説明

発光装置および電子機器

【課題】 コンタクトホールを介した接続の確実性を向上する。
【解決手段】 半導体層31は、ソース領域31sとドレイン領域31dとの間にチャネル領域31cを有する。ゲート電極34は、ゲート絶縁層32を挟んでチャネル領域31cに対向する。ソース電極36は、半導体層31およびゲート電極34を覆う第1層間絶縁層61の面上に形成されるとともにコンタクトホールCH1sを介してソース領域31sに導通する。ソース電極36は、ゲート電極34と重なるゲート対向部分361を含む。画素電極65は、ソース電極36を覆う第2層間絶縁層62の面上に形成され、この第2層間絶縁層62のうちゲート対向部分361と重なる位置に形成されたコンタクトホールCH2を介してソース電極36に導通する。画素電極65と共通電極68との間には発光層67が介在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(ElectroLuminescent)材料など各種の発光材料からなる発光層の発光を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の発光層を制御するためにトランジスタを利用したアクティブマトリクス方式の発光装置が従来から提案されている。図12は、従来の発光装置におけるトランジスタおよびその周辺の構造を示す断面図である(例えば特許文献1参照)。同図に示されるように、トランジスタTは、チャネル領域31cの両側にソース領域31sとドレイン領域31dとが形成された半導体層31と、ゲート絶縁層32を挟んでチャネル領域31cに対向するゲート電極34と、ゲート電極34を覆う第1層間絶縁層61のコンタクトホールCHsおよびCHdを介してそれぞれソース領域31sおよびドレイン領域31dに導通するソース電極39およびドレイン電極37とを含む。
【0003】
トランジスタTは第2層間絶縁層62によって覆われる。第2層間絶縁層62の表面上には画素電極65が形成される。この画素電極65は、第2層間絶縁層62に形成されたコンタクトホールCHを介してソース電極39に導通する。有機EL材料からなる発光層67は、隔壁66によって仕切られた空間に配置されて画素電極65とこれに対向する共通電極(陰極)68との間に介在する。第2層間絶縁層62は、トランジスタTと発光層67とを絶縁するための膜体である。また、例えば発光層67がマトリクス状に配列された発光装置においては、第2層間絶縁層62は、データ線や走査線(図示略)といった各種の配線と発光層67とを電気的に絶縁するために利用される。
【特許文献1】特開2002−156923号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図12の構成においてトランジスタTや他の配線と発光層67との電気的な絶縁性を確保するためには、第2層間絶縁層62の膜厚を増加させることが好ましい。また、データ線や走査線などの配線と共通配線68との寄生容量を低減するという観点からしても第2層間絶縁層62は充分な膜厚であることが望ましい。しかしながら、第2層間絶縁層62の膜厚を増加させた場合にはコンタクトホールCHの深さも必然的に増大し、これによってソース電極39と画素電極65との接続抵抗が上昇したり、コンタクトホールCHの内部で画素電極65が断線したりする可能性がある。本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、コンタクトホールを介した接続の確実性を向上するという課題の解決を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、ソース領域とドレイン領域との間にチャネル領域を有する半導体層と、ゲート絶縁層を挟んでチャネル領域に対向するゲート電極と、半導体層を覆う第1層間絶縁層と、の面上に形成されるとともに当該第1層間絶縁層の第1コンタクトホール(例えば各実施形態におけるコンタクトホールCH1s)を介してソース領域またはドレイン領域に導通する中間導電体(例えば第1実施形態におけるソース電極36や第2実施形態におけるソース電極56)であってゲート電極と対向する部分(例えば第1実施形態におけるゲート対向部分361や第2実施形態におけるゲート対向部分561)を含む中間導電体と、中間導電体を覆い、当該中間導電体のうちゲート電極と対向する部分に重なる位置に第2コンタクトホール(例えば各実施形態におけるコンタクトホールCH2)を有する第2層間絶縁層と、第2層間絶縁層の面上に形成され、第2コンタクトホールを介して中間導電体に導通する画素電極と、画素電極とこれに対向する他の電極(例えば各実施形態における共通電極68)との間に介挿された発光層とを有する。
【0006】
この構成において、第2層間絶縁層のうちゲート電極と重なる領域の膜厚は、それ以外の領域の膜厚よりもゲート電極の膜厚分だけ薄い。本発明においては、中間導電体のうち第1層間絶縁層の面上にてゲート電極と対向する部分と重なるように第2コンタクトホールが形成されるから、これ以外の位置(すなわちゲート電極と重ならない位置)に第2コンタクトホールが形成された従来の構成と比較して第2コンタクトホールの深さは低減される。したがって、本発明によれば、画素電極と中間導電体との電気的な接続の確実性を向上させることができる。
【0007】
別の観点からすると、本発明の発光装置は、ソース領域とドレイン領域との間にチャネル領域を有する半導体層と、ゲート絶縁層を挟んでチャネル領域に対向するゲート電極と、半導体層を覆う第1層間絶縁層と、第1層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第1層間絶縁層の第1コンタクトホールを介してソース領域またはドレイン領域に導通する中間導電体と、中間導電体を覆う第2層間絶縁層と、第2層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第2層間絶縁層の第2コンタクトホールを介して中間導電体に導通する画素電極と、画素電極とこれに対向する他の電極との間に介挿された発光層とを有し、第2コンタクトホールは、半導体層の表面に垂直な方向からみて第1コンタクトホールのゲート電極側に位置する構成としても特定される。この構成においては、第1コンタクトホールよりもゲート電極側に第2コンタクトホールが形成されるから、第1コンタクトホールを挟んでゲート電極とは反対側に第2コンタクトホールが形成された従来の構成(すなわち第2コンタクトホールがゲート電極と重なり得ない構成)と比較して、第2コンタクトホールの深さを低減することができる。したがって、画素電極と中間導電体との電気的な接続の確実性を向上させることができる。
【0008】
本発明の具体的な態様において、発光層は、半導体層の表面に垂直な方向からみて、第1コンタクトホールを挟んで第2コンタクトホールとは反対側の領域に位置する。ここで、発光層(特に有機EL材料からなる発光層)は高度に平坦化された表面に形成されることが望ましい。第1コンタクトホールを挟んでゲート電極とは反対側に第2コンタクトホールが形成された従来の構成においては、第2コンタクトホールを挟んで第1コンタクトホールの反対側に(すなわち第2コンタクトホールを反映した窪みを避けるように)発光層を形成する必要がある。この構成においては、発光層を形成することのできる領域が第2コンタクトホールの分だけ狭められるから、発光層の平面的な面積(光が出射する面積)を充分に確保することが困難となる可能性がある。これに対し、本発明においては、第1コンタクトホールのゲート電極側に第2コンタクトホールが形成されるから、第1コンタクトホールを挟んでゲート電極とは反対側の領域を充分な平坦面とすることができる。したがって、本発明によれば、発光層の面積(開口率)を充分に確保して高い明度が実現される。
【0009】
本発明に係る発光装置の望ましい態様において、第2層間絶縁層は、画素電極や発光層の形成面を平坦化するための膜体である。また、他の好適な態様において、第2コンタクトホールの深さは、第2層間絶縁層のうち発光層と重なり合う部分の膜厚よりも小さい。
【0010】
以上のように発光層の面積を充分に確保するという観点からすると、本発明は、画素電極と接触するように発光層が配置される構成に特に有効であると言える。しかしながら、本発明が適用される範囲はこれに限定されず、発光層を制御する画素回路に含まれる他のトランジスタ(例えば図1に例示された選択トランジスタTsel)にも同様に適用される。すなわち、本発明を適用したトランジスタは、ソース領域とドレイン領域との間にチャネル領域を有する半導体層と、ゲート絶縁層を挟んでチャネル領域に対向するゲート電極と、半導体層を覆う第1層間絶縁層と、第1層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第1層間絶縁層の第1コンタクトホールを介してソース領域またはドレイン領域に導通する中間導電体であって、半導体層の表面に垂直な方向からみてゲート電極と対向する部分を含む中間導電体と、中間導電体を覆い、当該中間導電体のうちゲート電極と対向する部分に重なる位置に第2コンタクトホールを有する第2層間絶縁層と、第2層間絶縁層の面上に形成され、第2コンタクトホールを介して中間導電体に導通する電極部とを有する。
【0011】
別の観点からすると、本発明を適用したトランジスタは、ソース領域とドレイン領域との間にチャネル領域を有する半導体層と、ゲート絶縁層を挟んでチャネル領域に対向するゲート電極と、半導体層を覆う第1層間絶縁層と、第1層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第1層間絶縁層の第1コンタクトホールを介してソース領域またはドレイン領域に導通する中間導電体と、中間導電体を覆う第2層間絶縁層と、第2層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第2層間絶縁層の第2コンタクトホールを介して中間導電体に導通する電極部とを有し、第2コンタクトホールは、半導体層の表面に垂直な方向からみて第1コンタクトホールのゲート電極側に位置する。
【0012】
本発明に係る発光装置は各種の電子機器に利用される。この電子機器の典型例は、発光装置を表示装置として利用した機器である。この種の電子機器としては、パーソナルコンピュータや携帯電話機などがある。もっとも、本発明に係る発光装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光線の照射によって感光体ドラムなどの像担持体に潜像を形成するタイプの画像形成装置(印刷装置)においては、像担持体を露光する手段として本発明の発光装置を採用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<A:第1実施形態>
<A−1:発光装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の構成を示すブロック図である。同図に示されるように、発光装置Dは、X方向に延在する複数の走査線11と、X方向に直交するY方向に延在する複数のデータ線13とを有する。走査線11とデータ線13との各交差には画素回路Pが配置される。各画素回路Pは、電流の供給によって発光する発光層67と、この発光層67の階調を制御するための複数のトランジスタTdrおよびTselとを含む。トランジスタTdrおよびTselはnチャネル型のTFT(Thin Film Transistor)である。
【0014】
トランジスタTdr(以下「駆動トランジスタTdr」という)は、発光層67に供給される電流量を制御するための手段であり、ドレイン電極が電源線15に接続される。電源線15は、高位側の電源電位Vddが供給される配線であり、データ線13と対を成してY方向に延在する。駆動トランジスタTdrのゲート電極とドレイン電極(電源線15)との間には、駆動トランジスタTdrのゲート電極の電位を保持するための容量Cが介挿される。また、駆動トランジスタTdrのソース電極は発光層67の陽極に接続される。各画素回路Pにおける発光層67の陰極は接地(Gnd)される。本実施形態における発光層67は、有機EL材料からなる膜体である。
【0015】
一方、トランジスタTsel(以下「選択トランジスタTsel」という)は、駆動トランジスタTdrのゲート電極とデータ線13との間に介在して両者の導通および非導通を切り替えるスイッチング素子である。この選択トランジスタTselのゲート電極は走査線11に接続される。走査線駆動回路(図示略)が走査線11をアクティブレベル(ハイレベル)に遷移させると、選択トランジスタTselがオン状態となって駆動トランジスタTdrのゲート電極がデータ線13に導通する。したがって、駆動トランジスタTdrのゲート電極には、発光層67の階調に応じた電位Vdataがデータ線駆動回路(図示略)からデータ線13を介して供給される。さらに、このときに容量Cには電位Vdataに応じた電荷が蓄積される。したがって、走査線11が非アクティブレベル(ローレベル)に遷移して選択トランジスタTselがオフ状態に変化しても、駆動トランジスタTdrのゲート電極は電位Vdataに維持される。発光層67には駆動トランジスタTdrのゲート電極の電位に応じた電流(すなわち電位Vdataに応じた電流)が供給される。発光層67はこの電流に比例した輝度に発光する。
【0016】
次に、図2は、駆動トランジスタTdrやその周辺の構造を示す断面図である。同図に示されるように、以上に説明した駆動トランジスタTdrや発光層67は、基板20の表面を覆う下地層21の面上に形成される。基板20は、ガラスやプラスチックなど各種の材料からなる板状の部材であり、下地層21は酸化珪素(SiOx)や窒化珪素(SiNx)など絶縁性の材料によって形成された層状の部分である。
【0017】
駆動トランジスタTdrは、下地層21の表面上に形成された半導体層31と、この半導体層31を覆うゲート絶縁層32と、ゲート絶縁層32を挟んで半導体層31に対向するゲート電極34とを含む。半導体層31は、半導体材料によって島状に形成された膜体であり、ゲート電極34に対向するチャネル領域31cと、チャネル領域31cの両側に位置するソース領域31sおよびドレイン領域31dとを含む。
【0018】
半導体層31やゲート電極34が形成された基板20の表面は第1層間絶縁層61によって覆われる。この第1層間絶縁層61の表面にはソース電極36およびドレイン電極37が形成される。第1層間絶縁層61は、ソース電極36やドレイン電極37とゲート電極34との電気的な絶縁が確保される程度の膜厚に形成される。一方、ソース電極36は、第1層間絶縁層61およびゲート絶縁層32を各々の厚さ方向に貫通するコンタクトホール(貫通孔)CH1sを介して半導体層31のソース領域31sに導通する。ドレイン電極37は、第1層間絶縁層61およびゲート絶縁層32を貫通するコンタクトホールCH1dを介して半導体層31のドレイン領域31dに導通する。
【0019】
図2に示されるように、第1層間絶縁層61の表面には、その下層のゲート電極34を反映した段差が現れる。すなわち、第1層間絶縁層61のうち基板20に垂直な方向からみてゲート電極34と重なり合う部位(以下「段差上部」という)611の表面は、ゲート電極34と重なり合わない他の部位(以下「段差下部」という)612の表面よりもゲート電極34の膜厚(例えば400nmないし500nm)の分だけ高い。
【0020】
本実施形態におけるドレイン電極37は、第1層間絶縁層61のうち段差下部612の表面上のみに形成されてコンタクトホールCH1dからドレイン領域31dに接触する。これに対し、ソース電極36は、第1層間絶縁層61のうち段差下部612の表面上に形成されてコンタクトホールCH1sに入り込む部分に加え、第1層間絶縁層61の段差上部611に分布する部分(以下「ゲート対向部分」という)361を含む。このゲート対向部分361は、基板20の表面に垂直な方向からみたときに第1層間絶縁層61を挟んでゲート電極34(あるいはゲート電極34に対向するチャネル領域31c)と重なり合う。
【0021】
ソース電極36およびドレイン電極37が形成された第1層間絶縁層61の表面はその全域にわたって第2層間絶縁層62に覆われる。この第2層間絶縁層62は、ソース電極36およびドレイン電極37の破損や駆動トランジスタTdrからの水素の離脱を防止するためのパシベーション層621と、このパシベーション層621を被覆する絶縁層622とを含む。パシベーション層621の表面には駆動トランジスタTdrの高さを反映した段差が現れる。絶縁層622は、この段差を平坦化するための機能と、画素電極65をソース電極36以外の部位から絶縁するための機能とを備えた膜体である。なお、パシベーション層621は、ソース電極36やドレイン電極37の下層(第1層間絶縁層61の上層)に形成されてもよい。
【0022】
図1に図示された画素電極65は絶縁層622の表面上に形成される。第2層間絶縁層62のうち基板20の表面に垂直な方向からみてソース電極36のゲート対向部分361と重なり合う部位には、パシベーション層621および絶縁層622を厚さ方向に貫通するようにコンタクトホールCH2が形成される。このコンタクトホールCH2に画素電極65が入り込んでソース電極36のゲート対向部分361に接触することによってソース電極36と画素電極65とが電気的に導通する。
【0023】
画素電極65が形成された第2層間絶縁層62の表面上には、各画素回路Pの境界を仕切る形状(格子状)の隔壁66が形成される。この隔壁66の内周に包囲されて画素電極65を底面とする窪みには発光層67が配置される。なお、発光層67は高分子材料および低分子材料の何れによって形成されてもよい。また、発光層67による発光を促進ないし効率化するための各種の機能層(正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層)が発光層67に積層された構成も採用される。隔壁66と発光層67とは、複数の発光層67にわたって連続する共通電極68によって覆われる。この共通電極68は、各発光層67の陰極として機能する電極である。
【0024】
以上に説明した実施形態によれば、図12に示した従来の構成と比較してコンタクトホールCH2の深さが低減されるから、ソース電極36と画素電極65との接続の確実性を向上させることができるという利点がある。この効果について詳述すると以下の通りである。
【0025】
図12に示した従来の構成においては、第2層間絶縁層62のうちゲート電極34や半導体層31と重なり合わない部位に形成されたコンタクトホールCHを介してソース電極36と画素電極65とが接触する。これに対し、本実施形態においては、第1層間絶縁層61のうちゲート電極34と重なり合う段差上部611に至るようにソース電極36のゲート対向部分361が形成され、第2層間絶縁層62のうちゲート対向部分361と重なり合う位置のコンタクトホールCH2を介して画素電極65とソース電極36とが導通する。したがって、コンタクトホールCH2の深さは、図12の構成と比較してゲート電極34の膜厚(あるいはゲート電極34の膜厚と半導体層31の膜厚との総和)の分だけ浅い。換言すると、コンタクトホールCH2の深さは、第2層間絶縁層62のうち発光層67と重なり合う部分の膜厚よりも小さい。したがって、本実施形態によれば、ソース電極36と画素電極65との接続抵抗が低減されるとともにコンタクトホールCH2の内部における配線の破損が防止される。
【0026】
<A−2:製造方法>
次に、本実施形態に係る画素回路Pを製造する方法について説明する。図3(a)ないし図3(d)は、各工程における画素回路Pの構成を示す平面図であり、図4(a)ないし図4(e)は、各工程における断面図である。図2に図示された断面は、図3(d)におけるA−A線からみた断面に相当する。また、図3(a)ないし図3(d)は平面図であるが、各部分の把握を容易にするために、各図のうち図2に図示された部分と共通の要素については同じ態様のハッチングが施されている。
【0027】
まず、図3(a)に示されるように、選択トランジスタTselの半導体層41と駆動トランジスタTdrの半導体層31と容量Cの電極51とが形成される。これらの各部は、シリコンなどの半導体材料によって基板20の下地層21の表面に形成された薄膜をパターニングすることによって一括的に形成される。半導体層31および半導体層41は略矩形状の膜体であり、各々が相互に間隔をあけてX方向に隣接する。電極51は半導体層31のX側に連なる略矩形状の部分である。次に、これらの要素が形成された基板20の全面を覆うようにゲート絶縁層32が形成される(図2参照)。
【0028】
続いて、図3(b)に示されるように、走査線11と駆動トランジスタTdrのゲート電極34と容量Cの電極52とが形成される。これらの各部は、基板20の全域にわたって形成された導電性の薄膜をパターニングすることによって一括的に形成される。X方向に延在する走査線11からY方向に分岐して半導体層41に重なる2個の部分は選択トランジスタTselのゲート電極44(いわゆるデュアルゲート構造)となる。一方、駆動トランジスタTdrのゲート電極34は、ゲート絶縁層32の表面上にて半導体層31を横断するようにX方向に延在する。また、電極52は、駆動トランジスタTdrのゲート電極34に連なる部分であり、ゲート絶縁層32を挟んで電極51に対向することによって容量Cを構成する。
【0029】
次いで、半導体層31に対する不純物のドーピングにより、ゲート電極34に対して自己整合的にソース領域31sおよびドレイン領域31dが形成される。不純物が導入されなかった部分がチャネル領域31cとなる。半導体層41についても同様の手順で各領域が形成される。
【0030】
次に、基板20の全域を覆うように第1層間絶縁層61が形成される。この第1層間絶縁層61は、酸化珪素や酸窒化珪素、窒化珪素といった絶縁性の無機材料によって形成される。また、第1層間絶縁層61は、アクリル系やエポキシ系といった樹脂材料やポリイミドなどの有機材料によって形成されてもよい。さらに、図3(b)および図4(a)に示されるように、この第1層間絶縁層61とゲート絶縁層32との選択的な除去によって複数のコンタクトホール(CHA1、CHA2、CH1g、CH1s、CH1d)が一括的に形成される。
【0031】
続いて、図3(c)および図4(b)に示されるように、半導体層31をX方向に挟む位置でY方向に延在するデータ線13および電源線15と、駆動トランジスタTdrのソース電極36と、駆動トランジスタTdrおよび選択トランジスタTselを接続する導電層46とが形成される。これらの各部は、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)などの導電性の材料からなる薄膜をパターニングすることによって一括的に形成される。図3(c)に示されるように、データ線13は、コンタクトホールCHA1を介して半導体層41のドレイン領域に導通する。また、電源線15は、コンタクトホールCH1dを介して半導体層31のドレイン領域31dに導通する。図2に示したドレイン電極37は電源線15の一部である。
【0032】
さらに、導電層46は、コンタクトホールCHA2を介して半導体層41のソース領域に導通するとともにコンタクトホールCH1gを介して駆動トランジスタTdrのゲート電極34に導通する。一方、ソース電極36は、コンタクトホールCH1sを介して半導体層31のソース領域31sに導通する。図3(c)および図4(b)に示されるように、このソース電極36は、第1層間絶縁層61を挟んでゲート電極34に対向するゲート対向部分361を有する。
【0033】
次いで、図4(c)に示されるように、以上の工程によって作成された各部を覆うように、パシベーション層621と絶縁層622とからなる第2層間絶縁層62が形成される。パシベーション層621は、例えば窒化珪素(SiNx)など絶縁性の材料によって形成される。一方、絶縁層622は、酸化珪素(SiOx)などの無機材料またはアクリルやポリイミドなどの有機材料といった絶縁性の材料によって形成される。もっとも、画素電極65をソース電極36以外の部分から完全に絶縁するために第2層間絶縁層62は厚いことが望ましいから、パシベーション層621や絶縁層622の材料には、容易に充分な膜厚を確保することができる有機材料が好適に採用される。特に、液状の材料を塗布し硬化させることによって第2層間絶縁層62の少なくとも一部を形成することが好ましい。このようにすることにより、第2層間絶縁層62の表面(すなわち画素電極65や発光層67の形成面)を容易に平坦化することができる。なお、有機材料の成膜後にリフロー処理(加熱によって有機材料を溶融する処理)を実施することによって絶縁層622の表面を確実に平坦化してもよい。
【0034】
次いで、図3(c)および図4(d)に示されるように、基板20に垂直な方向からみてゲート電極34と重なり合う位置に、パシベーション層621と絶縁層622とを貫通するコンタクトホールCH2が形成される。この段階においては、コンタクトホールCH2を介してソース電極36のゲート対向部分361が露出する。図3(c)に示されるように、コンタクトホールCH2は、コンタクトホールCH1sからみてゲート電極34側(Y方向の負側)に位置する。
【0035】
続いて、図3(d)および図4(e)に示されるように、第2層間絶縁層62の表面上にあってデータ線13と電源線15との間隙に画素電極65が形成される。なお、画素電極65は、第2層間絶縁層62によってデータ線13や電源線15と絶縁されているから、データ線13や電源線15と部分的に重なり合っていてもよい。この画素電極65は、コンタクトホールCH2に入り込んでゲート対向部分361に接触することによってソース電極36と電気的に接続される。本実施形態における画素電極65は発光層67の陽極として機能するから、仕事関数が大きい導電性の材料によって形成される。この種の材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zn Oxide)などの光透過性を有する材料、または、ニッケル(Ni)や金(Au)や白金(Pt)といった金属あるいはその合金がある。なお、画素電極65がITOなどの酸化物によって形成されるとともにソース電極36がアルミニウム(Al)やチタン(Ti)などの金属によって形成された構成においては、各部の材料の組み合わせに起因して画素電極65とソース電極36との接続抵抗が特に高くなり易い。したがって、画素電極65とソース電極36との接続抵抗を低減できる本発明は、このような組み合わせの材料が採用された発光装置Dに対して特に有効である。
【0036】
以上の工程に続いて隔壁66が形成される。この隔壁66は、アクリル系やエポキシ系の樹脂材料やポリイミドなどの有機材料によって形成される。感光性の材料を含有する膜体を直接的に感光したうえでパターニングすることによって隔壁66を形成してもよい。次いで、隔壁66の内周縁によって囲まれた領域に発光層67が形成される。図2および図3(d)に示されるように、基板20に垂直な方向からみると、コンタクトホールCH2は、コンタクトホールCH1sを挟んで発光層67の反対側に位置する。
【0037】
次に、隔壁66と発光層67とを覆うように基板20の全域にわたって共通電極68が形成される。この共通電極68は、発光層67の陰極として機能するから、画素電極65と比較して仕事関数が小さい導電性の材料によって形成される。例えば、アルミニウム(Al)やカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)といった導電性の材料やその合金が共通電極68の材料として採用される。また、共通電極68を合金によって形成する場合には、仕事関数が低い材料とその材料を安定化する材料とを含有する合金(例えばマグネシウム(Mg)と銀(Ag)との合金)が好適に採用される。
【0038】
以上に説明したように、本実施形態においては、基板20に垂直な方向からみてコンタクトホールCH1sのゲート電極34側にコンタクトホールCH2が形成される。したがって、駆動トランジスタTdrのソース電極36と画素電極65とを導通させるためのコンタクトホールCH2がコンタクトホールCH1sに対してゲート電極34とは反対側に形成された従来の構成と比較して、発光層67の面積を充分に確保できるという効果が奏される。この効果について詳述すると以下の通りである。
【0039】
図5は、コンタクトホールCH1sに対してゲート電極34とは反対側にコンタクトホールCH2が形成された構成(図12参照)を本実施形態の対比例として示す平面図である。有機EL材料からなる発光層67は平坦面に形成されることが望ましい。一方、図2や図12に示されるように、画素電極65のうちコンタクトホールCH2と重なり合う部分は窪みとなる。したがって、図5に示されるように、発光層67は画素電極65のうちコンタクトホールCH2と重なり合う部分を避けるように形成される。つまり、発光量を充分に確保するためには発光層67の面積(あるいは開口率)を充分に確保することが望ましいにも拘わらず、図5の構成においては、発光層67を形成できる領域がコンタクトホールCH2によって狭められるという問題がある。発光層67に流れる電流を充分に確保するためには、コンタクトホールCH2を大きく形成して画素電極65とソース電極36との接続抵抗を低減する必要があるから、この問題は特に顕著となる。
【0040】
これに対し、本実施形態においては、図3(c)および図3(d)に示されるように、コンタクトホールCH2がコンタクトホールCH1sのゲート電極34側に位置するから、コンタクトホールCH1sからみてゲート電極34とは反対側に位置する領域の全域にわたって発光層67を形成することができる。したがって、本実施形態によれば、開口率の向上によって充分な発光量を確保することができる。換言すると、発光層67について図5と同等の面積を確保する場合には、画素電極65が縮小される分だけ駆動トランジスタTdrのサイズ(特にチャネル幅)を拡大することができる。したがって、駆動トランジスタTdrに流れる電流を充分に確保して発光層67を高輝度に発光させることができる。
【0041】
また、画素電極65とソース電極36との接続抵抗を低減するためにはコンタクトホールCH2の面積が大きいことが望ましい。図5の構成においては、コンタクトホールCH2の面積の拡大が開口率の低下に直結する(コンタクトホールCH2の面積の拡大分だけ発光層67を縮小しなければならない)から、画素電極65とソース電極36との接続抵抗が充分に低減される程度にコンタクトホールCH2の面積を確保することは困難である。これに対し、本実施形態においては、発光層67の面積や開口率に影響を与えることなく、コンタクトホールCH2の面積を充分に確保することによって画素電極65とソース電極36との接続抵抗を低減することができるという利点がある。
【0042】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態のうち第1実施形態と同様の要素については共通の符号を付してその説明を適宜に省略する。
【0043】
図6は、本実施形態における画素回路Pの構成を示す回路図である。同図に示されるように、本実施形態の画素回路Pは、発光層67が実際に発光する期間を規定するトランジスタ(以下「発光制御トランジスタ」という)Telを含む。この発光制御トランジスタTelは、駆動トランジスタTdrのソース電極と発光層67の陽極(画素電極65)との間に介挿されたnチャネル型のTFTである。発光制御トランジスタTelがオフ状態に維持されている期間においては駆動トランジスタTdrから発光層67への電流の供給が遮断されるから発光層67は消灯し、発光制御トランジスタTelがオン状態に遷移すると駆動トランジスタTdrから発光層67への電流の供給が許容されて発光層67は点灯する。
【0044】
図7は、図6に示した駆動トランジスタTdrおよび発光制御トランジスタTelの構造を示す断面図である。同図に示されるように、駆動トランジスタTdrと発光制御トランジスタTelとは相互に隣接して配置される。発光制御トランジスタTelのソース電極56は、第1層間絶縁層61のコンタクトホールCH1sを介して半導体層31のソース領域に導通する。さらに、このソース電極56は、発光制御トランジスタTelのゲート電極54および駆動トランジスタTdrのゲート電極34の双方を横断するように第1層間絶縁層61の表面上に延在するゲート対向部分561を有する。したがって、ゲート対向部分561は、第1層間絶縁層61の表面のうちゲート電極34の膜厚分だけ段差下部612よりも高くなった段差上部611に分布する。
【0045】
第1実施形態と同様に、駆動トランジスタTdrおよび発光制御トランジスタTelを覆う第2層間絶縁層62にはコンタクトホールCH2が形成される。このコンタクトホールCH2は、第2層間絶縁層62のうち駆動トランジスタTdrのゲート電極34と重なり合う位置(第1層間絶縁層61の段差上部611と重なり合う位置)に形成される。第2層間絶縁層62の表面上に形成された画素電極65は、コンタクトホールCH2に入り込んでゲート対向部分561に接触することによってソース電極56と導通する。
【0046】
以上に説明したように、本実施形態においても、第1層間絶縁層61がゲート電極34およびゲート電極54の膜厚分だけ高くなった段差上部611と重なり合うようにコンタクトホールCH2が形成されるから、第1実施形態と同様の効果が奏される。このように、発光制御トランジスタTelのソース電極56と画素電極65とを導通させるコンタクトホールCH2は、この発光制御トランジスタTelのゲート電極54と重なり合わなくてもよい。すなわち、本発明においては、ひとつのトランジスタのソース電極(36や56)と半導体層31とを導通するコンタクトホールCH1からみて当該トランジスタのゲート電極(第1実施形態のゲート電極34や第2実施形態のゲート電極54)側にコンタクトホールCH2が位置すれば足り、そのトランジスタのゲート電極とコンタクトホールCH2とが重なり合う必要は必ずしもない。
【0047】
もっとも、図7においてはコンタクトホールCH2が発光制御トランジスタTelのゲート電極54と重なり合わない構成を例示したが、コンタクトホールCH2が駆動トランジスタTdrのゲート電極34および発光制御トランジスタTelのゲート電極54の双方に重なり合う構成としてもよい。また、コンタクトホールCH2が発光制御トランジスタTelのゲート電極54のみと重なり合う構成(つまりコンタクトホールCH2が駆動トランジスタTdrのゲート電極34とは重ならない構成)も採用される。
【0048】
<C:変形例>
以上の各形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
【0049】
(1)変形例1
各実施形態においては、半導体層31の面上にゲート電極(34や54)が配置されたトップゲート構造のトランジスタを例示したが、半導体層の下層にゲート絶縁層が配置されたボトムゲート構造のトランジスタにも本発明は適用される。図8に示されるように、ボトムゲート構造の駆動トランジスタTdrにおいては、基板20を覆う下地層21の表面にゲート電極34が形成され、ゲート電極34を覆うゲート絶縁層32の表面上に半導体層31が形成される。これ以外の要素の構成は各実施形態と同様である。すなわち、第1層間絶縁層61の表面に形成されたソース電極36はゲート電極34と重なり合うゲート対向部分361を含み、第2層間絶縁層62のうちコンタクトホールCH1よりもゲート電極34側の部位に形成されたコンタクトホールCH2を介して画素電極65とソース電極36とが導通する。この構成によっても各実施形態と同様の効果が奏される。
【0050】
また、半導体層31は多結晶シリコンであってもよいし非晶質(アモルファス)シリコンであってもよい。キャリアの移動度が小さい非晶質シリコンによってトランジスタの半導体層31を形成した構成においては、駆動トランジスタのサイズを拡大しながら発光層67の面積を充分に確保することができるという本発明の効果は特に有効である。
【0051】
(2)変形例2
各実施形態においては、nチャネル型のトランジスタを例示して本発明の形態を説明したが、各トランジスタの導電型は適宜に変更される。また、各実施形態においてはソース電極36のゲート対向部分361がコンタクトホールCH2を介して画素電極65に導通する構成を例示したが、トランジスタの導電型や発光層67との関係によっては、ドレイン電極37が同様の構成によって画素電極65に導通する構成としてもよい。本発明における中間導電体とは、半導体層31と画素電極65とを導通するための導電体(各実施形態におけるソース電極)であり、ソース電極およびドレイン電極の何れに該当するかは不問である。
【0052】
(3)変形例3
各実施形態においては、画素電極65を介して発光層67に接続されるトランジスタ(第1実施形態の駆動トランジスタTdrや第2実施形態の発光制御トランジスタTel)に本発明を適用した形態を例示したが、これ以外のトランジスタにも本発明を適用することが可能である。例えば、第1実施形態における選択トランジスタTselに本発明の構成を採用してもよい。また、画素回路Pの構成は図1の例示に限定されない。例えば、図1においてはデータ線13の電圧に応じて発光層67の階調が設定される電圧プログラミング方式の画素回路Pを例示したが、データ線13に流れる電流量に応じて発光層67の階調が設定される電流プログラミング方式の画素回路Pにも本発明を適用することができる。また、例えば米国特許第6,229,506号には、駆動トランジスタTdrのゲート電極とドレイン電極との導通および非導通を制御するトランジスタ(以下「スイッチングトランジスタ」という)によって駆動トランジスタTdrの閾値電圧を補償する画素回路Pが開示されている。この構成の画素回路Pにおいては、例えばスイッチングトランジスタに本発明の構成を適用してもよい。以上のように、本発明における中間導電体の接続先が画素電極65である必要は必ずしもない。
【0053】
(4)変形例4
各実施形態においては有機EL材料からなる発光層67を例示したが、本発明における発光層はこれに限定されない。例えば、無機EL材料からなる膜体やLED(Light Emitting Diode)素子など様々な発光層を採用することができる。本発明における発光層は、電気エネルギの供給(典型的には電流の供給)によって発光する材料によって形成されていれば足り、その具体的な構造の如何は不問である。
【0054】
<D:応用例>
次に、本発明に係る発光装置を利用した電子機器について説明する。図9は、以上に説明した何れかの形態に係る発光装置Dを表示装置として採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての発光装置Dと本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この発光装置Dは有機EL材料からなる発光層67を使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
【0055】
図10に、各実施形態に係る発光装置Dを適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての発光装置Dを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、発光装置Dに表示される画面がスクロールされる。
【0056】
図11に、各実施形態に係る発光装置Dを適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての発光装置Dを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が発光装置Dに表示される。
【0057】
なお、本発明に係る発光装置が適用される電子機器としては、図9から図11に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る発光装置Dの用途は画像の表示に限定されない。例えば、光書込み型のプリンタや電子複写機といった画像形成装置においては、用紙などの記録材に形成されるべき画像に応じて感光体を露光する書込みヘッドが使用されるが、この種の書込みヘッドとしても本発明の発光装置は利用される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発光装置の画素回路の構成を示す回路図である。
【図2】駆動トランジスタの構造を示す断面図である。
【図3】画素回路を製造する工程を説明するための平面図である。
【図4】画素回路を製造する工程を説明するための断面図である。
【図5】対比例に係る画素回路の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る画素回路の構成を示す回路図である。
【図7】駆動トランジスタおよび発光制御トランジスタの構造を示す断面図である。
【図8】変形例に係るトランジスタの構造を示す断面図である。
【図9】本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
【図12】従来のトランジスタの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0059】
D……発光装置、P……画素回路、Tdr……駆動トランジスタ、Tsel……選択トランジスタ、Tel……発光制御トランジスタ、31……半導体層、31c……チャネル領域、31d……ドレイン領域、31s……ソース領域、32……ゲート絶縁層、34……ゲート電極、36……ソース電極、37……ドレイン電極、61……第1層間絶縁層、62……第2層間絶縁層、65……画素電極、66……隔壁、67……発光層、68……共通電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース領域とドレイン領域との間にチャネル領域を有する半導体層と、
ゲート絶縁層を挟んで前記チャネル領域に対向するゲート電極と、
前記半導体層を覆う第1層間絶縁層と、
前記第1層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第1層間絶縁層の第1コンタクトホールを介して前記ソース領域または前記ドレイン領域に導通する中間導電体であって前記ゲート電極と対向する部分を含む中間導電体と、
前記中間導電体を覆い、当該中間導電体のうち前記ゲート電極と対向する部分に重なる位置に第2コンタクトホールを有する第2層間絶縁層と、
前記第2層間絶縁層の面上に形成され、前記第2コンタクトホールを介して前記中間導電体に導通する画素電極と、
前記画素電極とこれに対向する他の電極との間に介挿された発光層と
を有する発光装置。
【請求項2】
ソース領域とドレイン領域との間にチャネル領域を有する半導体層と、
ゲート絶縁層を挟んで前記チャネル領域に対向するゲート電極と、
前記半導体層を覆う第1層間絶縁層と、
前記第1層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第1層間絶縁層の第1コンタクトホールを介して前記ソース領域または前記ドレイン領域に導通する中間導電体と、
前記中間導電体を覆う第2層間絶縁層と、
前記第2層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第2層間絶縁層の第2コンタクトホールを介して中間導電体に導通する画素電極と、
前記画素電極とこれに対向する他の電極との間に介挿された発光層と
を有し、前記第2コンタクトホールは、前記半導体層の表面に垂直な方向からみて前記第1コンタクトホールの前記ゲート電極側に位置する
発光装置。
【請求項3】
前記発光層は、前記半導体層の表面に垂直な方向からみて、前記第1コンタクトホールを挟んで前記第2コンタクトホールとは反対側の領域に位置する
請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
発光層を制御するためのトランジスタを含む画素回路を備えた発光装置であって、
前記トランジスタは、
ソース領域とドレイン領域との間にチャネル領域を有する半導体層と、
ゲート絶縁層を挟んで前記チャネル領域に対向するゲート電極と、
前記半導体層を覆う第1層間絶縁層と、
前記第1層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第1層間絶縁層の第1コンタクトホールを介して前記ソース領域または前記ドレイン領域に導通する中間導電体であって前記ゲート電極と重なるゲート対向部分を含む中間導電体と、
前記中間導電体を覆い、当該中間導電体のうち前記ゲート電極と対向する部分に重なる位置に第2コンタクトホールを有する第2層間絶縁層と、
前記第2層間絶縁層の面上に形成され、前記第2コンタクトホールを介して前記中間導電体に導通する電極部とを有する
発光装置。
【請求項5】
発光層を制御するためのトランジスタを含む画素回路を備えた発光装置であって、
前記トランジスタは、
ソース領域とドレイン領域との間にチャネル領域を有する半導体層と、
ゲート絶縁層を挟んで前記チャネル領域に対向するゲート電極と、
前記半導体層を覆う第1層間絶縁層と、
前記第1層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第1層間絶縁層の第1コンタクトホールを介して前記ソース領域または前記ドレイン領域に導通する中間導電体と、
前記中間導電体を覆う第2層間絶縁層と、
前記第2層間絶縁層の面上に形成されるとともに当該第2層間絶縁層の第2コンタクトホールを介して中間導電体に導通する電極部と
を有し、前記第2コンタクトホールは、前記半導体層の表面に垂直な方向からみて前記第1コンタクトホールの前記ゲート電極側に位置する
発光装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れかに記載の発光装置を具備する電子機器。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−337713(P2006−337713A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162221(P2005−162221)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】