説明

発光ブロックおよび表示装置

【課題】基板の存在のより目立たない表示装置を形成できる発光ブロックを提供する。
【解決手段】2次元および/または3次元の表示装置を形成するための発光ブロック11は、中空で多面体型のモジュール20と、モジュール20の内部に配置されたLEDユニット29とを有する。モジュール20は、上下に対向する端部21aおよび21bと、前後左右に向いた透光性の周壁22a〜22dとを含む。端部21aおよび21bは他の発光ブロック11に機械的に接続するためのコネクタサブモジュール36aおよび36bと、接続基板31とを含む。周壁の少なくとも一部は、表示装置を形成する際に他の発光ブロックの周壁の一部と面で接するコンタクト壁部であり反射シート41を貼り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDなどの光源を含む発光ブロックおよびそれらを組み合わせた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、透光性材によって立方体、直方体、円柱体等の所定の立体形状に構成し、一面に突起部を設け、他の一面に突起部を嵌入する嵌入部を設け、当該突起部、嵌入部それぞれの着脱自在な嵌合によって相互に接合可能なブロック体とすることが記載されている。特許文献1には、さらに、このブロック体により、発光体を内蔵した発光用ブロック体、投影模様を表示したフィルム部材を保持するマスク部を備えた投影用ブロック体、反射鏡を内蔵した反射用ブロック体、万華鏡を内蔵した万華鏡用ブロック体、透光反射面を有する透光体を内蔵した透光体用ブロック体、芳香剤を内蔵した芳香用ブロック体それぞれで構成することが記載されている。
【特許文献1】特開2006−262939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1には、発光体を内蔵した発光用ブロック体を2次元または3次元に組み合わせて1つの表示装置にすることは開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、2次元および/または3次元の表示装置を形成するための発光ブロックである。この発光ブロックは、中空で多面体型のモジュールと、モジュールの内部に配置された少なくとも1つの光源とを有する。モジュールは、第1の方向に対向する複数の端部と、第1の方向に直交する複数の方向に向いた複数の周壁とを含む。複数の端部のそれぞれは、複数の他の発光ブロックを隣接した状態で当該発光ブロックに機械的に接続するためのコネクタを含む。また、複数の端部の少なくとも一部は、コネクタにより接続される複数の他の発光ブロックの少なくとも一部に電気的に接続するための基板を含む。複数の周壁は透光性または半透光性であり、複数の周壁の少なくとも一部は、表示装置を形成する際に他の発光ブロックの複数の周壁の一部と面で接するコンタクト壁部である。コンタクト壁部は、遮光性部材を着脱可能な部分および/または外光の進入を抑制するための反射構造を備えている。
【0005】
このような複数の発光ブロックをコネクタにより第1の方向に連結することにより、第1の方向および第1の方向に直交する方向に広がった表示壁体を備えた2次元または3次元の表示装置を形成できる。すなわち、複数の発光ブロックは、まず、第1の方向、例えば上下方向に機械的に連結される。第2の方向に直交する方向、例えば、左右方向には上下に存在する他の発光ブロックを介して機械的に連結され、第2の方向に直に機械的に接続しなくても第2の方向にも広がりのある表示壁体を備えた表示装置を形成できる。
【0006】
さらに、端部のコネクタにより複数の発光ブロックを接続するだけで、複数の発光ブロックは端部の基板を介して電気的にも接続される。第1の方向に直交する第2の方向に隣接する発光ブロックは、第1の方向に接続された他の発光ブロックを介して電気的にも接続される。さらに、接続用の基板は発光ブロックの境界となる端部に配置されるので、複数の発光ブロックを電気的に接続する基板の存在は表示装置の外部からはほとんど見えない。このため、複数の発光ブロックを電気的に接続する資源(基板、配線など)の存在を隠した、または外部に直接的には表れないタイプの表示装置を形成できる。
【0007】
さらに、発光ブロックの複数の周壁の少なくとも一部は、表示装置を形成する際に他の発光ブロックの複数の周壁の一部と面で接するコンタクト壁部であり、コンタクト壁部は、遮光性部材を着脱可能な部分および/または外光の進入を抑制するための反射構造を備えている。表示装置において、発光ブロックの第1の方向の境界となる端部は多面体型のモジュールの一方の端なので面あるいは線として認識される。同様に、第1の方向と直交する第2の方向の境界においても発光ブロック同士は、コンタクト壁部により面で接し、表示装置において、第2の方向の境界も面または線として認識される。
【0008】
基板を備えたモジュールの端部においては、基板により第1の方向に接続された発光ブロック同士が遮光される。したがって、コンタクト壁部を遮光することにより、第2の方向においても、端部と同じ状態に第2の方向に接する発光ブロック同士を遮光できる。このため、第1の方向(機械的に接続される方向)およびそれに直交する方向(第2の方向、機械的には接続されない方向)に、光学的にはほぼ等価に発光ブロックが隣接した表示装置を提供できる。コンタクト壁部に、外光の進入を抑制するための反射構造を導入することによっても、隣接する他の発光ブロックからの光学的影響を抑制できるので、第1の方向およびそれに直交する方向に、光学的にはほぼ等価に発光ブロックが隣接した表示装置を提供できる。
【0009】
このため、複数の発光ブロックを2次元あるいは3次元方向に組み立てたときに、基板を含む機械的および電気的な接続部分のいっそう目立たない表示装置を提供できる。また、この表示装置は基板により第1の方向の光学的クロストーク(混色)を抑止でき、さらに、コンタクト壁部により第1の方向に直交する方向の光学的クロストークも抑制できる。したがって、より鮮明な画像を表示する表示装置を提供できる。
【0010】
典型的な多面体型のモジュールの外形は、複数の多面体構造が直線的に接続されている形状である。多面体構造の一例は、立方体(正6面体)構造、切頂6面体構造、切頂20面体(サッカーボール)構造である。最も典型的なモジュールの形状(外形)は、2つの立方体構造が直線的に接続された直方体である。
【0011】
発光ブロックの一形態は、モジュールの内部は遮光性の補助壁により複数のパーティションに分割されており、複数のパーティションのそれぞれに光源が配置されているものである。第1の方向(例えば上下)に直交する第2の方向(例えば左右)に長い直方体ユニットは、遮光性の補助壁で第2の方向に2分割することにより、2つの立方体構造の発光単位(画素)として使用できる。さらに上下および/または左右に分割することにより1つの発光ブロックにより実現できる画素数を増加でき、解像度の高い画像を表示する表示装置を提供できる。遮光性の補助壁は光源を配置するための基板を兼ねていても良い。
【0012】
さらに、コネクタには、反射板および透過板が着脱可能であることが望ましい。基板を挟まずに第1の方向に発光ブロックを接続する場合は、反射板をコネクタに取り付けることが望ましい。一方、発光ブロックが表示壁体の縁を構成する場合は、コネクタに透過板を取り付けることが望ましい。
【0013】
典型的な遮光性部材は、遮光シートである。この遮光シートの着脱可能な部分の一例は、コンタクト壁部の外面である。遮光シートは黒色シートなどの吸収型または金属箔のような反射型であっても良い。外光の進入を抑制するための反射構造の一例は、外光を効率良く反射するようにダイヤカット(ダイヤモンドカット)された壁面である。したがって、コンタクト壁部はダイヤカットされていても良い。内部の光を効率良く透過し、外部の光を効率良く反射するような壁面であることが望ましい。
【0014】
本発明の他の1つの態様は、上記の発光ブロックを複数有し、複数の発光ブロックがコネクタにより2次元または3次元に組み立てられている表示装置である。表示装置によりマルチカラーの画像を表示するためには、それぞれの発光ブロックが、1画素当たりRGB各色の光を出力できる光源を備え、1画素の単位で、原色ではなく混色された色を表示できることが望ましい。発光ブロックは、機械的に着脱できるサイズ、特に、ユーザの手で着脱できる大きさであることが望ましく、そのようなサイズで適当な解像度の表示装置を得るためには1つの画素で混色を表現できることが望ましい。典型的な光源は、RGB各色のLEDを備えたLEDモジュールあるいは発光ユニットである。
【0015】
本発明の他の態様の1つは、複数の発光ブロックにより、2次元および/または3次元の表示装置を製造する方法である。当該方法は、上述した複数の発光ブロックをコネクタにより第1の方向に連結することにより、第1の方向および第1の方向に直交する方向に広がった表示壁体を形成することを含む。遮光性部材が遮光シートのときは、表示壁体を形成すること(ステップ)は、複数の発光ブロックのコンタクト壁部に遮光シートを貼り付けることを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に、複数の発光ブロック(発光用ブロック)により形成された板状の表示装置を示している。図2に、複数の発光ブロックにより形成された立方体状の表示装置を示している。図1に示す表示装置1はフラットパネルタイプであり、2次元的な広がりを備えた壁体(表示壁体)5を中心とする構成の表示装置である。表示壁体5は、縦横に組み合わされた複数の発光ブロック10により形成されている。表示壁体5は、1つの平面的な壁だけではなく、直交する複数の壁により形成されていても良い。図2に示す表示装置2は、複数の発光ブロック10が3次元的に組み合わされて立体(多面体)をなしたキュービックタイプであり、キュービックの表側が表示壁体5となっている。
【0017】
これらの表示装置1または2を形成する発光ブロック10は、外形が異なる2つのタイプを含む。第1のタイプは、全体が直方体の発光ブロック11であり、第2のタイプは、全体が立方体の発光ブロック12である。直方体型の発光ブロック11は、立方体型の発光ブロック12が2つ直線的に接続された形状であると考えることができる。これらの表示装置1または2において、直方体型の発光ブロック11は、左右が2つの発光セクションに分かれており、2画素(2ドット)を表示する。立方体型の発光ブロック12は、1画素(1ドット)を表示する。
【0018】
図3に、典型的な直方体型の発光ブロック11の概要を斜視図により示している。図4に、図3に示した発光ブロック11の構成を展開図により示している。発光ブロック11は、中空で多面体型のモジュール20を有する。このモジュール20は、外形が直方体のモジュールであり、上下(第1の方向)に対向する端部21aおよび21bはコネクタ36を含み、第1の方向に直交する方向(前後左右)に向いた複数の周壁22a〜22dは、外面が平坦で乳白色の透光性の壁となっている。コネクタ36は、凸タイプ(雄タイプ)のコネクタ36aと、凹タイプ(雌タイプ)のコネクタ36bとを含み、上下の端部21aおよび21bのそれぞれに、凸タイプのコネクタ36aおよび凹タイプのコネクタ36bが配置されている。したがって、1つの発光ブロック11に対し、上方に2つの他の発光ブロック11を隣接した状態で機械的に接続でき、下方に2つの他の発光ブロック11を隣接した状態で機械的に接続できる。なお、以下においては、発光ブロック11が機械的に連結される第1の方向を上下方向として説明する。しかしながら、第1の方向は水平方向、たとえば、前後方向あるいは左右方向であっても良い。
【0019】
この直方体型のモジュール20は、接続用の基板31が下側の端部21bにのみ配置されたタイプ(タイプA)であり、図4に示すように幾つかのサブモジュールにより構成されている。モジュール20は、まず、全体が直方体で上下の端39aおよび39bが開口端となった透光性サブモジュール30を含む。この透光性サブモジュール30は、四方の壁(周壁)22a〜22dを構成する壁部30aと、壁部30aにより囲われた内部を2つの立方体状に区切るように配置された補助壁30bを含み、内部が2つのパーティション25aおよび25bに分割されている。補助壁30bは、遮光性であることが望ましいが、この例では、透光性の壁部30aと一体で成形されており、後に、反射フィルム(反射シート)41を貼ることにより遮光性にしている。それぞれのパーティション25aおよび25bの四隅には、上下の端部21aおよび21bを構成するサブモジュールを取り付けるための固定ねじ30cが配置されている。この固定ねじ30cに沿って上下の端部21aおよび21bを電気的に接続する配線35cを取り付けることができる。
【0020】
モジュール20は、上下の端部21aおよび21bを構成するいくつかのサブモジュールを含む。直方体型のモジュール20は機械的な接続および/または電気的な接続の異なるいくつかの機能の異なるモジュールを含む。タイプの異なるモジュール20では、透光性サブモジュール30は共通しており、端部21aおよび21bを構成するサブモジュールが変えられ、それぞれのタイプのモジュール20に異なる機能が付与されている。
【0021】
図5に、端部21aおよび21bを構成可能ないくつかのサブモジュールを示している。以下では、図5も参照しながら説明する。端部21aおよび21bに配置される典型的なサブモジュールは、コネクタサブモジュール36aまたは36bである。これらコネクタサブモジュール36aおよび36bは、パーティション25aおよび25bの単位で透光性サブモジュール30の開口端39aまたは39bに取り付けられる蓋を兼ねている。コネクタサブモジュール36aまたは36bを透光性サブモジュール30の開口端39aまたは39bにねじ止めすることにより、以下に述べる基板31あるいはサイドリフレクタサブモジュール38を含めて、直方体型のモジュール20を組み立てることができる。以下では、特に説明しない限り、パーティション25aおよび25bの単位で、異なる、あるいは同じタイプのサブモジュールが取り付けられる。
【0022】
凹タイプのコネクタサブモジュール36bの中央は、凸タイプのコネクタサブモジュール36aの凸部36cをはめ込むように開口36dとなっている。凸タイプのコネクタサブモジュール36aは、外面36oの中央が外側に向かって突き出ており、その凸部36cの中央は接続用の電極が通過するように開口36eになっている。したがって、凹タイプのコネクタサブモジュール36bと凸タイプのコネクタサブモジュール36aとにより複数のモジュール20を機械的に連結したときに、開口36eを通して、機械的に連結された複数のモジュール20を電気的にも接続することができる。凹タイプのコネクタサブモジュール36bは、凸タイプのコネクタサブモジュール36aの凸部36cを収納できる厚みを備えており、さらに、内側36iに、凸タイプのコネクタサブモジュール36aを装着した後に凸部36cとの機械的接続をロックできるようにロック機構36fが設けられている。
【0023】
図3および図4に示したタイプAのモジュール20では、透光性サブモジュール30の下端39bに接続用基板31が取り付けられている。この接続用基板31は、図5に示すように、他のタイプのモジュール20においては、透光性サブモジュール30の上端39aにも取り付けることが可能であり、上端39aおよび下端39bに取り付けることも可能である。接続用基板31は、2つのパーティション25aおよび25bにわたるサイズであり、1つの接続用基板31を、2つのコネクタサブモジュール36aおよび36bにより透光性サブモジュール30の下端の開口39bに取り付けている。
【0024】
接続用基板31の内面31iには2つのLEDモジュール29が取り付けられている。それぞれLEDモジュール29は、2つのパーティション25aおよび25bのほぼ中央に相当する位置に取り付けられており、2つのパーティション25aおよび25bをそれぞれ点灯する光源となる。LEDモジュール29は、RGB各色の発光ダイオード(LED)を適当な数だけ備えており、1つのLEDモジュール(発光ユニット)29によりマルチカラー(フルカラー)の光を出力できる。接続用基板31の内面31iは反射処理がなされており、たとえば、基板31の内面31iは白色に塗られている。
【0025】
接続用基板31は外面31oに凸型(雄型)の電極35aと、平型(雌型)の電極35bと、これらの電極35aおよび35bを接続する内部配線(不図示)とを備えている。内部配線には2つのLEDモジュール29も接続されている。接続用基板31は、モジュール20に接続される他の複数の、典型的には2つのモジュール20を電気的に接続する機能と、自身が備えるLEDモジュール29に電力および制御信号を伝達し、LEDモジュール29を駆動して発光させる機能とを含む。
【0026】
接続用基板31を透光性サブモジュール30に取り付けると、これらの電極35aおよび35bはパーティション25aおよび25bのそれぞれほぼ中央に配置される。凸型の電極35aは、複数の接続ピンが突き出た構成となっており、平型の電極35bは、複数のパッドがマトリクス状に配置された構成となっている。コネクタサブモジュール36aおよび36bによりモジュール20を機械的に接続すると、凸型の電極35aが、凸型のコネクタサブモジュール36aの中央の開口36eを通過して平型の電極35bと接触し、複数のモジュール20の間で電気的な接続が成立する。
【0027】
図3および図4に示したタイプAのモジュール20では、透光性サブモジュール30の上端39aにサイドリフレクタサブモジュール38が取り付けられている。このサイドリフレクタサブモジュール38は、図5に示すように、接続用基板31の代わりに取り付けることが可能なものである。したがって、他のタイプのモジュール20においては、透光性サブモジュール30の上端39aにも取り付けることが可能である。サイドリフレクタサブモジュール38は、パーティション単位のサイズであり、2つのサイドリフレクタサブモジュール38が、コネクタサブモジュール36aおよび36bにより、それぞれ、透光性サブモジュール30の上端の開口39aに取り付けられている。
【0028】
サイドリフレクタサブモジュール38は、中央が開口38cとなり、内面38iの四辺に沿って反射板38mが取り付けられている。したがって、このサイドリフレクタサブモジュール38を、モジュール20の上端部21aまたは下端部21bに含めることにより、上端部21aまたは下端部21bからLEDモジュール29の光が漏れるのを抑制できる。モジュール20の上端部21aまたは下端部21bが接続用基板31を含んでいる場合、接続用基板31により遮光されており、LEDモジュール29からの光が外部に漏れることを抑制できる。反射板38mとしては、樹脂の成型品に光沢メッキを行ったもの、アルミ蒸着を行ったもの、またはステンレス光沢材や光沢シールをプレスで打ちぬいたものなどを用いることができる。
【0029】
コネクタサブモジュール36aまたは36bは遮光性(光を反射する場合も含む)であっても良い。しかしながら、モジュール20が表示装置1または2の端部または辺を構成する場合、コネクタサブモジュール36aまたは36bを透光性にして、透光性のカバーをコネクタサブモジュール36aまたは36bを取り付けることにより、表示装置1または2の端部から外向きに(3次元方向に)光を放出でき、より立体的な表示装置を形成できる。一方、モジュール20が表示装置1または2の中間的なポジションであると、モジュール20の上端部21aまたは下端部21bが接続用基板を含んでいない場合は、透光性のコネクタサブモジュール36aまたは36bから上方または下方に接続されたモジュール20に光が漏れ出す。サイドリフレクタサブモジュール38を装着することにより、光の漏れ出しを抑制できる。
【0030】
図3および図4に示したタイプAのモジュール20では、さらに、上端部21aの凸タイプのコネクタサブモジュール36aの開口36eに、反射板となるセンターリフレクタサブモジュール37が装着されている。センターリフレクタサブモジュール37は、上下が反射面37mとなっており、さらに上下の端が切頂正方形(ほぼ8角形)の取付フランジ37aとなっている。凸タイプのコネクタサブモジュール36aの開口36eも取付フランジ37aとほぼ同じ切頂正方形である。センターリフレクタサブモジュール37を、凸部36cの開口36eに挿入し45度回転することにより、センターリフレクタサブモジュール37を凸タイプのコネクタサブモジュール36aに固定でき、凸部36cの開口36eからの光の漏出を抑制できる。
【0031】
凸タイプのコネクタサブモジュール36aは、凹タイプのコネクタサブモジュール36bと組み合わされるので、センターリフレクタサブモジュール37により凹タイプのコネクタサブモジュール36bからの光の漏出も抑制できる。サイドリフレクタサブモジュール38の開口38cには回転ロック用の突起38dが設けられている。センターリフレクタサブモジュール37を45度回転すると取付フランジ37aの凹み37bと突起38dとが係合し、センターリフレクタサブモジュール37の動きをロックする。
【0032】
図5に示すように、モジュール20の上端部21aまたは下端部21bには、他のサブモジュールを含めることができる。接続用基板31に代わり、信号を入力するための端子33tを備えたスタート用の基板33を含めることができる。スタート用の基板33は、多くのケースでは、透光性サブモジュール20の反対側に配置される接続用基板31と、スタート用基板33および接続用基板31とを繋ぐように透光性サブモジュール20の内部を上下に走る接続用電極35cと組み合わされて用いられる。
【0033】
接続用基板31の代わりに、上端部21aまたは下端部21bにエンド用の基板32を含めることが可能である。エンド用の基板32は、外面32oに凸型の電極35aを備えた基板32aと、外面32oに平型の電極35bを備えた基板32bとがある。これらエンド用の基板32aおよび32bは、ディージーチェーン接続の終端(ターミネータ)としての機能を含んでいる。さらに、接続用基板31の代わりに、上端部21aまたは下端部21bに、LEDモジュールを備えていない基板34を含めることも可能である。モジュール20の上端部21aまたは下端部21bを、当該モジュール20を点灯させるためではなく、他の複数のモジュール20を機械的および電気的に接続するためだけに使用できる。
【0034】
図3および図4に示した発光ブロック11のモジュール20の周壁22a〜22dは、表示装置1または2、さらに異なる形状の表示装置を形成する際に、他の発光ブロック11の周壁22a〜22dの一部と面で接するコンタクト壁部である。周壁22a〜22dの外面23は垂直で平坦な面になっており、隣接して配置される他の発光ブロック11の周壁22a〜22dの外面23とは、部分的にほぼ面と面とが接する状態になる。周壁22a〜22dの外面23に、典型的な遮光性部材である粘着性の反射シート41を着脱することができる。反射シート41は、直方体状の透光性サブモジュール30により構成される周壁22a〜22dのうち、直方体の端面(長方形の短辺に対応)にあたる周壁22bおよび22dの外面23をカバーできるサイズとなっている。すなわち、1つの反射シート41を周壁22a〜22dの一部に取り付けることにより、1画素に対応するパーティション25aまたは25bの周囲の透光性の壁の1つを遮光することができる。反射シート41は、たとえば、アルミニウムシートなどの金属製の薄膜、金属コーティングされた樹脂薄膜である。繰り返し貼ることができる粘着性を備えたシートであることが望ましい。
【0035】
図6および図7に、複数の発光ブロック11により表示装置を組み立てたときに反射シート41を貼って遮光する例を示している。図6は、図1のようなフラットパネル型の表示装置1を組み立てる際に多く発生するケースを示している。発光ブロック11は、上端部21aおよび下端部21bのそれぞれに、2つのコネクタサブモジュール36aおよび36bを含み、これらのサブモジュール36aおよび36bにより、上方および/または下方において、他の2つの発光ブロック11を隣接した状態(周壁の一部同士が対面した状態)で機械的に接続できる。したがって、左右に配置された発光ブロック11aおよび11bは、それぞれの発光ブロックの上方および/または下方に配置されたコネクタサブモジュール36aおよび36bにより、それぞれの発光ブロックの上方および/または下方に他の発光ブロック11cおよび/または11dと機械的に接続される。そして、左右に配置された発光ブロック11aおよび11bは、機械的には直に接続されないが、上方および/または下方に配置された他の発光ブロック11cおよび/または11dを介して、隣接した状態で配置され、位置決めされる。
【0036】
電気的には、この例であれば、下方に配置されたコネクタサブモジュール36aおよび36bにより下方に機械的に接続された他の発光ブロック11dにより接続される。左右に配置された発光ブロック11aおよび11bは、機械的にも電気的にも、直には接続されない。しかしながら、左側の発光ブロック11aの周壁22bの外面23と、右側の発光ブロック11bの周壁22dの外面23とが対面した状態になる。
【0037】
図6に示した組み合わせにおいて、左右の発光ブロック11aおよび11bと上方の発光ブロック11cとの間、および下方の発光ブロック11dとの間は、接続用基板31またはリフレクタサブモジュール37および38により遮光される。そして、左右に配置された発光ブロック11aおよび11bの間は、周壁22dの外面23に取り付けられた反射シート41により遮光される。したがって、これらの発光ブロック11a〜11dの境界は上下左右ともにほぼ同じ状態になり、機械的に接続される部分と、機械的に接続されない部分との差が目立たなくなる。その結果、接続用基板31の有無がさらに目立たなくなる。また、上下および右側に配置された他の発光ブロック11b〜11dから出力される光が発光ブロック11aに入り込むことがなくなり、より鮮明な画像を表示する表示装置1を製造(組み立て)できる。発光ブロック11aの左側の周壁22dの外面23に反射シート41を貼ることにより、左側に隣接配置される他の発光ブロック11から出力される光の影響も抑制できる。なお、反射シート41は、それぞれの発光ブロック11の右側の周壁22bの外面23に取り付けても良い。
【0038】
図7は、図2のような立体型の表示装置2を組み立てる際に発生する。前後に配置された発光ブロック11eおよび11fは、下方の発光ブロック11gにより機械的および電気的に接続される。上方に他の発光ブロック11を接続しても良い。前後に配置された発光ブロック11eおよび11fは、直には接続されないが、前後に隣接した状態で位置決めされる。すなわち、前後に配置された発光ブロック11eおよび11fは、下方の発光ブロック11gに接続することにより、後方の発光ブロック11eの周壁22aの左側のパーティション25aの部分の外面23と、前方の発光ブロック11fの周壁22bの外面23とが対面した状態になる。
【0039】
図7に示した組み合わせにおいても、前後に配置された発光ブロック11eおよび11fと下方の発光ブロック11gとの間は、接続用基板31により遮光される。前後に配置された発光ブロック11eおよび11fの間は、後方の発光ブロック11eの周壁22aの左側の外面23に取り付けられた反射シート41により遮光される。したがって、これらの発光ブロック11e〜11gの境界は上下前後ともにほぼ同じ状態になり、機械的に接続される部分と、機械的に接続されない部分との差が目立たなくなり、その結果、接続用基板31の有無がさらに目立たなくなる。また、下側および前側に配置された他の発光ブロック11fおよび11gから出力される光が発光ブロック11eに入り込むことがなくなり、より鮮明な画像を表示する表示装置2を形成(製造、組み立て)できる。
【0040】
図8は、直方体状の透光性サブモジュール30の内部を2つのパーティション25aおよび25bに区切る補助壁30bの面24に反射シート41を取り付けた状態を示している。補助壁30bを遮光性にすることにより、2つのパーティション25aおよび25bを光学的にも分離できる。したがって、発光ブロック11は、独立した2つの画素を、より鮮明に表示できる。
【0041】
図9は、立方体型の発光ブロック12の外観を示し、図10は、立方体型の発光ブロック12の一例の構成を展開図により示している。立方体型の発光ブロック12は、表示装置1または2を組み立てる際に、直方体型の発光ブロック11だけでは形成できない部分を補完的に形成し、接続するために用いられる。立方体型の発光ブロック12は、中空で外形が立方体のモジュール50を有する。このモジュール50は、立方体状で上方および下方が開口端56aおよび56bとなった透光性サブモジュール55を含む。開口端56aおよび56bには、図5に示した上端部21aおよび下端部21bを構成するサブモジュールを装着することが可能である。
【0042】
図9および10に示した発光ブロック12の下端部51bは、接続用の基板34と、凹型のコネクタサブモジュール36bとを含む。上端部51aは、内面にLEDユニット(不図示)を備えた基板32aと、凸型のコネクタサブモジュール36aとを含む。透光性サブモジュール55の四隅には上下に延びた接続用電極(電気接続ワイヤー)35cが配置されており、上端部51aの基板32aと、下端部51bの基板34とが電気的に接続されている。この発光ブロック12は、1画素分の光を出力する機能と、下側に機械的に接続される発光ブロック11および上側に機械的に接続される発光ブロック11を電気的にも接続する機能とを備えている。
【0043】
この発光ブロック12の周壁57a〜57dもコンタクト壁部であって、それらの周壁の外面58も垂直な平坦な面となっており反射シート41を貼ったり剥したりすることができるようになっている。
【0044】
図11および図12は、表示装置1を形成するための発光ブロック11および12の組み立て例を示している。図1に示した表示装置1は、発光ブロック11および12が上下4段に積み重ねられている。上方の2段と、下方の2段は同じ構成になっており、下方の2段を抜き出して図11および図12に示している。図12は、接続の様子を示すために、各発光ブロック11および12の透光性サブモジュール30および50を省略して示している。最下段61は、透光性のエンドプレート62と、コネクタサブモジュール36aおよび36bとが組み合わされた基盤モジュールである。基盤モジュール61の上に、図面左側から、立方体型の発光ブロック12a、直方体型の発光ブロック11hおよび11i、さらに立方体型の発光ブロック12bが順番に接続されており、一段目の表示列65を形成している。この表示列65は、図11に示しているように6画素((1)〜(6))を表示できる。一段目の表示列65の上に、図面左側から、3つの直方体型の発光ブロック11j、11kおよび11mが接続されている。この2段目の表示列66も、図11に示しているように6画素((7)〜(12))を表示できる。
【0045】
図12に示すように一段目の表示列65を構成する発光ブロック11hおよび11iは、上端部21aに接続基板31を含み、二段目の表示列66を構成する発光ブロック11j、11kおよび11mは、下端部21bに接続基板31を含む。立方体型の発光ブロック12aおよび12bは、上端部51aおよび下端部51bに基板32および34をそれぞれ含む。基盤モジュール61は、左端にスタート用のターミナル33tを備えたLEDユニットなしの基板34を含み、右端に終端機能を備えたLEDユニットなしの基板34を含む。これら一段目65および二段目66の発光ブロック11h〜11m、12aおよび12bは、図11に「(out)」および「(in)」で示すように、ディージーチェーンを成すように直列に電気的に接続されている。すなわち、一段目の発光ブロック12aをスタートとし、二段目の発光ブロック11j、一段目の発光ブロック11h、二段目の発光ブロック11k、一段目の発光ブロック11i、二段目の発光ブロック11m、さらに一段目の発光ブロック12bというように、上下ジグザグに接続されている。画素の番号で示すと、1−7−8−2−3−9−10−4−5−11−12−6というように電気的な接続が形成される。
【0046】
また、機械的にも、これら一段目65および二段目66の発光ブロック11h〜11m、12aおよび12bは、電気的な接続と同じように上下ジグザグに接続されている。すなわち、これら一段目65および二段目66の発光ブロック11h〜11m、12aおよび12bは、上下二段を構成するように機械的に接続することにより、電気的にも接続され、これらの発光ブロックに含まれる12画素分のLEDユニット29は直列に接続される。そして、一段目65と二段目66との境界は接続用基板31により遮光される。また、発光ブロック11h〜11m、12aおよび12bが左右に接する面には反射シート41が貼り付けられており、発光ブロック同士の間も遮光される。さらに、直方体型の発光ブロック11h〜11mにおいてパーティション25aおよび25bを分割する補助壁30bにも反射シート41が貼り付けられており、それぞれのパーティション25aおよび25bも遮光される。
【0047】
したがって、これらの発光ブロック11h〜11m、12aおよび12bに含まれる12画素分のLEDユニット29は、上下左右に隣接するLEDユニット29からの光が遮蔽された環境で発光し、それらのLEDユニット29からの光が表示装置1から出力される。このため、表示装置1により、鮮明な画像を表示できる。
【0048】
二段目66の発光ブロック11j、11kおよび11mの上端部21aは、上側に取り付けられる上段の発光ブロック11および12の基盤モジュールを兼ねており、左端にスタートターミナル33tを備えた基板34を含み、右端にエンドターミナルを備えた基板34を含む。これらの基板34およびリフレクタサブモジュール37および38により、上側に取り付けられる発光ブロック11および12とは遮光される。なお、図11および図12に示した複数の発光ブロックのアレンジは、フラットパネル型の表示装置1を形成する組み合わせの一例に過ぎない。
【0049】
図13に、図2に示したキュービック型の表示装置2の構成を示している。この表示装置2は、12個の直方体型の発光ブロック11n〜11yと、3個の立方体型の発光ブロック12c〜12eにより構成されている。表示装置2は、底面を除くと、前後左右および上面の5つの表示壁面5を備えており、それぞれの表示壁面5は、3×3画素の画像を表示できる。表示装置2は、下側から一段目71、二段目72および三段目73の三層構造になっている。一段目71は、立方体型の発光ブロック12cと、直方体型の発光ブロック11n〜11qにより構成されている。二段目72は、直方体型の発光ブロック11r〜11uと、立方体型の発光ブロック12dにより構成されている。三段目73は、直方体ブロック11v〜11yと、立方体型の発光ブロック12eにより構成されている。
【0050】
これらの発光ブロックの電気的および機械的な接続は、次のようになっている。一段目71の立方体型の発光ブロック12cがスタートブロックであり、二段目72の直方体型の発光ブロック11rに接続されている。二段目72の直方体型の発光ブロック11rからは順番に、一段目71の直方体型の発光ブロック11n、二段目72の直方体型の発光ブロック11s、一段目71の直方体型の発光ブロック11o、二段目72の直方体型の発光ブロック11t、一段目71の直方体型の発光ブロック11p、二段目72の直方体型の発光ブロック11u、一段目71の直方体型の発光ブロック11q、二段目72の立方体型の発光ブロック12dと接続されている。キュービックの中央の二段目72の立方体型の発光ブロック12dは、電気的には二段目72から三段目73の発光ブロックへの連絡(連結)ブロックとなっている。
【0051】
二段目72と三段目73との接続は、二段目72の立方体型の発光ブロック12dに三段目73の直方体型の発光ブロック11vが接続され、以降は順番に、二段目72の直方体型の発光ブロック11r、三段目73の直方体型の発光ブロック11w、二段目72の直方体型の発光ブロック11u、三段目73の直方体型の発光ブロック11x、二段目72の直方体型の発光ブロック11t、三段目73の直方体型の発光ブロック11y、二段目72の直方体型の発光ブロック11s、三段目73の立方体型の発光ブロック12eと接続されている。三段目73の立方体型の発光ブロック12eは、エンドブロックである。
【0052】
上記に説明した接続により、電気的に12個の直方体型の発光ブロック11n〜11yと、3個の立方体型の発光ブロック12c〜12eとに含まれる27個のLEDユニット29が直列に接続された状態となる。キュービック型の表示装置2の中央に配置される発光ブロック12dと、直方体型の発光ブロック11qの一方のパーティションは上段への連絡用であり、LEDユニット29を含まない基板34を含んでいても良い。その場合は、LEDユニット29を含まない基板34を挟んで、25個のLEDユニット29が直列にディージーチェーンで接続される。したがって、それぞれのLEDユニット29により出力する画像信号をシリアルで供給し、適当なタイミングでLEDユニット29の単位でラッチしてパラレル変換し、LEDユニット29を点灯することにより、所望の画像をキュービック型の表示装置2の表面に出力することができる。
【0053】
このように配置される12個の直方体型の発光ブロック11n〜11yおよび3個の立方体型の発光ブロック12c〜12eにおいて、一段目71、二段目72および三段目73に配置される発光ブロック同士の境界は、接続用基板31により遮光される。直方体型の発光ブロック11n〜11yおよび3個の立方体型の発光ブロック12c〜12eの周壁であって、他の発光ブロックの周壁と対面するコンタクト壁には、その外面の一方に反射シール41を貼ることにより遮光できる。図13には、反射シール41を貼り付ける面の候補をマーク42により示している。直方体型の発光ブロック11n〜11yにおいては、それぞれの補助壁30bに反射シート41が貼り付けられており、パーティション25aおよび25bの間は遮光されている。したがって、5つの表示壁面5のそれぞれにおいて、表示される画素同士の間は遮光された状態となり、干渉またはクロストークが発生することを未然に防止できる。このため、すべての表示壁面5において、鮮明な画像を表示することができる。
【0054】
このように、複数の直方体型の発光ブロック11を用い、さらに、補助的に立方体型の発光ブロック12を組み合わせることにより、2次元または3次元に広がりのある表示装置1または2を簡単に形成することができる。発光ブロック11および12は、所望の形状の表示装置を組み立てた後、凹型コネクタサブモジュール36bのロック機構36fを用いて機械的な接続をロックすることができる。したがって、ある程度の強度を備えた構造物を兼ねた表示装置を提供することができる。補強等により、構造物の強度を向上することも容易である。
【0055】
一方、ロック機構36fを解除することにより、表示装置の組み立てに用いた複数の発光ブロック11および12は簡単に分解できる。したがって、運搬、設置、撤収が非常に容易である。そして、分解された発光ブロック11および12は、他の表示装置を形成するために何度でも再利用できる。また、これら複数の発光ブロック11および12は、個々に汎用性高いので、代替えが可能であり、表示装置の形状にかかわらず量産し提供することができる。特に、上述した発光ブロック11および12は、共通のサブモジュールの組み立て体となっており、サブモジュールの組み合わせを変えるだけで機能の異なる発光ブロック11および12をいつでも簡単に用意できる。したがって、発光ブロック11および12を低コストで供給でき、さまざまな形状の表示装置を低コストで製造できる。
【0056】
また、発光ブロック11および12は、配線(基板)を内蔵しており、複数の発光ブロック11および12を機械的に接続するだけで電気的な接続も完了する。したがって、表示装置を組み立てるのと同時に配線も完了し、さらに、配線は表示装置の外に表れない。このため、表示装置の外面すべて、たとえば、表裏、上下左右前後の面全てに画像を表示し、見せることができる。そして、発光ブロック11および12により形成される各々の画素は、基板、リフレクタサブモジュールおよび反射シートにより、隣接する画素から遮光されるので、基板の存在が外側からさらに認識し難くなるとともに、画素間の光学的干渉、クロストークを防止でき、鮮明な画像を表示できる。特に、白色の基板、リフレクタサブモジュールおよび反射シートといった反射系の遮光手段を用いることにより、発光ブロック11および12からの光の出力効率を向上でき、さらに明るい画像を表示できる。反射シール41は、貼り直しができるタイプが好ましい。
【0057】
また、リフレクタサブモジュール38は発光ブロック11および12に選択して取り付けることができ、リフレクタサブモジュール37は、凸型のコネクタサブモジュール36aに着脱することができる。発光ブロック11および12が、キュービックの上面やフラットパネルの端(枠)を形成するときは、リフレクタサブモジュール37および38の代わりに、透光性のエンドプレート62をコネクタサブモジュール36aおよび36bに取り付けることにより、コネクタ側を表示面として使用することができ、発光ブロック11および12の利用の範囲をさらに広げている。
【0058】
遮光シールは反射シール41に限らず、黒色などの吸収性のシールであっても良い。透光性サブモジュール30および50の周壁および補助壁のすべてにダイヤカット(ダイヤモンドカット)を採用してもよい。適当な角度の面を備えたダイヤモンドカットを周壁に導入することにより、すべての周壁において、内からの光は透過し、外からの光は反射する特性を与えることができる。したがって、反射シール41を貼らなくても、発光ブロック同士が対面するコンタクト壁に遮光性能を付与できる。
【0059】
2画素(2ドット)を表示できる直方体状の発光ブロック11は、上方および/または下方の発光ブロック11とストレート接続または直角接続が可能であり、最も簡易な形状で2次元および3次元の表示装置を形成できるものである。複数の発光ブロックを接続できる発光ブロックの外形は、これに限定されることはなく、たとえば3画素以上を表示できる若干長い直方体状の発光ブロックであっても良い。また、水平な断面が正八角形のサッカーボールに近いような形状の多面体を2つまたは3つ以上直線的に接続したような発光ブロックであっても良い。左右に隣接する発光ブロック同士が面で接触するような、その他の形状を採用することも可能である。一般的に、長方形あるいは正方形の表示壁を形成するためには、偶数画素を表示するブロックと、奇数画素を表示するブロックとを用意することが望ましい。上記の例は、最小単位の2個の画素を表示するブロック11と、1個の画素を表示するブロック12との組み合わせを示している。また、2個の画素を表示するブロック11の主たるサブモジュール(透光性サブモジュール)を一体成型とすることにより、ブロック11の強度(機械的強度)の向上を図れる。それとともに、ブロック11に取り付ける接続基板31を、2画素あるいは複数画素にまたがる一体型のサブモジュールにすることが可能となるので配線(電気的接続)の信頼性も向上できる。
【0060】
また、上記では、直方体状の発光ブロック11を補助壁30bにより2分割しているが、長手方向に4分割したり、上下左右に4分割して、1つの発光ブロック11に含まれるパーティションの数を増やすことも可能である。分割数は3分割でも、5分割以上であっても良い。1つの発光ブロック11で表示できる画素数が増加するので、解像度の高い画像を表示できる。画素数の多い発光ブロックと、画素数の少ない発光ブロックとを組み合わせて表示装置を形成することも可能である。
【0061】
上述した透光性サブモジュール30および50は、乳白色のアクリル製であるが、透明であっても良く、すりガラスのような半透明な加工を施したものであっても良い。材質もアクリルに限定されない。直方体型の発光ブロック11の典型的なサイズは、短辺が40mm、長辺が80mm程度のものである。このサイズは、複数の発光ブロック11を手で組み立てたり、分解したりするのに適している。発光ブロック11は、このサイズより小さくても良く、大きくても良い。
【0062】
発光ブロック11および12に内蔵される光源の典型的なものは、上述した発光ダイオード(LED)である。LEDは単色でも良いが、発光ブロック11および12により提供される画素は1つのサイズが大きいので、1画素でマルチカラーを表現できることが望ましい。したがって、多色、たとえばRGB各色のLEDを含むLEDユニットが好適である。光源は、カラー表示ができる他のタイプであっても良く、たとえば、有機EL素子、無機EL素子を挙げることができる。
【0063】
発光ブロック11および12により組み立てられる(製造される)表示装置は、照明を兼ねたものであっても良い。表示装置の例としては、イベントブース用の表示・照明装置、商業施設用の展示装飾、ホテルのラウンジ、ロビーの壁面、飲食店の店内装飾を挙げることができる。1つの表示装置を、照明、静止画あるいは動画の表示媒体、情報の伝達媒体などの多くの目的で利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】表示装置の一例を示す斜視図。
【図2】表示装置の他の一例を示す斜視図。
【図3】直方体型の発光ブロックの一例を示す斜視図。
【図4】図3に示す発光ブロックの概略構成を示す展開図。
【図5】発光ブロックのモジュール類を示す展開図。
【図6】発光ブロックの組み立ての一例を示す展開図。
【図7】発光ブロックの組み立ての他の一例を示す展開図。
【図8】透光性サブモジュールの補助壁に反射シールを装着した状態を示す図。
【図9】立方体型の発光ブロックの一例を示す斜視図。
【図10】図9に示す発光ブロックの概略構成を示す展開図。
【図11】図1に示す表示装置の部分的な構成を示す図。
【図12】図12に示す部分のスケルトン。
【図13】図2に示す表示装置の構成を示す図。
【符号の説明】
【0065】
1、2 表示装置、 5 表示壁面
10、11、12 発光ブロック
20 直方体型のモジュール、 21a 上端部、 21b 下端部
22a〜22d 周壁(コンタクト壁部)
41 反射シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元および/または3次元の表示装置を形成するための発光ブロックであって、
中空で多面体型のモジュールと、前記モジュールの内部に配置された少なくとも1つの光源とを有し、
前記モジュールは、第1の方向に対向する複数の端部と、前記第1の方向に直交する複数の方向に向いた複数の周壁とを含み、
前記複数の端部のそれぞれは、複数の他の発光ブロックを隣接した状態で当該発光ブロックに機械的に接続するためのコネクタを含み、前記複数の端部の少なくとも一部は、前記コネクタにより接続される前記複数の他の発光ブロックの少なくとも一部に電気的に接続するための基板を含み、
前記複数の周壁は透光性または半透光性であり、前記複数の周壁の少なくとも一部は、前記表示装置を形成する際に他の発光ブロックの複数の周壁の一部と面で接するコンタクト壁部であり、前記コンタクト壁部は、遮光性部材を着脱可能な部分および/または外光の進入を抑制するための反射構造を備えている、発光ブロック。
【請求項2】
請求項1において、前記モジュールは、複数の多面体構造が直線的に接続されている形状である、発光ブロック。
【請求項3】
請求項1ないし2のいずれかにおいて、前記モジュールの形状は直方体である、発光ブロック。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記モジュールの内部は遮光性の補助壁により複数のパーティションに分割されており、前記複数のパーティションのそれぞれに光源が配置されている、発光ブロック。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記コネクタには、反射板および透過板が着脱可能である、発光ブロック。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記遮光性部材は、遮光シートであり、前記着脱可能な部分は、前記コンタクト壁部の外面である、発光ブロック。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記コンタクト壁部は、ダイヤカットを含む、発光ブロック。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の発光ブロックを複数有し、
前記複数の発光ブロックが前記コネクタにより2次元または3次元に組み立てられている、表示装置。
【請求項9】
複数の発光ブロックにより、2次元および/または3次元の表示装置を製造する方法であって、
複数の発光ブロックのそれぞれは、中空で多面体型のモジュールと、前記モジュールの内部に配置された少なくとも1つの光源とを有し、前記モジュールは、第1の方向に対向する複数の端部と、前記第1の方向に直交する複数の方向に向いた複数の周壁とを含み、前記複数の端部は、複数の他の発光ブロックを隣接した状態で機械的に接続するためのコネクタを含み、前記複数の端部の少なくとも一部は、前記コネクタにより接続された前記複数の他の発光ブロックの少なくとも一部に電気的に接続するための基板を含み、前記複数の周壁は透光性または半透光性であり、前記複数の周壁の少なくとも一部は、前記表示装置を形成する際に他の発光ブロックの複数の周壁の一部と面で接するコンタクト壁部であり、前記コンタクト壁部は、遮光性部材を着脱可能な部分および/または外光の進入を抑制するための反射構造を備えており、
当該方法は、前記複数の発光ブロックを前記コネクタにより前記第1の方向に連結することにより、前記第1の方向および前記第1の方向に直交する方向に広がった表示壁体を形成することを含む、方法。
【請求項10】
請求項9において、前記遮光性部材は遮光シートであり、
前記表示壁体を形成することは、前記複数の発光ブロックの前記コンタクト壁部に遮光シートを貼り付けることを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−165593(P2009−165593A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5890(P2008−5890)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(507384157)株式会社ステラアーツ (8)
【Fターム(参考)】