説明

発光装置

【課題】薄型化・小型化が可能で、高い放熱性を有し、故障が起こり難く信頼性が高い発光装置を提供する。
【解決手段】リードフレーム31〜33はケース20の収容凹部20eの長手方向に並置して埋設され、リードフレーム31〜33の表面は収容凹部20eの底面から表出し、リードフレーム31〜33の表面と収容凹部20eの底面とは面一に形成され、リードフレーム31〜33の表面は同一平面上に配置されている。ケース20の長手方向の両端部に配置されたリードフレーム31,32に発光素子41,42が搭載され、発光装置10を長手方向に二分する中心線Lに対して、リードフレーム31〜33とケース20と発光素子41,42とが線対称に配置形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドビュータイプの発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイのバックライト等に用いられる薄型の発光装置として、特許文献1に開示されるように、サイドビュータイプの発光装置(側面発光装置)がある。
また、特許文献2に開示されるように、複数の発光素子と、発光素子を搭載する第1樹脂成形体と、発光素子を被覆する第2樹脂成形体とから構成された発光装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4239509号公報
【特許文献2】特開2008−300694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明では、ケース(パッケージ)の長手方向の同一線上に複数個の発光素子を並置し、個々の発光素子をそれぞれ個別のリードフレーム(リード電極)に搭載し、個々の発光素子が発生する熱を異なる放熱経路を伝導させてケースの外部へ逃がすことにより、熱伝達経路を分割して放熱性を高めている。
【0005】
しかし、特許文献1の発明では、個々のリードフレームの寸法形状および配置がケースに対して非対称であるため、発光装置内で熱が偏在して局所的な高温部分を生じ、ケースに印加された熱膨張による応力が不均一となる。
そのため、ケースに埋設されたリードフレームとケースとの剥離、ケース内に充填された封止用樹脂とケースとの剥離、リードフレームと封止用樹脂との剥離、発光素子を接続するボンデイングワイヤの断線、などの故障が起こり易いことから、信頼性が低いという問題がある。
【0006】
特許文献2の発明では、パッケージである第1樹脂成形体の中央に基台となるリードフレームを配置し、その基台に複数個の発光素子をまとめて搭載し、個々の発光素子と、基台を含む個々のリードフレームと、第1樹脂成形体および第2樹脂成形体とをそれぞれ対称に配置形成することにより、発光装置内における熱の偏在を防止している。
【0007】
しかし、特許文献2の発明をサイドビュータイプに適用した場合には、中央に配置した基台の熱を外部へ逃がすため、ハンガーリードなどの外部に突出した放熱専用のリードフレームを基台に接続する必要があり、その外部に突出した放熱専用のリードフレームにより発光装置の薄型化・小型化が阻害されるという問題がある。
さらに、中央に配置した基台に複数個の発光素子を搭載するため、熱伝達経路を分割できず、放熱性が阻害されるという問題がある。
【0008】
本発明は前記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、薄型化・小型化が可能で、高い放熱性を有し、故障が起こり難く信頼性が高い発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明の各局面に想到した。
【0010】
<第1の局面>
第1の局面は、
少なくとも2個以上の発光素子と、
前記発光素子と電気的に接続される少なくとも2個以上のリードフレームと、
前記発光素子および前記リードフレームを収容する収容凹部を有する横長扁平箱状のケースと
を備え、
前記収容凹部の開口部から当該発光装置の側面方向に光を放出するサイドビュータイプの発光装置であって、
前記リードフレームは前記ケースの長手方向に並置して埋設され、前記リードフレームの表面は前記収容凹部の底面から表出し、前記リードフレームの表面と前記収容凹部の底面とは面一に形成され、前記リードフレームの表面は同一平面上に配置されており、
前記収容凹部の長手方向の両端部に配置された前記リードフレームに前記発光素子が搭載され、
当該発光装置を長手方向に二分する中心線に対して、前記複数個のリードフレームおよび前記ケースが、熱の偏在を生じないように、ほぼ線対称に配置形成されている発光装置である。
【0011】
従って、第1の局面では、個々の発光素子が発生する熱を、個々のリードフレームを介した異なる放熱経路を伝導させてケースの外部へ逃がすことが可能であり、熱伝達経路を分割して放熱性を高めることができる。
そして、複数個のリードフレームおよびケースが中心線に対して線対称であるため、発光装置内における熱の偏在が防止されて局所的な高温部分を生じるおそれが無く、ケースに印加された熱膨張による応力が均一となる。
そのため、ケースに埋設されたリードフレームとケースとの剥離、ケース内に充填された封止用樹脂とケースとの剥離、リードフレームと封止用樹脂との剥離、発光素子を接続するボンデイングワイヤの断線、などの故障が起こり難くなり、信頼性を高くできる。
その結果、ケースから外部に突出した放熱専用のリードフレームを設ける必要が無いことから、発光装置を薄型化・小型化することができる。
【0012】
<第2の局面>
第2の局面は、第1の局面において、前記中心線に対して、前記複数個の発光素子が線対称に配置形成された発光装置である。
従って、第2の局面によれば、第1の局面よりも更に発光装置内の熱分布を均一化することが可能になり、第1の局面の作用・効果を確実に得られる。
【0013】
<第3の局面>
第3の局面は、第1または第2の局面において、前記リードフレームは少なくとも3個以上並置され、前記複数個の発光素子の間にも前記リードフレームが配置されており、前記複数個の発光素子は、前記発光素子の間に配置された前記リードフレームを介して直列接続された発光装置である。
【0014】
従って、第3の局面によれば、発光素子をボンディングワイヤによって接続する際に、リードフレームを介さずに発光素子の間をボンディングワイヤによって直接接続した場合に比べて、個々のボンディングワイヤの長さを短くして断線を防止可能になるため、信頼性を更に向上できる。
【0015】
<第4の局面>
第4の局面は、第1〜第3の局面において、前記複数個の発光素子の間にて前記ケースの内側面に突設された柱状部を備えた発光装置である。
従って、第4の局面によれば、熱源である発光素子の間に挟まれ集中する応力を柱状部が緩和するため、第1の局面の作用・効果を確実に得られる。
【0016】
<第5の局面>
第5の局面は、第4の局面において、前記柱状部は前記リードフレームの表面を被覆する発光装置である。
従って、第5の局面によれば、ケースからリードフレームが剥離するのを柱状部によって防止できる。
【0017】
<第6の局面>
第6の局面は、第4または第5の局面において、前記発光素子と前記リードフレームとを接続するボンディングワイヤを備え、前記収容凹部および前記柱状部は、前記ボンディングワイヤに沿って囲むような形状に形成された発光装置である。
従って、第6の局面によれば、大電流が流れるボンディングワイヤを収容凹部および柱状部によって保護し、ボンディングワイヤの断線を防止可能になるため、信頼性を更に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1(A)は、本発明を具体化した第1実施形態の発光装置10を光放出側の側面方向から見た斜視図。図1(B)は、発光装置10を背面側の側面方向から見た斜視図。
【図2】図2(A)は、発光装置10を光放出側の側面方向から見た平面図。図2(B)は、発光装置10の横断面図であり、図2(A)に示すX−X矢示断面図。
【図3】図3(A)は、本発明を具体化した第2実施形態の発光装置100を光放出側の側面方向から見た平面図。図3(B)は、発光装置100の横断面図であり、図3(A)に示すX−X矢示断面図。
【図4】図4(A)は、本発明を具体化した第3実施形態の発光装置200を光放出側の側面方向から見た平面図。図4(B)は、発光装置200の横断面図であり、図4(A)に示すX−X矢示断面図。
【図5】図5(A)は、本発明を具体化した第4実施形態の発光装置300を光放出側の側面方向から見た平面図。図5(B)は、発光装置300の横断面図であり、図5(A)に示すX−X矢示断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略する。
【0020】
<第1実施形態>
図1および図2に示すように、第1実施形態の発光装置10は、ケース20(開口部20a、底面20b、内側面20c,20d、収容凹部20e、柱状部20f)、リードフレーム31〜33、発光素子41,42、ボンディングワイヤ51〜54、封止用樹脂60などから構成され、側面方向に光を放出するサイドビュータイプの発光装置(側面発光装置)である。
発光装置10は、横長扁平状であり、長手方向を二分する中心線(基準線)Lに対して、ボンディングワイヤ51〜54を除く部材(ケース20、リードフレーム31〜33、発光素子41,42)が線対称に配置形成されている。
【0021】
ケース(パッケージ)20は、横長扁平箱状であり、合成樹脂の射出成形によって一体形成されており、ケース20の側面は全体が開口された光放出用の開口部20aとなり、ケース20の短手方向に対向する内側面20c,20dと底面20bとで囲まれた空間が収容凹部20eとなり、内側面20cには柱状部20fが突設されている。
ケース20の収容凹部20eにおける短手方向の幅(内側面20c,20d間の距離)は、中央部が僅かに狭く、両端部がそれぞれ外側へ向かって狭くなるように形成されている。
ケース20の収容凹部20eには、リードフレーム31〜33と発光素子41,42とボンディングワイヤ51〜54とが収容されている。
【0022】
リードフレーム31〜33は、金属板のプレス加工によって形成されており、ケース20の射出成形時にインサート成形されてケース20に埋設され、ケース20の長手方向に並置されている。
リードフレーム31,32の寸法形状および配置は、中心線Lに対して線対称である。
リードフレーム33は、ケース20の長手方向の中央部にて中心線L上に配置され、発光素子41,42間に配置されている。
リードフレーム31〜33の表面は、収容凹部20eの底面(収容凹部20e内に露出したケース20の底面20b)から表出(露出)している。
そして、リードフレーム31〜33の表面と、収容凹部20eの底面とは面一に形成され、リードフレーム31〜33の表面は同一平面上に配置されている。
【0023】
リードフレーム31,32には、収容凹部20eの底面から表出したリードフレーム31,32の表面から延出された端子部31a,32aが形成されている。
リードフレーム31,32の端子部31a,32aは、ケース20から外部へ引き出されて折り曲げられ、発光装置10の外部接続端子を構成している。
尚、リードフレーム33の一部33aは、ケース20から外部へ突出しているが、これは各リードフレーム31〜33を接続部材(図示略)によって接続した状態にてケース20にインサート成形した後で各リードフレーム31〜33を切り離した後に残った切離跡の残渣である。
【0024】
リードフレーム31,32の表面には、同一構成の発光素子41,42が載置固定されることにより搭載(実装)されている。
発光素子41,42は、例えば、LEDのベアチップから構成されている。
【0025】
発光素子41,42は、扁平な略直方体状であり、その上面にはそれぞれプラス側電極(図示略)とマイナス側電極(図示略)が形成されている。
発光素子41,42は、リードフレーム31〜33およびボンディングワイヤ51〜54を用いて直列接続されている。
すなわち、ワイヤボンディング法を用いることにより、発光素子41のプラス側電極とリードフレーム31の表面とはボンディングワイヤ51によって接続され、発光素子41のマイナス側電極とリードフレーム33の表面とはボンディングワイヤ52によって接続され、発光素子42のプラス側電極とリードフレーム33の表面とはボンディングワイヤ53によって接続され、発光素子42のマイナス側電極とリードフレーム32の表面とはボンディングワイヤ54によって接続されている。
つまり、発光素子41,42間は、リードフレーム33およびボンディングワイヤ52,53を介して接続されている。
ここで、ボンディングワイヤ51〜54は、リードフレーム31〜33に対してセキュリティボンドを備えて接合されている。
すなわち、ボンディングワイヤ51〜54とリードフレーム31〜33とを接続する際には、まず、ステッチボンドSBを形成して接合し、次に、ステッチボンドSB上にボールボンドBBを形成し、続いて、ボールボンドBBから引き出したボンディングワイヤの先端にステッチボンドSBを形成して接合している。
【0026】
柱状部20fは、ケース20の長手方向の中央部にて中心線L上に配置され、柱状部20fの下端側はリードフレーム33の表面に当接し、リードフレーム33の表面の一部を被覆する。
ケース20の柱状部20fの高さは、収容凹部20eの深さ(開口部20aと底面20bとの距離)よりも小さく形成されており、柱状部20fの先端側が開口部20aからケース20の外部へ突出しないようになっている。
【0027】
発光素子41,42は、ケース20の長手方向の同一線上に配置され、ケース20の収容凹部20eの短手方向にて最も幅が広い部分に収容されており、発光素子41と各内側面20c,20dとのそれぞれの距離と、発光素子42と各内側面20c,20dとのそれぞれの距離とは同じである。
【0028】
ボンディングワイヤ51,54は、ケース20の収容凹部20eにおける長手方向の両端部に収容されている。
つまり、ケース20の収容凹部20eにおける長手方向の両端部は、ボンディングワイヤ51,54に沿って囲むような形状に形成されている。
ボンディングワイヤ52,53は、ケース20の収容凹部20eの長手方向にて中央部で幅が狭くなる部分に配置され、柱状部20fの両側に収容されている。
つまり、ケース20の収容凹部20eにおける長手方向の中央部および柱状部20fは、ボンディングワイヤ52,53に沿って囲むような形状に形成されている。
ケース20の収容凹部20e内には透明な封止用樹脂60が充填されており、封止用樹脂60によって収容凹部20e内の収容物(リードフレーム31〜33、発光素子41,42、ボンディングワイヤ51〜54)が封止されている。
【0029】
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態の発光装置10によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
【0030】
[1]リードフレーム31〜33はケース20の長手方向に並置して埋設され、リードフレーム31〜33の表面は収容凹部20eの底面から表出し、リードフレーム31〜33の表面と収容凹部20eの底面とは面一に形成され、リードフレーム31〜33の表面は同一平面上に配置されている。
また、ケース20の長手方向の両端部に配置されたリードフレーム31,32に発光素子41,42が搭載され、発光装置10を長手方向に二分する中心線Lに対して、リードフレーム31〜33とケース20と発光素子41,42とが線対称に配置形成されている。
換言すれば、発光装置10を構成するデバイスの各要素(ケース20、リードフレーム31〜33、発光素子41,42)を側面側(図2(A)に示す側)へ投影して得られた投影図を平面側(図2(A)に示すX−X矢示側)から見たとき、重心が中心線Lと一致する。
【0031】
従って、発光素子41,42が発生する熱を、リードフレーム31〜33を介した異なる放熱経路を伝導させてケース20の外部へ逃がすことが可能であり、熱伝達経路を分割して放熱性を高めることができる。
そして、リードフレーム31〜33とケース20と発光素子41,42とが中心線Lに対して線対称であるため、発光装置10内における熱の偏在が防止されて局所的な高温部分を生じるおそれが無く、ケース20に印加された熱膨張による応力が均一となる。
そのため、ケース20に埋設されたリードフレーム31〜33とケース20との剥離、ケース20内に充填された封止用樹脂60とケース20との剥離、リードフレーム31〜33と封止用樹脂60との剥離、発光素子41,42を接続するボンデイングワイヤ51〜54の断線、などの故障が起こり難くなり、信頼性を高くできる。
その結果、ケース20から外部に突出した放熱専用のリードフレームを設ける必要が無いことから、発光装置10を薄型化・小型化することができる。
尚、中心線Lに対して各部材(リードフレーム31〜33、ケース20、発光素子41,42)を完全に線対称に配置形成することに限らず、例えば、放熱・応力集中にほとんど寄与しないようなカソードマークを設けるなど、各部材をわずかに非対称に配置形成した場合でも、前記と略同一の効果が得られる。
換言すれば、前記効果を阻害しない範囲であれば、中心線Lに対して前記各部材を非対称に配置形成してもよい。
すなわち、中心線Lに対して、リードフレーム31〜33とケース20と発光素子41,42とを、熱の偏在を生じないように、ほぼ線対称に配置形成すればよい。
【0032】
[2]発光素子41,42間にリードフレーム33が配置されており、発光素子41,42はリードフレーム33を介して直列接続されている。
従って、リードフレーム33を介さずに発光素子41,42間を1本のボンディングワイヤによって直接接続した場合に比べて、ボンディングワイヤ52,53の長さを短くして断線を防止可能になるため、信頼性を更に向上できる。
【0033】
[3]発光素子41,42間にてケース20の内側面20cに突設された柱状部20fを備えているため、熱源である発光素子41,42間に挟まれ集中する封止用樹脂60への応力を柱状部20fが緩和することから、前記[1]の作用・効果を確実に得られる。
【0034】
[4]柱状部20fはリードフレーム33の表面を被覆しているため、ケース20からリードフレーム33が剥離するのを柱状部20fによって防止できる。
【0035】
[5]ケース20の収容凹部20eおよび柱状部20fは、ボンディングワイヤ51〜54に沿って囲むような形状に形成されている。
従って、大電流が流れるボンディングワイヤ51〜54を収容凹部20eおよび柱状部20fによって保護し、ボンディングワイヤ51〜54の断線を防止可能になるため、信頼性を更に向上できる。
【0036】
<第2実施形態>
図3に示すように、第2実施形態の発光装置100は、ケース20(開口部20a、底面20b、内側面20c,20d、収容凹部20e、柱状部20f)、リードフレーム31〜33、発光素子41,42、ボンディングワイヤ51〜54、封止用樹脂60などから構成されたサイドビュータイプの発光装置である。
尚、第2実施形態のケース20は、第1実施形態のケース20と同一であるため、発光装置100の斜視図は図1に示した第1実施形態の発光装置10と略同一である。
【0037】
第2実施形態において、第1実施形態と異なるのは、発光素子41,42が中心線Lに対して線対称に配置されておらず、発光素子41とケース20の内側面20cとの距離は、発光素子42と内側面20cとの距離よりも短くなっている点だけである。
つまり、第2実施形態において、発光素子41はケースの内側面20cに近い箇所に配置され、発光素子42はケースの内側面20cに近い箇所に配置されている。
【0038】
尚、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、リードフレーム31〜33の表面と、収容凹部20eの底面とは面一に形成されており、リードフレーム31〜33の表面は同一平面上に配置されている。
そして、第2実施形態では、発光装置100を長手方向に見た際に、発光装置100の短手方向にて発光素子41,42が重なるように配置されている。
具体的には、発光素子41,42の中心間の距離tは、約100μmに設定されている。
【0039】
そのため、発光素子41,42を中心線Lに対して線対称に配置していない第2実施形態でも、第1実施形態の前記[1]と同等の作用・効果が得られる。
また、第2実施形態においても、第1実施形態の前記[2]〜[5]と同じ作用・効果が得られる。
尚、第2実施形態は、発光素子41,42を意図的にズラして配置した場合だけでなく、発光素子41,42をリードフレーム31〜33上に配置して接着する際に位置ズレを起こした場合や、発光装置100を構成する各部材の寸法誤差によって発光素子41,42が位置ズレを起こした場合をも含むものである。
【0040】
<第3実施形態>
図4に示すように、第3実施形態の発光装置200は、ケース20(開口部20a、底面20b、内側面20c,20d、収容凹部20e、柱状部20f)、リードフレーム31,32、発光素子41,42、ボンディングワイヤ51,54,201、封止用樹脂60などから構成されたサイドビュータイプの発光装置である。
尚、第3実施形態のケース20は、第1実施形態のケース20と同一であるため、発光装置200の斜視図は図1に示した第1実施形態の発光装置10と略同一である。
【0041】
第3実施形態において、第1実施形態と異なるのは以下の点だけである。
[ア]リードフレーム33およびボンディングワイヤ52,53が省かれている。
[イ]発光素子41,42がリードフレームを介すことなくボンディングワイヤ201によって直接接続されている。
[ウ]柱状部20fが省かれている。
従って、第3実施形態においても、第1実施形態の前記[1]と同じ作用・効果が得られる。
【0042】
<第4実施形態>
図5に示すように、第4実施形態の発光装置300は、ケース20(開口部20a、底面20b、内側面20c,20d、収容凹部20e、柱状部20f)、リードフレーム31〜33、発光素子41,42、ボンディングワイヤ51〜54、封止用樹脂60などから構成され、側面方向に光を放出するサイドビュータイプの発光装置である。
尚、第4実施形態のケース20は、第1実施形態のケース20と同一であるため、発光装置300の斜視図は図1に示した第1実施形態の発光装置10と略同一である。
【0043】
第4実施形態において、第1実施形態と異なるのは以下の点だけである。
[エ]ボンディングワイヤ51〜54がセキュリティボンドを備えてリードフレーム31〜33に接合されておらず、ボンディングワイヤ51〜54がステッチボンドSBのみでリードフレーム31〜33に接合されている。
[オ]中心線Lに対して、ボンディングワイヤ51〜54を含む全ての部材(ケース20、リードフレーム31〜33、発光素子41,42)が線対称に配置形成されている。
【0044】
従って、第4実施形態によれば、第1実施形態の前記作用・効果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
[6]発光装置300内の熱分布と、封止用樹脂60への応力とが、中心線Lに対して線対称となるから、ボンディングワイヤ51〜54に負荷がかからず、セキュリティボンドを備えなくても断線しにくくなる。
[7]セキュリティボンドを備えないことから、第1実施形態に比べて、第1ボンディングワイヤ51〜54のワイヤ長を抑えられるため、コストを低減できることに加え、リードタイムも抑制できる。
【0045】
<別の実施形態>
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、前記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0046】
[A]フリップチップ法を用いることにより、発光素子41,42をリードフレーム31〜33に接続してもよい。
【0047】
[B]発光素子41,42を3個以上設けてもよく、その場合には発光素子41,42の個数に合わせてリードフレーム31〜33の個数を適宜設定すればよい。
【0048】
[C]ケース20の内側面20cの柱状部20fを省き、ケース20の内側面20dに柱状部20fと類似の柱状部を突設してもよく、その場合には第1実施形態の前記[3]〜[5]と同じ作用・効果が得られる。
また、ケース20の内側面20cの柱状部20fを残した上で、ケース20の内側面20dにも柱状部20fと類似の柱状部を突設してもよく、その場合には第1実施形態の前記[3]〜[5]の作用・効果を更に確実に得られる。
また、ケース20の内側面20c,20d間をつなぐような柱状部を突設してもよく、その場合には第1実施形態の前記[3]〜[5]の作用・効果を更に確実に得られる。
【0049】
[D]前記各実施形態を適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた実施形態の作用・効果を合わせもたせることができる。
【0050】
本発明は、前記各局面および前記各実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【符号の説明】
【0051】
10,100,200,300…発光装置
20…ケース
20a…ケース20の開口部
20b…ケース20の底面
20c,20d…ケース20の内側面
20e…ケース20の収容凹部
20f…ケース20の柱状部
31〜33…リードフレーム
41,42…発光素子
51〜54,201…ボンディングワイヤ
60…封止用樹脂
L…中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個以上の発光素子と、
前記発光素子と電気的に接続される少なくとも2個以上のリードフレームと、
前記発光素子および前記リードフレームを収容する収容凹部を有する横長扁平箱状のケースと
を備え、
前記収容凹部の開口部から当該発光装置の側面方向に光を放出するサイドビュータイプの発光装置であって、
前記リードフレームは前記ケースの長手方向に並置して埋設され、前記リードフレームの表面は前記収容凹部の底面から表出し、前記リードフレームの表面と前記収容凹部の底面とは面一に形成され、前記リードフレームの表面は同一平面上に配置されており、
前記収容凹部の長手方向の両端部に配置された前記リードフレームに前記発光素子が搭載され、
当該発光装置を長手方向に二分する中心線に対して、前記複数個のリードフレームおよび前記ケースが、熱の偏在を生じないように、ほぼ線対称に配置形成されている発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置において、
前記中心線に対して、前記複数個の発光素子が線対称に配置形成されている発光装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の発光装置において、
前記リードフレームは少なくとも3個以上並置され、前記複数個の発光素子の間にも前記リードフレームが配置されており、
前記複数個の発光素子は、前記発光素子の間に配置された前記リードフレームを介して直列接続されている発光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記複数個の発光素子の間にて前記ケースの内側面に突設された柱状部を備えた発光装置。
【請求項5】
請求項4に記載の発光装置において、
前記柱状部は前記リードフレームの表面を被覆する発光装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の発光装置において、
前記発光素子と前記リードフレームとを接続するボンディングワイヤを備え、
前記収容凹部および前記柱状部は、前記ボンディングワイヤに沿って囲むような形状に形成されている発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−12613(P2013−12613A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144906(P2011−144906)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】