説明

発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置

【課題】長寿命及び高効率の発光素子を提供することを課題の一とする。また、発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置の信頼性を高め、消費電力を低減することを課題の一とする。
【解決手段】発光素子は、発光層と、発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有する。該発光素子は長寿命及び高効率を示す。また、該発光素子及び発光素子を制御する手段を備えた発光装置とする。また、該発光装置を表示部に備えた電子機器とする。また、該発光装置を備えた照明装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)を利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の物質を含む層を挟んだものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の物質からの発光を得ることができる。
【0003】
このような発光素子は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ画素の視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好適であると考えられている。また、このような発光素子は、薄型軽量に作製できることも大きな利点である。さらに非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。
【0004】
そして、これらの発光素子は膜状に形成することが可能であるため、大面積の素子を形成することにより、面状の発光を容易に得ることができる。このことは、白熱電球やLEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
【0005】
そのエレクトロルミネッセンスを利用した発光素子は、発光性の物質が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって大別できるが、発光性の物質に有機化合物を用いる場合、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子およびホール(正孔)がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子およびホール(正孔))が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。
【0006】
このようなメカニズムから、このような発光素子は電流励起型の発光素子と呼ばれる。なお、有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能であり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐光と呼ばれている。
【0007】
このような発光素子に関しては、その素子特性を向上させる上で、物質に依存した問題が多く、これらを克服するために素子構造の改良や物質開発等が行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第08/062636号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
長寿命及び高効率の発光素子を提供することを課題の一とする。
【0010】
また、発光素子、発光装置、電子機器の信頼性を高め、消費電力を低減することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発光素子の一態様は、一対の電極間に、発光層と、発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有する。
【0012】
【化1】

【0013】
本発明の発光素子の一態様は、一対の電極間に、発光層と、発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有し、発光層の発光材料として芳香族アミン化合物が含まれている。
【0014】
【化2】

【0015】
本発明の発光素子の一態様は、一対の電極間に、発光層と、発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有し、発光層にホスト材料及びゲスト材料の複数の有機化合物が含まれており、ゲスト材料が芳香族アミン化合物である。
【0016】
【化3】

【0017】
本発明の発光素子の一態様は、一対の電極間に、発光層と、発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有し、発光層にホスト材料及びゲスト材料の複数の有機化合物が含まれており、ゲスト材料が芳香族アミン化合物であり、ホスト材料がアントラセン誘導体である。
【0018】
【化4】

【0019】
また、本発明の発光素子の一態様は、上記発光素子において、芳香族アミン化合物は、9−アリール−9H−カルバゾール−3−イル基を有する。
【0020】
また、本発明の発光素子の一態様は、上記発光素子において、ホスト材料は、アントラセン骨格とカルバゾリル骨格とを有する。
【0021】
また、本発明の発光装置の一態様は、上記発光素子と、発光素子の発光を制御する制御手段とを有する。なお、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置を含む)を含む。また、パネルにコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
【0022】
また、本発明の発光装置の一態様を表示部に用いた電子機器も本発明の範疇に含めるものとする。したがって、本発明の電子機器の一態様は、表示部を有し、表示部は、上述した発光装置を備えたことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の発光装置の一態様を用いた照明装置も本発明の範疇に含めるものとする。したがって、本発明の照明装置の一態様は上述した発光装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の発光素子の一態様は、長寿命であり、発光層からの発光が効率よく得られる。
【0025】
したがって、高信頼性及び低消費電力な発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】発光素子を説明する図。
【図2】発光素子を説明する図。
【図3】発光素子を説明する図。
【図4】発光装置を説明する図。
【図5】発光装置を説明する図。
【図6】電子機器を説明する図。
【図7】電子機器を説明する図。
【図8】照明装置を説明する図。
【図9】照明装置を説明する図。
【図10】実施例3の発光素子を説明する図。
【図11】発光素子を説明する図。
【図12】PCBB1BP(略称)のH NMRチャートを示す図。
【図13】PCBB1BP(略称)のトルエン溶液の吸収スペクトルを示す図。
【図14】PCBB1BP(略称)の薄膜の吸収スペクトルを示す図。
【図15】PCBB1BP(略称)のトルエン溶液の発光スペクトルを示す図。
【図16】PCBB1BP(略称)の薄膜の発光スペクトルを示す図。
【図17】PCBB1BP(略称)のCV測定結果を示す図。
【図18】PCBB1BP(略称)のCV測定結果を示す図。
【図19】発光素子及び比較発光素子の電流密度−輝度特性を示す図。
【図20】発光素子及び比較発光素子の電圧−輝度特性を示す図。
【図21】発光素子及び比較発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。
【図22】発光素子及び比較発光素子の発光スペクトルを示す図。
【図23】発光素子及び比較発光素子の信頼性試験の結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0028】
(実施の形態1)
本発明の発光素子の一態様について図1(A)を用いて以下に説明する。
【0029】
本実施の形態に係る発光素子は、一対の電極間に、発光層と、発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有する。
【0030】
【化5】

【0031】
本実施の形態に係る発光素子は、一対の電極間に、発光層と、発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有し、発光層の発光材料として芳香族アミン化合物が含まれている。
【0032】
【化6】

【0033】
本実施の形態に係る発光素子は、一対の電極間に、発光層と、発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有し、発光層にホスト材料及びゲスト材料の複数の有機化合物が含まれており、ゲスト材料が芳香族アミン化合物である。
【0034】
【化7】

【0035】
本実施の形態に係る発光素子は、一対の電極間に、発光層と、発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有し、発光層にホスト材料及びゲスト材料の複数の有機化合物が含まれており、ゲスト材料が芳香族アミン化合物であり、ホスト材料がアントラセン誘導体である。
【0036】
【化8】

【0037】
また、本実施の形態に係る発光素子において、発光層のゲスト材料として含まれる、芳香族アミン化合物は、9−アリール−9H−カルバゾール−3−イル基を有する有機化合物を用いることができる。
【0038】
また、本実施の形態に係る発光素子において、発光層のホスト材料として、アントラセン骨格とカルバゾリル骨格とを有する有機化合物を用いることができる。
【0039】
本発明の発光素子の一態様は、一対の電極間に少なくとも発光物質を含む層(発光層ともいう)及びホール輸送層を有するEL層を挟持して形成される。EL層は発光物質を含む層及びホール輸送層の他に複数の層を有してもよい。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。本明細書では、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層をキャリアの注入、輸送などに機能する、機能層ともよぶ。機能層としては、ホール輸送性の高い物質を含む層であるホール輸送層の他に、ホール注入性の高い物質を含む層(ホール注入層ともいう)、電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層ともいう)、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層ともいう)などを用いることができる。
【0040】
図1に示す本実施の形態の発光素子において、第1の電極102及び第2の電極107の一対の電極間にEL層108が設けられている。EL層108は、第1の層103、第2の層104、第3の層105、及び第4の層106を有している。図1における発光素子は、基板101上に、第1の電極102と、第1の電極102の上に順に積層した第1の層103、第2の層104、第3の層105、第4の層106と、さらにその上に設けられた第2の電極107とから構成されている。なお、本実施の形態では第1の電極102は陽極として機能し、第2の電極107は陰極として機能するものとして以下説明をする。
【0041】
基板101は発光素子の支持体として用いられる。基板101としては、例えばガラス、石英、またはプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォンからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)、無機蒸着フィルムを用いることもできる。なお、発光素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。
【0042】
第1の電極102としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
【0043】
第1の層103は、ホール注入性の高い物質を含む層である。モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、或いはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子等によっても第1の層103を形成することができる。
【0044】
また、第1の層103として、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を用いることができる。特に、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料は、有機化合物と無機化合物との間で電子の授受が行われ、キャリア密度が増大するため、ホール注入性、ホール輸送性に優れている。
【0045】
また、第1の層103として有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を用いた場合、第1の電極102とオーム接触をすることが可能となるため、仕事関数に関わらず第1の電極を形成する材料を選ぶことができる。
【0046】
複合材料に用いる無機化合物としては、遷移金属の酸化物であることが好ましい。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中で安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
【0047】
複合材料に用いる有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。複合材料に用いる有機化合物としては、構造式(100)のカルバゾール誘導体も用いることができる。
【0048】
【化9】

【0049】
なお、複合材料に用いる有機化合物としては、ホール輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm/Vs以上のホール(正孔)移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりもホールの輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
【0050】
例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
【0051】
複合材料に用いることのできるカルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
【0052】
また、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
【0053】
また、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm/Vs以上のホール(正孔)移動度を有し、炭素数14〜42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
【0054】
なお、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
【0055】
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
【0056】
第2の層104を形成する物質としては、ホール輸送性の高い物質、本実施の形態では、第2の層104は構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を用いて形成する。
【0057】
【化10】

【0058】
なお、第2の層104は、単層のものだけでなく、ホールの輸送性の高い主に10−6cm/Vs以上のホール(正孔)移動度を有する物質との混合層、あるいは二層以上積層したものであってもよい。
【0059】
ホール輸送性の高い物質としては、具体的には、芳香族アミン(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物であることが好ましい。広く用いられている材料として、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、その誘導体である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下、NPBと記す)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンなどのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。
【0060】
また、PMMAのような電気的に不活性な高分子化合物に、ホール輸送性材料を添加してもよい。
【0061】
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物を用いてもよく、さらに上記高分子化合物に上記ホール輸送性材料を適宜添加してもよい。
【0062】
第3の層105には発光物質を含む層を用いる。発光物質としては、種々の材料を用いることができる。具体的には、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン、(略称:DPQd)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)などの蛍光を発光する蛍光発光物質を用いることができる。
【0063】
また、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(3’,5’−ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)(acac))、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)(acac))、ビス[2−(4’−パーフルオロフェニルフェニル)ピリジナト]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(acac))、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)(Phen))などの燐光を発光する燐光発光物質を用いることができる。また、発光物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
【0064】
第3の層105の具体例としては、発光材料として芳香族アミン化合物を用いることができる。また、ホスト材料及びゲスト材料の複数の有機化合物が含まれており、ゲスト材料として芳香族アミン化合物を用いることができる。また、ホスト材料及びゲスト材料の複数の有機化合物が含まれており、ゲスト材料が芳香族アミン化合物を用い、ホスト材料がアントラセン誘導体を用いることができる。前述の芳香族アミン化合物として、9−アリール−9H−カルバゾール−3−イル基を有する有機化合物を用いることができる。また、前述のホスト材料は、アントラセン骨格とカルバゾリル骨格とを有する有機化合物を用いることができる。
【0065】
第4の層106は、電子輸送性の高い物質を用いることができる。例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。電子輸送性を有している物質であれば上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
【0066】
また、第4の層106と第2の電極107と間に電子注入を促す機能を有する層(電子注入層)を設けても良い。電子注入を促す機能を有する層としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いることができる。
【0067】
また、電子注入を促す機能を有する層として有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を用いることができる。例えば、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの、Alq中にリチウム(Li)を含有させたもの等を用いることができる。なお、電子注入層として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたものを用いることにより、第2の電極107からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい。
【0068】
第2の電極107を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の1族または2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。しかしながら、第2の電極107と第4の層106との間に、電子注入を促す機能を有する層を、当該第2の電極と積層して設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有したITO等様々な導電性材料を第2の電極107として用いることができる。
【0069】
また、第1の層103、第2の層104、第3の層105、第4の層106の形成方法は、蒸着法、スパッタ法、液滴吐出法(インクジェット法)、スピンコート法、印刷法などの種々の方法を用いることができる。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
【0070】
湿式法によって薄膜を形成する場合、有機化合物及び溶媒を含む薄膜の形成材料を溶媒に溶解し、その溶液状の組成物を被形成領域に付着させ、溶媒を除去し固化させることによって薄膜として形成する。
【0071】
湿式法としては、スピンコート法、ロールコート法、スプレー法、キャスト法、ディップ法、液滴吐出(噴出)法(インクジェット法)、ディスペンサ法、各種印刷法(スクリーン(孔版)印刷、オフセット(平版)印刷、凸版印刷やグラビア(凹版)印刷など所望なパターンで形成される方法)などを用いることができる。なお、液状の組成物を用いる方法であれば上記に限定されず、本発明の組成物を用いることができる。
【0072】
また、上述した組成物において、溶媒としては種々の溶媒を用いることができる。例えば、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン(アニソール)、ドデシルベンゼン、あるいはドデシルベンゼンとテトラリンとの混合溶媒のような芳香環(例えばベンゼン環)を有する溶媒に溶解させることができる。また、上述したカルバゾール誘導体は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルムなど芳香環を有さない有機溶媒に対しても溶解することが可能である。
【0073】
また、他の溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、n−プロピルメチルケトン、或いはシクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、或いは炭酸ジエチルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、或いはジオキサンなどのエーテル系溶媒、エタノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、或いは2−エトキシエタノールなどのアルコール系溶媒なども挙げられる。
【0074】
また、本実施の形態で示す組成物に、さらに他の有機材料を含んでもよい。有機材料としては、常温で、固体状態である芳香族化合物、もしくはヘテロ芳香族化合物が挙げられる。有機材料としては、低分子化合物や高分子化合物を用いることができる。また、低分子化合物を用いる場合には、溶媒への溶解性を高める置換基を有している低分子化合物(中分子化合物と呼んでもよい)を用いることが好ましい。
【0075】
また、成膜した膜の性質を向上させるために、さらにバインダーを含んでいてもよい。バインダーとしては、電気的に不活性な高分子化合物を用いることが好ましい。具体的には、ポリメチルメタクリレート(略称:PMMA)や、ポリイミドなどを用いることができる。
【0076】
以上のような構成を有する本発明の発光素子は、第1の電極102と第2の電極107との間に生じた電位差により電流が流れ、発光物質を含む層である第3の層105においてホールと電子とが再結合し、発光するものである。つまり第3の層105に発光領域が形成されるような構成となっている。
【0077】
発光は、第1の電極102または第2の電極107のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極102または第2の電極107のいずれか一方または両方は、透光性を有する物質で成る。第1の電極102のみが透光性を有する物質からなるものである場合、図1(A)に示すように、発光は第1の電極102を通って基板側から取り出される。また、第2の電極107のみが透光性を有する物質からなるものである場合、図1(B)に示すように、発光は第2の電極107を通って基板と逆側から取り出される。第1の電極102および第2の電極107がいずれも透光性を有する物質からなるものである場合、図1(C)に示すように、発光は第1の電極102および第2の電極107を通って、基板側及び基板と逆側の両方から取り出される。
【0078】
なお第1の電極102と第2の電極107との間に設けられる層の構成は、発光層及びホール輸送層以外は上記のものには限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光が防ぐように、第1の電極102及び第2の電極107から離れた部位にホールと電子とが再結合する発光領域を設ける構成が好ましい。
【0079】
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質またはホール輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、ホール注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及びホールの輸送性の高い物質)の物質、ホールブロック材料等から成る層を、本発明の発光層及びホール輸送層を含む発光素子に自由に組み合わせて構成すればよい。
【0080】
図2に示す発光素子は、基板301上に、第1の電極302及び第2の電極307の一対の電極間に、EL層308が設けられている。EL層308は、電子輸送性の高い物質からなる第1の層303、発光物質を含む第2の層304、ホール輸送性の高い物質からなる第3の層305、ホール注入性の高い物質からなる第4の層306を含んでいる。陰極として機能する第1の電極302、電子輸送性の高い物質からなる第1の層303、発光物質を含む第2の層304、ホール輸送性の高い物質からなる第3の層305、ホール注入性の高い物質からなる第4の層306、陽極として機能する第2の電極307とが順に積層された構成となっている。
【0081】
以下、具体的な発光素子の形成方法を示す。
【0082】
本発明の発光素子は一対の電極間にEL層が挟持される構造となっている。EL層は少なくとも発光物質を含む層(発光層ともいう)及び構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層を含む。
【0083】
【化11】

【0084】
また、EL層には、発光物質を含む層及びホール輸送層の他に、他の機能層(ホール注入層、電子輸送層、電子注入層など)を含んでもよい。電極(第1の電極及び第2の電極)、発光物質を含む層、及び機能層は液滴吐出法(インクジェット法)、スピンコート法、印刷法などの湿式法を用いて形成してもよく、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの乾式法を用いて形成してもよい。湿式法を用いれば、大気圧下で形成することができるため、簡易な装置及び工程で形成することができ、工程が簡略化し、生産性が向上するという効果がある。一方乾式法は、材料を溶解させる必要がないために溶液に難溶の材料も用いることができ、材料の選択の幅が広い。
【0085】
発光素子を構成する薄膜のすべての形成を湿式法で行ってもよい。この場合、湿式法で必要な設備のみで発光素子を作製することができる。また、発光物質を含む層を形成するまでの積層を湿式法で行い、発光物質を含む層上に積層する機能層や第2の電極などを乾式法により形成してもよい。さらに、発光物質を含む層を形成する前の第1の電極や機能層を乾式法により形成し、発光物質を含む層、及び発光物質を含む層上に積層する機能層や第2の電極を湿式法によって形成してもよい。もちろん、本発明はこれに限定されず、用いる材料や必要とされる膜厚、界面状態によって適宜湿式法と乾式法を選択し、組み合わせて発光素子を作製することができる。
【0086】
本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電極上に発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。スタガ型のTFTでもよいし逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFTに用いる半導体の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体を用いてもよいし、結晶性半導体を用いてもよい。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型またはP型のいずれか一方からのみなるものであってもよい。
【0087】
本実施の形態の発光素子は発光が効率よく得られる。
【0088】
本発明により長寿命及び高効率な発光素子を得ることができるため、高信頼性及び低消費電力な発光装置および電子機器を得ることができる。
【0089】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示した構成と異なる構成の発光素子について図11(A)(B)を用いて説明する。
【0090】
電子輸送層と発光層との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。図11(A)に、電子輸送層である第4の層106と発光層である第3の層105(発光層105とも記す)との間に電子キャリアの移動を制御する層130を設ける構成を示す。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層、もしくは電子輸送性の高い材料に最低空軌道(LUMO)のエネルギー値の低いホール輸送性を有する材料を添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、第3の層105を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
【0091】
また、他の構成として、発光層105を2層以上の複数層で構成してもよい。図11(B)に、発光層105を第1の発光層105a、第2の発光層105bと2層の複数層でもって構成する例を示す。
【0092】
例えば、第1の発光層105aと第2の発光層105bをホール輸送層である第2の層104側から順に積層して発光層105とする場合、第1の発光層105aのホスト材料としてホール輸送性を有する物質を用い、第2の発光層105bとして電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。
【0093】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
【0094】
(実施の形態3)
本実施の形態は、本発明に係る複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下、積層型素子という)の態様について、図3を参照して説明する。この発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、複数の発光ユニットを有する発光素子である。
【0095】
図3において、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512が積層されている。第1の電極501と第2の電極502は実施の形態2と同様なものを適用することができる。また、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよく、その構成は実施の形態1と同様なものを適用することができる。
【0096】
電荷発生層513には、有機化合物と金属酸化物の複合材料が含まれている。この有機化合物と金属酸化物の複合材料は、実施の形態2で示した複合材料であり、有機化合物とVやMoOやWO等の金属酸化物を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、ホール輸送性有機化合物としてホール(正孔)移動度が10−6cm/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりもホールの輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物と金属酸化物の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
【0097】
なお、電荷発生層513は、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み合わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜とを組み合わせて形成してもよい。
【0098】
いずれにしても、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512に挟まれる電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の側の発光ユニットに電子を注入し、他方の側の発光ユニットにホールを注入するものであれば良い。
【0099】
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での長寿命素子を実現できる。また、照明装置を応用例とした場合は、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。また、低電圧駆動が可能で消費電力が低くい発光装置を実現することができる。
【0100】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
【0101】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の発光素子の一態様を用いて作製された発光装置について説明する。
【0102】
本実施の形態では、本発明の発光素子の一態様を用いて作製された発光装置について図4を用いて説明する。なお、図4(A)は、発光装置を示す上面図、図4(B)は図4(A)をA−BおよびC−Dで切断した断面図である。点線で示された601は駆動回路部(ソース側駆動回路)、602は画素部、603は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
【0103】
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
【0104】
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
【0105】
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく外部に形成することもできる。
【0106】
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
【0107】
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
【0108】
第1の電極613上にはEL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、または珪素を含有したインジウム錫酸化物膜、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
【0109】
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法などの液滴吐出法、印刷法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。また、EL層616を構成する他の材料としては、低分子材料、中分子材料(オリゴマー、デンドリマーを含む)、または高分子材料であっても良い。
【0110】
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi、LiF、CaF等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
【0111】
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605で充填される場合もある。
【0112】
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
【0113】
以上のようにして、本発明の発光素子の一態様を用いて作製された発光装置を得ることができる。
【0114】
本発明により長寿命及び高効率な発光素子を得ることができるため、高信頼性及び低消費電力な発光装置および電子機器を得ることができる。
【0115】
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、この他、パッシブマトリクス型の発光装置であってもよい。図5には本発明を適用して作製したパッシブマトリクス型の発光装置の斜視図を示す。図5において、基板951上には、電極952と電極956との間には発光物質を含む層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。パッシブマトリクス型の発光装置においても、本発明の発光素子を含むことによって、高信頼性の発光装置を得ることができる。
【0116】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態4に示す発光装置をその一部に含む本発明の電子機器及び照明装置について説明する。本発明の電子機器及び照明装置は、実施の形態1乃至実施の形態3に示した発光素子を含む発光装置を有し、低消費電力な表示部、又は発光部を有する。
【0117】
本発明の発光素子の一態様を有する電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図6に示す。
【0118】
図6(A)は本発明に係るテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置において、表示部9103は、実施の形態1乃至実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、長寿命であり消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9103も同様の特徴を有するため、このテレビ装置は信頼性が高く、低消費電力化が図られている。よって、より住環境に適合した製品を提供することができる。
【0119】
図6(B)は本発明に係るコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。このコンピュータにおいて、表示部9203は、実施の形態1乃至実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、長寿命であり消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9203も同様の特徴を有するため、このコンピュータは信頼性が高く、低消費電力化が図られている。よって、より環境に適合した製品を提供することができる。
【0120】
図6(C)は本発明に係る携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話において、表示部9403は、実施の形態1乃至実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、長寿命であり、消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9403も同様の特徴を有するため、この携帯電話は信頼性が高く、低消費電力化が図られている。よって、より携帯に適した製品を提供することができる。
【0121】
図6(D)は本発明に係るカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。このカメラにおいて、表示部9502は、実施の形態1乃至実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、長寿命であり消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9502も同様の特徴を有するため、このカメラは信頼性が高く、低消費電力化が図られている。よって、より携帯に適した製品を提供することができる。
【0122】
図6(E)に示す本発明に係る電子ペーパーは、可撓性を有しており、本体9660、画像を表示する表示部9661、ドライバIC9662、受信装置9663、フィルムバッテリー9664などを含んでいる。ドライバICや受信装置などは半導体部品を用い実装しても良い。本発明の電子機器は本体9660を構成する材料をプラスチックやフィルムなど可撓性を有する材料で形成する。この電子ペーパーにおいて、表示部9661は、実施の形態1乃至実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、長寿命であり消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9661も同様の特徴を有するため、この電子ペーパーは信頼性が高く、低消費電力化が図られている。
【0123】
また、このような電子ペーパーは非常に軽く、可撓性を有していることから筒状に丸めることも可能であり、持ち運びに非常に有利な表示装置である。本発明の電子機器により大画面の表示媒体を自由に持ち運びすることができる。
【0124】
尚、図6(E)に示した電子ペーパーは、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)に加え、冷蔵庫装置、洗濯機、炊飯器、固定電話装置、真空掃除機、体温計など家庭電化製品から、電車内の吊し広告、鉄道駅や空港の発着案内版など大面積のインフォメーションディスプレイまで、主に静止画像を表示する手段として用いることができる。
【0125】
以上の様に、本発明の発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明の発光素子の一態様を用いることにより、信頼性が高く、低消費電力な表示部を有する電子機器を提供することが可能となる。
【0126】
また、本発明の発光装置は、照明装置として用いることもできる。本発明の発光装置を照明装置として用いる一態様を、図7を用いて説明する。
【0127】
図7は、本発明の発光装置をバックライトとして用いた液晶表示装置の一例である。図7に示した液晶表示装置は、筐体901、液晶層902、バックライト903、筐体904を有し、液晶層902は、ドライバIC905と接続されている。また、バックライト903は、本発明の発光装置が用いられおり、端子906により、電流が供給されている。
【0128】
本発明の発光装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、高信頼性のバックライトが得られる。また、本発明の発光装置は、面発光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。さらに、本発明の発光装置は薄型であるため、表示装置の薄型化も可能となる。
【0129】
図8は、本発明を適用した発光装置を、照明装置である電気スタンドとして用いた例である。図8に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002として、本発明の発光装置が用いられている。本発明の発光装置は、信頼性が高く、低消費電力なため、電気スタンドも信頼性が高く、低消費電力化できる。
【0130】
図9は、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた例である。本発明の発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、本発明の発光装置は、薄型であるため、薄型化の照明装置として用いることが可能となる。このように、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた部屋に、図6(A)で説明したような、本発明に係るテレビ装置3002を設置して公共放送や映画を鑑賞することができる。
【実施例1】
【0131】
本実施例では、ホール輸送層に含まれる構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体である4−フェニル−4’,4’’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBB1BP)の合成方法を具体的に説明する。本明細書に開示するPCBB1BP(略称)の合成方法は新規な合成方法である。
【0132】
【化12】

【0133】
PCBB1BP(略称)の合成スキームを(A−1)に示す。
【0134】
【化13】

【0135】
4,4’−ジブロモ−4’’−フェニルトリフェニルアミン1.0g(2.1mmol)、9−フェニル−9H−カルバゾール−3−ボロン酸1.2g(4.2mmol)、酢酸パラジウム(0)0.010g(0.045mmol)、トリス(o−トリル)ホスフィン0.10g(0.33mmol)を100mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物へ、トルエン40mL、2M 炭酸カリウム水溶液15mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気し、窒素置換した。この混合物を窒素気流下、90℃で5時間加熱撹拌した。撹拌後、反応混合物にトルエンを加え、この懸濁液をセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミナ、フロリジ−ル(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)を通して吸引ろ過し、ろ液を得た。得られたろ液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄した。洗浄後、有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。乾燥後、この混合物を吸引ろ過して硫酸マグネシウムを除去し、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して得た化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。カラムクロマトグラフィーはまずトルエン:ヘキサン=1:9の混合溶媒を展開溶媒として用い、ついでトルエン:ヘキサン=3:7の混合溶媒を展開溶媒として用いることにより行った。得られたフラクションを濃縮して得た固体をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、粉末状白色固体を収量0.98g、収率59%で得た。
【0136】
得られた白色固体0.58gの昇華精製をトレインサブリメーション法により行った。昇華精製は7.0Paの減圧下、アルゴンの流量を4mL/minとして375℃で20時間行った。収量0.45gで収率は78%であった。
【0137】
核磁気共鳴法(NMR)によって、上記合成法により得られた化合物が目的物である4−フェニル−4’,4’’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBB1BP)であることを確認した。
【0138】
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。H NMR(CDCl,300MHz):δ=7.23−7.69(m,37H)、8.18(d,J=7.8Hz,2H),8.35(s,2H)。
【0139】
また、H NMRチャートを図12(A)、(B)に示す。なお、図12(B)は、図12(A)における7.0ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
【0140】
また、示差走査熱量分析装置(DSC:Differencial Scanning Calorimetry、パーキンエルマー製、型番:Pyris1 DSC)を用いてPCBB1BPのガラス転移温度を測定した結果、145℃であった。これらの結果から、PCBB1BPは良好な耐熱性を有する材料であることが分かった。
【0141】
また、PCBB1BPのトルエン溶液の吸収スペクトル及び発光スペクトルを図13及び図15に示す。また、PCBB1BPの薄膜の吸収スペクトル及び発光スペクトルを図14及び図16に示す。吸収スペクトルの測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製して測定を行った。吸収スペクトルについては、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを、薄膜については石英基板のスペクトルを差し引いた吸収スペクトルを、図13及び図14に示した。図13乃至図16において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では346nm付近に吸収が見られ、最大発光波長は400nm(励起波長344nm)であった。また、薄膜の場合では353nm付近に吸収が見られ、最大発光波長は429nm(励起波長373nm)であった。
【0142】
また、PCBB1BPの薄膜状態におけるHOMO準位とLUMO準位の測定を行った。HOMO準位の値は、大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定したイオン化ポテンシャルの値を、負の値に換算することにより得た。また、LUMO準位の値は、図14に示したPCBB1BPの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとしてHOMO準位の値に加算することにより得た。その結果、PCBB1BPのHOMO準位は、−5.29eVであり、エネルギーギャップは、3.13eVであり、LUMO準位は、−2.16eVであった。
【0143】
また、PCBB1BPの酸化還元反応特性を測定した。酸化還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
【0144】
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−BuNClO)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象を1mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。
【0145】
PCBB1BPの酸化反応特性については次のようにして調べた。基準電極に対する作用電極の電位を−0.19Vから0.70Vまで変化させた後、0.70Vから−0.19Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
【0146】
PCBB1BPの還元反応特性については次のようにして調べた。基準電極に対する作用電極の電位を−0.94Vから−2.70Vまで変化させた後、−2.70Vから−0.94Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
【0147】
図17にPCBB1BPの酸化側のCV測定結果を、図18に還元側のCV測定結果を示す。図17及び図18において、横軸は基準電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(μA)を表す。図17から、+0.47V付近(vs.Ag/Ag電極)に酸化を示す電流が観測された。
【実施例2】
【0148】
本実施例では、本発明の一形態の発光素子について、図10を用いて説明する。
【0149】
本実施例で作製した発光素子及び2の素子構成を表1に示す。表1では、混合比は全て重量比で表している。比較発光素子は比較例である。
【0150】
【表1】

【0151】
以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
【0152】
発光素子及び比較発光素子では、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
【0153】
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、第2の層2103として有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
【0154】
次に、発光素子においては実施例1にて合成したPCBB1BP(略称)を10nm蒸着することにより、第2の層2104をホール輸送層として形成した。
【0155】
次に、比較例となる比較発光素子においては4,4’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBB1P)を10nm蒸着することにより、第2の層2104をホール輸送層として形成した。
【0156】
次に発光素子及び比較発光素子においては、それぞれの第2の層2104上に、CzPAと4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、とを、CzPA:PCBAPA=1:0.1(重量比)となるように共蒸着することにより、第3の層2105を発光層として形成した。膜厚は30nmとした。
【0157】
次に、発光素子及び比較発光素子において第3の層2105上に、Alq膜を膜厚10nm、次いでBphen膜を20nm蒸着して積層することにより、第4の層2106を電子輸送層として形成した。さらに第4の層2106上に、フッ化リチウム(LiF)を膜厚1nmで蒸着することにより第5の層2107を電子注入層として形成した。最後に、陰極として機能する第2の電極2108としてアルミニウムを200nm成膜し、本実施例の発光素子及び比較発光素子を得た。なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。また、PCBB1P(略称)、NPB(略称)、CzPA(略称)、PCBAPA(略称)、Alq(略称)、及びBphen(略称)の構造式を下記に示す。
【0158】
【化14】

【0159】
以上により得られた発光素子及び比較発光素子を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子及び比較発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子及び比較発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
【0160】
電流密度−輝度特性を図19に、電圧−輝度特性を図20に、発光素子の輝度−電流効率特性を図21に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図22に示す。図22から、発光素子及び比較発光素子からは、460nm付近にピークを有するPCBAPAからの良好な青色発光が得られたことがわかった。
【0161】
発光素子は、輝度822cd/mのとき、CIE色度座標は(x=0.16、y=0.19)であり、良好な青色発光を示した。また、輝度822cd/mのときの電流効率は5.33cd/Aであり、外部量子効率は3.8%、電圧は4.0V、電流密度は15.4mA/cmであり、パワー効率は4.19lm/Wであった。
【0162】
比較例である比較発光素子は、輝度908cd/mのとき、CIE色度座標は(x=0.15、y=0.19)であり、青色発光を示した。また、輝度908cd/mのときの電流効率は5.26cd/Aであり、外部量子効率は3.6%、電圧は4.0V、電流密度は17.3mA/cmであり、パワー効率は4.13lm/Wであった。
【0163】
また、発光素子及び比較発光素子の信頼性試験を行った。信頼性試験とは以下のようにして行った。初期状態において、1000cd/mの輝度で発光させたときに発光素子及び比較発光素子に流れている電流と同じ値の電流を流し続け、或る時間が経過する毎に輝度を測定した。発光素子及び比較発光素子の信頼性試験によって得られた結果を図23に示す。図23は輝度の経時変化を示している。なお、図23において横軸は通電時間(hour)、縦軸はそれぞれの時間における初期輝度に対する輝度の割合、すなわち規格化輝度(%)を表す。
【0164】
比較例である比較発光素子と比較して、本発明の一態様である発光素子は連続点灯させた場合であっても輝度劣化が生じにくく、長寿命であることが確認できる。
【0165】
以上のように、本実施例により、高効率及び高信頼性の発光素子が得られた。
【0166】
本実施例により、本発明の発光素子の一態様が、発光素子として特性が得られ、十分機能することが確認できた。また信頼性試験の結果から、発光素子を連続点灯させた場合であっても、膜の欠陥等に由来する短絡が生じることがなく、信頼性の高い発光素子が得られたことがわかった。
【実施例3】
【0167】
実施例3で使用した4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)は新規物質であるため、以下に合成方法を記載する。
【0168】
【化15】

【0169】
PCBAPA(略称)の合成スキームを下記(X−1)に示す。
【0170】
【化16】

【0171】
9−(4−ブロモフェニル)−10−フェニルアントラセン7.8g(12mmol)、PCBA4.8g(12mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド5.2g(52mmol)を300mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物へ、トルエン60mL、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液)0.30mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気し、脱気後、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)136mg(0.24mmol)を加えた。この混合物を、100℃で3時間攪拌した。攪拌後、この混合物に約50mLのトルエンを加え、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミナ、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)を通して吸引ろ過した。得られたろ液を濃縮し、黄色固体を得た。この固体をトルエン/ヘキサンにて再結晶し、目的物のPCBAPAの淡黄色粉末6.6g収率75%で得た。
【0172】
上記合成法によって得られた淡黄色粉末のH NMRを測定した。以下に測定データを示す。測定結果からPCBAPAが得られたことがわかった。
【0173】
H NMR(CDCl,300MHz):δ=7.09−7.14(m,1H),7.28−7.72(m、33H)、7.88(d,J=8.4Hz、2H),8.19(d,J=7.2Hz、1H)、8.37(d,J=1.5Hz,1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極間に、発光層と、前記発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有することを特徴とする発光素子。
【化1】

【請求項2】
一対の電極間に、発光層と、前記発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有し、
前記発光層の発光材料として芳香族アミン化合物が含まれていることを特徴とする発光素子。
【化2】

【請求項3】
一対の電極間に、発光層と、前記発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有し、
前記発光層にホスト材料及びゲスト材料の複数の有機化合物が含まれており、前記ゲスト材料が芳香族アミン化合物であることを特徴とする発光素子。
【化3】

【請求項4】
一対の電極間に、発光層と、前記発光層と接する構造式(100)で表されるカルバゾール誘導体を含むホール輸送層とを有し、
前記発光層にホスト材料及びゲスト材料の複数の有機化合物が含まれており、前記ゲスト材料が芳香族アミン化合物であり、
前記ホスト材料がアントラセン誘導体であることを特徴とする発光素子。
【化4】



【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか一項において、前記芳香族アミン化合物は、9−アリール−9H−カルバゾール−3−イル基を有することを特徴とする発光素子。
【請求項6】
請求項3又は請求項4のいずれか一項において、前記ホスト材料は、アントラセン骨格とカルバゾリル骨格とを有することを特徴とする発光素子。
【請求項7】
請求項1至6に記載の発光素子と、前記発光素子を制御する手段とを備えた発光装置。
【請求項8】
請求項7に記載の発光装置を表示部に備えた電子機器。
【請求項9】
請求項7に記載の発光装置を備えた照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−238937(P2010−238937A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85722(P2009−85722)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】