説明

発光装置

【課題】良好な発光特性を有する発光装置を提供する。
【解決手段】この表面実装型LED(発光装置)100は、上面上に無極性電極層6が形成された基板1と、無極性電極層6の所定領域上に搭載されたLED素子20と、基板1の上面上に形成され、LED素子20に電力を供給するための複数の有極性電極層3および4と、アルミニウムを主成分とする金属材料から構成され、内側面31aがLED素子20からの光を反射する反射面とされる反射枠体30とを備えている。そして、反射枠体30は、LED素子20を囲むように、銀ペーストから構成される導電性接着剤10によって無極性電極層6に接着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光装置に関し、特に、発光素子からの光を反射させる反射枠体を備えた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子からの光を反射させる反射枠体を備えた発光装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ガラスエポキシ基板の上下側面に互いに電気的に絶縁された2つのリードフレームが形成されるとともに、2つのリードフレームの一方のリードフレーム上にLED素子(発光素子)が搭載され、かつ、各々のリードフレーム上に、LED素子を囲むように反射枠体が設けられた発光装置が記載されている。この反射枠体は、プラスチック(樹脂)から構成されており、その内周面が、LED素子からの光を反射する反射面として機能するように構成されている。また、2つのリードフレームの一方のリードフレームは、ボンディングワイヤを介してLED素子の一方の電極端子と電気的に接続されており、2つのリードフレームの他方のリードフレームは、ボンディングワイヤを介してLED素子の他方の電極端子と電気的に接続されている。すなわち、上記特許文献1に記載の発光装置では、2つのリードフレームを介してLED素子に電力が供給されるように構成されている。
【0004】
上記のように構成された従来の発光装置では、反射枠体がプラスチック(樹脂)から構成されているため、2つのリードフレーム上に反射枠体を設けたとしても2つのリードフレームの電気的な短絡が抑制される一方、LED素子の発光により生じた熱が外部に放熱され難いという不都合があった。
【0005】
そこで、従来、LED素子の発光により生じた熱を外部に放熱させ易くするために、反射枠体を金属材料から構成した発光装置が知られている。図17は、金属材料から構成された反射枠体を備える従来の発光装置の一例を示した断面図である。図17を参照して、この発光装置600は、ガラスエポキシから構成された基板601と、基板601上に形成された電極層602と、電極層602の所定領域上に搭載されたLED素子(発光素子)603と、LED素子603を囲むように電極層602上に設けられた反射枠体604とを備えている。また、反射枠体604の内周面604aは、LED素子603からの光を反射させる反射面として機能するように構成されている。そして、反射枠体604は、電極層602の電気的な短絡を抑制するために、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの樹脂材料(絶縁材料)からなる接着剤605によって、基板601の電極層602上に接着されている。また、反射枠体604の内側の領域には、LED素子603を覆う透光性部材606が充填されている。
【特許文献1】特開2004−127988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図17に示した従来の発光装置600の構成では、基板601と反射枠体604との間に、熱伝導率が比較的低い樹脂製の接着層(接着剤605)が介在することになるので、LED素子603からの熱を反射枠体604に効率良く熱伝達させることが困難であるという不都合がある。このため、LED素子603の発光により生じた熱を反射枠体604から効率良く放熱させることが困難であるので、LED素子603の温度上昇に起因する発光特性の低下を十分に抑制することが困難であるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、良好な発光特性を有する発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による発光装置は、主面上に導電体層が形成された基板と、導電体層の所定領域上に搭載された発光素子と、基板の主面上に形成され、発光素子に電力を供給するための複数の電極層と、放熱材料から構成され、内周面が発光素子からの光を反射する第1反射面とされる第1反射枠体とを備えている。そして、複数の電極層は、カソード電極とアノード電極とを含み、導電体層は、少なくとも、カソード電極およびアノード電極の一方と電気的に分離されており、第1反射枠体は、発光素子を囲むように、第1導電性接着剤によって導電体層に接着されている。
【0009】
この第1の局面による発光装置では、上記のように、放熱材料から構成された第1反射枠体を、発光素子が搭載されている導電体層に第1導電性接着剤を用いて接着することによって、発光素子の発光に伴い生じた熱を、導電体層を介して第1反射枠体に効率よく伝達させることができるとともに、伝達された熱を第1反射枠体から効率よく放熱させることができる。このため、発光に伴い発光素子が発熱したとしても、発光素子の温度上昇を効果的に抑制することができるので、発光素子の素子温度を低く保つことができる。これにより、素子温度の上昇に起因する発光特性の低下を抑制することができるので、良好な発光特性を得ることができる。
【0010】
また、第1の局面では、上記のように、第1反射枠体を、第1導電性接着剤により導電体層に接着することによって、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などから構成される樹脂接着剤により第1反射枠体を導電体層に接着する場合と異なり、第1反射枠体の接着工程を簡便化することができる。すなわち、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などから構成される樹脂接着剤によって反射枠体を基板に接着する場合には、高圧で反射枠体を基板に押圧しなければならないため、反射枠体と基板との接着工程において大掛かりな高圧プレス機などが必要になるという不都合がある。また、樹脂接着剤は内部に気泡が入り易く、樹脂接着剤の内部に気泡が存在する場合には、反射枠体と基板との接着領域において樹脂接着剤によって接着されない領域が形成される。このため、樹脂接着剤によって反射枠体を基板に接着する際には、高圧プレス工程と同時に真空装置を用いた脱泡(真空引き)処理が必要になるという不都合もある。その一方、第1導電性接着剤を用いて第1反射枠体を導電体層に接着する場合には、上記した不都合が生じるのを抑制することができるので、第1反射枠体の接着工程を簡便化することができる。
【0011】
また、上記した構成では、導電体層が、少なくとも、カソード電極およびアノード電極の一方と電気的に分離されているので、電気的な短絡を考慮することなく第1反射枠体を基板上に固定することができる。このため、樹脂接着剤に比べて熱伝導率が高い第1導電性接着剤を用いて、第1反射枠体を導電体層に接着することができる。
【0012】
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、第1反射枠体の底部には、第1段差部が形成されており、第1段差部は、第1導電性接着剤が第1反射枠体の内側の領域に流れ出すのを抑制する第1側壁部を有している。このように構成すれば、第1導電性接着剤が第1反射枠体の内側の領域に流れ出すことに起因して、第1導電性接着剤に発光素子からの光が照射されるという不都合が生じるのを抑制することができる。このため、光の照射に起因する第1導電性接着剤の変色や劣化を抑制することができるので、第1導電性接着剤の変色や劣化に起因して、発光特性および信頼性が低下するという不都合が生じるのを抑制することができる。これにより、第1反射枠体を第1導電性接着剤によって導電体層に接着したとしても、良好な発光特性を有する発光装置を得ることができる。
【0013】
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、第1導電性接着剤は、銀ペーストから構成されている。このように構成すれば、発光素子からの熱を第1反射枠体に効率よく伝達させることができるので、第1反射枠体から効率よく放熱させることができる。このため、容易に、発光装置の放熱特性を向上させることができるので、容易に、発光装置の発光特性を向上させることができる。
【0014】
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、第1反射枠体を構成する放熱材料は、金属材料である。このように構成すれば、導電体層を介して熱伝達された発光素子からの熱を、第1反射枠体からより効率よく放熱させることができるので、より容易に、発光装置の放熱特性を向上させることができる。
【0015】
上記第1の局面による発光装置において、導電体層は、電極層と互いに電気的に分離されることによって、電気的な極性を有さないように構成されていてもよい。
【0016】
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、放熱材料から構成され、内周面が発光素子からの光を反射する第2反射面とされる第2反射枠体をさらに備え、第2反射枠体は、第2導電性接着剤によって第1反射枠体の上面に接着されている。このように構成すれば、第1反射枠体に伝達された発光素子からの熱を、さらに第2反射枠体に効率よく伝達させて、第2反射枠体からも放熱させることができる。これにより、さらに容易に、発光装置の放熱特性を向上させることができる。
【0017】
この場合において、好ましくは、第2反射枠体の底部には、第2段差部が形成されており、第2段差部は、第2導電性接着剤が第2反射枠体の内側に流れ出すのを抑制する第2側壁部を有している。このように構成すれば、第2導電性接着剤が第2反射枠体の内側の領域に流れ出すことに起因して、第2導電性接着剤に発光素子からの光が照射されるという不都合が生じるのを抑制することができる。これにより、光の照射に起因する第2導電性接着剤の変色や劣化を抑制することができる。
【0018】
上記第2反射枠体を備えた構成において、好ましくは、第2導電性接着剤は、銀ペーストから構成されている。このように構成すれば、第1反射枠体に伝達された発光素子からの熱を、第2反射枠体に効率よく伝達させることができるので、発光素子からの熱を、第2反射枠体からも効率よく放熱させることができる。
【0019】
上記第2反射枠体を備えた構成において、好ましくは、第2反射枠体を構成する放熱材料は、金属材料である。このように構成すれば、導電体層および第1反射枠体を介して伝達された発光素子からの熱を、容易に、第2反射枠体からも効率よく放熱させることができる。
【0020】
この発明の第2の局面による発光装置は、主面上に導電体層が形成された基板と、導電体層の所定領域上に搭載された発光素子と、基板の主面上に形成され、発光素子に電力を供給するための複数の電極層と、基板上に絶縁性接着剤によって接着されるとともに、導電体層と直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように構成され、かつ、内周面が発光素子からの光を反射する第1反射面とされる第1反射枠体と、第1反射枠体の上面に導電性接着剤によって接着され、内周面が発光素子からの光を反射する第2反射面とされる第2反射枠体とを備えている。そして、第1反射枠体および第2反射枠体は、それぞれ、放熱材料から構成されているとともに、複数の電極層は、カソード電極とアノード電極とを含み、導電体層は、少なくとも、カソード電極およびアノード電極の一方と電気的に分離されている。
【0021】
この第2の局面による発光装置では、上記のように、放熱材料から構成された第1反射枠体を、発光素子が搭載されている導電体層と直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように基板上に接着するとともに、第1反射枠体の上面に、放熱材料から構成された第2反射枠体を導電性接着剤を用いて接着することによって、発光素子の発光に伴い生じた熱を、導電体層を介して第1反射枠体に効率よく伝達させることができるとともに、第1反射枠体を介して第2反射枠体にも効率よく伝達させることができる。このため、発光素子からの熱を、第1反射枠体および第2反射枠体の両方から効率よく放熱させることができるので、発光により発光素子が発熱したとしても、発光素子の温度上昇を効果的に抑制することができる。これにより、発光素子の素子温度を低く保つことができるので、素子温度の上昇に起因する発光特性の低下を抑制することができる。その結果、良好な発光特性を得ることができる。
【0022】
また、上記した構成では、導電体層が、少なくとも、カソード電極およびアノード電極の一方と電気的に分離されているので、電気的な短絡を考慮することなく第1反射枠体を基板上に固定することができるとともに、第1反射枠体の上面に第2反射枠体を固定することができる。このため、樹脂接着剤に比べて熱伝導率が高い導電性接着剤を用いて、第2反射枠体を第1反射枠体の上面に接着することができる。
【0023】
上記第2の局面による発光装置において、好ましくは、第2反射枠体の底部には、段差部が形成されており、段差部は、導電性接着剤が第2反射枠体の内側の領域に流れ出すのを抑制する側壁部を有している。このように構成すれば、導電性接着剤が第2反射枠体の内側の領域に流れ出すことに起因して、導電性接着剤に発光素子からの光が照射されるという不都合が生じるのを抑制することができるので、光の照射に起因する導電性接着剤の変色や劣化を抑制することができる。このため、導電性接着剤の変色や劣化に起因して、発光特性および信頼性が低下するという不都合が生じるのを抑制することができるので、第2反射枠体を導電性接着剤によって第1反射枠体の上面に接着したとしても、良好な発光特性を有する発光装置を得ることができる。
【0024】
上記第2の局面による発光装置において、好ましくは、導電性接着剤は、銀ペーストから構成されている。このように構成すれば、第1反射枠体に伝達された発光素子からの熱を、第2反射枠体に効率よく伝達させることができるので、発光素子からの熱を、第2反射枠体からも効率よく放熱させることができる。このため、容易に、発光装置の放熱特性を向上させることができるので、容易に、発光装置の発光特性を向上させることができる。
【0025】
上記第2の局面による発光装置において、好ましくは、第1反射枠体および第2反射枠体を構成する放熱材料は、それぞれ、金属材料である。このように構成すれば、導電体層を介して熱伝達された発光素子からの熱を、第1反射枠体および第2反射枠体の各々から効率よく放熱させることができる。これにより、より容易に、発光装置の放熱特性を向上させることができる。
【0026】
上記第2の局面による発光装置において、導電体層は、電極層と互いに電気的に分離されることによって、電気的な極性を有さないように構成されていてもよい。
【0027】
上記第1および第2の局面による発光装置において、発光素子を、発光ダイオード素子にすることができる。
【0028】
なお、上記第1および第2の局面による発光装置において、導電体層が、電気的な極性を有さないように構成されていてもよいし、グラウンド(アース)に接地されるように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明によれば、良好な発光特性を有する発光装置を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、第1〜第3実施形態では、発光装置の一例である表面実装型LEDに本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による表面実装型LEDの全体斜視図であり、図2は、図1に示した本発明の第1実施形態による表面実装型LEDを上側から見た平面図である。図3は、図2の400−400線に沿った断面図である。図4〜図9は、図1に示した本発明の第1実施形態による表面実装型LEDの構造を説明するための図である。まず、図1〜図9を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装型LED100の構造について説明する。
【0031】
第1実施形態による表面実装型LED100は、図1および図2に示すように、基板1(図1参照)と、基板1上に搭載された発光ダイオード素子(LED素子)20と、基板1上にLED素子20を囲むように固定(接着)された反射枠体30と、反射枠体30の内側に充填された透光性部材40とを備えている。なお、LED素子20は、本発明の「発光素子」の一例であり、反射枠体30は、本発明の「第1反射枠体」の一例である。
【0032】
また、基板1は、図3に示すように、ガラスエポキシや液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)などから構成される絶縁基材2の上面上および下面上に、それぞれ、複数の電極層が形成された両面基板から構成されている。また、基板1は、図5および図6に示すように、平面的に見て、X方向に、約3.5mmの長さを有するとともに、X方向と直交するY方向にも、約3.5mmの長さを有する正方形形状に形成されている。また、基板1は、約0.2mmの厚みを有している。
【0033】
また、絶縁基材2の上面上に形成された複数の電極層は、図2および図5に示すように、正の極性を持つ複数(3つ)の有極性電極層(カソード電極)3、および、負の極性を持つ複数(3つ)の有極性電極層(アノード電極)4と、有極性電極層3および4と絶縁溝5を介して電気的に分離された電気的な極性を持たない無極性(中性)電極層6とに分けられる。また、有極性電極層3および4は、図1〜図3に示すように、絶縁基材2の上面上であるとともに、反射枠体30の開口部31の内側に位置する領域にそれぞれ形成されている。また、無極性電極層6は、絶縁基材2の上面上であるとともに、有極性電極層3および4が形成されている領域以外の領域に形成されている。具体的には、図5に示すように、無極性電極層6は、有極性電極層3および4、有極性電極層3および4の周囲の絶縁溝5、および、基板1の上面の外周部の領域以外の領域に形成されている。なお、有極性電極層3および4は、本発明の「電極層」の一例であり、無極性電極層6は、本発明の「導電体層」の一例である。
【0034】
また、絶縁基材2の下面上に形成された電極層は、図6に示すように、主として、配線用に用いられる電極層7および8と、主として、放熱用に用いられる電極層9とから構成されている。また、配線用に用いられる電極層7および8は、上記した複数の有極性電極層3および4にそれぞれ対応するように複数形成されており、図3および図6に示すように、絶縁基材2の貫通孔2aを介して有極性電極層3および4とそれぞれ電気的に接続されている。また、配線用に用いられる電極層7および8には、基板1の一方端側(X1方向側)および他方端側(X2方向側)にそれぞれ形成された電極端子7aおよび8aが一体的に連結されている。
【0035】
また、放熱用に用いられる電極層9は、絶縁基材2の複数の貫通孔2bを介して無極性電極層6と直接接触している。すなわち、電極層9は、絶縁基材2の複数の貫通孔2bを介して無極性電極層6と熱的に接続されている。なお、有極性電極層3および4、無極性電極層6、電極層7〜9、電極端子7aおよび8aは、銅などの熱伝導性の優れた導電性材料から構成されている。
【0036】
また、図1および図2に示すように、無極性電極層6の上面上であるとともに、反射枠体30の開口部31の内側に位置する領域上には、3個の上記LED素子20が、接着剤21(図3参照)によって固定されている。このLED素子20は、正の有極性電極層3と負の有極性電極層4との間に、互いに所定の間隔を隔てて配列されている。また、3個のLED素子20は、それぞれ、赤色、緑色、および、青色の光を発光する機能を有している。
【0037】
また、図1〜図3に示すように、正の有極性電極層3の上面と、LED素子20の電極部とは、それぞれ、ボンディングワイヤ22を介して電気的に接続されているとともに、負の有極性電極層3の上面と、LED素子20の電極部とは、それぞれ、ボンディングワイヤ23を介して電気的に接続されている。これにより、電極層7の電極端子7aと電極層8の電極端子8aとの間に電圧を加えることによって、ボンディングワイヤ22および23を介してLED素子20に電流が流れ、それぞれのLED素子20が固有の波長で発光する。そして、これらのLED素子20が同時に発光した場合には、その色が混色されて出射される。また、この場合、青色の光を発光するLED素子20のみを搭載するとともに、透光性部材40中に蛍光体を分散させることによって、表面実装型LED100からの出射光が白色光となるように構成してもよい。なお、ボンディングワイヤ22および23は、Au、Alなどの金属細線から構成されている。
【0038】
また、反射枠体30は、放熱特性に優れたアルミニウムを主成分とする金属材料から構成されているとともに、図1および図2に示すように、基板1とほぼ同じ大きさの平面形状に形成されている。具体的には、反射枠体30は、図8に示すように、平面的に見て、X方向に、約3.5mmの長さを有するとともに、Y方向にも、約3.5mmの長さを有する正方形形状に形成されている。また、反射枠体30は、約0.6mmの厚みを有している。
【0039】
また、反射枠体30の中央部には、図1〜図3および図7〜図9に示すように、上面から下面に貫通する開口部31が形成されている。この開口部31は、内側面31aがLED素子20から発光された光を反射させる反射面として機能するように構成されている。また、開口部31の内側面31aの表面には、反射率を高めるために、銀メッキ処理やアルマイト処理などが施されている。また、図2および図8に示すように、開口部31は、LED素子20から発光された光を均等に集光させるために内側面31aが平面的に見て円状に形成されている。さらに、開口部31は、図1、図3および図9に示すように、開口部31の上方に向かってテーパ状に広がるように形成されている。このように、開口部31の内側面31aは、LED素子20から発光された光を効率よく上方に反射させることが可能に構成されている。なお、内側面31aは、本発明の「第1反射面」の一例である。
【0040】
ここで、第1実施形態では、図7および図9に示すように、反射枠体30の底面32に、段差部33が形成されている。この段差部33は、底面部33aと側壁部33bとから構成されており、開口部31の下方側開口端31bから所定の距離を隔てた底面32の領域(底面32の外周側の所定領域)に、平面的に見て下方側開口端31bを囲むように形成されている。すなわち、側壁部33bで下方側開口端31bを囲むように段差部33が形成されている。また、段差部33は、プレス加工などによって反射枠体30に一体的に形成されている。なお、段差部33および側壁部33bは、それぞれ、本発明の「第1段差部」および「第1側壁部」の一例である。また、段差部33の底面部33aと反射枠体30の側面34とによって構成される4つの角部の各々には、断面が円弧状の切欠部35が形成されている。
【0041】
また、第1実施形態では、図3および図4に示すように、反射枠体30は、熱硬化タイプの銀ペースト(Ag含有率(硬化後):94%、熱伝導率:85W/m・K)から構成される導電性接着剤10によって、無極性電極層6に接着されている。具体的には、スクリーン印刷法により、導電性接着剤10が無極性電極層6の所定領域(段差部33の底面部33aに対応する領域)上に塗布された後、反射枠体30が基板1の無極性電極層6上に載置される。そして、所定温度での加熱処理により、Agペーストから構成される導電性接着剤10が硬化されて、反射枠体30が無極性電極層6に接着される。これにより、反射枠体30は、開口部31の内側面31aによってLED素子20を取り囲むように、基板1上に固定される。ここで、導電性接着剤10を構成する銀ペーストは、硬化条件が175℃/60分〜200℃/30分であるため、その加熱処理の温度は、最高でも200℃程度である。このため、低温による処理が可能であるので、反射枠体30の接着工程を簡便化することが可能となる。なお、導電性接着剤10は、本発明の「第1導電性接着剤」の一例である。
【0042】
また、第1実施形態では、上記した反射枠体30の底面32に形成された段差部33の側壁部33bによって、導電性接着剤10が反射枠体30の内側の領域に流れ出さないように構成されているので、LED素子20の光が導電性接着剤10に照射されるのが抑制される。これにより、導電性接着剤10の変色が抑制されるので、導電性接着剤10が変色することに起因して、LED素子20からの光が導電性接着剤10に吸収されるという不都合が生じるのを抑制することが可能となる。
【0043】
また、第1実施形態では、図4および図5に示すように、反射枠体30の底部に形成された切欠部35には、導電性接着剤10を覆うように絶縁部材11が充填されている。これにより、銀ペーストから構成される導電性接着剤10が空気や水分と接するのを抑制することが可能となるので、これによっても、導電性接着剤10の変色および劣化が抑制される。
【0044】
また、LED素子20の発光により生じた熱は、図1〜図3および図6に示すように、絶縁基材2の上面上に形成された無極性電極層6で放熱されるとともに、絶縁基材2の貫通孔2bを介して無極性電極層6と熱的に接続されている放熱用の電極層9でも放熱される。また、導電性接着剤10によって無極性電極層6に接着されている反射枠体30からもLED素子20の発光により生じた熱が放熱される。さらに、回路基板(図示せず)のヒートシンク部(図示せず)などに電極層9が熱接触されている場合には、より放熱効果が促進される。このように、第1実施形態による表面実装型LED100では、LED素子20で発生した熱を効果的に放熱することが可能に構成されているので、LED素子20の温度上昇に起因する発光効率(発光特性)の低下が抑制されるとともに、電流量に比例した高輝度が得られ、表面実装型LED100の機能性の向上、および、寿命の向上の効果が得られる。
【0045】
また、透光性部材40は、図1、図2、および、図4に示すように、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などの樹脂材料から構成されており、反射枠体30の開口部31内に、LED素子20、ボンディングワイヤ22および23を封止するように設けられている。この透光性部材40は、LED素子20、ボンディングワイヤ22および23を封止することによって、LED素子20、ボンディングワイヤ22および23が、空気や水分などと接するのを抑制する機能を有している。
【0046】
第1実施形態では、上記のように、反射枠体30を、アルミニウムを主成分とする金属材料から構成するとともに、この反射枠体30を、LED素子20が搭載されている無極性電極層6に導電性接着剤10を用いて接着することによって、LED素子20の発光に伴い生じた熱を、無極性電極層6を介して反射枠体30に効率よく伝達させることができるとともに、伝達された熱を反射枠体30から効率よく放熱させることができる。このため、発光に伴いLED素子20が発熱したとしても、LED素子20の温度上昇を効果的に抑制することができるので、LED素子20の素子温度を低く保つことができる。これにより、素子温度の上昇に起因する発光特性の低下を抑制することができるので、良好な発光特性を得ることができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、反射枠体30を、導電性接着剤10により無極性電極層6に接着することによって、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などから構成される樹脂接着剤により反射枠体30を無極性電極層6に接着する場合と異なり、反射枠体30の接着工程を簡便化することができる。すなわち、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などから構成される樹脂接着剤によって反射枠体30を基板1に接着する場合には、高圧で、反射枠体30を基板1に押圧しなければならないため、反射枠体30と基板1との接着工程において大掛かりな高圧プレス機などが必要になるという不都合がある。また、樹脂接着剤は内部に気泡が入り易く、樹脂接着剤の内部に気泡が存在する場合には、反射枠体30と基板1(無極性電極層6)との接着領域において樹脂接着剤によって接着されない領域が形成される。このため、樹脂接着剤によって反射枠体30を基板1に接着する際には、高圧プレス工程と同時に真空装置を用いた脱泡(真空引き)処理が必要になるという不都合もある。その一方、導電性接着剤10を用いて反射枠体30を無極性電極層6に接着する第1実施形態の構成では、上記した不都合が生じるのを抑制することができるので、反射枠体30の接着工程を簡便化することができる。
【0048】
また、上記した第1実施形態の構成では、無極性電極層6と有極性電極層3および4とが互いに電気的に分離されているので、電気的な短絡を考慮することなく反射枠体30を基板1上に固定することができる。このため、樹脂接着剤に比べて熱伝導率が高い銀ペーストから構成される導電性接着剤10を用いて反射枠体30を無極性電極層6に接着することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、反射枠体30の底面32に、側壁部33bを含む段差部33を形成することによって、この側壁部33bにより、導電性接着剤10が反射枠体30の内側の領域に流れ出すのを抑制することができるので、導電性接着剤10が反射枠体30の内側の領域に流れ出すことに起因して、導電性接着剤10にLED素子20からの光が照射されるという不都合が生じるのを抑制することができる。このため、光の照射に起因する導電性接着剤10の変色や劣化を抑制することができるので、導電性接着剤10の変色や劣化に起因して、発光特性および信頼性が低下するという不都合が生じるのを抑制することができる。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態による表面実装型LEDの全体斜視図である。図11は、図10に示した本発明の第2実施形態による表面実装型LEDの断面斜視図である。図12〜図14は、図10に示した本発明の第2実施形態による表面実装型LEDの構造を説明するための図である。次に、図10〜図14を参照して、本発明の第2実施形態による表面実装型LED200の構造について説明する。
【0050】
この第2実施形態による表面実装型LED200は、図10および図11に示すように、上記第1実施形態による表面実装型LED100を含んでおり、反射枠体30の上面に、さらに、反射枠体130が接着された構造を有している。なお、反射枠体130は、本発明の「第2反射枠体」の一例である。
【0051】
また、反射枠体130は、放熱特性に優れたアルミニウムを主成分とする金属材料から構成されているとともに、反射枠体30とほぼ同じ大きさの平面形状に形成されている。具体的には、反射枠体130は、図13に示すように、平面的に見て、X方向に、約3.5mmの長さを有するとともに、Y方向にも、約3.5mmの長さを有する正方形形状に形成されている。また、反射枠体130は、約1mm〜約5mmの厚みを有している。
【0052】
また、反射枠体130の中央部には、上面から下面に貫通する開口部131が形成されている。この開口部131は、内側面131aがLED素子20から発光された光を反射させる反射面として機能するように構成されている。また、開口部131の内側面131aの表面には、反射率を高めるために、銀メッキ処理やアルマイト処理などが施されている。また、図13に示すように、開口部131は、LED素子20から発光された光を均等に集光させるために内側面131aが平面的に見て円状に形成されている。さらに、開口部131は、図11および図14に示すように、開口部131の上方に向かってテーパ状に広がるように形成されている。また、図11に示すように、反射枠体130の開口部131は、下方側開口端131bが、反射枠体30の開口部31の上方側開口端31cよりも、その直径が大きくなるように構成されている。なお、内側面131aは、本発明の「第2反射面」の一例である。
【0053】
ここで、第2実施形態では、図12および図14に示すように、反射枠体130の底面132に、段差部133が形成されている。この段差部133は、底面部133aと側壁部133bとから構成されており、開口部131の下方側開口端131bから所定の距離を隔てた底面132の領域(底面132の外周側の所定領域)に、平面的に見て下方側開口端131bを囲むように形成されている。すなわち、側壁部133bで下方側開口端131bを囲むように段差部133が形成されている。また、段差部133は、プレス加工などによって反射枠体130と一体的に形成されている。なお、段差部133および側壁部133bは、それぞれ、本発明の「第2段差部」および「第2側壁部」の一例である。また、段差部133の底面部133aと反射枠体130の側面134とによって構成される4つの角部の各々には、断面が円弧状の切欠部135が形成されている。
【0054】
また、第2実施形態では、図11に示すように、熱硬化タイプの銀ペースト(Ag含有率(硬化後):94%、熱伝導率:85W/m・K)から構成される導電性接着剤110によって、反射枠体130が、反射枠体30の上面に接着されている。具体的には、スクリーン印刷法により、導電性接着剤110が反射枠体30の上面の所定領域(反射枠体130の段差部133の底面部133aに対応する領域)上に塗布された後、反射枠体130が反射枠体30上に載置される。そして、所定温度での加熱処理により、Agペーストから構成される導電性接着剤110が硬化されて、反射枠体30の上面に反射枠体130が接着される。なお、導電性接着剤110は、本発明の「第2導電性接着剤」の一例である。
【0055】
また、第2実施形態では、上記した反射枠体130の底面132に形成された段差部133の側壁部133bによって、導電性接着剤110が反射枠体130の内側の領域に流れ出さないように構成されているので、LED素子20の光が導電性接着剤110に照射されるのが抑制される。これにより、導電性接着剤110の変色が抑制されるので、導電性接着剤110が変色することに起因して、LED素子20からの光が導電性接着剤110に吸収されるという不都合が生じるのを抑制することが可能となる。
【0056】
また、第2実施形態では、図10および図11に示すように、反射枠体130の底部に形成された切欠部135には、導電性接着剤110を覆うように絶縁部材111が充填されている。このため、銀ペーストから構成される導電性接着剤110が空気や水分と接するのを抑制することが可能となるので、これによっても、導電性接着剤110の変色および劣化が抑制される。
【0057】
なお、反射枠体130の内側には、透光性部材40が充填されていないので、反射枠体130の内側面131aは、透光性部材40に覆われることなく露出された状態となっている。このため、反射枠体130では、空気と接触する面積(放熱面積)が大きくなっている。したがって、第2実施形態の表面実装型LED200では、反射枠体30に伝達された熱が、反射枠体130から効率よく放熱することが可能となる。そして、上記した構成では、反射枠体130の内側面131aは露出された状態となっているので、透光性部材40の頂面から出射された散乱光を効率よく反射枠体130の内側面131aで反射されることが可能となるので、所望の狭指向性を得ることができる。
【0058】
第2実施形態では、上記のように、反射枠体130をアルミニウムを主成分とする金属材料から構成するとともに、この反射枠体130を、反射枠体30の上面に導電性接着剤110を用いて接着することによって、反射枠体30に伝達されたLED素子20からの熱を、さらに反射枠体130に効率よく伝達させて、反射枠体130からも放熱させることができる。これにより、さらに容易に、表面実装型LED200の放熱特性を向上させることができるので、容易に、素子温度の上昇に起因する発光特性の低下を抑制することができる。これにより、容易に、良好な発光特性を得ることができる。
【0059】
また、第2実施形態では、上記のように、反射枠体130の底面132に、側壁部133bを含む段差部133を形成することによって、この側壁部133bにより、導電性接着剤110が反射枠体130の内側の領域に流れ出すのを抑制することができるので、導電性接着剤110が反射枠体130の内側の領域に流れ出すことに起因して、導電性接着剤110にLED素子20からの光が照射されるという不都合が生じるのを抑制することができる。このため、光の照射に起因する導電性接着剤110の変色や劣化を抑制することができるので、導電性接着剤110の変色や劣化に起因して、発光特性および信頼性が低下するという不都合が生じるのを抑制することができる。
【0060】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図15は、本発明の第3実施形態による表面実装型LEDの全体斜視図である。図16は、図15に示した本発明の第3実施形態による表面実装型LEDの断面斜視図である。続いて、図15および図16を参照して、本発明の第3実施形態による表面実装型LED300の構造について説明する。
【0061】
この第3実施形態による表面実装型LED300は、図15および図16に示すように、反射枠体230の上面に、さらに、反射枠体130が導電性接着剤110によって接着されている。その一方、第3実施形態による表面実装型LED300では、上記第1および第2実施形態と異なり、反射枠体230が、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などから構成される樹脂接着剤210によって基板1上に接着(固定)されている。具体的には、反射枠体230は、基板1上の無極性電極層6が形成されていない外周部の領域上に塗布された樹脂接着剤210によって、底面232の少なくとも一部が無極性電極層6の上面と直接接触するように、基板1上に接着されている。すなわち、反射枠体230は、無極性電極層6と熱的に接触するように、基板1上に接着(固定)されている。なお、反射枠体230は、本発明の「第1反射枠体」の一例であり、反射枠体130は、本発明の「第2反射枠体」の一例である。
【0062】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
【0063】
第3実施形態では、上記のように、アルミニウムを主成分とする金属材料から構成された反射枠体230を、LED素子20が搭載されている無極性電極層6と直接接触するように基板1上に接着(固定)するとともに、反射枠体230の上面に、アルミニウムを主成分とする金属材料から構成された反射枠体130を、導電性接着剤110を用いて接着することによって、LED素子20の発光に伴い生じた熱を、無極性電極層6を介して反射枠体230に効率よく伝達させることができるとともに、反射枠体230を介して反射枠体130にも効率よく伝達させることができる。このため、LED素子20からの熱を、反射枠体230および反射枠体130の両方から効率よく放熱させることができるので、発光によりLED素子20が発熱したとしても、LED素子20の温度上昇を効果的に抑制することができる。これにより、LED素子20の素子温度を低く保つことができるので、素子温度の上昇に起因する発光特性の低下を抑制することができる。その結果、良好な発光特性を得ることができる。
【0064】
第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
【0065】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0066】
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、本発明を表面実装型LEDに適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、表面実装型LED以外の発光装置に本発明を適用してもよい。
【0067】
また、上記第1〜第3実施形態では、銀ペーストから構成される導電性接着剤を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、銀ペースト以外の導電性接着剤を用いてもよい。銀ペースト以外の導電性接着剤としては、たとえば、銀蝋、銀錫はんだなどが考えられる。
【0068】
また、上記第1〜第3実施形態では、反射枠体に切欠部を設けるとともに、その切欠部に絶縁部材を充填した例を示したが、本発明はこれに限らず、切欠部に絶縁部材を充填しない構成にしてもよい。また、反射枠体に切欠部を設けない構成にしてもよい。
【0069】
また、上記第1〜第3実施形態では、反射枠体の表面に、LED素子からの光の反射効率を向上させるための反射被膜を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、反射枠体の表面に、反射被膜を形成しない構成にしてもよい。
【0070】
また、上記第1〜第3実施形態では、反射枠体を、アルミニウムを主成分とする金属材料から構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、反射枠体を、純Al、マグネシウム、および、その他の金属材料から構成してもよい。また、反射枠体を、金属材料以外のセラミック材料などから構成してもよい。さらに、反射枠体を、樹脂に金属を分散させた材料などから構成してもよい。
【0071】
また、上記第1〜第3実施形態では、赤色、緑色、および、青色の3個のLED素子を搭載した例を示したが、本発明はこれに限らず、1個、2個、または、4個以上のLED素子を搭載するようにしてもよい。
【0072】
また、上記第1〜第3実施形態では、接着剤を介してLED素子を無極性電極層上に固定した例を示したが、この接着剤には、熱伝導率の高い導電性接着剤なども含まれる。
【0073】
また、上記第1〜第3施形態では、発光素子の一例であるLED素子を発光装置に設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、LED素子以外の発光素子を発光装置に設けるようにしてもよい。
【0074】
また、上記第1〜第3実施形態では、電気的な極性を有さない電極層(無極性電極層)上にLED素子を搭載した例を示したが、本発明はこれに限らず、グラウンド接地される電極層上にLED素子を搭載するように構成してもよい。また、LED素子が搭載される電極層は、正の極性を有する有極性電極層および負の極性を有する有極性電極層の一方と電気的に接続された状態であってもよい。
【0075】
また、上記第2および第3実施形態では、反射枠体(第1反射枠体)の上面に接着された反射枠体(第2反射枠体)の内側に、透光性部材を充填しない構成にした例を示したが、本発明はこれに限らず、反射枠体(第1反射枠体)の上面に接着された反射枠体(第2反射枠体)の内側に、透光性部材を充填する構成にしてもよい。このように構成した場合には、透光性部材に蛍光体を分散させることにより出射光が白色光となるように構成した表面実装型LEDにおいて、透光性部材の充填量を多くすることが可能となるので、蛍光体を均一に分散することができる。これにより、色度のバラツキを小さくすることが可能となる。
【0076】
また、上記第3実施形態では、反射枠体と無極性電極層とが直接接触するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、反射枠体と無極性電極層とが、導電性ペーストなどの導電性部材を介して間接的に接触するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1実施形態による表面実装型LEDの全体斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の第1実施形態による表面実装型LEDを上側から見た平面図である。
【図3】図2の400−400線に沿った断面図である。
【図4】図1に示した本発明の第1実施形態による表面実装型LEDの一部を拡大して示した断面図である。
【図5】図1に示した本発明の第1実施形態による表面実装型LEDの基板を上側から見た平面図である。
【図6】図1に示した本発明の第1実施形態による表面実装型LEDを下側から見た平面図である。
【図7】図1に示した本発明の第1実施形態による表面実装型LEDの反射枠体の斜視図である。
【図8】図1に示した本発明の第1実施形態による表面実装型LEDの反射枠体の平面図である。
【図9】図8の450−450線に沿った断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による表面実装型LEDの全体斜視図である。
【図11】図10に示した本発明の第2実施形態による表面実装型LEDの断面斜視図である。
【図12】図10に示した本発明の第2実施形態による表面実装型LEDの上部側の反射枠体の全体斜視図である。
【図13】図10に示した本発明の第2実施形態による表面実装型LEDの上部側の反射枠体の平面図である。
【図14】図13の500−500線に沿った断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態による表面実装型LEDの全体斜視図である。
【図16】図15に示した本発明の第3実施形態による表面実装型LEDの断面斜視図である。
【図17】金属材料から構成された反射枠体を備える従来の発光装置の一例を示した断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1 基板
2 絶縁基材
3 有極性電極層(電極層、カソード電極)
4 有極性電極層(電極層、アノード電極)
5 絶縁溝
6 無極性電極層(導電体層)
10 導電性接着剤(第1導電性接着剤)
11、111 絶縁部材
20 LED素子(発光素子)
22、23 ボンディングワイヤ
30、230 反射枠体(第1反射枠体)
31、131 開口部
31a 内側面(第1反射面)
32、132、232 底面
33 段差部(第1段差部)
33a 底面部
33b 側壁部(第1側壁部)
40 透光性部材
110 導電性接着剤(第2導電性接着剤)
130 反射枠体(第2反射枠体)
131a 内側面(第2反射面)
133 段差部(第2段差部)
133a 底面部
133b 側壁部(第2側壁部)
100、200、300 表面実装型LED(発光装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面上に導電体層が形成された基板と、
前記導電体層の所定領域上に搭載された発光素子と、
前記基板の主面上に形成され、前記発光素子に電力を供給するための複数の電極層と、
放熱材料から構成され、内周面が前記発光素子からの光を反射する第1反射面とされる第1反射枠体とを備え、
前記複数の電極層は、カソード電極とアノード電極とを含み、
前記導電体層は、少なくとも、前記カソード電極および前記アノード電極の一方と電気的に分離されており、
前記第1反射枠体は、前記発光素子を囲むように、第1導電性接着剤によって前記導電体層に接着されていることを特徴とする、発光装置。
【請求項2】
前記第1反射枠体の底部には、第1段差部が形成されており、
前記第1段差部は、前記第1導電性接着剤が前記第1反射枠体の内側の領域に流れ出すのを抑制する第1側壁部を有していることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1導電性接着剤は、銀ペーストから構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1反射枠体を構成する放熱材料は、金属材料であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記導電体層は、前記電極層と互いに電気的に分離されることによって、電気的な極性を有さないように構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
放熱材料から構成され、内周面が前記発光素子からの光を反射する第2反射面とされる第2反射枠体をさらに備え、
前記第2反射枠体は、第2導電性接着剤によって前記第1反射枠体の上面に接着されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第2反射枠体の底部には、第2段差部が形成されており、
前記第2段差部は、前記第2導電性接着剤が前記第2反射枠体の内側に流れ出すのを抑制する第2側壁部を有していることを特徴とする、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第2導電性接着剤は、銀ペーストから構成されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第2反射枠体を構成する放熱材料は、金属材料であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項10】
主面上に導電体層が形成された基板と、
前記導電体層の所定領域上に搭載された発光素子と、
前記基板の主面上に形成され、前記発光素子に電力を供給するための複数の電極層と、
前記基板上に絶縁性接着剤によって接着されるとともに、前記導電体層と直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように構成され、かつ、内周面が前記発光素子からの光を反射する第1反射面とされる第1反射枠体と、
前記第1反射枠体の上面に導電性接着剤によって接着され、内周面が前記発光素子からの光を反射する第2反射面とされる第2反射枠体とを備え、
前記第1反射枠体および前記第2反射枠体は、それぞれ、放熱材料から構成されているとともに、前記複数の電極層は、カソード電極とアノード電極とを含み、
前記導電体層は、少なくとも、前記カソード電極および前記アノード電極の一方と電気的に分離されていることを特徴とする、発光装置。
【請求項11】
前記第2反射枠体の底部には、段差部が形成されており、
前記段差部は、前記導電性接着剤が前記第2反射枠体の内側の領域に流れ出すのを抑制する側壁部を有していることを特徴とする、請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記導電性接着剤は、銀ペーストから構成されていることを特徴とする、請求項10または11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1反射枠体および前記第2反射枠体を構成する放熱材料は、それぞれ、金属材料であることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項14】
前記導電体層は、前記電極層と互いに電気的に分離されることによって、電気的な極性を有さないように構成されていることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項15】
前記発光素子は、発光ダイオード素子であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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