説明

発振制御装置及び同期システム

【課題】標準機関が有する標準発振器の設置場所から遠隔地にある発振器の周波数を、標準発振器の周波数にリアルタイムで同期可能とする。
【解決手段】発振器3は、GPS受信アンテナ30によりGPS信号を受信し、信号処理部31は、GPSタイムに同期した周波数fgの信号を生成し、周波数比較部32は、GPS信号の周波数fgと、周波数発振部36から出力された発振信号の周波数fbを比較し、(fb−fg)を算出する。データ送受信部34は、国家標準発振器22から出力された発振信号の周波数faと、前記GPS信号の周波数fgとの比較結果(fa−fg)を国家標準機関2から取得し、偏差算出部33は、その取得された比較結果(fa−fg)と、周波数比較部32での比較結果(fb−fg)から、偏差(fb−fa)を算出し、周波数制御部35は、この偏差が0になるように周波数発振部36を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振器の周波数を制御する発振制御装置と、前記発振器の周波数を遠隔地に設置された発振器の周波数に同期させる同期システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、計量機器の精密計測を行うための基準量を遠隔地から供給する遠隔校正システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。遠隔校正システムにおける「校正」とは、計器又は測定系の示す値、若しくは実量器又は標準物質の表す値と、標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業のことである。
【0003】
遠隔校正システムでは、例えば、地点Bに設置された被校正発振器の周波数bと、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号の周波数fとの差(b−f)を測定し、この測定と同時刻に、地点Aに設置された基準発振器(例えば、国家標準機関の標準発振器)の基準周波数aと、上記GPS衛星から送信されるGPS信号の周波数fとの差(a−f)を測定する。そして、インターネット等の通信ネットワークを介して、両測定データの差{(b−f)−(a−f)}=(b−a)が得られる。この差周波数(b−a)は、基準発振器の基準周波数aに対する被校正発振器の周波数bのズレを示すものであるから、地点Bにある被校正発振器を校正したことになる。
【0004】
また、非特許文献1では、GPS信号に同期可能な発振器が提案されている。図3に、非特許文献1で示された発振器200の主要部構成を示す。発振器200では、GPS受信アンテナ201によりGPS信号が受信されると、信号処理部202において、GPSタイムに同期した信号(以下、同期信号という。)が生成され、周波数制御部203に出力される。周波数制御部203では、入力された同期信号の周波数と、周波数発振部204から出力される発振信号(発振器200の発振信号)の周波数が比較され、両周波数の差がゼロになるように、周波数発振部204に帰還をかける。このような動作により、発振器200の発振周波数をGPSタイムに同期させることができる。
【特許文献1】特開2004−326671号公報
【非特許文献1】Symmetricom社 データシート “58503B GPS Time and Frequency Reference Receiver”
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の遠隔校正システムでは、地点Aの基準発振器から離れた地点Bにある被校正発振器の周波数は、国家標準の周波数に対してズレ(偏差)が存在したままであり、地点Bの被校正発振器の周波数を用いて、他の測定器の校正や調整を行うためには、国家標準機関から送付(郵送や、電子データ化されたものを通信ネットワークを介して送付されるものも含む。)される校正証明書に基づいて行う必要がある。この校正証明書を得るには、通常、数日から数週間を要するため、リアルタイム性に欠けていた。
【0006】
一方、非特許文献1の発振器の場合、GPSに搭載される精密な周波数と同等の周波数をリアルタイムに得ることができるが、GPSから得られる周波数と、国家標準機関の標準発振器の周波数とは偏差があり、その大きさも測定されていないため、トレーサビリティが確保されていなかった。トレーサビリティを確保するためには、特許文献1と同様の方法を実施するか、国家標準機関へ発振器を持ち込む(又は輸送する)必要がある。このように、従来の発振器では、自身の周波数を、遠隔地にある標準発振器の周波数にリアルタイムで同期することができないという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、標準機関が有する標準発振器の設置場所から遠隔地にある発振器の周波数を、当該標準発振器の周波数にリアルタイムで同期可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、高精度の標準発振器を有する所定の標準機関から遠隔地に設置された発振器の周波数を制御する発振制御装置であって、
通信仕様が公開され、所定の地点から送信され複数の地点で受信可能な無線信号から、当該無線信号に同期した周波数信号を生成する信号処理部と、
この信号処理部が生成した周波数信号の周波数と、制御対象の発振器から出力された発振信号の周波数とを比較する比較手段と、
前記標準機関が有する標準発振器から出力された発振信号の周波数と、前記無線信号の周波数との比較結果を、前記標準機関から通信ネットワークを介して取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された比較結果と、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記制御対象の発振器の周波数と、前記標準発振器の周波数との偏差を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された偏差に基づいて前記制御対象の発振器の周波数を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発振制御装置において、前記制御手段は、前記偏差がゼロになるように前記発振器の周波数を制御することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発振制御装置において、前記無線信号は、測位衛星から送信される信号であり、前記信号処理部は、前記無線信号に含まれる測位信号に同期した周波数信号を生成することを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発振制御装置において、前記測位衛星はGPS衛星であり、前記信号処理部は、GPSタイムに同期した周波数信号を生成することを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発振制御装置において、前記無線信号は、時刻情報を含む標準電波であり、前記信号処理部は、前記無線信号に含まれる時刻信号に同期した周波数信号を生成することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発振制御装置において、前記無線信号は、通信仕様が公開された信号であり、前記信号処理部は、前記無線信号に含まれる送信機の基準周波数に同期した信号に同期した周波数信号を生成することを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発振制御装置において、前記所定の標準機関は国家標準機関であることを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発振制御装置を用いて、前記標準機関から遠隔地に設置された発振器の周波数を、当該標準機関が有する標準発振器の周波数に同期させる同期システムであって、前記標準機関側は、
前記無線信号から、当該無線信号に同期した周波数信号を生成する生成手段と、
前記無線信号の周波数と、前記標準発振器から出力された発振信号の周波数を比較する周波数比較部と、
前記周波数比較部による比較結果のデータを記憶する記憶手段と、
前記発振制御装置から前記記憶手段へのアクセスに応じて、当該記憶手段に記憶された前記比較結果のデータを、通信ネットワークを介して前記発振制御装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、標準機関が有する標準発振器の設置場所から遠隔地にある発振器の周波数を、当該標準発振器の周波数にリアルタイムで同期することが可能となる。
【0017】
特に、標準機関が国家標準機関であることにより、リアルタイムで国家標準に同期した周波数を得ることで、国家標準とのトレーサビリティを確保することが可能となり、発振器の管理・運用の利便性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態では、高精度の標準発振器を有する標準機関として、国家標準機関を用い、標準発振器として、国家標準発振器を用いる場合について説明する。ここで「高精度の標準発振器」とは、下位の標準機関やユーザが使用する発振器に対して基準となる精度を有する発振器である。また、本実施形態では、「通信仕様が公開され、所定の地点から送信され複数の地点で受信可能な無線信号」として、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号を用いるものとする。
【0019】
図1に、本実施形態に係る同期システム100の構成を示す。同期システム100は、図1に示すように、GPS衛星1と、国家標準機関2と、国家標準機関2から遠隔地にある発振器3により構成され、国家標準機関2と発振器3は、インターネット等の通信ネットワークNを介して接続される。
【0020】
本実施形態が適用される発振器3としては、例えば、企業の計測標準器室や計測器管理室、校正ラボ等で用いられる高精度の周波数発振器、カウンタやファンクションジェネレータのような測定器に内蔵されている水晶発振器等の周波数発振器、時計の源振である周波数発振器などがある。
【0021】
国家標準機関2は、図1に示すように、GPS受信アンテナ20、信号処理部21、国家標準発振器22、周波数比較部23、データサーバ24により構成される。なお、信号処理部21は、本発明の生成手段に対応する。以下、国家標準機関2を構成する各部の動作について説明する。
【0022】
GPS衛星1からGPS受信アンテナ20によりGPS信号が受信され、信号処理部21に出力される。信号処理部21では、GPSタイムに同期した周波数fgの信号(周波数信号)が生成され、周波数比較部23に出力される。周波数比較部23では、国家標準発振器22から出力される発振信号の周波数faと、GPS信号の周波数fgとの比較により(fa−fg)が算出され、この比較結果(fa−fg)のデータがデータサーバ24に出力される。データサーバ24では、入力された比較結果(fa−fg)のデータが、データサーバ24内に設けられる記憶手段(図示略)に記憶される。通信ネットワークNを介して発振器3がデータサーバ24にアクセスした場合、データサーバ24の記憶手段に記憶された比較結果(fa−fg)のデータは、データサーバ24の送信手段(図示略)によって発振器3に送信される。
【0023】
発振器3は、図1に示すように、GPS受信アンテナ30、信号処理部31、周波数比較部32、偏差算出部33、データ送受信部34、周波数制御部35、周波数発振部36により構成される。なお、発振器3の構成要素のうち、周波数発振部36を除く各部によって、本発明の発振制御装置が構成される。また、周波数比較部32は、本発明の比較手段に対応し、偏差算出部33は、本発明の算出手段に対応し、データ送受信部34は、本発明の取得手段に対応し、周波数制御部35は、本発明の制御手段に対応する。
【0024】
国家標準発振器22の周波数と、GPS信号の周波数との比較処理が行われている時刻と同時刻に、発振器3では、同一のGPS信号に対して以下の処理が行われる。なお、どの時刻にどのGPS衛星の信号と比較するかという予定は、国際度量衡局(BIPM)によって決定されており、本実施形態における周波数の比較処理は、BIPMで決定された予定に従って行われるものとする。また、この予定のデータは、国家標準機関2の予定記憶部(図示略)及び発振器3の予定記憶部(図示略)に記憶されており、予定記憶部に記憶された予定データに従って、周波数の比較処理が行われる。
【0025】
GPS衛星1からGPS受信アンテナ30によりGPS信号が受信され、信号処理部31に出力される。信号処理部31では、GPSタイムに同期した周波数fgの信号(周波数信号)が生成され、周波数比較部32に出力される。周波数比較部32では、周波数発振部36から出力された発振信号(発振器3の発振信号)の周波数fbと、GPS信号の周波数fgとの比較により(fb−fg)が算出され、この比較結果(fb−fg)のデータが偏差算出部33に出力される。
【0026】
データ送受信部34は、通信ネットワークNを介して国家標準機関2のデータサーバ24にアクセスし、発振器3における比較処理と同時刻に得られた、国家標準発振器22の周波数とGPS信号(発振器3が受信したGPS信号と同一)の周波数との比較結果(fa−fg)のデータをダウンロードし、偏差算出部33に出力する。
【0027】
偏差算出部33では、周波数比較部32から入力された比較結果(fb−fg)と、国家標準機関2からダウンロードした比較結果(fa−fg)から、周波数発振部36の発振信号の周波数fbと、国家標準発振器22の周波数faとの偏差{(fb−fg)−(fa−fg)}=(fb−fa)が算出される。算出された偏差(fb−fa)のデータは周波数制御部35に出力される。
【0028】
周波数制御部35は、偏差算出部33から入力された偏差(fb−fa)がゼロになるように、周波数発振部36の周波数を調整(制御)する。
【0029】
以上の動作により、発振器3の発振信号の周波数fbは、国家標準発振器22の周波数faに同期し、国家標準相当の値及び精度を有することとなる。
【0030】
以上のように、本実施形態の同期システム100によれば、標準発振器の設置場所から離れた場所(遠隔地)にある発振器の周波数を、標準発振器の出力周波数にリアルタイムに同期することが可能となる。特に、標準機関として国家標準機関2を選択することにより、国家標準発振器22の出力周波数にリアルタイムに同期した周波数を得ることができる。従って、従来の遠隔校正システムでは実現できなかった発振器のリアルタイムの調整が可能になるとともに、従来のGPS受信機能付きの発振器では実現できなかったトレーサビリティの確保が可能となる。このように、リアルタイムで国家標準と同等の精度とトレーサビリティの確保が可能になるため、発振器3の管理・運用の利便性を向上させることができる。
【0031】
なお、本実施形態における記述内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0032】
例えば、上述の実施形態では、「通信仕様が公開され、複数の地点で受信可能な無線信号」の一例としてGPS信号を挙げたが、本実施形態が適用される無線信号はこれに限定されない。例えば、Galileo衛星等、GPS衛星以外の測位衛星からの無線信号を受信し、信号処理部21及び31において、測位信号に同期した周波数を生成するようにしてもよい。また、無線信号として、JJY等の時刻情報を含む標準電波を受信し、信号処理部21及び31において、その無線信号に含まれる時刻信号に同期した周波数信号を生成するようにしてもよい。
【0033】
また、無線信号として、通信仕様が公開された無線信号(もちろん、送信機から発信される周波数も既知である)を用いてもよい。このような無線信号の通信仕様として、例えば「無線信号にパルス信号が含まれ、そのパルス信号の周波数が、当該無線信号を発信している送信機に備えられた基準発振器の周波数(基準周波数)の1/16である」という情報が公開されていれば、受信側では、そのパルス信号を検出して周波数を16倍にすれば、送信機の基準周波数が得られる。この場合、信号処理部21及び31では、無線信号に含まれるパルス信号(送信機の基準周波数に同期した信号)に同期した周波数信号が生成される。
【0034】
また、上述の実施形態では、図1に示すように、周波数発振部36と、周波数発振部36の出力周波数を制御する側(本発明の発振制御装置)を一体化した発振器3を示したが、図2に示すように、既存の発振器5に、発振器5の出力周波数を制御する発振制御装置4を接続可能にした構成であってもよい。
【0035】
発振制御装置4は、図2に示すように、GPS受信アンテナ40、信号処理部41、周波数比較部42、偏差算出部43、データ送受信部44、周波数制御部45により構成され、各部の機能は、それぞれ、図1のGPS受信アンテナ30、信号処理部31、周波数比較部32、偏差算出部33、データ送受信部34、周波数制御部35と同等である。
【0036】
周波数比較部42には、発振器5の周波数発振部50が出力する発振信号を入力するための発振信号入力端子t1が接続され、周波数制御部45には、発振器5に対する制御信号を出力するための制御信号出力端子t2が接続されている。また、データ送受信部44には、通信ネットワークNを介して国家標準機関2から比較結果(fa−fg)のデータを取得するための比較結果入力端子t5が接続されている。また、発振器5の周波数発振部50には、発振信号を発振制御装置4に出力するための発振信号出力端子t3と、発振制御装置4からの制御信号を入力するための制御信号入力端子t4が接続されている。発振制御装置4は、例えば、カード型の装置であり、端子t1〜t4を介して発振器5の本体へ差し込み可能となっている。このような構成により、発振器5のユーザは、必要に応じて、発振器5の周波数を、発振器5の設置場所から遠隔地にある標準発振器の出力周波数に同期させるか否かを選択することができる。遠隔地にある標準発振器の周波数に同期させる場合、比較結果入力端子t5を通信ネットワークNに接続して、比較結果(fa−fg)を取得する。
【0037】
図1又は図2に示す発振制御装置4及び既存の発振器5を用いたシステムにおいて、周波数比較部42で得られたデータ(fb−fg)(発振器5の周波数fbと、GPS信号の周波数fgとの差)を、データ送受信部44から標準機関に送信し、必要に応じて、その標準機関から校正証明書が得られるようにする。この場合、標準機関として国家標準機関を選択すれば、国家標準発振器に同期することが可能になるとともに、国家標準機関から校正証明書が得られ、国家標準とのトレーサビリティを証明することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る同期システムの構成と、同期システムを構成する国家標準機関の内部構成と、国家標準機関から遠隔地にある発振器の主要部構成を示すブロック図。
【図2】既存の発振器の周波数を制御可能な発振制御装置の主要部構成を示すブロック図。
【図3】従来の発振器の主要部構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0039】
1 GPS衛星
2 国家標準機関
20 GPS受信アンテナ
21 信号処理部
22 国家標準発振器
23 周波数比較部
24 データサーバ
3 発振器
30、40 GPS受信アンテナ
31、41 信号処理部
32、42 周波数比較部
33、43 偏差算出部
34、44 データ送受信部
35、45 周波数制御部
36、50 周波数発振部
4 発振制御装置
5 発振器
100 同期システム
N 通信ネットワーク
t1 発振信号入力端子
t2 制御信号出力端子
t3 発振信号出力端子
t4 制御信号入力端子
t5 比較結果入力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高精度の標準発振器を有する所定の標準機関から遠隔地に設置された発振器の周波数を制御する発振制御装置であって、
通信仕様が公開され、所定の地点から送信され複数の地点で受信可能な無線信号から、当該無線信号に同期した周波数信号を生成する信号処理部と、
この信号処理部が生成した周波数信号の周波数と、制御対象の発振器から出力された発振信号の周波数とを比較する比較手段と、
前記標準機関が有する標準発振器から出力された発振信号の周波数と、前記無線信号の周波数との比較結果を、前記標準機関から通信ネットワークを介して取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された比較結果と、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記制御対象の発振器の周波数と、前記標準発振器の周波数との偏差を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された偏差に基づいて前記制御対象の発振器の周波数を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする発振制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記偏差がゼロになるように前記発振器の周波数を制御することを特徴とする請求項1に記載の発振制御装置。
【請求項3】
前記無線信号は、測位衛星から送信される信号であり、
前記信号処理部は、前記無線信号に含まれる測位信号に同期した周波数信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の発振制御装置。
【請求項4】
前記測位衛星はGPS衛星であり、
前記信号処理部は、GPSタイムに同期した周波数信号を生成することを特徴とする請求項3に記載の発振制御装置。
【請求項5】
前記無線信号は、時刻情報を含む標準電波であり、
前記信号処理部は、前記無線信号に含まれる時刻信号に同期した周波数信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の発振制御装置。
【請求項6】
前記無線信号は、通信仕様が公開された信号であり、
前記信号処理部は、前記無線信号に含まれる送信機の基準周波数に同期した信号に同期した周波数信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の発振制御装置。
【請求項7】
前記所定の標準機関は国家標準機関であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の発振制御装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の発振制御装置を用いて、前記標準機関から遠隔地に設置された発振器の周波数を、当該標準機関が有する標準発振器の周波数に同期させる同期システムであって、
前記標準機関側は、
前記無線信号から、当該無線信号に同期した周波数信号を生成する生成手段と、
前記無線信号の周波数と、前記標準発振器から出力された発振信号の周波数を比較する周波数比較部と、
前記周波数比較部による比較結果のデータを記憶する記憶手段と、
前記発振制御装置から前記記憶手段へのアクセスに応じて、当該記憶手段に記憶された前記比較結果のデータを、通信ネットワークを介して前記発振制御装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする同期システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−101335(P2007−101335A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−290869(P2005−290869)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、新エネルギー・産業技術総合開発機構委託研究「計量器校正情報システムの研究開発」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】