説明

発光素子パッケージおよびその製造方法

【課題】発光素子パッケージおよびその製造方法が開示される。
【解決手段】本発明の実施形態に係る発光素子パッケージは、少なくとも1つの素子実装領域および複数の電極配置領域を含み、素子実装領域の上部面および下部面上に露出される少なくとも1つの第1放熱ビアを含み、複数の電極配置領域の上部面および下部面上に露出される複数の第2放熱ビアを含む回路基板と、素子実装領域の上部面に接合して第1放熱ビアと接続される少なくとも1つの第1放熱パッドと、第1放熱パッド上に実装された少なくとも1つの発光素子と、電極配置領域の上部面に接合して第2放熱ビアと接続される複数の第1電極パッドと、発光素子と第1電極パッドとを電気的に接続する複数のワイヤーとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光素子パッケージおよびその製造方法に関し、より詳しくは、高効率、高放熱、および低費用の発光素子パッケージおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子はエネルギーを光エネルギーに変換する半導体素子であって、エネルギーバンドギャップによる特定の波長の光を発生する化合物の半導体物質から構成される。このような発光素子は、光通信、ディスプレイ(モバイルディスプレイ、コンピュータモニターなど)、LCD用の平面光源から一般照明に至るまでその使用領域が拡大している。
【0003】
一般的に発光素子はパッケージ形態に製造される。一例として、リードフレームタイプの発光素子パッケージは、一対のリードフレームが結合してモールディング材の充填空間が形成されたパッケージモールド、パッケージモールド内に位置するリードフレーム上に実装される発光素子、発光素子とリードフレームとを接続するワイヤー、およびパッケージモールド内に充填されて発光素子とワイヤーの一部を保護するモールディング材を含む。
【0004】
他の例として、フリップチップタイプの発光素子パッケージは、電極が形成されたセラミック基板上にフリップチップ構造の発光素子を接合した構造を有し、発光素子の上部がモールディングされるモールディング材を含む。
【0005】
リードフレームタイプの発光素子パッケージは、リードフレームによって熱が放出されることで、全体的な放熱効率が低い。また、フリップチップタイプの発光素子パッケージは発光素子の製造工程が複雑であり、高い原材料の原価によって価格の競争力が落ちる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した問題点を解決するために、本発明の目的は、回路基板の素子実装領域に少なくとも1つの第1放熱ビアを形成し、回路基板の電極配置領域に複数の第2放熱ビアを形成して、発光素子で発生した熱を効率よく放出することのできる発光素子パッケージおよびその製造方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、回路基板の素子実装領域に第1放熱パッドを形成し、第1放熱パッドの表面に反射金属層を形成することによって、発光素子で発生した光の抽出効率を向上させることのできる発光素子パッケージおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の更なる目的は、発光素子および第1電極パッドをワイヤーボンディングに接続することによって、低い費用で製造可能な発光素子パッケージおよびその製造方法を提供するためである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を達成するための本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージは、少なくとも1つの素子実装領域および複数の電極配置領域を含み、前記素子実装領域の上部面および下部面上に露出される少なくとも1つの第1放熱ビアを含み、前記複数の電極配置領域の上部面および下部面上に露出される複数の第2放熱ビアを含む回路基板と、前記素子実装領域の上部面に接合して前記第1放熱ビアと接続される少なくとも1つの第1放熱パッドと、前記第1放熱パッド上に実装された少なくとも1つの発光素子と、前記電極配置領域の上部面に接合して前記第2放熱ビアと接続される複数の第1電極パッドと、前記発光素子と前記第1電極パッドとを電気的に接続する複数のワイヤーとを備える。
【0010】
一側面によると、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージは、前記素子実装領域の下部面に接合して前記第1放熱ビアと接続される少なくとも1つの第2放熱パッドと、前記電極配置領域の下部面に接合して前記第2放熱ビアと接続される複数の第2電極パッドとをさらに備えてもよい。
【0011】
一側面によると、前記第1放熱ビア、前記第2放熱ビア、前記第1放熱パッド、前記第2放熱パッド、前記第1電極パッド、および前記第2電極パッドは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銀(Ag)、および半田のうち少なくとも1つ以上の金属物質からなってもよい。
【0012】
一側面によると、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージは、前記第1放熱パッドの表面にコーティングされた反射金属層をさらに備えてもよい。
【0013】
一側面によると、前記反射金属層は、0.1mm〜30mmの厚さを有してもよい。
【0014】
一側面によると、前記反射金属層は、金(Au)、銀(Ag)、および白金(Pt)のうちいずれか1つの金属物質からなってもよい。
【0015】
一側面によると、前記発光素子は、青色波長領域の光を発生する青色LEDであってもよい。
【0016】
一側面によると、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージは、前記発光素子上に形成され、黄色蛍光体を含む蛍光体層と、前記蛍光体層上に形成されたモールディング部とをさらに備えてもよい。
【0017】
一側面によると、前記回路基板は、メタルコア印刷回路基板およびFR4を含む基板のうちいずれか1つであってもよい。
【0018】
一方、本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、少なくとも1つの素子実装領域および複数の電極配置領域を含み、前記素子実装領域の上部面および下部面上に露出される少なくとも1つの第1放熱ビアを含み、前記複数の電極配置領域の上部面および下部面上に露出される複数の第2放熱ビアを含む回路基板を設けるステップと、前記第1放熱ビアと接続されるように前記素子実装領域の上部面に少なくとも1つの第1放熱パッドを形成するステップと、前記第2放熱ビアと接続されるように前記電極配置領域の上部面に複数の第1電極パッドを形成するステップと、前記第1放熱パッド上に少なくとも1つの発光素子を実装するステップと、前記発光素子と前記第1電極パッドとが電気的に接続されるようにワイヤーボンディングするステップとを含む。
【0019】
一側面によると、前記回路基板を設けるステップは、前記回路基板の素子実装領域上に少なくとも1つの第1ビアホールを形成するステップと、前記回路基板の電極配置領域上に複数の第2ビアホールを形成するステップと、前記第1ビアホール内に金属物質を充填して前記第1放熱ビアを形成するステップと、前記第2ビアホール内に金属物質を充填して前記第2放熱ビアを形成するステップとを含んでもよい。
【0020】
一側面によると、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、前記第1放熱ビアと接続されるように前記素子実装領域の下部面に少なくとも1つの第2放熱パッドを形成するステップと、前記第2放熱ビアと接続されるように前記電極配置領域の下部面に複数の第2電極パッドを形成するステップとさらに含んでもよい。
【0021】
一側面によると、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、 前記第1放熱パッドの表面に金属物質をコーティングして反射金属層を形成するステップをさらに含んでもよい。
【0022】
一側面によると、前記反射金属層を形成するステップは、前記第1放熱パッドの表面に前記金属物質を0.1mm〜30mmの厚さにコーティングしてもよい。
【0023】
一側面によると、前記発光素子は、青色波長領域の光を発生する青色LEDであってもよい。
【0024】
一側面によると、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、前記発光素子上部に黄色蛍光体を含む蛍光体樹脂を塗布するステップと、前記蛍光体樹脂上にモールディング樹脂を塗布するステップとをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施形態に係る発光素子パッケージおよびその製造方法は、回路基板の素子実装領域に形成された少なくとも1つの第1放熱ビアと、回路基板の電極配置領域に複数の第2放熱ビアを形成することによって、発光素子で発生した熱を効率よく放出することができる。
【0026】
また、本発明の実施形態によれば、回路基板の素子実装領域に第1放熱パッドを形成し、第1放熱パッドの表面に反射金属層を形成することによって、発光素子で発生した光の抽出効率を向上させることができる。
【0027】
また、本発明の実施形態によれば、フリップチップボンディングではないワイヤーボンディングを用いて発光素子および第1電極パッドを電気的に接続することによって、低い費用で発光素子パッケージを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの構造を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付する図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の説明にあたって、関連する公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合はその詳細な説明を省略する。また、本明細書で用いられる用語(terminology)は、本発明の好ましい実施形態を適切に表現するために用いられる用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または本発明が属する分野の慣例などによって変わり得る。したがって、本用語に対する定義は本明細書の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならないであろう。各図面に提示す同一の参照符号は同一の構成を示す。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの構造を示す断面図である。図1に示すように、発光素子パッケージ100は、回路基板110、第1放熱パッド121、第2放熱パッド122、第1電極パッド131、132、第2電極パッド133、134、反射金属層140、発光素子150、蛍光体層170、およびモールディング部180を備える。
【0031】
回路基板110は、メタルコア印刷回路基板(metal core printed circuit board)であってもよく、FR4(Flame Resistant4)を備える基板であってもよい。具体的に、FR4を備える基板とは、印刷回路基板、セラミック基板、またはその他の様々な半導体基板上にFR4がコーティングされたコアタイプの基板であり得る。また、FR4の他に、FR1、FR2、FR3などを含む基板を回路基板110として用いてもよい。
【0032】
回路基板110は上部面および下部面を有し、少なくとも1つの素子実装領域Aおよび複数の電極配置領域B、Cを含む。
【0033】
回路基板110は、素子実装領域Aの上部面および下部面上に露出される少なくとも1つの第1放熱ビア111、112、113、114を備える。また、回路基板110は、第1および第2電極配置領域B、Cの上部面および下部面上に露出する複数の第2放熱ビア115、116を備える。
【0034】
図1に示すように、第1放熱ビア111、112、113、114は、素子実装領域Aに4個が形成されて素子実装領域Aの上部面および下部面の上に露出される構造を有する。また、第2放熱ビア115、116は、第1および第2電極配置領域B、Cそれぞれに1つずつ形成されて、第1および第2電極配置領域B、Cそれぞれの上部面および下部面の上に露出される構造を有する。
【0035】
図1に示す第1放熱ビア111、112、113、114の数および第2放熱ビア115、116の数は一例に過ぎず、その数は素子実装領域Aと第1および第2電極配置領域B、Cの面積、そして第1放熱ビア111、112、113、114および第2放熱ビア115、116の大きさに応じて変わり得る。
【0036】
第1放熱ビア111、112、113、114は、発光素子パッケージ100、特に、発光素子150で発生する熱を外部に放出するための熱伝達媒体として用いてもよい。また、第2放熱ビア115、116は、第1電極パッド131、132で発生する熱を外部に放出するための熱伝達媒体として用いてもよい。このような第1放熱ビア111、112、113、114および第2放熱ビア115、116に対する機能は下記で具体的に説明する。
【0037】
第1放熱パッド121は素子実装領域Aの上部面に接合し、素子実装領域Aの上部面上に露出された4個の第1放熱ビア111、112、113、114と接続される。
【0038】
第1放熱パッド121の表面には反射金属層140をさらに備えてもよい。この反射金属層140は、第1放熱パッド121の上部表面にのみコーティングされてもよく、第1放熱パッド121の上部および側部表面までコーティングされてもよい。この反射金属層140は、光に対する反射特性に優れた金属物質から形成されてもよく、金(Au)、銀(Ag)および白金(Pt)のうちいずれか1つの金属物質を含んでもよい。
【0039】
また、反射金属層140は、反射特性の他に放熱特性を有する。放熱特性の向上のために、反射金属層140は、0.1mm〜30mmの厚さを有してもよく、放熱特性とパッケージのサイズを考慮する場合に10mm〜15mmが最適の厚さ範囲になる。
【0040】
第1電極パッド131、132は、第1および第2電極配置領域B、Cの上部面に接合し、素子実装領域Aに接合された第1放熱パッド121とは電気的、物理的に分離した構造を有する。第1電極パッド131、132が電極配置領域B、Cの上部面に接合することによって、電極配置領域B、Cの上部面に露出された2つの第2放熱ビア115、116とそれぞれ接続される。すなわち、2つの電極パッド131、132のうち、1つの第1電極パッド131は第1電極配置領域Bの上部面上に露出された第2放熱ビア115と接続し、他の1つの第1電極パッド132は第2電極配置領域Cの上部面上に露出された第2放熱ビア116と接続してもよい。
【0041】
第2放熱パッド122は、素子実装領域Aの下部面に接合して素子実装領域Aの下部面上に露出された4個の第1放熱ビア111、112、113、114と接続される。
【0042】
第2電極パッド133、134は、第1および第2電極配置領域B、Cの下部面に接合し、素子実装領域Aに接合された第2放熱パッド122とは電気的、物理的に分離した構造を有する。2つの第2電極パッド133、134のうち、1つの第2電極パッド133は第1電極配置領域Bの下部面上に露出された第2放熱ビア115と接続し、他の1つの第2電極パッド134は第2電極配置領域Cの下部面上に露出された第2放熱ビア116と接続してもよい。
【0043】
発光素子150は、反射金属層140のコーティングされた第1放熱パッド121上に実装されてもよい。図1は、第1放熱パッド121上に1つの発光素子150が実装されたものと図示したが、発光素子150は複数実装してもよい。
【0044】
発光素子150は、外部回路との電気的な接続のために第1および第2ワイヤー161、162を介して2つの第1電極パッド131、132と接続される。
【0045】
蛍光体層170は発光素子150を覆うように構造され、発光素子150から発生した光の波長を変換させる蛍光体を含んでもよい。蛍光体層170に含まれた蛍光体の種類は、発光素子150で発生する光の波長領域、発光素子パッケージ100に実現しようとする光の色によって変わり得る。
【0046】
一例として、発光素子パッケージ100によって白色光を実現しようとする場合、発光素子150が青色波長領域の光を発生する青色LED(Light Emitting Diode)であれば、蛍光体層170は黄色蛍光体を含んでもよい。すなわち、発光素子パッケージ100は、黄色蛍光体によって発光素子150で発生した光の一部を黄色波長領域の光に変換させ、波長変換された黄色波長領域の光と青色波長領域の光とを混合して白色光を実現することができる。
【0047】
他の例として、発光素子パッケージ100によって白色光を実現しようとする場合、発光素子150が紫外線波長領域の光を発生するUV LEDであれば、蛍光体層170は青色蛍光体、緑色蛍光体、および赤色蛍光体を含んでもよい。すなわち、発光素子パッケージ100は、青色蛍光体、緑色蛍光体、および赤色蛍光体によって発光素子150で発生した光を青色、緑色、および赤色の波長領域の光に変換させ、波長変換された各光を混合して白色光を実現することができる。
【0048】
また、蛍光体層170は、蛍光体の他に光拡散材をさらに含んでもよい。光拡散材は、蛍光体粒度の1/2以下であるナノサイズの粒度を有してもよく、白色の粒子であり、酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪素(SiO)および二酸化チタニウム(TiO)のうちいずれか1つの物質を含んでもよい。
【0049】
モールディング部180は、蛍光体層170および発光素子150をモールディングする。
【0050】
以下は、図1に示す発光素子パッケージ100に含まれた各構成の機能を具体的に説明する。
【0051】
発光素子150が発光動作する間に、発光素子150では熱が発生する。この熱が外部に放出されることなく蓄積される場合、発光素子150が劣化する場合があり、蛍光体層170に含まれた蛍光体の波長変換の機能も低下してしまう場合がある。
【0052】
発光素子パッケージ100は、発光素子150で発生する熱を「第1放熱パッド121(第1放熱ビア111、112、113、114)、第2放熱パッド122」に構成された第1列の伝達媒体を介して外部に放出してもよい。
【0053】
また、発光素子150が発光動作する間に、発光素子150と電気的に接続した第1電極パッド131、132にも熱が発生および伝達されることがある。したがって、発光素子パッケージ100は、第1電極パッド131、132に発生および伝達された熱を「第1電極パッド131、132(第2放熱ビア115、116)、第2電極パッド133、134」に構成された第2列の伝達媒体を介して外部に放出してもよい。
【0054】
したがって、発光素子パッケージ100は、発光素子150が発光動作する間に、内部に熱を蓄積することなく第1および第2列の伝達媒体を介して外部へ迅速に熱を放出することによって、全体的な放熱効率を向上させることができる。
【0055】
また、放熱効率をより向上させるために、第1および第2列の伝達媒体を構成している各構成要素は高い熱伝導率を有する金属物質に構成してもよい。すなわち、第1放熱ビア111、112、113、114、第2放熱ビア115、116、第1放熱パッド121、第2放熱パッド122、第1電極パッド131、132、および第2電極パッド133、134は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銀(Ag)、および半田のうち少なくとも1つ以上の金属物質に構成してもよい。この場合、各構成要素を構成している金属物質は全て同一であってもよく、互いに異なってもよい。また、金属物質に限定されることなく、高い熱伝導率を有する金属物質であれば、その他の金属物質も含んでもよい。
【0056】
一方、発光素子150で光が発生する場合、光の進行方向によって光損失が発生することがある。例えば、図1に示す発光素子パッケージ100で反射金属層140がないと仮定する場合、下部面に進む光は第1放熱パッド121にぶつかって散乱されたり(光信号が弱くなる)、損失されることがある。結果的に、発光素子パッケージ100の光抽出の効率を低下させてしまう。
【0057】
本発明の実施形態に係る発光素子パッケージ100は、第1放熱パッド121上にコーティングされた反射金属層140を含むことによって、下部面に進む光を反射させて発光素子150の側面または上部面を介して光を抽出する。したがって、発光素子パッケージ100は全体的な光抽出の効率を向上させることができる。
【0058】
一方、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージ100は、フリップチップボンディング構造の発光素子を用いるのではなく、ワイヤーボンディング構造の発光素子を用いることで造工程が減少されて製造費用は減少し、また、価格競争力を向上させることができる。
【0059】
図2〜図8は、本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法を示す断面図である。
【0060】
図2および図3に示すように、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、回路基板210を設ける過程を含む。まず、図2に示すように、回路基板210を1つの素子実装領域Aと、素子実装領域Aを基準にして左、右に位置した第1および第2電極配置領域B、Cに区分する。
【0061】
回路基板210は、メタルコア印刷回路基板または絶縁物質を含む基板などであってもよい。ここで、絶縁物質を含む基板とは、印刷回路基板、セラミック基板、またはその他の様々な半導体基板上にFR1、FR2、FR3およびFR4のうちいずれか1つの絶縁物質がコーティングされたコアタイプの基板であってもよい。
【0062】
素子実装領域A上に4個の第1ビアホールH1、H2、H3、H4を形成し、第1および第2電極配置領域B、C上にそれぞれ1つの第2ビアホールH5、H6を形成する。第1ビアホールH1、H2、H3、H4および第2ビアホールH5、H6はドリル加工によって形成してもよい。
【0063】
その後、図3に示すように、第1ビアホールH1、H2、H3、H4内に金属物質を充填して4個の第1放熱ビア211、212、213、214を形成する。そして、第2ビアホールH5、H6内に金属物質を充填して2つの第2放熱ビア215、216を形成する。このとき、第1放熱ビア211、212、213、214、および第2放熱ビア215、216は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銀(Ag)、および半田のうち少なくとも1つ以上の金属物質を含んでもよい。
【0064】
第1放熱ビア211、212、213、214は、素子実装領域Aの上部面および下部面上に露出した構造に形成されてもよく、第2放熱ビア215、216は、第1および第2電極配置領域B、Cの上部面および下部面上に露出した構造に形成されてもよい。
【0065】
図4に示すように、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、回路基板210上に第1放熱パッド221、第2放熱パッド222、第1電極パッド231、232、および第2電極パッド233、234を形成する過程を含んでもよい。
【0066】
具体的に、素子実装領域Aの上部面上に露出した第1放熱ビア211、212、213、214と接続されるように第1放熱パッド221を形成する。そして、第1および第2電極配置領域B、Cの上部面上に露出した第2放熱ビア215、216と接続されるように第1電極パッド231、232を形成する。
【0067】
第1放熱パッド221および第1電極パッド231、232は1つの工程により製造してもよい。一例として、回路基板210の上部面の全体に金属物質を蒸着させた状態で、素子実装領域Aと第1および第2電極配置領域B、Cの間に蒸着された金属物質を選択的に除去する方式によって第1放熱パッド221および第1電極パッド231、232を形成してもよい。
【0068】
また、素子実装領域Aの下部面上に露出した第1放熱ビア211、212、213、214と接続されるように第2放熱パッド222を形成する。そして、第1および第2電極配置領域B、Cの下部面上に露出した第2放熱ビア215、216と接続されるように第2電極パッド233、234を形成する。
【0069】
第2放熱パッド222および第2電極パッド233、234も1つの工程により製造してもよい。一例として、回路基板210の下部面の全体に金属物質を蒸着させた状態で、素子実装領域Aと第1および第2電極配置領域B、Cの間に蒸着された金属物質を選択的に除去する方式によって第2放熱パッド222および第2電極パッド233、234を形成してもよい。
【0070】
第1放熱パッド221、第2放熱パッド222、第1電極パッド231、232、および第2電極パッド233、234は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銀(Ag)、および半田のうち少なくとも1つ以上の金属物質に構成してもよい。この場合、各構成要素を構成している金属物質は全て同一であってもよく、互いに異なってもよい。
【0071】
図5に示すように、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、第1放熱パッド221上に反射金属層240をコーティングする過程を含んでもよい。図4に示す回路基板210上で第1放熱パッド221の表面上に光に対する反射特性に優れる金(Au)、銀(Ag)、および白金(Pt)のうちいずれか1つの金属物質をコーティングして反射金属層240を形成してもよい。ここで、反射金属層240は、反射特性の他に放熱特性を有することで、0.1mm〜30mmの厚さに形成してもよい。好ましくは、反射金属層240は、10mm〜15mmの厚さに形成する。
【0072】
図6に示すように、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、反射金属層240の形成された第1放熱パッド221上に発光素子250を実装する過程を含んでもよい。発光素子250は、上部面に2つの電極251、252が位置する水平型の構造を有してもよく、窒化物系の半導体物質に構成してもよい。発光素子250を第1放熱パッド221上に実装した後、2つの電極251、252それぞれと2つの第1電極パッド231、232を第1および第2ワイヤー261、262に接続する。第1および第2ワイヤー261、262は金(Au)に構成してもよい。
【0073】
図7に示すように、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、発光素子250上部に蛍光体樹脂270を塗布する過程を含んでもよい。
【0074】
蛍光体樹脂270は、シリコン樹脂またはエポキシ樹脂、光の波長変換のための蛍光体および光拡散材が混合した物質であってもよい。蛍光体樹脂270は、発光素子250で発生する光の波長領域と、発光素子パッケージを用いて実現しようとする光の色によって少なくとも一種類以上の蛍光体を含んでもよい。例えば、蛍光体樹脂270は、YAG、TAG、LuAGなどの蛍光体を含んでもよい。また、蛍光体樹脂270は、蛍光体粒度の1/2以下、すなわち、ナノサイズの粒度を有する光拡散材を含んでもよい。光拡散材は白色の粒子であり、酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪素(SiO)、および二酸化チタニウム(TiO)のうちいずれか1つを含んでもよい。
【0075】
蛍光体樹脂270が塗布されると、蛍光体樹脂270に熱を加えて硬化させる工程を行なってもよい。
【0076】
図8に示すように、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージの製造方法は、蛍光体樹脂270上にモールディング樹脂280を塗布する過程を含んでもよい。モールディング樹脂280は、発光素子250および蛍光体樹脂270を外部衝撃から保護するためのものであって、シリコン樹脂に構成してもよい。
【0077】
蛍光体樹脂270およびモールディング樹脂280は塗布の際に、樹脂物質の表面張力および粘度によってドーム状に形成してもよい。したがって、モールディング樹脂280と空気層との間の界面で光が屈折されて外部から抽出されるようにすることで、光抽出の効率を増加することができる。
【0078】
図2〜図8に示す方法によって製造された発光素子パッケージ200は、「第1放熱パッド221(第1放熱ビア211、212、213、214)、第2放熱パッド222」に構成された第1列の伝達媒体と、「第1電極パッド231、232(第2放熱ビア215、216)、第2電極パッド233、234」に構成された第2列の伝達媒体を介して発光動作の際に発生する熱を効率よく放出することができる。したがって、発光素子パッケージ200の熱放出効率を向上させることができる。
【0079】
上述したように本発明は限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
【0080】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【符号の説明】
【0081】
100、200 発光素子パッケージ
110、210 回路基板
111、112、113、114、211、212、213、214 第1放熱ビア
115、116、215、216 第2放熱ビア
121、221 第1放熱パッド
122、222 第2放熱パッド
131、132、231、232 第1電極パッド
133、134、233、234 第2電極パッド
140、240 反射金属層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの素子実装領域および複数の電極配置領域、前記素子実装領域の両面上に露出される少なくとも1つの第1放熱ビア、並びに前記複数の電極配置領域の両面上に露出される複数の第2放熱ビアを含む回路基板と、
前記素子実装領域の一方の面に接合して前記第1放熱ビアと接続される少なくとも1つの第1放熱パッドと、
前記第1放熱パッド上に実装された少なくとも1つの発光素子と、
前記電極配置領域の一方の面に接合して、各々が前記複数の第2放熱ビアのうちの対応する第2放熱ビアと接続される複数の第1電極パッドと、
前記発光素子と前記複数の第1電極パッドのうち対応する第1電極パッドとを電気的に接続する複数のワイヤーと
を備えることを特徴とする発光素子パッケージ。
【請求項2】
前記素子実装領域の他方の面に接合して前記第1放熱ビアと接続される少なくとも1つの第2放熱パッドと、
前記電極配置領域の他方の面に接合して、各々が前記複数の第2放熱ビアのうち対応する第2放熱ビアと接続される複数の第2電極パッドと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発光素子パッケージ。
【請求項3】
前記第1放熱ビア、前記第2放熱ビア、前記第1放熱パッド、前記第2放熱パッド、前記第1電極パッド、および前記第2電極パッドは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銀(Ag)、および半田のうち少なくとも1つ以上の金属物質からなることを特徴とする請求項2に記載の発光素子パッケージ。
【請求項4】
前記第1放熱パッドの表面にコーティングされた反射金属層をさらに備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項5】
前記反射金属層は、0.1mm〜30mmの厚さを有することを特徴とする請求項4に記載の発光素子パッケージ。
【請求項6】
前記反射金属層は、金(Au)、銀(Ag)、および白金(Pt)のうちいずれか1つの金属物質からなることを特徴とする請求項4または5に記載の発光素子パッケージ。
【請求項7】
前記発光素子は、青色波長領域の光を発生する青色LEDであることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項8】
前記発光素子上に形成され、黄色蛍光体を含む蛍光体層と、
前記蛍光体層上に形成されたモールディング部と
をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の発光素子パッケージ。
【請求項9】
前記回路基板は、メタルコア印刷回路基板およびFR4を含む基板のうちいずれか1つであることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項10】
少なくとも1つの素子実装領域および複数の電極配置領域、前記素子実装領域の両面上に露出される少なくとも1つの第1放熱ビア、並びに前記複数の電極配置領域の両面上に露出される複数の第2放熱ビアを含む回路基板を設けるステップと、
前記第1放熱ビアと接続されるように前記素子実装領域の一方の面に少なくとも1つの第1放熱パッドを形成するステップと、
前記電極配置領域の一方の面に、各々が前記複数の第2放熱ビアのうち対応する第2放熱ビアと接続されるように複数の第1電極パッドを形成するステップと、
前記第1放熱パッド上に少なくとも1つの発光素子を実装するステップと、
前記発光素子と前記第1電極パッドとが電気的に接続されるようにワイヤーボンディングするステップと
を含むことを特徴とする発光素子パッケージの製造方法。
【請求項11】
前記回路基板を設けるステップは、
前記回路基板の素子実装領域上に少なくとも1つの第1ビアホールを形成するステップと、
前記回路基板の電極配置領域上に複数の第2ビアホールを形成するステップと、
前記第1ビアホール内に金属物質を充填して前記第1放熱ビアを形成するステップと、
前記第2ビアホール内に金属物質を充填して前記第2放熱ビアを形成するステップと
を含むことを特徴とする請求項10に記載の発光素子パッケージの製造方法。
【請求項12】
前記第1放熱ビアと接続されるように前記素子実装領域の他方の面に少なくとも1つの第2放熱パッドを形成するステップと、
前記電極配置領域の他方の面に、各々が前記複数の第2放熱ビアのうち対応する第2放熱ビアと接続されるように複数の第2電極パッドを形成するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項10または11に記載の発光素子パッケージの製造方法。
【請求項13】
前記第1放熱パッドの表面に金属物質をコーティングして反射金属層を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10から12の何れか1項に記載の発光素子パッケージの製造方法。
【請求項14】
前記反射金属層を形成するステップは、前記第1放熱パッドの表面に前記金属物質を0.1mm〜30mmの厚さにコーティングすることを特徴とする請求項13に記載の発光素子パッケージの製造方法。
【請求項15】
前記発光素子は、青色波長領域の光を発生する青色LEDであることを特徴とする請求項10から14の何れか1項に記載の発光素子パッケージの製造方法。
【請求項16】
前記発光素子上に黄色蛍光体を含む蛍光体樹脂を塗布するステップと、
前記蛍光体樹脂上にモールディング樹脂を塗布するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の発光素子パッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−195587(P2012−195587A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−57588(P2012−57588)
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【出願人】(512066842)サムソン エルイーディー カンパニーリミテッド. (5)
【Fターム(参考)】