面積Aより小さく、かつ照明システム内部の光の損失または吸収が無い場合、光出力面積から出射する光は同一ランベルト分布を持つことができるが、光出力開口の面積の低減のため、最大出射放射輝度は最大固有光源放射輝度より大きくなる。光出力開口から導かれる最大出射放射輝度はA/A倍に増大する。したがって、最大固有光源放射輝度より高い最大出射放射輝度を達成するために、出力面積Aは総発光面積Aより小さいことが要求される。
【0065】
しかし、AがAより小さくなければならないという面積要件は、照明システムの最大出射放射輝度の向上を達成するために必要な唯一の要件ではない。典型的な照明システムでは、反射率Rおよび反射率Rは100%未満であり、それは出射放射輝度の向上を低下させる。1回目の試みで光出力開口104から出射しない光は、光再循環エンベロープの内部で1回以上反射されるときに、光源または光再循環エンベロープによって吸収されることがある。これらの損失は最大出射放射輝度を低下させる。したがって、典型的な照明システムで最大出射放射輝度の向上を達成するために、RおよびRは、たとえ100%ではないとしても、比較的高くなければならない。RおよびRの好ましい値については前に列挙した。
【0066】
さらに、典型的な照明システムでは、光源は広いランバーティアン(−90度から+90度まで)角度分布ではなく、より狭い角度分布で光を放出するかもしれない。光源が最初に狭い角度分布で発光し、かつ放出された光が次いで照明システム内部で複数回反射する場合、光出力開口から出射する光は、初期角度分布より広い角度分布を有する。出力分布はおおよそランベルト分布となる。当初の狭い角度分布を照明システム内部でより広い出力分布に拡大することも、光出力開口から出射する光の最大出射放射輝度を低下させる。したがって、典型的な照明システムの最大出射放射輝度の向上を達成するために、光源によって放出される光の角度分布は可能な限りランベルト分布に近づけられる必要がある。
【0067】
最大限の理論的放射輝度の向上は、上に示した通り、面積比A/Aにより与えられる。例えば、Aが20mmに等しく、かつAが1mmに等しい場合、最大出射放射輝度の最大限の理論的向上はA/Aつまり20となる。最大値は、LEDがランバーティアンエミッタである場合にのみ、かつRおよびRが各々100%に等しい場合にのみ達成される。通常そうであるように、LEDが完全なランバーティアンエミッタではない場合、あるいはRおよびRが各々100%未満である場合には、最大出射放射輝度の向上は依然として達成することができるが、向上は最大理論値より小さくなる。そのような場合、最大固有光源放射輝度より高い最大出射放射輝度を達成するために、面積AはAよりかなり低くする必要がある。好ましくは、光出力開口104の面積Aは、光源の総発光面積Aの50%以下である。より好ましくは、光出力開口104の面積Aは、光源の総発光面積Aの30%以下である。最も好ましくは、光出力開口104の面積Aは、光源の総発光面積Aの10%以下である。加えて、一部の用途では、光出力開口104の面積Aは小さく、アークランプ光源の面積に匹敵する大きさであることが望ましい。これらの用途では、光出力開口104の面積Aは25mm未満の面積であることが好ましい。より好ましくは、光出力開口104の面積Aは10mm未満である。
【0068】
本発明の別の実施形態を、図4に断面図で示す。照明システム130は、光再循環エンベロープ102の内部容積が実質的に光透過固体132で満たされることを除いては、照明システム100と同一である。代替的に、光透過固体132は光再循環エンベロープを部分的に、または完全に満たすことができる。
【0069】
好ましくは、光透過固体132はLED106の発光層108と接触する。光透過固体をLEDの発光層と接触する状態に配置することによって、発光層と発光層の外部の環境との間の屈折率の差は、発光層の界面に空気がある場合に比較して低減される。屈折率の差の低減は、発光層内部で内部全反射を受ける光の量を低減させ、かつ発光層からの発光の効率を増大させる。この効果は結果的に、照明システムの効率の全体的な向上をもたらすことができる。発光層からの発光の最高効率は、光透過固体の有効屈折率が発光層の屈折率以上である場合に発生する。
【0070】
必要ならば、光透過固体の有効屈折率は、超微細粉末の高屈折率の材料を光透過固体に組み込むことによって高めることができる。好ましくは、超微細粉末は1.60を越えるバルク屈折率を有する材料から作られる。超微細粉末とは粒径が約300ナノメートル未満の粉体である。例示的超微細粉末は、例えば酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、および五酸化アンチモンのような材料から作ることができる。
【0071】
本発明の別の実施形態は、図5に断面図で示す照明システム140である。照明システム140は、照明システム140が平板状反射偏光子142をさらに含むことを除いては、照明システム100と同一である。
【0072】
平板状反射偏光子は、第1偏光状態の光を反射し、かつ第2偏光状態の光を透過する偏光子である。偏光状態は、直線偏光の状態または円形偏光の状態とすることができる。適切な平板状反射偏光子の例として、3M Corporation社製のVikuitiTM Dual Brightness Enhancement Film(DBEF)、およびサブ波長光学素子を利用したNanoOpto CorporationおよびMoxtek Incorporated社製の偏光子がある。
【0073】
平板状反射偏光子142は光出力開口104に隣接して配置され、かつ光出力開口104から出射する光の光路に配置される。平板状反射偏光子の隣接配置は、光再循環エンベロープのすぐ外側または光再循環エンベロープのすぐ内側のいずれかとすることができる。平板状反射偏光子は、第1偏光状態を有する任意の波長の光を反射する。また、平板状反射偏光子は第2偏光状態を有する任意の波長の光を透過する。第1偏光状態の光は、光再循環エンベロープに再循環される。光再循環エンベロープに再循環された第1偏光状態の光は、複数回の反射後に、第1偏光状態の光および第2偏光状態の光の混合に変換される。変換された第2偏光状態の光は次いで平板状反射偏光子を通過することができる。第2偏光状態だけを照明システム140の出力に希望する場合、第1偏光状態を光反射エンベロープに再循環させて、第2偏光状態の光に変換することにより、照明システム140の全体的効率および最大出射放射輝度が改善される。
【0074】
一部の照明システムの用途には偏光光が必要である。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)パネルまたは液晶オンシリコン(LCOS)ディスプレイパネルを組み込んだフラットパネルディスプレイまたは投写型ディスプレイ用途に利用される照明システムは、偏光光を出射する照明システムを必要とする。
【0075】
図5の光線144および146は、平板状反射偏光子の機能を示す。第1偏光状態の光線144は照明システム140の第4側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、光出力開口104を初めて通過して平板状反射偏光子142に到達する。光線144は平板状反射偏光子142で反射し、光出力開口104を再度通過し、光再循環エンベロープ102の内部に再循環される。
【0076】
第2偏光状態の光線146は照明システム140の第4側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過して、光再循環エンベロープ102の第3側面の内部表面に達する。光線146は光再循環エンベロープ102で反射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、平板状反射偏光子142を通過する。全般的に、平板状反射偏光子は第1偏光状態の光を反射し、第2偏光状態の光を透過する。
【0077】
本発明の他の実施形態は部分的に視準する照明システムである。図6A、6B、および6Cは、光視準素子を利用して出力光を部分的に視準させる照明システムの断面図である。一般的に光視準素子は、光出力開口104から出射する光を少なくとも部分的に視準する任意の光学素子とすることができる。例えば光視準素子は、複合パラボラ反射器、凸レンズ、テーパ状ライトガイド、または2つ以上のそのような素子の組合せとすることができる。
【0078】
図6Aの照明システム160は、照明システム160が光視準素子162をさらに含むことを除いては、照明システム100と同一である。図6Aで、光視準素子162は例示を目的とする複合パラボラ反射器である。複合パラボラ反射器は、テーパ状ライトガイドの内面から光を反射することによって光を搬送するテーパ状ライトガイドである。複合パラボラ反射器は透明な固体材料から構成することができる。複合パラボラ反射器がそのような透明な固体材料から構成される場合、光は材料を通過し、内部全反射によって複合パラボラ反射器の内部表面から反射する。代替的に、複合パラボラ反射器は中空構造とすることができ、その場合、複合パラボラ反射器の面は、光を反射するために反射性コーティングを被覆しなければならない。光視準素子162は、光出力開口104に隣接しかつ非視準光を受け入れる入力面164と、出力面166とを有する。入力面164は光出力開口104からの非視準光を受け入れる。光視準素子162は以前の非視準光を部分的に視準させ、部分的に視準した光を出力面166に透過させる。光視準素子が光出力開口104から出射する光を部分的に視準するために、入力面164の面積は出力面166の面積より小さくなければならない。式5は、入力面積および出力面積と光の入力立体角分布および出力立体角分布との間の数学的関係を与える。
【0079】
図6Aに示した代表的光線168および169は、光視準素子162が複合パラボラ反射器であるときの光視準素子162の機能を示す。光線168は第1側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、複合パラボラ反射器の入力面164を非視準光として通過する。光線168は複合パラボラ反射器の側面で反射し、出力面166を通して複合パラボラ反射器から部分的視準光として出射する。
【0080】
光線169は第4側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を光再循環エンベロープ102の第2側面の内面まで通過する。光線169は光再循環エンベロープ102で反射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過して入力面164を通して複合パラボラ反射器に入射する。光線169は複合パラボラ反射器の側面で反射し、出力面166を通して複合パラボラ反射器から部分的視準光として出射する。
【0081】
要求される光視準素子の光視準度は用途に依存する。光出力開口104から出射する光は一般的に、ランバーティアン(−90度から+90度までの出力角または2πの立体角)または近ランバーティアン角度分布を有する。光視準素子162を出射する光の視準は、必要に応じて、式5の数学的関係を利用して、入力面164の面積に対して出力面166の面積を変化させることによって調整することができる。光視準素子の入力屈折率ninが光視準素子の出力屈折率noutと等しい場合には、代わりに式4を使用することができ、光視準素子からの光出力立体角分布ΩOUTは、次式によって与えられる。
【数6】

ここでΩinは光視準素子への光入力立体角分布であり、Areainは入力面164の面積であり、Areaoutは出力面166の面積である。
【0082】
高い光視準度を必要とする用途の場合、光出力分布が好ましくは−30度から+30度の角度範囲内になるように、光視準素子162は光を部分的に視準する。より好ましくは、光視準素子162は、光出力分布が−20度から+20度の角度範囲内になるように、光視準素子162は光を部分的に視準する。最も好ましくは、光出力分布が−10度から+10度の角度範囲内になるように、光視準素子162は光を部分的に視準する。
【0083】
光出力を部分的に視準する照明システムの別の実施例は、図6Bに断面図で示す照明システム170である。照明システム170が光出力開口104から出射する光を部分的に視準するために光視準素子172を、この例では球状ボールレンズである凸レンズをさらに含むことを除いては、照明システム170は照明システム100と同一である。光視準素子172の光入力面は光出力開口104に隣接する。光視準素子172の出力面は入力面の反対側である。光視準素子172を通過する光を部分的に視準するために、レンズの出力面の光ビームの面積は、入力側のビームの面積より大きくなければならない。
【0084】
図6Bに示した代表的光線174および176は、光視準素子172が凸レンズである場合の光視準素子172の機能を示す。光線174は、第1側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、光視準素子172の入力面を非視準光として通過する。光線174は光視準素子172で屈折し、光視準素子172の出力面から部分的視準光として出射する。
【0085】
光線176は第4側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を光再循環エンベロープ102の第2側面の内面まで通過する。光線176は光再循環エンベロープ102で反射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、光視準素子172の入力面に非視準光として入射する。光線176は光視準素子172で屈折し、光視準素子172の出力面から部分的視準光として出射する。
【0086】
好ましくは、光視準素子172は、光出力分布が−30度から+30度の範囲内になるように、光視準素子から出射する光を部分的に視準する。より好ましくは、光出力分布は−20度から+20度の範囲内である。最も好ましくは、光出力分布は−10度から+10度の範囲内である。
【0087】
光出力を部分的に視準する照明システムの別の実施例は、図6Cに断面図で示す照明システム180である。照明システム180が、協働して光出力開口104から出射する光を部分的に視準するように働く第1光視準素子182、テーパ状ライトガイド、および第2光視準素子188つまり凸レンズをさらに含むことを除いては、照明システム180は照明システム100と同一である。
【0088】
図6Cの第1光視準素子l82は、入力面184および出力面186を有するテーパ状ライトガイドである。テーパ状ライトガイドの面は、内部全反射を利用することによって、または光視準素子182の入力および出力面を除く面に反射性コーティングが塗布されているため、反射性である。光視準素子182が光を部分的に視準するために、出力面186の面積は入力面184の面積より大きくなければならない。光視準素子が複合パラボラ反射器であったときに使用した式と同じ式6は、第1光視準素子182によって達成することのできる部分的視準度を決定する。
【0089】
第2光視準素子188は凸レンズである。凸レンズの面積が第1光視準素子182の出力面186の面積より大きく、かつ、加えて凸レンズの焦点距離が適切に選択された場合、第2光視準素子188は、第1光視準素子182が単独で作動して達成した部分光視準をさらに改善する。
【0090】
図6Cに示された代表的光線190および192は、第1光視準素子182および第2光視準素子188の機能を示す。光線190は第1側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、かつ第1光視準素子182の入力面184を非視準光として通過する。光線190は第1光視準素子182の側面で反射し、第1光視準素子182の出力面186から部分的視準光として出射する。光線190は次いで第2光視準素子188を通過しかつそれによって屈折し、最終的にさらに改善された部分的視準状態で第2光視準素子188から出射する。
【0091】
光線192は第4側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を光再循環エンベロープ102の第2側面の内面まで通過する。光線192は光再循環エンベロープ102で反射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、第1光視準素子182の入力面184に非視準光として入射する。光線192は第1光視準素子182の側面で反射し、第1光視準素子182の出力面186から部分的視準光として出射する。光線192は次いで第2光視準素子188を通過しかつそれによって屈折し、最終的にさらに改善された部分的視準状態で第2光視準素子188から出射する。
【0092】
好ましくは、協働して動作する第1光視準素子182および第2光視準素子188は、光出力分布が−30度から+30度の角度範囲内になるように、第2光視準素子188から出射する光を部分的に視準する。より好ましくは、光出力分布は−20度から+20度の角度範囲内である。最も好ましくは、光出力分布は−10度から+10度の角度範囲内である。
【0093】
前述の実施形態では、図5は平板状反射偏光子を組み込んだ照明システムを示す。図6A、6B、および6Cは、1つまたは2つの光視準素子を組み込んだ照明システムを示す。また、協働して動作する反射偏光子および1つまたはそれ以上の光視準素子の両方を含む、本発明の実施形態も可能である。平板状反射偏光子を使用する1つの例を図7Aに示す。図7Bは、光視準素子および異なる型の反射偏光子の両方を含む本発明の別の実施形態を示す。
【0094】
図7Aは照明システム200の断面図である。照明システム200が平板状反射偏光子220をさらに含むことを除き、照明システム200は、光視準素子を有する図6Aの照明システム160と同一である。平板状反射偏光子の例については前に列挙した。平板状反射偏光子220は光視準素子162の出力面166に隣接して配置される。平板状反射偏光子220は第1偏光状態の光を反射し、第2偏光状態の光を透過する。平板状反射偏光子220は第1偏光状態の光を反射し、光視準素子162を通して光再循環エンベロープ102へと再循環する。光再循環エンベロープ102に再循環された第1偏光状態の光は、光再循環エンベロープ内で多数回反射することができ、それにより部分的に第2偏光状態の光に変換される。第2偏光状態の光に変換された再循環光は次いで光出力開口104を通して光再循環エンベロープから出射し、光視準素子162を通過し、最終的に平板状反射偏光子220を通過する。この再循環されかつ偏光変換された光は、照明システム200の出力光に加わる。照明システム200の効率および最大出射放射輝度はそれにより高まる。
【0095】
図7に示された代表的光線222および224は、光視準素子162および平板状反射偏光子220の機能を示す。第1偏光状態の光線222は第4側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を光再循環エンベロープ102の第2側面の内面まで通過する。第1偏光状態の光線222は光再循環エンベロープ102で反射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、光視準素子162の入力面164に非視準光として入射する。第1偏光状態の光線222は光視準素子162の側面で反射し、出力面166を通して光視準素子から部分的視準光として出射する。第1偏光状態の光線222は次いで平板状反射偏光子220で反射し、光視準素子162を再度通過し、光再循環エンベロープ102に再入射し、最終的に部分的に第2偏光状態の光に変換される。
【0096】
第2偏光状態の光線224は第1側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、光視準素子162の入力面164を非視準光として通過する。第2偏光状態の光線224は光視準素子162の側面で反射し、次いで光視準素子162の出力面166を通して部分的視準光として出射する。光線224は次いで平板状反射偏光子220を通過し、照明システム200を部分的に視準された第2偏光状態の光として出射する。
【0097】
図7Bは、照明システム250の断面図である。照明システム250が反射偏光子をさらに含むことを除き、照明システム250は光視準素子を有する照明システム160と同一である。この図で、反射偏光子はビーム分割プリズム偏光子252である。ビーム分割プリズム偏光子の特徴および機能は当業者には周知である。ビーム分割プリズム偏光子252は入力面270と、入力面に垂直な第1出力面272と、入力面と平行でありその反対側にある第2出力面274と、部分反射対角面254とを有する。プリズムの対角線に沿って配置された部分反射対角面254は、第1偏光状態の光を第1出力面へ反射し、第2偏光状態の光を第2出力面まで透過させる。
【0098】
ビーム分割プリズム偏光子252は光視準素子162の出力面166に隣接して配置される。ビーム分割プリズム偏光子252の部分反射対角面254は、第1偏光状態の光を反射体256へ反射し、第2偏光状態の光を透過する。反射体256は第1偏光状態の光を反射して、ビーム分割プリズム偏光子252を通し、光視準素子162を通して、光再循環エンベロープ102へ再循環させる。光再循環エンベロープ102へ再循環された第1偏光状態の光は、光再循環エンベロープ内で複数回反射し、それによって第2偏光状態の光に部分的に変換することができる。第2偏光状態の光に変換された再循環光は次いで、光出力開口104を通して光循環エンベロープを出射し、光視準素子162を通過し、最終的にビーム分割プリズム偏光子252の第2出力面274を通過することができる。この再循環されかつ偏光変換された光は、照明システム250の光出力に加わる。照明システム250の効率および最大出射放射輝度はそれにより高まる。
【0099】
図7Bに示した代表的光線258および260は、光視準素子162およびビーム分割プリズム偏光子252の機能を示す。第1偏光状態の光線258は第4側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を、光再循環エンベロープ102の第2側面の内面まで通過する。第1偏光状態の光線258は光再循環エンベロープ102で反射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、光視準素子162の入力面164に非視準光として入射する。第1偏光状態の光線258は光視準素子162の側面で反射し、出力面166を通して光視準素子から部分的視準光として出射する。第1偏光状態の光線258は入力面270を通してビーム分割プリズム偏光子252に入射し、部分反射対角面254で反射し、第1出力面272を通して反射体256まで通過し、反射体256で反射し、ビーム分割プリズム偏光子の第1出力面272を通して逆戻りする。光線258は部分反射対角面254で反射し、入力面270を通して光視準素子162内へ逆戻りし、光視準素子162を再度通過し、光再循環エンベロープ102に再入射して、最終的に第2偏光状態の光に部分的に変換される。
【0100】
第2偏光状態の光線260は第1側面の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、第1側面の光出力開口104を通過し、光視準素子162の入力面164を非視準光として通過する。第2偏光状態の光線260は光視準素子162の側面で反射し、次いで光視準素子162の出力面166から部分的視準光として出射する。光線260は入力面270を通過してビーム分割プリズム偏光子252に入り、部分反射対角面254を通過し、第2出力面274を通してビーム分割プリズム偏光子252から出射し、第2偏光状態の部分視準光として照明システム250から出射する。
【0101】
図7Bで、第1出力面272から外に向けられた第1偏光状態の光は、反射体256によってビーム分割プリズム偏光子252内に反射される。代替的照明システム600が図8に断面図で示される。図8で、第1出力面272から出射する第1偏光状態の光は、協働する第2光視準素子620および第2照明システム内に再循環される。第2照明システムは、第2発光層608および第2反射層610を有する第2LED606と、第2光再循環エンベロープ602と、第2光出力開口604とから構成される。第2光視準素子620は、第2光出力開口604に隣接する入力面と、ビーム分割プリズム偏光子252の第1出力面272に隣接する出力面とを有する。
【0102】
LED106によって放出された第1偏光状態の光はビーム分割プリズム偏光子252の部分反射対角面254によって、第2光視準素子620、およびLED606を含む第2光再循環エンベロープ602内へ反射する。逆に、LED606によって放出された第1偏光状態の光はビーム分割プリズム偏光子252の部分反射対角面254によって、光視準素子162、およびLED106を含む光再循環エンベロープ102内へ反射する。
【0103】
LED106によって放出された第2偏光状態の光は、ビーム分割プリズム偏光子252の部分反射対角面254を透過する。光は表面274を通過し、反射体636によって反射され、直角プリズム634によって屈折し、照明システム600から第2偏光状態の光として出射する。LED606によって放出された第2偏光状態の光はビーム分割プリズム偏光子252の部分反射対角面254を透過する。光は表面630を通過し、反射体638によって反射され、直角プリズム634によって屈折し、照明システム600から第2偏光状態の光として出射する。LED106およびLED606によって放出された第2偏光状態の光は結合されて、照明システムに改善された最大出射放射輝度をもたらす。2つの光再循環エンベロープおよび2つの光視準素子を含む照明システム600の最大出射放射輝度は、1つの光再循環エンベロープおよび1つの光視準素子を含む照明システム250の最大出射放射輝度より高い。
【0104】
光線640、642、650、および652は照明システム600の動作を示す。第1偏光状態の光線640はLED606の発光層608の表面612から出射し、光再循環エンベロープ602の内部を通過し、光再循環エンベロープ602で反射する。光線640は光再循環エンベロープ602の内部を通過し、光出力開口604を通して出射し、光視準素子620の入力面に入射する。光線640は反射無しに光視準素子を通過し、ビーム分割プリズム偏光子252の表面272に入射する。第1偏光状態の光線640は部分反射対角面254によって光視準素子162内へ反射する。光線640は光視準素子162の側面から反射し、光視準素子162から出射し、光再循環エンベロープ102に再循環光として入射する。
【0105】
第2偏光状態の光線642は発光層608の表面612から出射し、光再循環エンベロープ602の内部を通過し、光出力開口604を通過し、光視準素子620の入力面に入射する。光線642は光視準素子620の側面で反射し、光視準素子620から出射し、ビーム分割プリズム偏光子252の表面272に入射する。第2偏光状態の光線642は反射無しに部分反射対角面254を通過し、表面630を通してビーム分割プリズム偏光子252を出射する。光線642は反射体638で反射し、直角プリズム634で屈折し、照明システム600から第2偏光状態の光として出射する。
【0106】
第1偏光状態の光線650はLED106の発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、光再循環エンベロープ102で反射する。光線650は光再循環エンベロープ102の内部を通過し、光出力開口104を通して出射し、光視準素子162の入力面に入射する。光線650は反射無しに光視準素子162を通過し、ビーム分割プリズム偏光子252の表面270に入射する。第1偏光状態の光線650は部分反射対角面254で光視準素子620内へ反射する。光線650は反射無しに光視準素子620を通過し、光視準素子620から出射し、光再循環エンベロープ602に再循環光として入射する。
【0107】
第2偏光状態の光線652は発光層108の表面112から出射し、光再循環エンベロープ102の内部を通過し、光出力開口104から出射し、光視準素子162の入力面に入射する。光線652は光視準素子162の側面で反射し、光視準素子162から出射し、ビーム分割プリズム偏光子252の表面270に入射する。第2偏光状態の光線652は反射無しに部分反射対角面254を通過し、表面274を通してビーム分割プリズム偏光子252から出射する。光線652は反射体636で反射し、直角プリズム634で屈折し、照明システム600から第2偏光状態の光として出射する。
【0108】
図3〜8で、光源は光再循環エンベロープ内部に配置され、光再循環エンベロープは光源を収容する。光源の一部を光再循環エンベロープの外側に配置することができることも、本発明の範囲内である。そのような場合、光再循環エンベロープは光源を部分的に収容するが、光源全体を収容しない。光源の一部が光再循環エンベロープの外側に配置される照明システム300の実施例を、図9Aおよび9Bに断面図で示す。
【0109】
図9Aおよび9Bに示した照明システム300の断面は、第1側面と、第2側面と、第3側面と、第4側面とを有する。照明システム300の光源がLED306に加えてライトガイド316をさらに含むことを除いては、照明システム300は照明システム100と同一である。LED306およびライトガイド316は両方とも第4側面に配置される。LED306は光再循環エンベロープの外側に配置される。照明システム300はまた、光再循環エンベロープ302および照明システムの第1側面に配置された光出力開口304をも含む。LED306、光再循環エンベロープ302、および光出力開口304の特徴および特性は、照明システム100のそれぞれの要素の特徴および特性と同一である。
【0110】
LED306は、ライトガイドおよび光再循環エンベロープを伴わない同一構成のLEDを測定することによって決定された最大固有光源放射輝度を有する。
【0111】
ライトガイド316は照明システムの第4側面に配置され、LED306の発光層308の表面312に隣接する入力面318と、光再循環エンベロープ302の内側に配置された出力面320とを有する。LED306の表面312を通して放出される光の実質的に全部がライトガイド316に入射するように、入力面318の面積はLED306の表面312の面積より大きいことが好ましい。LED306の表面312とライトガイド316の入力面318との間に間隙があることが好ましく、間隙の屈折率はライトガイドの屈折率より低いことが好ましい。そのような間隙が存在し、かつ間隙がライトガイドの屈折率より充分に小さい屈折率を持つ場合、表面321に垂直の方向から大きい角度で、つまり約45度を越える角度で表面312から出射される光が依然としてライトガイド316内に受け入れられ、ライトガイドによって表面318に直角の方向に対し約45度未満の角度に誘導され、光再循環エンベロープ内に導かれる。逆に、表面312と表面318との間に間隙が存在しない場合、表面312に垂直の方向から約45度を越える角度で表面312から出射する光は、おそらくライトガイド316によって光再循環エンベロープ302内に誘導されず、おそらく損失するであろう。
【0112】
ライトガイド316は、LED306の発光層308によって放出された光をLED306から光再循環エンベロープ302内に搬送する。加えて、ライトガイド316は、光再循環エンベロープ302内の光の一部を再循環光としてLED306の反射層310へ搬送する。そして最終的に、ライトガイド316は、反射層310で反射した再循環光を光再循環エンベロープ内に搬送する。反射層310から反射した循環光はLED306の有効輝度を高める。
【0113】
LED306の総発光面積は面積Aである。前述の通り、反射層310の反射率Rは少なくとも50%であることが好ましい。より好ましくは、反射率Rは少なくとも70%である。最も好ましくは、反射率Rは少なくとも90%である。同じく前述の通り、光再循環エンベロープ302の反射率Rは少なくとも50%であることが好ましい。より好ましくは、反射率Rは少なくとも70%である。最も好ましくは、反射率Rは少なくとも90%である。出力開口304の総出力開口面積は面積Aである。照明システム300において、AがAより低い場合、かつRおよびRが各々50%を越える場合、照明システム300の最大出射放射輝度はLED306の最大固有光源放射輝度より高くなることが可能である。
【0114】
図9Aおよび9Bの例示的光線322および330は、ライトガイド316の機能を示す。光線322はLED306の発光層308の表面312を通して出射する。光線322は表面312および318間の間隙を通過し、表面318を通してライトガイド316に入射する。光線322はライトガイド316を通過し、ライトガイド316の側面で反射し、光再循環エンベロープ302の内側に位置する表面320を通してライトガイド316から出射する。光線322は光再循環エンベロープ302の内部を通過して光再循環エンベロープ302に至り、光再循環エンベロープで反射し、光再循環エンベロープの内部を通過し、光出力開口304を通して照明システム300から出射する。
【0115】
図9Bで、光線330は第1期間中にLED306の発光層308の表面312から出射する。光線330は表面312および318の間の間隙を通過し、表面318からライトガイド316に入射する。光線330はライトガイド316を通過し、ライトガイド316の側面から反射し、光再循環エンベロープ302内部に配置された表面320を通してライトガイド316から出射する。光線330は光再循環エンベロープ302の内部を通過し、光再循環エンベロープの第2側面で反射して光源に再循環する。光線330は、光再循環エンベロープ302の内部をライトガイド316の表面320まで通過する。光線330は反射せずにライトガイド316内を通過し、ライトガイド316の表面318を通過し、発光層308の表面312を初めて通過し、反射層310で反射し、第2期間に発光層308および表面312を再度通過する。光線330は表面318を通してライトガイド316に再入射し、反射せずにライトガイド316を通過し、表面320を通してライトガイド316から出射する。光線330は次いで光再循環エンベロープの内部を通過し、光出力開口304を通して照明システム300から出射する。
【0116】
光線330が第2期間中に発光層308の表面312を再度通過するときに、光330は、第2期間中にLED306の発光層308によって同時に放出される光に加わる。光線330はLED306の有効放射輝度を高め、かつ照明システム300の最大出射放射輝度を高める。
【0117】
ライトガイド316は、光を透過しかつ内部全反射によって光を搬送する任意の固体材料から構成することができる。考えられる材料として、二酸化シリコンのような無機ガラス、ならびにポリメチルメタクリレートおよびフルオロアクリレートのようなプラスチックが挙げられる。LED306がランバーティアンまたは近ランバーティアン出力角度分布で光を放出する場合、内部全反射によって光を誘導するライトガイド316は、ライトガイドの側面からの光の漏出を防止するために、直線状のライトガイドとする必要があるかもしれない。ライトガイド316はまた、中実構造、または両端を除くライトガイドの側面に光反射材が被覆された中空構造とすることもできる。ライトガイド316の側面に反射材を被覆する場合、ライトガイド316は湾曲ライトガイドでも、ランバーティアンエミッタによって放出された光を依然として効率的に搬送することができる。
【0118】
図3〜9に示した本発明の実施形態は、光源として1つのLEDを持つように図示されている。しかし、本発明の実施形態は2つ以上のLEDを組み込むことができる。図10A、10B、および10Cは、光の放出および反射の両方を行なう2つのLED、つまりLED406aおよびLED406bから構成される光源を有する照明システム400を示す。図10Aは、光再循環エンベロープ402および光出力開口404の縁を図中に実線で示す、照明システム400の上面外観図である。図10Bは、図10Aに示されたI−I面に沿って見た断面図である。図10Cは、図10Aに示されたII‐II面に沿って見た断面図である。要素LED406a、LED406b、光再循環エンベロープ402、および光出力開口404の特徴および特性は、照明システム100のそれぞれの要素の特徴および特性と同一である。前述の通り、光再循環エンベロープは内部容積を収容する任意の三次元形状を持つことができる。好ましくは、光再循環エンベロープの三次元形状は、エンベロープの内面へのLEDの取付けを容易にするために、平坦面を持つ切子面である。照明システム400の立方体形状は単なる例示目的にすぎない。
【0119】
図10Cに示した照明システム400の方形断面形状は、光出力開口404を含む第1側面と、第2側面と、第3側面と、第4側面とを有する。第1側面は第3側面と対向し、かつそれと平行である。第2側面は第4側面と対向し、かつそれと平行である。第1側面および第3側面は第2側面および第4側面に直角である。図10Cに断面図で示された照明システムの4つの側面は、六面立方体の残りの2つの面(図10Cには図示せず)と共に、光再循環エンベロープの内部を形成する。
【0120】
照明システム400は、第4側面にあるLED406aと、第2側面にあるLED406bとを有する。2つのLEDは同一波長範囲の光を放出することができ、あるいは2つのLEDは異なる波長範囲の光を放出することができる。例えば、LED406aは第1波長範囲の第1光フラックスを放出することができる。LED406bは、第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の第2光フラックスを同時に放出することができる。第1波長範囲の第1光フラックスの一部分および第2波長範囲の第2光フラックスの一部分は、合成色の光として光出力開口404から出射する。第1波長範囲の第1光フラックスが一定に維持され、第2波長範囲の第2光フラックスがLED406bを駆動する電力を変化させることによって変化すると、光出力開口404から出射する合成色は変化する。
【0121】
出力開口404を出射する合成色が白色光である場合、光出力開口から出射する第2波長範囲の第2光フラックスに対する第1波長範囲の第1光フラックスの比率を変化させることによって、白色光の質を変化させることができる。白色光の質は演色評価数(color‐rendering index)によって記述することができる。100の演色評価数は、着色表面上に照らされた白色光が、人間の目で見たときに、太陽からの光が表面を照らしたときと同様に表面の色を再現することを示す。100未満の演色評価数は、着色表面上に照らされた白色光が、太陽光を用いて人間の目で見たときの色とは異なるように人間の目に見える見掛けの表面色をもたらすことを示す。LEDの1つを駆動する電力を変化させることによって、第2波長範囲の第2光フラックスに対する第1波長範囲の第1光フラックスの比率を変化させることができる。2つの波長範囲の組合せに可能な最大値を達成するために、この比率を変化させることにより、光出力開口から出射する光の演色評価数もまた変化させることができる。
【0122】
代替的に、LED406aおよびLED406bは、異なる時間に異なる波長範囲の光を放出することができる。例えば、第1LED406aは第1期間中に第1波長範囲の光を放出することができ、第1波長範囲の光の一部分は第1期間中に光出力開口404から出射する。第1期間中に、LED406bは光を放出しない。第2LED406bは、第1期間とは異なる第2期間中に、第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の光を放出することができ、第2波長範囲の光の一部分は第2期間中に光出力開口404から出射する。第2期間は第1期間と重複しない。第2期間中に、LED406aは光を放出しない。第1期間および第2期間は次いで繰り返されて、色が交互に変化する光が生成される。
【0123】
照明システム100の場合と同様に、照明システム400の光源、この場合は2つのLEDによって放出される光の一部は、光再循環エンベロープによって反射され、光源に再循環される。循環光は光源の有効輝度を高める。光再循環エンベロープの反射率はRである。LED406aの反射層410aおよびLED406bの反射層410bの反射率はRである。照明システム400のRおよびRの好ましい値は、照明システム100について前に列挙した好ましい値と同一である。理想的には、照明システムの効率および最大出射放射輝度を最大にするために、RおよびRは可能な限り100%に近づけるべきである。
【0124】
単一のLEDから放出される光をLEDに再循環することにより、LEDの有効輝度を高めることができる。光源が光再循環エンベロープ内部の2つ以上のLEDから構成される場合に、1つのLEDの光が別のLEDに向けられ、それによって反射されるとき、つまり光源の一部分によって放出された光が光源の別の部分に再循環されるときにも、光源の有効輝度を高めることができる。図10Cの光線416および418はこの効果を示す。光線416は、LED406aの発光層408aの表面412aから出射する。光線416は光再循環エンベロープの内部を通過し、LED406bの表面412bおよび発光層408bを透過し、反射層410bで反射する。光線416は発光層408bおよび表面412bを再度通過して、光再循環エンベロープ402の内部に再入射する。LED406aによって放出された光線416がLED406bで反射するときに、LED406bの有効放射輝度は高くなる。
【0125】
光線418は、LED406bの発光層408bの表面412bから出射する。光線418は光再循環エンベロープの内部を通過し、LED406aの表面412aおよび発光層408aを透過し、反射層410aで反射する。光線418は発光層408aおよび表面412aを再度通過して、光再循環エンベロープ402の内部に再入射する。LED406bによって放出された光線418がLED406aで反射するときに、LED406aの有効放射輝度は高くなる。
【0126】
光源の総発光面積は面積Aである。この実施形態では、光源は2つのLEDで構成されるので、光源の総発光面積Aは2つのLEDの複合発光面積である。光源は最大固有光源放射輝度の光を放出する。前述の通り、最大固有光源放射輝度は、光再循環エンベロープが存在しないとき、かつ他のLEDが光を測定対象のLEDに導かれていないときに、光源の各LEDの放射輝度を測定することによって決定される。測定は各LEDが照明システム400と同一レベルに作動された状態で行なわれ、出射角の関数として行なわれる。次いでこれらの放射輝度測定から、最大放射輝度値を決定することができる。この最大値は最大固有光源放射輝度と定義される。
【0127】
総光出力開口面積は面積Aである。照明システム400は1つの光出力開口404しか持たず、したがってそれは面積Aを有する。照明システム400でAがAより低くかつRおよびRが各々50%を越える場合には、照明システム400の最大出射放射輝度が光源の最大固有光源放射輝度より高くなることが可能である。
【0128】
図11A、11B、および11Cは、LED506a、LED506b、LED506c、およびLED506dと表示された4つのLEDから構成された光源を有する照明システム500を示す。照明システム500はまた、光再循環エンベロープ502および光出力開口504からも構成される。要素LED506a、LED506b、LED506c、LED506d、光再循環エンベロープ502、および光出力開口504の特徴および特性は、照明システム100のそれぞれの要素の特徴および特性と同一である。しかし、各LEDは第1波長範囲の光を放出することができ、あるいは各LEDは異なる波長範囲の光を放出することができる。光源が4つのLEDから構成される場合、光源によって放出される最高4つまでの波長範囲が存在することができる。最高4つまでの波長範囲を同時に放出することができ、あるいは最高4つまでの波長範囲を各々異なる時間に放出することができる。
【0129】
一般的に、照明システムは、LEDが相互に重なり合わずかつ光出力開口と重ならない限り、任意の個数のLEDを光再循環エンベロープの内面に含むことができる。LEDは、光出力開口の領域を除く光再循環エンベロープの内面全体を覆うことができる。
【0130】
光再循環エンベロープ502の反射率はRである。LED506aの反射層510a、LED506bの反射層510b、LED506cの反射層510c、およびLED506dの反射層510dの反射率はRである。照明システム500のRおよびRの好ましい値は、照明システム100に対して前に列挙した好ましい値と同一である。理想的には、照明システムの効率および最大出射放射輝度を最大にするために、RおよびRは可能な限り100%に近づけるべきである。
【0131】
光源の総発光面積は面積Aである。照明システム500で、光源は4つのLEDから構成されるので、光源の総発光面積Aは4つのLEDの複合発光面積である。光源は最大固有光源放射輝度を有する。最大固有光源放射輝度を決定するための方法については前述した。
【0132】
総光出力開口面積は面積Aである。照明システム500は1つの光出力開口504しか持たず、したがってそれは面積Aを有する。照明システム500でAがAより低く、かつよびRおよびRが各々50%を越える場合には、照明システム500の最大出射放射輝度が光源の最大固有光源放射輝度より高くなることが可能である。
【0133】
本発明の別の実施形態は、図12Aおよび12Bに示した照明システム700である。照明システム700の光源は、LED706a、LED706b、LED706c、LED706d、LED706e、LED706f、LED706g、LED706h、LED706i、LED706j、LED706k、およびLED706lと表示された12個のLEDから構成される。照明システム700はまた、光再循環エンベロープ702および光出力開口704からも構成される。LED、光再循環エンベロープ702、および光出力開口704の特徴および特性は、照明システム100のそれぞれの要素の特徴および特性と同一である。しかし、各LEDは第1波長範囲の光を放出することができ、あるいは各LEDは異なる波長範囲の光を放出することができる。光源が12個のLEDから構成される場合、光源によって放出される最高12個までの波長範囲が存在することができる。最高12個までの波長範囲を同時放出することができ、あるいは最高12個までの波長範囲を各々異なる期間に放出することができる。
【0134】
光再循環エンベロープ702は、図12Aおよび12Bに示すように2つの方形端部を持つ矩形の三次元形状を有する。光出力開口704は、方形端部の一方の中心に配置される。3つの矩形側面の各々が3つのLEDを含む。図12Bに示された左側の側面にはLED706a、LED706e、およびLED706iが含まれる。図12Bに示された右側の側面にはLED706c、LED706g、およびLED706kが含まれる。各々3つのLEDを含む他の2つの矩形側面は図示されていない。
【0135】
光再循環エンベロープ702の反射率はRである。LED706aの反射層710a、LED706bの反射層710b、LED706cの反射層710c、LED706dの反射層710d、LED706eの反射層710e、LED706fの反射層710f、LED706gの反射層710g、LED706hの反射層710h、LED706iの反射層710i、LED706jの反射層710j、LED706kの反射層710k、LED706lの反射層710lの反射率はRである。照明システム700のRおよびRの好ましい値は、照明システム100について前に列挙した好ましい値と同一である。理想的には、照明システムの効率および出射放射輝度を最大にするために、RおよびRは可能な限り100%に近づけるべきである。
【0136】
光源の総発光面積は面積Aである。照明システム700では光源は12個のLEDから構成されるので、光源の総発光面積Aは12個のLEDの複合発光面積である。光源は最大固有光源放射輝度を有する。最大固有光源放射輝度を決定するための方法については前述した。
【0137】
総光出力開口面積は面積Aである。照明システム700は1つの光出力開口しか持たず、したがってそれは面積Aを有する。照明システム700でAがAより低く、かつRおよびRが各々50%を越える場合には、照明システム700の最大出射放射輝度が光源の最大固有光源放射輝度より高くなることが可能である。
【0138】
以下の実験例は、本発明の実施形態をさらに説明するために提示する。
【0139】
(実験例1)
コンピュータシミュレーションプログラムを使用して、光再循環エンベロープ内部の12個の同一LEDから構成される光源を有する照明システムの相対出力放射輝度、相対出力ルミナンス、および総出力効率をモデル化する。各LEDは2mm×2mmの寸法、4mmの総発光面積を有し、0.2ワットまたは11ルーメンの450nmの光を放出する。11ルーメンの値は、450nmで1ワット当たり55ルーメンの換算率を想定して、ワット単位の値から算出される。各LEDは最大固有放射輝度Radianceを有する。LEDの最大固有放射輝度は、光再循環エンベロープに収容されずかつ他のLEDからの光を反射しない、同一構成のLEDを測定することによって決定される。全てのLEDは均等であるので、1つのLEDの最大固有放射輝度は、光源の最大固有放射輝度に等しい。各LEDはランバーティアン出力光分布を持つと想定される。12個のLEDの総発光面積Aは48mmであり、12個のLEDからの450nmの総放射光フラックスは2.4ワットまたは132ルーメンである。三次元矩形光再循環エンベロープは、2.8mm×2.8mmの内部寸法、9mmの内部長さ、および116.48mmの総内面積を持つ方形断面を有する。総内面積は12個のLEDの総発光面積、および出力開口の面積を含む。光再循環エンベロープの光出力開口は4.8mmの面積Aを持つので、A/Aは0.10となる。つまり、光出力開口の面積はLEDの総発光面積の10%である。光再循環エンベロープに損失が無い場合(つまり、LEDおよび光再循環エンベロープの内部反射面の光反射率が100%である場合)、出力放射輝度はLEDの放射輝度の10倍になり、出力効率は100%となる。しかし、実際の光再循環エンベロープは100%未満の光反射率を持ち、損失がある。簡単にするために、LEDの鏡面反射率Rは、LEDによって覆われない光再循環エンベロープの内面の拡散反射率Rと大きさが同一であると仮定する。計算で、反射率Rおよび反射率Rを変化させ、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または98%となるようにする。結果を下の表1に示す。LEDの固有放射輝度Radianceに対する出力放射輝度Radianceの比率Radiance/Radianceは、光再循環の結果得られる放射輝度の向上を示す。算出された効率は、LEDによって発生し出力開口を通過した光フラックスの百分率である。光フラックスの残部は、LEDおよび光再循環エンベロープによる吸収のため、失われる。
【0140】
コンピュータモデリングの結果は、RおよびRが50%以下である場合、放射輝度の向上が無く(Radiance/Radianceが1未満である)、効率が低い(10%未満)であることを示す。LEDおよび光再循環エンベロープの反射率が増加するにつれて、放射輝度の向上および効率が高くなる。Rが98%であり、かつRが98%であるときの6.87の放射輝度向上率は、照明システムの光出力開口からの出力放射輝度が、光源の最大固有放射輝度より6.87倍高いことを示す。
【表1】

【0141】
(実験例2)
実施例2の照明システムは、光再循環エンベロープの内面の拡散反射率Rが98%で一定に維持され、LEDの鏡面反射率Rが5%から98%まで変化することを除き、実施例1と同一である。この実施例では、コンピュータシミュレーションプログラムを使用して、光再循環エンベロープ内部の12個の同一LEDから構成される光源を有する、照明システムの相対出力放射輝度および総出力効率を算出する。光再循環エンベロープの寸法は実施例1に記載されている。各LEDは、最大固有放射輝度Radianceを有し、それは光源の最大固有放射輝度に等しい。最大固有放射輝度は実施例1と同様に決定される。光再循環エンベロープの光出力開口は4.8mmの面積Aを有するので、A/Aは0.10となる。つまり、光出力開口の面積はLEDの総面積の10%である。LED光源の固有放射輝度Radianceに対する出力放射輝度Radianceの比率Radiance/Radianceは、光再循環の結果得られる放射輝度の向上を示す。算出された効率は、LEDによって発生し出力開口を通過した光フラックスの百分率である。光フラックスの残部は、LEDおよび光再循環エンベロープによる吸収のため、失われる。結果を下の表2に示す。コンピュータモデリングの結果は、Rが10%以下であり、かつRが98%である場合、放射輝度の向上が無く(Radiance/Radianceが1未満である)、効率が比較的低い(10%未満)ことを示す。典型的な黒体または灰色体光源は低い反射率(10%未満)を持ち、この実施例の結果は、そのような光源が本発明で使用するのには適さないことを示していることに注目されたい。光源の反射率が増加するにつれて、放射輝度の向上および効率が高くなる。Rが98%であり、かつRが98%であるときの6.87の放射輝度向上率は、照明システムの光出力開口からの出力放射輝度が、LEDの最大固有放射輝度より6.87倍高いことを示す。
【表2】

【0142】
本発明を特定の実施形態および実施例に関連して説明したが、上記の説明に照らして多くの代替、変化、変形が推量されることは、当業者には明白であろう。したがって、本発明はそのような代替、変化、および変形を全て、添付の請求の範囲の精神および範囲内に含むことを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1A】先行技術の従来の光学システムの断面側面図である。
【図1B】先行技術の従来の光学システムの断面側面図である。
【図2A】発光面および反射面の両方を有する先行技術の光源の断面図である。
【図2B】発光面および反射面の両方を有する先行技術の光源の断面図である。
【図3A】1つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図3B】1つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図3C】1つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図3D】1つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図3E】1つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図4】光再循環エンベロープに光透過固体が部分的に充填された本発明の実施形態である。
【図5】平板状反射偏光子をさらに含む本発明の実施形態である。
【図6A】光視準素子をさらに含む本発明の実施形態である。
【図6B】光視準素子をさらに含む本発明の実施形態である。
【図6C】光視準素子をさらに含む本発明の実施形態である。
【図7A】光視準素子および平板状反射偏光子の両方をさらに含む本発明の実施形態である。
【図7B】光視準素子およびビーム分割プリズム偏光子の両方をさらに含む本発明の実施形態である。
【図8】2つの光源と、2つの光再循環エンベロープと、2つの光視準素子と、ビーム分割プリズム偏光子とを含む本発明の実施形態である。
【図9A】ライトガイドをさらに含む本発明の実施形態を示す。
【図9B】ライトガイドをさらに含む本発明の実施形態を示す。
【図10A】2つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図10B】2つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図10C】2つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図11A】4つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図11B】4つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図11C】4つの発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図12A】12個の発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。
【図12B】12個の発光ダイオードを有する本発明の実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放出する少なくとも1つの発光ダイオードを含む光源であって、前記少なくとも1つの発光ダイオードが前記光を放出する発光層と、前記光を反射する反射層とから構成され、前記反射層の反射率が反射率Rであり、前記光源の総発光面積が面積Aであり、前記光源によって放出される前記光が最大固有光源放射輝度を有している、光源と、
前記光源を少なくとも部分的に収容する光再循環エンベロープであって、反射率Rを有し、かつ前記光の一部を反射して前記少なくとも1つの発光ダイオードの前記反射層に再循環させる、光再循環エンベロープと、
前記光再循環エンベロープの表面に配置された少なくとも1つの光出力開口であって、総光出力開口面積が面積Aであり、前記面積Aが前記面積Aより小さく、前記光源および前記光再循環エンベロープが前記光の少なくとも一部分を少なくとも1つの光出力開口を通して前記光再循環エンベロープから外に導き、前記光の前記一部分が最大出射放射輝度を有する非コヒーレント光として前記少なくとも1つの光出力開口から出射する、光出力開口と、
を備えた照明システム。
【請求項2】
前記最大出射放射輝度が前記最大固有光源放射輝度より大きい、請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの発光ダイオードが、無機発光ダイオードおよび有機発光ダイオードから成る群から選択される、請求項1に記載の照明システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの発光ダイオードの前記反射層が前記光再循環エンベロープの内面上に配置される、請求項1に記載の照明システム。
【請求項5】
前記光が波長200ナノメートルを越えかつ波長3000ナノメートル未満である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項6】
前記光が200ナノメートルを越えかつ400ナノメートル未満の波長の紫外光である、請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
前記光が700ナノメートルを越えかつ3000ナノメートル未満の波長の赤外光である、請求項5に記載の照明システム。
【請求項8】
前記光源が前記光を放出する複数の発光ダイオードである、請求項1に記載の照明システム。
【請求項9】
前記光源が、第1波長範囲の第1光フラックスを放出する第1発光ダイオードと、前記第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の第2光フラックスを同時に放出する第2発光ダイオードとを含み、第1波長範囲の前記第1光フラックスの一部分および第2波長範囲の前記第2光フラックスの一部分が、前記少なくとも1つの光出力開口から合成色の光として出射する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項10】
前記第2発光ダイオードから放出される第2波長範囲の前記第2光フラックスを変化させて、合成色の前記光の色および演色評価数(CRI)を変化させる、請求項9に記載の照明システム。
【請求項11】
前記光源が第1発光ダイオードおよび第2発光ダイオードを含み、前記第1発光ダイオードが第1期間に第1波長範囲の光を放出し、第1波長範囲の前記光の一部分が前記第1期間に前記少なくとも1つの光出力開口を出射し、前記第2発光ダイオードが前記第1期間とは異なる第2期間に前記第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の光を放出し、第2波長範囲の前記光の一部分が前記第2期間に前記少なくとも1つの光出力開口を出射し、前記第1期間および前記第2期間が繰り返されて、色が交互に変化する光出力を生成する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項12】
前記反射率Rが少なくとも50%である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項13】
前記反射率Rが少なくとも70%である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項14】
前記反射率Rが少なくとも90%である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項15】
前記光源が発光ダイオードおよびライトガイドを含み、前記発光ダイオードが前記光再循環エンベロープの外側に配置され、前記ライトガイドが前記発光ダイオードの前記発光層に隣接する入力面と前記光再循環エンベロープの内側に配置された出力面とを有し、前記ライトガイドが前記光を前記発光層から前記光再循環エンベロープへ搬送し、前記ライトガイドが前記光の一部を前記光再循環エンベロープから前記発光ダイオードの前記反射層へ再循環光として搬送し、かつ前記ライトガイドが前記反射層で反射した前記再循環光を前記光再循環エンベロープへ搬送する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項16】
前記光再循環エンベロープは少なくとも部分的に前記発光ダイオードの前記発光層の表面の少なくとも一部と接触する光透過固体で満たされ、前記光透過固体が前記発光層からの発光効率を向上する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項17】
前記光透過固体が超微細粉末をさらに含み、前記超微細粉末が300ナノメートル未満の粒径を有し、前記超微細粉末が1.60を越えるバルク屈折率を有する材料から作られ、かつ前記超微細粉末が前記光透過固体の有効屈折率を高める、請求項16に記載の照明システム。
【請求項18】
1.60を越えるバルク屈折率を有する前記材料が、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、および五酸化アンチモンを含む群から選択される、請求項17に記載の照明システム。
【請求項19】
前記光再循環エンベロープが本質的に反射性であるバルク材から構成される、請求項1に記載の照明システム。
【請求項20】
前記光再循環エンベロープの内面が反射性コーティングで被覆される、請求項1に記載の照明システム。
【請求項21】
前記反射性コーティングが拡散反射体である、請求項20に記載の照明システム。
【請求項22】
前記反射性コーティングが鏡面反射体である、請求項20に記載の照明システム。
【請求項23】
前記反射性コーティングが、鏡面反射体を裏当てされた拡散反射体である、請求項20に記載の照明システム。
【請求項24】
前記反射率Rが少なくとも50%である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項25】
前記反射率Rが少なくとも70%である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項26】
前記反射率Rが少なくとも90%である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項27】
前記面積Aが前記面積Aの50%以下である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項28】
前記面積Aが前記面積Aの30%以下である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項29】
前記面積Aが前記面積Aの10%以下である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項30】
前記面積Aが25平方ミリメートル未満である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項31】
前記面積Aが10平方ミリメートル未満である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項32】
前記照明システムが複数の前記光出力開口をさらに含む、請求項1に記載の照明システム。
【請求項33】
平板状反射偏光子をさらに含み、前記平板状反射偏光子が光出力光路に配置され、前記平板状反射偏光子が前記光再循環エンベロープの前記少なくとも1つの光出力開口に隣接して配置され、前記平板状反射偏光子が第1偏光状態の光を反射して前記光再循環エンベロープへ再循環させ、かつ前記平板状反射偏光子が第2偏光状態の光を透過させる、請求項1に記載の照明システム。
【請求項34】
少なくとも1つの光視準素子をさらに含み、前記少なくとも1つの光視準素子が前記少なくとも1つの光出力開口に隣接して非視準光を受け入れる入力面を有し、前記少なくとも1つの光視準素子が前記非視準光を部分的に視準し、前記少なくとも1つの光視準素子が前記部分的に視準された光を透過する出力面を有する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項35】
前記少なくとも1つの光視準素子が、凸レンズ、テーパ状ライトガイド、および複合パラボラ反射器を含む群から選択される、請求項34に記載の照明システム。
【請求項36】
ビーム分割プリズム偏光子をさらに含み、前記ビーム分割プリズム偏光子が前記光視準素子の前記出力面に隣接して前記光出力光路に配置され、前記ビーム分割プリズム偏光子が入力面と、前記入力面に垂直な第1出力面と、前記入力面に対向する第2出力面と、部分反射対角面とを有し、前記光視準素子の前記出力面を透過して前記ビーム分割プリズム偏光子の前記入力面に入射した第1偏光状態の光が前記部分反射対角面で反射して前記ビーム分割プリズム偏光子の前記第1出力面を透過し、前記光視準素子の前記出力面を透過して前記ビーム分割プリズム偏光子の前記入力面に入射した第2偏光状態の光が前記ビーム分割プリズム偏光子の前記第2出力面を透過する、請求項34に記載の照明システム。
【請求項37】
前記ビーム分割プリズム偏光子の前記第1出力面に隣接してかつそれに平行に配置された光反射体をさらに含み、前記第1出力面を出射する第1偏光状態の前記光が反射して、前記第1出力面を通り、前記ビーム分割プリズム偏光子を通り、かつ前記光視準素子を通って前記光再循環エンベロープ内へ再循環される、請求項36に記載の照明システム。
【請求項38】
協働する第2光視準素子および第2照明システムをさらに含み、前記第2照明システムが第2光出力開口を有する第2光再循環エンベロープによって囲まれた第2発光ダイオードを含み、前記第2光視準素子が入力面および出力面を有し、前記第2光視準素子の前記入力面が前記第2照明システムの前記第2光出力開口に隣接し、前記第2光視準素子の前記出力面が前記ビーム分割プリズム偏光子の前記第1出力面に隣接し、かつ前記ビーム分割プリズム偏光子の前記第1出力面を出射する第1偏光状態の前記光が前記第2光視準素子の前記出力面を透過し、前記第2光視準素子を通して前記第2照明システム内へ再循環される、請求項36に記載の照明システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【公表番号】特表2007−531302(P2007−531302A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506129(P2007−506129)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/030856
【国際公開番号】WO2005/104185
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(506329410)ゴールデンアイ、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】