説明

発煙を低減されたフルオロポリマー

【課題】高温における粒状物質の排出を低減する溶融加工可能なフルオロポリマーを提供する。
【解決手段】溶融加工可能なフルオロポリマーのオリゴマー含量の低減に関するものであり、重合しただけのフルオロポリマーを溶融する工程と、溶融した重合しただけのフルオロポリマーの無限表面を生成する工程と、無限表面をガス流と接触させる工程と、得られた溶融フルオロポリマーの揮発分を除去する工程とを含み、フルオロポリマーは、重合しただけのフルオロポリマーよりも少なくとも25ppm少ないオリゴマーを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温における低減された粒状物質の排出を特徴としている溶融加工可能なフルオロポリマーに関する。
【0002】
この出願は、特願2007−510989号の分割出願である。
【背景技術】
【0003】
フルオロポリマーは特定の数平均または重量平均分子量を有するものとして説明できるが、それは様々な分子量のポリマー鎖で構成されることが公知である。より小さなポリマー鎖は、ポリマーの、より低分子量の分画を構成し、オリゴマーとして説明できる。(非特許文献1)に開示されているように、溶融加工においてこれらのオリゴマーは若干の揮発性を有し、溶融ポリマーの塊から分離することができ、ポリマー煙霧熱を生じさせることがある粒状物質を形成する。
【0004】
高温における粒状物質の排出を低減するフルオロポリマーを有することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,626,587号明細書
【特許文献2】米国特許第5,318,358号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】セイデル(Seidel)ら著「テトラフルオロエチレンホモポリマーおよびそのコポリマーをヘキサフルオロプロピレンおよびペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)と共に加熱することによって生じた煙霧の化学的、物理的、および毒性の特性決定(“Chemical, Physical, and Toxicological Characterization of Fumes Produced by heating Tetrafluoroethylene Homopolymer and its Copolymer with Hexafluoropropylene and Perfluoro(propyl vinyl ether)”)」、Chem.Res.Toxicol.1991年、第4巻、229〜236ページ
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、粒状物質の排出の実質的に低減された溶融加工可能なフルオロポリマーを提供することによってこの要望に応えるものである。フルオロポリマーから除去されうるオリゴマーの量によって定量するとき、(非特許文献1)において報告されているようにフルオロポリマー中に存在する微量のオリゴマーは、百万(重量)分率(ppm)単位で測定可能である。本発明のフルオロポリマーは、重合しただけの場合よりも少なくとも約25ppm少ないオリゴマーを有するフルオロポリマーによって特徴づけることができる。フルオロポリマー中のオリゴマーの量は、重合プロセスの間のポリマー鎖の早期停止の結果である。これは、フルオロポリマーの重合しただけのオリゴマー含量である。
【0008】
本発明のフルオロポリマーはまた、それが製造される方法を特徴とし、すなわち重合しただけのオリゴマー含量を低減することができる。従って、低下されたオリゴマー含量を有するフルオロポリマーは、前記フルオロポリマーを溶融する工程と、前記溶融されたフルオロポリマーの無限表面を生成する工程と、この無限表面をガスと接触させる工程と、得られた溶融フルオロポリマーの揮発分を除去する工程とによって製造される。この実施態様も好ましくは、重合しただけのフルオロポリマーのオリゴマー含量を少なくとも25ppm低減するために実施される。
【0009】
オリゴマーとして本明細書中で言及される、フルオロポリマーから排出される揮発性物質は粒状物質であるので、本発明のフルオロポリマーを得るためのオリゴマー含量の低減は、低減された粒状物質の排出によって特徴づけることができ、イオン化煙感知器からの電圧変化によって検出することができる。本発明のこの実施態様によるフルオロポリマーは、煙感知器試験を実施した際に、前記フルオロポリマーのための上限連続使用温度において、重合しただけのフルオロポリマーによって示される電圧変化の約25%以下の電圧変化を示すことを特徴とする。フルオロポリマーのための上限連続使用温度は、フルオロポリマーの製造元によって設定および公開される。煙感知器試験は本質的に(非特許文献1)において言及された測定装置および手順であり、以下により詳細に説明される。
【0010】
本発明の前述の実施態様のすべてにおいて、オリゴマー含量を重合しただけの量から低減する方法は溶融加工を必要とするのでフルオロポリマーは溶融加工可能である。また、フルオロポリマーは、このような金属がフルオロポリマーの溶融加工に与えるいかなる有害な効果も避けるためにアルカリおよびアルカリ土類金属を含有しない。
【0011】
FEPとして公知の溶融加工可能なテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン(TFE/HFP)コポリマーについては、本発明のFEPの低減された粒状物質の排出は、前記FEPが煙感知器試験を実施した際に200℃において約0.025ボルト以下または350℃において約2ボルト以下のいずれかの電圧変化を示すことを特徴とし、前記フルオロポリマーはアルカリおよびアルカリ土類金属を含有しない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
溶融加工可能なフルオロポリマーのオリゴマー含量は、オリゴマー含量を低減する可能性が最も高い工業において使用される条件下でのオリゴマー含量の低減を特徴としうる。特に、フルオロポリマーの溶融押出は、押出物が押出機を出る直前に押出機内に揮発分除去(devolatilization)領域を備える場合がある。押出機内のフルオロポリマー溶融体の高温は、オリゴマーが揮発するための最良の条件を提供し、後続の揮発分除去領域は、オリゴマーを溶融ポリマーから除去するための最良の条件を提供する。押出し後かつフルオロポリマーの融解温度より十分に低い高温においてフルオロポリマー固体床をスパージして固形分中に閉じ込められた残留ガスを除去することが知られているが、スパージング(sparging)は、より高沸点のオリゴマーを除去することができず、スパージングの温度は、スパージされているフルオロポリマーペレットが互いに粘着する、すなわち「ブロッキングする」のを避けるために十分に低く保持されなければならない。
【0013】
本発明によって、フルオロポリマーは、オリゴマーの除去のための条件を増大させる特別な方法において溶融押出および揮発分除去を実施され、この方法は、新規な、低オリゴマー含量フルオロポリマーを、重合しただけの同じフルオロポリマーのオリゴマー含量から区別するように運転される。前記特別な方法は、フルオロポリマーを溶融する工程と、液体の沸騰に似た、溶融フルオロポリマーのために無限表面を生成する工程とを必要とし、ここで分子は液体からその任意のおよび全ての部分から離脱することができる。この方法の重要な態様は、溶融ポリマーの無限表面がガスストリームと接触されるということである。ガスは揮発性オリゴマーをポリマー溶融体から取り除く。これは、溶融ポリマーに揮発分除去を実施し、オリゴマーを真空装置内に集め、その重量を、溶融加工されているフルオロポリマーの重量と比較する次の工程から明らかである。ガスが取り除かれるとき、上述のように、オリゴマーの除去は、ガスが使用される時に除去された量の1/10未満に低下する。ガスが使用される時に除去されるオリゴマーの比較的多量が、ガスが使用されない時にフルオロポリマー中に残存する。この量は、フルオロポリマー中に存在するオリゴマーの重合しただけの量に含まれると考えうる。
【0014】
いま記載した方法は、フルオロポリマーの溶融加工において通常ではないが、それは一般に、フルオロポリマーを分解させる時間の間フルオロポリマーを高い溶融温度に暴露するのを最小限に抑え、かつフルオロポリマーに非常に高い剪断を加えてそれによりフルオロポリマーを分解させるのを回避するために行なわれる。この予備的措置の例外は、ポリマー鎖HFPダイアッドおよびトライアッドを除くために米国特許公報(特許文献1)に開示されたFEPの強力押出機の剪断作用であり、この文献では、分解されたポリマーは分解の視覚的効果を除くために、押出し後にフッ素処理を実施される。分解は、押出されたフルオロポリマーの変色によって視認可能である場合がある。そうでなければ分解は、屈曲寿命、引張強さ、または破断点の伸びなどの1つまたは複数の物理的性質の低下から明らかになる。しかしながら、本発明のフルオロポリマーを製造するための特別な方法は、溶融フルオロポリマーに、過度の剪断を用いず、かつ分解を避けるための時間/温度条件内で表面更新を実施する領域を備える押出機で行なうことができ、ガスをこの領域に注入して溶融フルオロポリマーの絶えず再生させる表面と接触させ、揮発オリゴマーを取り除く。表面更新は無限表面を生成し、液体の沸騰をシミュレートし、ここで表面の量は測定可能ではないが、その無限の性質は、ガスがオリゴマーを溶融体から取り除く能力によって示され、溶融樹脂の内部部分がガス/溶融ポリマー界面にもたらされる程度を示す。表面更新の程度は測定されないが、その存在は、フルオロポリマーからのオリゴマーの除去によって示される。次に、溶融フルオロポリマーを揮発分除去領域に送り、ここでオリゴマーを溶融ポリマーから除去する。表面更新領域と揮発分除去領域とは、溶融フルオロポリマーを揮発分除去領域まで送らせるスクリュー要素のピッチと比較して押出スクリューの、より小さいまたは逆ピッチによって生成された溶融フルオロポリマーのプラグによって分離される。これは、ガスが、揮発分除去領域において早期に除去されずに表面更新領域において溶融フルオロポリマーと十分に接触することを可能にする。揮発分除去領域において加えられた真空は、表面更新領域からのガスの早期の除去を回避するために小さい。表面再生領域を揮発分除去領域から分離する溶融フルオロポリマーのプラグの存在にもかかわらず、表面更新領域において揮発し、フルオロポリマーから取り除かれているオリゴマーは揮発分除去領域において除去される。揮発分除去した後、フルオロポリマーは冷却される。
【0015】
ガス接触の存在下で行なわれる溶融ポリマーの表面更新は、溶融フルオロポリマーの無限表面を生成し、オリゴマーをフルオロポリマーから除去することを可能にする。この除去は、表面更新領域において短い滞留時間、通常、約60秒未満で行なわれる。
【0016】
この方法がフルオロポリマーに実施されるとき、揮発分除去もまた押出機内で実施されることを条件にして、フルオロポリマーは、オリゴマーをフルオロポリマーから除去するのに最も好ましい押出機条件にかけられている。ガスを表面更新領域に導入せずに溶融フルオロポリマーに揮発分除去を実施するとき、揮発分除去から集められたオリゴマーの量は2ppmに相当する。Nなどの不活性ガスを表面更新領域に導入することを除いて、同じフルオロポリマーを同様に処理するとき、集められたオリゴマーの量は、ガスが使用されない時に集められた量の10倍を超える。少なくとも25ppmのオリゴマーが除去される。フッ素などの反応性ガスが表面更新領域に導入されるとき、集められたオリゴマーの量は、ガスが使用されない時に集められた量の100倍を超える。少なくとも200ppmのオリゴマーがフルオロポリマーから除去される。この情報およびこの改良を得るために用いられた押出装置についての詳細を有する実施例は、本明細書中に後で示される。
【0017】
フッ素などの反応性ガスが使用される時に最良の結果が得られるが、非反応性ガスが使用される時に得られた10倍を超える改良は貴重な寄与である。さらに、フルオロポリマーがテトラフルオロエチレン/エチレンコポリマーにおけるエチレン単位など、ポリマー鎖にフッ素反応性単位を含有するとき、非反応性ガスだけが使用されるのがよい。
【0018】
また、フルオロポリマーは、本質的に(非特許文献1)において言及された測定装置および手順であり以下により詳細に説明される、煙感知器試験を実施して、重合しただけのフルオロポリマーと比較した時のその低減されたオリゴマー含量の指標として、本発明の方法のフルオロポリマーの低減された粒状物質を測定することができる。
【0019】
上に記載された特別な方法は、概してフルオロポリマーに適用可能であり、温度、許容剪断、および滞留時間の条件は、特定のフルオロポリマーに依存する。これは、注入されたガスの領域において無限表面の条件を得るために押出機成分(要素)と一緒に、フルオロポリマーを分解することなくオリゴマーを除去するように選択される。押出機要素は実施例に記載されている。それらは、フルオロポリマーに悪影響を及ぼすことなく必要とされる無限表面を得るためのフルオロポリマーの要求条件に従って選択される。溶融加工されているフルオロポリマーの溶融加工特性および最適なオリゴマー除去をもたらすために無限表面を得る必要性の理解によって、実施例は、要素の選択および配置を提供する。
【0020】
低減されたオリゴマー含量を有する溶融加工可能なフルオロポリマーの例は、テトラフルオロエチレン(TFE)と、コポリマーを溶融加工可能にするために十分な量のコモノマーの1つまたは複数とのコポリマーである。コモノマーは過フッ素化されてもよく、または炭素原子鎖に結合したエーテル結合上に側基が置換されうるように、フッ素のほかに水素および塩素などの他の一価の原子が炭素原子鎖上に置換されうるが、それにもかかわらず、フルオロポリマーは、少なくとも約35重量%のフッ素を含有する。「溶融加工可能な(melt−processible)」とは、加熱した時にフルオロポリマーが流れることを意味し、非常に高い溶融粘度を有するので加熱した時に流れないポリテトラフルオロエチレンから区別される。また、フルオロポリマーの溶融加工性(melt−processibility)は、フィルム、ファイバー、管、ワイヤーコーティング等の最終物品に押出および射出成形などの加工によってそれを溶融製造できることを意味する。オリゴマーの除去は、所望の最終物品を得るための溶融製造方法の一部であってもよく、または後で所望の最終物品の溶融製造において使用されるペレットを最初に形成するために、溶融製造とは別個であってもよい。
【0021】
溶融加工性は一般に、溶融粘度が約10Pa・s以下であることを必要とする。好ましくはそれは、約10〜10Pa・s、最も好ましくは約10〜10Pa・sの範囲である。溶融加工可能なペルフルオロポリマーの溶融粘度は、次のように改良されたASTM D1238−52Tによって測定される。シリンダー、オリフィスおよびピストン先端は、ヘインズ・ステライト・カンパニー(Haynes Stellite Co.)によって製造された耐腐蝕性合金、ヘインズ・ステライト(Haynes Stellite)19から作製される。5.0gの試料を、過フッ素化ポリマーについてASTM D2116およびASTM D3307に開示されているような、372℃±1℃に保持されている内径9.53mm(0.375インチ)のシリンダーに入れる。試料をシリンダーに入れた5分後、それを直径2.10mm(0.0825インチ)、長さ8.00mm(0.315インチ)の四角形エッジのオリフィスを通して、5000グラムの負荷(ピストン+重り)下で押出す。これは、44.8kPaの剪断応力(1平方インチ当たり6.5ポンド)に相当する。Pa・s単位の溶融粘度は、53170を10分当たりのグラム単位の観察された押出量で割った値として計算される。ポリマー鎖に炭化水素基を含有するフルオロポリマーの溶融粘度をASTM D3159およびASTM D5575など、これらの特定のポリマーのためのASTM手順に準拠して測定することができる。
【0022】
フルオロポリマーの1つの例は、FEPとして公知の、TFEとヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーである。ペルフルオロ(エチルまたはプロピルビニルエーテル)などの付加的な共重合モノマーが、FEP中に存在してもよい。エチレンもまた、TFEおよびHFPと共重合されてEFEPを形成することができる。フルオロポリマーの別の例は、TFEとペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、およびペルフルオロジメチルジオキソール(PDD)とのコポリマーである。TFE/PAVEコポリマーはPFAとして公知であり、MFAを含有することができる。PAVEには、アルキル基が1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子を含有する、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)があり、例えばペルフルオロ(プロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、およびペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)またはそれらの混合物などがある。TFE/PMVEおよびPPVEのコポリマーはMFAとして公知である。PFAは、半導体製造において使用するための加工装置を作製するために押出および射出成形において一般に使用され、ここで加工装置の極度の清浄さおよび化学的不活性が必須である。PFAの化学的不活性を増強するためにおよびPFA−製造装置の平滑な表面を提供するために多くの技術が開発されている。半導体製造の間、微量でも粒状物質の排出は半導体を汚染することがあり、それを廃棄とする原因となる。
【0023】
フルオロポリマーのさらに別の例は、ポリマー鎖に炭化水素基を含有するフルオロポリマーであり、それぞれETFEおよびECTFEとして公知の、テトラフルオロエチレンまたはクロロトリフルオロエチレンとエチレンとのコポリマー、およびTHVとして公知の、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンのコポリマーである。
【0024】
前記フルオロポリマーは結晶質または非晶質であってもよい。結晶質とは、ポリマーが特定の結晶度を有し、ASTM D3418によって測定された検出可能な融点、および少なくとも約3J/gの融解吸熱を特徴とすることを意味する。先述の定義によって結晶質でない溶融加工可能なポリマーが非晶質である。非晶質ポリマーはエラストマーを包含し、それは、ASTM D3418によって測定した時に約20℃未満のガラス転移温度を有することによって識別される。
【0025】
低減されたオリゴマー含量を有することに加えて、本発明のフルオロポリマーはまた、他のありうる汚染源を含有しないのがよい。コポリマー中に存在することがある最も一般的な汚染物質の1つは、フルオロポリマーを形成する重合を実施するために用いられた特定の開始剤から生じるようなアルカリまたはアルカリ土類金属(イオン)である。フルオロポリマーを重合媒体から生じさせて溶融加工装置に供給するためにそれを準備することは、このような金属をポリマーから除去し、溶融加工においてそれからのいかなる悪影響も避ける工程を包含する。本発明によって、アルカリまたはアルカリ土類金属は重合系に添加されず、それによって、フルオロポリマーはこのような金属を含有しない。代わりに、過硫酸アンモニウムなど、このような金属を含有しない重合開始剤が使用される。「アルカリおよびアルカリ土類金属を実質的に含有しない」とは、フルオロポリマーが、10ppm以下、好ましくは5ppm以下のアルカリおよびアルカリ土類金属を含有することを意味する。
【実施例】
【0026】
実施例の溶融加工のすべてが、表面更新領域の押出機バレルの内面と同じ高さの縦孔開口を有するロッドである、射出プローブと、揮発分除去領域の真空孔とを備えた57mm二軸スクリュー押出機で実施される。二軸スクリュー押出機が、ダイを備えている120mm一軸スクリュー押出機に溶融フルオロポリマーを供給する。二軸スクリュー押出機は、樹脂溶解装置およびオリゴマーリムーバーとして役立ち、一軸スクリュー押出機は、樹脂をスクリーンパックおよびダイ中に移動させるために必要な圧力を生じさせる溶融ポンプとして役立つ。ダイを出るポリマーは切断および冷却される。
【0027】
上述の二軸スクリュー押出装置は、コペリオン・コーポレーション製のコムビプラスト(Kombiplast)(登録商標)押出機である。耐腐蝕性材料は、ポリマー溶融体と接触するそれらの部品のために用いられる。二軸スクリュー押出機は、並んで配置された2つの同時回転スクリューを有する。スクリュー構成は、かみ合い形材および接近したクリアランスを有するように設計され、それらを自動拭い取り性にさせる。スクリュー構成は、混練ブロック、混合要素、および搬送スクリューブッシュを備える。押出機の最初の15の長さ/直径ユニット(L/D、Lは押出機バレルの内部長であり、Dはブッシュの直径である)は溶融領域である。これは、供給部、固体搬送部、および混練ブロック部を備える。混練ブロック部は高剪断を提供し、ポリマーの適切な溶融を確実にする。溶融部は、メルトシールを形成する左回りブッシュ(後方ポンプ輸送)で終わり、最終混練ブロックの完全な充填を確実にする。メルトシールは、表面更新領域への入口を形成する。
【0028】
次の19L/Dは、溶融フルオロポリマーの無限表面を生成し、かつ溶融フルオロポリマーを揮発分除去領域に向かって搬送する押出機スクリュー要素を備える。押出機要素には、溶融フルオロポリマーが表面更新領域を通過する時に低剪断において表面更新を遂行する混合要素が含まれる。表面更新領域を構成する要素は、1つの80mmのアンダーカット搬送ブッシュ(SKブッシュとしても公知であり、ここで80mmは、要素の長さであると共に要素の一回転においての螺旋ねじ山のピッチである)と、アンダーカットから基準まで移行する1つの40mmの搬送ブッシュ(SK−Nブッシュとしても公知であり、ここで40mmが要素の長さであり、要素の一回転においての螺旋ねじ山のピッチは80mmである)と、2つの40mmの搬送ブッシュ(40mmは、要素の長さであると共に要素の一回転においての螺旋ねじ山のピッチである)と、2つの30mmのZME要素(ここで30mmは要素の長さであり、要素の一回転においての螺旋ねじ山のピッチは15mmである)と、1つの40mmの搬送ブッシュと、3つのSME要素(40mmは、要素の長さであると共に要素の一回転においての螺旋ねじ山のピッチである)と、2つの40mmの搬送ブッシュと、4つのTME要素(20mmが要素の長さであり、ピッチはない)と、2つの40mmの搬送ブッシュと、3つのTME要素と、2つの40mmの搬送ブッシュと、2つのZME要素と、2つの40mmの搬送ブッシュと、1つの30mmの搬送ブッシュ(30mmは要素の長さであると共に要素の一回転においての螺旋ねじ山のピッチである)と、20mmの左回りブッシュ(ここで20mmが要素の長さであり、要素の一回転においての螺旋ねじ山のピッチが40mmである)とを含有し、揮発分除去領域に対してメルトシールを提供する。
【0029】
ZME要素は、米国特許公報(特許文献2)の図4において多数の要素として示されており、前記特許の図1に示されるように、押出機を通る溶融フルオロポリマーの前進方向に対して逆ポンプ輸送である。これらの要素はまた、スクリューねじ山の外面にノッチを有し、溶融フルオロポリマーを小さなストリームに破壊し、フルオロポリマーの前進方向に移動させることができる。TME要素は、それらがポンプ輸送作用に対してニュートラルであることを除いて、ZME要素に似ており、すなわちそれらはギアに似ている。SME要素は、それらが前方ポンプ輸送であることを除いて、ZME要素に似ている。各々のZME、TME、およびSME要素は、その各ねじ山の外面に少なくとも10ノッチを有する。すべてのこれらの要素は、1つの突起部だけ(1つのねじ山)を有するZMEおよび円筒状ノッチ付きディスクであるTME要素を除いて、二突出部(bilobal)(1要素当たり2つのねじ山)である。
【0030】
厚さ1mmのスペーサーリングが搬送ブッシュとZME要素との間に存在する。表面更新領域を構成する要素は、溶融フルオロポリマーをこの領域に充填させず、すなわち蒸気スペースが利用可能であり、多数のZME、TMEおよびSME要素によって生成および再生成されている溶融フルオロポリマーの小さなストリームと接触している。表面更新領域は、実施例の特定の溶融加工において用いられる場合、前記領域にガスを供給するために前記領域の開始付近に配置されたガス注入孔を備える。表面更新領域の溶融フルオロポリマーの滞留時間は35秒である。
【0031】
次の5L/Dは、減圧排気区域(揮発分除去領域)を含有する。溶融ポリマーが部分真空に暴露され、反応性および腐蝕性ガスが大気中に逃散しないように、揮発分除去領域は自由体積を提供する溶融促進要素を備える。実施例において揮発分除去領域に用いられた真空は13.7psia(95kPa)である。
【0032】
アンダーカットブッシュ(SK)は、実施例において揮発分除去領域の促進要素を提供するための有効な方法である。最終の2L/Dを用いて、真空シールを提供し、溶融ポリマーを一軸スクリュー押出機にポンプ輸送する。揮発分除去領域に加えられた真空は真空源と揮発分除去領域との間の円筒状チャンバと連通し、このチャンバにわたって配置された秤量した(tared)50メッシュスクリーンを通して真空が加えられる。揮発されたオリゴマーは、このスクリーン上に凝縮する。スクリーンの除去およびスクリーン上にある間の凝縮されたオリゴマーの秤量は、除去されたオリゴマーの量を示す。オリゴマーのこの重量とスクリーン上にオリゴマーを集める間に押出機内で加工されたフルオロポリマー溶融体の重量とを比較することにより、オリゴマーを除去する前にフルオロポリマー中に以前に存在したオリゴマーの重量比率を示す。スクリーンまたは他の収集装置がなければ、溶融加工運転の一部としてオリゴマーの影響を検出することはできない。
【0033】
スクリーンから回収された蝋質固体をガスクロマトグラフ(GC)で250℃に加熱し、得られたガスストリームを分析する。GCピークは、C1124とC2042との間の過フッ素化炭素化合物の広い分布を示す。若干の残留材料が残り、さらにより高沸点の成分が存在することを示す。この分析は、蝋質固体がフルオロカーボンオリゴマーの混合物であることを示す。
【0034】
二軸スクリュー押出機が空になり、濾過およびペレットの形成のために低い剪断速度において圧力を生じるように設計されている、一軸スクリュー溶融ポンプに移る。押出された溶融体は、250の2.5mmダイ孔を有するダイを通して溶融切断される。ペレットは水のストリームによって冷却される。
【0035】
二軸スクリュー押出機と一軸スクリュー押出機との両方が、350℃に設定されるダイを除いて、300℃のバレル設定温度で運転される。
【0036】
(実施例1)
過硫酸アンモニウム(APS)開始剤で重合された、FEPとして公知の、テトラフルオロエチレン(TFE)と12.0〜12.3重量パーセントのヘキサフルオロプロピレン(HFP)、すなわち3.8のHFPI、1.1〜1.3重量パーセントのペルフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)とのコポリマーの圧縮フレークが供給材料として使用される。ポリマーは、31.9〜32.5の初期溶融流量(MFR)を有し、重合においてまたは後で添加された成分から生じるアルカリおよびアルカリ土類金属を含有しない。真空装置は、表面更新領域に一切のガスを注入せずに60分間、運転後に開けられ、蝋質材料の少数の小さな粒子が真空装置のスクリーン上に観察される。蝋質材料の、押出機によって加工されたポリマーに対する重量比は2ppmである。これは、実験前のスクリーンの重量を実験後のスクリーンとオリゴマーとの重量から減算して、集められたオリゴマーの重量を定量し、このオリゴマーの重量を溶融加工実験の時間の間に加工されたフルオロポリマー溶融体の重量と比較することによって定量される。
【0037】
(実施例2)
一切のガスを注入せずに10分間、プロセスが運転されることを除いて、実施例1に似た溶融加工および実施例1の場合と同じフルオロポリマーが使用される。窒素の、フルオロポリマーに対する重量比9,500ppmにおいて窒素を40分間注入した。スクリーンを除去する。実施例1において分析された蝋質固体に似た蝋質固体で、しかしもっと多い量でスクリーンを覆う。蝋質材料(オリゴマー)の、窒素注入によって40分間の実験の間、押出機によって加工されたフルオロポリマーに対する重量比(一切の窒素注入を行なわずに10分の運転の間に集められたオリゴマーの量を差し引いた後の正味量)は50ppmである。
【0038】
(実施例3)
一切のガスを注入せずに5分間、プロセスが運転されることを除いて、実施例1に似た溶融加工および実施例1の場合と同じフルオロポリマーが用いられる。次に、N中の10モル%Fからなるフッ素化剤を、1300重量ppmのフッ素において15分間、押出機中に注入する。次に、窒素だけを、窒素の、ポリマーに対する重量比9,500ppmにおいて20分間注入する。一切のガス注入をせずにさらに5分間、実験を続けて溶融フルオロポリマーからのフッ素の排気を容易にする。スクリーンを除去する。スクリーンは、実施例2において得られた蝋質固体に似た蝋質固体の、しかしもっと多い量の厚い層を有する。蝋質材料の、この溶融加工実験の間、押出機によって加工されたフルオロポリマーポリマーに対する重量比は500ppmより大きい(フッ素が押出機に注入されない実験の30分間に集められたオリゴマーの量を差し引いた後の正味量)。実施例2および3において、60分の実験時間に達する前に実験を停止して、スクリーン上に集まるオリゴマーによる真空装置の閉塞(プラッギング)を避ける。実施例3は、真空を揮発分除去領域にもはや引くことができないようになるまで、オリゴマーの付着が実施例2のオリゴマーの付着を上回っても継続させられた。
【0039】
実施例2および3において除去されたオリゴマーの量は、出発フルオロポリマー、すなわち重合しただけのフルオロポリマーからオリゴマー含量を差し引いた数量を示す。これらの実施例から、25ppmのオリゴマーの最小除去が容易に達成され、フッ素がガスとして使用されるとき、オリゴマーの少なくとも200ppmの除去もまた、容易に達成されることが理解される。実施例1の場合のようにガスが使用されない時に除去されたオリゴマーの少量は、揮発分除去領域が押出機に含まれる時に通常の押出によって除去されるよりも多い量を示す。
【0040】
以下の実施例において、フルオロポリマー自体が、煙感知器試験を実施する時に粒状物質の低減によってオリゴマー含量について試験される。試験は、高温において試験されているフルオロポリマーから排出された粒状物質がイオン化チャンバを通って流れる時に電圧信号を煙感知器のイオン化チャンバから捉え、それをモニタすることによって機能する。オリゴマー粒子がイオン化チャンバを通過するとき、電圧信号が変化し、変化の大きさは、チャンバを通過する粒状物質の量に比例している。この電圧変化をモニタすることによって、樹脂中のオリゴマー含量の間の差を確認することができる。
【0041】
より詳細には、煙感知器試験は以下のように行なわれる。フルオロポリマーの試料を特定の温度において空気供給された炉内で加熱する。試料によって排出された粒状物質が、加熱された試料の上でフードとして作用する漏斗によって(凝縮せずに)濃縮され、煙感知器を備える20L容器中に空気と一緒に流れる。20L容器の目的は、煙感知器のイオン化チャンバが、それを通過する材料を検出するために十分な時間を有するようにホールドアップ(hold−up)体積を提供することである。煙感知器の出力電圧の変化は、単純な帯形記録計を用いて記録される。ガスは、20Lの容器から出てウォータートラップを通過し、後続の粒度分析のために、排出された一切の粒状物質を集める。粒度分析は、電圧変化との強い相関関係を示し、煙感知器が良好な粒状物質検出器であることを実証する。次に、ガスストリームが流量計を通過し、次いで屋内真空(house vacuum)に達する。煙感知器の電圧出力はイオン化チャンバを通過する粒状物質の濃度に比例するので、装置内のガス流の制御が望ましい。
【0042】
炉については、サーモリン(Thermolyne)タイプ6000灰化炉が使用される。空気を37slpmにおいて炉に供給する。3/8インチ(0.95cm)IDステンレス鋼管材料に溶接された直径5インチ(12.7cm)のステンレス鋼漏斗を用いてガスをオーブンから20L容器、ガスケット付き蓋および注ぎ口を有するコークパク(Qorkpak)(登録商標)バケットに移した。ステンレス鋼管材料は、容器の上部の注ぎ口のナンバー4ストッパーを通してバケットを貫通する。出口ガスおよび煙感知器の電圧リードが、バケットからバケットの底付近の2インチ(5.1cm)孔切れ目に押し込まれた2孔ナンバー12ストッパーを通る。この位置は、煙感知器のイオン化チャンバを通って効率的な空気流を確実にするように選択される。
【0043】
使用された煙感知器は、キッデ(Kidde)(登録商標)ブランドのイオン化煙警報器、モデルナンバー0916である。煙感知器は、0.9マイクロキュリーのアメリシウム241源(432年の半衰期)およびモトローラ(Motorola)MC145017Pイオン化煙感知器集積回路チップを備える。使用された検出器は、製造後2年未満である。電圧リードは、チップ上の位置14、15、および16にはんだ付けされ、電力が標準9Vバッテリーによって供給される。空気に暴露されて、この回路の電圧出力は4.9〜5.0Vである。煙感知器は、非導電性充填剤入りPTFEガスケットの覆われたトライポッド上の20L容器の真中に位置する。
【0044】
この実験のために使用された帯形記録計は、チャート送り速度1cm/分のコール・パーマー(Cole−Parmer)100mm0−5Vモデルである。この設備の水真空トラップは、J.T.ベーカー(J.T.Baker)から入手できる、100±0.5gHPLC等級の水を充填された250mL目盛シリンダーであり、20L容器とラテックス管材料を有する流量計との両方に接続される。流量計は、200〜14,000mL/分の範囲のギルモント(Gilmont)サイズ13流量計である。この流量計によって測定した時の装置を通る空気流は6L/分であり、屋内真空に直接接続することによって調節される。
【0045】
この試験において試験されたフルオロポリマー試料は、ホットプレスされる(350℃において5分、次いでコールドプレス下で5分)25ミル(0.64mm)フィルムである。1.00±0.05gの重さのこれらのフィルムの四角片は、煙感知器の電圧出力の変化が帯形記録紙上に記録される間、60分間、200℃および350℃の範囲のオーブン温度に保持される。これらの温度は高い使用温度をシミュレートし、それぞれ200℃がFEPについての最大使用温度、および溶融加工温度である。清浄水を各実験のために真空トラップ内に置き、ガスを60分間、それに通気し、試料をオーブンから取出し、ガスをさらに5分間通気し、合計65分のガス収集時間とする。次に真空トラップを除去し、装置をさらに5分間パージさせておいて一切の残留した材料を除去する−従って、装置の全パージ時間は10分である。10分間予め385℃に加熱されている小さな、直径5インチ(12.7cm)のアルミニウムパイ皿内でフィルム試料の加熱を実施して残留した製造油を除去する。
【0046】
試験された各試料について、最大電圧変化は、ベースライン(空)値と全実験中に帯形記録紙上に記録された最低電圧との間の差として記録される。これは、ベースライン電圧と電圧変化曲線との間の領域の積分とよく相関する。
【0047】
(実施例4)
実施例1〜3の溶融加工から得られたフルオロポリマーのフィルム試料に、このフルオロポリマーの上限連続使用温度である200℃において煙感知器試験を実施し、以下の結果を得た。
【0048】
【表1】

【0049】
窒素が使用される時の電圧変化はガスが使用されない時の電圧変化の75%であるが、フッ素が使用される時の電圧変化はガスが使用されない時の電圧変化のさらに25%未満である。
【0050】
(実施例5)
実施例1〜3の溶融加工から得られたフルオロポリマーのフィルム試料に、350℃において煙感知器試験を実施し、以下の結果を得た。
【0051】
【表2】

【0052】
200℃に比較して350℃において試験が実施される時の電圧変化が大きくなっていることは、フルオロポリマー中に残っている比較的多量のオリゴマーを示し、すなわち200℃を超える場合にだけ相当な蒸気圧を有する。
【0053】
NP−101として記載された別の製造元から商業的に得られたFEPの試料は、2.5ボルトの電圧変化を生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合しただけのフルオロポリマーのオリゴマー含有量を減少するための方法であって、前記重合しただけのフルオロポリマーを溶融する工程と、前記溶融した重合しただけのフルオロポリマーの無限表面を生成する工程と、前記無限表面をガス流と接触させる工程と、得られた溶融フルオロポリマーの揮発分を除去する工程とを含み、
前記重合しただけのフルオロポリマーがアルカリ金属及びアルカリ土類金属を含有せず、a)テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー(FEP);b)ペルフルオロ(エチルまたはプロピルビニルエーテル)がFEP中に存在するコポリマー;c)エチレンと、TFEおよびHFPのコポリマー(EFEP);d)TFEと、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)およびペルフルオロジメチルジオキソール(PDD)とのコポリマー;e)TFE/PAVEコポリマー(PFA);f)テトラフルオロエチレンエチレンとエチレンとのコポリマー(ETFE);g)クロロトリフルオロエチレンとエチレンとのコポリマー(ECTFE);またはh)テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンのコポリマー(THV)から選択され、
得られた揮発分の除去されたフルオロポリマーは、低下したオリゴマー含有量を有し、
前記オリゴマーは、式C(式中、xは少なくとも11であり、yは少なくとも24である)を有することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記揮発分を除去する工程の後に、前記フルオロポリマーを押出す工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ガス流が窒素であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ガス流がフッ素であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記揮発分を除去する工程が、真空によるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
得られた揮発分の除去されたフルオロポリマーが、重合しただけのフルオロポリマーよりも25ppm少ないオリゴマーを有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
得られた揮発分の除去されたフルオロポリマーが、重合しただけのフルオロポリマーよりも200ppm少ないオリゴマーを有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
得られた揮発分の除去されたフルオロポリマーが、前記フルオロポリマーのための上限連続使用温度において煙感知器試験を実施した際に、重合しただけの前記フルオロポリマーの電圧変化の約25%以下の電圧変化を示すことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
得られた揮発分の除去されたフルオロポリマーは、重合しただけのフルオロポリマーよりも粒状物質の排出が低減されており、200℃において約0.025ボルト以下の電圧変化を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
得られた揮発分の除去されたフルオロポリマーは、重合しただけのフルオロポリマーよりも粒状物質の排出が低減されており、煙感知器試験を実施した際に350℃において約2ボルト以下の電圧変化を示し、前記コポリマーがアルカリ金属およびアルカリ土類金属を含有しないことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。

【公開番号】特開2012−233194(P2012−233194A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−152858(P2012−152858)
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【分割の表示】特願2007−510989(P2007−510989)の分割
【原出願日】平成17年4月29日(2005.4.29)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】