説明

発毛促進方法

【課題】 発毛を促進する方法であって、工程中に使用する多くの薬剤に発毛の促進に有効な成分を配合することによって、この有効成分を効率よく毛根まで浸透させ、その効果を高めて持続的な発毛促進効果を得る。
【解決手段】 発毛促進方法の全体の工程の中に、頭皮の汚れや老廃物を除去するクレンジング工程と、頭皮の洗浄工程と、第1発毛促進剤塗布工程と、第2発毛促進剤塗布工程とを順番に行うことを含むものとする。クレンジング工程と洗浄工程と第1,第2発毛促進剤塗布工程とで使用する薬剤のそれぞれに、発毛促進に有効な成分と頭皮健常化に有効な成分とを配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発毛促進方法の工程中に使用する薬剤に発毛促進に有効な成分と毛髪の健常化に有効な成分とを含有させ、さらに発毛促進剤成分を特定の状態にして塗布する発毛促進方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脱毛原因には、頭部の血行不良や頭皮表面の悪化等多種あり、脱毛状態を改善にするためには、各症状に有効とされる成分を配合した育毛剤や発毛剤を頭部に塗布して、頭皮表面からこれらの成分を浸透させることが一般的に行なわれている。
さらに、頭部に塗布した育毛剤や発毛剤を頭皮内部により浸透させるために、頭皮表面の汚れや老廃物を除去及び洗浄することも広く行なわれており、最近は頭皮の洗浄の重要性が注目されている。
【0003】
頭皮表面の汚れや老廃物を除去するための薬剤であるクレンジング剤やシャンプーには、汚れや老廃物を軟化したり剥離を促す成分が主成分として含まれている。
しかし、たとえ頭皮表面を洗浄した後に育毛剤や発毛剤を塗布したとしても、成分が頭皮内部に浸透するに時間がかかったり、あるいは必要な部分に浸透しづらく、その量も少ないので、脱毛症状の改善効果は小さい。
【0004】
そこで、育毛剤や発毛剤だけでなく、頭髪化粧料に育毛作用を有する成分を配合する技術や(例えば、特許文献1参照)、頭皮表面の汚れや老廃物を除去するための薬剤であるクレンジング剤やシャンプーに、汚れや老廃物を軟化させたり剥離を促す成分や洗浄成分を配合する育毛促進方法が提案されている(例えば、特許文献2,3)。また、頭皮への育毛剤や発毛剤の浸透を促進するために、リポソームを応用する技術が提案されている(例えば、特許文献4)。
【特許文献1】特開2007−145739号公報
【特許文献2】特開平11−92338号公報
【特許文献3】特開平7−17834号公報
【特許文献4】特開2000−229815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、脱毛症状を改善するためには、育毛成分を頭髪化粧料等に配合するだけでは効果が不充分であって、他にも頭皮環境を改善する等の配慮が不可欠であるが、特許文献1は、単に育毛成分を配合すると記載されるのみで、それ以外の記載がない。
また、特許文献2及び特許文献3の育毛促進方法では、汚れ物質や老廃物を軟化したり剥離を促す成分や洗浄成分は記載されているが、育毛剤の成分を特定の状態にして配合する等の記載はなく、充分な発毛効果が期待できない。
【0006】
さらに、特許文献4には、リポソームの用途として育毛剤組成物、医薬組成物が挙げられているが、リポソームは1分子中に親水基と疎水基とを有する化合物であるため、育毛作用を有する成分の極性によってリポソームに成形ができなかったり、充分な効果が得られなかったりするので、配合する成分やリポソーム1分子あたりの層数が重要となるが、特許文献4には具体的な記載はない。
【0007】
そこで本発明は、発毛促進剤を使用する工程だけでなく、他の工程に使用する薬剤にも発毛の促進に有効な成分を配合することによって、この有効成分を効率よく毛根まで浸透させ、その効果を高めて持続的な発毛促進効果を得ることのできる発毛促進方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、頭皮の汚れや老廃物を除去するクレンジング工程と、頭皮の洗浄工程と、第1発毛促進剤塗布工程と、第2発毛促進剤塗布工程とを順番に行うことを全体の工程中に含む発毛促進方法であって、前記クレンジング工程と、前記洗浄工程と、前記第1発毛促進剤塗布工程と、前記第2発毛促進剤塗布工程とで使用する薬剤のそれぞれに、発毛促進に有効な成分と頭皮健常化に有効な成分とが配合されていることを特徴としている。
【0009】
本発明の発毛促進に有効な成分は、FGF−5阻害作用と毛根賦活作用と血管拡張作用と5α−DHT阻害作用と抗炎症作用と保湿作用のうちの少なくとも3つ以上をおこなうようにするとよい。頭皮健常化に有効な成分は、抗酸化作用と耐紫外線作用と頭皮柔軟化作用のうちの少なくとも1つ以上をおこなうようにすることもできる。
本発明の発毛促進に有効な成分と頭皮健常化に有効な成分は、第1発毛促進剤塗布工程と第2発毛促進剤塗布工程とで種類を異ならせることが望ましい。
さらに、第2発毛促進剤塗布工程で配合される発毛促進に有効な成分と頭皮健常化に有効な成分のうちの少なくとも1つをナノ化及び/またはリポソーム形状とすることが有益である。
【0010】
本発明の発毛促進方法に使用するクレンジング剤は、頭皮の皮脂や老廃物等の汚れ軟化及び浮き上らせるための油分や界面活性剤、抗炎症作用成分等の他に、毛根賦活作用に有効なセージエキス、血管拡張作用に有効なグルコシルヘスペリジン、5α−DHT阻害作用に有効なジオウエキス等の発毛促進に有効な成分と、頭皮健常化のうち抗酸化作用に有効なブドウ葉エキス、頭皮柔軟化作用に有効なセバシン酸ジイソプロピル等の頭皮健常化に有効な成分を含むものとする。
【0011】
シャンプー剤は、頭皮や毛髪洗浄成分、抗炎症作用成分等の他に、毛根賦活作用に有効なセージエキス、血管拡張作用に有効なグルコシルヘスペリジン、5α−DHT阻害作用に有効なホウセンカエキス等の発毛促進に有効な成分と、頭皮健常化のうち抗酸化作用に有効なブドウ葉エキス、頭皮柔軟化作用に有効なホップエキス等の頭皮健常化に有効な成分を含むものとする。
【0012】
リンス剤は、保湿、櫛通り性向上、頭皮と毛髪の保護等のコンディショニング剤の他に、毛根賦活作用に有効な成分として、セージエキス、パントテニエルエチルエーテル、セファランチン等が、血管拡張作用に有効な成分として、グルコシルヘスペリジン、ビタミンE、人参エキス等の発毛促進に有効な成分を単種または複数配合するのが好ましく、また、頭皮健常化のうち抗酸化作用に有効な成分として、グルコン酸銅、ブドウ葉エキス、酵母エキス等が、耐紫外線作用に有効な成分として、グリコシルトレハロース、オリゼノーブル(加水分解コメエキス)等が、頭皮柔軟化作用に有効な成分として、セバシン酸ジイソプロピル、ホップエキス等を配合することが好ましい。
【0013】
第1発毛促進剤でFGF−5阻害作用に有効な成分として、ワレモウコウエキス、サンシャエキス等が、毛根賦活作用に有効な成分として、スチグマスタノールマルトシド、チョレイエキス、フコイダン、海藻エキス等が、血管拡張作用に有効な成分として、センブリエキス、グルコシルヘスペリジン、ニコチン酸トコフェロール等が、5α−DHT阻害作用に有効な成分として、チョウジエキス、クジンエキス等が、頭皮健常化のうち抗酸化作用に有効な成分として、ブドウ葉エキス、ニコチン酸トコフェロール、ビワ葉エキス等が、耐紫外線作用に有効な成分として、オリゼノーブル(加水分解コメエキス)、メトキシケイヒ酸オクチル等が、頭皮柔軟化作用に有効な成分として、セバシン酸ジイソプロピル、ホップエキス等が、抗炎症作用に有効な成分として、マツエキス、人参エキス等が、保湿作用に有効な成分として、ロイヤルゼリーエキス、ヒアルロン酸ナトリウム等を配合するのが好ましい。
【0014】
一方、第2発毛促進剤でFGF−5阻害作用に有効な成分として、オレアノール酸/ピオチニルトリペプチド/アピゲニンの混合物、セージエキス等が、毛根賦活作用に有効な成分として、パンテノール、セファランチン等が、血管拡張作用に有効な成分として、ビタミンE、チンピエキス等が、5α−リダクターゼ阻害作用に有効な成分として、ホウセンカエキス、ジオウエキス、オウゴンエキス等が、頭皮健常化のうち抗酸化作用に有効な成分として、エルゴチオネイン、グルコン酸銅、ウイキョウエキス、酢酸トコフェロール、ユキノシタエキス等が、耐紫外線作用に有効な成分として、グリコシルトレハロース、t−ブチルメトキシベンゾイルメタン等が、抗炎症作用に有効な成分として、カンゾウフラボノイド、グリチルリチン酸ジカリウム等が、保湿作用に有効な成分として、アルゲエキス、リン脂質ポリマー等が好ましい。
【0015】
第2発毛促進剤に配合する成分のうち、ナノ化する成分は脱毛症状に応じて適宜選択することが可能であり、ナノ化するサイズは頭皮の角質層間を通過し易く所定の部分に到達させることができる大きさの10〜60nmがよく、リポソーム形態にする成分はナノ化する成分と同様に脱毛症状に応じて適宜選択することが可能であるが、リポソーム形態の骨格には大豆リン脂質等を用い、大豆リン脂質を構成する疎水性基に親油性の成分を結合させ、且つリン脂質層の間には水溶性の成分を入れている構成が好ましく、親油性の成分、水溶性の成分とも1種類に拘らず複数にしてもよい。配合した成分を頭皮内部まで浸透して持続的に効果を発揮させるために、リポソームの層の数は約100〜300で、サイズは1〜10μmにすることが好適である。
【0016】
ここで、5α−DHTとFGF−5について説明する。
毛根活力低下による脱毛は、男性ホルモンであるテストステロンと、毛乳頭及び皮脂腺にある5α−リダクターゼという酵素との還元作用によって、5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)という強力な男性ホルモンに変化することが原因とされている。
この5α−DHTは、毛母細胞の細胞分裂で生じるタンパク合成を阻害し、毛母細胞の活力を低下させてしまう。また、FGF−5という情報伝達物質の一種であり、男性ホルモン等から刺激を受け、毛髪の脱毛を促す因子も知られている。上記5α−DHTとFGF−5が、通常約2年〜6年間ある毛髪の成長期を短くして、毛髪を未成長で細いまま脱毛させてしまう原因と考えられている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の発毛促進方法によれば、発毛促進剤塗布工程だけでなく、他の工程に使用する薬剤にも発毛促進に有効な成分を配合することによって、全ての工程で発毛促進に有効な成分の塗布が行われるため、発毛促進効果が飛躍的に向上する。さらに頭皮健常化に有効な成分も配合しているので常に頭皮が良好な状態が保持される。
【0018】
また、発毛促進剤塗布工程を2回に分けて異なる有効成分を配合することで薬剤に対する頭皮の耐性による浸透の低下を防ぎ、有効成分をナノ化及び/またはリポソーム状態にすることで、頭皮の深層部まで到達するので頭皮の作用させたい部分に必要な有効成分を効率よく作用させることができるので、より高い効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の頭皮の汚れ,老廃物を除去するクレンジング工程、頭皮の洗浄工程、第1発毛促進剤塗布工程、第2発毛促進剤塗布工程の順序で行うことを全体の工程中に含む発毛促進方法において、脱毛原因として毛根活力低下と血行不良の2つのタイプについて、表1に各工程に使用する薬剤に配合した脱毛症状及び頭皮健常化に有効な成分を示す。
【表1】

【0020】
また、毛根活力低下と血行不良の何れのタイプも、クレンジング剤においては皮脂分解及び剥離促進作用成分としてホホバ油と海藻エキスを、シャンプー剤には洗浄作用成分として天然アミノ酸系洗浄剤を、コンディショナーには毛髪保護、修復作用成分としてリン脂質ポリマー(商品名:リピジュア、日本油脂株式会社製)及び加水分解シルクを配合した。
さらに、毛根活力低下タイプの第2発毛促進剤でオレアノール酸/ピオチニルトリペプチド/アピゲニンの混合物、グルコシルヘスペリジンを40nmのナノ化状態にし、血行不良タイプの第2発毛促進剤では、セファランチン、ビタミンEを層の数約150で粒径が3μmのリポソーム形状にして配合した。
この発毛促進方法を毛根活力低下タイプと血行不良タイプの人に対して、1ヶ月に2回の割合で3ヶ月間行なった。
【0021】
(比較例1)
毛根活力低下タイプで、クレンジング工程、頭皮洗浄工程で使用するクレンジング剤、シャンプー剤、コンディショナー剤に発毛促進に有効な成分及び、頭皮健常化に有効な成分を配合しない以外は本実施例と同様の薬剤及び工程を行なった。
(比較例2)
毛根活力低下タイプで、第2発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤で、オレアノール酸/ピオチニルトリペプチド/アピゲニンの混合物、グルコシルヘスペリジンをナノ化しない以外は本実施例と同様の薬剤及び工程を行なった。
(比較例3)
毛根活力低下タイプで、第1発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤で、毛根賦活作用のスチグマスタノールマストシドと血管拡張作用のセンブリエキス以外の発毛促進に有効な成分を抜いて、さらに、第2発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤で、血管拡張作用成分であるグルコシルヘスペリジンと5α−DHT阻害作用のホウセンカエキス以外の発毛促進に有効な成分を抜いて、第1及び第2発毛促進剤それぞれの発毛促進に有効な成分の配合を3つ未満にした以外は本実施例と同様の薬剤及び工程を行なった。
【0022】
(比較例4)
毛根活力低下タイプで、第1発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤で、FGF−5阻害作用のワレモコウエキス、毛根賦活作用のスチグマスタノールマストシド、血管拡張作用成分であるセンブリエキス、頭皮健常化作用のブドウ葉エキスを、第2発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤にも含む配合にして、第2発毛促進剤に配合されているFGF−5阻害作用のオレアノール酸/ピオチニルトリペプチド/アピゲニンの混合物、血管拡張作用のグルコシルヘスペリジン、5α−DHT阻害作用のホウセンカエキス、頭皮健常化の酢酸トコフェロールを抜いた配合にした以外は本実施例と同様の薬剤及び工程を行なった。
(比較例5)
血行不良タイプで、クレンジング工程、頭皮洗浄工程で使用するクレンジング剤、シャンプー剤、コンディショナー剤に発毛促進に有効な成分及び頭皮健常化に有効な成分を配合しない以外は本実施例と同様の薬剤及び工程を行なった。
(比較例6)
血行不良タイプで、第2発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤で、セファランチン、ビタミンEをリポソーム状態にしない以外は本実施例と同様の薬剤及び工程を行なった。
【0023】
(比較例7)
血行不良タイプで、第1発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤で、毛根賦活作用のチョレイエキスとFGF−5阻害作用のワレモコウエキス以外の発毛促進に有効な成分を抜いて、さらに、第2発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤で、血管拡張作用成分であるビタミンEと、抗炎症作用のグリチルリチン酸ジカリウム以外の発毛促進に有効な成分を抜いて、第1及び第2発毛促進剤それぞれの発毛促進に有効な成分の配合を3つ未満にした以外は本実施例と同様の薬剤及び工程を行なった。
(比較例8)
血行不良タイプで、第1発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤で、FGF−5阻害作用のワレモコウエキス、毛根賦活作用のチョレイエキス、5α−DHT阻害作用成分であるチョウジエキス、頭皮健常化のビワ葉エキス、頭皮健常化のニコチン酸トコフェロールを、第2発毛促進剤塗布工程で使用する発毛促進剤にも含む配合にして、第2発毛促進剤に配合されている毛根賦活作用のセファランチン、血管拡張作用のビタミンE、抗炎症のグリチルリチン酸ジカリウム、頭皮健常化のエルゴチオネイン、頭皮健常化のユキノシタエキスを抜いた配合にした以外は本実施例と同様の薬剤及び工程を行なった。
【0024】
(結果)
表2は毛根活力低下タイプの本実施例と比較例1〜4との施術前後の状態を示している。
表3は血行不良タイプの本実施例と比較例5〜8との施術前後の状態を示している。
ここで、皮脂量レベルは、頭皮の露見している部分の中で所定の位置に専用の皮脂量計測シートを5秒間押圧した後、皮脂量計測シートに付着した皮脂量を皮脂量基準表(1から5のレベル)に照らし合わせて、測定した4ヶ所の平均皮脂レベルを決定する。この場合、数値が高いほど皮脂量が多いとする。
頭皮温度は、頭部の所定の10ヶ所の頭皮の温度を計測して、平均値をもって頭皮温度と見なす。
抜け毛本数は、洗浄工程でのシャンプー時の抜け毛を、洗面台で捕捉して計測した。
【0025】
【表2】

【0026】
【表3】

【0027】
本実施例では、皮脂量レベル、頭皮温度、抜け毛本数、頭皮の状態とも施術により大幅な改善が見られたが、比較例1、比較例5ではクレンジング工程、頭皮の洗浄工程で使用する薬剤に発毛促進に有効な成分及び頭皮健常化に有効な成分が配合されていないことで、ある程度は改善されているが、本実施例と比べて効果は劣り、さらに頭皮の改善程度も低い。
【0028】
比較例2、比較例6では、第2発毛促進剤で配合する成分をナノ化またはリポソーム状態にしていないので、全体的に本実施例と比べて効果は劣る。
比較例3、比較例7では、第1発毛促進剤及び第2発毛促進剤で配合する発毛促進に有効な成分を3つ未満にすると、本実施例と比べ効果は低く、施術前とあまり差が見られない。
これは、一般的に脱毛原因は幾つかに分類でき、それに応じた有効成分を配合すれば良いが、脱毛は複数の原因が重なり合っている場合が多く、分類した原因及び症状に有効な成分の配合のみでは効果が得られなく、できるだけ多く作用を持った成分を配合することが必要と考えられる。
【0029】
比較例4、比較例8では、第1発毛促進剤と第2発毛促進剤に配合する発毛促進に有効な成分が同様なので、薬剤に対する頭皮の耐性により発毛促進に有効な成分の浸透が低下することで本実施例と比べて効果は劣ると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭皮の汚れや老廃物を除去するクレンジング工程と、頭皮の洗浄工程と、第1発毛促進剤塗布工程と、第2発毛促進剤塗布工程とを順番に行うことを全体の工程中に含む発毛促進方法であって、
前記クレンジング工程と、前記洗浄工程と、前記第1発毛促進剤塗布工程と、前記第2発毛促進剤塗布工程とで使用する薬剤のそれぞれに、発毛促進に有効な成分と頭皮健常化に有効な成分とが配合されている
ことを特徴とする発毛促進方法(治療行為を除く)。
【請求項2】
前記発毛促進に有効な成分は、FGF−5阻害作用と毛根賦活作用と血管拡張作用と5α−DHT阻害作用と抗炎症作用と保湿作用のうちの少なくとも3つ以上をおこなう
ことを特徴とする請求項1に記載の発毛促進方法。
【請求項3】
前記頭皮健常化に有効な成分は、抗酸化作用と耐紫外線作用と頭皮柔軟化作用のうちの少なくとも1つ以上をおこなう
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発毛促進方法。
【請求項4】
前記発毛促進に有効な成分と前記頭皮健常化に有効な成分は、前記第1発毛促進剤塗布工程と第2発毛促進剤塗布工程とで種類が異なる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発毛促進方法。
【請求項5】
前記第2発毛促進剤塗布工程で配合される発毛促進に有効な成分と頭皮健常化に有効な成分のうちの少なくとも1つがナノ化及び/またはリポソーム形状である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発毛促進方法。

【公開番号】特開2009−62338(P2009−62338A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233352(P2007−233352)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000126676)株式会社アデランスホールディングス (49)
【Fターム(参考)】