説明

発光装置の製造方法

【課題】 有機EL層をフォトリソグラフィにより一色ずつパターニングして配列する方法では、三色目の有機EL層の下部電極表面は、先に形成される二色の有機EL層を除去するエッチング工程で、二度、エッチングガスに曝露され、電極表面の清浄度及び平滑度が低下し発光効率が低下する。
【解決手段】 基板に、複数の下部電極と、それぞれが異なる下部電極の上にあり異なる色で発光する第一、第二および第三有機層と、第一、第二または第三有機層を挟んで下部電極に対向する上部電極と、が設けられた発光装置の製造方法において、
はじめに複数の下部電極上に第一有機層を形成し、一部の下部電極上の第一有機層をエッチングにより除去して下部電極を露出させた後、露出させた下部電極上に新たな有機層を形成する工程を第二、第三有機層について繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置の製造方法に関するものである。より具体的には、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)素子を備える表示装置、照明装置などの発光装置の製造方法である。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネルディスプレイとして、自発光型デバイスである有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置とは、一対の電極と、一対の電極の間に配置された有機層とを有する有機EL素子を表示素子として用いた表示装置を意味している。カラー表示を行う有機EL表示装置には、白色光を発する有機EL素子と複数色のカラーフィルタを組み合わせた構成や、赤、緑、青のような互いに異なる色の光を発する複数種類の有機EL素子を配置する構成などが採用される。
【0003】
複数種類の有機EL素子を高い位置精度で有機層を所定の位置に形成する方法として、特許文献1にはフォトリソグラフィ法を用いて有機層をパターニングする方法が開示されている。
【0004】
具体的には、基板の全面に塗布法にて1色目の光を発光する第一発光層を形成し、その上にフォトレジスト層(剥離層)を形成する。次いで、第一発光層を残す領域にのみフォトレジスト層が残るように、フォトリソグラフィ法を用いてフォトレジスト層をパターニングした後、フォトレジスト層をマスクとして第一発光層を選択的にエッチングする。これにより第一発光層が所定の領域に形成される。
【0005】
次に、第一発光層のパターニングに用いたフォトレジストを残したまま、基板全面に塗布法にて2色目の光を発光する第二発光層を形成し、フォトレジスト層をその上に形成された第二発光層とともに剥離(リフトオフ)する。さらに、第一発光層及び第二発光層の上にフォトレジスト層(剥離層)を形成し、第一発光層及び第二発光層を残すべき領域にのみフォトレジスト層が残るように、フォトリソグラフィ法を用いてフォトレジスト層をパターニングする。このフォトレジスト層をマスクとして第二発光層をエッチングにより除去することにより、第二発光層が所定の領域にパターニングされて形成される。
【0006】
次いで、第二発光層をエッチングするときに用いたフォトレジスト層を残したまま、基板全面に塗布法にて3色目の光を発光する第三発光層を形成し、フォトレジスト層をその上に形成された第三発光層とともに剥離(リフトオフ)する。これで、第3発光層が所定領域にパターニングされて形成される。
【0007】
フォトリソグラフィ法を用いれば、互いに異なる色の光を発する第一有機層、第二有機層および第三有機層を、高い位置精度で所定の位置に形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−36971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、従来のフォトリソグラフィプロセスによれば、有機EL層を一色ずつ所定の位置にパターニングし、これを3色分繰り返して配列するため、3色目の有機EL層が形成される下部電極表面は、先に形成される2色の有機EL層を除去するためのエッチングプロセス中に二度エッチングガスまたはエッチング液に曝露されることとなる。
【0010】
有機EL層を除去するためのプロセスとして、酸素ガス、CF4ガス、SF6ガス等によるドライエッチングが挙げられる。ドライエッチングプロセスに下部電極が曝露されることで下記の問題が発生する場合がある。
【0011】
まず第一の問題として、電極材料とエッチングガスとの反応により下部電極表面に化合物が形成したり、反応生成物の下部電極表面への再付着が生じることで下部電極表面の清浄度が低下する。下部電極表面の清浄度が低下すると、下部電極から有機層への正孔あるいは電子の注入特性が低下し、結果として発光効率の低下や駆動電圧の高電圧化による消費電力の増加、発光ムラ等の表示不良の要因となる。特に、下部電極としてAlやAg等の合金材料を用いた場合、下部電極の表面にエッチングガスとの反応化合物が生成されやすいため、この問題が顕著に表れる。また下部電極表面にITO、IZO、MoO等の酸化物透明導電膜が形成される場合は、反応化合物は生成しないが酸化物透明導電膜の表面酸化度が変化し、有機層への正孔あるいは電子の注入特性が低下する。
【0012】
次に第二の問題として、下部電極の表面がエッチングされることにより、表面平滑度が低下し局所的な電流集中が生じ発光効率の低下につながるとともに、最悪の場合、下部電極と上部電極との間で短絡して非発光となる。
【0013】
このような下部電極表面の清浄度や平滑度の低下度合いは、下部電極表面がドライエッチングプロセスに曝露される時間に比例するため、3色目の有機EL層が形成される下部電極表面において最も清浄度や平滑度が低下する。その結果、3色目の有機EL層が形成された有機EL素子における、発光効率の低下や表示不良が多発し、有機EL表示装置の歩留まりを低下する要因となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、
基板に、複数の下部電極と、それぞれが異なる前記下部電極の上にあり異なる色で発光する第一、第二および第三有機層と、前記第一、第二または第三有機層を挟んで前記下部電極に対向する上部電極と、が設けられた発光装置の製造方法であって、
(1)基板に複数の下部電極を形成する工程、
(2)前記複数の下部電極の上に第一有機層を形成する工程、
(3)前記複数の下部電極のうちの一部の下部電極の上の前記第一有機層をエッチングにより除去して前記下部電極を露出させた後、露出させた下部電極の上に第二有機層を形成する工程、
(4)前記(3)の工程における一部の下部電極とは異なる別の一部の下部電極の上の前記第一有機層をエッチングにより除去して前記下部電極を露出させた後、露出させた下部電極の上に第三有機層を形成する工程、ならびに
(5)前記(4)の工程で除去されずに残った前記第一有機層と前記第二有機層および第三有機層の上に上部電極を形成する工程
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法においては、3色目の有機層が形成される下部電極面がドライエッチングプロセスに曝露される回数が減るため、3色目の有機層の下部電極表面の清浄度や平滑度の低下度合いが低減する。その結果、有機EL表示装置の表示不良を低減するとともに、発光効率の向上及び駆動電圧の低電圧化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の発光装置の製造方法の第1の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の発光装置の製造方法の第2の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の発光装置の製造方法の第3の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の実施例にかかる有機EL表示装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の方法で製造される発光装置は、有機エレクトロルミネセンス素子に代表される発光素子をもつ。有機エレクトロルミネセンス素子は、下部電極と上部電極との間に有機物質を含む層を有し、有機物質は赤、青、緑のいずれかのエレクトロルミネセンス材料を含んでいる。これらの異なる色で発光する3種類の有機EL素子が1つの組になって画素を構成する。アクティブマトリクス表示装置の場合、下部電極は基板上に複数個分離して形成され、独立に電圧が印加される。上部電極は全発光素子に共通である。パッシブマトリクスの場合は、上部電極、下部電極ともストライプ形状をなして、たがいに交差している。
【0018】
本発明の発光装置は、まず基板に複数の下部電極を形成し、その上に第一の色の有機層を形成する。次いで、一部の下部電極上の第一の色の有機層を除去してその下の下部電極を露出させ、露出させた下部電極上に第二の色の有機層を形成する。その後、第二の色の有機層を形成した下部電極とは異なる下部電極、つまり別の下部電極上の第一色の有機層を除去して下部電極を露出させる。しかし、すべての下部電極上の第一色の有機層を除去するのではなく、一部の下部電極上には第一色の有機層を残しておく。そして、露出させた下部電極上に第三色の有機層を形成し、最後に上部電極を形成する。
【0019】
つまり、はじめに第一色目の有機層を全部の下部電極上に形成し、その後の第二色、第三色の有機層は、下部電極上にある第一色目の有機層をその都度除去してその位置に形成していく。第4色やさらに多色の有機層を形成する場合も同様であり、その有機層を形成すべき下部電極上にある第一色の有機層を除去し、その位置に新しい有機層を形成する。
【0020】
この方法によれば、下部電極は、はじめに形成された第一有機層によって覆われ、新しい有機層が形成される段階で第一有機層が除去され、その上に新しい有機層が形成される。下部電極が露出するのはこの第一有機層が除去されるときの1回だけである。露出する回数は第二色以降のどの色の有機層も同じ1回である。また、いずれも第一有機層の除去工程によって露出するので、露出される雰囲気や露出時間も同じにすることができる。この結果、第二有機層以降は成膜時の下部電極面の条件がすべて同じになり、発光効率その他の特性が均一になる。
【0021】
以下、本発明の三つの実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において特に図示されない、あるいは説明されない部分に関しては、当該技術分野の周知あるいは公知の技術を適用することができる。また、以下に説明する三つの実施形態は一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態を示し、有機EL表示装置の製造工程を描いたものである。図1は、
(A)が基板に下部電極(2a、2b、2c)を形成した状態、
(B)が下部電極上に第一有機層(3)を形成した状態、
(C)を経て(D)が、一部の下部電極(2b)上の第一有機層を除去して下部電極を露出させ、露出させた下部電極(2b)と除去されずに残った第一有機層の上に、第二有機層(4)を成膜した状態、
(E)から(F)が別の一部の下部電極(2c)上の第一有機層を除去して、露出させた下部電極上に第三有機層(5c)を形成した状態、
(G)が、(E)の工程で除去されずに残った第一有機層と第二有機層および第三有機層の上に上部電極(6)を形成した状態である。
【0023】
本実施形態の製造方法は、第一、第二、第三有機層をすべてエッチングによりパターン形成するものである。
【0024】
基板1は、ガラス、Siウェハなどの絶縁性の基板である。これ以外に、有機EL素子の製造工程における温度に耐え、かつ表示装置としての使用条件に適する材料であれば特に制限なく用いることができる。
【0025】
下部電極2a,2b,2cの形成に先立って、基板1上には、必要に応じて有機EL表示装置を駆動するための駆動回路(不図示)が設けられる。その他、駆動回路による凹凸を平坦化するための平坦化層や、電極間を分離するとともに発光領域を区画する分離層などを、必要に応じて設けることができる。
【0026】
この基板1に複数の下部電極2a,2b,2cを形成する(図1(A))。下部電極2a,2b,2cが形成された領域が、有機EL表示装置の表示領域となる。
【0027】
下部電極2a,2b,2cはそれぞれが有機EL素子の下側の電極を構成する。以下の工程によって、3つの下部電極2a,2b,2cの上には、3つの異なる色で発光する有機層が形成される。下部電極2a,2b,2c上にはそれぞれ第一、第二、第三有機層を発光層とする有機EL素子が形成される。第一有機層を含む有機EL素子が形成される領域を第一発光部、第二有機層を含む有機EL素子が形成される領域を第二発光部、第三有機層を含む有機EL素子が形成される領域を第三発光部と呼ぶ。これら3つの発光部が画素を構成する。
【0028】
下部電極2a,2b,2cは、導電性材料を用いて形成される。導電性材料として、Al、Agなどの金属材料、ITO、IZO、MoOx等の酸化物導電材料、あるいはそれらの積層膜を用いることができる。Al、Agなどの金属部材の表面を、アルミニウム合金膜、銀合金膜、または透明酸化物導電膜で被覆した下部電極であってもよい。これらの導電性材料を基板1上に成膜し、フォトリソグラフィー法やインクジェット法等でパターニングしたフォトレジストをマスクとしてエッチングすることにより、下部電極2a,2b,2cを同時に形成することができる。
【0029】
下部電極2a,2b,2cは一部が、またはすべてが異なる導電材料を用いて形成されていてもよい。
【0030】
次に、基板1の少なくとも下部電極2a,2b,2cが形成された表示領域に、第一有機層3を真空蒸着法あるいは塗布法などを用いて形成する(図1(B))。
【0031】
第一有機層3や、以下の第二有機層4、第三有機層5の材料には、低分子系或いは高分子系の発光材料を選択して用いることができる。各有機層は、発光材料からなる層に、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層などを積層した複数層で構成されていてもよい。
【0032】
次に、第二発光部の下部電極2bの上にある第一有機層3を選択的に除去する第一加工工程を行う(図1(C))。
【0033】
第一加工工程では、図1(C)に示すように、第一発光部の第一有機層3aだけでなく第三発光部の第一有機層3cも残すようにパターニングする。パターニング方法としては、フォトリソグラフィ法やインクジェット法等を用いてフォトレジスト等の膜を所望のパターンに形成し、この膜をマスクとして第一有機層3をエッチングし除去する。
【0034】
第一有機層3のエッチング方法としては、エッチングガスとして、酸素ガスやCF4、SF6などのフッ化物系のガスを用いたリアクティブイオンエッチング(RIE)もしくはプラズマエッチング等の各種ドライエッチング法や、第一有機層3が可溶な溶解液を用いたウェットエッチング法を用いることができる。ドライエッチング法は、ウェットエッチング法に比べて、第一有機層のサイドエッチングによる後退量が少ないので、より好ましい。
【0035】
第一加工工程にて、第二発光部の下部電極2bはエッチングガスまたはエッチング液に晒され、表面にいくらかのダメージを受ける。しかし、第一発光部の下部電極2aと第三発光部の下部電極2cは、その上を第一有機層3が被覆しており、ダメージを受けない。
【0036】
第一加工工程終了後、第一有機層3とは異なる色の光を発する第二有機層4を真空蒸着法あるいは塗布法などを用いて形成する(図1(D))。
【0037】
真空蒸着法で形成する場合は、第一発光部をマスクで覆い、第二発光部と第三発光部にのみ選択的に第二有機層4を形成してもよい。マスクを用いない蒸着や塗布の場合は、第二有機層4は表示領域全面に形成される。
【0038】
第二有機層4は、第一有機層3と同様、低分子系或いは高分子系の発光材料を選択することができる。また、第一有機層3と同様の積層膜構成とすることができる。
【0039】
次に、第二有機層4をパターニングする第二加工工程を行う(図1(E))。パターニング方法としては、第一加工工程と同様の方法を用いることができる。
【0040】
第二加工工程では、図1(E)に示すように、第二発光部の第二有機層4は残し、第三発光部の第二有機層4と第一有機層3cを順に除去して下部電極2cを露出させる。
【0041】
第二加工工程における第一有機層3cのエッチングは、第一加工工程と同じ条件で行うことが好ましい。すなわち、同じエッチングガスまたは同じエッチング液を用いて、エッチング時間や温度を等しくして行うことが、下部電極に与える影響を同じにするために好ましい。
【0042】
第二有機層4の形成工程で第二有機層4を全面に形成した場合(図1(D))、第一発光部にも第二有機層4がある。第一発光部では、第一有機層3aを残して第二有機層4だけを除去する必要がある。この場合、まず第一発光部及び第三発光部に形成されている第二有機層4をエッチング除去し、その後第一発光部の第一有機層3aを残して第三発光部の第一有機層3cのみを選択的に除去する、二段階のパターニング工程を行えばよい。この際、第一発光部の第一有機層3aは、第二有機層4のエッチング時にエッチング選択比に依存して若干エッチングされてしまうことがある。この膜厚減少分を考慮してあらかじめ第一有機層3を厚めに形成しておくのが好ましい。
【0043】
次に、第一有機層3、第二有機層4のいずれとも異なる色の光を発する第三有機層5を真空蒸着法あるいは塗布法などを用いて形成する(図1(F))。マスク蒸着法により、第三有機層5を第三発光部の下部電極2c上にのみ形成してもよい。
【0044】
第三有機層5を第一発光部から第三発光部まで全面に形成する場合は、第一乃至第二加工工程と同様の方法により第一発光部及び第二発光部の第三有機層5を除去し、第三発光部の第三有機層5cを残すようにパターニング加工する。このとき第一発光部及び第二発光部に形成されている第一有機層3a及び第二有機層4bはエッチングにより若干膜厚が減少するため、エッチングによる膜厚減少分を考慮してあらかじめ第一有機層を厚めに形成しておくのが好ましい。パターニング方法としては、第一乃至第二加工工程と同様の方法を用いることができる。第三有機層5の材料選択及び積層構成も、第一有機層、第二有機層と同様にすることができる。
【0045】
最後に、各々パターニング形成された第一有機層3a、第二有機層4b、第三有機層5cを含む領域全面に、上部電極6を形成することで有機EL表示装置が完成する(図1(G))。第一有機層3a、第二有機層4b、第三有機層5cと上部電極6との間に共通有機化合物層を形成してもよい。
【0046】
上部電極6は、Al、Agなどの金属材料、ITO、IZOなどの酸化物導電材料、或いはそれらの積層膜を用いることができる。ここで、有機層で発せられた光を外部に出射させるために、下部電極2a,2b,2cと上部電極6の少なくとも一方には、透明或いは半透明の材料を用いる。ここで、可視光に対して80%以上の透過率を有するものを透明、可視光に対して20〜80%の透過率を有するものを半透明という。上部電極6は、蒸着法やスパッタリング等の真空成膜法を用いて形成することができる。形成時に有機層にダメージを与えない導電性を有する材料であることが好ましい。
【0047】
有機EL素子は水分によって劣化するため、図1には図示していないが、上部電極6の上に、有機EL素子に水分が浸透するのを防ぐための封止構造を設けることが好ましい。封止構造には、シリコン窒化膜などの防湿性の高い封止膜を、単層あるいは積層膜で設ける膜封止構成や、ガラス等の防湿性の高い封止基板の周囲を接着剤やガラスフリットで基板1に固定するキャップ封止構成などを採用することができる。このとき、基板1の周縁部に有機材料を形成しない領域を設け、有機EL素子が設けられた領域と封止構成の外側(外部)とが、有機材料によって繋がらないようにしておくことで、外部から水分が浸透する経路を断つことができる。
【0048】
以上のようにして、第一有機層3a、第二有機層4b、第三有機層5cが所定の各発光部に形成され、それぞれが異なる色で発光するカラー表示の有機EL表示装置を得ることができる。
【0049】
本実施形態では、図1(C)に示すように、第一加工工程のエッチングが第三発光部に有機層3cを残して行われ、第二発光部の下部電極2bのみが露出する。第三発光部の下部電極2cは、図1(E)の第二加工工程で露出し、エッチングガスに暴露されてダメージを受け清浄度や平滑度が低下するが、第一加工工程では露出しないので、暴露によるダメージは1回のみである。この結果、第二発光部の下部電極2bと第三発光部の下部電極2cは、その上に有機層が形成される前にダメージを受けるプロセスの回数が同じになる。このため、第二発光部の有機層4bと第三発光部の有機層5cとは、ほぼ清浄度や平滑度が同程度の下地の上に形成されることとなり、発光効率などの特性が均一になる。
【0050】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態を示し、有機EL表示装置の製造工程を描いたものである。図2は、
(A)が基板に下部電極(2a、2b、2c)を形成した状態、
(B)が下部電極上に第一有機層(3)と第一保護層(7)を形成した状態、
(C)が、一部の下部電極(2b)上の第一有機層を除去して下部電極を露出させた状態、
(D)が露出させた下部電極(2b)上に第二有機層となる膜(4)と第二保護層となる膜(8)を成膜した状態、
(E)が別の一部の下部電極(2c)上の第一有機層を除去した状態、
(F)が露出させた下部電極(2c)上に第三有機層(5c)と第三保護層(9c)を形成した状態、
(G)が保護層を除去した状態、
(H)が上部電極(6)を形成した状態である。
【0051】
本実施形態の製造方法は、第一、第二、第三有機層の上にそれぞれ保護層を形成する工程を含んでいることが第1の実施形態と異なる。有機層と保護層はすべてエッチングによりパターン形成される。
【0052】
以下、図2を用いて本実施形態の有機EL装置の製造方法について説明するが、第1の実施形態と同じ部分については説明を省略する。
【0053】
基板1上に第一の実施形態と同様にして下部電極、2a,2b,2cを形成する(図2(A))。
【0054】
図2(A)に示すように基板1に下部電極2a,2b,2cを形成した後、第一有機層3及び第一保護層7をこの順に真空蒸着法あるいは塗布法により形成する(図2(B))。
【0055】
第一保護層7は、第一有機層3を以後のパターニングプロセスや環境中の水分から保護することが可能な材料であれば任意の材料を用いることができ、シリコン、アルミ等の金属材料、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、アルミ窒化膜等の無機材料、あるいはポリイミド、アクリル等の有機樹脂等を用いることができる。特に水分遮断性能の点で、防湿性の高いシリコン窒化膜を用いるのが好適である。第一保護層7として金属材料、無機材料を用いる場合は蒸着法やスパッタリング法等の公知の真空成膜法を用いて形成することができる。第一保護層7として有機樹脂を用いる場合は、蒸着法等の真空成膜法及びスピンコーティング法等の塗布法を用いて形成することができる。
【0056】
次に、少なくとも第二発光部の下部電極上の第一保護層7及び第一有機層3を除去する第一加工工程を行う(図2(C))。このとき、図2(C)に示すように第一発光部及び第三発光部の第一保護層7a,7c及び第一有機層3a,3cを残すようにパターニングする。パターニング方法としては、フォトリソグラフィ法やインクジェット法等を用いて所望のパターンにフォトレジスト等の保護膜をパターニングし、当該保護膜をマスクとして第一保護層及び第一有機層を部分的に順次エッチング除去する。
【0057】
第一保護層7のエッチング方法としては、エッチングガスとしてCF4ガスやSF6などのフッ化物系のガスを用いたリアクティブイオンエッチング(RIE)もしくはプラズマエッチング等の各種ドライエッチング法や、第一保護層が可溶なエッチング液を用いたウェットエッチング法を用いることができる。エッチング時の第一有機層のサイドエッチングによる後退量が少ないドライエッチング法を用いるのが好ましく、とくにRIEを用いるのが好適である。
【0058】
第一保護層7がシリコン膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜の場合は、CF4、SF6、CHF3等のフッ化物系のガスをエッチングガスとしたRIEを用いることができる。第一保護層7がアルミ膜、チタン膜の場合は、塩素ガスや三塩化ボロンガスを用いたRIEを用いることができ、第一保護層7が有機樹脂である場合は、酸素ガスを用いたRIEを用いることができる。
【0059】
第一保護層7をエッチング除去した後に、エッチングガスを酸素ガスに切り替えて露出した第一有機層3をRIEによりエッチング除去する。第一保護層7に有機樹脂を用いた場合は、第一保護層7及び第一有機層3を同一プロセス中で一括してエッチング除去することができる。この第一加工工程にて、第三発光部の下部電極2cは第一有機層及び第一保護層7が被覆しているため、エッチングプロセスに曝露されない。
【0060】
次に、第一有機層3とは異なる色の光を発する第二有機層4及び第二保護層8を真空蒸着法あるいは塗布法などを用いて順次形成する。第二有機層4及び第二保護層8は、図2(D)のように第一から第三発光部すべての領域全面に形成してもよいが、マスク蒸着法により、第二発光部の下部電極2b上にのみ形成してもよい。
【0061】
第二保護層8は、第一保護層7と同様の材料及び方法を用いて形成することができるが、第一保護層7と第二保護層8を同一材料、同一膜厚とすることで、この後の保護層除去工程において単一のプロセスで除去できるため好適である。
【0062】
次に、前述の第二保護層8及び第二有機層4をパターニングする第二加工工程を行う(図2(E))。パターニング方法としては、第一加工工程と同様の方法を用いることができる。
【0063】
第二加工工程では、図2(E)に示すように、少なくとも第三発光部の第一保護層7cないし第二保護層8c及び第一有機層3cないし第二有機層4cを除去することで第三発光部の下部電極2cを露出させ、第二発光部の第二保護層8b及び第二有機層4bを残すようにパターニングする。
【0064】
先の工程(図2(D))で第二有機層4及び第二保護層8を第一発光部及び第三発光部上に形成している場合は、第一発光部は下部電極上の第一保護層7a及び第一有機層3aを残して第二保護層及び第二有機層のみをエッチング除去し、第三発光部は第二保護層、第二有機層、第一保護層、第一有機層をすべて除去する必要がある。この場合、まず第一発光部及び第三発光部に形成されている第二保護層及び第二有機層を順次エッチング除去し、その後第三発光部の下部電極上の第一保護層及び第一有機層を順次エッチング除去する、二段階のパターニング工程を行えばよい。
【0065】
次に、少なくとも第三発光部の下部電極2c上に、第一有機層3及び第二有機層4とは異なる色の光を発する第三有機層5及び第三保護層9を真空蒸着法あるいは塗布法などを用いて順次形成する(図2(F))。
【0066】
第三保護層9は、第一保護層7及び第二保護層8と同様の材料及び方法を用いて形成することができるが、第一保護層及び第二保護層と同一材料、同一膜厚とすることで、以後の保護層除去工程において単一プロセスで除去できるため好適である。図示していないが、第一から第三発光部すべての領域全面に第三有機層5及び第三保護層9を形成してもよく、その場合は第一乃至第二加工工程と同様の方法により、第一発光部及び第二発光部の第三保護層及び第三有機層5を除去し、第三発光部の第三保護層9c及び第三有機層5cを残すようにパターニング加工する。パターニング方法としては、第一乃至第二加工工程と同様の方法を用いることができる。
【0067】
次に、各有機層上に形成されている第一保護層7a,第二保護層8b,第三保護層9cを除去する保護層除去工程を行う(図2(I))。保護層除去工程は、保護層がシリコン膜、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜の場合はCF4、SF6,CHF3等のフッ化物系のガスを用い、アルミ膜、チタン膜を用いる場合は塩素ガス、三塩化ボロンガスを用いたリアクティブイオンエッチング(RIE)を用いることができる。保護層が有機樹脂である場合は、酸素ガスを用いたRIEを用いることができる。このとき各発光部に形成されている第一、第二、第三有機層は保護層のエッチングにより若干膜厚が減少するため、エッチングによる膜厚減少分を考慮してあらかじめ各有機層を厚めに形成しておくのが好ましい。
【0068】
最後に、各々パターニング形成された第一有機層3a、第二有機層4b、第三有機層5cを含む領域全面に、上部電極6を形成することで有機EL表示装置が完成する(図2(G))。
【0069】
実施形態1と同様に、本実施形態においても、第二発光部の下部電極2bと第三発光部の下部電極2cは、有機層が形成される前にエッチングダメージを受ける回数が同じになる。このため、第二発光部の有機層4bと第三発光部の有機層5cは、ほぼ同質の下地の上に形成されることとなり、発光特性が均一になる。
【0070】
また、本実施形態では、各有機層を形成した直後にその上を保護層で被覆する。これにより、第二有機層のパターニング工程(図2(D)と(E)の間)において第一有機層表面(上面)がエッチングガスにさらされることがない。第三有機層のパターニング工程(図2(E)と(F)の間)においても、第一有機層と第二有機層が保護膜で被覆されており、やはりエッチングガスにさらされることがない。有機層の表面がエッチングダメージを受けると、上部電極との界面が汚染されたり平滑でなくなるので、キャリアの注入特性を低下させる。保護層を設けることによりこれが防止できる。
【0071】
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態を示し、有機EL表示装置の製造工程を描いたものである。図3は、
(A)が基板に下部電極(2a、2b、2c)を形成した状態、
(B)が下部電極上に第一有機層(3)を形成し、その上に剥離層(10)を成膜した状態、
(C)が、剥離層をパタンニングして、剥離層のない下部電極(2b)上の第一有機層を除去し、下部電極を露出させた状態、(D)が、露出させた下部電極(2b)上に第二有機層(4)を成膜した状態、
(E)が、剥離層(10a、10c)とその上の第二有機層を除去することにより、下部電極(2b)上に第二有機層が形成された状態、
(F)を経て(G)が、別の剥離層(11)をパタンニングして、剥離層で覆われていない第一有機層(3c)をエッチングして除去し、下部電極(2c)を露出させた状態、
(H)が、露出させた下部電極(2c)と剥離層(11)上に第三有機層(5)を成膜した状態、
(I)が剥離層(11)とその上の第三有機層(5)を除去した結果、下部電極(2c)上に第三有機層(5c)が形成された状態、
(J)が上部電極(6)を形成した状態である。
【0072】
本実施形態の製造工程は、第1及び第2の実施形態と異なり、第一有機層をエッチングによって選択的に除去する際のマスクとなる剥離層を残してその上に第二有機層を成膜し、剥離層を除去するリフトオフ法により第二有機層を形成する。第三有機膜についても同様のリフトオフによりパターン形成する。以下、図3を用いて本実施形態の有機EL装置の製造方法について説明するが、第1及び第2の実施形態と同じ部分については説明を省略する。
【0073】
図3(A)に示すように、基板1の表示領域に下部電極2a,2b,2cを形成した後、第一有機層3及び第一剥離層10を真空蒸着法あるいは塗布法などを用いて順次形成する(図3(B))。
【0074】
第一剥離層10は、第一有機層3の溶解度が低い溶解液に対する溶解度が高く、かつ、第一剥離層10形成時に第一有機層3にダメージを与えない材料を選択することが好ましい。第一有機層3に、例えば、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、縮合多環炭化水素化合物などの水にほとんど溶解しない材料を用いた場合、第一剥離層10を溶解する溶解液(剥離液)として水を好適に用いることができる。その場合、第一剥離層10にはLiF、NaClなどの水溶性無機材料、或いは、ポリヴィニルアルコール(PVA)、ポリヴィニルピロリドンなどの水溶性ポリマーを使用することができる。第一剥離層10の形成方法としては材料に合わせて選択することができ、水溶性無機材料の場合は蒸着法などの真空成膜法を用いて形成し、水溶性ポリマーの場合は蒸着法などの真空成膜法を用いるか、あるいは、スピンコーティング法などの塗布法を用いて形成する。
【0075】
次に、少なくとも第二発光部の下部電極上の第一剥離層10及び第一有機層3を除去する第一加工工程を行う(図3(C))。このとき、図3(C)に示すように、少なくとも第二発光部における第一有機層及び第一剥離層を除去し、第一発光部及び第三発光部の第一有機層3a,3c及び第一剥離層10a,10cを残すようにパターニングする。パターニング方法としては、フォトリソグラフィ法やインクジェット法等を用いて所望のパターンにフォトレジスト等の保護膜をパターニングし、当該保護膜をマスクとして第一剥離層及び第一有機層を部分的に順次エッチング除去する。
【0076】
第一剥離層10のエッチング方法としては、第一剥離層10がLiFなどの無機材料である場合は、Arガスを用いたリアクティブイオンエッチング(RIE)、あるいは水によるウェットエッチングを用いることができる。第一剥離層10が水溶性ポリマーである場合は、酸素ガスを用いたRIEやプラズマエッチングを用いるか、あるいは水によるウェットエッチングを用いることができる。いずれの場合も、エッチング時の第一剥離層のサイドエッチングによる後退量が少ないRIE等のドライエッチング法を用いるのが好適である。第一剥離層10を部分的にエッチング除去した後、露出した第一有機層3を酸素ガスを用いたRIEもしくはプラズマエッチングにより除去する。第一剥離層10に水溶性ポリマーを用いた場合は、第一剥離層10と第一有機層3を同一プロセス中で一括してエッチング除去することができる。
【0077】
この第一加工工程にて、第三発光部の下部電極2cは第一有機層及び第一剥離層が被覆しているため、エッチングプロセスに曝露されない。
【0078】
次に、少なくとも第二発光部の下部電極2b上に第二有機層4を真空蒸着法あるいは塗布法などを用いて形成する(図3(D))。第二有機層4を真空蒸着法で形成するほうが後述の第一剥離工程で第一剥離層を剥離しやすいため好適である。
【0079】
次に、第一剥離層10とともに第二有機層4をリフトオフする第一剥離工程を行う(図3(E))。第一剥離工程は、第一剥離層10を溶解する溶液中に基板1を浸漬して行う。前述のように第一剥離層10として水溶性材料を用いた場合は水を含有した溶液を剥離液として用いる。このとき第一剥離層10を確実に剥離液に接触させるため、第二有機層4の膜厚に対して第一有機層3の膜厚と第一剥離層10の膜厚の合計を十分に厚くしておくとよい。第二有機層を真空蒸着法で形成すると、真空蒸着法は蒸着材料の蒸気の直進性が高い成膜方法であるため、第二有機層4が第一剥離層10の側部に堆積する膜はほとんどなく、露出した第一剥離層10の側部で剥離液と確実に接触させることができる。その結果、第一剥離層10を安定かつ確実に溶解することができる。第一剥離層10が溶解することで、第一剥離層10上の第二有機層4も同時に基板1からリフトオフされ、結果として図3(E)に示すように第二発光部のみに第二有機層4bがパターニングされる。
【0080】
次に、基板1の少なくとも下部電極2a,2b,2cが形成された表示領域に、第二剥離層11を形成する(図3(F))。第二剥離層11は、前述の第一剥離層と同様の材料及び方法を用いて形成することができる。
【0081】
次に、第三発光部における第二剥離層11及び第一有機層3cを除去する第二加工工程を行う(図3(G))。第二加工工程では、図3(G)に示すように、第三発光部における第二剥離層11及び第一有機層3cを除去し、第一発光部及び第二発光部の第二剥離層11を残すようにパターニングする。パターニング方法としては、前述の第一剥離層10と同様の方法を用いることができ、第二剥離層11をエッチング除去した後に露出した第三発光部の第一有機層3cを、酸素ガスによるRIEやプラズマエッチングによって除去する。この第二加工工程において第三発光部に残していた第一有機層3cをエッチング除去し、第三発光部の下部電極2cを露出させる。
【0082】
次に、少なくとも第三発光部の下部電極2c上に、第三有機層5を真空蒸着法あるいは塗布法などを用いて形成する(図3(H))。第三有機層5を真空蒸着法で形成するほうが後述の第二剥離工程で第二剥離層を剥離しやすいため好適である。
【0083】
次に、第二剥離層11とともに第三有機層5をリフトオフする第二剥離工程を行う(図3(I))。第二剥離工程では、第一剥離工程と同様に第二剥離層11を溶解する溶液中に基板1を浸漬して行う。前述のように第二剥離層11として水溶性材料を用いた場合は水を含有した溶液を剥離液として用いる。このときに第二剥離層11を確実に溶解液に接触させるため、第三有機層5の膜厚に対して第一有機層3、第二有機層4の膜厚と第二剥離層11の膜厚の合計を十分に厚くしておくとよい。第三有機層を真空蒸着法で形成することで、真空蒸着法は蒸着材料の蒸気の直進性が高い成膜方法であるため、第三有機層5が第二剥離層11の側部に堆積する膜はほとんどなく、露出した第二剥離層11の側部で溶解液と確実に接触させることができる。その結果、第二剥離層11を安定かつ確実に溶解することができる。第三有機層5は、第一有機層3a及び第二有機層4bとの界面部分の第二剥離層11が溶解することで、基板1からリフトオフされ、結果として第三発光部にのみ第三有機層5cが残るようにパターニングされる。
【0084】
第二剥離層11が溶解することで、第二剥離層11上の第三有機層5も同時に基板1からリフトオフされ、結果として図3(I)に示すように第三発光部のみに第三有機層5cがパターニングされる。
【0085】
最後に、各々パターニング形成された第一有機層3a、第二有機層4b、第三有機層5cを含む領域全面に、上部電極6を形成することで有機EL表示装置が完成する(図3(J))。
【0086】
本実施形態においても、第二発光部の下部電極2bと第三発光部の下部電極2cは、有機層が形成される前にエッチングダメージを受ける回数が同じになる。このため、第二発光部の有機層4bと第三発光部の有機層5cは、ほぼ同質の下地の上に形成されることとなり、発光特性が均一になる。
【0087】
本実施形態は、第二有機層と第三有機層をリフトオフによりパターニングするので、第一有機層も含めて、すべての有機層が、塗布後にエッチング工程に暴露されることがない。したがって、有機層の表面(上面)がダメージを受けることがなく、有機層の上を保護層で覆う必要もない。
【0088】
エッチング工程における電極や有機膜のダメージは、ウエットエッチングにおいても生じ得る。強酸性のエッチング液を用いて有機層をエッチングすると、露出した下部電極面が腐食されやすい。本発明はそのようなウエットエッチングを含む場合にも適用することができる。
【0089】
以上は3つの有機層を持つ発光装置についての実施形態であるが、4以上の有機層を順次形成する場合にも、本発明は適用できる。4色目の有機層を形成するべき下部電極について、第一有機層をエッチングにより除去し、その上に4色目の有機層を形成し、以下同様に繰り返すことができる。各有機層は、塗布、蒸着その他任意の方法により成膜され得る。
【0090】
第一有機層を除いて第二有機層以降は下部電極の表面条件が同じであるから、色の異なる有機層の形成順序に制限はない。各有機層の平面的な大きさは同じでなくてもよい。RGBの3色の並び方も、ストライプ、デルタなど任意の配列であってよい。
【0091】
以上の実施形態は有機EL素子を例にして説明したが、有機EL素子の代わりに、無機EL素子、LED,フィールドエミッション素子などの発光素子を用いることもできる。
【0092】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0093】
本実施例は第1の実施形態の例である。
【0094】
図4は本実施例の有機EL表示装置の上面図である。基板1には、下部電極2a、2b、2cと有機層3a、4b、5cがマトリクス配列した表示領域40、外部と接続するための外部端子21、有機EL素子を駆動するための周辺回路20が設けられている。図4には描かれていないが、基板1には、表示領域40にあって、有機層3a、4b、5cを挟んで下部電極2a、2b、2cと対向する上部電極、外部端子21と周辺回路20とを接続する配線、有機EL素子毎に設けられる画素回路等も設けられている。
【0095】
下部電極2a,2b,2cはこの順に表示領域40の行(横)方向に周期的に並んでいる。各行は列(縦)方向に繰り返して配置されている。
【0096】
下部電極2a,2b及び2cは、基板1の表示領域40にスパッタリング法を用いてAlSi合金を200nm成膜した後、フォトリソグラフィ法でフォトレジストをパターニングし、フォトレジストをマスクとして塩素ガスによるRIEにてエッチングすることで形成した。下部電極2a,2b及び2cはそれぞれ幅50um×長さ150umの長方形パターンとし、互いに10umの間隔をおいて配置した。下部電極2a,2b及び2cとの間にはポリイミド樹脂からなる画素間分離膜(図示せず)を膜厚2umで形成した。
【0097】
次に、図1(B)に示すように、表示領域40にパターニングされた下部電極2a,2b及び2c上に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層から構成される第一有機層3を形成した。第一有機層3は蒸着法を用いて形成した。第一有機層3に含まれる発光層には、青色を発光する低分子材料を用いた。第一有機層3の層膜厚は250nmとした。
【0098】
次に、図1では省略されているが、第一有機層3上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ法により表示領域内における第二発光部を露出するようにフォトレジストをパターニングした。
【0099】
次に、第一加工工程として前述のフォトレジストをマスクにして酸素ガスによるRIEを行い、第二発光部に形成された第一有機層3を除去した(図1(C))。
【0100】
次に、図1(D)に示すように、ホール注入層、ホール輸送層、発光層から構成される第二有機層4を、第一有機層と同じ表示領域に同じ真空蒸着法を用いて形成した。第2有機層4は、第二発光部の露出した下部電極2bの上と、第一加工工程でエッチングを受けずに残った第一発光部と第三発光部の第一有機層3a,3cの上に成膜される。第二有機層4に含まれる発光層には、緑色を発光する公知の低分子材料を用いた。第二有機層4の層膜厚は300nmとした。
【0101】
次に、第二有機層4上にフォトレジストを0.8umの膜厚で形成し、フォトリソグラフィ法により第一発光部及び第三発光部を露出するようにフォトレジストをパターニングした。
【0102】
次に、第二加工工程として、まず第一発光部及び第三発光部に形成された第二有機層4を酸素ガスによるRIEにて除去した。第二有機層エッチング後の第一有機層3の膜厚は350nmであった。エッチング後、第二有機層上のフォトレジストは有機溶媒で除去した。次に、図1には図示していないが、基板1上に再度フォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ法により第三発光部のみを露出するようにフォトレジストをパターニングした。
【0103】
続いて、第三発光部の下部電極上に残しておいた第一有機層3をRIEにて除去した(図1(E))。この際、第一加工工程における第一有機層3の除去と同じ酸素ガスを用いた。
【0104】
次に、基板1の表示領域に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層から構成される第三有機層5を真空蒸着法を用いて成膜した。第三有機層5は、露出した下部電極2cの上だけでなく、第一発光部の第一有機層3aの上と、第二発光部の第二有機層4bの上にも蒸着した。第三有機層5に含まれる発光層には、赤色を発光する低分子材料を用いた。第三有機層5の層膜厚は300nmとした。
【0105】
続いて、基板1上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ法により第一発光部及び第二発光部を露出し、第三発光部は被覆するようにフォトレジストをパターニングした。
【0106】
続いて、第一発光部及び第二発光部に形成された第三有機層5を酸素ガスによるRIEにて除去した(図1(F))。この結果、第一発光部にエッチングされずに残った第一有機層3が、第二発光部に第二有機層4bが、第三発光部に第三有機層5cがそれぞれパターニングして形成された。第一有機層3及び第二有機層4の膜厚はそれぞれ200nm及び250nmであった。
【0107】
次に、図1(G)に示すように、各々パターニング形成された第一有機層3a、第二有機層4b、第三有機層5c上に上部電極6を形成した。上部電極の形成領域は、表示領域及び上部電極6へ給電するコンタクト部(不図示)を含む。上部電極6としては、膜厚20nmのAgをスパッタリング法を用いて形成した。
【0108】
上部電極6の上には膜厚2000nmのシリコン窒化膜(不図示)をプラズマCVD法により成膜し、有機層への水分浸入防止用の封止膜とした。
【0109】
以上のようにして、第三発光部の下部電極表面へのプロセスダメージを低減し,表示不良の少ない高精細な有機EL表示装置を得た。
【実施例2】
【0110】
本実施例は第2の実施形態の例である。上面図は実施例1の図4と同じである。構成材料、寸法、製造手順など実施例1と同じ部分は説明を省略する。
【0111】
まず、図2(A)に示すように、ガラス基板1の上に複数の下部電極2a、2b、2cを実施例1と同じ手順で形成した。膜圧、平面寸法も実施例1と同じである。
【0112】
次に、図2(B)に示すように、表示領域40のパターニングされた下部電極2a,2b及び2c上に、第一有機層3及び第一保護層7を順次形成した。第一有機層3に含まれる発光層には、青色を発光する低分子材料を用いた。第一有機層3の層膜厚は250nmとした。第一保護層7はシリコン窒化膜を用い膜厚は1umとした。第一保護層7はプラズマCVD法を用いて形成した。
【0113】
次に、第一保護層7上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ法により第二発光部を露出するようにフォトレジストをパターニングした。
【0114】
次に、第一加工工程として、前述のフォトレジストをマスクにしてRIEを行い、第二発光部に形成された第一保護層7と第一有機層3を連続して除去した(図2(C))。シリコン窒化膜からなる第一保護層7はCF4によるRIEでエッチング除去し、その後第一有機層3は酸素ガスによるRIEにてエッチングした。
【0115】
次に、図2(D)に示すように、基板1上に、第二有機層4及び第二保護層8を順次形成した。第二保護層8はプラズマCVD法を用いて形成した。第二有機層4に含まれる発光層には、緑色を発光する公知の低分子材料を用いた。第二有機層4の層膜厚は300nmとした。第二保護層8は、前述の第一保護層7と同様にシリコン窒化膜を用い膜厚は1umとした。
【0116】
続いて、第二保護層8上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ法により第一発光部を露出するようにフォトレジストをパターニングした。
【0117】
続いて第一発光部に形成された第二保護層8及び第二有機層4を連続的に除去した。シリコン窒化膜からなる第二保護層8のドライエッチングはCF4ガスによるRIEにて行い、その後第二有機層4を酸素ガスによるRIEにてエッチングした。
【0118】
次に、基板1上に再度フォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ法により第三発光部のみを露出するようにフォトレジストをパターニングした。
【0119】
続いて、第三発光部に形成された第二保護層、第二有機層、第一保護層7及び第一有機層3を順次連続的に除去した(図2(E))。シリコン窒化膜からなる第一保護層及び第二保護層ははCF4ガスによるRIEにてエッチングし、第一有機層及び第二有機層は酸素ガスによるRIEにてエッチングした。
【0120】
次に、図2(F)に示すように、基板1の表示領域に、第三有機層5及び第三保護層9を順次形成した。第三有機層5に含まれる発光層には、赤色を発光する低分子材料を用いた。第三有機層5の層膜厚は300nmとした。第三保護層9は、前述の第一保護層7、第二保護層8と同様にシリコン窒化膜を用い膜厚は1umとした。第三保護層9はプラズマCVD法を用いて形成した。
【0121】
次に、基板1上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ法により表示領域40内における第一発光部及び第二発光部を露出し、第三発光部は被覆するようにフォトレジストをパターニングした。
【0122】
次に、第一発光部及び第二発光部に形成された第三保護層9及び第三有機層5を連続的に除去することで第三発光部にのみ第三保護層及び第三有機層をパターン形成した(図2(F))。具体的にはシリコン窒化膜からなる第三保護層9はCF4ガスによるRIEにてエッチングし、第三有機層5は酸素ガスによるRIEにてエッチングした。
【0123】
次に、保護層除去工程において、第一発光部の第一保護層7、第二発光部の第二保護層8、第三発光部の第三保護層9をCF4ガスによるRIEにて除去した(図2(G)。保護層除去後の、各有機層の膜厚は、第一有機層が200nm、第二有機層が250nm、第三有機層が300nmであった。
【0124】
次いで、図2(H)に示すように、各々パターニング形成された第一有機層3a、第二有機層4b、第三有機層5c上に実施例1と同じ上部電極6を形成し、さらに実施例1と同じ封止膜を形成した。
【実施例3】
【0125】
本実施例は、図3に示した本発明の第3の実施形態の例である。本実施例の有機EL表示装置の上面図は実施例1,2と同じ図4である。以下、実施例1,2と同じ部分は説明を省略する。
【0126】
図3(A)に示すように、ガラス基板1の上に複数の下部電極2a、2B、2cを実施例1,2と同様に形成した。
【0127】
次に、図3(B)に示すように、基板1の表示領域40に、第一有機層3を真空蒸着法により形成した。第一有機層3に含まれる発光層には、青色を発光する低分子材料を用いた。第一有機層3の層膜厚は200nmとした。
【0128】
次に、第一有機層3上に第一剥離層10をスピンコーティング法により形成した。第一剥離層10として、ポリヴィニルピロリドンを用いた。ポリヴィニルピロリドン水溶液を形成後に乾燥させ、膜厚600nmのポリヴィニルピロリドン膜を得た。
【0129】
次いで、第一剥離層10上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ法により第二発光部を露出するようにフォトレジストをパターニングした。
【0130】
続いて、第一加工工程として前述のフォトレジストをマスクにして酸素ガスによるRIEを行い、第二発光部に形成された第一有機層3を除去した(図3(C))。
【0131】
次に、図3(D)に示すように、基板1の表示領域40に、第二有機層4を真空蒸着法により形成した。第二有機層4に含まれる発光層には、緑色を発光する公知の低分子材料を用いた。第二有機層4の層膜厚は250nmとした。
【0132】
次に、第一剥離工程として、第二有機層4まで形成した基板1を流水に浸漬した。第一剥離層10は水溶性のポリヴィニルピロリドンで形成されているため、第一剥離層10が流水中で溶解し、第一剥離層10ごと第一剥離層10上の第二有機層4をリフトオフした。その結果、第二発光部にのみ第二有機層4bをパターニング形成した(図3(E))。
【0133】
次に、図3(F)に示すように、基板1上に第二剥離層11をスピンコーティング法により形成した。第二剥離層11として、前述の第一剥離層10と同様にポリヴィニルピロリドンを用いた。ポリヴィニルピロリドン水溶液を形成後に乾燥させ、膜厚600nmのポリヴィニルピロリドン膜を得た。
【0134】
次に、第二剥離層11上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ法により表示領域40内における第三発光部を露出するようにフォトレジストをパターニングした。
【0135】
次に、第二加工工程として前述のフォトレジストをマスクにして酸素ガスによるRIEを行い、第三発光部に形成された第一有機層3cを除去した(図3(G))。
【0136】
次に、図3(H)に示すように、基板1の表示領域40に、第三有機層5を真空蒸着法により形成した。第三有機層5に含まれる発光層には、赤色を発光する公知の低分子材料を用いた。第三有機層5の層膜厚は300nmとした。
【0137】
次に、第二剥離工程として、第三有機層5まで形成した基板1を流水に浸漬した。第二剥離層11は水溶性のポリヴィニルピロリドンで形成されているため、第二剥離層11が流水中で溶解し、第二剥離層11ごと第二剥離層11上の第三有機層5をリフトオフした。その結果、第三発光部にのみ第三有機層5cをパターニング形成した(図3(I))。
【0138】
次いで、図3(J)に示すように、実施例1,2と同様の上部電極6と封止膜を形成した。
【符号の説明】
【0139】
1 基板
2a,2b,2c 下部電極
3,3a,3c 第一有機層
4,4b 第二有機層
5,5c 第三有機層
6 上部電極
7,7a,7c 第一保護層
8,8b 第二保護層
9,9c 第三保護層
10 第一剥離層
11 第二剥離層
40 表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に、複数の下部電極と、それぞれが異なる前記下部電極の上にあり異なる色で発光する第一、第二および第三有機層と、前記第一、第二または第三有機層を挟んで前記下部電極に対向する上部電極と、が設けられた発光装置の製造方法であって、
(1)基板に複数の下部電極を形成する工程、
(2)前記複数の下部電極の上に第一有機層を形成する工程、
(3)前記複数の下部電極のうちの一部の下部電極の上の前記第一有機層をエッチングにより除去して前記下部電極を露出させた後、露出させた下部電極の上に第二有機層を形成する工程、
(4)前記(3)の工程における一部の下部電極とは異なる別の一部の下部電極の上の前記第一有機層をエッチングにより除去して前記下部電極を露出させた後、露出させた下部電極の上に第三有機層を形成する工程、ならびに
(5)前記(4)の工程で除去されずに残った前記第一有機層と前記第二有機層および第三有機層の上に上部電極を形成する工程
を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記(3)の工程が、
(3−1)前記一部の下部電極の上の前記第一有機層をエッチングにより除去して前記下部電極を露出させる工程、
(3−2)前記(3−1)の工程で露出した下部電極とエッチングで除去されずに残った前記第一有機層の上に、前記第二有機層を成膜する工程、ならびに
(3−3)前記露出した下部電極の上の前記第二有機層を残して、前記第一有機層の上の前記第二有機層をエッチングにより除去する工程
を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記(4)の工程が、
(4−1)前記別の一部の下部電極の上の前記第一有機層をエッチングにより除去して前記下部電極を露出させる工程、
(4−2)前記(4−1)の工程で露出した下部電極とエッチングで除去されずに残った前記第一有機層、および前記第二有機層の上に、前記第三有機層を成膜する工程、ならびに
(4−3)前記露出した下部電極の上の前記第三有機層を残して、前記第一有機層と前記第二有機層の上の前記第三有機層をエッチングにより除去する工程
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記(2)の工程が前記第一有機層を被覆する第一保護層を形成する工程を含み、前記(3)の工程が前記第二有機層を被覆する第二保護層を形成する工程を含み、前記(4)の工程が前記第三有機層を被覆する第三保護層を形成する工程を含み、前記(4)の工程の後、前記(5)の工程に先立って、前記第一ないし第三保護層を除去する工程を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記(3)の工程が、
(3−4)前記一部の下部電極以外の下部電極の上にある前記第一有機層を第一剥離層で覆う工程、
(3−5)前記第一剥離層で覆われていない前記第一有機層をエッチングにより除去して前記下部電極を露出させる工程、
(3−6)前記第一剥離層と前記(3−5)の工程で露出した下部電極の上に、前記第二有機層を成膜する工程、ならびに
(3−7)前記第一剥離層を除去することにより、前記第一剥離層の上の前記第二有機層を除去する工程
を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記第一剥離層が水溶性であることを特徴とする請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記(4)の工程が、
(4−4)前記別の一部の下部電極以外の下部電極の上にある前記第一有機層と前記第二有機層を第二剥離層で覆う工程、
(4−5)前記第二剥離層で覆われていない前記第一有機層をエッチングにより除去して前記下部電極を露出させる工程、
(4−6)前記第二剥離層と前記(4−5)の工程で露出した下部電極の上に、前記第三有機層を成膜する工程、ならびに
(4−7)前記第二剥離層を除去することにより、前記第二剥離層の上の前記第三有機層を除去する工程
を含むことを特徴とする請求項1または5に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記第二剥離層が水溶性であることを特徴とする請求項7に記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記(3)と(4)の工程において、前記第一有機層が、同じエッチングガスを用いたドライエッチングにより除去されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記下部電極の表面が、アルミニウム合金膜、銀合金膜、透明酸化物導電膜のいずれかであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−77494(P2013−77494A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217445(P2011−217445)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】