説明

発電システムのための排出物予測システム

【課題】過渡状態運転中の発電プラントシステムの排出物を減少させるように構成されるシステムを提供する。
【解決手段】発電システム140内の蒸気タービンの構成要素についての運転データ134を取得するアクションであって、この運転データ134が、構成要素の温度、および、発電システム140における最新の周囲状態のセット、のうちの少なくとも1つを含む、アクションと、運転データに基づいて蒸気タービンのための許容される運転蒸気温度範囲を決定するアクションと、許容される蒸気温度範囲(R1)内の温度のセットのための排出物予測を生成するアクションと、排出物予測に基づいて運転蒸気の温度を調整するステップと、を含むアクションを実施することにより、発電システム140内の運転蒸気の温度を調整するように適合される少なくとも1つのコンピュータデバイス102を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は発電プラントシステムに関し、より詳細には、コンバインドサイクル発電プラントシステムの排出物感応(emissions sensitive)過渡状態運転のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の発電プラントシステム、例えば一部のシンプルサイクル発電プラントシステムおよびコンバインドサイクル発電プラントシステムを運転すると、排出物(すなわち、一酸化炭素(CO)、炭化水素(UHC)、窒素酸化物(NOx)など)が発生し、それらを大気中に放出/消散されなければならない。これらの排出物の放出は、環境を損なう可能性があり、および/または、一部の機関によって規制されている可能性がある。運転蒸気(operational steam)温度が制限され、発電プラントシステムの構成要素が少ない負荷で動作することができる過渡運転(例えば、始動、停止など)の状態では、これらの排出物が大量に発生する可能性がある。
【0003】
コンバインドサイクル発電プラントシステムでは、始動または別の過渡運転中に蒸気タービンに供給される蒸気の温度は、システムの運転パラメータ(例えば、ガスタービン負荷、ガスタービン排気温度など)を調整することによって制御することができる。始動または別の過渡運転中、蒸気タービンに供給され得る許容される運転蒸気温度は、蒸気タービン構成要素の温度によって制限される可能性がある温度範囲に制限される。この許容範囲内の蒸気温度は、構成要素の固着(component binding)や熱応力の発生を防止するためにシステム構成要素の温度付近に維持される。この温度範囲および適切な運転蒸気温度を決定する際、現行の発電プラントシステムは多数の要素(例えば、始動時間および冷却時間に対する影響、構成要素に対する物質的な影響)を考慮する。しかし、これらのシステムは、許容される蒸気温度範囲内に存在し得る排出物の変化を把握することができない。したがって、過渡運転状態のための運転蒸気温度を実現するようにガスタービン負荷などの運転パラメータを調整する際、排出物の影響は考慮されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0292436号明細書
【発明の概要】
【0005】
発電プラントシステムの排出物を減少させるためのシステムが開示される。一実施形態では、システムが、アクションを実施することにより発電システム内の運転蒸気の温度を調整するように適合される少なくとも1つのコンピュータデバイスを含み、アクションは、発電システム内の蒸気タービンの構成要素についての運転データを取得するアクションであって、この運転データが、これらの構成要素の温度、および発電システムにおける最新の周囲状態のセット、のうちの少なくとも1つを含む、アクションと、これらの運転データに基づいて蒸気タービンのための許容される運転蒸気温度範囲を決定するアクションと、この許容される蒸気温度範囲内の温度のセットのための排出物物質の予測を生成するアクションと、これらの排出物予測に基づいて運転蒸気の温度を調整するアクションとを含む。
【0006】
本発明の第1の態様は、アクションを実施することにより発電システム内の運転蒸気の温度を調整するように適合される少なくとも1つのコンピュータデバイスを含むシステムであって、アクションは、発電システム内の蒸気タービンの構成要素についての運転データを取得するアクションであって、この運転データが、これらの構成要素の温度、および発電システムにおける最新の周囲状態のセット、のうちの少なくとも1つを含む、アクションと、これらの運転データに基づいて蒸気タービンのための許容される運転蒸気温度範囲を決定するアクションと、この許容される蒸気温度範囲内の温度セットのための排出物予測を生成するアクションと、これらの排出物予測に基づいて運転蒸気の温度を調整するアクションとを含む、システムを提供する。
【0007】
本発明の第2の態様は、コンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム製品であって、少なくとも1つのコンピュータデバイスによって実行されたとき、発電システム内の蒸気タービンの構成要素の温度、および発電システムにおける最新の周囲状態のセット、のうちの少なくとも1つを含む、これらの構成要素についての運転データを取得し、これらの運転データに基づいて蒸気タービンのための許容される運転蒸気温度範囲を決定し、この許容される蒸気温度範囲内の温度セットのための排出物予測を生成し、これらの排出物予測に基づいて発電システム内の運転蒸気の温度を調整することを実施するプログラム製品を提供する。
【0008】
本発明の第3の態様は、コンバインドサイクル発電システムを提供し、このシステムは、ガスタービンと、ガスタービンに動作可能に接続される熱回収蒸気発生器(heat recovery steam generator(HRSG))と、HRSGに動作可能に接続される蒸気タービンと、ガスタービンまたは蒸気タービンのうちの少なくとも1つに動作可能に接続されるジェネレータと、ガスタービン、蒸気タービンおよびHRSGのうちの少なくとも1つに通信可能に接続される少なくとも1つのコンピュータデバイスとを含み、少なくとも1つのコンピュータデバイスが、蒸気タービンの構成要素についての運転データを取得するアクションであって、これらの運転データが、これらの構成要素の温度、および、発電システムにおける最新の周囲状態のセット、のうちの少なくとも1つを含む、アクションと、これらの運転データに基づいて蒸気タービンのための許容される運転蒸気温度範囲を決定するアクションと、この許容される蒸気温度範囲内の温度セットのための排出物予測を生成するアクションと、これらの排出物予測に基づいて運転蒸気の温度を調整するアクションと、を含むアクションを実施することにより発電システム内の運転蒸気の温度を調整するように適合される。
【0009】
本発明のこれらの特徴および別の特徴は、本発明の種々の実施形態を描く添付図面と併せた本発明の種々の態様の以下の詳細な説明により、より容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による制御システムを含む環境を示す概略図である。
【図2A】本発明の実施形態によるプロセスを示す方法流れ図である。
【図2B】本発明の実施形態によるプロセスを示す方法流れ図である。
【図3】本発明の実施形態によるユーザインターフェースを示す概略図である。
【図4】本発明の一態様による多軸形コンバインドサイクル発電プラントの複数の部分を示す概略図である。
【図5】本発明の一態様による単軸形コンバインドサイクル発電プラントの複数の部分を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示のこれらの図面が必ずしも原寸に比例していないことがあることに留意されたい。これらの図面は、本開示の典型的な態様を示すものにすぎず、したがって本開示の範囲を限定するものとみなすべきではない。これらの図面では、複数の図面の間では同様の参照符号は同様の要素を示している。
【0012】
本明細書で示されるように、本発明の態様は、過渡状態運転中の発電プラントシステムの排出物を減少させるように構成されるシステムを可能にする。これらのシステムは、許容される蒸気温度マッチング範囲内で得られる排出物排出量の有用な改善および/または劣化を予測し、蒸気温度マッチング判断においてこれらの影響を要因に入れる。
【0013】
一部の発電システム(例えば、蒸気タービン、ガスタービンなどを含む)の過渡状態運転には、運転蒸気温度の抑制および漸進的な調節が含まれてよい。この抑制および/または調整は、熱応力が発生するのを回避するために、蒸気温度をシステム構成要素のある温度範囲内に維持しなければならない。通常、許容される蒸気温度範囲を決定し、決定された運転蒸気温度にマッチングするようにシステムの運転パラメータ(例えば、ガスタービン負荷、ガスタービン排気温度など)を調整する際、発電システムは、システム効率および構成要素の物質的限界に対する影響を考慮する。しかし、現行のシステムは、運転蒸気温度の選択および/または得られるガスタービン運転状態において排出物の影響を要因としない、または考慮しない。このように温度マッチングプロセス中に排出物を考慮しないことにより、発電システムの排出物排出量が増加する可能性がある。
【0014】
従来のシステムとは対照的に、本発明の実施形態は、運転蒸気温度のセットでの排出物合計量に対する、さらには、許容される温度マッチング範囲内での対応するガスタービン運転パラメータ/状態に対する影響を予測および考慮するシステムを可能にする。このシステムは、データベース/メモリ/記憶システムおよび少なくとも1つのセンサに通信可能に接続されるコンピュータデバイスを含む。このコンピュータデバイスは、システム構成要素の温度に基づき、発電システムのための許容される蒸気温度マッチング範囲を割り出すように構成される。この範囲が割り出されると、コンピュータデバイスが、この範囲内で種々の温度を実現するのに必要となるガスタービン運転状態(複数可)を考察し、これらの状態(複数可)が排出物合計量に与える影響を予測する。種々の蒸気温度での排出物に対する影響が決定され、さらにはそれらの影響がマッチング判断の要因に入れられるので、過渡状態の排出物合計量およびプラント全体の排出物合計量を減少させる温度マッチングを行うことができる。
【0015】
当業者には認識されるように、本明細書で説明される制御システムは、システム(複数可)、方法(複数可)、オペレータディスプレイ(複数可)またはコンピュータプログラム製品(複数可)として実施することができ、例えば、発電プラントシステム、発電システム、タービンシステム、の一部として実施することができる。したがって、本発明の実施形態は、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または、ソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態、の形態をとることができ、これらはすべて、概して、本明細書では、「回路」、「モジュール」、「ネットワーク」または「システム」と称されてよい。さらに、本発明は、媒体内に含まれるコンピュータ使用可能プログラムを有する、表現の任意の有形的表現媒体内に含まれるコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0016】
1つまたは複数のコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体(複数可)の任意の組み合わせが使用され得る。コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、限定しないが、例えば、電気式、磁気式、光学式、電磁式、赤外線式または半導体式の、システム、装置またはデバイスであってよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能読取り専用記憶装置(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、光記憶デバイス、インターネットまたはイントラネットなどを補助するような伝送媒体、あるいは、磁気記憶装置を含む。プログラムが、例えば紙または別の媒体を光学的に走査することを介して電子的にキャプチャされ、次いで、コンパイルされるかまたは解釈されるかまたはそれ以外の適切な形で処理され、さらに必要な場合には、コンピュータメモリに記憶され得るので、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、その上にプログラムが印刷される紙または別の適切な媒体であってもよいことに留意されたい。本明細書の文脈では、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、命令実行装置または命令実行デバイスによって使用されるまたはそれと共に使用されるためのプログラムを、包含、記憶、通信または伝送することができる任意の媒体であってよい。コンピュータ使用可能媒体は、ベースバンド内または搬送波の一部としてコンピュータ使用可能プログラムコードが含まれた伝搬データ信号を含むことができる。コンピュータ使用可能プログラムコードは、限定しないが、ワイヤレス、ワイヤライン、光ファイバケーブル、RFなどを含む、任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0017】
本発明のオペレーションを実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、SmalltalkまたはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続きプログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれていてよい。このプログラムコードは、全体が使用者のコンピュータ上で実行されるか、一部がスタンドアローンソフトウェアパッケージとして使用者のコンピュータ上で実行され一部が使用者のコンピュータ上で実行され一部がリモートコンピュータ上で実行されるか、あるいは、全体がリモートコンピュータ上またはサーバ上で実行されてよい。最後のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介して使用者のコンピュータに接続されてよく、または、この接続は外部コンピュータに対してなされてもよい(例えば、インターネットサーバプロバイダを使用したインターネットを介して)。
【0018】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、特定の形でコンピュータまたは別のプログラマブルデータ処理装置を機能させるように指示することができるコンピュータ可読媒体内に記憶されてもよく、その場合、コンピュータ可読媒体内に記憶された命令は、ブロック図のブロック(複数可)に明示される機能/処置を実施する命令手段を含む製造品を形成する。
【0019】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータによって実施されるプロセスを行うために一連の動作ステップがコンピュータ上または別のプログラマブルデータ処理装置上で実行されるように、コンピュータまたは別のプログラマブルデータ処理装置にロードされてもよく、その場合、コンピュータまたは別のプログラマブルデータ処理装置で実行される命令は、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)に明示される機能/処置を実施するためのプロセスを提供する。
【0020】
図を参照すると、温度マッチングプロセスでの排出物の影響を含むことによりコンバインドサイクル発電プラントシステムの排出物感応過渡状態運転を可能にするように構成されるシステムの実施形態が示されている。図の構成要素の各々は、図1〜5に示されるように、ハードワイヤード手段、ワイヤレス手段または別の従来の手段を介して接続され得る。具体的には、図1を参照すると、排出物予測システム107を含む例示の環境100が本発明の実施形態に従って示されている。環境100は、本明細書に記載される種々のプロセスを実施することができるコンピュータインフラストラクチャ102を含む。詳細には、コンピュータインフラストラクチャ102は排出物予測システム107を含むコンピュータデバイス110を含んで示されており、排出物予測システム107により、本開示のプロセスステップを実施することにより発電システム140の排出物感応過渡状態運転をコンピュータデバイス110が管理することが可能となる。
【0021】
上で言及したように、また、後でさらに考察するように、排出物予測システム107は、とりわけ、コンピュータデバイス110が本明細書に記載される排出物感応制御運転を実施するのを可能にする技術的効果を有する。図1に示される種々の構成要素の一部を、コンピュータデバイス110に含まれる1つまたは複数の個別のコンピュータデバイスのために、個別に実行する、組み合わせる、および/または、メモリに記憶することができることを理解されたい。また、構成要素および/または機能性の一部が実施されない可能性があり、または、追加のスキームおよび/または機能性が排出物予測システム107の一部として含まれてよいことを理解されたい。
【0022】
コンピュータデバイス110は、メモリ112、プロセッサユニット(PU)114、入力/出力(I/O)インターフェース116、および、バス118を含んで示されている。さらに、コンピュータデバイス110は、外部I/Oデバイス/I/Oリソース120および記憶システム122に連通されて示されている。当技術分野で知られているように、一般に、PU114は、メモリ112および/または記憶システム122に記憶された排出物予測システム107などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードの実行中、PU114は、グラフィカルユーザインターフェース130および/または運転データ134などのデータを、メモリ112、記憶システム122および/またはI/Oインターフェース116から読み込んだり、それらに書き込んだりすることができる。バス118は、コンピュータデバイス110内の構成要素の各々の間での通信リンクを形成する。I/Oデバイス120は、使用者が、コンピュータデバイス110と対話する、または、1つまたは複数の別のコンピュータデバイスとコンピュータデバイス110が通信するのを可能にするための任意のデバイスと対話するのを可能にする任意のデバイスを含むことができる。入力/出力デバイス(限定しないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイスなどを含む)が、直接に、または、介在するI/O制御装置を介して、システムに接続され得る。
【0023】
一部の実施形態では、図1に示されるように、環境100は、任意選択で、発電システム140およびコンピュータデバイス100に通信可能に接続される(例えば、ワイヤレス手段またはハードワイヤード手段を介して)、少なくとも1つの構成要素センサ142、少なくとも1つの排出物センサ144、および、少なくとも1つの周囲センサ146を含むことができる。構成要素センサ142、排出物センサ144および周囲センサ146は、温度計、気圧計、湿度感応デバイス、ガスタービン計器、蒸気タービン計器などを含む、任意の数の既知のセンサを含むことができる。一部の実施形態では、コンピュータデバイス110および/または排出物予測システム107は発電システム140の上または中に配置され得る。
【0024】
いずれも場合も、コンピュータデバイス110は、使用者によってインストールされたコンピュータプログラムコードを実行することができる任意の汎用コンピュータ製品を含むことができる(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、手持ち式デバイスなど)。しかし、コンピュータデバイス110が、単に、本開示の種々のプロセスステップを実施することができる考えられる種々の等価のコンピュータデバイスの代表例であることを理解されたい。この点に関して、別の実施形態では、コンピュータデバイス110は、特定の機能を実施するためのハードウェアおよび/またはコンピュータプログラムコードを含む任意の専用コンピュータ製品、あるいは、専用ハードウェア/ソフトウェアと汎用ハードウェア/ソフトウェアとの組み合わせを含む任意のコンピュータ製品などを含むことができる。いずれの場合も、プログラムコードおよびハードウェアは、それぞれ、標準的なプログラミング技術および工学的技術を使用して作られ得る。一実施形態では、コンピュータデバイス110は分散制御システムであるか、分散制御システムを含んでよい。別の実施形態では、コンピュータデバイス110はガスタービンと一体であってよい。別の実施形態では、コンピュータデバイス110は発電システム140の一部であってよい。
【0025】
図2Aを参照すると、例示の方法流れ図が本発明の実施形態に従って示されている。プレプロセスP0では、排出物予測システム107は、発電システム140の過渡状態運転のための排出物感応蒸気温度の適合化を開始するように、コンピュータデバイス110上で起動される。すなわち、発電システム140の運転蒸気温度の自動調整/計画的調整、発電システム140の運転蒸気温度への、状態により決定される調整、または、蒸気温度の手動調整/使用者命令調整のいずれかが、コンピュータデバイス110によって実施され得る。プレプロセスP0に次いで、プロセスP1では、コンピュータデバイス110が、発電システム140の少なくとも1つの構成要素のための運転データを獲得する。運転データは、メモリ112、記憶システム122、構成要素センサ142、排出物センサ144および/または周囲センサ146のうちの少なくとも1つから獲得され得る。運転データは、少なくとも1つの構成要素の温度、発電システム140内の蒸気タービンの温度、発電システム140のためのシステム仕様のセット、発電システム140における最新の周囲状態のセット、蒸気タービンの応力、蒸気タービンの膨張、蒸気タービンのクリアランスなどを含むことができる。プロセスP1に次いで、プロセスP2では、コンピュータデバイス110が予測基準データ(例えば、参照用テーブル、事前に用意された曲線、蒸気タービンの設計基礎など)にアクセスして、発電システム140から獲得した運転データに基づいて許容される蒸気温度範囲を決定するために、メモリ112および/または記憶システム122に接続される。
【0026】
いずれの場合も、プロセスP2に次いで、プロセスP3では、コンピュータデバイス110が、選択されたガスタービン負荷の範囲内または別の運転パラメータ範囲内での種々の蒸気温度および/または対応するガスタービン運転状態(複数可)のための排出物の発生値(emissions generation value)を予測する。選択されたガスタービン運転状態(複数可)の範囲は、必ずしも限定されないが、決定された許容される蒸気温度範囲を含む。一実施形態では、コンピュータデバイス110および/またはPU114は、排出物の参照用テーブル、事前に用意された排出物曲線および/または記憶された排出物データのいずれかにアクセスすることができる。コンピュータデバイス110および/またはPU114は、温度のセットおよび/または対応するガスタービン運転パラメータ(複数可)範囲のための排出物予測を生成するために、許容される蒸気温度、対応するガスタービン運転パラメータ(複数可)範囲、および/または、運転データを、排出物の参照用テーブル、事前に用意された排出物曲線、および/または、記憶されたデータのいずれかの中のデータ点と比較することができる。対応するガスタービン運転パラメータ(複数可)範囲は、限定されないが、許容される運転蒸気温度範囲を含む。コンピュータデバイス110および/またはPU114は、許容される運転蒸気温度範囲内の温度のセットのための排出物予測を獲得/生成するために、運転データおよび許容される蒸気温度範囲、ならびに/または、許容される蒸気温度範囲内の所与の温度を、メモリ112および/または記憶システム122に入力することができる。
【0027】
P3に次いで、プロセスP4Aでは、コンピュータデバイス110が、許容される蒸気温度範囲内の蒸気温度のセットおよび/または対応するガスタービン運転状態(複数可)のための排出物予測を、グラフィカルユーザインターフェース130上に表示する。一実施形態では、コンピュータデバイス110は、曲線のセットとして排出物予測を表示することができる。別の実施形態では、コンピュータデバイス110は、テーブル内のデータ点のセットとして排出物予測を表示することができる。一実施形態では、グラフィカルユーザインターフェース130は、システム内での操作指示および/または発電プラント動作に有用であるような、別の発電システム140またはタービンパラメータを含むことができる。P4Aに次いで、プロセスP5Aでは、使用者が、排出物感応運転蒸気温度および/またはガスタービン運転状態を選択しおよび/またはそのような選択を行うことを促され、次いで、使用者が選択することに応答して、コンピュータデバイス110が、排出物感応運転蒸気温度および/または選択されたガスタービン運転状態を実質的に実現するために、ガスタービン運転パラメータ(複数可)を調整する。別法として、プロセスP4Bで、コンピュータデバイス110が、発電システムのための排出物感応運転蒸気温度を決定する。一実施形態では、コンピュータデバイス110が、メモリ112および/または記憶システム122上に設定されている排出物予測基準データにアクセスすることにより、排出物感応運転蒸気温度を決定する。コンピュータデバイス110は、設定された排出物予測基準データ内のデータ点を、獲得された運転データおよび決定された許容される運転蒸気温度範囲と比較する。別の実施形態では、コンピュータデバイス110は、排出物感応運転蒸気温度を決定するために、運転蒸気温度のセットのための排出物予測を比較することができる。いずれの場合も、P4Bに次いで、プロセスP5Bでは、コンピュータデバイス110が、決定された排出物感応運転蒸気温度を実質的に実現するためにガスタービン運転パラメータ(複数可)を調整する。一実施形態では、コンピュータデバイス110はガスタービン運転パラメータ(複数可)を自動で調整することができる。別の実施形態では、コンピュータデバイス110は、ガスタービン運転パラメータ(複数可)を調整する前に使用者の承認を促して待つことができる。いずれの場合も、P5AまたはP5Bに次いで、プロセスP6では、運転蒸気流れが蒸気タービンに導入されるか、または、蒸気タービンまでの既に存在する運転蒸気流れが変化される。この新しいまたは変化された運転蒸気流れは、排出物感応温度に実質的に等しい温度で導入される。
【0028】
図2Bを参照すると、P6に次いで、プロセスP7では、コンピュータデバイス110が、構成要素センサ142、排出物センサ144および周囲センサ146を介して、排出物生成、および、発電システム140の運転蒸気温度を監視する。構成要素センサ142、排出物センサ144および周囲センサ146は、発電システム140上に配置されるか、発電システム140内に配置されるか、または、発電システム140に流体連通され得る。構成要素センサ142、排出物センサ144および周囲センサ146には、任意の数の同様のまたは異なるセンサが含まれてよい(例えば、圧力センサ、温度センサ、湿度センサなど)。構成要素センサ142、排出物センサ144および周囲センサ146は、発電システム140のための、運転データ(例えば、構成要素温度、大気温度、大気圧、湿度など)、および/または、排出物データ(例えば、NOx、NO、NO2の発生、CO、CO2の発生、UHC、VOCの発生、粒子状物質の発生、ガスタービン排気温度、蒸気温度など)の記録/読込を行うことができる。プロセスP7に次いで、プロセスP8では、コンピュータデバイス110が、構成要素センサ142、排出物センサ144および周囲センサ146のいずれかのよる読み取り値に基づき、メモリ112、記憶デバイス122および/または動力システムデータ134のいずれかを更新する。一実施形態では、これらのリアルタイム読み取り値は、運転データ134および既存の排出物予測を更新するのに使用される。これらの読み取り値は、コンピュータデバイス110によるさらなる排出物予測を向上させるためにメモリ112および記憶システム122のいずれかに保存される。一実施形態では、これらの読み取り値は、コンピュータデバイス110によるさらなる排出物予測の要因に入れられる。これらの読み取り値は、発電システム140の運転を調整するためにリアルタイムで使用され得る、運転パラメータ(複数可)に対するガスタービン排出物の特性を生成するために、コンピュータデバイス110によって使用される。一実施形態では、コンピュータデバイス110は、排出物読み取り値を分析する(例えば、排出物予測の精度を決定したり、排出物レベルを監視したりする)。一実施形態では、コンピュータデバイス110は、排出物を予測すること、ならびに、運転蒸気温度および対応するガスタービン運転パラメータ(複数可)を実質的に最小の排出物に調整することを継続する。
【0029】
いずれの場合も、プロセスP8に次いで、プロセスP9では、コンピュータデバイス110が、センサ142および/またはセンサ144から得られたリアルタイム排出物値をグラフィカルユーザインターフェース130上に表示する。一実施形態では、リアルタイム排出物値は、排出物予測と比較されるようにグラフィカルユーザインターフェース130上に表示され得る。別の実施形態では、リアルタイム排出物値は、更新された排出物予測をグラフィカルユーザインターフェース130上に表示するために排出物予測の要因に入れられてよい。いずれの場合も、プロセスP9に次いで、プロセスP10では、使用者が、リアルタイム排出物値、および、許容される運転蒸気温度範囲内の調整/更新された排出物予測値をグラフィカルユーザインターフェース130上で監視する。使用者は、排出物感応運転蒸気温度が実現されるように運転蒸気温度を調整する。別の実施形態では、コンピュータデバイス110は排出物感応運転蒸気温度を自動で維持することができる。P10に次いで、プロセスP11では、排出物予測システム107が停止される。
【0030】
図中のデータ流れ図およびブロック図は、本発明の種々の実施形態による、システムの考えられるインプリメンテーションのアーキテクチャ、機能性およびオペレーションと、方法と、コンピュータプログラム製品とを示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図の中の各ブロックは、特定の論理機能(複数可)を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む、モジュール、セグメント、または、コードの一部を表していてよい。また、一部の代替実装形態では、ブロック内に示される機能は図に示される順番から外れて行われてもよいことに留意されたい。例えば、連続で示されている2つのブロックが、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、または、それらのブロックが、含まれる機能性に応じて、場合によっては逆の順番で実行されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびに、ブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせが、明記される機能または処置を実施する専用ハードウェアベースのシステムにより、あるいは、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせにより、実施されてよいことに留意されたい。
【0031】
図3を参照すると、ユーザインターフェース(UI)400の概略図が本発明の実施形態に従って示されている。UI400は、蒸気温度曲線(TS)、ガスタービン排気温度曲線(TG)、排出物物質曲線1(E1)、排出物物質曲線2(E2)および排出物物質曲線3(E3)を含む。一実施形態では、各排出物曲線E1、E2および/またはE3は、運転状態のある範囲にわたって、代表的な物質(一酸化炭素、炭化水素など)の予測される生成を百万分率で表すことができる。この実施形態では、物質の予測される生成の百万分率はY0からY10の百万分率の範囲にわたって表され得る。別の実施形態では、運転状態のある範囲での排出物流量が表示され得る。この実施形態では、E1、E2およびE3は、ガスタービン負荷X0からX10までの範囲および蒸気タービン構成要素温度Z0からZ10までの範囲を基準にして示される。一実施形態では、ユーザインターフェース400は、図的に明示される許容される蒸気温度範囲R1および図的に明示される許容されるガスタービン負荷範囲R2を含むことができる。一実施形態では、R1およびR2はコンピュータデバイス110によって計算することができ、および/または、データベースから取り出すことができる。一実施形態では、ユーザインターフェース400は、最適排出物温度マッチング(Optimum Emissions Temperature Match(OETM))インジケータを含むことができ、このOETMインジケータは、排出物感応運転蒸気温度の負荷範囲を使用者/オペレータに通知するためのものである。一実施形態では、オペレータは、運転蒸気温度を調整するようにユーザインターフェース400上でOETMインジケータを選択することができる。ユーザインターフェース400が単に本発明の例示の実施形態であり、当技術分野で知られている、ユーザインターフェースの別の形態、フォーマットおよび/またはスタイルが含まれてよいことを理解されたい。
【0032】
図4を参照すると、多軸形コンバインドサイクル発電プラント500の複数の部分の概略図が示されている。コンバインドサイクル発電プラント500は、例えば、ジェネレータ570に動作可能に接続されるガスタービン580を含むことができる。ジェネレータ570およびガスタービン580は、ガスタービン580とジェネレータ570との間でエネルギーを伝達することができるシャフト515によって機械的に結合され得る。図4にはさらに、ガスタービン580に動作可能に接続される熱交換機586と、蒸気タービン592とが示されている。熱交換機586は、従来の導管(参照符号が付されない)を介してガスタービン580および蒸気タービン592の両方に流体接続される。熱交換機586は、従来のコンバインドサイクル動力システムで使用されているような、従来の熱回収蒸気発生器(HRSG)であってよい。発電の技術分野で知られているように、HRSG586は、蒸気タービン592に送られる蒸気を作るために、給水と併せて、ガスタービン580から吐出される熱を使用することができる。蒸気タービン592は、任意選択で、(第2のシャフト515を介して)第2のジェネレータシステム570に結合され得る。ジェネレータシステム570、ガスタービン580、HRSG586および蒸気タービン592のいずれも、図1のコンピュータデバイス110または本明細書に記載される別の実施形態を介して、排出物予測システム107に動作可能に接続され得る。ジェネレータ570およびシャフト515が任意のサイズまたは当技術分野で知られている任意のタイプであってよく、また、それらの用途に応じてまたはそれらが接続されるシステムに応じて異なってよいことを理解されたい。分かりやすいようにジェネレータおよびシャフトは共通の参照符号となっているが、これは、これらのジェネレータまたはシャフトが必ずしも同一のものであることを示していない。ジェネレータシステム570および第2のシャフト515は、上述したジェネレータシステム570およびシャフト515と実質的に同様に動作することができる。本発明の一実施形態(点線で示される)では、排出物予測システム107が、蒸気タービン592およびガスタービン580のいずれかまたは両方を動作させるためにコンピュータデバイス110を介して使用され得る。図5に示される別の実施形態では、単軸形コンバインドサイクル発電プラント600が、単一のシャフト515を介してガスタービン580および蒸気タービン592の両方に結合される単一のジェネレータ570を含むことができる。ガスタービン580および蒸気タービン592は、図1のコンピュータデバイス110または本明細書に記載される別の実施形態を介して排出物予測システム107に動作可能に接続され得る。
【0033】
本開示の排出物予測システムは、任意の1つの発電システム、コンバインドサイクル発電システム、タービン、または別のシステムに限定されず、別の動力システムと共に使用され得る。さらに、本発明のシステムは、本明細書に記載される排出物予測システムによって行われる排出物予測過渡運転から利益を受けることができる、本明細書に記載されない別のシステムと共に使用され得る。
【0034】
本明細書で考察される場合、種々のシステムおよび構成要素は、データ(例えば、運転データ、構成要素温度、システム仕様など)を「得ること」および/または「伝達すること」として説明される。対応するデータを、任意の解決策を使用して得ることができることを理解されたい。例えば、対応するシステム/構成要素はデータを生成することができ、ならびに/あるいは、データを生成すること、1つまたは複数のデータストアまたはセンサ(例えば、データベース)からデータを取り出すこと、および/または、別のシステム/構成要素からデータを受けることなどに、使用され得る。データが特定のシステム/構成要素によって生成されない場合、別のシステム/構成要素が、示されるシステム/構成要素とは別個に実装されてよく、これらが、データを生成して、そのデータをシステム/構成要素に提供し、および/または、システム/構成要素によってアクセスされるデータを記憶する、ことを理解されたい。
【0035】
本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態のみを説明することを目的としており、本開示を限定することを意図しない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈で別の意味で明確に示されない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、本明細書で使用される場合、「comprises(備える/含む)」および/または「comprising(備える/含む)」という用語は、述べられる特徴、整数、ステップ、オペレーション、要素および/または構成要素が存在することを明示しており、1つまたは複数の別の特徴、整数、ステップ、オペレーション、要素、構成要素、および/またはそれらの組み合わせが存在することまたは追加されることを排除しないことを理解されたい。
【0036】
本書は、最良の形態を含めて本発明を開示するために、さらには、任意のデバイスまたはシステムを製造および使用することならびに採用される任意の方法を実施することを含めて、当業者が本発明を実施するのを可能にするために、例を使用する。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思い付く別の例を含むことができる。このような別の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造的要素を有する場合、または、特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない等価の構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0037】
100 例示の実施形態
102 コンピュータインフラストラクチャ
107 排出物予測システム
110 コンピュータデバイス
112 メモリ
114 プロセッサユニット(PU)
116 入力/出力(I/O)インターフェース
118 バス
120 外部I/Oデバイス/リソース
122 記憶システム
130 グラフィカルユーザインターフェース
134 運転データ
140 発電システム
142 構成要素センサ
144 排出物センサ
146 周囲センサ
400 ユーザインターフェース(UI)
500 多軸形コンバインドサイクル発電プラント
515 シャフト
570 ジェネレータ
580 ガスタービン
586 熱交換機
592 蒸気タービン
600 単軸形コンバインドサイクル発電プラント
G ガスタービン排気温度曲線
S 蒸気温度曲線
E1 排出物物質曲線1
E2 排出物物質曲線2
E3 排出物物質曲線3
R1 許容される蒸気温度範囲
R2 許容されるガスタービン負荷範囲
OETM 最適な排出物温度マッチングインジケータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクションを実施することにより発電システム(140、500、600)内の運転蒸気の温度を調整するように適合される少なくとも1つのコンピュータデバイス(102、110、114)を含むシステムであって、前記アクションが、
前記発電システム(140、500、600)内の蒸気タービン(592)の構成要素についての運転データ(134)を取得するアクションであって、前記運転データ(134)が、前記構成要素の温度、および、前記発電システム(140、500、600)における最新の周囲状態のセット、のうちの少なくとも1つを含む、アクションと、
前記運転データ(134)に基づいて前記蒸気タービン(592)のための許容される運転蒸気温度範囲(R1)を決定するアクションと、
前記許容される蒸気温度範囲(R1)内の温度のセットのための排出物予測(E1、E2、E3、OETM)を生成するアクションと、
前記排出物予測(E1、E2、E3、OETM)に基づいて前記運転蒸気の前記温度を調整するアクションと
を含む、少なくとも1つのコンピュータデバイス(102、110、114)
を含むシステム。
【請求項2】
前記運転蒸気の前記温度を調整することが、前記発電システム(140、500、600)内のガスタービン(580)の運転パラメータを調整することを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコンピュータデバイス(102、110、114)が、前記許容される蒸気温度範囲(R1)内の温度の前記セットのための前記排出物予測(E1、E2、E3、OETM)をユーザインターフェース(130、400)上に表示するようにさらに適合される、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記運転蒸気の前記温度を調整することが、
排出物感応運転蒸気温度を選択または承認するように前記ユーザインターフェース(130、400)を介して使用者に促すこと、
前記使用者からの前記排出物感応運転蒸気温度の前記選択または前記承認を前記ユーザインターフェース(130、400)を介して受けること、および
前記排出物感応運転蒸気温度を実質的に実現するために前記運転蒸気温度を調整すること
を含む、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコンピュータデバイス(102、110、114)に通信可能に接続されかつ前記発電システム(140、500、600)に流体接続される排出物センサ(142、144、146)のセットをさらに含み、前記排出物センサ(142、144、146)のセットが、前記発電システム(140、500、600)の排出物を監視するように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記排出物センサ(142、144、146)のセットおよび前記コンピュータデバイス(102、110、114)に通信可能に接続されるデータベース(112、122)をさらに含み、前記データベース(112、122)が前記排出物センサ(142、144、146)による読み取り値を記憶するように構成されている、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記運転蒸気の前記温度を調整することが、
排出物を減少させるために、前記排出物予測(E1、E2、E3、OETM)に基づいて最適な運転蒸気温度(OETM)を決定すること、および
前記決定された最適な運転蒸気温度(OETM)を実現するために前記発電システム(140、500、600)内のガスタービン(580)上の負荷を調整すること
をさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
コンピュータ可読媒体(112、122)に記憶されたプログラム製品であって、
少なくとも1つのコンピュータデバイス(102、110、114)によって実行されたとき、
発電システム(140、500、600)内の蒸気タービン(592)の構成要素の温度、および、前記発電システム(140、500、600)における最新の周囲状態のセット、のうちの少なくとも1つを含む、前記構成要素についての運転データ(134)を取得し、
前記運転データ(134)に基づいて前記蒸気タービン(592)のための許容される運転蒸気温度範囲(R1)を決定し、
前記許容される蒸気温度範囲(R1)内の温度セットのための排出物予測(E1、E2、E3、OETM)を生成し、
前記排出物予測(E1、E2、E3、OETM)に基づいて前記発電システム(140、500、600)内の運転蒸気の前記温度を調整すること
を実施するプログラム製品。
【請求項9】
コンバインドサイクル発電システム(140、500、600)であって、
ガスタービン(580)と、
前記ガスタービン(580)に動作可能に接続される熱回収蒸気発生器(HGSG)(586)と、
前記HRSG(586)に動作可能に接続される蒸気タービン(592)と、
前記ガスタービン(580)または前記蒸気タービン(580)のうちの少なくとも1つに動作可能に接続されるジェネレータ(570)と、
前記ガスタービン(580)、前記蒸気タービン(592)および前記HRSG(586)のうちの少なくとも1つに通信可能に接続される少なくとも1つのコンピュータデバイス(102、110、114)とを含み、
前記少なくとも1つのコンピュータデバイス(102、110、114)が、
前記蒸気タービン(592)の構成要素についての運転データ(134)を取得するアクションであって、前記運転データ(134)が、前記構成要素の温度、および、前記発電システム(140、500、600)における最新の周囲状態のセット、のうちの少なくとも1つを含む、アクションと、
前記運転データ(134)に基づいて前記蒸気タービン(592)のための許容される運転蒸気温度範囲(R1)を決定するアクションと、
前記許容される蒸気温度範囲内の温度セットのための排出物予測(E1、E2、E3、OETM)を生成するアクションと、
前記排出物予測(E1、E2、E3、OETM)に基づいて運転蒸気の温度を調整するアクションと
を含むアクションを実施することにより前記発電システム(140、500、600)内の運転蒸気の温度を調整するように適合される、コンバインドサイクル発電システム(140、500、600)。
【請求項10】
前記運転蒸気の前記温度を調整することが、前記発電システム(140、500、600)内のガスタービン(580)の運転パラメータを調整することを含む、請求項9記載のコンバインドサイクル発電システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−44329(P2013−44329A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−180698(P2012−180698)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】