発熱袋
【課題】 空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であって、輸液等の液体が流通するチューブの一部を蛇行させて、該蛇行部分を側面から加温し、液体を所定の温度に効率よく加温する発熱袋を提供する。
【解決手段】 (1)偏平状の発熱袋の周辺部に、貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材が設けられてなる発熱袋、(2)袋を二つ折りにした際、互いに接触する該袋の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなる発熱袋、または(3)シート状の断熱材を備え、袋と該断熱材を重ね合せた際、互いに接触する該袋と該断熱材の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなる発熱袋とする。
【解決手段】 (1)偏平状の発熱袋の周辺部に、貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材が設けられてなる発熱袋、(2)袋を二つ折りにした際、互いに接触する該袋の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなる発熱袋、または(3)シート状の断熱材を備え、袋と該断熱材を重ね合せた際、互いに接触する該袋と該断熱材の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなる発熱袋とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋に関し、さらに詳しくは、輸液等の液体が流通するチューブを保持し、効率よく液体を加温するための発熱袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者に輸液を点滴する際には、患者の痛みを緩和するために、輸液を体温に近い温度になるまで暖める処置が行なわれている。輸液は通常は10℃以下の温度で保存されており、輸液バッグ等に充填された輸液を暖める際には手間と時間がかかるとともに、点滴中は好ましい範囲の温度を維持する必要があった。そのため、輸液バッグと注射針の間を接続する輸液チューブにおいて、輸液の蛇行流通部を形成し、該蛇行部分を側面から加温して、輸液を暖める特許文献1に記載されたような輸液加熱具が開発されている。
【特許文献1】実開昭53−139798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記のような輸液加熱具に用いられる加温手段としては、例えば、液体が固体になるときに放出する熱を利用した蓄熱材、あるいは鉄等の金属と空気中の酸素との反応による発熱を利用した発熱組成物等が考えられる。
しかしながら、蓄熱材を用いる場合は、予め蓄熱材を加温しておく必要があり、手間と時間がかかるとともに、例えば病院外では電気設備がないために使用できない場合があった。また、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物は、使い捨てカイロ等に広く用いられているが、周囲の温度が低い場合は容易に温まり難く、逆に周囲の温度が高い場合は温度が高くなりすぎる傾向があり、温度コントロールが難しいという不都合があった。
【0004】
従って、本発明が解決しようとする課題は、前記のように輸液等の液体が流通するチューブの一部を蛇行させて、該蛇行部分を側面から加温し、液体を暖める加温手段において、液体を所定の温度に効率よく加温するための加温手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋において、偏平状の発熱袋の周辺部に、貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材を設け、チューブをこれらの設定箇所で折り返すように通すことにより、チューブを偏平状の発熱袋に密着保持できるとともに、折り返し回数を調整し発熱袋と接触するチューブの長さを調整して、液体を所定の温度に効率よく加温できることを見出し、本発明の第1の形態の発熱袋に到達した。
【0006】
さらに、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋、またはシート状の断熱材を備えた前記発熱袋において、発熱袋を二つ折りにした際、または発熱袋と断熱材を重ね合せた際、互いに接触する周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部を設けて、発熱袋等を前記のような形態に保持するとともにチューブをこれらの設定箇所で折り返すように通すことにより、チューブを偏平状の発熱袋に密着保持できるとともに、折り返し回数を調整し発熱袋と接触するチューブの長さを調整して、液体を所定の温度に効率よく加温できることを見出し、本発明の第2の形態の発熱袋及び第3の形態の発熱袋に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であって、該偏平状の発熱袋の周辺部に、貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材が設けられてなることを特徴とする発熱袋である。
また、本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であって、該袋を二つ折りにした際、互いに接触する該袋の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなることを特徴とする発熱袋である。
また、本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなり、シート状の断熱材を備えた偏平状の発熱袋であって、該袋と該断熱材を重ね合せた際、互いに接触する該袋と該断熱材の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなることを特徴とする発熱袋である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の発熱袋は、袋の周辺部に設けられた貫通部、切欠部、凸部、筒状部材、または嵌合部において、チューブを折り返すことができるので、輸液等の液体が流通するチューブを容易に蛇行状となるように発熱袋に密着保持させることができ、輸液等の液体を効率よく加温することが可能である。また、例えば前記の折り返しが可能な箇所を全部使用、あるいは1箇所おきに使用する等、チューブの折り返し回数を調整し、発熱袋と接触するチューブの長さを調整できるので、チューブを流通する輸液等の液体の温度を容易にコントロールすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の発熱袋は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物を利用した輸液等の液体を加温するための発熱袋等に適用される。
以下、本発明の発熱袋を、図1〜図11に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。尚、図1は、本発明の発熱袋の例を示す断面図である。図2〜図5は、本発明の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)である。図6は、本発明の第2の形態の発熱袋の一例を示す斜視図である。図7は、本発明の第3の形態の発熱袋の一例を示す斜視図である。図8は、図1以外の本発明の発熱袋の一例を示す断面図である。図9〜図11は、本発明の発熱袋の使用例を示す斜視図である。
【0010】
本発明の第1の形態の発熱袋は、図1に示すように、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物1が、通気性の包装材2を有する袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であり、該偏平状の発熱袋の周辺部(通常は包装材の貼り合せ部4)に、図2に示すような貫通部5、図3に示すような切欠部6、図4に示すような凸部7、または図5に示すような筒状部材8が設けられてなる発熱袋である。
尚、偏平状の発熱袋の構成としては、両面に通気性の包装材2を用いるか、あるいは片面を通気性の包装材2、他の片面を非通気性の包装材3とすることができる。
【0011】
本発明の第1の形態の発熱袋において、袋の周辺部に貫通部または切欠部を設ける場合、これらの形状は輸液等の液体が流通するチューブを通すため、通常は各々円形または半円形であり、通常は直径0.2〜1.5cm程度、好ましくは0.3〜1cm程度である。しかし、これに限定されることなく、例えば、三角形、正方形、長方形、台形、多角形、楕円形等とすることもできる。形状が円形または半円形以外の場合は、直径0.2〜1.5cm程度、好ましくは0.3〜1cm程度の円形または半円形に相当する面積を有するものとされる。
【0012】
本発明の第1の形態の発熱袋において、袋の周辺部に凸部を設ける場合、チューブが凸部で180度反転するようにされる。凸部の形状は、通常は円柱形、半円柱形、角柱形等であるが、チューブの折り返し(180度反転)ができればこれに限定されることはなく、例えばフックのように「L」を上下に反転した形状、「T」の形状等とすることもできる。また、その高さは、通常は0.1〜1cm程度、好ましくは0.2〜0.6cm程度である。また、凸部と凸部の間隙は、通常は0.2〜5cm程度、好ましくは0.3〜3cm程度である。尚、凸部の先端に粘着剤部を設け、例えばこのような発熱袋を2袋用いて、凸部を有する面が互いに内側となるようにして重ね合せ凸部同士を接着するとともに、チューブを蛇行状に通して使用することができる。
【0013】
本発明の第1の形態の発熱袋において、袋の周辺部に筒状部材を設ける場合、筒状部材は輸液等の液体が流通するチューブを通すため、通常は円筒形乃至半円筒形であり、その断面の内径は0.2〜1.5cm程度、好ましくは0.3〜1cm程度である。しかし、これに限定されることなく、例えば、三角形、正方形、長方形、台形、楕円形等の断面を有する筒状部材とすることもできる。形状が円筒形乃至半円筒形以外である場合の内部空間の大きさは、前記と同様にこれらに相当する面積を有するものとされる。
【0014】
尚、本発明においては、蛇行状のチューブを両側面から加温するために、図8に示すように、発熱組成物の収納部を二分割して、二つ折りにしやすくすることができる。このような発熱袋を使用する場合、発熱袋の中央部に形成された貼り合せ部4を折目として二つ折りにし、チューブを挟持することによりその内部を流通する液体の加温が行なわれる。また、本発明の第1の形態の発熱袋2袋、本発明の第1の形態の発熱袋1袋と他の発熱袋1袋、または本発明の第1の形態の発熱袋1袋と断熱材を用いて、蛇行状のチューブを両側面から挟持し、その内部を流通する液体の加温を行なうこともできる。
【0015】
本発明の第2の形態の発熱袋は、図1、図8に示すように、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物1が、通気性の包装材2を有する袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であり、図6に示すように、該発熱袋を線11で二つ折りにした際、互いに接触する該袋の周辺部(包装材の貼り合せ部)の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部9及び10が設けられてなる発熱袋である。
また、本発明の第3の形態の発熱袋は、図1に示すような偏平状の発熱袋にシート状の断熱材を組合せた発熱袋であり、図7に示すように、該発熱袋12と該断熱材13を重ね合せた際、互いに接触する該袋と該断熱材の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部9及び10が設けられてなる発熱袋である。
尚、各々の偏平状の発熱袋の構成としては、第1の形態の発熱袋と同様に、両面を通気性にするか、あるいは片面を通気性、他の片面を非通気性とすることができる。
【0016】
本発明の第2または第3の形態の発熱袋における嵌合部は、発熱袋同士、または発熱袋と断熱材を結合するとともに、嵌合部の周囲に空隙を形成し、輸液等の液体が流通するチューブの折り返しができるような構成とされる。本発明における嵌合部は、例えば、一方が突起9を有し、他の一方がこれに対応する凹みまたは貫通部10を有するもの(雌雄のホック(丸型の留金)、ボタン等)、あるいはマジックテープ(登録商標)等である。嵌合部の形状については特に限定されることはないが、通常は外観が、円柱形、角柱形等であり、その高さは、通常は0.1〜1cm程度、好ましくは0.2〜0.6cm程度である。また、材質についても特に限定されることはないが、通常は、合成樹脂、金属等が使用される。また、嵌合部と嵌合部の間隙は、通常は0.2〜5cm程度、好ましくは0.3〜3cm程度である。嵌合部は、一旦結合すると分離できなくなる構成であってもよいが、ワンタッチの着脱が可能な構成であることが好ましい。
【0017】
尚、本発明の第2の形態の発熱袋においては、発熱袋を180度回転させたときに、例えば突起9と凹み10の配置がすべて入替わるように嵌合部を配置することが好ましい。このような構成とすることにより、第2の形態の発熱袋を2袋用いたときに、嵌合部を有する面が互いに内側となるように、嵌合部の突起9と凹み10が互いにかみ合うように、重ね合せて結合させることができ、2袋の発熱袋の間隙にチューブを蛇行状に通して使用することができる。
また、本発明の第3の形態の発熱袋において使用されるシート状の断熱材は、通常は偏平状の発熱袋と同等の形状及び大きさである。厚みは通常は0.1〜1cm程度である。また、材質は、ポリウレタン樹脂等の発泡樹脂、各種ゴム等が用いられる。
【0018】
本発明に使用される偏平状の発熱袋の包装材の原材料としては、通常はプラスチックフィルムを含む貼り合せシートが使用されるが、これらの貼り合せシートとしては、例えば、(1)熱融着性成分層/プラスチックフィルム、(2)(熱融着性成分とプラスチック成分の混合フィルム)/プラスチックフィルム、(3)熱融着性成分層/プラスチックフィルム/熱融着性成分層/不織布、(4)(熱融着性成分とプラスチック成分の混合フィルム)/不織布からなる貼り合せシートを挙げることができる。尚、プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム等を例示することができる。
【0019】
本発明に使用される通気性の包装材は、通常は前記の貼り合せシート等に針孔等の通気孔を設けたものである。通気孔の配置位置や大きさ等については特に制限されることがなく、例えば、貼り合せシートの全面、中央部、周辺部、または一部分に、適宜大きさや形状が同一である通気孔、または大きさや形状が異なる複数種類の通気孔を形成することができるが、チューブの折り返し回数による温度コントロールが容易にできる点で、貼り合せシートの全面に、大きさ及び形状が同一である通気孔を等間隔に形成することが好ましい。
【0020】
本発明の発熱袋おいては、偏平状の袋の片面の表面に、チューブをさらに密着保持するための粘着剤部を設けることができる。粘着剤部の配置位置や大きさ等については特に制限されることがなく、例えば、包装材の全面、中央部、周辺部、または一部分に、適宜大きさや形状が同一である粘着剤部、または大きさや形状が異なる複数種類の粘着剤部を形成することができるが、包装材の全面に、大きさ及び形状が同一である粘着剤部を等間隔に形成することが好ましい。粘着剤部の片面の包装材全体に対する面積の割合は、通常は2〜50%、好ましくは5〜20%である。
【0021】
しかしながら、本発明の発熱袋を輸液の加温のために使用する場合は、好ましい発熱特性を発揮させるために、包装材として一方の片面と他の一方の片面のJISK7129A法による水蒸気透過度の合計が、500〜1200g/m2・24hr、好ましくは600〜1000g/m2・24hrとなるように選択される。例えば一方の片面に非通気性の包装材を用いた場合は、他の一方の片面の包装材の水蒸気透過度は500〜1200g/m2・24hrとなり、両面に同一の包装材を用いた場合は、その包装材の水蒸気透過度は250〜600g/m2・24hrとなる。
【0022】
本発明の発熱袋おいて、水蒸気透過度が前記のような範囲の包装材を使用すると、室温(20℃)の雰囲気下で輸液の加温に使用した場合の発熱特性として、輸液を体温近辺の温度(30℃以上)に到達させるまでの時間を3分以内(発熱組成物を空気中の酸素と接触させた後の時間)、輸液を体温近辺の温度に保持する時間を1~4時間(輸液を点滴するために通常必要な時間)とすることが容易になる。尚、水蒸気透過度を前記の範囲より小さく設定した場合は、初期の温度上昇(立ち上がり)が遅くなるか、体温近辺の温度に到達しなくなるという虞があり、水蒸気透過度を前記の範囲より大きく設定した場合は、初期の温度上昇(立ち上がり)が早くなるが、体温近辺の温度の保持時間が短くなる。
【0023】
本発明の発熱袋を、例えば輸液の加温のために使用する場合は、発熱袋を通過して取り出される輸液の温度を正確にコントロールする必要がある。本発明の発熱袋は、チューブの折り返し回数を調整し、発熱袋と接触するチューブの長さを調整できるが、発熱袋の発熱特性が周囲の温度の影響を受け、また輸液の温度はその流量により影響を受ける。そのため、本発明の発熱袋おいては、偏平状の発熱袋の表面に、液体が所定の温度に到達するための、周囲の温度及び/または液体の流量に応じたチューブの折り返し回数の目安を表示することもできる。表示方法としては、文字による説明のほか、折り返す領域を帯状に色分けして表示することもできる。
【0024】
本発明の輸液用の発熱袋において、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物としては、被酸化性金属、活性炭、無機電解質、水、及び高分子保水剤等の混合物が使用される。
被酸化性金属粉としては、鉄粉、アルミニウム粉などであるが、通常は鉄粉が用いられ、還元鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄粉等が利用される。活性炭は反応助剤の他、保水剤としても使用され、通常は、椰子殻炭、木粉炭、ピート炭等が用いられる。無機電解質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属の塩化物、及びアルカリ金属の硫酸塩等が好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸ナトリウム等が用いられる。これらの通常の構成成分の割合としては、被酸化性金属が20〜80wt%、活性炭が1〜20wt%、無機電解質が1〜20wt%、水が5〜50wt%、保水剤が1〜20wt%である。
【0025】
本発明の発熱袋は、例えば通気性の包装材を2枚、あるいは通気性の包装材と非通気性の包装材を、熱融着面が互いに内側となるようにして重ね合せ、周辺を加熱融着して袋状に成形するとともに、前述の発熱組成物を充填し、さらに袋の周辺部(包装材の貼り合せ部)に、貫通部、切欠部、凸部、筒状部材、または嵌合部を設けることにより製造される。尚、発熱袋の周辺部は、通常は柔らかいので、貫通部、切欠部等の形状を有するか、またはこれらの形状に影響しない程度に細い、樹脂製、金属製等の型枠で補強することができる。本発明の発熱袋の大きさは、通常は名刺と同程度の大きさから、日本工業規格A列3番程度である。形状は、通常は矩形状であるが、円形、楕円形、多角形等とすることもできる。
本発明の発熱袋は、使用されるまでの期間中、外部の空気と遮断し、かつ水が蒸発して外部へ拡散することを防ぐために、さらに非通気性の偏平状袋に密封される。使用の際には、非通気性の偏平状袋から取出すことにより、発熱袋内の発熱組成物が空気中の酸素と接触して発熱する。
【0026】
本発明の第1の形態の発熱袋を、チューブ内を流通する輸液等の加温に使用する場合は、例えば、図9または図10に示すように、発熱袋の貫通部5または筒状部材8にチューブ14を通し、所定の回数折り返すとともに発熱袋と接触するチューブの長さを調整し、輸液等をチューブに流通することにより行なわれる。また、第2の形態の発熱袋については、例えば、図11に示すように、発熱袋12の嵌合部9及び10が折り返し点となるように、所定の長さのチューブ14を通し、発熱袋12を二つ折りにしてチューブを挟持した後、輸液等をチューブに流通することにより行なわれる。また、第3の形態の発熱袋については、同様に、発熱袋の嵌合部が折り返し点となるように、所定の長さのチューブを通し、シート状の断熱材を重ね合せてチューブを挟持した後、輸液等をチューブに流通することにより行なわれる。
【0027】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【実施例1】
【0028】
(発熱袋の製作)
市販のポリエチレンフィルムとナイロンフィルムからなる貼り合せ包装材に、均一に多数の針孔を設けて通気性包装材を製作した。この通気性包装材は、JISK7129A法による水蒸気透過度が600g/m2・24hrであった。
また、前記の貼り合せ包装材のナイロンフィルム側に、均一に分散された粘着剤部を設けた。この包装材は粘着剤部により通気性が減少し、JISK7129A法による水蒸気透過度が300g/m2・24hrであった。
【0029】
また、窒素ガス雰囲気下で、鉄粉が62wt%、活性炭が8wt%、食塩(無機電解質)が2wt%、水が20wt%、保水剤が8wt%となるように混合して発熱組成物を調製した。前記の2種類の通気性包装材を100mm×150mmに切断し、各1枚ずつを熱融着面が互いに内側となるようにして重ね合せ、周辺を加熱融着して袋状に成形するとともに、発熱組成物45gを充填して図1(1)に示すような発熱袋を製作した。さらに、発熱袋の対向する2辺の貼り合せ部に、図2に示すような円形の貫通部(内径5mm)を合計10箇所設けた。その後、発熱袋を120mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0030】
(輸液の加温試験)
前記の発熱袋の製作において、貫通部を設けなかったほかは、前記と同様にして発熱袋を製作し、同様に非通気性の偏平状袋に密封した。
20℃の室内に、貫通部を設けた発熱袋、及び貫通部を設けなかった発熱袋を1昼夜放置した。次に、20℃の室内でこれらの発熱袋を非通気性の偏平状袋から取り出すとともに、貫通部を設けた発熱袋に、図9に示すように輸液チューブを通し、さらに他の発熱袋を輸液チューブが挟持されるように側面に重ねて固定した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに3cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり30〜32℃の輸液が得られた。
【実施例2】
【0031】
(発熱袋の製作)
実施例1の発熱袋の製作において、貫通部の替わりに凸部を設けたほかは実施例1と同様にして、図4に示すような四角柱の凸部(縦5mm、横5mm、高さ3mm)を合計10個有する発熱袋を製作した。次に、全ての凸部の先端の面に粘着剤部を設け、離型紙を貼り合せた。その後、発熱袋を120mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0032】
(輸液の加温試験)
20℃の室内に、前記の発熱袋2袋を1昼夜放置した。次に、20℃の室内でこれらの発熱袋を非通気性の偏平状袋から取り出し、離型紙を剥がして、凸部を有する面が互いに内側となるようにして重ね合せ、凸部の先端の面同士を接着するとともに、凸部で折り返すようにチューブを蛇行状に通した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに3cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり30〜32℃の輸液が得られた。
【実施例3】
【0033】
(発熱袋の製作)
実施例1における2種類の通気性包装材を、200mm×150mmに切断し、各1枚ずつを熱融着面が互いに内側となるようにして重ね合せ、周辺と中央の二等分線を加熱融着して袋状に成形するとともに、発熱組成物90gを充填して図8に示すような発熱袋を製作した。さらに、発熱袋の貼り合せ部に、図6に示すような円形の雌雄のホック(外径5mm)からなる嵌合部を、長辺に各10箇所ずつ、短辺に各4箇所ずつ、合計28箇所設けた。その後、発熱袋を240mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0034】
(輸液の加温試験)
20℃の室内に、前記の発熱袋を1昼夜放置した。次に、20℃の室内でこの発熱袋を非通気性の偏平状袋から取り出し、図11に示すように、発熱袋を中央部で二つ折りにして、雌雄のホック同士を結合させるとともに、ホックで折り返すようにチューブを蛇行状に通した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに3cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり30〜32℃の輸液が得られた。
【実施例4】
【0035】
(発熱袋の製作)
実施例1の発熱袋の製作において、貫通部の替わりに円形の雌雄のホック(外径5mm)からなる嵌合部を設けたほかは実施例1と同様にして、図6に示すような発熱袋を製作した。円形の雌雄のホックは、長辺に各6箇所ずつ、短辺に各2箇所ずつ、合計16箇所設けた。また、発熱袋を180度回転させると、雌雄のホックの配置がすべて入替わるように配置した。その後、発熱袋を120mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0036】
(輸液の加温試験)
20℃の室内に、前記の発熱袋2袋を1昼夜放置した。次に、20℃の室内でこれらの発熱袋を非通気性の偏平状袋から取り出し、一方の発熱袋を180度回転させて、2袋の発熱袋の雌雄のホック同士を結合させるとともに、ホックで折り返すようにチューブを蛇行状に通した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに3cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり31〜33℃の輸液が得られた。
【実施例5】
【0037】
(発熱袋の製作)
実施例4と同様の発熱袋を製作した。また、この発熱袋と同等の大きさ(厚さ3mm)のシート状のポリウレタン発泡樹脂からなる断熱材に、発熱袋のホックの位置に対応し互いに嵌合するホックを、長辺の周辺部に各6箇所ずつ、短辺の周辺部に各2箇所ずつ、合計16箇所設けた。その後、発熱袋と断熱材を120mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0038】
(輸液の加温試験)
20℃の室内に、前記の発熱袋と断熱材を1昼夜放置した。次に、20℃の室内で発熱袋と断熱材を非通気性の偏平状袋から取り出し、発熱袋と断熱材の雌雄のホック同士を結合させるとともに、ホックで折り返すようにチューブを蛇行状に通した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに2.2cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋と断熱材に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり30〜32℃の輸液が得られた。
【0039】
以上のように、本発明の実施例の発熱袋は、輸液を所定の温度に効率よく加温できることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の発熱袋の例を示す断面図
【図2】本発明の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)
【図3】本発明の図2以外の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)
【図4】本発明の図2、図3以外の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)
【図5】本発明の図2〜図4以外の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)
【図6】本発明の第2の形態の発熱袋の一例を示す斜視図
【図7】本発明の第3の形態の発熱袋の一例を示す斜視図
【図8】図1以外の本発明の発熱袋の一例を示す断面図
【図9】本発明の発熱袋の使用例を示す斜視図
【図10】本発明の図9以外の発熱袋の使用例を示す斜視図
【図11】本発明の図9、図10以外の発熱袋の使用例を示す斜視図
【符号の説明】
【0041】
1 発熱組成物
2 通気性の包装材
3 非通気性の包装材
4 包装材の貼り合せ部
5 貫通部
6 切欠部
7 凸部
8 筒状部材
9 嵌合部(突起)
10 嵌合部(凹みまたは貫通部)
11 二つ折り線
12 発熱袋
13 シート状の断熱材
14 チューブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋に関し、さらに詳しくは、輸液等の液体が流通するチューブを保持し、効率よく液体を加温するための発熱袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者に輸液を点滴する際には、患者の痛みを緩和するために、輸液を体温に近い温度になるまで暖める処置が行なわれている。輸液は通常は10℃以下の温度で保存されており、輸液バッグ等に充填された輸液を暖める際には手間と時間がかかるとともに、点滴中は好ましい範囲の温度を維持する必要があった。そのため、輸液バッグと注射針の間を接続する輸液チューブにおいて、輸液の蛇行流通部を形成し、該蛇行部分を側面から加温して、輸液を暖める特許文献1に記載されたような輸液加熱具が開発されている。
【特許文献1】実開昭53−139798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記のような輸液加熱具に用いられる加温手段としては、例えば、液体が固体になるときに放出する熱を利用した蓄熱材、あるいは鉄等の金属と空気中の酸素との反応による発熱を利用した発熱組成物等が考えられる。
しかしながら、蓄熱材を用いる場合は、予め蓄熱材を加温しておく必要があり、手間と時間がかかるとともに、例えば病院外では電気設備がないために使用できない場合があった。また、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物は、使い捨てカイロ等に広く用いられているが、周囲の温度が低い場合は容易に温まり難く、逆に周囲の温度が高い場合は温度が高くなりすぎる傾向があり、温度コントロールが難しいという不都合があった。
【0004】
従って、本発明が解決しようとする課題は、前記のように輸液等の液体が流通するチューブの一部を蛇行させて、該蛇行部分を側面から加温し、液体を暖める加温手段において、液体を所定の温度に効率よく加温するための加温手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋において、偏平状の発熱袋の周辺部に、貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材を設け、チューブをこれらの設定箇所で折り返すように通すことにより、チューブを偏平状の発熱袋に密着保持できるとともに、折り返し回数を調整し発熱袋と接触するチューブの長さを調整して、液体を所定の温度に効率よく加温できることを見出し、本発明の第1の形態の発熱袋に到達した。
【0006】
さらに、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋、またはシート状の断熱材を備えた前記発熱袋において、発熱袋を二つ折りにした際、または発熱袋と断熱材を重ね合せた際、互いに接触する周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部を設けて、発熱袋等を前記のような形態に保持するとともにチューブをこれらの設定箇所で折り返すように通すことにより、チューブを偏平状の発熱袋に密着保持できるとともに、折り返し回数を調整し発熱袋と接触するチューブの長さを調整して、液体を所定の温度に効率よく加温できることを見出し、本発明の第2の形態の発熱袋及び第3の形態の発熱袋に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であって、該偏平状の発熱袋の周辺部に、貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材が設けられてなることを特徴とする発熱袋である。
また、本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であって、該袋を二つ折りにした際、互いに接触する該袋の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなることを特徴とする発熱袋である。
また、本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなり、シート状の断熱材を備えた偏平状の発熱袋であって、該袋と該断熱材を重ね合せた際、互いに接触する該袋と該断熱材の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなることを特徴とする発熱袋である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の発熱袋は、袋の周辺部に設けられた貫通部、切欠部、凸部、筒状部材、または嵌合部において、チューブを折り返すことができるので、輸液等の液体が流通するチューブを容易に蛇行状となるように発熱袋に密着保持させることができ、輸液等の液体を効率よく加温することが可能である。また、例えば前記の折り返しが可能な箇所を全部使用、あるいは1箇所おきに使用する等、チューブの折り返し回数を調整し、発熱袋と接触するチューブの長さを調整できるので、チューブを流通する輸液等の液体の温度を容易にコントロールすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の発熱袋は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物を利用した輸液等の液体を加温するための発熱袋等に適用される。
以下、本発明の発熱袋を、図1〜図11に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。尚、図1は、本発明の発熱袋の例を示す断面図である。図2〜図5は、本発明の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)である。図6は、本発明の第2の形態の発熱袋の一例を示す斜視図である。図7は、本発明の第3の形態の発熱袋の一例を示す斜視図である。図8は、図1以外の本発明の発熱袋の一例を示す断面図である。図9〜図11は、本発明の発熱袋の使用例を示す斜視図である。
【0010】
本発明の第1の形態の発熱袋は、図1に示すように、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物1が、通気性の包装材2を有する袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であり、該偏平状の発熱袋の周辺部(通常は包装材の貼り合せ部4)に、図2に示すような貫通部5、図3に示すような切欠部6、図4に示すような凸部7、または図5に示すような筒状部材8が設けられてなる発熱袋である。
尚、偏平状の発熱袋の構成としては、両面に通気性の包装材2を用いるか、あるいは片面を通気性の包装材2、他の片面を非通気性の包装材3とすることができる。
【0011】
本発明の第1の形態の発熱袋において、袋の周辺部に貫通部または切欠部を設ける場合、これらの形状は輸液等の液体が流通するチューブを通すため、通常は各々円形または半円形であり、通常は直径0.2〜1.5cm程度、好ましくは0.3〜1cm程度である。しかし、これに限定されることなく、例えば、三角形、正方形、長方形、台形、多角形、楕円形等とすることもできる。形状が円形または半円形以外の場合は、直径0.2〜1.5cm程度、好ましくは0.3〜1cm程度の円形または半円形に相当する面積を有するものとされる。
【0012】
本発明の第1の形態の発熱袋において、袋の周辺部に凸部を設ける場合、チューブが凸部で180度反転するようにされる。凸部の形状は、通常は円柱形、半円柱形、角柱形等であるが、チューブの折り返し(180度反転)ができればこれに限定されることはなく、例えばフックのように「L」を上下に反転した形状、「T」の形状等とすることもできる。また、その高さは、通常は0.1〜1cm程度、好ましくは0.2〜0.6cm程度である。また、凸部と凸部の間隙は、通常は0.2〜5cm程度、好ましくは0.3〜3cm程度である。尚、凸部の先端に粘着剤部を設け、例えばこのような発熱袋を2袋用いて、凸部を有する面が互いに内側となるようにして重ね合せ凸部同士を接着するとともに、チューブを蛇行状に通して使用することができる。
【0013】
本発明の第1の形態の発熱袋において、袋の周辺部に筒状部材を設ける場合、筒状部材は輸液等の液体が流通するチューブを通すため、通常は円筒形乃至半円筒形であり、その断面の内径は0.2〜1.5cm程度、好ましくは0.3〜1cm程度である。しかし、これに限定されることなく、例えば、三角形、正方形、長方形、台形、楕円形等の断面を有する筒状部材とすることもできる。形状が円筒形乃至半円筒形以外である場合の内部空間の大きさは、前記と同様にこれらに相当する面積を有するものとされる。
【0014】
尚、本発明においては、蛇行状のチューブを両側面から加温するために、図8に示すように、発熱組成物の収納部を二分割して、二つ折りにしやすくすることができる。このような発熱袋を使用する場合、発熱袋の中央部に形成された貼り合せ部4を折目として二つ折りにし、チューブを挟持することによりその内部を流通する液体の加温が行なわれる。また、本発明の第1の形態の発熱袋2袋、本発明の第1の形態の発熱袋1袋と他の発熱袋1袋、または本発明の第1の形態の発熱袋1袋と断熱材を用いて、蛇行状のチューブを両側面から挟持し、その内部を流通する液体の加温を行なうこともできる。
【0015】
本発明の第2の形態の発熱袋は、図1、図8に示すように、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物1が、通気性の包装材2を有する袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であり、図6に示すように、該発熱袋を線11で二つ折りにした際、互いに接触する該袋の周辺部(包装材の貼り合せ部)の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部9及び10が設けられてなる発熱袋である。
また、本発明の第3の形態の発熱袋は、図1に示すような偏平状の発熱袋にシート状の断熱材を組合せた発熱袋であり、図7に示すように、該発熱袋12と該断熱材13を重ね合せた際、互いに接触する該袋と該断熱材の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部9及び10が設けられてなる発熱袋である。
尚、各々の偏平状の発熱袋の構成としては、第1の形態の発熱袋と同様に、両面を通気性にするか、あるいは片面を通気性、他の片面を非通気性とすることができる。
【0016】
本発明の第2または第3の形態の発熱袋における嵌合部は、発熱袋同士、または発熱袋と断熱材を結合するとともに、嵌合部の周囲に空隙を形成し、輸液等の液体が流通するチューブの折り返しができるような構成とされる。本発明における嵌合部は、例えば、一方が突起9を有し、他の一方がこれに対応する凹みまたは貫通部10を有するもの(雌雄のホック(丸型の留金)、ボタン等)、あるいはマジックテープ(登録商標)等である。嵌合部の形状については特に限定されることはないが、通常は外観が、円柱形、角柱形等であり、その高さは、通常は0.1〜1cm程度、好ましくは0.2〜0.6cm程度である。また、材質についても特に限定されることはないが、通常は、合成樹脂、金属等が使用される。また、嵌合部と嵌合部の間隙は、通常は0.2〜5cm程度、好ましくは0.3〜3cm程度である。嵌合部は、一旦結合すると分離できなくなる構成であってもよいが、ワンタッチの着脱が可能な構成であることが好ましい。
【0017】
尚、本発明の第2の形態の発熱袋においては、発熱袋を180度回転させたときに、例えば突起9と凹み10の配置がすべて入替わるように嵌合部を配置することが好ましい。このような構成とすることにより、第2の形態の発熱袋を2袋用いたときに、嵌合部を有する面が互いに内側となるように、嵌合部の突起9と凹み10が互いにかみ合うように、重ね合せて結合させることができ、2袋の発熱袋の間隙にチューブを蛇行状に通して使用することができる。
また、本発明の第3の形態の発熱袋において使用されるシート状の断熱材は、通常は偏平状の発熱袋と同等の形状及び大きさである。厚みは通常は0.1〜1cm程度である。また、材質は、ポリウレタン樹脂等の発泡樹脂、各種ゴム等が用いられる。
【0018】
本発明に使用される偏平状の発熱袋の包装材の原材料としては、通常はプラスチックフィルムを含む貼り合せシートが使用されるが、これらの貼り合せシートとしては、例えば、(1)熱融着性成分層/プラスチックフィルム、(2)(熱融着性成分とプラスチック成分の混合フィルム)/プラスチックフィルム、(3)熱融着性成分層/プラスチックフィルム/熱融着性成分層/不織布、(4)(熱融着性成分とプラスチック成分の混合フィルム)/不織布からなる貼り合せシートを挙げることができる。尚、プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム等を例示することができる。
【0019】
本発明に使用される通気性の包装材は、通常は前記の貼り合せシート等に針孔等の通気孔を設けたものである。通気孔の配置位置や大きさ等については特に制限されることがなく、例えば、貼り合せシートの全面、中央部、周辺部、または一部分に、適宜大きさや形状が同一である通気孔、または大きさや形状が異なる複数種類の通気孔を形成することができるが、チューブの折り返し回数による温度コントロールが容易にできる点で、貼り合せシートの全面に、大きさ及び形状が同一である通気孔を等間隔に形成することが好ましい。
【0020】
本発明の発熱袋おいては、偏平状の袋の片面の表面に、チューブをさらに密着保持するための粘着剤部を設けることができる。粘着剤部の配置位置や大きさ等については特に制限されることがなく、例えば、包装材の全面、中央部、周辺部、または一部分に、適宜大きさや形状が同一である粘着剤部、または大きさや形状が異なる複数種類の粘着剤部を形成することができるが、包装材の全面に、大きさ及び形状が同一である粘着剤部を等間隔に形成することが好ましい。粘着剤部の片面の包装材全体に対する面積の割合は、通常は2〜50%、好ましくは5〜20%である。
【0021】
しかしながら、本発明の発熱袋を輸液の加温のために使用する場合は、好ましい発熱特性を発揮させるために、包装材として一方の片面と他の一方の片面のJISK7129A法による水蒸気透過度の合計が、500〜1200g/m2・24hr、好ましくは600〜1000g/m2・24hrとなるように選択される。例えば一方の片面に非通気性の包装材を用いた場合は、他の一方の片面の包装材の水蒸気透過度は500〜1200g/m2・24hrとなり、両面に同一の包装材を用いた場合は、その包装材の水蒸気透過度は250〜600g/m2・24hrとなる。
【0022】
本発明の発熱袋おいて、水蒸気透過度が前記のような範囲の包装材を使用すると、室温(20℃)の雰囲気下で輸液の加温に使用した場合の発熱特性として、輸液を体温近辺の温度(30℃以上)に到達させるまでの時間を3分以内(発熱組成物を空気中の酸素と接触させた後の時間)、輸液を体温近辺の温度に保持する時間を1~4時間(輸液を点滴するために通常必要な時間)とすることが容易になる。尚、水蒸気透過度を前記の範囲より小さく設定した場合は、初期の温度上昇(立ち上がり)が遅くなるか、体温近辺の温度に到達しなくなるという虞があり、水蒸気透過度を前記の範囲より大きく設定した場合は、初期の温度上昇(立ち上がり)が早くなるが、体温近辺の温度の保持時間が短くなる。
【0023】
本発明の発熱袋を、例えば輸液の加温のために使用する場合は、発熱袋を通過して取り出される輸液の温度を正確にコントロールする必要がある。本発明の発熱袋は、チューブの折り返し回数を調整し、発熱袋と接触するチューブの長さを調整できるが、発熱袋の発熱特性が周囲の温度の影響を受け、また輸液の温度はその流量により影響を受ける。そのため、本発明の発熱袋おいては、偏平状の発熱袋の表面に、液体が所定の温度に到達するための、周囲の温度及び/または液体の流量に応じたチューブの折り返し回数の目安を表示することもできる。表示方法としては、文字による説明のほか、折り返す領域を帯状に色分けして表示することもできる。
【0024】
本発明の輸液用の発熱袋において、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物としては、被酸化性金属、活性炭、無機電解質、水、及び高分子保水剤等の混合物が使用される。
被酸化性金属粉としては、鉄粉、アルミニウム粉などであるが、通常は鉄粉が用いられ、還元鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄粉等が利用される。活性炭は反応助剤の他、保水剤としても使用され、通常は、椰子殻炭、木粉炭、ピート炭等が用いられる。無機電解質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属の塩化物、及びアルカリ金属の硫酸塩等が好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸ナトリウム等が用いられる。これらの通常の構成成分の割合としては、被酸化性金属が20〜80wt%、活性炭が1〜20wt%、無機電解質が1〜20wt%、水が5〜50wt%、保水剤が1〜20wt%である。
【0025】
本発明の発熱袋は、例えば通気性の包装材を2枚、あるいは通気性の包装材と非通気性の包装材を、熱融着面が互いに内側となるようにして重ね合せ、周辺を加熱融着して袋状に成形するとともに、前述の発熱組成物を充填し、さらに袋の周辺部(包装材の貼り合せ部)に、貫通部、切欠部、凸部、筒状部材、または嵌合部を設けることにより製造される。尚、発熱袋の周辺部は、通常は柔らかいので、貫通部、切欠部等の形状を有するか、またはこれらの形状に影響しない程度に細い、樹脂製、金属製等の型枠で補強することができる。本発明の発熱袋の大きさは、通常は名刺と同程度の大きさから、日本工業規格A列3番程度である。形状は、通常は矩形状であるが、円形、楕円形、多角形等とすることもできる。
本発明の発熱袋は、使用されるまでの期間中、外部の空気と遮断し、かつ水が蒸発して外部へ拡散することを防ぐために、さらに非通気性の偏平状袋に密封される。使用の際には、非通気性の偏平状袋から取出すことにより、発熱袋内の発熱組成物が空気中の酸素と接触して発熱する。
【0026】
本発明の第1の形態の発熱袋を、チューブ内を流通する輸液等の加温に使用する場合は、例えば、図9または図10に示すように、発熱袋の貫通部5または筒状部材8にチューブ14を通し、所定の回数折り返すとともに発熱袋と接触するチューブの長さを調整し、輸液等をチューブに流通することにより行なわれる。また、第2の形態の発熱袋については、例えば、図11に示すように、発熱袋12の嵌合部9及び10が折り返し点となるように、所定の長さのチューブ14を通し、発熱袋12を二つ折りにしてチューブを挟持した後、輸液等をチューブに流通することにより行なわれる。また、第3の形態の発熱袋については、同様に、発熱袋の嵌合部が折り返し点となるように、所定の長さのチューブを通し、シート状の断熱材を重ね合せてチューブを挟持した後、輸液等をチューブに流通することにより行なわれる。
【0027】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【実施例1】
【0028】
(発熱袋の製作)
市販のポリエチレンフィルムとナイロンフィルムからなる貼り合せ包装材に、均一に多数の針孔を設けて通気性包装材を製作した。この通気性包装材は、JISK7129A法による水蒸気透過度が600g/m2・24hrであった。
また、前記の貼り合せ包装材のナイロンフィルム側に、均一に分散された粘着剤部を設けた。この包装材は粘着剤部により通気性が減少し、JISK7129A法による水蒸気透過度が300g/m2・24hrであった。
【0029】
また、窒素ガス雰囲気下で、鉄粉が62wt%、活性炭が8wt%、食塩(無機電解質)が2wt%、水が20wt%、保水剤が8wt%となるように混合して発熱組成物を調製した。前記の2種類の通気性包装材を100mm×150mmに切断し、各1枚ずつを熱融着面が互いに内側となるようにして重ね合せ、周辺を加熱融着して袋状に成形するとともに、発熱組成物45gを充填して図1(1)に示すような発熱袋を製作した。さらに、発熱袋の対向する2辺の貼り合せ部に、図2に示すような円形の貫通部(内径5mm)を合計10箇所設けた。その後、発熱袋を120mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0030】
(輸液の加温試験)
前記の発熱袋の製作において、貫通部を設けなかったほかは、前記と同様にして発熱袋を製作し、同様に非通気性の偏平状袋に密封した。
20℃の室内に、貫通部を設けた発熱袋、及び貫通部を設けなかった発熱袋を1昼夜放置した。次に、20℃の室内でこれらの発熱袋を非通気性の偏平状袋から取り出すとともに、貫通部を設けた発熱袋に、図9に示すように輸液チューブを通し、さらに他の発熱袋を輸液チューブが挟持されるように側面に重ねて固定した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに3cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり30〜32℃の輸液が得られた。
【実施例2】
【0031】
(発熱袋の製作)
実施例1の発熱袋の製作において、貫通部の替わりに凸部を設けたほかは実施例1と同様にして、図4に示すような四角柱の凸部(縦5mm、横5mm、高さ3mm)を合計10個有する発熱袋を製作した。次に、全ての凸部の先端の面に粘着剤部を設け、離型紙を貼り合せた。その後、発熱袋を120mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0032】
(輸液の加温試験)
20℃の室内に、前記の発熱袋2袋を1昼夜放置した。次に、20℃の室内でこれらの発熱袋を非通気性の偏平状袋から取り出し、離型紙を剥がして、凸部を有する面が互いに内側となるようにして重ね合せ、凸部の先端の面同士を接着するとともに、凸部で折り返すようにチューブを蛇行状に通した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに3cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり30〜32℃の輸液が得られた。
【実施例3】
【0033】
(発熱袋の製作)
実施例1における2種類の通気性包装材を、200mm×150mmに切断し、各1枚ずつを熱融着面が互いに内側となるようにして重ね合せ、周辺と中央の二等分線を加熱融着して袋状に成形するとともに、発熱組成物90gを充填して図8に示すような発熱袋を製作した。さらに、発熱袋の貼り合せ部に、図6に示すような円形の雌雄のホック(外径5mm)からなる嵌合部を、長辺に各10箇所ずつ、短辺に各4箇所ずつ、合計28箇所設けた。その後、発熱袋を240mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0034】
(輸液の加温試験)
20℃の室内に、前記の発熱袋を1昼夜放置した。次に、20℃の室内でこの発熱袋を非通気性の偏平状袋から取り出し、図11に示すように、発熱袋を中央部で二つ折りにして、雌雄のホック同士を結合させるとともに、ホックで折り返すようにチューブを蛇行状に通した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに3cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり30〜32℃の輸液が得られた。
【実施例4】
【0035】
(発熱袋の製作)
実施例1の発熱袋の製作において、貫通部の替わりに円形の雌雄のホック(外径5mm)からなる嵌合部を設けたほかは実施例1と同様にして、図6に示すような発熱袋を製作した。円形の雌雄のホックは、長辺に各6箇所ずつ、短辺に各2箇所ずつ、合計16箇所設けた。また、発熱袋を180度回転させると、雌雄のホックの配置がすべて入替わるように配置した。その後、発熱袋を120mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0036】
(輸液の加温試験)
20℃の室内に、前記の発熱袋2袋を1昼夜放置した。次に、20℃の室内でこれらの発熱袋を非通気性の偏平状袋から取り出し、一方の発熱袋を180度回転させて、2袋の発熱袋の雌雄のホック同士を結合させるとともに、ホックで折り返すようにチューブを蛇行状に通した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに3cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり31〜33℃の輸液が得られた。
【実施例5】
【0037】
(発熱袋の製作)
実施例4と同様の発熱袋を製作した。また、この発熱袋と同等の大きさ(厚さ3mm)のシート状のポリウレタン発泡樹脂からなる断熱材に、発熱袋のホックの位置に対応し互いに嵌合するホックを、長辺の周辺部に各6箇所ずつ、短辺の周辺部に各2箇所ずつ、合計16箇所設けた。その後、発熱袋と断熱材を120mm×180mmの非通気性の偏平状袋に密封した。
【0038】
(輸液の加温試験)
20℃の室内に、前記の発熱袋と断熱材を1昼夜放置した。次に、20℃の室内で発熱袋と断熱材を非通気性の偏平状袋から取り出し、発熱袋と断熱材の雌雄のホック同士を結合させるとともに、ホックで折り返すようにチューブを蛇行状に通した。非通気性の偏平状袋から発熱袋を取り出してから5分後、輸液バッグから前記の輸液チューブに2.2cc/minの流量で20℃の輸液を流通し、発熱袋と断熱材に挟持された輸液チューブを通過した輸液の温度を約5分後毎に測定した。その結果、2時間にわたり30〜32℃の輸液が得られた。
【0039】
以上のように、本発明の実施例の発熱袋は、輸液を所定の温度に効率よく加温できることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の発熱袋の例を示す断面図
【図2】本発明の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)
【図3】本発明の図2以外の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)
【図4】本発明の図2、図3以外の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)
【図5】本発明の図2〜図4以外の第1の形態の発熱袋の一例を示す斜視図(一部切欠斜視図)
【図6】本発明の第2の形態の発熱袋の一例を示す斜視図
【図7】本発明の第3の形態の発熱袋の一例を示す斜視図
【図8】図1以外の本発明の発熱袋の一例を示す断面図
【図9】本発明の発熱袋の使用例を示す斜視図
【図10】本発明の図9以外の発熱袋の使用例を示す斜視図
【図11】本発明の図9、図10以外の発熱袋の使用例を示す斜視図
【符号の説明】
【0041】
1 発熱組成物
2 通気性の包装材
3 非通気性の包装材
4 包装材の貼り合せ部
5 貫通部
6 切欠部
7 凸部
8 筒状部材
9 嵌合部(突起)
10 嵌合部(凹みまたは貫通部)
11 二つ折り線
12 発熱袋
13 シート状の断熱材
14 チューブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であって、該偏平状の発熱袋の周辺部に、貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材が設けられてなることを特徴とする発熱袋。
【請求項2】
空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であって、該袋を二つ折りにした際、互いに接触する該袋の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなることを特徴とする発熱袋。
【請求項3】
空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなり、シート状の断熱材を備えた偏平状の発熱袋であって、該袋と該断熱材を重ね合せた際、互いに接触する該袋と該断熱材の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなることを特徴とする発熱袋。
【請求項4】
貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材が、液体が流通するチューブを、偏平状の発熱袋に保持するとともに折り返すためのものである請求項1に記載の発熱袋。
【請求項5】
偏平状の発熱袋の表面に、液体が所定の温度に到達するための、周囲の温度及び/または液体の流量に応じたチューブの折り返し回数の目安が表示された請求項4に記載の発熱袋。
【請求項6】
嵌合部が、液体が流通するチューブを、偏平状の発熱袋に保持するとともに折り返すためのものである請求項2または請求項3に記載の発熱袋。
【請求項7】
偏平状の発熱袋の表面に、液体が所定の温度に到達するための、周囲の温度及び/または液体の流量に応じたチューブの折り返し回数の目安が表示された請求項6に記載の発熱袋。
【請求項8】
発熱組成物の収納部が二分割された請求項1または請求項2に記載の発熱袋。
【請求項9】
偏平状の発熱袋の片面の表面に、複数に分散された粘着剤部を有する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発熱袋。
【請求項10】
粘着剤部の片面の包装材全体に対する面積の割合が、2〜50%である請求項9に記載の発熱袋。
【請求項11】
偏平状の発熱袋が、さらに非通気性の偏平状袋に密封されてなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発熱袋。
【請求項1】
空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であって、該偏平状の発熱袋の周辺部に、貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材が設けられてなることを特徴とする発熱袋。
【請求項2】
空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなる偏平状の発熱袋であって、該袋を二つ折りにした際、互いに接触する該袋の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなることを特徴とする発熱袋。
【請求項3】
空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が、通気性の袋に収納されてなり、シート状の断熱材を備えた偏平状の発熱袋であって、該袋と該断熱材を重ね合せた際、互いに接触する該袋と該断熱材の周辺部の少なくとも一部の位置に、互いに嵌合する嵌合部が設けられてなることを特徴とする発熱袋。
【請求項4】
貫通部、切欠部、凸部、または筒状部材が、液体が流通するチューブを、偏平状の発熱袋に保持するとともに折り返すためのものである請求項1に記載の発熱袋。
【請求項5】
偏平状の発熱袋の表面に、液体が所定の温度に到達するための、周囲の温度及び/または液体の流量に応じたチューブの折り返し回数の目安が表示された請求項4に記載の発熱袋。
【請求項6】
嵌合部が、液体が流通するチューブを、偏平状の発熱袋に保持するとともに折り返すためのものである請求項2または請求項3に記載の発熱袋。
【請求項7】
偏平状の発熱袋の表面に、液体が所定の温度に到達するための、周囲の温度及び/または液体の流量に応じたチューブの折り返し回数の目安が表示された請求項6に記載の発熱袋。
【請求項8】
発熱組成物の収納部が二分割された請求項1または請求項2に記載の発熱袋。
【請求項9】
偏平状の発熱袋の片面の表面に、複数に分散された粘着剤部を有する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発熱袋。
【請求項10】
粘着剤部の片面の包装材全体に対する面積の割合が、2〜50%である請求項9に記載の発熱袋。
【請求項11】
偏平状の発熱袋が、さらに非通気性の偏平状袋に密封されてなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発熱袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−153703(P2009−153703A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335069(P2007−335069)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000229601)日本パイオニクス株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000229601)日本パイオニクス株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
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