説明

発光装置および電子機器

容積の小さいモジュール化の可能な発光装置を提供することを課題とする。EL素子等を代表とする発光素子を画素部に用い、1枚の発光装置に画素部を2箇所異なる位置に設ける。第1の画素部は、画素をマトリクス状に配置した画素部とし、周辺には、第1の画素部に信号を送る第1のソース信号線駆動回路や第1のゲート線駆動回路を有している。第2の画素部は、パッシブ型の画素で構成し、第1の画素部、第1のソース線駆動回路あるいは第1のゲート線駆動回路を構成するTFT群とは、基板裏面から基板表面に向かう方向に、層間膜で隔てられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、発光素子を備えた発光装置に係り、特に、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)等の携帯情報端末に用いることができる発光装置に関する。
【背景技術】
近年、発光装置として、液晶素子を用いた画素を有する液晶ディスプレイ(LCD)に代わり、エレクトロルミネッセンス(EL)素子等を代表とする発光素子を用いた発光装置の研究開発が進められている。これらの発光装置は、発光型ゆえの高画質、広視野角、バックライトを必要としないことによる薄型、軽量等の利点を活かして、携帯電話機の表示画面やディスプレイ装置として幅広い利用が期待されている。
また、携帯情報端末においては、その使用目的の多角化によって高付加価値が求められ、最近では、通常の表示面の裏側にサブ表示面を設けたものが提供されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】 特開2001−285445号公報
【特許文献2】 特開2001−86205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本来の表示面に加え、サブ表示面を設けた携帯情報端末は、バックライト等を含むモジュールが占める容積に加え、それらを駆動するコントロールIC等を実装した基板等が占める容積も無視できないものになる。特に最近提供されている携帯情報端末は、軽薄短小化が著しく、高付加価値化とのトレードオフとなっている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、容積の小さいモジュール化の可能な発光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明においては以下のような手段を講じた。
EL素子等を代表とする発光素子を画素部に用い、1枚の発光装置に画素部を2箇所異なる位置に設ける。第1の画素部は、画素をマトリクス状に配置し、各画素が当該スイッチ素子により個別にオン、オフ制御されるアクティブマトリクス型の構成を有していて、アクティブマトリクス方式で駆動される。第1の画素部の周辺には、第1の画素部に信号を送る第1のソース線駆動回路や第1のゲート線駆動回路などの第1の画素部を動作させる第1の駆動部を有している。第1の駆動部のように、基板の周辺あるいは画素部の周辺に回路が設けられている部分を周辺回路部と呼ぶ。第2の画素部は、対向配置されるストライプ状の上部電極と下部電極との交点部分を各画素とするパッシブマトリクス型の構成を有していて、パッシブマトリクス方式で駆動される。第2の画素部は、第1の画素部の第1のソース線駆動回路あるいは第1のゲート線駆動回路を構成するTFT群と、基板裏面から基板表面に向かう方向に重ねて形成される。第2の画素部と、第1のソース線駆動回路あるいは第1のゲート線駆動回路を構成するTFT群とは、層間膜で隔てられている。つまり、第2の画素部は、第1のソース線駆動回路あるいは第1のゲート線駆動回路を構成するTFT群などの第1の駆動部上に形成された層間膜の上に形成される。第2の画素部内の発光素子は、第2の画素部内の発光素子から発せられる光が、基板裏面から基板表面に向かう方向に発する構成を有する。そのため、第2の画素部内の発光素子から発せられる光が、第2の画素部内の発光素子に対し基板裏面方向にあるTFTが形成された層に遮られることはない。このため、第2の画素部は、第1のソース線駆動回路あるいは第1のゲート線駆動回路を構成するTFT群と基板表面方向に重ねて形成でき、省スペース化できる。
なお、第2の画素部は第1のソース線駆動回路あるいは第1のゲート線駆動回路以外の機能を持った周辺回路、例えば、画像処理回路やCPU(Central Processing Unit)、メモリー等の機能を持った周辺回路を構成するTFT群と、基板裏面から基板表面方向に重ねて形成してもよい。
また、第1の画素部と第2の画素部とでは、出射方向が表裏逆となる構成としてもよい。
また、用途に応じて表示面を選択出来るようにしても良い。例えば、発光素子に供給する電流経路のいずれかにスイッチ素子を設け、第1の画素部の発光を用いる際には、第2の画素部には電流の供給が遮断され、第2の画素部の発光を用いる際には、第1の画素部には電流の供給が遮断されるような構成としても良い。その場合には、第1の画素部を動作させる第1の駆動部と、第2の画素部を動作させる第2の駆動部と、第1の駆動部および第2の駆動部にそれぞれ信号および電圧を供給する配線とを有する発光装置において、第1の駆動部および第2の駆動部に信号および電圧を供給する配線の一部または全てを共通とし、前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作させる手段を設けて、外部で切り替えるような構成にしてもよい。
本発明の発光装置は、
基板の一表面に複数の第1の画素がマトリクス状に配置された第1の画素部を有し、
前記一表面に前記第1の画素部とは異なる位置に、複数の第2の画素が配置された第2の画素部を有し、
前記第1の画素部は、
前記一表面の側に光を発する第1の発光素子を有する前記複数の第1の画素を有し、
前記第2の画素部は、
周辺回路部上に形成された層間膜の上に形成され、
且つ前記第2の画素部は、
前記一表面の側に光を発する第2の発光素子を有する前記複数の第2の画素を有することを特徴としている。
本発明の発光装置は、
基板の一表面に複数の第1の画素がマトリクス状に配置された第1の画素部を有し、
前記一表面に前記第1の画素部とは異なる位置に、複数の第2の画素が配置された第2の画素部を有し、
前記第1の画素部は、
前記一表面と反対の方向に光を発する第1の発光素子を有する前記複数の第1の画素を有し、
前記第2の画素部は、
周辺回路部上に形成された層間膜の上に形成され、
且つ前記第2の画素部は、
前記一表面の側に光を発する第2の発光素子を有する前記複数の第2の画素を有することを特徴としている。
本発明の発光装置において
前記第1の画素部を動作させる第1の駆動部と、
前記第2の画素部を動作させる第2の駆動部と、
前記第1の駆動部および前記第2の駆動部にそれぞれ信号および電圧を供給する配線とを有し、
前記第1の駆動部および前記第2の駆動部にそれぞれ信号および電圧を供給する配線の一部または全てを共通とし、
前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作させる手段を有することを特徴としている。
本発明の発光装置において
前記周辺回路部が、前記第1の画素部を動作させる第1の駆動部であることを特徴としている。
本発明の発光装置において
前記複数の第1の画素は、それぞれスイッチ素子を有し、
前記第1の画素部は、アクティブマトリクス方式で駆動させることを特徴としている。
本発明の発光装置において
前記第2の画素部は、
パッシブマトリクス方式で駆動させることを特徴としている。
本発明の発光装置において
前記発光装置を電子機器に用いることを特徴としている。
なお、本明細書中でスイッチ素子や駆動素子として、薄膜トランジスタ(TFT)を用いているが、特に限定はしない。例えば、MOSトランジスタ、有機トランジスタ、分子トランジスタ等が挙げられるが、いずれも同様に用いて良い。
【発明の効果】
本発明は、上記構成によって、薄型で容積の小さい発光装置を提供することが可能となる。また、表示する面によって駆動するのに必要な信号および電圧を切り替える、もしくは共有化することで、入力信号数を削減できる。
本発明は、発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子を用いた発光装置だけでなく、その他の発光装置などについても適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、発光装置の画素部の構成の1例を示す断面図である[実施の形態1]。
図2は、発光装置の画素部の構成の1例を示す断面図である[実施の形態2]。
図3は、発光装置の画素部の構成の1例を示す断面図である[実施の形態3]。
図4は、発光装置の画素部の構成の1例を示す回路図である。
図5は、本発明の発光装置であるパネル基板の構成の1例を示す図である[実施例1]。
図6は、本発明の発光装置であるパネル基板を折畳式携帯電話機に使用した場合の構成の1例を示す図である[実施例1]。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の実施形態について、以下に説明する。
(実施の形態1)
本発明の一実施形態を図1に示す。
図1(A)は第1の画素部における1画素の断面図の1例を表したものである。第1の画素部は、基板の一表面に図1(A)で表される第1の画素を複数有し、第1の画素がマトリクス状に配置されている。図1(B)は第2の画素部における1画素の断面図の1例を表したものである。第2の画素部は、基板の一表面であって第1の画素部とは異なる位置に、図1(B)で表される第2の画素を複数有する。図1(A)および図1(B)において同一層の部分には同じ符号を用いている。また第1の画素部における1画素の回路図の1例を図4に表す。図4において、900は画素、901はスイッチングTFT、902は駆動TFT、903は発光素子である。
図1(A)において、点線枠1010で囲まれた領域が駆動TFTであり、発光素子1011に直接、もしくは他の回路素子を通して電流を供給する。
発光素子1011は画素電極1012、電界発光層1003、対向電極1004が積層している個所であり、基板1000の一表面側に発光する。すなわち、発光方向1013で表された向きに発光する。このとき画素電極1012はアルミニウム等の反射膜で形成されており、発光方向1013と逆の方向に発した光を反射する機能を有する。したがって、発光素子1011は選択的に発光方向1013で表された向きに発光する構成を有する。なお、画素電極1012は、反射膜および反射膜の上に透明導電膜を積層した構造にしてもよい。また、電界発光層1003より、発光方向1013で表された向きに積層されている対向電極1004は、透明導電膜、あるいは光を透過できる厚さで形成されたアルミニウム等、保護膜1005は窒化炭素膜等の透過膜で形成されている。
駆動TFT1010の電極1014と画素電極1012の間には第2層間膜1001が存在し、駆動TFTの電極1014と画素電極1012を電気的に接続するために、コンタクトホール1015が設けられている。隣接する第1の画素間には土手または隔壁と呼ばれる絶縁膜1002が設けられている。絶縁膜1002は画素電極1012の端部を覆うように設けられている。絶縁膜1002がないと、画素電極1012の端部において対向電極1004との間にエッジリークが発生する。この絶縁膜1002は、そのリークを防止する機能を有する。
図1(B)において、点線枠1020で囲まれた領域が第1の画素部を動作させるのに必要な信号を供給している第1のソース線駆動回路あるいは第1のゲート線駆動回路等の周辺回路を構成するTFT群である。第2の画素部は、この周辺回路を構成するTFT群の上に形成される。
第2の画素部は発光素子1021を有する。発光素子1021は画素電極1022、電界発光層1003、対向電極1004が積層している個所であり、基板1000の一表面側に発光する。すなわち、発光方向1023で表された向きに発光する。このとき画素電極1022はアルミニウム等の反射膜で形成されており、発光素子1021から発光方向1023とは逆の方向に発せられた光を反射する機能を有する。したがって、発光素子1021は選択的に発光方向1023で表された向きに発光する構成を有する。なお、画素電極1022は、反射膜および反射膜の上に透明導電膜を積層した構造にしてもよい。また、電界発光層1003より発光方向1023で表された向きに積層されている対向電極1004は透明導電膜、あるいは光を透過できる厚さで形成されたアルミニウム等、保護膜1005は窒化炭素膜等の透過膜で形成されている。
TFT群1020と画素電極1022の間には第2層間膜1001が存在し、TFT群1020と画素電極1022が電気的に接続しないように形成されている。隣接する第2の画素間には土手または隔壁と呼ばれる絶縁膜1002が設けられている。絶縁膜1002は画素電極1022の端部を覆うように設けられている。絶縁膜1002がないと、画素電極1022の端部において対向電極1004との間にエッジリークが発生する。この絶縁膜1002は、そのリークを防止する機能を有する。
図1(A)および図1(B)において電界発光層1003は同一層とした。しかし、異なる材料で電界発光層を形成してもよいし、画素ごとに異なる材料で電界発光層を形成してもよい。
図1(A)および図1(B)において対向電極1004は同一層とした。しかし、異なる材料で対向電極を形成してもよいし、電気的に接続されていなくともよい。
図1(A)および図1(B)において保護膜1005は同一層とした。しかし、異なる材料で保護膜を形成してもよい。
また、電界発光層1003としては、低分子材料、高分子材料、中分子材料のいずれの材料であってもよい。
なお、実際には図1まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
また、駆動TFT1010およびTFT群1020には公知の方法で作製されたpチャネル型TFTまたはnチャネル型TFT等が用いられるものとする。
(実施の形態2)
本発明の一実施形態を図2に示す。
図2(A)は第1の画素部における1画素の断面図の1例を表したものである。第1の画素部は、基板の一表面に図2(A)で表される第1の画素を複数有し、第1の画素がマトリクス状に配置されている。図2(B)は第2の画素部における1画素の断面図の1例を表したものである。第2の画素部は、基板の一表面であって第1の画素部とは異なる位置に、図2(B)で表される第2の画素を複数有する。図2(A)および図2(B)において同一層の部分には同じ符号を用いている。また第1の画素部における1画素の回路図の1例を図4に表す。図4において、900は画素、901はスイッチングTFT、902は駆動TFT、903は発光素子である。
図2(A)において、点線枠2010で囲まれた領域が駆動TFTであり、発光素子2011に直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子2011に電流を供給する。
発光素子2011は画素電極2012、電界発光層2003、対向電極2004が積層している個所であり、基板2000の一表面と反対の方向に発光する。すなわち、発光方向2013で表された向きに発光する。画素電極2012は、透明導電膜で形成されており、画素電極2012から発光方向2013で表された向きに形成されている膜、および基板2000は光を透過する材料で形成されている。また反射膜2006は保護膜2005の上に成膜されており、発光素子2011から発光方向2013とは逆の方向に発せられた光を反射する役割を果たす。したがって、発光素子2011は選択的に発光方向2013で表された向きに発光する構成を有する。
駆動TFT2010の電極2014と画素電極2012の間には第2層間膜2001が存在し、駆動TFT2010の電極2014と画素電極2012を電気的に接続するために、コンタクトホール2015が設けられている。隣接する第1の画素間には土手または隔壁と呼ばれる絶縁膜2002が設けられている。絶縁膜2002は画素電極2012の端部を覆うように設けられている。絶縁膜2002がないと、画素電極2012の端部において対向電極2004との間にエッジリークが発生する。この絶縁膜2002は、そのリークを防止する機能を有する
図2(B)において、点線枠2020で囲まれた領域が第1の画素部を動作させるのに必要な信号を供給している第1のソース線駆動回路あるいは第1のゲート線駆動回路等の周辺回路を構成するTFT群である。第2の画素部は、この周辺回路を構成するTFT群の上に形成される。
第2の画素部は発光素子2021を有する。発光素子2021は画素電極2022、電界発光層2003、対向電極2004が積層している個所であり、基板2000の一表面側に発光する。すなわち、発光方向2023で表された向きに発光する。このとき画素電極2022はアルミニウム等の反射膜で形成されており、発光素子2021から発光方向2023とは逆の方向に発せられた光を反射する機能を有する。したがって、発光素子2021は選択的に発光方向2023で表された向きに発光する構成を有する。なお、画素電極2022は、反射膜および反射膜の上に透明導電膜を積層した構造にしてもよい。また、電界発光層2003より発光方向2023で表された向きに積層されている対向電極2004は透明導電膜、あるいは光を透過できる厚さで形成されたアルミニウム等、保護膜2005は窒化炭素膜等の透過膜で形成されている。
TFT群2020と画素電極2022の間には第2層間膜2001が存在し、TFT群2020と画素電極2022が電気的に接続しないように形成されている。隣接する第2の画素間には土手または隔壁と呼ばれる絶縁膜2002が設けられている。絶縁膜2002は画素電極2022の端部を覆うように設けられている。絶縁膜2002がないと、画素電極2022の端部において対向電極2004との間にエッジリークが発生する。この絶縁膜2002は、そのリークを防止する機能を有する
図2(A)および図2(B)において電界発光層2003は同一層とした。しかし、異なる材料で電界発光層を形成してもよいし、画素ごとに異なる材料で電界発光層を形成してもよい。
図2(A)および図2(B)において対向電極2004は同一層とした。しかし、異なる材料で対向電極を形成してもよいし、電気的に接続されていなくともよい。
図2(A)および図2(B)において保護膜2005は同一層とした。しかし、異なる材料で保護膜を形成してもよい。
また、電界発光層2003としては、低分子材料、高分子材料、中分子材料のいずれの材料であってもよい。
なお、実際には図2まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
また、駆動TFT2010およびTFT群2020には公知の方法で作製されたpチャネル型TFTまたはnチャネル型TFT等が用いられるものとする。
(実施の形態3)
本発明の一実施形態を図3に示す。
図3(A)は第1の画素部における1画素の断面図の1例を表したものである。第1の画素部は、基板の一表面に図3(A)で表される第1の画素を複数有し、第1の画素がマトリクス状に配置されている。図3(B)は第2の画素部における1画素の断面図の1例を表したものである。第2の画素部は、基板の一表面であって第1の画素部とは異なる位置に、図3(B)で表される第2の画素を複数有する。図3(A)および図3(B)において同一層の部分には同じ符号を用いている。また第1の画素部における1画素の回路図の1例を図4に表す。図4において、900は画素、901はスイッチングTFT、902は駆動TFT、903は発光素子である。
図3(A)において、点線枠3010で囲まれた領域が駆動TFTであり、発光素子3011に直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子3011に電流を供給する。
発光素子3011は画素電極3012、電界発光層3003、対向電極3004が積層している個所であり、基板3000の一表面側に発光する。すなわち、発光方向3013で表された向きに発光する。このとき画素電極3012はアルミニウム等の反射膜で形成されており、発光方向3013と逆の方向に発した光を反射する機能を有する。したがって、発光素子3011は選択的に発光方向3013で表された向きに発光する構成を有する。なお、画素電極3012は、反射膜および反射膜の上に透明導電膜を積層した構造にしてもよい。また、電界発光層3003より基板表面方向に積層されている対向電極3004は透明導電膜、あるいは光を透過できる厚さで形成されたアルミニウム等、保護膜3005は窒化炭素膜等の透過膜、カラーフィルタ3007はカラーレジスト等で形成されている。カラーフィルタ3007の材料を画素ごとに異なる材料を用いれば、画素ごとに異なる色で発光することが可能である。
駆動TFT3010の電極3014と画素電極3012の間には第2層間膜3001が存在し、駆動TFT3010の電極3014と画素電極3012を電気的に接続するために、コンタクトホール3015が設けられている。隣接する第1の画素間には土手または隔壁と呼ばれる絶縁膜3002が設けられている。絶縁膜3002は画素電極3012の端部を覆うように設けられている。絶縁膜3002がないと、画素電極3012の端部において対向電極3004との間にエッジリークが発生する。この絶縁膜3002は、そのリークを防止する機能を有する
図3(B)において、点線枠3020で囲まれた領域が第1の画素部を動作させるのに必要な信号を供給している第1のソース線駆動回路あるいは第1のゲート線駆動回路等の周辺回路を構成するTFT群である。第2の画素部は、この周辺回路を構成するTFT群の上に形成される。
第2の画素部は発光素子3021を有する。発光素子3021は画素電極3022、電界発光層3003、対向電極3004が積層している個所であり、基板3000の一表面側に発光する。すなわち、発光方向3023で表された向きに発光する。このとき画素電極3022はアルミニウム等の反射膜で形成されており、発光素子3021から発光方向3023とは逆の方向に発せられた光を反射する機能を有する。したがって、発光素子3021は選択的に発光方向3023で表された向きに発光する構成を有する。なお、画素電極3022は、反射膜および反射膜の上に透明導電膜を積層した構造にしてもよい。また、電界発光層3003より発光方向3023で表された向きに積層されている対向電極3004は透明導電膜、あるいは光を透過できる厚さで形成されたアルミニウム等、保護膜3005は窒化炭素膜等の透過膜、カラーフィルタ3007はカラーレジスト等で形成されている。カラーフィルタ3007の材料を画素ごと異なる材料を用いれば、画素ごとに異なる色で発光することが可能である。
TFT群3020と画素電極3022の間には第2層間膜3001が存在し、TFT群3020と画素電極3022が電気的に接続しないように形成されている。隣接する第2の画素間には土手または隔壁と呼ばれる絶縁膜3002が設けられている。絶縁膜3002は画素電極3022の端部を覆うように設けられている。絶縁膜3002がないと、画素電極3022の端部において対向電極3004との間にエッジリークが発生する。この絶縁膜3002は、そのリークを防止する機能を有する
図3(A)および図3(B)において電界発光層3003は同一層とした。しかし、異なる材料で電界発光層を形成してもよいし、画素ごとに異なる材料で電界発光層を形成してもよい。
図3(A)および図3(B)において対向電極3004は同一層とした。しかし、異なる材料で対向電極を形成してもよいし、電気的に接続されていなくともよい。
図3(A)および図3(B)において保護膜3005は同一層とした。しかし、異なる材料で保護膜を形成してもよい。
カラーフィルタ3007は領域ごとに異なる材料を用いてもよい。
また、電界発光層3003としては、低分子材料、高分子材料、中分子材料のいずれの材料であってもよい。
なお、実際には図3まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
また、駆動TFT3010およびTFT群3020には公知の方法で作製されたpチャネル型TFTまたはnチャネル型TFT等が用いられるものとする。
【実施例】
以下に、本発明の実施例について記載する。
【実施例1】
本発明の発光装置を構成するパネル基板の1例について説明する。
図5(A)は、第1の画素部における1画素の断面図が図1(A)で、第2の画素部における1画素の断面図が図1(B)で表されるパネル基板を、基板5000を下側、対向基板5002を上側にしたときの上面図である。図5(B)はパネル基板を横から見たときの図である。図5(A)および図5(B)において同じ部分には同じ符号を用い、説明を省略している。基板5000上に第1の画素部5010と、第1の画素部5010とは異なる位置に第2の画素部5020とが設けられている。第1の画素部5010は、基板5000の一表面に図1(A)で表される第1の画素を複数有し、第1の画素がマトリクス状に配置される。第1の画素部を構成する第1の画素は、基板5000の一表面側に光を発する第1の発光素子を複数有する。第1の画素部5010の発光方向は5013である。第2の画素部5020は、基板5000の一表面に図1(B)で表される第2の画素を複数有する。第2の画素部を構成する第2の画素は、基板5000の一表面側に光を発する第2の発光素子を有する。第2の画素部5020の発光方向は5023である。
第2の画素部5020は、第1の画素部5010を発光させるのに必要な信号を供給する第1のソース線駆動回路5011と発光方向5023で表される向きに重ねて形成されている。第1のソース線駆動回路5011と第2の画素部5020の間には層間膜が存在し、第1のソース線駆動回路5011と第2の画素部が電気的に接続しないように形成されている。
基板5000表面は、FPC5003が接着されている部分を除き、シール材5001と対向基板5002とによって、充填材で密封されている。
第1の画素部5010には、第1のソース線駆動回路5011、第1のゲート線駆動回路5012a、5012bが接続されており、第1の画素部5010を発光させるのに必要な信号を供給している。
第2の画素部5020には、第2の駆動回路5021が接続されており、第2の画素部5020を発光させるのに必要な信号を供給している。
パネル基板にはFPC5003を通して、第1のソース線駆動回路5011、第2の駆動回路5021、および第1のゲート線駆動回路5012a、5012bを駆動させるのに必要な信号および電圧・電流が供給される。
第1の画素部5010と第2の画素部5020が同時に点灯することがない構成とするならば、第1の画素部5010を動作させるのに必要な信号を供給するソース線駆動回路5011および第2の画素部5020を動作させるのに必要な信号を供給する第2の駆動回路5021に信号および電圧を供給する配線の一部もしくはすべてを共通のものとし、且つ前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作させる手段を設けて、外部で切り替えるような構成にしてもよい。ここで、駆動回路に信号を供給する配線を信号線といい、駆動回路に電圧を供給する配線を電源線という。
図6は、図5で表されるパネル基板を電子機器に用いた例であり、本パネル基板を折り畳み式携帯電話機に使用した時の1例である。
図6の折り畳み式携帯電話機は、第1の筐体5100と第2の筐体5200から構成される。図6(A)は折り畳み式携帯電話機を開いた状態を表している。図6(B)は折り畳み式携帯電話機を閉じた状態を表している。図6(C)は折り畳み式携帯電話機を開いた状態における断面図を表している。図6(A)〜(C)において同じ部分には同じ符号を用いている。また図6(A)〜(C)において図5と同じ部分には同じ符号を用いている。
第1の筐体5100は、スピーカー5101、表示コントローラ5102、及び図5で表される本発明のパネル基板を有している。パネル基板は、基板5000と対向基板5002とをシール材で貼り合わせてなり、第1の画素部5010と第2の画素部5020とを有している。
第2の筐体5200は、アンテナ5201、マイクロホン5202、本体駆動用モジュール5203、操作ボタンモジュール5204およびバッテリー5205を有している。
図6(A)は折り畳み式携帯電話機を開いた状態を表しており、使用者は第1の画素部5010に映し出された画像および第2の画素部5020に映し出された画像を見ることができる。
図6(B)は折り畳み式携帯電話機を閉じた状態を表している。
図6(C)は折り畳み式携帯電話機を開いた状態における断面図を表しており、第1の画素部5010の発光方向は5013、第2の画素部5020の発光方向は5023である。
ここでは、第1の画素部5010の発光方向5013と、第2の画素部5020の発光方向5023とを同じ向きにした例を示したが、第1の画素部5010の発光方向5013と、第2の画素部5020の発光方向5023とを反対の方向にして、第1の画素部5010または第2の画素部のいずれか一方の画像を第1の筐体5100の裏側に表示させることもできる。この場合には、図6(B)の折り畳み式携帯電話機を閉じた状態でいずれか一方の画像を見ることができる。第1の画素部の発光方向と第2の画素部の発光方向とを反対の方向にして、いずれか一方の画像を第1の筐体5100の裏側に表示させるには、例えば、図5で表される本パネル基板において第1の画素部および第2の画素部が図2で表されるパネル基板を採用すればよい。
また、図5で表される本パネル基板において第1の画素部および第2の画素部が図3で表されるパネル基板を採用すれば、カラー表示を実現することができる。
また、ここでは本発明の発光装置を折り畳み式携帯電話機に用いた例を示したが、他の構造の携帯電話機や無線通信機、PDA(Personal Digital Assistance)等の携帯情報端末に本発明の発光装置を用いることができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一表面に複数の第1の画素がマトリクス状に配置された第1の画素部を有し、
前記一表面に前記第1の画素部とは異なる位置に、複数の第2の画素が配置された第2の画素部を有し、
前記第1の画素部は、
前記一表面の側に光を発する第1の発光素子を有する前記複数の第1の画素を有し、
前記第2の画素部は、
周辺回路部上に形成された層間膜の上に形成され、
且つ前記第2の画素部は、
前記一表面の側に光を発する第2の発光素子を有する前記複数の第2の画素を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
基板の一表面に複数の第1の画素がマトリクス状に配置された第1の画素部を有し、
前記一表面に前記第1の画素部とは異なる位置に、複数の第2の画素が配置された第2の画素部を有し、
前記第1の画素部は、
前記一表面と反対の方向に光を発する第1の発光素子を有する前記複数の第1の画素を有し、
前記第2の画素部は、
周辺回路部上に形成された層間膜の上に形成され、
且つ前記第2の画素部は、
前記一表面の側に光を発する第2の発光素子を有する前記複数の第2の画素を有することを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記第1の画素部を動作させる第1の駆動部と、
前記第2の画素部を動作させる第2の駆動部と、
前記第1の駆動部および前記第2の駆動部にそれぞれ信号および電圧を供給する配線とを有し、
前記第1の駆動部および前記第2の駆動部にそれぞれ信号および電圧を供給する配線の一部または全てを共通とし、
前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作させる手段を有することを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記周辺回路部が、前記第1の画素部を動作させる第1の駆動部であることを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記複数の第1の画素は、それぞれスイッチ素子を有し、
前記第1の画素部は、アクティブマトリクス方式で駆動させることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記第2の画素部は、
パッシブマトリクス方式で駆動させることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光装置を用いることを特徴とする電子機器。

【国際公開番号】WO2004/059600
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【発行日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562868(P2004−562868)
【国際出願番号】PCT/JP2003/016030
【国際出願日】平成15年12月15日(2003.12.15)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】