説明

発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板複合パネル

【課題】従来技術によると、断熱材と鋼板の複合パネルは両面に鋼板を張り合わせたものが主流であり、そのため重量があり、現場での作業性が良くなかった。素材を大幅に軽量化し、切削も簡単かつ取付け工程を容易にし、不燃性のある断熱材を提供する。
【解決手段】発泡プラスチック1表面に有孔鋼板2を張り合わせた発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板複合パネルで、表面の鋼板が、100平方センチメートル当たりに直径1mmから8mmまでの穿孔を1個から25個有し、発泡プラスチック板がフェノールフォームまたはイソシアヌレートである不燃断熱材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根や外壁などに不燃断熱材として使用する発泡プラスチック裏打ち鋼板パネルに関する。


【背景技術】
【0002】
建築物の屋根または壁等に使用される従来の断熱材裏打ち鋼板パネルとしては、押出発泡ポリスチレン板やウレタンフォーム等の発泡プラスチックに鋼板を張り合わせたものや、一体成型をしたものがある。(例えば特許文献1参照。)
以下、従来の断熱材裏打ち鋼板パネルについて説明する。
【0003】
従来技術の断熱材裏打ち鋼板パネルとしては、押出発泡ポリスチレン板やウレタンフォーム等の発泡プラスチックの両面に鋼板を張り合わせたものや、鋼板によりサンドイッチされた状態に発泡プラスチックを充填して一体成型することによりパネルとして構成されている。
【0004】
また一部には特許文献2や特許文献3のように、片面にのみ鋼板を張り合わせたものもある。
しかしながら、従来技術では、鋼板を片面ないし両面に貼り合せる為、非常に重量のある材料となっていた。
【特許文献1】特許公開2003−13514
【特許文献2】特許公開2000−80764
【特許文献2】特許公開平11−181910
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術によると、断熱材と鋼板の複合パネルは両面に鋼板を張り合わせた状態のものが主流である。そのため重量があり、現場での作業性が良くなかった。
本発明は、素材を大幅に軽量化し、軽量で、切削も簡単且つ取付け工程を容易にするという課題と不燃性を持たせるという課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
有孔鋼板を発泡プラスチックを貼り付けて複合パネルとすることによって、大幅に軽量化を図る。
片面のみに有孔鋼板を貼り付けた断熱材裏打ち鋼板パネルとすることによりさらに軽量化を図り、作業性、施工性の向上を図る。
【0007】
100平方センチメートル当りに直径1mmから直径8mmまでの穿孔の数を25個以下とした有孔鋼板に、フェノールフォームまたはイソシアヌレートフォームを張り合わせることにより不燃性を持たせる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、発泡プラスチックに有孔鋼板を片面のみに貼り付けた断熱材裏打ち鋼板パネルを使用することにより、両面鋼板を使用したものに対しては50%以上、片面のみに鋼板を使用したものに比較しても最大12.5%素材を軽くし、取付け工程の作業を軽減することが出来るために複合板の施工性が向上する。
【0009】
表面鋼板が穿孔を有することにより、その穿孔を利用して下地へのビス止めが容易に出来ることから、取付けの工程が非常に容易なものとなり、さらに施工性が向上する。
【0010】
表面の有効鋼板の穿孔を直径1mmから直径8mmまでとし、数を100平方センチメートルあたり25個以下とし、発泡プラスチック板として、フェノールフォームを用いることにより発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板複合パネルは、不燃材料認定を取得できるようになる。これ以上の直径又は数の穿孔を開けると複合板の強度及び不燃性が損なわれる。
【0011】
副次的な効果として、鋼板表面への仕上げ材量を接着剤で接着する場合、表面鋼板の穿孔がより効果的な投錨効果を接着剤に与えることにより鋼板表面への仕上げ材量の接着がより強固になる。
【0012】
有孔鋼板を貼り付けた断熱材裏打ち鋼板パネルを使用した場合、その穿孔部分から音が吸収され反射音を和らげる効果が得られる。
【0013】
フェノールフォームやイソシアヌレートフォームのように親水性や吸水性のある発泡プラスティックを有孔鋼板の裏面に貼り付けた発泡プラスチック裏打ち鋼板パネルの発泡プラスチックの裏面、または裏面及び側面に、防水性能、防湿性能のあるラテックスまたはエマルジョンなどの塗料を塗膜、あるいはフィルムをラミネートすることにより、発泡プラスチック裏打ち鋼板パネルに保水性を持たせることができる。
【0014】
この保水性を持たせた発泡プラスチック裏打ち鋼板パネルは、屋上緑化や壁面緑化の為の植物に必要な水分を保水する、植物のための栽培マットとして使用することができる。


【実施例】
【0015】

以下、図示の実施の形態に基づき本発明を細説する。 本発明は、本発明は、発泡プラスチックに有孔鋼板を貼り付けたもので、図1は本製品の斜視図及び側面図である。
図2、がその実施例である。
【0016】
図1は、仕上げ材を表面に貼り付けて仕上げをする場合を示す。
【0017】
図C は、湿式の仕上げ材塗り表面に貼り付けて仕上げをする場合を示す。
【0018】
図2は、苔植物を固着させた使用法を示す。

実施例1
発泡プラスチックとして、フェノールフォーム(商品名:ネオマフォーム)20mm厚を使用し、有孔鋼板として、厚さ0.5mmのガルバリウム鋼板に直径直径8mmの穿孔を100平方センチメートルあたり25個開けて、ウレタン系接着剤で接着して発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板複合パネルを製造した。
このパネルの重量は、平方メートル当たり4.2キログラムであり、穿孔を有しない物と比較して、12%重量が軽減された。またこのパネルを建築基準法防火材料基準発熱性試験(コーンカロリメーター試験)にて発熱性試験を実施したことろ、総発熱量6MJ/m2(20分試験値)、最大発熱速度70KW/m2であり建築基準法の不燃材料に相当する性能であった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板パネル
【図2】苔接着の発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板パネル
【符号の説明】
【0020】
1…発泡プラスチック、2…有孔鋼板、3…穿孔、4…吸水性接着剤、5…苔植物、






【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡プラスチック表面に有孔鋼板を張り合わせた、発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板複合パネル。
【請求項2】
表面の鋼板が、100平方センチメートル当りに直径1mmから直径8mmまでの穿孔を1個から25個の範囲で有することを特徴とする請求項1の発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板複合パネル。
【請求項3】
発泡プラスティック板がフェノールフォームまたはイソシアヌレートである不燃性を有することを特徴とする、請求項2の発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板複合パネル。

【請求項4】
発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板複合パネルの、発泡プラスティック部分の裏面、または裏面及び側面に、防水、防湿性能のあるラテックスまたはエマルジョン系塗料などによる塗膜をコーティング、あるいはフィルムをラミネートした請求項1、2又は3の発泡プラスチック裏打ち有孔鋼板パネル。







【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−281123(P2010−281123A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135959(P2009−135959)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(508023710)
【Fターム(参考)】