説明

白血病を治療するための方法および組成物

白血病を治療するためのBCR−ABL阻害剤およびヘッジホッグ経路阻害剤の組合せ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
白血病を治療するためのBCR−ABL阻害剤およびヘッジホッグ経路阻害剤の組合せ。
【背景技術】
【0002】
ヘッジホッグシグナル伝達経路は、当技術分野において報告されている(例えば、NybakkenらCurr. Opin. Genet. Dev. 2002, 12:503-511;およびLumらScience 2003, 299: 2039-2045を参照のこと)。簡単に述べると、ヘッジホッグリガンドが存在しない場合は、膜貫通型受容体であるPatched(Ptch)がSmoothened(Smo)に結合し、Smoの機能を遮断する。リガンドが存在する場合は、この阻害は解除され、Smoによるシグナル伝達カスケードの開始が可能となり、その結果、細胞質タンパク質fused(Fu)およびSuppressor of Fused(SuFu)から転写因子Gliが遊離する。不活性な状況では、SuFuは、Gliが核に移行するのを妨げる。活性な状況では、FuはSuFuを阻害し、Gliが遊離する。Gliタンパク質は、核に移行し、標的遺伝子の転写を制御する。
【0003】
BCR−ABL腫瘍遺伝子は、フィラデルフィア染色体(Ph)22qの産物であり、構成的に活性化されているABLチロシンキナーゼ活性を有するキメラBCR−ABLタンパク質をコードする(LugoらScience 1990, 247:1079-1082)。BCR−ABLは、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia(別名chronic myelogenous leukemiaまたはCML))の根本的な原因である。210kDaのBCR−ABLタンパク質が、CML患者において発現されるのに対して、BCR遺伝子の別の切断点に由来する190kDaのBCR−ABLタンパク質は、Ph陽性(Ph)急性リンパ性白血病(ALL)患者において発現される。(BartramらNature 1983, 306:277-280;ChanらNature 1987, 325:635-637)。
【0004】
BCR−ABLは、運命付けられた骨髄系もしくはリンパ系始原細胞または3T3線維芽細胞における種々の機構によって、増殖および抗アポトーシスを誘導することが示されている。(PendergastらCell 1993, 75:175-85;IlariaらJ. Biol. Chem. 1996, 271:31704-10;ChaiらJ. Immunol. 1997, 159:4720-8;およびSkorskiらEMBO J. 1997, 16:6151-61)。しかし、BCR−ABLが造血幹細胞(HSC)集団に及ぼす影響についてはほとんど知られていない。最近の刊行物は、Wntシグナル伝達経路のような発生経路またはPolycomb遺伝子BMI1が、白血病幹細胞の調節および増殖に関与している可能性があることを示唆している(MohtyらBlood, 2007;HosenらStem Cells, 2007)。BMI1およびβ−カテニンは両方とも、CML急性転化において上方制御され、それらの発現は、疾患の進行と相関する。β−カテニン発現を獲得したBCR−ABL陽性顆粒球−マクロファージ始原細胞は、急性転化CMLにおける白血病幹細胞の候補である。自己再生経路は、悪性クローンの初期の増殖を引き起こす慢性期の間の、BCR−ABL陽性白血病幹細胞の増殖に関与している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、腫瘍細胞成長を阻害し、種々のがんを治療するのに有用であり得る治療の組合せおよび治療方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害する第1の薬剤およびBCR−ABLを阻害する第2の薬剤を含む組合せを提供する。別の態様では、本発明は、治療有効量の、ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害する第1の薬剤、BCR−ABLを阻害する第2の薬剤および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0007】
本発明はまた、がん、特にCMLなどのBCR−ABL陽性白血病を治療するための方法であって、系または対象に、ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害する第1の薬剤およびBCR−ABLを阻害する第2の薬剤、またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物を含む、治療有効量の組成物を投与し、それによって、前記BCR−ABL陽性白血病を治療することを含む方法を提供する。例えば、本発明の組成物は、慢性骨髄性白血病または急性リンパ球性白血病を治療するために使用され得る。
【0008】
さらに、本発明は、細胞増殖性障害、特にBCR−ABL陽性白血病を治療するための医薬品の製造における、ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害する第1の薬剤およびBCR−ABLを阻害する第2の薬剤、またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物を含む、治療有効量の組合せの使用を提供する。
【0009】
上記の組成物および本発明の組成物を使用するための方法において、本発明の組成物中の第1の薬剤は、Smoに結合し得る。他の実施形態では、本発明の組成物中の第2の薬剤は、ABL阻害剤、ABL/Scr阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤またはBCR−ABLの非ATP競合阻害剤である。
【0010】
上記の組合せ、組成物および本発明の組成物を使用するための方法において、本発明の組成物は、細胞または組織を含む系に投与され得る。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ヒト患者または動物対象に投与され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第2代コロニーの総数が、増加した濃度の化合物Aで3日間処理した後に形成された初代CML細胞の単個コロニーから生じた「最初の再プレーティング」実験を示すグラフである。結果を、未処理対照(NDC)の百分率として表す。
【図2】図1の「2回目の再プレーティング」後に形成された初代CML細胞の総コロニー数を示すグラフである。結果を、未処理対照(NDC)の百分率として表す。 2回目の再プレーティング後に形成された総コロニー数を示す。
【図3】得られた第2代コロニーの総数を、未処理対照の百分率として、3重複製で記載するグラフである。
【図4】化合物Aまたはニロチニブまたはこの2種の薬物を組み合わせて、3日間処理した初代CML細胞の実験における、第2代コロニーの総数の説明に役立つ例である。結果を、未処理対照の百分率として表す。
【図5】化合物A、ニロチニブまたはこの2種の組合せに7日間曝した後の「最初の再プレーティング」実験において、生成された第2代コロニーの総数を示すグラフである。結果を、未処理対照(NDC)の百分率として表す。
【図6】化合物A、ニロチニブまたはこの2種の組合せに3日間曝した後の「最初の再プレーティング」実験において、生成された第2代コロニーの総数を示すグラフである。結果を、未処理対照(NDC)の百分率として表す。
【図7】化合物A、ニロチニブまたは両方の薬物で処理した後の、初代CML細胞の増殖指数(PI)を、アッセイに関する曲線下面積(AUC)を計算することによって実証するグラフである。PIは、生成されたコロニーおよびそれらの絶滅率の両方を反映している。
【図8】Bcr−ablレトロウイルスに感染させた2.5×10マウス骨髄細胞を、OPTI−MEM培地(10%FBS、0.1%2−メルカプトエタノール、50ng/ml SCF、25ng/ml mIL−3および25ng/ml mIL−6)中、示された濃度のAMN107および化合物Aの存在下、400μl/ウェル(48−ウェルプレート)でプレーティングした。培養3日後、細胞をメチルセルロース中に、35mmプレート当たり1500細胞の濃度でプレーティングした。プレーティング後10日目に、コロニー形成に評点をつけたグラフである。
【図9】図8の1回目プレーティング実験において得られたコロニーを、再浮遊させ、10%FCSを含有するPBSで洗浄した。細胞をOPTI−MEM培地中に再浮遊させ、メチルセルロース中に、35mmプレート当たり5000細胞の濃度でプレーティングした。プレーティング後10日目に、コロニー形成に評点をつけたグラフである。
【図10】対照ビヒクル、化合物A、AMN107ならびに化合物AおよびANM107の組合せを用いて、マウスCMLモデルを対象に生存率を比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、以下の代表例によって、さらに例示されるが限定されない。これらの代表例は、本発明を例示するためのものであり、それらに限定するものと解釈されるべきではない。
【0013】
式Iの化合物 − Smoothened阻害剤
一態様では、本発明は、式Iの化合物
【0014】
【化1】

[式中、
およびYは、NおよびCR10から独立に選択され;R10は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシおよびハロ置換OXNR10a10bから選択され;R10aおよびR10bは、水素およびC1〜6アルキルから独立に選択され;
は、シアノ、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシ、C6〜10アリール、ジメチル−アミノ、C1〜6アルキル−スルファニル、および最大2個までのC1〜6アルキル基で場合によって置換されているC3〜8ヘテロシクロアルキルから選択され;
およびRは、水素、シアノ、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシおよびジメチルアミノから独立に選択され;
およびRは、水素、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシから独立に選択され;またはRおよびRもしくはRおよびRは、それらが両方とも結合しているフェニルと一緒になって、C5〜10ヘテロアリールを形成し;
およびRは、水素、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシから独立に選択され;ただし、RおよびRは、両方とも水素であることはなく;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシから選択され;
は、−S(O)11、−C(O)R11、−OR11、−NR12a12bおよび−R11から選択され;R11は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルから選択され;R12aおよびR12bは、C1〜6アルキルおよびヒドロキシ置換C1〜6アルキルから独立に選択され;
の前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシ、C6〜10アリール−C0〜4アルキル、C5〜10ヘテロアリール−C0〜4アルキル、C3〜12シクロアルキルおよびC3〜8ヘテロシクロアルキルから独立に選択される1から3個までの基で場合によって置換されていてもよく;
の前記アリール−アルキル置換基は、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシおよびメチル−ピペラジニルから独立に選択される1から3個までの基で場合によって置換されている];ならびにN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護されている誘導体、個々の異性体およびその異性体の混合物;ならびに前記化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物(例えば水和物)を提供する。
【0015】
第2の態様では、本発明は、式Iの化合物もしくはN−オキシド誘導体、個々の異性体およびその異性体の混合物;またはその薬学的に許容される塩を、1種または複数種の適した添加剤と混合して含有する医薬組成物を提供する。
【0016】
式Iの化合物は、ヘッジホッグ経路阻害剤である。
式Iの好ましい化合物は、

【0017】
【化2】

を有する(本文献では、化合物Aとしても識別される)4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−メトキシ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−メトキシ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−シクロヘキシル−フェニル)−アミド、4’−メトキシ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−ジメチルアミノ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−シクロヘキシル−フェニル)−アミド、4’−ジメチルアミノ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、6−クロロ−4’−ジメチルアミノ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−[1,4]オキサゼパン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−クロロ−4’−ジメチルアミノ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−クロロ−4’−ジメチルアミノ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−クロロ−4’−メトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、6−クロロ−4’−メトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−[1,4]オキサゼパン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−クロロ−4’−メトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−クロロ−4’−メトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−メトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−メトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−[1,4]オキサゼパン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−メトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−ジメチルアミノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−ジメチルアミノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−[1,4]オキサゼパン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−ジメチルアミノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−メトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−エトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−メチル−4’−メチルスルファニル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−ジメチルアミノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−メチル−[1,1’;4’,1’’]テルフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、3’−クロロ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、2’,4’−ジクロロ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、2’−クロロ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、3’−クロロ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、3’,4’−ジクロロ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、3’−クロロ−6−メチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6,4’−ジメチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−エチル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−tert−ブチル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−メチル−4’−プロピル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−イソブチル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−イソプロピル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6,2’,6’−トリメチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6,2’,3’−トリメチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−メチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−メチル−3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−メチル−3’,5’−ビストリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、3’−イソプロポキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、3’−エトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、2’,6’−ジメトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−メチル−3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4’−メトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、3’−メトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4’−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、3’−ジメチルアミノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4’−フルオロ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、3’−フルオロ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、2’−フルオロ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4−メチル−N−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−3−キノキサリン−6−イル−ベンズアミド、6−メチル−4’−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、2’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、3’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−[1,4]オキサゼパン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−5’−イル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(3−フルオロ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(3−クロロ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(3−ブロモ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(3−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4−シクロヘキシル−フェニル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸ビフェニル−4−イルアミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(4’−メトキシ−ビフェニル−4−イル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(ピロリジン−1−スルホニル)−フェニル]−アミド、4’−シアノ−6−メトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−シアノ−2−メトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−シアノ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、3’−フルオロ−4’−メトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−イソプロポキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−ブトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、3’−クロロ−4’−メトキシ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−メトキシ−6,3’−ジメチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−アゼパン−1−イル−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−シアノ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−アミド、4’−シアノ−6−フルオロ−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−アミド、6−ブロモ−4’−シアノ−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−ベンジル−

[1,4]ジアゼパン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−チオフェン−3−イルメチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−メトキシ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、2−メチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−2−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−2−フルオロ−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−アミド、4’−シアノ−6−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−ピリジン−4−イルメチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−ピリジン−3−イルメチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2,6−ジメトキシ−ベンジル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2−エトキシ−ベンジル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(6−{4−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−[1,4]ジアゼパン−1−イル}−ピリジン−3−イル)−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(4−メトキシ−2,3−ジメチル−ベンジル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−ピリジン−2−イルメチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イルメチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2−ジメチルアミノ−ベンジル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2,3−ジフルオロ−ベンジル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンジル)−[1,4]ジアゼパン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、2−クロロ−4’−シアノ−ビフェニル−3−カルボン酸[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−アミド、4’−シアノ−6−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、2−クロロ−4’−シアノ−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−エチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(3−フルオロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(3−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(4−イソブチル−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(4−tert−ブチル−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(7−メトキシ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−ピリジン−3−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(4−ジフルオロメトキシ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−キノリン−5−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−ピリジン−4−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−ピリジン−2−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(4−イミダゾール−1−イル−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸{6−[4−(3−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−アミド、4’−シアノ−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(4−イソキノリン−5−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド、(R)−2−メチル−N−(6−(2−メチルモルホリノ)ピリジン−3−イル)−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、4’−シアノ−2−メチル−N−(6−スルホニルモルホリノピリジン−3−イル)ビフェニル−3−カルボキサミド、(S)−4’−シアノ−2−メチル−N−(6−(2−メチルモルホリノ)ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−カルボキサミド、(R)−6−クロロ−N−(6−(2−メチルモルホリノ)ピリジン−3−イル)−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、4’−シアノ−2−メチル−N−(6−スルフィニルモルホリノピリジン−3−イル)ビフェニル−3−カルボキサミド、4’−シアノ−N−(6−(ジイソブチルアミノ)ピリジン−3−イル)−2−メチルビフェニル−3−カルボキサミド、4’−シアノ−N−(2−((2S,6R)−2,6−ジメチルモルホリノ)ピリミジン−5−イル)−2−メチルビフェニル−3−カルボキサミド、N−(2−((2S,6R)−2,6−ジメチルモルホリノ)ピリミジン−5−イル)−2−メチル−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−3−カルボキサミド、N−(2−((2S,6R)−2,6−ジメチルモルホリノ)ピリミジン−5−イル)−2−メチル−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、N−(2−(ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)ピリミジン−5−イル)−2−メチル−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、2−メチル−N−(6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、N−(5−クロロ−6−((2S,6R)−2,6−ジメチルモルホリノ)ピリジン−3−イル)−2−メチル−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、N−(6−((2R,6S)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−3−イル)−2−メチル−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、
N−(6−(4−エチルピペラジン−1−カルボニル)ピリジン−3−イル)−2−メチル−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、2−メチル−N−(6−(2−オキソピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、2−メチル−N−(6−(1−(ピリジン−4−イルメチル)ピペリジン−4−イル)ピリジン−3−イル)−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、2−メチル−N−(6−(2−オキソ−4−(ピリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、2−メチル−N−(6−(1−(ピリジン−4−イルメチル)ピペリジン−3−イル)ピリジン−3−イル)−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミド、N−(6−(1−エチルピペリジン−3−イル)ピリジン−3−イル)−2−メチル−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミドおよびN−(6−((2R,6S)−2,6−ジメチルモルホリノ)ピリジン−3−イル)−2−メチル−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキサミドおよび2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(cis−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミドから選択される。上記の式Iの化合物は、WO2007/131201にさらに記載されている。
【0018】
式IIの化合物 − Smoothened阻害剤
本発明は、式(II)の化合物
【0019】
【化3】

またはその薬学的に許容される塩[式中、
R1は、C6〜14アリール基または5〜14員のヘテロアリール基であり、これらは置換されていなくても置換されていてもよく;
R2およびR3は、独立に、C1〜8アルキル、C1〜8アルキルOHであり、またはR2およびR3は、縮合C3〜14シクロアルキル基を形成し;
Lは、結合、C1〜8アルキレン、−C(O)O−、−C(O)NR9−、−C1〜8アルキルOH−、−C1〜8ハロアルキル−、−C(O)−、−NH−または−O−であり;
XおよびWは、独立に、NまたはCR5であり、XまたはWのうちの少なくとも1つは、Nであり;
R7は、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基または3〜14員のシクロヘテロアルキル基であり;
R4は、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8アルコキシ、ハロ、NR6R8、C(O)OR6、C(O)NR6R8、C1〜8ハロアルキル、ホルミル、カルバルコキシ、C1〜8アルキルOH、C(O)R6、SOR6、C(O)NHC1〜8アルキルR6、NR6R8、SONR6R8、OCF、NHC(O)R6、CHOC(O)NR6R8、CHNR6R8、NHC(O)OR6、NHC(O)NR6R8、CHNHSOR6、CHNHC(O)OR6、OC(O)R6またはNHC(O)R6であり、これらは置換されていても置換されていなくてもよく;
Zは、C1〜8アルキル、CN、OHまたはハロゲンであり;
mおよびpは、独立に、0〜3であり;
Yは、結合、C1〜8アルキレン、−C(O)−、−C(O)O−、−CH(OH)−または−C(O)NR10であり;
R5は、H、ハロゲン、CN、低級アルキル、OH、OCHまたはOCFであり;
R1は、C1〜8アルキル、C6〜14アリール基、C1〜8ハロアルキル、C1〜8アルコキシ、ハロ、NH、CN、OCF、OH、C(O)NR6R8、C(O)R6、NR6R8、NHC(O)R6、SOR6、SONR6R8のうちの1つまたは複数によって置換されていてもよく;
R9およびR10は、独立に、C1〜8アルキルまたはHであり;
R6およびR8は、独立に、H、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8ハロアルキル、C1〜8アルキルOH、C1〜8アルコキシであり、または1つの原子上の2つのR6は、ヘテロ原子を含有する環を形成することができ;
R4、R6およびR8は、置換されていなくても、C1〜8アルキル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8アルキルOH、OH、オキソ、C1〜8ハロアルキル、カルボキスC1〜8アルキルまたはSO1〜8アルキル、ハロ、−OCH、−OCF、−OH、−NHのうちの1つまたは複数によって置換されていてもよい]
に関する。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、R7が
【0021】
【化4】

である、式(II)の化合物を含む。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、R1が
【0023】
【化5】

である、請求項1に記載の式(II)の化合物を含む。
【0024】
別の実施形態では、本発明は、R7が
【0025】
【化6】

であり、そして、R1が、
【0026】
【化7】

である、式(II)の化合物を含む。
【0027】
さらに別の実施形態では、本発明は、R4が、C(O)OC1〜8アルキル、CF、C(O)OR6、C(O)NR6R8、C1〜8ハロアルキル、C1〜8アルキルOH、C(O)R6、SOR6、C(O)NHC1〜8アルキルR6、C(CH)(CH)(OH)、C(O)CH、C(CH)CHまたはC(CH)(CHOH)OHであり;
R6およびR8が、独立に、H、C1〜8アルキル、C1〜8アルケニル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基または3〜14員のシクロヘテロアルキル基である、
式(II)の化合物を含む。
【0028】
別の実施形態では、本発明は、R4が、
置換されていなくても置換されていてもよい
【0029】
【化8】

である、式(II)の化合物を含む。
【0030】
別の実施形態では、本発明は、R2およびR3がC1〜8アルキルである、式(II)の化合物を含む。
【0031】
その上さらなる実施形態では、本発明は、R2およびR3がCHである、式(II)の化合物を含む。
【0032】
別の実施形態では、本発明は、Lが、−O−、−NH−、−C(O)−、−CH(OH)−、−CH−、−CF−、−CHF−、−COH−または結合である、式(II)の化合物を含む。別の実施形態では、本発明は、Lが−CH−である、式(I)の化合物を含む。別の実施形態では、本発明は、両方のXがNであり、ZがCHである、式(I)の化合物を含む。
【0033】
別の実施形態では、本発明は、式(IIa)の化合物
【0034】
【化9】

またはその薬学的に許容される塩[式中、
R11は、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8アルコキシ、ハロ、NR13R14、C(O)OR13、C(O)NR13R14、C1〜8ハロアルキル、ホルミル、カルバルコキシ、C1〜8アルキルOH、C(O)R13、SOR13、C(O)NHC1〜8アルキルR13、NR13R14、SONR13R14、OCF、NHC(O)R13、CHOC(O)NR13R14、CHNR13R14、NHC(O)OR13、NHC(O)NR13R14、CHNHSOR13、CHNHC(O)OR13、OC(O)R13またはNHC(O)R13であり、これらは置換されていても置換されていなくてもよく;
R12は、H、C1〜8アルキル、C6〜14アリール基、C1〜8ハロアルキル、C1〜8アルコキシ、ハロ、NH、CN、OCF、OH、C(O)NR13R14、C(O)R13、NR13R14、NHC(O)R13、SOR13、SONR13R14であり;
R13およびR14は、独立に、H、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8ハロアルキル、C1〜8アルキルOH、C1〜8アルコキシであり、または1つの原子上のR13およびR14は、ヘテロ原子を含有する環を形成することができ;
R11、R13およびR14は、置換されていなくても、C1〜8アルキル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8アルキルOH、OH、オキソ、C1〜8ハロアルキル、カルボキスC1〜8アルキルまたはSO1〜8アルキル、ハロ、−OCH、−OCF、−OH、−NHのうちの1つまたは複数によって置換されていてもよい]
を含む。
【0035】
式IIおよびIIaの化合物は、国際出願番号PCT/EP09/059138に対応する米国特許出願第12/503,565号の内容にさらに記載されている。
【0036】
式(II)の好ましい化合物は、下記の式
【0037】
【化10】

の2−[(R)−4−(6−ベンジル−4,5−ジメチル−ピリダジン−3−イル)−2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−5’−イル]−プロパン−2−オール(本文献では、化合物Bとしても識別される)である。2−[(R)−4−(6−ベンジル−4,5−ジメチル−ピリダジン−3−イル)−2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−5’−イル]−プロパン−2−オールは、スキーム1
【0038】
【化11】

に従って作製することができる。
【0039】
第1ステップ:
4,5−ジメチル−1,4−ジクロロ−ピリダジン(10g、56.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.3g、2.80mmol)およびTHF(200mL)の混合物を脱気し、次いで、ベンジル亜鉛ブロミド(THF中147mL、0.5M、73.40mmol)を加える。反応溶液を65℃に一晩加熱する。溶媒を除去する。水を加え、水層をEtOAcで抽出する。有機層を濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン:0%〜50%)によって精製し、3−ベンジル−6−クロロ−4,5−ジメチル−ピリダジン(9.5g、67%)を得る。
【0040】
第2ステップ:
3−クロロ−4,5−ジメチル−6−((R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリダジン(400mg、1.66mmol、1eq)を、マイクロ波用バイアル中のベンジル亜鉛ブロミド(THF中12.3mL 0.5M、6.64mmol、4eq)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(100mg、0.08mmol、0.05eq)の溶液に加える。バイアルを密封し、マイクロ波に100℃で(高吸収設定)40分間曝す。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(5〜20% EtOAc/ヘプタン)によって精製して、3−ベンジル−4,5−ジメチル−6−((R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリダジン(324mg、66%)を得る。
【0041】
第3ステップ:
上記の化合物(6.0g、20.27mmol)、5−クロロピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(5.3g、30.30mmol)、EtN(6.2g、60.60mmol)およびジオキサン(100mL)の混合物を、一晩加熱還流する。溶媒を除去する。飽和NHCl溶液を加え、EtOAcで抽出する。有機層を濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン:50%〜100%)によって精製し、(R)−4−(6−ベンジル−4,5−ジメチル−ピリダジン−3−イル)−2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−5’−カルボン酸メチルエステル(6.6g、76%)を黄色固体として得る。
【0042】
最終ステップ:
(R)−4−(6−ベンジル−4,5−ジメチル−ピリダジン−3−イル)−2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−5’−カルボン酸メチルエステル(840mg、1.85mmol)のTHF(12mL)溶液に、メチルマグネシウムブロミド(エーテル中5mL、15mmol、3M)を、−78℃で加える。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いでDCMで希釈し、NHClおよび水で洗浄する。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過して濃縮し切る。粗生成物を、HPLCによって水中アセトントリル(1−プロパノール3%を含有し、10%から95%まで)を用いて精製し、220nmの波長で検出することにより、対応する少量のメチルケトンと隣接して、所望の化合物B(400mg、50%)が得られる。凍結乾燥機を用いて溶媒を除去し、生成物を白色粉末として得る。
【0043】
BCR−ABL阻害剤
本発明を実施するために使用され得る例示的なBCR−ABL阻害剤は、ニロチニブ(AMN107)、イマチニブ(STI571)、2,6,9−三置換プリン類似体(例えば、AP23464)、AZD−0530、ボスチニブ(SKI−606)、CPG070603、ピリド[2,3−d]ピリミジン化合物(例えば、ダサチニブ(BMS−354825))、PD166326、PD173955、PD180970)、ON012380、3−置換ベンズアミド誘導体(例えば、INNO−406)、MK−0457(VX−680)、PHA−739358、レタスピマイシン塩酸塩(IPI−504)およびGNF−2を含む。(例えば、WeisbergらNat. Rev. Cancer 2007, supra;TauchiらInt. J. Hematology 2006, 83:294-300;ManleyらBiochim. Biophys. Acta 2005, supra;GeらJ. Med. Chem. 2006, 49:4606-4615;AdrianらNat. Chem. Biol. 2006, 2:95-102;AsakiらBioorg. Med. Chem. Lett. 2006, 16:1421-1425を参照のこと)。
【0044】
定義
基としての、さらには他の基の構成要素としての「アルキル」、例えばハロ置換アルキルおよびアルコキシは、直鎖状または分枝状のいずれかであってよい。C1〜4アルコキシは、メトキシ、エトキシなどを含む。ハロ置換アルキルは、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。
【0045】
「アリール」は、6から10個までの環炭素原子を含有する単環式または縮合二環式の芳香族環集合を意味する。例えば、アリールは、フェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。「アリーレン」は、アリール基から誘導される2価の基を意味する。
【0046】
「ヘテロアリール」は、上記のアリールに関して定義されている通りであり、その環員の1つまたは複数が、ヘテロ原子である場合である。例えば、C5〜10ヘテロアリールは、炭素原子によって示されるように最小5員であるが、これらの炭素原子が、ヘテロ原子で置き換えられていてよい。したがって、C5〜10ヘテロアリールは、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニルなどを含む。
【0047】
「シクロアルキル」は、示されている環原子の数を含有する、飽和または部分的に不飽和の、単環式、縮合二環式または架橋多環式の環集合を意味する。例えば、C3〜10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。
【0048】
「ヘテロシクロアルキル」は、本出願において定義される場合、シクロアルキルを意味し、ただし、示されている環炭素のうちの1個または複数は、−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−[式中、Rは、水素、C1〜4アルキルまたは窒素保護基である]から選択される部分で置き換えられている。例えば、本発明の化合物を記載するために本出願において使用されるC3〜8ヘテロシクロアルキルは、モルホリノ、ピロリジニル、ピロリジニル−2−オン、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル、チオモルホリノ、スルファノモルホリノ、スルホノモルホリノなどを含む。
【0049】
「ハロゲン」(またはハロ)は、クロロまたはフルオロを表すことが好ましいが、ブロモまたはヨードであってもよい。
【0050】
用語「薬剤」または「試験薬剤」は、任意の物質、分子、要素、化合物、実体またはその組合せを含む。それは、例えば、タンパク質、ポリペプチド、有機小分子、多糖、ポリヌクレオチドなどを含むが、これらに限定されない。それは、天然物、合成化合物、化学化合物または2種以上の物質の組合せであり得る。他に特に規定がなければ、用語「薬剤」、「物質」および「化合物」は、相互に交換可能に使用され得る。
【0051】
本明細書において使用される場合、「接触すること」は、その通常の意味を有し、2種以上の分子(例えば、小分子有機化合物およびポリペプチド)を組み合わせることまたは分子および細胞(例えば、化合物および細胞)を組み合わせることを指す。接触することは、インビトロで、例えば、試験管中または他の容器中で、2種以上の薬剤を組み合わせてまたは化合物と細胞もしくは細胞溶解物とを組み合わせて起こり得る。接触することは、細胞内でまたは本来の場所でも、例えば、2種のポリペプチドを、細胞内で、その2種のポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを有する細胞内で共発現させることによって接触させてまたは細胞溶解物内で接触させても起こり得る。
【0052】
用語「ヘッジホッグ」は、一般に、ソニック、インディアン、デザートおよびティギーウィンクルを含む、ヘッジホッグファミリーの任意のメンバーに言及するために使用される。この用語は、タンパク質または遺伝子を示すために使用され得る。この用語はまた、異なる動物種におけるホモログ/オルソログ配列を記載するために使用される。
【0053】
用語「ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路」および「ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達」は、相互に交換可能に使用され、通常、ヘッジホッグ、Patched(Ptch)、Smoothened(Smo)およびGliなどのシグナル伝達カスケードの種々のメンバーによって媒介される一連の事象を指す。ヘッジホッグ経路は、下流成分を活性化することによって、ヘッジホッグタンパク質の非存在化でさえも活性化され得る。例えば、Smoの過剰発現は、ヘッジホッグの非存在下でこの経路を活性化する。
【0054】
Hhシグナル伝達成分またはHhシグナル伝達経路のメンバーは、Hhシグナル伝達経路に関与する遺伝子産物を指す。Hhシグナル伝達成分は、細胞/組織におけるHhシグナルの伝達に影響を及ぼすことが多く、その結果、典型的に、下流の遺伝子発現レベルの程度の変化および/または表現型の変化をもたらす。Hhシグナル伝達成分は、それらの生物学的機能および下流の遺伝子活性化/発現の最終結果に及ぼす影響によって、正および負のレギュレーターに分類され得る。正のレギュレーターは、Hhシグナルの伝達に正に影響を及ぼす、すなわち、Hhが存在する場合に下流の生物学的事象を刺激する、Hhシグナル伝達成分である。例には、ヘッジホッグ、SmoおよびGliが含まれる。負のレギュレーターは、Hhシグナルの伝達に負に影響を及ぼす、すなわち、Hhが存在する場合に下流の生物学的事象を阻害する、Hhシグナル伝達成分である。例には、PtchおよびSuFuが含まれる(ただし、これらに限定されない)。Smoは、Hhシグナル伝達経路の必須成分である。
【0055】
ヘッジホッグシグナル伝達アンタゴニスト、Hhシグナル伝達のアンタゴニストまたはHhシグナル伝達経路の阻害剤は、正のHhシグナル伝達成分(ヘッジホッグ、PtchまたはGliなど)の生物活性を阻害するかまたはHhシグナル伝達成分の発現を下方制御する薬剤を指す。それらは、Hhシグナル伝達成分の負のレギュレーターを上方制御する薬剤も含む。ヘッジホッグシグナル伝達アンタゴニストは、ソニック、インディアンまたはデザートヘッジホッグ、smoothened、ptch−1、ptch−2、gli−1、gli−2、gli−3などを含む(ただし、これらに限定されない)、ヘッジホッグ経路における任意の遺伝子によってコードされるタンパク質に向けられ得る。
【0056】
酵素活性の調節という状況において、用語「阻害する」、「阻害すること」または「阻害」は、阻害は、競合的、不競合的および非競合的な阻害を含む、酵素活性の可逆的抑制または低下に関連している。これは、基本的なミカエリス−メンテン速度式の点から分析され得る、阻害剤が酵素の反応速度論に及ぼす影響によって、実験的に区別することができる。競合的阻害は、酵素が活性部位で通常の基質と結合しようと競合するようなやり方で、阻害剤が遊離の酵素と結合することができる場合に起こる。競合阻害剤は、酵素と可逆的に反応して、酵素−基質複合体に類似した、酵素−阻害剤複合体[EI]を形成する。
【0057】
用語「対象」は、哺乳動物、特にヒトを含む。それは、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サルなどの、他の非ヒト動物も包含する。用語「患者」は、ヒト患者を指す。
【0058】
用語「治療すること」は、症状、合併症もしくは疾患(例えば、白血病)の生化学的徴候の発症を予防するためにもしくは遅延させるために化合物もしくは薬剤を投与すること、症状を緩和することまたは疾患、状態もしくは障害のさらなる進展を停止もしくは阻止することを含む。治療は、(疾患の発症を予防するためのもしくは遅延させるためのまたはその臨床的もしくは亜臨床的な症状の発現を予防するための)予防的なものまたは疾患の発現後の症状の治療的抑制もしくは緩和であり得る。
【0059】
薬理学および有用性
本発明の組合せは、種々のがんを治療するために使用され得る。一実施形態では、本発明は、白血病、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫、組織球性リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含むリンパ系造血性腫瘍;ならびに急性および慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病および前骨髄球性白血病を含む骨髄系造血性腫瘍の成長および増殖を阻害するための、BCR−ABLを阻害する薬剤と組み合わせた、ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害する薬剤を提供する。
【0060】
本発明の組合せはまた、例えば、Src、BCR−ABLおよびc−kitなどのタンパク質チロシンキナーゼとの関連が知られているがんを治療するのに有用である。特定の実施形態では、本発明の組合せは、BCR−ABLおよびc−kitを標的とする化学療法剤に感受性および耐性を示すがんを治療するのに有用である。特定の実施形態では、本発明の組合せは、BCR−ABL陽性CMLおよびALLを治療するために使用され得る。
【0061】
慢性骨髄性白血病(CML)は、骨髄における主に骨髄性細胞の、増加したおよび制御されていないクローン増殖を特徴とする骨髄のがんである。その年間発生率は、100,000人当たり1〜2人であり、女性よりもわずかに多くの男性を侵す。CMLは、西洋の個体群において、成人白血病の全症例のうちの約15〜20%に相当し、米国または欧州では、1年当たり約4,500例の新規症例がある。(FaderlらN. Engl. J. Med. 1999, 341: 164-72)。
【0062】
CMLは、フィラデルフィア転座t(9/22)を保有する単一形質転換造血幹細胞(HSC)または多能性始原細胞(MPP)から生じるクローン性疾患である。この転座の遺伝子産物である融合癌遺伝子BCR−ABLの発現が、分子の変化を誘導し、その結果、白血病幹細胞(LSC)プールおよび増殖物を含む悪性造血の増殖ならびに非悪性造血の抑制をもたらす(StamらMol Cell Biol. 1987, 7:1955-60)。骨髄性細胞(顆粒球、単球、巨核球、赤血球)のみならず、B細胞およびT細胞もBCR−ABLを発現しており、このことは、MPPまたはHSCが、疾患の開始点であることを示している。(FialkowらJ. Clin. Invest. 1978, 62:815-23;TakahashiらBlood 1998, 92:4758-63)。MOZ−TIF2またはMLL−ENLのような、AMLを引き起こす癌遺伝子とは対照的に、BCR−ABLは、運命付けられた始原細胞に自己再生性を付与しないが、むしろHSCまたはMPPのような、存在する自己再生細胞の自己再生性を利用および強化する。疾患の経過中、白血病幹細胞プールは増殖し、最終段階、急性転化期において、ほぼすべてのCD34+CD38−細胞がフィラデルフィア転座を担持する。
【0063】
メシル酸イマチニブ(STI571、GLEEVEC(登録商標))は、CMLの治療の標準であり、96%を超える応答率を有し、BCR−ABLの活性を阻害することによって作用する。しかし、初期には成功したにもかかわらず、BCR−ABLにおける点突然変異の獲得によって、患者は最終的に、メシル酸イマチニブへの耐性を発現する。メシル酸イマチニブの限界を考慮して、CMLを治療するための改善された方法が必要とされている。
【0064】
加えて、本発明の組合せは、膀胱(急速進行性(accelerated)および転移性膀胱がんを含む)、乳房、結腸(結腸直腸がんを含む)、腎臓、肝臓、肺(小細胞および非小細胞肺がんならびに肺腺癌を含む)、卵巣、前立腺、精巣、尿生殖器管、リンパ系、直腸、喉頭、膵臓(外分泌系および内分泌系の膵癌を含む)、食道、胃、胆嚢、頚部、甲状腺および皮膚(扁平上皮細胞癌を含む)の癌腫;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、髄芽細胞腫および神経鞘腫を含む、中枢および末梢神経系の腫瘍;線維肉腫、横紋筋肉腫および骨肉腫を含む間葉系由来の腫瘍;ならびに黒色腫、メルケル細胞癌、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞がんおよび奇形癌を含む他の腫瘍を治療するために使用され得ることが企図される。本発明の組合せは、肥満細胞症、生殖細胞腫瘍、小児肉腫および他のがんを治療するために使用され得ることも企図される。
【0065】
本明細書に記載されている治療方法は、他のがん治療と組み合わせて使用され得る。例えば、BCR−ABL阻害剤と組み合わせたHhアンタゴニストは、化学療法、放射線療法および/または外科手術などの任意の治療モダリティーに補助的に投与され得る。例えば、それらは、1種または複数種の化学療法剤または免疫療法剤と組み合わせて使用することができ;治療の他のレジメン(1種または複数種)が終了した後に使用され得る。本発明の組成物および方法において使用され得る化学療法剤の例は、アントラサイクリン、アルキル化剤(例えば、マイトマイシンC)、アルキルスルホネート、アジリジン、エチレンイミン、メチルメラミン、窒素マスタード、ニトロソウレア、抗生物質、代謝拮抗剤、葉酸類似体(例えば、メトトレキサートのようなジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤)、プリン類似体、ピリミジン類似体、酵素、ポドフィロトキシン、白金含有薬剤、インターフェロンおよびインターロイキンを含むが、これらに限定されない。
【0066】
本発明の組成物および方法において使用され得る、知られている化学療法剤の具体的な例は、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、ベンゾデパ、カルボコン、メツレデパ、ウレデパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、クロラムブシル、クロルナファジン、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、アクラシノマイシン、アクチノマイシンF(1)、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カルビシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ダウノマイシン、6−ジアゾ−5−オキソ−1−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、プリカマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、フルオロウラシル、テガフール、L−アスパラギナーゼ、パルモザイム、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、カルボプラチン、シスプラチン、デホファミド(defofamide)、デメコルシン、ジアジコン、エルホルニチン、エリプチニウム酢酸塩、エトグルシド、エトポシド、フルタミド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターロイキン−2、レンチナン、ロニダミン、プレドニゾン、デキサメタゾン、ロイコボリン、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダモール、ニトラクリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ポドフィリン酸、2−エチルヒドラジド、プロカルバジン、ラゾキサン、シゾフィラン、スピロゲルマニウム、パクリタキセル、タモキシフェン、テニポシド、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン、ウレタン、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンデシンを含むが、これらに限定されない。
【0067】
本方法は、BCR−ABLにおける突然変異によって耐性に至るなどの、耐性の発現を含む、がんの原発形態、再発形態、形質転換形態または難治性形態を治療するために使用され得る。多くの場合、再発がんを有する患者は、化学療法、放射線療法、骨髄移植、ホルモン療法、外科手術などを含む、1種または複数種の治療を受けている。そのような治療に応答する患者の中には、安定した疾患、部分応答(すなわち、腫瘍またはがんマーカーレベルが、少なくとも50%減少する)または完全応答(すなわち、腫瘍ならびにマーカーが検出不可能になる)を示し得る者がいる。これらのシナリオのいずれにおいても、その後、がんは再出現する恐れがあり、このことは、がんの再発を意味する。
【0068】
前述の事項に従って、本発明はさらに、そのような治療を必要としている対象において、以上に記載されている任意の疾患または障害を予防または治療するための方法であって、治療有効量(下記の「投与および医薬組成物」を参照のこと)の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、前記対象に投与することを含む方法を提供する。上記の使用のいずれについても、所要の投与量は、投与様式、治療されるべき特定の症状および所望の効果に応じて変化する。
【0069】
投与および医薬組成物
一般に、本発明の化合物は、治療有効量で、当技術分野において知られている常用の許容される様式のいずれかによって、単独でまたは1種もしくは複数種の治療薬と組み合わせて投与される。本発明の組合せは、同時投与および逐次投与を含む。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の力価および他の因子に応じて、幅広く変化し得る。より大きい哺乳動物、例えばヒトにおいて示される1日投与量は、約10mgから約2,500mgまで、より好ましくは約100mgから1000mgまでの範囲であり、100mg、200mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mgおよび1000mgなどの投与量である。これらの投与量は、例えば1日4回までの分割された用量でまたは遅延型で、都合良く投与することができる。経口投与のための適した単位剤形は、活性成分を約1から50mgまで含む。
【0070】
本発明の化合物は、医薬組成物として、従来の任意の経路によって、特に経腸で、例えば、経口で、例えば、錠剤もしくはカプセル剤の形で、または非経口で、例えば、注射可能な液剤もしくは懸濁剤の形で、局所に、例えば、ローション剤、ジェル剤、軟膏剤もしくはクリーム剤の形で、または経鼻もしくは坐剤の形で投与することができる。本発明の化合物を、遊離形でまたは薬学的に許容される塩の形で、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤と併せて含む医薬組成物は、混合、造粒またはコーティング方法による従来のやり方で製造することができる。例えば、経口組成物は、活性成分を、a)賦形剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;さらには錠剤についてはc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプン糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびまたはポリビニルピロリドン;所望ならばd)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩または発泡性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、着香剤および甘味剤と一緒に含む、錠剤またはゼラチンカプセル剤であり得る。注射可能な組成物は、水性の等張性液剤または懸濁剤であり得、坐剤は、脂肪乳剤または懸濁剤から調製することができる。組成物は、滅菌され得および/または保存剤、安定化剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝剤などのアジュバントを含有し得る。加えて、それらは、他の治療的に価値のある物質も含有し得る。経皮適用に適した製剤は、有効量の本発明の化合物を、担体とともに含む。担体は、宿主の皮膚の通過を援助するための、吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含むことができる。例えば、経皮デバイスは、裏打部材(backing member)を含む包帯の形、化合物を場合によって担体とともに含有するレザバー、場合によって、制御された速度および所定の速度で、長期間にわたって宿主の皮膚に化合物を送達するための速度制御バリアの形およびデバイスを皮膚に固定する手段の形である。マトリックス経皮製剤も使用され得る。局所適用、例えば、皮膚および眼への適用に適した製剤は、好ましくは、当技術分野においてよく知られている水性液剤、軟膏剤、クリーム剤またはジェル剤である。そのような製剤は、可溶化剤、安定化剤、張性増強剤、緩衝剤および保存剤を含有し得る。
【0071】
本発明の化合物は、治療有効量で、1種または複数種の治療薬と組み合わせて投与することができる(医薬組合せ)。例えば、相乗効果は、免疫調節物質もしくは抗炎症性物質または他の抗腫瘍治療薬とともに起こり得る。本発明の化合物が、他の治療と併用して投与される場合、同時投与される化合物の投与量は、言うまでもなく、用いられるコドラッグの種類、用いられる具体的な薬物、治療される状態などに応じて変化する。
【0072】
本発明はまた、医薬組合せ、例えば、a)本明細書に開示されている本発明の化合物である第1の薬剤を、遊離形でまたは薬学的に許容される塩の形で含み、b)少なくとも1種の共薬剤(co-agent)を含むキットを提供する。キットは、その投与のための説明書を含むことができる。
【0073】
本明細書において利用される「同時投与」または「併用投与」などの用語は、ただ1人の患者のために選択される治療薬の投与を包含することを意味し、薬剤が、必ずしも同一の投与経路によってまたは同時に投与されるわけではない治療レジメンを含むことを意図する。
【0074】
本明細書において使用される用語「医薬組合せ」は、1種を超える活性成分の混合または組合せに由来する製品を意味し、活性成分の固定された組合せおよび固定されていない組合せの両方を含む。用語「固定された組合せ」は、活性成分、例えば式Iの化合物および共薬剤が、両方とも、単一の実体または単回投与量の形で、同時に患者に投与されることを意味する。用語「固定されていない組合せ」は、活性成分、例えば式Iの化合物および共薬剤が、両方とも、別個の実体として、同時に、一緒にまたは具体的な時間制限なしに連続して患者に投与され、そのような投与が、患者の体内で、2種の化合物の治療的有効レベルを供与することを意味する。後者は、カクテル療法、例えば3種以上の活性成分の投与にも適用される。
【0075】
本発明の化合物は、遊離塩基形の化合物を、薬学的に許容される無機酸または有機酸と反応させることによって、薬学的に許容される酸付加塩として調製することができる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、遊離酸形の化合物を、薬学的に許容される無機塩基または有機塩基と反応させることによって調製することができる。
【0076】
あるいは、本発明の化合物の塩の形は、出発物質または中間体の塩を使用して調製することができる。
【0077】
本発明の化合物の遊離酸形または遊離塩基形は、それぞれ、対応する塩基付加塩からまたは酸付加塩から調製することができる。例えば、酸付加塩の形の本発明の化合物は、適した塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することによって、対応する遊離塩基に変換することができる。塩基付加塩の形の本発明の化合物は、適した酸(例えば、塩酸など)で処理することによって、対応する遊離酸に変換することができる。
【0078】
酸化されていない形の本発明の化合物は、本発明の化合物のN−オキシドから、適した不活性有機溶媒(例えばアセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、0〜80℃で、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リン、三臭化物など)で処理することによって、調製することができる。
【0079】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当技術分野における通常の技術者に知られている方法によって調製することができる(例えば、さらなる詳細については、Saulnierら(1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985を参照のこと)。例えば、適切なプロドラッグは、本発明の非誘導体化化合物を、適したカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリダート、炭酸パラ−ニトロフェニルなど)と反応させることによって調製することができる。
【0080】
本発明の化合物の保護された誘導体は、当技術分野における通常の技術者に知られている手段によって作製することができる。保護基の創出およびそれらの除去に適用可能な技術の詳細な説明は、T. W. Greene, "Protecting Groups in Organic Chemistry"、第3版、John Wiley and Sons, Inc., 1999に見出すことができる。
【0081】
本発明の化合物は、都合良く調製することができ、または本発明のプロセス中に、溶媒和物(例えば、水和物)として形成され得る。本発明の化合物の水和物は、水性/有機溶媒混合物から、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールなどの有機溶媒を使用して、再結晶によって都合良く調製することができる。
【0082】
本発明の化合物は、化合物のラセミ混合物を光学活性な分割剤と反応させ、一対のジアステレオ異性体の化合物を形成し、ジアステレオマーを分離して、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することによって、それらの個々の立体異性体として調製することができる。エナンチオマーの分割は、本発明の化合物の共有結合性のジアステレオマー誘導体を使用して実施することができるが、分離可能な複合体が好ましい(例えば、結晶性のジアステレオマー塩)。ジアステレオマーは、別個の物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有し、これらの違いを利用することによって、容易に分離することができる。ジアステレオマーは、クロマトグラフィーによってまたは好ましくは、溶解度の差異に基づいた分離/分割技術によって分離することができる。次いで、光学的に純粋なエナンチオマーは、分割剤と一緒に、ラセミ化をもたらさない任意の実用的な手段によって回収される。化合物の立体異性体をそれらのラセミ混合物から分割するのに適用可能な技術のより詳細な説明は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, "Enantiomers, Racemates and Resolutions", John Wiley And Sons, Inc., 1981に見出すことができる。
【0083】
当業者であれば、上記の変換が、本発明の化合物の調製方法の単なる代表例であり、他のよく知られている方法が、同様に使用され得ることを認識している。
[実施例]
【実施例1】
【0084】
新たに診断された未治療の慢性期CML患者から初代細胞を得た。これらの細胞を、磁気活性化細胞選別を使用して、CD34+について濃縮した後、液体窒素中、10%DMSOおよび4%ヒトアルブミン溶液中で低温保存した。サンプルを解凍し、DNAse、ヒトアルブミン溶液、塩化マグネシウムおよびリン酸緩衝生理食塩水の溶液中で洗浄した。解凍されると、初代細胞を、ウシ血清アルブミンを補充したイスコブ(Iscove)変法ダルベッコ培地、インスリン、トランスファー因子、β2メルカプトエタノールおよび成長因子(100ng/mL Flt3−リガンド、100ng/mL幹細胞因子、20ng/mLインターロイキン(IL)−3、IL−6および50ng/mL顆粒球−コロニー刺激因子)からなる無血清培地中で、24時間培養した。
【0085】
トリパンブルー色素排除法を使用して、生存細胞を計数し、規定濃度の化合物Aおよび/またはニロチニブを含有する無血清培地(SFM)中で培養を開始した。72時間(h)の培養後、細胞をリン酸緩衝液(PBS)中で2回洗浄し、再びトリパンブルー排除法によって、生存細胞を数えた。次いで、これらの細胞を、一連のコロニー形成アッセイおよび再プレーティングアッセイに使用した。
【0086】
コロニー形成アッセイ(CFA)において、単個細胞浮遊液を、適切なサイトカインを含有する半固形培地中に作製する。これによって、それぞれの個々の細胞からのコロニー形成の評価が可能になる。化合物Aおよび/またはニロチニブが、CD34+ CP CML始原細胞の相対存在量に及ぼす影響を測定するために、4000細胞/mLの初期濃度で、2重複製でプレーティングした細胞を含有するMETHOCULT中で、CFAを開始した。プレーティング後14〜16日(d)に、コロニーを同定し、計数した。
【0087】
おおよその自己再生活性に関して認められているインビトロ技術は、一連の再プレーティングである。CFAから生じたコロニーを、さらなるMETHOCULT中で、個々に採取し、再分散させる。再分散後にコロニーを再形成する能力は、それぞれの個々のコロニー内に残存している始原細胞の数に関連しており、それ故に自己再生の間接測定法である。CFA後、次いで、それぞれの実験群からの20〜30個体の非赤血球コロニーを、p10ピペッターで採取し(倒立顕微鏡を使用して、1コロニー当たり1チップ)、96ウェルプレート中で、さらなる10μL SFMを含有する100μL METHOCULT中に注意深く分散させた後、さらに7日間インキュベートした。得られた第2代コロニーを、それぞれのウェル中で計数し;第2代コロニーを含有するウェルの場合には;内容物の全体を、さらなる100μL METHOCULT中に再分散し、第3代のコロニー形成を評価した。
【0088】
4000細胞/mLの初期濃度で、2重複製でプレーティングした細胞を含有するMETHOCULT中で、コロニーアッセイを行った。プレーティング後14〜16日(d)に、コロニーを同定し、計数した。次いで、それぞれの実験群からの20〜30個体の非赤血球コロニーを、p10ピペッターで採取し(倒立顕微鏡を使用して、1コロニー当たり1チップ)、96ウェルプレート中で、さらなる10μL SFMを含有する100μL METHOCULT中に注意深く分散させた後、さらに7日間インキュベートした。得られた第2代コロニーを、それぞれのウェル中で計数し;第2代コロニーを含有するウェルの場合には;内容物の全体を、さらなる100μL METHOCULT中に再分散し、第3代のコロニー形成を評価した。
【0089】
図1は、最初の再プレーティング後に得られたすべての第2代コロニーを、未処理対照の百分率として、3重複製で示す(誤差バーは、平均の標準誤差(SEM)を示す)。図2は、2回目の再プレーティング後に形成された第3代コロニーの総数を説明している。これらの図は、化合物Aを単独でおよびニロチニブと組み合わせて用いることで、再プレーティング能が減少することを示しており、このことは、処理された細胞における自己再生挙動の阻害と一致している。
【実施例2】
【0090】
コロニー形成アッセイ(CFA)を、以上に記載されているように行った。プレーティング後14〜16日に、コロニーを同定し、計数した。次いで、それぞれの実験群からの20〜30個体の非赤血球コロニーを、上記のように採取し、96ウェルプレート中で、さらなる10μL SFMを含有する100μL METHOCULT中に注意深く分散させた後、さらに7日間インキュベートした。得られた第2代コロニーを、それぞれのウェル中で計数した。図3は、得られた第2代コロニーの総数を、未処理対照の百分率として、3重複製で記載しており(有意性は、対応のない両側t検定によって評価した)、処理された細胞における自己再生挙動の阻害と一致して、再プレーティング能が減少することを示している。
【実施例3】
【0091】
初代CD34+選択慢性期(CP)CML細胞を対象にして、組合せ実験を行った。解凍して一晩培養した後、初代細胞をSFM中で72時間、ニロチニブと共曝露させるかまたは共曝露させずに、さまざまな濃度の化合物Aに曝した。CFAおよびその後の再プレーティング実験を、前に詳述されているように実施した。図4は、説明に役立つ一例において、第2代コロニーの総数を、未処理対照の百分率として詳述している。
【実施例4】
【0092】
初代CD34+選択CP CML細胞を対象にして、組合せ実験を行った。解凍して一晩培養した後、これらの初代細胞を、最終濃度10nMの化合物A中および/または最終濃度5μMのニロチニブ中で7日間培養し、CFAおよびその後の再プレーティング実験を、前に示されているように行った。図5は、3つの実験において、再プレーティングした後に生成された第2代コロニーの総数を示す(誤差バーは、SEMを示し、有意性は、対応のない両側t検定によって決定した)。図5は、ニロチニブおよび化合物Aを組み合わせて7日間曝した後に、これらの細胞において再プレーティング能が減少することを実証している。
【実施例5】
【0093】
初代CD34+選択CP CML細胞を対象にして、組合せ実験を行った。解凍して一晩培養した後、これらの初代細胞を、最終濃度10nMの化合物A中および/または最終濃度5μMのニロチニブ中で3日間培養し、CFAおよびその後の再プレーティングを、前に示されているように行った。図6は、4つの実験において、再プレーティングした後に生成された第2代コロニーの総数を示す(誤差バーは、SEMを示し、有意性は、対応のない両側t検定によって決定した)。図6は、ニロチニブで3日間処理した後の、これらの細胞における再プレーティング能の有意性のない増加を示し、ニロチニブおよび化合物Aに3日間曝した後の、再プレーティング能の減少を示している。
【実施例6】
【0094】
発生の程度の別の尺度は、再プレーティングしたコロニーの増殖指数(PI)を評価することである。それぞれの再プレーティングしたコロニーの運命は、絶滅するようになることまたは多数の(n)第2代コロニーを生成することである。次いで、それぞれの実験群からの20〜30個体の非赤血球コロニーを、p10ピペッターで採取し(倒立顕微鏡を使用して、1コロニー当たり1チップ)、96ウェルプレート中で、さらなる10μL SFMを含有する100μL METHOCULT中に注意深く分散させた後、さらに7日間インキュベートした。得られた第2代コロニーを、それぞれのウェル中で計数し;第2代コロニーを含有するウェルの場合には;内容物の全体を、さらなる100μL METHOCULT中に再分散し、第3代のコロニー形成を評価した。PIは、生成されたコロニーの数および全絶滅率の両方を反映する自己再生の尺度である。第2代コロニーの逆累積分布を、nコロニーを超えるウェルの割合をグラフで表し、得られた曲線下面積(AUC)を計算することによって評価する。図7において、PIは、総計132コロニー/群を有する4つの別個の実験(3日間のニロチニブおよび/または化合物Aへの曝露)におけるそれぞれの実験群で、再プレーティングしたすべてのコロニーの得られた総数から評価されている。この図は、未処理細胞と比較したニロチニブ治療後のPIの相対的な増加ならびに化合物Aを単独でおよびニロチニブと組み合わせて処理した後のPIの減少を実証している。
【実施例7】
【0095】
マウス骨髄細胞を、バイシストロン性レトロウイルスBcr−Ablベクター(Bcr−Abl−IRES−GFP)に感染させた。感染した骨髄細胞を、サイトカインおよび異なる濃度の化合物AまたはAMN107の存在下で、72時間培養し、次いで、メチルセルロース中にプレーティングした。最初のメチルセルロースプレーティングでは、対照DMSO群と比較すると、AMN107または化合物Aで前処理した群に関して、コロニー形成の減少は全く見られなかった(図8)。しかし、コロニーの2回目の再プレーティング時に、化合物Aで前処理した群において、コロニー数の顕著な減少が検出された(図9)。クローン原性コロニー形成アッセイは、初期始原細胞/幹細胞の自己再生能を評価する。データは、化合物Aが、Bcr−Abl形質転換マウスCML骨髄細胞のクローン形成能を阻害することを示している。
【実施例8】
【0096】
Bcr−Ablの骨髄移植モデルを使用して、マウスにCMLを誘導した。簡単に述べると、5−FUで予め処理したマウスから収集された骨髄(BM)始原細胞を感染させるためのウイルスを、バイシストロン性レトロウイルスBcr−Ablベクター(Bcr−Abl−IRES−GFP)を使用して生成した。3感染周期後に、200,000個のGFP陽性BM始原細胞を、致死的な放射線照射を受けた宿主中に移植した。BMT後2週間に、末梢血サンプルをFACS分析によって分析し、レシピエントマウス中に存在するGFP陽性細胞の百分率を確認した。この研究に含まれたマウス32匹は、10〜20%のGFP陽性細胞を有していた。BMT後14日に、マウスをそれぞれ動物8匹ずつの4群に層別化し、ビヒクル、化合物Aを経口投与にて80mg/kg/日、AMN107を経口投与にて75mg/kg/日または化合物AとAMN107との間の組合せで、2週間の処理を施した。全研究期間中、円背、体重の減少または身づくろいする能力の喪失などの、白血病の発症のいずれの徴候についても、マウスを追跡した。動物が前に記載されている徴候のいずれかに至った場合には、それらを屠殺した。
【0097】
図10に示されているように、ビヒクルおよび化合物Aで処理した動物はすべて、BMT後18から56日までの間に屠殺し、AMN107処理群では、動物5匹を今日までに屠殺し、組合せ群では、マウス3匹のみを屠殺した。このことは、CMLの治療に関して、これらの化合物の組合せに利点があることを示唆している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Smoothened阻害剤である第1の薬剤およびBCR−ABL阻害剤である第2の薬剤を含む組合せであって、
第1の薬剤が、
式Iの化合物
【化12】

[式中、
およびYは、NおよびCR10から独立に選択され;R10は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシおよびハロ置換OXNR10a10bから選択され;R10aおよびR10bは、水素およびC1〜6アルキルから独立に選択され;
は、シアノ、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシ、C6〜10アリール、ジメチル−アミノ、C1〜6アルキル−スルファニル、および最大2個までのC1〜6アルキル基で場合によって置換されているC3〜8ヘテロシクロアルキルから選択され;
およびRは、水素、シアノ、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシおよびジメチルアミノから独立に選択され;
およびRは、水素、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシから独立に選択され;またはRおよびRもしくはRおよびRは、それらが両方とも結合しているフェニルと一緒になって、C5〜10ヘテロアリールを形成し;
およびRは、水素、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシから独立に選択され;ただし、RおよびRは、両方とも水素であることはなく;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシから選択され;
は、−S(O)11、−C(O)R11、−OR11、−NR12a12bおよび−R11から選択され;R11は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルから選択され;R12aおよびR12bは、C1〜6アルキルおよびヒドロキシ置換C1〜6アルキルから独立に選択され;
の前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシ、C6〜10アリール−C0〜4アルキル、C5〜10ヘテロアリール−C0〜4アルキル、C3〜12シクロアルキルおよびC3〜8ヘテロシクロアルキルから独立に選択される1から3個までの基で場合によって置換されていてもよく;
の前記アリール−アルキル置換基は、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシおよびメチル−ピペラジニルから独立に選択される1から3個までの基で場合によって置換されている];またはその薬学的に許容される塩
あるいは
式(II)の化合物
【化13】

またはその薬学的に許容される塩[式中、
R1は、C6〜14アリール基または5〜14員のヘテロアリール基であり、これらは置換されていなくても置換されていてもよく;
R2およびR3は、独立に、C1〜8アルキル、C1〜8アルキルOHであり、またはR2およびR3は、縮合C3〜14シクロアルキル基を形成し;
Lは、結合、C1〜8アルキレン、−C(O)O−、−C(O)NR9−、−C1〜8アルキルOH−、−C1〜8ハロアルキル−、−C(O)−、−NH−または−O−であり;
XおよびWは、独立に、NまたはCR5であり、XまたはWのうちの少なくとも1つは、Nであり;
R7は、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基または3〜14員のシクロヘテロアルキル基であり;
R4は、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8アルコキシ、ハロ、NR6R8、C(O)OR6、C(O)NR6R8、C1〜8ハロアルキル、ホルミル、カルバルコキシ、C1〜8アルキルOH、C(O)R6、SOR6、C(O)NHC1〜8アルキルR6、NR6R8、SONR6R8、OCF、NHC(O)R6、CHOC(O)NR6R8、CHNR6R8、NHC(O)OR6、NHC(O)NR6R8、CHNHSOR6、CHNHC(O)OR6、OC(O)R6またはNHC(O)R6であり、これらは置換されていても置換されていなくてもよく;
Zは、C1〜8アルキル、CN、OHまたはハロゲンであり;
mおよびpは、独立に、0〜3であり;
Yは、結合、C1〜8アルキレン、−C(O)−、−C(O)O−、−CH(OH)−または−C(O)NR10であり;
R5は、H、ハロゲン、CN、低級アルキル、OH、OCHまたはOCFであり;
R1は、C1〜8アルキル、C6〜14アリール基、C1〜8ハロアルキル、C1〜8アルコキシ、ハロ、NH、CN、OCF、OH、C(O)NR6R8、C(O)R6、NR6R8、NHC(O)R6、SOR6、SONR6R8のうちの1つまたは複数によって置換されていてもよく;
R9およびR10は、独立に、C1〜8アルキルまたはHであり;
R6およびR8は、独立に、H、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8ハロアルキル、C1〜8アルキルOH、C1〜8アルコキシであり、または1つの原子上の2つのR6は、ヘテロ原子を含有する環を形成することができ;
R4、R6およびR8は、置換されていなくても、C1〜8アルキル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8アルキルOH、OH、オキソ、C1〜8ハロアルキル、カルボキスC1〜8アルキルまたはSO1〜8アルキル、ハロ、−OCH、−OCF、−OH、−NHのうちの1つまたは複数によって置換されていてもよい]またはその塩
である、組合せ。
【請求項2】
前記第1の薬剤が、2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(cis−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
前記第1の薬剤が、2−[(R)−4−(6−ベンジル−4,5−ジメチル−ピリダジン−3−イル)−2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−5’−イル]−プロパン−2−オールまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の組合せ。
【請求項4】
前記第2の薬剤が、ABL阻害剤、ABL/Scr阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤またはBCR−ABLの非ATP競合阻害剤である、請求項1に記載の組合せ。
【請求項5】
前記第2の薬剤が、ニロチニブ(AMN107)、イマチニブ(STI571)、2,6,9−三置換プリン類似体(例えば、AP23464)、AZD−0530、ボスチニブ(SKI−606)、CPG070603、ピリド[2,3−d]ピリミジン化合物(例えば、ダサチニブ(BMS−354825))、PD166326、PD173955、PD180970)、ON012380、3−置換ベンズアミド誘導体(例えば、INNO−406)、MK−0457(VX−680)、PHA−739358、レタスピマイシン塩酸塩(IPI−504)およびGNF−2からなる群から選択される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項6】
前記第2の薬剤が、ニロチニブである、請求項5に記載の組合せ。
【請求項7】
前記第1の薬剤が、2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−3−カルボン酸[6−(cis−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項6に記載の組合せ。
【請求項8】
前記第1の薬剤が、2−[(R)−4−(6−ベンジル−4,5−ジメチル−ピリダジン−3−イル)−2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−5’−イル]−プロパン−2−オールまたはその薬学的に許容される塩である、請求項6に記載の組合せ。
【請求項9】
Smoothened阻害剤である第1の薬剤およびBCR−ABL阻害剤である第2の薬剤を含む医薬組成物であって、
第1の薬剤が、
式Iの化合物
【化14】

[式中、
およびYは、NおよびCR10から独立に選択され;R10は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシおよびハロ置換OXNR10a10bから選択され;R10aおよびR10bは、水素およびC1〜6アルキルから独立に選択され;
は、シアノ、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシ、C6〜10アリール、ジメチル−アミノ、C1〜6アルキル−スルファニル、および最大2個までのC1〜6アルキル基で場合によって置換されているC3〜8ヘテロシクロアルキルから選択され;
およびRは、水素、シアノ、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシおよびジメチルアミノから独立に選択され;
およびRは、水素、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシから独立に選択され;またはRおよびRもしくはRおよびRは、それらが両方とも結合しているフェニルと一緒になって、C5〜10ヘテロアリールを形成し;
およびRは、水素、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシから独立に選択され;ただし、RおよびRは、両方とも水素であることはなく;
は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシおよびハロ置換C1〜6アルコキシから選択され;
は、−S(O)11、−C(O)R11、−OR11、−NR12a12bおよび−R11から選択され;R11は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルから選択され;R12aおよびR12bは、C1〜6アルキルおよびヒドロキシ置換C1〜6アルキルから独立に選択され;
の前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシ、C6〜10アリール−C0〜4アルキル、C5〜10ヘテロアリール−C0〜4アルキル、C3〜12シクロアルキルおよびC3〜8ヘテロシクロアルキルから独立に選択される1から3個までの基で場合によって置換されていてもよく;
の前記アリール−アルキル置換基は、ハロ、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ置換C1〜6アルコキシおよびメチル−ピペラジニルから独立に選択される1から3個までの基で場合によって置換されている];またはその薬学的に許容される塩
あるいは
式(II)の化合物
【化15】

またはその薬学的に許容される塩[式中、
R1は、C6〜14アリール基または5〜14員のヘテロアリール基であり、これらは置換されていなくても置換されていてもよく;
R2およびR3は、独立に、C1〜8アルキル、C1〜8アルキルOHであり、またはR2およびR3は、縮合C3〜14シクロアルキル基を形成し;
Lは、結合、C1〜8アルキレン、−C(O)O−、−C(O)NR9−、−C1〜8アルキルOH−、−C1〜8ハロアルキル−、−C(O)−、−NH−または−O−であり;
XおよびWは、独立に、NまたはCR5であり、XまたはWのうちの少なくとも1つは、Nであり;
R7は、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基または3〜14員のシクロヘテロアルキル基であり;
R4は、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8アルコキシ、ハロ、NR6R8、C(O)OR6、C(O)NR6R8、C1〜8ハロアルキル、ホルミル、カルバルコキシ、C1〜8アルキルOH、C(O)R6、SOR6、C(O)NHC1〜8アルキルR6、NR6R8、SONR6R8、OCF、NHC(O)R6、CHOC(O)NR6R8、CHNR6R8、NHC(O)OR6、NHC(O)NR6R8、CHNHSOR6、CHNHC(O)OR6、OC(O)R6またはNHC(O)R6であり、これらは置換されていても置換されていなくてもよく;
Zは、C1〜8アルキル、CN、OHまたはハロゲンであり;
mおよびpは、独立に、0〜3であり;
Yは、結合、C1〜8アルキレン、−C(O)−、−C(O)O−、−CH(OH)−または−C(O)NR10であり;
R5は、H、ハロゲン、CN、低級アルキル、OH、OCHまたはOCFであり;
R1は、C1〜8アルキル、C6〜14アリール基、C1〜8ハロアルキル、C1〜8アルコキシ、ハロ、NH、CN、OCF、OH、C(O)NR6R8、C(O)R6、NR6R8、NHC(O)R6、SOR6、SONR6R8のうちの1つまたは複数によって置換されていてもよく;
R9およびR10は、独立に、C1〜8アルキルまたはHであり;
R6およびR8は、独立に、H、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8ハロアルキル、C1〜8アルキルOH、C1〜8アルコキシであり、または1つの原子上の2つのR6は、ヘテロ原子を含有する環を形成することができ;
R4、R6およびR8は、置換されていなくても、C1〜8アルキル、C3〜14シクロアルキル、C6〜14アリール基、5〜14員のヘテロアリール基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、C1〜8アルキルOH、OH、オキソ、C1〜8ハロアルキル、カルボキスC1〜8アルキルまたはSO1〜8アルキル、ハロ、−OCH、−OCF、−OH、−NHのうちの1つまたは複数によって置換されていてもよい]またはその塩
である医薬組成物。
【請求項10】
BCR−ABL陽性白血病を治療するための医薬品の製造のための、請求項1に記載の組合せの使用。
【請求項11】
BCR−ABL陽性白血病が、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病または急性リンパ球性白血病である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
BCR−ABL陽性白血病が、慢性骨髄性白血病である、請求項11に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−501798(P2013−501798A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524831(P2012−524831)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/045133
【国際公開番号】WO2011/019798
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【出願人】(301008419)ザ ユニバーシティー コート オブ ザ ユニバーシティー オブ グラスゴー (8)
【Fターム(参考)】