説明

発振回路

【課題】発振周波数の精度を改善することが可能な発振回路を提供すること。
【解決手段】PTAT出力とCTAT出力とを加算して出力する基準電圧発生回路と、加算割合を切り替え温度に依存した基準電圧発生回路の出力の変動を最小化する第1切替手段と、基準電圧発生回路の出力に基づいて定電流を発生させる電流源と、基準電圧発生回路の出力に基づいて定電圧を発生させるレギュレータ回路と、一端が電流源に接続され電流源の定電流によって充放電される第1容量及び第2容量と、レギュレータ回路から供給される定電圧を電源として第2容量の他端を駆動するインバータと、電流源の定電流の値を切り替え発振周波数を調整する第2切替手段と、第1容量の容量値を切り替え第1容量及び第2容量の一端における発振振幅を調整する第3切替手段と、を備え、第1切替手段、第2切替手段、第3切替手段のトリミングによって所望の大きさの一定周波数を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は発振回路に関し、特に、発振周波数の精度を改善した発振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用の通信規約において高精度(例えば、±1.5%以内)のクロックが要求されている。高精度のクロックとして水晶振動子やセラミック振動子を使用すると、車の振動によって半田付けのはがれ、クラックといった破損が生じることがある。また、破損の問題の他にコストダウンの側面からもシリコンデバイスへの発振回路の内蔵の要求がある。そこで、シリコンデバイス上で高精度の発振回路を実現するため、各種の提案がなされている。
【0003】
図1は、従来のCR発振回路の一例を示す。図1のCR発振回路は、インバータINV101、INV102、INV103と、容量C101と、抵抗R101とを有する。図2は、図1のCR発振回路の動作時における各ノードの波形を示す。図2に示されるように、ノードND101、ND102、ND103の波形は矩形波となる。ノードND104の波形は、ノードND102との容量カップリングによりノードND102の電圧変化の時刻にノードND104の電圧がノードND102と同じ方向に変化し、その後緩やかにノードND103の電圧により抵抗R101を介して充放電される波形となる。尚、図2中の破線はインバータINV101の閾値Vthである。
【0004】
図1のCR発振回路の発振周波数は、電源電圧、温度、抵抗R101の抵抗値、容量C101の容量値、それぞれのバラつきにより一般に−50%〜+100%程度のバラつきを有する。
【0005】
図3は、従来のCR発振回路の他の例を示す。図3のCR発振回路は、インバータINV31、INV32、INV33と、容量C31、C32と、電流源IP31、IN31と、PMOSトランジスタMP31、MP32、MP33と、NMOSトランジスタMN31、MN32と、オペアンプAMP31と、抵抗R31と、基準電圧発生回路31と、設定レジスタ32と、バイアス発生回路33と、定電圧回路34とを有する。
【0006】
図3のCR発振回路において出力端子OUTから出力される信号の発振周波数は、定電圧回路34の出力電圧VREGと電流源IP31、IN31の電流値とをもとに定められる。定電圧回路34によって一定の出力電圧VREGを供給することで、ノードND31の信号振幅が電源電圧に依存せず一定となる。容量C31、C32を充放電する電流源IP31、IN31の電流値は、基準電圧発生回路31が出力する基準電圧に基づいて定められる。プロセスのバラつきにより、基準電圧および電流源IP31、IN31の電流値は図4に示されるように右上がり、あるいは右下がりといった1次的な温度依存性を有する。電流源IP31、IN31の電流値を温度に依存せず一定とするために、基準電圧発生回路31が出力する基準電圧の温度依存性をトリミングする設定レジスタ32が設けられている。
【0007】
上記の背景技術に関連して、特許文献1乃至4が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−252414号公報
【特許文献2】特開2007−299294号公報
【特許文献3】特表2009−522661号公報
【特許文献4】特公平7−22253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図3のCR発振回路において電流源IP31、IN31の電流値は、右上がり、あるいは右下がりといった1次的な温度依存性をキャンセルしても完全な一定電流とはならず、2次的な温度依存性を有する。これによって、発振周波数の精度は、図5に示されるように±2%程度までであった。
【0010】
本願は、発振周波数の精度を改善することが可能な発振回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願に開示されている発振回路は、絶対温度に比例して増加するPTAT出力と、絶対温度に比例して減少するCTAT出力とを加算して出力する基準電圧発生回路と、前記PTAT出力と前記CTAT出力との加算割合を切り替え、温度に依存した前記基準電圧発生回路の出力の変動を最小化する第1切替手段と、前記基準電圧発生回路の出力に基づいて定電流を発生させる電流源と、前記基準電圧発生回路の出力に基づいて定電圧を発生させるレギュレータ回路と、一端が前記電流源に接続され、前記電流源の定電流によって充放電される第1容量及び第2容量と、前記レギュレータ回路から供給される定電圧を電源として、前記第2容量の他端を駆動するインバータと、前記電流源の定電流の値を切り替え、発振周波数を調整する第2切替手段と、前記第1容量の容量値を切り替え、前記第1容量及び前記第2容量の前記一端における発振振幅を調整する第3切替手段と、を備え、前記第1切替手段、前記第2切替手段、前記第3切替手段のトリミングによって所望の大きさの一定周波数を生成する。
【発明の効果】
【0012】
開示の発振回路によれば、電流源の定電流の温度依存性とレギュレータ回路の定電圧の温度依存性とを同様にし、第3切替手段によって発振振幅を調整することで、発振周波数の精度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来のCR発振回路の一例を示す図である。
【図2】図1のCR発振回路の各ノードの波形を示す図である。
【図3】従来のCR発振回路の他の例を示す図である。
【図4】図3のCR発振回路における電流源の電流値の温度特性を示す図である。
【図5】図3のCR発振回路の発振周波数の温度特性を示す図である。
【図6】第1実施形態の回路ブロック図である。
【図7】バンドギャップリファレンス回路の具体例を示す図である。
【図8】図7のバンドギャップリファレンス回路の特性を示す図である。
【図9】バイアス発生回路の具体例を示す図である。
【図10】第1実施形態における発振回路部の各ノードの波形を示す図である。
【図11】第1実施形態におけるトリミング手順の一例を説明するための図である。
【図12】抵抗切替手段の一例を示す図である。
【図13】容量切替手段の一例を示す図である。
【図14】第2実施形態の回路ブロック図である。
【図15】トリミング電流DACの具体例を示す図である。
【図16】第3実施形態の回路ブロック図である。
【図17】第3実施形態における発振回路部の各ノードの波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図6は、第1実施形態の回路ブロック図である。オペアンプAMP1、PMOSトランジスタMP3を含む帰還増幅回路は、抵抗R1に印加される電圧とバンドギャップリファレンス回路BGR1が出力する基準電圧VBGR1とを一致させるようにフィードバック制御を行う。PMOSトランジスタMP3は抵抗R1に基準電圧VBGR1が印加された場合に流れる電流を流すようにバイアスされ、そのバイアス電圧がバイアス発生回路6に与えられる。バイアス発生回路6は、与えられたバイアス電圧に基づいて電流源IP1、IN1の制御信号を発生する。
【0015】
オペアンプAMP2、PMOSトランジスタMP4、抵抗R2、R3は、出力電圧VREGを発生させるレギュレータ回路5を構成する。オペアンプAMP2にバンドギャップリファレンス回路BGR2が出力する基準電圧VBGR2が入力される。レギュレータ回路5の出力電圧VREGは、基準電圧VBGR2をもとに抵抗R2、R3の抵抗分圧で生成される。
【0016】
バンドギャップリファレンス回路BGR1、BGR2は、それぞれPTAT電圧発生回路1、CTAT電圧発生回路2、加算割合設定回路3を備える。また、バンドギャップリファレンス回路BGR1、BGR2が出力する基準電圧VBGR1、VBGR2の温度依存性をトリミングするために、バンドギャップリファレンス回路BGR1、BGR2のそれぞれに対して温度依存性キャンセル用切替手段4が設けられる。
【0017】
図7、図8を参照してバンドギャップリファレンス回路BGR1、BGR2の構成及び動作について説明する。図7は、バンドギャップリファレンス回路BGR1、BGR2の具体例を示す図であり、図6と図7とにおいて対応する部分には同一の符号が付されている。PTAT電圧発生回路1において、PMOSトランジスタMP11、抵抗R11、及びダイオードD1は、電源とグランドとの間に直列に接続される。PMOSトランジスタMP12及びダイオードD2は、電源とグランドとの間に直列に接続される。PMOSトランジスタMP11、MP12は、ゲートがオペアンプAMP11の出力に共通に接続され、等しい電流I1を流すようにサイズ比(チャネル幅W/チャネル長L)が同一に設定される。オペアンプAMP11の非反転入力端子は抵抗R11の一端に接続され、反転入力端子はダイオードD2のアノードに接続される。ダイオードD1、D2に添えられた数字(×8、×1)は、ダイオードD1、D2の相対的な面積の比の一例を示す。
【0018】
図8(A)に示されるように、pn接合ダイオードD1、D2の順方向電圧Vbe1、Vbe2は、絶対温度に比例して減少する特性を有することが知られている。オペアンプAMP11は、抵抗R11の一端の電圧とダイオードD2のアノードの電圧とを一致させるように負帰還回路を構成しており、オペアンプAMP11の出力は、抵抗R11の一端の電圧とダイオードD2の順方向電圧Vbe2とを一致させる電圧に定まる。本具体例では、ダイオードD1、D2の面積比が8:1とされ、ダイオードD1、D2は異なる電流密度で動作する。これにより、抵抗R11の両端にはダイオードD1、D2の順方向電圧の差ΔVbe=Vbe2−Vbe1が印加される。図8(A)に示されるように、ダイオードD1、D2の順方向電圧の差ΔVbeは絶対温度に比例して増加する。したがって、電流I1は、絶対温度に比例して増加するPTAT(Proportional To Absolute Temperature)電流となる。
【0019】
CTAT電圧発生回路2において、PMOSトランジスタMP13及び抵抗R12は、電源とグランドとの間に直列に接続される。PMOSトランジスタMP13は、ゲートがオペアンプAMP12の出力に接続され、電流I2を流す。オペアンプAMP12の非反転入力端子は抵抗R12の一端に接続され、反転入力端子はダイオードD2のアノードに接続される。
【0020】
オペアンプAMP12は、抵抗R12の一端の電圧とダイオードD2のアノードの電圧とを一致させるように負帰還回路を構成しており、オペアンプAMP12の出力は、抵抗R12の一端の電圧とダイオードD2の順方向電圧Vbe2とを一致させる電圧に定まる。これにより、抵抗R12の両端にはダイオードD2の順方向電圧Vbe2に等しい電圧が印加される。前述のように、ダイオードD2の順方向電圧Vbe2は絶対温度に比例して減少する。したがって、電流I2は、絶対温度に比例して減少するCTAT(Complementary To Absolute Temperature)電流となる。
【0021】
加算割合設定回路3は、PMOSトランジスタMP14、MP15を含む。PMOSトランジスタMP14はオペアンプAMP11の出力によってゲート電圧が制御されるため、PMOSトランジスタMP14に流れる電流I3はPTAT電流となり、その絶対値はPMOSトランジスタMP11、MP12とのサイズ比の差によって決まる。PMOSトランジスタMP15はオペアンプAMP12の出力によってゲート電圧が制御されるため、PMOSトランジスタMP15に流れる電流I4はCTAT電流となり、その絶対値はPMOSトランジスタMP13とのサイズ比の差によって決まる。
【0022】
電流I3と電流I4とが加算された電流が抵抗R13に流れる。絶対温度に対して正の依存性を持つPTAT電流と絶対温度に対して負の依存性を持つCTAT電流との比を適切に調整すると、抵抗R13に流れる合計電流は温度に依存しなくなる(図8(B)参照)。本具体例では、温度依存性キャンセル用切替手段4によって抵抗R12の抵抗値を切り替えることで、CTAT電流の値を調整する。これによって、抵抗R13に温度に依存しない合計電流が流れて電圧に変換され、温度に依存しない基準電圧VBGRが出力される(図8(C)参照)。
【0023】
続いて、図9を参照してバイアス発生回路6の構成及び動作について説明する。図9は、バイアス発生回路6の具体例を示す図であり、図6と図9とにおいて対応する部分には同一の符号が付されている。バイアス発生回路6は、PMOSトランジスタMP61、MP62とNMOSトランジスタMN61、MN62とを含むカレントミラー回路である。オペアンプAMP1のフィードバック制御により、PMOSトランジスタMP3には基準電圧VBGR1と抵抗R1の抵抗値とで決まる基準電流が流れる。この基準電流をカレントミラー回路によってミラー比に応じて調整し、電流源IP1、IN1の制御信号を発生する。本具体例では、発振周波数トリミング用切替手段7によって抵抗R1の抵抗値を切り替えることで、基準電流の値を調整する。これによって、電流源IP1、IN1の定電流の値が切り替えられる。
【0024】
図6に戻り、第1実施形態における発振回路部の構成及び動作について説明する。発振回路部は、インバータINV1、INV2、INV3と、容量C1、C2と、電流源IP1、IN1と、PMOSトランジスタMP1、MP2と、NMOSトランジスタMN1、MN2と、発振振幅トリミング用切替手段8とを有する。インバータINV1の入力は、容量C1、C2の一端(ノードA)に接続される。インバータINV2の入力は、インバータINV1の出力(ノードB)に接続される。インバータINV2は、インバータINV1から出力される矩形波の発振信号を反転して出力端子OUTから出力する。インバータINV3の入力は、インバータINV1の出力に接続される。インバータINV3は、インバータINV1の出力を反転して、PMOSトランジスタMP1、NMOSトランジスタMN1のゲートを駆動する。PMOSトランジスタMP1とNMOSトランジスタMN1とが交互にオン状態となることで、容量C1、C2の一端が電流源IP1又はIN1に接続され、容量C1、C2が充放電される。また、ゲートがインバータINV1の出力に共通に接続されたPMOSトランジスタMP2、NMOSトランジスタMN2は、レギュレータ回路5の出力電圧VREGを電源として、容量C2の他端(ノードC)を駆動するインバータを構成する。
【0025】
図10は、第1実施形態における発振回路部のノードA、B、Cの波形を示す。図10に示されるように、ノードB、Cの波形は矩形波となる。ノードAの波形は、ノードCとの容量カップリングによりノードCの立上りの時刻にノードAの電圧が立上り、その後電流源IN1の一定電流により放電される波形となる。ノードAの電圧がインバータINV1の閾値Vthを下回ると、ノードB、Cの電圧は反転する。そのため今度は、ノードAの波形は、ノードCの立下りの時刻にノードAの電圧が立下り、その後電流源IP1の一定電流により充電される波形となる。ノードAの電圧がインバータINV1の閾値Vthを上回ると、ノードB、Cの電圧は再び反転し、以後、同様の動作を繰り返す。
【0026】
続いて、発振周波数Foscを求める。
ノードAの発振振幅ΔVは、レギュレータ回路5の出力電圧VREGと容量分圧とで決定され、
ΔV=VH−Vth=Vth−VL=(C2/(C1+C2))×VREG …(1)
となる。ここで、C1、C2は容量C1、C2の容量値である。また、電流源IP1、IN1の一定電流の値をI、半周期をtとすると、
I×t=ΔV×(C1+C2) …(2)
となる。式(1)、式(2)より、
t=(ΔV×(C1+C2))/I=((C2/(C1+C2))×VREG×(C1+C2))/I=C2×VREG/I …(3)
となる。したがって、発振周波数Foscは、式(3)より、
Fosc=1/(2×t)=I/(2×C2×VREG) …(4)
となる。
【0027】
バンドギャップリファレンス回路BGR1が出力する基準電圧VBGR1が低下すると、電流源IP1、IN1の電流値が小さくなる。すると、式(4)から明らかなように、発振周波数Foscが低くなる。一方、バンドギャップリファレンス回路BGR2が出力する基準電圧VBGR2が低下すると、レギュレータ回路5の出力電圧VREGが低下して発振振幅ΔVが小さくなる。すると、図10と式(4)とから明らかなように、発振周波数Foscが高くなる。したがって、電流源IP1、IN1の電流値の温度依存性による発振周波数Foscの変化と、レギュレータ回路5の出力電圧VREGの温度依存性による発振周波数Foscの変化とは、互いに打ち消しあう。第1実施形態では、発振振幅トリミング用切替手段8によって容量C1の容量値を切り替えることで、発振振幅ΔVを調整する。これによって、一定周波数を生成することができる。
【0028】
図11を参照して第1実施形態におけるトリミング手順の一例について説明する。
(1)温度依存性キャンセル用切替手段4による、バンドギャップリファレンス回路BGR1、BGR2の1次的な温度依存性のキャンセル(図11(A)、(B)参照)
バンドギャップリファレンス回路BGR1の温度依存性は、電流源IP1、IN1の電流値の温度依存性と対応する(図11(A))。また、バンドギャップリファレンス回路BGR2の温度依存性は、レギュレータ回路5の出力電圧VREGの温度依存性と対応する。(図11(B))。バンドギャップリファレンス回路BGR1、BGR2が有する右上がり、あるいは右下がりといった1次的な温度依存性を、温度依存性キャンセル用切替手段4によってキャンセルする。
【0029】
(2)発振振幅トリミング用切替手段8による、発振振幅ΔVの調整(図11(C)参照)
レギュレータ回路5の出力電圧VREGの低下に対する発振振幅ΔVの低下の度合いを、発振振幅トリミング用切替手段8によって調整し、発振周波数Foscの2次的な温度依存性をキャンセルする。
【0030】
電流源IP1、IN1は、容量C1、C2を充放電する電流をバンドギャップリファレンス回路BGR1が出力する基準電圧VBGR1に基づいて発生させる。したがって、充放電電流は、図11(A)に示されるような温度依存性を有する。充放電電流が減少すると、発振周波数Foscが低くなる。
【0031】
一方、発振振幅ΔVは、レギュレータ回路5の出力電圧VREGをもとに決定される。レギュレータ回路5(図6参照)において、抵抗R2、R3の温度依存性の影響は、抵抗分圧によって打ち消される。そのため、レギュレータ回路5の出力電圧VREGは、バンドギャップリファレンス回路BGR2が出力する基準電圧VBGR2と同様の図11(B)に示されるような温度依存性を有する。出力電圧VREGが低下すると、発振周波数Foscが高くなる。
【0032】
バンドギャップリファレンス回路BGR1、BGR2は同一の構成を有するため、基準電圧VBGR1、VBGR2の温度依存性は同様となる。基準電圧VBGR1に対応する充放電電流の温度依存性と、基準電圧VBGR2に対応するレギュレータ回路5の出力電圧VREGの温度依存性とを逆にして足し合わせることで、バンドギャップリファレンス回路の出力精度が従来と同様に±2%程度であっても、発振周波数Foscの精度を±1%以下に抑えることができる(図11(C))。発振振幅トリミング用切替手段8によって容量C1の容量値を調整すると、発振振幅ΔVを調整することができるため、右上がり、あるいは右下がりといった1次的な温度依存性を平坦化した後にわずかに残る2次的な温度依存性をキャンセルすることができる。これによって、高精度(例えば、±1%以内)の発振回路が得られる。
【0033】
(3)発振周波数トリミング用切替手段7による、発振周波数Foscの調整(図11(D)参照)
上記(1)、(2)のトリミングを行った周波数から使用する周波数へと、発振周波数Foscを、発振周波数トリミング用切替手段7によって調整する(図11(D))。発振周波数トリミング用切替手段7によって抵抗R1の抵抗値を調整すると、基準電流の値を調整することができる。これによって、容量C1、C2を充放電する電流源IP1、IN1の電流値を調整し、発振周波数Foscを所望の値に調整することができる。
【0034】
発振周波数Foscが収束するまで、上記のトリミング手順(1)〜(3)を、(1)→(2)→(3)→(1)→(2)→(3)→…のように繰り返すことで、所望の大きさの一定の発振周波数Foscが生成される。尚、トリミングを繰り返した方が所望の値により近い周波数で使用することができるが、必ずしもトリミングを繰り返さなければならないわけではない。上記(3)では抵抗R1の抵抗値をトリミングするが、抵抗は2次的な温度特性を有する。そのため、抵抗R1の抵抗値のトリミング前後において、電流源IP1、IN1の電流値の変化割合と、発振周波数Foscの変化割合とは、完全には比例しない(図11(D)参照)。したがって、発振周波数Foscを所望の値に完全に合わせるためには、段階的にトリミングすることが望ましい。
【0035】
また、初めに上記(1)、(2)のトリミングを行う理由としては、次のことが考えられる。例えば、バンドギャップリファレンス回路BGR1の1次的な温度依存性がある場合に、上記(3)のトリミングによって使用周波数に合わせた後に、バンドギャップリファレンス回路BGR1の1次的な温度依存性をキャンセルすると、発振周波数Foscが使用周波数からずれてしまう(図11(E)参照)。したがって、上記(1)、(2)のトリミングによって温度依存性をキャンセルしてから上記(3)のトリミングによって発振周波数Foscを調整した方が、発振周波数Foscの収束が早いと考えられる。
【0036】
続いて、図12を参照して、温度依存性キャンセル用切替手段4による抵抗R12の抵抗値の切り替え(図7参照)、発振周波数トリミング用切替手段7による抵抗R1の抵抗値の切り替え(図6参照)、のそれぞれを実現する構成の一例について説明する。また、図13を参照して、発振振幅トリミング用切替手段8よる容量C1の容量値の切り替え(図6参照)を実現する構成の一例について説明する。
【0037】
図12は、温度依存性キャンセル用切替手段4、発振周波数トリミング用切替手段7による抵抗値の切り替えを実現する抵抗切替手段の一例を示す。抵抗VR1、VR2、VR3、VR4は直列に接続される。スイッチSW1、SW2、SW3、SW4は、それぞれ抵抗VR1、VR2、VR3、VR4と並列に接続される。抵抗VR1、VR2、VR3、VR4に添えられた数字(×1、×2、×4、×8)は、抵抗VR1、VR2、VR3、VR4の相対的な抵抗値の比の一例を示す。上記の構成により、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4のオンオフを切り替えることで、所望の抵抗値が得られる。例えば、レジスタに設定された値をもとに各スイッチを制御することで、抵抗値の切り替えを実現することができる。
【0038】
また、図13は、発振振幅トリミング用切替手段8による容量値の切り替えを実現する容量切替手段の一例を示す。容量VC1、VC2、VC3、VC4は並列に接続される。スイッチSW5、SW6、SW7、SW8は、それぞれ容量VC1、VC2、VC3、VC4と直列に接続される。容量VC1、VC2、VC3、VC4に添えられた数字(×1、×2、×4、×8)は、容量VC1、VC2、VC3、VC4の相対的な容量値の比の一例を示す。上記の構成により、スイッチSW5、SW6、SW7、SW8のオンオフを切り替えることで、所望の容量値が得られる。例えば、レジスタに設定された値をもとに各スイッチを制御することで、容量値の切り替えを実現することができる。
【0039】
図14は、第2実施形態の回路ブロック図である。第2実施形態の説明では、先に説明した第1実施形態との相違点を中心に述べ、同様の点については同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
第2実施形態では、バンドギャップリファレンス回路が共通化され、1つのバンドギャップリファレンス回路BGRによって電流源IP1、IN1の電流値と、レギュレータ回路5の出力電圧VREGとが制御される。また、第1実施形態におけるバイアス発生回路6に代えて、第2実施形態ではトリミング電流DAC9が設けられる。
【0041】
図15を参照してトリミング電流DAC9の構成及び動作について説明する。図15は、トリミング電流DAC9の具体例を示す図である。図15では先に説明した図と対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
図15において加算割合設定回路3は、PMOSトランジスタMP14、MP15に加えて、PMOSトランジスタMP16、MP17を含む。PMOSトランジスタMP16はオペアンプAMP11の出力によってゲート電圧が制御されるため、PMOSトランジスタMP16に流れる電流はPTAT電流となり、その絶対値はPMOSトランジスタMP11、MP12とのサイズ比の差によって決まる。PMOSトランジスタMP17はオペアンプAMP12の出力によってゲート電圧が制御されるため、PMOSトランジスタMP17に流れる電流はCTAT電流となり、その絶対値はPMOSトランジスタMP13とのサイズ比の差によって決まる。
【0043】
PMOSトランジスタMP16に流れる電流とPMOSトランジスタMP17に流れる電流とが加算された電流が、トリミング電流DAC9のNMOSトランジスタMN91に流れる。NMOSトランジスタMN92、MN93、MN94は、NMOSトランジスタMN91に流れる基準電流を、PMOSトランジスタMP91に分配するカレントミラー回路を構成する。NMOSトランジスタMN92、MN93、MN94に添えられた数字(×4、×2、×1)は、ミラー比の一例を示す。NMOSトランジスタMN92、MN93、MN94には、それぞれNMOSトランジスタMN95、MN96、MN97が直列に接続されている。また、PMOSトランジスタMP92は、PMOSトランジスタMP91に流れる電流を、NMOSトランジスタMN98に分配するカレントミラー回路を構成する。PMOSトランジスタMP91、NMOSトランジスタMN98のゲート電圧が、発振回路部の電流源IP1、IN1に与えられる。
【0044】
本具体例では、発振周波数トリミング用切替手段7によってNMOSトランジスタMN95、MN96、MN97のオンオフを切り替えることで、NMOSトランジスタMN91に流れる基準電流とPMOSトランジスタMP91、NMOSトランジスタMN98に流れる電流との比を切り替える。これによって、電流源IP1、IN1の定電流の値が切り替えられる。
【0045】
上記の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第2実施形態では、バンドギャップリファレンス回路を共通化することにより、回路素子数を少なくすることができるため、発振回路を構成するために必要な回路の占有面積を低減することができる。
【0046】
図16は、第3実施形態の回路ブロック図である。第3実施形態の説明では、先に説明した第1、第2実施形態との相違点を中心に述べ、同様の点については同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
第3実施形態では、発振回路部の構成が異なる。第3実施形態における発振回路部は、コンパレータCOMP51と、インバータINV51、INV52と、容量C51と、電流源IP1、IN1と、PMOSトランジスタMP1と、NMOSトランジスタMN1、MN51と、抵抗R51、R52、R53と、発振振幅トリミング用切替手段8とを有する。
【0048】
抵抗R51、R52、R53は直列に接続され、レギュレータ回路5の出力電圧VREGを分圧する。コンパレータCOMP51の反転入力端子は容量C51の一端(ノードD)に接続され、非反転入力端子は抵抗R52と抵抗R53との接続点に接続される。インバータINV51の入力は、コンパレータCOMP51の出力に接続される。インバータINV52の入力は、インバータINV51の出力に接続される。インバータINV52は、インバータINV51から出力される矩形波の発振信号を反転して出力端子OUTから出力する。また、インバータINV52は、インバータINV51の出力を反転して、PMOSトランジスタMP1、NMOSトランジスタMN1、MN51のゲートを駆動する。PMOSトランジスタMP1とNMOSトランジスタMN1とが交互にオン状態となることで、容量C51の一端が電流源IP1又はIN1に接続され、容量C51が充放電される。また、NMOSトランジスタMN51は、抵抗R51と並列に接続される。NMOSトランジスタMN51は、コンパレータCOMP51の出力に応じてオン状態となることで抵抗R51を短絡するスイッチを構成する。
【0049】
図17は、第3実施形態における発振回路部のノードD、出力端子OUTの波形を示す。第3実施形態では、ノードDの発振振幅ΔVは、
ΔV=VH−VL=((R51+R52)/(R51+R52+R53)−R52/(R52+R53))×VREG …(5)
となる。ここで、R51、R52、R53は抵抗R51、R52、R53の抵抗値である。第3実施形態では、発振振幅トリミング用切替手段8によって抵抗R51の抵抗値を切り替えることで、発振振幅ΔVを調整する。これによって、第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様に一定周波数を生成することができる。
【0050】
以上、詳細に説明したように、前記第1乃至第3を含む実施形態によれば、バンドギャップリファレンス回路が出力する基準電圧が低い場合に発振周波数を決定する充放電電流が小さくなって発振周波数が低くなる一方で、バンドギャップリファレンス回路が出力する基準電圧が低い場合に発振振幅が小さくなって発振周波数が高くなる。充放電電流の温度依存性とレギュレータ回路の出力電圧の温度依存性とを同様にし、発振振幅トリミング用切替手段8によって発振振幅を調整することで、発振周波数に2次的な温度依存性が現れなくなり、高精度(例えば、±1%以内)の発振回路を実現することができる。
【0051】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
【0052】
例えば、バンドギャップリファレンス回路の構成は、前記実施形態の構成に限られるものではない。また、バンドギャップリファレンス回路の温度依存性のキャンセルは、図7で説明した、抵抗R12の抵抗値を切り替える構成に限られない。加算割合設定回路3においてPMOSトランジスタMP14、MP15のそれぞれと並列に複数のトランジスタを設け、それらの個数をスイッチ等で可変に切り替える構成によって、PTAT電流とCTAT電流との加算割合を切り替えてもよい。
【0053】
また、第1、第2実施形態において、発振振幅トリミング用切替手段8は、式(4)をもとに発振周波数の大きさが変わることを考慮すれば、容量C2の容量値を切り替えてもよい。
【0054】
また、図12、図13で説明した抵抗切替手段、容量切替手段では、抵抗値、容量値の重み付けを用いたが、同一値の素子を並べてもよいことは言うまでもない。直列、並列といった接続の仕方も適宜変更することができる。
【0055】
その他、各実施形態が適宜組み合わされて用いられてもよいことは言うまでもない。
【0056】
尚、バンドギャップリファレンス回路BGR1、BGR2、BGRは基準電圧発生回路の一例、温度依存性キャンセル用切替手段4は第1切替手段の一例、電流源IP1、IN1は電流源の一例、レギュレータ回路5はレギュレータ回路の一例、容量C1、C51は第1容量の一例、容量C2は第2容量の一例、PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2はインバータの一例、発振周波数トリミング用切替手段7は第2切替手段の一例、発振振幅トリミング用切替手段8は第3切替手段の一例、抵抗R51、R52、R53は第1、第2、第3分圧抵抗の一例、コンパレータCOMP51はコンパレータの一例、NMOSトランジスタMN51はスイッチの一例、抵抗R1は基準抵抗の一例、オペアンプAMP1及びPMOSトランジスタMP3は帰還増幅回路の一例、NMOSトランジスタMN91、MN92、MN93、MN94はカレントミラー回路の一例、PMOSトランジスタMP11、MP12、MP13、MP14、MP15は第1、第2、第3、第4、第5PMOSトランジスタの一例、抵抗R11、R12は第1、第2抵抗の一例、ダイオードD1、D2は第1、第2ダイオードの一例、オペアンプAMP11、AMP12は第1、第2オペアンプ回路の一例、である。
【符号の説明】
【0057】
1 PTAT電圧発生回路
2 CTAT電圧発生回路
3 加算割合設定回路
4 温度依存性キャンセル用切替手段
5 レギュレータ回路
6 バイアス発生回路
7 発振周波数トリミング用切替手段
8 発振振幅トリミング用切替手段
9 トリミング電流DAC
AMP1、AMP2、AMP11、AMP12 オペアンプ
BGR1、BGR2、BGR バンドギャップリファレンス回路
C1、C2、C51 容量
COMP51 コンパレータ
D1、D2 ダイオード
IP1、IN1 電流源
MN1、MN2、MN51、MN61、MN62、MN91〜MN98 NMOSトランジスタ
MP1〜MP4、MP11〜MP17、MP61、MP62、MP91、MP92 PMOSトランジスタ
R1〜R3、R11〜R13、R51〜R53 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶対温度に比例して増加するPTAT出力と、絶対温度に比例して減少するCTAT出力とを加算して出力する基準電圧発生回路と、
前記PTAT出力と前記CTAT出力との加算割合を切り替え、温度に依存した前記基準電圧発生回路の出力の変動を最小化する第1切替手段と、
前記基準電圧発生回路の出力に基づいて定電流を発生させる電流源と、
前記基準電圧発生回路の出力に基づいて定電圧を発生させるレギュレータ回路と、
一端が前記電流源に接続され、前記電流源の定電流によって充放電される第1容量及び第2容量と、
前記レギュレータ回路から供給される定電圧を電源として、前記第2容量の他端を駆動するインバータと、
前記電流源の定電流の値を切り替え、発振周波数を調整する第2切替手段と、
前記第1容量の容量値を切り替え、前記第1容量及び前記第2容量の前記一端における発振振幅を調整する第3切替手段と、
を備え、
前記第1切替手段、前記第2切替手段、前記第3切替手段のトリミングによって所望の大きさの一定周波数を生成する
ことを特徴とする発振回路。
【請求項2】
絶対温度に比例して増加するPTAT出力と、絶対温度に比例して減少するCTAT出力とを加算して出力する基準電圧発生回路と、
前記PTAT出力と前記CTAT出力との加算割合を切り替え、温度に依存した前記基準電圧発生回路の出力の変動を最小化する第1切替手段と、
前記基準電圧発生回路の出力に基づいて定電流を発生させる電流源と、
前記基準電圧発生回路の出力に基づいて定電圧を発生させるレギュレータ回路と、
一端が前記電流源に接続され、前記電流源の定電流によって充放電される第1容量と、
直列に接続され、前記レギュレータ回路から供給される定電圧を分圧する第1分圧抵抗、第2分圧抵抗、及び第3分圧抵抗と、
前記第2分圧抵抗と前記第3分圧抵抗との間の分圧電圧と、前記第1容量の前記一端の電圧とを比較するコンパレータと、
前記コンパレータの出力に応じて導通し、前記第1分圧抵抗を短絡するスイッチと、
前記電流源の定電流の値を切り替え、発振周波数を調整する第2切替手段と、
前記第1分圧抵抗の抵抗値を切り替え、前記第1容量の前記一端における発振振幅を調整する第3切替手段と、
を備え、
前記第1切替手段、前記第2切替手段、前記第3切替手段のトリミングによって所望の大きさの一定周波数を生成する
ことを特徴とする発振回路。
【請求項3】
基準抵抗と、
前記基準抵抗に印加される電圧と、前記基準電圧発生回路が出力する電圧とを一致させるようにフィードバック制御を行う帰還増幅回路と、
を備え、
前記第2切替手段は、前記基準抵抗の抵抗値を切り替えることで前記電流源の定電流の値を切り替える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発振回路。
【請求項4】
前記基準電圧発生回路の出力に基づく基準電流を分配するカレントミラー回路
を備え、
前記第2切替手段は、前記カレントミラー回路のミラー比を切り替えることで前記電流源の定電流の値を切り替える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発振回路。
【請求項5】
前記基準電圧発生回路は、
電源とグランドとの間に直列に接続された第1PMOSトランジスタ、第1抵抗、及び第1ダイオードと、
電源とグランドとの間に直列に接続された第2PMOSトランジスタ及び第2ダイオードと、
前記第1PMOSトランジスタと前記第1抵抗との接続ノードである第1抵抗ノードの電圧と、前記第2ダイオードの順方向電圧とを一致させるようにフィードバック制御を行う第1オペアンプ回路と、
を含むPTAT電圧発生回路と、
電源とグランドとの間に直列に接続された第3PMOSトランジスタ及び第2抵抗と、
前記第3PMOSトランジスタと前記第2抵抗との接続ノードである第2抵抗ノードの電圧と、前記第2ダイオードの順方向電圧とを一致させるようにフィードバック制御を行う第2オペアンプ回路と、
を含むCTAT電圧発生回路と、
前記第1オペアンプ回路の出力によってゲート電圧が制御される第4PMOSトランジスタと、
前記第2オペアンプ回路の出力によってゲート電圧が制御される第5PMOSトランジスタと、
を含む加算割合設定回路と、
を備え、
前記第1切替手段は、前記第2抵抗の抵抗値を切り替えることで前記PTAT出力と前記CTAT出力との加算割合を切り替える
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発振回路。
【請求項6】
前記基準電圧発生回路は、
電源とグランドとの間に直列に接続された第1PMOSトランジスタ、第1抵抗、及び第1ダイオードと、
電源とグランドとの間に直列に接続された第2PMOSトランジスタ及び第2ダイオードと、
前記第1PMOSトランジスタと前記第1抵抗との接続ノードである第1抵抗ノードの電圧と、前記第2ダイオードの順方向電圧とを一致させるようにフィードバック制御を行う第1オペアンプ回路と、
を含むPTAT電圧発生回路と、
電源とグランドとの間に直列に接続された第3PMOSトランジスタ及び第2抵抗と、
前記第3PMOSトランジスタと前記第2抵抗との接続ノードである第2抵抗ノードの電圧と、前記第2ダイオードの順方向電圧とを一致させるようにフィードバック制御を行う第2オペアンプ回路と、
を含むCTAT電圧発生回路と、
前記第1オペアンプ回路の出力によってゲート電圧が制御される複数の第4PMOSトランジスタと、
前記第2オペアンプ回路の出力によってゲート電圧が制御される複数の第5PMOSトランジスタと、
を含む加算割合設定回路と、
を備え、
前記第1切替手段は、前記第4PMOSトランジスタ及び前記第5PMOSトランジスタの個数を切り替えることで前記PTAT出力と前記CTAT出力との加算割合を切り替える
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発振回路。
【請求項7】
前記第1切替手段及び前記第3切替手段のトリミング後に前記第2切替手段のトリミングが行われる
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の発振回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate