説明

監視カメラシステム

【課題】 監視カメラの映像を、複数のディスプレイで構成する大画面表示装置に表示する場合に、操作をより迅速簡単に実行する。
【解決手段】 操作が煩雑であった。大画面表示装置の操作機をネットワーク経由で監視端末から実行できるようにする。このため、監視端末のWebブラウザに、大画面表示装置の操作に対応する操作画面を表示し、GUI操作によって大画面表示装置の操作を実行する。また、複数のディスプレイに表示するための、映像を拡大表示する場合の操作性を向上させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラシステムに関し、特に、複数の表示装置を並べて1つの映像を表示するCCTV( Closed Circuit Tele Vision )システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCTV( Closed Circuit Tele Vision )システム等の監視カメラシステムにおいて、監視局では、複数の監視カメラが取得した映像を表示するために、それぞれの監視カメラ毎に、予め複数のプリセットポジションを登録し、プリセットポジションの識別番号を指定することによって、迅速かつ簡単に必要な映像を監視端末の表示部に表示していた。
また、このとき、監視カメラと監視端末とは、例えば、ネットワーク回線等伝送路で結合され、監視端末の表示部に表示されたWebブラウザをポインテャングデバイス、キーボード等でGUI( Graphical User Interface )操作等で、見たい映像に切替えて表示していた(特許文献1参照。)。
【0003】
また、監視局には、複数の表示装置を並べ、1つの映像を大画面で表示する、大画面表示装置がある。大画面表示装置の操作は、別途大画面表示装置に付属する操作機で行っていた。
【0004】
【特許文献1】特開2006−303916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、CCTV( Closed Circuit Tele Vision )システム等、監視カメラシステムのWeb画面を表示する監視端末と大画面表示装置の操作機とはそれぞれ独立しており、別々に操作しており、操作が煩雑であった。
本発明の目的は、上記のような問題を解決し、監視端末に表示されたWeb画面で大画面表示装置の操作を行うことができる監視カメラシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の監視カメラシステムは、監視局の監視端末に表示されたWeb画面上に、大画面表示装置の操作ボタン等を配置し、GUI操作によって大画面表示装置の画面操作を行えるようにしたものである。
【0007】
即ち、本発明の監視カメラシステムは、複数のカメラと、カメラの取得する映像をネットワークを介して表示する複数のディスプレイを隣接させて構成した大画面表示装置と、カメラ及び大画面表示装置とネットワークを介して通信し大画面表示装置に表示する映像を制御する監視端末であって、監視端末は、大画面表示装置に表示する映像について、その画面配置と拡大表示を制御するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、CCTVシステム等の監視カメラシステムにおいて、監視員は、監視カメラから送信される監視映像を、大画面表示装置の表示操作をも実現でき、一元管理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の監視カメラシステムの一実施例の略構成を図1によって説明する。図1は、本発明のCCTV( Closed Circuit Tele Vision )システム等の監視カメラシステムのシステム構成図である。1 は監視端末、2 は管理サーバ、3 は大画面表示装置、301 〜308 は大画面表示装置 3 の表示部を構成するディスプレイ、309 はディスプレイ 301 〜 308 を載せる台、4 は制御装置、5 はネットワーク網、61 ,62 〜 6n はそれぞれ監視カメラ、7 は監視局である( n は自然数)。監視局 7 は、監視端末 1 、管理サーバ 2 、大画面表示装置 3 、及び、制御装置 4 で構成されている。なお、どの監視カメラ 61 ,62 〜 6n と限らず、一般的に監視カメラを指す場合には、監視カメラ 6 と称する。
【0010】
大画面表示装置 3 の表示部を構成するディスプレイ 301 〜 308 は、それぞれ、例えば、55型のPDP( Plasma Display Panel )、FED( Field Emission Display )、ELディスプレイ( Electro Luminescence Display )、液晶プロジェクタ、等のFPD( Flat Panel Display )である。
また、監視端末 1 の表示部の画面サイズは、通常、ディスプレイ 301 〜 308 の画面サイズと同じか、それより小さい。
また、ネットワーク網 5 は、例えば、専用回線であり、例えば、LAN( Local Area Network )である。
【0011】
図1において、監視カメラ 61 ,62 〜 6n は、それぞれ、指定された視野角で映像を取得して、映像データとして、ネットワーク網 5 を介して、監視端末 1 、管理サーバ 2 、及び、制御装置 4 に送信する。
監視局 7 の監視員は、GUI( Graphical User Interface )操作等で監視端末 1 を操作することによって、所望の監視カメラ 6 を選択し、選択した監視カメラ 6 の映像を表示部に表示する。監視端末 1 の操作は、その表示部にWebブラウザ形式で表示した表示画面で、監視員がGUI操作等で実行する。
【0012】
このとき、監視端末 1 からの操作内容は、ネットワーク 5 を介して、管理サーバ 2 に送信され、管理サーバ 2 が、操作内容の登録または更新と共に、監視カメラ 6 に制御信号を、ネットワーク 5 を介して送信して操作する。
なお、図1は、監視局 7 内の機器(監視端末 1 、管理サーバ 2 、及び、制御装置 4 )の結合と監視カメラ 6 との結合を、同じネットワーク 5 で実施している。しかし、監視局 7 と監視カメラ 6 とを結合するネットワーク 5 とは別に、監視局 7 内の監視端末 1 、管理サーバ 2 、大画面表示装置 3 、及び、制御装置 4 間の結合を、LAN( Local Area Network )若しくは無線LAN等の構内ネットワーク、又は、伝送ケーブル等の伝送路で、別に結合してもよい。
【0013】
図1において、監視員は、監視端末 1 で、監視カメラ 6 の選択を切替えるか、又は、同じ監視カメラ 6 であっても、プリセットポジションを切替える若しくはGUI操作等で視野角を変更して、表示部に所望の映像を表示する。
【0014】
大画面表示装置 3 は、主に、複数の監視員が、同じ映像を見て対策を検討するような時に使用するが、監視員が監視端末 1 の表示では、小さすぎて判断がつけにくい時に、大画面表示装置に映像を拡大して表示する。
【0015】
図2は、本発明の監視端末の表示部に表示される表示画面の一実施例を説明する図である。図2は、大画面表示装置の操作に対応する操作画面の表示をWebブラウザ形式で表示している。20 は表示画面、21 は監視カメラ 6 から受信した映像の表示部、22 は操作部、23 はプリセットポジションを指定するためのプリセットボタン群、24 は監視領域を示すマップ、25 は選択された監視カメラ 6 のパン角とチルト角を制御するボタン群、26 は選択された監視カメラ 6 のズーム倍率を制御するボタン群、27 は大画面表示装置 3 の操作に切替えるためのボタン、28 は操作を取り消すためのキャンセルボタン、29 は操作を止めるための終了ボタンである。なお、終了ボタン 29 を押すことにより、初期画面(図示しない)に戻る。
【0016】
図2の表示画面において、マップ 24 は、大画面表示装置 3 のディスプレイ 301 〜 308 に表示するための映像ソース(カメラ及びプリセット位置)を選択するためのマップである。監視員は、監視領域を示すマップ 24 内に図形表示されているカメラの中から、所望のカメラを選択する。更に、プリセットボタン群 23 の所望のボタンを選択して、映像を表示部 21 に表示させてそれぞれのカメラ 6 から送信される映像を見る。
このとき、監視員は監視のために、表示された映像を見て、視野角の調整が必要ならば、操作部 22 内に表示されているボタン群 25 を制御してパン角又はチルト角、若しくはその移動(角度変更)速度を変更し、また、ボタン群26 を操作してズーム倍率を変更する。また、選択していたカメラ 6 では、所望の映像が得られないと判断したときは、マップ 24 を見てボタン27 を操作して別のカメラ 6 を選択する。
【0017】
また、監視員は、大画面表示装置 3 に、現在表示している映像と別の映像を表示しようとした場合には、ボタン 28 を押すことによって、大画面表示装置 3 の操作に切替える。この時、図3に示すように、監視端末 1 の表示部の表示が切替わる。
【0018】
図3は監視端末 1 の表示部が、大画面表示装置 3 の操作画面に切替わった場合の図である。30 は表示画面、31 は監視カメラ 6 から受信した映像の表示部である。また、22 は操作部、33 は大画面表示装置 3 のディスプレイ 301 〜 308 にどのように画像を表示させるかを選択するためのボタン群、24 は監視領域を示すマップ、25 は選択された監視カメラ 6 のパン角とチルト角を制御するボタン群、26 は選択された監視カメラ 6 のズーム倍率を制御するボタン群、27’は元のプリセット操作画面の操作に切替えるためのボタン、28 は操作を取り消すためのキャンセルボタン、29 は操作を止めるための終了ボタンである。
【0019】
図3において、大画面表示装置 3 に表示する映像を選択する場合には、マップ 24 上に表示されたカメラを選択する。またマップ 24 には、タブがつけられていて、タブ選択によって別のマップに表示を切替えることもできる。
マップ 24 上で拡大表示する映像ソースを選択すると大画面表示装置 3 の表示が切替わり、かつ、監視端末 1 の表示画面 30 の表示部 31 とボタン群 33 の表示も大画面表示装置 3 の表示と同様の配置で表示される。
【0020】
図2において、操作画面切替え前に表示していた画面を表示する場合には、この過程は省いても良い。その場合、大画面表示装置 3 において、選択されていた映像は、ディスプレイの中央部(ディスプレイ 302、303、306、及び、307 )を1画面として、映像を表示する。他のディスプレイ 301 、304、305、及び、308 には、以前の表示が残る。
【0021】
大画面表示装置 3 の8台のディスプレイ 301 〜 308 に相当する、監視端末 1 のボタン群 33 には、ディスプレイ 301 〜 308 それぞれに表示されている元の映像が対応付けられている。ディスプレイ 301 〜 308 それぞれに、別々の映像ソースからの映像が表示されている場合には、その縮小画像が表示されている。
監視員は、ボタン群 33 を見て、ポインタ等で選択し、操作部 22 にある拡大ボタン(図示しない)を選択することにより、当該拡大率で、大画面表示装置 3 のディスプレイ 301 〜 308 の表示が切替わる。そして、同時に連動して、ボタン群 33 の表示も同様の表示となる。
【0022】
大画面表示装置 3 に表示される映像の拡大率は、4倍、9倍、16倍、等の設定が可能である。
4倍の場合には、ディスプレイ 301 〜 308 のうちの4台を使用する。この場合、使用されないディスプレイは、前の映像ソースの映像が表示される。
例えば、ディスプレイ 301 、302 、305 、及び、306 を使用して拡大表示している場合には、ディスプレイ 303 、304 、307 、及び、308 には、元の表示映像が残っている。
【0023】
もし、拡大表示するディスプレイをその後変更した場合には、指定されていないディスプレイは元の映像ソースを再表示する。
例えば、最初、ディスプレイ 301 、302 、305 、及び、306 を使用して拡大表示している場合において、表示するディスプレイを変更して、ディスプレイ 302 、303 、306 、及び、307 を使用して拡大表示している場合には、残りのディスプレイのうち、ディスプレイ 304 と 308 は表示が変わらず、ディスプレイ 301 と 305 には前の映像が再表示される。
【0024】
次に、拡大率を16倍とする場合には、図4に示すように、1つの映像ソース全体(映像全体 40 )を表示できない。このため、図4(a) に示すように、映像ソースの中段部(表示部分 41 :ハッチング部分)だけを表示する。なお、42 は未表示部分(破線枠)である。又は、図4(b) に示すように、映像ソースの下段部だけを表示する。又は、図4(c) に示すように、映像ソースの上段部だけを表示する。これを、どれか切替える。若しくは、順番にまたは2系統だけを交互に切替え表示する。
なお、図4では、説明上分かり難くなるので、台 309 を省略している。
【0025】
また、拡大率を9倍とする場合、等、映像ソースすべての部分を表示することができないが、組合せを変えて、その一部を表示するようにすることができる。
図5は、その表示例である。50 は映像ソース全体、51 は表示部分(ハッチング部分)、52 は未表示部分(破線枠)、53 は前の映像(実線枠でハッチングなし)である。
図5の表示例では、映像ソース全体 50 の下段2段をディスプレイ 301 〜 303 と 305 〜 307 に表示しているが、他の組合せでも良いことは自明である。従って、監視員は、所望の部分を拡大表示できる。
なお、図5では、説明上分かり難くなるので、台 309 を省略している。
【0026】
上記図1〜図5の実施例では、ディスプレイの数を8台としている。しかし、8台以外で構成しても良い。
例えば、12台(図6(a) 参照)、例えば、9台(図6(b) 参照)等でも良い。ここで、600 は12台のディスプレイで構成した大画面表示装置、601 〜 612 はディスプレイ、613 は台、600´は9台のディスプレイで構成した大画面表示装置、614 〜622 はディスプレイ、623 は台である。
【0027】
図7に、9台の大画面表示装置 600´で映像ソースを16倍に表示した実施例を示す。この図の場合も台 623 は省略する。
図7において、70 は映像ソース全体、71 は表示部分(ハッチング部分)、72 は未表示部分(破線枠)である。
【0028】
なお、上記実施例の大画面表示装置(図1、図6、参照)において、1つの映像ソースだけ拡大表示するだけでなく、関連する別の映像ソースを同時に、いずれかのディスプレイ(1台の限らず)に表示するようにしても良い。
図8にその一実施例を示す(台は図示しない)。例えば、16台のディスプレイで構成された大画面表示装置において、左の3列のディスプレイに1つの映像ソースを拡大表示する(映像 81 )。右の1列には、個々の映像(映像 82 〜 84 )を表示する。
なお、図8のように、拡大表示の映像 81 、82 は、映像ソース全体ではなく、その1部分でも良い。また、表示の組合せは、監視員が自由に組みかえられる。
【0029】
上述の実施例では、図中に映像を表示している画面がいくつかある。例えば、図1のディスプレイ 301 〜 308 、図2の表示部 21 、マップ 24 、プリセットボタン群 23 、等である(図3以降も同様)。しかし、煩雑であるので、省略した。また、プリセットボタン群 23 には、通常、プリセット設定登録又は変更登録した時の映像の縮小画像が表示されるが、登録されていないボタンには表示がない。
【0030】
上述の実施例によれば、大画面表示装置 3 の制御装置 4 と管理サーバ 2 を伝送線路で結合し、制御信号のインターフェースを確立することで、制御装置 4 と管理サーバ 2 の通信を行なうことができる。そして、監視端末 1 のWeb画面上に大画面表示装置 3 の操作画面を配置することができる。
【0031】
従って、監視端末 1 の表示部の表示画面上に大画面表示装置 3 の操作画面を設けることにより、監視員は、監視カメラからの映像を、大画面に表示させる操作が、容易にかつ迅速に行なうことができ、一括管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の監視カメラシステムの一実施例のシステム構成図。
【図2】本発明の表示画面の一実施例を説明する図。
【図3】本発明の表示画面の一実施例を説明する図。
【図4】本発明の表示画面の一実施例を説明する図。
【図5】本発明の表示画面の一実施例を説明する図。
【図6】本発明の表示画面の一実施例を説明する図。
【図7】本発明の表示画面の一実施例を説明する図。
【図8】本発明の表示画面の一実施例を説明する図。
【符号の説明】
【0033】
1:監視端末、 2:管理サーバ、 3:大画面表示装置、 4:制御装置、 5:ネットワーク網、 6:監視カメラ、 7:監視局、 20:表示画面、 21:表示部、 22:操作部、 23:プリセットボタン群、 24:マップ、 25:,26:ボタン群、 27,27’,28,29:ボタン、 30:表示画面、 31:表示部、 33:ボタン群、 40:映像全体、 41:表示部分、 42:未表示部分、 50:映像全体、 51:表示部分、 52:未表示部分、 53:前の映像、 61,62〜6n:監視カメラ、 70:映像全体、 71:表示部分、 72:未表示部分、 81〜84:映像、 301〜308:ディスプレイ、 309:台、 600,600´:大画面表示装置、601〜612,614〜622:ディスプレイ、613,623:台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカメラと、上記カメラの取得する映像をネットワークを介して表示する複数のディスプレイを隣接させて構成した大画面表示装置と、上記カメラ及び上記大画面表示装置とネットワークを介して通信し上記大画面表示装置に表示する映像を制御する監視端末であって、
上記監視端末は、上記大画面表示装置に表示する映像について、その画面配置と拡大表示を制御することを特徴とする監視カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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