説明

発砲飲料の抽出補助具

【課題】低コストで発砲飲料を効果的に気泡させることができる発砲飲料の抽出補助具の提供。
【解決手段】発砲飲料、例えばビールが入っているビン3の王冠2の位置、すなわち発砲飲料の抽出部に、抽出補助具1を設ける。この抽出補助具1は、ビン3内の発砲飲料をコップなどの容器に抽出する際に、気泡作用を高めるものである。3aはビン3の先端部である。抽出補助具1は、ビン3の先端部3aに被着できるような内径を有する中空の円筒状筒部の端部表面に、メッシュ部を設ける。メッシュ部の素材は、ポリエステルのようなプラスチック繊維、ポリプロピレンのような合成樹脂、またはアルミ等の金属を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低コストで発砲飲料を効果的に気泡させることができる発砲飲料の抽出補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビールなどの発砲飲料をより美味しく飲む手段として、素焼きのカップで飲むことや、家庭用小型ビールサーバを用いることが知られている。特許文献1には、専用の気泡具を通してグラスにビールを注ぐことにより、良質の泡を発生させることが記載されている。
【0003】
【特許文献1】 特開2004−217272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
素焼きのカップや家庭用小型ビールサーバを用いる場合には、いずれも専用の容器や器具が必要となり、これらの専用の容器や器具を準備しておかないと対応できないという問題がある。また、特許文献1に記載の技術は、気泡具として、予め水洗い煮沸した後に乾燥させた炭材を使用するものであり、準備に手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで発砲飲料を効果的に気泡させることができる発砲飲料の抽出補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の発砲飲料の補助具は、発砲飲料が収容されている容器の前記発砲飲料の抽出部に、発砲飲料の発砲作用を促進する部材を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の発砲飲料の抽出補助具は、前記容器は、ビンまたは缶であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の発砲飲料の抽出補助具は、前記発砲飲料の発砲作用を促進する部材は、予め前記ビンまたは缶に取り付けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の発砲飲料の抽出補助具は、前記発砲飲料の発砲作用を促進する部材は、前記ビンまたは缶とは分離して製造されており、利用者が当該発砲飲料の飲用時に前記発砲飲料の抽出部に取り付けることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の発砲飲料の抽出補助具は、前記発砲飲料の発砲作用を促進する部材は、メッシュ部として構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の発砲飲料の抽出補助具は、前記メッシュ部の素材は、化学繊維、合成樹脂、または金属細線であることを特徴とする。
【0012】
本発明の実施形態においては、素焼きのカップや、家庭用小型ビールサーバを必要としない。また、特許文献1に記載されているような専用の気泡具を必要としない。単に、メッシュ部を形成した部材を発砲飲料の抽出位置に配置するだけの簡易な構成としている。このため、低コストで、しかも気泡作用が良好な発砲飲料の抽出補助具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態を説明する。図1は、第1の実施形態を示す説明図である。図1において、発砲飲料、例えばビールが入っているビン3の王冠2の位置、すなわち発砲飲料の抽出部に、抽出補助具1を設ける。この抽出補助具1は、ビン3内の発砲飲料をコップなどの容器に抽出する際に、気泡作用を高めるものである。3aはビン3の先端部である。
【0014】
図2は、前記抽出補助具1を拡大して示す説明図である。図2(a)は、抽出補助具1の全体を示す図である。ビン3の先端部3aに被着できるような内径を有する中空の円筒状筒部1cの端部表面に、図2(b)に示すようなメッシュ部1bを設ける。メッシュ部1bの表面は、フイルム状のカバー1aで覆う。このカバー1aには、突出部1dが形成されており、抽出補助具1の使用時には突出部1dを矢視R方向に引き上げてメッシュ部1bを露出させる。
【0015】
メッシュ部1bの素材は、ポリエステルのような化学繊維、ポリプロピレンのような合成樹脂、またはアルミ等の金属を用いる。メッシュ部1bとしては、人体に無害で、衛生面でも安全であり、加工がしやすく、低コストで生産できる素材を選定する。
【0016】
メッシュ部1bは、基本的にはシート状の構造としており、二重構造とすることにより、気泡効果が高められる。ビン3内に収納された発砲飲料は、容器に抽出する際に、外部の空気に触れる直前に抽出補助具1のメッシュ部1bと接触して抵抗力を受け、乱流が発生する。このため、発砲飲料を容器に注ぐ際に、程よい気泡が生じて美味を増進させることができる。
【0017】
なお、抽出補助具1の発砲飲料抽出位置に設ける部材は、メッシュ部1bには限定されない。例えば、前記素材(合成樹脂、金属薄板など)に極小の穴をパンチングしたり、液体透過性の特殊フィルムをビン3の開口部に被着させる構成とすることもできる。
【0018】
図2で説明した抽出補助具1は、発砲飲料の製造工場において、最終処理工程で王冠2を被着する際に、その前工程でビン3に取り付けるものであるが、抽出補助具1を別部材として別途市販することもできる。この場合には、利用者が抽出補助具1を購入し、発砲飲料を消費する際に、王冠2を外しビン3の開口部に抽出補助具1を被着する。抽出補助具1の利用後は、洗剤で水洗後に水きり、乾燥させて、繰り返し使用しても衛生面で問題が生じないように留意する。
【0019】
図3〜図5は、本発明の異なる実施形態を示す説明図である。図3において、10は抽出補助具で外周に沿ってフランジ部10aを設け、皿状に形成している。抽出補助具10は、合成樹脂または金属板により作成する。抽出補助具10の表面を一部切欠いてメッシュ部11を設ける。メッシュ部11の素材や機能は、図2で説明した通りである。
【0020】
4は発砲飲料が収納されている缶で、前記抽出補助具10のフランジ部10aを缶4の外縁部4aに被着する。抽出補助具10のメッシュ部11をプルトップ部5の位置に合わせ、缶4に収納されている発砲飲料を、メッシュ部11を通して容器に注ぐか、または直接缶から飲用する。抽出補助具10も発砲飲料の製造工場で被着するか、または、市販のものを利用者が購入して使用するか、いずれの態様でも採用できる。
【0021】
図4は、缶4のプルトップ部5で開口させた発砲飲料の抽出口の位置に、メッシュ部6の部分を開口して発砲飲料が通過できるようにした接着テープ8を貼り付けた例の説明図である。図4(a)は、全体を示す図であり、図4(b)は、メッシュ部6と接着テープ8を拡大して示す図である。図4の例では、単にメッシュ部6を接着テープ8でプルトップ部5の開口部に貼り付けるだけで、簡単に美味な発砲飲料を飲用することができる。この例では、メッシュ部6と接着テープ8は使い捨てとすることができる。
【0022】
図5は、缶4のプルトップ部5で開口させた発砲飲料の抽出口の位置に、メッシュ部7を予め形成しておく例を示す説明図である。図5(a)は全体を示す図であり、図5(b)は部分的に拡大した図である。図5(b)に示すように、プルトップ部5を矢視S方向に回動して開口部を露出させると、この部分にはメッシュ部7が設けられている。図5の例では、利用者はプルトップ部5を矢視S方向に回動させる通常の操作でメッシュ部7を露出させるので、手間がかからないという利点がある。
【0023】
以上、本発明の発砲飲料の抽出補助具について説明してきたが、本発明はこれら実施形態に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】 本発明の実施形態を示す説明図である。
【図2】 本発明の実施形態を示す説明図である。
【図3】 本発明の実施形態を示す説明図である。
【図4】 本発明の実施形態を示す説明図である。
【図5】 本発明の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1、10・・・抽出補助具、1a・・・フィルム、1b、6、7、11・・・メッシュ部、1c・・・筒部、2・・・王冠、3・・・ビン、4・・・缶、5・・・プルトップ部、8・・・接着テープ、10a・・・フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発砲飲料が収容されている容器の前記発砲飲料の抽出部に、発砲飲料の発砲作用を促進する部材を設けたことを特徴とする、発砲飲料の抽出補助具。
【請求項2】
前記容器は、ビンまたは缶であることを特徴とする、請求項1に記載の発砲飲料の抽出補助具。
【請求項3】
前記発砲飲料の発砲作用を促進する部材は、予め前記ビンまたは缶に取り付けられていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の発砲飲料の抽出補助具。
【請求項4】
前記発砲飲料の発砲作用を促進する部材は、前記ビンまたは缶とは分離して製造されており、利用者が当該発砲飲料の飲用時に前記発砲飲料の抽出部に取り付けることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の発砲飲料の抽出補助具。
【請求項5】
前記発砲飲料の発砲作用を促進する部材は、メッシュ部として構成されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発砲飲料の抽出補助具。
【請求項6】
前記メッシュ部の素材は、化学繊維、合成樹脂、または金属細線であることを特徴とする、請求項5に記載の発砲飲料の抽出補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−107722(P2009−107722A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308020(P2007−308020)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(507391568)
【出願人】(507391579)
【Fターム(参考)】