説明

発光装置、その駆動方法および電子機器

【課題】動画ボケおよびフリッカの双方を抑制する。
【解決手段】各画素回路60は、発光素子63をデータ信号Xに応じた輝度に発光させる
。画像処理装置10は、原画像V1から中間画像E1を生成する。データ線駆動回路36は
、奇数行目の各画素回路60に対して原画像V1に応じたデータ信号Xを供給し、偶数行
目の各画素回路60に対して中間画像E1に応じたデータ信号Xjを供給する。発光制御回
路38は、ひとつのフレーム期間Pfの第1期間Pf1において奇数行目の各画素回路60
の発光素子63を発光させ、当該フレーム期間Pfの第2期間Pf2において偶数行目の各
画素回路60の発光素子63を発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオード(以下「OLED(Organic Light Emitting Diode)」とい
う)素子などの発光素子の挙動を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
面状に配列された各発光素子の輝度を制御することによって画像を表示する発光装置が
従来から提案されている。この種の発光装置のうちひとつのフレーム期間の略全長にわた
って各発光素子の発光が維持されるタイプの発光装置はホールド型と呼ばれる。
【0003】
非特許文献1に開示されるように、ホールド型の表示装置においては、画像に含まれる
被写体の移動とこれに追従しようとする観察者の視点の移動とのズレに起因して、観察者
によって知覚される被写体の輪郭が不明瞭となる現象(以下「動画ボケ」という)が発生
する。この動画ボケを解決するための方策としては、各発光素子の階調をフレーム期間の
全長にわたって維持するのではなく、CRT(Cathode Ray Tube)に代表されるインパル
ス型の表示装置のように各発光素子を間欠的に発光させるという方法がある。
【非特許文献1】信学技法,EID2001-84(2002-01)p13-p18「ディスプレイの時間応答と動画の高画質化」,栗田泰市郎/電子情報通信学会(特に図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各発光素子を発光させる各期間に間隔があると、画像全体の明度が周期
的に変動するフリッカと呼ばれる現象が顕著となる。本発明は、このような事情に鑑みて
なされたものであり、動画ボケおよびフリッカの双方を抑制するという課題の解決を目的
としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、発光素子をデータ信号に応じた
輝度で発光させる複数の画素回路を配列した表示部と、ひとつのフレーム期間のうち互い
に相違する各時点に対応した態様の第1画像および第2画像を取得する画像取得手段(例
えば各実施形態における画像処理装置10)と、複数の画素回路のうち第1グループに属
する各画素回路に対して第1画像に応じたデータ信号を供給し、第1グループとは異なる
第2グループの各画素回路に対して第2画像に応じたデータ信号を供給するデータ線駆動
手段と、ひとつのフレーム期間のうちの第1期間において第1グループの各画素回路の発
光素子を発光させ、当該フレーム期間のうち第1期間とは異なる第2期間において第2グ
ループの各画素回路の発光素子を発光させる発光制御手段とを具備する。
【0006】
この構成において第1グループの画素回路と第2グループの画素回路とを含む領域に着
目すると、第1期間や第2期間の区別なくフレーム期間ごとに各画素回路の発光素子が発
光および消灯する構成と比較して、各発光素子の実質的な発光の周期は増加する。したが
って、フリッカを抑制することができる。また、第1期間および第2期間にて表示される
各画像は、ひとつのフレーム期間のうち互いに相違する各時点に対応した態様の画像であ
る。したがって、表示部に表示される画像がひとつのフレーム期間にわたって維持される
構成と比較して動画ボケを抑制することができる。
【0007】
なお、本発明において表示部を区分したグループの総数は任意である。例えば、表示部
に配列された複数の画素回路が3個以上のグループに区分された構成においては、各グル
ープに対応した画像が画像取得手段によって取得され、各グループの画素回路に対して当
該グループに対応した画像のデータ信号が供給されたうえで、ひとつのフレーム期間にグ
ループごとに定められた各期間において当該グループの各画素回路の発光素子を発光制御
手段が発光させる。このように表示部の画素回路が3個以上のグループに区分された構成
であっても、ひとつのグループを第1グループと把握するとともに他のひとつのグループ
を第2グループと把握すれば、その他のグループに着目するまでもなく当然に本発明の範
囲に含まれる。
【0008】
また、各グループに属する画素回路の分布の態様も任意である。ただし、各画素回路を
駆動するための配線の配置や各画素回路の制御の容易性を考慮すると、複数の画素回路が
不規則に各グループに区分された構成よりも、各々に含まれる画素回路の配列が共通する
複数の単位領域に表示部を区分した構成が望ましい。例えば、表示部が、第1方向に沿っ
て配列する所定数の画素回路を各々が含む複数の回路群を第1方向と交差する第2方向に
配列してなる構成(例えば、X方向に沿って配列する所定数の画素回路を各々が含む複数
行をX方向と直交するY方向に配列してなる構成)においては、各単位領域が、第1グル
ープに属する回路群と当該回路群に隣接して第2グループに属する回路群とを含み、発光
制御手段が、ひとつの回路群の各画素回路に対して共通の発光制御信号を供給することに
よって当該各画素回路の発光素子を発光または消灯させるといった構成が採用される(例
えば第1実施形態および第2実施形態)。より具体的には、複数の回路群のうち奇数番目
の回路群における各画素回路は第1グループに属するとともに、偶数番目の回路群におけ
る各画素回路は第2グループに属し、発光制御手段は、ひとつの回路群の各画素回路に対
して共通の発光制御信号を供給することによって当該各画素回路の発光素子を発光または
消灯させる(例えば第1実施形態)。これらの態様のように第1方向に配列する各発光素
子ごとに第1グループおよび第2グループの何れかに区分される構成によれば、第1方向
に配列する各発光素子を共通の発光制御信号によって制御することができる。また、各グ
ループの画素回路が第2方向にわたって分散的に分布するから、より効果的にフリッカを
抑制することができる。
【0009】
もっとも、第1方向および第2方向の何れかに沿った画素回路の集合を共通のグループ
に区分する必要は必ずしもなく、例えば、複数の画素回路が、第1グループに属する各画
素回路の第1方向および第2方向に第2グループの画素回路が隣接するように各グループ
に区分される構成としてもよい(例えば後述する第3実施形態)。換言すると、第1グル
ープおよび第2グループのうち一方の各発光素子を発光させるとともに他方の各発光素子
を消灯したときに市松模様が表示されるように、複数の画素回路を各グループに区分して
もよい。この構成によれば、各グループの画素回路が第1方向および第2方向の双方にわ
たって分散的に分布するから、第1方向および第2方向の何れか一方に沿った画素回路の
配列ごとに各グループに区分した構成と比較して、より確実にフリッカを抑制することが
できる。
【0010】
このように画素回路が市松模様状に各グループに区分された構成は、発光制御信号が供
給される配線と各画素回路との接続の態様を適宜に選定することによって実現される。す
なわち、例えば、図15や図31に示されるように、複数の回路群のうち一の回路群にお
ける第1グループの各画素回路と、一の回路群に隣接する他の回路群における第1グルー
プの各画素回路とを第1の発光制御線に共通に接続する一方、一の回路群における第2グ
ループの各画素回路と、他の回路群における第2グループの各画素回路とを第2の発光制
御線に共通に接続したうえで、発光制御手段は、各発光制御線を介した発光制御信号の供
給によって各画素回路の発光素子を発光または消灯させる。この態様によれば、発光制御
信号の生成を煩雑化することなく本発明の所期の効果を得ることができる。
【0011】
なお、各画素回路に関わる配線の態様は適宜に変更される。例えば、本発明の好適な態
様において、表示部には、第1方向(例えば図23や図29のX方向)に延在する走査線
と第1方向に延在する発光制御線とを各々が含む複数の配線対が第1方向と交差する第2
方向(例えば図23や図29のY方向)に配列されるとともに、第2方向に沿って相隣接
する各配線対の間隙に、第1方向に配列する所定数の画素回路を含む回路群(例えば各行
に属する画素回路の集合)が配置され、各回路群における第1グループの各画素回路は、
当該回路群からみて第2方向の一方の側に隣接する配線対の走査線および発光制御線に接
続され、第2グループの各画素回路は、当該回路群からみて第2方向の他方の側に隣接す
る配線対の走査線および発光制御線に接続され、各走査線を順次に選択する選択手段を具
備し、データ線駆動手段から出力されるデータ信号は、選択手段が選択した走査線に接続
された各画素回路に供給され、発光制御手段は、各発光制御線を介した発光制御信号の供
給によって各画素回路の発光素子を発光または消灯させる。この態様によれば、各画素回
路がこれに隣接する配線対の走査線または発光制御線に接続されるから、画素回路を走査
線や発光制御線に接続する配線が簡素化されるという利点がある。なお、この態様の具体
例は第4実施形態(図21から図29)として後述される。
【0012】
この態様において、データ信号は、各走査線と各発光制御線とを覆う絶縁層の面上にて
第2方向に延在するデータ線を介して各画素回路に供給され、各画素回路と走査線とを電
気的に接続する第1配線部(例えば図23や図29の配線部511)と、各画素回路と発
光制御線とを電気的に接続する第2配線部(例えば図23や図29の配線部531)とが
絶縁層の面上にデータ線と同層から形成され、第1配線部は、画素回路から第2方向に延
在するとともに絶縁層のコンタクトホール(例えば図23や図29のコンタクトホールC
H1)を介して走査線に導通し、第2配線部は、画素回路から第2方向に延在するととも
に絶縁層のコンタクトホール(例えば図23や図29のコンタクトホールCH2)を介し
て発光制御線に導通する。
この態様によれば、第1配線部や第2配線部がデータ線と同層から形成されるため、各
々が別層から形成される構成と比較して製造コストの低減や製造工程の簡素化が実現され
る。また、各画素回路がこれに隣接する配線対の走査線または発光制御線に接続されるか
ら、第1配線部や第2配線部が絶縁層を挟んで走査線や発光制御線と重なり合う箇所が削
減される。したがって、各配線の容量的な結合(容量の寄生)を抑制することが可能であ
る。なお、本発明において、複数の要素が「同層から形成される」とは、共通の膜体(単
層であるか複数層であるかは不問である)の選択的な除去によって複数の要素が同工程で
形成されることを意味する。
【0013】
なお、各画素回路に対するデータ信号の供給のタイミングと各画素回路の発光素子をデ
ータ信号に応じた輝度で発光させるタイミングとの関係は任意である。例えば、グループ
の区別を問わず総ての画素回路に対して順番にデータ信号を供給したうえで、第1期間で
第1グループの各発光素子を発光させるとともに第2期間で第2グループの各発光素子を
発光させる構成が採用される。ただし、データ信号の供給から実際の発光までの時間長が
各グループの画素回路で相違すると両者の輝度がバラつく可能性がある。したがって、本
発明の望ましい態様においては、第1期間のうち第1グループの各画素回路の発光前のタ
イミングで当該第1グループの各画素回路にデータ信号が供給する一方、第2期間のうち
第2グループの各画素回路の発光前のタイミングで当該第2グループの各画素回路にデー
タ信号が供給される。この構成によれば、データ信号の供給から実際の発光までの時間長
が各画素回路で均等化されるから輝度のムラを抑制することができる。
【0014】
本発明における画像取得手段が各画像を取得する方法は任意である。例えば、外部から
のデータの受信によって各画像を取得する構成が採用される。また、外部から受信したデ
ータに基づいて画像取得手段が各画像を生成してもよい。すなわち、この構成における画
像取得手段は、相前後するフレーム期間での表示が指示された第1原画像および第2原画
像から両者の中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、中間画像生成手段
が生成した中間画像を含む複数の画像の何れかを第1画像としてデータ線駆動手段に指示
するとともに他の画像を第2画像としてデータ線駆動手段に指示する制御手段とを含む。
この態様においては、中間画像および原画像の双方がデータ線駆動手段に指示されてもよ
いし、中間画像生成手段が生成した中間画像のみがデータ線駆動手段に指示されてもよい

【0015】
本発明に係る電子機器は、以上に説明した各態様の発光装置を具備する。この電子機器
の典型例は、発光装置を表示装置として利用した機器である。この種の電子機器としては
、パーソナルコンピュータや携帯電話機などがある。
【0016】
本発明は、発光装置を駆動するための方法としても特定される。この方法は、ひとつの
フレーム期間のうち互いに相違する各時点に対応した態様の第1画像および第2画像を取
得し、複数の画素回路のうち第1グループに属する各画素回路に対して第1画像に応じた
データ信号を供給し、第1グループとは異なる第2グループの各画素回路に対して第2画
像に応じたデータ信号を供給する一方、ひとつのフレーム期間のうちの第1期間において
第1グループの各画素回路の発光素子を発光させ、当該フレーム期間のうち第1期間とは
異なる第2期間において第2グループの各画素回路の発光素子を発光させることを特徴と
する。この方法によっても本発明の発光装置と同様の効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の構成を示すブロック図である。同図に
示されるように、この発光装置100は、画像処理装置10とフレームメモリ20と表示
パネル30とを有する。画像処理装置10は、第1画像データD1から第2画像データD2
を生成する手段である。第1画像データD1は、動画像を構成する各フレーム画像の態様
(各画素の色彩や階調)を指定するデジタルデータであり、発光装置100が搭載される
電子機器のCPUといった上位装置から供給される。一方、第2画像データD2は、表示
パネル30に実際に表示される画像の態様を指定するデジタルデータである。なお、画像
処理装置10の構成や動作の詳細は後述する。
【0018】
表示パネル30は、第2画像データD2に基づいて画像を表示する手段であり、複数の
画素回路60が面状に配列された表示部32と、各画素回路60を第2画像データD2に
応じて駆動する駆動回路(選択回路34、データ線駆動回路36および発光制御回路38
)とを含む。なお、駆動回路や画像処理装置10は、各画素回路60が配列される基板の
表面やこの基板に接合された配線基板にICチップの形態で実装されてもよいし、この基
板の表面に直接的に作り込まれたスイッチング素子(典型的には薄膜トランジスタ)によ
って構成されてもよい。
【0019】
表示部32には、X方向(行方向)に延在する480本の走査線51と、各走査線51に
対を成してX方向に延在する480本の発光制御線53と、X方向に直交するY方向(列方
向)に延在する640本のデータ線55とが形成される。各画素回路60は、走査線51お
よび発光制御線53の対とデータ線55との各交差に対応した位置に配置される。したが
って、これらの画素回路60は縦480行×横640列のマトリクス状に配列する。ただし、画
素回路60の総数や配列の態様は以上の例示に何ら限定されない。
【0020】
駆動回路は、選択回路34とデータ線駆動回路36と発光制御回路38とを含む。選択
回路34は、m本の走査線51の各々を順番に選択するための走査信号Y(Y1、Y2、…
…、Y480)を各走査線51に供給する回路である。さらに詳述すると、選択回路34は
、図2に示されるように、ひとつのフレーム期間Pfを2等分した第1期間Pf1および第
2期間Pf2のうち前半の第1期間Pf1において水平走査期間(1H)ごとに走査線51を
順次に選択し、この選択した走査線51に供給される走査信号Yをハイレベルに遷移させ
るとともに、非選択の各走査線51に供給される走査信号Yをローレベルに維持する。一
方、発光制御回路38は、図2に示されるように、各フレーム期間Pfのうち各行の画素
回路60が実際に発光する期間(以下「発光期間」という)Ponを規定する発光制御信号
C(C1、C2、……、C480)を生成して各発光制御線53に出力する。選択回路34と
発光制御回路38とによっていわゆる走査線駆動回路(Yドライバ)が構成される。
【0021】
データ線駆動回路36は、選択回路34による選択行に属する640個の画素回路60に
データ線55を介してデータ信号X(X1、X2、……、X640)を供給する。各画素回路
60に供給されるデータ信号Xは、第2画像データD2によって当該画素回路60に指定
された階調に応じた電流量の信号である。
【0022】
次に、図3は、ひとつの画素回路60の構成を示す回路図である。なお、同図において
は、第i行(iは1≦i≦480を満たす整数)に属する第j列目(jは1≦j≦640を満た
す整数)の画素回路60のみが図示されているが、その他の画素回路60も同様の構成で
ある。
【0023】
図3に示されるように、画素回路60は、pチャネル型の駆動トランジスタTdrと、n
チャネル型の3個のトランジスタ(発光制御トランジスタTel・選択トランジスタTsel
・スイッチングトランジスタTsw)と、電圧を保持する容量素子Cと、電源の高位側の電
位Vddが供給される電源線と低位側の電位Gndが供給される接地線との間に介挿された発
光素子63とを含む。発光素子63は、有機EL材料からなる発光層を陽極と陰極との間
隙に介在させたOLED素子であり、駆動電流Ielの電流量に応じた階調(輝度)に発光する

【0024】
駆動トランジスタTdrは、駆動電流Ielの電流量を制御するための手段であり、電源の
高位側の電位Vddが供給される電源線にソースが接続されるとともにドレインが発光制御
トランジスタTelのドレインに接続される。この発光制御トランジスタTelは、駆動電流
Ielが実際に発光素子63に供給される発光期間Ponを規定するためのスイッチング素子
であり、ソースが発光素子63の陽極に接続されるとともにゲートが発光制御線53に接
続される。
【0025】
一方、スイッチングトランジスタTswは、駆動トランジスタTdrのゲートとドレインと
の間に介挿されたスイッチング素子であり、そのゲートは選択トランジスタTselのゲー
トとともに走査線51に接続される。選択トランジスタTselは、駆動トランジスタTdr
のドレインとデータ線55との導通および非導通を切り替えるスイッチング素子である。
【0026】
以上の構成において、走査信号Yiがハイレベルに遷移すると、スイッチングトランジ
スタTswがオン状態に遷移することによって駆動トランジスタTdrがダイオード接続され
る。このときに選択トランジスタTselもオン状態となっているから、電源線から駆動ト
ランジスタTdrおよび選択トランジスタTselを経由してデータ信号Xjの電流がデータ線
55に流れ込む。したがって、容量素子Cには、駆動トランジスタTdrのゲートの電位に
応じた電荷(すなわちデータ信号Xjに応じた電荷)が蓄積される。
【0027】
一方、走査信号Yiがローレベルになると、スイッチングトランジスタTswおよび選択
トランジスタTselはともにオフ状態となる。したがって、駆動トランジスタTdrのゲー
ト−ソース間の電圧はその直前の水平走査期間で容量素子Cに蓄積された電荷に応じた電
圧に維持される。この状態において発光制御信号Ciがハイレベルに遷移すると発光制御
トランジスタTelがオン状態に遷移し、この結果として駆動トランジスタTdrのゲートの
電位に応じた駆動電流(すなわちデータ信号Xjの電流量に応じた電流)Ielが電源線か
ら駆動トランジスタTdrおよび発光制御トランジスタTelを経由して発光素子63に供給
される。そして、発光素子63は駆動電流Ielに比例した輝度に発光する。以上のように
発光素子63の輝度が画素回路60ごとに制御されることによって表示部32には第2画
像データD2に応じた所望の画像が表示される。
【0028】
次に、画像処理装置10の具体的な構成および動作を説明する。図1に示されるように
、画像処理装置10は、中間画像生成部12と制御部14とを含む。中間画像生成部12
は、第1画像データD1によって表現される各フレーム画像(以下「原画像」という場合
がある)を補間することによって、相前後する各原画像の中間的な態様の画像(以下「中
間画像」という)を生成する。
【0029】
図4は、画像処理装置10による処理の内容を示す説明図である。各原画像(V1、V2
)に対応する第1画像データD1は、フレーム期間Pf(時間長Tf(例えば1/60秒))ご
とに順次に画像処理装置10に供給されてフレームメモリ20に書き込まれる。中間画像
生成部12は、相前後する原画像V1および原画像V2の第1画像データD1に基づいて、
原画像V1が表示されるべき時刻「0」からフレーム期間Pfの半分の時間長が経過した時
刻「1/2*Tf」における中間画像E1を生成してその画像データをフレームメモリ20に格
納する。例えば、中間画像生成部12は、原画像V1および原画像V2から抽出される被写
体Obの動きベクトルに基づいて中間画像E1を生成する。この中間画像E1は、原画像V1
における被写体Obの位置と原画像V2における被写体Obの位置との略中点に被写体Obが
配置された画像となる。なお、中間画像E1を生成する方法は以上の例示に限定されず、
公知である総ての方法を採用することができる。
【0030】
一方、図1に示される制御部14は、原画像V1の第1画像データD1と中間画像E1の
画像データとから第2画像データD2を生成してデータ線駆動回路36に出力する。この
第2画像データD2は、図5に示されるように、原画像V1の奇数行に属する各画素Pixと
中間画像E1の偶数行に属する各画素Pixとを縦方向に交互に配列した画像R1を示すデー
タである。つまり、第2画像データD2が示す画像R1のうち、第1行に属する各画素Pix
は原画像V1の第1行に相当し、第2行に属する各画素Pixは中間画像E1の第2行に相当
し、第3行に属する各画素Pixは原画像V1の第3行に相当する。
【0031】
次に、図6は、以上の手順で生成された第2画像データD2に基づいてデータ線駆動回
路36がデータ信号Xjを出力する動作と選択回路34による選択の動作との関係を示す
タイミングチャートである。同図に示されるように、奇数行目の走査線51が選択される
各水平走査期間においては、原画像V1の奇数行の画素(V1[1,j]、V1[3,j]、……、V1
[479,j])に対応したデータ信号Xjが選択行(奇数行)の各画素回路60に供給される。
一方、偶数行目の走査線51が選択される各水平走査期間においては、中間画像E1の偶
数行の画素(E1[2,j]、E1[4,j]、……、E1[480,j])に対応したデータ信号Xjが選択
行(偶数行)の各画素回路60に供給される。
【0032】
一方、発光制御回路38は、フレーム期間Pfのうち前半の第1期間Pf1において奇数
行目の各画素回路60の発光素子63が発光し、かつ、後半の第2期間Pf2において偶数
行目の各画素回路60の発光素子63が発光するように、発光制御信号C1ないしC480を
生成して各発光制御線53に出力する。さらに詳述すると、発光制御回路38は、図2に
示されるように、第1期間Pf1において奇数行(第(2k+1)行)の各走査線51に供給さ
れる走査信号Y2k+1がハイレベルからローレベルに立ち下がると(本実施形態におけるk
は0≦k≦239を満たす整数)、その走査線51と対を成す発光制御線53に供給され
る発光制御信号C2k+1を発光期間Ponにわたってハイレベルに維持する。また、発光制御
回路38は、偶数行目の発光制御線53に供給される発光制御信号C2k+2を第1期間Pf1
においてローレベルに維持する。一方、第2期間Pf2において、発光制御回路38は、偶
数行(第(2k+2)行)の発光制御線53に供給される発光制御信号C2k+2を発光期間Pon
にわたって順次にハイレベルに遷移させるとともに、奇数行の発光制御信号C2k+1をロー
レベルに維持する。
【0033】
以上の動作の結果、図2に示した第1期間Pf1においては、図4に画像G1として示さ
れるように、ハイレベルの発光制御信号C2k+1によって発光した奇数行目の発光素子63
によって原画像V1の奇数行目の各画素が表示され、偶数行目の発光素子63はローレベ
ルの発光制御信号C2k+2によって消灯する(同図において黒色に塗り潰された領域)。一
方、第2期間Pf2においては、図4に画像G2として示されるように、ハイレベルの発光
制御信号C2k+2によって発光した偶数行目の発光素子63によって中間画像E1の偶数行
目の各画素が表示され、奇数行目の発光素子63はローレベルの発光制御信号C2k+1によ
って消灯する。以上の動作がフレーム期間Pfごとに繰り返される。
【0034】
ここで、各発光素子63の発光がフレーム期間Pfの全区間にわたって維持されるホー
ルド型の表示ではなく、各発光素子63を間欠的に発光させる方法を採用した場合には、
各発光素子63の発光と消灯との周期的な切り替わりに起因してフリッカが顕在化する可
能性がある。この間欠的な発光に起因したフリッカを抑制するための方策としては、フレ
ームレートの上昇(すなわち発光と消灯との切り替わりの周期の短縮)が考えられる。本
実施形態においては、奇数行目の各画素回路60がひとつのフレーム期間Pfの第1期間
Pf1で順次に発光するとともに偶数行目の各画素回路60がそのフレーム期間Pfの第2
期間Pf2で順次に発光する。つまり、Y方向に隣接する2行を単位(ブロック)として考
えると、第1画像データD1について予定されたフレーム期間Pfの略半分の周期で発光と
消灯とが繰り返される。したがって、本実施形態によれば、観察者によって知覚されるフ
リッカを、表示パネル30のフレームレートを実質的に2倍に上昇させた場合と同等に抑
制することができる。
【0035】
ところで、以上の効果を得るための構成としては、奇数行目の各画素回路60および偶
数行目の各画素回路60の双方によって原画像(V1やV2)を表示する構成(以下「対比
例」という)も考えられる。すなわち、原画像(V1、V2)を指定する第1画像データD
1をそのままの内容でデータ線駆動回路36に供給し、第1期間Pf1においては奇数行目
の各画素回路60の発光によって原画像の奇数行目の各画素を表示する一方、第2期間P
f2においては偶数行目の各画素回路60の発光によって原画像の偶数行目の各画素を表示
するのである。しかしながら、この対比例においては、観察者によって知覚される動画ボ
ケが顕著となるという問題がある。この問題点について詳述すると以下の通りである。
【0036】
図7(a)は、縦4行×横24列の画素回路60に指示される原画像(V1、V2、V3)の
態様を示す図であり、図7(b)は、各フレーム期間Pfの第1期間Pf1および第2期間Pf2
にて実際に表示パネル30に表示される画像の態様を示す図である。同図(a)における縦
軸は時間を示す。ここでは、各発光素子63の発光によって表示される被写体Bが黒色(
ハッチングが施された領域)を背景としてフレーム期間Pfごとに画素の8個分ずつ右方
に移動していく場合が想定されている。
【0037】
図7(a)に示されるように、各画素回路60には、ひとつのフレーム期間Pfの始点から
終点までにわたってひとつの原画像(V1ないしV3)の表示が指示される。そして、図7
(b)に示されるように、各フレーム期間Pfの第1期間Pf1においては、原画像のうち奇数
行の各画素が奇数行の発光素子63の発光によって表示され、第2期間Pf2においては原
画像の偶数行の各画素が偶数行の発光素子63の発光によって表示される。
【0038】
一方、この画像を視認する観察者は被写体Bの移動に追従するように視点を移動させる
。いま、被写体Bの移動に対して精度よく充分に滑らかに視点が追従すると仮定すると、
観察者の視点は、図7(b)の矢印VLによって示されるように、被写体Bに追従するよう
に略一定の速度で連続的に右方に移動していく。
【0039】
ここで、図7(c)は、以上の画像(被写体B)を視認する観察者の網膜上の特定の部位
に形成される被写体Bの画像を、この部位を基準とした相対的な位置に配置した説明図で
ある。以上に説明したように観察者の視点は略定速で右方に移動するのに対して被写体B
はフレーム期間Pfごとに離散的に右方に移動していくから、第2期間Pf2にて観察者に
知覚される被写体Bの位置は、第1期間Pf1で知覚される被写体Bの位置よりも相対的に
左方にズレる。したがって、観察者に実際に知覚される被写体Bの輪郭はひとつのフレー
ム期間Pf内で範囲Δにわたって変動する。この結果として被写体Bの輪郭が不明確に知
覚されるのである。換言すると、被写体Bの階調とその背景の階調とがひとつのフレーム
期間Pfにわたって平均化(積分)されるためにその輪郭が不明瞭に知覚されると説明す
ることもできる。
【0040】
これに対し、本実施形態においては、図8(a)に示されるように、各フレーム期間Pfの
第1期間Pf1において原画像(V1、V2、V3)が表示される一方、相前後する各原画像
から生成された中間画像(E1、E2)が各フレーム期間Pfの第2期間Pf2にて表示され
る。図8(b)は、各フレーム期間Pfの第1期間Pf1および第2期間Pf2の各々で実際に表
示パネル30に表示される画像の態様を示す図である。同図に示されるように、第2期間
Pf2に表示される被写体Bは、その直前の第1期間Pf1で表示された被写体Bを画素の4
個分だけ右方に移動させたものとなる。すなわち、利用者に知覚される被写体Bは、第1
期間Pf1および第2期間Pf2の各々において、図8(b)に矢印VLで示される視線の移動
に追従するように移動していく。したがって、図8(c)に示されるように、観察者によっ
て知覚される被写体Bの位置にズレは生じない。なお、ここでは被写体Bが水平方向に移
動する場合を想定したが、被写体Bが鉛直方向に移動する場合にも同様の作用および効果
が得られる。以上に説明したように、本実施形態によればフリッカおよび動画ボケの双方
を有効に抑制することができる。
【0041】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下に例示する各実施形態のう
ち第1実施形態と同様の要素については共通の符号を付してその説明を適宜に省略する。
【0042】
第1実施形態においては、画素回路60を奇数行目と偶数行目とで2個のグループに区
分し、奇数行目のグループの各画素回路60を第1期間Pf1に発光させるとともに偶数行
目のグループの各画素回路60を第2期間Pf2に発光させる構成を例示した。しかしなが
ら、本発明において表示部32を区分したグループの総数は任意である。本実施形態にお
いては、表示部32を構成する複数の画素回路60が3個のグループに区分された場合を
例示する。
【0043】
図9は、本実施形態における各グループの区分の仕方を説明するための図である。同図
に示されるように、本実施形態においては、Y方向に連続して並列する3行を単位として
表示部32が複数の単位領域B(B1ないしB160)に区分される。そして、各単位領域B
における第1行目(表示部32の全体としてみると第(3k+1)行目)の各画素回路60が
第1グループに区分され、各単位領域Bにおける第2行目(表示部32の全体における第
(3k+2)行目)の各画素回路60が第2グループに区分され、各単位領域Bにおける第3
行目(第(3k+3)行目)の各画素回路60が第3グループに区分される(本実施形態にお
けるkは0≦k≦159を満たす整数)。一方、本実施形態における各フレーム期間Pf
(時間長Tf)は、各々の時間長が「1/3*Tf」である第1期間Pf1と第2期間Pf2と第3
期間Pf3とに区分される。発光制御回路38は、第1グループの各画素回路60を第1期
間Pf1にて発光させ、第2グループの各画素回路60を第2期間Pf2にて発光させ、第3
グループの各画素回路60を第3期間Pf3にて発光させる。本実施形態における各部の具
体的な動作は以下の通りである。
【0044】
図10は、本実施形態における画像処理装置10による処理の内容を示す説明図である
。同図に示されるように、本実施形態における中間画像生成部12は、相前後する各原画
像(V1、V2)の第1画像データD1に基づいて、原画像V1が表示されるべき時刻(0)
から原画像V2が表示されるべき時刻(Tf)までのフレーム期間Pfを3等分する各時点
(1/3*Tf、2/3*Tf)に対応した態様の中間画像(E1,E2)を生成し、その画像データ
をフレームメモリ20に格納する。例えば、原画像V1および原画像V2から抽出される動
きベクトルに時点「1/3*Tf」に対応した係数「1/3」を乗算し、この乗算の結果から中間
画像E1が生成される。また、この動きベクトルに時点「2/3*Tf」に対応した係数「2/3
」を乗算した結果から中間画像E2が生成される。このように、中間画像E1およびE2は
、ひとつの動きベクトルに乗算される按分比を変更することによって生成され、各々につ
いて動きベクトルを算定する必要はない。したがって、複数の中間画像を生成するとは言
っても、第1実施形態と比較して演算量が大幅に増大することはない。
【0045】
制御部14から出力される第2画像データD2の画像は、原画像V1を3行ごとに区分し
た各ブロックに属する第1行目の画像と、中間画像E1を3行ごとに区分した各ブロック
に属する第2行目の画素と、中間画像E2を3行ごとに区分した各ブロックに属する第3
行目の画素とを順番に配列した態様となる。したがって、図11に示されるように、第(
3k+1)行目の走査信号Y(Y1、Y4、Y7、……、Y478)がハイレベルとなる水平走査期
間においては、第1グループに属する第(3k+1)行目の各画素回路60に対して、原画像
V1の第(3k+1)行目の画素(V1[1,j]、V1[4,j]、……、V1[478,j])に応じたレベル
のデータ信号Xjが供給される。同様に、第2グループに属する第(3k+2)行目の各画素
回路60には、中間画像E1のうち第(3k+2)行目の画素(E1[2,j]、E1[5,j]、……、
E1[479,j])に応じたレベルのデータ信号Xjが供給され、第3グループに属する第(3k+
3)行目の各画素回路60には、中間画像E2のうち第(3k+3)行目の画素(E2[3,j]、E
2[6,j]、……、E2[480,j])に応じたレベルのデータ信号Xjが供給される。
【0046】
図12は、選択回路34および発光制御回路38の動作を示すタイミングチャートであ
る。同図に示されるように、選択回路34は、フレーム期間Pfを3等分した期間(第1
期間Pf1・第2期間Pf2・第3期間Pf3)のうち第1期間Pf1において480本の走査線5
1の各々を順番に選択する。一方、発光制御回路38は、第(3k+1)行目の各発光制御線
53に供給される発光制御信号C3k+1を第1期間Pf1に順番にハイレベルに遷移させるこ
とによって、第1グループに属する発光素子63(各単位領域Bに属する第1行目の発光
素子63)を第1期間Pf1内に順番に発光させる。また、発光制御回路38は、第(3k+2
)行目に対応する各発光制御信号C3k+2を第2期間Pf2に順番にハイレベルに遷移させる
ことによって第2グループに属する各発光素子63を第2期間Pf2内に順番に発光させる
。さらに、発光制御回路38は、各発光制御信号C3k+3を第3期間Pf3内にハイレベルに
遷移させることによって第3グループの各発光素子63を第3期間Pf3内に順番に発光さ
せる。
【0047】
以上の動作の結果、図10に示した時刻「0」から時刻「1/3*Tf」までの第1期間Pf1
においては、同図に画像G1として示されるように、第1グループに属する各発光素子6
3の発光によって原画像V1が表示され、第2グループおよび第3グループに属する各発
光素子63は消灯する。同様に、時刻「1/3*Tf」から時刻「2/3*Tf」までの第2期間P
f2においては第2グループの各発光素子63のみの点灯によって中間画像E1が表示され
(画像G2)、時刻「2/3*Tf」から時刻「Tf」までの第3期間Pf3においては第3グル
ープの各発光素子63によって中間画像E2が表示される(画像G3)。以上の動作がフレ
ーム期間Pfごとに繰り返される。
【0048】
以上のように、本実施形態においては、フレーム期間Pfを3等分した周期でひとつの
単位領域Bの各行の発光素子63が発光と消灯とを繰り返す。したがって、観察者によっ
て知覚されるフリッカを、表示パネル30のフレームレートを3倍に上昇させた場合と実
質的に同等の程度まで抑制することができる。また、観察者に知覚される画像が保持され
る発光期間Ponの時間長は短縮されるから、第1実施形態よりも動画ボケを抑制すること
ができる。
【0049】
<C:第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第1実施形態および第2実施形態にお
いては、複数の画素回路60が行単位でグループに区分される構成を例示したが、グルー
プの区分の仕方は任意である。図13は、本実施形態における各グループの区分の仕方を
説明するための図である。同図において「1」が付記された矩形は第1グループの画素回
路60を示し、「2」が付記された矩形は第2グループの画素回路60を示している。
【0050】
図13に示されるように、本実施形態においては、X方向およびY方向の双方にわたっ
て第1グループの画素回路60と第2グループの画素回路60とが隣接するように(つま
り第1グループに属するひとつの画素回路60のX方向およびY方向に第2グループの画
素回路60が隣接するように)、複数の画素回路60が第1グループおよび第2グループ
に区分される。したがって、第1グループおよび第2グループの一方の画素回路60を発
光させるとともに他方の画素回路60を消灯させた場合には、白色の画素と黒色の画素と
がX方向およびY方向にわたって互い違いに配列された市松模様が表示部32に表示され
ることになる。
【0051】
図14は、本実施形態の動作を示す説明図である。同図に示されるように、本実施形態
においては第1実施形態と同様に、フレーム期間Pfにおける始点(時刻「0」)と終点(
時刻「Tf」)との中点に相当する時刻「1/2*Tf」にて表示されるべき中間画像E1が中
間画像生成部12によって生成される。制御部14は、原画像V1のうち奇数行目に属す
る奇数列目の画素および偶数行目に属する偶数列目の画素と、中間画像E1のうち奇数行
目に属する偶数列目の画素および偶数行目に属する奇数列目の画素とを組み合わせた画像
の第2画像データD2を生成してデータ線駆動回路36に出力する。そして、第1期間Pf
1においては第1グループの各画素回路60の発光によって原画像V1が表示されるととも
に(図14の画像G1)、第2期間Pf2においては第2グループの各画素回路60の発光
によって中間画像E1が表示される(同図の画像G2)。
【0052】
一方、各画素回路60の発光素子63を以上のようなパターンで発光および消灯させる
ために、本実施形態における表示部32は図15に例示される構成となっている。いま、
Y方向に隣接する第(2k+1)行目と第(2k+2)行目とに着目する。同図に示されるように
、第(2k+1)行に属する640個の画素回路60のうち奇数列目の画素回路60は第(2k+1
)行目の発光制御線53に接続される一方、同行に属する偶数列目の画素回路60は第(
2k+2)行目の発光制御線53に接続される。また、第(2k+2)行に属する奇数列目の画素
回路60は第(2k+2)行目の発光制御線53に接続される一方、同行に属する偶数列目の
画素回路60は第(2k+1)行目の発光制御線53に接続される。例えば、発光制御信号C
1が供給される第1行目の発光制御線53には、第1行に属する奇数列目の画素回路60
と第2行に属する偶数列目の画素回路60とが接続され、発光制御信号C2が供給される
第2行目の発光制御線53には、第1行に属する偶数列目の画素回路60と第2行に属す
る奇数列目の画素回路60とが接続される。
【0053】
本実施形態における発光制御信号C(C1ないしC480)の波形は第1実施形態(図2)
と同様である。しかしながら、本実施形態においては各発光制御線53と各画素回路60
とが図15のように接続されているから、第1期間Pf1において例えば第1行目の発光制
御線53に供給される発光制御信号C1がハイレベルになると、図14に画像G1として例
示されるように、第1行目に属する奇数列目の発光素子63と第2行目に属する偶数列目
の発光素子63とが同時に発光する。一方、第2期間Pf2において例えば第2行目の発光
制御線53に供給される発光制御信号C2がハイレベルになると、図14に画像G2として
例示されているように、第1行目に属する偶数列目の発光素子63と第2行目に属する奇
数列目の発光素子63とが同時に発光する。
【0054】
本実施形態においても第1実施形態と同様の効果が奏される。加えて、本実施形態にお
いては、第1グループの画素回路60と第2グループの画素回路60とが第1実施形態よ
りも分散的に分布するから、表示部32の全体にわたる画質を容易に均一化することがで
きる。なお、X方向およびY方向の双方にわたってグループを区分する方法は以上の例示
に何ら限定されない。例えば以下の各態様を採用することもできる。
【0055】
<C−1:第1の態様>
図16(b)は、第1期間Pf1および第2期間Pf2の各々における各発光素子63の点灯
および消灯の様子を示す図である。同図においてハッチングが施された矩形は消灯中の画
素回路60を示し、ハッチングが施されていない矩形は発光中の画素回路60を示す。本
実施形態においては、図16(a)に示されるように、表示部32を構成する複数の画素回
路60が縦4行×横2列の単位領域Bに区分される。図16(a)において「1」が付され
た矩形は第1グループに区分される画素回路60を示し、「2」が付された矩形は第2グ
ループに区分される画素回路60を示している。
【0056】
ひとつの単位領域Bのうち第1グループに属する4個の画素回路60(第1列の第1行
および第4行ならびに第2列の第2行および第3行)は、図16(b)に示されるように各
フレーム期間Pfの第1期間Pf1にて発光する。一方、ひとつの単位領域Bのうち第2グ
ループに属する4個の画素回路60は、図16(b)に示されるように各フレーム期間Pfの
第2期間Pf2にて発光する。このようなパターンでの発光は、図15の例示と同様に、発
光制御線53と各画素回路60との接続の態様を適宜に選定することによって実現される

【0057】
<C−2:第2の態様>
単位領域Bの形状は矩形に限定されない。例えば、図17(a)に示されるように、本態
様における単位領域Bは、X方向に配列する4個の画素回路60と、これらの画素回路6
0のうち中間の2個の画素に対してY方向の正側に隣接する2個の画素回路60と、この
中間の2個の画素に対してY方向の負側に隣接する2個の画素とを含む凹12角形である
。表示部32が図17(a)の形状の単位領域Bに区分された構成のもとでは、第1期間Pf
1および第2期間Pf2の各々における各発光素子63の発光および消灯のパターンは図1
7(b)のようになる。
【0058】
<C−3:第3の態様>
第1および第2の態様においては表示部32が2個のグループに区分された構成を例示
したが、第2実施形態のように表示部32が3個(あるいは4個以上)のグループに区分
される態様においても同様の構成が採用される。
【0059】
例えば、図18(a)に示されるように、表示部32を縦2行×横3列の単位領域Bに区
分し、この単位領域Bに属する6個の画素回路60のなかから相互に重複しないように選
択された2個の画素回路60の組み合わせごとに別個のグループに区分してもよい。すな
わち、図18(a)の例示では、各単位領域Bに属する6個の画素回路60のうち、第1行
第1列および第2行第3列に属する2個の画素回路60が第1グループに区分され、第1
行第2列および第2行第1列に属する2個の画素回路60が第2グループに区分され、第
1行第3列および第2行第2列に属する2個の画素回路60が第3グループに区分される
。そして、図18(b)に示されるように、第1グループに属する各画素回路60の発光素
子63はひとつのフレーム期間Pfの第1期間Pf1にて発光し、第2グループの各発光素
子63は第2期間Pf2にて発光し、第3グループの各発光素子63は第3期間Pf3にて発
光する。
【0060】
なお、本態様においても単位領域Bの形態(形状やサイズ)は任意に変更される。例え
ば、表示部32を図19(a)の単位領域Bに区分した場合における各発光素子63の発光
のパターンは図19(b)のようになる。また、表示部32を図20(a)の単位領域Bごとに
区分することによって複数の画素回路60を4個のグループに区分してもよい。この態様
においても、図20(a)に示されるように、ひとつのフレーム期間Pfを4等分した各期間
(Pf1、Pf2、Pf3、Pf4)において各グループの発光素子63が発光する。
【0061】
以上のように様々な発光のパターンが採用され得る。実際の設計の場面では、各発光制
御線53のレイアウトの簡素性や画素回路60との接続の確実性が担保されるように表示
パネル30の構成(例えば画素回路60や走査線51やデータ線55の配置の態様)に応
じて何れかの態様が採用される。あるいは、各態様のもとで発生するフリッカの程度や画
像の品位などの評価の結果を踏まえて何れかの態様が採用される。このように本実施形態
においては、各行を単位として画素回路60がグループに区分される第1実施形態や第2
実施形態と比較して発光のパターンが多様化されるから、発光装置100の設計の自由度
を向上させることができるという利点がある。
【0062】
<D:第4実施形態>
図15に例示した形態(第3実施形態)においては、画素回路60を走査線51や発光
制御線53に接続するための配線を多くの箇所で走査線51や発光制御線53と交差させ
る必要がある。例えば、図15において、第2行に属する偶数列目(例えば第2行第2列
)の画素回路60と第1行目の発光制御線53とを接続する配線は、第1行目の走査線5
1および第2行目の走査線51・発光制御線53という計3本の配線と交差する。このよ
うに各配線の交差が多い構成においては、配線間に容量が寄生して信号の波形を鈍化させ
るという問題や、画素回路60における開口率(画素回路60が占有する面積のうち実際
に発光素子63からの放射光が出射する領域の割合)が低下するといった問題が生じ得る
。本実施形態は、各配線の形態を簡素化して以上の問題を解消するための形態である。
【0063】
図21は、本実施形態における表示部32の電気的な構成を示すブロック図である。同
図に示すように、本実施形態の表示部32には、X方向に延在する走査線51および発光
制御線53を各々が含む481組の配線対がY方向に沿って配列される。Y方向に沿って相
隣接する配線対の間隙(480行)の領域には640個の画素回路60がX方向に配列する。図
21に示すように、第i行に属する640個の画素回路60のうち奇数列目の画素回路60
はそのY方向における負側に隣接する第i行目の配線対(走査線51および発光制御線5
3)に接続され、偶数列目の画素回路60はそのY方向における正側に隣接する第(i+1)
行目の配線対(走査線51および発光制御線53)に接続される。
【0064】
図22は、選択回路34および発光制御回路38の動作を説明するためのタイミングチ
ャートである。同図に示されるように、本実施形態の選択回路34は、フレーム期間Pf
の前半である第1期間Pf1において、奇数行目の各走査線51に供給される走査信号Y2k
+1(Y1,Y3,……,Y479,Y481)を水平走査期間ごとに順番にハイレベルに遷移させ
る。また、選択回路34は、フレーム期間Pfの後半である第2期間Pf2において、偶数
行の走査信号Y2k+2(Y2,Y4,……,Y480)を水平走査期間ごとに順番にハイレベル
に遷移させる。一方、発光制御回路38は、第i行目の発光制御線53に供給される発光
制御信号Ciを、走査信号Yiがローレベルに立ち下がった直後から発光期間Ponにてハイ
レベルに維持する。
【0065】
図21の構成から理解されるように、第1期間Pf1の各水平走査期間に続いて奇数行の
各発光制御信号C2k+1がハイレベルに遷移すると、奇数行に属する奇数列目および偶数行
に属する偶数列目に属する奇数列目の各画素回路60(第1グループ)において発光素子
63が発光する。また、第2期間Pf2の各水平走査期間に続いて偶数行の各発光制御信号
C2k+2がハイレベルに遷移すると、奇数行に属する偶数列目および偶数行に属する奇数列
目の各画素回路60(第2グループ)において発光素子63が発光する。すなわち、本実
施形態においても第3実施形態と同様の態様(図13)で複数の画素回路60が第1グル
ープと第2グループとに区分される。図21においては、第1グループの各画素回路60
については符号「1」が、第2グループの各画素回路60については符号「2」が、各画
素回路60を示す四角形の内側に併記されている(図28や図32においても同様である
)。
【0066】
データ線駆動回路36は、第1期間Pf1の各水平走査期間において、原画像V1のうち
奇数行に属する奇数列目および偶数行に属する偶数列目の各画素(第1グループ)に対応
したデータ信号Xjを出力する。また、第2期間Pf2の各水平走査期間において、データ
線駆動回路36は、中間画像E1のうち奇数行に属する偶数列目および偶数行に属する奇
数列目の各画素(第2グループ)に対応したデータ信号Xjを出力する。以上の動作によ
って、図14に例示した第3実施形態と同様に、第1グループの各発光素子63の発光に
よって原画像V1が表示され、第2グループの各発光素子63の発光によって中間画像E1
が表示される。
【0067】
図23は、各配線および画素回路60の具体的な構造を示す平面図である。各走査線5
1および各発光制御線53はアルミニウムなどの導電性材料によって基板(図示略)の面
上に形成される。本実施形態における走査線51および発光制御線53は、基板に形成さ
れた導電膜の選択的な除去によって同一の工程にて一括的に形成される(すなわち同層か
ら形成される)。走査線51と発光制御線53とが形成された基板の表面は絶縁層(図示
略)に覆われる。この絶縁層の面上には、図23に示されるように、データ線55と電源
線58と配線部511および配線部531とが、アルミニウムなどの導電性材料によって
同層から形成される。以上のように複数の要素が同層から形成される構成によれば、各々
が別層から形成される構成と比較して製造工程の簡素化や製造コストの低減が実現される

【0068】
電源の高位側の電位Vddを供給するための電源線58は、図23に示されるようにデー
タ線55と間隔をあけてY方向に延在する。画素回路60は、基板に垂直な方向からみて
、Y方向に隣接する各配線対とX方向に隣接するデータ線55および電源線58とに四方
を包囲された領域に配置される。画素回路60は、相互に接続された駆動部61と発光素
子63とを含む。駆動部61は、発光素子63を駆動するための回路(図3の画素回路6
0のうち発光素子63を除外した部分)であり、X方向に隣接するデータ線55および電
源線58の各々に対して電気的に接続される。
【0069】
配線部511は、駆動部61と走査線51とを電気的に接続する配線である。この配線
511は、駆動部61(スイッチングトランジスタTswのゲート電極および選択トランジ
スタTselのゲート電極)からY方向に延在し、絶縁層を貫通するコンタクトホールCH1
を介して走査線51に導通する。一方、配線部531は、駆動部61と発光制御線53と
を電気的に接続する配線である。この配線部531は、駆動部61(発光制御トランジス
タTelのゲート電極)からY方向に延在し、絶縁層を貫通するコンタクトホールCH2を
介して発光制御線53に導通する。
【0070】
図23に示されるように、各画素回路60の駆動部61は、この画素回路60の接続先
となる走査線51および発光制御線53とこの画素回路60の発光素子63との間隙に配
置される。したがって、図23に示すように、奇数列(例えば図23の左列および右列)
の各画素回路60における配線部511および配線部531は、駆動部61からY方向の
負側に延在して走査線51や発光制御線53と重なり合う。また、偶数列(例えば図23
の中央列)の各画素回路60における配線部511および配線部531は、駆動部61か
らY方向の正側に延在して走査線51や発光制御線53と重なり合う。
【0071】
以上に説明したように、本実施形態における各画素回路60は、そのY方向の正側また
は負側の何れかに隣接する配線対(走査線51および発光制御線53)に接続される。こ
の構成によれば、配線部511や配線部531の形態(形状)が簡素化されるから、各配
線のレイアウトの自由度を維持しながら、各々の断線や短絡を防止するとともに画素回路
60の開口率を抑制することができる。また、本実施形態においては、他の要素(走査線
51や発光制御線53など)と複数回にわたって交差するように配線部511や配線部5
31を引き廻す必要はない。この構成によれば、図15の構成と比較して、各配線に寄生
する容量(走査線51または発光制御線53と配線部511または配線部531との間に
寄生する容量)が低減される。したがって、走査信号Yiや発光制御信号Ciといった各信
号の波形の鈍りを抑制して画素回路60の各トランジスタを高速に動作させることができ
る。
【0072】
なお、以上の形態においては、第480行に属する第1グループの各画素回路60を駆動
するために、画素回路60の行数よりも多い481組の配線対が形成された構成を例示した
。しかしながら、第480行に属する第1グループの各画素回路60が画像の表示に際して
目立たない場合(例えば筐体の背後に隠れる場合)や、第480行に属する各画素回路60
が表示に使用されない場合(例えば第2画像データD2によって指定される画像の行数が
表示部32における画素回路60の行数よりも少ない場合)には、第481行目の配線対を
省略してもよい。
【0073】
本実施形態においても複数の画素回路60を各グループを区分する方法は任意である。
例えば以下の各態様を採用することもできる。
【0074】
<D−1:第1の態様>
図24(a)に例示されるように、表示部32が3個(あるいは4個以上)のグループに
区分された構成としてもよい。同図においては、表示部32が縦3行×横2列の単位領域
Bに隙間なく区分された場合が例示されている。各単位領域Bに属する6個の画素回路6
0のうち、第1行第1列および第3行第2列の2個の画素回路60は第1グループ(図2
4(a)の符号「1」)に区分され、第1行第2列および第2行第1列の2個の画素回路6
0は第2グループ(同図の符号「2」)に区分され、第2行第2列および第3行第1列の
2個の画素回路60は第3グループ(同図の符号「3」)に区分される。
【0075】
以上のようなグループの区分は、図21および図23と同様の構成のもとで、選択回路
34および発光制御回路38を図25のように動作させることで実現される。図25に示
されるように、本実施形態においてはひとつのフレーム期間Pfが3個の期間(Pf1・Pf
2・Pf3)に分割される。第1期間Pf1においては、走査信号Y3k+1(Y1,Y4,……,
Y478,Y481)が水平走査期間ごとに順番にハイレベルとなる。同様に、第2期間Pf2に
おいては走査信号Y3k+2(Y2,Y5,……,Y479)が順番にハイレベルとなり、第3期
間Pf3においては走査信号Y3k+3(Y3,Y6,……,Y480)が順番にハイレベルとなる
。また、発光制御信号Ciは、走査信号Yiがローレベルに立ち下がった直後から発光期間
Ponにわたってハイレベルを維持する。
【0076】
図21および図23の構成のもとで図25のように各信号を生成することによって、図
24(b)に示されるように、第1期間Pf1では第1グループの各発光素子63が発光し、
第2期間Pf2では第2グループの各発光素子63が発光し、第3期間Pf3では第3グルー
プの各発光素子63が発光する。一方、第1期間Pf1のうち第1グループの各画素回路6
0が選択される水平走査期間においては原画像V1に対応したデータ信号Xjが当該画素回
路60に供給される。同様に、第2期間Pf2においては中間画像E1に対応したデータ信
号Xjが第2グループの各画素回路60に供給され、第3期間Pf3においては中間画像E2
に対応したデータ信号Xjが第3グループの各画素回路60に供給される。
【0077】
以上の動作の結果、図26に示されるように、第1期間Pf1においては第1グループの
各発光素子63によって原画像V1が表示され(画像G1)、第2期間Pf2においては第2
グループの各発光素子63によって中間画像E2が表示され(画像G2)、第3期間Pf3に
おいては第3グループの各発光素子63によって中間画像E3が表示される(画像G3)。
すなわち、本実施形態によれば、図23のように配線部511や配線部531の形態を簡
素化しながら、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
<D−2:第2の態様>
本態様においては、図27(a)に例示されるように、表示部32が縦3行×横4列の単
位領域Bに区分される。各単位領域Bに属する12個の画素回路60は、相互に重複しな
いように選択された4個の画素回路60の組み合わせごとに3個のグループ(図27(a)
の符号「1」ないし符号「3」)に区分される。
【0079】
図28は、本態様における表示部32の電気的な構成を示すブロック図である。同図に
示されるように、第i行の各画素回路60は、第i行目の配線対(走査線51および発光
制御線53)および第(i+1)行目の配線対の何れかに接続される。より具体的には、第
(3k+1)行目の各配線対には第1グループの各画素回路60が接続され、第(3k+2)行目の
各配線対には第2グループの各画素回路60が接続され、第(3k+3)行目の各配線対には第
3グループの各画素回路60が接続される。以上の構成において、図25に例示した波形
の走査信号Yiおよび発光制御信号Ciが各画素回路60に供給される。この構成によって
も、第1の態様と同様に、第1グループの各画素回路60によって原画像V1が表示され
、第2グループの各画素回路60によって中間画像E1が表示され、第3グループの各画
素回路60によって中間画像E2が表示される。
【0080】
図29は、各配線と画素回路60との具体的な構造を示す平面図である。同図に示され
るように、各画素回路60の駆動部61は、Y方向に延在する配線部511および配線部
531を介して、そのY方向の正側または負側の何れかに隣接する配線対(走査線51お
よび発光制御線53)に接続される。したがって、図23に例示した構成と同様に、本実
施形態においても、配線部511や配線部531の形態が簡素化されるとともに各配線の
容量的な結合が抑制される。
【0081】
<E:変形例>
以上の各形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば
以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
【0082】
(1)変形例1
第1実施形態から第3実施形態においては、第1期間Pf1内に総ての画素回路60にデ
ータ信号Xが供給される構成を例示した。この構成においては、第1期間Pf1に発光する
第1グループの各画素回路60にデータ信号Xが供給されてから発光素子63が駆動され
るまでの時間長が、他のグループの各画素回路60にデータ信号Xが供給されてから発光
素子63が駆動されるまでの時間長よりも短い。一方、各画素回路60の容量素子Cには
電流のリークが発生し得る。このリークの程度は、データ信号Xに応じた電荷量が容量素
子Cに蓄積されてから経過した時間に応じて相違する。したがって、各発光素子63が実
際に発光し始める時点で容量素子Cに蓄積されている電荷量はグループごとにバラつく場
合がある。そして、この電荷量のバラつきは、各発光素子63の輝度のバラつきとして観
察者に知覚される。
【0083】
このような発光素子63の輝度のバラつきを抑制するために、例えば第1実施形態にお
いては、第1期間Pf1で発光する各画素回路60に対して第1期間Pf1にデータ信号Xを
供給する一方、第2期間Pf2で発光する各画素回路60に対して第2期間Pf2における発
光の直前にデータ信号Xを供給する構成としてもよい。図30は、この態様における選択
回路34および発光制御回路38の動作を説明するためのタイミングチャートである。同
図に示されるように、選択回路34は、第1期間Pf1において、奇数行目の各走査線51
に供給される走査信号Y2k+1を順番にハイレベルに遷移させる一方、第2期間Pf2におい
ては、偶数行目の各走査線51に供給される走査信号Y2kを順番にハイレベルに遷移させ
る。一方、発光制御回路38は、第i行目の発光制御線53に供給される発光制御信号C
iを、走査信号Yiがローレベルに立ち下がった直後から発光期間Ponにわたってハイレベ
ルに維持する。
【0084】
本変形例の構成によれば、各画素回路60にデータ信号Xが供給されてから実際に発光
素子63が発光するまでの時間長を奇数行目の画素回路60と偶数行目の画素回路60と
で略一致させることができるから、容量素子Cにおけるリークの程度の相違に起因した発
光素子63の輝度のバラつきは抑制される。なお、ここでは第1実施形態の構成に本変形
例を適用した場合を例示したが、第2実施形態や第3実施形態にも同様の構成を適用する
ことができる。また、第4実施形態(図22や図25)でも同様の効果が奏される。
【0085】
(2)変形例2
各実施形態においては、原画像V1と中間画像E1(第2実施形態においてはE1および
E2)とを合成した画像R1の第2画像データD2がデータ線駆動回路36に出力される構
成を例示したが、原画像V1の第1画像データD1および中間画像E1の画像データの双方
がデータ線駆動回路36に供給される構成としてもよい。この構成におけるデータ線駆動
回路36は、例えば、原画像V1の第1画像データD1から奇数行目の画素回路60に対応
したデータ信号Xを生成して各データ線55に出力するとともに、中間画像E1の画像デ
ータから偶数行目の画素回路60に対応したデータ信号Xを生成して各データ線55に出
力する。
【0086】
(3)変形例3
各実施形態においては、説明の便宜のために、全画素に対応した1枚のフレーム画像が
中間画像E1(あるいはE2)として生成される構成を例示したが、中間画像生成部12が
生成する中間画像はフレーム画像の一部であってもよい。例えば、第1実施形態における
中間画像E1は偶数行目の画素回路60によってのみ表示されるから、偶数行目の画素の
みを含む画像が中間画像E1として中間画像生成部12によって生成される構成としても
よい。
【0087】
(4)変形例4
各々が別個の色彩(例えば赤色と緑色と青色)に対応する複数の画素回路60の配列に
よってカラー画像を表示する発光装置にも各実施形態が適用される。この種の発光装置に
おいては、ひとつの画素に対応する複数の画素回路60(例えば赤色・緑色・青色の各色
に対応する3個の画素回路60)が共通のグループに属するように表示部32が各グルー
プに区分される。したがって、例えばカラー画像を表示する発光装置に第3実施形態を適
用した場合には、図31に示されるように、赤色(R)と緑色(G)と青色(B)とに対
応する3個の画素回路60が共通の発光制御線53に接続されることになる。すなわち、
例えば、第(2k+1)行目の発光制御線53には、第(2k+1)行に属する偶数列の各画素P
ix(図31において破線で囲まれた領域)に対応した赤色・緑色・青色の各画素回路60
と、第(2k+2)行に属する奇数列の各画素Pixに対応した赤色・緑色・青色の各画素回路
60とが共通に接続される。一方、第(2k+2)行目の発光制御線53には、第(2k+1)行
に属する奇数列の各画素Pixに対応した3色の画素回路60と、第(2k+2)行に属する偶
数列の各画素Pixに対応した3色の画素回路60とが共通に接続される。この構成におい
ても、第3実施形態と同様の機能および作用によって本発明の所期の効果が奏される。
【0088】
また、図32は、カラー画像を表示する発光装置に第4実施形態(図21ないし図23
)を適用したときの表示部32の構成を示すブロック図である。また、図33は、この表
示部32における各部のレイアウトを例示する平面図である。図32および図33に示さ
れるように、奇数行(図33の上下行)のうち第1グループの各画素Pixを構成する3個
の画素回路60は、そのY方向の負側に位置する配線対に対して共通に接続され、第2グ
ループの各画素Pixを構成する3個の画素回路60はそのY方向の正側に位置する配線対
に接続される。同様に、偶数行(図33の中央行)のうち第1グループの各画素Pixを構
成する3個の画素回路60と第2グループの各画素Pixを構成する3個の画素回路60と
は、Y方向に沿って相互に反対側の各配線対に接続される。図33に示されるように、こ
の構成によっても図23や図29と同様に配線部511や配線部531の構造が簡素化さ
れるから、第4実施形態と同様の作用および効果が奏される。
【0089】
(5)変形例5
画素回路60の構成は図3の例示に限定されない。例えば、図3に例示した電流プログ
ラミング方式(データ線55の電流に応じて発光素子63の階調が調整される方式)の画
素回路60に代えて、データ線55の電圧に応じて発光素子63の階調が調整される電圧
プログラミング方式の画素回路60を採用してもよい。また、例えば特開2000-221942号
公報に開示された画素回路を採用してもよい。この構成においては、発光期間の最後の期
間がブランキング期間(発光素子63が発光しない期間)とされる。
【0090】
(6)変形例6
各実施形態においてはOLED素子を発光素子63として例示したが、本発明における発光
素子はこれに限定されない。例えば、OLED素子に代えて、無機EL素子、フィールド・エ
ミッション(FE)素子、表面導電型エミッション(SE:Surface-conduction Electron-em
itter)素子、弾道電子放出(BS:Ballistic electron Surface emitting)素子、LED
(Light Emitting Diode)素子など様々な発光素子を利用することができる。
【0091】
<F:応用例>
次に、本発明に係る発光装置を利用した電子機器について説明する。図34は、以上に
説明した何れかの形態に係る発光装置100を表示装置として採用したモバイル型のパー
ソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表
示装置としての発光装置100と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源
スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この発光装置100の表
示パネル30は発光素子63にOLED素子を利用しているので、視野角が広く見易い画面を
表示できる。
【0092】
図35に、発光装置100を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は
、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置として
の発光装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、発光装
置100の表示パネル30に表示される画面がスクロールされる。
【0093】
図36に、発光装置100を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assis
tants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源
スイッチ4002、ならびに表示装置としての発光装置100を備える。電源スイッチ4
002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が発光装置100の表
示パネル30に表示される。
【0094】
なお、本発明に係る発光装置100が適用される電子機器としては、図34から図36
に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーショ
ン装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーシ
ョン、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチ
パネルを備えた機器等などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発光装置の構成を示すブロック図である。
【図2】選択回路および発光制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】ひとつの画素回路の構成を示す回路図である。
【図4】発光装置の全体の動作を説明するための概念図である。
【図5】画像処理装置における制御部の動作を説明するための概念図である。
【図6】データ線駆動回路および選択回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】対比例のもとで動画ボケが発生する原理を説明するための概念図である。
【図8】本実施形態で動画ボケが抑制される原理を説明するための概念図である。
【図9】本発明の第2実施形態における各グループの態様を示す図である。
【図10】発光装置の全体の動作を説明するための概念図である。
【図11】データ線駆動回路および選択回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】選択回路および発光制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態における各グループの態様を示す図である。
【図14】発光装置の全体の動作を説明するための概念図である。
【図15】表示部の構成を示すブロック図である。
【図16】各発光素子の発光および点灯のパターンを説明するための図である。
【図17】各発光素子の発光および点灯のパターンを説明するための図である。
【図18】各発光素子の発光および点灯のパターンを説明するための図である。
【図19】各発光素子の発光および点灯のパターンを説明するための図である。
【図20】各発光素子の発光および点灯のパターンを説明するための図である。
【図21】本発明の第4実施形態における表示部の構成を示すブロック図である。
【図22】走査信号および発光制御信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図23】表示部における各要素のレイアウトを示す平面図である。
【図24】第1の態様における各発光素子の発光のパターンを示す図である。
【図25】走査信号および発光制御信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図26】発光装置の全体の動作を説明するための概念図である。
【図27】第2の態様における各発光素子の発光のパターンを示す図である。
【図28】表示部の構成を示すブロック図である。
【図29】表示部における各要素のレイアウトを示す平面図である。
【図30】選択回路および発光制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【図31】変形例に係る表示部の構成を説明するためのブロック図である。
【図32】変形例に係る表示部の構成を示すブロック図である。
【図33】表示部における各要素のレイアウトを示す平面図である。
【図34】本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
【図35】本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
【図36】本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0096】
100……発光装置、10……画像処理装置、12……中間画像生成部、14……制御部
、20……フレームメモリ、30……表示パネル、32……表示部、34……選択回路、
36……データ線駆動回路、38……発光制御回路、51……走査線、53……発光制御
線、55……データ線、60……画素回路、63……発光素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子をデータ信号に応じた輝度で発光させる複数の画素回路を配列した表示部と、
ひとつのフレーム期間のうち互いに相違する各時点に対応した態様の第1画像および第
2画像を取得する画像取得手段と、
前記複数の画素回路のうち第1グループに属する各画素回路に対して前記第1画像に応
じたデータ信号を供給し、前記第1グループとは異なる第2グループの各画素回路に対し
て前記第2画像に応じたデータ信号を供給するデータ線駆動手段と、
ひとつのフレーム期間のうちの第1期間において前記第1グループの各画素回路の発光
素子を発光させ、当該フレーム期間のうち前記第1期間とは異なる第2期間において前記
第2グループの各画素回路の発光素子を発光させる発光制御手段と
を具備する発光装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記第1グループに属する所定数の画素回路と前記第2グループに属す
る所定数の画素回路とを各々が含む複数の単位領域に区分される
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記表示部は、第1方向に沿って配列する所定数の画素回路を各々が含む複数の回路群
を前記第1方向と交差する第2方向に配列してなり、
前記各単位領域は、前記第1グループに属する回路群と当該回路群に隣接して前記第2
グループに属する回路群とを含み、
前記発光制御手段は、ひとつの回路群の各画素回路に対して共通の発光制御信号を供給
することによって当該各画素回路の発光素子を発光または消灯させる
請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記表示部は、第1方向に沿って配列する所定数の画素回路を各々が含む複数の回路群
を前記第1方向と交差する第2方向に配列してなり、
前記複数の回路群のうち奇数番目の回路群における各画素回路は第1グループに属する
とともに、偶数番目の回路群における各画素回路は第2グループに属し、
前記発光制御手段は、ひとつの回路群の各画素回路に対して共通の発光制御信号を供給
することによって当該各画素回路の発光素子を発光または消灯させる
請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記表示部は、相互に交差する第1方向および第2方向にわたって前記複数の画素回路
を配列してなり、
前記複数の画素回路は、前記第1グループに属する画素回路の前記第1方向および前記
第2方向に前記第2グループの画素回路が隣接するように各グループに区分される
請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記表示部は、第1方向に沿って配列する所定数の画素回路を各々が含む複数の回路群
を前記第1方向と交差する第2方向に配列してなり、
前記複数の回路群のうち一の回路群における第1グループの各画素回路と、前記一の回
路群に隣接する他の回路群における第1グループの各画素回路とは第1の発光制御線に共
通に接続される一方、前記一の回路群における第2グループの各画素回路と、前記他の回
路群における第2グループの各画素回路とは第2の発光制御線に共通に接続され、
前記発光制御手段は、前記各発光制御線を介した発光制御信号の供給によって各画素回
路の発光素子を発光または消灯させる
請求項1から請求項5の何れかに記載の発光装置。
【請求項7】
前記表示部には、第1方向に延在する走査線と前記第1方向に延在する発光制御線とを
各々が含む複数の配線対が前記第1方向と交差する第2方向に配列されるとともに、前記
第2方向に沿って相隣接する各配線対の間隙に、前記第1方向に配列する所定数の画素回
路を含む回路群が配置され、
前記各回路群における第1グループの各画素回路は、当該回路群からみて前記第2方向
の一方の側に隣接する配線対の走査線および発光制御線に接続され、第2グループの各画
素回路は、当該回路群からみて前記第2方向の他方の側に隣接する配線対の走査線および
発光制御線に接続され、
前記各走査線を順次に選択する選択手段を具備し、
前記データ線駆動手段から出力されるデータ信号は、前記選択手段が選択した走査線に
接続された各画素回路に供給され、
前記発光制御手段は、前記各発光制御線を介した発光制御信号の供給によって各画素回
路の発光素子を発光または消灯させる
請求項1から請求項5の何れかに記載の発光装置。
【請求項8】
前記データ信号は、前記各走査線と前記各発光制御線とを覆う絶縁層の面上にて前記第
2方向に延在するデータ線を介して前記各画素回路に供給され、
前記各画素回路と前記走査線とを電気的に接続する第1配線部と、前記各画素回路と前
記発光制御線とを電気的に接続する第2配線部とが前記絶縁層の面上に前記データ線と同
層から形成され、
前記第1配線部は、前記画素回路から前記第2方向に延在するとともに前記絶縁層のコ
ンタクトホールを介して前記走査線に導通し、前記第2配線部は、前記画素回路から前記
第2方向に延在するとともに前記絶縁層のコンタクトホールを介して前記発光制御線に導
通する
請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記データ線駆動手段は、前記第1期間のうち前記第1グループの各画素回路の発光前
のタイミングで当該第1グループの各画素回路にデータ信号を供給する一方、前記第2期
間のうち前記第2グループの各画素回路の発光前のタイミングで当該第2グループの各画
素回路にデータ信号を供給する
請求項1から請求項8の何れかに記載の発光装置。
【請求項10】
前記画像取得手段は、
相前後するフレーム期間での表示が指示された第1原画像および第2原画像から両者の
中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、
前記中間画像生成手段が生成した中間画像を含む複数の画像の何れかを前記第1画像と
して前記データ線駆動手段に指示するとともに他の画像を前記第2画像として前記データ
線駆動手段に指示する制御手段とを含む
請求項1から請求項9の何れかに記載の発光装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10の何れかに記載の発光装置を具備する電子機器。
【請求項12】
発光素子をデータ信号に応じた輝度で発光させる複数の画素回路がマトリクス状に配列
された発光装置を駆動する方法であって、
ひとつのフレーム期間のうち互いに相違する各時点に対応した態様の第1画像および第
2画像を取得し、
前記複数の画素回路のうち第1グループに属する各画素回路に対して前記第1画像に応
じたデータ信号を供給し、前記第1グループとは異なる第2グループの各画素回路に対し
て前記第2画像に応じたデータ信号を供給する一方、
ひとつのフレーム期間のうちの第1期間において前記第1グループの各画素回路の発光
素子を発光させ、当該フレーム期間のうち前記第1期間とは異なる第2期間において前記
第2グループの各画素回路の発光素子を発光させる
発光装置の駆動方法。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2007−17936(P2007−17936A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−357270(P2005−357270)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】