説明

発泡体の加工性を改善する新規な三量化触媒添加物

【課題】三量化触媒組成物を使用するポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体を生成するための三量化触媒組成物および方法を提供する。
【解決手段】触媒組成物は、少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩および少なくとも1種の第2のカルボン酸塩の接触生成物を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のポリイソシアネートと、少なくとも1種の活性水素を含む化合物との接触を含む、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体を調製するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に触媒系、触媒系を含む組成物、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体(foam)の処方、およびPIR/PUR発泡体の生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体は、触媒の存在下で、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることによって作られる。追加の添加物が存在可能である。PIR/PUR発泡体生成物は、優れた熱安定性および耐炎性を有する。イソシアヌレートは、約160℃の温度まで強度を保ち、そして大部分の有機溶媒、酸、アルカリ、紫外線、および湿度に対して耐性がある。
【0003】
例えば、ある種のアルカリ金属カルボン酸塩等のある種のカルボン酸塩は、触媒PIR/PUR発泡体の生成における触媒として使用されてきた。しかし、市販されているアルカリ金属カルボン酸塩触媒を使用すると、多くの場合、連続的な発泡工程で、特に重大である望ましくない発泡工程の問題をもたらす。発泡体の上昇速度プロファイルを測定する場合に、通常は三量化工程の開始と関連して、または発泡体高さ対時間をプロットすることによって、独特な"ステップ"が観察される。この三量化"ステップ"は、発泡体の上昇速度で際立った変化を起こし;本質的に、発泡体は成形過程中に2つの異なる速度で拡大する。連続的なポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体のラミネーション工程では、製造ユニットの速度を調整して、発泡体の上昇速度の変化に合わせることは困難である。その結果、発泡体過剰充填または発泡体の逆流となる可能性がある。高いイソシアネートインデックスでポリイソシアヌレート/ポリウレタン処方を処理する場合、発泡体高さのこの望ましくない急速な上昇は、特に厄介である。すなわち、発泡体の上昇速度の変化は、より高いイソシアネートインデックスではさらに劇的である。その結果、高いイソシアネートインデックスで、従来のアルカリ金属カルボン酸塩触媒を使用して、望ましい低可燃性発泡体生成物を生成することは、技術上の挑戦となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アルカリ金属カルボン酸塩触媒に比較して、ヒドロキシアルキルアンモニウムカルボン酸塩に基づく、市販されているポリイソシアヌレート三量化触媒は、連続的な工程中で異なった加工性を示す。これらは、上昇プロファイルでより滑らかな速度を与え、そしてより顕著でない三量化の"ステップ”を有する。"すなわち、より高いイソシアネートインデックスでさえ、発泡体の上昇速度は、さらに一致する。しかし、ヒドロキシアルキルアンモニウムカルボン酸塩触媒は、約100℃超の温度で不安定で、揮発性のアミン副生成物に分解する可能性がある。この分解工程は、揮発性アミンの放出を起こし、そして望ましくないアミン臭を最終発泡体生成物に与える可能性がある。PIR/PUR発泡体を生成する重合反応は、非常に発熱し、多くの場合100℃を超える発泡体の処理温度となる。
それ故に、ヒドロキシアルキルアンモニウムカルボン酸塩触媒は、さらに予測可能な発泡体の加工性を与えることができるが、時々望ましくないアミン臭を有する発泡体生成物を代償とする。
【0005】
従って、連続的な工程でPIR/PUR発泡体を生成するために、時間に対する発泡体高さが滑らかな上昇プロファイルを示すことが可能な触媒組成物へのニーズが存在する。さらに、該触媒組成も、高いイソシアネートインデックスと発泡体処方中で、よく機能する。同時に、触媒組成物で出来た発泡体生成物が、ラミネート加工した発泡体パネル等の最終製品の製造中に、表面のもろさを減少させそして表面の付着力を高めることが出来るように、触媒組成物は、市販されている触媒系に比較したときに、等しいかまたはより速い表面硬化を与えるべきである。任意選択的に、触媒成分の選択によって、該触媒組成物は、PIR/PUR発泡体が通常生成の間に出会う温度で熱的に安定であることが可能で、そして揮発性アミンおよび/又はアミン臭が、実質的にない発泡体を生成する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩および少なくとも1種の第2のカルボン酸塩の接触生成物を含む新規な触媒組成物を与える。本発明の触媒組成物を生成するために用いられる少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩は、次式の化合物であることが可能である。
【0007】
【化1】

(ここでX、Y、およびZは、置換または非置換のいずれかの、C〜C36の、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキル;−COH;−CO;または水素原子から独立して選択され;そして、
は、個々の場合において
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、または
(iii)第四級アンモニウムイオン
から独立して選択される)。
【0008】
本発明にしたがって、少なくとも1種の第2のカルボン酸塩は、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、第四級アンモニウムカルボン酸塩、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。
さらに、本発明の触媒組成物を生成するために使用される少なくとも1種の第2のカルボン酸塩は、次式の化合物であることができる。
【0009】
【化2】

(ここで、Aは、置換または非置換のいずれかの、水素原子、またはC〜C17の、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルであり;そして、
は、
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、
または(iii)第四級アンモニウムイオン
である)。
【0010】
さらに、本発明は、少なくとも1種の発泡剤、並びに少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩および少なくとも1種の第2カルボン酸塩の接触性生物を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のポリイソシアネートと、少なくとも1種の活性水素を含む化合物との接触を含む、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体を調製するための方法も与える。
【0011】
本発明の触媒組成物は、高いイソシアネートインデックスの場合でさえ、実質的に一貫した時間対発泡体高さの上昇を提供し、そしてPIR/PUR発泡体の調製中に、より早い表面硬化を与える。本発明の別の形態では、触媒組成物は、揮発性アミンおよび/又はアミン臭が実質的にないPIR/PUR発泡体を生成する、標準的な発泡体の処理温度で、熱的に安定であることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
当業者が、本発明の詳細な記載を理解することを助けるために、以下の規定が与えられる。
PIR−ポリイソシアヌレート。
PUR−ポリウレタン。
イソシアネートインデックス−実際に使用される量のポリイソシアネートを、反応混合物中のすべての活性水素と反応するために必要とされる理論的に必要な化学量論量のポリイソシアネートで割って、100をかけた値。また、(NCO当量/活性水素の当量)x100として公知。
pphp−ポリオール100重量部当たりの重量部。
エアープロダクツアンドケミカルズ社(Air Products and chemicals Inc.:APCI)のダブコ(商標)K15触媒は、ジエチレングリコール中、アルカリ金属カルボン酸塩、カリウム2−エチルヘキサノエート(また公知のカリウムオクトエート)の70%溶液である。
エアープロダクツアンドケミカルズ社のダブコ(DABCO)TMR(商標)触媒は、エチレングリコール中、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクトエートの75%溶液である。
エアープロダクツアンドケミカルズ社のダブコ(商標)K2097触媒は、ジエチレングリコール中、アルカリ金属カルボン酸塩、酢酸カリウムの30%溶液である。
エアープロダクツアンドケミカルズ社のポリキャット(Polycat:商標)5触媒は、ペンタメチルジエチレントリアミンとして化学的に公知のウレタン触媒である。
【0013】
本発明は、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩および少なくとも1種の第2カルボン酸塩を含む、新規な触媒組成物を対象とする。この新規な触媒系は、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体を生成するためのポリイソシアネート三量化触媒系として使用可能である。また、本発明は、少なくとも1種の発泡剤、並びに少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩および少なくとも1種の第2カルボン酸塩の接触生成物を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種の活性水素を含む化合物と、少なくとも1種のポリイソシアネートとを接触することを含むPIR/PUR発泡体を調製するための方法を与える。さらに、硬質PIR/PUR発泡体は、当該技術分野で公知の幾つかの方法によって本発明の新規な触媒系で生成されることが出来る。
【0014】
本発明の触媒組成物は、イソシアネートを三量化してイソシアヌレートを生成するために使用可能である。一般的に、任意の量の少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩が、本発明の触媒組成物中で使用可能である。実際に使用されるように、PIR/PUR発泡体のための触媒系は、典型的には例えば、エチレングリコール希釈剤中カルボン酸塩等の溶液を含む。
本発明の触媒組成物の重量比率、またはモル比率を論ずる場合、ほかに特定しない限り、該比率では、希釈剤の効果を除外する。例えば、10グラムのエチレングリコール中酢酸カリウム触媒の50%溶液が、所与の適用で使用される場合、酢酸カリウム塩触媒の量は、5グラムに等しく。それ故に、5グラムの該触媒成分が、いかなる重量比率を決定する際にも使用される。
【0015】
出願人らは、本発明中の幾つかのタイプの範囲を開示する。これらは、温度の範囲;触媒組成物の重量比率の範囲;原子の数の範囲;発泡体密度の範囲;イソシアネートインデックスの範囲;および発泡剤、水、界面活性剤、難燃剤、ウレタン触媒、および本発明の触媒組成物のためのpphpの範囲を含むがこれらに限られない。出願人らがいずれかのタイプを開示し請求の範囲とする場合は、出願人らの意図は、そこに包含される任意の準範囲(sub−ranges)および準範囲の組み合わせと同様に、そうした範囲が合理的に包含する独立した個々の可能な数を開示または請求の範囲とすることである。例えば、出願人らがある数の炭素原子を有する化学的部分を開示または請求の範囲とする場合、出願人らの意図は、独立して本願中での開示と一貫して包含することが出来る範囲各可能な数を開示または請求の範囲とすることである。例えば、"A"が17までの炭素原子を有するアルキル基を含むことができるという開示は、言い換えると、本願中で使用されるように、C〜C17アルキル基は、これらの2つの数(例えば、C〜Cアルキル基)の間の任意の範囲、そしてこれらの2つの数の範囲のいかなる組み合わせ(例えば、C〜CおよびC〜C10アルキル基)も含むと同様に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、ll、12、13、14、15、16、または17炭素原子を有するアルキル基から独立して選択される"A"基をいう。同様に、これは、本願中で開示されるすべての他の炭素範囲、例えば、YおよびZのC〜C36の範囲;10までの炭素原子を有するアルコキシ基;等に適用される。
【0016】
同様に、重量比率が、典型的には例えば約0.1:1〜約10:1の範囲にわたることを開示することによって、出願人らは該重量比率が、約0.1:1、約0.2:1、約0.3:1、約0.4:1、約0.5:1、約0.6:1、約0.7:1、約0.8:1、約0.9:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、または約10:1から選択されることかできることを示す意図がある。同様に、これは例えば約0.02:1〜約50:1の重量比率の触媒成分等の本願中で開示される他の重量比率範囲に適用される。
【0017】
発泡体処方中の特定の成分のpphpに関する出願人らの意図は、同様に解釈される。例として、0〜約5pphpの範囲では、該pphpは、0、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約2、約3、約4、または約5から選択可能である。本願中に開示された全ての他の範囲は、これらの3つの例に類似の方法で解釈されるべきである。
【0018】
例えば、出願人らが出願の際には気が付かない可能性がある参照を説明するという理由のために、開示の全範囲より少ない範囲で請求項を記載する場合には、出願人らは、範囲によってまたは類似の方法で請求の範囲に記載可能な郡内の任意の準範囲または準範囲の組み合わせを含めて、任意のそうした群の任意の個々の要素をはずすか範囲外とする権利を保留する。さらに、例えば、出願人らが、例えば、出願人らが出願時に気が付かなかった可能性がある参照を説明するという理由のために、開示の全範囲より少ない請求の範囲を記載するには、出願人らは個々の置換基、類似物、化合物、配位子、構造、またはそれらの基、または請求項に記載された基の任意の要素を条件からはずすかまたは範囲外とする権利を保留する。
【0019】
本発明の一つの形態では、少なくとも1種の第2のカルボン酸塩に対する少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩の重量比率は、PIR/PUR発泡体処方の所望の性質またはイソシアネートインデックスに基づいて変化できる。例えば、少なくとも1種の第2のカルボン酸塩に対する少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩の重量比率は、約0.02:1〜約50:1である。別の形態では、少なくとも1種の第2のカルボン酸塩に対する少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩の重量比率は、約0.03:1〜約30:1である。更なる形態では、少なくとも1種の第2のカルボン酸塩に対する少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩の重量比率は、約0.04:1〜約25:1、約0.05:1〜約20:1、約0.1:1〜約10:1、約0.2:1〜約5:1、約0.25:1〜約4:1、約0.5:1〜約2:1、または約0.75:1〜約1.5:1である。
【0020】
本発明の別の形態は、熱的に安定な触媒系を与える。この特徴を記載するために示す場合には、分解せず、または所与の温度で揮発性アミンおよび/又は関連アミン臭を放出しない場合に、化合物は所与の温度で熱的に安定と規定される。PIR/PUR発泡体の温度が、発泡工程中に約100℃より上になると、ダブコTMR(商標)触媒等のヒドロキシアルキルアンモニウム塩触媒は、不安定になる可能性がある。これらの高温下では、第四級アミン塩の性質によって、ダブコTMR(商標)触媒は、揮発性アミン成分を放出できる。第四級窒素に対してβ位の炭素原子上の官能基(例えば、水酸基)か水素原子を有さない場合、第四級アンモニウム塩に基づく本発明の触媒組成物は、熱的に安定である。
【0021】
従って、本発明の熱的に安定な触媒組成物は、アルカリ金属α、β−不飽和のカルボン酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属α、β−不飽和のカルボン酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。熱の安定性を有する第四級アンモニウム塩は、ピバル酸テトラメチルアンモニウム、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、アクリル酸テトラエチルアンモニウム、アクリル酸テトラプロピルアンモニウム、アクリル酸テトラブチルアンモニウム、メタクリル酸テトラメチルアンモニウム、メタクリル酸テトラエチルアンモニウム、メタクリル酸テトラプロピルアンモニウム、メタクリル酸テトラブチルアンモニウム、フマル酸モノテトラメチルアンモニウム、フマル酸ビステトラメチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラメチルアンモニウム、フマル酸モノテトラエチルアンモニウム、フマル酸ビステトラエチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラエチルアンモニウム、フマル酸モノテトラプロピルアンモニウム、フマル酸ビステトラプロピルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、フマル酸モノテトラブチルアンモニウム、フマル酸ビステトラブチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラブチルアンモニウム、マレイン酸モノカリウム、マレイン酸ビスカリウム、マレイン酸モノテトラメチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラメチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラメチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラエチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラエチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラエチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸ビステトラプロピルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸モノテトラブチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラブチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラブチルアンモニウム、ギ酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、プロピオン酸テトラメチルアンモニウム、ブタン酸テトラメチルアンモニウム、ペンタン酸テトラメチルアンモニウム、ヘキサン酸テトラメチルアンモニウム、ヘプタン酸テトラメチルアンモニウム、オクタン酸テトラメチルアンモニウム、2−エチルヘキサン酸テトラメチルアンモニウム、デカン酸テトラメチルアンモニウム、酪酸テトラメチルアンモニウム、イソ酪酸テトラメチルアンモニウム、ノナン酸テトラメチルアンモニウム、ステアリン酸テトラメチルアンモニウム、ネオデカン酸テトラメチルアンモニウム、ネオヘプタン酸テトラメチルアンモニウム、およびその同類のものを含むがこれらに限られない。
【0022】
本発明の一つの形態では、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩および少なくとも1種の第2カルボン酸塩を含む触媒組成物は、約150℃までの熱安定性を有し、全くまたは実質的に全く揮発性アミン化合物が放出されない。PIR/PUR発泡体の処理中の発熱反応による典型的な発泡体の温度は、約80℃〜約150℃の範囲内にあることができる。さらなる形態では、本発明の触媒系は、約175℃、約200℃、約220℃、約240℃、または約250℃までの熱安定性を有する。
【0023】
本発明の触媒組成物のカルボン酸塩は、例えば有機酸とアルカリ性水酸化物との反応によって生成可能である。本発明の別の形態では、カルボン酸塩は、有機酸とテトラアルキル水酸化アンモニウムとの反応、または有機酸とターシャリーアミンとの反応に続き、エポキシ化合物との反応によって生成できる。エポキシと後者との反応は、高温下で不安定であるヒドロキシアルキル第四級化合物に誘導することができる。
【0024】
"接触生成物"の語は、任意の順番、任意の方法、および任意の時間で、該成分が伴に接触する組成物を記載するために本願中で使用される。例えば、該成分は調合または混合によって接触できる。さらに、任意の成分の接触は、本願中に記載された発泡体処方の他の任意の成分の存在下、または不存在下で起こりうる。本発明の一つの形態では、触媒組成物は、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩および少なくとも1種の第2カルボン酸塩を、追加のアルカリ金属カルボン酸塩と混合または接触によって、調製可能である。これは典型的には溶液の形で起こる。別の形態では、触媒組成物は、それぞれのカルボン酸の最初の混合、それに続く対応する塩を形成するための中和によって調製可能である。
【0025】
組成物および方法は、種々の成分またはステップ"を含むこと"ついて記載される一方で、組成物および方法は、種々の成分またはステップ"から本質的になる"または"からなる”こともできる。
【0026】
α、β−不飽和カルボン酸塩
本発明の触媒組成物は、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩次式を有する少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を使用することで生成可能である:
【0027】
【化3】

(ここで、X、Y、およびZは、置換または非置換のいずれかの、C〜C36の、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキル;−COH;−C0M;または水素原子から独立して選択され;そして、
Mは、各場合において、
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、または
(iii)第四級アンモニウムイオンから独立して選択される)。
他に特定しなければ、本願中に記載されたアルキルおよびアルケニル基には、全ての構造異性体、所与の構造の直鎖または分枝鎖も含まれ;例えば、全エナンチオマーおよび全ジアステレオマーがこの規定内に含まれる。例として、他に特定しなければ、ブチルの語が、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、sec−ブチルなどを含むことを意味する一方で、プロピルの語は、n−プロピルおよびイソプロピルを含むことを意味する。同様に、本願中に記載された置換アルキル、アルケニル、アリール、およびアラルキル基では、所与の構造の置換類似物を含むことを意図する。例えば、アルキル、アルケニル、アリール、およびアラルキル基内の置換基は、ハロゲン化物;水酸基;アミノ基;10までの炭素原子を有するアルコキシ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノ基;またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限られない。
【0028】
少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩中に存在可能なアルキル基の限定されない例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またはデシル、およびその同類のものを含む。本発明の範囲内のアルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、およびその同類のものを含むがこれらに限られない。アリールおよびアラルキル(アラルキルは、アリール置換アルキルまたはアリールアルキルとして規定される)基は、フェニル、アルキル置換フェニル、ナフチル、アルキル置換ナフチル、およびその同類のものを含む。例えば、本発明中で有用なアリールおよびアラルキル基の限定されない例は、フェニル、トリル、ベンジル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、プロピル−2−フェニルエチル、およびその同類のものを含むがこれらに限られない。
【0029】
本発明の一つの形態では、X、Y、およびZは、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、トリル、ベンジル、−COH、または−C0から独立して選択される。別の形態では、各場合のMは、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、マグネシウム、もしくはカルシウムのイオン、または第四級アンモニウムイオンである。
本発明中の有用な第四級アンモニウムイオンは、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、およびその同類のもの、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。本発明のさらなる形態では、Mは、カリウムイオンである。
【0030】
アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、およびその同類のものの塩および塩の混合物は、本発明の範囲内である。本発明中の有用な好適なα、β−不飽和カルボン酸塩は、アクリル酸カリウム、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、アクリル酸テトラエチルアンモニウム、アクリル酸テトラプロピルアンモニウム、アクリル酸テトラブチルアンモニウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸テトラメチルアンモニウム、メタクリル酸テトラエチルアンモニウム、メタクリル酸テトラプロピルアンモニウム、メタクリル酸テトラブチルアンモニウム、フマル酸モノカリウム、フマル酸ビスカリウム、フマル酸モノテトラメチルアンモニウム、フマル酸ビステトラメチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラメチルアンモニウム、フマル酸モノテトラエチルアンモニウム、フマル酸ビステトラエチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラエチルアンモニウム、フマル酸モノテトラプロピルアンモニウム、フマル酸ビステトラプロピルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、フマル酸モノテトラブチルアンモニウム、フマル酸ビステトラブチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラブチルアンモニウム、マレイン酸モノカリウム、マレイン酸ビスカリウム、マレイン酸モノテトラメチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラメチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラメチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラエチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラエチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラエチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸ビステトラプロピルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸モノテトラブチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラブチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラブチルアンモニウム、アクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、アクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、マレイン酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、およびその同類のもの、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。本発明の別の形態では、α、β−不飽和カルボン酸塩はアクリル酸カリウムである。
第2のカルボン酸塩
【0031】
本発明の触媒組成物は、1つの第2のカルボン酸塩を用いることによって形成可能である。そうしたカルボン酸塩は、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、第四級アンモニウムカルボン酸塩、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限定されない。さらに、上に記載したように本発明の触媒組成物は、
次式を有する少なくとも1種の第2のカルボン酸塩を含むことができる。
【0032】
【化4】

( ここでAは、置換または非置換の、水素原子、またはC〜C17の、アルキル、アルケニル、アリール、もしくはアラルキルであり;そして、
は、
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、
または(iii)第四級アンモニウムイオン
である)。
【0033】
他に特定しなければ、本願中に記載されたアルキルおよびアルケニル基では、全ての構造異性体、所与の構造の直鎖または分枝鎖;例えば、ずべてのエナンチオマーを含むことを意図し、そしてすべてのジアステレオマーがこの規定内に含まれる。例として、他に特定しなければ、ブチルの語が、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、sec−ブチル、などを含むことを意味する一方で、プロピルの語は、n−プロピルおよびイソプロピルを含むことを意味する、同様に、本願中に記載された置換アルキル、アルケニル、アリール、およびアラルキル基では、所与の構造の置換類似物を含むことを意図する。例えば、アルキル、アルケニル、アリール、およびアラルキル基上の置換基は、ハロゲン化物;ヒドロキシル基;アミノ基;アルコキシ、アルキルアミノ、または10炭素原子までのジアルキルアミノ基;またはそれらの組み合わせを含むことができるがこれらに限られない。
【0034】
少なくとも1種の第2のカルボン酸塩中に尊大できるアルキル基の限定されない例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またはデシル、およびその同類のものを含む。本発明の範囲内にあるアルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、およびその同類のものを含むがこれらに限られない。アリールおよびアラルキル(アラルキルは、アリール置換アルキルまたはアリールアルキルとして規定される)基は、フェニル、アルキル置換フェニル、ナフチル、アルキル置換ナフチル、およびその同類のものを含む。例えば、本発明中で有用なアリールおよびアラルキル基の限定されない例は、フェニル、トリル、ベンジル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、プロピル−2−フェニルエチル、およびその同類のものを含むがこれらに限られない。
【0035】
本発明の一つの形態では、Aは、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。別の形態では、Mは、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、マグネシウム、またはカルシウムのイオン、または第四級アンモニウムイオンである。
本発明中の有用な第四級アンモニウムイオンは、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、およびその同類のもの、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。本発明のさらなる形態では、Mは、カリウムイオンである。
【0036】
本発明の一つの形態では、少なくとも1種の第2のカルボン酸塩は、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、第四級アンモニウムカルボン酸塩、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限られない。
本発明の好適なアルカリ金属カルボン酸塩は、ピバル酸カリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、ブタン酸カリウム、ペンタン酸カリウム、ヘキサン酸カリウム、ネオヘキサン酸カリウム、ヘプタン酸カリウム、オクタン酸カリウム、ネオオクタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、デカン酸カリウム、酪酸カリウム、イソ酪酸カリウム、ノナン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ネオデカン酸カリウム、ネオヘプタン酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ナトリウムカプリオエート(caprioate)、オクタン酸リチウム、およびその同類のもの、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。別の形態では、少なくとも1種の第2のカルボン酸塩は、ピバル酸カリウム、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、またはそれらのいずれかの組み合わせである。
【0037】
まだ別の形態では、少なくとも1種の第2のカルボン酸塩は、カルボン酸の塩である。好適なカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ネオヘキサン酸、ヘプタン酸、ネオヘプタン酸、オクタン酸、ネオオクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ネオノナン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ネオウンデカン酸、ドデカン酸、ネオドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、およびその同類のもの、それらの混合物、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。
【0038】
ポリイソシアネート
PIR/PUR発泡体の生成工程中で有用であるポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート異性体(MDI)、水和したMDIおよび1、5−ナフタレンジイソシアネートを含むがこれらに限られない。例えば、2、4−TDI、2、6−TDI、およびそれらの混合物は、本発明中で直ちに用いることが出来る。ジイソシアネートの他の好適な混合物は、他の異性体および類似のより高次のポリイソシアネートと伴に、4、4'−ジフェニルメタンジイソシアネートを含むクルードMDI、またはPAPIとして当技術分野で公知のものを含むがこれらに限られない。本発明の別の形態では、ポリイソシアネートおよびポリエーテルまたはポリエステルポリオールの部分的予反応混合物を含むポリイソシアネートのプレポリマーが好適である。さらに別の形態では、ポリイソシアネートは、MDIを含むか、またはMDIまたはMDIの混合物から本質的になる。
【0039】
本発明のPIR/PUR発泡体を生成する触媒系および方法は、多くのタイプの発泡体を生成するために使用可能である。この触媒系は、硬質および難燃剤用発泡体生成物の生成において有用であり、通常高いイソシアネートインデックスを必要とする。既に規定されたように、イソシアネートインデックスは、使用された実際量のポリイソシアネートを、反応混合物中の全ての活性水素と反応させるために必要な、理論的に必要な化学量論量のポリイソシアネートで割り、100をかけたものである。本発明の目的のために、イソシアネートインデックスは、次式によって表される:イソシアネートインデックス=(NCO当量/活性水素の当量)×100、(ここでNCO当量はポリイソシアネート中のNCO官能基の数であり、そして活性水素の当量は、活性水素原子に等しい数である)。
【0040】
約80〜約800のイソシアネートインデックスを有する発泡体生成物が、本発明の範囲内にある。本発明のほかの形態に従って、イソシアネートインデックスは、約100〜約700、約150〜約650、約200〜約600、または約250〜約500である。
【0041】
ポリオール
本発明のポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体を生成する際に、先のポリイソシアネートとの使用のための活性水素を含む化合物は、例えば、ポリオール等の少なくとも2つの水酸基を有する任意の有機化合物であることが可能である。典型的にPIR/PUR発泡体の生成工程で使用されるポリオールは、ポリアルキレンエーテルおよびポリエステルポリオールを含む。ポリアルキレンエーテルポリオールは、ポリ(エチレンオキサイド)およびポリ(プロピレンオキサイド)ポリマー並びにジオール並びにトリオールを含む多価化合物から誘導された末端水酸基との共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)ポリマーを含む。これらは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチルロールプロパン、シクロヘキサンジオール、並びにスクロースおよび低分子量ポリオール類似物を含むが、これらに限られない。
【0042】
アミンポリエーテルポリオールを、本発明で使用可能である。これらは、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、またはトリエタノールアミン等のアミンを、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドと反応させて調製可能である。
【0043】
本発明の別の形態では、単一の高分子量ポリエーテルポリオール、または異なる多官能性材料および/又は異なる分子量もしは異なる化学的組成材料の混合物等の高分子量ポリエーテルポリオール混合物を使用可能である。
【0044】
本発明の別の形態では、ジカルボン酸を過剰のジオールと反応させる場合に、これらの生成物を含むポリエステルポリオールを使用可能である。
限定されない例は、エチレングリコールまたはブタンジオールと反応するアジピン酸またはフタル酸または無水フタル酸を含む。ラクトンと過剰のジオールとを反応、例えば、カプロラクトンとプロピレングリコールとを反応させることによって、本発明中での有用なポリオールが生成可能である。さらなる形態では、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオール、並びにそれらの混合物等の活性水素を含む化合物が、本発明中で有用である。
【0045】
発泡剤
PIR/PUR発泡体の生成工程で、単独または組み合わせて使用可能な発泡剤は、水、塩化メチレン、アセトン、クロロフルオロ炭素(CFCs)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、および炭化水素を含むがこれらに限られない。HFCの限定されない例は、HFC−245fa、HFC−134a、およびHFC−365を含む。HCFCの実例となる例は、HCFC−141b、HCFC−22、およびHCFC−123を含む。例示的炭化水素は、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンおよびその同類のもの、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0046】
使用される発泡剤の量は、例えば、使用目的および発泡体生成物の用途、並びに所望の発泡体の剛性および密度に基づいて変化させることが出来る。本発明のポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体を調製するための発泡体の処方および方法では、発泡剤は、ポリオール(pphp)100重量部当たり約10〜約80重量部、約12〜約60pphp、約14〜約40pphp、または約16〜約25pphpの量で存在する。発泡剤等として使用するために、水が処方中に存在する場合には、水は約15pphpの量まで存在する。言い換えると、水は0〜約15pphpの範囲にあることができる。別の形態では、水は0〜約10pphp、0〜約8pphp、0〜約6pphp、または0〜約4pphpの範囲にあることが出来る。
【0047】
ウレタン触媒
ウレタン触媒は、ポリウレタンを生成する反応を加速させ、そして本発明の触媒系の成分としてさらに使用可能であり、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体を生成する。本明細書中での使用に好適なウレタン触媒は、有機スズ等の金属塩触媒、およびトリエチレンジアミン(TEDA)、N−メチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール、N−メチルモルホリン(ダブコ(商標)NMM触媒として市販されている)、N−エチルモルホリン(ダブコ(商標)NEM触媒として市販されている)、トリエチルアミン(ダブコ(商標)TETN触媒として市販されている)、N、N'−ジメチルピペラジン、1、3、5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン(ポリキャット(商標)41触媒として市販されている)、2、4、6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(ダブコTMR(商標)30触媒として市販されている)、N−メチルジシクロヘキシルアミン(ポリキャット12触媒として市販されている)、ペンタメチルジプロピレントリアミン(ポリキャット(商標)77触媒として市販されている)、N−メチル−N'−(2−ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、トリブチルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン(ポリキャット(商標)5触媒として市販されている)、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ヘプタメチルテトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノシクロヘキシルアミン(ポリキャット(商標)8触媒として市販されている)、ペンタメチルジプロピレントリアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(ダブコ(商標)BL19触媒として市販されている)、トリス(3−ジメチルアミノ)プロピルアミン(ポリキャット(商標)9触媒として市販されている)、1、8−ジアザビシクロウンデセン(ダブコ(商標)DBU触媒として市販されている)等のアミン化合物またはその酸ブロック誘導体、およびそれらの任意の混合物と同様に、その同類のものを含むがこれらに限られない。本発明に関連して、発泡体用途ためにウレタン触媒として特に有用ものは、ペンタメチルジエチレントリアミンとして化学的に公知であるポリキャット(商標)5触媒である。
【0048】
本発明のポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体を調製するために、ウレタン触媒は、処方中に0〜約10pphp、0〜約8pphp、0〜約6pphp、0〜約4pphp、0〜約2pphp、または0〜約1pphp存在できる。別の形態では、ウレタン触媒は、0〜約0.8pphp、0〜約0.6pphp、0〜約0.4pphp、または0〜約0.2pphp存在できる。
【0049】
種々の添加物
発泡体の製造条件または発泡体生成物の最終的な用途に依って、種々の添加物をPIR/PUR発泡体処方中に適用して、特定の性質を調整することが可能である。これらは、セル安定剤(cell stabilizers)、難燃剤、鎖延長剤、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フィラー、顔料、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むが、これらに限られない。当技術分野で公知である他の混合物または材料は、発泡体処方中に含めることができ、そして本発明の範囲内にあることが理解される。
【0050】
セル安定剤は、有機ポリシロキサン等の界面活性剤を含む。シリコン界面活性剤は、発泡体処方中に約0.5〜約10pphp、約0.6〜約9pphp、約0.7〜約8pphp、約0.8〜約7pphp、約0.9〜約6pphp、約1〜約5pphp、または約1.1〜約4pphpの量で存在可能である。
有用な難燃剤は、ハロゲン化有機リン化合物および非ハロゲン化化合物を含む。ハロゲン化難燃剤の限定されない例は、トリクロロプロピルリン酸(TCPP)である。例えば、トリエチルリン酸エステル(TEP)およびDMMPは、非ハロゲン化難燃剤である。発泡体の最終的な用途によって、難燃剤は、発泡体処方中に0〜約50pphp、0〜約40pphp、0〜約30pphp、または0〜約20pphpの量で存在可能である。別の形態では、難燃剤は、0〜約15pphp、0〜約10pphp、0〜約7pphp、または0〜約5pphpの量で存在可能である。エチレングリコールおよびブタンジオール等の鎖延長剤を本発明中で使用可能である。例えば、エチレングリコールは、処方中に本発明のカルボン酸塩触媒のための希釈剤または溶媒として存在可能である。
【0051】
ポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体の処方及び工程
本発明は、少なくとも1種の発泡剤、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩および少なくとも1種の第2カルボン酸塩の接触性生物を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のポリイソシアネートと、少なくとも1種の活性水素を含む化合物とを、接触させることを含むポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体を、調製するための方法を与える。本発明の方法にしたがって、PIR/PUR発泡体は、約20Kg/m〜約250Kg/m(約1.25lb/フィート〜約15.5ポンド/フィート)、または約24Kg/m〜約60Kg/m(約1.5lb/フィート〜約3.75ポンド/フィート)の密度で生成することができる。
【0052】
別の形態では、本発明の方法は、連続的な発泡体の製造工程のために非常に望ましい高イソシアネートインデックスでさえ、実質的に一貫した時間に対する発泡体高さの上昇を与える。PIR/PUR発泡体が、高度の表面付着力を有し、ラミネート加工した発泡体パネル等の物品の製造のために有用であるように、PIR/PUR発泡体の調製のための方法は、また他の市販されている触媒系に比較した場合に、等しいかまたはより速い表面硬化を与える。
【0053】
任意選択的に、また別の形態では、本発明の方法は、望ましくないアミン臭がないか実質的にないPIR/PUR発泡体を生成可能である。特定の少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩および少なくともひとつの第2カルボン酸塩を選択することで、この方法は、高イソシアネートインデックスで調製された発泡体にさえ、PIR/PUR発泡体の生成中に通常達する温度での熱安定性を与えることが出来る。更なる形態では、PIR/PUR発泡体を調製するための方法では、約150℃、または約175℃、または約200℃、または約220℃、または約240℃、または約250℃まで熱的安定性を有する。また更なる形態では、本発明の方法は、揮発性アミンおよび/又はアミン臭が実質的にないPIR/PUR発泡体を与える。
【0054】
少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩および少なくとも1種の第2カルボン酸塩を含む触媒組成物は、触媒としての有効量で発泡体の処方中に存在すべきである。本発明のPIR/PUR発泡体処方では、触媒系希釈剤の重量への寄与を除いて、触媒組成物が少なくとも1種の活性水素を含む化合物100重量部当たり約0.05〜約10重量部の量で存在する。別の形態では、触媒組成物は、少なくとも1種の活性水素を含む化合物100重量部当たりの約0.4〜約9重量部、または約0.8〜約8重量部存在する。少なくとも1種の活性水素を含む化合物が、少なくとも1種のポリオールである場合、触媒組成物は、ポリオール(pphp)100重量部当たり約0.05〜約10重量部の量で存在する。別の形態では、触媒組成物は、約0.2〜約9.5pphp、約0.4〜約9pphp、約0.6〜約8.5pphp、または約0.8〜約8pphpの量で存在する。
【0055】
本発明の方法では、発泡体の処方の成分は、いかなる順番でも接触または混合可能である。一つの形態では、いずれも少なくとも1種の活性水素含有化合物、少なくとも1種の発泡剤、少なくとも1種のポリイソシアネート、またはそれらのいずれかの組み合わせと接触する前に、少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩および少なくとも1種の第2のカルボン酸塩が互いに接触可能である。別の形態では、少なくとも1種の活性水素含有化合物、少なくとも1種の発泡剤、少なくとも1種のポリイソシアネート、またはそれらのいずれかの組み合わせのいずれかと接触する一方で、少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩および少なくとも1種の第2のカルボン酸塩が、相互に接触可能である。
まだ別の形態では、少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩または少なくとも1種の第2のカルボン酸塩のいずれかは、両者の塩タイプが互いに接触する前に、少なくとも1種の活性水素含有化合物、少なくとも1種の発泡剤、少なくとも1種のポリイソシアネート、またはそれらのいずれかの組み合わせと独立に接触する。PIR/PUR処方に含まれる成分の数が与えられると、成分を接触させ、混合する多数の異なる順番があり、そして当業者は成分を加える順番を変えることが本発明の範囲内にあることを理解する。
同様に、発泡体処方の成分を混合する個々の異なる順番において、本発明の発泡体の処方は、少なくとも1種のウレタン触媒をさらに含むことができる。さらに、PIR/PUR発泡体を生成する方法は、少なくとも1種のセル安定剤、少なくとも1種の難燃剤、少なくとも1種の鎖延長剤、少なくとも1種のエポキシ樹脂、少なくとも1種のアクリル樹脂、少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の顔料、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択された1つの添加物をさらに含むことができる。
【0056】
本発明のさらなる形態では、少なくとも1種のポリイソシアネート以外の成分の予混合物が最初に接触することができ、続いて少なくとも1種のポリイソシアネートが加えられる。例えば、少なくとも1種の活性水素を含む化合物、少なくとも1種の発泡剤、および本発明の触媒組成物を最初に接触させて予混合物を形成する。予混合物は、少なくとも1種のポリイソシアネートを次に接触させて、本発明の方法に従ってPIR/PUR発泡体を与える。本発明のさらなる形態では、予混合物が少なくとも1種のウレタン触媒をさらに含む、同一の方法を適用可能である。
同様に、予混合物は、少なくとも1種のセル安定剤、少なくとも1種の難燃剤、少なくとも1種の鎖延長剤、少なくとも1種のエポキシ樹脂、少なくとも1種のアクリル樹脂、少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の顔料、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択された少なくとも1種の添加物を含むことができる。
【0057】
本発明の一つの形態は:
i)少なくとも1種の活性水素を含むポリオール;
ii)100重量部当たり約10〜約80重量部のポリオール(pphp)発泡剤;
iii)約0.5〜約10pphpシリコン界面活性剤;
iv)0〜約10pphpの水;
v)0〜約50pphpの難燃剤;
vi)0〜約10pphpのウレタン触媒;および
vii)少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩および少なくとも1種の第2カルボン酸塩を含む、約0.05〜約10pphpの触媒組成物;を含む予混合物を生成させることおよび、
(b)約80〜約800のイソシアネートインデックスの少なくとも1種のポリイソシアネートと、予混合物とを接触させることを含むポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体の調製方法を与える。
【実施例】
【0058】
32オンス(951ml)金属カップ中のポリオール、難燃剤(TCPP)、界面活性剤、ウレタン触媒(ポリキャット(商標)5触媒)、および発泡剤(n−ペンタン)の予混合物に、本発明の触媒を加えることによって、以下の例の発泡体を生成した。この組成物を2インチ(5.1cm)の直径で攪拌羽をつけたオーバーヘッド攪拌機使用して、約6、000回転/分で約10秒間混合した。
次に充分なイソシアネートを、所望のイソシアネートインデックスを達成するために加え、そして処方を、同一の攪拌機を使用して約6、000回転/分で約6秒間充分に混合した。32オンスカップをスタンド上の128オンス(3804ml)紙カップの底の穴を通して下げた。32オンスカップのふちを捉えるのに適当な様に穴のサイズとした。
発泡体コンテナの全体積は、約160オンス(4755ml)であった。発泡体生成反応の最後では、発泡体は、ほぼこの体積である。発泡体高さを長期間で記録した。木製の棒とクロノメータで、ストリングゲル時間(string gel time)および不粘着時間を手動で測定した。開始時間および上昇時間を、上昇装置の自動測定で決定した。
【0059】
以下の例では、種々のタイプおよび量の触媒を使用して、本発明のPIR/PUR発泡体を生成した。個々の触媒の量が、これらの例では同じではないにもかかわらず、個々の触媒量を選択して、類似のストリングゲル時間を与えた。PIR/PUR発泡体の性質は、典型的には等しいゲルストリング時間で比較する。これらの例では、他に特定していなければ、カルボン酸塩触媒で列挙したpphp値では、追加の希釈剤の重量を除外する。表Iに、例で使用される発泡体処方の成分、およびそれらの個々のpphpを列挙する。
【0060】
表1 例1〜5の発泡体の処方(触媒が異なる)
【表1】

【0061】
比較例1
カルボン酸塩触媒と基準触媒との比較
約60グラムのKOHを約150グラムのエチレングリコールに溶解することによって、カルボン酸塩触媒1(アルカリ金属カルボン酸塩)を調製した。該溶液を、次に約109.2グラムのピバリン酸を追加することで中和した。中和から生じた水を次に真空(約8mmHg)下、約80℃で除去した。
結果として生成するエチレングリコール中の約50%溶液のピバル酸カリウム(希釈剤を除いて約2pphpまたは2グラム;約14.3mmol)が、触媒1を構成した。発泡体を約500のイソシアネートインデックスで、表I中の基準処方を使用して生成した。
【0062】
触媒1と、2つの商業上の基準、ダブコ(商標)K15触媒(70%オクタン酸カリウム溶液)およびダブコTMR(商標)触媒(75%オクタン酸2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム溶液)とを比較した。希釈剤を除いて約4.6pphpのダブコ(商標)K15触媒を使用し;これが約3.2pphpまたは3.2グラム(約17.7mmol)のオクタン酸カリウムになった。希釈剤を除いて約4.8pphpのダブコTMR(商標)触媒を使用し;これが約3.6pphpまたは3.6グラム(約13.8mmol)のオクタン酸2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムになった。表IIに、かなり均等なストリングゲル時間での、触媒1および基準触媒の開始時間、ストリングゲル時間、ストリングゲル時間(HSG)での高さ、上昇時間および不粘着時間等の発泡体パラメーターを示す。触媒1のための不粘着時間は、ダブコTMR(商標)触媒またはより遅い表面硬化時間を示すダブコ(商標)K15触媒と比較すると、わずかに長かった。
【0063】
触媒1と、ダブコK15触媒およびダブコTMR(商標)触媒との時間に対する発泡体高さを、図1で比較する。ダブコ(商標)K15触媒および触媒1は、伴にアルカリ金属カルボン酸塩触媒である。ダブコ(商標)K15触媒に比較すると触媒1は、わずかにより均一な勾配と、より目立たない高原を有する。しかし、ダブコTMR(商標)触媒(オクタン酸2−ヒドロキシルプロピルトリメチルアンモニウム)の特徴である時間に対する発泡体高さのより滑らかなプロファイルを有さない。
【0064】
触媒1が、オクタン酸カリウム(ダブコ(商標)K15触媒)に比較してより小さい三量化"ステップ"を有することを、図2にグラフで示す。ダブコ(商標)K15触媒は、この触媒を使用する発泡体の生成と関連する異なる発泡体上昇速度を示す2つのピーク間に長い谷を有する。ダブコ(商標)K15触媒も触媒1も、ダブコTMR(商標)触媒のようなピークの間に短い谷を有さず;この短い谷は発泡体の生成を通して、より顕著でない三量化ステップおよびさらに一貫した発泡体の上昇速度を示す。
【0065】
比較例2
α、β−不飽和のカルボン酸塩触媒と基準触媒との比較
約57.5グラムのKOHを約200グラムのエチレングリコールに溶解することで、α、β−不飽和のカルボン酸塩触媒2を調製した。該溶液を、次に約64.8グラムのアクリル酸を加えて中和した。中和で生じた水を、次に真空の(約8mmHg)下約80℃で除去した。結果として生成する希釈剤を除いてエチレングリコール中、約33%溶液のアクリル酸カリウム(約3.3pphpまたは3.3グラム;約30mmol)が、触媒2を構成した。約500のイソシアネートインデックスで、表I中の基準処方を使用して発泡体を生成した。
【0066】
触媒2を2つの商業上の基準触媒溶液、ダブコ(商標)K15触媒およびダブコTMR(商標)触媒と比較した。希釈剤を除いて約4.6pphpのダブコ(商標)K15触媒を使用し;これは約3.2pphpまたは3.2グラム(約17.7mmol)のオクタン酸カリウムになった。希釈剤を除いて約4.8pphpのダブコTMR(商標)触媒を使用し;これは約3.6pphpまたは3.6グラム(約13.8mmol)のオクタン酸2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムになった。表II中に示すように、比較触媒2を約3.3pphpの高いレベルで導入しても、触媒2のストリングゲル時間を2つの基準と合わせることはできなかった。触媒2の不十分な表面硬化が、表II中の約130秒の長い不粘着時間に裏付けられる。
【0067】
触媒2、ダブコ(商標)K15触媒、およびダブコTMR(商標)触媒のための時間に対する発泡体高さを、図3で比較する。時間に対する発泡体高さ曲線で、約500のイソシアネートインデックスでダブコ(商標)K15触媒およびダブコTMR(商標)触媒の両者に比較して、触媒2の非常に低い触媒活性を強調されている。触媒2使用して生成された発泡体も表面上に非常に強い乱れを示す。
【0068】
本発明例3
α、β−不飽和のカルボン酸塩および第2のカルボン酸塩を含む本発明の触媒と基準触媒との比較
発明の触媒3を、触媒1(第2のカルボン酸塩;この場合は、アルカリ金属カルボン酸塩)と希釈剤を含めて約9〜1重量比率中の触媒2(α、β−不飽和のカルボン酸塩)とを混合することによって調製した。希釈剤を除いて、触媒成分の重量比率は約14〜1であった。発明の触媒3は、エチレングリコール中の約2pphpまたは2グラム(約14.3mmol)のピバル酸カリウムおよび約0.145pphpまたは0.145グラム(約1.3mmol)のアクリル酸カリウムからなった。約14:1重量比率の触媒成分の混合物は、約11:1のモル比率の第2のカルボン酸塩とα、β−不飽和のカルボン酸塩になる。
【0069】
発明の触媒3を、約500のイソシアネートインデックスで、2つの商業上の基準、ダブコ(商標)K15触媒およびダブコTMR(商標)触媒と比較した。表II中に示すように、類似のストリングゲル時間では、発明の触媒3は、ダブコ(商標)K15触媒またはダブコTMR(商標)触媒のいずれかよりもより短い不粘着時間であった。不粘着時間は表面硬化の尺度であるため、触媒3は、発泡体ラミネーションでの改善された表面接着と関連するより速い表面硬化をする。不粘着時間によって測定されたように発明の触媒3の速い表面硬化は、本発明の触媒3を構成する個々の成分の予想外の所与の不粘着時間でもある。
触媒1は約69秒の不粘着時間を有し、そして触媒2は約130秒の不粘着時間を示し、そして非常に低い触媒の活性を有した。発明の触媒3は、独立して触媒1または触媒2よりもはるかに短い約54秒の不粘着時間を示した。
【0070】
触媒3でできた発泡体生成物が、ラミネート加工した発泡体パネル等の最終製品の製造中に高められた表面付着力を有するように、発明の触媒3は、市販されている触媒システム、ダブコ(商標)K15触媒およびまたはダブコTMR(商標)触媒のいずれかに比較した場合、より速い表面硬化を与える。
【0071】
発明の触媒3、ダブコ(商標)K15触媒、およびダブコTMR(商標)触媒の時間に対する発泡体高さを、図4で比較する。発明の触媒3は、通常ダブコTMR(商標)触媒と関連する均一な勾配および最小限の高原を有する。時間に対する発泡体高さ中のこの一貫した増加は、連続的な発泡体の生成工程のためには非常に望ましい。
【0072】
発明の触媒3およびダブコTMR(商標)触媒の曲線の形は、図5中で非常に類似し、さらに発明の触媒3がダブコTMR(商標)触媒に類似の発泡体の生産性能を有することを具体的に示す。これらの発泡体上昇速度のプロファイルは、長期のさらに一貫した発泡体の上昇および連続的な工程中での改善された発泡体の生産性能を示す。さらに、発明の触媒3は50℃超の熱安定性を有し、そして揮発性アミンおよび/又はアミン臭が実質的に無いPIR/PUR発泡体を生成可能である。
【0073】
表II.基準触媒に対する触媒1〜3の比較
【表2】

【0074】
記)希釈剤を含む4.6pphpダブコK15触媒は、希釈剤を除いて約3.2pphpのオクタン酸カリウム塩触媒になる。
希釈剤を含む4.8pphpダブコTMR(商標)触媒は、希釈剤を除いてオクタン酸約3.6pphpの2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム触媒になる。
触媒の1〜3pphpの値は、希釈剤を除く。
【0075】
発明例4
基準ダブコ(商標)K15オクタン酸カリウム触媒と、α、β−不飽和のカルボン酸塩および第2のカルボン酸塩(オクタン酸カリウム)を含む発明の触媒との比較
アクリル酸カリウム溶液(α、β−不飽和のカルボン酸塩;触媒2)と第2のカルボン酸塩溶液とを、重量比率を変えて混合することによって発明の触媒を調製した。第2のカルボン酸塩は、ダブコ(商標)K15触媒として溶液で市販されているオクタン酸カリウム、アルカリ金属カルボン酸塩であった。
約270のイソシアネートインデックスで、表I中の基準処方を使用して、発泡体を生成した。
【0076】
表III中の類似のストリングゲル時間に示すように、触媒2(アクリル酸カリウム)の量が、ダブコ(商標)K15触媒(オクタン酸カリウム)の量に比較して増加するにつれて、不粘着時間が減少する。重量比率を、希釈剤の寄与を含めておよび除外して示す。この例では、α、β−不飽和のカルボン酸塩、アクリル酸カリウム相対量が高いほど、より速い表面硬化、そしてその結果としてラミネーション中のより良い発泡体の接着となる。
【0077】
表III.K15/触媒2の異なる重量比率での発泡体パラメーター
【表3】

【0078】
図6で、触媒2に対するダブコ(商標)K15触媒、希釈剤を除いた幾つかの重量比率、およびダブコTMR(商標)触媒の時間に対する発泡体高さを比較する。ダブコTMR(商標)触媒を、約2.9pphp(希釈剤を除いて約2.2pphp)で使用した。ダブコ(商標)K15触媒(オクタン酸カリウム)の量に比較して、触媒2(アクリル酸カリウム)の量が、増加するにつれて、結果として時間に対する発泡体高さのより滑らかなプロファイルとなった。約1:1.4及び約1:4のK15/触媒2比では、ダブコTMR(商標)触媒に類似の均一な勾配およびより少ない目立った高原となった。これは、連続的な発泡工程で望ましい長期でのさらに一貫した発泡体上昇を示す。
【0079】
K15/触媒2(希釈剤を除く)の1:1.4重量比率の混合物は、第2のカルボン酸塩:α、β−不飽和のカルボン酸塩の約1:2.3モル比率になる。同様に、K15/触媒2(希釈剤を除く)の1:4重量比率の混合物は、第2のカルボン酸塩:α、β−不飽和のカルボン酸塩の約1:7モル比率となる。
【0080】
発明例5
α、β−不飽和のカルボン酸塩および第2のカルボン酸塩(酢酸カリウム)と、基準ダブコ(商標)K2097酢酸カリウム触媒とを含む発明の触媒の比較
発明の触媒を、重量比率を変えて、アクリル酸カリウム溶液(α、β−不飽和のカルボン酸塩;触媒2)と、第2のカルボン酸塩溶液とを混合することによって、調製した。第2のカルボン酸塩は、ダブコ(商標)K2097触媒として溶液で市販されている酢酸カリウム、アルカリ金属カルボン酸塩であった。
約270のイソシアネートインデックスで、表I中の基準処方を使用して、発泡体を調製した。
【0081】
表IV中に示すように、希釈剤を除いて約2.7:1のK2097/触媒2重量比率で、約58秒の不粘着時間を得た。第2のカルボン酸塩(この場合、アルカリ金属カルボン酸塩)およびα、β−不飽和のカルボン酸塩のこの触媒の組み合わせは、より速い表面硬化を示しその結果、ラミネート加工した発泡体構造でのより良い接着性能を示す短いテスト不粘着時間を与えた。K2097/触媒2(溶媒を除く)の2.7:1重量比率混合物は、約3:1モル比率の第2カルボン酸塩:α、β−カルボン酸塩となった。
【0082】
表4.K2097/触媒2の異なる重量比率での発泡体パラメーター
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、約500のイソシアネートインデックスでの、カルボン酸塩触媒1、ダブコ(商標)K15触媒、およびダブコTMR(商標)触媒の時間に対する規格化した発泡体の高さのプロット示す。
【0084】
【図2】図2は、約500のイソシアネートインデックスでの、カルボン酸塩触媒1、ダブコ(商標)K15触媒、およびダブコTMR(商標)触媒の発泡体上昇速度の比率対時間のプロットを示す。
【図3】図3は、約500のイソシアネートインデックスでの、α、β−不飽和のカルボン酸塩触媒2、ダブコ(商標)K15触媒、およびダブコTMR(商標)触媒の時間に対する規格化された発泡体高さのプロットを示す。
【図4】図4は、約500のイソシアネートインデックスでの、1つのα、β−不飽和のカルボン酸塩および1つの第2のカルボン酸塩、ダブコ(商標)K15触媒、およびダブコTMR(商標)触媒を含む発明の触媒3の時間に対する規格化された発泡体高さのプロットを示す。
【図5】図5は、約500のイソシアネートインデックスでの、1つのα、β−不飽和のカルボン酸塩および1つの第2のカルボン酸塩、ダブコ(商標)K15触媒、およびダブコTMR(商標)触媒を含む発明の触媒3の発泡体上昇速度の比率対時間のプロットを示す。
【図6】図6は、約270のイソシアネートインデックスでの、ダブコ(商標)K15触媒(第2カルボン酸塩)と、触媒2(α、β−不飽和のカルボン酸塩)との本発明の触媒組み合わせの時間に対する発泡体高さのプロットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)次式を有する少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩と
【化1】

(ここでX、Y、およびZは、置換または非置換のいずれかの、C〜C36の、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキル;−COH;−CO;または水素原子から独立して選択され;
そしてMは個々の場合において、
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、または
(iii)第四級アンモニウムイオンから独立して選択される)
(b)少なくとも1種の第2カルボン酸塩と
の接触生成物を含む触媒組成物。
【請求項2】
X、Y、およびZが、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、トリル、ベンジル、−COH、または−COから独立して選択される請求項1の触媒組成物。
【請求項3】
が、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、マグネシウム、またはカルシウムのイオンまたは第四級アンモニウムイオンである請求項1の触媒組成物。
【請求項4】
が、カリウムイオンである請求項3の触媒組成物。
【請求項5】
該第四級アンモニウムイオンが、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリブチル(2〜30ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、またはジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムである請求項3の触媒組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の該α、β−不飽和カルボン酸塩が、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、またはそれらのいずれかの組み合わせの塩である請求項1の触媒組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の該α、β−不飽和のカルボン酸塩が、アクリル酸カリウム、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、アクリル酸テトラエチルアンモニウム、アクリル酸テトラプロピルアンモニウム、アクリル酸テトラブチルアンモニウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸テトラメチルアンモニウム、メタクリル酸テトラエチルアンモニウム、メタクリル酸テトラプロピルアンモニウム、メタクリル酸テトラブチルアンモニウム、フマル酸モノカリウム、フマル酸ビスカリウム、フマル酸モノテトラメチルアンモニウム、フマル酸ビステトラメチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラメチルアンモニウム、フマル酸モノテトラエチルアンモニウム、フマル酸ビステトラエチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラエチルアンモニウム、フマル酸モノテトラプロピルアンモニウム、フマル酸ビステトラプロピルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、フマル酸モノテトラブチルアンモニウム、フマル酸ビステトラブチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラブチルアンモニウム、マレイン酸モノカリウム、マレイン酸ビスカリウム、マレイン酸モノテトラメチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラメチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラメチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラエチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラエチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラエチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸ビステトラプロピルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸モノテトラブチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラブチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラブチルアンモニウム、アクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、アクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、マレイン酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、5フマル酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、またはそれらのいずれかの組み合わせである請求項1の触媒組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の該α、β−不飽和のカルボン酸塩が、アクリル酸カリウムである請求項7の触媒組成物。
【請求項9】
該触媒組成物が、イソシアネートの存在下で、イソシアネートを三量化してイソシアヌレートを生成する請求項1の触媒組成物。
【請求項10】
少なくとも1種のウレタン触媒をさらに含む請求項1の触媒組成物。
【請求項11】
少なくとも1種の第2のカルボン酸塩に対する少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩の該重量比率が、約0.02:1〜約50:1である請求項1の触媒組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の第2のカルボン酸塩に対する少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩の該重量比率が、約0.05:1〜約20:1である請求項11の触媒組成物。
【請求項13】
少なくとも1種の第2のカルボン酸塩に対する少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩の該重量比率が、約0.1:1〜約10:1である請求項12の触媒組成物。
【請求項14】
該触媒組成物が、最高約150℃の温度で熱的に安定である請求項1の触媒組成物。
【請求項15】
少なくとも1種の該第2のカルボン酸塩が、
(a)アルカリ金属カルボン酸塩;
(b)アルカリ土類金属カルボン酸塩;
(c)第四級アンモニウムカルボン酸塩;またはそれらのいずれかの組み合わせ
である、請求項1の触媒組成物。
【請求項16】
少なくとも1種の該第2のカルボン酸塩が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ネオヘキサン酸、ヘプタン酸、ネオヘプタン酸、オクタン酸、ネオオクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ネオノナン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ネオウンデカン酸、ドデカン酸、ネオドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、またはそれらのいずれかの組み合わせの塩である請求項15の触媒組成物。
【請求項17】
少なくとも1種の該第2のカルボン酸塩が、ピバル酸カリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、ブタン酸カリウム、ペンタン酸カリウム、ヘキサン酸カリウム、ネオヘキサン酸カリウム、ヘプタン酸カリウム、オクタン酸カリウム、ネオオクタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、デカン酸カリウム、酪酸カリウム、イソ酪酸カリウム、ノナン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ネオデカン酸カリウム、ネオヘプタン酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ナトリウムカプリオエート、オクタン酸リチウム、またはそれらのいずれかの組み合わせである請求項15の触媒組成物。
【請求項18】
少なくとも1種の該第2のカルボン酸塩が、ピバル酸カリウム、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、またはそれらのいずれかの組み合わせである請求項17の触媒組成物。
【請求項19】
少なくとも1種の該第2のカルボン酸が次式を有する請求項1の触媒組成物
【化2】

(ここでAが、置換または非置換のいずれかの、水素原子、またはC〜C17の、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルであり;そして、
ここでMが:
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、または
(iii)第四級アンモニウムイオン
である)。
【請求項20】
Aが、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、またはオクチル基である請求項19の触媒組成物。
【請求項21】
が、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、マグネシウム、またはカルシウムのイオン、または第四級アンモニウムイオンである請求項19の触媒組成物。
【請求項22】
が、カリウムイオンである請求項21の触媒組成物。
【請求項23】
該第四級アンモニウムイオンが、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、orジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムである請求項21の触媒組成物。
【請求項24】
(a)少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩;および
(b)(i)アルカリ金属カルボン酸塩、
(ii)アルカリ土類金属カルボン酸塩、
(iii)第四級アンモニウムカルボン酸塩、またはそれらのいずれかの組み合わせ
から選択された少なくとも1種の第2のカルボン酸塩
の接触生成物を含む触媒組成物。
【請求項25】
少なくとも1種の発泡剤および少なくとも1種のα、β−不飽和のカルボン酸塩と少なくとも1種の第2のカルボン酸塩との接触生成物を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種の活性水素含有化合物を接触させることを含むポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体の調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−301557(P2007−301557A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−120544(P2007−120544)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】