説明

監視サーバシステムおよび通信装置並びに監視制御網接続装置

【課題】
従来の集約型の監視サーバシステムは、アクセス集中や冗長性の確保およびコスト的な問題があった。
【解決手段】
本発明では、ネットワーク接続された複数の通信装置において、複数の通信装置の全通信装置に関する予め設定された特定の情報種別の情報を蓄積するデータベースと、自装置の変化を検出する変化検出部と、変化検出部が自装置の変化を検出した場合に、他装置に自装置の変化情報に情報種別と自装置IDを付加してブロードキャスト通知する情報発信部と、他装置からのブロードキャスト通知を受信する情報受信部と、情報受信部で受信したブロードキャスト通知に付加された情報種別を読み取り、情報種別が予め設定された自装置の担当情報種別であるか否かを判別する情報判別部と、情報種別が自装置の担当情報種別である場合は変化情報を読み取ってデータベースの情報を更新する情報更新部とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークで接続された通信装置の情報を収集および管理するための監視制御技術を使用する監視サーバシステムおよび通信装置並びに監視制御網接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークで接続されたルーターやL2SWなどの通信装置を管理するために、これらの装置情報を収集して管理する監視サーバシステムが用いられている。従来の監視サーバシステムは、管理対象となる複数の装置から情報を収集して管理するための監視サーバを配置し、監視サーバに全ての装置情報を集約して管理する集約型のシステムであった。このため、クライアントが特定の装置情報を知りたい場合、制御端末から監視サーバにアクセスし、監視サーバから装置情報を取得する必要があった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、このような集約型の監視サーバシステムでは、監視サーバに問題が発生したときにシステムがダウンしないように、監視サーバに冗長性を持たせてシステムの信頼性を図る必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−70859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の集約型の監視サーバシステムでは、クライアントは監視サーバから各装置の情報を取得する必要があり、監視サーバにアクセスが集中して監視サーバの処理量が多くなるため高性能で高価な監視サーバを設置する必要があった。また、冗長性を持たせるために複数の監視サーバを設置する必要があり、コスト的な問題があった。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、仮想的に1つの監視サーバにアクセスしているかのような利便性と冗長性を兼ね備え、コスト的な問題が少ない分散型の監視サーバシステムおよび通信装置並びに監視制御網接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、ネットワーク接続された複数の通信装置において、前記複数の通信装置の全通信装置に関する予め設定された特定の情報種別の情報を蓄積するデータベースと、自装置の変化を検出する変化検出部と、前記変化検出部が自装置の変化を検出した場合に、他装置に対して自装置の変化情報に情報種別と自装置IDを付加してブロードキャスト通知する情報発信部と、他装置からの前記ブロードキャスト通知を受信する情報受信部と、前記情報受信部で受信した前記ブロードキャスト通知に付加された前記情報種別を読み取り、前記情報種別が予め設定された自装置の担当情報種別であるか否かを判別する情報判別部と、前記情報種別が自装置の担当情報種別である場合は前記変化情報を読み取って前記データベースの情報を更新する情報更新部とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の通信装置において、前記情報種別は、設定情報,操作ログ情報,警報ログ情報,故障履歴情報および統計情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の通信装置において、前記複数の通信装置が担当する情報種別は、同一の情報種別について2台以上の通信装置が担当するように設定することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、ネットワーク接続された複数の通信装置と、複数の情報種別で構成される前記通信装置の装置情報を監視制御するための制御端末との間に配置される監視制御網接続装置において、前記複数の情報種別の中から予め設定された特定の情報種別に関する装置情報をデータベースとして保持する通信装置のアドレスおよび装置IDを接続情報テーブルに記憶する接続情報管理部と、前記制御端末から前記特定の情報種別に関する装置情報の要求メッセージを受信する要求受信部と、前記要求メッセージに付加された前記特定の情報種別に関する装置情報をデータベースとして保持する通信装置のアドレスを前記接続情報テーブルを参照して前記要求メッセージを転送する要求転送部と、前記通信装置から受信する前記特定の情報種別に関する装置情報を含む応答メッセージを受信する応答受信部と、前記応答メッセージを要求元の前記制御端末に転送する応答転送部とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の監視制御網接続装置において、前記接続情報管理部は、前記通信装置のデータベースにアクセス可能であるか否かを示す情報を前記接続情報テーブルに記憶し、前記要求転送部は、前記要求メッセージに付加された前記特定の情報種別に関する装置情報をデータベースとして保持する通信装置のアドレスを前記接続情報テーブルを参照する際に、当該通信装置がアクセス不能である場合は、前記要求メッセージに付加された前記特定の情報種別と同一の情報種別に関する装置情報をデータベースとして保持するアクセス可能な通信装置のアドレスを選択して前記要求メッセージを転送することを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項4または5に記載の監視制御網接続装置において、前記データベースに保持される装置情報の情報種別は、設定情報,操作ログ情報,警報ログ情報,故障履歴情報および統計情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項4から6のいずれか一項に記載の監視制御網接続装置において、前記少なくとも1台の制御端末のルーティング情報を保持するルーティングテーブルと、前記通信装置から送信される警報情報を含むSNMP対応のTrapメッセージを受信する警報受信部と、前記接続情報テーブルを参照して前記Trapメッセージの送信元アドレスから前記通信装置の装置IDを割り出し、前記装置IDと前記警報情報とを対応付けた警報メッセージを作成して前記ルーティングテーブルに保持された全ての制御端末に送信する警報送信部とを更に設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項4から6のいずれか一項に記載の監視制御網接続装置であって、前記通信装置が自装置の変化を検出した際に、他装置に対して自装置の変化情報に情報種別と自装置IDを付加してブロードキャスト通知する前記通信装置を収容する監視制御網接続装置において、前記少なくとも1台の制御端末のルーティング情報を保持するルーティングテーブルと、前記通信装置からブロードキャスト通知される変化情報の情報種別が警報である場合に、前記ルーティングテーブルを参照して全ての制御端末に前記警報を送信する警報送信部とを更に設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置と、請求項4から8のいずれか一項に記載の監視制御網接続装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る監視サーバシステムおよび通信装置並びに監視制御網接続装置は、集中型の監視サーバを設置する必要がなく、仮想的に1つの監視サーバにアクセスしているかのような利便性と冗長性を兼ね備え、コスト的な問題を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る監視サーバシステム100の構成概要を示す図である。
【図2】本実施形態に係る監視サーバシステム100の構成例を示す図である。
【図3】情報種別毎の装置情報例を示す説明図である。
【図4】一元管理する場合の監視サーバシステム900の構成例を示す図である。
【図5】装置情報の取得処理を説明するための監視サーバシステム100の構成例を示す図である。
【図6】装置情報の取得処理を示す装置間のフローチャートである。
【図7】装置故障時の監視サーバシステム100の構成例を示す図である。
【図8】通信装置102の構成例を示す図である。
【図9】情報要求メッセージ受信時の処理を示すフローチャートである。
【図10】ブロードキャスト通知の送信時の処理を示すフローチャートである。
【図11】ブロードキャスト通知の受信時の処理を示すフローチャートである。
【図12】監視制御網接続装置101の構成例を示す図である。
【図13】監視制御網接続装置101の接続制御処理を示すフローチャートである。
【図14】制御端末103の操作および処理を示すフローチャートである。
【図15】通信装置102aの構成例を示す図である。
【図16】通信装置102aの警報通知処理を示すフローチャートである。
【図17】監視制御網接続装置101aの構成例を示す図である。
【図18】監視制御網接続装置101aの警報受信時の処理を示すフローチャートである。
【図19】警報の通知処理を示す装置間のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る監視サーバシステムおよび通信装置並びに監視制御網接続装置の実施形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0019】
[監視サーバシステム100]
図1は、本実施形態に係る監視サーバシステム100の構成例を示す図である。本実施形態に係る監視サーバシステム100は、従来の監視サーバシステムのように複数の通信装置の情報を集約して保持する監視サーバを持たず、情報種別に応じて複数の通信装置に分散して情報を保持する監視サーバシステムである。
【0020】
図1において、監視サーバシステム100は、監視制御網接続装置101と、複数の通信装置102と、制御端末103とを有する。ここで、複数の通信装置102は、個々の装置を示す場合は符号102−n(nは自然数)を付加して記載するが、複数の装置に共通の場合は−nを省略して符号102と記載する。尚、通信用ネットワーク106など他の部分についても同様に記載する。
【0021】
図1の例では、通信装置102−1から通信装置102−6までの6台の通信装置と、監視制御網接続装置101とが監視用ネットワーク104で接続されている。そして、監視制御網接続装置101は、端末用ネットワーク105を介して制御端末103に接続されている。尚、わかり易いように、監視用ネットワーク104と端末用ネットワーク105とを別のネットワークとする例を示したが、同一のネットワークであっても構わない。また、複数の通信装置102は、監視用ネットワーク104で相互に接続されているが、通信装置102がユーザーデータを送受信する本来の通信用ネットワーク106内にインバンドで監視用ネットワーク104を構築しても良い。また、制御端末103は、複数台の端末が端末用ネットワーク105に接続されていても構わない。
【0022】
図1において、監視制御網接続装置101は、複数の通信装置102の装置情報(警報ログ情報、設定情報、故障履歴情報、操作ログ情報、統計情報など)を集約して保持する従来型の監視サーバとは異なり、これらの装置情報は保持しない。監視制御網接続装置101が保持するのは、複数の通信装置102の接続情報(装置ID、IPアドレス、動作可否(UP/DOWN)、情報種別の少なくとも4つの情報)である。ここで、情報種別は装置情報の種類を意味し、例えば警報ログ情報、設定情報、故障履歴情報、操作ログ情報、統計情報などに相当する。これらの装置情報は、情報種別に応じて各通信装置102のデータベースに冗長性を持たせながら分散して保持される。
【0023】
監視制御網接続装置101は、制御端末103から特定の情報種別に対応する情報を要求する要求メッセージを受け取った場合に、この特定の情報種別のデータベースを保持する通信装置102に要求メッセージを転送し、通信装置102から要求された特定の情報種別に対応する情報を含む応答メッセージを受け取り、要求元の制御端末103に転送する役割を担う。
【0024】
また、各通信装置102が従来の通信装置と異なる点は、予め設定された情報種別に関する全通信装置102の装置情報を蓄積するデータベースを保持することである。従来の通信装置は、自装置の装置情報を保持するデータベースを有していたが、本実施形態における通信装置102は、自装置の装置情報に加えて特定の情報種別に関する全通信装置102の装置情報をデータベースに蓄積する。尚、特定の情報種別だけなので、データベースの規模は従来の監視サーバのように大きくする必要はない。また、データベース自体は従来から自装置用に保持しているのでハードウェアの基本構成を変更する必要はないので、コスト的な問題は小さい。尚、通信装置102の具体的な構成については後で詳しく説明する。
【0025】
このように、監視サーバシステム100における監視制御網接続装置101は、従来型の監視サーバとは異なり、装置情報のデータベースは保持しないので、処理負荷が大幅に軽減され、アクセス集中によるシステムダウンの回避や冗長性を備えるためのコスト削減を図ることができる。また、複数の通信装置102のデータベースに装置情報を情報種別に応じて分散して保持することにより冗長性が得られるので、システムの信頼性を向上することができる。
【0026】
次に、情報種別に応じて装置情報を複数の通信装置102のデータベースに分散して保持する例を図2に示す。尚、図2において、図1と同符号のものは同じものを示す。図2の監視サーバシステム100は、図1の監視サーバシステム100と同じものであるが、通信装置102の台数が異なる。また、図1では、且つ各通信装置102に保持される情報種別毎のデータベースの一例を描いてある。例えば、通信装置102−1,通信装置102−8および通信装置102−10は、警報ログ情報の蓄積を担当し、それぞれデータベース151−1,データベース151−8およびデータベース151−10を備える。また、通信装置102−2,通信装置102−6および通信装置102−11は、設定情報の蓄積を担当し、それぞれデータベース151−2,データベース151−6およびデータベース151−11を備える。同様に、通信装置102−3および通信装置102−7は、操作ログ情報の蓄積を担当し、それぞれデータベース151−3およびデータベース151−7を備える。また、通信装置102−4および通信装置102−12は、故障履歴情報の蓄積を担当し、それぞれデータベース151−4およびデータベース151−12を備える。また、通信装置102−5および通信装置102−9は、警報ログ情報の蓄積を担当し、それぞれデータベース151−5およびデータベース151−9を備える。
【0027】
このように、警報ログ情報、設定情報、故障履歴情報、操作ログ情報、統計情報など装置情報は、少なくとも2台の通信装置102に保持されているので冗長性が得られる。
【0028】
尚、監視制御網接続装置101は、従来の監視サーバのような膨大な上記の装置情報を全て保持する必要はなく、情報種別に対応するデータベースを保持する通信装置102の宛先アドレスを記憶する接続情報テーブル161を持つだけでよい。そして、接続情報テーブル161に応じて制御端末103と各通信装置102との間で装置情報を転送するだけでよい。
[装置情報について]
ここで、警報ログ情報、設定情報、故障履歴情報、操作ログ情報、統計情報など装置情報について説明する。
(警報ログ情報)
警報ログ情報のデータベースには、例えば下記の情報がテーブルの同じカラムに記憶される。
・情報種別:警報ログ
・装置ID:該当装置の装置ID
・時刻:警報が発生した時の時刻
・各種情報:警報内容
例えば、図3(a)は警報ログ情報のデータベース(DB)の一例を示し、情報種別と、装置IDと、発生時刻と、警報内容とが同じカラムに関連付けて記憶されている。例えば、装置ID:2の通信装置において、9:32:00の時刻にIF(インターフェース)盤の不良が発生したという警報ログが記憶されている。また、装置ID:4の通信装置において、11:15:20の時刻に光出力低下の異常が発生したという警報ログが記憶されている。同様に、装置ID:1の通信装置において、17:43:18の時刻にデータ誤りの異常が発生したという警報ログが記憶されている。
(設定情報)
設定情報のデータベースには、例えば下記の情報がテーブルの同じカラムに記憶される。
・情報種別:設定
・装置ID:該当装置の装置ID
・時刻:各装置が自己の設定状態を読み取ったとき、または設定変更があったときの時刻
・各種情報:SNMPのMIB情報など
例えば、図3(b)は設定情報のデータベース(DB)の一例を示し、情報種別と、装置IDと、設定時刻と、設定内容とが同じカラムに関連付けて記憶されている。例えば、装置ID:1の通信装置において、7:18:05の時刻に出力レベルAを設定したことが設定内容として記憶されている。また、装置ID:2の通信装置において、22:43:38の時刻に光出力をONしたことが設定内容として記憶されている。
(操作ログ情報)
操作ログ情報のデータベースには、例えば下記の情報がテーブルの同じカラムに記憶される。
・情報種別:操作ログ
・装置ID:該当装置の装置ID
・時刻:該当装置に対する操作があったときの時刻
・各種情報:操作内容(発行されたCLIやSNMPでGET/SETされたMIBなど)
例えば、図3(c)は操作ログ情報のデータベース(DB)の一例を示し、情報種別と、装置IDと、操作時刻と、操作内容とが同じカラムに関連付けて記憶されている。例えば、装置ID:3の通信装置において、6:12:05の時刻に出力レベルを変更したことが操作内容として記憶されている。また、装置ID:1の通信装置において、8:25:32の時刻にIF盤を予備系統に切り替えたことが操作内容として記憶されている。
(故障履歴情報)
故障履歴情報のデータベースには、例えば下記の情報がテーブルの同じカラムに記憶される。
・情報種別:故障履歴
・装置ID:該当装置の装置ID
・時刻:故障が発生した時の時刻
・各種情報:故障内容
例えば、図3(d)は故障履歴情報のデータベース(DB)の一例を示し、情報種別と、装置IDと、発生時刻と、故障内容とが同じカラムに関連付けて記憶されている。例えば、装置ID:4の通信装置において、10:22:00の時刻にIF盤の故障が発生したことが記憶されている。また、装置ID:2の通信装置において、17:30:40の時刻にFAN盤の故障が発生したことが記憶されている。
(統計情報)
統計情報のデータベースには、例えば下記の情報がテーブルの同じカラムに記憶される。
・情報種別:統計
・装置ID:該当装置の装置ID
・時刻:統計情報を読み取ったときの時刻
・各種情報:統計情報内容
例えば、図3(e)は統計情報のデータベース(DB)の一例を示し、情報種別と、装置IDと、発生時刻と、故障内容とが同じカラムに関連付けて記憶されている。例えば、装置ID:2の通信装置において、13:24:52の時刻にエラー数Aになったことが記憶されている。また、装置ID:3の通信装置において、20:01:24の時刻にエラー数Bになったことが記憶されている。
【0029】
以上、図3で説明したように、各通信装置102のデータベースには、警報ログ情報、設定情報、故障履歴情報、操作ログ情報、統計情報などの装置情報が予め設定された各通信装置102が担当する情報種別毎に分散して記憶される。尚、どの通信装置102がどの情報種別を担当するかは、通信装置102を設定する際に設置者が各通信装置に設定する。または、通信装置102の保守を行う際に、担当する情報種別の設定,変更,削除などを行ってもよい。さらに、通信装置102の台数が少ない場合は、担当する情報種別は1つである必要はなく、例えば設定情報と操作ログ情報など複数の装置情報を担当するようにしてもよい。但し、1台の通信装置102が担当する情報種別の数が増えると、処理負荷が大きくなり、アクセスが集中するなどの従来の監視サーバと同じ問題が生じる恐れがあるので、1つの通信装置102には1つの情報種別を担当させるのが好ましい。そして、同じ情報種別のデータベースについて冗長性を確保するために、図2で説明したように、少なくとも2台の通信装置102に同じ情報種別を担当させるのが好ましい。
【0030】
ここで、本実施形態の特徴がわかり易いように、従来の監視サーバシステム900の構成例を図4に示す。図4の監視サーバシステム900は、図2の本実施形態に係る監視サーバシステム100に対応する。監視サーバシステム900は、複数の監視サーバ901と、複数の通信装置902と、制御端末903とで構成される。そして、監視サーバ901には、全ての通信装置902に関する全ての装置情報を保持するためのデータベース(警報ログ情報DB951,設定情報DB952,操作ログ情報DB953,故障履歴情報DB954,統計情報DB955など)が設けられている。また、装置情報のデータベースの冗長性の確保とアクセス集中の回避を行うために、複数台の監視サーバ901が配置される。そして、制御端末103からの装置情報の要求に対して、監視サーバ901は制御端末903からの要求に応じて、自己のデータベースの情報を検索し、必要な装置情報を制御端末903に応答する処理を行うようになっていた。特に、制御端末903が複数台ある場合には、アクセスが集中してシステムダウンするなどの問題があった。これに対して、図2の本実施形態に係る監視サーバシステム100は、装置情報のデータベースを情報種別毎に複数の通信装置102に分散して保持することにより、従来のような集約型の監視サーバ901を必要とせず、接続情報テーブル161を参照して、単に制御端末103が要求する情報種別に応じて、該当する情報種別の装置情報のデータベースを保持する通信装置102に転送するだけでよく、処理が軽いためアクセス集中によるシステムダウンを回避できる。さらに、複数の通信装置102に情報種別毎にデータベースを重複して配置するので、冗長性を確保できシステムの信頼性を向上することができる。また、高価な監視サーバ901が不要となるため、システムのコスト低減も図ることができる。
[制御端末103からの情報取得動作例]
次に、制御端末103から通信装置102の装置情報を取得する際の各装置の動作について図5を用いて説明する。尚、図5の監視サーバシステム100は、図2の監視サーバシステム100の一部の通信装置102を抜き出して描いた図で、監視制御網接続装置101と、4台の通信装置102と、制御端末103とで構成される。ここで、4台の通信装置102は、冗長性の説明をするために、警報ログ情報を担当する通信装置102−1および102−8と、設定情報を担当する通信装置102−2および102−6とをそれぞれ2台ずつ配置してある。尚、警報ログ情報と設定情報以外の装置情報についても同様に動作する。
【0031】
図5の監視制御網接続装置101の接続情報テーブル161には、接続情報テーブル例161aに示すような情報が記憶されている。接続情報テーブル例161aにおいて、DB(データベース)種別,装置ID,IPアドレスおよび状態が記憶されている。ここで、接続情報テーブル161は、通信装置102を設置時に保守者が監視制御網接続装置101に情報種別,装置IDおよびIPアドレスを初期登録するが、状態(装置の稼動状態)については、監視制御網接続装置101から各通信装置102に対してポーリングを行い、各通信装置102から正常な応答が戻ってくる場合はUP、ポーリングの応答がない場合や誤っている場合はDOWNに更新する。
【0032】
例えば、図5の接続情報テーブル例161aにおいて、装置IDが1の通信装置102−1の情報種別は警報ログ情報で、宛先アドレス(ここではIPアドレス)は10.10.10.2で正常に動作していることがわかる。また、同じ情報種別(警報ログ情報)のデータベースを保持する通信装置102の装置IDは8,IPアドレスは10.10.10.4であり、正常に動作していることが接続情報テーブル161からわかる。同様に、情報種別が設定情報のデータベースを保持する2台の通信装置102は、それぞれ装置ID:2および装置ID6,IPアドレスはそれぞれ10.10.10.3および10.10.10.5であり、共に正常に動作していることがわかる。
【0033】
また、図5において、監視制御網接続装置101は、各通信装置102が接続される監視用ネットワーク104側のIPアドレス:10.10.10.1と、制御端末103が接続される端末用ネットワーク105側のIPアドレス:11.12.13.1とを有する。尚、制御端末103のIPアドレスは11.12.13.5である。また、各IPアドレスの/24はTCP/UDP用のプライベートポート番号で、本実施形態では監視用のポート番号として用いている。
【0034】
図6は、図5で説明した制御端末103と、監視制御網接続装置101と、各通信装置102との間で送受信される情報の流れを示す図である。先ず、制御端末103(IP:11.12.13.5/24)でオペレータが知りたい装置情報の情報種別(図6の例では警報ログ情報)を入力する(ステップS121)。そして、例えばオペレータが情報要求ボタンを押下すると、制御端末103は、監視制御網接続装置101(IP:11.12.13.1/24)に要求する情報種別の情報を含む情報要求メッセージ131を送信する。ここで、情報要求メッセージ131には、制御端末103のIPアドレス(11.12.13.5/24)を送信元アドレス、監視制御網接続装置101のIPアドレス(11.12.13.1/24)を宛先アドレスとし、情報種別を指定する情報が含まれているが、要求する情報種別のデータベースを保持する通信装置のIPアドレスは指定する必要はない(制御端末103側では知らなくてもよい)。
【0035】
監視制御網接続装置101は、制御端末103から受信した情報要求メッセージ131で指定された情報種別の情報のデータベースを有する通信装置102の装置IDおよびIPアドレスを図5で説明した情報接続テーブル161から検索する(ステップS122)。この時、冗長性を確保するために同じ情報種別の情報のデータベースを有する通信装置102は複数台あるので、例えば装置IDの小さい通信装置102を優先して選択する。或いは、アクセスの集中を避けるために、装置IDの一番小さい通信装置102を選択した次の同じ情報種別の要求に対しては2番目に小さい装置IDを選択し、その次の同じ情報種別の要求に対しては3番目に小さい装置IDを選択するなど、順番にアクセスする通信装置102を変えるように制御しても構わない。
【0036】
次に、監視制御網接続装置101は、ステップS122で選択したIPアドレスの通信装置102に制御端末103から受信した情報要求メッセージ131に監視制御網接続装置101のIPアドレス(10.10.10.1/24)を送信元アドレス、警報ログ情報のデーターベースを保持する通信装置102−1のIPアドレス(10.10.10.2/24)を宛先アドレスとする情報要求メッセージ132を送信する(ステップS123)。尚、情報要求メッセージ132は通信装置102−1へのユニキャストフレームである。また、情報要求メッセージ132に制御端末103から送信された情報要求メッセージ131をカプセル化して送信しても構わない。そして、情報要求メッセージ132を受信した通信装置102−1は、自装置が担当する警報ログ情報のデータベース151−1から装置情報を読み出し、読み出した装置情報を含む情報応答メッセージ133を作成して監視制御網接続装置101に送信する(ステップS124)。情報応答メッセージ133を受信した監視制御網接続装置101は、通信装置102−1から受信した情報応答メッセージ133に監視制御網接続装置101のIPアドレス(11.12.13.1/24)を送信元アドレス、警報ログ情報を要求した制御端末103のIPアドレス(11.12.13.5/24)を宛先アドレスとする情報を付加した情報応答メッセージ134を送信する(ステップS125)。ここで、制御端末103が複数台ある場合、監視制御網接続装置101は、通信装置102−1からの情報応答メッセージがどの制御端末103からの情報要求メッセージに対応するものであるかを管理する。例えば、TCPプロトコルを用いて、制御端末103のセッションIDで管理することができる。これにより、情報応答メッセージ133と要求元の制御端末103とを対応付けることができる。或いは、ステップS123で情報要求メッセージ132に制御端末103から送信された情報要求メッセージ131をカプセル化して送信した場合は、制御端末103のIPアドレスもカプセル化されているので、情報応答メッセージ133にもそのまま制御端末103のIPアドレスがカプセル化されたまま通信装置102−1から応答されるようにすれば、監視制御網接続装置101は制御端末103のIPアドレスを管理する必要がなくなる。
【0037】
そして、情報応答メッセージ134を受信した制御端末103は、情報応答メッセージ134に含まれる警報ログ情報をモニタなどに表示する。このようにして、制御端末103のオペレータは、知りたい装置情報を確認することができる。尚、上記の説明では、警報ログ情報のデータベースを保持する通信端末102−1が正常に動作している場合の処理の流れについて説明した。次に、通信装置102−1が正常に動作していない場合の動作について図7を用いて説明する。
【0038】
図7は、図5に対応する図で、図5と異なるのは装置ID:1(IP:10.10.10.2/24)の通信装置102−1が正常に動作していない場合の様子を示していることである。このため、監視制御網接続装置101は、通信装置102−1の警報ログ情報のデータベース151−1から装置情報を取得することができない。ここで、監視制御網接続装置101は、定期的にポーリングを行って、各通信装置102が正常に動作しているか否かを確認し、正常に動作していない場合は、接続情報テーブル161の装置状態をDOWNにする。例えば接続情報テーブル例161bの装置ID:1の装置状態はDOWNになっている。尚、正常に動作している場合の装置状態はUPである。
【0039】
図7の状態で、制御端末103から警報ログ情報の要求があった場合、監視制御網接続装置101は、接続情報テーブル161を参照して、先ず警報ログ情報を保持する装置IDが一番小さい装置ID:1を選択しようとするが、装置ID:1の装置状態がDOWNなので次に同じ情報種別のデータベースを保持する通信装置で装置IDが2番目に小さい装置ID:8の通信装置を選択する。この時の処理の流れは、先に説明した図6において点線で示したように、監視制御網接続装置101が装置ID:1の通信装置102−1に情報要求メッセージ132を送信する代わりに、同じ情報種別のデータベースを保持する装置ID:8の通信装置102−8に情報要求メッセージ132を送信する。そして、情報要求メッセージ132を受信した通信装置102−8は、自装置が担当する警報ログ情報のデータベース151−8から装置情報(図6では警報ログ情報)を読み出し、読み出した警報ログ情報を含む情報応答メッセージ133を作成して監視制御網接続装置101に送信する(ステップS124a)。
【0040】
尚、もし装置ID:8の通信装置の装置状態もDOWNである場合は、さらに同じ情報種別のデータベースを保持する通信装置を検索する。このようにして、同じ情報種別のデータベースを保持する通信装置且つ装置状態がUPの通信装置を選択する。これにより、本実施形態に係る監視サーバシステム100において、装置情報の冗長性を確保することができる。
[通信装置102の構成]
次に、通信装置102の構成例について、図8を用いて説明する。図8において、通信装置102は、監視用送受信部201と、監視制御部202と、主要通信部203と、自装置情報DB(データベース)204と、全装置情報DB(データベース)205とで構成される。ここで、監視用送受信部201は、図1,図2などの監視用ネットワーク104に接続し、各通信装置102との間でデータの送受信を行う。一方、主要通信部203は、通信装置102がユーザーデータなどを送受信するための通信装置本来の動作を行うブロックで、図1で説明した通信用ネットワーク106に接続される。尚、本実施形態では、監視制御時の動作が主体なので、通信用ネットワーク106および主要通信部203の詳細な構成や動作に関する説明は省略する。また、本実施形態では、わかり易いように監視用ネットワーク104を別に設けたが、通信用ネットワーク106の中にインバンドで監視用ネットワーク104を構築しても構わない。
【0041】
監視制御部202は、主要通信部203の動作を監視し、主要通信部203で送受信されるユーザデータのエラー数(パケットエラーなど)やトラフィック量或いは異常の検知などを行う。また、監視制御部202は、通信装置102が担当する情報種別や自装置ID,IPアドレスなど自装置に関する設定内容を自装置情報DB204で管理する。さらに、本実施形態に係る通信装置102は、自装置を含む全装置の装置情報で自装置が担当する情報種別毎の装置情報、例えば警報ログ情報、操作ログ情報、故障履歴ログ情報、設定情報、統計情報の中の少なくとも1つの情報を全装置情報DB205で管理する。尚、図8では、説明がわかり易いように、自装置情報DB204と全装置情報DB205とを別々に設けたが、同じデータベース上で管理するようにしてもよい。また、データベースは、ハードディスクなどの記憶媒体だけでなく、半導体メモリを用いても構わない。
【0042】
図8において、監視制御部202は、リクエスト受信部251と、DB参照部252と、応答部253とを有し、先に図6で説明したように、監視制御網接続装置101から受信する情報要求メッセージに対応する処理を行う。図9は、監視制御部202が行う情報要求メッセージの受信処理のフローチャートである。リクエスト受信部251は、情報要求メッセージを受信するまで待機する(ステップS101)。そして、リクエスト受信部251は、監視制御網接続装置101から情報要求メッセージを受信するとDB参照部252に出力する。DB参照部252は、自装置が担当する情報種別の情報(例えば図6の場合は警報ログ情報)を全装置情報DB205から読み出して応答部253に出力する(ステップS103)。応答部253は、情報応答メッセージを作成して監視制御網接続装置101に返信する(ステップS104)。このようにして、一連の情報要求メッセージの受信処理を終了する。尚、図9において、DB参照部252は、受信した情報要求メッセージの情報種別と自装置が担当する情報種別とが一致しているか否かを判別するようにしても構わない(ステップS102)。そして、一致しない場合は応答部253からデータベースが異なることを示すメッセージを返すようにしても構わない。
【0043】
このように、図8の監視制御部202のリクエスト受信部251,DB参照部252および応答部253は動作する。ここで、上記の説明は、制御端末103から監視制御網接続装置101を介して情報要求メッセージを受信した場合の処理を中心に説明したが、各通信装置102が担当する情報種別のデータベース(全装置情報DB205)に保持される装置情報は、各通信装置の状態が変化する毎に常に最新の情報に更新しておく必要がある。次に、図8の全装置情報DB205に保持される装置情報の更新処理について説明する。
【0044】
[データベースの更新処理]
本実施形態に係る通信装置102は、各装置の変化を検出した場合に他の装置に変化した内容を通知する機能を持っている。そして、他の装置から通知された装置情報が自装置が担当する情報種別である場合、自装置が担当する情報種別のデータベースの記載内容を更新する。このようにして、常に各装置が担当する情報種別のデータベースを最新の状態に維持することができる。
【0045】
上記の機能を実現するために、図8において、各通信装置102の監視制御部202は、変化検出部261と、情報発信部262と、自装置管理部263と、情報受信部264と、種別判定部265と、DB更新部266とを有している。
【0046】
変化検出部261は、主要通信部203の状態の変化を検出する。例えば主要通信部203の電源盤,IF盤,FAN盤などの異常を検出したり、光通信が行われている場合はレーザーの出力レベルやオンオフなどの保守交換されたことを検出したり、ユーザーデータのトラフィック量やエラー数などの統計情報を検出する。装置異常は、例えば、IF盤の不良,光出力低下,データ誤りなどである。或いは、監視制御部202は、SNMPプロトコルに対応しており、SETされたMIB情報などを検出する。例えば、出力レベルの変更,IF盤の運用系統の切り替え、光出力のオンオフなどを検出する。
【0047】
そして、変化検出部261は、検出した情報を情報発信部262や自装置管理部263に出力する。また、変化検出部261は、時計機能を有しており、検出時刻も合わせて情報発信部262や自装置管理部263に出力する。
【0048】
図10は、情報発信部262がブロードキャスト通知する場合の処理を示すフローチャートである。情報発信部262は、変化検出部261が何らかの変化を検出するまで待機する(ステップS201)。そして、変化検出部261が何らかの変化を検出した場合に、自装置の変化情報に情報種別,自装置ID,時刻などを付加して、他の通信装置102にブロードキャスト通知する(ステップS202)。尚、ブロードキャスト通知する内容は、図8の自装置情報DB204に保持されている現在の情報との差分情報だけ送信するようにしても構わないし、検出情報を全てブロードキャスト通知して、受信側(当該情報を担当する通信装置側)で差分情報だけ更新するようにしても構わない。このようにして、自装置に何らかの変化があった場合に各情報種別のデータベースを保持する他の通信装置に変化内容を通知することができる。尚、通常の通信装置で行われているように、自装置管理部263は、自装置情報DB204の情報も更新する(ステップS203)。
【0049】
次に、ブロードキャスト通知された情報を受信して、自装置が担当する情報種別のデータベースを更新する処理について、図8および図11のフローチャートを用いて説明する。図8において、情報受信部264は、監視用送受信部201を介して、他の通信装置102から送信されたブロードキャスト通知を受信するまで待機する(ステップS301)。情報受信部264は、ブロードキャスト通知を受信したら種別判定部265に受信内容を出力する。種別判定部265は、受信したブロードキャスト通知が自装置が担当する情報種別に関するものであるか否かを判別する(ステップS302)。尚、自装置が担当する情報種別は、予め通信装置102の設置時や保守時に設定され、自装置情報DB204に記憶されている。そして、自装置が担当する情報種別である場合は、種別判定部265からDB更新部266に出力され、DB更新部266はブロードキャスト通知に含まれる変化情報,装置ID,時刻などを対応させ、全装置情報DB205の情報を更新する(ステップS303)。この時、先に説明したように、差分情報だけ更新する。もし、自装置が担当する情報種別ではない場合は、ブロードキャスト通知を無視するか廃棄する(ステップS304)。
【0050】
このようにして、本実施形態に係る通信装置102は、各装置の変化を検出した場合に他の装置に変化した内容を通知し、また他の装置から通知された装置情報が自装置が担当する情報種別である場合、当該情報で自装置が担当するデータベースを更新する。これにより、常に各装置が担当する情報種別のデータベースを最新の状態に維持することができる。特に、同じ情報種別を担当する複数の通信装置のデーターベースを同期して最新の状態に維持することができる。
【0051】
[監視制御網接続装置101の構成例]
次に、監視制御網接続装置101の構成例について、図12を用いて説明する。図12において、監視制御網接続装置101は、端末用送受信部301と、接続制御部302と、装置側送受信部303と、接続情報テーブル161と、ルーティングテーブル304とで構成される。ここで、接続情報テーブル161は、図2などで説明した接続情報テーブル161と同じものである。また、端末側送受信部301は、端末用ネットワーク105を介して少なくとも1台の制御端末103に接続される。一方、装置側送受信部201は、監視用ネットワーク104に接続され、各通信装置102との間でデータの送受信を行う。
【0052】
接続制御部302は、端末側送受信部301を介して制御端末103から情報要求メッセージを受信した場合に、情報要求メッセージで指定された情報種別のデータベースを担当する通信装置102のIPアドレスや装置IDおよび装置状態(正常動作しているか否か)を接続情報テーブル161を参照し、情報要求メッセージを転送すべき通信装置102を選択する。そして、選択された通信装置102のIPアドレスに情報要求メッセージを転送し、当該通信装置102から要求する情報種別の装置情報を含む情報応答メッセージを受信して要求元の制御端末103に情報応答メッセージを転送する。ここで、複数の制御端末103を有する場合、接続制御部302は、制御端末103毎のIPアドレスやTCPのセッションIDなどをルーティングテーブル304に保持し、要求元の制御端末103と通信装置102から送信される情報応答メッセージとの対応付けを管理する。尚、図8では、説明がわかり易いように、接続情報テーブル161とルーティングテーブル304とを別々に設けたが、同じデータベース上で管理するようにしてもよい。また、データベースは、ハードディスクなどの記憶媒体だけでなく、半導体メモリを用いても構わない。
【0053】
図12において、接続制御部302は、要求受信部351と、テーブル参照部352と、転送先設定部353と、要求転送部354と、接続情報管理部355と、応答受信部356と、応答転送部357と、動作状態ポーリング部358とで構成される。
【0054】
要求受信部351は、制御端末103から情報要求メッセージを受信し、接続情報管理部355と、テーブル参照部352と、要求転送部354とに出力する。
【0055】
テーブル参照部352は、要求受信部351から受け取った情報要求メッセージで指定される情報種別について、接続情報テーブル161を参照して当該情報種別のデータベースを保持する通信装置102のIPアドレスを取得し、転送先設定部353に出力する。
【0056】
転送先設定部353は、要求転送部354が送信する情報要求メッセージに対して、テーブル参照部352で取得した通信装置102のIPアドレスを宛先IPアドレス、監視制御網接続装置101のIPアドレスを送信元IPアドレスにそれぞれ設定する。
【0057】
要求転送部354は、制御端末103から受信した情報要求メッセージに転送先設定部353が設定した宛先IPアドレスと送信元IPアドレスを付加した新たな情報要求メッセージを装置側送受信部303を介して監視用ネットワーク104に出力し、宛先の通信装置102に送信する。
【0058】
接続情報管理部355は、制御端末103から受信した情報要求メッセージの要求元の制御端末103のIPアドレスやTCPのセッションIDなど取得し、ルーティングテーブル304でセッション管理する。
【0059】
応答受信部356は、要求転送部354が監視用ネットワーク104に送信した情報要求メッセージに対する通信装置102からの情報応答メッセージを受信し、応答転送部357に出力する。ここで、情報応答メッセージには、要求した情報種別の装置情報が含まれている。
【0060】
応答転送部357は、応答受信部356から入力する情報応答メッセージの装置情報に接続情報管理部355が出力する制御端末103のIPアドレスを宛先IPアドレス、監視制御網接続装置101のIPアドレスを送信元IPアドレスとしてそれぞれ付加する。そして、応答転送部357は、情報応答メッセージを端末側送受信部301を介して端末用ネットワーク105に出力し、要求元の制御端末103に情報応答メッセージを送信する。ここで、接続情報管理部355は、先に説明したように、TCPのセッションIDや制御端末103から送られた情報要求メッセージをカプセル化して通信装置102側に転送することにより、制御端末103から送られた情報要求メッセージと、応答受信部356が受信した情報応答メッセージとの対応付けを行う。尚、制御端末103のIPアドレスやTCPのセッションIDなどは、ルーティングテーブル304で管理する。
【0061】
以上説明したように、要求受信部351と、テーブル参照部352と、転送先設定部353と、要求転送部354と、接続情報管理部355と、応答受信部356と、応答転送部357とによって、制御端末103からの情報要求メッセージに応じて指定された情報種別の装置情報を担当する通信装置102から情報応答メッセージを受け取り、要求元の制御端末103に送信することができる。
【0062】
尚、接続制御部302の動作状態ポーリング部358は、装置側送受信部303を介して各通信装置102に動作が正常であるか否かを判別するための処理を行う。例えば、動作状態ポーリング部358は、動作確認メッセージを定期的に送信し、各通信装置102から正常な応答メッセージが返ってくれば正常動作(UP状態)、各通信装置102から誤った応答メッセージが返ってきたり、所定時間が経過しても応答メッセージが返ってこない場合は動作不良(DOWN状態)と判断し、接続情報テーブル161の装置状態の項目をUPまたはDOWMに更新する。
【0063】
ここで、図12で説明した監視制御網接続装置101が行う接続処理の流れについて図13のフローチャートを用いて説明する。要求受信部351は、制御端末103からの情報要求メッセージを受信するまで待機する(ステップS401)。そして、要求受信部351は、制御端末103から情報要求メッセージを受信するとテーブル参照部352に出力する。テーブル参照部352は、接続情報テーブル161を参照して、情報要求メッセージで指定された情報種別の情報(例えば図6の場合は警報ログ情報)を担当する通信装置102のIPアドレスを取得する(ステップS402)。転送先設定部353は、ステップS402で取得したIPアドレスを制御端末103から受信した情報応答メッセージの宛先IPアドレスに設定する。そして、要求転送部354は、宛先IPアドレスが設定された情報要求メッセージを通信装置102側に転送する(ステップS403)。このようにして、一連の情報要求メッセージの転送処理が行われる。
【0064】
一方、監視制御網接続装置101から転送された情報要求メッセージを受信した通信装置102は、要求された情報種別の装置情報を記載した情報応答メッセージを監視制御網接続装置101側に返信する。そこで、応答受信部356は、この情報応答メッセージを受信するまで待機する(ステップS404)。応答受信部356が通信装置102から情報応答メッセージを受信すると、応答転送部357に出力され、接続情報管理部355は、ルーティングテーブル304を参照して、要求元の制御端末103のIPアドレスなどを設定する(ステップS405)。そして、応答転送部357は、要求元の制御端末103に対して情報応答メッセージを転送する(ステップS406)。
【0065】
このようにして、監視制御網接続装置101の接続制御部302は、一連の接続制御処理を終了する。
【0066】
[制御端末103側の操作および処理]
次に、制御端末103側でのオペレータの操作および制御端末103の処理の流れについて図14のフローチャートを用いて説明する。
【0067】
制御端末103を操作するオペレータは、装置情報を管理するためのモニタ画面を見ながらキーボードやマウスなどを操作して、取得したい装置情報の情報種別を指定し、例えば決定ボタンなどを押下する(ステップS501)。ステップS501のオペレータの操作が行われると、制御端末103は、監視制御網接続装置101に情報要求メッセージを送信する(ステップS502)。ここで、制御端末103から送信される情報要求メッセージには、制御端末103のIPアドレスを送信元IPアドレス、監視制御網接続装置101のIPアドレスを宛先IPアドレスとしてそれぞれ設定されている。例えば、図5および図6の場合は、制御端末103のIPアドレスは11.12.13.5/24で、監視制御網接続装置101のIPアドレスは11.12.13.1/24である。
【0068】
そして、制御端末103は、監視制御網接続装置101から情報応答メッセージが受信されるまで待機する(ステップS503)。監視制御網接続装置101から情報応答メッセージが受信されると、制御端末103は情報応答メッセージに含まれる装置情報(図6の例では警報ログ情報)をモニタなどに表示する(ステップS504)。
【0069】
このようにして、制御端末103は、監視制御網接続装置101のIPアドレスを知るだけでよく、どの情報種別をどの通信装置102が担当するかを知る必要はない。つまり、制御端末103側のオペレータは、従来の監視サーバシステム900で1台の監視サーバ901にアクセスする操作と同様に必要な情報種別の装置情報を得ることができる。特に、情報種別毎に複数の通信装置102に重複してデータベースを保持しているので冗長性を確保でき、監視サーバシステム100の信頼性が向上する。さらに、従来のように監視サーバ901にアクセスが集中してシステムに障害が発生する可能性も低くなり、より一層システムの信頼性が向上する。また、同じ情報種別のデータベースを担当する各通信装置102は、同じ装置情報を同期して常に最新の状態に維持することができ、情報の信頼性も向上する。
【0070】
(監視サーバシステム100の変形例)
次に、先に説明した本実施形態に係る監視サーバシステム100および通信装置102並びに監視制御網接続装置101の変形例について説明する。尚、本変形例は、図2,図5などで説明した監視サーバシステム100と同じシステム構成である。但し、本変形例では、通信装置102側が自装置の異常を検出した場合に、先ず監視制御網接続装置101に通報し、監視制御網接続装置101を経由して全ての制御端末103に警報発信するようになっている。このため、通信装置102の一部が異なる通信装置102aと、監視制御網接続装置101の一部が異なる監視制御網接続装置101aとを用いて監視サーバシステム100を構成する。
【0071】
図15は、本変形例における通信装置102aの構成例である。通信装置102aは、先の実施形態で説明した図8の通信装置102に対応し、図8と同符号のブロックは同じ機能のブロックを示すので、重複する動作の説明は省略する。図8の通信装置102と異なるのは監視制御部202の構成であり、図15の監視制御部202aでは警報発信部271が設けられている。警報発信部271は、変化検出部261が主要通信部203の変化を検出した場合に、検出した内容がIF盤の故障などの警報情報であるか否かを判別し、警報情報である場合は監視用送受信部201および監視用ネットワーク104を介して、監視制御網接続装置101に警報メッセージを通知する。尚、この警報メッセージの通知は、例えばSNMPのTrapメッセージを用いる。
【0072】
この場合の処理の流れを図16のフローチャートに示す。尚、変化検出部261の動作自体は図8の通信装置102と同じなので、先に説明した図10のフローチャートのステップS201までの検出処理も同じである。そして、図16の場合は、変化検出部261が主要通信部203の何らかの変化を検出したとき、検出内容が警報であるか否かの判別処理を行う(ステップS251)。そして、検出内容が警報である場合は、警報を示すTrapメッセージを監視制御網接続装置101に対して送信する(ステップS252)。尚、ステップS202以降の処理は、図10のフローチャートと同じなので重複する説明は省略する。
【0073】
このようにして、通信装置102aは、監視制御網接続装置101に警報を通知することができる。
【0074】
次に、本変形例における監視制御網接続装置101aの構成例を図17に示す。監視制御網接続装置101aは、先の実施形態で説明した図12の監視制御網接続装置101に対応し、図12と同符号のブロックは同じものを示すので、重複する動作の説明は省略する。図12の監視制御網接続装置101と異なるのは接続制御部302の構成であり、図17の接続制御部302aでは、警報受信部371と、端末通知部372とが設けられている。警報受信部371は、図15の通信装置102aから送信されるTrapメッセージなどによる警報通知を検出し、端末通知部372に出力する。そして、端末通知部372は、警報受信部371が受信した警報を端末側送受信部301および端末用ネットワーク105を介して接続されている全ての制御端末103に警報を通知する。尚、全ての制御端末103のIPアドレスは、予めルーティングテーブル304に保持されている。
【0075】
この場合の監視制御網接続装置101の処理の流れを図18のフローチャートに示す。警報受信部371は、通信装置102から警報のTrapメッセージを受信するまで待機する(ステップS601)。尚、この時、Trapメッセージを用いずにブロードキャスト通知を用いる場合は、ステップS601でブロードキャスト通知が警報であるか否かを判別する。そして、警報のTrapメッセージまたは警報を示すブロードキャスト通知を受信した場合に、端末通知部372は、ルーティングテーブル304を参照して全ての制御端末103のIPアドレスを取得する(ステップS602)。そして、端末通知部372は、全ての制御端末103に警報を送信する(ステップS603)。
【0076】
このようにして、監視制御網接続装置101は、通信装置102から警報の通知を受信し、全ての制御端末103に警報を通知することができる。この場合の各装置間の処理の流れを図19に示す。尚、図19は、先に説明した図6に対応する図で、装置ID:1の通信装置102−1が自装置の異常を検出した場合の処理の流れを示している。先ず、通信装置102−1の変化検出部261が自装置の異常など警報を検出する(ステップS701)。そして、警報発信部271が警報のTrapメッセージを送信するか、或いは情報発信部262が警報のブロードキャスト通知を行う(ステップS702)。このようにして、通信装置102−1から警報751が監視制御網接続装置101に送信される。監視制御網接続装置101の警報受信部371は警報751を受信し、端末通知部372はルーティングテーブル304で全ての制御端末103のIPアドレスを参照する(ステップS703)。そして、端末通知部372は、全ての制御端末103に警報752を送信する。一方、警報752を受信した制御端末103は、警報内容をモニタなどに表示する(ステップS705a,705b)。
【0077】
このように、全ての制御端末103は、監視制御網接続装置101のIPアドレスを知るだけでよく、各通信装置102のIPアドレスを知る必要はない。そして、各通信装置102の警報は、監視制御網接続装置101を介して全ての制御端末103に通知される。特に、監視制御網接続装置101は、各通信装置102の警報を装置IDに対応付けて制御端末103に通知するので、制御端末103側のオペレータは、どの通信装置102に異常が発生したかを的確に知ることができる。
【0078】
以上、各実施形態で説明してきたように、監視サーバシステム100および通信装置102並びに監視制御網接続装置101は、以下の効果が得られる。
・各通信装置102は、同じ監視用ネットワーク104内の他の通信装置102がブロードキャスト通知する装置情報を受信して、各装置が担当する情報種別の装置情報のデータベースを更新することができる。これにより、常に同期して最新の装置情報を分散して保持することができる。そして、制御端末103は、監視制御網接続装置101に接続するだけで必要な装置情報を得ることができるので、全ての装置情報を一元管理する監視サーバを配置する必要がなく、制御端末103側ではあたかも一元管理する監視サーバに接続しているかのように監視用ネットワーク104内の全ての通信装置102の装置情報を取得することができる。
・同じ情報種別の装置情報を担当する複数の通信装置102のデータベースに冗長して保持することにより、個々の装置に障害が発生した場合でも別の装置から同じ装置情報を得ることができ、システムダウンを回避できる。また、従来の監視サーバが持つ全ての通信装置102に関する装置情報のデータベースを複数の通信装置102に分散することにより、特定の通信装置に負荷が集中しないようにすることができる。
・制御端末103は、監視制御網接続装置101に対して必要な装置情報を要求するだけでよい。そして、監視制御網接続装置101が要求された装置情報の情報種別に応じて、該当するデータベースを保持する通信装置102から必要な装置情報を取得して制御端末103に送信するので、制御端末103は通信装置102側のネットワーク構成を知る必要はなく、簡単に監視用ネットワーク104内の複数の通信装置102を監視制御することができる。特に、特定の通信装置102に不具合が発生した場合でも、制御端末103はそのことを意識する必要がなく、また処理が中断されることもなく、監視制御網接続装置101は同じ情報種別のデータベースを保持する代替の通信装置102から必要な装置情報を取得して制御端末103に送信することができる。
・監視制御網接続装置101は、接続端末103の宛先アドレス(IPアドレスなど)をルーティングテーブル304として保持するので、監視用ネットワーク104内の通信装置102から警報が発せられた時(Trapメッセージやブロードキャスト通知などが送出された時)、その警報情報をルーティングテーブル304に保持している全ての制御端末103の宛先アドレスに転送することにより、制御端末103はリアルタイムで各通信装置102の警報を取得することができる。
【0079】
このように、本発明に係る監視サーバシステムおよび通信装置並びに監視制御網接続装置は、従来のように集中型の監視サーバを設置せずに、仮想的に1つの監視サーバにアクセスしているかのような利便性と冗長性を兼ね備え、コスト的な問題を低減することができる。
【0080】
以上、本発明に係る監視サーバシステムおよび通信装置並びに監視制御網接続装置について、実施例を挙げて説明してきたが、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0081】
100・・・監視サーバシステム
101・・・監視制御網接続装置
102・・・通信装置
103・・・制御端末
104・・・監視用ネットワーク
105・・・端末用ネットワーク
106・・・通信用ネットワーク
151・・・データベース
161・・・接続情報テーブル
201・・・監視用送受信部
202・・・監視制御部
203・・・主要通信部
204・・・自装置情報DB
205・・・全装置情報DB
251・・・リクエスト受信部
252・・・DB参照部
253・・・応答部
261・・・変化検出部
262・・・情報発信部
263・・・自装置管理部
264・・・情報受信部
265・・・種別判定部
266・・・DB更新部
301・・・端末用送受信部
302・・・接続制御部
303・・・装置側送受信部
304・・・ルーティングテーブル
351・・・要求受信部
352・・・テーブル参照部
353・・・転送先設定部
354・・・要求転送部
355・・・接続情報管理部
356・・・応答受信部
357・・・応答転送部
358・・・動作状態ポーリング部
271・・・警報発信部
371・・・警報受信部
372・・・端末通知部
900・・・監視サーバシステム
901・・・監視サーバ
902・・・通信装置
903・・・制御端末
951・・・警報ログ情報DB
952・・・設定情報DB
953・・・操作ログ情報DB
954・・・故障履歴情報DB
955・・・統計情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続された複数の通信装置において、
前記複数の通信装置の全通信装置に関する予め設定された特定の情報種別の情報を蓄積するデータベースと、
自装置の変化を検出する変化検出部と、
前記変化検出部が自装置の変化を検出した場合に、他装置に対して自装置の変化情報に情報種別と自装置IDを付加してブロードキャスト通知する情報発信部と、
他装置からの前記ブロードキャスト通知を受信する情報受信部と、
前記情報受信部で受信した前記ブロードキャスト通知に付加された前記情報種別を読み取り、前記情報種別が予め設定された自装置の担当情報種別であるか否かを判別する情報判別部と、
前記情報種別が自装置の担当情報種別である場合は前記変化情報を読み取って前記データベースの情報を更新する情報更新部と
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記情報種別は、設定情報,操作ログ情報,警報ログ情報,故障履歴情報および統計情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信装置において、
前記複数の通信装置が担当する情報種別は、同一の情報種別について2台以上の通信装置が担当するように設定することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
ネットワーク接続された複数の通信装置と、複数の情報種別で構成される前記通信装置の装置情報を監視制御するための制御端末との間に配置される監視制御網接続装置において、
前記複数の情報種別の中から予め設定された特定の情報種別に関する装置情報をデータベースとして保持する通信装置のアドレスおよび装置IDを接続情報テーブルに記憶する接続情報管理部と、
前記制御端末から前記特定の情報種別に関する装置情報の要求メッセージを受信する要求受信部と、
前記要求メッセージに付加された前記特定の情報種別に関する装置情報をデータベースとして保持する通信装置のアドレスを前記接続情報テーブルを参照して前記要求メッセージを転送する要求転送部と、
前記通信装置から受信する前記特定の情報種別に関する装置情報を含む応答メッセージを受信する応答受信部と、
前記応答メッセージを要求元の前記制御端末に転送する応答転送部と
を有することを特徴とする監視制御網接続装置。
【請求項5】
請求項4に記載の監視制御網接続装置において、
前記接続情報管理部は、前記通信装置のデータベースにアクセス可能であるか否かを示す情報を前記接続情報テーブルに記憶し、
前記要求転送部は、前記要求メッセージに付加された前記特定の情報種別に関する装置情報をデータベースとして保持する通信装置のアドレスを前記接続情報テーブルを参照する際に、当該通信装置がアクセス不能である場合は、前記要求メッセージに付加された前記特定の情報種別と同一の情報種別に関する装置情報をデータベースとして保持するアクセス可能な通信装置のアドレスを選択して前記要求メッセージを転送する
ことを特徴とする監視制御網接続装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の監視制御網接続装置において、
前記データベースに保持される装置情報の情報種別は、設定情報,操作ログ情報,警報ログ情報,故障履歴情報および統計情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする監視制御網接続装置。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか一項に記載の監視制御網接続装置において、
前記少なくとも1台の制御端末のルーティング情報を保持するルーティングテーブルと、
前記通信装置から送信される警報情報を含むSNMP対応のTrapメッセージを受信する警報受信部と、
前記接続情報テーブルを参照して前記Trapメッセージの送信元アドレスから前記通信装置の装置IDを割り出し、前記装置IDと前記警報情報とを対応付けた警報メッセージを作成して前記ルーティングテーブルに保持された全ての制御端末に送信する警報送信部と
を更に設けたことを特徴とする監視制御網接続装置。
【請求項8】
請求項4から6のいずれか一項に記載の監視制御網接続装置であって、前記通信装置が自装置の変化を検出した際に、他装置に対して自装置の変化情報に情報種別と自装置IDを付加してブロードキャスト通知する前記通信装置を収容する監視制御網接続装置において、
前記少なくとも1台の制御端末のルーティング情報を保持するルーティングテーブルと、
前記通信装置からブロードキャスト通知される変化情報の情報種別が警報である場合に、前記ルーティングテーブルを参照して全ての制御端末に前記警報を送信する警報送信部と
を更に設けたことを特徴とする監視制御網接続装置。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置と、請求項4から8のいずれか一項に記載の監視制御網接続装置とを備えることを特徴とする監視サーバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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