説明

発光管アレイ型表示サブモジュール及び表示装置

【課題】ユニバーサル設計を行うことが可能に共通化された発光管アレイ型表示サブモジュール及び該発光管アレイ型表示サブモジュールを用いた表示装置を提供する。
【解決手段】複数の発光管を並列に配置してある発光管アレイの一面に、該発光管アレイの延伸方向と交差する方向に延伸する第1の電極と第2の電極とを所定の間隔を隔てて設けた表示電極対を複数配置した電極シートを配設してある。電極シートの両端に、第1の電極34Xに接続された第1のコネクタ381と、第2の電極34Yに接続された第2のコネクタ382とを、表示電極対の延長方向に分離して配設してある接続基板38、38を備える。接続基板38、38間をフレキシブルケーブルで接続して発光管アレイ型表示サブモジュール30、30を連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光管アレイ型表示サブモジュールを複数個互いに接続することで構成された大画面用の表示装置に関し、さらに詳しくは、発光管アレイ型表示モジュールを構成する発光管アレイ型表示サブモジュールを共通化することにより発光管アレイ型表示サブモジュールを接続又は取り外し自在とした表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新世代の大画面表示装置を実現する技術として、内部に放電ガスが封入された複数の発光管を並列に配置してある発光管アレイ型表示サブモジュールが開発されている。例えば1m四方の発光管アレイ型表示サブモジュールを複数接続した発光管アレイ型表示システムモジュールを用いて数m×数m規模の大画面表示装置を構築することができる。発光管アレイ型表示サブモジュールを複数接続した形式の表示装置では、LCD、PDP等のように大型のガラス基板を扱う必要がなく、大規模な設備も不要となり、少ないコストで、画質が均質となる表示装置を提供することができる。図1は、従来の発光管アレイ型表示サブモジュール3個を横に接続して大型の表示システムモジュールを構成する場合の概略を示す模式図である。
【0003】
図1(a)は、従来の発光管アレイ型表示サブモジュール3個を横に接続して大型の表示システムモジュールを構成する場合の概略を示す平面模式図である。図1(a)に示すように発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、1cは、それぞれ図示省略した表面側のフレキシブル表示電極シートの内面に所定のパターンで形成されている表示電極10a、10b、10cと、図示省略したリヤ側フレキシブルアドレス電極シートの内面に形成されたアドレス電極に連なるアドレス駆動回路基板11を有している(特許文献1参照)。
【0004】
図1(b)に一部の詳細を示すように、各発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、1cにおいて表示電極10a、10b、10cは、X電極用及びY電極用の2本で一対をなしている。発光管アレイ型表示システムモジュールの最も左側に位置する発光管アレイ型表示サブモジュール1aでは、X電極となる表示電極15、15、・・・とY電極となる表示電極16、16、・・・を、発光管アレイ型表示サブモジュール1aの右端では同じ位置まで導出し、左端ではX電極15をY電極16よりも左側に長く突出させて突出端がX電極端子となるように形成されている。長く突出したX電極端子は、X側コネクタを介してX側駆動回路12に接続される。
【0005】
一方、発光管アレイ型表示システムモジュールの最も右側に位置する発光管アレイ型表示サブモジュール1cでは、X電極となる表示電極15、15、・・・とY電極となる表示電極16、16、・・・を左端では同じ位置まで導出し、右端ではY電極16をX電極15よりも右側に長く突出させて突出端がY電極端子となるように形成されている。長く突出したY電極端子は、Y側コネクタを介してY側駆動回路13に接続される。また、発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1cの間に配設される中央の発光管アレイ型表示サブモジュール1bでは、X電極用の表示電極15、15、・・・とY電極用の表示電極16、16、・・・とが同じ長さで左右同じ位置に導出されている。
【0006】
このように、従来の発光管アレイ型表示サブモジュール1、1、・・・では、配設される位置に応じて、表示電極の配置パターンが異なる表示電極10a、10b、10cを有する3種類の表示サブモジュール1a、1b、1cを準備しておき、これらをコネクタ14により接続することで、一枚の大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュールを形成していた。図1(c)は、3つの発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、1cの表示電極10a、10b、10cを横に接続して1つの表示システムモジュールを形成した状態を示す模式図である。
【0007】
発光管アレイ型表示サブモジュール1、1同士を接続するコネクタ14は、表面側のフレキシブル電極シートFFと共に隣接するサブモジュールの間で背面側へ屈曲された表示電極10a、10b、10cのX電極とY電極をそれぞれの対応位置関係を合わせて接続する。図2は、従来の発光管アレイ型表示サブモジュール1を横方向に接続するコネクタ14(14a、14b)の構成を示す、発光管17、17、・・・の長手方向に直交する面での断面図である。図2(a)は、両面接点コネクタ14aが両面接点コネクタである場合の断面図であり、図2(b)は、中継コネクタ14bがコネクタ付きフレキシブルケーブルとして構成されている場合の断面図である。
【0008】
図2(a)に示す構成では、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュールの端部において、それぞれ表面側のフレキシブル電極シートFFの内面に支持された表示電極10、10を、フレキシブル電極シートFFを挟んで背中合わせとなるように発光管アレイの端部に沿って背面側へ屈曲させ、各X電極とY電極の端部を両面接点コネクタ14aに挿入して挟持している。また、接地電極となる各発光管アレイ型表示サブモジュールの金属フレーム19、19間を接地ケーブル20にて接続することにより、発光管アレイ型表示サブモジュール間で接地電位を共通化している。同様に図2(b)の接続構成でも、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュールの表示電極10、10は、発光管アレイの端部に沿って背面側へ屈曲させている。屈曲させた表示電極10、10の端部は表面側のフレキシブル電極シートFFと共にそれぞれ中継コネクタ14b、14bの入力側接続口に挿入され、中継コネクタ14b、14bの出力側接続口の間を表示電極と同数の接続ラインを有するフレキシブルケーブル21で接続している。また、接地電極となる金属フレーム19、19間を接地ケーブル20にて接続することにより、各発光管アレイ型表示サブモジュール間で接地電位を共通化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−178854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、発光管アレイ型表示サブモジュール1、1、・・・を横方向に接続して大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュールを構成する場合、X駆動回路12と接続するための発光管アレイ型表示サブモジュール1aであるか、Y駆動回路13と接続するための発光管アレイ型表示サブモジュール1cであるか、あるいは中央部に置かれて隣接する左右の表示サブモジュールと相互に接続するための発光管アレイ型表示サブモジュール1bであるかを、それぞれ明確に区別する必要があり、また発光管アレイ型表示システムモジュールの構成後に一の発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、又は1cに障害が発生した場合であっても、同一種類の発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、又は1cとしか取り替えることができず、製造コストを低減することが困難であるという問題点があった。
【0011】
また、少なくとも2個の発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続する場合、隣接する表示サブモジュール間でXY表示電極を接続する従来の構成では、両面接点コネクタ14aの隣接端子間隔も、中継コネクタ14bの隣接端子間隔も、いずれも1mm以下と微小であるにもかかわらずXY電極間の最大電位差600V以上の耐圧特性を満たす必要があり、耐圧特性を満たすべく、きわめて高価となる構成を余儀なくされていた。
【0012】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ユニバーサル設計を行うことが可能に共通化された発光管アレイ型表示サブモジュール及び該発光管アレイ型表示サブモジュールを複数個連結した表示装置を提供することを目的とする。また本発明は、発光管アレイ型表示サブモジュール間の接続に低耐圧の標準的コネクタを使用することのできる新しい接続構成を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために第1発明に係る発光管アレイ型表示サブモジュールは、複数の発光管を並列に配置してある発光管アレイの一面に、各発光管を横切る方向に延伸する第1の電極と第2の電極とを含む表示電極対を複数配置した電極シートを配設してある発光管アレイ型表示サブモジュールにおいて、前記電極シートの表示電極の延長方向の両端に、前記第1の電極に接続された第1のコネクタと、前記第2の電極に接続された第2のコネクタとを、前記表示電極の延長方向に分離して配設してある接続基板を備えることを特徴とする。
【0014】
第1発明では、発光管アレイ型表示サブモジュールの左右両端に設けられた第1のコネクタ及び第2のコネクタを適宜用いることにより、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール間での第1の電極同士及び第2の電極同士の接続、第1の電極又は第2の電極と各駆動回路との接続を簡単に行うことができる。また、第1の電極と第2の電極とを接続するコネクタが分離されているので、各コネクタにおける隣接端子間隔を広くすることができ、隣接端子間は同種の電極電位となるのでコネクタの耐圧も走査電圧程度に低いもので十分となる。つまり、第1発明によれば、発光管アレイ型表示サブモジュールの配置に応じて表示電極の配置パターンを変更する必要がなく、表示電極間を接続するコネクタ及びコネクタを配設してある接続基板も低い耐圧のもので共通化することができるので、製造コストを大きく削減することができ、安価な表示装置を提供することができる。また、発光管アレイ型表示サブモジュールの入れ替えが自由であり、メンテナンス工数も削減することが可能となる。
【0015】
なお、「発光管アレイ型表示サブモジュール」とは、例えば1m四方の表示画面を1単位とする発光管アレイを含めた上述のようなフレキシブルな表示フィルム部品であって、電源回路等を含まない表示パネルの半完成品を意味している。また、「発光管アレイ型表示システムモジュール」とは、複数の発光管アレイ型表示サブモジュールを、所定のコネクタ等を介して横又は縦横に接続して一枚の表示パネルを構成したシステムモジュールを意味しており、X側駆動回路、Y側駆動回路、アドレス駆動回路、電源回路等を接続することで表示装置を構成するシステム部品を意味している。
【0016】
また、第2発明に係る発光管アレイ型表示サブモジュールは、第1発明において、前記電極シートの一端に備えた接続基板において、前記第1のコネクタより前記第2のコネクタを該一端側にて最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあり、前記電極シートの他端に備えた接続基板において、前記第1のコネクタより前記第2のコネクタを該他端側にて最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあることを特徴とする。
【0017】
第2発明では、第2の電極が接続されている第2のコネクタは、発光管アレイ型表示サブモジュールの両端に備えた接続基板において常に最も外側に配置されている発光管から離れた位置(外側)に配設され、第1の電極が接続されている第1のコネクタは、発光管アレイ型表示サブモジュールの両端に備えた接続基板において常に最も外側に配置されている発光管から近い位置(内側)に配設される。したがって、複数の発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向(発光管アレイの延伸方向と略直交する連結方向)にて接続する場合、外側の同種コネクタ同士を接続するケーブルに、内側の同種コネクタ同士を接続するコネクタを重ねて配置することができ、接続ケーブルを折り曲げたりすることなく確実に接続することができ、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール間の隙間を最小にすることが可能となる。また、組み立てた発光管アレイ型表示システムモジュールを今一度複数の発光管アレイ型表示サブモジュールに解体する、再度一枚の発光管アレイ型表示システムモジュールを構成する等の作業が繰り返された場合であっても、第1のコネクタ、第2のコネクタ及び表示電極に過剰な負荷が生じることがなく、過剰な負荷に起因する第1のコネクタ及び/又は第2のコネクタの破損、接続基板の破損、表示電極の変形等を回避することができ、断線等が生じる可能性が低い高品質の表示装置を提供することが可能となる。この場合、走査電極として用いられる一方の表示電極(Y電極)のコネクタを、対応する他方の表示電極(X電極)のコネクタよりも発光管アレイ型表示サブモジュールの最も外側に配置してある発光管アレイから見て離れた側(外側)に配置することが好ましい。発光管アレイ型表示サブモジュール間でのY電極接続ケーブルが短くなることから、ライン抵抗を減らすことができるからである。
【0018】
また、第3発明に係る発光管アレイ型表示サブモジュールは、第2発明において、前記第1の電極が走査電極として用いられるY電極であり、前記第2の電極が共通電極として用いられるX電極であり、一端及び他端に備えた前記接続基板において、X電極に接続された前記第2のコネクタがY電極に接続された前記第1のコネクタよりも最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあることを特徴とする。
【0019】
第3発明では、第1の電極が走査電極として用いられるY電極であり、第2の電極が共通電極として用いられるX電極であり、一端及び他端に備えた接続基板において、X電極に接続された第2のコネクタがY電極に接続された第1のコネクタよりも最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあることにより、発光管アレイ型表示サブモジュール間でのY電極接続ケーブルが短くなることから、ライン抵抗を減らすことができる。
【0020】
また、第4発明に係る発光管アレイ型表示サブモジュールは、第1発明において、前記電極シートの一端に備えた接続基板において、前記第1のコネクタより前記第2のコネクタを該一端側にて最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあり、前記電極シートの他端に備えた接続基板において、前記第2のコネクタより前記第1のコネクタを該他端側にて最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあることを特徴とする。
【0021】
第4発明では、第1の電極が接続されている第1のコネクタは、発光管アレイ型表示サブモジュールの一端に備えた接続基板では外側に、他端に備えた接続基板では内側に配設され、第2の電極が接続されている第2のコネクタも、発光管アレイ型表示サブモジュールの一端に備えた接続基板では内側に、他端に備えた接続基板では外側に配設される。したがって、発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向(発光管アレイの延伸方向と略直交する連結方向)にて接続する場合、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール間で同種の電極同士を接続するケーブルは、X電極用及びY電極用ともに外側のコネクタと内側のコネクタとを接続することになり、接続ケーブルの長さを統一することができる。よって、製造コストをより削減することができるとともに、接続ケーブルを折り曲げたりすることなく確実に接続することができ、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール間の隙間を最小にすることが可能となる。この場合、電極シートの左右両端の接続基板も同じ構成として共通化したものを左右反転して使うことができる。
【0022】
また、第5発明に係る発光管アレイ型表示サブモジュールは、第4発明において、前記電極シートの一端に備えた接続基板と他端に備えた接続基板とが同じ構成を有し、一端に備えた接続基板においては交互に配列された前記第1の電極が前記第1のコネクタに接続され、前記第2の電極が前記第2のコネクタに接続されており、他端に備えた接続基板においては前記第1の電極が前記第2のコネクタに接続され、前記第2の電極が前記第1のコネクタに接続されていることを特徴とする。
【0023】
第5発明では、電極シートの一端に備えた第1の接続基板と他端に備えた第2の接続基板とが同じ構成を有している。第1の接続基板においては交互に配列された第1の電極が第1のコネクタに接続され、第2の電極が前記第2のコネクタに接続されている。第2の接続基板においては第1の電極が第2のコネクタに接続され、第2の電極が第1のコネクタに接続されている。これにより、電極シートの左右両端の接続基板も同じ構成として共通化したものを左右反転して使うことができるとともに、接続するフレキシブルケーブルの種類を削減することができるので、製造コストを大きく削減することができ、安価な表示装置を提供することができる。
【0024】
また、第6発明に係る発光管アレイ型表示サブモジュールは、第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記第1のコネクタを前記第1の電極に接続する第1の配線と、前記第2のコネクタを前記第2の電極に接続する第2の配線とを、前記接続基板の表裏に分離して設けてあることを特徴とする。
【0025】
第6発明では、配線基板の一面に第1のコネクタ及び第2のコネクタを別々に配置し、第1のコネクタを第1の電極に接続する第1の配線と、第2のコネクタを第2の電極に接続する第2の配線とを、接続基板の表裏に分離して設けることにより、第1の配線と第2の配線とが短絡することがなく、2つのコネクタに確実に接続することが可能となる。
【0026】
次に、上記目的を達成するために第7発明に係る表示装置は、第1乃至第6発明のいずれか1つの発光管アレイ型表示サブモジュールを、前記発光管の延伸方向と交差する方向に複数個並べて配置し、隣接する表示サブモジュール間において前記第1コネクタ同士間及び第2コネクタ同士間をフレキシブル接続ケーブルにより接続してあることを特徴とする。
【0027】
第7発明では、第1乃至第6発明のいずれか1つのユニバーサル構成の発光管アレイ型表示サブモジュールを、複数個接続しているので、発光管アレイ型表示サブモジュールの配置に応じて表示電極パターンを変更する必要がなく、表示電極間を接続するコネクタ及びコネクタを配設してある接続基板の配置も共通化することができるので、製造コストを大きく削減することができ、安価に大画面の表示装置を提供することができる。また、発光管アレイ型表示サブモジュールの入れ替えが自由であり、メンテナンス工数も削減することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
上記のように本発明の構成によれば、発光管アレイ型表示サブモジュールをユニバーサル構成としているので、発光管アレイ型表示サブモジュールを連結して大型画面を構成する場合に、配置位置に応じて表示電極のパターンを変更した発光管アレイ型表示サブモジュールを用意する必要がなく、表示電極間を接続するコネクタ及びコネクタを配設してある接続基板の配置も共通化することができるので、製造コストを大きく削減することができ、安価な表示装置を提供することができる。また、X電極側とY電極側の接続コネクタを中継用の多層配線基板を利用して分離した構成にしたことにより、コネクタに要求される耐圧を大幅に緩和することが可能となる。さらに、発光管アレイ型表示サブモジュールの入れ替えが簡単となり、メンテナンス工数も削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来の発光管アレイ型表示サブモジュールの接続状態の概略を示す模式図である。
【図2】従来の発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続するコネクタの構成を示す、発光管の長手方向に直交する面での断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る表示装置に用いる発光管アレイ型表示サブモジュールの発光管アレイの構成を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュールの接続状態の概略を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続するための接続基板の構成を模式的に示す、裏面側から見た平面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続した状態を模式的に示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続した構成例を、発光管の長手方向に直交する面で示した断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続する接続基板近傍の構成例を、発光管の長手方向に直交する面で示した拡大断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続するための接続基板の構成を模式的に示す、裏面側から見た平面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続した状態を模式的に示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続した場合の1群の電極端子を接続する単位接続構成を模式的に示す部分平面図である。
【図12】実施の形態1及び2に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを複数接続して発光管アレイ型表示システムモジュールを構成した場合の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュールについて、図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る表示装置に用いる発光管アレイ型表示サブモジュールの発光管アレイの構成を模式的に示す斜視図である。図3(a)は、発光管アレイ型表示サブモジュールの発光管アレイの構成を模式的に示す斜視図であり、図3(b)は、発光管アレイ型表示サブモジュールの発光管アレイの構成を部分的に示す斜視図であり、図3(c)は、発光管アレイ型表示サブモジュールを縦横に接続した発光管アレイ型表示システムモジュールを示す斜視図である。
【0032】
図3(a)に示すように、本実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30は、矩形形状を有しており、内部に放電ガスが封入された複数の発光管31、31、・・・を並列に配置している。発光管31、31、・・・はガラス製の放電細管であり、管体となる細管の径は、特に大きさが限定されるものではないが、直径0.5〜5mm程度であることが望ましい。一例として、長径が1mmで長さが1mである扁平楕円断面のガラス細管を複数本ずつ組にして1000本並置し、1m平方の発光管アレイ型表示サブモジュール30を構成する。細管の形状は、円形の断面、扁平楕円状の断面、方形の断面等、どのような形状の断面を有していてもよい。また、発光管31、31、・・・の内部にはネオン、キセノン等の放電ガスが所定の割合で所定の圧力で封入されている。
【0033】
並列に配置された複数の発光管31、31、・・・は、各発光管31の長手方向下面に接するように配設されているアドレス電極32、32、・・・を有する背面側のアドレス電極シート33と、各発光管31の長手方向の上面を横切る方向に配設されている表示電極34、34、・・・を有する表面側の表示電極シート35とに挟持されている。表示電極シート35はフレキシブルシートであり、例えばポリカーボネートフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等で構成されている。
【0034】
複数の表示電極34、34、・・・は、表示電極シート35の内面にストライプ状に配設されており、各発光管31の上面を横切るように接している。表示電極対を構成する隣接する表示電極34、34がX電極及びY電極として機能し、X電極とY電極との間で発光管31、31、・・・内に表示放電を発生させることになる。表示電極34のパターンは、ストライプ形状のほか、メッシュ状、梯子状、くし歯状等、当該分野で公知のパターンにて形成することができる。また、表示電極34に用いられる材料としては、例えば、ITO(酸化錫ドープ酸化インジウム)、SnO2 等の透明な導電性材料や、Ag、Au、Al、Cu、Cr等の金属の導電性材料が挙げられる。
【0035】
表示電極34の形成方法としては、当該分野で公知の各種の方法を適用することができる。例えば、印刷等の厚膜形成技術を用いて形成しても良いし、物理的堆積法又は化学的堆積法からなる薄膜形成技術を用いて形成しても良い。厚膜形成技術としては、スクリーン印刷法等が挙げられる。薄膜形成技術のうち、物理的堆積法としては、蒸着法、スパッタ法等が挙げられる。化学的堆積法としては、熱CVD法、光CVD法、あるいはプラズマCVD法等が挙げられる。
【0036】
アドレス電極32、32、・・・は、発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面に、発光管31、31、・・・の長手方向に沿って発光管31ごとに設けられ、対となる表示電極34、34、・・・との交差部に発光セルを形成する。アドレス電極32も、当該分野で公知の各種の材料と方法とを用いて形成することができる。
【0037】
上記構成において、発光管アレイ型表示サブモジュール30をカラー表示対応とする場合には、図3(b)に示すように、発光管31ごとに赤色(R)用の蛍光体層36R、緑色(G)用の蛍光体層36G、青色(B)用の蛍光体層36Bを有する。RGB3色の発光管31、31、31を一組として一つの画素を構成することで、カラー表示に対応することができる。なお、蛍光体層36は、赤色(R)用の蛍光体層36Rでは、紫外線照射により赤色発光する(Y、Gd)BO3 :Eu3+等の蛍光体材料を用いる。緑色(G)用の蛍光体層36Gでは、緑色発光するZn2 SiO4 :Mn等の蛍光体材料を用い、青色(B)用の蛍光体層36Bでは、青色発光するBaMgAl1217:Eu2+等の蛍光体材料を用いる。この場合、発光管アレイ型表示サブモジュール30のフレキシビリティを増し、かつ組立を容易にするため、RGB3色の発光管3本を組にして短冊状の背面側のアドレス電極シート33に貼り付けた発光管ユニットを作成し、複数の発光管ユニットを表面側の表示電極シート35に共通に貼り付けてカラー表示用の発光管アレイ型表示サブモジュール30を製造することが好ましい。
【0038】
図3(c)は、上述した発光管アレイ型表示サブモジュール30を縦横に接続した発光管アレイ型表示システムモジュール45を模式的に示す斜視図である。図3(c)では、4枚の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・から1枚の大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成しており、1枚1枚の発光管アレイ型表示サブモジュール30は、駆動回路、電源回路等を含まない半完成品である。大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成した段階で、全体を一つの表示フィルムとして駆動回路、電源回路等を組み込むことで、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・ごとに表示画像の品質のばらつきが少ない大画面用の表示装置を構成することができる。横方向に連結された発光管アレイ型表示サブモジュール30、30間は互いの表示電極34、34同士を本発明の接続構成で接続することにより共通駆動することができ、縦方向に連結された発光管アレイ型表示サブモジュール30、30は、それぞれのアドレス電極32、32を画面の上と下に導出してアドレス駆動回路に接続することで、アドレス電極32、32同士は接続することなく、上側2個の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30の画面と下側2個の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30の画面とを公知のいわゆるデュアルスキャンの手法にて並行して駆動させることができる。
【0039】
発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を横方向に接続する場合、従来の発光管アレイ型表示サブモジュールを用いるときには、図1(a)を参照して上述したように、X駆動回路12に接続するために一端でX電極端子を長く導出したパターンの表示電極10aを有する発光管アレイ型表示サブモジュール1a、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール同士を接続するためにX電極及びY電極を同じ位置まで導出したパターンの表示電極10bを有する発光管アレイ型表示サブモジュール1b、及びY駆動回路13に接続するためにY電極端子を長く導出したパターンの表示電極10cを有する発光管アレイ型表示サブモジュール1cの3種類を準備しておく必要がある。
【0040】
しかし、大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成する場合に、発光管アレイ型表示サブモジュール1、1、・・・の種類を明確に区別し、配置を決定するのでは作業効率の低下を招く。また、一の発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、1cのいずれかに障害が発生した場合、同一種類の発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、1cのいずれか同士でしか取り替えることができないので、発光管アレイ型表示サブモジュール1を自由に使い回すことができない。
【0041】
そこで本発明では、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の表示電極34、34、・・・の配置パターンを全て統一し、別途2つのコネクタを配設した中継用の接続基板を用いることにより、発光管アレイ型表示サブモジュール30を配置する位置に依存することなく必要に応じて自在に接続することが可能な構成としてある。図4は、本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の接続状態の概略を示す模式図である。
【0042】
図4(a)は、本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続する場合の概略を示す平面模式図である。図4(a)に示すように発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30は、それぞれに共通の電極パターンで形成されている表示電極34、34、34と、発光管アレイの背面側のアドレス電極シート33の内面に形成された各発光管に対応するアドレス電極32、32、32を個別に選択するアドレス駆動回路基板41、41、41とで構成されている。
【0043】
図4(b)は、表示電極34、34、34の形成パターンの一部を示す模式図である。図4(b)に示すように、表示電極34、34、34は、X電極用及びY電極用の隣接した2本で一対をなした複数の表示電極対で構成してあり、X駆動回路42と接続する左側の発光管アレイ型表示サブモジュール30、Y駆動回路43と接続する右側の発光管アレイ型表示サブモジュール30、左右にて隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール30と接続する中央配置の発光管アレイ型表示サブモジュール30のいずれにおいても同一の長さ、同一の電極パターンとなるよう形成されている。また表示電極34は、図4(a)に示すように、例えば16対の電極を1群としてまとめて端子を形成してあり、複数対の電極を1単位としてコネクタ接続する構成となっている。
【0044】
このように、本発明の発光管アレイ型表示サブモジュール30は、配設される位置にかかわらず、同一の配置パターンを有する表示電極34、34、34を備えている。また後述するように、各発光管アレイ型表示サブモジュール30においては、表示電極34の左右の端子部にそれぞれX電極用コネクタとY電極用コネクタとを配設して共通化してある接続基板38を設け、同じ種類のコネクタ間をケーブル37により接続することで、一枚の大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュール45を形成する(図4(c)参照)。
【0045】
接続基板38は、各発光管アレイ型表示サブモジュール30の両端にて表示電極34、34に取り付けてある。図5は、本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30を横方向に接続するための接続基板38、38の構成を模式的に示す裏面側から見た平面図である。
【0046】
接続基板38Lは、発光管アレイ型表示サブモジュール30の左端に配設されており、接続基板38Rは、発光管アレイ型表示サブモジュール30の右端に配設されている。また、接続基板38L、38Rは、発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面に位置するように配設してある。他方、発光管アレイ型表示サブモジュール30の表面側の表示電極シート35の内面に形成してある表示電極34、34、・・・は、左右の端子部において例えば16本対32本のX電極とY電極とを一群にまとめたパターンで導出してある。図5では便宜上代表的に示した8本のX電極34X、34X、・・・及び8本のY電極34Y、34Y、・・・が発光管アレイ型表示サブモジュール30の両端にて表面側の表示電極シート35とともに背面側へ屈曲され、それぞれ接続基板38L、38Rに接続されている。
【0047】
8本のX電極34X、34X、・・・及び8本のY電極34Y、34Y、・・・は、接続基板38Lの入力コンタクトポイントの電極番号01〜16に交互に接続してあり、奇数の電極番号には8本のX電極34X、34X、・・・が、偶数の電極番号には8本のY電極34Y、34Y、・・・が、それぞれ接続されている。そして、接続基板38Lは、上から奇数番目に配置されている8本のX電極34X、34X、・・・を集中して接続してある第1のコネクタ381と、上から偶数番目に配置されている8本のY電極34Y、34Y、・・・を集中して接続してある第2のコネクタ382とを備えており、発光管アレイ型表示サブモジュール30として、X電極用の第1のコネクタ381をY電極用の第2のコネクタ382よりも外側(最も左側に配置してある発光管31から離れる側)に位置するよう配設してある。
【0048】
一方、接続基板38Rは、接続基板38Lを180度回転して表裏反転した関係を有している。接続基板38Rの第1のコネクタ381には、偶数の電極番号の入力コンタクトポイントに接続された8本のX電極34X、34X、・・・を集中して接続してあり、第2のコネクタ382には奇数の電極番号の入力コンタクトポイントに接続された8本のY電極34Y、34Y、・・・を集中して接続してある。そして、接続基板38Lと同様に、発光管アレイ型表示サブモジュール30として、X電極用の第1のコネクタ381をY電極用の第2のコネクタ382よりも外側(最も右側に配置してある発光管31から離れる側)に位置するよう配設してある。
【0049】
このようにX電極34X、34X、・・・及びY電極34Y、34Y、・・・を、それぞれ別々に集中して接続することにより、第1のコネクタ381及び第2のコネクタ382における接続ピン(図示せず)はすべて同一の電位となることから、接続ピン間にて要求される耐圧を大きく減少させることができ、第1のコネクタ381、第2のコネクタ382、第1のコネクタ381、381間、第2のコネクタ382、382間を接続するケーブル37ともに耐圧の低い安価な製品を採用することができる。したがって、表示装置としてのトータルコストを低減することが可能となる。
【0050】
また、接続基板38L、38R上には接地電極を配置していない。したがって、接続基板38L、38Rを小型化することができるとともに、第1のコネクタ381、第2のコネクタ382の配置の自由度が高まることにより、ケーブル37による接続形態も多様となる。
【0051】
なお、接続基板38L、38R上において、8本のX電極34X、34X、・・・に接続される入力コンタクトポイントと第1のコネクタ381とはプリント配線導体383を介して接続され、8本のY電極34Y、34Y、・・・に接続される入力コンタクトポイントと第2のコネクタ382とはプリント配線導体384を介して接続されている。プリント配線導体383、384は、接続基板38L、38Rの表裏に分離した多層配線として形成するのが短絡のおそれがなく、接続基板38L、38Rをより小型化することができることから好ましい。配線を多層化する場合、一方のコネクタとは必要に応じてスルーホールを介して接続しても良い。
【0052】
図6は、本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続した状態を模式的に示す平面図である。発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続する場合、一の発光管アレイ型表示サブモジュール30の接続基板38Rの第1のコネクタ381と隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール30の接続基板38Lの第1のコネクタ381とを、X電極接続用のフレキシブルケーブル37Xで接続し、一の発光管アレイ型表示サブモジュール30の接続基板38Rの第2のコネクタ382と隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール30の接続基板38Lの第2のコネクタ382とを、Y電極接続用のフレキシブルケーブル37Yで接続する。
【0053】
また、X駆動回路42と接続する最も左側の発光管アレイ型表示サブモジュール30では、8本のX電極34X、34X、・・・が集中して接続してある第1のコネクタ381とX駆動回路42とをフレキシブルケーブル37Zで接続し、Y駆動回路43と接続する最も右側の発光管アレイ型表示サブモジュール30では、8本のY電極34Y、34Y、・・・が集中して接続してある第2のコネクタ382とY駆動回路43とをフレキシブルケーブル37Zで接続してある。したがって、フレキシブルケーブルとしては、第1のコネクタ381、381間を接続するためのフレキシブルケーブル37X、第2のコネクタ382、382間を接続するためのフレキシブルケーブル37Y、及び第1のコネクタ381又は第2のコネクタ382と、X駆動回路42又はY駆動回路43とを接続するフレキシブルケーブル37Zの3種類の異なる長さのケーブルを準備すれば良い。この場合、走査電極となるY電極同士を接続するフレキシブルケーブル37Yが短くて済む。
【0054】
もちろん接続基板38L、38Rにおいて、第1のコネクタ381にY電極34Y、34Y、・・・を集中させ、第2のコネクタ382にX電極34X、34X、・・・を集中させて接続しても良い。この場合、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30の接続形態は図6と同様となり、フレキシブルケーブル37Xの長さのフレキシブルケーブル37Y、フレキシブルケーブル37Yの長さのフレキシブルケーブル37X、及びフレキシブルケーブル37Zの3種類の異なる長さのケーブルを準備すれば良い。
【0055】
図7は、本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続した構成例を、発光管31、31、・・・の長手方向に直交する面で示した断面図である。図7に示すように表示電極34、34、・・・を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させ、接続基板38L、38Rに熱圧着させてある。隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール30の接続基板38L、38R間は、ケーブル37(接地ケーブル371、フレキシブルケーブル37X、37Yの一組で構成されている)を接続することが可能となっており、最も左側の接続基板38LとX駆動回路42とが、最も右側の接続基板38RとY駆動回路43とが、それぞれ接続されている。
【0056】
また、接地電位を共通化するためにX駆動回路42又はY駆動回路43の背面、及び発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面には、それぞれ接地されたフレーム51、53が設けてあり、フレーム51、53間も接続することにより、全ての発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の接地電位を共通化して、X駆動回路42及びY駆動回路43から表示電極34、34、・・・を通して流れる放電電流のリターンパスを構成している。接地用の接地コネクタ52は接続基板38L、38R上に設ける必要はなく、接地ケーブル371は、フレキシブルケーブル37X、37Yとの干渉を気にすることなく接続することができる。
【0057】
図8は、本発明の実施の形態1に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続する接続基板38近傍の構成例を、発光管31、31、・・・の長手方向に直交する面で示した拡大断面図である。図8(a)は接続基板38L、38Rに第1のコネクタ381及び第2のコネクタ382を備えている場合を、図8(b)は二層構造のフレキシブルケーブルを用いて接続する場合を、それぞれ示している。
【0058】
図8(a)では、表示電極34、34、・・・を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させ、接続基板38L、38Rに電極コネクタ385、385にてそれぞれ接続してある。接続基板38L、38Rには、それぞれ第1のコネクタ381と第2のコネクタ382とを配設してある。接地コネクタ52は接続基板38L、38R上ではなく、フレーム51に直結してある。接地ケーブル371にて接地コネクタ52、52間を接続し、フレキシブルケーブル37Xにて第1のコネクタ381、381間を、フレキシブルケーブル37Yにて第2のコネクタ382、382間を、それぞれ接続することで、両者が短絡することなく接続することができる。
【0059】
また、図8(b)では、図8(a)と同様に表示電極34、34、・・・を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させ、接続基板38L、38Rに設けた入力用の電極コネクタ385、385にそれぞれ接続してある。接続基板38L、38Rには、第1のコネクタ381と第2のコネクタ382とを一体化した両面接点コネクタ386が設けてある。二層構造を有するフレキシブルケーブル372、すなわち一層がフレキシブルケーブル37Xで他層がフレキシブルケーブル37Yであるフレキシブルケーブル372にて両面接点コネクタ386、386間を接続する。一層がフレキシブルケーブル37Xで他層がフレキシブルケーブル37Yであるフレキシブルケーブル372を用いることで、短絡の可能性を排除することができる。
【0060】
なお、表示電極34、34、・・・を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させた後、接続基板38L、38Rに付設した入力用の電極コネクタ385、385に表示電極シート35とともに挿入してそれぞれ接続しているが、電極コネクタ385、385を用いることなく、例えば図7と同様に熱圧着によって接続しても良い。
【0061】
以上のように本実施の形態1によれば、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の配置に応じて表示電極34、34、・・・を形成する配置パターンを変更する必要がなく、表示電極34、34間を接続するコネクタ及びコネクタを配設してある接続基板も共通化することができるので、製造コストを大きく削減することができ、安価な表示装置を提供することができる。また、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の入れ替えが自由であり、メンテナンス工数も削減することが可能となる。
【0062】
さらに、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を横方向(発光管31、31、・・・からなる発光管アレイの延伸方向と略直交する連結方向)に接続する場合、ケーブル37により接続基板38内でより外側に配設されている第2のコネクタ382、382同士、接続基板38内でより内側に配設されている第1のコネクタ381、381同士を、それぞれ接続するので、ケーブル37を折り曲げたりすることなく確実に接続することができ、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール30、30間の隙間を最小にすることが可能となる。
【0063】
また、組み立てた発光管アレイ型表示システムモジュール45を今一度複数の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・に解体する、再度一枚の発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成する等の作業が繰り返された場合であっても、コネクタ、接続基板及び表示電極に過剰な負荷が生じることがなく、過剰な負荷に起因するコネクタの破損、接続基板の破損、表示電極の変形等を回避することができ、断線等が生じる可能性が低い高品質の表示装置を提供することが可能となる。
【0064】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る表示装置に用いる発光管アレイ型表示サブモジュール30の構成は、基本的には実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することで詳細な説明は省略する。本実施の形態2は、図9に示すように、接続基板38、38それぞれに配設してある第1のコネクタ381、第2のコネクタ382と、表示電極34であるX電極34X、34X、・・・、Y電極34Y、34Y、・・・との接続関係が実施の形態1と相違する。
【0065】
すなわち、本実施の形態2においては、1種類の接続基板38を左右の表示電極34の端部で共通に用いるものであり、接続基板38Lと接続基板38Rとは同じ種類の接続基板38を左右反転して用いた関係となる。この結果、最も外側に配置してある発光管31からみた第1のコネクタ381と第2のコネクタ382との位置関係が異なる。図9は、本発明の実施の形態2に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30を横方向に接続するための接続基板38、38の構成を模式的に示す、裏面側から見た平面図である。
【0066】
接続基板38Lは、発光管アレイ型表示サブモジュール30の左端に配設されており、接続基板38Rは、発光管アレイ型表示サブモジュール30の右端に配設されている。接続基板38L、38Rは、発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面に設けてあり、発光管アレイ型表示サブモジュール30の表面に形成してある代表的に示した8本のX電極34X、34X、・・・及び8本のY電極34Y、34Y、・・・が発光管アレイ型表示サブモジュール30の両端にて表示電極シート35とともに背面側へ屈曲され、それぞれ接続基板38L、38Rの入力コンタクトポイントに接続されている。
【0067】
8本のX電極34X、34X、・・・及び8本のY電極34Y、34Y、・・・は、接続基板38Lの電極番号01〜16に交互に接続してあり、奇数の電極番号には8本のX電極34X、34X、・・・が、偶数の電極番号には8本のY電極34Y、34Y、・・・が、それぞれ接続されている。そして、接続基板38Lは、上から奇数番目に配置されている8本のX電極34X、34X、・・・を集中して接続してある第1のコネクタ38Xと、上から偶数番目に配置されている8本のY電極34Y、34Y、・・・を集中して接続してある第2のコネクタ38Yとを備えており、第1のコネクタ38Xより第2のコネクタ38Yの方が外側になるよう配設してある。
【0068】
一方、接続基板38Rは、接続基板38Lを180度回転させた状態で用いている。接続基板38L、38R上の電極番号01〜16は変わらないので、接続基板38Rの電極番号16〜01に交互に接続してある。接続基板38Rの第1のコネクタ38Xには偶数の電極番号に接続された8本のX電極34X、34X、・・・を集中して接続してあり、第2のコネクタ38Yには、奇数の電極番号に接続された8本のY電極34Y、34Y、・・・を集中して接続してある。そして、接続基板38Lとは異なり、第2のコネクタ38Yより第1のコネクタ38Xの方が外側になるよう配設してある。
【0069】
このようにX電極34X、34X、・・・及びY電極34Y、34Y、・・・を、それぞれ別々に集中して接続することにより、第1のコネクタ38X及び第2のコネクタ38Yにおける接続ピン(図示せず)はすべて同一の電位となることから、接続ピン間にて要求される耐圧を大きく減少させることができ、第1のコネクタ38X、第2のコネクタ38Y、第1のコネクタ38X、38X間、第2のコネクタ38Y、38Y間を接続するケーブル37ともに耐圧の低い安価な製品を採用することができる。したがって、表示装置としてのトータルコストを低減することが可能となる。
【0070】
また、接続基板38L、38R上には接地電極を配置していない。したがって、接続基板38L、38Rを小型化することができるとともに、第1のコネクタ38X、第2のコネクタ38Yの配置の自由度が高まることにより、ケーブル37による接続形態も多様となる。
【0071】
なお、接続基板38L、38R上において、8本のX電極34X、34X、・・・に接続される入力コンタクトポイントと第1のコネクタ38Xとはプリント配線導体383を介して、また8本のY電極34Y、34Y、・・・に接続される入力コンタクトポイントと第2のコネクタ38Yとはプリント配線導体384を介して、それぞれ接続されている。プリント配線導体383、384は、接続基板38L、38Rの同一面上に形成しても良いし、表裏に分離させて形成しても良い。表裏に分離させて形成した場合、短絡のおそれがなく、接続基板38L、38Rをより小型化することができる。
【0072】
図10は、本発明の実施の形態2に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続した状態を模式的に示す平面図である。発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続する場合、一の発光管アレイ型表示サブモジュール30の接続基板38Rの第1のコネクタ38Xと隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール30の接続基板38Lの第1のコネクタ38Xとを、X電極接続用のフレキシブルケーブル37Eで接続し、一の発光管アレイ型表示サブモジュール30の接続基板38Rの第2のコネクタ38Yと隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール30の接続基板38Lの第2のコネクタ38Yとを、Y電極接続用のフレキシブルケーブル37Eで接続する。
【0073】
また、X駆動回路42と接続する最も左側に配置してある発光管アレイ型表示サブモジュール30では、8本のX電極34X、34X、・・・が集中して接続してある第1のコネクタ38XとX駆動回路42とをフレキシブルケーブル37Zで接続し、Y駆動回路43と接続する最も右側に配置してある発光管アレイ型表示サブモジュール30では、8本のY電極34Y、34Y、・・・が集中して接続してある第2のコネクタ38YとY駆動回路43とをフレキシブルケーブル37Zで接続してある。したがって、フレキシブルケーブルとしては、第1のコネクタ38X、38X間を接続するためのフレキシブルケーブル37Eと、第2のコネクタ38Y、38Y間を接続するためのフレキシブルケーブル37Eとは同じ長さのケーブルになることから、実施の形態1とは異なりフレキシブルケーブル37Eと、X駆動回路42又はY駆動回路43とを接続するフレキシブルケーブル37Zの2種類の異なる長さのケーブルを準備すれば良い。
【0074】
もちろん接続基板38L、38Rにおいて、第1のコネクタ38XにY電極34Y、34Y、・・・を集中させ、第2のコネクタ38YにX電極34X、34X、・・・を集中させて接続しても良い。この場合も、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30の接続形態は図10と同様となる。
【0075】
図11は、本発明の実施の形態2に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30を横方向に接続した場合の1群の電極端子を接続する単位接続構成を模式的に示す部分平面図である。図11に示すように接続基板38R、38L間は、フレキシブルケーブル37E、37Eで接続している。すなわち、直線的形状のフレキシブルケーブルを用いることで干渉が生じ、第1のコネクタ38X、38Xと第2のコネクタ38Y、38Yとを互いに接続することができないので、図11のような迂回形状のフレキシブルケーブル37Eを用いて干渉を回避することで、同一形状のフレキシブルケーブル37Eにて第1のコネクタ38X、38Xと第2のコネクタ38Y、38Yとを互いに接続することができる。各フレキシブルケーブル37Eの配線ピッチは、実施の形態1よりも狭くなるが、それぞれ同一種類の電極に連なる配線同士に分けてあるのでケーブル幅が半分でも製造上の問題は発生しない。
【0076】
以上のように本実施の形態2によれば、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の配置に応じて表示電極34、34、・・・を形成する配置パターンを変更する必要がなく、表示電極34、34間を接続するコネクタ及びコネクタを配設してある接続基板も共通化することができ、さらにフレキシブルケーブルの種類を削減することができるので、製造コストを大きく削減することができ、安価な表示装置を提供することができる。また、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の入れ替えが自由であり、メンテナンス工数も削減することが可能となる。
【0077】
図12は、上述した実施の形態1及び2に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30を複数接続して発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成した場合の例示図である。図12(a)は、横一列に接続した発光管アレイ型表示システムモジュール45の一例を、図12(b)は、縦横に接続した発光管アレイ型表示システムモジュール45の一例を、それぞれ示している。
【0078】
図12(a)に示すように、複数の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を横一列に接続した場合、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール30、30の間は薄い表示電極シート35の2枚分に過ぎず、ほとんど間隙部が目立つことがなく、表示電極34、34、・・・が連続的に配置されているのと同等の状態となる。
【0079】
図12(b)に示すように、複数の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を縦横に接続する場合も同様であり、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30間にはほとんど間隙部が生じることがなく、表示電極34、34、・・・が連続的に配置されているのと同等の状態となる。
【0080】
なお、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を縦横に接続する枚数に上限はなく、要求される画面サイズに応じて自由に拡大することも縮小することもでき、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0081】
30 発光管アレイ型表示サブモジュール
31 発光管
32 アドレス電極
33 アドレス電極シート
34 表示電極(対)
34X X電極
34Y Y電極
35 表示電極シート
37 ケーブル
37X、37Y、37E、37Z フレキシブルケーブル
38、38L、38R 接続基板
38X 第1のコネクタ
38Y 第2のコネクタ
41 アドレス駆動回路基板
42 X駆動回路
43 Y駆動回路
45 発光管アレイ型表示システムモジュール
381 第1のコネクタ
382 第2のコネクタ
383、384 プリント配線導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光管を並列に配置してある発光管アレイの一面に、各発光管を横切る方向に延伸する第1の電極と第2の電極とを含む表示電極対を複数配置した電極シートを配設してある発光管アレイ型表示サブモジュールにおいて、
前記電極シートの表示電極の延長方向の両端に、前記第1の電極に接続された第1のコネクタと、前記第2の電極に接続された第2のコネクタとを、前記表示電極の延長方向に分離して配設してある接続基板を備えることを特徴とする発光管アレイ型表示サブモジュール。
【請求項2】
前記電極シートの一端に備えた接続基板において、前記第1のコネクタより前記第2のコネクタを該一端側にて最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあり、前記電極シートの他端に備えた接続基板において、前記第1のコネクタより前記第2のコネクタを該他端側にて最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあることを特徴とする請求項1記載の発光管アレイ型表示サブモジュール。
【請求項3】
前記第1の電極が走査電極として用いられるY電極であり、前記第2の電極が共通電極として用いられるX電極であり、一端及び他端に備えた前記接続基板において、X電極に接続された前記第2のコネクタがY電極に接続された前記第1のコネクタよりも最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあることを特徴とする請求項2記載の発光管アレイ型表示サブモジュール。
【請求項4】
前記電極シートの一端に備えた接続基板において、前記第1のコネクタより前記第2のコネクタを該一端側にて最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあり、前記電極シートの他端に備えた接続基板において、前記第2のコネクタより前記第1のコネクタを該他端側にて最も外側に配置してある発光管から離れた位置に配設してあることを特徴とする請求項1記載の発光管アレイ型表示サブモジュール。
【請求項5】
前記電極シートの一端に備えた接続基板と他端に備えた接続基板とが同じ構成を有し、一端に備えた接続基板においては交互に配列された前記第1の電極が前記第1のコネクタに接続され、前記第2の電極が前記第2のコネクタに接続されており、他端に備えた接続基板においては前記第1の電極が前記第2のコネクタに接続され、前記第2の電極が前記第1のコネクタに接続されていることを特徴とする請求項4記載の発光管アレイ型表示サブモジュール。
【請求項6】
前記第1のコネクタを前記第1の電極に接続する第1の配線と、前記第2のコネクタを前記第2の電極に接続する第2の配線とを、前記接続基板の表裏に分離して設けてあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光管アレイ型表示サブモジュール。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光管アレイ型表示サブモジュールを、前記発光管の延伸方向と交差する方向に複数個並べて配置し、隣接する表示サブモジュール間において前記第1コネクタ同士間及び第2コネクタ同士間をフレキシブル接続ケーブルにより接続してあることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−225303(P2010−225303A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68099(P2009−68099)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(506025648)篠田プラズマ株式会社 (29)
【Fターム(参考)】