説明

発光ロッド

【課題】静電気の帯電を防止することによって、表面に塵及び埃が付着し難く、長期間に亘って、輝度が低下せず、且つロッドの軸方向に沿って均一な発光を継続させることが可能な発光ロッドを提供する。
【解決手段】所定の軸寸法に形成され、合成樹脂からなると共に、光透過性を有する筒状のクラッド部材11と、上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材12と、上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散剤を含有する反射拡散部材13と、上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードとを備える発光ロッド10において、上記クラッド部材には所定の割合で帯電防止剤14が含有された構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製であって、光透過性を有する筒状のクラッド部材と、
上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材と、
上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散剤を含有する反射拡散部材と、上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードとを備える発光ロッドであって、特に上記クラッド部材に帯電防止機能を備えた発光ロッド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な発光ロッドは、透光性を有する樹脂材からなる円筒形のロッド材の外表面に、上記ロッド材に入射した光を反射、拡散する反射拡散層を、上記クラッドの軸方向に沿って点状、若しくは線状に印刷することによって形成し、特定方向にのみ光を放射させる形態を有している。
【0003】
上記ロッド材は、光ファイバーと同様に、所定の屈折率を有することによって、軸方向端部から所定角度範囲の入射角度で入射した光は、上記ロッド材の外表面から放射されることなく、上記ロッド材の軸方向に沿って進み、その中途で上記反射拡散反射層に反射した光のみが、上記外表面から上記反射、拡散層の指向性に従って、上記ロッド材から外部に放出される。
【0004】
上記発光ロッドにおいては、上記反射拡散層の指向性を調整することによって輝度を変化させることが可能であるが、上記ロッド材の表面に、汚れ若しくは傷がついた場合には、上記ロッド材の光伝送性能が損なわれ、軸方向の輝度分布が不均一となるという不具合を有していた。
更に、反射拡散層は印刷によって形成されることから、印刷された反射拡散層の乾燥工程に時間を要し、更に、ロッド材の成形工程と、上記反射拡散層の形成工程とを別々に行う必要があることから、製造工数が大きく、生産コストが高くなるという別の不具合をも有していた。
【0005】
上記不具合を解決するため、所定の軸寸法に形成され、合成樹脂からなると共に、光透過性を有する筒状のクラッド部材と、上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材と、上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散部材料を含有する反射拡散部材と、上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードとを備える発光ロッドが提案されている(特許文献1)。
【0006】
上記特許文献1にかかる発光ロッドにあっては、コア部材への汚れの付着及び、傷つきを防止することができるが、上記クラッド部材がアクリル樹脂等の合成樹脂で形成されていることから、クラッド部材表面が帯電し易く、空気中の塵や埃が付着し易く、発光ロッド側面の輝度低下等、発光特性の劣化が生じるという不具合を有していた。
上記不具合を解決するため、一般的に流通しているカチオン系帯電防止剤を上記発光ロッド表面に別途塗布する方法が取られていたが、上記カチオン系帯電防止剤の効果持続時間は極めて短く、また摩擦等によって簡単に帯電防止機能が損なわれてしまうという不具合を有していた。
【特許文献1】特開平11−6918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決する課題は、静電気の帯電を防止することによって、表面に塵及び埃が付着し難く、長期間に亘って、輝度が低下せず、且つロッドの軸方向煮に沿って均一な発光を継続させることが可能な発光ロッドを提供することにある。
【0008】
また、本発明の別の課題は、生産コストが低く、量産性に優れた発光ロッドの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明に係る発光ロッドは、所定の軸寸法に形成され、合成樹脂からなると共に、光透過性を有する筒状のクラッド部材と、上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材と、上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散部材料を含有する反射拡散部材と、上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードとを備える発光ロッドにおいて、上記クラッド部材には所定の割合で帯電防止剤が含有されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載した発明にかかる発光ロッドは、所定の軸寸法に形成され、合成樹脂からなると共に、光透過性を有する円筒形のクラッド部材と、
上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材と、
上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散部材料を含有する反射拡散部材と、上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードとを備える発光ロッドにおいて、上記クラッド部材の外表面部には、帯電防止剤からなる帯電防止層が形成されている。
【0011】
従って、請求項1及び請求項2に記載した発光ロッドは、帯電防止剤の作用より、クラッド部材表面への塵及び埃の付着が防止される。
特に請求項1に記載した発光ロッドは、帯電防止剤が、クラッド部材に直接含有されているため、雨水等が直接帯電防止剤に触れることが無い。
【0012】
また、請求項3に記載した発光ロッドは、上記帯電防止剤は、ボロン系化合物からなることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載した発光ロッドの製造方法は、上記クラッド部材の原料となる合成樹脂の原料ペレットに帯電防止剤を塗布する帯電防止剤塗布工程と、
上記帯電防止剤塗布工程で帯電防止剤が塗布されたクラッド部材の原料ペレットと上記コア部材、及び反射拡散部材の原料となる合成樹脂の原料ペレットとを、複数のスクリューを供える多色押出機に夫々導入するペレット導入工程と、
上記ペレット導入工程で導入された上記クラッド部材、コア部材、及び反射拡散部材の原料ペレットを溶融し、上記コア部材を円柱形に成形すると共に、上記反射拡散部材を帯体に形成して上記コア部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置し、更に上記クラッド部材を上記コア部材及び反射拡散部材を被覆する円筒形に一括成形する成形工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載した発光ロッドの製造方法は、上記クラッド部材、コア部材、及び反射拡散部材の原料となる合成樹脂の原料ペレットを、複数のスクリューを供える多色押出機に夫々導入するペレット導入工程と、上記ペレット導入工程で導入された上記クラッド部材、コア部材及び反射拡散部材の原料ペレットを溶融し、上記コア部材を円柱形に成形すると共に、上記反射拡散部材を帯体に形成して上記コア部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置し、更に上記クラッド部材を上記コア部材及び反射拡散部材を被覆する円筒形に一括成形する成形工程と、上記クラッド部材の外表面部に帯電防止剤を塗布する帯電防止処理工程とを備えることを特徴とする。
【0015】
従って、請求項4及び請求項5の発光ロッドの製造方法にあっては、円柱形のコア部材、上記コア部材を被覆する円筒形のクラッド部材、上記コア部材、及びクラッド部材の間に配設される反射拡散部材を一度の成形工程で形成できると共に、別途コア部材に反射拡散部材を印刷する工程が不要となる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明にあっては、クラッド部材には所定の割合で帯電防止剤が含有されていることから、請求項2の発明にあっては、クラッド部材の表面に帯電防止剤からなる帯電防止層が形成されている。
従って、上記クラッド部材に生じる静電気の帯電を防止することによって、表面に塵及び埃が付着し難く、長期間に亘って、輝度が低下せず、且つロッドの軸方向煮に沿って均一な発光を継続させることが可能な発光ロッドを提供することができる。
特に、請求項1にかかる発明においては、帯電防止剤がクラッド部材に含有されているため、従来のカチオン系帯電防止剤を上記発光ロッド表面に別途塗布する方法と比較して、帯電防止剤がより落ち難く、長期間に亘り帯電防止効果を持続する。
更に請求項3の発明にあっては、上記帯電防止剤がボロン系化合物からなるため、従来のカチオン系の帯電防止剤と比較して、磨耗や雨水の接触に強く、長期間に渡り、クラッド表面を清浄な状態に保持するため、長期間の使用に際しても、極めて輝度が低下し難い発光ロッドを提供することができる。
【0017】
また、請求項4及び5の発明にあっては、上記コア部材を被覆する円筒形のクラッド部材、上記コア部材、及びクラッド部材の間に配設される反射拡散部材を一度の成形工程で形成できることから、製造工数が削減可能であり、生産コストが低く、量産性に優れた発光ロッドの製造方法を提供することが可能である。
特に請求項4の発明にあっては、帯電防止剤を別途クラッド部材表面に塗布する必要が無いことから、更に製造工数が削減できると共に、クラッド部材に直接帯電防止剤が練り込みによって含有されるため、上記クラッド部材全体でより均一な帯電防止効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、実施例の形態における発光ロッドの側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本実施例の形態における発光ロッドの製造工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための形態について、帯電防止剤がクラッド部材に直接含有されている場合を例として、添付図面を用いて以下説明する。
図1、及び図2に示すように、本実施例に係る発光ロッド10は、所定の軸寸法に形成され、合成樹脂からなると共に、光透過性を有する筒状のクラッド部材11と、上記クラッド部材11によって外周部を被覆され、上記クラッド部材11よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材12と、上記クラッド部材11とコア部材12との間において、上記クラッド部材11の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材12に入射した光を反射及び拡散する反射拡散部材料を含有する反射拡散部材13と、図1に示すように、上記クラッド部材11の一端部に配設された発光ダイオード15を備える発光ロッドであり、上記クラッド部材11には所定の割合で帯電防止剤14が含有されている。
【実施例1】
【0020】
上記実施例の構成について、以下図面を用いて詳述する。
図2に示すように、上記コア部材12はプラスチック、エラストマー等の合成樹脂から適宜選択して使用され、透光性を有し、上記クラッド部材11よりも高屈折率を有している必要がある。
【0021】
また、上記クラッド部材11は、上記コア部材よりも低屈折率を有していれば、特に素材を問わず、プラスチック、エラストマー等の合成樹脂を適宜選択して使用することができる。
【0022】
図2に示すように、上記の光学的特性を加味し、上記クラッド部材11の原料としては、(メタ)アクリル系ポリマー等が適しており、本実施例にあっては、メタアクリルポリマーを用いている。
また、コア部材12の原料としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン−(メタ)アクリル共重合体等を選択することができ、本実施例においては、ポリスチレン−メタアクリル共重合体を用いている。
なお、上記クラッド部材11と上記コア部材12とは別材料を選択する必要がある。
【0023】
また、図2に示すように、上記反射拡散部材13は、ベースとなる(メタ)アクリル系ポリマーに、反射拡散部材料としてシリコーン樹脂粒子、ポリススチレン樹脂粒子等の有機ポリマー粒子、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(チタン白:TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)等の金属酸化物粒子、及びBaSO4等の硫酸円粒子、CaCO3等の炭酸塩粒子等から選択した1種類若しくは2種類以上の粒子を混入したものが使用され、本実施例においては、ベースとなる樹脂との新和性、及び反射率が高さから、酸化チタン(チタン白:TiO2)を選択しており、メタアクリルポリマーに対して、5重量%の割合で含有させている。
【0024】
また、帯電防止剤14としては、ボロン系化合物からなる水溶性帯電防止剤である、アンチスタH(製品名:新興プラスチック株式会社製)を使用している。
【0025】
本実施例にかかる発光ロッドは、以下の手順により製造される。
上記クラッド部材11の原料となるメタアクリルポリマーのペレットに、予め帯電防止剤14を塗布し(工程21)、上記コア部材12の原料となる、ポリスチレン−メタアクリル共重合体のペレット、及び反射拡散部材13の原料となるメタアクリルポリマーに対して、5重量%の割合でTiO2を含有させたペレットを、3つのスクリューを有する多色押出機の口金部に導入する(工程22)。
更に、上記口金部から、径寸法9mmに形成あれたコア部材12と、上記コア部材12の外周部に、軸方向に沿って、幅3mm、厚さ0.1から0.2mmの帯状に形成された反射拡散部材13と、上記コア部材12と反射拡散部材13とを外方から被覆する円筒形のクラッド部材11とを同時に押出成形(工程23)することによって、外径寸法10mmの発光ロッド10が製造される。
【0026】
以下、本実施例にかかる発光ロッド10の輝度耐久性についての耐久試験の内容を説明する。
(1)比較対象
実施例にかかる発光ロッド10の製造工程より、帯電防止剤14の塗布工程(工程21)を除いて製造した発光ロッドを50cmに切断し、軸方向一端部にアルミ反射板を貼付したものを比較例1、上記比較例1の発光ロッドの表面に市販のカチオン系帯電防止剤を塗布したものを比較例2、上記比較例1の発光ロッドの表面に、アンチスタHを塗布したものを比較例3とした。
(2)試験環境
粉塵の激しい屋内に6ヶ月間放置し、汚れ付着による輝度の変化を測定した。
(3)測定条件
発光ロッドの軸方向他端部に、出射光量1lumen(ルーメン)の白色LEDを光源として取り付け、反射拡散部材の径方向対向側より、色彩色差計(ミノルタCS100)によって測定した。
【0027】
上記条件の下で測定した結果を表1に示す。
【表1】

【0028】
表1に示すように、本実施例の形態の発光ロッドによれば、粉塵の激しい屋内においても、長期間に亘って、帯電防止効果が発揮され、発光ロッドの側面輝度の低下を最も抑制できることが明らかとなった。
この結果は、含有されているアンチスタHが雨水、及び塵、埃等の摩擦に対して非常に高い耐久性を有していることを示している。
なお、アンチスタHを発光ロッド表面に塗布する形態についても、クラッド11に直接含有させるよりも輝度低下の抑制力が少ないものの、従来のカチオン系帯電防止剤と比較すると、輝度の低下がはるかに少ない発光ロッドを提供することができる。
【0029】
なお、本実施例においては、反射拡散部材は発光ロッドの長さ方向に沿って1本が配置されているが、反射拡散部材の幅寸法及び配置する本数については、特に制約は無く、適宜変更した場合であっても、本実施例と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0030】
また、本実施例の発光ロッドを成形するための多色押出機は、公知の装置を自由に選択することができる。
また、反射拡散部材の原料を導入する口金については、コア部材の口金と別体である必要は無く、一つの口金に、反射拡散部材の厚さ寸法に応じた仕切壁を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、本発明は、所定の軸寸法に形成され、合成樹脂からなると共に、光透過性を有する円筒形のクラッド部材と、上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材と、上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散部材量を含むと、上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードかなる発光部を備え、上記発光ダイオードの照射光を上記クラッドの外周部より外方に放出させる発光ロッドであって、特に上記クラッド部材に帯電防止機能を備えた発光ロッド及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 発光ロッド
11 クラッド部材
12 コア部材
13 反射拡散部材
14 帯電防止剤
15 発光ダイオード
21 工程
22 工程
23 工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製であって、光透過性を有する筒状のクラッド部材と、
上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材と、
上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散剤を含有する反射拡散部材と、
上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードとを備える発光ロッドにおいて、
上記クラッド部材には帯電防止剤が含有されていることを特徴とする発光ロッド。
【請求項2】
合成樹脂製であって、光透過性を有する筒状のクラッド部材と、
上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材と、
上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散剤を含有する反射拡散部材と、
上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードとを備える発光ロッドにおいて、
上記クラッド部材の外表面部には、帯電防止剤からなる帯電防止層が形成されていることを特徴とする発光ロッド。
【請求項3】
上記帯電防止剤は、ボロン系化合物からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光ロッド。
【請求項4】
合成樹脂製であって、光透過性を有する筒状のクラッド部材と、上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材と、上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散剤を含有する反射拡散部材と、上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードとを備え、上記クラッド部材には帯電防止剤が含有されている発光ロッドの製造方法であって、
クラッド部材の原料となる合成樹脂の原料ペレットに帯電防止剤を塗布する帯電防止剤塗布工程と、
上記帯電防止剤塗布工程で帯電防止剤が塗布されたクラッド部材の原料ペレットと上記コア部材、及び反射拡散部材の原料となる合成樹脂の原料ペレットとを、複数のスクリューを供える多色押出機に夫々導入するペレット導入工程と、
上記ペレット導入工程で導入された上記クラッド部材、コア部材、及び反射拡散部材の原料ペレットを溶融し、上記コア部材を円柱形に成形すると共に、上記反射拡散部材を帯体に形成して上記コア部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置し、更に上記クラッド部材を上記コア部材及び反射拡散部剤を被覆する円筒形に一括成形する成形工程とを備えることを特徴とする発光ロッドの製造方法。
【請求項5】
合成樹脂製であって、光透過性を有する筒状のクラッド部材と、上記クラッド部材によって外周部を被覆され、上記クラッド部材よりも高い屈折率を有すると共に、光透過性を有する合成樹脂からなる円柱形のコア部材と、上記クラッド部材とコア部材との間において、上記クラッド部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置され、上記コア部材に入射した光を反射及び拡散する反射拡散剤を含有する反射拡散部材と、上記クラッド部材の一端部に配設された発光ダイオードとを備え、上記クラッド部材の外表面部には、帯電防止剤からなる帯電防止層が形成されていることを特徴とする発光ロッドの製造方法であって、
クラッド部材、コア部材、及び反射拡散部材の原料となる合成樹脂の原料ペレットを、複数のスクリューを供える多色押出機に夫々導入するペレット導入工程と、
上記ペレット導入工程で導入された上記クラッド部材、コア部材及び反射拡散部材の原料ペレットを溶融し、上記コア部材を円柱形に成形すると共に、上記反射拡散部材を帯体に形成して上記コア部材の軸方向に沿ってクラッド部材及びコア部材に当接して配置し、更に上記クラッド部材を上記コア部材及び反射拡散部材を被覆する円筒形に一括成形する成形工程と、
上記クラッド部材の外表面部に帯電防止剤を塗布する帯電防止処理工程とを備えることを特徴とする発光ロッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−228096(P2011−228096A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96208(P2010−96208)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(598127011)新興プラスチックス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】