説明

皮脂産生および毛穴サイズを低下させる方法

皮膚を、ポリアミン誘導体および/またはこのアナログ;ジフルオリルメチルオルニチン(DFMO);N−アセチルシステイン;非ヒドロキシC−C40ジカルボン酸の中和塩(好ましくは、マロン酸塩);およびこの混合物から選択される毛成長阻害剤と接触させることによる、皮脂産生および/または毛穴サイズを低下させる美容的組成物および美容的方法。皮脂および/または毛穴サイズを減少させるさらなる薬剤、例えば、分枝状アルコールのカルボキシアルキラートおよび/またはこのエトキシラート、セルレニン、トリクロサン、α−メチレン−γ−ブチロラクトンおよびEGCG、ならびに、この混合物およびこのアナログなどを本発明の組成物および方法において含めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂腺細胞における皮脂産生を低下させ、および/または、皮膚における毛穴サイズを減少させる方法に関連する。より具体的には、本発明は、皮膚を、毛成長抑制活性を有する物質と接触させることによって、皮脂産生および/または毛穴サイズを低下させる方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
皮脂は、脂腺細胞(皮膚における脂腺の細胞)によって産生され、この後、皮膚表面に分泌される皮膚オイルである。皮脂は数多くの成分から構成され、約57%がトリグリセリドまたは脂肪酸である。皮脂の約12%がスクアレンであり、皮脂の約3%がステロールエステルであり、約25%がワックスエステルであり、約1%から約2%がコレステロールである。頻繁および望ましくない皮膚状態の1つが「脂性肌」(皮膚上の過剰な量の皮脂から生じる状態)である。脂性肌には、テカテカ光る望ましくない外観および不快な触感が伴い、また、様々な年齢群が冒される。過度な皮脂産生は美容上望ましくなく、ざ瘡の皮膚状態に関連している。従って、皮脂の抑制をもたらす美容的な生成物および方法は非常に望ましい。
【0003】
同様に、皮膚の毛穴のサイズを小さくする生成物および方法が非常に望ましい。毛穴は、皮膚表面を潤滑および保護するためのオイルまたは皮脂に通り道を提供する皮膚における微視的開口部である。腺は思春期の間は広がっており、また、産生されるオイルの量が同時に増大している。消費者は、この毛穴が、増大した産生量に対処するために、より大きくなることを報告しており、だが、毛穴を制御する真の機構は現在のところ依然として不明である。Van Scottらによれば、毛の成長は、毛球によって包まれているこの毛乳頭に密接に依存しているので、毛球の細胞間質のサイズおよび有糸分裂活性が一般には、毛乳頭における細胞のサイズおよび数と相関し得ることが見出された。The Society of Investigative Dermatology,Inc.の第19回年会(1958年6月21日)で発表された「正常な頭皮および脱毛症の頭皮における毛球の細胞間質とこの真皮乳頭との間での幾何学的関係性」を参照のこと。
【0004】
本発明は、毛成長の阻害が皮脂産生および/または毛穴サイズの阻害、減少または抑制をもたらすという予想外の発見に基づいている。
【0005】
毛成長の阻害は、米国特許第6646149号(Vermeulinら)、米国特許第6172261号(Burnsら)、米国特許出願公開第2003/0187276号(Oridigm Corporation)などを含む数多くの刊行物で議論されている題目である。ジフルオリルメチルオルニチン(DFMO)は、Veniqa(商標)の商品名でBristol Myers Squibb(New Jersey)から販売されている毛阻害剤である。しかしながら、本発明よりも前には、毛成長阻害剤として知られているいくつかの薬剤を、皮膚における皮脂産生および毛穴サイズを減少させるために使用することは特定または提案されていなかった。
【発明の開示】
【0006】
驚くべきことに、毛成長を阻害するいくつかの薬剤が、皮脂産生を阻害し、および/または、毛穴サイズを減少させるために有用であることが発見された。これらの発見は、皮膚における皮脂産生を低下させ、および/または、毛穴サイズを減少させるための美容的方法を含む本発明を提供するために利用されている。
【0007】
1つの態様において、本発明は、この必要性のある個体の脂腺細胞または皮膚における皮脂合成を低下させる方法を提供する。この方法は、皮膚を毛穴サイズ減少量および/または皮質産生阻害量の毛成長阻害剤と接触させることを含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、毛成長を阻害することが知られているある薬剤を他の皮膚有益活性剤との組合せで使用して、このような薬剤を皮膚と接触させることによって皮脂産生を阻害し、および、毛穴サイズを減少させる方法を提供する。本発明に係る有用である薬剤には、ポリアミンのアナログおよび/または誘導体;DFMO;N−アセチルシステイン;非ヒドロキシC2−40ジカルボン酸の中和塩(好ましくは、マロン酸塩);およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0009】
詳細には、本発明は、ポリアミン部分に共有結合的に結合した疎水性部分を含むポリアミン誘導体およびポリアミンアナログ(PAアナログ)を使用して皮脂産生を阻害し、および/または、毛穴サイズを低下させる美容的方法に関する。このようなPAアナログは、両親媒的特性(疎水性部分ならびに荷電部分)を有すると見なすことができる。PAアナログおよびPA誘導体には、疎水性のアシル基によりアシル化されたポリアミンとして見ることができるものが含まれ、この場合、アシル化はアミド連結またはスルホンアミド連結のいずれかの形成によるものである。疎水性アシル基とポリアミン部分との間での連結はポリアミン内の任意のアミノ基において生じ得る。具体的には、本発明によるPAアナログは、下記の一般式I:
R−X−ポリアミン (I)
および/または、下記の一般式(II):
R−X−L−ポリアミン (II)
(式中、Rは、Hから、または、直鎖または分枝状のC1−50の飽和または不飽和の脂肪族、カルボキシアルキル、カルバルコキシアルキルまたはアルコキシ;C1−8脂環族;単環アリール置換または多環アリール置換の脂肪族;脂肪族置換の単環芳香族または多環芳香族;単環または多環の複素環族;単環複素環置換または多環複素環置換の脂肪族;C1−10アルキル;アリールスルホニル;またはシアノから選択される;
「X」は、−CO−、−SO−または−CH−である;
「ポリアミン」は、天然に存在するポリアミン、または、合成的に製造されたポリアミンである;
および、適用可能である場合、Lは共有結合であるか、または、天然に存在するアミノ酸、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、または、この誘導体である)
によって表される。
【0010】
本発明はまた、別の態様において、皮脂産生阻害剤と美容上許容され得るキャリアとの組合せでの毛成長阻害剤を含む、皮脂産生、および/または、毛穴サイズを低下させるための組成物を提供する。毛成長阻害剤は組成物の約0.0001%から約50%を構成する。本発明の組成物は別の皮膚有益薬剤をさらに含むことができる。
【0011】
別の態様において、本発明は、前記美容的組成物と、前記組成物のための容器と、前記組成物を前記皮膚に適用するための説明書とを含む、皮膚における皮脂産生を減少させ、および/または、毛穴サイズを減少させるための美容的システムを提供する。
【0012】
別の態様において、本発明は、皮脂産生減少有効量および/または毛穴サイズ減少有効量の毛成長阻害剤を美容上許容され得るキャリアと組み合わせることを含む、皮脂産生を減少させ、および/または、毛穴サイズを減少させるための美容的組成物を作製する方法を提供する。
【0013】
場合により使用されるさらなる皮脂産生阻害剤には、分枝状アルコールおよびこのエトキシラートのカルボキシアルキラート、トリクロサン、セルレニン、エピガロカテキンガラート(EGCG)、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、この混合物、および、このアナログ、ならびに、この美容上許容され得る塩またはこの溶媒和物が含まれるが、これらに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、毛成長を阻害する薬剤を使用して皮脂産生および毛穴サイズを減少させるための方法および美容的組成物を提供する。本発明は、このためのある種の薬剤を使用する毛成長の阻害が、脂腺細胞における皮脂産生の低下、および/または、皮膚における毛包サイズおよび/または毛穴サイズの減少をもたらすという発見を利用している。
【0015】
従って、1つの態様において、本発明は、個体の皮膚における毛成長の阻害によって脂腺細胞における皮脂産生を低下させ、および/または、毛穴サイズを減少させる方法を提供する。本発明の方法は、皮膚を皮脂産生阻害量および/または毛穴サイズ減少量の毛成長阻害剤と接触させ、これにより、脂腺細胞における皮脂合成および/または皮膚における毛穴サイズを減少させることを含む。
【0016】
本明細書中で使用される用語「含む」は、包含する、から構成される、から形成される、からなる、および/または、から本質的になるを意味する。さらに、「含む」の通常の意味において、この用語は、この用語が示す工程、構成要素、成分または特徴について包括的でないとして定義される。
【0017】
操作例および比較例での場合を除いて、または、別途明示的に示される場合を除いて、材料または反応条件の量または比率、材料の物理的性質、および/または使用を示す本記載におけるすべての数字は、「約」の語によって修飾されるとして理解されなければならない。用語「約」は、およそ、辺りで、大雑把には、または、前後を意味するように本明細書中では使用される。用語「約」が数値範囲と併せて使用されるとき、用語「約」は、示された数値の上限および下限を広げることによってこの範囲を変更する。
【0018】
皮脂抑制および/または毛穴サイズ減少のための薬剤としての毛成長阻害剤
いくつかの実施態様において、これらに限定されないが、ある種の毛阻害剤が、ポリアミン誘導体および/またはポリアミンアナログ(この医薬的に許容される塩および溶媒和物を含む);DFMO;N−アセチルシステイン(NAC);非ヒドロキシC−C40ジカルボン酸の中和塩、好ましくは、マロン酸塩;およびこの混合物からなる群より、皮脂抑制および/または毛穴サイズ減少のために選択される。
【0019】
ポリアミン誘導体および/またはポリアミンアナログ
詳細には、本発明は、ポリアミン部分に共有結合的に結合した疎水性部分を含むポリアミン誘導体および/またはポリアミンアナログ(PAアナログ)である毛成長阻害剤を使用して、皮脂産生を阻害し、および/または、毛穴サイズを減少させる美容的方法に関する。このようなPAアナログは両親媒的特性(疎水成分ならびに荷電部分)を有すると見なすことができる。PAアナログおよびPA誘導体には、疎水性アシル基によりアシル化されたポリアミンとして見ることができるPAアナログおよびPA誘導体が含まれ、この場合、アシル化はアミド連結またはスルホンアミド連結によるものである。疎水性アシル基とポリアミン部分との間での連結はポリアミン内の任意のアミン基において生じ得る。
【0020】
本明細書中で使用される用語「ポリアミン」には、プトレッシン、スペルミンまたはスペルミジン、ならびに、2個から約10個の窒素を有し得るより長い直鎖ポリアミン、分枝状ポリアミンなどが含まれる。この定義にはまた、多数の官能基のいずれかがC原子または末端または内部のN原子に結合している基本ポリアミン鎖を含むポリアミン誘導体またはポリアミンアナログが含まれる。第一級アミノ基における修飾のためには、ポリアミンは、当然のことではあるが、このような基を含有しなければならない。
【0021】
ポリアミンの「アナログ」および/または「誘導体」は一般には、本明細書中に開示または記載される任意の修飾されたポリアミン分子を示す。このような分子は一般には、天然に存在するか、または、合成的に製造されているかのいずれかであっても、既存のポリアミンの修飾体であり、本発明の「ポリアミン剤」、「PA」または「薬剤」として示される場合がある。好ましいPAは細胞のポリアミン輸送に結合し、および/または、を阻害し、このため、「輸送結合分子」または「ポリアミン輸送阻害剤」として示される場合がある。この定義の範囲には、PAを既存のポリアミンから製造するための任意の修飾、または、構造的に同一のPAを天然に存在する供給源から単離することが含まれる。好ましくは、修飾はポリアミンへの1つ以上の化学的部分の付加である。
【0022】
本発明によるポリアミンアナログおよびポリアミン誘導体には、下記の一般式Iのものが含まれる:
R−X−ポリアミン (I)
(式中、Rは、Hから、または、直鎖または分枝状のC1−50の飽和または不飽和の脂肪族、カルボキシアルキル、カルバルコキシアルキルまたはアルコキシ;C1−8脂環族;単環アリール置換または多環アリール置換の脂肪族;脂肪族置換の単環芳香族または多環芳香族;単環または多環の複素環族;単環複素環置換または多環複素環置換の脂肪族;C1−10アルキル;アリールスルホニル;またはシアノからなる群より選択される;
「X」は、−CO−、−SO−または−CH−であり得る;および
「ポリアミン」は、天然に存在するポリアミン(例えば、プトレッシン、スペルミンまたはスペルミジンなど)、または、合成的に製造されたポリアミンであり得る)。
【0023】
好ましくは、Rは、少なくとも約C、少なくとも約C10、少なくとも約C11、少なくとも約C12、少なくとも約C13、少なくとも約C14、少なくとも約C15、少なくとも約C16、少なくとも約C17、少なくとも約C18、少なくとも約C19、少なくとも約C20または少なくとも約C22である。
【0024】
Xとポリアミンとの間での連結は直接的であってもよく、この場合、Xとポリアミンのアミン基の窒素との間には原子が存在せず、または、間接的であってもよく、この場合、1個以上の原子がXとポリアミンのアミン基の窒素との間には存在し得る。Xとポリアミンとの間での連結をポリアミン内の任意のアミノ基を介して生じさせることができ、だが、第一級アミノ基が本発明の好ましい実施態様では使用される。
【0025】
Xとポリアミンとの間での連結が間接的である本発明の好ましい実施態様において、間に存在する1個以上の原子は、好ましくは、アミノ酸またはこの誘導体の原子である。このタイプの特に好ましい実施態様において、間に存在する1個以上の原子は、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、オルニチンまたは2,4−ジアミノ酪酸の原子である。このタイプの好ましい化合物を下記の一般式IIによって表すことができる:
R−X−L−ポリアミン (II)
(式中、Rは、直鎖または分枝状のC10−50の飽和または不飽和の脂肪族、カルボキシアルキル、カルバルコキシアルキルまたはアルコキシ;C1−8脂環族;単環アリール置換または多環アリール置換または非置換の脂肪族;脂肪族置換または非置換の単環芳香族または多環芳香族;単環または多環の複素環族;単環複素環置換または多環複素環置換の脂肪族;アリールスルホニルである;
Xは、−CO−、−SO−または−CH−である;および
Lは共有結合であるか、または、天然に存在するアミノ酸、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、または、この誘導体である)
【0026】
本発明のアナログおよび誘導体はポリアミンの1つ以上の他の位置において場合によりさらに置換され得る。これらには、内部の窒素原子および/または内部の炭素原子が含まれるが、これらに限定されない。本発明の1つの態様において、好ましい置換基は、ポリアミン輸送阻害、結合親和性を増大させるか、または、そうでない場合には、ポリアミン結合分子(例えば、ポリアミン輸送体、酵素またはDNAなど)に対する化合物の結合の不可逆性を高める構造体である。このようなさらなる置換基には、アジリジン基および様々な他の脂肪族構造、芳香族構造、混合型の脂肪族−芳香族構造、または、複素環状多環構造が含まれる。アジリジンのように、ポリアミン輸送体または他のポリアミン結合分子に共有結合的に結合する反応性部分もまた、本発明の範囲に含まれる。求核剤と反応して、共有結合による結合を形成する反応基の例には、様々なクロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ヨードアセトアミド、スルホニルフルオリド、エステル、ナイトロジェンマスタードなどが含まれる。このような反応性成分は、診断または研究に関連して親和性標識化のために使用され、また、ポリアミン輸送またはポリアミン合成を阻害することにおける薬理学的活性に寄与し得る。反応基は反応性の光親和性基(例えば、アジド基またはベンゾフェノン基など)が可能である。光親和性標識化のための様々な化学的薬剤が当分野では周知である(米国特許出願公開第2003/0187278号)。
【0027】
オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)の阻害剤
オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)は、オルニチンの脱カルボキシル化(これにより、プトレッシンが合成される)を行うことによって、ポリアミンを合成する際において役割を果たす酵素である。これは、ポリアミンの産生(すなわち、プトレッシンからスペルミジン、さらにはスペルミンの産生)における律速段階である。ODCの阻害はポリアミンの産生または生合成を阻害し、これにより、細胞成長および細胞増殖を阻害する。本発明の1つの態様が、ODCの阻害により、皮脂腺のサイズが減少し、皮脂合成の減少および/または皮膚における毛穴サイズの外観の減少がもたらされるという発見に基づいている。
【0028】
ODCの阻害剤には、ジフルオリルメチルオルニチン(DFMO)(これはVaniqa(商標)の商品名で入手することができる)、メチルグリオキサルビスグアニルヒドラゾン(MGBG)、ヒドラジノオルニチン(HAVA)およびこの混合物が含まれる。これらの中で好ましいものが、この商業的入手性のために、DFMOである。
【0029】
本明細書中で使用される表現「阻害する」は、この表現が示す活性における約10%から約100%の低下を示す。より好ましくは、用語「阻害する」は、この用語が示す活性における約25%から約100%の低下を示し、最も好ましくは、この用語が示す活性における約50%から約100%の低下を示す。活性における低下または変化は、当業者に公知の任意の方法によって、または、当業者により開発された任意の方法によって測定することができる。
【0030】
用語「脂性もしくは脂ぎった皮膚および/または毛穴サイズの外見を減少させる」は、個体の皮膚を、毛成長および/または皮脂産生の阻害剤を含む処置様式と接触させた後で生じる、皮膚の皮脂および/または毛穴サイズにおける任意の検出可能な減少(例えば、肉眼に見える減少)を示すことが本明細書中では意味される。
【0031】
用語「皮脂産生を減少させる」は、毛成長および/または皮脂産生を阻害する化合物にさらされた脂腺細胞によって合成された皮脂の量が、このような阻害性化合物の非存在下で合成された皮脂の量と比較して検出可能なほど低下することを意味するように本明細書中では使用される。用語「減少」は、皮脂および/または汗および/または毛穴サイズに関連して本明細書中で使用される場合、皮脂および/または汗および/または毛穴サイズの完全な防止、分泌の抑制、または、形成の減少度をそれぞれ意味する。用語「低下する」は、好ましくは、観測または測定された皮脂の量における約10%の低下から約100%の低下を示す。より好ましくは、用語「低下する」は、観測または測定された皮脂および/または毛穴サイズの量における約25%の低下から約100%の低下を示す。最も好ましくは、用語「低下する」は、観測または測定された皮脂および/または毛穴サイズの量における約50%の低下から約100%の低下を示す。低下する、減少させる、低下させる、抑制する、および、阻害するのこれらの用語は、これらが皮脂産生に関連して使用されるとき、交換可能に使用されることが意図される。
【0032】
本明細書中で使用される用語「この必要性のある人」は、正常ではあるが、顕著および望ましくない、脂性および/または毛穴の多い皮膚状態を有する個体、または、顕著および望ましくない、脂性および/または毛穴の多い皮膚状態が存在しない状態において皮脂の量および/または毛穴サイズを低下させようとする人を示す。
【0033】
本明細書中で使用される場合、皮膚の毛穴は、皮膚表面における開口部または溝として定義される。より好ましくは、毛穴は皮脂油腺のための開口部である。毛穴は、皮膚表面を潤滑および保護するためのオイルまたは皮脂に通り道を提供する、皮膚における微視的開口部である。腺は思春期の間は広がっており、また、産生されるオイルの量が同時に増大している。毛穴の全体的な外観は、溝の深さおよび直径、ならびに、取り囲んでいる皮膚の色、肌のきめ、および毛穴の周期性に依存する。
【0034】
本明細書中で使用される場合、化合物の「皮脂および/または毛穴サイズの減少有効量」は、美容上効果的な期間の後において皮膚における皮脂産生および/または毛穴サイズを検出可能に減少させる、化合物の量を意味する。当業者は、皮膚オイルおよび/または毛穴サイズを減少させる所望の特定の効果に基づいて、「美容上効果的な期間」を決定することができる。
【0035】
本明細書中で使用される用語「皮膚」には、顔、口内、頸、胸、背中、腕、手、脚および頭皮における皮膚が含まれる。
【0036】
好ましくは、本発明の方法および組成物は、脊椎動物細胞または脊椎動物個体(より具体的には、哺乳動物細胞または哺乳動物個体、最も好ましくは、ヒト細胞またはヒト個体)に適用するためのものである。用語「個体」は、脊椎動物、哺乳動物またはヒトを示すために本明細書中では使用される。
【0037】
皮脂産生および/または毛穴サイズを減少させる、場合により使用される薬剤
いくつかの実施態様では、さらに、しかし、場合により、さらなる皮脂産生阻害剤および/または毛穴サイズ減少剤が、分枝状アルコールおよび/またはこのアルコキシラートのカルボキシアルキラート(例えば、トリデシルカルボキシアルキラート)、セルレニンおよびセルレニンアナログ(この医薬的に許容される塩および溶媒和物を含む)からなる群より選択される。他の実施態様では、脂肪酸シンターゼ(FAS)阻害剤はトリクロサンおよびこのアナログである。本明細書中で使用される用語「アナログ」は、セルレニンに構造的に関連し、および、少なくとも測定可能な量の皮脂産生阻害活性を保持する化学的化合物を示す。トリクロサンは、I型脂肪酸シンターゼのエノイルレダクターゼを阻害することが知られている。さらなる実施態様では、皮脂産生阻害剤および/または毛穴サイズ減少剤はEGCG(Sigma Corporation(St.Louis、Missouri)から得ることができる、緑茶抽出物であるポリフェノール性化合物)またはα−メチレン−γ−ブチロラクトンである。
【0038】
非限定的な例として、セルレニンは、本発明の方法において有用な皮脂産生阻害剤である。構造的には、セルレニンは[2R,3S]−2,3−エポキシ−4−オキソ−7,10−trans,trans−ドデカン酸アミドとして特徴づけられる。セルレニンは最初、Cephalosporium caerulensの培養液から可能性のある抗真菌性抗生物質として単離された。皮脂産生阻害剤が、セルレニンおよびセルレニンアナログ(この医薬的に許容される塩および溶媒和物を含む)からなる群より選択される。セルレニンおよびセルレニンアナログの非限定的な例には、米国特許第5539132号(Royerら)に記載されるものが含まれる。または、セルレニンは、Sigma Corporation(St.Louis、Missouri)から商業的に得ることができる。
【0039】
分枝状アルコールのカルボキシアルキラートおよび/またはこのアルコキシラート
分枝状アルコールのカルボキシアルキラートおよび/またはこのアルコキシラートには、下記の式Aの化合物、および、このような化合物を含む組成物が含まれる:
R−O−M (A)
式中、
Rは、少なくとも7個の炭素原子と、少なくとも2つの枝分かれとを有する分枝したアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;および
Mは(−(CHO)−(CHCOX)であり、
この場合、nは0または1から7の整数である;mは1から4の整数である;pは2から4の整数である;Xは、水素、メチル基、エチル基またはカチオンである。カチオンは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、銅、マグネシウム、マンガン、ストロンチウム、イオウ、亜鉛およびアミンからなる群より選択される。好ましくは、Xは水素またはカチオンである。
【0040】
このタイプの好ましい化合物はトリデシルカルボキシアルキラートであり、より好ましくは、トリデシルカルボキシメチラートおよび/またはトリデシルカルボキシエチラートである。
【0041】
皮脂産生阻害剤の同定
毛成長阻害剤が本発明の方法において有用であるかどうかを明らかにするために、皮脂産生および/または毛穴サイズにおける減少を明らかにすることができる、当業者に公知の任意のアッセイを使用することができる。例えば、培養された脂腺細胞を、例えば、本明細書中下記のアッセイを参照して記載されるように、提案される阻害剤試験化合物とインキュベーションし、皮脂含有量について試験することができる。この後、この皮脂含有量を非処理の培養された脂腺細胞の皮脂含有量と比較して、毛成長阻害剤が皮脂産生を阻害しているかどうかが明らかにされる。
【0042】
非限定的な例において、皮脂産生を下記のプロトコルに従ってヒトの初代脂腺細胞でアッセイすることができる。結果は、ビヒクルとインキュベーションされただけであるコントロールサンプルに対する、皮脂抑制剤との培養で脂腺細胞により産生された総脂質における減少割合を示す。
【0043】
インビトロ脂腺細胞脂質生成アッセイ
ヒトの脂腺を男性(60歳)の鼻から単離し、液中組織培養技術(Bajorら、J.Invest.Dermatol.、102:1994、p.564)を使用して培養した。この脂腺細胞は、成人の皮脂に特徴的な細胞内脂質液滴を蓄積する。
【0044】
脂腺細胞を96ウエル組織培養プレートの各ウエルに加え、7.5%COの存在下で10日間、37℃でインキュベーションする。成長培地を1週間に3回交換する。実験当日に、成長培地を除き、脂腺細胞をリン酸塩緩衝化生理的食塩水(PBS)により3回洗浄する。脂質生成を阻害することが推測される活性な薬剤の様々な濃度を含有する0.2ml量における新鮮なフェノール非含有脂腺細胞成長培地を各ウエルに加える。三連のウエルを各サンプルについて利用する。コントロールは、PBS、親脂性化合物を可溶化するために使用されるジメチルスルホキシド(DMSO)またはエタノール、およびフェノールレッド(エストロゲン様活性を有する化合物)からなる。培養物を、7.5体積%のCOの存在下で24時間、37℃でインキュベーションする。放射能標識を、100μl(マイクロリットル)の14−C標識された酢酸(Amersham、ナトリウム塩、56mCi/mmolの比活性)を50mM酢酸ナトリウム緩衝液の10mlに加えることによって調製する。この後、50μlを、脂腺細胞および活性な薬剤を含有するそれぞれのウエルに加える。培養物を4時間インキュベーターに戻す。この後、処置および標識を除き、脂腺細胞を新鮮なPBSにより3回すすぎ洗いする。14−C標識を含有する細胞を抽出し、標識を、Beckmanシンチレーションカウンターを使用して計数する。
【0045】
それぞれの96ウエル組織培養プレートについて、20個のサンプルを分析することができる。これらのうち、1つのサンプルが培地のために指定され、1つのサンプルがDMSOまたはエタノールのために指定され、1つのサンプルがフェノールレッドのために指定され、これにより、17個の残ったサンプルが自由に使える。
【0046】
皮膚の脂性および/または毛穴サイズの外観を減少させるための美容的方法および美容的組成物
脂腺細胞を、インビトロまたはインビボのいずれかで、皮脂産生を阻害するために効果的である量のある種の毛成長阻害剤と接触させることにより、皮脂および/または毛穴を減少させる所望の効果が生じる。この目的のための好適な化合物には、上記で特定された化合物が含まれる。加えて、場合により使用される皮脂減少薬剤には、上記で記載された皮脂減少薬剤が含まれるが、これらに限定されない。本発明の美容的組成物は、皮脂および毛穴を減少させる薬剤を含み、皮脂の過剰産生を引き起こすタイプの、皮膚において普通に生じる状態を有するヒトまたは動物に投与することができる。
【0047】
本発明の組成物および方法は美容上の目的のために注目に値する。例えば、皮脂の産生または過剰産生の結果としての脂性の顕著ではあるが、望ましくない印象または外観の、皮膚または毛における発生が、本発明の方法を使用して改善され得る。本発明の方法についての美容的適用には、皮膚または毛の視覚的外観を良くするために、または、そうでない場合には、皮膚または毛の視覚的外観を変化させるために脂腺細胞における皮脂産生を低下させる1つ以上の化合物を含有する組成物の適用が含まれる。または、皮脂産生の防止(例えば、発汗または蒸散の結果としての皮脂産生の防止)もまた、脂性皮膚および/または毛穴サイズの外観を減少させるための本発明の美容的方法の適切な適用として意図される。
【0048】
脂性皮膚および/または毛穴サイズの外観を減少させるための化合物は組成物の約0.00001重量%から約50重量%(好ましくは約0.1重量%から約20重量%、より好ましくは約1重量%から約15重量%、最も好ましくは約2重量%から約5重量%)の量で本発明の組成物において使用される。
【0049】
場合により使用されるさらなる皮膚有益薬剤
様々なタイプのさらなる活性な成分を本発明の美容的組成物に存在させることができる。活性剤は、皮膚軟化剤以外の皮膚有益薬剤、および、組成物の物理的特性を単に改善するだけである成分とは異なる皮膚有益薬剤として定義される。このカテゴリーに限定されないが、一般的な例には、脂性皮膚の外観を良くするさらなる成分(例えば、タルクおよびシリカなど)、ならびに、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイル、収斂性の塩(例えば、亜鉛塩など)、レチノイド、日焼け防止剤および保存剤が含まれる。
【0050】
β−ヒドロキシ酸には、例えば、サリチル酸が含まれる。ピリチオン亜鉛は、本発明の組成物において有用な亜鉛塩の一例である。
【0051】
場合により使用され、しかし、好ましいことではあるが、収斂性の塩が本発明の組成物に含められる。このような収斂性の塩は、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛の無機塩または有機塩およびこれらの混合物であり得る。好ましくは、収斂性の塩は、この場合、約100ミクロン未満のサイズ(好ましくは、約3ミクロンから約10ミクロンのサイズ)の粒子状形態(すなわち、親水性の多孔性粒子)で用いられる。収斂剤として、または、収斂性のアルミニウム複合体の成分として有用な塩には、水酸化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、アルミニウムヒドロキシハリド、ジルコニルオキシハリド、ジルコニルヒドロキシハリド、および、これらの塩物質の混合物が含まれる。
【0052】
このタイプのアルミニウム塩には、塩化アルミニウム、および、下記の一般式を有するアルミニウムヒドロキシハリドが含まれる:Al(OH)−XHO(式中、Qは、塩素、臭素またはヨウ素である;xは2から5であり、x+y=6であり、xおよびyは整数である必要はない;Xは約1から6である)。例えば、[Al(OH)Cl]−XHOの式を有するアルミニウムクロロヒドラートは、この容易な商業的入手性および比較的低いコストのために好ましい。
【0053】
上記の収斂性塩を利用する数タイプの複合体が制汗剤分野では公知である。例えば、米国特許第3792068号(Lueddersら)は、アルミニウム、ジルコニウムおよびアミノ酸(例えば、グリジンなど)の複合体(ZAG複合体)を開示する。このZAG複合体は通常、約1.67から12.5のAl:Zr比、および、約0.73から1.93の金属:Cl比を有する。このようなZAG複合体を調製するための好ましいアミノ酸は、CH(NH)COOHの式を有するグリジンである。粒子サイズが1ミクロンから100ミクロンである球状ZAGが特に好ましい。
【0054】
より具体的には、本発明のために有用であり得る、米国食品薬品局による承認リスト(官報)に載っている収斂性の塩の一覧が下記に示される。このような収斂性の塩には、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロヒドラート、アルミニウムクロロヒドレクス、アルミニウムクロロヒドレクスPEG、アルミニウムクロロヒドレクスPG、アルミニウムジクロロヒドラート、アルミニウムジクロロヒドレクスPEG、アルミニウムジクロロヒドレクスPG、アルミニウムセスキクロロヒドラート、アルミニウムセスキクロロヒドレクスPEG、アルミニウムセスキクロロヒドレクスPG、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドラート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレクスGLY(グリジンに対する略号)、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドラート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレクスGLY、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドラート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドラート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドラートGLY、および、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドラートGLYが含まれる。
【0055】
同様に好適なものが、硫酸アルミニウムカリウム(これはまたミョウバン(KAl(SO12HO)として知られている)、アルミニウムウンデシレノイルコラーゲンアミノ酸、乳酸アルミニウムナトリウム+硫酸ナトリウム(NaHAl(OOCCHOHCH−(OH))+Al(SO)、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクタート、アルミニウムブロモヒドラート(AlBr(OH)nHO)、塩化アルミニウム(AlCl6HO)、亜鉛塩およびナトリウム塩の複合体、ランタンおよびセリウムの複合体、ならびに、リポアミノ酸(R−CO−NH−CHR’−CO−OAl−(OH)、式中、R=C6−11およびR’=アミノ酸)のアルミニウム塩である。
【0056】
好ましくは、制汗剤はアルミニウム塩であり、より好ましくは、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)およびアルミニウムクロロヒドラートから選ばれる。
【0057】
活性な収斂性塩の量は組成物の約0.000001重量%から約20重量%(好ましくは約0.10重量%から約18重量%、より好ましくは約1重量%から約15重量%、場合により約2重量%から約3重量%)の範囲であり得る。
【0058】
アルミニウムクロロヒドラート(ACH)は、この広汎な商業的入手性および比較的低いコストのために、本発明の目的のための最も好ましい収斂性の塩である。
【0059】
場合により使用され、しかし、好ましいことではあるが、本発明の組成物はまた、レチノイドを含むことができる。レチノイドは、皮膚の繊維芽細胞によるコラーゲン合成を増大させる。これにより、しわの多い皮膚の平滑化がもたらされる。レチノイドの添加はまた、脂質生成の改善された阻害をもたらす。本明細書中で使用される用語「レチノイド」には、レチノイン酸、レチノール、レチナールおよびレチニルエステルが含まれる。用語「レチノイン酸」には、13−cis−レチノイン酸およびall−trans−レチノイン酸が含まれる。
【0060】
本明細書中で使用される用語「レチノール」には、レチノールの下記の異性体が含まれる:all−trans−レチノール、13−cis−レチノール、11−cis−レチノール、9−cis−レチノールおよび/または3,4−ジデヒドロレチノール。好ましい異性体は、この広汎な商業的活動のために、all−trans−レチノールである。
【0061】
レチニルエステルはレチノールのエステルである。用語「レチノール」は上記で定義されている。本発明における使用のために好適なレチニルエステルは、このより一般的な入手性のために、レチノールのC−C30エステル(好ましくは、C−C20エステル、最も好ましくは、C、CおよびC16エステル)である。レチニルエステルの例には、パルミチン酸レチニル、ギ酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、酪酸レチニル、吉草酸レチニル、イソ吉草酸レチニル、ヘキサン酸レチニル、ヘプタン酸レチニル、オクタン酸レチニル、ノナン酸レチニル、デカン酸レチニル、ウンデカン酸レチニル、ラウリン酸レチニル、トリデカン酸レチニル、ミリスチン酸レチニル、ペンタデカン酸レチニル、ヘプタデカン酸レチニル、ステアリン酸レチニル、イソステアリン酸レチニル、ノナデカン酸レチニル、アラキドン酸レチニル、ベヘン酸レチニル、リノール酸レチニル、オレイン酸レチニル、乳酸レチニル、グリコール酸レチニル、ヒドロキシカプリル酸レチニル、ヒドロキシラウリン酸レチニル、酒石酸レチニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
本発明におけるレチノイドは組成物の0.001重量%から10重量%(好ましくは0.01重量%から1重量%、最も好ましくは0.01重量%から0.05重量%)の量で存在する。
【0063】
日焼け防止剤には、紫外光を阻止するために一般に用いられているこのような物質が含まれる。例示的な化合物には、パラ−アミノ安息香酸(PABA)の誘導体、シンナマートおよびサリチラートがある。例えば、アゾベンゾフェノン(Parsol1789(登録商標))、メトキシケイ皮酸オクチル(Parsol(商標)MCX)、および、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(これはオキシベンゾフェノンとしても知られており、Benzophenone(商標)3として入手可能である)を使用することができる。組成物において用いられる日焼け防止剤の正確な量は、日光の紫外線からの所望される保護の程度に依存して変化し得る。
【0064】
多くの美容的組成物(特に、水を含有する組成物)は、潜在的に有害な微生物の成長から保護されなければならない。好適な保存剤には、p−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、および、様々な第四級アンモニウム化合物が含まれる。本発明の特に好ましい保存剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノールおよびベンジルアルコールである。保存剤は通常、組成物の約0.1重量%から2重量%の範囲の量で用いられる。
【0065】
美容上許容され得るビヒクル
本発明による組成物は、本発明の皮膚有益化合物および場合により使用される任意の皮膚有益薬剤の希釈剤、分散剤またはキャリアとして作用して、この結果、組成物が皮膚に適用されたとき、これらの分布を容易にするようにするための美容上許容され得るビヒクルを含む。
【0066】
ビヒクルは、水性、無水またはエマルションであり得る。好ましくは、組成物は水性またはエマルション(特に、油中水型エマルションまたは水中油型エマルション)である。水は、存在するとき、組成物の5重量%から99重量%(好ましくは40重量%から90重量%、場合により、60重量%から90重量%の間)の範囲であり得る量である。
【0067】
水の他に、比較的揮発性の溶媒もまた、本発明の組成物におけるキャリアとして役立ち得る。最も好ましいものが、一価のC−Cアルカノールである。これらには、エチルアルコール、メチルアルコールおよびイソプロピルアルコールが含まれる。一価アルカノールの量は組成物の1重量から70重量%(好ましくは10重量%から50重量%、場合により、15重量%から40重量%の間)の範囲であり得る。
【0068】
皮膚軟化性の物質もまた、美容上許容され得るキャリアとして役立ち得る。これらはシリコーンオイルおよび合成エステルの形態であり得る。皮膚軟化剤の量は組成物の0.1重量%から50重量%(好ましくは1重量%から20重量%の間)の範囲で任意であり得る。
【0069】
シリコーンオイルは揮発性のものおよび不揮発性のものに分けることができる。本明細書中で使用される用語「揮発性(の)」は、測定可能な蒸気圧を周囲温度で有するこのような物質を示す。揮発性のシリコーンオイルが、好ましくは、3個から9個(好ましくは4個から5個)のケイ素原子を含有する環状または直鎖状のポリジメチルシロキサンから選ばれる。直鎖状の揮発性シリコーン物質は一般には、約5センチストークス未満の粘度を25℃で有し、一方、環状の物質は典型的には、約10センチストークス未満の粘度を有する。皮膚軟化性の物質として有用な不揮発性シリコーンオイルには、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサンおよびポリエーテルシロキサン共重合体が含まれる。本発明において有用な本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンには、例えば、約500万センチストークスから約2500万センチストークスの粘度を25℃で有するポリジメチルシロキサンが含まれる。本発明の組成物において有用な好ましい不揮発性の皮膚軟化剤には、約10センチストークスから約400センチストークスの粘度を25℃で有するポリジメチルシロキサンが含まれる。
【0070】
エステル型皮膚軟化剤には、下記の物質が挙げられる:
(1)10個から20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニルエステルまたはアルキルエステル。この例には、ネオペンタン酸イソアラキジル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイルおよびオレイン酸オレイルが含まれる。
(2)エーテル−エステル、例えば、エトキシル化アルコールの脂肪酸エステルなど。
(3)多価アルコールエステル、例えば、エチレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200から6000)のモノおよびジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレアート、ポリプロピレングリコール2000モノステアラート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアラート、グリセリルモノ脂肪酸エステルおよびグリセリルジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪エステル、エトキシル化グリセリルモノステアラート、1,3−ブチレングリコールモノステアラート、1,3−ブチレングリコールジステアラート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど。
(4)ワックスエステル、例えば、蜂ろう、鯨ろう、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリルおよびベヘン酸アラキジルなど。
(5)ステロールエステル、コレステロール脂肪酸エステルがこの例である。
【0071】
10個から30個の炭素原子を有する脂肪酸もまた、本発明の組成物のための美容上許容され得るキャリアとして含めることができる。このカテゴリーの例示には、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびエルカ酸がある。
【0072】
多価アルコールタイプの保湿剤もまた、本発明の組成物における美容上許容され得るキャリアとして用いることができる。保湿剤は、皮膚軟化剤の有効性を増大させることを助け、皮膚の落屑を減少させ、積み重なった鱗屑の除去を刺激し、および、皮膚の感触を改善する。典型的な多価アルコールには、グリセロール、ポリアルキレングリコール、ならびに、より好ましくは、アルキレンポリオールおよびこの誘導体が含まれ、これらに、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびこの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、ならびに、この混合物が含まれる。最良の結果のために、保湿剤は、好ましくは、プロピレングリコールまたはヒアルロン酸ナトリウムである。保湿剤の量は組成物の0.5重量%から30重量%(好ましくは1重量%から15重量%の間)の範囲で任意であり得る。
【0073】
増粘剤もまた、本発明による組成物の美容上許容され得るキャリアの一部として利用することができる。典型的な増粘剤には、架橋アクリラート(例えば、Carbopol(商標)982)、疎水性修飾されたアクリラート(例えば、Carbopol(商標)1382)、セルロース誘導体および天然ゴムが含まれる。有用なセルロース誘導体には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースが含まれる。本発明のために好適な天然ゴムには、グアールガム、キサンタンガム、スクレロチウムガム、カラギーナン、ペクチン、および、これらのガムの組合せが含まれる。増粘剤の量は組成物の0.0001重量%から5重量%(通常的には、0.001重量%から1重量%、場合により、0.01重量%から0.5重量%)の範囲であり得る。
【0074】
まとめると、水、溶媒、シリコーン、エステル、脂肪酸、保湿剤および/または増粘剤は、組成物の1重量%から99.9重量%(好ましくは80重量%から99重量%)の量で美容上許容され得るキャリアを構成する。
【0075】
オイルまたは脂性物質を、主として、用いられる乳化剤の平均親水性・疎水性バランス(HLB)に依存して、油中水型エマルションまたは水中油型エマルションのいずれかを提供するための乳化剤と一緒に存在させることができる。
【0076】
新規な組成物の使用
本発明による組成物は主に、ヒトの皮膚に対する局所的適用のための生成物として意図され、特に、過度な皮脂分泌を抑制もしくは防止し、および/または、毛穴サイズを減少させるための薬剤として意図される。皮脂の抑制は、改善された皮膚状態;脂ぎった皮膚の好ましくない外観および感触の軽減;ざ瘡、酒さ、脂漏症、脂性頭皮、脂性/脂ぎった頭髪、および、ふけの軽減および/または防止を含む多数の利益を提供する。
【0077】
使用において、一定量の組成物(例えば、1mlから100ml)が好適な容器またはアプリケーターから皮膚の露出領域に適用され、また、必要ならば、この後、手もしくは指または好適なデバイスを使用して、皮膚全体に広げられ、および/または、皮膚にこすりつけられる。
【0078】
場合により行われ、しかし、好ましいことではあるが、本発明の方法では、皮膚を剃る工程が含まれる。より好ましくは、皮膚は、本発明の組成物が適用される前に剃られる。
【0079】
本発明はまた、本発明の組成物を皮膚に適用することによって、特に顔領域において脂性肌状態を抑制または防止する美容的方法を包含する。別の態様では、本発明は、脂性または脂ぎった頭髪を抑制、防止または処置する美容的方法を包含する。
【0080】
本発明はまた、本発明の組成物を適用することによって脂腺細胞からの皮脂分泌を減少させるか、または防止するか、または抑制する美容的方法を包含する。
【0081】
本発明はまた、本発明の組成物を皮膚に適用することによって、脂性または脂ぎった皮膚の認知を減少させるか、または抑制する美容的方法を包含する。
【0082】
本発明の方法および組成物は、脂腺細胞からの皮脂分泌の抑制、改善されたオイル抑制および改善された皮膚感触を提供し、また、てかりおよびベトつきを防止し、この一方で、ざ瘡に関連する細菌に対する抗菌活性をも提供し、また、一般には、皮膚表面における細菌の微生物活動を抑制する。
【0083】
生成物の形態および包装
本発明の美容的皮膚組成物は任意の形態にすることができ、例えば、収斂性化粧水、ゲル、ローション、流動クリームまたはクリームとして配合することができる。組成物は、この粘度および消費者による意図された使用に適合させるための好適な容器に詰めることができる。例えば、ローションまたは流動クリームを、ボトル、または、ロール・ボールアプリケーター、または、噴射剤駆動によるエアロゾルデバイス、または、指操作のために好適なポンプを備えた容器に詰めることができる。組成物がクリームであるとき、クリームを非変形ボトルまたは絞り出し容器(例えば、チューブまたは蓋付きの広口瓶など)に単に貯蔵することができる。従って、本発明はまた、本明細書中で定義されるような美容上許容され得る組成物を含む閉じられた容器を提供する。組成物はまた、米国特許第5063057号に記載されるカプセルなどのカプセルに含めることができる。
【0084】
包装され、および、包装物に関連する1組の説明書と一緒になった組成物は、皮膚の皮脂を抑制/減少させ、および/または、毛穴サイズを減少させるためのシステムを含むことができる。1組の説明書は包装物の表面に印刷され得るか、または、包装物に入れることができる。1組の説明書は典型的には、微生物を殺すか、もしくは微生物のレベルを減少させること、皮脂産生を抑制/減少させること、外観を改善すること、毛穴サイズを減少させること、および/またはこれらの組合せからなる群より選択される問題を伴う様々な問題に対する解決策、および/または、このような問題に関連する利点の提供を提供するために効果的な量で組成物を施すことを本発明品の消費者に知らせる。本発明品の消費者がこれらの利点に注意を払うことは重要である。そうでない場合、消費者は、本発明の組成物により、これらの問題または問題の組合せが解決され、および/または、これらの利点または利点の組合せが提供されることを知らないからである。
【実施例1】
【0085】
脂腺細胞アッセイ手順
成人男性から得られたヒト脂腺細胞の二次培養物をコンフルエンス後3日間まで96ウエル組織培養プレート(Packard)において成長させた。脂腺細胞の成長培地は、14ug/mlのウシ下垂体抽出物、0.4ug/mlのヒドロコルチゾン、5ug/mlのインスリン、10ng/mlの上皮増殖因子、1.2×10−10Mのコレラ毒素、100ユニット/mlのペニシリンおよび100ug/mlのストレプトマイシンが補充されたCloneticsケラチノサイト基礎培地(KBM)からなった。すべての培養物を7.5体積%のCOの存在下において37℃でインキュベーションした。培地を1週間に3回交換した。
【0086】
実験当日、成長培地を除き、脂腺細胞を無菌のダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;フェノールレッド非含有)により3回洗浄した。新鮮なDMEMを、水に可溶化された試験剤(DL−α−ジフルオロメチルオルニチン塩酸塩)の5マイクロリットルとともに各サンプル(5つの複製物)に加えた。コントロールは水だけの添加からなった。各プレートをインキュベーターに20時間戻し、この後、14C−酢酸塩緩衝液(5mMの最終濃度、56mCi/mmolの比活性)を加えた。脂腺細胞をインキュベーターに4時間戻し、この後、それぞれの培養物をリン酸塩緩衝化生理的食塩水により3回すすぎ洗いして、結合していない標識を除いた。脂腺細胞に残留する放射能標識を、Packard TopCountシンチレーションカウンターを使用して求めた。統計学的有意性(p値)を、スチューデントのt検定を使用して計算した。得られた結果が表1にまとめられる。フェノールレッド(知られている皮脂抑制剤)を陽性コントロールとして用いた。
【0087】
【表1】

【0088】
これらの結果は24時間後の限定された皮脂抑制活性を示している。実験を上記に改変を加えて繰り返した。実験当日、成長培地を除き、脂腺細胞を無菌のダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;フェノールレッド非含有)により3回洗浄した。新鮮なDMEMを、水に可溶化された試験剤(DL−α−ジフルオロメチルオルニチン塩酸塩)の5マイクロリットルとともに各サンプル(3つの複製物)に加えた。コントロールは水だけの添加からなった。各プレートをインキュベーターに68時間戻し、この後、14C−酢酸塩緩衝液(5mMの最終濃度、56mCi/mmolの比活性)を加えた。脂腺細胞をインキュベーターに4時間戻し、この後、それぞれの培養物をリン酸塩緩衝化生理的食塩水により3回すすぎ洗いして、結合していない標識を除いた。脂腺細胞に残留する放射能標識を、Packard TopCountシンチレーションカウンターを使用して求めた。統計学的有意性(p値)を、スチューデントのt検定を使用して計算した。得られた結果が下記の表2にまとめられる。
【0089】
【表2】

【0090】
これらの結果は、DFMOとの長期間のインキュベーションの後における増強された皮脂抑制活性を示している。
【0091】
本発明が、本明細書中において、ある程度具体的に、また、このいくつかの好ましい実施態様を参照して記載されているが、行うことができ、および、本発明の範囲および精神に含まれる記載されているこの数多くの変化、改変および置き換えを当業者は認識することができよう。これらの改変および変化のすべてが、本明細書中に記載され、また、特許請求されるような本発明の範囲に含まれること、および、本発明は下記の請求項の範囲によってのみ限定されること、および、このような請求項は妥当である限り広く解釈されることが意図される。本出願明細書全体を通して、様々な刊行物が引用されている。これらの刊行物のそれぞれの全体が本明細書による参照により本明細書中に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂腺細胞および/または皮膚を、ポリアミン誘導体;ジフルオリルメチルオルニチン(DFMO);N−アセチルシステイン;非ヒドロキシC2−40ジカルボン酸の中和塩;この美容上許容され得る塩;この溶媒和物;およびこの混合物から選択される薬剤の皮脂産生阻害量および/または毛穴サイズ阻害量を含む組成物と接触させることを含む、この必要性のある個体の脂腺細胞における皮脂産生および/または皮膚における毛穴サイズを低下させる美容的方法。
【請求項2】
前記皮膚を剃ることをさらに含む、請求項1に記載の美容的方法。
【請求項3】
前記ポリアミン誘導体が、下記の一般式Iの化合物:
R−X−ポリアミン (I)
(式中、Rは、Hから、または、直鎖または分枝状のC1−50の飽和または不飽和の脂肪族、カルボキシアルキル、ヒドロキシカルボキシアルキルまたはアルコキシ;C3−8脂環族;単環アリール置換または多環アリール置換の脂肪族;脂肪族置換の単環芳香族または多環芳香族;単環または多環の複素環族;単環複素環置換または多環複素環置換の脂肪族;C1−10アルキル;アリールスルホニル;またはシアノからなる群より選択され;
「X」は、−CO−、−SO−または−CH−であり;および
「ポリアミン」は、天然に存在するポリアミン、または、合成的に製造されたポリアミンである)
である、請求項1に記載の美容的方法。
【請求項4】
前記薬剤が、下記の一般式IIのポリアミン誘導体:
R−X−L−ポリアミン (II)
(式中、Rは、直鎖または分枝状のC10−50の飽和または不飽和の脂肪族、カルボキシアルキル、ヒドロカルボキシアルキルまたはアルコキシ;C3−8脂環族;単環アリール置換または多環アリール置換または非置換の脂肪族;脂肪族置換または非置換の単環芳香族または多環芳香族;単環または多環の複素環族;単環複素環置換または多環複素環置換の脂肪族;アリールスルホニルであり;
Xは、−CO−、−SO−または−CH−であり;
Lは共有結合であるか、または、天然に存在するアミノ酸、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、または、この誘導体であり;および
「ポリアミン」は、天然に存在するポリアミン、または、合成的に製造されたポリアミンである)
である、請求項1または請求項2に記載の美容的方法。
【請求項5】
前記薬剤がDFMOである、請求項1から4のいずれか一項に記載の美容的方法。
【請求項6】
組成物がさらに、分枝状アルコールのカルボキシアルキラートおよび/またはこのエトキシラート、トリクロサン、セルレニン、エピガロカテキンガラート(EGCG)、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、この混合物、および、このアナログからなる群より選択される皮脂産生阻害剤を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の美容的方法。
【請求項7】
前記方法が、スクアレン、トリグリセリド、遊離脂肪酸、ワックスエステル、コレステロール、ステロールエステルおよび/またはこの組合せの合成を減少させる、請求項1から6のいずれか一項に記載の美容的方法。
【請求項8】
ポリアミン誘導体;DFMO;N−アセチルシステイン;非ヒドロキシC2−40ジカルボン酸の中和塩;この美容上許容され得る塩;この溶媒和物;およびこの混合物から選択される1つ以上の薬剤の皮脂産生阻害有効量および/または毛穴サイズ阻害有効量;および
美容上許容され得るキャリア
を含む、皮脂産生および/または毛穴サイズを減少させるための美容的組成物。
【請求項9】
前記薬剤が、下記の一般式Iのポリアミン誘導体:
R−X−ポリアミン (I)
(式中、Rは、Hから、または、直鎖または分枝状のC1−50の飽和または不飽和の脂肪族、カルボキシアルキル、ヒドロカルボキシアルキルまたはアルコキシ;C3−8脂環族;単環アリール置換または多環アリール置換の脂肪族;脂肪族置換の単環芳香族または多環芳香族;単環または多環の複素環族;単環複素環置換または多環複素環置換の脂肪族;C1−10アルキル;アリールスルホニル;またはシアノからなる群より選択され;
「X」は、−CO−、−SO−または−CH−であり;および
「ポリアミン」は、天然に存在するポリアミン、または、合成的に製造されたポリアミンである)
である、請求項8に記載の美容的組成物。
【請求項10】
前記薬剤が、下記の一般式IIのポリアミン誘導体:
R−X−L−ポリアミン (II)
(式中、Rは、直鎖または分枝状のC10−50の飽和または不飽和の脂肪族、カルボキシアルキル、ヒドロカルボキシアルキルまたはアルコキシ;C3−8脂環族;単環アリール置換または多環アリール置換または非置換の脂肪族;脂肪族置換または非置換の単環芳香族または多環芳香族;単環または多環の複素環族;単環複素環置換または多環複素環置換の脂肪族;アリールスルホニルであり;
Xは、−CO−、−SO−または−CH−であり;
Lは共有結合であるか、または、天然に存在するアミノ酸、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、または、この誘導体であり;および
「ポリアミン」は、天然に存在するポリアミン、または、合成的に製造されたポリアミンである)
である、請求項8に記載の美容的組成物。
【請求項11】
前記薬剤がジフルオリルメチルオルニチン(DFMO)である、請求項8から10のいずれか一項に記載の美容的組成物。
【請求項12】
分枝状アルコールのカルボキシアルキラートおよび/またはこのエトキシラート、トリクロサン、セルリニン、エピガロカテキンガラート(EGCG)、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、この混合物、および、このアナログからなる群より選択される皮脂産生阻害剤をさらに含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の美容的組成物。
【請求項13】
前記毛成長阻害剤が組成物の0.0001重量1%から50重量%を構成する、請求項8から12のいずれか一項に記載の美容的組成物。
【請求項14】
皮膚有益薬剤をさらに含む、請求項8から13のいずれか一項に記載の美容的組成物。
【請求項15】
皮脂産生阻害有効量の毛成長阻害剤を美容上許容され得るキャリアと組み合わせることを含む、請求項8から14のいずれか一項に記載される、脂腺細胞における皮脂産生および/または毛穴サイズを減少させるための美容的組成物を作製する方法。
【請求項16】
請求項8から15のいずれか一項に記載される前記美容的組成物と、前記組成物のための容器と、前記組成物を前記皮膚に適用するための説明書とを含む、皮膚における皮脂産生を減少させるための美容的システム。

【公表番号】特表2008−502618(P2008−502618A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515825(P2007−515825)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006119
【国際公開番号】WO2005/120451
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】