説明

監視サービスシステム及び小型基地局

【課題】徘徊者などの監視対象者を迅速かつ確実に保護することができる監視サービスシステムを提供する。
【解決手段】本発明の監視サービスシステムは、監視対象の携帯端末102が小型基地局103の通信エリア内に存在するか否かを判定する判定手段211と、予め登録された別の携帯端末101が小型基地局103の通信エリア内に存在するか否かを判定する判定手段212と、監視対象者が保護されたかを確認する確認手段213を備える。判定手段211及び判定手段212の判定結果により、携帯端末102と携帯端末101が同じ通信エリア内に存在した場合は、携帯端末101に対して携帯端末102の所有者の存在を通知する(S204)、監視対象者の保護は登録者から関連施設への発信(S206)の有無により確認手段213で確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人の位置情報を携帯電話端末と基地局装置によって構成されるセルラネットワークを介して管理センターに通知し、携帯電話端末を保有する個人の位置情報を遠隔監視するサービスに係わり、特に携帯電話端末を保有する個人が徘徊者等の監視対象者となった場合に管理センターの指示に基づいて監視対象者の位置を検出し、迅速かつ確実に監視対象者の保護を行うことが出来る監視サービスシステム及び小型基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の監視サービスシステムとして、携帯電話端末にGPS(Global Positioning System)受信機を有し、GPSを用いて取得した端末の位置情報を管理サーバに通知するように構成したものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
図6は、特許文献1に係る監視サービスシステムの概略構成図である。図6に示すように、特許文献1に係る監視サービスシステムは、監視対象者の所有するGPS受信機能付携帯端末601と、GPS衛星602と、前記GPS受信機能付携帯端末601と通信をおこなう基地局603と、基地局603の制御を行うホストコンピュータ104とを備えている。そして、前記ホストコンピュータ104はインターネット等の公共ネットワーク105を介して監視対象者の保護の依頼、および最終的な保護を行う関連施設106と接続されるように構成されている。
【0003】
次に、特許文献1に係る監視サービスシステムについて、その動作を、図6を用いて説明する。
【0004】
図6に示すように、監視対象者のGPS受信機能付携帯端末601はGPS衛星602からの信号を用いて、監視対象者の位置情報を検知する。検知された位置情報はGPS受信機能付携帯端末601と接続された基地局603を介して、ホストコンピュータ104に通知される。ホストコンピュータ104に通知された位置情報は公共ネットワーク105を介して関連施設106へ通知される。
【0005】
この発明によれば、GPSを用いて検知した位置情報を用いて、監視対象者の所在を監視することができ、監視対象者に緊急事態が発生した場合は、監視対象者の位置を関連施設へ通知することができる。
【0006】
また、この種の監視サービスシステムとして、図7に示すように近距離の通信エリアを有する小型基地局と、小型基地局の通信エリアと識別番号を記録したデータベースとを具備し、監視対象者が所有する無線端末と通信を行った無線基地局の識別番号と、前記データベースに記憶された情報から無線端末の位置情報を検知するように構成したものが知られている。(例えば、特許文献2参照)
図7は、特許文献2に係る監視サービスシステムの概略構成図である。図7に示すように、特許文献2に係る監視サービスシステムは、監視対象者の所有する携帯端末102と、前記携帯端末102と通信を行い、かつ近距離の通信エリアを有する小型基地局701、702、703と、前記小型基地局701、702、703の制御を行うホストコンピュータ104と、前記小型基地局701、702、703の識別番号と位置情報を対応付けて記憶するデータベース704を備えている。そして、前記ホストコンピュータ104はインターネット等の公共ネットワーク105を介して監視対象者の保護の依頼、および最終的な保護を行う関連施設106と接続されるように構成されている。
【0007】
次に、特許文献2に係る監視サービスシステムについて、その動作を、図7を用いて説明する。
【0008】
図7に示すように、監視対象者の携帯端末102がある小型基地局(本例では小型基地局702)の通信エリアに入った場合、小型基地局702は識別情報をホストコンピュータ104へ通知する。ホストコンピュータ104は前記小型基地局702の識別情報とデータベース704の照合を行い、小型基地局702の位置情報を監視対象者の位置情報として検知する。検知された位置情報は公共ネットワーク105を介して関連施設106へ通知される。
【0009】
この発明によれば、例えばGPS等による位置情報の取得が不可能な屋内においても、端末所有者の所在を確認することができ、監視対象者に緊急事態が発生した場合は、監視対象者の位置を関連施設へ通知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−224674号公報
【特許文献2】特開2004−328092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載されたものでは、前述したように端末の位置取得にGPSを利用しており、GPSによる位置情報の取得が不可能な屋内や地下に監視対象者が存在した場合には、監視対象者の所在を確認できないという問題があった。
【0012】
また、特許文献2に記載されたものは、屋内においても監視対象者の所在の確認が可能であるが、時間の経過によって監視対象者が監視エリア外に移動した場合についての考慮がなされておらす、監視対象者を確実に保護することができないという問題があった。
【0013】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、監視対象者を確実に保護できる監視サービスシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の監視サービスシステムは、登録者の所有する登録者端末と、監視対象者の保有する監視対象端末と、前記登録者端末と監視対象端末と通信を行う小型基地局と、前記小型基地局に対して前記監視対象端末の識別番号を通知する監視管理装置とを備え、前記監視管理装置は前記登録者端末に監視対象者の保護の依頼を行い、前記登録者端末は監視対象者の保護を確認した情報を前記小型基地局を介して関連施設へ通知する監視サービスシステムであって、
監視対象者の端末識別情報を前記小型基地局に通知する第1の通知手段を備える監視管理装置と、
前記監視対象者端末が通信エリア内に存在するか否かを判定する第1の判定手段と、前記監視対象者の端末識別情報と予め登録された前記登録者端末の識別番号を照合して、前記登録者端末が通信エリア内に存在するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段および前記第2の判定手段の判定結果により、監視対象端末と登録者端末が同じ通信エリア内に存在した場合は、前記登録者端末に対して監視対象端末の所有者の存在を通知する第2の通知手段と、監視対象者の保護を確認した情報を前記登録者端末から受信する確認手段を備えた小型基地局とからなり、
前記確認手段は、監視対象者の保護を確認した情報を前記関連施設へ通知することを特徴とする。
【0015】
この構成により、本発明の監視サービスシステムは、登録者に対して近くに存在する監視対象者の保護を依頼するができ、視対象者の迅速な保護を実現することができる。
【0016】
また、前記確認手段は、前記登録者端末から前記小型基地局へ発信があった場合に監視対象者が保護されたことを確認することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、本発明の監視サービスシステムは、登録者の携帯端末から連絡先への発信があった場合に監視対象者が保護されたことを認識することができ、監視対象者の確実な保護を実現することができる。
【0018】
また、前記確認手段は、所定期間内に前記登録者端末から前記小型基地局へ発信がなかった場合は監視対象者が保護されていないと認識することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、本発明の監視サービスシステムは、登録者が監視対象者を保護できない状況にあった場合に、監視対象者が保護されていないことを確認でき、監視対象者の確実な保護を実現できる。
【0020】
また、前記監視装置は、前記第1の判定手段および前記第2の判定手段の判定結果により、監視対象端末と登録者端末が同じ通信エリア内に存在しない場合、および、前記確認手段により監視対象者が保護されていないと認識した場合は、他の小型基地局に対して監視対象者の情報を通知する転送手段を備えることを特徴とする。
【0021】
この構成により、本発明の監視サービスシステムは、登録者が監視対象者の近くに存在しなかった場合、および、登録者が何らかの理由で監視対象者を保護できなかった場合においても、他の小型基地局の登録者に対して監視対象者の保護を依頼することができるので、監視対象者の迅速な保護を実現することができる。
【0022】
本発明に係る小型基地局は、前記監視対象者端末が通信エリア内に存在するか否かを判定する第1の判定手段と、前記監視管理装置から通知された監視対象者の端末識別情報と予め登録された前記登録者端末の識別番号を照合して、前記登録者端末が通信エリア内に存在するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段および前記第2の判定手段の判定結果により、監視対象端末と登録者端末が同じ通信エリア内に存在した場合は、前記登録者端末に対して監視対象端末の所有者の存在を通知する第2の通知手段と、監視対象者の保護を確認した情報を前記登録者端末から受信する確認手段を備え、前記確認手段は監視対象者の保護を確認した情報を関連施設へ通知することを特徴とする。
【0023】
この構成により、本発明の小型基地局は、登録者に対して近くに存在する監視対象者の保護を依頼するができ、視対象者の迅速な保護を実現することができる。
【0024】
また、前記確認手段は、前記登録者端末から前記小型基地局へ発信があった場合に監視対象者が保護されたことを確認することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、本発明の小型基地局は、登録者の携帯端末から連絡先への発信があった場合に監視対象者が保護されたことを認識することができ、監視対象者の確実な保護を実現することができる。
【0026】
また、前記確認手段は、所定期間内に前記登録者端末から前記小型基地局へ発信がなかった場合は監視対象者が保護されていないと認識することを特徴とする。
【0027】
の構成によれば、本発明の小型基地局は、登録者が監視対象者を保護できない状況にあった場合に、監視対象者が保護されていないことを確認でき、監視対象者の確実な保護を実現できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の監視サービスシステム及び小型基地局によれば、登録者に対して近くに存在する監視対象者の保護を依頼するができ、登録者が監視対象者の近くに存在しなかった場合においても、他の小型基地局の登録者に対して監視対象者の保護を依頼することができるので、監視対象者の迅速な保護を実現することができる。
【0029】
また、本発明の監視サービスシステム及び小型基地局によれば、携帯端末から連絡先への発信があった場合に監視対象者が保護されたことを確認することができ、登録者が監視対象者を保護できない状況にあった場合でも、他の小型基地局の登録者に対して監視対象者の保護を依頼することができるので、監視対象者の確実な保護を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態1における監視サービスシステムの概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1における監視サービスシステムの動作を説明するフロー図
【図3】本発明の実施の形態2、および実施の形態3における監視サービスシステムの概略構成図
【図4】本発明の実施の形態2における監視サービスシステムの動作を説明するフロー図
【図5】本発明の実施の形態3における監視サービスシステムの動作を説明するフロー図
【図6】従来の監視サービスシステムの概略構成図
【図7】従来の監視サービスシステムの概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態1における監視サービスシステムの概略構成図、図2は、同監視サービスシステムの動作を説明するフローチャートである。
【0033】
本発明に実施の形態1における監視サービスシステムは、図1に示すように、登録者の所有する携帯端末101と、監視対象者の保有する携帯端末102と、前記携帯端末101と携帯端末102と通信をおこなう小型基地局103と、小型基地局103に対して携帯端末の識別番号を通知するホストコンピュータ(請求項記載の監視管理装置)104とを備えている。そして、前記ホストコンピュータ104はインターネット等の公共ネットワーク105を介して監視対象者の保護の依頼、および最終的な保護を行う関連施設106と接続されるように構成されている。
【0034】
次に、本実施の形態1について、その動作を、図2を用いて説明する。
【0035】
図2に示すように、関連施設106からホストコンピュータ104へ監視対象者の捜索依頼が通知されると(S201)、ホストコンピュータ104は小型基地局103へ監視対象者が所有する携帯端末102の識別番号を通知する(S202)。
【0036】
監視対象者の携帯端末102が小型基地局103の通信エリアに入った場合、監視対象者の携帯端末102は小型基地局103への接続を試み、このとき監視対象者の携帯端末102の識別番号を小型基地局103へ通知する(S203)。
【0037】
小型基地局103に監視対象者の携帯端末102の識別番号が通知されると、判定手段211は、監視対象者の携帯端末102の識別番号とホストコンピュータ104から通知された端末識別番号との照合を行い、前記2つの識別番号が一致した場合に判定手段212を実施する。
【0038】
判定手段212は、あらかじめ登録されている登録者の携帯端末101が小型基地局103の通信エリア内に存在するかを確認し、登録者の携帯端末101が小型基地局103の通信エリアに存在する場合は、関連施設106への連絡先と共に、監視対象者の保護依頼を登録者の携帯端末101へ通知する。(S204)
監視対象者の保護依頼通知を受けた登録者が監視対象者を保護した後(S205)、登録者の携帯端末101から関連施設106への発信が行われる(S206)。登録者の携帯端末101から関連施設106への発信が行われた場合、小型基地局103の確認手段213は、監視対象者が保護されたことを認識し関連施設106へ通知する(S207)。監視対象者の保護を通知された関連施設106は監視対象者の保護を行う(S208)。
【0039】
このように、本実施の形態1によれば、監視対象者の携帯端末102と登録者の携帯端末101が
小型基地局103の通信エリア内に同時に存在することを検知して登録者に対して監視対象者の一時的な保護を依頼することができ、さらに登録者による監視対象者の保護を確認することができるため、関連施設106からの監視対象者の保護に時間を要したとしても、監視対象者を迅速かつ確実に保護することができる。
【0040】
なお、本実施の形態では、監視対象者の保護依頼の通知(S204)において、関連施設106への連絡先と、監視対象者の保護依頼を通知する構成としているが、登録者が監視対象者を識別しやすいように容姿などの情報を同時に通知するように構成にすることもできる。
【0041】
また、本実施の形態では、判定手段211と、判定手段212と確認手段213とを小型基地局103に実装する構成としているが、前記の判定手段のすべて、または一部をホストコンピュータ104に実装する構成にすることもできる。
【0042】
また、小型基地局103は一般的に登録者の携帯端末101以外の通信を許可しない構成で運用する場合が考えられるが、ホストコンピュータ104から小型基地局103へ監視対象者が所有する携帯端末102の識別番号が通知された時点(S202)で、監視対象者が所有する携帯端末102の通信を緊急通信として許可する構成にすることもできる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態2における監視サービスシステムの概略構成図、図4は同監視サービスシステムの動作を説明するフローチャートである。
【0044】
本発明に実施の形態2における監視サービスシステムは、図3に示すように、実施の形態1で説明した登録者Aが所有する小型基地局103とは別の登録者Bが所有する小型基地局301と、小型基地局301に登録された登録者Bの所有する携帯端末302とを追加していること、および、小型基地局301がホストコンピュータ104に接続されていること以外は、実施の形態1と同じ構成であるため詳細な説明は省略する。
【0045】
次に、本実施の形態2について、その動作を、図4を用いて説明する。
【0046】
図4に示すように、関連施設106からホストコンピュータ104へ監視対象者の捜索依頼(S401)が通知されると、ホストコンピュータ104は小型基地局103、および小型基地局301へ監視対象者が所有する携帯端末102の識別番号を通知する(S402)。
【0047】
監視対象者の携帯端末102が小型基地局103の通信エリアに入った場合、監視対象者の携帯端末102は小型基地局103への接続を試み、このとき監視対象者の携帯端末102の識別番号を小型基地局103へ通知する(S403)。
【0048】
小型基地局103に監視対象者の携帯端末102の識別番号が通知されると、判定手段411は、監視対象者の携帯端末102の識別番号とホストコンピュータ104から通知された端末識別番号との照合を行い、前記2つの識別番号が一致した場合に判定手段412を実施する。判定手段412は、あらかじめ登録されている登録者の携帯端末101が小型基地局103の通信エリア内に存在するかを確認し、登録者の携帯端末101が小型基地局103の通信エリアに存在しない場合は、小型基地局103を識別するため識別番号と共に、ホストコンピュータへ登録者が不在であることを通知する。(S404)
小型基地局103からの登録者不在通知を受けた場合、ホストコンピュータ104は転送手段413を実施する。転送手段413は、小型基地局103の識別番号に基づいて小型基地局103の周辺にある別の小型基地局301へ監視対象者の情報を転送する(S405)。
【0049】
監視対象者の情報を転送された小型基地局301は、判定手段414を実施する。
【0050】
判定手段414は、あらかじめ登録されている登録者Bの携帯端末302が小型基地局301の通信エリア内に存在するかを確認し、登録者Bの携帯端末302が小型基地局301の通信エリアに存在する場合は、関連施設106への連絡先と共に、監視対象者の保護依頼を登録者Bの携帯端末302へ通知する。(S406)
監視対象者の保護依頼通知を受けた登録者Bが監視対象者を保護した後(S407)、登録者Bの携帯端末302から関連施設106への発信が行われる(S408)。登録者Bの携帯端末302ら関連施設106への発信が行われた場合、小型基地局301の確認手段415は、監視対象者が保護されたことを認識し関連施設106へ通知する(S409)。監視対象者の保護を通知された関連施設106は監視対象者の保護を行う(S410)。
【0051】
このように、本実施の形態2によれば、監視対象者の携帯端末102と登録者Aの携帯端末101が小型基地局103の通信エリア内に同時に存在しない場合には、別の小型基地局301に登録されている登録者Bに対して監視対象者の一時的な保護を依頼することができるため、関連施設106からの監視対象者の保護に時間を要したとしても、監視対象者を迅速かつ確実に保護することができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、監視対象者の保護依頼通知(S406)において、関連施設106への連絡先と、監視対象者の保護依頼を通知する構成としているが、登録者が監視対象者を識別しやすいように容姿などの情報を同時に通知するように構成にすることもできる。
【0053】
また、本実施の形態では、判定手段411と、判定手段412を小型基地局103に実装する構成とし、判定手段414と、確認手段415を小型基地局301に実装する構成としているが、前記の判定手段のすべて、または一部をホストコンピュータ104に実装する構成にすることもできる。
【0054】
また、小型基地局103は一般的に登録者Aの携帯端末101以外の通信を許可しない構成で運用し、小型基地局301は一般的に登録者Bの携帯端末302以外の通信を許可しない構成で運用する場合が考えられるが、ホストコンピュータ104から小型基地局103、および小型基地局301へ監視対象者が所有する携帯端末102の識別番号が通知された時点(S402)で、監視対象者が所有する携帯端末102の通信を緊急通信として許可する構成にすることもできる。
【0055】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
【0056】
図5は、本発明の実施の形態3における同監視サービスシステムの動作を説明するフローチャートである。なお、本発明の実施の形態2における監視サービスシステムの概略構成図は実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
【0057】
次に、本実施の形態3について、その動作を、図5を用いて説明する。
【0058】
図5に示すように、関連施設106からホストコンピュータ104へ監視対象者の捜索依頼(S501)が通知されると、ホストコンピュータ104は小型基地局103、および小型基地局301へ監視対象者が所有する携帯端末102の識別番号を通知する(S502)。
【0059】
監視対象者の携帯端末102が小型基地局103の通信エリアに入った場合、監視対象者の携帯端末102は小型基地局103への接続を試み、このとき監視対象者の携帯端末102の識別番号を小型基地局103へ通知する(S503)。
【0060】
小型基地局103に監視対象者の携帯端末102の識別番号が通知されると、判定手段521は、監視対象者の携帯端末102の識別番号とホストコンピュータ104から通知された端末識別番号との照合を行い、前記2つの識別番号が一致した場合に判定手段522を実施する。
【0061】
判定手段522は、あらかじめ登録されている登録者Aの携帯端末101が小型基地局103の通信エリア内に存在するかを確認し、登録者Aの携帯端末101が小型基地局103の通信エリアに存在する場合は、関連施設106への連絡先と共に、監視対象者の保護依頼を登録者Aの携帯端末101へ通知する。(S504)
確認手段523は、あらかじめ登録されている登録者Aの携帯端末101から関連施設106への発信が所定時間を経過しても確認できなかった場合、登録者が不在であると判断して、小型基地局103を識別するため識別番号と共に、ホストコンピュータへ登録者が不在であることを通知する。(S505)
小型基地局103からの登録者不在通知を受けた場合、ホストコンピュータ104は転送手段524を実施する。転送手段524は、小型基地局103の識別番号に基づいて小型基地局103の周辺にある別の小型基地局301へ監視対象者の情報を転送する(S506)。
【0062】
監視対象者の情報を転送された小型基地局301は、判定手段525を実施する。判定手段525は、あらかじめ登録されている登録者の携帯端末302が小型基地局301の通信エリア内に存在するかを確認し、登録者の携帯端末302が小型基地局301の通信エリアに存在する場合は、関連施設106への連絡先と共に、監視対象者の保護依頼を登録者Bの携帯端末302へ通知する(S507)。監視対象者の保護依頼通知を受けた登録者Bが監視対象者を保護した後(S508)、登録者Bの携帯端末302から関連施設106への発信が行われる(S509)。登録者Bの携帯端末302から関連施設106への発信が行われた場合、小型基地局301の確認手段526は、監視対象者が保護されたことを認識し関連施設106へ通知する(S510)。監視対象者の保護を通知された関連施設106は監視対象者の保護を行う(S511)。
【0063】
このように、本実施の形態3によれば、監視対象者の携帯端末102と登録者の携帯端末101が小型基地局103の通信エリア内に同時に存在していたにもかかわらず、何らかの理由で携帯端末101の登録者が監視対象者の保護を実施できない場合には、別の小型基地局301に登録されている登録者に対して監視対象者の一時的な保護を依頼することができるため、関連施設106からの監視対象者の保護に時間を要したとしても、監視対象者を迅速かつ確実に保護することができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、監視対象者の保護依頼通知(S504,S507)において、関連施設106への連絡先と、監視対象者の保護依頼を通知する構成としているが、登録者が監視対象者を識別しやすいように容姿などの情報を同時に通知するように構成にすることもできる。
【0065】
また、本実施の形態では、判定手段521と、判定手段522と、確認手段523とを小型基地局103に実装する構成とし、判定手段525と、確認手段526を小型基地局301に実装する構成としているが、前記の判定手段のすべて、または一部をホストコンピュータ104に実装する構成にすることもできる。
【0066】
また、小型基地局103は一般的に登録者Aの携帯端末101以外の通信を許可しない構成で運用し、小型基地局301は一般的に登録者Bの携帯端末302以外の通信を許可しない構成で運用する場合が考えられるが、ホストコンピュータ104から小型基地局103、および小型基地局301へ監視対象者が所有する携帯端末102の識別番号が通知された時点(S502)で、監視対象者が所有する携帯端末102の通信を緊急通信として許可する構成にすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、監視対象者の携帯端末と登録者の携帯端末が小型基地局の通信エリア内に同時に存在するかを判定する判定手段と、登録者に対して監視対象者の保護を依頼する通知手段と、別の小型基地局の登録者に対して保護の依頼を転送する転送手段と、登録者の携帯端末から関連施設への発信に基づいて監視対象者の保護の有無を確認する確認手段とを備え、
監視対象者の携帯端末と登録者の携帯端末が小型基地局の通信エリア内に同時に存在する場合は、登録者に対して監視対象者の保護を依頼することができ、
監視対象者の携帯端末と登録者の携帯端末が小型基地局の通信エリア内に同時に存在しない場合は、別の小型基地局に登録されている登録者に対して監視対象者の保護を依頼することができ、
監視対象者の携帯端末と登録者の携帯端末が小型基地局の通信エリア内に同時に存在する場合において、何らかの理由により登録者が監視対象者の保護を実施できない場合でも、別の小型基地局に登録されている登録者に対して監視対象者の保護を依頼することができる。
【0068】
したがって、監視対象者の迅速かつ確実な保護が可能となるため、例えば徘徊老人の保護システムなどに有用である。
【符号の説明】
【0069】
101 携帯端末
102 携帯端末
103 小型基地局
104 ホストコンピュータ(監視管理装置)
105 公共ネットワーク
106 関連施設
211 判定手段
212 判定手段
213 確認手段
301 小型基地局
302 携帯端末
411,412,414 判定手段
413 転送手段
415 確認手段
521,522,525 判定手段
523,526 確認手段
524 転送手段
601 GPS受信機能付携帯端末
602 GPS衛星
603 基地局
701,702 小型基地局
704 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録者の所有する登録者端末と、監視対象者の保有する監視対象端末と、前記登録者端末と監視対象端末と通信を行う小型基地局と、前記小型基地局に対して前記監視対象端末の識別番号を通知する監視管理装置とを備え、前記監視管理装置は前記登録者端末に監視対象者の保護の依頼を行い、前記登録者端末は監視対象者の保護を確認した情報を前記小型基地局を介して関連施設へ通知する監視サービスシステムであって、
監視対象者の端末識別情報を前記小型基地局に通知する第1の通知手段を備える監視管理装置と、
前記監視対象者端末が通信エリア内に存在するか否かを判定する第1の判定手段と、前記監視対象者の端末識別情報と予め登録された前記登録者端末の識別番号を照合して、前記登録者端末が通信エリア内に存在するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段および前記第2の判定手段の判定結果により、監視対象端末と登録者端末が同じ通信エリア内に存在した場合は、前記登録者端末に対して監視対象端末の所有者の存在を通知する第2の通知手段と、監視対象者の保護を確認した情報を前記登録者端末から受信する確認手段を備えた小型基地局とからなり、
前記確認手段は、監視対象者の保護を確認した情報を前記関連施設へ通知することを特徴とする監視サービスシステム。
【請求項2】
前記確認手段は、前記登録者端末から前記小型基地局へ発信があった場合に監視対象者が保護されたことを確認することを特徴とする請求項1記載の監視サービスシステム。
【請求項3】
前記確認手段は、所定期間内に前記登録者端末から前記小型基地局へ発信がなかった場合は監視対象者が保護されていないと認識することを特徴とする請求項1記載の監視サービスシステム。
【請求項4】
前記第1の判定手段および前記第2の判定手段の判定結果により、監視対象端末と登録者端末が同じ通信エリア内に存在しない場合、および、前記確認手段により監視対象者が保護されていないと認識した場合は、他の小型基地局に対して監視対象者の情報を通知する転送手段を監視管理装置に備えていることを特徴とする請求項1記載の監視サービスシステム。
【請求項5】
前記監視対象者端末が通信エリア内に存在するか否かを判定する第1の判定手段と、前記監視管理装置から通知された監視対象者の端末識別情報と予め登録された前記登録者端末の識別番号を照合して、前記登録者端末が通信エリア内に存在するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段および前記第2の判定手段の判定結果により、監視対象端末と登録者端末が同じ通信エリア内に存在した場合は、前記登録者端末に対して監視対象端末の所有者の存在を通知する第2の通知手段と、監視対象者の保護を確認した情報を前記登録者端末から受信する確認手段を備え、
前記確認手段は、監視対象者の保護を確認した情報を前記関連施設へ通知することを特徴とする小型基地局。
【請求項6】
前記確認手段は、前記登録者端末から前記小型基地局へ発信があった場合に監視対象者が保護されたことを確認することを特徴とする請求項5記載の小型基地局。
【請求項7】
前記確認手段は、所定期間内に前記登録者端末から前記小型基地局へ発信がなかった場合は監視対象者が保護されていないと認識することを特徴とする請求項5記載の小型基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−191395(P2012−191395A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52668(P2011−52668)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】