説明

監視操作装置および監視制御システム

【課題】操作員の作業を軽減するための通常操作の自動化を設計者によらずに操作員が容易に行い得る監視操作装置を提供する。
【解決手段】監視操作装置21は、監視操作のための入力操作を受け付ける入力部55が受け付けた入力操作に対応した指令を制御装置側へ出力する操作入力部46と、複数ステップを有するユーザの入力操作に対応した指令を操作入力部46に与えるための指令を定義したユーザスクリプトを保存するデータベース50と、ユーザスクリプトの編集要求を受け付けて編集要求に対応した編集を行うユーザスクリプト編集部47と、実行したいユーザスクリプトの選択要求を受け付けて選択要求に対応したユーザスクリプトで定義される指令を操作入力部46に与えるユーザスクリプト選択部48を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は制御対象を監視する監視制御システムおよび監視操作装置に係り、特に、設計者がシステムを変更すること無しに操作員が容易に通常操作を自動化することができる監視制御システムおよび監視操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の監視制御システムは、制御対象である機器について制御する制御装置(CNT)、エンジニアリング装置(IES)、操作員が監視、操作する監視操作装置(OPS)が制御ネットワークを介して相互に接続される。
【0003】
そして、制御装置はエンジニアリング装置から配信された制御ロジックに従い制御対象である機器の制御を行う。また。監視操作装置はエンジニアリング装置から配信された画面データベースを使用し、操作員に監視操作を行うための画面および操作手段を提供する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−199528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の監視制御システムでは、操作員が日常行っている操作を自動化したい場合、以下の(1)〜(3)のような手順が必要となる。
【0006】
(1)エンジニアリング装置上で操作員が操作の際に利用する画面(グラフィカルユーザインターフェイス:GUI)において、操作員の手順を実施することができるスクリプトを有するインターフェイス(例えば、GUIを提供する画面に表示される実施要求ボタン)を設計し、画面上に配置し画面データベースを更新する。
(2)エンジニアリング装置から各監視操作装置へ画面データベースを配信する。
(3)監視操作装置の再起動(データベース配信時や新しいデータベースを当該監視操作装置に作用させる場合は、一般に監視操作装置の機能を停止/再開や当該監視操作装置の再起動などの操作が必要である)。
【0007】
上記のような一連の改造作業は、設計者の仕事であり、監視操作を行う一般操作員には許されていないのが一般的である。
【0008】
しかしながら、上述したような従来の監視制御システムおよび監視操作装置では、操作員の通常操作を自動化したい場合においても、設計時相当の作業やスキルを持った設計者が必要であり、かつ、システムを一時的にストップさせる必要があるため、操作員の作業自動化などは安易に行うことができないという課題があった。
【0009】
そこで、本発明は、操作員の作業を軽減するための通常操作の自動化を設計者によることなく操作員が容易に行い得る監視操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る監視操作装置は、上述した課題を解決するため、監視操作のための入力操作を受け付ける入力部と、この入力部が受け付けた入力操作に対応した指令を監視制御対象を制御する制御装置側へ出力する操作入力部とを備える監視制御システムに適用される監視操作装置において、複数ステップを有する入力操作に対応した指令を前記操作入力部に与えるための操作指令を定義したユーザスクリプトを保存するユーザスクリプトデータベースと、このユーザスクリプトの新規作成、内容の更新、保存および削除の何れかを含む編集要求を受け付けるユーザスクリプト編集要求入力部と、このユーザスクリプト編集要求入力部が受け付けた編集要求に対応した編集を行うユーザスクリプト編集部と、実行したいユーザスクリプトが前記ユーザスクリプトデータベースに格納される何れのユーザスクリプトであるかの選択要求を受け付けるユーザスクリプト選択要求入力部と、このユーザスクリプト選択要求入力部が受け付けたユーザスクリプトで定義される入力操作に対応した指令を前記操作入力部に与えるユーザスクリプト選択部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る監視制御システムは、上述した課題を解決するため、上記の監視制御装置を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来、必要であった設計者が行っていた作業を排除し、監視操作装置を操作する操作員が容易に監視操作装置の機能を止めることなく操作の自動化(ユーザスクリプトの編集)を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る監視制御システムのシステム構成を示すブロック図。
【図2】第1の監視操作装置の装置構成を示すブロック図。
【図3】第1の監視操作装置の操作入出力画面の一例および操作の入出力との関係を示す説明図。
【図4】第1の監視操作装置のユーザスクリプト編集用画面の一例であり、(a)はユーザスクリプト編集用初期画面の一例、(b)はユーザスクリプト編集用本画面の一例を説明する説明図。
【図5】第1の監視操作装置のユーザスクリプト/デバッグ選択GUIの一例を説明する説明図。
【図6】第1の監視操作装置に格納されるユーザスクリプトDBのデータ構成を示した説明図。
【図7】第1の監視操作装置のデバッグGUIを提供する画面の一例である第1のデバッグ用画面を示した説明図。
【図8】第1の監視操作装置のデバッグGUIを提供する画面の一例である第2のデバッグ用画面を示した説明図。
【図9】第1の監視操作装置のデバッグGUIを提供する画面の一例である第1のデバッグ用画面のスクリプト表示エリアに表示されるスクリプトの内容の一例を示す説明図。
【図10】第1の監視操作装置のデバッグGUIを提供する画面の一例である第1のデバッグ用画面のログ表示エリアに表示されるログの内容の一例を示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る監視制御システムおよび監視操作装置の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る監視制御システムの一例であり、監視制御システム10の構成を概略的に示すブロック図である。
【0016】
監視制御システム10は、機器を含む制御対象11を監視し制御するシステムであり、エンジニアリング装置12と、監視操作装置20(21〜2n)と、制御装置30(31〜3m)と、を具備し、それぞれ、エンジニアリング装置12、監視操作装置20および制御装置30は、制御ネットワーク15を介して相互に接続される。
【0017】
エンジニアリング装置12は、システム設計者がシステムの設計または設計変更時に操作する装置であり、設計者の操作によって、制御装置30の制御ロジックや監視操作装置20の入出力インターフェイスが設定される。エンジニアリング装置12は、制御装置30の制御ロジックの編集および配信機能と、監視操作装置20に表示させる情報(表示画面の情報)の編集および配信機能とを有し、制御装置30へ制御ロジックを配信する一方、監視操作装置20へは表示画面の情報を配信する。
【0018】
監視操作装置20は、制御対象11を制御するための入力操作を行うオペレータ(操作員)が操作する装置であって、例えばn(nは自然数)台の同様の機能を有する監視操作装置21〜2nを備えて構成される。すなわち、監視操作装置21〜2nは、実質的構成が同じ装置である。また、制御装置30は、制御対象11を制御する装置であり、例えばm(mは自然数)台の同様の機能を有する制御装置31〜3mを備えて構成される。
【0019】
図2は、監視制御システム10が具備する監視操作装置20の一例として、第1の監視操作装置21の構成を概略的に示すブロック図である。
【0020】
第1の監視操作装置21は、例えば、コンピュータ、キーボードやマウス等の入力装置および表示装置(何れも図において省略。以下同様とする。)を用いて実現されるものであり、具体的な構成としては、画面データベース(以下、データベースをDBと省略する。)41、画面表示処理部42、命令解釈実行部43、命令送受信部44、操作出力部45、操作入力部46、ユーザスクリプト編集部47、ユーザスクリプト選択部48、ユーザスクリプトデバッグ処理部49、ユーザスクリプトDB50、ユーザスクリプト送受信部51および表示装置に表示される画面によって提供されるグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)55,56,57,58を備える。
【0021】
画面DB41は、エンジニアリング装置12で設計者によって設計(編集)された第1の監視操作装置21に表示させる画面の情報をデータベース化したものであり、エンジニアリング装置12から配信され保存される。例えば、画面DB41には、後述する図3に示される画面A61を表示するための画面データが存在しており操作員に必要な描画情報や操作情報も含まれている。
【0022】
画面表示処理部42は、画面DB41に格納される特定の画面の情報を取り出して、取り出した情報を表示装置に出力する機能を有し、表示装置に操作入出力画面(操作入出力GUI)55を表示させることができる。また、画面表示処理部42は、命令解釈実行部43から指示された信号を表示装置に出力する機能を有し、当該機能によって、命令解釈実行部43から指示された信号を操作入出力画面55に表示する。
【0023】
命令解釈実行部43は、画面DB41に格納される各画面情報に基づき表示される画面に含まれるスクリプトを解釈し、解釈実行結果に従い、命令送受信部44から信号を取り出すこと、命令送受信部44へ信号を受け渡すこと、画面表示処理部42に画面表示指示や信号表示指示を出すこと、操作出力部45に画面操作指令を出すこと、操作入力部46から指示されたスクリプトを実行すること、ユーザスクリプト選択部48から受け取ったユーザスクリプトの内容を解釈すること、および、ユーザスクリプトデバッグ処理部49から指示されたスクリプトを実行すること、を含むスクリプトの解釈および実行に関わる処理を行う。
【0024】
命令送受信部44は、命令を送信および受信する機能(送受信機能)を有し、第1の監視操作装置21の外部機器である制御装置30側(図2に示される第1の監視操作装置21では第1の制御装置31)との信号の授受を行う。具体的には、命令解釈実行部43から受け取った信号を制御装置30側(図2に示される第1の監視操作装置21では第1の制御装置31)へ送る一方、制御装置30側から送信された信号を受け取り、命令解釈実行部43へ渡す。
【0025】
操作出力部45は、命令解釈実行部43から指示された画面操作指令を操作入出力画面55に伝える。また、操作入力部46は、操作員の操作入出力画面55に対する操作内容を、命令解釈実行部43、ユーザスクリプト編集部47、または、ユーザスクリプト選択部48へ伝える。
【0026】
ユーザスクリプト編集部47は、操作入出力画面により提供される操作入出力GUI55から操作入力部46に入力されたユーザスクリプト編集要求に基づき、編集要求のあったユーザスクリプトをユーザスクリプトDB50から取り出して表示装置にユーザスクリプト編集用画面を表示しユーザスクリプト編集GUI56をユーザに提供する。
【0027】
ここで、ユーザスクリプトとは、操作員等のユーザが、操作員が行う入力操作に対応する指令を操作入力部46に直接与えるための操作指令を定義したものである。つまり、ユーザはユーザスクリプトを選択すると、当該選択の入力操作のみで、ユーザスクリプトで定義された複数入力操作に対応した指令が自動的に操作入力部46へ送られる。これによって、ユーザは複数ステップを経る入力操作についてもユーザスクリプト選択の1ステップのみで行うことができる。
【0028】
また、ユーザスクリプト編集部47は、ユーザスクリプト編集GUI56を介してユーザスクリプトが編集された場合、編集結果をユーザスクリプトDB50へ書き込み、その内容を更新する。すなわち、ユーザスクリプト編集部47は、第1の監視操作装置21がオンラインの状態にて、操作員に画面操作用のユーザスクリプトを編集し保存させる機能を有する。尚、編集には、作成、変更、保存および削除を含むものとする。
【0029】
ユーザスクリプト選択部48は、操作入出力画面により提供される操作入出力GUI55から操作入力部46に入力されたユーザスクリプト選択要求に基づき、選択要求のあったユーザスクリプトをユーザスクリプトDB50から取り出して表示装置にユーザスクリプト/デバッグ選択画面を表示しユーザスクリプト/デバッグ選択GUI57をユーザに提供する。
【0030】
ユーザスクリプト選択部48は、ユーザスクリプト/デバッグ選択GUI57を介してユーザスクリプトの選択、または、ユーザスクリプトのデバッグの何れかの要求を受け取り、ユーザスクリプトの選択要求である場合、ユーザスクリプトの選択要求を命令解釈実行部43へ送る。また、デバッグの選択要求である場合、デバッグ用画面を表示しデバッグGUI58をユーザに提供する。
【0031】
ユーザスクリプトデバッグ処理部49は、ユーザの入力操作によってデバッグGUI58から出力されるデバッグ要求を受け取り、指定されたユーザスクリプトのデバッグ処理を実行する。
【0032】
ユーザスクリプトDB50は、ユーザスクリプトの識別情報とユーザスクリプトの内容を示す情報とを関連付けて記録し格納する。このようにしてユーザスクリプトの情報をユーザスクリプトDB50に格納しておくことで、ユーザスクリプト編集部47がユーザスクリプトの識別情報をキーとして編集要求のあったユーザスクリプトの内容を抽出できるように図っている。
【0033】
ユーザスクリプト送受信部51は、ユーザスクリプトDB50に格納されるユーザスクリプトの変更発生を常に監視し、変更されたことを検出する機能と、ユーザスクリプトの送信および受信する機能(送受信機能)とを有する。ユーザスクリプト送受信部51は、ユーザスクリプトDB50の変更発生を常に監視し、ユーザスクリプトが変更されたことを検出すると、変更後のユーザスクリプトを他の監視制御装置(図2に示される例では第1の監視制御装置が変更を検出しているので第2〜nの監視制御装置22,・・・,2n)へ送信する。一方、他の監視制御装置(第2〜nの監視制御装置)22,・・・,2n内で同様に変更があった場合、変更後のユーザスクリプトを受信しユーザスクリプトの内容を更新する。すなわち、ユーザスクリプトDB50に格納されるユーザスクリプトの内容のうち受信したユーザスクリプトに対応するユーザスクリプトの内容を受信後の内容に反映する。
【0034】
GUI55,56,57,58は、表示装置に表示される画面によってユーザ(操作員)に提供されるマン・マシンインターフェイスである。すなわち、GUI55,56,57,58は、ユーザの入力操作を受け付ける入力手段および各処理部からの情報を表示したり印字出力したりして情報をユーザに提示する出力手段としての役割を担う。
【0035】
操作入出力画面により提供される操作入出力GUI55、ユーザスクリプト編集用画面により提供されるユーザスクリプト編集GUI56、ユーザスクリプト/デバッグ選択画面により提供されるユーザスクリプト/デバッグ選択GUI57およびデバッグ用画面により提供されるデバッグGUI58を備える。
【0036】
操作入出力GUI55は、後述する図3に一例として示されるような操作入出力画面によって提供される。操作入出力GUI55は、命令解釈実行部43から指示された画面操作指令を操作出力部45から受け取る一方、ユーザの入力操作に基づき処理実行要求を発生させ、発生させた処理実行要求を操作入力部46へ送る。
【0037】
ユーザスクリプト編集GUI56は、操作入力部46からユーザスクリプト編集要求を受け付けたユーザスクリプト編集部47が後述する図4に一例として示されるようなユーザスクリプト編集用画面を表示装置に表示することによって提供される。ユーザスクリプト編集GUI56は、ユーザからのユーザスクリプト編集要求を受け付ける入力手段であり、ユーザスクリプトを編集する旨を要求する操作入力を受け付けると、受け付けた操作に基づく処理実行要求を発生させてユーザスクリプト編集部47へ送る。
【0038】
ユーザスクリプト/デバッグ選択GUI57は、操作入力部46からユーザスクリプト選択要求を受け付けたユーザスクリプト選択部48が後述する図5に一例として示されるようなユーザスクリプト選択画面を表示装置に表示させることによって提供される。ユーザスクリプト/デバッグ選択GUI57は、ユーザスクリプト選択操作を受け付け、受け付けた選択操作に基づく処理実行要求を発生させてユーザスクリプト選択部48へ送る。
【0039】
デバッグGUI58は、ユーザスクリプト/デバッグ選択GUI57からユーザスクリプトのデバッグを実行する旨の操作を受け付けた場合にユーザスクリプト選択部48が後述する図7,8に一例として示されるようなデバッグ用画面を表示装置に表示することによって提供される。デバッグGUI58は、受け付けたユーザスクリプトのデバッグを実行したい旨の操作に基づく処理実行要求を発生させてユーザスクリプトデバッグ処理部49へ送る。
【0040】
尚、ユーザスクリプト編集GUI56、ユーザスクリプト/デバッグ選択GUI57およびデバッグGUI58の何れのGUI56,57,58についても、GUIを構成する画面をユーザの操作によって閉じることができ、画面が閉じた場合には、当該GUIを通じて行っている処理を終了する。すなわち、ユーザスクリプト編集画面を閉じた場合にはユーザスクリプトの編集処理、ユーザスクリプト/デバッグ選択画面を閉じた場合にはユーザスクリプトの実行またはデバッグの選択処理、デバッグ画面を閉じた場合にはユーザスクリプトのデバッグ処理を終了する。
【0041】
図3は、操作入出力GUI(操作入出力画面)55の一例を説明する説明図であり、操作入出力GUI55と操作出力部45および操作入力部46との関係を示した説明図である。
【0042】
操作入出力GUI(操作入出力画面)55は、少なくとも1以上の画面、例えば、画面A61と、画面B62と、画面A61と画面B62とに共通にスクリプトを編集または選択を可能とするための共通設定用画面63を有する。尚、画面A61および画面B62は、何れも実質的に異ならない画面構成であるので、以下の説明では画面A61について説明する。
【0043】
画面A61は、ユーザに対して制御対象11について監視制御状態を表示するための表示領域65と、エンジニアリング装置12を設計者が操作して予め所定の操作要求を割り当てた操作実行ボタン(第1のボタン66および第2のボタン67)と、予め作成したユーザスクリプトを選択する要求を割り当てたスクリプト選択ボタン68と、ユーザスクリプトを設定、変更、削除等の編集の要求を割り当てたスクリプト編集ボタン69とを有する。
【0044】
画面A61、画面B62、および、共通設定用画面63は、操作出力部45から画面操作指令を受け取ると、受け取った画面操作指令に応じて画面表示の内容が更新される。例えば、表示領域65に表示される制御対象11の監視制御状態としての信号イおよび信号ロの数値が更新される。
【0045】
一方、ユーザが画面A61に設定された第1のボタン66、第2のボタン67、スクリプト選択ボタン68、および、スクリプト編集ボタン69、並びに、共通設定用画面63の共通スクリプト選択ボタン70および共通スクリプト編集ボタン71を押す(クリックして選択する)と、当該ボタンに割り当てられた操作の実行要求が操作入力部46へ入力される。
【0046】
ここで、画面A61において、スクリプト選択ボタン68を押すと、画面A61において設定されたユーザスクリプトを選択する操作要求が操作入力部46に入力される。スクリプト編集ボタン69を押すと、画面A61において設定されたユーザスクリプトを編集する操作要求が操作入力部46に入力される。共通設定用画面63の共通スクリプト選択ボタン70を押すと、画面A61および画面B62等の複数の画面に亘ってなされる操作に対して設定されるユーザスクリプトを選択する操作要求が操作入力部46に入力される。共通スクリプト編集ボタン71を押すと、画面A61および画面B62等の複数の画面に亘ってなされる操作に対して設定されるユーザスクリプトを編集する操作要求が操作入力部46に入力される。
【0047】
次に、操作入出力GUI(操作入出力画面)55を用いて、操作員が通常行っている操作を簡易に自動化する場合の動作を説明する。
【0048】
上記の構成にて、監視操作装置20(第1の監視操作装置21〜第nの監視操作装置2n)がオンラインの状態において、操作員が画面A61におけるスクリプト編集ボタン69を押すと、画面A61を通じてユーザが行う動作(例えば画面A61に表示される第1のボタン66を押す)に対応する操作指令を操作入力部46へ出力するためのユーザスクリプトを編集する要求が操作入力部46へ出力され、さらに、操作入力部46からユーザスクリプト編集部47へ出力される。
【0049】
画面B62および共通設定用画面63等の画面A61以外の画面についても、画面A61の場合と実質的に同様の処理が実行される。すなわち、操作員が操作入出力画面に表示される画面B62におけるスクリプト編集ボタン69を押すと、画面B62を通じてユーザが行う動作(例えば画面B62に表示される第2のボタン67を押す)に対応する操作指令を操作入力部46へ出力するためのユーザスクリプトを編集する要求が最終的にユーザスクリプト編集部47に送られる。
【0050】
また、共通設定用画面63における共通スクリプト編集ボタン71を押すと、共通設定用画面63を通じてユーザが行う動作(例えば、画面A61に表示される第1のボタン66を押し、続いて、画面B62に表示される第2のボタン67を押す)に対応する操作指令を操作入力部46へ出力するためのユーザスクリプトを編集する要求が最終的にユーザスクリプト編集部47に送られる。
【0051】
ユーザスクリプト編集部47は、ユーザスクリプトを編集する操作要求を受け取ると、表示装置にユーザスクリプト編集GUI56を提供するユーザスクリプト編集用画面を表示させる。ユーザはユーザスクリプト編集GUI56を介してユーザスクリプトDB50に格納されるユーザスクリプトを編集することができる。
【0052】
図4は、ユーザスクリプト編集GUI(ユーザスクリプト編集用画面)56(56a,56b)の一例を説明する説明図であり、図4(a)はユーザスクリプト編集用初期画面56aの一例、図4(b)はユーザスクリプト編集用本画面56bの一例である。尚、図4(a)(b)に示されるユーザスクリプト編集用画面56a,56bは、図3に示される共通設定用画面63に対して設定されたユーザスクリプトを編集対象とした例である。
【0053】
ユーザスクリプト編集用初期画面56aは、編集対象として選択可能な第1のユーザスクリプト81〜第r(rは自然数)のユーザスクリプト8rを表示するユーザスクリプト編集対象選択欄81〜8rと、ユーザスクリプトの編集を行わずに作業を終了する要求をユーザスクリプト編集部47に出力する戻るボタン90と、ユーザスクリプト編集対象選択欄81〜8rで選択されたユーザスクリプトを編集するための画面(ユーザスクリプト編集用本画面)56bを呼び出す要求をユーザスクリプト編集部47に出力する編集ボタン91を有する。
【0054】
ユーザは、ユーザスクリプトを編集する際は、まず、ユーザスクリプト編集用初期画面56aから編集を行うユーザスクリプトをユーザスクリプト編集対象選択欄81〜8rから選択し、編集ボタン91を選択する。例えば、第1のユーザスクリプト81を選択し、編集ボタン91を選択すると、続いて、ユーザスクリプト編集用本画面56bが表示される。
【0055】
ユーザスクリプト編集用本画面56bは、編集対象となるユーザスクリプトの名称を表示するユーザスクリプト名称表示欄93と、ユーザスクリプトの内容を示すユーザスクリプト内容表示欄94と、ユーザスクリプトについて編集した内容を保存する要求を発生させる保存ボタン95とを有する。
【0056】
ユーザスクリプト編集用本画面56bの例は、共通設定用画面63の第1のユーザスクリプト81の内容を表示するもので、ユーザはユーザスクリプト内容表示欄94においてスクリプトを書き込む。ユーザスクリプト編集用本画面56bの例は、共通設定用画面63のユーザスクリプトに対するものなので、複数の画面に亘るユーザの操作を規定する必要がある。そのため、ユーザは画面A61に対する操作と、画面B62に対する操作とを区別し、明確化して記載する。
【0057】
図4(b)に示される例では、第1文において、画面A61の第1ボタン(図3において「ボタン1」と図示)66を、「画面A:第1のボタン」と表現している。このような画面とボタンとの関係付けについては、本実施例で用いられている記号「:」に限定されず、例えば、「−>」や「.」等の他の記号を使用して表現されていても良いし、「ボタンを押す(画面A,第1のボタン)」の様に関数タイプのスクリプトで実現しても良い。すなわち、画面とボタンとの関係付けが明確化できる限りにおいて、スクリプトの表現は任意である。
【0058】
尚、例えば、画面A61に対する操作のみで規定できる等、一の画面に対する操作のみでスクリプトが記載できる場合には、画面A61や画面B62に記載される画面スクリプト編集ボタン69を選択することによって、当該画面のユーザスクリプトを編集することで対応することができる。この場合、スクリプト内に画面を特定する「画面A」や「画面B」の記載は不要となる。
【0059】
ユーザは、ユーザスクリプト内容表示欄94に表示される内容で第1のユーザスクリプト81の編集を終了する場合、保存ボタン95を選択する。すると、ユーザの保存ボタン95の選択によって、ユーザスクリプト編集部47は、ユーザスクリプトDB50に格納される編集対象のユーザスクリプト(第1のユーザスクリプト81)の内容を編集後の内容に書き換えて保存した後、第1のユーザスクリプト81の編集を終了する。
【0060】
尚、図4に示される例では、ユーザスクリプト内容表示欄94には、スクリプトの内容が日本語によって表示されている例を示しているが、この場合に限定されるものではなく、C言語などの一般的なプログラミング言語に近い表記を行っても良い。また、新規にユーザスクリプトを作成する場合、例えば、何れのユーザスクリプトを選択しない状態で編集ボタン91を選択することによって行うことができる。
【0061】
次に、ユーザが作成したユーザスクリプトを選択する場合、および、デバッグを実行する場合について説明する。
【0062】
図5は、ユーザスクリプト/デバッグ選択GUI(ユーザスクリプト/デバッグ選択画面)57の一例を説明する説明図であり、ユーザが図3に示される操作入出力画面55において、画面A61のスクリプト選択ボタン68を選択した場合の表示例である。
【0063】
ユーザが実行を希望するユーザスクリプトの選択、または、作成済みのユーザスクリプトのデバッグを選択する場合、ユーザは、操作入出力GUI(操作入出力画面)55において、画面A61や画面B62のスクリプト選択ボタン68または共通設定用画面63の共通スクリプト選択ボタン70を選択する。これによって、表示装置にユーザスクリプト/デバッグ選択GUI(ユーザスクリプト/デバッグ選択画面)57が表示される。
【0064】
ユーザスクリプト/デバッグ選択画面57は、実行対象として選択可能な第1のユーザスクリプト101〜第p(pは自然数)のユーザスクリプト10pを表示するユーザスクリプト実行対象選択欄101〜10pと、ユーザのデバッグ要求を受けてデバッグを実行する際に必要となる設定の入力を受け付けるデバッグGUI(デバッグ用画面)58を呼び出す要求をユーザスクリプト選択部48へ出力するデバッグボタン98と、ユーザの選択を受けてユーザスクリプト実行対象選択欄101〜10pで選択されたユーザスクリプトの実行要求をユーザスクリプト選択部48へ出力する実行ボタン99を有する。
【0065】
まず、ユーザが、ユーザスクリプト/デバッグ選択画面57において、ユーザスクリプト101〜10pの何れか一つを選択した後、実行ボタン99を選択すると、ユーザスクリプト選択部48が実行対象として選択されたユーザスクリプトをユーザスクリプトDB50から読み出す。
【0066】
図6は、図2に示されるユーザスクリプトDB50のデータ構成を概略的に示した説明図である。
【0067】
ユーザスクリプトDB50は、操作入出力画面55に表示される画面毎に作成したユーザスクリプトの単位でデータが格納されている。すなわち、画面A61についてp(p:自然数)個、画面B62についてq(q:自然数)個、共通設定用画面63についてr(r:自然数)個のユーザスクリプトが作成されている場合、画面A61についてのユーザスクリプトデータとして画面A用第1のユーザスクリプト111〜画面A用第pのユーザスクリプト11pを、画面B62についてのユーザスクリプトデータとして画面B用第1のユーザスクリプト121〜画面B用第qのユーザスクリプト12qを、共通設定用画面63についてのユーザスクリプトデータとして共通画面用第1のユーザスクリプト131〜共通画面用第rのユーザスクリプト13rを有する。
【0068】
ユーザスクリプトDB50には、操作入出力画面55に表示される画面毎に作成したユーザスクリプトの単位でデータが格納されているので、どの画面におけるどのユーザスクリプトかをキーとして定義された内容を抽出することが可能となる。
【0069】
ユーザスクリプト選択部48が実行対象として選択されたユーザスクリプトをユーザスクリプトDB50から読み出すと、これを命令解釈実行部43へ送る。そして、命令解釈実行部43は受け取ったユーザスクリプトの内容を解釈して、当該内容に基づく指令を画面表示処理部42、命令送信部44または操作出力部45へ送る。
【0070】
このように、例えば、図4(b)に示されるユーザスクリプト内容表示欄94に表示される操作のように、ユーザが定義した所定の操作については、操作入出力画面55からユーザが逐一操作を入力することなく、直接、命令解釈実行部43へ与えることができるので、ユーザの操作の自動化を図ることができる。
【0071】
続いて、ユーザがデバッグを実行する場合について説明する。ユーザが、ユーザスクリプト/デバッグ選択画面57において、デバッグ対象として選択可能なユーザスクリプト101〜10pから何れか一つを選択した後、デバッグボタン98を選択すると、ユーザスクリプト選択部48によってデバッグGUI(デバッグ用画面)58が表示装置に表示される。
【0072】
尚、命令解釈実行部43は、デバッグ実施時の誤動作等を防止する観点から、デバッグ実行時、すなわち、デバッグGUI(デバッグ用画面)58が表示されているときには、スクリプトから解釈される命令(指令)を外部へ出力しないように、また、命令送受信部44が受信した命令(指令)についても、その命令を受け取り画面表示処理部42や操作出力部45へ出力しないように構成される。
【0073】
図7および図8は、デバッグGUI(デバッグ用画面)58(58a,58b)の一例を説明する説明図である。より具体的には、図7はデバッグGUIを提供する第1のデバッグ用画面58aであり、図8は第1のデバッグ用画面58aにおいて、より詳細な設定をするための第2のデバッグ用画面58bである。
【0074】
第1のデバッグ用画面58aは、ユーザスクリプト/デバッグ選択画面57のデバッグボタン98を選択した場合に最初に表示されるデバッグ実行についての設定画面である。第1のデバッグ用画面58aは、スクリプト表示エリア141、ログ表示エリア142、値模擬ボタン144、ステップボタン145、および、実行ボタン146を有する。
【0075】
第1のデバッグ用画面58aにおけるスクリプト表示エリア141には、デバッグの対象となるユーザスクリプトの内容が表示され、ログ表示エリア142には、デバッグ中の信号情報が動作時刻情報とともに履歴表示される。また、各ボタン144,145,146には、それぞれ、選択された際に割り付けられた実行要求を出力するように設定されており、第2のデバッグ用画面58bの呼び出し、および、当該割り付けられた実行要求をユーザスクリプトデバッグ処理部49へ出力することができる。
【0076】
ユーザが第1のデバッグ用画面58aにおいて模擬値ボタン144を選択すると、第2のデバッグ用画面58bをユーザに提示して、模擬値を設定するために必要な入力を受け付ける。
【0077】
第2のデバッグ用画面58bは、制御対象11から受信する信号を指定するための信号指定エリア147と、信号指定エリア147で指定された信号について模擬値を設定する値設定エリア148と、ユーザの選択を受けて予め割り付けられた設定完了の要求を出力する設定ボタン149とを有する。
【0078】
信号指定エリア147には、制御対象11から受信する各信号について、例えば、信号1、信号イ等の名称が付されており、ユーザはこの名称を指定することで信号を指定できる。信号指定の方法は任意であり、例えば、上述した図4(a)や図5に示されるように指定可能な信号の一覧から一の信号を選択する方法でも良いし、直接名称を入力する方法でも良い。
【0079】
値設定エリア148には、模擬値を入力する欄が設けられており、ユーザは値設定エリア148の欄に、例えば「10」等の数値を直接入力することによって模擬値を設定することができる。また、設定ボタン149は、信号指定エリア147および値設定エリア148において信号および値の設定が完了した際にユーザが選択すると、信号および値の設定を完了し、第2のデバッグ用画面58bを閉じて、第1のデバッグ用画面58aに戻る。
【0080】
続いて、第1のデバッグ用画面58aにおいて、ユーザがステップボタン145を選択すると、第1のデバッグ用画面58aのスクリプト表示エリア141に表示されるユーザスクリプトのうち、選択された一の命令(一行)を実行する。例えば、後述する図9の場合、デバッグを実行したい命令(行)は、矢印「→」で表示される行である。ユーザはこの矢印を移動させてデバッグを実行したい行を選択して、ステップボタン145を押すと、矢印が指し示す行についてデバッグの実行要求をユーザスクリプトデバッグ処理部49へ出力する。
【0081】
また、ユーザが実行ボタン146を選択すると、第1のデバッグ用画面58aのスクリプト表示エリア141に表示されるユーザスクリプトの全行についてデバッグの実行要求をユーザスクリプトデバッグ処理部49へ出力する。
【0082】
ユーザスクリプトデバッグ処理部49が、第1のデバッグ用画面58aのステップボタン145および実行ボタン146を選択することによってデバッグGUI58から出力されたデバッグ実行要求を受け取ると、ユーザスクリプトデバッグ処理部49は、選択されたユーザスクリプトの一行または全行に亘ってデバッグを実行する。
【0083】
図9はおよび図10は、デバッグ用画面58に表示される表示内容の一例を示す説明図である。より具体的には、図9はスクリプト表示エリア141に表示されるスクリプトの内容の一例を示す図であり、図10はログ表示エリア142に表示されるログの内容の一例を示す図である。
【0084】
スクリプト表示エリア141に表示される内容は、デバッグ対象として選択されたユーザスクリプトの内容である。ユーザは、表示エリア141に表示されるユーザスクリプトの内容を確認しながら、一行単位でデバッグを実行したいときはステップボタン145を押し(選択し)、ユーザスクリプトの全体に対してデバッグを実行したいときは実行ボタン146を押す(選択する)。
【0085】
ステップボタン145が押されると、現在、表示エリア141に表示されるユーザスクリプトのうち、選択された一の命令(一行)に対するデバッグをユーザスクリプトデバッグ処理部49が実行する。一方、実行ボタン146が押されると、現在、表示エリア141に表示されるユーザスクリプトの全体に対するデバッグをユーザスクリプトデバッグ処理部49が実行する。その後、ユーザスクリプトデバッグ処理部49は、そのデバッグ実行結果であるログ情報をデバッグGUI58に送り、デバッグ実行結果がログ表示エリア142に表示される。
【0086】
デバッグ実行結果としてログ表示エリア142に表示されるログ内容には、デバッグ操作中の信号情報が動作時刻情報とともに履歴が表示される。具体的には、第1行目は第1の制御装置31である「CNT−1」の第1の変数である「変数1」へON指令を送信したという内容を示している。また、次の第2行目は、CNT−1の信号1の値を現在値5から10へ模擬したという内容を示している。ユーザはこのログ表示を確認し、処理の自動化を図るべく作成されたユーザスクリプトの内容と実際に自動化を図ろうとしている処理内容とが合致するかを確認することができる。
【0087】
以上、監視制御システム10および監視操作装置20によれば、各監視操作装置21〜2nで操作員が容易にユーザスクリプトの編集を行うことができるようにユーザスクリプト編集部47、ユーザスクリプト選択部48、ユーザスクリプトDB50およびユーザスクリプト編集/選択用のGUIを備える構成にしたことによって、従来、必要であった設計者が行っていた作業を排除し、監視操作装置20を操作する操作員が容易に監視操作装置20の機能を止めることなく操作の自動化(ユーザスクリプトの編集)を行うことができる。すなわち、従来、エンジニアリング装置12側でデータを変更し、各監視操作装置21〜2nへ画面DB41を配信し、各監視操作装置21〜2nに最新のデータベースの内容を反映させる設計者が行っていた作業を排除できる。
【0088】
また、各監視操作装置21〜2nのユーザスクリプト編集/選択用のGUIにおいて、共通スクリプト選択ボタン70および共通スクリプト編集ボタン71を有する共通用設定画面63を設けることによって、単一の画面内の操作だけでなく複数画面に亘る操作についても、ユーザによるスクリプト編集によって操作員の操作の自動化することができる。これにより、複数画面の表示を切り替えながら入力操作を行う必要があった複数画面に亘る複雑な操作員の操作についても自動化が実現できる。
【0089】
さらに、各監視操作装置21〜2nがユーザスクリプトデバッグ処理部49およびデバッグGUI58を備えることで、ユーザスクリプトのデバッグを実現することができる。その際には、命令解釈実行部43が命令の入出力を遮断するので、制御装置30側との入出力を遮断した状態で安全にユーザスクリプトのデバッグをすることができる。
【0090】
さらにまた、各監視操作装置21〜2nがユーザスクリプトDB50に格納されるユーザスクリプトが変更された場合、当該変更を検出する機能と、ユーザスクリプトの送受信機能とを有するユーザスクリプト送受信部51を備えるので、何れかの監視操作装置21〜2nでユーザスクリプトDB50に格納されるユーザスクリプトの内容が更新される度に、当該更新後の内容が他の監視操作装置21〜2nにも送信され、他の監視操作装置21〜2nにおいても更新内容が自動的に反映される。すなわち、従来、ユーザスクリプトの内容を更新する際に、更新したユーザスクリプトを他の監視操作装置21〜2n上で使用したい場合に、再度各監視操作装置21〜2n上で入力するか、または、何らかの手段を用いて外部メディア(例えば、フレキシブルディスク)にスクリプトデータベースを書き出し、各監視操作装置21〜2nにおいて手作業で外部メディアから書き戻す必要があった問題を解消することができる。これによって、全監視操作装置21〜2nにおいて、スクリプトDB50を共有することが可能になる。
【0091】
尚、本発明は上記の各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化しても良い。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。より具体的には、図2に示される第1の監視操作装置21において、各監視操作装置21〜2nがユーザスクリプトを個別に持つことができるように、ユーザスクリプト送受信部51を備えない(削除した)構成や、ユーザスクリプトデバッグ処理部49およびデバッグGUI58を備えない構成でも良い。また、共通設定用画面63を備えない操作入出力GUI(操作入出力画面)55を構成することもできる。
【符号の説明】
【0092】
10 監視制御システム
11 制御対象
12 エンジニアリング装置
15 制御ネットワーク
20 監視操作装置
21 第1の監視操作装置
2n 第nの監視操作装置
30 制御装置
31 第1の制御装置
3m 第mの制御装置
41 画面DB
42 画面表示処理部
43 命令解釈実行部
44 命令送受信部
45 操作出力部
46 操作入力部
47 ユーザスクリプト編集部
48 ユーザスクリプト選択部
49 ユーザスクリプトデバッグ処理部
50 ユーザスクリプトDB
51 ユーザスクリプト送受信部
55 操作入出力GUI(操作入出力画面)
56(56a,56b) ユーザスクリプト編集GUI(ユーザスクリプト編集用画面)
57 ユーザスクリプト/デバッグ選択GUI(ユーザスクリプト/デバッグ選択画面)
58(58a,58b) デバッグGUI(デバッグ用画面)
61 画面A
62 画面B
63 共通設定用画面
65 表示領域
81 第1のユーザスクリプト編集対象選択欄
8r 第rのユーザスクリプト編集対象選択欄
93 ユーザスクリプト名称表示欄
94 ユーザスクリプト内容表示欄
111 画面A用第1のユーザスクリプト
112 画面A用第2のユーザスクリプト
11p 画面A用第pのユーザスクリプト
121 画面B用第1のユーザスクリプト
122 画面B用第2のユーザスクリプト
12q 画面B用第qのユーザスクリプト
131 共通画面用第1のユーザスクリプト
132 共通画面用第2のユーザスクリプト
13r 共通画面用第rのユーザスクリプト
141 スクリプト表示エリア
142 ログ表示エリア
147 信号指定エリア
148 値設定エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視操作のための入力操作を受け付ける入力部と、この入力部が受け付けた入力操作に対応した指令を監視制御対象を制御する制御装置側へ出力する操作入力部とを備える監視制御システムに適用される監視操作装置において、
複数ステップを有する入力操作に対応した指令を前記操作入力部に与えるための操作指令を定義したユーザスクリプトを保存するユーザスクリプトデータベースと、
このユーザスクリプトの新規作成、内容の更新、保存および削除の何れかを含む編集要求を受け付けるユーザスクリプト編集要求入力部と、
このユーザスクリプト編集要求入力部が受け付けた編集要求に対応した編集を行うユーザスクリプト編集部と、
実行したいユーザスクリプトが前記ユーザスクリプトデータベースに格納される何れのユーザスクリプトであるかの選択要求を受け付けるユーザスクリプト選択要求入力部と、
このユーザスクリプト選択要求入力部が受け付けたユーザスクリプトで定義される入力操作に対応した指令を前記操作入力部に与えるユーザスクリプト選択部と、
を備えることを特徴とする監視操作装置。
【請求項2】
前記ユーザスクリプト編集部は、前記入力部が複数画面で構成されており、監視操作のためにユーザが行うべき入力操作が複数画面の表示を切り替えながら入力する必要がある複数のステップを有する場合、複数画面に亘る監視操作のためにユーザが行うべき入力操作を定義するユーザスクリプトの編集する機能を有することを特徴とする請求項1記載の監視操作装置。
【請求項3】
前記ユーザスクリプトデータベースに格納されるユーザスクリプトの変更発生を常に監視し、変更されたことを検出する機能と、ユーザスクリプトの送信および受信する機能とを有し、ユーザスクリプトが変更されたことを検出する場合に、変更後のユーザスクリプトをネットワークで接続される他の監視制御装置へ送信するユーザスクリプト送受信部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の監視操作装置。
【請求項4】
前記ユーザスクリプトのデバッグの実行要求を受け付けるデバッグ実行要求入力部と、
このデバッグ実行要求入力部から入力された実行要求に基づき実行要求のあったユーザスクリプトに対してデバッグを実行するデバッグ実行処理部とをさらに備え、
前記デバッグ実行要求入力部がデバッグ実行要求を受け付けると、デバッグ実行中は、制御装置側への指令送信を遮断するように構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の監視操作装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の監視制御装置を具備することを特徴とする監視制御システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−193382(P2011−193382A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59783(P2010−59783)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】