説明

監視映像制御システムおよびコンテンツ情報配信用サーバ

【課題】地上波共聴システムを利用してユーザへの利便性を高める監視映像制御システムおよびコンテンツ情報配信用サーバを提供する。
【解決手段】
本発明の監視映像制御システムは、被監視対象を監視する監視カメラ21a、21b、21cと、地上波デジタル放送周波数帯域を利用して送られてくる監視カメラ21a、21b、21cの映像を表示するユーザ端末7と、カメラ制御コンテンツを生成するカメラ制御コンテンツ生成部およびデータ放送コンテンツを生成するデータ放送コンテンツ生成部とを有するコンテンツ情報配信用サーバ4とを備える。そして、コンテンツ情報配信用サーバ4のコンテンツ送信部33からデータ放送コンテンツを送信して放送周波数を利用して映像と共にユーザ端末7に送る。また、通信部34を用いてカメラ制御コンテンツをユーザ端末7に送信し、またユーザ端末7からの操作情報を監視カメラ21a、21b、21cに向けて送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル共聴システムを利用する監視映像制御システムおよびコンテンツ情報配信用サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上波テレビ放送がデジタル化され、2011年7月24日付でアナログ放送終了に伴って、地上波デジタル放送に対応したユーザ端末(テレビ受像機)が広く普及してきている。
【0003】
地上波デジタル放送は、データ放送及びIP(Internet Protocol)に対応していることから、BML(Broadcast Markup Language)の記述によるコンテンツ情報が配布できる。また、配信装置側からユーザ端末に簡単なプログラムを配布し、ユーザ端末側で当該プログラムを実行することができる。
【0004】
上記機能を監視カメラ制御システムに適用し、ユーザ端末側から送信されてくる操作情報を判断し、監視カメラの映像および監視カメラの映像に関する情報をユーザ端末に送信する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−227940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、監視カメラの映像とともに監視カメラの映像に関する情報をユーザ端末側で受け取ることは可能であるが、監視カメラの動作を制御することまではできなかった。また、監視カメラの動作を制御するためのコンテンツを送る際、地上波デジタル放送に用いられる映像ストリームと同様にコンテンツを配信しようとすると、本来の地上波デジタル放送の映像伝送に障害をおよぼす可能性がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてされたもので、地上波デジタル放送に用いる映像ストリームに負荷をかけることなくユーザ端末からの監視カメラの動作制御を実現する監視映像制御システムおよびコンテンツ情報配信用サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の監視映像制御システムは、被監視対象を監視する監視カメラと、地上波デジタル放送周波数帯域を利用して送られてくる前記監視カメラの映像を表示するユーザ端末と、カメラ制御コンテンツを生成するカメラ制御コンテンツ生成部およびデータ放送コンテンツを生成するデータ放送コンテンツ生成部を有し、前記カメラ制御コンテンツおよび前記データ放送コンテンツを前記ユーザ端末に送出するコンテンツ情報配信用サーバと、前記ユーザ端末と前記コンテンツ情報配信用サーバとを接続し、前記地上波デジタル放送周波数帯域を利用して前記監視カメラの映像と前記データ放送コンテンツとを前記ユーザ端末に送信する第1の通信手段と、前記ユーザ端末と前記コンテンツ情報配信用サーバとを接続し、前記カメラ制御コンテンツ又は前記ユーザ端末からの操作情報を送信する第2の通信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のコンテンツ情報配信用サーバは、被監視対象を監視する監視カメラと、地上波デジタル放送周波数帯域を利用して送られてくる前記監視カメラの映像を表示するユーザ端末との間で、前記監視カメラの映像制御を司るコンテンツ情報配信用サーバであって、カメラ制御コンテンツを生成するカメラ制御コンテンツ生成部と、
データ放送コンテンツを生成するデータ放送コンテンツ生成部と、前記データ放送コンテンツ生成部で生成した前記データ放送コンテンツを前記地上波デジタル放送周波数帯域を利用して前記ユーザ端末に送信する第1の通信部と、前記カメラ制御コンテンツ生成部で生成した前記カメラ制御コンテンツを前記ユーザ端末に送信し、前記ユーザ端末からの操作情報を受信して前記監視カメラに送信する第2の通信部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コンテンツ情報配信用サーバにカメラ制御装置部を取り込むことにより、ユーザ端末側から送信されてくる操作情報により監視カメラの動作を制御することができる。地上波デジタル放送に利用する映像ストリーム周波数帯域(地上波デジタル放送周波数帯域)を利用することなく制御情報を相互通信することができ、安定性のある監視映像制御システムを構築することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る監視映像配信システムの一実施形態を示すブロック図。
【図2】図1に示すコンテンツ情報配信用サーバの具体例を示すブロック図。
【図3】実施形態に係る監視映像配信システムの動作を示すフローチャート。
【図4】実施形態に係るコンテンツ情報配信用サーバの動作を示すフローチャート。
【図5】実施形態に係る監視カメラを操作するための画面例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施態様について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る監視映像配信システムの構成図である。
【0014】
図1に示すように、この監視映像配信システムは、通信ネットワーク1と、この通信ネットワーク1に接続される対象の映像を撮影する監視カメラ21a,21b,21c…及びエンコーダ22a,22b,22c…を有する監視映像装置2a,2b,2c…と、この通信ネットワーク1に接続されるMPEG2TS変換装置3,3と、この通信ネットワーク1に接続される情報配信用サーバ4と、上記MPEG2TS変換装置3,3及びコンテンツ情報配信用サーバ4に接続される多重化装置5と、この多重化装置5に接続され、前記多重化装置5から送信される情報が監視映像装置2a,2b,‥に向けて受信される放送周波数変換装置6と、上記通信ネットワーク1と放送周波数変換装置6に接続されるユーザ端末7と、このユーザ端末7と無線通信可能な遠隔操作機8から構成される。ここでは、ユーザ端末7を1つだけ示しているが、ユーザ端末7は複数台設置されている。
【0015】
さらに、コンテンツ情報配信用サーバ4は、後述する図2に示すようにカメラ装置制御部37及びカメラ制御コンテンツ生成部38を有している。カメラ装置制御部37は、必ずしもコンテンツ情報配信用サーバ4に設けられる必要はなく、通信ネットワーク1に接続されていればよい。通信ネットワーク1は、相互通信可能な回線で構成される。例えばLAN、イントラネット等のネットワークをいい、他の通信ネットワークを利用しても良い。
【0016】
監視映像装置2a,2b,2c…は、監視カメラ21a,21b,21c…と、対応するエンコーダ22a,22b,22c…と、から構成される。監視カメラ21a,21b,21c…としては、アナログ式、デジタル式のいずれの方式を用いてもよい。エンコーダ22a,22b,22c…は、監視カメラ21a,21b,21c‥からのアナログ映像情報を標本化及び量子化により符号化した後、所定の映像フォーマットであるMPEG2のPS(プログラム ストリーム)に変換する機能を持っている。
【0017】
したがって、エンコーダ機能を備えたデジタル式の監視カメラ21a,21b,21c…であれば、上述したエンコーダ22a,22b,22c…を必要としない場合もある。しかし、デジタル式の監視カメラ21a,21b,21c…としては、地上波デジタル放送との互換性を持たせる必要があるので、その必要に応じてMPEG2のPS(プログラム ストリーム)に変換する機能を持たせる。
【0018】
MPEG2TS変換装置3,3はチャンネル毎に設けられ、監視映像装置2a,2b,2c,‥から通信ネットワーク1を介して伝送されてくるMPEG2のPS(映像ストリーム)を地上デジタル対応の映像フォーマットであるMPEG2TS(Transport Stream)に変換し、多重化装置5に送出する。
【0019】
なお、MPEG2TS変換装置3がMPEG2TSに変換する理由は、地上波デジタル放送のユーザ端末7がMPEG2TSと呼ばれる映像フォーマットに対応しており、かつ、一般の監視カメラシステムでは、地上デジタル対応の映像フォーマットとは異なる映像フォーマット、例えばMPEG2のPSで伝送するものが多いためである。よって、各MPEG2TS変換装置3,3は、監視カメラシステム側が既に地上デジタル対応の映像フォーマットとなっている場合、その映像フォーマットの変換が必要ない場合もある。
【0020】
コンテンツ情報配信用サーバ4は、監視カメラ21a,21b,21c‥を制御し、カメラを制御するためのコンテンツ情報を生成する機能を持つ。また、コンテンツ情報配信用サーバ4は上記MPEG2TS変換装置3,3と対応をとりつつ、多重化装置5にコンテンツ情報を送出するものであって、通信ネットワーク1を介してユーザ端末7にコンテンツ情報を送出することもできる。
【0021】
多重化装置5は、MPEG2TS変換装置3,3で変換されたMPEG2TSの映像ストリームと、コンテンツ情報配信サーバ4から送られてくるBMLコンテンツ情報とをたとえば周波数分割的あるいは時分割的に多重合成して映像ストリームを生成し、1つのチャンネルを利用して放送周波数変換装置6に送出する。
【0022】
放送周波数変換装置6は、多重化装置5で多重化された映像ストリームを、テレビの受信アンテナとして機能する同軸ケーブルの周波数帯域にあった放送周波数に変換してユーザ端末7に配信する。これにより、ユーザ端末7の複数の表示部に表示される監視映像上に、ユーザが適宜に選択可能なコンテンツ情報からなるリストメッセージなどが表示される。
【0023】
図2は、上記コンテンツ情報配信サーバ4の構成を示すブロック図である。コンテンツ情報配信用サーバ4は、データ放送コンテンツ生成部31、システム管理部32、コンテンツ送信部33、通信部34、操作情報受信部35、映像変換装置制御部36、カメラ装置制御部37、カメラ制御コンテンツ生成部38などが設けられている。
【0024】
データ放送コンテンツ生成部31は、予め監視カメラ21a,21b,21c…のカメラ情報(例えば、カメラ映像の名称、カメラ設置場所等)を含むBMLコンテンツを生成し、記憶している。ここで、BMLコンテンツは、XML(eXtensibl Markup Language)ベースのマークアップ言語を用いて、デジタル放送のコンテンツの記述の他、画面上に対するコンテンツのレイアウト、複数のコンテンツの関連付け等を規定できる。BMLコンテンツには、簡易な制御プログラムを含むことができる。これにより、コンテンツ情報配信用サーバ4から制御プログラムを各ユーザ端末7に対してアップロードできる。このことは,ユーザが当該ユーザ端末7に向って遠隔操作機8を操作したとき、ユーザ端末7は制御プログラムを実行し、プログラム命令のもとに遠隔操作結果であるプログラムに規定される各種の操作情報を通信ネットワーク1に伝送できる。
【0025】
システム管理部32は、記憶装置32aを備えている。記憶装置32aには、少なくとも監視側アドレスリスト管理テーブル32aa及びユーザ管理制御記憶部32ab、その他記憶部32ac、カメラ制御情報記憶部32adが設けられている。
【0026】
監視側アドレスリスト管理テーブル32aaには、各監視カメラ21a,21b,21c…、各エンコーダ22a,22b,22c…のIPアドレスリストの他、チャンネル―MPEG2TS変換装置3,3のチャンネル対応リストが記憶される。
【0027】
ユーザ管理制御記憶部32abには、特許文献1に記載する動作と同様に現状のチャンネルと配信中のカメラ映像との関係や、各ユーザ端末7における現在受信中チャンネル、ユーザ受信優先順位データが記憶される。その他記憶部32acには、処理途中の各種データが記憶される。カメラ制御情報記憶部32adには、ユーザが制御中のカメラ制御情報が記憶される。なお、制御についてはカメラ装置制御部37を介しての制御を意味する。
【0028】
映像変換装置制御部36は、システム管理部32の指示のもとに、例えばチャンネル切り替え指令に関するコマンドを通信ネットワーク1を経由してMPEG2TS変換装置3,3に伝送し、所望のチャンネル切り替えを促し、監視カメラ21a,21b,21c‥の映像を配信している、いずかのMPEG2TS変換装置3,3の情報を取り込んでシステム管理部32に受け渡す。
【0029】
従って、システム管理部32は、映像変換装置制御部36を介して取り込んだ各MPEG2TS変換装置3,3の配信映像のもとにデータ放送コンテンツ生成部31のBMLコンテンツ情報を取り出し、コンテンツ送信部33から出力する機能を有する。また、操作情報受信部35で受信した操作情報に従って、所望の処理を実行する機能を有する。
【0030】
カメラ装置制御部37は、ユーザから送られてきた制御情報と他のユーザとの制御情報をもとに、監視カメラ21a,21b,21c‥の制御の許可または不許可を判断する。また、監視カメラ21a,21b,21c‥の制御を許可する場合には、ユーザからの制御情報を監視カメラ21a,21b,21c‥に送信する。
【0031】
カメラ制御コンテンツ生成部38は、監視カメラ21a,21b,21c‥のコンテンツの記述や、画面上に対する監視カメラ21a,21b,21c‥を制御するコンテンツのレイアウト、監視カメラ21a,21b,21c‥の関連付け等を規定することができる。また、カメラ制御コンテンツ生成部38が生成するコンテンツ情報には、制御プログラムを含むことができる。これにより、コンテンツ情報配信用サーバ4から制御プログラムを各ユーザ端末7に対してアップロードできる。このことは、ユーザが当該ユーザ端末7に向って遠隔操作機8を操作したとき、ユーザ端末7は制御プログラムを実行し、プログラム命令のもとに遠隔操作結果であるプログラムに規定される各種の操作情報を通信ネットワーク1に伝送できる。
【0032】
次に、以上のような監視カメラ制御システムの動作を、図1乃至図5を参照して説明する。なお、以下の番号は図3及び図4に記載の番号に対応する。また、図5はユーザ端末7に表示される監視カメラを操作するための画面例を示している。
【0033】
(1)監視カメラ21a,21b,21c…の映像は、対応するエンコーダ22a,22b,22c…に送られる。ここで、監視カメラ21a,21b,21c…の映像情報がアナログ映像であれば、エンコーダ22a,22b,22c…は標本化及び量子化により符号化した後、所定の映像フォーマットであるMPEG2のPSに変換し、通信ネットワーク1を介してMPEG2TS変換装置3に伝送する。
【0034】
(2)MPEG2TS変換装置3,3は、コンテンツ情報配信用サーバ4内の映像変換装置制御部36により制御され、監視カメラ21a,21b,21c…からの映像を受信し、地上波デジタル放送形式であるMPEG2TSへ変換し、多重化装置5に送出する。
【0035】
(3)また、コンテンツ情報配信用サーバ4内のデータ放送コンテンツ生成部31によって作成されたデータ放送コンテンツが、コンテンツ送信部33により多重化装置5に入力される。そして、MPEG2TS変換装置3,3で変換されたMPEG2TS及びデータ放送コンテンツ生成部31で作成されたデータ放送コンテンツは、多重化装置5で多重化される。
【0036】
(4)多重化装置5から出力された多重化情報は、放送周波数変換装置6により放送周波数に変換され、MPEG2TS変換装置3,3で変換された監視カメラの映像と併せて、ユーザ端末7に供給される。ユーザ端末7は、受信した監視カメラの映像とデータ放送コンテンツを表示する。
【0037】
(5)次に、ユーザ端末7の遠隔操作機8を操作し、表示されているデータ放送コンテンツ内のカメラ操作開始のリストメッセージを選択する。これにより、現在ユーザ端末7に映像が表示されている監視カメラを制御するための操作開始要求が、通信ネットワーク1を介してコンテンツ情報配信用サーバ4へ送信される。
【0038】
(6)上記操作開始要求は、通信ネットワーク1から通信部34を介してコンテンツ情報配信用サーバ4の操作情報受信部35へ通知される。
【0039】
(7)コンテンツ情報配信用サーバ4の動作が開始すると、操作情報受信部35は、上記操作開始要求をシステム管理部32へ通知する。
【0040】
(8)システム管理部32は、カメラ制御情報記憶部32adに記憶されるカメラ制御情報を参照し、操作開始要求と共に、当該操作開始要求と関係のあるカメラ制御情報をカメラ装置制御部37へ通知する。
【0041】
(9)カメラ装置制御部37は、該当する監視カメラ21a,21b,21c…が他のユーザから制御されている状態であるか否かを、システム管理部32から供給されたカメラ制御情報を参照して判断する。そして、予め設定されたルールに基づき該当ユーザによるユーザによる該当する監視カメラ21a,21b,21c…の制御を許可するか否かを判断する。
【0042】
(10)また、カメラ装置制御部37は、上記(9)の判断をもとにカメラ制御コンテンツ生成部38にカメラ制御許可または不許可の通知を行う。
【0043】
(11)カメラ制御コンテンツ生成部38は、カメラ装置制御部37からカメラ制御許可がなされたとき、監視カメラ21a,21b,21c…を制御するための操作画面コンテンツ50(図5を参照)を通信ネットワーク1を介してユーザ端末7に配信する。したがって、操作画面コンテンツ50の配信では、多重化装置5および放送周波数変換装置6を介することなく、通信ネットワーク1からのルートで配信する。
【0044】
(12)ユーザ端末7は、コンテンツ情報配信用サーバ4から操作画面コンテンツ50が送信されると、それにより図5の画面を表示する。その結果、ユーザ端末7のユーザは、ユーザ端末7に表示された操作画面コンテンツ50から遠隔操作機8を用いて監視カメラを制御することができる。例えば、遠隔操作機8により、操作画面コンテンツ50に表示された上旋回ボタン52を操作すると、その操作情報がユーザ端末7から通信ネットワーク1を介してコンテンツ情報配信用サーバ4へ送信される。
【0045】
(13)コンテンツ情報配信用サーバ4は、ユーザ端末7から通信ネットワーク1、通信部34を介して受信した操作情報を操作情報受信部35で受信する。さらに、操作情報は操作情報受信部35からシステム管理部32へ通知される。
【0046】
(14)システム管理部32は、カメラ制御情報記憶部32adに記憶されるカメラ制御情報と共に、操作情報をカメラ装置制御部37へ通知する。(15)さらに、カメラ装置制御部37は、ユーザ端末7によるカメラ制御の情報をカメラ制御情報記憶部32adに記憶する。
【0047】
(16)カメラ装置制御部37は、カメラ制御情報を参照して生成した操作情報のコマンドを、通信部34からネットワーク1を介して、監視カメラ21a,21b,21c…へ送信する。その結果、ユーザ端末7からの操作情報の入力に応じた動作を監視カメラ21a,21b,21c…で実行されることになる。
【0048】
図5に示すように、ユーザ端末7では、操作画面コンテンツ50と監視カメラ21a,21b,21c…の映像51が同時に表示することができる。そして、操作画面コンテンツ50は、遠隔操作機8を用いて監視カメラ21a,21b,21c…を操作することができる。例えば、遠隔操作機8の青・赤・黄・緑のボタンを、使用頻度の高いカメラ操作ボタン(上旋回ボタン52、左旋回ボタン53、右旋回ボタン54、下旋回ボタン55、など)に割り当てることで、ユーザの操作性を向上させることができる。また、あらかじめ記憶された(プリセット)画角や、焦点距離等に監視カメラが旋回動作するボタンとして、プリセットサムネイルボタン58を設けることでさらにユーザの操作性を向上することができる。プリセットサムネイルボタン58には、例えば旋回後の監視カメラの映像を縮小したサムネイルをボタンとして用いることにより、さらなる利便性の向上が図れる。また、戻るボタン59で規定の画面(例:直前の画面)に遷移することができる。
【0049】
(その他の実施形態)
上記実施の形態では、ユーザが遠隔操作機8を用いてユーザ端末7に表示されるカメラ映像に対して操作を行ったとき、その操作情報をコンテンツ情報配信用サーバ4に伝送し、コンテンツ情報配信用サーバ4のシステム管理部32はユーザ要求をカメラ装置制御部37から監視カメラに送信して、カメラ映像制御を行うようにしていた。システム管理部32では、カメラ制御情報記憶部32adにユーザ優先順位データや、ユーザ端末7の操作情報から一番受信しているチャンネル、監視映像を見ているユーザ端末などを記憶している。従って、システム管理部32では、カメラ制御情報記憶部32adに記憶されるこれらの情報から監視カメラ21a,21b,…の監視映像を制御するための操作権限を与える情報を含めてコンテンツ情報を配信するようにしてもよい。これにより、特定のユーザに対し、一番受信しているチャンネルを用いて監視映像を優先的に視聴させることも可能である。
【0050】
また、システム管理部32としては、複数のユーザ端末7から送られてくる操作情報から受信中チャンネル情報を取得できるので、現在何れのチェンネルが空き状態になっているかを判断することができる。よって、システム管理部32から、ユーザ端末7が利用していない空きチャンネル情報をコンテンツ情報に含めて各ユーザ端末7に提供(メッセージを表示)することにより、ユーザ端末7は自由に空きチャンネル情報に切替えて、所望のカメラ映像を視聴可能にすることもできる。
【0051】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【符号の説明】
【0052】
1 … 通信ネットワーク
2a,2b,… … 監視映像装置
3 … MPEG2TS変換装置
4 … コンテンツ情報配信用サーバ
5 … 多重化装置
6 … 放送周波数変換装置
7 … ユーザ端末(テレビ受像機)
8 … 遠隔操作機(リモコン)
21a,21b,21c… 監視カメラ
22a,22b,22b… エンコーダ
31 … データ放送コンテンツ生成部
32 … システム管理部
32a … 記憶装置
32aa … 監視側アドレスリスト管理テーブル
32ab … ユーザ管理制御部
32ac … その他記憶部
32ad … カメラ制御情報記憶部
33 … コンテンツ送信部
34 … 通信部
35 … 操作情報受信部
36 … 映像変換装置制御部
37 … カメラ装置制御部
38 … カメラ制御コンテンツ生成部
50 … カメラ操作用画面
51 … 監視カメラ映像
52 … 上旋回ボタン(赤)
53 … 左旋回ボタン(青)
54 … 右旋回ボタン(黄)
55 … 下旋回ボタン(緑)
56 … ズームインボタン
57 … ズームアウトボタン
58 … プリセットサムネイルボタン
59 … 戻るボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被監視対象を監視する監視カメラと、
カメラ制御コンテンツを生成するカメラ制御コンテンツ生成部およびデータ放送コンテンツを生成するデータ放送コンテンツ生成部を有するコンテンツ情報配信用サーバと、
前記監視カメラの映像および前記データ放送コンテンツとを多重化する多重化装置と、
地上波デジタル放送周波数帯域を利用して送られてくる前記多重化装置により多重化された前記カメラ映像およびデータ放送コンテンツとを表示するユーザ端末と、
前記監視カメラおよび前記コンテンツ情報配信用サーバと前記多重化装置を接続し、前記多重化装置と前記ユーザ端末を地上波デジタル放送周波数帯域を利用して接続し、前記監視カメラの映像と前記データ放送コンテンツとを前記ユーザ端末に送信する第1の通信手段と、
前記ユーザ端末と前記コンテンツ情報配信用サーバとを通信ネットワークを介して接続し、前記カメラ制御コンテンツ又は前記ユーザ端末からの操作情報を送信する第2の通信手段と、
を備えたことを特徴とする監視映像制御システム。
【請求項2】
前記コンテンツ情報配信用サーバはカメラ制御手段を更に備え、
前記カメラ制御手段は、前記ユーザ端末から前記第2の通信手段を介して現在受信中のチャンネル情報を受け取り、前記ユーザ端末がいずれのチャンネルを使用しているかを記憶すること、を特徴とする請求項1に記載の監視映像システム。
【請求項3】
前記カメラ制御手段は、複数のユーザ端末の前記チャンネル情報に基づき、前記監視カメラの映像を制御するための権限を調停することを特徴とする請求項2に記載の監視映像制御システム。
【請求項4】
前記カメラ制御手段は、複数のユーザ端末の前記チャンネル情報に基づき、現在の空きチャンネル情報を各ユーザ端末に提供することを特徴とする請求項3に記載の監視映像制御システム。
【請求項5】
被監視対象を監視する監視カメラと、地上波デジタル放送周波数帯域を利用して送られてくる前記監視カメラの映像を表示するユーザ端末との間で、前記監視カメラの映像制御を司るコンテンツ情報配信用サーバであって、
カメラ制御コンテンツを生成するカメラ制御コンテンツ生成部と、
データ放送コンテンツを生成するデータ放送コンテンツ生成部と、
前記データ放送コンテンツ生成部で生成した前記データ放送コンテンツを前記地上波デジタル放送周波数帯域を利用して前記ユーザ端末に送信する第1の通信部と、
前記カメラ制御コンテンツ生成部で生成した前記カメラ制御コンテンツを前記ユーザ端末に送信し、前記ユーザ端末からの操作情報を受信して前記監視カメラに送信する第2の通信部と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ情報配信用サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−61601(P2011−61601A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210546(P2009−210546)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】