説明

発光構造物

【課題】低コスト化、小型化及び製造工程の簡単化を図ることができる発光構造物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基板上に複数の発光素子203を備えた発光素子ユニット200と、前記発光素子ユニット200と略平行に配置され、前記発光素子203からの出射光を導光して別位置から出射するとともに、前記発光素子ユニットに対する垂直な軸を中心として回転可能に配置された導光体ユニット100と、前記発光素子ユニット200を、前記導光体ユニット100の回転に対して、所定範囲まで追随して回転させた後、回転前の位置に戻す動作を繰り返させる回転制御ユニット300と、からなり、前記導光体ユニット100は、一端が前記発光素子203に対向可能な位置に配置され、他端から前記発光素子203の光を放射可能な長尺状の導光体101を複数備える、発光構造物1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光による電飾を行う発光構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光による電飾を行う構造物として、LED(light Emitting Diode)などの発光素子を回転させ、光の残像効果を利用して電飾を行う構造物がある。例えば、砲弾型LEDを複数個用い、砲弾型LEDのリードと電源を供給するハーネスとを接続して所定のフレームに固定してフレームを回転させるといった構造のものがある。この構造では、フレームの回転に伴いハーネスが捩れるのを回避するために、一般的にはスリップリングが採用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、スリップリングは一般的に高価であり、スリップリングを備えることで構造物のコストが増加する。また、スリップリング構造とすることで部品数が増加し、構造物の小型化及び製造工程の簡単化を達成することができない。
【0004】
そこで、本発明は、低コスト化、小型化及び製造工程の簡単化を図ることができる発光構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明1は、基板上に複数の発光素子を備えた発光素子ユニットと、前記発光素子ユニットと略平行に配置され、前記発光素子からの出射光を導光して別位置から出射するとともに、前記発光素子ユニットに対する垂直な軸を中心として回転可能に配置された導光体ユニットと、前記発光素子ユニットを、前記導光体ユニットの回転に対して、所定範囲まで追随して回転させた後、回転前の位置に戻す動作を繰り返させる回転制御ユニットと、からなり、前記導光体ユニットは、一端が前記発光素子に対向可能な位置に配置され、他端から前記発光素子の光を放射可能な長尺状の導光体を複数備える、発光構造物を提供する。
【0006】
上記発光構造物では、導光体の一端は発光素子に対応して設けられており、発光素子ユニット及び導光体ユニットが回転することで、導光体の他端に導かれた発光素子からの光も回転し、光の残像効果により光による電飾を行うことができる。このとき、導光体の太さを適宜設定することで、光輪の大きさも適宜設定することができる。
【0007】
ここで、回転制御ユニットは、導光体ユニットの回転に対して、所定範囲まで追随するように発光素子ユニットを回転させ、その後、発光素子ユニットを回転前の位置まで戻す動作を繰り返す。発光素子ユニットが導光体ユニットの回転に対して追随して回転するとは、発光素子ユニット上のある一点とその一点に対応する導光体ユニット上の一点との位置関係が同程度の位置関係を維持するように、発光素子ユニット及び導光体ユニットが回転することを意味する。例えば、発光素子ユニットは、導光体ユニットの回転速度と同程度の回転速度で回転し、以下では、このような回転を回転が同期していると称する。
【0008】
このように所定範囲内において発光素子ユニット及び導光体ユニットの回転を同期させることを繰り返すことで、発光素子の位置と導光体の一端の位置とをできるだけ対応させて、導光体が発光素子からの光を直接的に受光可能な時間を長くすることができる。よって、導光体の先端から出射される光の出射量が低下するのを抑制し、導光体の先端の回転により形成される光輪が途切れたり、電飾の発光強度が低下するのを抑制することができる。
【0009】
また、回転制御ユニットは、発光素子ユニットを所定範囲まで回転させた後に回転前の位置まで戻すことで、発光素子ユニットの回転を所定範囲に規制する。そのため、発光素子ユニットに電源等を供給するための接続線が接続されている場合でも、発光素子ユニットの回転により接続線が捻れたり、回転軸に絡まってしまうことを抑制することができる。このような構成によれば、回転により接続線が絡まるのを防止するためのスリップリング構造が不要であり、部材数を減らして低コスト化、小型化及び製造工程の簡単化を図ることができる。
【0010】
また、導光体は、発光素子とは非接触の状態で発光素子からの光を受光して光を先端に導くことができるため、発光素子ユニットと導光体ユニットとを非接触で構成することができる。よって、部材どうしの接触による摩耗が抑制され、発光構造物の寿命を長くすることができる。
【0011】
さらに、導光体ユニットが電気的な連結のための接続線に接続されることなく光を受光する構成であるため、導光体ユニットの構造の自由度を容易に高めることができる。例えば、導光体ユニットを、導光体がそれぞれに備えられた内輪部材と外輪部材の2つの部材から構成し、内輪部材と外輪部材とで異なる回転方向とすることも可能である。
【0012】
発明2は、発明1において、前記回転制御ユニットは、回転の駆動力を供給する駆動ユニットからの駆動を受けて回転するシャフトと、互いに固定されることで前記発光素子ユニットを支持し、開口部からなるスライダーピン固定穴が形成されている支持部材と、前記スライダーピン固定穴に挿入されているスライダーピンと、前記所定範囲内の一端及び他端の間で前記スライダーピンを案内する案内溝を有する固定部材と、前記シャフトに係合されて前記シャフトの回転とともに回転し、前記スライダーピンが抜き差しされる少なくとも1のスライダーピン挿入穴が形成されている回転穴付き板と、前記スライダーピンが前記スライダーピン挿入穴から外れると、前記スライダーピンを前記所定範囲内の一端に対応する位置に復帰させることで、前記発光素子ユニットを前記回転前の位置に戻す復帰部材と、を含む。
【0013】
ここで、前記導光体ユニットは、前記シャフトに係合されて前記シャフトの回転とともに回転し、前記スライダーピンは、前記案内溝に案内されることにより前記所定範囲の一端から他端に到達するまでの間は前記スライダーピン挿入穴に挿入されて、前記回転穴付き板の回転とともに移動し、且つ前記所定範囲の他端に到達すると前記スライダーピン挿入穴から外れて、前記復帰部材により前記所定範囲の一端に戻る。
【0014】
上記構成において、支持部材のスライダーピン固定穴にスライダーピンが挿入されることで支持部材とスライダーピンは互いに係合されている。また、支持部材と発光素子ユニットとは互いに固定されている。よって、スライダーピンの移動が所定範囲内に規制されると、支持部材の回転も所定範囲内に規制され、これに伴い、発光素子ユニットの回転も所定範囲内に規制されることになる。一方、導光体ユニット及び回転穴付き板はシャフトに係合されているため同期して回転しており、その回転の範囲は規制されていない。
【0015】
より詳細に説明すると、スライダーピンは、回転穴付き板のスライダーピン挿入穴に挿入されたまま、所定範囲の一端から他端に到達するまで案内溝により案内される。よって、スライダーピンは、所定範囲の一端から他端に到達するまでの間は、回転穴付き板の回転に応じて移動する。ここで、前述の通り、スライダーピン、支持部材及び発光素子ユニットは互いに固定されているため、スライダーピンが回転穴付き板の回転に応じて所定範囲を移動すると、これに同期して支持部材及び発光素子ユニットも所定範囲内で回転する。さらに、回転穴付き板及び導光体ユニットはシャフトと係合されることで回転が同期しているため、結局、スライダーピンが回転穴付き板のスライダーピン挿入穴に挿入されており、所定範囲の一端から他端に到達するまでの間は、発光素子ユニット及び導光体ユニットの回転を同期させることができる。
【0016】
一方、スライダーピンが所定範囲の他端に到達すると、案内溝は、回転穴付き板のスライダーピン挿入穴から外れるようにスライダーピンを案内する。よって、スライダーピンは、回転穴付き板との同期回転から解放される。ここで、スライダーピンがスライダーピン挿入穴から外れると、復帰部材は、スライダーピンを所定範囲内の一端に対応する位置に復帰させることで、発光素子ユニットを回転前の位置に戻す。この間、回転穴付き板及び導光体ユニットは、シャフトの回転に応じて回転し続けている。そのため、スライダーピンが回転穴付き板のスライダーピン挿入穴から外れている間は、発光素子ユニット及び導光体ユニットの回転は同期していない。スライダーピンは、所定範囲内の一端に復帰した後は、再び連続的に回転している回転穴付き板のいずれかのスライダーピン挿入穴に挿入され、前述の手順により発光素子ユニット及び導光体ユニットの回転を再び同期させることができる。
【0017】
以上の通り、上記構成によれば、所定範囲内において発光素子ユニット及び導光体ユニットの回転を同期させることを繰り返すことで、導光体が発光素子からの光を直接的に受光可能な時間を長くして電飾の発光強度を維持しつつ、スリップリング構造を不要とすることができる。
【0018】
発明3は、発明2において、前記案内溝は、他端部が一端部よりも深く形成されており、前記スライダーピンは、前記所定範囲の一端では、前記案内溝の一端部に位置して前記スライダーピン挿入穴に挿入され、前記所定範囲の他端では、前記案内溝の他端部に位置して前記他端部の深さに応じて押し下げられることで前記スライダーピン挿入穴から外れる。
【0019】
上記構成によれば、案内溝の高低差を利用して構造的に、スライダーピンを回転穴付き板のスライダーピン挿入穴に対して抜き差しすることができる。よって、スライダーピンを押し下げするための駆動力が不要である。
【0020】
発明4は、発明2又は3において、前記回転制御ユニットは、前記案内溝の高低差に沿って前記スライダーピンを移動させるために、前記スライダーピンを前記案内溝に接触するように押圧するスライダーピン用バネをさらに含み、前記スライダーピンは、前記案内溝に当接されている案内溝スライド部と、前記スライダーピン挿入穴に対して抜き差しされる挿入先端部と、前記案内溝スライド部及び前記挿入先端部の間に前記スライダーピンの壁面から突出して形成され、前記スライダーピン用バネを係止する突出周縁部と、を含む。
【0021】
上記構成によれば、スライダーピンは、案内溝に沿って移動することで例えば上下方向に移動し、回転穴付き板のスライダーピン挿入穴に対して抜き差しされる。スライダーピン用バネにより案内溝に接触するようにスライダーピンを押圧することで、スライダーピンを案内溝の高低差に沿って安定的に移動させることができる。
【0022】
発明5は、発明2において、前記固定部材には、少なくとも1の回転規制部材が突出して形成されており、前記支持部材には、前記回転規制部材が挿入されている回転規制溝が形成されており、前記回転規制溝の一端部及び他端部に前記回転規制部材が当接することで、前記支持部材の回転が前記所定範囲内に規制され、前記発光素子ユニットの回転が前記所定範囲内に規制される。
【0023】
上記構成において、スライダーピンが所定範囲の一端に位置する場合、回転規制部材は回転規制溝の一端部に当接しており、スライダーピンが所定範囲の他端に位置する場合、回転規制部材は前記回転規制溝の他端部に当接している。このように固定部材上の回転規制部材が支持部材の回転規制溝の一端部及び他端部に当接することにより、支持部材の移動を確実に安定した状態で所定範囲内に規制でき、ひいては発光素子ユニットの移動も確実に所定範囲内に規制することができる。これにより、発光素子ユニットに電源等を供給するための接続線が接続されている場合でも、発光素子ユニットの回転により接続線が捻れたり、回転軸に絡まってしまうことを抑制することができる。
【0024】
発明6は、発明1〜5のいずれかにおいて、前記発光素子には、前記導光体ユニットの回転位置を検出するための光を出射する位置検出用発光素子が含まれ、前記発光素子ユニットは、前記位置検出用発光素子からの光を受光する位置検出用受光素子をさらに含み、前記導光体には、前記位置検出用発光素子が出射する光を前記位置検出用受光素子に導く位置検出用導光体が含まれる。
【0025】
上記構成において、発光素子ユニットには、位置検出用発光素子及び位置検出用受光素子が対で設けられている。発光素子ユニット及び導光体ユニットは回転しており、導光体ユニットの位置検出用導光体の両端が、発光素子ユニットの位置検出用発光素子及び位置検出用受光素子それぞれに対応する位置に到達すると、位置検出用受光素子が位置検出用発光素子からの光を受光する。位置検出用受光素子が位置検出用発光素子からの光を受光する位置を予め把握しておけば、位置検出用受光素子が光を受光したことに基づいて発光素子ユニット及び導光体ユニットの回転位置を特定することができる。
【0026】
これにより、現在どの導光体がどの発光素子に対応して位置しているかを把握することができる。よって、発光素子の位置と導光体の位置とが一致するタイミングに合わせて発光素子の点灯タイミングを制御することで、電飾の色、電飾が形成する模様などを精度良く制御することができる。
【0027】
発明7は、発明1〜6のいずれかにおいて、前記複数の導光体の先端の位置を、前記導光体ユニットの回転中心に対する半径方向お及び/又は高さ方向において異ならせる。
【0028】
導光体の形状を様々に加工することで、複雑な電飾を行うことができる。例えば、回転中心に対する半径方向において導光体の先端の位置を異ならせて導光体ユニットを回転することで、残像効果により複数の同心円からなる光輪を形成することができる。また、高さ方向に導光体の先端の位置を異ならせることで、奥行きを有する立体的な光輪を形成することができる。
【発明の効果】
【0029】
上記構成により、低コスト化、小型化及び製造工程の簡単化を図ることができる発光構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態例に係る発光構造物の斜視図。
【図2】図1の発光構造物の分解斜視図。
【図3】(a)は案内溝の深さの変化を示す断面図(1)であり、(b)は案内溝の深さの変化を示す断面図(2)であり、(c)は案内溝の深さの変化を示す断面図(3)である。
【図4】発光構造物の各部の回転の概要を説明する説明図。
【図5】(a)から(e)は、各部の回転に沿って時系列的に発光構造物の正面図、側面図、及び斜視図を示す説明図である。
【図6】(a)は図5(a)の斜視図であり、(b)は図5(a)の側面図であり、(c)は(b)のA−A断面を導光体ユニット側から見たときの断面図であり、(d)は(b)のB−B断面を駆動ユニット側から見たときの断面図である。
【図7】(a)は図5(b)の斜視図であり、(b)は図5(b)の側面図であり、(c)は(b)のC−C断面を導光体ユニット側から見たときの断面図であり、(d)は(b)のD−D断面を駆動ユニット側から見たときの断面図である。
【図8】(a)は図5(c)の斜視図であり、(b)は図5(c)の側面図であり、(c)は(b)のE−E断面を導光体ユニット側から見たときの断面図であり、(d)は(b)のF−F断面を駆動ユニット側から見たときの断面図である。
【図9】(a)は図5(d)の斜視図であり、(b)は図5(d)の側面図であり、(c)は(b)のG−G断面を導光体ユニット側から見たときの断面図であり、(d)は(b)のH−H断面を駆動ユニット側から見たときの断面図である。
【図10】(a)は図5(e)の斜視図であり、(b)は図5(e)の側面図であり、(c)は(b)のI−I断面を導光体ユニット側から見たときの断面図であり、(d)は(b)のJ−J断面を駆動ユニット側から見たときの断面図である。
【図11】(a)〜(e)は、それぞれ図5(a)〜(e)に対応して回転穴付き板の上下移動を示す説明図である。
【図12】位置検出ユニットの構成図であり、図(a)は導光体支持部の正面図、(b)は発光素子基板の正面図、(c)は(b)のK−Kでの断面図である。
【図13】図12の位置検出ユニットにおいて、位置検出用導光体、位置検出用発光素子及び位置検出用受光素子の関係を時系列に示す説明図。
【図14】位置検出ユニットの別の構成図であり、図(a)は導光体支持部の正面図、(b)は発光素子基板の正面図、(c)は(b)のL−Lでの断面図である。
【図15】図14の位置検出ユニットにおいて、位置検出用導光体、位置検出用発光素子及び位置検出用受光素子の関係を時系列に示す説明図。
【図16】パチンコ遊技機の正面図。
【図17】パチンコ遊技機のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【図18】サブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続方法を示す説明図(1)。
【図19】サブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続方法を示す説明図(2)。
【図20】サブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続方法を示す説明図(3)。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<実施形態例>
本実施形態例の発光構造物は光によるあらゆる電飾に用いられる。以下に本実施形態について説明する。なお、下記において特に言及しない限り、回転方向は、発光構造物1を導光体ユニット100側からみた場合の回転方向を記載している。
【0032】
(1)発光構造物の構成
図1は実施形態例に係る発光構造物の斜視図であり、図2は図1の発光構造物の分解斜視図である。
【0033】
発光構造物1は、導光体ユニット100、発光素子ユニット200、回転制御ユニット300及び駆動ユニット400を含む。以下に各ユニットについて説明する。
【0034】
(1−1)発光素子ユニット
発光素子ユニット200は、発光素子基板201、基板固定板202及び複数の発光素子203を含む。発光素子基板201は例えば円形状の平板であり、その中央部にはシャフト穴207が形成されている。シャフト穴207には後述のシャフト330が貫通しており、シャフト穴207とシャフト330とは係合されていない。複数の発光素子203は、発光素子基板201の導光体ユニット100と対向する面上に、例えばシャフト穴207に対して放射状に配置されている。発光素子203は例えばLEDであり、一の発光素子203は例えば単色のLEDで構成されても良いし、単色のLEDを複数個組み合わせて構成しても良い。本実施形態例では、RGB3色の各LEDを組み合わせることで一の発光素子203が形成されているものとする。発光素子基板201には、電源及び各種制御信号等を伝達するためのハーネス410が接続されており、発光素子203は、ハーネス410が供給する電源及び各種制御信号等に基づいて発光が制御される。
【0035】
基板固定板202は、例えば円形状の平板からなる上部と、円筒状の下部と、からなる。基板固定板202の上部は、発光素子基板201を下部から支持している。基板固定板202の円筒状の下部は、後述の回転穴付き板復帰バネ302が案内可能なように形成されている。発光素子基板201及び基板固定板202は、ネジ206a〜206cが、それぞれのねじ穴204a〜204c及びねじ穴205a〜205cを介して、後述のネジ止め支柱314a〜314cにネジ止めされることで互いに固定されている。
【0036】
(1−2)導光体ユニット
導光体ユニット100は、発光素子ユニット200に非接触の状態で対向するように配置されており、電飾用の複数の導光体101と、複数の導光体101を支持する導光体支持部102と、を備える。導光体支持部102は円柱状であり、その中央部には、シャフト穴103及びシャフト係止部104が形成されている。シャフト穴103にはシャフト330のシャフト本体332の一段目が挿入され、シャフト係止部104にはシャフト330のシャフト突出部331の一段目が挿入される。なお、シャフト330は、例えば図2に示されるように、先端の一段目と一段目に連続する二段目とで構成されており、一段目と二段目とでは直径が異なる。この状態で、シャフト330はネジ105によりネジ止めされ、シャフト330がシャフト穴103及びシャフト係止部104に係止される。よって、シャフト330が回転すると、導光体101及び導光体支持部102を含む導光体ユニット100はシャフト330を中心として回転する。
【0037】
複数の導光体101は長尺状であり、一端において発光素子203から出射される光を受光し、他端において受光した光を出射する。導光体101は例えば光ファイバからなる。導光体101の一端は、複数の発光素子203のいずれかと対向するように、導光体支持部102に設けられた複数の各貫通穴に挿入されて固定されている。導光体101の一端と発光素子203とが対向するとは、例えば、導光体101及び発光素子203が互いに回転している中で少なくとも所定時間の間において、少なくとも一の導光体101の一端が、発光素子203から光を受光可能なように配置されていることを意味する。好ましくは、所定時間の間において、発光素子203の直上に導光体101の一端が対応するように配置されている。また、本実施形態例では一の発光素子203は3色の各LEDから構成されているため、3色のLEDからなる一の発光素子203に対して一の導光体101が対向するように配置されている。これにより、3色のLEDをそれぞれ発色させ、あるいは、混色させることで導光体101の他端から様々な色の光を出射することができる。ただし、一のLEDからなる一の発光素子203と一の導光体101とが対向するように配置されていても良いし、2個以上のLEDからなる一の発光素子203と一の導光体101とが対向するように配置されていても良い。
【0038】
一方、導光体101の他端は、導光体支持部102から突出している。導光体101の他端は、導光体支持部102から上方に直立して突出するか、あるいは、屈曲して突出している。例えば、図1及び図2に示すように複数の導光体101は、導光体支持部102の回転中心に対して、複数の導光体101の他端の方向が異なる。また、各導光体101の他端は、導光体支持部102の回転中心に対する半径方向の距離及び/又は導光体支持部102の平面からの高さ方向の距離が異なる。このように導光体101の形状を様々に加工することで、複雑な電飾を行うことができる。例えば、回転中心に対する半径方向において導光体101の他端の位置を異ならせて導光体ユニット100を回転することで、残像効果により複数の同心円からなる光輪を形成することができる。また、高さ方向に導光体101の他端の位置を異ならせることで、奥行きを有する立体的な光輪を形成することができる。
【0039】
(1−3)回転制御ユニット
回転制御ユニット300は、回転穴付き板301、回転穴付き板復帰バネ302、スライダーピン固定板310、スライダーピン固定板復帰バネ320、シャフト330、スライダーピン用バネ340、スライダーピン350及びモータ固定板390を含む。
【0040】
(a)シャフト
シャフト330は、発光構造物1の回転中心に設けられており、駆動ユニット400を構成する回転軸402に係合されている。よって、シャフト330は、回転軸402の回転に応じて回転する。シャフト330は、回転軸402と係合されるシャフト本体332と、シャフト本体332の側壁から突出するシャフト突出部331と、からなる。なお、シャフト本体332は例えば図2に示されるように、先端の一段目と、一段目に連続する二段目と、で直径が異なるように形成されている。また、シャフト突出部331は、シャフト本体332の一段目及び二段目からそれぞれ突出するように形成されている。
【0041】
(b)スライダーピン、スライダーピン用バネ
スライダーピン350として、例えば2本の第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bが設けられている。第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bは同一の構造をしており、第1スライダーピン350aと第2スライダーピン350bとは、発光構造物1の回転中心に対して例えば互いに180°離れた位置に設けられている。本実施形態例ではスライダーピン350を2本設けているが、スライダーピンの本数は2本に限定されず、少なくとも1本あれば良いし、3本以上であっても良い。なお、単にスライダーピン350と言うときは、第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bの総称を言うものとする。
【0042】
各スライダーピン350は、モータ固定板390とスライダーピン固定板310との間に設けられている。スライダーピン350は、後述の案内溝360に接触している案内溝スライド部353と、後述のスライダーピン挿入穴305に対して抜き差しされる挿入先端部351と、案内溝スライド部353及び挿入先端部351の間にスライダーピン350の壁面から突出して形成され、スライダーピン用バネ340を係止する突出周縁部352と、から構成されている。
【0043】
案内溝360は一端と他端とが異なる高低差を有するように形成されており、スライダーピン用バネ340は、スライダーピン350を案内溝360の高低差に沿って移動させるために、スライダーピン350を案内溝360に接触するように押圧する。スライダーピン用バネ340は、第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bに対してそれぞれ第1スライダーピン用バネ340a及び第2スライダーピン用バネ340bが設けられている。
【0044】
(c)回転穴付き板、回転穴付き板復帰バネ
回転穴付き板301は、例えば円形状の平板であり、発光素子ユニット200とスライダーピン固定板310との間に設けられている。回転穴付き板復帰バネ302もまた基板固定板202下部の円筒状部分に案内されており、基板固定板202と回転穴付き板301との間に設けられている。
【0045】
回転穴付き板301の中央部には、シャフト穴303及びシャフト係止部304が形成されており、それぞれシャフト本体332及びシャフト突出部331が挿入されることで、回転穴付き板301とシャフト330とが互いに係合している。よって、シャフト330の回転に同期して回転穴付き板301も回転する。ここで、回転が同期しているとは、一の回転板が他の回転板の回転に対して追随して回転することを意味する。例えば2つの回転板が同一又は同程度の回転速度で回転することを意味し、一の回転板上のある一点とその一点に対応する他の回転板上の一点との位置関係が同程度の位置関係を維持するように、2つの回転板が回転することを意味する。
【0046】
回転穴付き板301の周縁部には、スライダーピン350が抜き差しされる複数のスライダーピン挿入穴305が形成されている。特に、スライダーピン挿入穴305では、前述の通りスライダーピン350のうち挿入先端部351が抜き差しされる。図2の例では、8個のスライダーピン挿入穴305が等間隔で形成されており、スライダーピン挿入穴305どうしは回転中心に対して45°離隔して配置されている。ただし、スライダーピン挿入穴305の個数はこれに限定されない。
【0047】
次に、1本のスライダーピン350に着目してその動作を説明する。
【0048】
スライダーピン350は、ある第1のスライダーピン挿入穴305に挿入された後、回転穴付き板301の回転に伴って所定範囲の一端から他端まで移動する。所定範囲の他端において、スライダーピン350は、挿入されていた第1のスライダーピン挿入穴305から外れ、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力により所定範囲の一端まで引き戻される。このとき、スライダーピン350は、回転穴付き板301を図2の上方である発光素子ユニット200側に押し上げる。なお、スライダーピン350の移動範囲である所定範囲の一端から他端は、後述の回転規制支柱370及び回転規制溝311が制限するスライダーピン固定板310が回転可能な範囲及び/又は後述の案内溝360の一端部361及び他端部362の離隔角度により定義される。
【0049】
次に、回転穴付き板301が回転し、第1のスライダーピン挿入穴305に対して回転穴付き板301の回転方向とは逆方向に隣接する第2のスライダーピン挿入穴305が、所定範囲の一端まで引き戻されたスライダーピン350の位置まで来ると、スライダーピン350は第2のスライダーピン挿入穴305に挿入される。スライダーピン350は、第1のスライダーピン挿入穴305から外れて第2のスライダーピン挿入穴305に挿入されるまでの間、回転穴付き板301を押し上げるように移動している。よって、回転穴付き板復帰バネ302は、押し上げられた回転穴付き板301を、スライダーピン350が第2のスライダーピン挿入穴305に挿入される際に押し下げる。これにより、スライダーピン350を確実に第2のスライダーピン挿入穴305に挿入することができる。
【0050】
なお、本実施形態例の場合、発光構造物1の回転中心に対して互いに180°離れた位置にある2本の第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bが設けられている。第1スライダーピン350aが第1のスライダーピン挿入穴305に挿入されている場合、第2スライダーピン350bは、発光構造物1の回転中心に対して第1のスライダーピン挿入穴305から180°離れた位置の第3のスライダーピン挿入穴305に挿入されている。また、第2スライダーピン350bは、第3のスライダーピン挿入穴305から外れた後、所定範囲の一端まで引き戻されて第3のスライダーピン挿入穴305に隣接する第4のスライダーピン挿入穴305に挿入される。
【0051】
(d)スライダーピン固定板
スライダーピン固定板310は、例えば円形状の平板であり、回転穴付き板301とモータ固定板390との間に設けられている。スライダーピン固定板310の発光素子ユニット200と対向する面上には、例えばその周縁部に3本のネジ止め支柱314a〜314cが突出して形成されている。ネジ止め支柱314a〜314cは円筒状の支柱であり、ネジ206a〜206cが、発光素子基板201及び基板固定板202のねじ穴204a〜204c及びねじ穴205a〜205cを介して、ネジ止め支柱314a〜314cにねじ止めされる。これにより、発光素子基板201、基板固定板202及びスライダーピン固定板310が互いに固定されている。
【0052】
また、スライダーピン固定板310には、第1〜第3回転規制溝311a〜311cと、第1〜第2スライダーピン固定穴312a〜312bと、シャフト穴313と、バネ係止部316と、が形成されている。
【0053】
シャフト穴313はスライダーピン固定板310の中央部に形成されており、シャフト330が貫通している。シャフト穴313とシャフト330とは係合されていない。
【0054】
第1、第2スライダーピン固定穴312a、312bには、第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bがそれぞれ挿入されている。よって、スライダーピン固定板310と、第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bと、が互いに係合されている。また、前述の通り、発光素子基板201、基板固定板202及びスライダーピン固定板310が互いに固定されているため、第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bと、発光素子基板201と、基板固定板202と、スライダーピン固定板310と、が互いに係合されて同期して回転する。
【0055】
第1〜第3回転規制溝311a〜311cには、回転せず固定されているモータ固定板390上の第1〜第3回転規制支柱370a〜370cがそれぞれ挿入されている。スライダーピン固定板310の回転に応じて第1回転規制溝311aは回転するが、第1回転規制支柱370aが第1回転規制溝311aの一端部311a1及び他端部311a2に当接すると、第1回転規制溝311aの回転は規制される。同様に、第2、第3回転規制溝311b、311cもまた同様に構成されており、その回転も第2、第3回転規制支柱370b、370cにより規制される。よって、スライダーピン固定板310の回転は、第1〜第3回転規制支柱370a〜370cが、第1〜第3回転規制溝311a〜311cの一端部と他端部とに当接するまでに移動可能な所定範囲に制限される。
【0056】
第1回転規制溝311aにおいて、発光構造物1の回転中心に対する一端部311a1と他端部311a2との離隔角度は、後述の案内溝360の一端部361と他端部362との回転中心に対する離隔角度と同程度に設計される。本実施形態例の場合、第1回転規制溝311a離隔角度及び案内溝360の離隔角度は例えば40°である。第1、第2回転規制溝311b、311cの一端部と他端部との離隔角度は、第1回転規制溝311aの一端部311a1と他端部311a2との離隔角度と同様に例えば40°である。
【0057】
バネ係止部316には、後述の図6(d)に示すようにスライダーピン固定板復帰バネ320のバネ固定端321が係止される。
【0058】
(e)モータ固定板
モータ固定板390は、例えば円形状の平板であり、スライダーピン固定板310と駆動ユニット400との間に設けられている。モータ固定板390自体は回転せず、後述の駆動ユニットが固定されている。モータ固定板390のスライダーピン固定板310と対向する面上には、例えば第1〜第3回転規制支柱370a〜370cと、バネ受け部381と、が形成されている。さらに、モータ固定板390には、シャフト穴380及び案内溝360が形成されている。
【0059】
シャフト穴380は、モータ固定板390の中央部を貫通するように形成されており、バネ受け部381は、モータ固定板390の平面から突出し、シャフト穴380から連続する円筒状に形成されている。バネ受け部381の外周には、スライダーピン固定板復帰バネ320のバネ本体322が挿入されている。
【0060】
第1〜第3回転規制支柱370a〜370cは、それぞれ第1〜第3回転規制溝311a〜311cに挿入されている。回転規制支柱370は、円筒状の先端部371及び基部372から構成されている。回転規制支柱370の先端部371にはねじ穴が形成されており、第1〜第3回転規制支柱370a〜370cがそれぞれ第1〜第3回転規制溝311a〜311cに挿入されている状態で、ネジ315a〜315cと第1〜第3回転規制支柱370a〜370cの各先端部371とがネジ止めされる。
【0061】
また、第1回転規制支柱370aの先端部371にはスライダーピン固定板復帰バネ320のリング部323が挿入されている。
【0062】
案内溝360として、例えば2つの第1案内溝360a及び第2案内溝360bが設けられている。第1案内溝360a及び第2案内溝360bには、第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bそれぞれの案内溝スライド部353が載置されている。案内溝360は、一端部361と他端部362とで深さが異なり、スライダーピン350をその溝に沿って案内する。なお、案内溝360の数は2つに限定されず、スライダーピン350の本数に応じて設けられていれば良い。
【0063】
案内溝360の深さは、スライダーピン350が案内溝360の一端部361に位置する場合には、スライダーピン350が回転穴付き板301のスライダーピン挿入穴305に挿入されるように形成される。一方、スライダーピン350が案内溝360の一端部361から他端部362に移動した場合には、スライダーピン350がスライダーピン挿入穴305から外れる深さに形成される。
【0064】
案内溝360の形状の一例を次に説明する。図3(a)〜(c)は案内溝360の深さの変化を示す断面図である。図3(a)の場合、案内溝360は、一端部361から他端部362に亘って徐々に深さが深くなるように形成されている。図3(b)の場合、案内溝360は、一端部361から他端部362の手前までの深さと、他端部362での深さと、が異なるように形成されている。図3(c)の場合、案内溝360は、一端部361から他端部362に亘って例えば4段階で段階的に深さが深くなるように形成されている。本実施形態例では、案内溝360は図3(a)のように形成されているものとする。
【0065】
スライダーピン350の案内溝スライド部353が案内溝360の一端部361に当接している場合には、スライダーピン350は図2の上方に押し上げられ、回転穴付き板301のスライダーピン挿入穴305に挿入される。また、スライダーピン350は、回転穴付き板301の回転とともに案内溝360を一端部361から他端部362まで移動する。このとき、スライダーピン350は、案内溝360の一端部361から他端部362に到達する前までは、スライダーピン挿入穴305に挿入されている。スライダーピン350が案内溝360の他端部362に到達すると、スライダーピン350は案内溝360に沿って押し下げられることにより、スライダーピン挿入穴305から外れる。例えば、図3(a)の場合には、スライダーピン350は案内溝360の一端部361から他端部362にかけて徐々にスライダーピン挿入穴305から外れる。図3(b)の場合には、スライダーピン350は案内溝360の一端部361から他端部362に到達する前までは高さ方向の位置は変化せず、他端部362に到達すると案内溝360の深さに沿ってスライダーピン挿入穴305から外れる。図3(c)の場合には、スライダーピン350は案内溝360の一端部361から他端部362にかけて段階的にスライダーピン挿入穴305から外れる。
【0066】
また、本実施形態例の案内溝360は、上述の通り、その一端部361と他端部362とが、発光構造物1の回転中心に対して例えば40°離隔するように形成されている。案内溝360の一端部361と他端部362との離隔角度は、回転穴付き板301のスライダーピン挿入穴305間の離隔角度に応じて設定されており、例えばスライダーピン挿入穴305間の離隔角度よりも小さくなるように設定されている。特に、案内溝360の一端部361と他端部362との離隔角度は、案内溝360の他端部362で第1のスライダーピン挿入穴305から外れたスライダーピン350が、再び案内溝360の一端部361に戻って来たときに、第1のスライダーピン挿入穴305に隣接する第2のスライダーピン挿入穴305に挿入可能な離隔角度のうち、最大の離隔角度に設定されていると好ましい。このように設定されることで、スライダーピン350と回転穴付き板301とをできるだけ長い時間同期して回転させて、ひいては導光体ユニット100発光素子ユニット200とをできるだけ長い時間同期して回転させることができる。よって、発光素子203の位置と導光体101の一端の位置とをできるだけ対応させて、導光体101が発光素子203からの光を受光可能な時間を長くすることができる。よって、導光体101の他端から出射される光の出射量が低下するのを抑制し、電飾の発光強度を維持することができる。なお、本実施形態例では、回転穴付き板301のスライダーピン挿入穴305間の離隔角度は45°であり、案内溝360の一端部361と他端部362との離隔角度が40°であるので、導光体ユニット100と発光素子ユニット200とは互いに40°回転する間、同期して回転するように設計されている。
【0067】
(f)スライダーピン固定板復帰バネ
スライダーピン固定板復帰バネ320は、スライダーピン固定板310とモータ固定板390との間に設けられている。スライダーピン固定板復帰バネ320は、針金状の部材が環状に複数回巻かれたバネ本体322と、バネ本体322一端の環状に1回巻かれたリング部323と、バネ本体322の他端のバネ固定端321と、を有する。バネ本体322は、モータ固定板390のバネ受け部381の外周に挿入され、リング部323は第1回転規制支柱370aの基部372に挿入され、バネ固定端321はスライダーピン固定板310のバネ係止部316に係止される。
【0068】
モータ固定板390は回転せず固定されているため、第1回転規制支柱370aに係止されているリング部323もまた回転しない。ここで、スライダーピン350が、回転穴付き板301のスライダーピン挿入穴305に挿入されている間は、回転穴付き板301の回転とともに移動する。よって、スライダーピン固定穴312を介してスライダーピン350と係合されているスライダーピン固定板310は、スライダーピン350の移動とともに回転する。このとき、スライダーピン固定板310のバネ係止部316に係止されたバネ固定端321は、スライダーピン固定板310の回転に応じて、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力に対抗する方向に向かう。次に、スライダーピン350がスライダーピン挿入穴305から外れると、スライダーピン350及びスライダーピン固定板310は回転穴付き板301との同期回転から解放される。よって、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力により、スライダーピン350及びスライダーピン固定板310は回転前の位置に復帰する。
【0069】
(1−4)駆動ユニット
駆動ユニット400は、モータ401と、モータ401から突出している回転軸402と、を含む。モータ401は、ハーネス410から電源及び各種制御信号等の供給を受けて、回転軸402に回転の駆動力を供給する。回転軸402は、シャフト330と係合されており、シャフト330を回転させる。モータ401は、ネジ403によりネジ止めされて固定されている。
【0070】
上記の発光構造物1では、駆動ユニットの回転軸402と導光体支持部102及び回転穴付き板301とが直接的に係合されているが、例えば減速機などを介して間接的に係合されていても良い。
【0071】
(2)発光構造物の動作
(2−1)各部の回転の概要
次に、発光構造物1の各部の回転の概要について図4を用いて説明する。図4は発光構造物の各部の回転の概要を説明する説明図である。
【0072】
モータ401に設けられた回転軸402は、例えば図4に示すように反時計回りに連続回転している。
【0073】
回転軸402と係合されているシャフト330は、回転軸402の回転に同期して反時計回りに連続回転している。また、シャフト330と、回転穴付き板301及び導光体支持部102と、は互いに係合されており、回転穴付き板301及び導光体支持部102もまた回転軸402の回転に同期して反時計回りに連続回転している。
【0074】
モータ固定板390は回転せず固定されている。
【0075】
スライダーピン350は、モータ固定板390上の案内溝360により案内されて、回転穴付き板301のスライダーピン挿入穴305に対して抜き差しされる。スライダーピン350は、スライダーピン挿入穴305に挿入されている間は、回転穴付き板301の回転に同期して反時計回りに移動する。一方、スライダーピン350は、スライダーピン挿入穴305から外れると、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力により時計回り方向に移動して移動前の位置に戻る。各スライダーピン挿入穴305に対してスライダーピン350の抜き差しが繰り返されることで、スライダーピン350は案内溝360の一端部361及び他端部362間を往復する。前述の通り案内溝360の一端部361と他端部362との回転中心に対する離隔角度は、本実施形態例では40°である。よって、スライダーピン350は図4に示すように40°の往復回転をする。
【0076】
ここで、スライダーピン350と、発光素子基板201と、基板固定板202と、スライダーピン固定板310と、が互いに係合されているため、これらの部材は互いに同期して回転する。よって、発光素子基板201、基板固定板202及びスライダーピン固定板310は、スライダーピン350と同様に40°の往復回転をする。
【0077】
上記のような回転により、導光体ユニット100と発光素子ユニット200とが次のように同期及び非同期をくり返して回転する。
【0078】
導光体ユニット100が、回転前の初期位置から反時計回りに40°回転するまでは、発光素子ユニット200は、導光体ユニット100の回転に同期して初期位置から反時計回りに40°の位置まで回転する。次に、導光体ユニット100が初期位置から反時計回りに40°の位置から45°の位置に回転するまでの間、発光素子ユニット200は、反時計回りに40°の位置から時計回りに回転して初期位置に戻る。よって、この間、導光体ユニット100と発光素子ユニット200とは異なる方向に回転しており同期していない。再び初期位置に戻った発光素子ユニット200は、導光体ユニット100が反時計回りに45°の位置から85°の位置まで回転する間に、導光体ユニット100の回転に同期して初期位置から反時計回りに40°の位置まで回転する。次に、導光体ユニット100が初期位置から反時計回りに85°の位置から90°の位置に回転するまでの間、発光素子ユニット200は、反時計回りに40°の位置から時計回りに回転して初期位置に戻る。このように導光体ユニット100と発光素子ユニット200とが40°分だけ同期して回転する動作が繰り返される。
【0079】
(2−2)各部の回転の詳細
図5〜図10を用いて、各部の回転の流れをさらに説明する。図5は、各部の回転の流れを説明するための説明図であり、図5(a)〜(e)には、各部の回転に沿って時系列的に発光構造物の正面図、側面図、及び斜視図が示されている。図6〜図10は、それぞれ図5(a)〜(e)に対応する発光構造物1の断面を説明するための説明図である。
【0080】
(a)同期回転前(θα=0°、θβ=0°)
図5(a)は、導光体ユニット100と発光素子ユニット200とが同期回転する前の説明図である。図5(a)では、導光体ユニット100及び発光素子ユニット200は初期位置に位置しており、導光体ユニット100の回転角度θαは0°(θα=0°)であり、発光素子ユニット200の回転角度θβは0°(θβ=0°)である。このとき、導光体ユニット100の少なくとも1の導光体101と、発光素子ユニット200の複数の発光素子203のいずれかと、が対向するように配置されており、導光体101の一端は発光素子203から出射される光を受光し、他端において受光した光を出射可能である。また、スライダーピン350は、モータ固定板390の案内溝360の一端部361に位置しており、回転穴付き板301のスライダーピン挿入穴305に挿入されている。
【0081】
図6は図5(a)に対応しており、図5(a)の斜視図及び側面図が図6の(a)及び(b)として図示されている。図6(c)は、図6(b)のA−A断面を導光体ユニット100側から見たときの断面図である。図6(d)は、図6(b)のB−B断面を駆動ユニット400側から見たときの断面図である。
【0082】
図6(a)及び図6(c)を参照すると、第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bは、それぞれ回転穴付き板301のスライダーピン挿入穴305a及び305bに挿入されている。
【0083】
図6(d)を参照すると、第1〜第3回転規制支柱370a〜370cが、それぞれ第1〜第3回転規制溝311a〜311cの一端部に当接しており、スライダーピン固定板310の時計方向への回転が規制されている。なお、第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bは、それぞれスライダーピン固定板310の第1スライダーピン固定穴312a及び第1スライダーピン固定穴312bに挿入されている。
【0084】
(b)同期回転(θα=0°〜40°、θβ=0°〜40°)
図5(b)は、導光体ユニット100と発光素子ユニット200とが同期回転している場合の説明図である。図5(b)では、一例として、導光体ユニット100の初期位置に対する回転角度θαが20°(θα=20°)であり、発光素子ユニット200の初期位置に対する回転角度θβが20°(θβ=20°)である場合を例に挙げている。
【0085】
導光体支持部102がシャフト330の回転に同期して回転するのに応じて、導光体支持部102に固定されている導光体101もまた回転中心に対して回転する。例えば、図5(a)の導光体101aは、初期位置に対して20°回転することで、図5(b)の導光体101aの位置に移動する。同様に、図5(a)の導光体101bは、初期位置に対して20°回転することで、図5(b)の導光体101bの位置に移動する。
【0086】
図7は図5(b)に対応しており、図5(b)の斜視図及び側面図が図7の(a)及び(b)として図示されている。図7(c)は、図7(b)のC−C断面を導光体ユニット100側から見たときの断面図である。図7(d)は、図7(b)のD−D断面を駆動ユニット400側から見たときの断面図である。
【0087】
図5(b)及び図7(c)を参照すると、第1スライダーピン350a及び第2スライダーピン350bは、それぞれ回転穴付き板301のスライダーピン挿入穴305a及び305bに挿入されたままである。よって、各スライダーピン350は、回転穴付き板301が回転するのに伴って、案内溝360の一端部361から他端部362に向かって案内溝360に沿って移動している。本実施形態例では、案内溝360は図3(a)に示すように徐々に深さが深くなるように形成されており、スライダーピン350は、案内溝360を他端部362に進むにつれて押し下げられる。
【0088】
図5(b)のようにスライダーピン350が案内溝360の一端部361から他端部362に向かって移動するのに応じて、図7(d)に示すようにスライダーピン固定板310は導光体ユニット100側から見て反時計回りに回転する。なお、図7(d)は駆動ユニット400側から見たときの断面図であるため、図7(d)に示されているスライダーピン固定板310の回転方向は時計回りで示されている。スライダーピン固定板310が前述のように反時計回りに回転すると、スライダーピン固定板310と係合されている発光素子ユニット200もまた反時計回りに回転する。
【0089】
つまり、シャフト330の回転に伴って、シャフト330と係合されている導光体ユニット100及び回転穴付き板301が反時計回りに回転し、さらに回転穴付き板301に挿入されているスライダーピン350もまた回転穴付き板301の回転に伴って回転する。そして、スライダーピン350と係合されているスライダーピン固定板310も反時計回りに回転し、スライダーピン固定板310と係合されている発光素子ユニット200もまた反時計回りに回転する。その結果、導光体ユニット100と発光素子ユニット200とが初期位置での関係を維持しつつ、つまり、導光体ユニット100の少なくとも1の導光体101と、発光素子ユニット200の複数の発光素子203のいずれかと、が互いに対向するような位置関係を維持しつつ、導光体ユニット100及び発光素子ユニット200が同期して反時計回りに回転する。このような同期回転は、導光体ユニット100及び発光素子ユニット200が初期位置からθα=40°、θβ=40°の位置に回転するまで継続する。
【0090】
ここで、モータ固定板390は回転せず固定されているため、第1〜第3回転規制支柱370a〜370cも回転しない。よって、θα=20°及びθβ=20°の場合、図7(d)に示すように第1回転規制支柱370aは、スライダーピン固定板310に形成された第1回転規制溝311aの一端部311a1と他端部311a2との間に位置している。同様に第2、第3回転規制支柱370b、370cは、スライダーピン固定板310に形成された第2、第3回転規制溝311b、311cそれぞれの一端部と他端部との間に位置している。また、スライダーピン固定板310のバネ係止部316に係止されたバネ固定端321は、スライダーピン固定板310の回転に応じて、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力に対抗する方向に向かう。復元力に対抗する方向とは、ここでは反時計回りの方向である。
【0091】
(c)同期回転からの解放(θα=40°、θβ=40°)
図5(c)は、導光体ユニット100と発光素子ユニット200とが、図5(b)に引き続いて同期回転した後、同期回転の最終位置に到達している場合の説明図である。図5(c)では、導光体ユニット100の初期位置に対する回転角度θαは40°(θα=40°)であり、発光素子ユニット200の初期位置に対する回転角度θβは40°(θβ=40°)である。また、図8は図5(c)に対応しており、図5(c)の斜視図及び側面図が図8の(a)及び(b)として図示されている。図8(c)は、図8(b)のE−E断面を導光体ユニット100側から見たときの断面図である。図8(d)は、図8(b)のF−F断面を駆動ユニット400側から見たときの断面図である。
【0092】
導光体ユニット100及び発光素子ユニット200は、初期位置から40°の位置まで回転するまでは、前述のように同期して回転している。図5(c)を参照すると、導光体101a、101bは、同期回転前の図5(a)と比較して40°回転した位置に移動している。また、スライダーピン350は、案内溝360の他端部362に到達し、案内溝360の深さに応じて押し下げられることでスライダーピン挿入穴305から外れている。よって、回転穴付き板301はシャフト330とともに反時計回りに回転し続けるが、スライダーピン350は、回転穴付き板301との同期回転から解放される。
【0093】
図8(c)を参照すると、スライダーピン350は、スライダーピン挿入穴305から外れた瞬間であり、スライダーピン挿入穴305の直下に位置している。このとき、図8(d)に示すように第1回転規制支柱370aは、第1回転規制溝311aの他端部311a2に位置している。同様に第2、第3回転規制支柱370b、370cは、第2、第3回転規制溝311b、311cそれぞれの他端部に位置している。第1〜第3回転規制支柱370a〜370cと第1〜第3回転規制溝311a〜311cとにより、スライダーピン固定板310は、導光体ユニット100側から見て反時計方向への回転が規制されている。なお、図8(d)は駆動ユニット400側から見た断面図であり、スライダーピン固定板310は、駆動ユニット400側から見て時計方向への回転が規制されている。
【0094】
また、図7(d)から図8(d)に示すようにスライダーピン固定板310がさらに反時計回りに回転することで、バネ固定端321は、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力に対抗する方向にさらに向かう。よって、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力がさらに増加している。この状態で上述の通り、スライダーピン350は回転穴付き板301との同期回転から解放されるため、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力により、スライダーピン350及びスライダーピン固定板310は回転前の位置に復帰しようとする。
【0095】
(d)非同期回転(θα=40°〜45°、θβ=40°〜20°)
図5(d)は、導光体ユニット100と発光素子ユニット200とが、同期して回転していない場合の説明図である。図5(d)では、導光体ユニット100の初期位置に対する回転角度θαは42.5°(θα=42.5°)であり、発光素子ユニット200の初期位置に対する回転角度θβは20°(θβ=20°)である。導光体101a、101bは、同期回転前の図5(a)と比較して42.5°回転した位置に移動している。また、図9は図5(d)に対応しており、図5(d)の斜視図及び側面図が図9の(a)及び(b)として図示されている。図9(c)は、図9(b)のG−G断面を導光体ユニット100側から見たときの断面図である。図9(d)は、図9(b)のH−H断面を駆動ユニット400側から見たときの断面図である。
【0096】
図5(d)の斜視図及び図9(a)等を参照すると、スライダーピン350は、スライダーピン挿入穴305から外れてスライダーピン挿入穴305どうしの間に位置している。つまり、図9(a)に示すように、第1スライダーピン350aは、スライダーピン挿入穴305aとスライダーピン挿入穴305cとの間に位置しており、第2スライダーピン350bは、スライダーピン挿入穴305bとスライダーピン挿入穴305dとの間に位置している。
【0097】
このとき、スライダーピン350がスライダーピン挿入穴305から外れている。よって、スライダーピン固定板310は、スライダーピン350を介した回転穴付き板301からの反時計回りの力から解放されている。よって、スライダーピン固定板310は、図8(d)から図9(d)に示すように、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力により初期位置に戻るように、導光体ユニット100側から見て時計回りに回転している。なお、図9(d)は駆動ユニット400側から見た断面図であるため、図9(d)に示されているスライダーピン固定板310の回転方向は反時計回りで示されている。これにより、スライダーピン350は、図5(d)に示すように、スライダーピン固定板310の回転に伴って、案内溝360の他端部362から一端部361に向かって案内溝360に沿って初期位置に戻るように移動している。また、スライダーピン固定板310に係合されている発光素子ユニット200は、スライダーピン固定板310の回転に伴って初期位置に戻るように時計回りに回転している。一方、スライダーピン350が外れた回転穴付き板301は、引き続きシャフト330の回転に同期して反時計回りに回転し続けている。また、導光体ユニット100も、引き続きシャフト330の回転に同期して反時計回りに回転し続けている。よって、導光体ユニット100の回転と発光素子ユニット200の回転とは互いに反対方向であり同期していない。
【0098】
ここで、θα=42.5°、θβ=20°の場合、第1〜第3回転規制支柱370a〜370cは、図9(d)に示すようにスライダーピン固定板310に形成された第1〜第3回転規制溝311a〜311cそれぞれの一端部と他端部との間に位置している。
【0099】
(e)同期回転への復帰(θα=45°、θβ=0°)
図5(e)は、導光体ユニット100と発光素子ユニット200とが、同期回転を再び開始する場合の説明図である。図5(e)では、導光体ユニット100の初期位置に対する回転角度θαは45°(θα=45°)であり、発光素子ユニット200の初期位置に対する回転角度θβは0°(θβ=0°)である。また、図10は図5(e)に対応しており、図5(e)の斜視図及び側面図が図10の(a)及び(b)として図示されている。図10(c)は、図10(b)のI−I断面を導光体ユニット100側から見たときの断面図である。図10(d)は、図10(b)のJ−J断面を駆動ユニット400側から見たときの断面図である。
【0100】
導光体ユニット100はシャフト330とともに反時計回りに回転し続けており、図5(e)では、導光体101a、101bは、初期位置の図5(a)と比較して45°回転した位置に移動している。また、回転穴付き板301もまたシャフト330とともに反時計回りに回転し続けており、初期位置の図5(a)と比較して45°の位置まで回転している。
【0101】
一方、スライダーピン固定板310は、図9(d)から図10(d)に示すように、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力により導光体ユニット100側から見て時計回りに回転している。これにより、スライダーピン350は、図5(e)に示すようにスライダーピン固定板310の回転に伴って案内溝360の一端部361まで再び戻り、図5(a)において挿入されていたスライダーピン挿入穴305に隣接する別のスライダーピン挿入穴305に挿入される。つまり、図10(a)及び図10(c)に示すように、第1スライダーピン350aは、スライダーピン挿入穴305aに対して時計回り方向に隣接するスライダーピン挿入穴305cに挿入されている。また、第2スライダーピン350bは、スライダーピン挿入穴305bに対して時計回り方向に隣接するスライダーピン挿入穴305dに挿入されている。
【0102】
また、スライダーピン固定板310に係合されている発光素子ユニット200は、スライダーピン固定板310の回転に伴って時計回りに回転して初期位置に戻っている。
【0103】
ここで、θα=45°、θβ=0°の場合、第1〜第3回転規制支柱370a〜370cは、図10(d)に示すように第1〜第3回転規制溝311a〜311cそれぞれの一端部に位置している。その後、図5(a)〜図5(e)の動作がくり返される。
【0104】
なお、スライダーピン350が、スライダーピン固定板復帰バネ320の復元力によって案内溝360の他端部362から一端部361まで戻るのにかかる時間は、回転穴付き板301が回転前の初期位置に対して40°から45°の位置まで反時計回りに回転するのにかかる時間以下に設定される。つまり、回転穴付き板301が同期回転前の位置から45°回転した時には、スライダーピン350が案内溝360の他端部362から一端部361に戻っている必要がある。このような設定は、例えば、スライダーピン固定板復帰バネ320の弾性係数、バネ本体322の巻き数及びシャフト330の回転数などの調整により可能である。これにより、回転穴付き板301が初期位置から反時計回りに45°の位置に回転した時に、スライダーピン350は案内溝360の他端部362から一端部361に戻り、回転穴付き板301の次のスライダーピン挿入穴305に挿入可能となる。
【0105】
また、本実施形態例の場合、導光体ユニット100と発光素子ユニット200との同期回転は45°毎に行われ、導光体ユニット100が360°回転する間に8回の同期回転が行われる。これらの同期回転が開始する各場合において、導光体ユニット100の少なくとも1の導光体101と、発光素子ユニット200の複数の発光素子203のいずれかと、が互いに対向するように、導光体101と発光素子203とが配置されている必要がある。例えば、図5(e)及び図10の場合、初期位置から反時計回りに45°回転した導光体ユニット100の少なくとも1の導光体101と、初期位置に戻った発光素子ユニット200の複数の発光素子203のいずれかと、が互いに対向するように、導光体101と発光素子203とが配置されている必要がある。また、例えば初期位置から反時計回りに90°回転した導光体ユニット100の少なくとも1の導光体101と、初期位置に戻った発光素子ユニット200の複数の発光素子203のいずれかと、が互いに対向するように、導光体101と発光素子203とが配置されている必要がある。
【0106】
(f)まとめ
上述のような構成により、導光体ユニット100は駆動ユニット400により回転し続ける一方で、発光素子ユニット200は40°の範囲で駆動ユニット400と同期した往復回転を行う。よって、発光素子ユニット200が導光体ユニット100に同期して40°回転している間は、導光体ユニット100の各導光体101の概ね直下に、対応する発光素子203が配置されることとなり、各導光体101は対応する発光素子203からの出射光を概ね直下から受光することができる。また、導光体ユニット100が40°から45°まで回転する間は、発光素子ユニット200と導光体ユニット100との回転は同期していないが、発光素子ユニット200が再び初期位置に戻ると導光体ユニット100と同期して回転する。このとき、再び、導光体ユニット100の各導光体101の概ね直下に、対応する発光素子203が配置され、各導光体101は対応する発光素子203からの出射光を概ね直下から受光することができる。
【0107】
例えば、一の導光体101は、導光体ユニット100が0°〜40°まで回転する間は、一の発光素子203の直上に位置しており一の発光素子203からの光を最大限に受光する。また、導光体ユニット100が45〜80°まで回転する間は、一の導光体101は、別の発光素子203の直上に位置して別の発光素子203からの光を最大限に受光する。なお、導光体ユニット100が40°〜45°まで回転する間は、一の導光体101は、一の発光素子203と別の発光素子203との間に位置しており、一の発光素子203からの光と別の発光素子203からの光を最大で22.5°ずれた位置から受光することができる。よって、導光体101が発光素子203からの光を直接的に受光可能な時間をできるだけ長くして、導光体101の先端から出射される光の出射量が低下するのを抑制し、電飾の発光強度を維持することができる。
【0108】
なお、上述のように導光体ユニット100と発光素子ユニット200とが同期回転する構成が設けられていない場合、各導光体101は、対応する発光素子203が導光体101の直下に位置する瞬間においてのみ光を直接的に受光することとなり、本実施形態例の構成と比較して導光体101の他端から出射される光の輝度が低下する。
【0109】
(2−3)回転穴付き板の上下移動
回転穴付き板301は、スライダーピン350の抜き差しにより、導光体ユニット100側及び駆動ユニット400側に上下移動する。図11は、回転穴付き板の上下移動を示す説明図である。図11(a)〜(e)はそれぞれ図5(a)〜(e)に対応しており、図5(a)〜(e)の斜視図が図11(a)〜(e)の斜視図として図示されている。
【0110】
図11(a)〜(c)では、回転穴付き板301は、スライダーピン350がスライダーピン挿入穴305に挿入されたまま反時計回りに、初期位置、20°、40°の順に回転している。これに対して、図11(d)〜(e)を参照すると、回転穴付き板301は、反時計回りに40°から45°の位置まで回転する間、スライダーピン350がスライダーピン挿入穴305から外れている。このとき、図11(d)に示すように、スライダーピン350は、回転穴付き板301を図11(c)の状態から導光体ユニット100側に高さh押し上げている。次に、図11(e)に示すように回転穴付き板301が反時計回りに45°の位置に到達すると、再びスライダーピン350がスライダーピン挿入穴305に挿入される。このとき、回転穴付き板復帰バネ302は、スライダーピン350により押し上げられた回転穴付き板301を、駆動ユニット400側に図11(c)と同じ位置まで押し下げる。これにより、スライダーピン350を確実にスライダーピン挿入穴305に挿入することができる。
【0111】
(3)作用効果
上記発光構造物1では、導光体101の一端は発光素子203に対応して設けられており、発光素子ユニット200及び導光体ユニット100が回転することで、導光体の他端である先端に導かれた発光素子203からの光も回転し、光の残像効果により光による電飾を行うことができる。このとき、導光体101の太さを適宜設定することで、光輪の大きさも適宜設定することができる。
【0112】
また、導光体ユニット100及び発光素子ユニット200の回転は、上述の通り所定範囲内の回転において同期が繰り返される。よって、発光素子203の位置と導光体101の一端の位置とをできるだけ一致させて、導光体101が発光素子203からの光を直接的に受光可能な時間を長くすることができる。そのため、導光体101の他端から出射される光の出射量が低下するのを抑制し、導光体101の先端の回転により形成される光輪が途切れたり、電飾の発光強度が低下するのを抑制することができる。
【0113】
また、発光素子ユニット200は、所定範囲内の往復回転をするのみでその回転が所定範囲内に抑えられる。そのため、発光素子ユニット200に電源等を供給するためのハーネス410が接続されている場合でも、発光素子ユニット200の回転によりハーネス410が捻れたり、回転軸に絡まってしまうことを抑制することができる。このような構成によれば、回転によりハーネス410が絡まるのを防止するためのスリップリング構造が不要であり、部材数を減らして低コスト化、小型化及び製造工程の簡単化を図ることができる。
【0114】
また、導光体101は、発光素子203とは非接触の状態で発光素子203からの光を受光して光を先端に導くことができるため、発光素子ユニット200と導光体ユニット100とを非接触で構成することができる。よって、部材どうしの接触による摩耗が抑制され、発光構造物1の寿命を長くすることができる。
【0115】
さらに、導光体ユニット100が電気的な連結のためのハーネスに接続されることなく光を受光する構成であるため、導光体ユニット100の構造の自由度を容易に高めることができる。例えば、導光体ユニット100を、導光体101がそれぞれに備えられた内輪部材と外輪部材の2つの部材から構成し、内輪部材と外輪部材とで異なる回転方向とすることも可能である。
【0116】
(4)位置検出ユニットの追加
上記実施形態例の発光構造物1において、位置検出用導光体106、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bを含む位置検出ユニットをさらに設けても良い。
【0117】
(4−1)位置検出ユニットの第1の例
図12は位置検出ユニットの構成図であり、同図(a)は導光体支持部102の正面図、同図(b)は発光素子基板201の正面図、同図(c)は導光体支持部102及び発光素子基板201の同図(b)のK−Kでの断面図である。図12(a)では簡単のために電飾用の導光体101は省略している。
【0118】
発光素子基板201には、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bが対で設けられている。図12の場合、位置検出用発光素子207aと位置検出用受光素子207bとは、シャフト穴207を中心として対称に配置されており、180°離隔している。位置検出用発光素子207aは例えば赤外線発光素子からなり、位置検出用受光素子207bは例えば赤外線受光素子からなる。その他、位置検出用発光素子207aを上述の発光素子203と同様のLEDから構成し、位置検出用受光素子207bをLEDからの光を受光可能な受光素子から構成しても良い。ただし、位置検出用発光素子207aを赤外線発光素子で構成し、電飾用の発光素子203を構成するLEDとは異なる発光素子とすることで、各発光素子からの光の波長を異ならせることができる。よって、位置検出用受光素子207bが、電飾用の発光素子203からの光を位置検出用発光素子207aからの光と誤検出してしまうのを抑制できる。
【0119】
位置検出用導光体106は、図12(c)に示すように位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bそれぞれに一端106a及び他端106bが対応するように、導光体支持部102に固定されている。また、位置検出用導光体106は、シャフト330が位置検出用導光体106のシャフト穴103を貫通可能なように、図12(a)に示すように導光体支持部102上にシャフト穴103を避けるように湾曲して配置されている。
【0120】
図13は、図12の位置検出ユニットにおいて、位置検出用導光体106、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bの関係を時系列に示す説明図である。ここで、図12(a)に示すように、導光体支持部102を含む導光体ユニット100はシャフト330の回転に同期して連続回転している。一方、発光素子基板201を含む発光素子ユニット200は、図12(b)に示すように40°の往復回転をしている。ただし、図13では、簡単のために発光素子基板201を固定している。
【0121】
図12(a)の状態から導光体ユニット100が回転することで、位置検出用導光体106は位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bに対して図13(a)のように位置する。さらに、導光体ユニット100が回転して位置検出用導光体106が図13(b)の位置に回転すると、位置検出用導光体106の他端106bが位置検出用発光素子207aの直上に位置し、かつ、位置検出用導光体106の一端106aが位置検出用受光素子207bの直上に位置する。これにより、位置検出用導光体106の他端106bで受光された位置検出用発光素子207aからの光は、位置検出用導光体106の一端106aに導かれ、位置検出用受光素子207bに出射される。さらに、導光体ユニット100が回転して位置検出用導光体106が図13(c)を経て図13(d)の位置に回転すると、位置検出用導光体106の一端106aが位置検出用発光素子207aの直上に位置し、かつ、位置検出用導光体106の他端106bが位置検出用受光素子207bの直上に位置する。これにより、位置検出用導光体106の一端106aで受光された位置検出用発光素子207aからの光は、位置検出用導光体106の他端106bに導かれ、位置検出用受光素子207bに出射される。
【0122】
よって、位置検出用受光素子207bが光を受光したことに基づいて、導光体ユニット100の初期位置からの回転角度及び導光体ユニット100と発光素子ユニット200との位置関係などを把握することができる。この位置関係に基づいて各発光素子203の点灯制御を行うことで、各導光体101から出射される光をそれぞれ個別に制御することができる。例えば位置検出用受光素子207bが光を受光した時に、一の発光素子203の直上に一の導光体101が位置するように予め設定されているとする。位置検出用受光素子207bが光を受光したタイミングで、一の発光素子203を所望の色で発光させることで、一の導光体101の他端から出力される出射光の色及び発光タイミングを制御することができる。
【0123】
また、モータ401の回転が例えば外力の影響を受けて変動すると、各発光素子203の点灯タイミングと、導光体ユニット100を回転させて各発光素子203の直上に導光体101を位置させるタイミングと、を一致させることができなくなる。このような場合でも、検出した位置関係を元にモータ401の回転を制御し、また発光素子の点灯タイミングを制御することで、前述の各タイミングを一致させることができる。さらに、位置検出用受光素子207bが光を受光した時を初期位置に設定しておけば、導光体ユニット100及び発光素子ユニット200を容易に初期位置に戻すことができる。
【0124】
(4−2)位置検出ユニットの第2の例
上記図12及び図13では、位置検出用受光素子207bが180°ごとに位置検出用発光素子207aからの光を受光して、導光体ユニット100及び発光素子ユニット200の位置を検出する。しかし、位置検出の間隔はこれに限定されず、例えば導光体ユニット100が90°回転するたびに位置検出が行われても良いし、図14に示すように導光体ユニット100が360°回転するたびに位置検出が行われても良い。
【0125】
図14は、別の位置検出ユニットの構成図であり、同図(a)は導光体支持部102の正面図、同図(b)は発光素子基板201の正面図、同図(c)は導光体支持部102及び発光素子基板201の同図(b)のL−Lでの断面図である。図14(a)では簡単のために電飾用の導光体101は省略している。図15は、図14の位置検出ユニットにおいて、位置検出用導光体106、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bの関係を時系列に示す説明図である。図12、図13と重複する説明は省略して説明する。
【0126】
図14の場合もまた、発光素子基板201には、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bが対で設けられている。しかし、図12の場合とは異なり、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bは発光素子基板201の中央部から離れた位置に設けられている。また、図14に示すように、位置検出用受光素子207bが電飾用の発光素子203からの光を、位置検出用発光素子207aからの光として誤検出するのを防止するための遮光板208を設けても良い。よって、位置検出用発光素子207aを電飾用の発光素子203と同じLEDから構成した場合でも、位置検出用受光素子207bが、電飾用の発光素子203からの光を位置検出用発光素子207aからの光と誤検出してしまうのを抑制できる。また、誤検出を阻止できれば良く、遮光板208を設ける位置は図14の位置に限定されない。また、誤検出が生じない場合は遮光板208を必ずしも設ける必要は無い。
【0127】
図14(a)の状態から導光体ユニット100が回転することで、位置検出用導光体106は位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bに対して図15(a)〜図15(c)のように順に位置する。さらに、導光体ユニット100が回転して位置検出用導光体106が図15(d)の位置に回転して再び図14(a)の状態の状態に戻ると、位置検出用導光体106の一端106aが位置検出用発光素子207aの直上に位置し、かつ、位置検出用導光体106の他端106bが位置検出用受光素子207bの直上に位置する。これにより、位置検出用導光体106の一端106aで受光された位置検出用発光素子207aからの光は、位置検出用導光体106の他端106bに導かれ、位置検出用受光素子207bに出射される。
【0128】
よって、図14及び図15の構成によっても図12及び図13と同様に、各ユニットの位置関係を把握して各導光体101から出射される光をそれぞれ個別に制御し、また各ユニットを初期位置に戻すことができる。
【0129】
(5)変形例
上記実施形態例では、発光構造物1の発光素子基板201、基板固定板202等は円形状に形成されているが、円形状に限定されず、例えば三角形状、四角形状などの様々な形状であっても良い。
【0130】
上記実施形態例では、モータ401の回転軸402が反時計回りに回転しており、導光体ユニット100等は反時計回りに回転する。しかし、回転軸402が時計回りに回転し、導光体ユニット100等が時計回りに回転しても良い。
【0131】
(6)パチンコ遊技機への適用例
上記実施形態例の発光構造物1は、電飾としてあらゆる場面に使用可能であるが、例えば一例であるが、パチンコ遊技機の部材の1つとして用いることができる。以下に、本実施形態例に係る発光構造物1を用いたパチンコ遊技機10について説明する。
【0132】
(6−1)パチンコ遊技機の外観構成
まずパチンコ遊技機10の外観構成について説明する。図16はパチンコ遊技機の正面図である。
【0133】
図16においてパチンコ遊技機10は、例えば、遊技盤11、遊技球を発射する発射ハンドル12と、発射された遊技球を遊技盤11内に導入するレール13と、を有している。発射ハンドル12は、遊技球を1個ずつ発射でき、例えば1分間に発射できる遊技球が100個を超えないように制御されている。
【0134】
また、遊技盤1には、遊技球が入球する入賞口が複数箇所に配置されており、いずれの入賞口にも入球しなかった遊技球を遊技盤11から排出する為のアウト口17が遊技盤11の最下部に配置されている。ここで、入賞口とは、遊技球が入球することで所定の得点や所定数の賞球を獲得させる入賞を付与する入球口をいう。賞球とは、入賞により獲得可能な遊技球のことをいう。
【0135】
入賞口としては、始動入賞口14、通常入賞口15L、15R及び大入賞口16が設けられている。始動入賞口14に遊技球が入球すると始動入賞に当選し、図柄の変動を伴う当否抽選が開始される。さらに、当否抽選の結果において当選すると大当たり遊技が開始し、所定時間に亘って大入賞口16が開状態となるラウンド遊技が所定回数繰り返される。遊技者は、大入賞口16に遊技球を入球させることで、より多くの賞球を獲得可能となる。なお、大入賞口16は例えば遊技盤11の下部に配置されている。
【0136】
また、遊技盤11には、始動入賞口14の遊技球の入球に基づいて行う抽選結果を、図柄の大きさ、形状、色などを変化させる図柄変動表示を行う液晶表示装置18と、図柄変動表示中等で次の結果表示を行えない場合に一時的に抽選結果を記憶できるようにし、記憶している数(図柄変動権数N、Nは0以上の整数である。)を表示するための図柄変動権数表示装置19と、が設けられている。なお、記憶できる数の上限を例えば4個までとし、図柄変動権数表示装置19は4つのLED表示器を配置し、記憶している数分のLEDを点灯することで報知する。なお、図柄とは文字、図形、記号、色彩若しくはこれらの結合をいう。また、液晶表示装置18では、図柄の変動表示に限らず、大当たり時のアニメーション、ハズレ時のアニメーションといった複数の演出を抽選結果に応じて表示することも可能である。
【0137】
また、遊技盤11には、例えば右側に上記発光構造物1が設けられており、例えば遊技の進行に応じて各種電飾を行う。例えば一例であるが、大当たり遊技の開始を予感させるようなリーチ演出及び予告演出の際に発光構造物1による電飾を行う。
【0138】
(6−2)ハードウェア構成
図17は、パチンコ遊技機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0139】
パチンコ遊技機10は、例えば、パチンコ遊技機10で実行されるゲームの主たる制御を行うメイン制御基板10A、貸出球や賞球の払出制御を行う払出制御基板10B、発射ハンドル12による遊技球の発射制御を行う発射装置制御基板10C、球の貸し出しを行う貸出制御基板10D、画像表示や音の演出の制御を行うサブ制御基板10E、発光構造物1の一部となり得る役物基板10F及び液晶表示装置18における表示制御を行う表示制御基板10Gを含む。以下に、各ハードウェア構成について説明する。
【0140】
(a)メイン制御基板
メイン制御基板10Aは、第1クロック発生回路30、第2クロック発生回路31、ROM(Read-Only Memory)32、RAM(Random-Access Memory)33、データ送出回路34、CPU(Central Processing Unit)35及び入出力ポート36を含む。
【0141】
ROM32は、パチンコ遊技機10でのゲームの主たる制御を行うための各種プログラムを記憶する。例えば、サブ制御基板10Eに各種演出の実行を指示する指示プログラムなどが含まれる。
【0142】
第1クロック発生回路30及び第2クロック発生回路31は、それぞれ異なる周期のクロック信号を生成する。
【0143】
入出力ポート36は、メイン制御基板10Aと、例えば入賞口に設けられた各種センサと、の間でデータの送受信を行う。
【0144】
データ送出回路34は、メイン制御基板10Aから払出制御基板10B及びサブ制御基板10Eへのデータの送出を制御する。
【0145】
CPU35は、上記各種処理に係る各種プログラムをROM32から読出してRAM33に展開し、所定のクロック信号に基づいて実行する
(b)払出制御基板、発射装置制御基板及び貸出制御基板
貸出制御基板10Dは、遊技者が遊技球の貸し出しを行うカードをカード式球貸機に挿入すると、遊技球の貸出コマンドを払出制御基板10Bに送出する。払出制御基板10Bは、貸出制御基板10Dからの貸出コマンドを受信すると、球送出しモータ21を駆動させ、遊技球を貸し出す。
【0146】
また、払出制御基板10Bは、メイン制御基板10Aからの賞球払出コマンドを、データ送出回路34を介して受信する。ここで、賞球払出コマンドとは、パチンコ遊技機10でのゲーム結果に応じて遊技球を払い出すためのコマンドである。そして、払出制御基板10Bは、球送出しモータ21を駆動させて所定数の遊技球を払い出す。このとき、払出制御基板10Bは、球払出検知センサ20によりカウントされた遊技球の払い出し数を受信し、遊技球の払い出し数を管理している。
【0147】
遊技者の発射ハンドル12による操作が発射レバーセンサ12a、タッチセンサ12bにより検知されると、発射装置制御基板10Cはその検知したセンサ情報を受け取り、払出制御基板10Bにそのセンサ情報を送出する。払出制御基板10Bは、そのセンサ情報及びメイン制御基板10Aからの遊技球の発射許可・発射禁止コマンドに基づいて、遊技球の発射許可または発射禁止を発射装置制御基板10Cに行う。
【0148】
発射装置制御基板10Cは、払出制御基板10Bから発射許可を受けている場合、遊技球発射用モータ12cを駆動することにより所定の間隔で遊技球を遊技盤11に向けて発射する。発射された遊技球は、発射球検知センサ(図示せず)で検出される。遊技盤11に到達しないで発射ハンドル12側に戻ってきた遊技球は、返球検知センサ(図示せず)で検出される。
【0149】
(c)サブ制御基板、役物基板、表示制御基板
サブ制御基板10Eは、メイン制御基板10Aからデータ送出回路34を介して各種コマンドを受信し、遊技盤11に設けられた電飾LEDの点灯を制御したり、BGMなどサウンドデータをスピーカ22から出力する。
【0150】
また、サブ制御基板10Eは、液晶表示装置18の表示制御にかかる表示コマンドを受信した場合には、その表示コマンドを表示制御基板10Gに送出する。表示制御基板10Gは、表示コマンドを受信すると、表示制御基板10G内に格納されたプログラムに基づいて液晶表示装置18での表示を制御する。
【0151】
サブ制御基板10Eが、発光構造物1の電飾制御に関するコマンドをメイン制御基板10Aから受信した場合には、サブ制御基板10E及び/又は役物基板10Fが発光構造物1を制御する。例えば、サブ制御基板10EのCPU等は、メイン制御基板10Aからのコマンドに応じて、役物基板10F上の発光素子203などの受動素子を制御し発光構造物1を制御する。あるいは、役物基板10FのCPU等は、サブ制御基板10Eを介して受信したメイン制御基板10Aからのコマンドに応じて、役物基板10F上の発光素子203などの受動素子を制御して発光構造物1を制御する。
【0152】
(6−3)サブ制御基板及び役物基板間の接続
サブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続方法としては、一例であるが例えば以下の(a)〜(c)の方法が挙げられる。
【0153】
(a)接続方法1
図18は、サブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続方法を示す説明図(1)である。
【0154】
図18の場合、役物基板10Fには、発光素子基板201上の発光素子203、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bなどの受動素子のみが搭載されている。これらの受動素子は、発光構造物1の一部を構成している。また、発光素子203であるLEDとしては、RGBの3色を1セットとして5セット設けられており、合計で15個設けられている。
【0155】
サブ制御基板10Eには、CPU40、モータドライバ41及び発光素子制御Tr42などが搭載されている。CPU40は、メイン制御基板10Aからコマンドに基づいて、図示しないROMから読み出した各種プログラムを実行する。これにより、CPU40は、サブ制御基板10Eのモータドライバ41及び発光素子制御Tr42、役物基板10Fの位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bなどを制御する。また、モータドライバ41は、CPU40からシリアルに入力されたパルスを、4本のパラレル出力に変換してモータ401に提供する。発光素子制御Tr42は、15個のLEDを制御するための15ビットの制御信号をCPU40から受信し、各発光素子203の発光タイミング及び色を制御する。
【0156】
このような制御により、発光素子203から出射された光は、導光体ユニット100の電飾用の導光体101に出力されて電飾として用いられる。また、位置検出用発光素子207aから出射された光は、導光体ユニット100の位置検出用導光体106の一端に受光されると、一端から他端に伝達されて位置検出用受光素子207bに受光される。CPU40は、位置検出用受光素子207bが光を受光したことに基づいて、導光体ユニット100と発光素子ユニット200との位置関係などを把握し、各発光素子203の点灯制御及び回転制御を行う。これにより、各導光体101から出射される光をそれぞれ個別に制御することができる。
【0157】
図18の構成によれば、サブ制御基板10Eに発光構造物1の発光制御及び回転制御等を行うCPU40を搭載し、役物基板10Fには受動素子のみを搭載するため、役物基板10Fを安価に構成することができる。
【0158】
なお、図18のサブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続では、電源、GND、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207b用のハーネスが各1本と、モータドライバ41用のハーネスが4本と、発光素子制御Tr42用のハーネスが15本と、で計23本のハーネスが用いられている。
【0159】
(b)接続方法2
図19は、サブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続方法を示す説明図(2)である。
【0160】
図19の役物基板10Fには、図18の役物基板10Fの構成である発光素子203、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bに加えて、図18においてサブ制御基板10Eに搭載されていたモータドライバ41及び発光素子制御Tr42が搭載されている。さらに、役物基板10Fには、発光素子ドライバ43も搭載されている。
【0161】
一方、サブ制御基板10EにはCPU40のみが搭載されている。CPU40が役物基板10Fの各部を制御することで、発光構造物1の発光及び回転等が制御される。例えば、役物基板10Fのモータドライバ41は、サブ制御基板10EのCPU40から1本ハーネスを介してシリアル入力されたパルスを、4本のパラレル出力に変換してモータ401に提供する。発光素子ドライバ43は、CPU40から例えば3本のハーネスを介して受信したシリアル信号をパラレル信号に変換し、15個のLEDを制御するための15ビットの制御信号を発光素子制御Tr42に出力する。その他、発光素子ドライバ43は、15ビットの制御信号を例えば4本〜6本のハーネスを介して受信しても良い。発光素子制御Tr42は、15ビットの制御信号を発光素子ドライバ43から受信し、15個の各LEDからなる発光素子203の発光タイミング及び色を制御する。また、CPU40は、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207bを制御する。CPU40は、位置検出用受光素子207bが光を受光したことに基づいて、導光体ユニット100と発光素子ユニット200との位置関係などを把握し、各発光素子203の点灯制御及び回転制御を行う。これにより、各導光体101から出射される光をそれぞれ個別に制御することができる。
【0162】
図19の構成によれば、サブ制御基板10Eに発光構造物1の発光制御及び回転制御等を行うCPU40を搭載し、役物基板10Fには受動素子のみを搭載するため、サブ制御基板10Eを安価に構成することができる。
【0163】
ここで、モータドライバ41は、CPU40から1本ハーネスを介してパルスがシリアル入力される。よって、サブ制御基板10EのCPU40と役物基板10Fのモータドライバ41とは1本のみのハーネスで接続可能である。また、発光素子ドライバ43は、15ビットの制御信号となり得る信号を、CPU40から3本〜6本のハーネスを介してシリアルに受信しており、サブ制御基板10EのCPU40と役物基板10Fの発光素子ドライバ43とは3本〜6本のハーネスのみで接続可能である。よって、図19のサブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続では、電源、GND、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207b用のハーネスが各1本と、モータドライバ41用のハーネスが1本と、発光素子ドライバ43用のハーネスが3本〜6本と、で計8本〜11本のハーネスが用いられている。そのため、図18の場合と比較してハーネスの本数を減らすことができる。これにより、多数のハーネスに起因して発光構造物1の回転が阻止されるなどの不具合を抑制することができる。
【0164】
(c)接続方法3
図20は、サブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続方法を示す説明図(3)である。
【0165】
図20の場合、サブ制御基板10EにはCPU40が搭載されている。また、図20の役物基板10Fには、図19の役物基板10Fに搭載されている発光素子203、位置検出用発光素子207a及び位置検出用受光素子207b、モータドライバ41及び発光素子制御Tr42に加えて、CPU44が搭載されている。サブ制御基板10EのCPU40が、発光構造物1により実行されるべき演出を役物基板10FのCPU44に指定すると、役物基板10FのCPU44は指定に基づいた演出を行う。ここで、サブ制御基板10EのCPU40と役物基板10FのCPU44とは調歩同期方式により通信を行っており、サブ制御基板10Eから役物基板10Fには同期クロックを送信する必要がない。
【0166】
役物基板10FのCPU44が、役物基板10Fの各部を制御することで、発光構造物1の発光及び回転が制御される。例えば、モータドライバ41は、CPU44からシリアル入力されたパルスを、4本のパラレル出力に変換してモータ401に提供する。発光素子制御Tr42は、15個のLEDを制御するための15ビットの制御信号をCPU44から受信し、15個のLEDの発光タイミング及び色を制御する。また、CPU44は、位置検出用受光素子207bが光を受光したことに基づいて、導光体ユニット100と発光素子ユニット200との位置関係などを把握し、各発光素子203の点灯制御及び回転制御を行う。これにより、各導光体101から出射される光をそれぞれ個別に制御することができる。
【0167】
ここで、サブ制御基板10EのCPU40と役物基板10FのCPU44とは調歩同期方式で通信を行っている。この通信が片方向通信である場合にはサブ制御基板10EのCPU40と役物基板10FのCPU44とを1本のハーネスのみで接続可能である。よって、図20のサブ制御基板10Eと役物基板10Fとの接続では、電源と、GNDと、CPU40及びCPU44間の接続と、で計3本のハーネスが用いられている。そのため、図18、図19の場合と比較してハーネスの本数を大幅に減らすことができる。これにより、多数のハーネスに起因して発光構造物1の回転が阻止されるなどの不具合をさらに抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明は、電飾を必要とするあらゆる筐体等に適用可能である。
【符号の説明】
【0169】
1:発光構造物
100:導光体ユニット
101:導光体
102:導光体支持部
103、207、303、313:シャフト穴
104、304:シャフト係止部
106 :位置検出用導光体
200:発光素子ユニット
201:発光素子基板
202:基板固定板
203:発光素子
207a:位置検出用発光素子
207b:位置検出用受光素子
208:遮光板
300:回転制御ユニット
301:回転穴付き板
302:回転穴付き板復帰バネ
305a〜305d:スライダーピン挿入穴
310:スライダーピン固定板(支持部材)
311a〜311c:第1〜第3回転規制溝
312a、312b:スライダーピン固定穴
320:スライダーピン固定板復帰バネ(復帰部材)
330:シャフト
340a、340b:スライダーピン用バネ
350a、350b:スライダーピン
351:挿入先端部
352:突出周縁部
353:案内溝スライド部
360:案内溝
370a〜370c:第1〜第3回転規制支柱
381:バネ受け部
390:モータ固定板(固定部材)
400:駆動ユニット
401:モータ
402:回転軸
410:ハーネス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に複数の発光素子を備えた発光素子ユニットと、
前記発光素子ユニットと略平行に配置され、前記発光素子からの出射光を導光して別位置から出射するとともに、前記発光素子ユニットに対する垂直な軸を中心として回転可能に配置された導光体ユニットと、
前記発光素子ユニットを、前記導光体ユニットの回転に対して、所定範囲まで追随して回転させた後、回転前の位置に戻す動作を繰り返させる回転制御ユニットと、からなり、
前記導光体ユニットは、一端が前記発光素子に対向可能な位置に配置され、他端から前記発光素子の光を放射可能な長尺状の導光体を複数備える、発光構造物。
【請求項2】
前記回転制御ユニットは、
回転の駆動力を供給する駆動ユニットからの駆動を受けて回転するシャフトと、
互いに固定されることで前記発光素子ユニットを支持し、開口部からなるスライダーピン固定穴が形成されている支持部材と、
前記スライダーピン固定穴に挿入されているスライダーピンと、
前記所定範囲内の一端及び他端の間で前記スライダーピンを案内する案内溝を有する固定部材と、
前記シャフトに係合されて前記シャフトの回転とともに回転し、前記スライダーピンが抜き差しされる少なくとも1のスライダーピン挿入穴が形成されている回転穴付き板と、
前記スライダーピンが前記スライダーピン挿入穴から外れると、前記スライダーピンを前記所定範囲内の一端に対応する位置に復帰させることで、前記発光素子ユニットを前記回転前の位置に戻す復帰部材と、
を含み、
前記導光体ユニットは、前記シャフトに係合されて前記シャフトの回転とともに回転し、
前記スライダーピンは、前記案内溝に案内されることにより前記所定範囲の一端から他端に到達するまでの間は前記スライダーピン挿入穴に挿入されて、前記回転穴付き板の回転とともに移動し、且つ前記所定範囲の他端に到達すると前記スライダーピン挿入穴から外れて、前記復帰部材により前記所定範囲の一端に戻る、請求項1に記載の発光構造物。
【請求項3】
前記案内溝は、他端部が一端部よりも深く形成されており、
前記スライダーピンは、前記所定範囲の一端では、前記案内溝の一端部に位置して前記スライダーピン挿入穴に挿入され、前記所定範囲の他端では、前記案内溝の他端部に位置して前記他端部の深さに応じて押し下げられることで前記スライダーピン挿入穴から外れる、請求項2記載の発光構造物。
【請求項4】
前記回転制御ユニットは、前記案内溝の高低差に沿って前記スライダーピンを移動させるために、前記スライダーピンを前記案内溝に接触するように押圧するスライダーピン用バネをさらに含み、
前記スライダーピンは、前記案内溝に当接されている案内溝スライド部と、前記スライダーピン挿入穴に対して抜き差しされる挿入先端部と、前記案内溝スライド部及び前記挿入先端部の間に前記スライダーピンの壁面から突出して形成され、前記スライダーピン用バネを係止する突出周縁部と、を含む、請求項2又は3に記載の発光構造物。
【請求項5】
前記固定部材には、少なくとも1の回転規制部材が突出して形成されており、
前記支持部材には、前記回転規制部材が挿入されている回転規制溝が形成されており、
前記回転規制溝の一端部及び他端部に前記回転規制部材が当接することで、前記支持部材の回転が前記所定範囲内に規制され、前記発光素子ユニットの回転が前記所定範囲内に規制される、請求項2に記載の発光構造物。
【請求項6】
前記発光素子には、前記導光体ユニットの回転位置を検出するための光を出射する位置検出用発光素子が含まれ、
前記発光素子ユニットは、前記位置検出用発光素子からの光を受光する位置検出用受光素子をさらに含み、
前記導光体には、前記位置検出用発光素子が出射する光を前記位置検出用受光素子に導く位置検出用導光体が含まれる、請求項1〜5に記載の発光構造物。
【請求項7】
前記複数の導光体の先端の位置を、前記導光体ユニットの回転中心に対する半径方向お及び/又は高さ方向において異ならせる、請求項1〜6に記載の発光構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−249066(P2011−249066A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119142(P2010−119142)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(501016847)KPE株式会社 (145)
【Fターム(参考)】