説明

発泡成型体浴用剤、発泡成型体浴用剤組成物及び入浴方法

【課題】
浴水に好適に浮遊することができ、かつ従来の入浴剤にはない遊戯性や視覚性に優れた浴用剤を提供する。
【解決手段】
水溶性成分からなる浴用剤であって、上記浴用剤は、体積が3mm以上であり、0.1gを40℃の温水6Lに溶解するのに150秒以上形状を維持する浴用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡成型体浴用剤、発泡成型体浴用剤組成物及び入浴方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より浴用剤は、湯に香りや色調を与えて精神状態を安らかにするものや、硫酸ナトリウム等の無機塩類や炭酸ガスにより血行を良くしたり、各種保湿剤や植物エキスによるスキンケア効果等を与えるものとして使用されている。このような浴用剤は、粉末状、錠剤状、ペースト状、ジェル状等の様々な形態のものが知られているが、近年はこれらの形態だけではなく、入浴中の遊戯性や視覚による楽しみを付与する目的で、例えば、軽石や発泡スチロールのような水に浮きやすい担体に薬用成分を含浸させたものや、カプセル化したもの等も提案されている。
【0003】
特許文献1では、糖類、澱粉、ゼラチン並びに水からなる原料を均質に混和して発泡混和体を調製し、これを成型し、乾燥して多孔質体とし油性原料を吸着させる浮遊型発泡成型体浴用剤の製造方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−53349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記現状を鑑みて、浴水に好適に浮遊することができ、かつ従来の発泡成型体浴用剤にはない遊戯性や視覚性に優れた発泡成型体浴用剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水溶性成分からなる発泡成型体浴用剤であって、前記発泡成型体浴用剤は、体積が3mm以上であり、0.1gを40℃の温水6Lに溶解するのに150秒以上形状を維持することを特徴とする発泡成型体浴用剤である。
【0007】
上記発泡成型体浴用剤において、上記水溶性成分は、糖類、並びに、水溶性高分子、ゼラチン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、澱粉及び卵抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ水分が1〜25質量%であることが好ましい。
本発明の発泡成型体浴用剤は、起泡することによって形成された気泡構造を有することが好ましい。
本発明の発泡成型体浴用剤は、更に保湿剤及び香料を含有することが好ましい。
本発明の発泡成型体浴用剤は、粉末、顆粒、ジェル、洗顔クロス、クリーム、樹脂成型品、ゼラチンカプセル及びコットンパフからなる群より選択される少なくとも1種からなるコア部を有するものであってもよい。
【0008】
本発明の発泡成型体浴用剤は、顆粒、透明セッケン、シルクパウダー、パルプ及び樹脂ビーズからなる群より選択される少なくとも1種が剤中に分散されてなるものであってもよい。
本発明の発泡成型体浴用剤は、表面をコーティング剤によってさらに被覆したものであってもよい。
本発明は、上述した発泡成型体浴用剤と乾燥減量が12質量%以下である少なくとも1種の粉末、顆粒又は固形状の発泡成型体浴用剤成分とを同包した発泡成型体浴用剤組成物でもある。
本発明は、上述した発泡成型体浴用剤と液体、粉末、顆粒又は固形状の発泡成型体浴用剤成分とを同時に使用し、入浴する入浴方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明は、水溶性成分からなる発泡成型体浴用剤であって、上記発泡成型体浴用剤は、体積が3mm以上であり、0.1gを40℃の温水6Lに溶解するのに150秒以上形状を維持することを特徴とする発泡成型体浴用剤である。更に、水溶性成分によって形成されたものであることから、湯中で徐々に溶解するものであり、適用後、一定時間は形状を維持した後、徐々に溶解することから、遊戯性や視覚性においても優れている。
【0010】
上記発泡成型体浴用剤は、起泡することによって形成された気泡構造を有するものであることが好ましい。すなわち、このような気泡構造を有するこれまでにない独自の形態を有する発泡成型体浴用剤とすることができるのである。このような気泡構造は、発泡剤によって気泡構造を形成させた場合と比べて、水面に泡を残さずにきれいに溶解し、視覚性に優れており、かつ肌に対しても刺激が少ないという相違を有するものである。このため、本発明の発泡成型体浴用剤は、足浴、手浴等の部分浴又は全身浴に使用することができる。
【0011】
上記発泡成型体浴用剤において、上記水溶性成分は、糖類、並びに、水溶性高分子、ゼラチン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、澱粉及び卵抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するものであることが好ましい。これらの成分を使用することによって、容易に発泡成型体とすることができる。
【0012】
本発明に用いられる上記糖類としては特に限定されず、例えば、単糖類としては、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、二糖類としては、ショ糖、麦芽糖、乳糖、セルビオース、多糖類として、アミロース、セルロースなどやトレハロース、水あめ、三温糖、黒砂糖、糖アルコールとして、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、還元水飴、オリゴ糖としては、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖等パラチノースを挙げることができる。
上記水溶性高分子としては、ポリアクリル酸及びその塩、メタクリル酸及びその塩、ポリアクリル酸メタクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース及びナトリウム塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カーボポール、結晶セルロース、セルロース、カゼイン、ぺクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸塩、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、アラビアガム、ヒアルロン酸及びその塩、グルコサミン等が挙げられる。
上記ゼラチン、コラーゲン及びコラーゲンペプチドとしては、それぞれ牛、豚、魚由来のゼラチン、コラーゲン又はコラーゲンペプチドが用いられる。
上記澱粉としては、ジャガイモデンプン、甘藷デンプン、タピオカデンプン、米デンプン、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、大麦デンプンが挙げられる。上記卵抽出物としては、卵白、塩化リゾチーム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、又は、2種以上を併用してもよい。
【0013】
上記水溶性成分の総配合量としては、発泡成型体浴用剤100質量%中1〜95質量%が好ましく、1質量%より少ないと安定性や溶解時間が充分でなく、また95質量%を超えると作成時の作業性や成型性が悪くなるおそれがある。より好ましくは70〜90質量%である。
【0014】
また、本発明の発泡成型体浴用剤において、作業性の上から、水分は、発泡成型体浴用剤100質量%中1〜25質量%であることが好ましい。1質量%未満であると作成時の作業性や成型性、溶解性が悪くなり、25質量%を超えると成型性や安定性が悪くなるおそれがある。
【0015】
本発明の発泡成型体浴用剤は、更に保湿剤及び香料を含有するものであることが好ましい。
上記保湿剤としては、一般に発泡成型体浴用剤に用いられるものであれば特に限定されないが、好ましくは、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;ポリオキシエチレングリセリン(26E.O)、ピロリドンカルボン酸ソーダ、パンテテイン−Sスルホン酸塩等の合成保湿剤;ヒアルロン酸、エラスチン、ケラチン、デルマタン硫酸、コラーゲン、胎盤抽出液、ローヤルゼリー、微生物発酵液、キチン、キトサン、ペクチン等や、その他の植物や動物由来の抽出液、植物油及びそのエステル化物、誘導体等の天然保湿剤等が挙げられる。上記保湿剤の配合量としては、発泡成型体浴用剤100質量%中0.01〜10質量%が好ましい。0.01質量%未満であると保湿効果や成形性が悪く、10質量%を超えるとべたつきの原因になるおそれがある。
【0016】
上記香料としては、発泡成型体浴用剤に用いられるものであれば何でもよく、リラックス作用のあるラベンダー、サンダルウッド、セージ、カルダモン等の精油成分やリフレッシュ作用のあるレモン、グレープフルーツ、コパイバ、ゲットウ、グローブの精油成分等が挙げられる。更にその他の公知の香料として、例えば、ジャスミン油、ローズ油、オレンジ油、ハッカ油、タイム油、ショウブ油、ウイキョウ油、スギ油、ヒバ油、ラズベリー油、ヒノキ油、バラ油、ユーカリ油、カンファー、ペパーミント油、スペアミント油、ゲラニオール、ミカン油、トウヒ、シトロネロール、テルペン類、コーヒー油、茶油、椿油等の天然及び合成香料等を挙げることができる。
上記香料の配合量は、発泡成型体浴用剤100質量%中0.001〜5質量%が好ましい。0.001質量%未満であると充分な香りが得られず、5質量%を超えるとべたついたり成型性が悪くなったり、安定性が不十分になるおそれがあり、また経済性の点からも好ましくない。
【0017】
本発明の発泡成型体浴用剤には、上述した成分の他にも、必要とする効能、効果に応じて以下の物質から適宜選択して配合することができる。例えば、一般に用いられている賦形剤、香料等をはじめ、油脂類、界面活性剤、美白剤、pH調整剤、粘結剤類、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、植物粉砕物及び生薬類、無機塩類及び無機酸類、薬効成分等の各種化粧料成分が挙げられる。
【0018】
上記油脂類としては、一般に化粧料で汎用されている、例えば、大豆油、アーモンド油、パラフィン、セタノール、アボガド油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、ヌカ油、ホホバ油、卵黄油、ひまし油、スクワラン、アボガド油、ラノリン、流動パラフィン、白色ワセリン等の植物性油脂;牛脂、豚脂、馬脂、タートル油、ミンク油、パーセリン油、スクワラン等の動物性油脂;メチルポリシロキサン、ベヘニルアルコール、トリカプリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、流動パラフィン、DHA、EPA等の合成油脂等が挙げられる。
【0019】
上記界面活性剤の成分としては、例えば、脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルエーテルカルボン酸塩等のアニオン界面活性剤、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンジステアリン酸エステル、デカグリセリントリステアリン酸エステル、デカグリセリンペンタステアリン酸エステル、デカグリセリンモノイソステアリン酸エステル、デカグリセリンジイソステアリン酸エステル、デカグリセリンペンタイソステアリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリントリオレイン酸エステル、デカグリセリンペンタオレイン酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステテアリン酸ソルビタン等のソルビタン分岐脂肪酸エステル;大豆レシチン、卵黄レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、更にこれらのレシチン類を酵素処理によりモノアシル体としたリゾレシチン及び/又は水素添加リゾレシチン、ヒドロキシル化したヒドロキシレシチン等のレシチン類;モノイソステアリン酸グリセリル、セスキイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン分岐脂肪酸エステル等を挙げることができ、1種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
上記美白剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩や誘導体、アルブチンやこれらの誘導体、胎盤抽出液、その他の植物や動物由来の抽出液等が挙げられる。
【0021】
上記pH調整剤としては、例えばクエン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、クエン酸ナトリウム、フマル酸、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等の有機酸、無機酸及びその塩類等が挙げられる。
【0022】
上記粘結剤類としては、一般に化粧料で汎用されている、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース及びそのナトリウム塩、カゼイン、ぺクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ローカストビーンガム、寒天、カーボポール等が挙げられる。
【0023】
上記増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースNa、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ベントナイト等が挙げられる。
【0024】
上記防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸等が挙げられる。
【0025】
上記酸化防止剤としては、例えば、アルコルビン酸、EDTA4Na、EDTA2Na、ブチルオキシトルエン、ヒドロキシブチルトルエン、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等が挙げられる。
【0026】
上記紫外線吸収剤としては、紫外線を選択的に吸収する性質を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキジメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキベンゾフェノン、シノキサート、ジイソプロピルケイ皮酸メチル、メトキシケイ皮酸オクチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸オクチル等が挙げられる。
【0027】
上記顔料としては、例えば、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、酸化亜鉛、セリサイト、マイカ、タルク、カーボン、薬用炭等が挙げられる。
【0028】
上記植物粉砕物及び生薬類としては、レモンの皮、海藻、ヒノキ、ヒバ、フッカス、米ヌカ、シュウブ、ショウキョウ、カンゾウ、チンピ、トウヒ、ユズ、トウキ、ニンジン、ハッカ、ケイヒ、ウバイ、ヨモギ、ドクダミ、モモノハ、カミツレ、アロエ、ジャスミン、ローズヒップ、ラベンダー、グァバ、オウゴン、クコ、レイシ、ニワトコ、アシタバ、ウコギ、ゴボウ、黒ゴマ、黒米、藤三七人参、高麗人参、田七人参、セッコツ草、ヨモギ、センキュウ等の粉砕物及びその抽出液等が挙げられる。
【0029】
上記無機塩類及び無機酸類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム(結晶又は無水)、炭酸カルシウム、ほう砂、硫酸ナトリウム(結晶又は無水)、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム(無水物も含む)、チオ硫酸カルシウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸鉄、硫化ナトリウム、硫化カリウム、次亜硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、硫黄、セスキ炭酸ナトリウム、無水ケイ酸、メタケイ酸、ホウ酸、臭化カリウム、等が挙げられる。
【0030】
上記薬効成分としては、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海藻エキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コンフリーエキス、コケモモエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウブ根エキス、ショウキョウエキス、シラカバエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズナエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、藤三七人参、接骨草、カフェイン、キサンチン、アミノフィリン、テオフィリン等が挙げられる。
【0031】
また、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,B12,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、β−カロチン、チオクト酸、CoQ10(ユビキノン)、CoQ9、CoQ8等の補酵素、タンパク質分解酵素等の創傷治癒剤、セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、メントールのピロリドンカルボン酸塩、モノニトログアヤコール、尿素、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ヒドロコルチゾン、鎮痛剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、抗菌性物質等も任意に配合することができる。
【0032】
さらに、本発明の発泡成型体浴用剤は、上記のもの以外にも、必要に応じてその他の成分として、乳糖、牛乳、練乳等の乳由来成分;チタン、タルク等の無機顔料;イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロロロヘキシジン、グルコン酸クロロヘキシジン等の殺菌剤;ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンP、CoQ10、CoQ9、CoQ8、チオクト酸等のビタミン類及び補酵素、無水珪酸、合成珪酸アルミニウム等の流動化剤;医薬品、医薬部外品並びに化粧品用タール系色素等を適宜配合できる。
【0033】
本発明の発泡成型体浴用剤は、表面をコ−ティング剤によって被覆されたものであることが好ましい。表面をコ−ティング剤によって被覆することで溶解性を調整することができる。上記コ−ティング剤としては、カルナバロウ、シェラック、アラビアガム等の天然ワックス類やガム類やヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、セルロース、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
【0034】
上記被覆の方法としては、上記コ−ティング剤を水及びアルコール、油溶性物質中に溶解又は分散させて、これを浴用成型体に噴霧して乾燥させるとよい。図3にコ−ティング剤により被覆された本発明の発泡成型体浴用剤を示す。上記コ−ティング剤は、必要に応じ適宜配合量を調整できるが、作業性、安定性、経済性の関係から上記発泡成型体浴用剤100質量%に対して0.005〜10質量%配合することが好ましい。
【0035】
本発明の発泡成型体浴用剤は、固形分に対して、体積比で10%以上の空気を含むように発泡したものであることが好ましい。本発明の発泡成型体浴用剤は、上記成分に水を添加して常法によって気泡した後、乾燥工程を経ることによって水分を除去することによって形成することができる。
【0036】
本発明の発泡成型体浴用剤は、粉末、顆粒、ジェル、クリーム、樹脂成型品(例えば、樹脂をキャラクター、動物、植物等の任意の形状に成型したもの)、ゼラチンカプセル及びコットンパフからなる群より選択される少なくとも1種からなるコア部を有するものであってもよい。例えば、図1に、所望の成分を含有した粉末、顆粒、ジェル、クリーム、樹脂成型品、ゼラチンカプセル又はコットンパフからなるコア部を有する本発明の発泡成型体浴用剤の一例の断面図を示す。このようなコア部を有することによって、使用時に発泡成型体浴用剤が溶解した後でコア部を形成する成分が表面に現れることとなり、これによって皮膚への良好な効果を得ることができたり、従来にない遊戯性を有する浴用剤とすることができたりする。上記コア部は、1つであってもよいし、又は、2以上であってもよい。図4に、2つのコア部を有する本発明の発泡成型体浴用剤の一例の断面図を示す。
【0037】
その他の態様としては、顆粒、透明セッケン、シルクパウダー、パルプ及び樹脂ビーズからなる群より選択される少なくとも1種が剤中に分散されてなるものであってもよい。図2に、所望の成分が剤中に分散された発泡成型体浴用剤一例の概略図を示す。このようにすることで、見た目にも優れた商品を得ることができる。また、使用に際して皮膚に対する有効成分等が徐々に現れたり溶出したりすることによって、浴用剤としての良好な効果を得ることができる。
【0038】
また、本発明の発泡成型体浴用剤は、お互いに固結しないために、コーンスターチ、デキストリン、でんぷん、無水ケイ酸等の粉末を、体質量%当たり、2%から20%を表面にまぶすとよい。
【0039】
本発明の発泡成型体浴用剤は、他の浴用剤成分と併用して使用することもできる。本発明の発泡成型体浴用剤は、乾燥減量が12質量%以下である少なくとも1種の粉末、顆粒又は固形状の浴用剤成分と同封してもよい。このような発泡成型体浴用剤組成物もまた、本発明の一つである。
本発明の発泡成型体浴用剤と乾燥減量が12質量%以下の粉末、顆粒又は固形状の浴用剤成分とを同封することにより、一回で発泡成型体浴用剤と他の浴用剤の保温性や保湿性の効果が得られ、さらに徐溶する発泡成型体浴用剤があることにより、優雅で豪華な気分を味わえることができる。
上記乾燥減量が12質量%を超えると、成型した他の発泡成型体浴用剤との相性が悪く保存中に、べたついたり、型が変化したり、変色したりするおそれがある。
【0040】
上記粉末、顆粒又は固形状の浴用剤成分としては、特に限定されず、例えば、無機塩類、ビタミン類、米胚芽油、米発酵エキス、グリチルリチン酸ジカリウム、チンピ末、人参末、センキュウ、ショウブ、トウキ、カミツレ等の有効成分を含有した、一般的に浴用剤として使用される成分からなるものを挙げることができる。
上記本発明の発泡成型体浴用剤と上記粉末、顆粒又は固形状の浴用剤成分は、アルミパウチ等による周知の包装方法により、同封するとよい。
【0041】
また、上記粉末、顆粒又は固形状の浴用剤成分と本発明の発泡成型体浴用剤と別々に包装し、同時に使用して、入浴してもよい。このような入浴方法も本発明の一つである。
【0042】
本発明の発泡成型体浴用剤の製造方法としては、特に限定されず公知の方法を用いればよい。例えば、上述した成分を混合し、濃縮し、熟成し、空気又は圧縮空気を用いてミキサー等で泡立て、押し出し機にて希望の形状に成型し、切断するか、又は型にいれ一定の厚みを有し、冷却し、ゲル化を安定にする。また必要に応じて熱乾燥や凍結乾燥することで得られる。また、本発明の発泡成型体浴用剤は、乾燥させた後、表面をコーティング剤により被覆してもよい。
【0043】
上記成型方法としては、例えば、澱粉の型や、ビスケットの台上に希望の形に絞り、成型するデポジッター方法と、ノズルから連続的に澱粉等に押し出し、切断成型するエクストルーダー方法が挙げられる。
上記泡立機にはバーティカルビーター、ホリゾンタルビーターやプレッシャビーティングマシーン等が用いられる。また、上記バーティカルビーター等で泡立てられた生地は澱粉等で作った型に流しこみ整形し乾燥して製造される。
【0044】
本発明は、水溶性成分からなる発泡成型体浴用剤であって、上記発泡成型体浴用剤は、体積が3mm以上であり、0.1gを40℃の温水6Lに溶解するのに150秒以上形状を維持することを特徴とする発泡成型体浴用剤である。このため、従来にはない新しい形態を有し、かつ浴水に好適に浮遊し、徐々に溶解するものであるため、遊戯性、視覚性に優れたものである。
【発明の効果】
【0045】
本発明の発泡成型体浴用剤は、上述した構成からなるため、新規な形態を有し、かつ浴水に好適に浮遊することができ、遊戯性や視覚性に優れたものである。このため、浮遊型発泡成型体浴用剤として好適に適用される。また、公知の発泡成型体浴用剤と併用して使用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下に本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「質量部」、「質量%」を意味する。
【0047】
(実施例1)
表1に従って、グラニュー糖、転化糖及び水飴を水の一部にて溶解し煮詰めた後、残りの水にゼラチンを加熱溶解し、残りの成分を添加して混合し、ハンドミキサーで強く撹拌した後、泡立て型に流し入れ、縦200mm、横300mm、厚さ5mmの直方体を得た。これを冷却時に10mm×10mm×5mmに切断し、実施例1−Aを得た。得られたものの成分を表1に示す。さらに、これを60℃で5時間熱風乾燥し、実施例1−Bを得た。また上記実施例1−Bを凍結乾燥機にいれ24時間乾燥させ実施例1−Cを得た。
それぞれの、赤外線水分計(ケット科学社製)で105℃、50分での乾燥減量は以下の通りである。
実施例1−A 17%
実施例1−B 13%
実施例1−C 5%
【0048】
(比較例1)
0.7mmメッシュで押し出し1mm以下のものを得た以外は、実施例1と同様にして比較例1を得た。
【0049】
(溶解時間の評価方法)
上記で得られた実施例1−A、1−B、1−C及び比較例1の発泡成型体浴用剤0.1gを、それぞれ、温度22℃、湿度50%の環境下で40℃、6Lの湯中に入れた。実施例1−A、1−B、1−Cは、水面に好適に浮遊し、いずれも完全に溶解するのに150〜300秒を要したが、比較例1は、瞬時に溶解した。
【0050】
(実施例2及び3)
表1に従って、グラニュー糖、転化糖及び水飴を水の一部にて溶解し煮詰めた後、残りの水にゼラチンを膨潤させて加熱溶解し、残りの成分を添加して混合し、縦型オープン式ミキサーで強く撹拌した後、澱粉モールド平滑な台上に花の形に絞り、成型し、実施例2及び実施例3を得た。得られたものの成分を表1に示す。
【0051】
(実施例4〜6)
表1に従って、グラニュー糖及び水飴を水の一部にて溶解し煮詰めた後、残りの水にゼラチンを膨潤させて加熱溶解し、残りの成分を添加して混合し、縦型オープン式ミキサーで強く撹拌した後、澱粉モールドの平滑な台上に花の形(体積50mm)に充填絞り、成型し、それぞれ実施例4−A、実施例5、実施例6を得た。得られたものの成分を表1に示す。
さらに、実施例4−Aを60℃で8時間熱風乾燥し、実施例4−Bを得た。また上記実施例4−Bを凍結乾燥機にいれ24時間乾燥させ実施例4−Cを得た。
それぞれの、赤外線水分計(ケット科学社製)で105℃、50分での乾燥減量は以下の通りである。
実施例4−A 22%
実施例4−B 16%
実施例4−C 6%
【0052】
【表1】

【0053】
(実施例7〜11)
表2に従って、グラニュー糖及び水飴を水の一部にて溶解し煮詰めた後、残りの水にゼラチンを膨潤させて加熱溶解し、残りの成分を添加して混合し、縦型オープン式ミキサーで強く撹拌した後、澱粉モールド平滑な台上に花の形に絞り、成型し、実施例7〜11を得た。得られたものの成分を表2に示す。
【0054】
【表2】

【0055】
(実施例12)
花型の形(5g)に絞る際、中心部に、0.3gの粉末入浴剤(12−a)、0.3gのクリーム状入浴剤(12−b)、0.1gのポリプロピレン樹脂からなる星型成型物(12−c)、350mgのゼラチンカプセル入浴剤(12−d)、0.3gの圧縮したコットンパフφ10mm(12−e)、図4のように赤色のジェル入浴剤及び青色のジェル入浴剤をそれぞれ0.5g(12−f)を、それぞれ注入した点以外は、実施例11と同様にして発泡成型体浴用剤を製造した。
【0056】
(実施例13)
発泡成型体浴用剤100質量%に対して、合計量30質量%の顆粒、2mmの透明セット、シルクパウダー(16meshon)、レモンパルプ、樹脂ビーズを配合し、すばやく混合して花型に成型し、更に、中心部に赤と青のジェル入浴剤と保湿剤を5質量%ずつ注入した点以外は、実施例11と同様にして発泡成型体浴用剤を製造した。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の発泡成型体浴用剤組成物は、徐溶性の浮遊型発泡成型体浴用剤として好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の発泡成型体浴用剤の一例の断面図である。
【図2】本発明の発泡成型体浴用剤の一例の概略図である。
【図3】本発明の発泡成型体浴用剤の一例の断面図である。
【図4】本発明の発泡成型体浴用剤の一例の断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1、5、8、9 コア部
2、4、6、10 発泡成型体浴用剤
3 浴用剤成分
7 コーティング剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性成分からなる発泡成型体浴用剤であって、
前記発泡成型体浴用剤は、体積が3mm以上であり、0.1gを40℃の温水6Lに溶解するのに150秒以上形状を維持する
ことを特徴とする発泡成型体浴用剤。
【請求項2】
水溶性成分は、糖類、並びに、水溶性高分子、ゼラチン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、澱粉及び卵抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ水分が1〜25質量%である請求項1の発泡成型体浴用剤。
【請求項3】
起泡することによって形成された気泡構造を有する請求項1又は2記載の発泡成型体浴用剤。
【請求項4】
更に保湿剤及び香料を含有する請求項1、2又は3記載の発泡成型体浴用剤。
【請求項5】
粉末、顆粒、ジェル、洗顔クロス、クリーム、樹脂成型品、ゼラチンカプセル及びコットンパフからなる群より選択される少なくとも1種からなるコア部を有するものである請求項1、2、3又は4記載の発泡成型体浴用剤。
【請求項6】
顆粒、透明セッケン、シルクパウダー、パルプ及び樹脂ビーズからなる群より選択される少なくとも1種が剤中に分散されてなる請求項1、2、3、4又は5記載の発泡成型体浴用剤。
【請求項7】
表面をコーティング剤によってさらに被覆したものである請求項1、2、3、4、5又は6記載の発泡成型体浴用剤。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の発泡成型体浴用剤と乾燥減量が12質量%以下である少なくとも1種の粉末、顆粒又は固形状の発泡成型体浴用剤成分とを同包した発泡成型体浴用剤組成物。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の発泡成型体浴用剤と液体、粉末、顆粒又は固形状の浴用剤成分とを同時に使用し、入浴する入浴方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−249026(P2006−249026A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70139(P2005−70139)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000000952)カネボウ株式会社 (120)
【出願人】(599077591)有限会社サーディン研究所 (2)
【Fターム(参考)】