説明

発光分析装置

【課題】試料の種類や分析目的に応じて適切な数の分析個所を適切な位置に定め、発光分析を実行できるようにする。
【解決手段】試料の分析面上に設定する分析個所の数、初期的な位置、欠陥部が存在した場合の回避方法などが相違する複数の抽出アルゴリズムA〜Dを抽出情報記憶部22に記憶させておく。連続分析に先立ち、オペレータが各試料に付与された試料番号に対応付けて該試料の分析に使用する抽出アルゴリズムを入力すると、この情報が選択情報記憶部24に保持される。分析実行時に試料6が与えられると試料識別部18がその試料番号を認識し、が層処理部21はCCDカメラ12により得られた試料6の分析面の画像により欠陥部を検出する。分析個所抽出処理部22は試料番号に対応した抽出アルゴリズムを読み出し、該アルゴリズムに従って且つ欠陥部を避けるように1乃至複数の分析個所を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパーク放電、アーク放電、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma=ICP)放電などの各種放電法やレーザ励起法などによる発光分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光分光分析装置では、一般に、金属又は非金属である固体試料にアーク放電やスパーク放電などによりエネルギーを与えることによって該試料を蒸発気化及び励起発光させ、その発光光を分光器に導入して各元素に特有な波長を有するスペクトル線を取り出して検出する。特に励起源としてスパーク放電を利用する発光分光分析装置は、精度の高い分析が可能であるため、例えば鉄鋼材や非鉄金属材などの生産工場等において、生産された金属体中の組成分析を行うために広く利用されている。
【0003】
固体試料に対して発光分光分析を行う際に、分析個所に欠陥が存在すると、正常な発光が起こらず正確な分析が行えない。そこで、特許文献1に記載の発光分析装置では、CCDカメラで試料の分析面を撮影し、その撮影画像に基づいて分析個所の欠陥の有無を判定し、欠陥がない個所を抽出して分析を行うようにしている。また、1個所のみの分析であると信頼性に欠ける場合があるため、通常、同一分析面において複数個所の分析を行い、その結果の平均をとる等の処理が行われる(例えば特許文献2参照)。
【0004】
上述のような生産工場などで発光分析装置が使用される場合、例えば精錬途中で採取された比較的欠陥の多い試料、最終的に出来上がった高い精度での分析が必要な試料、など様々な試料を分析する必要があり、その試料に合わせて分析面上における分析個所の数や位置、或いは分析個所の間隔(距離)などを変更したい場合がある。しかしながら、従来の発光分析装置では、或る1つの定められたアルゴリズムに従って分析個所が抽出されるため、試料によっては必ずしも最適な分析個所が抽出されるとは限らない場合があった。また、不必要に多くの数の分析個所を抽出するために時間が掛かり、分析のスループットを低下させる場合もあった。
【0005】
【特許文献1】特開2005−69853号公報
【特許文献2】実用新案登録第3131999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、試料の種類や分析目的などに合わせて適切な分析個所を抽出して発光分析を行うことができる発光分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために成された本発明は、固体試料表面の1乃至複数の分析個所についての発光分析を行う発光分析装置において、
a)固体試料の分析面を撮影し、撮影された画像に基づいて欠陥部を検出する画像解析手段と、
b)前記画像解析手段により得られた欠陥部情報を用い欠陥部を避けるように固体試料の分析面上に1乃至複数の分析個所の位置を決めるための分析個所抽出手順を、予め複数種類記憶しておく記憶手段と、
c)分析の実行に先立ち、分析対象の試料に対応して使用する分析個所抽出手順を選択するための選択手段と、
d)発光分析の際に、前記選択手段による選択情報に基づいて前記記憶手段により分析しようとする試料に対応する分析個所抽出手順を取得し、該手順に従って試料の分析面上で1乃至複数の分析個所を抽出する分析個所抽出手段と、
を備えることを特徴としている。
【0008】
また本発明に係る発光分析装置の一実施態様として、複数の試料について順次発光分析を実行する発光分析装置であって、各試料に対しそれぞれ試料識別情報が付与され、前記選択手段により試料識別情報にそれぞれ分析個所抽出手順が対応付けられ、前記分析個所抽出手段は、与えられた試料の試料識別情報を判断して対応する分析個所抽出手順を取得し、該手順に従って試料の分析面上で1乃至複数の分析個所を抽出する構成とすることができる。
【0009】
ここで、画像解析手段は、CCDカメラ等の撮像部により試料の分析面を撮影し、その撮影画像に基づいて正常部と欠陥部との相違を例えば輝度などにより判断して欠陥部を検出するものとすることができる。
【0010】
また分析個所抽出手順は分析面上で1乃至複数の分析個所の位置を定めるためのアルゴリズムであり、分析個所の数及び初期的な分析個所の位置を決定する手順と、初期的に決定された分析個所の位置に欠陥部が存在した場合にそれに代わる分析個所の位置を決定する手順、とを含むものとすることができる。即ち、異なる種類の分析個所抽出手順は、例えば抽出する分析個所の数が相違したり、分析個所の初期的な位置が相違したり、或いは、分析個所を設定しようとした部位に欠陥が存在した場合にそれを避けるべく分析個所の位置をずらす方法が相違したりする。
【0011】
まずオペレータは分析する複数の試料のそれぞれについて試料の種類や分析目的などに応じて適切な分析個所抽出手順を定め、試料と分析個所抽出手順との対応関係を選択手段により設定しておく。分析が開始され、或る1つの固体試料が与えられると、画像解析手段がその試料の分析面の画像から欠陥部を検出する。分析個所抽出手段は選択手段による設定により当該試料に対応した分析個所抽出手順を記憶手段から読み出し、この手順に従って、画像解析手段により得られた欠陥部情報で示される欠陥部を避けるように、1乃至複数の分析個所を抽出する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る発光分析装置によれば、例えば炉中分析のように分析個所が少なくてよく試料の分析面に欠陥が多い場合に、例えば2個所の分析個所を分析面上でできるだけ離れた位置に設定することができる。また、完成品の品質評価を行う場合のように高い分析精度が必要とされる場合には、分析面上で欠陥部を避けながら多数の分析個所を設定することができる。このように、試料の種類や分析目的等に応じてそれぞれ最適な数や位置に分析個所を設定することができ、分析のスループットを向上させつつ必要な精度での分析結果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る発光分析装置の一実施例について図1〜図4を参照して説明する。図1は本実施例の発光分析装置の概略構成図である。
【0014】
この発光分析装置は、ロボットアーム4により搬送される試料6に対して発光分析を行う、放電用の電極を備えた分析部2と、試料6の分析面を撮影するCCDカメラ12を含む撮影部10と、搬送される試料6を識別するための試料識別部18と、分析部2、ロボットアーム4、CCDカメラ12及び試料識別部18に接続された制御・処理部20と、を備える。制御・処理部20は例えば専用の制御・処理ソフトウエアを搭載したパーソナルコンピュータを中心に構成することができ、キーボード等の入力部30と、モニタ等の表示部31とが接続されている。
【0015】
撮影部10にあっては、分析面が垂直に起立した状態となるようにロボットアーム4により試料6は保持され、CCDカメラ12はその分析面を正面から撮影するように横向きに設置される。またその撮影方向と同軸方向から分析面を照明するように、ハーフミラー16及び照明ランプ14が設置されている。撮影の妨害となる外光を避けるため、撮影部10はその全体が遮蔽カバー8で囲繞されている。なお、CCDカメラ12の代わりに例えばC−MOSカメラなどの他の撮像手段を用いる等、適宜の変形が可能である。
【0016】
制御・処理部20は、CCDカメラ12により得られた画像データを読み込んで画像解析を行うことで試料6の分析面上の欠陥部を検出する画像処理部21と、試料6の分析面上の1乃至複数の分析個所を抽出するための抽出アルゴリズム(本発明における分析個所抽出手順に相当)を複数記憶しておく抽出情報記憶部22と、その複数の抽出アルゴリズムの1つに従い且つ上記欠陥部を回避するように試料6の分析面上で1乃至複数の分析個所を抽出する分析個所抽出処理部23と、各試料に付与された番号と該試料に対する分析個所抽出の際に用いる抽出アルゴリズム種類との対応関係を記憶しておく選択情報記憶部24と、抽出された1乃至複数の分析個所の位置(座標)情報に基づいてロボットアーム4の動作を制御する搬送制御部25と、所定の分析個所の分析が可能であるように試料6がセットされた状態で発光分析を実行するように分析部2を制御する分析制御部26と、を機能ブロックとして備える。
【0017】
試料識別部18は順次与えられる試料6を識別するものであり、ここでは各試料6に与えられた連番である試料番号を読み込むことを想定しているが、例えばバーコードを利用する等、各試料を特定することが可能な方法であれば特に限定されない。
【0018】
次に、試料6の分析面上における分析個所の抽出アルゴリズムの一例について図4により説明する。試料6の形状は扁平円柱形状であり、その円形状の一端面が分析面40である。図4はこの分析面40の平面図であり、(A)〜(D)はそれぞれ異なる抽出アルゴリズムを説明するための模式図である。基本的に分析個所は、円形状の分析面40の半径rの1/2の円周41上に設けられる。ここでは次のような互いに異なる4種類の抽出アルゴリズムA、B、C、Dが用意されているものとする。
【0019】
[抽出アルゴリズムA]
図4(A)−(a)に示すように、円周41上で互いに90°の角度位置離れた4個所を初期的な分析個所候補42a、42b、42bc、42dとして設定する。この初期的な分析個所候補に欠陥部が存在しなければ、そのままこれら4個所を分析個所として決定する。これに対し、図4(A)−(b)に示すように、初期的な分析個所候補(この例では42a)の位置に欠陥部43が存在した場合には、その位置から所定方向に所定角度(この例では反時計回り方向に10°)だけ離れた位置に次の分析個所候補42a’を再設定し、その分析個所候補42a’の位置に欠陥部が存在しなければその分析個所候補42a’と、もともと欠陥部が存在しなかった他の3つの分析個所候補42b、42c、42dを分析個所として決定する。
【0020】
分析個所候補42a’の位置にも欠陥部が存在した場合には、今度は初期の分析個所候補42aの位置から逆方向(時計回り方向)に10°だけ離れた位置に分析個所候補を再設定し、その位置に欠陥部が存在するか否かを判断する。こうして欠陥部が存在しなくなる位置まで(但し最大±90°まで)円周41上で徐々に(所定角度ステップで)分析個所候補をずらしてゆき、最終的に4個所の分析個所を決定する。
【0021】
[抽出アルゴリズムB]
図4(B)−(a)に示すように、初期的な4個所の分析個所候補42a、42b、42bc、42dの設定は抽出アルゴリズムAと同じであり、この初期的な分析個所候補が欠陥部と重ならなければそのままこれら4個所を分析個所として決定する。上記分析個所候補の少なくとも1個所に欠陥部が存在した場合、図4(B)−(b)に示すように、4つの分析個所候補の角度位置関係つまり90°の角度間隔を維持したまま、全体を所定角度(この例では反時計回り方向に10°)だけ回転させて新たな4つの分析個所候補42a’、42b’、42c’、42d’を設定する。この状態で新たな分析個所候補の位置に欠陥部が存在しなければ、これら4個所を分析個所として決定する。この場合、4つの分析個所の角度位置関係が維持されるため、試料の分析結果の代表値を求める際に有効である。
【0022】
[抽出アルゴリズムC]
基本的には抽出アルゴリズムBと同様であるが、分析個所候補を4個所ではなく分析面40の中心点を挟んで対向する(つまり離間角度が180°である)2個所とし、この離間角度を維持して欠陥部を避けるように分析個所を決定する。
【0023】
[抽出アルゴリズムD]
この場合、最大分析個所数Pが予め決められる。通常、4点よりも多い多点分析で利用されるから、最大分析個所数Pは例えば6又は8などと設定されるがP=1でもよい。図4(D)−(a)に示すように、適宜に決めた基準位置(これを角度0°とする)に最初の分析個所候補42aを定め、その位置から所定方向に所定角度(この例では反時計回り方向に10°)だけ離れた位置に次の分析個所候補42bを設定し、さらにその位置から同様に所定角度離れた位置に次の分析個所候補42cを設定する、という操作を繰り返して最大分析個所数Pまでの分析個所を決定する。図4(D)−(b)に示すように分析個所候補の位置に欠陥部43が存在する場合には、そこを飛ばして次に所定角度離れた位置に分析個所候補を設定する。
【0024】
こうして上述した4種類の抽出アルゴリズムA、B、C、Dに従えばいずれも、1乃至複数の分析個所を試料6の分析面40上に設定することができる。また、同じ数の分析個所を設定する場合でも、抽出アルゴリズムの種類(A、B、C又はD)によって位置が相違することがあり得るが、いずれにしても欠陥部を避けて好ましい位置に分析個所を設定することができる。なお、上記4種類の抽出アルゴリズムは一例に過ぎず、これら以外にも分析個所を抽出するためのアルゴリズムは多数考えられることは当然である。
【0025】
なお、それぞれの抽出アルゴリズムにおいて、抽出される分析個所は、それぞれが適宜に規定される最低距離間隔だけ離れるように抽出されるのが好ましい。複数の分析位置が重なると分析精度に影響があるが、これにより分析位置の重なりを回避することができる。また、それぞれの抽出アルゴリズムにおいて正常個所が見つからない場合には、不良試料であると判断して棄却するとよい。これにより、不良試料を分析することなく棄却できるため、次の処理への迅速な対応ができ、結果的にスループットが大幅に向上する。
【0026】
次に、本実施例の発光分析装置における1個の試料の分析ための一連の動作を図3のフローチャートに従って説明する。
【0027】
複数の試料の連続的な分析に先立って、オペレータは、分析する試料の番号と各試料を分析する際に使用する抽出アルゴリズム種類との対応を入力部30から入力する。試料の種類や試料の状態、或いは分析目的などに応じて適宜の抽出アルゴリズムを指定するとよい。具体的には、例えばいわゆる炉中分析などでは、試料の分析面に欠陥が多く、できるだけ離れた少数の分析個所の分析を行いたいという要求がある。こうした目的のためには抽出アルゴリズムB又はCが有効である。一方、完成品の品質を評価するために精密な分析を行いたい場合には、できるだけ多くの分析個所を設定する必要があるため抽出アルゴリズムDが有効である。そこでオペレータは各試料毎の種類や分析目的などに応じて適切な抽出アルゴリズムを選択する。こうして入力部30から入力された情報は例えば図2に示すように試料番号と抽出アルゴリズム種類との対応表として選択情報記憶部24に保持される。
【0028】
連続分析が開始され、或る1つの試料6が本装置に与えられると(ステップS1)、試料識別部18は試料を識別するために、試料6に付与されている試料番号を読み込み、試料番号を制御・処理部20へ送る(ステップS2)。
【0029】
ロボットアーム4により保持された試料6は撮影部10に移送され、撮影部10で試料6の分析面40の撮影が行われる(ステップS3)。即ち、照明ランプ14による照明光が分析面40に当てられ、CCDカメラ12がその分析面40全体を撮影する。得られた画像データは画像処理部21へと送られ、画像処理部21では正常部との輝度の相違から欠陥部が検出され、欠陥部の位置を示す座標情報が分析個所抽出処理部23へと送られる(ステップS4)。
【0030】
分析個所抽出処理部23では、試料識別部18から送られた試料番号を選択情報記憶部24に照会することにより、当該試料6について使用する抽出アルゴリズムの種類を認識する。そして、抽出情報記憶部22から該当する抽出アルゴリズムを読み込む(ステップS5)。そして、その抽出アルゴリズムに従い、且つ上記欠陥部情報を用いて、試料6の分析面40上における1乃至複数の分析個所の抽出を実行する(ステップS6)。例えばいま試料番号<4>の試料を分析する場合であれば、抽出アルゴリズムCが指定されているから、上述した手順で互いに180°離れた位置の2個所の分析個所が抽出される。
【0031】
こうして分析個所の位置が決まると、1乃至複数の分析個所の位置を示す座標情報が搬送制御部25及び分析制御部26へ送られる。搬送制御部25はその座標情報に基づいてロボットアーム4を制御し、試料6の分析面40上の1つの分析個所を分析するように試料6の位置決めを行う(ステップS7)。
【0032】
試料6の位置決めが終わると、分析制御部26の制御の下に、分析部2の分析用電極から試料6の分析面上の所定位置にスパーク放電が行われ、これに応じた発光分析が行われる(ステップS8)。次に、分析制御部26は必要な分析個所の分析が全て終了したか否かを判定し(ステップS9)、未だ分析個所が残っている場合にはステップS7に戻り、次の分析個所を分析するための試料位置決めと、分析実行とを繰り返す。
【0033】
こうして1つの試料6についての全ての分析が終了すると、ロボットアーム4により試料6は例えば分析済み試料容器内へと吐き出される(ステップS10)。多数の試料の連続分析を行う際には、ステップS1〜S10の処理を繰り返し、各試料についての発光分析データを収集する。
【0034】
なお、全ての処理を自動的に遂行するのではなく、処理の移行について適宜オペレータの操作を契機に行うようにしてもよい。例えば、新しい試料の受け入れや試料の分析面の画像取り込みなどをオペレータの手動操作により行うようにしてもよい。
【0035】
また、本発明において発光分析のための試料の励起方法は特に限定されず、スパーク放電のほか、例えばアーク放電、グロー放電、レーザ励起などでもよいことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例である発光分析装置の概略構成図。
【図2】試料番号と抽出アルゴリズム種類との対応関係の一例を示す図。
【図3】本実施例の発光分析装置において1個の試料を分析する際の動作を示すフローチャート。
【図4】本実施例の発光分析装置における分析個所抽出手順を説明するための模式図。
【符号の説明】
【0037】
2…分析部
4…ロボットアーム
6…試料
8…遮蔽カバー
10…撮影部
12…CCDカメラ
14…照明ランプ
16…ハーフミラー
18…試料識別部
20…制御・処理部
21…画像処理部
22…抽出情報記憶部
23…分析個所抽出処理部
24…選択情報記憶部
25…搬送制御部
26…分析制御部
30…入力部
31…表示部
40…分析面
41…円周
42a、42b、42c、42d…分析個所候補
43…欠陥部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体試料表面の1乃至複数の分析個所についての発光分析を行う発光分析装置において、
a)固体試料の分析面を撮影し、撮影された画像に基づいて欠陥部を検出する画像解析手段と、
b)前記画像解析手段により得られた欠陥部情報を用い欠陥部を避けるように固体試料の分析面上に1乃至複数の分析個所の位置を決めるための分析個所抽出手順を、予め複数種類記憶しておく記憶手段と、
c)分析の実行に先立ち、分析対象の試料に対応して使用する分析個所抽出手順を選択するための選択手段と、
d)発光分析の際に、前記選択手段による選択情報に基づいて前記記憶手段により分析しようとする試料に対応する分析個所抽出手順を取得し、該手順に従って試料の分析面上で1乃至複数の分析個所を抽出する分析個所抽出手段と、
を備えることを特徴とする発光分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光分析装置において、複数の試料について順次発光分析を実行する発光分析装置であって、各試料に対しそれぞれ試料識別情報が付与され、前記選択手段により試料識別情報にそれぞれ分析個所抽出手順が対応付けられ、前記分析個所抽出手段は、与えられた試料の試料識別情報を判断して対応する分析個所抽出手順を取得し、該手順に従って試料の分析面上で1乃至複数の分析個所を抽出することを特徴とする発光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−139299(P2009−139299A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317924(P2007−317924)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】