説明

発光器具

【課題】発光器具の光放射分布の変化を低減されること。
【解決手段】発光器具は、基体1と、基体1に固定された実装基板2と、実装基板2の下面に実装された複数のランプ3と、基体1に固定されている反射部材4とを含んでいる。複数のランプ3は、各々発光素子を含んでおり、列状に配置されている。反射部材4は、複数のランプ3に対応して設けられた複数の開口部41と、複数のランプ3から放射された光が届く位置に設けられた光反射面42と、複数の開口部41の配置方向において部分的に形成された複数の取り付け部分43とを含んでいる。反射部材4は、複数の取り付け部分43によって基体1に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば発光ダイオードなどの発光素子を含む発光器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば発光ダイオードなどの発光素子を含む複数のランプを有する発光器具として、複数のランプから放射された光が届く位置に設けられた光反射面を有する反射部材を含むものがある。反射部材は、例えば、複数のランプが実装されている基板に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−285446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のランプによって発生された熱が、基板を介して反射部材に伝導されることがあり、反射部材は、その熱によって変形される可能性がある。反射部材が変形することによって、発光器具の光放射分布が変化する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様によれば、発光器具は、基体と、基体に固定された実装基板と、実装基板の下面に実装された複数のランプと、基体に固定されている反射部材とを含んでいる。複数のランプは、各々発光素子を含んでおり、列状に配置されている。反射部材は、複数のランプに対応して設けられた複数の開口部と、複数のランプから放射された光が届く位置に設けられた光反射面と、複数の開口部の配置方向において部分的に形成された複数の取り付け部分とを含んでいる。反射部材は、複数の取り付け部分によって基体に固定されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一つの態様によれば、発光器具は、基体に固定された反射部材を含んでいる。反射部材は、複数の開口部の配置方向において部分的に形成された複数の取り付け部分を含んでおり、複数の取り付け部分によって基体に固定されている。従って、本発明の一つの態様による発光器具は、複数のランプから放射された熱による反射部材の変形が低減されており、光放射分布の変化が低減されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一つの実施形態における発光器具の斜視図を示している。
【図2】図1に示された複数のランプ3および反射部材4の下面図を示している。
【図3】図1に示された発光器具の縦断面図を示している。
【図4】図2に示されたランプ3の縦断面図を示している。
【図5】図3に示された発光器具における熱伝導経路を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1から図3までに示されているように、本発明の一つの実施形態における発光器具は、基体1と、基体1に固定された実装基板2と、実装基板2の下面に実装された複数のランプ3と、基体1に固定されている反射部材4とを含んでいる。図1において、発光器具は、仮想のxyz空間におけるxy平面に設けられている。図1において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことである。発光器具は、例えば天井に取り付けられる照明器具である。
【0010】
基体1は、例えば実質的に金属材料からなる。
【0011】
実装基板2は、例えば実質的に樹脂材料からなるプリント配線基板である。
【0012】
複数のランプ3は、各々発光素子を含んでおり、実装基板2に実装されているとともに、列状に配置されている。図2において、複数のランプ3は、仮想のy軸の正方向に、列状に配置されている。
【0013】
図4に示されているように、複数のランプ3の各々は、基体31と、基体31に接合された複数のリード端子32と、基体31の上面に実装されているとともに複数のリード端子32に電気的に接続された発光素子33と、基体31の上面に設けられているとともに発光素子33を囲んでいるフレーム部材34と、発光素子33を覆っているとともにフレーム部材34に固定されている波長変換部材35とを含んでいる。
【0014】
基体31は、実質的に絶縁材料からなる。絶縁材料の例は、セラミックスである。
【0015】
発光素子33は、例えば、発光ダイオード(LED)である。発光素子33は、駆動電力に応じて第1次光を放射する。
【0016】
フレーム部材34は、基体31の上面に接合されており、実質的に絶縁材料からなる。絶縁材料の例は、セラミックスである。
【0017】
波長変換部材35は、複数の蛍光粒子を含んでいる。複数の蛍光粒子は、発光素子33から放射された第1次光に応じて第2次光を放射する。波長変換部材35は、例えば白色光を放射する。
【0018】
再び図1から図3までを参照して、反射部材4は、複数のランプ3に対応して設けられた複数の開口部41と、複数のランプ3から放射された光が届く位置に設けられた光反射面42とを含んでいる。反射部材4は、複数の開口部41の配置方向において部分的に形成された複数の取り付け部分43をさらに含んでいる。図2において、複数の開口部41の配置方向とは、y軸方向である。反射部材4は、複数の取り付け部分43によって基体1に固定されている。複数の取り付け部分43は、基体1の内側に位置している。
【0019】
反射部材4は、基体1に着脱可能な状態で固定されている。取り付け部分43は弾性変形により、基体1の内側方向431および外側方向432に変形する。取り付け部分43は、基体1に取り付けられる際に、基体1の内側方向431に変形される。反射部材4は、取り付け部分43が基体1の外側方向へ戻ろうとする作用によって、基体1に固定されている。
【0020】
本実施形態の発光器具おいて、反射部材4が、複数の開口部41の配置方向において部分的に形成された複数の取り付け部分42によって基体1に固定されていることにより、発光器具は、光放射分布の変化が低減されている。図5に示されているように、ランプ3によって発生された熱は、基板2に伝導される。熱は、基板2から基体1へ伝導されて、基体1から大気中に放散される。本実施形態の発光器具において、反射部材4が、複数の開口部41の配置方向において部分的に形成された複数の取り付け部分42によって基体1に固定されていることにより、例えば反射部材4が実装基板2に固定されている構造に比べて、ランプ3によって発生された熱が、反射部材4に伝導されにくくなっている。
【0021】
本実施形態の発光器具において、反射部材4は、取り付け部材43の弾性変形によって基体1に接するように基体1に固定されている。従って、本実施形態の発光器具は、例えば反射部材4が基体1に接合されている構造に比べて、基体1から反射部材4への熱の伝導量に関して低減されている。このように、本実施形態における発光器具は、熱制御に関して改善されていることにより、光放射分布の変化に関して低減されている。
【0022】
本実施形態における発光器具は、複数の取り付け部分43が、基体1の内側に位置していることにより、例えば施工時などにおける反射部材4の変形などに関して低減されている。
【0023】
本実施形態における発光器具は、反射部材4は、基体1に着脱可能な状態で固定されていることにより、例えば反射部材4の交換が可能となり、コストを考慮しつつ、光放射分布の向上を図ることが可能となる。
【0024】
本実施形態の発光装置において、反射部材4は、複数のランプ3を共通して囲んでいる光反射面42を有している。反射部材4の他の例としては、複数のランプ3に対応する複数の光反射面を有するものがある。
【符号の説明】
【0025】
1 基体
2 実装基板
3 ランプ
4 反射部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体に固定された実装基板と、
各々発光素子を含んでおり、列状に配置されているとともに、前記実装基板の下面に実装された複数のランプと、
前記複数のランプに対応して設けられた複数の開口部と、前記複数のランプから放射された光が届く位置に設けられた光反射面と、前記複数の開口部の配置方向において部分的に形成された複数の取り付け部分とを含んでおり、前記複数の取り付け部分によって前記基体に固定されている反射部材と、
を備えた発光器具。
【請求項2】
前記複数の取り付け部分が、前記基体の内側に位置していることを特徴とする請求項1記載の発光器具。
【請求項3】
前記反射部材が、前記基体に着脱可能な状態で固定されていることを特徴とする請求項1記載の発光器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−82010(P2011−82010A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233163(P2009−233163)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】