説明

皮膚手入れ用物品および皮膚手入れ方法

【課題】皮膚手入れ用物品、特に洗浄物品および、皮膚に複数の皮膚手入れ用製剤を与える方法を提供する。
【解決手段】本皮膚手入れ用物品は、a)周辺部を有し、繊維層と第一の製剤とを含んでなる第一の構造体、b)周辺部を有し、繊維層と第二の製剤とを含んでなる第二の構造体、および、c)第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層、を含んでなり、第一および第二の製剤のうちの少なくとも一つが洗浄製剤を含み、この物品が、少なくとも約100mmの平均泡高さを与える。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、皮膚手入れ用物品および、複数の皮膚手入れ用製剤(特に洗浄製剤)を皮膚に供給する方法に関するものである。
【0002】
〔発明の背景〕
従来から、いくつかのスキンケアの利点のために、個人用スキンケア製品が市場に出回っていた。スキンケア製品が異なれば得られる利益も異なるので、一般的に消費者は複数の製品を別々に使用している。しかしながら、これは、必ずしも便利でなく実際的でもない。
【0003】
異なる機能を持つことの他に、スキンケア製品は、固形石鹸(棒状石鹸)、クリーム、ローションおよびジェル等の様々な形態でも供給される。より一般的ではないが、一回使用の使い捨ての形態にはいくつかの利点がある。これらの形態は、厄介なビン、棒状物、瓶またはチューブを不要にするので便利である。使い捨ての形態は、複数回の再利用を意図したスポンジ、洗浄布またはその他の用具の使用に対し、より衛生的な代替形態でもある。このような用具は、繰り返し使用に関連した、細菌の生長、不快臭およびその他の好ましくない特徴を発現させる。
【0004】
洗浄製品の具体的なケースでは、洗浄効果のみならず、好ましい皮膚触感、皮膚、髪および目の粘膜に対するマイルドさならびに高い泡立ち体積を与えるものが好ましい。理想的な個人用洗浄剤は、皮膚または髪を穏やかに洗浄し、ほとんどまたは全く刺激を引き起こさず、頻繁な使用の後皮膚や髪を過度に乾燥した状態にしないものであるべきである。しかしながら、従来の個人用洗浄製品は、洗浄の有効性とコンディショニングの利益を与えることとのバランスを取る点で本来的な問題を抱えている。洗浄組成物中にコンディショニング成分を組み入れることは、コンディショナーの多くが界面活性剤との相溶性がなく、好ましくない不均質な混合物になるので、困難である。コンディショニング成分との均質混合物を得、沈着前のコンディショニング成分の損失を防ぐためには、コンディショニング成分を界面活性剤混合物中で懸濁させるために、更なる成分{たとえば、乳化剤、増粘剤およびギャラント(gallant)}が、しばしば添加される。この結果、審美的に好ましい均質な混合物が得られるが、コンディショナーがエマルジョンになり、洗浄中に効率的に放出されないため、しばしばコンディショニング成分の沈着が不十分になる。泡立ちの生成が抑制されるという不利益を生じるコンディショニング剤も多い。
【0005】
複数の皮膚手入れの利益を提供する単一の皮膚手入れ用物品を構成し得ることが見出された。この物品は、さらに、使い捨ての形態にし得る。特に、効果的な洗浄とコンディショニングの両方を、便利で、安価で、衛生的な、使い捨ての形態で与える洗浄物品が、ここに提供される。このような洗浄物品は、その中にコンディショニング剤が存在するにもかかわらず、優れた起泡性も与える。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明は、皮膚手入れ用物品であって、a)周辺部を有し、繊維層と第一の製剤とを含んでなる第一の構造体、b)周辺部を有し、繊維層と第二の製剤とを含んでなる第二の構造体、および、c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層、を含んでなり、当該第一および第二の製剤のうちの少なくとも一つが洗浄製剤であり、当該物品が、少なくとも約100mmの平均泡高さを与える、皮膚手入れ用物品に関する。
【0007】
本発明は、a)周辺部を有し、繊維層と第一の製剤とを含んでなる第一の構造体、b)周辺部を有し、繊維層と第二の製剤とを含んでなる第二の構造体、および、c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層、を含んでなり、当該第一および第二の製剤のうちの少なくとも一つが洗浄製剤を含む皮膚手入れ用物品を使用する皮膚の手入れ方法であって、(i)前記皮膚を前記第一の構造体に接触させるステップ、(ii)前記皮膚手入れ用物品を回転させるステップ、および、(iii)前記皮膚を前記第二の構造体に接触させるステップを含み、前記物品が、少なくとも約100mmの平均泡高さを与える方法にも関する。
【0008】
最後に、本発明は、a)周辺部を有し、繊維層と洗浄製剤とを含んでなる第一の構造体、b)周辺部を有し、繊維層とコンディショニング剤とを含んでなる第二の構造体、および、c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層、を含んでなる皮膚手入れ用物品を使用する皮膚の洗浄方法であって、(i)前記第一の構造体を湿らせるステップ、(ii)前記皮膚を前記第一の構造体に接触させ、これにより当該皮膚を洗浄するステップ、(iii)前記皮膚手入れ用物品を回転させるステップ、および、(iv)前記皮膚を前記第二の構造体に接触させ、これにより当該皮膚をコンディショニングするステップを含み、前記物品が、少なくとも約100mmの平均泡高さを与える方法に関する。
【0009】
〔発明の詳細な説明〕
図1〜5を参照して、本発明は、第一の構造体20と第二の構造体40とを含んでなる皮膚手入れ用物品10を提供する。皮膚手入れ用物品10は、一般的に、ボディ部分70、中心部分90および遠位部分100を含む。第一および第二の構造体は、図に示されているように、その周辺部で接合され得る。あるいは、表面と表面とで、完全に接合し、単一の物体を形成していてもよい。第一と第二の構造体は、本技術で公知の方法により、恒久的に接合されていても、一時的に接合されていて(すなわち、ユーザーによって切り離され得るようになっていて)もよい。一般的には、これらは、周辺部を熱で融合させることによって取り付けられる。代替法として、構造体同士を縫製によりくっつけ、または接着剤で接着させることができる。ポケットを含んでなる実施形態の場合には、ユーザーが少なくとも1本の指をポケットに挿入することのできる取り付け法である限り、ポケットの形成を許容する方法ならどのような方法でも使用することができる。
【0010】
図1〜5は本発明の実施形態のあるものを表すが、その他の実施形態も可能である。これらの図において、皮膚手入れ用物品10は、直径が約2.75〜3.25インチ(換算値は6.99〜8.26cm)および長さが3.25〜3.75インチ(換算値は8.26〜9.53cm)である。その全体的な形状は、球形または楕円球形であり得る。ポケットの開口部は、1.75〜2.50インチ(換算値は4.45〜6.35cm)の幅であり得る。
【0011】
本物品は、ノッチ50、すなわち、構造体のうちの一つの一端から除去された材料部分を任意的に含み得る。このノッチは、おおむね湾曲していてもよく、それとは異なる形状を有していてもよい。図1で示される実施形態では、ノッチ50が、第二の構造体から切り離されたものであり、閉じられたままになっており、ユーザーの指の上にこの物品を置く助けとなるようになっている。代替法として、図2には、ノッチ50が開いたポケット60を形成する皮膚手入れ用物品10の実施形態が示されている。ポケット60は、開口部を通してアクセスでき、遠位部分100の方へ向けて、内向きに広がっている。
【0012】
図3は、図2の皮膚手入れ用物品の線3−3に沿った断面を示している。図3において、第一の構造体20および第二の構造体40は、それぞれ、繊維層22,42と液体不透過層32,52との2層からできている。繊維層22,42は、(皮膚に接触させるための)第一の繊維表面24,44および第二の繊維表面26,46を有する。液体不透過層32,52は、第一の液体不透過面34,54および(ポケット60内の指に接触させるための)第二の液体不透過面36,56を有する。ある実施形態では、第二の繊維表面26の外縁72は、第一の液体不透過面34の外縁74にシールされている。
【0013】
本皮膚手入れ用物品は、第一および第二の構造体の間に少なくとも一つの液体不透過層を含んでなる。この液体不透過層は、スタンドアローン要素であってもよい。あるいは、第一の構造体または第二の構造体との複合体の一部であってもよい。代替的には、本物品が、複数の液体不透過層(たとえば図2および3に示すそれぞれ繊維層に関連した液体不透過層)を含んでいてもよい。図2と3の実施形態に示されるように、液体不透過層32および52が連結されて、縫い目62を形成していてもよい。少なくとも1本の指(好ましくは2本の指)を挿入し得るポケット60の範囲は、縫い目62によって定まる。縫い目62は皮膚手入れ用物品10の外側にあっても内側にあってもよい。ポケットが、ミットの場合のように手の挿入を意図するものではない点に留意する必要がある。
【0014】
第一と第二の構造体は、それぞれ、第一および第二の製剤を含む。第一および第二の製剤は同一でも異なっていてもよく、種々の皮膚の手入れの利益を与える。第一と第二の製剤のうちの少なくとも一つは洗浄製剤を含む。本物品には、(洗浄製剤と共にまたは洗浄製剤とは別に、)他の洗浄製剤、コンディショニング製剤、脱毛剤、抗にきび剤、保湿剤、抗しわ剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、アクセラレータ剤、抗ウイルス剤、酵素剤、日焼け止め剤、抗酸化剤、皮膚剥離剤および脱毛剤等からなる群から独立に選ばれた一以上のさらなる皮膚手入れ用製剤も含まれ得る。
【0015】
ある実施形態では、本皮膚手入れ用物品に、コンディショニング製剤も含まれる。たとえば、第一の構造体が洗浄製剤を含み、第二の構造体がコンディショニング製剤を含むようにし得る。さらに、構造体の一方または両方に、さらなる皮膚手入れ製剤が含まれ得る。
【0016】
この洗浄製剤は、少なくとも一つの界面活性剤を含んでなる起泡性組成物である。この洗浄製剤は、構造体のうちの一つの中に含浸させまたはその上にコーティングすることができる。洗浄製剤を水と組み合わせ、機械的に撹拌すると、泡(foamまたはlather)が生じる。使用される界面活性剤が、マイルドなものであり、皮膚を過度に乾燥させないものであることが好ましい。このようにして、この洗浄製剤を含んでなる構造体は、効率的な泡立ち性と剥離性とを有する用具として働く。皮膚や髪と接触させると、このような構造体は、ほこり、化粧品、死んだ皮膚およびその他の壊死組織片の洗浄除去の助けとなる。
【0017】
ある実施形態では、本皮膚手入れ用物品が実質的に乾燥パッドである。すなわち、本物品は、実質的に水を含まず、接触すると一般的にドライな感じを与える。
【0018】
他の一実施形態では、本皮膚手入れ用物品が、内部のポーチまたは小袋(すなわち液体のような物質を収納し運ぶための手段)を更に含む。本発明で使用される用語「ポーチ」または「小袋」は、押出フィルム、共押出フィルムおよび/または押出フィルムもしくは共押出フィルムのラミネートを巻き出し、折り畳みおよび/またはもう一つのフィルムにシールし、ついで、接合し、物質を収納するための一以上の閉じられた区画を作製することによって作製されたリザーバーを意味することを意図するものである。ポーチは、指の圧力を加えると弾けるものであることが好ましい。
【0019】
〔繊維層〕
第一と第二の(およびさらなる)構造体のそれぞれには繊維層が含まれる。これらの構造体は、単一の繊維層または、同一材料または異なる材料からできた複数の繊維層で作製され得る。これらは、任意的に、フィルム(たとえば孔あきフィルムまたは孔なしフィルム)、フォーム、スポンジ(天然品または合成品)等の非繊維状物質を含み得る。
【0020】
繊維層は、織物または不織布(不織基材、織物基材、水を用いた絡み合わせ基材、空気を用いた絡み合わせ基材、ポリマー網状メッシュ等)であり得るが、これらに限定されるわけではない。ある実施形態では、繊維層が、吸収力のある材料または多孔性材料である。
【0021】
繊維層は、水不溶性材料、すなわち、25℃の蒸留水への浸漬に際し、容易に溶解せず、バラバラにならない材料、を含み得る。しかしながら、この水不溶性材料は、長期的には生分解性を有していてもよい。
【0022】
繊維層は、フラッシュ可能であり得る。ここで使用される「フラッシュ可能」とは、この材料が、トイレの2回の洗い流し(フラッシュ)で、少なくとも10フィート(換算値は3m)の排水管を流れることを意味する。
【0023】
ある実施形態では、繊維層が不織材料からなる。不織材料は本技術分野で周知の技術であり、布地に織られず、シート、マットまたはパッド層として形成されたものである。不織材料の繊維は、ランダムである(すなわち、ランダムに配列されている)か、または、梳く(すなわち、主として一方向に向くように梳く)ことができる。さらに、不織材料は、ランダムな繊維および梳かれた繊維の層の組合せから構成され得る。
【0024】
不織材料には、任意的に、本技術分野で公知の一以上のバインダーが含まれ得る。これらのバインダーの形態には、スプレー式のもの、ウェブ、別々の層のもの、バインダー繊維等を含む種々のものがあり得るが、これらに限られるわけではない。バインダーとして適切なものには、ラテックス、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンおよびこれらの組合せがあり得る。
【0025】
不織材料は、種々の天然材料および/または合成材料から造り得る。「天然」とは、これらの材料が、植物、動物、昆虫または植物、動物および昆虫の副産物に由来することを意味する。「合成」とは、これらの材料が、主に、種々の人工材料またはさらに改質した天然材料から得られることを意味する。
【0026】
天然材料の非限定的な例としては、絹繊維、ケラチン繊維(たとえば、羊毛繊維、ラクダの毛の繊維)およびセルロース繊維(たとえば、木材パルプ繊維、綿繊維、麻繊維、ジュート繊維、亜麻繊維およびこれらの混合物)がある。
【0027】
合成材料の例としては、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロースエステル繊維、モダクリル(modacrylic)繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォームおよびこれらの組合せからなる群から選ばれたものがあるが、これらに限られるわけではない。
【0028】
本発明に役立つ天然材料または合成材料から作製された繊維層は、Green Bay Nonwovens、Freudenberg & Co.(Durham、ノースカロライナ州、米国)、BBA Nonwovens社(ナッシュビル、テネシー州、米国)、PGI Nonwovens社(North Charleston、サウスカロライナ州、米国)、Buckeye Technologies/Walkisoft社(メンフィス、テネシー州、米国)およびFort James Corporation(Deerfield、イリノイ州、米国)を含む種々に多種多様な商業的供給源から得ることができる。
【0029】
不織材料を作製する方法も、本技術分野で周知である。そのような方法には、空気集積(air−laying)、水流集積(water−laying)、メルトブロー、スピンボンド(spinbonding)またはカーディングのプロセスがあるが、これらに限られるわけではない。その生産方法または組成に関係なく、得られた基材は、ついで、個々の繊維を互いに固定し、自立型のウェブを形成するための、数種のタイプの接合操作の少なくとも一つに供される。不織材料は、水を用いた絡み合わせ、熱的接合およびこれらのプロセスの組合せを含む種々のプロセスによっても作製し得る。
【0030】
ある実施形態では、不織材料が紙をベースとするものである。このための材料は、セルロースベースの繊維または植物細胞源からのフィラメント(パルプ)がほとんどである。これらは、新たに作製した材木の切削片または再生材料(再生紙)から入手可能である。
【0031】
繊維層が洗浄構造体中で使用される場合には、不織材料の高い湿潤強度または堅固さは好ましい特質であり得る。これは、たとえば、バインダー材料(たとえば湿潤強度用樹脂)の添加によって達成し得る。または、不織材料を、たとえば、綿、ウール、リネン等をベースとする短繊維から作製することができる。湿潤強度用樹脂の例としては、ビニルアセテート−エチレン(VAE)およびエチレン−塩化ビニル(EVCL)Airflexエマルジョン(Air Products社、Lehigh、ペンシルバニア州)、Flexbond アクリルポリマー(Air Products社、Lehigh、ペンシルバニア州)、Rhoplex ST−954アクリルバインダー(Rohm and Haas社、フィラデルフィア、ペンシルバニア州)およびエチレン−ビニルアセテート(EVA)エマルジョン(National Starch Chemicals社のDUR−O−SET(R)、Bridgewater、ニュージャージー州)があるが、これらに限られるわけではない。不織材料中のバインダー材料の量は、構造体の約5〜約20重量%までの範囲にあり得る。
【0032】
強度の大きい不織材料は、いわゆるスパンレースすなわち水を用いた絡み合わせ技術を使用して得ることができる。この技術では、個々の繊維が一緒にねじられ、これによって、バインダー材料の使用を必要とせずに、許容できる強度または堅固さを得ることができる。後者の技術の長所は、不織材料の柔らかさに優れていることである。
【0033】
繊維層の柔らかさを増すために、添加物を加えることもできる。そのような添加物の例としては、グリセリン、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール等のポリオール、フタレート誘導体、クエン酸エステル、ポリオキシメチレン(20)ソルビタンエステル(polyoxymethylene (20) sorbitan esters)等の界面活性剤およびアセチル化モノグリセリド(acetylated monoglycerides)があるが、これらに限られるわけではない。
【0034】
ある実施形態では、構造体が織物基材である。織物構造体の例としては、綿織物基材およびポリエステル織物基材があるが、これらに限られるわけではない。
【0035】
ある実施形態では、基材が開放気泡フォーム(たとえば合成ポリマーまたは天然材料からできているスポンジシート)である。
【0036】
繊維層は、所望の肌理を与え得る。たとえば、皮膚を手入れする(たとえば、皮膚を剥離するかマッサージする)ための要素を繊維層に与えることができる。繊維層は、不規則な表面を与えるために、別々の要素でコーティングされてもよい。他の一実施形態では、うねまたは菱形のパターン外観を持つためのパターンや凹凸部分を与えるよう、繊維層に肌理を造りまたはエンボス加工することができる。他の一実施形態では、繊維層が、ミクロ繊維要素で作製され得る。
【0037】
あるいは、活性剤を送り込むための更なる材料を含めるために、一以上の繊維層を処理することができる。たとえば、活性剤を含んでなる一連の隆起した別々の要素を、繊維層の表面上に沈漬させることができる。ここで使用される用語「別々の要素」には、水不溶性または水可溶性の点、線、渦等のようなものが含まれ得る。これらには、皮膚手入れ用物品が使用されるときに皮膚上に放出される、固形または半固形状の外皮用剤が含まれ得る。そのような外皮用剤の例は、たとえばSmith等に与えられた米国特許第5,538,732号および第6,001,380号中に見つけることができる。これらの内容は参照により本明細書に包含される。
【0038】
繊維層は、研磨特性またはマッサージ特性を与えるための任意の適切な材料からできた隆起した要素を含み得る。適切な材料には、ホットメルトコーティング剤、天然ゴム、合成ゴム、ポリオレフィン(たとえば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)、エチレン酢酸ビニルおよび熱可塑性エラストマーがあるが、これらに限られるわけではない。着色剤または顔料をコーティング材料に組み合わせることができる。
【0039】
隆起した要素を作るための適切なホットメルトコーティング剤には、H.B.Fuller Co.(セントポール、ミネソタ州)のHL−7471Wおよび、Huntsman Chemical社から入手可能なREXTAC非晶ポリオレフィンがある。たとえば、約15〜約100%のオレフィンポリマーまたはブロックコポリマー、約0〜約60%の粘着樹脂および、約0〜約50%のワックスを含むホットメルトコーティング剤が有用であり得る。さらに、コストを下げ、チキソトロピー等のプロセス上の利点を与え、または、マスキングまたはホワイトニングの利益を与えるためにフィラーを使用することも有益であり得る。この例としては、ヒュームドシリカ(たとえばCabot Corp.のCabosil)、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、木粉またはダイアマテーカス土(diamataecous earth)がある。さらに、マスキングの利点を提供し、表面に色づけするために、この材料を着色することができる。
【0040】
適切なオレフィンポリマーとしては、a)メルトフローインデックスが0.5〜2500の、エチレン、プロピレン、n−ブテン、ブチレンまたはイソブチレンのホモポリマーであるオレフィンポリマー(たとえば、AT plastics社のAtevaTMポリマー、Exxon Chemical社のEscorene(R)およびVistanex(R)ポリマー、Shell Chemical社のDuraflex(R)ポリマー、Eastman Chemical社のEpolene(R)ポリマーおよび、Creanova社のVestoplast(R)ポリマー);b)エチレンとコモノマー(たとえば酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル(n-butyl acrylate)、ビニルシラン(vinyl silane)または無水マレイン酸)とのコポリマーであるオレフィンポリマー(たとえば、AT plastics社のAtevaTMポリマー、DuPont社のElvax(R)ポリマー、Exxon Chemical社のEscorene(R)およびOptema(R)ポリマーおよび、Dow Chemical社のPrimacor(R)ポリマー);および、c)エチレンとコモノマー(たとえば、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、ビニルシランまたは無水マレイン酸)とのターポリマーであるオレフィンポリマー(たとえば、AT plastics社のAtevaTMポリマー、DuPont社のNucrel(R)ポリマーおよび、Exxon Chemical社のEscor(R)ポリマー)、がある。
【0041】
適切なブロックコポリマーとしては、線状またはラジアル構造を有するブロックコポリマーがあり、構造(A--B)x{ここで、Aは本質的にポリビニルアレーン(polyvinylarene)ブロックからなり、Bは本質的にポリ(モノアルケニル(monoalkenyl))ブロックからなり、xはポリマーの腕の数を表す。xは1以上である。}のものも有用である。ブロックBは、共役ジエンエラストマー(たとえばポリブタジエン(polybutadiene)またはポリイソプレン(polyisoprene))および水添エラストマー(たとえばエチレン−ブチレンまたはエチレン−プロピレン)から選ぶことができる。この種のポリマーの適切な例としては、Shell Chemical CompanyのKraton(R)エラストマー、Dexco社のVector(R)エラストマー、Enichem Elastomers社のSolprene(R)エラストマーおよび、Firestone Tire & Rubber Co.のStereon(R)エラストマーがある。ホットメルトコーティング剤がブロックコポリマーを含む場合、約15〜約50%のブロックコポリマーを含むことが好ましい。
【0042】
適切な粘着樹脂には、a)天然および改質ロジン;b)天然および改質ロジンのグリセリンおよびペンタエリスリトールエステル(pentaerythritol esters);c)ポリテルペン(polyterpene)樹脂;d)天然テルペン(terpenes)のコポリマーおよびターポリマー;e)フェノール改質テルペン樹脂およびその水添誘導体;f)脂肪族石油樹脂およびその水添誘導体;g)芳香族石油樹脂およびその水添誘導体;ならびに、h)脂肪族/芳香族石油樹脂およびその水添誘導体(たとえば、Hercules社のForal(R)樹脂、Staybelite(R)樹脂、Poly−pale(R)樹脂、Permalyn(R)樹脂、Pentalyn(R)樹脂、Adtac(R)樹脂、Piccopale(R)樹脂、Piccotac(R)樹脂、Hercotac(R)樹脂、Regalrez(R)樹脂およびPiccolyte(R)樹脂、Exxon Chemical社のEscorez(R)樹脂、Goodyear Tire & Rubber Co.のWingtack(R)樹脂、Arakawa Chemicals社のArkon(R)樹脂、Arizona Chemical社の、Zonatac(R)樹脂、Zonarez(R)樹脂およびZonester(R)樹脂、ならびに、Neville Chemical CompanyのNevtac(R)樹脂からなる群から選ばれた、相溶性のある任意の樹脂またはこれらの混合物が含まれる。
【0043】
適切なワックスとしては、パラフィン、フィッシャー−トロプシュワックス(Fischer-tropsh)およびミクロクリスタリンワックスならびにこれらの組合せがあるが、これらに限られるわけではない。適切なミクロクリスタリンワックスとしては、Petrolite CorporationのBareco部門から入手できるBE SQUARE 175マイクロワックスおよび、Moore & Munger社(Shelton、コネチカット州)から入手可能なM−5165があるが、これらに限られるわけではない。
【0044】
適切なポリエチレンワックスとしては、Exxon Chemical社(ヒューストン、テキサス州)のH−101があるが、これに限られるわけではない。適切なフィッシャー−トロプシュワックスとしては、Schumann Sasol社(ハンブルグ、ドイツ)のParaflint Waxがあるが、これに限られるわけではない。
【0045】
〔液体不透過層〕
本物品は、任意的に、また好ましくは、第一の構造体と第二の構造体との間に少なくとも一つの液体不透過層を含んでなる。液体不透過層は、ポリマーフィルム等の、実質的に液体を通さない任意の材料またはフィルムから作製することができる。たとえば、ポリマーフィルムは、ポリオレフィン(たとえばポリエチレン、ポリプロピレンおよびこれらのコポリマー)、セロハン、エチレン酢酸ビニルコポリマー等の任意のポリマー材料から作製することができるが、これらの材料に限られるわけではない。あるいは、通常は液体を透過させる材料であって、不透過処理のされたもの{たとえば、含浸撥水紙または不織材料(不織繊維材料等)、または、軟質フォーム(たとえばポリウレタンまたは架橋ポリエチレン)}も使用し得る。
【0046】
あるいは、材料が蒸気を通過させ、液体は通過させない、通気性のある液体不透過層を使用することができる。このような材料の例としては、GoreTex(R)がある。
【0047】
〔洗浄製剤〕
本発明の皮膚手入れ用物品は洗浄製剤を含むが、さらにその洗浄製剤には、一以上の界面活性剤が含まれる。洗浄製剤は、第一の構造体または第二の構造体またはその両方の繊維層中または繊維層上に入れられる。一つの繊維層には、繊維層の重量をベースにして、約10〜約1,000%、好ましくは約50〜約600%、より好ましくは約100〜約250%の洗浄製剤が含まれ得る。また、本発明の物品には、好ましくは少なくとも約0.1〜約10g、より好ましくは約0.5〜約5g、最も好ましくは約0.8〜約1.5gの洗浄製剤が含まれる。
【0048】
界面活性剤は、泡立ち界面活性剤であることが好ましい。本発明で用いられる「泡立ち界面活性剤」は、水と組み合わされ機械的に撹拌されると泡(foamまたはlather)を生じる界面活性剤を意味する。そのような界面活性剤は、消費者にとって、泡立ちの増加が洗浄効果の印として重要であるため、好ましい。ある実施形態では、界面活性剤または界面活性剤の組合せがマイルドである。ここで用いられる「マイルド」は、界面活性剤および本発明の物品が、合成固形石鹸すなわちsynbarをベースとするマイルドなアルキルグリセリルエーテルスルホネート(alkyl glyceryl ether sulfonate)(AGS)界面活性剤に比肩する皮膚に対するマイルドさを示すことを意味する。界面活性剤を含有する物品のマイルドさ(あるいは逆に刺激性)の計測方法は、皮膚保護剤の破壊テストに基づくものである。このテストでは、界面活性剤がマイルドであればあるほど、皮膚保護剤の破壊が少ない。皮膚保護剤の破壊は、テスト溶液から皮膚の表皮を通って、透析物チャンバーに収納された生理的緩衝液中に通過する放射線標識された(トリチウムラベルされた)水(三重水素--水)の相対量で計測される。このテストは、T.J.FranzによってJ.Invest.Dermatol.1975年,第64巻、pp.190〜195中に記載され、米国特許第4,673,525号(Small等、1987年6月16日に特許)にも記載されている。これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に包含される。界面活性剤のマイルドさを決定するための、当業者に周知の他のテスト方法も使用することができる。
【0049】
本発明では、多種多様な泡立ち界面活性剤が有用である。これらには、アニオン性泡立ち界面活性剤、ノニオン性泡立ち界面活性剤、カチオン性泡立ち界面活性剤、両性泡立ち界面活性剤およびこれらの混合物からなる群から選ばれた界面活性剤が含まれる。
【0050】
〔アニオン性泡立ち界面活性剤〕
本発明の組成物に役立つアニオン性泡立ち界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheonの「Detergents and Emulsifiers」、北米版(1986年)(Allured Publishing Corporation発行)、McCutcheonの「Functional Materials」、北米版(1992年);および、米国特許第3,929,678号(Laughlin等、1975年12月30日に特許)に開示されている。これらはいずれも、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0051】
本発明では、多種多様なアニオン界面活性剤が潜在的に有用である。アニオン性泡立ち界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルおよびアルキルエーテルスルフェート(alkyl ether sulfates)、硫酸化モノグリセリド(sulfated monoglycerides)、スルホン化オレフィン(sulfonated olefins)、アルキルアリールスルホネート(alkyl aryl sulfonates)、第一級または第二級のアルカンスルホネート(alkane sulfonates)、アルキルスルホサクシネート(alkyl sulfosuccinates)、アシルタウレート(acyl taurates)、アシルイセチオネート(acyl isethionates)、アルキルグリセリルエーテルスルホネート(alkyl glycerylether sulfonate)、スルホン化メチルエステル(sulfonated methyl esters)、スルホン化脂肪酸(sulfonated fatty acids)、アルキルホスフェート(alkyl phosphates)、アシルグルタメート(acyl glutamates)、アシルサルコシネート(acyl sarcosinates)、アルキルスルホアセテート(alkyl sulfoacetates)、アシル化ペプチド(acylated peptides)、アルキルエーテルカルボキシレート(alkyl ether carboxylates)、アシルラクチレート(acyl lactylates)、アニオン性フルオロ界面活性剤(anionic fluorosurfactants)およびこれらの組合せからなる群から選ばれた界面活性剤がある。本発明では、アニオン界面活性剤の組合せが効果的に使用され得る。
【0052】
洗浄製剤に用いられるアニオン界面活性剤には、アルキルおよびアルキルエーテルスルフェートが含まれる。これらの材料は、それぞれ、式R1O--SO3MおよびR1(CH24O)x--O--SO3Mを有する{ここで、R1は、約8〜約24個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない飽和または不飽和のアルキル基、xは1〜10、Mは、水溶性カチオン(たとえば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびモノエタノールアミン)である}。アルキルスルフェートは、典型的には、三酸化硫黄または他の既知の硫酸化技術を使用して、(約8〜約24個の炭素原子を持つ)一価アルコールの硫酸化によって作製される。アルキルエーテルスルフェートは、典型的には、エチレンオキシドと(約8〜約24個の炭素原子を持つ)一価アルコールとの縮合生成物として作製され、ついで硫酸化される。これらのアルコールは、脂肪(たとえばココナツ油または獣脂)に由来し得る。あるいは、合成され得る。洗浄成分に使用し得るアルキルスルフェートの具体例としては、ラウリルまたはミリスチルスルフェートの、ナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウムまたはTEA塩がある。使用し得るアルキルエーテルスルフェートの例としては、アンモニウム、ナトリウム、マグネシウムまたはTEAラウレス−3−スルフェートがある。
【0053】
アニオン界面活性剤のもう一つの適切な種類は、R1CO--O--CH2--C(OH)H--CH2--O--SO3Mの形態の硫酸化モノグリセリド(sulfated monoglycerides)である{ここで、R1は、約8〜約24個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキル基、Mは水溶性カチオン(たとえば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびモノエタノールアミン)である}。これらは、典型的には、グリセリンと(約8〜約24個の炭素原子を持つ)脂肪酸との反応によりモノグリセリドを形成し、その後、このモノグリセリドを三酸化硫黄を用いて硫酸化することにより作製される。硫酸化モノグリセリドの一例は、ナトリウムココモノグリセリドスルフェート(sodium cocomonoglyceride sulfate)である。
【0054】
他の適切なアニオン界面活性剤には、R1SO3Mの形態のオレフィンスルホネートがある{ここで、R1は、約12〜約24個の炭素原子を持つモノオレフィン、Mは水溶性カチオン(たとえば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびモノエタノールアミン)である}。これらの化合物は、錯体を形成していない三酸化硫黄によるα−オレフィンのスルホン化と、その後の、反応で作製されたスルトン(sultones)が、全て加水分解され、対応するヒドロキシアルカンスルホネート(hydroxyalkanesulfonate)を与えるような条件における酸反応混合物の中和によって製造し得る。スルホン化オレフィンの一例には、ナトリウムC14/C16α−オレフィンスルホネート(sodium C14/C16 alpha olefin sulfonate)がある。
【0055】
他の適切なアニオン界面活性剤には、R1--C64--SO3Mの形態の線状アルキルベンゼンスルホネートがある{ここで、R1は、約8〜約24個の炭素原子の枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキル基、Mは水溶性カチオン(たとえばアンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびモノエタノールアミン)である}。これらは、線状アルキルベンゼンの三酸化硫黄によるスルホン化によって作製される。このアニオン界面活性剤の一例は、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート(sodium dodecylbenzene sulfonate)である。
【0056】
洗浄製剤用に適切なさらに他のアニオン界面活性剤には、R1SO3Mの形態の第一級または第二級アルカンスルホネートがある{ここで、R1は、約8〜約24個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキル鎖、Mは水溶性カチオン(たとえばアンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびモノエタノールアミン)である}。これらは、一般的に、塩素および紫外線の存在下、二酸化硫黄を使用して、あるいは他の公知のスルホン化法を用いて、パラフィンをスルホン化することによって作製される。スルホン化は、アルキル鎖の第二級位置または第一級位置に生じ得る。本発明に役立つアルカンスルホネートの一例には、アルカリ金属またはアンモニウムC13〜C17パラフィンスルホネートがある。
【0057】
さらに他の適切なアニオン界面活性剤には、アルキルスルホサクシネートがある。これには、ジナトリウムN−オクタデシルスルホサクシナメート(disodium N-octadecylsulfosuccinamate);ジアンモニウムラウリルスルホサクシネート(diammonium lauryl sulfosuccinate);テトラナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホサクシネート(tetrasodium N-(1,2-dicarboxyethyl)-N-octadecylsulfosuccinate);ナトリウムスルホコハク酸のジアミルエステル(diamyl ester of sodium sulfosuccinic acid);ナトリウムスルホコハク酸のジヘキシルエステル(dihexyl ester of sodium sulfosuccinic acid);および、ナトリウムスルホコハク酸のジオクチルエステル(dioctyl esters of sodium sulfosuccinic acid)がある。
【0058】
タウリン(2−アミノエタンスルホン酸(2-aminoethanesulfonic acid)としても知られている)に基づくタウレートも有用である。タウレートの例には、N−アルキルタウリン(たとえば、米国特許第2,658,072号に詳細に記載されたように、ドデシルアミンをナトリウムイセチオネート(sodium isethionate)と反応させて作製されるもの)がある。この特許は、参照によりその全体が本明細書に包含される。タウリンをベースとする他の例には、n−メチルタウリンと(約8〜約24個の炭素原子を持つ)脂肪酸との反応によって形成されるアシルタウリンがある。
【0059】
洗浄製剤での使用に適切なアニオン界面活性剤のもう一つの種類には、アシルイセチオネート(acyl isethionates)がある。アシルイセチオネートは、一般的に、式R1CO−O−CH2CH2SO3Mで表される(ここで、R1は、約10〜約30個の炭素原子を持つ、枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキル基、Mはカチオンである)。これらは、一般的に、(約8〜約30個の炭素原子を持つ)脂肪酸とアルカリ金属イセチオネートとの反応により形成される。これらのアシルイセチオネートの非限定的な例には、アンモニウムココイルイセチオネート(ammonium cocoyl isethionate)、ナトリウムココイルイセチオネート(sodium cocoyl isethionate)、ナトリウムラウロイルイセチオネート(sodium lauroyl isethionate)およびこれらの混合物がある。
【0060】
さらに他の適切なアニオン界面活性剤には、R1−OCH2−C(OH)H−CH2−SO3Mの形態のアルキルグリセリルエーテルスルホネートがある{ここで、R1は、約8〜約24個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキル基、Mは水溶性カチオン(たとえば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびモノエタノールアミン)である}。これらは、エピクロロヒドリン(epichlorohydrin)および亜硫酸水素ナトリウムと(約8〜約24個の炭素原子を持つ)脂肪アルコールとの反応またはその他の公知の方法によって形成し得る。ナトリウムココグリセリルエーテルスルホネート(sodium cocoglyceryl ether sulfonate)が一つの例である。
【0061】
他の適切なアニオン界面活性剤には、R1−CH(SO4)−COOHの形態のスルホン化脂肪酸および、R1−CH(SO4)−CO−O−CH3の形態のスルホン化メチルエステルがある(ここで、R1は、約8〜約24個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキル基である)。これらは、三酸化硫黄による、(約8〜約24個の炭素原子を持つ)脂肪酸またはアルキルメチルエステルのスルホン化またはその他の公知のスルホン化技術によって作製し得る。例としては、α−スルホン化ココナツ脂肪酸(alpha sulphonated coconut fatty acid)およびラウリルメチルエステルがある。
【0062】
その他のアニオン界面活性剤には、ホスフェート(たとえば五酸化リンと約8〜約24個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない一価アルコールとの反応によって形成される、モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルホスフェート塩)がある。これらは他の公知のリン酸化法によって作製することもできる。この種の界面活性剤の例には、ナトリウムモノまたはジラウリルホスフェートがある。
【0063】
その他のアニオン界面活性剤には、式R1CO−N(COOH)−CH2CH2−CO2Mに対応するアシルグルタメートがある(ここで、R1は、約8〜約24個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキルまたはアルケニル基、Mは水溶性カチオンである)。この非限定的な例には、ナトリウムラウロイルグルタメート(sodium lauroyl glutamate)およびナトリウムココイルグルタメート(sodium cocoyl glutamate)がある。
【0064】
その他のアニオン界面活性剤には、式R1CON(CH3)−CH2CH2−CO2Mに対応するアルカノイルサルコシネート(alkanoyl sarcosinates)がある(ここで、R1は、約10〜約20個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキルまたはアルケニル基、Mは水溶性カチオンである)。この非限定的な例には、ナトリウムラウロイルサルコシネート(sodium lauroyl sarcosinate)、ナトリウムココイルサルコシネート(sodium cocoyl sarcosinate)およびアンモニウムラウロイルサルコシネート(ammonium lauroyl sarcosinate)がある。
【0065】
その他のアニオン界面活性剤には、式R1−(OCH2CH2x−OCH2−CO2Mに対応するアルキルエーテルカルボキシレートがある(ここで、R1は、約8〜約24個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキルまたはアルケニル基、xは1〜10、Mは水溶性カチオンである)。その非限定的な例には、ナトリウムラウレスカルボキシレート(sodium laureth carboxylate)がある。
【0066】
その他のアニオン界面活性剤には、式R1CO−[O−CH(CH3)−CO]x−CO2Mに対応するアシルラクチレートがある(ここで、R1は、約8〜約24個の炭素原子の、枝分れしたもしくは枝分かれしていない、飽和または不飽和のアルキルまたはアルケニル基、xは3、Mは水溶性カチオンである)。その非限定的な例には、ナトリウムココイルラクチレート(sodium cocoyl lactylate)がある。
【0067】
その他のアニオン性材料には、カルボキシレートがある。その非限定的な例には、ナトリウムラウロイルカルボキシレート(sodium lauroyl carboxylate)、ナトリウムココイルカルボキシレート(sodium cocoyl carboxylate)およびアンモニウムラウロイルカルボキシレート(ammonium lauroyl carboxylate)がある。アニオン性フルオロ界面活性剤も使用できる。
【0068】
その他のアニオン界面活性剤には、植物油脂および/または動物油脂の鹸化に由来する天然石鹸がある。その例には、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、獣脂脂肪酸塩(tallowate)、ココエート(cocoate)がある。
【0069】
アニオン界面活性剤では、任意のカウンターカチオン(M)を使用できる。カウンターカチオンは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれたものであることが好ましい。カウンターカチオンがアンモニウムであることがより好ましい。
【0070】
〔ノニオン性泡立ち界面活性剤〕
ノニオン性泡立ち界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheonの「Detergents and Emulsifiers」、北米版(1986年)(Allured Publishing Corporation発行)および、McCutcheonの「Functional Materials」、北米版(1992年)に開示されている。これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0071】
本発明に役立つノニオン性泡立ち界面活性剤には、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、スクロースエステル、アミンオキシドおよびこれらの混合物からなる群から選ばれたものがある。
【0072】
アルキルグルコシドおよびアルキルポリグルコシドは、本発明に有用であり、長鎖アルコール(たとえば、C8〜C30アルコール)と糖もしくはデンプンまたは糖もしくはデンプンのポリマー(すなわち、グリコシドまたはポリグリコシド)との縮合生成物として広義に定義し得る。これらの化合物は、式(S)n−O−Rによって表すことができる{ここで、Sは糖部分(たとえば、グルコース、フルクトース、マンノースおよびガラクトース);nは約1〜約1000の整数;RはC8〜C30のアルキル基である}。アルキル基が由来し得る長鎖アルコールの例には、デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール等がある。これらの界面活性剤の好ましい例には、Sがグルコース部分であり、RがC8〜C20のアルキル基で、nが約1〜約9の整数のものがある。これらの界面活性剤の市販物の例には、デシルポリグルコシド(Henkel社からAPG 325 CSとして入手可能である)およびラウリルポリグルコシド(Henkel社からAPG 600CSおよび625 CSとして入手可能である)がある。スクロースエステル界面活性剤(たとえばスクロースココエートおよびスクロースラウレート)も有用である。
【0073】
その他の有用なノニオン界面活性剤には、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤がある。そのより具体的な例には、下式に対応するグルコサミド(glucosamides)がある。
【化1】

【0074】
ここで、R1は、H、C1〜C4アルキル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−プロピル、好ましくはC1〜C4アルキル、より好ましくは、メチルまたはエチル、最も好ましくはメチルであり;R2はC5〜C31アルキルまたはアルケニル、好ましくはC7〜C19アルキルまたはアルケニル、より好ましくはC9〜C17アルキルまたはアルケニル、最も好ましくはC11〜C15アルキルまたはアルケニルであり;Zは、少なくとも三つのヒドロキシルが鎖に直接結合した線状ヒドロカルビル(hydrocarbyl)鎖を持つポリヒドロキシヒドロカルビル(polhydroxyhydrocarbyl)部分またはその(好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化された)アルコキシル化誘導体である。Zは、好ましくは、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、キシロースおよびこれらの混合物からなる群から選ばれた糖部分である。上記構造に対応する特に好ましい界面活性剤には、ココナツアルキルN−メチルグルコシドアミド(すなわち、R2CO--部分がココナツオイル脂肪酸に由来するもの)である。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドを含む組成物を作製するためのプロセスは、たとえば、英国特許明細書第809,060号(Thomas Hedley & Co.,Ltd.、1959年2月18日に公開);米国特許第2,965,576号(E. R. Wilson、1960年12月20日に特許);米国特許第2,703,798号(A. M. Schwartz、1955年3月8日に特許);および米国特許第1,985,424号(Piggott、1934年12月25日に特許)に開示されている。これらは、それぞれ、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0075】
ノニオン界面活性剤のその他の例には、アミンオキシドがある。アミンオキシドは、一般式R123N−Oに対応する{ここで、R1は、約8〜約18個の炭素原子の、アルキル、アルケニルもしくはモノヒドロキシアルキル基、0〜約10個のエチレンオキシド部分、または、0〜約1個のグリセリル部分を含み、R2とR3には、約1〜約3個の炭素原子、および、0〜約1個のヒドロキシ基(たとえば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル基)が含まれる}。式中の矢印は、半極性結合の慣習的表現である。本発明での使用に適したアミンオキシドの例には、ジメチル−ドデシルアミンオキシド(dimethyl-dodecylamine oxide)、オレイルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド(oleyidi(2-hydroxyethyl) amine oxide)、ジメチルオクチルアミンオキシド(dimethyloctylamine oxide)、ジメチル−デシルアミンオキシド(dimethyl-decylamine oxide)、ジメチル−テトラデシルアミンオキシド(dimethyl-tetradecylamine oxide)、3,6,9−トリオキサへプタデシルジエチルアミンオキシド(3,6,9-trioxaheptadecyldiethylamine oxide)、ジ(2−ヒドロキシエチル)−テトラデシルアミンオキシド(di(2-hydroxyethyl)-tetradecylamine oxide)、2−ドデコキシエチルジメチルアミンオキシド(2-dodecoxyethyldimethylamine oxide)、3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピルジ(3−ヒドロキシプロピル)アミンオキシド(3-dodecoxy-2-hydroxypropyldi(3-hydroxypropyl)amine oxide)、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド(dimethylhexadecylamine oxide)がある。
【0076】
本発明での使用に好ましいノニオン界面活性剤の非限定的な例としては、C8〜C14グルコースアミド、C8〜C14アルキルポリグルコシド、スクロースココエート、スクロースラウレート、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシドおよびこれらの混合物からなる群から選ばれたものがある。
【0077】
〔カチオン性泡立ち界面活性剤〕
カチオン性泡立ち界面活性剤も、本発明の物品に有用である。適切なカチオン性泡立ち界面活性剤には、脂肪族アミン、ジ脂肪族第四級アミン(di-fatty quaternary amines)、トリ脂肪族第四級アミン(tri-fatty quaternary amines)、イミダゾリニウム第四級アミン(imidazolinium quaternary amines)およびこれらの組合せがあるが、これらに限られるわけではない。適切な脂肪族アミンには、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(cetyltrimethylammonium bromide)等のモノアルキル第四級アミン(monalkyl quaternary amines)が含まれる。適切な第四級アミンには、ジアルキルアミドエチル・ヒドロキシエチルモニウム・メトスルフェート(dialklamidoethyl hydroxyethylmonium methosulfate)がある。しかしながら、脂肪族アミンが好ましい。カチオン性泡立ち界面活性剤が洗浄成分の主要な泡立ち界面活性剤である場合には、泡立ち促進剤を使用することが好ましい。さらに、ノニオン界面活性剤をこのようなカチオン性泡立ち界面活性剤と一緒に使用することが特に有用であることが判明した。
【0078】
〔両性泡立ち界面活性剤〕
本発明で用いられる用語「両性泡立ち界面活性剤」は、両性界面活性剤のサブセットとして当技術分野の調剤業者に周知の双性イオン界面活性剤を含むことも意図されている。
【0079】
多種多様の両性泡立ち界面活性剤を使用することができる。特に有用なのは、広く脂肪族第二級アミンおよび第三級アミン(aliphatic secondary and tertiary amines)の誘導体と称されるものである。好ましくは、その窒素がカチオン状態にあり、脂肪族基が直鎖または分岐鎖で、そのうちの一つがイオン化して水に溶解し得る基、たとえば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェートまたはホスホネートである。
【0080】
両性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheonの「Detergents and Emulsifiers」、北米版(1986年)(Allured Publishing Corporation発行)、および、McCutcheonの「Functional Materials」、北米版(1992年)に開示されている。これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0081】
両性界面活性剤と双性イオン界面活性剤との非限定的例としては、ベタイン、スルテイン(sultaines)、ヒドロキシスルテイン(hydroxysultaines)、アルキルイミノアセテート(alkyliminoacetates)、イミノジアルカノエート(iminodialkanoates)、アミノアルカノエート(aminoalkanoates)およびこれらの混合物からなる群から選ばれたものがある。
【0082】
ベタインの例としては、高級アルキルベタイン(たとえばココジメチルカルボキシメチルベタイン(coco dimethyl carboxymethyl betaine)、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン(lauryl dimethyl carboxymethyl betaine)、ラウリルジメチルα−カルボキシエチルベタイン(lauryl dimethyl alphacarboxyethyl betaine)、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン(cetyl dimethyl carboxymethyl betaine)、セチルジメチルベタイン(cetyl dimethyl betaine)(Lonza Corp.からLonzaine 16SPとして入手可能)、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン(lauryl bis-(2-hydroxyethyl) carboxymethyl betaine)、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン(oleyl dimethyl gamma-carboxypropyl betaine)、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタイン(lauryl bis-(2-hydroxypropyl)alpha-carboxyethyl betaine)、ココジメチルスルホプロピルベタイン(coco dimethyl sulfopropyl betaine)、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン(lauryl dimethyl sulfoethyl betaine)、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン(lauryl bis-(2-hydroxyethyl) sulfopropyl betaine)、アミドベタイン(amidobetaines)およびアミドスルホベタイン(amidosulfobetaines){ここで、RCONH(CH23基がベタインの窒素原子に付いている}、オレイルベタイン(oleyl betaine)(Henkel社から両性Velvetex OLB−50として入手可能)およびコカミドプロピルベタイン(cocamidopropyl betaine)(Henkel社からVelvetex BK−35およびBA−35として入手可能)がある。
【0083】
スルテインおよびヒドロキシスルテインの例としては、コカミドプロピルヒドロキシスルテイン(cocamidopropyl hydroxysultaine)(Rhone−Poulenc社からMirataine CBSとして入手可能)等の材料がある。
【0084】
本発明における使用には、以下の構造体を持つ両性界面活性剤が好ましい。
【化2】

ここで、R1は非置換、飽和または不飽和、直鎖状または分岐鎖状で、約9〜約22個の炭素原子を持つアルキルである。R1としては、約11〜約18個の炭素原子を持つものが好ましく、約12〜約18個の炭素原子を持つものがより好ましく、約14〜約18個の炭素原子を持つものが、さらにより好ましい。mは、1〜約3の整数であり、約2〜約3の整数がより好ましく、約3の整数がさらにより好ましい。nは、0か1であり、好ましくは1である。R2およびR3は、独立して、1から約3個の炭素原子を持つ、非置換またはヒドロキシのモノ置換アルキルからなる群から選ばれたものであり、好ましくは、CH3である。Xは、CO2、SO3およびSO4からなる群から選ばれる。R4は、飽和または不飽和、直鎖状または分岐鎖状、非置換またはヒドロキシのモノ置換で、1から約5個までの炭素原子を持つアルキルからなる群から選ばれる。XがCO2であるとき、好ましくは、R4が1または3個の炭素原子(より好ましくは1個の炭素原子)を持つ。XがSO3またはSO4であるとき、R4が約2〜約4個の炭素原子をもつことが好ましい。3個の炭素原子を持つことがより好ましい。
【0085】
本発明の両性界面活性剤の例には、以下の化合物が含まれる。
セチルジメチルベタイン(Cetyl dimethyl betaine)(この材料は、CTFA指定セチルベタインも有する。)
【化3】

コカミドプロピルベタイン
【化4】

ここで、Rは、約9〜約13個の炭素原子を持つ。
コカミドプロピルヒドロキシスルテイン
【化5】

ここで、Rは約9〜約13個の炭素原子を持つ。
【0086】
他の有用な両性界面活性剤の例には、アルキルイミノアセテートおよび式RN[(CH2mCO2M]2およびRNH(CH2mCO2Mのイミノジアルカノエートおよびアミノアルカノエートがある。ここで、mは1〜4であり、RはC8〜C22アルキルまたはアルケニル、Mは、H、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウム(alkanolammonium)である。イミダゾリニウムおよびアンモニウム誘導体も含まれる。適切な両性界面活性剤の具体的な例としては、ナトリウム3−ドデシル−アミノプロピオネート(sodium 3-dodecyl-aminopropionate)、ナトリウム3−ドデシルアミノ−プロパンスルホネート(sodium 3-dodecylamino-propane sulfonate)、(参照によりその全体が本明細書に包含される、米国特許第2,438,091号の開示に従って生産されたような)N−高級アルキルアスパラギン酸、および、米国特許第2,528,378号(参照によりその全体が本明細書に包含される)に開示され、商品名「Miranol」の下で販売されている製品がある。有用な両性界面活性剤の他の例には、たとえば、コカミドプロピルPG−ジモニウムクロライドホスフェート(coamidopropyl PG-dimonium chloride phosphate)(Mona Corp.から、Monaquat PTCとして入手可能)等の両性ホスフェートがある。ジナトリウムラウロアンフォジアセテート(disodium lauroamphodiacetate)、ナトリウムラウロアンフォアセテート(sodium lauroamphoacetate)およびこれらの混合物等のアンフォアセテート(amphoacetates)も有用である。
【0087】
好ましい泡立ち界面活性剤は、アンモニウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムトリデセススルフェート(sodium trideceth sulfate)、ナトリウムラウロイルサルコシネート、アンモニウムラウレススルフェート(ammonium laureth sulfate)、ナトリウムラウレススルフェート(sodium laureth sulfate)、アンモニウムラウリルスルフェート(ammonium laureth sulfate)、ナトリウムラウリルスルフェート(sodium lauryl sulfate)、アンモニウムココイルイセチオネート、ナトリウムココイルイセチオネート、ナトリウムラウロイルイセチオネート、ナトリウムセチルスルフェート(sodium cetyl sulfate)、ナトリウムモノラウリルホスフェート(sodium monolauryl phospate)、ナトリウムココグリセリルエーテルスルホネート、ナトリウムC9〜C22石鹸およびこれらの組合せからなる群から選ばれたアニオン性泡立つ界面活性剤;ラウラミンオキシド(lauramine oxide)、ココアミンオキシド(cocoamine oxide)、デシルポリグルコース(decyl polyglucose)、ラウリルポリグルコース(lauryl polyglucose)、スクロースココエート(sucrose cocoate)、C12〜C14グルコサミド、スクロースラウレート(sucrose laurate)およびこれらの組合せからなる群から選ばれたノニオン系泡立ち界面活性剤;脂肪族アミン、ジ脂肪族第四級アミン、トリ脂肪族第四級アミン、イミダゾリニウム第四級アミンおよびこれらの組合せからなる群から選ばれたカチオン性泡立ち界面活性剤;ジナトリウムラウロアンフォジアセテート、ナトリウムラウロアンフォアセテート、セチルジメチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルテインおよびこれらの組合せからなる群から選ばれた両性泡立ち界面活性剤、からなる群から選ばれる。
【0088】
〔コンディショニング製剤〕
本発明のある実施形態では、本物品がコンディショニング製剤を含む。繊維層には、繊維層の重量をベースにして、約10〜約1000%、より好ましくは約10〜約500%、最も好ましくは約10〜約250%のコンディショニング製剤が含まれ得る。コンディショニング製剤には、疎水性のコンディショニング剤、親水性コンディショニング剤、構造化されたコンディショニング剤およびこれらの組合せからなる群から選ばれた剤が含まれることが好ましい。
【0089】
ある実施形態では、コンディショニング製剤に、化粧用ワックス剤(たとえば、Cognis社から市販されているCaremelt(R)が含まれる。特に、コンディショニング製剤には、トリグリセリド、部分的グリセリド、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、エーテル、カーボネート、脂肪酸およびこれらの混合物からなる群から選ばれた化合物が含まれ得る。
【0090】
〔疎水性のコンディショニング剤〕
本発明の物品には、一以上の疎水性のコンディショニング剤が含まれ得るが、この疎水性のコンディショニング剤は、本物品の使用中に、皮膚または髪にコンディショニングの利益を与えるのに有用である。
【0091】
疎水性のコンディショニング剤の非限定的な例には、鉱油、ワセリン、レシチン、水添レシチン、ラノリン、ラノリン誘導体、C7〜C40枝分かれ鎖炭化水素、C1〜C30カルボン酸のC1〜C30アルコールエステル、C2〜C30ジカルボン酸のC1〜C30アルコールエステル、C1〜C30カルボン酸のモノグリセリド、C1〜C30カルボン酸のジグリセリド、C1〜C30カルボン酸のトリグリセリド、C1〜C30カルボン酸のエチレングリコールモノエステル、C1〜C30カルボン酸のエチレングリコールジエステル、C1〜C30カルボン酸のプロピレングリコールモノエステル、C1〜C30カルボン酸のプロピレングリコールジエステル、糖のC1〜C30カルボン酸モノエステルおよびポリエステル、ポリジアルキルシロキサン、ポリジアリールシロキサン、ポリアルカリールシロキサン、3〜9個のケイ素原子を持つシクロメチコン、植物油、水添植物油、ポリプロピレングリコールC4〜C20アルキルエーテル、ジC8〜C30アルキルエーテルおよびこれらの組合せからなる群から選ばれたものがある。
【0092】
ワセリン液としても知られている鉱油は、石油から得られる液状炭化水素の混合物である。メルクインデックス,第10版,項目7048,p.1033(1983年)およびInternational Cosmetic Ingredient Dictionary(第5版),第1巻,p.415〜417(1993年)を参照されたい。これらは参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0093】
石油ゼリーとしても知られているワセリンは、枝分かれ鎖状固形炭化水素および高沸点液状炭化水素のコロイド系であり、液化炭化水素の大部分はミセルの中に保持されている。メルクインデックス,第10版,項目7047,p.1033(1983年)、Schindler,Drug. Cosmet.,Ind.,89,36−37,76,78−80,82(1961年)および、International Cosmetic Ingredient Dictionary(第5版),第1巻,p.537(1993年)を参照されたい。これらは参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0094】
レシチンも、疎水性のコンディショニング剤として有用である。これは、天然に生じる、リン酸のコリンエステルに結合した、ある種の脂肪酸のジグリセリドの混合物である。
【0095】
本発明では、約7〜約40個の炭素原子を持つ直鎖状および枝分かれ鎖状の炭化水素が有用である。これらの炭化水素材料の非限定的な例には、ドデカン、イソドデカン、スクアラン、コレステロール、水添ポリイソブチレン、ドコサン(すなわちC22炭化水素)、ヘキサデカン、イソヘキサデカン{Presperse社(South Plainfield,ニュージャージー州)より、Permethyl(R) 101Aとして市販されている炭化水素}がある。C7〜C40枝分かれ炭化水素であるC7〜C40イソパラフィンも有用である。本発明では、ポリデセン(枝分れ液状炭化水素)も有用であり、Mobile Chemical社(Edison、ニュージャージー州)から、Puresyn 100(R)およびPuresyn 3000(R)の商品名で市販されている。
【0096】
直鎖状および枝分かれ鎖状材料および芳香族誘導体等の、C1〜C30カルボン酸およびC2〜C30ジカルボン酸のC1〜C30アルコールエステルも有用である。C1〜C30カルボン酸のモノグリセリド、C1〜C30カルボン酸のジグリセリド、C1〜C30カルボン酸のトリグリセリド、C1〜C30カルボン酸のエチレングリコールモノエステル、C1〜C30カルボン酸のエチレングリコールジエステル、C1〜C30カルボン酸のプロピレングリコールモノエステルおよびC1〜C30カルボン酸のプロピレングリコールジエステル等のエステルも有用である。ここには、直鎖、枝わかれ鎖およびアリールのカルボン酸が含まれる。これらの材料のプロポキシル化誘導体およびエトキシル化誘導体も有用である。この非限定的な例には、ジイソプロピルセバケート(diisopropyl sebacate)、ジイソプロピルアジペート(diisopropyl adipate)、イソプロピルミリステート(isopropyl myristate)、イソプロピルパルミテート(isopropyl palmitate)、ミリスチルプロピオネート(myristyl propionate)、エチレングリコールジステアレート(ethylene glycol distearate)、2−エチルヘキシルパルミテート(2-ethylhexyl palmitate)、イソデシルネオペンタノエート(isodecyl neopentanoate)、ジ−2−エチルヘキシルマレエート(di-2-ethylhexyl maleate)、セチルパルミテート(cetyl palmitate)、ミリスチルミリステート(myristyl myristate)、ステアリルステアレート(stearyl stearate)、セチルステアレート(cetyl stearate)、ベヘニルベヘンレート(behenyl behenrate)、ジオクチルマレエート(dioctyl maleate)、ジオクチルセバケート(dioctyl sebacate)、ジイソプロピルアジペート(diisopropyl adipate)、セチルオクタノエート(cetyl octanoate)、ジイソプロピルジリノレート(diisopropyl dilinoleate)、カルピリック(carpylic)/カプリックトリグリセリド(capric triglyceride)、PEG−6カプリリック(caprylic)/カプリルトリグリセリド、PEG−8カプリリック/カプリルトリグリセリドおよびこれらの組合せがある。
【0097】
糖の種々のC1〜C30モノエステルおよびポリエステルならびにその関連物質も有用である。これらのエステルは、糖またはポリオール部分および一以上のカルボン酸部分に由来する。構成する酸と糖に依存して、これらのエステルは、室温で液体または固体の形態であり得る。液体エステルの例には、グルコーステトラオレエート(glucose tetraoleate)、ダイズ油脂肪酸(不飽和)のグルコーステトラエステル、混合ダイズ油脂肪酸のマンノーステトラエステル、オレイン酸のガラクトーステトラエステル、リノール酸のアラビノーステトラエステル、キシローステトラリノレート、ガラクトースペンタオレエート、ソルビトールテトラオレエート、不飽和ダイズ油脂肪酸のソルビトールヘキサエステル、キシリトールペンタオレエート、スクローステトラオレエート、スクロースペンタオレエート、スクロースヘキサオレエート、スクロースヘプタオレエート、スクロースオクタオレエートおよびこれらの混合物がある。固体のエステルの例には、カルボン酸エステル部分が1:2のモル比のパルミトレエート(palmitoleate)とアラキデート(arachidate)である、ソルビトールヘキサエステル;カルボン酸エステル部分が1:3のモル比のリノレートとベヘネートである、ラフィノース(raffinose)のオクタエステル;エステル化カルボン酸部分が3:4のモル比のヒマワリ種子油脂肪酸とリグノセレート(lignocerate)である、マルトースのヘプタエステル;エステル化カルボン酸部分が2:6のモル比のオレエートとベヘネートである、スクロースのオクタエステル;および、エステル化カルボン酸部分が1:3:4のモル比のラウレートとリノレートとベヘネートである、スクロースのオクタエステルがある。好ましい固体材料には、エステル化度が7〜8であり、脂肪酸部分が、C18モノ−および/またはジ−不飽和酸とベヘン酸(不飽和酸:ベヘン酸のモル比が1:7〜3:5)である、スクロースポリエステルである。特定の好ましい固体糖ポリエステルは、分子中に約七つのベヘン酸の脂肪酸部分と約一つのオレイン酸部分とがあるスクロースのオクタエステルである。その他の材料には、スクロースの綿実油またはダイズ油脂肪酸エステルがある。これらのエステル材料については、米国特許第2,831,854号、米国特許第4,005,196号(Jandacek,1977年1月25日に特許)、米国特許第4,005,195号(Jandacek,1977年1月25日に特許)、米国特許第5,306,516号(Letton等,1994年4月26日に特許)、米国特許第5,306,515号(Letton等,1994年4月26日に特許)、米国特許第5,305,514号(Letton等,1994年4月26日に特許)、米国特許第4,797,300号(Jandacek等,1989年1月10日に特許)、米国特許第3,963,699号(Rizzi等,1976年6月15日に特許)、米国特許第4,518,772号(Volpenhein,1985年5月21日に特許)および、米国特許第4,517,360号(Volpenhein,1985年5月21日に特許)にさらに記載されている。これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0098】
ポリジアルキルシロキサン(polydialkylsiloxanes)、ポリジアリールシロキサン(polydiarylsiloxanes)およびポリアルカリールシロキサン(polyalkarylsiloxanes)等の不揮発性シリコーンも有用なオイルである。これらのシリコーンは、米国特許第5,069,897(Orr,1991年12月3日に特許)に開示されている。この特許は、参照によりその全体が本明細書に包含される。ポリアルキルシロキサンは、一般化学式R3SiO[R2SiO]xSiR3{ここで、Rは、アルキル基(好ましくはメチルまたはエチル、より好ましくはメチル)であり、xは、所望の分子量を得るために選択される約500までの整数である}に対応する。市販のポリアルキルシロキサンには、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxanes)(ジメチコンとしても知られる)があり、その非限定的な例には、General Electric Companyから販売されているVicasil(R)シリーズおよびDow Corning Corporationから販売されているDow Corning(R)200シリーズがある。本発明に有用なポリジメチルシロキサンの具体的な例には、10cStの粘度と200℃を超える沸点とを有するDow Corning(R)225液および、それぞれ、50、350および12,500cStの粘度と200℃を超える沸点とを有するDow Corning(R)200液がある。一般化学式[(CH23SiO1/2x[SiO2y(ここで、xは約1〜約500の整数、yは1〜約500の整数である)に対応するポリマー材料であるトリメチルシロキシシリケート(trimethylsiloxysilicate)等の材料も有用である。市販のトリメチルシロキシシリケートは、ジメチコンとの混合物であるDow Corning(R)593液として販売されている。本発明には、ヒドロキシ末端ジメチルシリコーンであるジメチコノールも有用である。これらの材料は、一般化学式R3SiO[R2SiO]xSiR2OHおよびHOR2SiO[R2SiO]xSiR2OH{ここで、Rはアルキル基(好ましくはメチルまたはエチル、より好ましくはメチル)であり、xは、所望の分子量を得るために選択される約500までの整数である}によって表すことができる。市販のジメチコノールは、典型的には、ジメチコンまたはシクロメチコンとの混合物(たとえば、Dow Corning(R)1401、1402および1403液)として販売されている。ポリアルキルアリールシロキサンも本発明には有用である。その中では、25℃で約15〜約65cStの粘度を持つポリメチルフェニルシロキサンが好ましい。これらの材料は、たとえば、SF 1075メチルフェニル液(General Electric Companyから販売)および、556化粧品グレードのフェニル・トリメチコン液(Dow Corning Corporationから販売)として利用可能である。メチルデシルシリコーンおよびメチルオクチルシリコーン等のアルキル化シリコーンが、本発明に有用であり、General Electric Companyから市販されている。また、本発明では、アルキル改質シロキサン(たとえば、アルキル鎖が10〜50個の炭素を持つアルキルメチコンおよびアルキルジメチコン)も有用である。そのようなシロキサンは、ABIL WAX 9810(C24〜C28アルキルメチコン)(Goldschmidt社から販売)およびSF 1632(セテアリルメチコン(cetearyl methicone))(General Electric Companyから販売)の商品名で市販されている。
【0099】
植物油および水添植物油も本発明に有用である。植物油および水添植物油の例には、サフラワー油、ヒマシ油、ココナツ油、綿実油、メンハーデン油、パーム核油、パーム油、落花生油、ダイズ油、菜種油、亜麻仁油、米糠油、パイン油、ゴマ油、ヒマワリ種子油、水添サフラワー油、水添ヒマシ油、水添ココナツ油、水添綿実油、水添メンハーデン油、水添パーム核油、水添パーム油、水添落花生油、水添ダイズ油、水添菜種油、水添亜麻仁油、水添米糠油、水添ゴマ油、水添ヒマワリ種子油およびこれらの混合物がある。
【0100】
ポリプロピレングリコールのC4〜C20アルキルエーテル、ポリプロピレングリコールのC1〜C20カルボン酸エステルおよびジC8〜C30アルキルエーテルも有用である。これらの材料の非限定的な例には、PPG−14ブチルエーテル、PPG−15ステアリルエーテル、ジオクチルエーテル、ドデシルオクチルエーテルおよびこれらの混合物がある。
【0101】
本発明では、疎水性のキレート剤も疎水性のコンディショニング剤として有用である。適切な剤については、米国特許第4,387,244号(Scanlon等、1983年6月7日に特許)および米国同時係属特許出願シリアル番号第09/258,747号および09/259,485号(Schwartz等、1999年2月26日出願)に記述されている。
【0102】
〔親水性コンディショニング剤〕
本発明の物品は、任意的に、一以上の親水性コンディショニング剤を含み得る。親水性コンディショニング剤の非限定的な例には、多価アルコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、尿素、ピロリドンカルボン酸(pyrolidone carboxylic acids)、エトキシル化および/またはプロポキシル化C3〜C6ジオールおよびトリオール、α−ヒドロキシC2〜C6カルボン酸、エトキシル化および/またはプロポキシル化糖、ポリアクリル酸コポリマー、約12個までの炭素原子を有する糖、約12個までの炭素原子を有する糖アルコールならびにこれらの混合物からなる群から選ばれたものがある。有用な親水性コンディショニング剤の具体的な例には、尿素;グアニジン;グリコール酸およびグリコール酸塩(たとえばアンモニウムおよび第四級アルキルアンモニウム塩);乳酸および乳酸塩(たとえばアンモニウムおよび第四級アルキルアンモニウム塩);スクロース、フルクトース、グルコース、エルトロース(eruthrose)、エリトリトール(erythritol)、ソルビトール、イナンニトール(inannitol)、グリセリン、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等;ポリエチレングリコール(たとえば、PEG−2、PEG−3、PEG−30、PEG−50)、ポリプロピレングリコール(たとえば、PPG−9、PPG−12、PPG−15、PPG−17、PPG−20、PPG−26、PPG−30、PPG−34);アルコキシル化グルコース;ヒアルロン酸;カチオン性皮膚コンディショニングポリマー(たとえば、Polyquaterniumポリマー等の第四級アンモニウムポリマー);ならびにこれらの混合物等の材料がある。特に、グリセリンは、本発明の物品の好ましい親水性コンディショニング剤である。種々形態のアロエベラの任意のもの(たとえばアロエベラジェル)、キトサンおよびキトサン誘導体(たとえばキトサンラクテート)、ラクタミドモノエタノールアミン(lactamide monoethanolamine)、アセトアミドモノエタノールアミンならびにこれらの混合物等の材料も有用である。米国特許第4,976,953号(Orr等、1990年12月11日に特許)に記述されたプロポキシル化グリセリンも有用である。この特許は、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0103】
コンディショニング製剤は、種々の形態で作製し得る。本発明のある実施形態では、コンディショニング製剤がエマルジョンの形態である。たとえば、水中油型、油中水型、水中油中水型、シリコーン中水中油型のエマルジョンが、本発明に有用である。エマルジョンの文脈において用いられる「水」は、水のみならず、グリセリンのように水に可溶または混合可能な剤であることも意味する。
【0104】
好ましいコンディショニング製剤はエマルジョンを含有し、さらに、このエマルジョンが、水相および油相を有する。当業者に理解されるように、所与の成分は、その成分中の治療上有効な剤の水溶性/水分散性に従って、主に水相または油相に分配される。ある実施形態では、油相が、一以上の疎水性のコンディショニング剤を含む。他の一実施形態では、水相が、一以上の親水性コンディショニング剤を含む。
【0105】
油相のための適切な油または脂質は、動物、植物または石油に由来し得、天然のもの、合成された(すなわち、人工の)ものもあり得る。そのような油については、上記の「疎水性コンディショニング剤」で説明した。適切な水相成分には、上述の「親水性コンディショニング剤」が含まれる。好ましいエマルジョンの形態には、油中水型エマルジョン、シリコーン中水型エマルジョンおよびその他の逆型のエマルジョンがある。さらに、好ましいエマルジョンには、油中グリセリン型のエマルジョンが生じるような、グリセリン等の親水性コンディショニング剤も含まれる。
【0106】
エマルジョンの形態のコンディショニング製剤は、さらに、コンディショニング製剤の重量をベースにして、約1〜約10%の乳化剤を含むことが好ましい。約2〜約5%の乳化剤を含むことがより好ましい。乳化剤は、ノニオン性でもアニオン性でもカチオン性でもよい。適切な乳化剤は、たとえば、米国特許第3,755,560号(Dickert等、1973年8月28日に特許)、米国特許第4,421,769号(Dixon等、1983年12月20日に特許)および、McCutcheonの「Detergents and Emulsifiers」、北米版(1986年),p.317−324に開示されている。エマルジョンの形態のコンディショニング製剤には、皮膚への適用時に起泡性を最小にするための消泡剤も含まれ得る。消泡剤には、高分子量シリコーンおよび、本技術分野でこのような用途に周知のその他の材料が含まれる。
【0107】
コンディショニング製剤は、ミクロエマルジョンの形態であってもよい。ここに使用されるように、「ミクロエマルジョン」は、両親媒性の分子(界面活性剤)によって安定させられた、二つの不混和性の溶媒(一つが無極性で他が極性)の熱力学的安定混合物を意味する。好ましいミクロエマルジョンには、油中水型のミクロエマルジョンがある。
【0108】
〔構造化されたコンディショニング剤〕
コンディショニング製剤には、構造化されたコンディショニング剤が含まれ得る。適切な構造化されたコンディショニング剤には、セラミド、リポソーム等の小胞状構造体があるが、これらに限られるわけではない。
【0109】
他の一実施形態では、コンディショニング製剤が、コアセルベート形成性組成物中に含まれる。このコアセルベート形成性組成物が、カチオンポリマー、アニオン界面活性剤および、これらのポリマーおよび界面活性剤の皮膚科学的に許容できるキャリヤーを含むことが好ましい。カチオンポリマーは、天然由来の第四級アンモニウムポリマー、合成由来の第四級アンモニウムポリマー、天然由来の両性タイプポリマー、合成由来の両性タイプポリマーおよびこれらの組合せからなる群から選ばれ得る。
【0110】
より好ましくは、カチオンポリマーが、Polyquaternium−4、Polyquaternium−10、Polyquaternium−24、PG−ヒドロキシエチルセルロース・アルキルジモニウムクロライド(PG-hydroxyethylcellulose alkyldimonium chlorides)、グアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(guar hydroxypropyltrimonium chloride)、ヒドロキシプロピルグアール・ヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(hydroxypropylguar hydroxypropyltrimonium chloride)およびこれらの組合せからなる群から選ばれた天然由来の第四級アンモニウムポリマー;Polyquaternium−2、Polyquaternium−6、Polyquaternium−7、Polyquaternium−11、Polyquaternium−16、Polyquaternium−17、Polyquaternium−18、Polyquaternium−28、Polyquaternium−32、Polyquaternium−37、Polyquaternium−43、Polyquaternium−44、Polyquaternium−46、ポリメタクリルアミドプロピル・トリモニウムクロライド(polymethacylamidopropyl trimonium chloride)、アクリルアミドプロピル・トリモニウムクロライド/アクリルアミドコポリマー(acrylamidopropyl trimonium chloride/acrylamide copolymer)およびこれらの組合せからなる群から選ばれた合成由来の第四級アンモニウムポリマー;キトサン、4級化タンパク質、タンパク質加水分解物およびこれらの組合せからなる群から選ばれた天然由来の両性タイプのポリマー;Polyquaternium−22、Polyquaternium−39、Polyquaternium−47、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル・ジエチレントリアミンコポリマー(adipic acid/dimethylaminohydroxypropyl diethylenetriamine copolymer)、ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノエチル・メタクリレートコポリマー(polyvinylpyrrolidone/dimethylyaminoethyl methacyrlate copolymer)、ビニルカプロラクタム/ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(vinylcaprolactam/ polyvinylpyrrolidone/dimethylaminoethylmethacrylate copolymer)、ビニルカプロラクタム/ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドターポリマー(vinaylcaprolactam/polyvinylpyrrolidone/dimethylaminopropylmethacrylamide terpolymer)、ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー(polyvinylpyrrolidone/dimethylaminopropylmethacrylamide copolymer)、ポリアミンおよびこれらの組合せからなる群から選ばれた合成由来の両性タイプのポリマー;ならびにこれらの組み合わせ、からなる群から選ばれる。カチオンポリマーが、合成由来の両性タイプのポリマーであることが、さらにより好ましく、カチオンポリマーがポリアミンであることが、なおさらにより好ましい。
【0111】
カチオンポリマーがポリアミンであるときには、カチオン性ポリアミンポリマーが、ポリエチレンイミン(polyethyleneimines)、ポリビニルアミン(polyvinylamines)、ポリプロピレンイミン(polypropyleneimines)、ポリリシン(polylysines)およびこれらの組合せからなる群から選ばれることが好ましい。カチオン性ポリアミンポリマーがポリエチレンイミンであることがよりさらに好ましい。
【0112】
カチオンポリマーがポリアミンである実施形態では、そのポリアミンを、疎水的にまたは親水的に変性し得る。この場合のカチオン性ポリアミンポリマーは、ベンジル化ポリアミン、エトキシル化ポリアミン、プロポキシル化ポリアミン、アルキル化ポリアミン、アミド化ポリアミン、エステル化ポリアミンおよびこれらの組合せからなる群から選ばれる。コアセルベート形成性組成物には、コアセルベート形成性組成物の重量に基づき、約0.01〜約20%のカチオンポリマーが含まれる。約0.05〜約10%のカチオンポリマーが含まれることがより好ましく、約0.1〜約5%のカチオンポリマーが含まれることが最も好ましい。
【0113】
適切なアニオン界面活性剤には、上記「洗浄製剤」で説明したものが含まれる。コアセルベート形成性組成物については、アニオン界面活性剤が、サルコシネート(sarcosinates)、グルタメート(glutamates)、ナトリウムアルキルスルフェート、アンモニウムアルキルスルフェート、ナトリウムアルキルエススルフェート(sodium alkyleth sulfates)、アンモニウムアルキルエススルフェート、アンモニウムラウレス−n−スルフェート、ナトリウムラウレス−n−スルフェート、イセチオネート、グリセリルエーテルスルホネート、スルホサクシネートおよびこれらの組合せからなる群から選ばれることが好ましい。より好ましくは、アニオン界面活性剤が、ナトリウムラウロイルサルコシネート(sodium lauroyl sarcosinate)、モノナトリウムラウロイルグルタメート、ナトリウムアルキルスルフェート、アンモニウムアルキルスルフェート、ナトリウムアルキルエススルフェート、アンモニウムアルキルエススルフェートおよびこれらの組合せからなる群から選ばれる。
【0114】
あるいは、コアセルベート形成性組成物には、アニオンポリマー、カチオン界面活性剤ならびに、これらのポリマーおよび界面活性剤のための皮膚科学的に許容できるキャリヤーが含まれ得る。このアニオンポリマーは、ポリアクリル酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、アクリル酸、アクリルアミドのコポリマーおよび他の天然または合成ポリマー(たとえばポリスチレン、ポリブチレン、ポリウレタン等)、天然由来のゴムならびにこれらの組合せからなる群から選ばれ得る。適切なゴムには、アルギネート(alginates)(たとえば、プロピレングリコールアルギネート)、ペクチン、キトサン(たとえば乳酸キトサン)および改質ゴム(たとえば、デンプンオクテニルサクシネート)ならびにこれらの組合せがある。より好ましくは、アニオンポリマーが、ポリアクリル酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、ペクチン、キトサンおよびこれらの組合せからなる群から選ばれる。本発明の物品には、コアセルベート形成性組成物の重量に基づいて、約0.01〜約20%のアニオンポリマーが含まれるのが好ましい。約0.05〜約10%のアニオンポリマーが含まれるのがより好ましく、約0.1〜約5%のアニオンポリマーが含まれるのが最も好ましい。適切なカチオン界面活性剤には、本明細書で説明したものが含まれるが、これらに限られるわけではない。
【0115】
〔他の製剤〕
本皮膚手入れ用物品は、さらなる皮膚手入れ用製剤を与えるために使用することができる。これらの製剤は、美容的に許容できるものでなければならない。これらには、抗にきび剤、保湿剤、抗しわ剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、アクセラレータ剤、抗ウイルス剤、酵素剤、日焼け止め剤、抗酸化剤、皮膚剥離剤および脱毛剤等がある。その他の皮膚手入れ用製剤は、当業者には周知である。たとえば、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,第二版,1992年(参照により本明細書に包含される)を参照されたい。
【0116】
このようなその他の製剤は、第一または第二の構造体に収納される。あるいは、製剤を組合せたものを一つの構造体の中に収納し得る。たとえば、第一の構造体に、洗浄製剤を収納し、第二の構造体にコンディショニング製剤と抗酸化剤との両方を収納し得る。
【0117】
一般的に、このようなその他の製剤には、所望の利益を与える美容的に活性な剤が含まれ得る。たとえば、この「その他の製剤」には、皮膚に対し美容上または治療上の効果を持つ化合物(明色剤、セルフタンニング剤等の暗色剤、抗にきび剤、てかりコントロール剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗かび剤、駆虫剤、外用鎮痛剤、日焼け止め剤、光保護剤、酸化防止剤、角質溶解剤、洗剤/界面活性剤、保湿剤、栄養剤、ビタミン、エネルギーエンハンサー、制汗剤、アストリンゼン、デオドラント、ヘアリムーバー、安定剤、皮膚柔軟化剤)を使用し得るが、これらに限定されるわけではない。
【0118】
ある実施形態では、美容的活性剤が、ヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイル、硫黄レゾルシノール、アスコルビン酸、D−パンテノール、ヒドロキノン、オクチルメトキシシンナメート(octyl methoxycinnimate)、二酸化チタン、オクチルサリチレート(octyl salicylate)、ホモサレート(homosalate)、アボベンゾン(avobenzone)、ポリフェノリック(polyphenolics)、カロテノイド、フリーラジカルスカベンジャー、スピントラップ(spin traps)、レチノイド(たとえばレチノールおよびレチニルパルミテート)、セラミド、多価不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、酵素、酵素阻害剤、ミネラル、エストロゲン等のホルモン、ハイドロコーチゾン(hydrocortisone)等のステロイド、2−ジメチルアミノエタノール、塩化銅等の銅塩、銅含有ペプチド(たとえば、Cu:Gly−His−LysおよびコエンザイムQ10)、リポ酸、アミノ酸(たとえば、プロリンおよびチロシン)、ビタミン、ラクトビオン酸、アセチルコエンザイムA、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、リボース、エレクトロントランスポーター(たとえば、NADHおよびFADH2)、およびその他の植物抽出物{たとえば、アロエベラおよび豆類(たとえば大豆)}、ならびにこれらの誘導体および混合物からなる群から選ばれるが、これらに限定されるわけではない。
【0119】
美容的活性剤は、一般的に、その他の製剤の重量に基づいて、約0.001〜約20重量%、たとえば、約0.01〜約10重量%(たとえば、約0.1〜約5重量%)の量で存在する。
【0120】
酸化防止剤の例には、水溶性酸化防止剤{スルフヒドリル化合物およびこれらの誘導体(たとえば、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびN−アセチルシステイン)}、リポ酸およびジヒドロリポ酸、レズベラトロール(resveratrol)、ラクトフェリン、ならびに、アスコルビン酸およびアスコルビン酸誘導体(たとえばアスコルビン酸パルミテートおよびアスコルビン酸ポリペプチド)があるが、これらに限定されるわけではない。本発明の組成物での使用に適切な油溶性の酸化防止剤には、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(たとえば、レチノールおよびレチニルパルミテート)、トコフェロール(たとえば酢酸トコフェロール)、トコトリエノールならびにユビキノンがあるが、これらに限定されるわけではない。本発明の組成物での使用に適切な酸化防止剤を含んでなる天然抽出物には、フラボノイドおよびイソフラボノイドを含有する抽出物およびこれらの誘導体(たとえば、ゲニステインおよびダイゼイン(diadzein))、レズベラトロールを含有する抽出物等があるが、これらに限定されるわけではない。このような天然抽出物の例には、ブドウの種、緑茶、マツ樹皮およびプロポリスがある。ICI Handbookのp.1612−13には、酸化防止剤のその他の例が見出され得る。
【0121】
〔抗しわ剤〕
本発明の物品には、皮膚のしわを、防止し、抑制し、阻止し、および/または、減らすための一以上の剤が含まれ得る。適切な皮膚手入れ用剤の例には、α−ヒドロキシ酸(たとえば、乳酸およびグリコール酸)ならびにβ−ヒドロキシ酸(たとえばサリチル酸)があるが、これらに限定されるわけではない。
【0122】
〔抗にきび剤〕
本発明の物品のために役立つ抗にきび剤の例には、角質溶解剤{たとえば、サリチル酸(o−ヒドロキシ安息香酸(o-hydroxybenzoic acid))、5−オクタノイルサリチル酸(5-octanoyl salicylic acid)等のサリチル酸誘導体およびレゾルシノール};レチノイド{たとえば、レチノイン酸およびその誘導体(たとえばシスおよびトランス)};硫黄含有DおよびLアミノ酸およびこれらの誘導体と塩、特に、これらのN−アセチル誘導体(好ましい例としては、N−アセチル−L−システイン);リポ酸;抗生物質および抗菌剤(たとえば、過酸化ベンゾイル、オクトピロックス(octopirox)、テトラサイクリン、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(2,4,4'-trichloro-2'-hydroxy diphenyl ether)、3,4,4’−トリクロロバニリド(3,4,4'-trichlorobanilide)、アゼライン酸およびその誘導体、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、酢酸エチル、クリンダマイシン(clindamycin)およびメクロサイクリン(meclocycline));フラボノイド等のセボスタット(sebostats);ならびに、胆汁塩(たとえば、シムノールスルフェート(scymnol sulfate)およびその誘導体)、デオキシコレート(deoxycholate)およびコレート(cholate)があるが、これらに限定されるわけではない。
【0123】
〔抗しわおよび抗皮膚萎縮剤〕
本発明の物品に役立つ抗しわおよび抗皮膚萎縮剤の例には、レチノイン酸およびその誘導体(たとえば、シスおよびトランス);レチノール;レチニルエステル;ナイアシンアミド、サリチル酸およびその誘導体;硫黄含有DおよびLアミノ酸およびその誘導体と塩、特にN−アセチル誘導体(好ましい例としては、N−アセチル−L−システイン);チオール(たとえばエタンチオール);ヒドロキシ酸、フィチン酸、リポ酸;リゾホスファチジン酸、ならびに皮膚剥離剤(たとえばフェノール等)があるが、これらに限定されるわけではない。
【0124】
〔非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDS)〕
本発明の物品に役立つNSAIDSの例には次のカテゴリーのものがあるが、これらに限定されるわけではない。すなわち、プロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナム酸(fenamic acid)誘導体;ビフェニルカルボン酸誘導体;およびオキシカム。これらのNSAIDSは、全て、米国特許第4,985,459号(Sunshine等、1991年1月15日に特許)に十分に記載されている。なお、本特許は、参照によりその全体が本明細書に包含される。有用なNSAIDSの例には、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン(benoxaprofen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、フェノプロフェン(fenoprofen)、フェンブフェン(fenbufen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、インドプロフェン(indoprofen)、ピルプロフェン(pirprofen)、カルプロフェン(carprofen)、オキサプロジン(oxaprozin)、プラノプロフェン(pranoprofen)、ミロプロフェン(miroprofen)、チオキサプロフェン(tioxaprofen)、スプロフェン(suprofen)、アルミノプロフェン(alminoprofen)、チアプロフェン酸(tiaprofenic acid)、フルプロフェン(fluprofen)およびブクロクシックアシッド(bucloxic acid)がある。ハイドロコーチゾン(hydrocortisone)等のステロイド系抗炎症剤も有用である。
【0125】
〔局所麻酔薬〕
本発明の物品に役立つ局所麻酔薬の例には、ベンゾカイン(benzocaine)、リドカイン(lidocaine)、ブピバカイン(bupivacaine)、クロルプロカイン(chlorprocaine)、ジブカイン(dibucaine)、エチドカイン(etidocaine)、メピバカイン(mepivacaine)、テトラカイン(tetracaine)、ジクロニン(dyclonine)、ヘキシルカイン(hexylcaine)、プロカイン(procaine)、コカイン(cocaine)、ケタミン(ketamine)、プラモキシン(pramoxine)、フェノール(phenol)、およびその薬学的に許容できる塩があるが、これらに限定されるわけではない。
【0126】
〔人工日焼け剤およびアクセラレータ〕
本発明の物品に役立つ人工日焼け剤およびアクセラレータの例には、ジヒドロキシアセトン(dihydroxyacetaone)、チロシン(tyrosine)、エチルチロシネート(ethyl tyrosinate)等のチロシンエステル(tyrosine esters)、およびホスホ−DOPA(phospho-DOPA)があるが、これらに限定されるわけではない。
【0127】
〔抗菌剤および抗真菌剤〕
本発明の物品に役立つ抗菌剤および抗真菌剤の例には、β−ラクタム薬(beta.-lactam drugs)、キノロン薬(quinolone drugs)、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)、ノルフロキサシン(norfloxacin)、テトラサイクリン(tetracycline)、エリスロマイシン(erythromycin)、アミカシン(amikacin)、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(2,4,4'-trichloro-2'-hydroxy diphenyl ether)、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(3,4,4'-trichlorocarbanilide)、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、ドキシサイクリン(doxycycline)、カプレオマイシン(capreomycin)、クロルヘキシジン(chlorhexidine)、クロルテトラサイクリン(chlortetracycline)、オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)、クリンダマイシン(clindamycin)、エタンブトール(ethambutol)、ヘキサミジンイセチオネート(hexamidine isethionate)、メトロニダゾール(metronidazole)、ペンタミジン(pentamidine)、ゲンタマイシン(gentamicin)、カナマイシン(kanamycin)、リネオマイシン(lineomycin)、メタサイクリン(methacycline)、メテナミン(methenamine)、ミノサイクリン(minocycline)、ネオマイシン(neomycin)、ネチルマイシン(netilmicin)、パロモマイシン(paromomycin)、ストレプトマイシン(streptomycin)、トブラマイシン(tobramycin)、ミコナゾール(miconazole)、塩酸テトラサイクリン(tetracycline hydrochloride)、エリスロマイシン(erythromycin)、亜鉛エリスロマイシン(zinc erythromycin)、エリスロマイシンエストレート(erythromycin estolate)、エリスロマイシンステアレート(erythromycin stearate)、硫酸アミカシン(amikacin sulfate)、塩酸ドキシサイクリン(doxycycline hydrochloride)、硫酸カプレオマイシン(capreomycin sulfate)、クロルヘキシジングルコネート(chlorhexidine gluconate)、塩酸クロルヘキシジン(chlorhexidine hydrochloride)、塩酸クロルテトラサイクリン(chlortetracycline hydrochloride)、塩酸オキシテトラサイクリン(oxytetracycline hydrochloride)、塩酸クリンダマイシン(clindamycin hydrochloride)、塩酸エタンブトール(ethambutol hydrochloride)、塩酸メトロニダゾール(metronidazole hydrochloride)、塩酸ペンタミジン(pentamidine hydrochloride)、硫酸ゲンタマイシン(gentamicin sulfate)、硫酸カナマイシン(kanamycin sulfate)、塩酸リネオマイシン(lineomycin hydrochloride)、塩酸メタサイクリン(methacycline hydrochloride)、馬尿酸メテナミン(methenamine hippurate)、メテナミンマンデレート(methenamine mandelate)、塩酸ミノサイクリン(minocycline hydrochloride)、硫酸ネオマイシン(neomycin sulfate)、硫酸ネチルマイシン(netilmicin sulfate)、硫酸パロモマイシン(paromomycin sulfate)、硫酸ストレプトマイシン(streptomycin sulfate)、硫酸トブラマイシン(tobramycin sulfate)、塩酸ミコナゾール(miconazole hydrochloride)、塩酸アマンファジン(amanfadine hydrochloride)、硫酸アマンファジン(amanfadine sulfate)、オクトピロックス、パラクロロメタキシレノール(parachlorometa xylenol)、ナイスタチン(nystatin)、トルナフテート(tolnaftate)、ジンクピリチオン(zinc pyrithione)およびクロトリマゾール(clotrimazole)があるが、これらに限定されるわけではない。
【0128】
〔抗ウィルス剤〕
本発明の物品には、一以上の抗ウィルス剤が更に含まれ得る。適切な抗ウイルス剤には、金属塩(たとえば、硝酸銀、硫酸銅、塩化鉄等)および有機酸(たとえば、リンゴ酸、サリチル酸、コハク酸、安息香酸等)があるが、これらに限定されるわけではない。更なる適切な抗ウィルス剤を含む具体的な組成物には、米国同時係属特許出願シリアル番号第09/421,084号(Beerse等);シリアル番号第09/421,131号(Biedermann等);シリアル番号第09/420,646(Morgan等);および、シリアル番号第09/421,179(Page等)(いずれも、1999年10月19日に出願)に記載されたものがある。
【0129】
〔酵素〕
本発明の物品は、任意的に、一以上の酵素を含み得る。そのような酵素が皮膚科学的に許容できることが好ましい。適切な酵素には、ケラチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、スブチリシン等があるが、これらに限定されるわけではない。
【0130】
〔日焼け止め剤〕
多種多様な日焼け止め剤が、米国特許第5,087,445号(Haffey等、1992年2月11日に特許);米国特許第5,073,372号(Turner等、1991年12月17日に特許);米国特許第5,073,371号(Turner等、1991年12月17日に特許);および、Cosmetics Science and Technology(Segarin等、第VIII章、p.189以下参照)に記載されている。これらは全て、参照によりその全体が本明細書に包含される。本発明の組成物に役立つ日焼け止めの非限定的な例には、2−エチルヘキシル・p−メトキシシンナメート(2-ethylhexyl p-methoxycinnamate)、2−エチルヘキシル・N,N−ジメチル−p−アミノベンゾエート(2-ethylhexyl N,N-dimethyl-p-aminobenzoate)、p−アミノ安息香酸(p-aminobenzoic acid)、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸(2-phenylbenzimidazole-5-sulfonic acid)、オクトクリレン(octocrylene)、オキシベンゾン(oxybenzone)、ホモメンチルサリチレート(homomenthyl salicylate)、オクチルサリチレート(octyl salicylate)、4,4’−メトキシ−t−ブチルジベンゾイルメタン(4,4'-methoxy-t-butyidibenzoylmethane)、4−イソプロピルジベンゾイルメタン(4-isopropyl dibenzoylmethane)、3−ベンジリデンカンファー(3-benzylidene camphor)、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー(3-(4-methylbenzylidene) camphor)、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、酸化鉄およびこれらの混合物からなる群から選ばれたものがある。さらにその他の有用な日焼け止め剤が、米国特許第4,937,370号(Sabatelli、1990年6月26日に特許);および、米国特許第4,999,186号(Sabatelli等、1991年3月12日に特許)に開示されている。これら二つの引用文献は、参照によりその全体が本明細書に包含される。これらの日焼け止め剤の特に好ましい例には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(2,4-dihydroxybenzophenone)の4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル(4-N,N-(2-ethylhexyl)methylaminobenzoic acid ester)、4−ヒドロキシジベンゾイルメタン(4-hydroxydibenzoylmethane)の4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル(4-N,N-(2-ethylhexyl)methylaminobenzoic acid ester)、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノン(2-hydroxy-4-(2-hydroxyethoxy)benzophenone)の4−N,N−(2−エチルヘキシル)−メチルアミノ安息香酸エステル(4-N,N- (2-ethylhexyl)-methylaminobenzoic acid ester)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ジベンゾイルメタン(4-(2-hydroxyethoxy)dibenzoylmethane)の4−N,N−(2−エチルヘキシル)−メチルアミノ安息香酸エステル(4-N,N-(2-ethylhexyl)-methylaminobenzoic acid ester)、およびこれらの混合物からなる群から選ばれたものがある。使用し得る日焼け止めの正確な量は、選ばれた日焼け止め剤および達成されるべき所望のSun Protection Factor(SPF)に依存して変わる。SPFは、紅斑に対する日焼け止め剤の光防護度の一般的に用いられる尺度である。連邦公報第43巻(No.166,pp.38206−38269,1978年8月25日)(参照によりその全体が本明細書に包含される)を参照されたい。
【0131】
〔オプション成分〕
本発明の物品には、本発明の利点を容認しがたいほどに変えない限り、従来皮膚手入れ製品に使用されている種々のオプション成分を含め得る。これらのオプション成分は、人の皮膚および髪への適用に適切でなければならない、すなわち、本物品に組み込まれた場合、健全な薬用上および調剤者の判断の範囲内で、不当な毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等なしで、人の皮膚に接触して使用するのに適しているべきである。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,第二版(1992年)には、本発明の物品での使用に適した、スキンケア産業で一般に使用される多種多様な非限定的な化粧用および製薬用成分が記載されている。
【0132】
これらの成分種の例には以下のものが含まれる:酵素、研磨剤、皮膚剥離剤、吸収剤、審美的成分(たとえば香料)、顔料、着色料/着色剤、精油、皮膚センセート(sensates)、アストリンゼン等(たとえば、チョウジ油、メントール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール(eugenol)、メンチルラクテート、ウィッチへーゼル留分)、固化防止剤、消泡剤、更なる抗菌剤(たとえば、ヨードプロピルブチルカルバメート(iodopropyl butylcarbamate))、酸化防止剤、バインダー、生物剤、緩衝剤、膨張性薬剤、キレート剤、化学的添加剤、化粧用生物致死剤、変性剤、外用鎮痛剤、組成物のフィルム形成特性とその実質性の助けとなる、ポリマー等の塗膜形成剤または塗膜形成材料(たとえば、エイコセン(eicosene)およびビニルピロリドン(vinyl pyrrolidone)のコポリマー)、保湿剤、乳白剤、pH調整剤、推進剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、皮膚漂白剤(または美白剤)(たとえば、ヒドロキノン(hydroquinone)、コウジ酸(kojic acid)、アスコルビン酸(ascorbic acid)、マグネシウムアスコルビルホスフェート(magnesium ascorbyl phosphate)、アスコルビルグルコサミン(ascorbyl glucosamine))、皮膚鎮静および/または治癒剤{たとえば、パンテノールおよびその誘導体(たとえばエチルパンテノール)、アロエベラ、パントテン酸(pantothenic acid)およびその誘導体、アラントイン(allantoin)、ビサボロール(bisabolol)およびグリチルリチン酸ジカリウム(dipotassium glycyrrhizinate))}、皮膚のしわを、防止し、抑制し、阻止し、および/または、減らすための剤{たとえば、α−ヒドロキシ酸(乳酸およびグリコール酸等)およびβ−ヒドロキシ酸(サリチル酸等)}、増粘剤、親水コロイド、特定のゼオライトおよびビタミンならびにこれらの誘導体(たとえば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、β−カロテン、レチノイン酸、レチノール、レチノイド、レチニルパルミテート、ナイアシン、ナイアシンアミド、等)。
【0133】
本発明の物品には、本技術分野で公知のキャリヤー成分が含まれ得る。このようなキャリヤーには、皮膚または髪への適用に適する、一以上の相溶性のある液体または固体のフィラー希釈剤またはビヒクルを含めることができる。
【0134】
本発明の物品には、そのようなオプション成分の一以上が任意的に含まれ得る。この物品には、任意的に、その中に、安全で有効量の成分{すなわち、好ましい効果または利益を有意に引き起こすのに十分な量ではあるが、重大な副作用(たとえば過度の毒性またはアレルギー反応)を避けるのに十分な低い量でもある化合物または成分}が含まれること(すなわち、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比を与えること)が好ましい。
【0135】
本発明に役に立つオプション成分は、その治療上および審美上の利益、または想定された作用モードにより分類し得る。しかしながら、本発明に役に立つオプション成分は、場合によっては、2以上の治療上または審美上の利益を与え、あるいは、2以上の作用モードにより作用し得ることが理解される。したがって、本発明における分類は、便宜のためになされるものであり、本成分を、リストされた特定用途に制限することを目的とするものではない。また、適用可能な場合には、本成分の薬剤的に許容可能な塩も本発明に役立つ。
【0136】
〔ビタミン剤〕
本物品には、ビタミン化合物、その前駆体およびその誘導体が含まれ得る。これらのビタミン化合物としては、天然または合成の形態のものがあり得る。適切なビタミン化合物には、ビタミンA(たとえば、β−カロテン、レチノイン酸、レチノール、レチノイド、レチニルパルミテート、レチニルプロピオネート(retinyl proprionate)等)、ビタミンB(たとえば、ナイアシン、ナイアシンアミド、リボフラビン、パントテン酸等)、ビタミンC(たとえばアスコルビン酸等)、ビタミンD(たとえば、エルゴステロール(ergosterol)、エルゴカルシフェロール(ergocalciferol)、コレカルシフェロール(cholecalciferol)等)、ビタミンE(たとえば酢酸トコフェロール等)、およびビタミンK(たとえば、フィトナジオン(phytonadione)、メナジオン(menadione)、フチオコール(phthiocol)等)の化合物があるが、これらに限定されるわけではない。
【0137】
特に、本発明の物品には、安全で有効量のビタミンB3化合物が含まれ得る。ビタミンB3化合物は、1997年4月11日に出願された米国同時係属特許出願シリアル番号第08/834,010号{国際公開第97/39733号A1(1997年10月30日公開)に対応}に記載されたように、皮膚の状態を調整するのに特に役立つ。本文献は、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0138】
本発明で使用される「ビタミンB3化合物」は、下式を有する化合物を意味する:
【化6】

ここで、Rは--CONH2(すなわちナイアシンアミド)、--COOH(すなわちニコチン酸)もしくはCH2OH(すなわちニコチニルアルコール);これらの誘導体;またはこれらの塩である。
【0139】
前述のビタミンB3化合物の典型的な誘導体には、ニコチン酸エステル(ニコチン酸の非血管拡張性エステル等)、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシド(nicotinic acid N-oxide)およびナイアシンアミドN−オキシド(niacinamide N-oxide)がある。
【0140】
適切なビタミンB3化合物の例は、本技術分野で周知であり、いくつかの供給元、たとえば、Sigma Chemical Company(セントルイス,ミズーリ州)、ICN Biomedicals, Inc.(Irvin,カリフォルニア州)およびAldrich Chemical Company(ミルウォーキー、ウィスコンシン州)、から市販されている。
【0141】
これらのビタミン化合物は、実質的に純粋な材料として加えられ、または、天然(たとえば植物)源から、適切な物理的および/または化学的分離によって得られた抽出物として加えられる。
【0142】
〔親水コロイド〕
親水コロイドも、本発明の物品に任意的に含まれ得る。親水コロイドは、本技術分野で周知であり、本物品が、少なくとも、一回分のシャワーまたは入浴は持ちこたえるように、本発明の洗浄成分中に含まれる界面活性剤の有効使用期間を延ばすのに役立つ。適切な親水コロイドには、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、メチルおよびエチルセルロース、天然ゴム、グドラスグアール(gudras guar)ガム、マメガム、天然のデンプン、脱イオン(deionitized)化デンプン(たとえばデンプンオクテニルサクシネート(starch octenyl succinate))等があるが、これらに限定されるわけではない。
【0143】
〔発熱性ゼオライト〕
水と結合すると反応して発熱するゼオライトやその他の化合物も、任意的に本発明の物品に含まれ得る。
【0144】
〔ヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤〕
本発明のある実施形態では、本物品に、水性ジェル、すなわち、ヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤と水から形成される「ヒドロゲル」が任意的に含まれ得る。より具体的には、ヒドロゲルが、本物品の洗浄成分または治療に役立つ成分中に含まれる。
【0145】
一般に、本発明のヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤材料は、水溶性のまたは、加水分解して水溶性になる、重合性不飽和酸含有モノマーから作製された、少なくとも部分的に架橋されたポリマーである。これらの材料には、少なくとも一つの親水基を有する、モノエチレン系不飽和化合物が含まれる。このモノエチレン系不飽和化合物には、少なくとも一つの炭素−炭素オレフィン二重結合を含むオレフィン系不飽和酸およびその無水物が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0146】
本発明におけるヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤は、十分な程度まで(好ましくは、得られたポリマーが約140℃未満のガラス転移温度(Tg)を示さないように十分高くなるように)、部分的に架橋される。従って、本発明で使用される用語「ヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤」は、このパラメータに合致するポリマーを意味する。ヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤が、約180℃未満のTgを持たないことが好ましく、約300℃またはそれより高い温度における本ポリマーの分解前にTgを有さないことがより好ましい。Tgは、5mgまたはこれより小さいサンプルを用い、20.0℃/分の加熱速度で行われる示差走査熱量計測(DSC)で計測することができる。Tgは、DCS熱容量加熱曲線上のガラス転移に対応する熱流変化の開始点と終了点の中間点として計算される。Tgを決定するのにDSCを使用することは、本技術分野で周知であり、「正確な熱力学的および反応速度論的データを得るためのDSCの使用方法(Use of DSC To Obtain Accurate Thermodynamic and Kinetic Data」(B.CasselおよびM.P.DiVito,American Laboratory,1994年1月,pp.14−19)および熱分析(Thermal Analysis)(B.Wunderlich,Academic Press社,1990年)に記載されている。
【0147】
ヒドロゲル形成性ポリマー材料は、高度な水吸収性を有し、水を、吸収状態または「ゲル」状態に保つことができるという特性を有する。本発明における好ましいヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤は、ゲル化剤の1gあたり、少なくとも約40gの(脱イオン)水を吸収し得る。少なくとも約60g/gの水を吸収し得ることが好ましく、少なくとも約80g/gの水を吸収し得ることがより好ましい。
【0148】
本発明におけるヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤は、一般に、少なくとも部分的に架橋されている。適切な架橋剤は、本技術分野で周知であり、たとえば、(1)少なくとも二つの重合可能な二重結合を持つ化合物;(2)少なくとも一つの重合可能な二重結合と酸含有モノマー材料と反応し得る少なくとも一つの官能基を持つ化合物;(3)酸含有モノマー材料と反応し得る少なくとも二つの官能基を持つ化合物;および(4)イオン架橋を形成し得る多価金属化合物がある。
【0149】
少なくとも二つの重合可能な二重結合を持つ架橋剤には、(i)ジ−またはポリビニル化合物(たとえば、ジビニルベンゼンおよびジビニルトルエン);(ii)不飽和モノ−またはポリ−カルボン酸とポリオールとのジ−またはポリ−エステル(たとえば、エチレングリコール、トリメチロールプロパン(trimethylol propane)、グリセリンまたはポリオキシエチレングリコール等のポリオールのジ−またはトリアクリル酸エステル、);(iii)ビスアクリルアミド(bisacrylamides)(たとえばN,N−メチレンビスアクリルアミド(N,N-methylenebisacrylamide));(iv)ポリイソシアネート(polyisocyanates)とヒドロキシ基含有モノマーとの反応により得ることのできるカルバミルエステル(carbamyl esters);(v)ポリオールのジ−またはポリ−アリルエーテル;(vi)ポリカルボン酸のジ−またはポリ−アリルエステル(たとえば、フタル酸ジアリル(diallyl phthalate)、ジアリルアジペート(diallyl adipate)等);(vii)不飽和モノ−またはポリ−カルボン酸とポリオールのモノアリルエステルとのエステル(たとえばポリエチレングリコール・モノアリルエーテルのアクリル酸エステル);および(viii)ジ−またはトリ−アリルアミンがある。
【0150】
少なくとも一つの重合可能な二重結合と酸含有モノマー材料と反応し得る少なくとも一つの官能基とを有する架橋剤には、N−メチロールアクリルアミド(N-methylol acrylamide)、グリシジルアクリレート(glycidyl acrylate)等が含まれる。酸含有モノマー材料と反応し得る少なくとも二つの官能基を有する適切な架橋剤には、グリオキサール(glyoxal);ポリオール(たとえば、エチレングリコールおよびグリセリン);アルキレンジアミン(たとえばエチレンジアミン)等のポリアミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリエポキシド(polyepoxides)、ジ−またはポリグリシジルエーテル(di- or polyglycidyl ethers)等がある。イオン架橋を形成し得る適切な多価金属架橋剤には、アルカリ土類金属(たとえばカルシウム、マグネシウム)および亜鉛の、酸化物、水酸化物および弱酸塩(たとえば、炭酸塩、酢酸塩等)がある。これらの例には、酸化カルシウムおよび亜鉛ジアセテートがある。
【0151】
前述のタイプの多くの架橋剤は、米国特許第4,076,663号(Masuda等,1978年2月28日に特許)および米国特許第4,861,539号(Allen等,1989年8月29日に特許)に詳細に記述されている。これらの文献は、両方とも、参照により本明細書に包含される。好ましい架橋剤には、不飽和のモノ−またはポリカルボン酸とポリオールのモノ−アリルエステルとのジ−またはポリエステル、そのビスアクリルアミドおよび、これらのジ−またはトリ−アリルアミンがある。特に好ましい架橋剤の具体的な例としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(N,N'-methylenebisacrylamide)およびトリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylol propane triacrylate)がある。
【0152】
本架橋剤は、通常、得られたヒドロゲル形成性ポリマー材料の約0.001〜5モル%を構成する。より典型的には、本架橋剤が、本発明で使用されるヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤の約0.01〜3モル%を構成する。
【0153】
本発明におけるヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤は、部分的に中和された形態で使用し得る。本発明の目的との関係では、本ポリマーを形成するのに使用されるモノマーの少なくとも25モル%(好ましくは少なくとも50モル%)が塩基で中和された酸基含有モノマーである場合に、そのような材料が部分的に中和されていると考えられる。適切な中和用塩基性カチオンには、アルカリおよびアルカリ土類金属の水酸化物(たとえばKOH、NaOH)、アンモニウム、置換アンモニウムおよびアミノアルコール等のアミン(たとえば、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(2-amino-2-methyl-1,3-propanediol)、ジエタノールアミン(diethanolamine)および2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(2-amino-2-methyl-1-propanol))がある。中和された酸基含有モノマーである使用された総モノマーのこの割合は、本発明において、「中和度」と呼ばれる。中和度は98%を超えないことが好ましい。
【0154】
本発明における使用に適したヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤は本技術分野で周知であり、たとえば、米国特許第4,076,663号(Masuda等,1978年2月28日に特許);米国特許第4,062,817号(Westerman,1977年12月13日に特許);米国特許第4,286,082号(椿本等,1981年8月25日に特許);米国特許第5,061,259号(Goldman等,1991年10月29日に特許);および、米国特許第4,654,039号(Brandt等,1987年3月31日に特許)に記載されている。これらの文献は、それぞれ、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0155】
本発明での使用に適するヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤は、米国特許第4,731,067号(Le−Khac,1988年3月15日に特許)、米国特許第4,743,244号(Le−Khac,1988年5月10日に特許)、米国特許第4,813,945号(Le−Khac,1989年3月21日に特許)、米国特許第4,880,868号(Le−Khac,1989年11月14日に特許)、米国特許第4,892,533号(Le−Khac,1990年1月9日に特許)、米国特許第5,026,784号(Le−Khac,1991年6月25日、米国特許第5,079,306号(Le−Khac,1992年1月7日に特許)、米国特許第5,151,465号(Le−Khac,1992年9月29日に特許)、米国特許第4,861,539号(Allen,FarrerおよびFlesher,1989年8月29日に特許)、および米国特許第4,962,172号(Allen,FarrerおよびFlesher,1990年10月9日に特許)にも記載されている。これらの文献は、それぞれ、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0156】
粒子の形態の適切なヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤は、Hoechst Celanese Corporation(ポーツマス、バージニア州、米国)(Sanwet.TM. Superabsorbent Polymers)、日本触媒社(日本)(Aqualic.TM.、たとえばL−75,L−76)およびDow Chemical Company(ミッドランド、ミシシッピー州、米国)(Dry Tech.TM.)から市販されている。
【0157】
繊維の形態のヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤は、Camelot Technologies Inc.(Leominster,マサチューセッツ州,米国)(Fibersorb.TM.,たとえば、SA 7200H、SA 7200M、SA 7000L、SA 7000、およびSA 7300)から市販されている。
【0158】
本発明の物品には、その他の親水性ゲル化剤も含まれ得る。これらの剤には、別途上記したようなカルボン酸含有ポリマーで140℃未満のTgを示すような架橋度の比較的低いもの以外のもの、ならびに、その他の種々の水溶性またはコロイドとして水に溶け得るポリマー{セルロースエーテル(たとえば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアルコール、グアールガム、ヒドロキシプロピルグアールガムおよびキサンタンガム等)がある。これらの更なる親水性ゲル化剤の中で好ましいものには、酸含有ポリマー、特に、カルボン酸含有ポリマーがある。特に好ましいものとしては、多価アルコールのポリアルケニル・ポリエーテルおよび任意的にアクリレートエステルまたは多官能ビニリデンモノマー(polyfunctional vinylidene monomer)で架橋したアクリル酸の水溶性ポリマーを含むものがある。
【0159】
本発明に役立つ好ましいコポリマーには、アクリル酸、メタクリル酸およびエタクリル酸からなる群から選ばれたオレフィン系不飽和カルボン酸モノマーを95〜99重量%;下式のアクリレートエステルを約1〜約3.5重量%、
【化7】

(ここで、Rは、10〜30個の炭素原子を有するアルキル基で、R1は、水素、メチルまたはエチルである);および、一分子当たり2以上のアルケニルエーテル基を持つ多価アルコールの重合性架橋性ポリアルケニル・ポリエーテル(ここで、親の多価アルコールは少なくとも3個の炭素原子と少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する)を0.1〜0.6重量%含んでなるモノマー混合物のポリマーがある。
【0160】
これらのポリマーには、約96〜約97.9重量%のアクリル酸、および、約2.5〜約3.5重量%のアクリル酸エステル(ここで、アルキル基は12〜22個の炭素原子を有し、R1がメチルである)が含まれていることが好ましく、アクリル酸エステルが、ステアリルメタクリレートであることが最も好ましい。架橋性ポリアルケニルポリエーテルモノマーの量は、約0.2〜0.4重量%であることが好ましい。好ましい架橋ポリアルケニルポリエーテルモノマーには、アリルペンタエリスリトール(allyl pentaerythritol)、トリメチロールプロパン・ジアリルエーテル(trimethylolpropane diallylether)またはアリルスクロースがある。これらのポリマーは、米国特許第4,509,949号(Huang等,1985年4月5日に特許)に十分に記述されている。本特許は、参照により本明細書に包含される。
【0161】
本発明に役立つ他の好ましいコポリマーには、少なくとも二つのモノマー成分(一つは、オレフィン系不飽和カルボン酸モノマーで、その他は多価アルコールのポリアルケニル、ポリエーテル)を持つポリマーがある。所望に応じて、モノマー混合物中には、更なるモノマー材料が存在し得る。過半量であってもよい。
【0162】
これらのカルボン酸ポリマーの生産に役立つ第一のモノマー成分は、少なくとも一つの活性化された炭素−炭素オレフィン二重結合と少なくとも一つのカルボキシル基とを持つオレフィン系不飽和カルボン酸である。好ましいカルボン酸モノマーは、次の一般的構造を持つアクリル酸である。
【化8】

(ここで、R2は、水素、ハロゲンおよびシアノゲン(--C=N)基、一価のアルキル基および一価アルカリール基および一価の脂環基からなる群から選ばれた置換基である)。この種類のなかでは、アクリル酸、メタクリル酸およびエタクリル酸が最も好ましい。もう一つの有用なカルボン酸モノマーは、無水マレイン酸またはマレイン酸である。使用される酸の量は、約95.5〜約98.9重量%である。
【0163】
これらのカルボン酸ポリマーの生産に役立つ第二のモノマー成分は、一分子に2以上のアルケニルエーテル基(オレフィン二重結合が、末端メチレン基、CH2=C<に結合して存在する、アルケニル基等)を持つポリアルケニル・ポリエーテルである。
【0164】
本ポリマー中に存在し得る更なるモノマー材料には、少なくとも二つの末端CH2<基を持つ多官能ビニリデンモノマー(たとえば、ブタジエン、イソプレン、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、アリルアクリレート等)がある。これらのポリマーについては、米国特許第2,798,053号(Brown,1957年7月2日に特許)に充分に記述されている。この文献は、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0165】
本発明に役立つカルボン酸コポリマーの例としては、Carbomer 934、Carbomer 941、Carbomer 950、Carbomer 951、Carbomer 954、Carbomer 980、Carbomer 981、Carbomer 1342、アクリレート/C10〜13アルキルアクリレートクロスポリマー(それぞれ、B.F.Goodrich社から、Carbopol 934、Carbopol 941、Carbopol 950、Carbopol 951、Carbopol 954、Carbopol 980、Carbopol 981、Carbopol 1342およびPemulenシリーズとして利用可能)がある。
【0166】
本発明に役立つその他のカルボン酸コポリマーには、Hostaceren PN73の商標の下でHoechst Celanese Corporationから販売されているアクリル酸/アクリルアミドコポリマーのナトリウム塩がある。HYPANヒドロゲルの商標の下で、Lipo Chemicals Inc.から販売されているヒドロゲルポリマーも含まれる。これらのヒドロゲルは、種々の他のペンダント基(たとえば、カルボキシル、アミドおよびアミジン)を持つC−Cバックボーン上にナイトレートの結晶プリック(plicks)を有する。Lipo Chemical社から入手可能なポリマー粉体であるHYPAN SA 100Hも例に含め得る。
【0167】
これらのポリマーの酸性基の中和に使用される中和剤には、上記したものが含まれる。
【0168】
〔カチオン界面活性剤〕
一般的に、カチオン界面活性剤は、非泡立ち界面活性剤として分類されるが、本物品の好ましい利益に負の影響を与えなければ、本発明の物品に使用することができる。
【0169】
本発明に役に立つカチオン界面活性剤の非限定的な例には、McCutcheonの「Detergents and Emulsifiers」、北米版(1986年)(Allured Publishing Corporation発行)および、McCutcheonの「Functional Materials」、北米版(1992年)に開示されている。これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0170】
本発明に役に立つカチオン界面活性剤の非限定的な例には、カチオン性アルキルアンモニウム塩(たとえば下式の構造のもの)がある:
1234+X-
ここで、R1は約12〜約18個の炭素原子を持つアルキル基、または、約12〜約18個の炭素原子を持つ、芳香族基、アリール基またはアルカリール基から選ばれる;R2、R3およびR4は、独立に、水素、約1〜約18個の炭素原子を持つアルキル基、または、約12〜約18個の炭素原子を持つ、芳香族基、アリール基またはアルカリール基から選ばれる;そして、Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アセテート、ホスフェート、硝酸塩、スルフェート、メチルスルフェート、エチルスルフェート、トシレート、ラクテート、シトレート、グリコレートおよびこれらの混合物から選ばれたアニオンである。さらに、これらのアルキル基は、エーテル結合またはヒドロキシもしくはアミノ置換基を有していてもよい(たとえば、アルキル基が、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール部分を含み得る)。
【0171】
より好ましくは、R1が、約12〜約18個の炭素原子を持つアルキル基であり;R2が、Hまたは、約1〜約18個の炭素原子を持つアルキル基から選ばれたものであり;R3およびR4が、独立に、Hまたは、約1〜約3個の炭素原子を持つアルキル基から選ばれたものであり;Xが前の段落に記載したものである。
【0172】
もっとも好ましくは、R1が、約12〜約18個の炭素原子を持つアルキル基であり;R2、R3およびR4が、Hまたは、約1〜約3個の炭素原子を持つアルキル基から選ばれたものであり、;Xが前の段落に記載したものである。
【0173】
あるいは、その他の役に立つカチオン界面活性剤にはアミノ−アミドが含まれる{ここで、上記の構造において、R1は、R5CO−(CH2n−で代替される(ここで、R5は約12〜約22個の炭素原子を持つアルキル基であり、nは約2〜約6、より好ましくは約2〜約4、最も好ましくは約2〜約3の整数である)}。これらのカチオン乳化剤の非限定的な例には、ステアラミドプロピル・PG−ジモニウムクロライドホスフェート(stearamidopropyl PG-dimonium chloride phosphate)、ステアラミドプロピル・エチルジモニウムエトスルフェート(stearamidopropyl ethyidimonium ethosulfate)、ステアラミドプロピル・ジメチル(stearamidopropyl dimethyl)(ミリスチルアセテート(myristyl acetate))アンモニウムクロライド(ammonium chloride)、ステアラミドプロピル・ジメチルセテアリルアンモニウムトシレート(stearamidopropyl dimethyl cetearyl ammonium tosylate)、ステアラミドプロピル・ジメチルアンモニウムクロライド(stearamidopropyl dimethyl ammonium chloride)、ステアラミドプロピル・ジメチルアンモニウムラクテート(stearamidopropyl dimethyl ammonium lactate)およびこれらの混合物がある。
【0174】
第四級アンモニウム塩カチオン界面活性剤の非限定的な例には、セチルアンモニウムクロライド、セチルアンモニウムブロマイド、ラウリルアンモニウムクロライド、ラウリルアンモニウムブロマイド、ステアリルアンモニウムクロライド、ステアリルアンモニウムブロマイド、セチルジメチルアンモニウムクロライド、セチルジメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルセチルジタロウ(ditallow)ジメチルアンモニウムクロライド、ジセチルアンモニウムクロライド、ジセチルアンモニウムブロマイド、ジラウリルアンモニウムクロライド、ジラウリルアンモニウムブロマイド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムブロマイド、ジセチルメチルアンモニウムクロライド、ジセチルメチルアンモニウムブロマイド、ジラウリルメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルメチルアンモニウムブロマイド、ジステアリルメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルメチルアンモニウムブロマイドおよびこれらの混合物からなる群から選ばれたものがある。更なる第四級アンモニウム塩には、C12〜C22アルキル炭素鎖が、獣脂脂肪酸またはココナツ脂肪酸に由来するものが含まれる。用語「獣脂」は、一般的にC16〜C18の範囲のアルキル鎖の混合物を有する獣脂脂肪酸(通常、水添獣脂脂肪酸)に由来するアルキル基を意味する。用語「ココナツ」は、一般的にC12〜C14の範囲のアルキル鎖の混合物を有するココナツ脂肪酸に由来するアルキル基を意味する。これらの獣脂およびココナツ源に由来する第四級アンモニウム塩の例には、ジタロウジメチルアンモニウムクロライド(ditallow dimethyl ammonium chloride)、ジタロウジメチルアンモニウムメチルスルフェート(ditallow dimethyl ammonium methyl sulfate)、ジ(水添タロウ)ジメチルアンモニウムクロライド(di(hydrogenated tallow) dimethyl ammonium chloride)、ジ(水添タロウ)ジメチルアンモニウムアセテート(di(hydrogenated tallow) dimethyl ammonium acetate)、ジタロウジプロピルアンモニウムホスフェート(ditallow dipropyl ammonium phosphate)、ジタロウジメチルアンモニウムナイトレート(ditallow dimethyl ammonium nitrate)、ジ(ココナツアルキル)ジメチルアンモニウムクロライド(di(coconutalkyl)dimethyl ammonium chloride)、ジ(ココナツアルキル)ジメチルアンモニウムブロマイド(di(coconutalkyl)dimethyl ammonium bromide)、タロウアンモニウムクロライド(tallow ammonium chloride)、ココナツアンモニウムクロライド(coconut ammonium chloride)、ステアラミドプロピル・PG−ジモニウムクロライドホスフェート(stearamidopropyl PG-dimonium chloride phosphate)、ステアラミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート(stearamidopropyl ethyidimonium ethosulfate)、ステアラミドプロピル・ジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウムクロライド(stearamidopropyl dimethyl (myristyl acetate) ammonium chloride)、ステアラミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウムトシレート(stearamidopropyl dimethyl cetearyl ammonium tosylate)、ステアラミドプロピルジメチルアンモニウムクロライド(stearamidopropyl dimethyl ammonium chloride)、ステアラミドプロピルジメチルアンモニウムラクテート(stearamidopropyl dimethyl ammonium lactate)およびこれらの混合物がある。
【0175】
本発明に役に立つ好ましいカチオン界面活性剤には、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド(dilauryl dimethyl ammonium chloride)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(distearyl dimethyl ammonium chloride)、ジミリスチルジメチルアンモニウムクロライド(dimyristyl dimethyl ammonium chloride)、ジパルミチルジメチルアンモニウムクロライド(dipalmityl dimethyl ammonium chloride)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(distearyl dimethyl ammonium chloride)およびこれらの混合物からなる群から選ばれたものがある。
【0176】
〔キレーター〕
本発明の物品には、安全で有効な量のキレーターまたはキレート剤も含まれ得る。本発明で使用される「キレーター」または「キレート剤」は、金属イオンが化学反応に容易に参加せずまた化学反応に容易に触媒作用を引き起こさないように錯体を形成することにより、系から金属イオンを除去することができる剤を意味する。キレート剤を加えると、過度のスケーリングや皮膚の肌理の変化に寄与し得るUV照射および皮膚の損傷を引き起こし得るその他の環境要因に対する保護を与えるのに特に役立つ。
【0177】
本発明に役に立つキレーターの例は、米国特許第5,487,884号(Bissett等,1996年1月30日に特許);国際公開第91/16035号(Bush等,1995年10月31日に公開);および国際公開第91/16034号(Bush等,1995年10月31日に公開)に開示されている。
【0178】
〔フラボノイド〕
本発明の物品は、任意的にフラボノイド化合物を含み得る。フラボノイドの概要は米国特許第5,686,082号および第5,686,367号に開示されている。これらの文献は、両方共、参照により本明細書に包含される。本発明の使用に適するフラボノイドは、非置換フラバノン、モノ置換フラバノンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれたフラバノン;非置換カルコン、モノ置換カルコン、二置換カルコン、三置換カルコンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれたカルコン;非置換フラボン、モノ置換フラボン、二置換フラボンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれたフラボン;一以上のイソフラボン;非置換クマリン、モノ置換クマリン、二置換クマリンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれたクマリン;非置換クロモン、モノ置換クロモン、二置換クロモンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれたクロモン;一以上のジクマロール;一以上のクロマノン(chromanones);一以上のクロマノール;これらの異性体(たとえばシス/トランス異性体);ならびに、これらの混合物、である。本発明で用いられる用語「置換」は、フラボノイドであって、その一以上の水素原子が、独立して、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C1〜C4アルコキシル、O−グリコシド等で置換されたもの、または、これら置換体の混合物を意味する。
【0179】
適切なフラボノイドの例には、非置換フラバノン、モノヒドロキシフラバノン(たとえば、2’−ヒドロキシフラバノン、6−ヒドロキシフラバノン、7−ヒドロキシフラバノン等)、モノアルコキシフラバノン(たとえば、5−メトキシフラバノン、6−メトキシフラバノン、7−メトキシフラバノン、4’−メトキシフラバノン等)、非置換カルコン(特に非置換トランスカルコン)、モノヒドロキシカルコン(たとえば、2’−ヒドロキシカルコン、4’−ヒドロキシカルコン等)、ジヒドロキシカルコン(たとえば、2’,4−ジヒドロキシカルコン、2’,4’−ジヒドロキシカルコン、2,2’−ジヒドロキシカルコン、2’,3−ジヒドロキシカルコン、2’,5’−ジヒドロキシカルコン等)およびトリヒドロキシカルコン(たとえば、2’,3’,4’−トリヒドロキシカルコン、4,2’,4’−トリヒドロキシカルコン、2,2’,4’−トリヒドロキシカルコン等)、非置換フラボン、7,2’−ジヒドロキシフラボン、3’,4’−ジヒドロキシナフトフラボン、4’−ヒドロキシフラボン、5,6−ベンゾフラボンおよび、7,8−ベンゾフラボン、非置換イソフラボン、ダイゼイン、(7,4’−ジヒドロキシイソフラボン)、5,7−ジヒドロキシ−4’−メトキシイソフラボン、大豆イソフラボン(大豆抽出混合物)、非置換クマリン、4−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシクマリン、6−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、非置換クロモン、3−ホルミルクロモン、3−ホルミル−6−イソプロピルクロモン、非置換ジクマロール、非置換クロマノン、非置換クロマノールならびにこれらの混合物があるが、これらに限定されるわけではない。
【0180】
非置換フラバノン、メトキシフラバノン、非置換カルコン、2’,4−ジヒドロキシカルコンおよびこれらの混合物が本発明での使用に好ましい。非置換フラバノン、非置換カルコン(特にトランス異性体)およびこれらの混合物が最も好ましい。
【0181】
これらは、合成材料でもよく、天然材料源(たとえば植物)からの抽出物でもよい。天然源からの材料は、さらに誘導体化されることもあり得る(たとえば、天然材料源からの抽出後に作製されるエステルまたはエーテル誘導体であるグリコシド)。本発明で役立つフラボノイド化合物は、いくつかの供給元{たとえば、Indofine Chemical Company, Inc.(Somerville,ニュージャージー州)、Steraloids, Inc.(Wilton,ニューハンプシャー州)およびAldrich Chemical Company Inc.(ミルウォーキー、ウィスコンシン州)}から市販されている。
【0182】
上記のフラボノイド化合物の混合物も使用され得る。
【0183】
〔ステロール〕
本発明の物品には、安全で有効な量の一以上のステロール化合物が含まれ得る。有用なステロール化合物の例には、シトステロール(sitosterol)、スチグマステロール(stigmasterol)、カンペステロール(campesterol)、ブラシカステロール(brassicasterol)、ラノステロール(lanosterol)、7−デヒドロコレステロール(7-dehydrocholesterol)およびこれらの混合物がある。これらは、合成起源でも、天然材料源{たとえば植物源から抽出されるブレンド(たとえばフィトステロール(phytosterols))}でもよい。
【0184】
〔抗セルライト剤〕
本発明の物品には、安全で有効な量の抗セルライト剤も含まれ得る。適切な剤には、キサンチン化合物(たとえば、カフェイン、テオフィリン、テオブロミンおよびアミノフィリン)が含まれ得るが、これらに限定されるわけではない。
【0185】
〔皮膚明色剤〕
本発明の物品には、皮膚明色剤が含まれ得る。適切な皮膚明色剤には、コウジ酸、アルブチン、アスコルビン酸およびこれらの誘導体(たとえば、マグネシウムアスコルビルホスフェート(magnesium ascorbyl phosphate)またはナトリウムアスコルビルホスフェート(sodium ascorbyl phosphate)またはアスコルビルホスフェートのその他の塩)等の公知のものが含まれる。本発明での使用に適した皮膚明色剤には、同時係属特許出願シリアル番号第08/479,935号{Hillebrand,1995年6月7日に出願、PCT出願第US95/07432号(1995年6月12日に出願)に対応};および、同時係属特許出願シリアル番号第08/390,152号{Kalla L.,Kvalnes、Mitchell A. DeLong,Barton J. Bradbury,Curtis B. MotleyおよびJohn D. Carter,1995年2月24日に出願、PCT出願第US95/02809号(1995年3月1日に出願、1995年9月8日に公開)に対応}に記載されたものも含まれる。
【0186】
本物品には、それぞれ、加熱効果または冷却効果を与える発熱系または吸熱系に基づく加熱要素や冷却要素が任意的に含まれ得る。このような系には、たとえば、無水の反応、溶解熱、酸化反応、結晶化、合金の腐食、ゼオライト液系および/または中和熱による、加熱または冷却が含まれ得る。
【0187】
〔皮膚の手入れ方法〕
本発明は皮膚を手入れする方法、特に皮膚を洗浄する方法にも関する。
【0188】
ある実施形態では、a)周辺部を有し、繊維層と第一の製剤とを含んでなる第一の構造体、b)周辺部を有し、繊維層と第二の製剤とを含んでなる第二の構造体、および、c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層、を含んでなる皮膚手入れ用物品を使用して皮膚を手入れする方法において、当該第一の製剤と第二の製剤との少なくとも一つが洗浄製剤を含み、その方法が、(i)前記皮膚を前記第一の構造体に接触させるステップ、(ii)前記皮膚手入れ用物品を回転させるステップ、および、(iii)前記皮膚を前記第二の構造体に接触させるステップを含み、前記物品が、少なくとも約100mmの平均泡高さを与える。
【0189】
他の一実施形態では、a)周辺部を有し、繊維層と洗浄製剤とを含んでなる第一の構造体、b)周辺部を有し、繊維層とコンディショニング製剤とを含んでなる第二の構造体、および、c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層、を含んでなる皮膚手入れ用物品を使用して皮膚を手入れする方法において、その方法が、(i)前記第一の構造体を湿らせるステップ、(ii)前記皮膚を前記第一の構造体に接触させ、これにより当該皮膚を洗浄するステップ、(iii)前記皮膚手入れ用物品を回転させるステップ、および、(iv)前記皮膚を前記第二の構造体に接触させ、これにより当該皮膚をコンディショニングするステップを含み、前記物品が、少なくとも約100mmの平均泡高さを与える。
【0190】
上記のごとく、第一および第二の構造体の一方または両方は、一以上のさらなる皮膚手入れ用製剤を含み得、それによってユーザーに更なる皮膚手入れを提供できる。
【0191】
ユーザーは、第一の構造体との接触と第二の構造体との接触との間に、任意的に、皮膚をリンスし得る。
【0192】
ユーザーは、また、任意的に、第一または第二の構造体またはその両方を湿らせ得る。
【0193】
使用される第一および第二の製剤に依存して、本方法により、ある種の剤(たとえばサリチル酸)が皮膚に残されるようにすることができる。
【0194】
本物品は水で活性化し得、したがって、使用前に水で湿らせるように意図され得る。本発明で使用される用語「水で活性化」は、本発明品が、水で湿らした後に使用するように、乾燥した形態で消費者に提供されることを意味する。本発明の物品に泡立ち界面活性剤が含まれると、水との接触とさらなる撹拌により泡を生じる、すなわち「活性化される」ことが見出された。したがって、本物品は、水中に浸漬されることによって湿らせ得る。すなわち、洗浄構造体が水の流れに置かれる。本物品が泡立ち界面活性剤を含む場合、機械的撹拌および/または本物品と皮膚との接触前または本物品と皮膚との接触中に本物品を変形させることにより、本物品から泡立ちを生じさせ得る。得られた泡立ちは皮膚を洗浄するのに役立つ。
【0195】
本発明によれば、本皮膚手入れ用物品は、洗浄製剤を含まない構造体に何が含まれているかにかかわらず、十分な泡立ちを与える。たとえば、この洗浄製剤が一つの構造体に収納され、コンディショニング製剤が他の構造体に収納されている場合でも、洗浄製剤の泡立ちが維持される。特に、第一と第二の構造体の間の液体不透過層を使用すると、本物品により優れた泡立ちが得られる。
【0196】
具体的には、本発明の物品は、少なくとも100mm、好ましくは少なくとも約150mm、より好ましくは少なくとも約200mmの泡高さを与える。泡高さは、実施例で後述する泡試験手順で計測される。
【0197】
ある実施形態では、皮膚手入れ用物品が実質的に乾燥しており、個々に貯蔵または包装し得る。容器中に置き、積み重ねることもできる。あるいは、湿らせて、個々に包装することができる。
【0198】
〔実施例1〕
以下の成分を使用して本発明に係る洗浄製剤を作製した。
【表1】

【0199】
AtlasとMonatericとを、ビーカー中で合わせ、均一になるまで混合した。これに、ブチルパラベン、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを加え、これらのパラベンが溶解するまで、ゆっくり混合した。ついで、このビーカーにPEG−8とglucquatを加え、混合した。ついで、Tegobetaine F−50、Texapon、PlantarenおよびPhenoxetolを加え、混合した。ついで香料を加えた。ついで、クエン酸を加え、このクエン酸が完全に溶解するまで、これらの成分を混合した。pHは、6.4〜7.2の間に調整した。
【0200】
〔実施例2〕
以下の成分を使用して、本発明に係るコンディショニング製剤を作製した。
【表2】

【0201】
第一相混合物を以下の通り準備した。Caremeltを65℃まで加熱した。Frescolateをこれと混合し、この混合物を別に保存した。
【0202】
主要バッチを以下の通り作製した。AtlasとMonatericとをビーカーに入れ、均一になるまで混合した。Nipa paraben、メチルパラベン、プロピルパラベンをこれに加え、パラベンが溶解するまで、ゆっくり〜控えめに撹拌した。つぎに、Carbowax、EmeryおよびGluquatを加え、よく混合した。ついで、Tegobetaine、Texapon、PlantarenおよびPhenoxetolを加え、よく混合した。香料を加えた。ついで、クエン酸を加え、クエン酸が完全に溶解するまで、成分をよく混合した。最終的なpHは、6.4〜7.2の間にあった。この混合物はを65℃まで加熱した。ついで、第一相混合物を主要バッチに加えた。溶解の後、この混合物を冷却した。
【0203】
〔実施例3〕
洗浄製剤を含んでなる皮膚手入れ用物品を以下の通りに作製した。
【0204】
スチール製のルールダイを使用して、125gsmのスパンレースポリエステル/ポリプロピレン二成分材料(Green Bay Nonwovens社 SX 467)の一片、25gsmのサーマルボンドポリプロピレン(TBPP)/40ヘックス(hex)のフィルム真空成形ラミネート(Tredegar社)の二片および8つのうねパターンの140gsmの70/30ポリエステル/レーヨン(PGI)の一片をカットした。スパンレース材料は、TBPP側が外向きになるように、ラミネートの一片と層に重ね、裏打ちした。Jenkinsプレスセットを用い、適切な圧力、300°F(換算値は150℃),6秒間の滞留時間で周辺部をシールした。ポリエステル/レーヨン材料も、TBPP側を外向きにして、ラミネートの残りの部分で裏打ちした。周辺部は、前述と同様の条件でシールした。ついで、得られたこれら二つの片を層に重ね、ラミネート側を内向きにして裏打ちした。前と同様な条件のJenkinsプレスを用い、周辺部の約3分の2をシールし、一端に開放部を残した。スパンレース面は、実施例1の洗浄製剤(約1.0g)でコーティングし、乾燥した。
【0205】
〔実施例4〕
実施例3の手順を使用して、洗浄製剤およびコンディショニング製剤を含んでなる皮膚手入れ用物品を作製した。しかしながら、スパンレース面を洗浄製剤でコーティングし、乾燥した後、ポリエステル/レーヨン面を実施例2のコンディショニング製剤(約0.8g)でコーティングし、乾燥させた。
【0206】
〔実施例5〕
実施例3および4の皮膚手入れ用物品によって生じる泡高さを、市販の洗浄物品、(Olay(R)) Total Effects Daily Cleansing Treatment ワイプ(Procter & Gamble社)、Clean & Clear(R) Daily Pore Cleansing Cloths(Johnson & Johnson Consumer Products Company)および、Dove(R) Essential Nutrients Cleansing Pillows(Unilever社)によって生じる泡高さと比較した。以下の泡試験手順を採用した。
【0207】
〔泡試験手順〕
棒状マグネチックスターラーを備えた適切なサイズのビーカー中の1.0Lの脱イオン水に乾燥した物品を加えた。すなわち、この物品を水に浸漬し、ついで、棒状スターラーを回転させ、渦ができるように十分混合した。この物品を30±2秒間混合し、ついで、ピンセットで取り出し、混合を停止した。得られた溶液を、SITAソフトウェアを使用し、SITA Foam Tester Model R−2000(SITA)のリザーバーに入れた。このリザーバーから、250mLのサンプルを泡テスター中に(ポンプによって)導入し、外部水浴により、30±2℃の平衡状態にした。温度が平衡状態になったら、スターラーがこの溶液を1300R/分で30秒間混合する泡サイクルを稼働させた。泡高さ(mm)は、針を降ろして計測した。それぞれの250mLのサンプルごとに、連続して、18の泡高さサイクルを稼働させ、それぞれのテスト物品について、1.0Lのサンプルを、三回テストした。それぞれのデータ点は、上記の方法で行った三つの異なる物品サンプルの平均泡高さを表していた。
【0208】
結果を下表に示す。
【表3】

サンプル1 − Olay(R) Total Effects Daily Cleansing Treatments、単一層洗浄ワイプ(比較用)
サンプル2 − Clean & Clear(R) Daily Pore Cleansing Cloths、単一層洗浄ワイプ(比較用)
サンプル3 − 実施例4(本発明)
サンプル4 − 実施例3(本発明)
サンプル5 − Dove(R) Essential Nutrients Cleansing Pillows、多層洗浄物品(比較用)
【0209】
本発明に係るサンプル4は、最も高い泡高さを達成した。サンプル2および4によってつくられた泡高さは、サンプル1,3および5によってつくられたものよりかなり大きかった。サンプル5は複数の層を含むものであったが、最も低い泡高さを示した。サンプル2は、高い泡高さを達成したが、単層ワイプであった。
【0210】
本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
【0211】
(1) 皮膚手入れ用物品であって、
a)周辺部を有し、繊維層と第一の製剤とを含んでなる第一の構造体と、
b)周辺部を有し、繊維層と第二の製剤とを含んでなる第二の構造体と、
c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層と、を含んでなり、
当該第一および第二の製剤のうちの少なくとも一つが洗浄製剤を含み、当該物品が、少なくとも100mmの平均泡高さを与える、皮膚手入れ用物品。
(2) 実施態様1に記載の物品であって、
前記液体不透過層が、前記第一の構造体と複合体を形成する、物品。
(3) 実施態様1に記載の物品であって、
前記液体不透過層が、前記第二の構造体と複合体を形成する、物品。
(4) 実施態様1に記載の物品であって、
前記第一の構造体の周辺部が前記第二の構造体の周辺部と接合されている、物品。
(5) 実施態様1に記載の物品であって、
【0212】
前記第一の構造体と第二の構造体とが恒久的に接合されている、物品。
(6) 実施態様1に記載の物品であって、前記第一の構造体と第二の構造体とが一時的に接合されている、物品。
(7) 実施態様1に記載の物品であって、
前記洗浄製剤が泡立ち界面活性剤からなる群から選ばれる化合物を含む、物品。
(8) 実施態様1に記載の物品であって、
コンディショニング製剤、抗にきび剤、保湿剤、抗しわ剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、アクセラレータ剤、抗ウイルス剤、酵素剤、日焼け止め剤、抗酸化剤、皮膚剥離剤、および脱毛剤から選ばれた少なくとも一つの追加の皮膚手入れ用製剤を更に含んでなる、物品。
(9) 実施態様8に記載の物品であって、
前記更なる皮膚手入れ用製剤が、トリグリセリド、部分的グリセリド、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、エーテル、カーボネート、脂肪酸、およびこれらの混合物からなる群から選ばれた化合物を含むコンディショニング製剤を含む、物品。
(10) 実施態様1に記載の物品であって、
前記第一の構造体と第二の構造体との間にポケットを更に含んでなる、物品。
【0213】
(11) a)周辺部を有し、繊維層と第一の製剤とを含んでなる第一の構造体と、b)周辺部を有し、繊維層と第二の製剤とを含んでなる第二の構造体と、c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層と、を含んでなり、当該第一および第二の製剤のうちの少なくとも一つが洗浄製剤を含む皮膚手入れ用物品を使用する皮膚の手入れ方法であって、
(i)前記皮膚を前記第一の構造体に接触させるステップと、
(ii)前記皮膚手入れ用物品を回転させるステップと、
(iii)前記皮膚を前記第二の構造体に接触させるステップと、を含み、
前記物品が、少なくとも100mmの平均泡高さを与える
方法。
(12) 実施態様11に記載の方法であって、
前記皮膚を前記第一の構造体に接触させる前に、当該皮膚を湿らせることを更に含む、方法。
(13) 実施態様11に記載の方法であって、
前記皮膚と前記第一の構造体との接触および前記皮膚と前記第二の構造体との接触の間に、前記皮膚をすすぐことを更に含む、方法。
(14) 実施態様11に記載の方法であって、
前記洗浄製剤が、泡立ち界面活性剤からなる群から選ばれた化合物を含む、方法。
(15) 実施態様11に記載の方法であって、
前記物品が、コンディショニング製剤、抗にきび剤、保湿剤、抗しわ剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、アクセラレータ剤、抗ウイルス剤、酵素剤、日焼け止め剤、抗酸化剤、皮膚剥離剤、および脱毛剤から選ばれた少なくとも一つの更なる製剤を含む、方法。
【0214】
(16) 前記更なる製剤が、トリグリセリド、部分的グリセリド、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、エーテル、カーボネート、脂肪酸、およびこれらの混合物からなる群から選ばれた化合物を含むコンディショニング製剤を含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 実施態様11に記載の方法であって、
前記物品が、前記第一の構造体と第二の構造体との間に少なくとも一つのポケットを更に含んでなる、方法。
(18) a)周辺部を有し、繊維層と洗浄製剤とを含んでなる第一の構造体と、b)周辺部を有し、繊維層とコンディショニング剤とを含んでなる第二の構造体と、c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層と、を含んでなる皮膚手入れ用物品を使用する皮膚の洗浄方法であって、
(i)前記第一の構造体を湿らせるステップと、
(ii)前記皮膚を前記第一の構造体に接触させ、これにより当該皮膚を洗浄するステップと、
(iii)前記皮膚手入れ用物品を回転させるステップと、
(iv)前記皮膚を前記第二の構造体に接触させ、これにより当該皮膚をコンディショニングするステップと、を含み、
前記物品が、少なくとも100mmの平均泡高さを与える
方法。
(19) 実施態様18に記載の方法であって、
前記物品が、抗にきび剤、保湿剤、抗しわ剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、アクセラレータ剤、抗ウイルス剤、酵素剤、日焼け止め剤、抗酸化剤、皮膚剥離剤、および脱毛剤から選ばれた少なくとも一つの更なる製剤を含む、実施態様18に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】本発明に係る皮膚手入れ用物品の正面図である。
【図2】本発明に係る皮膚手入れ用物品の正面図である。
【図3】図2の皮膚手入れ用物品の断面図である。
【図4】本発明に係る皮膚手入れ用物品の正面図である。
【図5】図1の皮膚手入れ用物品の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚手入れ用物品であって、
a)周辺部を有し、繊維層と第一の製剤とを含んでなる第一の構造体と、
b)周辺部を有し、繊維層と第二の製剤とを含んでなる第二の構造体と、
c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層と、を含んでなり、
当該第一および第二の製剤のうちの少なくとも一つが洗浄製剤を含み、当該物品が、少なくとも100mmの平均泡高さを与える、皮膚手入れ用物品。
【請求項2】
請求項1に記載の物品であって、
前記液体不透過層が、前記第一の構造体と複合体を形成する、物品。
【請求項3】
請求項1に記載の物品であって、
前記液体不透過層が、前記第二の構造体と複合体を形成する、物品。
【請求項4】
請求項1に記載の物品であって、
前記洗浄製剤が、泡立ち界面活性剤からなる群から選ばれた化合物を含む、物品。
【請求項5】
請求項1に記載の物品であって、
コンディショニング製剤、抗にきび剤、保湿剤、抗しわ剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、アクセラレータ剤、抗ウイルス剤、酵素剤、日焼け止め剤、抗酸化剤、皮膚剥離剤、および脱毛剤から選ばれた少なくとも一つの追加の皮膚手入れ用製剤を更に含んでなる、物品。
【請求項6】
請求項1に記載の物品であって、
前記第一の構造体と第二の構造体との間にポケットを更に含んでなる、物品。
【請求項7】
a)周辺部を有し、繊維層と第一の製剤とを含んでなる第一の構造体と、b)周辺部を有し、繊維層と第二の製剤とを含んでなる第二の構造体と、c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層と、を含んでなり、当該第一および第二の製剤のうちの少なくとも一つが洗浄製剤を含む皮膚手入れ用物品を使用する皮膚の手入れ方法であって、
(i)前記皮膚を前記第一の構造体に接触させるステップと、
(ii)前記皮膚手入れ用物品を回転させるステップと、
(iii)前記皮膚を前記第二の構造体に接触させるステップと、を含み、
前記物品が、少なくとも100mmの平均泡高さを与える、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記洗浄製剤が、泡立ち界面活性剤からなる群から選ばれた化合物を含む、方法。
【請求項9】
a)周辺部を有し、繊維層と洗浄製剤とを含んでなる第一の構造体と、b)周辺部を有し、繊維層とコンディショニング剤とを含んでなる第二の構造体と、c)当該第一の構造体と第二の構造体との間にある少なくとも一つの液体不透過層と、を含んでなる皮膚手入れ用物品を使用する皮膚の洗浄方法であって、
(i)前記第一の構造体を湿らせるステップと、
(ii)前記皮膚を前記第一の構造体に接触させ、これにより当該皮膚を洗浄するステップと、
(iii)前記皮膚手入れ用物品を回転させるステップと、
(iv)前記皮膚を前記第二の構造体に接触させ、これにより当該皮膚をコンディショニングするステップと、を含み、
前記物品が、少なくとも100mmの平均泡高さを与える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−188514(P2006−188514A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−375437(P2005−375437)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(598039367)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (79)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc.
【住所又は居所原語表記】Grandview Road,Skillman,New Jersey 08558,United States of America
【Fターム(参考)】