説明

監視装置およびプログラム

【課題】 監視プランニングの適切性を判断するための情報(適切な監視運用に資する情報)を取得することができ、監視カメラの設置レイアウトの見直しを適切に行うことのできる監視装置を提供する。
【解決手段】 監視装置3は、監視領域に設置された複数の監視カメラ2のカメラ画像を表示して監視領域を遠隔から監視する機能を備えている。この監視装置3では、監視カメラ2ごとに表示部14に表示された表示頻度が計数され、過去の所定期間内の表示頻度が予め設定された閾値以下の監視カメラ2(特定監視カメラ)が存在した場合に、不適切配置カメラ情報(特定監視カメラの情報)を表示部14に表示する。利用者は、この不適切配置カメラ情報に基づいて、監視領域における監視カメラ2の設置レイアウトを見直すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域に設置された複数の監視カメラから画像データを受信して監視領域を遠隔から監視する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗等に設置されている複数の監視カメラの監視画像を、本店など遠隔の監視端末によって表示させて集中的に監視を行う監視装置が利用されている。このような監視装置においては、監視画像を表示させるにあたり、まず利用者が画像を表示させたい監視カメラを選択する必要がある。
【0003】
従来、遠隔のビデオカメラの使用頻度(表示頻度)を計数し、使用頻度の高い順にカメラをリスト表示することで、制御対象とするカメラを選択する操作を容易にするカメラ制御システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−289189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、監視領域を遠隔から監視する監視装置においては、監視領域のカメラ画像の表示頻度の情報(すなわち、監視頻度に関する情報)は、監視カメラを設置する警備会社などの運用事業者にとって有用な情報となり得る。なぜならば、カメラの監視頻度は、カメラをどの位置に設置するべきかという監視プランニングの適切性を判断するための指標となり、したがって、その情報(カメラの監視頻度に関する情報)は、貴重なノウハウ情報となるからである。
【0006】
例えば、他のカメラと比較して監視頻度が極端に低いカメラは、監視の必要性が低い領域を撮影するカメラとして、当該カメラの撤去等を検討する材料となり得る。また、監視頻度が極端に高いカメラについては、監視の必要性が高い領域を撮影するカメラとして、当該領域に対するカメラの増設等を検討する材料となり得る。
【0007】
特に、ある程度の長い期間で見たときにカメラの監視頻度の極端な変動があった場合、例えば、先月の監視頻度よりも今月の監視頻度が極端に少ない場合、監視領域のレイアウト変更等の理由により、再プランニング(監視カメラの設置レイアウトの見直し)をする必要がある可能性が高い。
【0008】
従来のカメラ制御システムは、カメラ画像を参照する利用者にとって好適な操作方法を提供可能であるものの、上述したような監視プランニングにおける課題(監視運用上の課題)については考慮されていなかった。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、監視領域に設置された複数の監視カメラを用いて監視領域を遠隔から監視する監視装置において、監視プランニングの適切性を判断するための情報(適切な監視運用に資する情報)を取得することのできる監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の監視装置は、監視領域に設置された複数の監視カメラから画像データを受信して前記監視領域を遠隔から監視する監視装置であって、利用者に映像を表示する表示部と、前記利用者が表示対象の監視カメラを選択する操作部と、前記操作部から選択された前記監視カメラの画像データを前記表示部に表示する画像表示制御部と、前記監視カメラごとに前記表示部に表示された表示頻度を計数する頻度計数部と、過去の所定期間内の前記表示頻度が予め設定された閾値以下の監視カメラである特定監視カメラが存在した場合に、不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を前記表示部に表示する警告表示制御部と、を備えている。
【0011】
これにより、監視領域に複数の監視カメラが設置されている場合に、監視カメラごとに、監視装置の表示部に表示された表示頻度が計測される。そして、過去の所定期間(例えば、1ヶ月)の表示頻度が予め設定された閾値(例えば、5回)以下である監視カメラ(特定監視カメラ)が存在した場合には、不適切配置カメラ情報として表示される。このように、本発明では、他の監視カメラと比較して、表示頻度が少ない監視カメラ(特定監視カメラ)の情報が、不適切配置カメラ情報として表示される。不適切配置カメラ情報は、監視プランニングの適切性を判断するうえで有用な情報であり、利用者は、この不適切配置カメラ情報に基づいて、監視領域における監視カメラの設置レイアウトを見直す(例えば、その監視カメラの撤去や移動を検討する)ことができる。
【0012】
また、本発明の監視装置では、前記頻度計数部は、予め設定された頻度抽出期間ごとに前記表示頻度を計数し、前記警告表示制御部は、複数の前記頻度抽出期間における前記表示頻度の減少度に基づき、前記特定監視カメラの存在の有無を判定してもよい。
【0013】
これにより、特定監視カメラに該当するか否かの判定が、ある所定期間における表示頻度だけでなく、複数の頻度抽出期間における表示頻度の減少度(例えば、前々月の表示頻度/前月の表示頻度)に基づいて行われる。すなわち、過去の所定期間内の表示頻度が予め設定された閾値以下であり、かつ、複数の頻度抽出期間における表示頻度の減少の度合いが大きい(前々月から前月にかけて表示頻度が大きく減少している)監視カメラが、特定監視カメラに該当すると判定される。したがって、本発明では、ある期間(所定期間)の表示頻度だけでなく、複数の期間(頻度抽出期間)にわたる表示頻度を考慮に入れて、特定監視カメラの判定が適切に行われる。そして、他の監視カメラと比較して、表示頻度が少なくかつ表示頻度の減少度合いが大きい監視カメラ(特定監視カメラ)の情報が、不適切配置カメラ情報として表示される。
【0014】
また、本発明の監視装置は、さらに、前記利用者の認証情報に対応させて前記利用者が有する利用権限の情報を記憶する記憶部と、前記操作部から入力された認証情報を照合し前記認証情報を入力した利用者が有する利用権限を判定する照合部と、を備え、前記画像表示制御部は、前記照合部にて前記利用者が前記利用権限に含まれる権限のうち少なくとも一般権限を有すると判定された場合に、前記操作部から選択された前記監視カメラの画像データを前記表示部に表示し、前記警告表示制御部は、前記特定監視カメラが存在し、かつ、前記照合部にて前記利用者が前記利用権限に含まれる権限のうち前記一般権限より高い権限である管理権限を有すると判定された場合に、不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を表示してもよい。
【0015】
これにより、利用者の認証情報の照合が行われ、その利用者が有する利用権限の判定が行われる。そして、一般権限を有する利用者には、監視カメラの画像データが表示される。また、管理権限を有する利用者には、不適切配置カメラ情報が表示される。管理権限は、一般権限より高い権限であるため、管理権限を有する利用者には、監視カメラの画像データも表示される。一方、一般権限は、管理権限より低い権限であるため、一般権限を有する利用者には、不適切配置カメラ情報は表示されない。なお、利用権限(一般権限または管理権限)を有していない利用者には、監視カメラの画像データも不適切配置カメラ情報も表示されない。このようにして、利用者が有する利用権限に応じた適切な情報の表示が行われる。
【0016】
また、本発明の監視装置では、前記記憶部は、前記監視領域ごとに当該監視領域内に設置された前記監視カメラの識別情報を記憶するとともに、当該監視領域における前記監視カメラの設置位置を示した平面図を記憶し、前記画像表示制御部は、前記不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を表示するときに、当該特定監視カメラの設置位置を示す前記平面図を前記表示部に表示してもよい。
【0017】
これにより、不適切配置カメラ情報が表示されるときに、特定監視カメラの設置位置(カメラアイコン)が示された平面図(フロアマップ)が表示される。したがって、利用者は、特定監視カメラの設置位置(カメラアイコン)が示された平面図(フロアマップ)を見ながら、監視領域における監視カメラの設置レイアウトを見直す(例えば、その監視カメラの撤去や移動を検討する)ことができる。
【0018】
また、本発明の監視装置では、前記画像表示制御部は、前記警告表示制御部が前記不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を表示したときに、当該特定監視カメラの画像データを前記表示部に表示してもよい。
【0019】
これにより、不適切配置カメラ情報が表示されたときに、その特定監視カメラの画像データが表示される。したがって、利用者は、特定監視カメラの画像データを見て、監視領域における監視カメラの設置レイアウトを見直す(例えば、その監視カメラの撤去や移動を検討する)ことができる。
【0020】
本発明のプログラムは、監視領域に設置された複数の監視カメラから画像データを受信して前記監視領域を遠隔から監視する監視装置で実行されるプログラムであって、前記プログラムは、コンピュータに、利用者が表示対象の監視カメラを選択する選択処理と、選択された前記監視カメラの画像データを前記監視装置の表示部に表示する画像表示制御処理と、前記監視カメラごとに前記表示部に表示された表示頻度を計数する頻度計数処理と、過去の所定期間内の前記表示頻度が予め設定された閾値以下の監視カメラである特定監視カメラが存在した場合に、不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を前記表示部に表示する警告表示制御処理と、を実行させ、前記頻度計数処理は、予め設定された頻度抽出期間ごとに前記表示頻度を計数する処理であり、前記警告表示制御処理は、複数の前記頻度抽出期間における前記表示頻度の減少度に基づき、前記特定監視カメラの存在の有無を判定する処理である。
【0021】
このプログラムによっても、上記のように、他の監視カメラと比較して、表示頻度が少ない監視カメラ(特定監視カメラ)の情報が、不適切配置カメラ情報として表示される。不適切配置カメラ情報は、監視プランニングの適切性を判断するうえで有用な情報であり、利用者は、この不適切配置カメラ情報に基づいて、監視領域における監視カメラの設置レイアウトを見直す(例えば、その監視カメラの撤去や移動を検討する)ことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、監視領域に設置された複数の監視カメラを用いて監視領域を遠隔から監視する監視装置において、監視プランニングの適切性を判断するための情報(適切な監視運用に資する情報)を取得することができ、監視カメラの設置レイアウトの見直しを適切に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態における監視システムの全体構成の説明図
【図2】本発明の実施の形態における監視カメラの機能ブロック図
【図3】本発明の実施の形態における監視装置の機能ブロック図
【図4】本発明の実施の形態における頻度テーブルの説明図
【図5】本発明の実施の形態における監視装置の表示部の表示領域の説明図
【図6】本発明の実施の形態における表示頻度の減少度の説明図
【図7】本発明の実施の形態における監視装置の動作を説明するフロー図
【図8】本発明の実施の形態における警告表示判定処理のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態の監視装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、監視システム等に用いられる監視装置の場合を例示する。この監視装置は、監視プランニングの適切性を判断するための情報(適切な監視運用に資する情報)を取得することができる機能を備えている。この機能は、監視装置のHDDやメモリなどに格納されるプログラムによって実現される。
【0025】
<監視システム>
まず、本実施の形態の監視システム1の全体構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態の監視システム1では、一つの監視区画に複数の監視領域が設定されている。監視区画は、例えば、事業所などの監視対象の物件(監視物件)であり、監視領域は、監視物件の各フロア(1階、2階・・・)である。本実施の形態の監視システム1では、複数の監視区画から各監視領域の監視情報(映像情報や検知情報)を遠隔の監視センタにて受信することで、遠隔からの集中監視が行われる。監視センタは、例えば、複数の事業所を統括的に監視する管理本部などである。
【0026】
図1に示すように、監視システム1は、監視領域を撮像して画像データを取得する監視カメラ2と、各監視領域の監視カメラ2と通信網(インターネット網)を介して接続されて複数の監視区画を遠隔から監視する監視装置3と、を備えている。監視カメラ2は、監視区画の各監視領域に設置され、監視装置3は、遠隔の監視センタに設置される。
【0027】
また、本実施形態では、通信網が、インターネット網で構成される例について説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、通信網は、公衆電話網や携帯電話網など適宜利用可能なものを選択してよい。また、本実施形態では、通信プロトコル、交換設備、インターネットサービスプロバイダの設備などは、一般的な技術(詳細な説明は省略する)を使用することができる。
【0028】
<監視カメラ>
つぎに、本実施の形態の監視カメラ2について説明する。監視カメラ2は、監視領域の各所(適宜な場所)に設置され、監視領域内の画像(監視画像)を撮影する。各監視カメラ2の設置位置は、監視領域において監視すべき対象(例えば出入口やレジなど)が撮像可能となるよう、警備会社や監視領域の管理部門などによる監視プランニングに応じて決定されている。
【0029】
監視カメラ2には、予め各監視カメラ2を識別するための識別情報が設定されている。監視カメラ2の識別情報は、撮影された画像データと設置場所と関連付けられ、監視カメラ2に内蔵されたメモリ4に記憶されている。また、監視カメラ2には、監視装置3と通信するための通信アドレスが設定されている。そして、監視カメラ2は、各設置場所にて撮影した画像データをデジタル符号化し、通信網を介して監視装置3に画像データと識別情報とを送信する。
【0030】
ここで、図2を参照して、監視カメラ2の構成について詳しく説明しておく。図2に示すように、監視カメラ2は、メモリ4を内蔵しており、このメモリ4には、予め各監視カメラ2を識別する識別情報と通信アドレスが記憶されている。また、このメモリ4には、撮影間隔(フレームレート)と画質などの撮影情報が記憶される。撮影情報は、監視装置3から撮影間隔と画質を指定する信号を受信して設定される。画質は、解像度とデータサイズとで決定される。
【0031】
また、監視カメラ2は、レンズなどで構成される光学系5と、光学系5からの入射光を受光する撮像素子6と、撮像素子6から入力される画像のアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタルコンバータ7(A/D)と、画像のデジタル信号から圧縮符号化データ(画像データ)を生成する画像圧縮回路8を備えている。アナログ/デジタルコンバータ7は、撮像素子6から入力される画像信号(アナログ信号)を、メモリ4に記憶された撮影情報の撮影間隔(フレームレート)でデジタル信号に変換する。画像圧縮回路8は、メモリ4に記憶された撮影情報の画質に対応するパラメータに従って圧縮符号化データを生成する。圧縮符号化データは、画像圧縮符号化方式としてH.264/AVC規格に準拠した画像データである。
【0032】
なお、画像圧縮符号化方式としては、JPEG規格やMPEG2Video規格など他の規格であってよい。また、異なる画像圧縮符号化方式の監視カメラ2が監視領域に混在してもよいし、一つの監視カメラ2が画像圧縮符号化方式を切り替えてもよい。
【0033】
監視カメラ2は、このようにして生成された画像データを監視装置3に送信する通信部9を備えている。通信部9から監視装置3に送信される画像データには、監視カメラ2の識別情報が含まれる。なお、監視カメラ2は、マイクから入力される音声信号を圧縮符号化し、画像データに多重化して、通信部9から出力してもよい。
【0034】
また、監視カメラ2は、SDカードや不揮発性メモリで構成される画像記憶部10を備えている。画像記憶部10には、所定時間分の過去の撮像画像が常に記録保持されている。
【0035】
更に、監視カメラ2は、監視カメラ2の撮像方向が変化したことを検知する向き変化検知部11と、監視カメラ2の撮像視野が隠蔽されたことを検知するマスク検知部12を備えている。監視カメラ2は、撮像方向の変化や撮像視野の隠蔽を検知すると、検知した状態情報を示す検知信号を通信部9から監視装置3に送信する。また、監視カメラ2は、撮像方向の変化や撮像視野の隠蔽が復旧したことを検知すると、状態情報として復旧したことを示す検知信号を通信部9から監視装置3に送信する。
【0036】
このとき監視カメラ2から送信される検知信号には、監視カメラ2の識別情報が含まれる。向き変化検知部11は、監視カメラ2の撮像方向が変化したことを検知する機能を備えており、ジャイロセンサや加速度センサなどにより構成される。また、マスク検知部12は、監視カメラ2の撮像視野が隠蔽されたことを検知する機能を備えており、例えば、撮像画像の輝度変化を検出することにより撮像視野の隠蔽が検出される。このような向き変化検知部11やマスク検知部12は、従来から知られている種々の方法(詳細な説明は省略する)が利用可能である。
【0037】
<監視装置>
続いて、本実施の形態の監視装置3について説明する。監視装置3は、各監視区画の状態を集中管理する監視センタに設置される画像監視用の装置であり、専用の端末や汎用のパソコンなどで構成される。監視装置3は、例えば、利用者である監視員が監視区画のモニタリングを所望するときに起動され、モニタリングが終わると終了される。
【0038】
監視装置3は、監視員により操作され、所望する監視カメラ2に通信網を介して画像データの要求信号を送信し、これに応答して監視カメラ2から受信する画像データを表示出力する機能を備えている。また、監視装置3は、監視カメラ2から検知信号を受信して、これを記録するとともに識別可能に表示出力する機能を備えている。
【0039】
監視員は、画像データを参照することにより監視区画を監視するとともに検知信号に含まれる状態情報を参照して、監視区画が正常か否かを判別する。そして、監視員は、監視区画の異常事態を判断すると、対応する監視区画の管理者に対する確認処理、警備員への対処指示などの必要な措置をとる。
【0040】
ここで、図4を参照して、監視装置3の構成について詳しく説明しておく。図4に示すように、監視装置3は、通信部13と、表示部14と、操作部15を備えている。また、この監視装置3は、制御部16と、画像記録部17と、記憶部18を備えている。制御部16は、通信制御部19と、照合部20と、頻度計数部21と、画像表示制御部22と、警告表示制御部23と、記録処理部24と、異常検出部25とを含んでいる。
【0041】
通信部13は、インターネット網に接続された通信インターフェースである。監視装置3は、通信部13により各監視領域に設置された監視カメラ2と接続される。
【0042】
表示部14は、LCD等のディスプレイ及びスピーカより構成され、監視カメラ2から受信する画像(監視画像)をモニタリングする機能を備えている。
【0043】
操作部15は、キーボードやポインティグデバイスなどから構成される。操作部15は、監視員により操作がなされて、各種情報の表示要求や監視カメラ2に対する画像の受信要求や画像受信の停止要求などが入力される。具体的には、各監視区画および監視区画内の監視領域を指定する操作がなされて、監視区画や監視領域の情報の表示要求が入力される。また、監視カメラ2を指定する操作がなされて、その監視カメラ2に対する画像の受信要求が入力される。この入力操作はGUI(Graphical User Interface)により実現されてよい。
【0044】
画像記録部17は、DVD−RやHDDなどの記憶媒体で構成される。画像記録部17には、記録処理部24(後述する)により書き込み制御されて監視カメラ2から受信する画像データを、撮影した時刻情報及び監視カメラ2の識別情報とともに記録する。
【0045】
記憶部18は、ROM/RAM、HDDなどで構成される。記憶部18には、各監視区画を構成する監視領域と監視カメラ2の情報である監視区画情報と、各監視領域における間取りなどのレイアウト情報を示した平面図の情報である図面情報と、表示部14に表示された画像データや状態情報の表示履歴の情報である表示履歴情報と、監視カメラ2から受信した状態情報や監視領域の状態の情報である状態記憶情報が記憶される。また、この記憶部18には、頻度計数部21(後述する)で生成された頻度テーブルが記憶される。
【0046】
監視区画情報としては、各監視区画を構成する監視領域の識別情報と、各監視領域に設置された監視カメラ2の識別情報とが、互いに対応付けて記憶される。監視領域の識別情報には、監視区画における階床情報(例えば、1階フロア)やエリア情報(例えば、介護エリア)などが含まれる。また、監視区画情報として、監視領域における監視カメラ2の通信アドレスと設置位置の情報も記憶される。監視区画情報としては、監視対象物件である監視区画の住所や緯度経度などの位置情報が記憶されてもよい。
【0047】
図面情報としては、地図上で監視物件の所在をアイコンで示した平面図(物件マップ)と、監視領域のレイアウト配置とともに当該監視領域に設置された監視カメラ2の設置位置に対応する位置に監視カメラ2を示すアイコンを重畳表示した平面図(フロアマップ)が、記憶されている。
【0048】
表示履歴情報としては、表示部14に表示された画像データや状態情報の入力元となる監視カメラ2の識別情報が、表示時刻と対応させて識別可能に順次記憶されている。表示履歴情報には、例えば、ある表示時刻(13時10分から13時30分など)に、ある監視カメラ2(カメラAなど)の画像データが表示部14に表示されていたことを示す情報が記憶される。
【0049】
頻度テーブルは、各監視カメラ2の識別情報と表示頻度(監視頻度)のテーブルである。表示頻度は、端的には、監視カメラ2ごとの画像表示回数であり、所定期間(例えば1ヶ月)ごとに記録されている。図4は、頻度テーブルの一例を示す図である。図4の例では、各監視カメラ2(カメラA〜E)について、1ヶ月ごとの表示頻度(1月の表示頻度と2月の表示頻度)が記録されている。なお、表示頻度を記録する所定期間は、1ヶ月に限られない。この所定期間は、適宜設定することができる。
【0050】
制御部16は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータ及びその周辺回路で構成され、監視装置3の種々の制御を行う。制御部16は、このマイクロコンピュータ及びマイクロコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって実現される機能モジュールとして、通信制御部19と、照合部20と、頻度計数部21と、画像表示制御部22と、警告表示制御部23と、記録処理部24と、異常検出部25とを有している。
【0051】
通信制御部19は、複数の監視カメラ2との間の通信を制御する機能を備えており、複数機器との同時セッションが可能に構成されている。通信制御部19は、HTTP等のプロトコルを用いて監視カメラ2から画像データを受信し、更に、監視カメラ2から送信された検知信号を受信する機能を備えている。
【0052】
また、通信制御部19は、操作部15から画像データの受信要求が入力されると、該当する監視カメラ2に対して画像要求信号を送信し、これに応答して監視カメラ2から送信される画像データを受信する機能を備えている。画像データは、ストリーミング配信としての動画データのパケット伝送であってよく、静止画として連続的に伝送されてもよい。また、通信制御部19は、操作部15から画像受信の停止要求が入力されると、該当する監視カメラ2に通信終了要求信号を送信し、画像データの受信を停止する。
【0053】
なお、通信帯域が十分に確保されている場合には、通信制御部19は、全ての監視カメラ2とのセッションを常時保持して常に画像データを受信する構成であってよい。その場合、操作部15から画像データの受信要求が入力されてから停止要求が入力されるまでの間、該当する監視カメラ2の画像データを画像表示制御部22に出力する。
【0054】
また、通信制御部19は、監視カメラ2から検知信号を受信すると、この検知信号から状態情報と識別情報を抽出して、記憶部18の状態記憶情報に記憶する機能を備えている。
【0055】
異常検出部25は、監視カメラ2から受信した画像データや検知信号から監視領域に発生した異常を検出する機能を備えている。監視カメラ2の画像データから異常事態の発生を検出する手法としては、従来から知られている種々の方法が利用可能である。例えば、監視領域が無人である時間帯に画像データに変動が生じると、異常検出部25は当該監視領域が異常と判定する。また、監視カメラ2の検知信号から撮像方向の変化や撮像視野の隠蔽が生じたことを検出すると、異常検出部25は当該監視領域が異常と判定する。
【0056】
なお、本実施の形態では、監視装置3の側で異常検出の処理を行うようにしているが、監視区域の側(監視カメラ2の側)で異常検出の処理が実行されてもよい。その場合、監視カメラ2で異常の発生を検出したことを示すフラグ(異常フラグ)が付された画像情報が、監視カメラ2から送信されてよい。
【0057】
異常検出部25は、監視領域の異常を検出すると、記憶部18の状態記憶情報に当該監視領域が異常であることを記録する。また、異常検出部25は、検知信号から異常と判定した状態が復旧したことを検知すると、状態記憶情報から当該監視領域が異常であることを消去する。
【0058】
照合部20は、監視装置3を利用する利用者が入力する認証情報を予め記憶部18に記憶した利用者情報と照合して、利用者の有する利用権限を判定する。利用権限には、一般権限と管理権限が含まれる。一般権限は、一般利用者に付与される。管理権限は、警備会社の保守員や利用者内の管理者に付与される。管理権限は、一般権限より高い権限である。照合部20は、利用者が入力した認証情報が記憶部18に記憶されていなければ、認証NGと判定して監視装置3の操作を禁止し、利用者が入力した認証情報が記憶部18に記憶されていれば、認証OKと判定して監視装置3の操作を許容する。
【0059】
頻度計数部21は、監視カメラ2の識別情報と表示頻度(頻度値)とを対応させた頻度テーブルを生成して、記憶部18に記憶する。また、頻度計数部21は、利用者により画像データを表示する監視カメラ2の選択が行われる度に、選択された監視カメラ2の頻度値に1を加算する。図4に示すように、頻度テーブルは、予め設定された所定の単位期間(例えば1ヶ月)毎に記憶され、単位期間が経過するごとに新しい頻度テーブルが追加されて頻度値が記憶される。
【0060】
なお、頻度値は表示時間の積算であってもよい。その場合、頻度計数部21は、画像データを表示する監視カメラ2の選択が行われてから当該監視カメラ2の表示が終了するまでの間、内部タイマー(図示せず)が所定時間を計時するごとに頻度値が加算される。例えば、5分ごとに、頻度値に1が加算される。
【0061】
画像表示制御部22は、図5に示すように、表示部14を、複数の領域(画像データ表示領域、状態情報表示領域、図面表示領域)に分割して、各領域ごとに該当する情報を表示する制御を行う。画像データ表示領域には、監視カメラ2の画像データが表示される。なお、画像データ表示領域は、さらに複数の小領域に分割されて、複数の監視カメラ2の画像を同時に表示してよい。図5の例では、4つの小領域に分割されて、4つの監視カメラ2(カメラA〜D)の画像を同時に表示できるようになっている。また、状態情報表示領域には、監視カメラ2から送信される状態情報が表示される。さらに、図面表示領域には、地図上で監視物件の所在がアイコンで示された平面図(物件マップ)や、監視領域に設置された監視カメラ2の設置位置に対応する平面図上の位置に監視カメラ2を示すアイコンを重畳表示した平面図(フロアマップ)が表示される。
【0062】
画像表示制御部22は、操作部15から監視カメラ2を指定する指定要求や、記憶部18に記録された監視領域の図面参照要求があると、監視者が所望する監視領域の平面図を読み出して表示部14に表示する。平面図(フロアマップ)には、監視カメラ2の設置位置に監視カメラ2を示すアイコンが重畳表示されており、操作部15よりアイコンが選択操作されると、このアイコンに対応する監視カメラ2の画像データの受信要求として受け付けられる。
【0063】
画像表示制御部22は、画像データの受信要求や状態情報表示の要求入力を受け付けると通信制御部19または記憶部18から該当の画像データや状態情報を抽出し、伸張して表示部14に表示出力する。また、操作部15より画像データ表示領域に表示中の画像データが選択操作されると画像データの受信停止要求として受け付けられ、当該画像データの表示を終了させる。また、画像表示制御部22は、監視装置3が起動すると、表示履歴情報を参照し、前回監視装置3が終了されたときに表示部14に表示中であった画像データや状態情報、図面情報を読み出して、該当する画像データの受信要求を行い、前回終了時に表示されていた状態を再現する。
【0064】
また、画像表示制御部22は、警告表示制御部23(後述する)が特定監視カメラを抽出すると、当該特定監視カメラが設置された監視領域の平面図を図面表示領域に表示するとともに、当該特定監視カメラの画像データを画像データ表示領域に表示する。このとき、平面図(フロアマップ)上における特定監視カメラのアイコンを着色などにより識別可能に表示する。また、画像データ表示領域に複数の画像データが表示されていれば、特定監視カメラの画像データであることが識別可能に(例えば着色を施した枠により)表示する。
【0065】
警告表示制御部23は、照合部20が管理権限について認証OKと判定すると、過去直近となる2単位期間分(例えば前月と前々月)の頻度テーブルを比較して、監視カメラ毎に頻度値の減少度を算出する。減少度は、過去から現在までにかけての頻度値が減少した大きさの度合いであり、頻度値が大きく減少するほど大きな値となる。減少度は、例えば「前々月の頻度値/前月の頻度値」として求められる。
【0066】
警告表示制御部23は、過去直近の2単位期間(前月と前々月)における減少度が予め設定された相対閾値(例えば10)以上であり、且つ、直近の頻度値(前月の頻度値)が予め設定された絶対閾値(例えば2)以下である監視カメラ2が存在すれば、当該監視カメラ2を特定監視カメラと判定する。
【0067】
図6には、前月(例えば2月)と前々月(例えば1月)の表示頻度の例が示される(図4も参照)。この例では、カメラBの前々月(1月)の参照頻度が20であり、前月(2月)の参照頻度が2である。この場合、カメラBの減少度は10(=20/2)である。したがって、カメラBは、過去直近となる2単位期間分の減少度が相対閾値以上(10以上)であり、直近の頻度値(前月の頻度値)が絶対閾値以下(2以下)である。よって、カメラBは、特定監視カメラであると判定される。
【0068】
警告表示制御部23は、このようにして特定監視カメラを判定すると、表示部14に当該特定監視カメラの表示頻度が低いことを示す情報(不適切カメラ情報)を表示する。管理権限を有する利用者は、かかる不適切カメラ情報を参照することで、監視プランニングの適切性を判断し、再プランニングの判断材料とすることができる。
【0069】
なお、特定監視カメラの判定は、複数の単位期間において頻度値の減少度合いを判定する例に限られない。例えば、過去直近となる単位期間における頻度値が予め設定された閾値(例えば2)以下の監視カメラ2を特定監視カメラとして抽出し、不適切情報を表示するようにしてもよい。また、特定監視カメラの判定は、複数の単位期間における頻度値の減少度合い(減少度)と予め設定された閾値(相対閾値)との比較のみによって(すなわち、直近の頻度値によらず)行ってもよい。
【0070】
記録処理部24は、画像表示制御部22が画像データや状態情報を表示部14に表示出力すると、表示された画像データや状態情報の入力元となる監視カメラ2の識別情報を、現在時刻と対応させて記憶部18の表示履歴情報に記憶する。同様に、記録処理部24は、画像データや状態情報を表示終了させた場合にも、表示終了させた画像データや状態情報の入力元となる監視カメラ2の識別情報を、現在時刻と対応させて表示履歴情報に記憶する。また、記録処理部24は、画像表示制御部22が図面表示領域に平面図(フロアマップ)を表示すると、当該表示された平面図に対応する監視領域の識別情報を、現在時刻と対応させて識別可能に表示履歴情報に記憶する。
【0071】
また、記録処理部24は、操作部15から表示中の画像データが指定されて画像の記録要求が入力されると、監視カメラ2から受信する画像データを、監視カメラ2の識別情報と撮影時刻に対応させて画像記録部17に記録する。
【0072】
以上のように構成された監視装置3について、図面を参照してその動作を説明する。
【0073】
ここでは、まず、図7を参照して、監視装置3の動作のメインフローについて説明する。図7に示すように、本実施の形態の監視装置3を使用するときには、まず、利用者は認証情報の入力を行う。利用者の認証情報の入力が行われると(S1)、監視装置3では、その認証情報の照合が行われる(S2)。
【0074】
認証情報の照合を行った結果、照合NGと判定された場合には(S3)、監視装置3の表示部14に照合NG表示が行われ(S3)、その利用者による監視装置3の使用が拒否される。一方、照合OKと判定された場合には(S3)、その利用者の有する権限が管理権限であるか否かの判定が行われる(S5)。その利用者が管理権限を有していると判定されれば、警告表示判定処理が実行される(S6)。一方、その利用者が管理権限を有していないと判定されると、警告表示判定処理は実行されない。
【0075】
つぎに、利用者によって表示カメラの入力(表示対象の監視カメラ2の選択)が行われると(S7)、その監視カメラ2の画像データが表示部14に表示され(S8)、その監視カメラ2の頻度値に1を加算する処理(頻度値計数処理)が行われる(S9)。そして、利用者から利用終了の入力が行われると(S10)、監視装置3は動作を終了する。
【0076】
ここで、図8を参照して、警告表示判定処理について詳しく説明しておく。図8に示すように、警告表示判定処理が開始されると、まず、過去2単位期間(前月と前々月)の頻度テーブルが読み出され(S11)、監視カメラ2ごとの頻度値の減少度(=前々月の頻度値/前月の頻度値)が算出される(S12)。
【0077】
算出した減少度が所定の相対閾値以上(例えば、10以上)であり、かつ、その監視カメラ2の直近(前月)の頻度値が絶対閾値以下(例えば、2以下)であるような監視カメラ2があれば(S13、S14)、その監視カメラ2を特定監視カメラと判定する(S15)。そして、不適切カメラ情報を表示部14に表示して(S16)、処理を終了する。
【0078】
このような本実施の形態の監視装置3によれば、監視領域に設置された複数の監視カメラ2を用いて監視領域を遠隔から監視する場合に、監視プランニングの適切性を判断するための情報(適切な監視運用に資する情報)を取得することができ、監視カメラ2の設置レイアウトの見直しを適切に行うことが可能になる。
【0079】
すなわち、本実施の形態では、監視領域に複数の監視カメラ2が設置されている場合に、監視カメラ2ごとに、監視装置3の表示部14に表示された表示頻度が計測される。そして、過去の所定期間(例えば、1ヶ月)の表示頻度が予め設定された閾値(例えば、2回)以下である監視カメラ2(特定監視カメラ)が存在することを条件に、不適切配置カメラ情報の表示が行われる。本実施の形態では、この特定監視カメラに該当するか否かの判定が、ある所定期間における表示頻度だけでなく、複数の頻度抽出期間における表示頻度の減少度(例えば、前々月の表示頻度/前月の表示頻度)に基づいて行われる。すなわち、過去の所定期間内の表示頻度が予め設定された閾値以下であり、かつ、複数の頻度抽出期間における表示頻度の減少の度合いが大きい(前々月から前月にかけて表示頻度が大きく減少している)監視カメラ2が、特定監視カメラに該当すると判定される。
【0080】
したがって、本実施の形態では、ある期間(所定期間)の表示頻度だけでなく、複数の期間(頻度抽出期間)にわたる表示頻度を考慮に入れて、特定監視カメラの判定が適切に行われる。そして、他の監視カメラ2と比較して、表示頻度が少なくかつ表示頻度の減少度合いが大きい監視カメラ2(特定監視カメラ)の情報が、不適切配置カメラ情報として表示される。不適切配置カメラ情報は、監視プランニングの適切性を判断するうえで有用な情報であり、利用者は、この不適切配置カメラ情報に基づいて、監視領域における監視カメラ2の設置レイアウトを見直す(例えば、その監視カメラ2の撤去や移動を検討する)ことができる。
【0081】
また、本実施の形態では、利用者の認証情報の照合が行われ、その利用者が有する利用権限の判定が行われる。そして、一般権限を有する利用者には、監視カメラ2の画像データが表示される。また、管理権限を有する利用者には、不適切配置カメラ情報が表示される。管理権限は、一般権限より高い権限であるため、管理権限を有する利用者には、監視カメラ2の画像データも表示される。一方、一般権限は、管理権限より低い権限であるため、一般権限を有する利用者には、不適切配置カメラ情報は表示されない。なお、利用権限(一般権限または管理権限)を有していない利用者には、監視カメラ2の画像データも不適切配置カメラ情報も表示されない。このようにして、利用者が有する利用権限に応じた適切な情報の表示が行われる。
【0082】
また、本実施の形態では、不適切配置カメラ情報が表示されるときに、特定監視カメラの設置位置(カメラアイコン)が示された平面図(フロアマップ)が表示される。したがって、利用者は、特定監視カメラの設置位置(カメラアイコン)が示された平面図(フロアマップ)を見ながら、監視領域における監視カメラ2の設置レイアウトを見直す(例えば、その監視カメラ2の撤去や移動を検討する)ことができる。
【0083】
また、本実施の形態では、不適切配置カメラ情報が表示されたときに、その特定監視カメラの画像データが表示される。したがって、利用者は、特定監視カメラの画像データを見て、監視領域における監視カメラ2の設置レイアウトを見直す(例えば、その監視カメラ2の撤去や移動を検討する)ことができる。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0085】
例えば、本実施の形態の変形例として、警告表示制御部23は、過去の所定期間内の表示頻度が予め設定された閾値以上の監視カメラ2である特定監視カメラが存在した場合に、適切配置カメラ情報として特定監視カメラの情報を表示してもよい。その場合、警告表示制御部23は、複数の頻度抽出期間における表示頻度の増加度に基づき、特定監視カメラの存在の有無を判定する。
【0086】
このような変形例では、監視領域に複数の監視カメラ2が設置されている場合に、監視カメラ2ごとに、監視装置3の表示部14に表示された表示頻度が計測され、過去の所定期間(例えば、1ヶ月)の表示頻度が予め設定された閾値(例えば、20回)以上である監視カメラ2(特定監視カメラ)が存在することを条件に、適切配置カメラ情報の表示が行われる。この場合、特定監視カメラに該当するか否かの判定が、ある所定期間における表示頻度だけでなく、複数の頻度抽出期間における表示頻度の増加度(例えば、前月の表示頻度/前々月の表示頻度)に基づいて行われる。すなわち、過去の所定期間内の表示頻度が予め設定された閾値以上であり、かつ、複数の頻度抽出期間における表示頻度の増加の度合いが大きい(前々月から前月にかけて表示頻度が大きく増加している)監視カメラ2が、特定監視カメラに該当すると判定される。
【0087】
上記のような変形例では、ある期間(所定期間)の表示頻度だけでなく、複数の期間(頻度抽出期間)にわたる表示頻度を考慮に入れて、特定監視カメラの判定が適切に行われる。そして、他の監視カメラ2と比較して、表示頻度が多くかつ表示頻度の増加度合いが大きい監視カメラ2(特定監視カメラ)の情報が、適切配置カメラ情報として表示される。適切配置カメラ情報は、監視プランニングの適切性を判断するうえで有用な情報であり、利用者は、この適切配置カメラ情報に基づいて、監視領域における監視カメラ2の設置レイアウトを見直す(例えば、監視カメラ2の増設を検討する)ことができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明にかかる監視装置は、監視プランニングの適切性を判断するための情報(適切な監視運用に資する情報)を取得することができ、監視カメラの設置レイアウトの見直しを適切に行うことが可能になるという効果を有し、監視システム等に適用され、有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 監視システム
2 監視カメラ
3 監視装置
4 メモリ
5 光学系
6 撮像素子
7 アナログ/デジタルコンバータ
8 画像圧縮回路
9 通信部
10 画像記憶部
11 向き変化検知部
12 マスク検知部
13 通信部
14 表示部
15 操作部
16 制御部
17 画像記録部
18 記憶部
19 通信制御部
20 照合部
21 頻度計数部
22 画像表示制御部
23 警告表示制御部
24 記録処理部
25 異常検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域に設置された複数の監視カメラから画像データを受信して前記監視領域を遠隔から監視する監視装置であって、
利用者に映像を表示する表示部と、
前記利用者が表示対象の監視カメラを選択する操作部と、
前記操作部から選択された前記監視カメラの画像データを前記表示部に表示する画像表示制御部と、
前記監視カメラごとに前記表示部に表示された表示頻度を計数する頻度計数部と、
過去の所定期間内の前記表示頻度が予め設定された閾値以下の監視カメラである特定監視カメラが存在した場合に、不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を前記表示部に表示する警告表示制御部と、
を備えることを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記頻度計数部は、予め設定された頻度抽出期間ごとに前記表示頻度を計数し、
前記警告表示制御部は、複数の前記頻度抽出期間における前記表示頻度の減少度に基づき、前記特定監視カメラの存在の有無を判定する請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記監視装置は、さらに
前記利用者の認証情報に対応させて前記利用者が有する利用権限の情報を記憶する記憶部と、
前記操作部から入力された認証情報を照合し前記認証情報を入力した利用者が有する利用権限を判定する照合部と、を備え、
前記画像表示制御部は、前記照合部にて前記利用者が前記利用権限に含まれる権限のうち少なくとも一般権限を有すると判定された場合に、前記操作部から選択された前記監視カメラの画像データを前記表示部に表示し、
前記警告表示制御部は、前記特定監視カメラが存在し、かつ、前記照合部にて前記利用者が前記利用権限に含まれる権限のうち前記一般権限より高い権限である管理権限を有すると判定された場合に、不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記監視領域ごとに当該監視領域内に設置された前記監視カメラの識別情報を記憶するとともに、当該監視領域における前記監視カメラの設置位置を示した平面図を記憶し、
前記画像表示制御部は、前記不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を表示するときに、当該特定監視カメラの設置位置を示す前記平面図を前記表示部に表示する請求項1から3の何れかに記載の監視装置。
【請求項5】
前記画像表示制御部は、前記警告表示制御部が前記不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を表示したときに、当該特定監視カメラの画像データを前記表示部に表示する請求項1から4の何れかに記載した監視装置。
【請求項6】
監視領域に設置された複数の監視カメラから画像データを受信して前記監視領域を遠隔から監視する監視装置で実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、コンピュータに、
利用者が表示対象の監視カメラを選択する選択処理と、
選択された前記監視カメラの画像データを前記監視装置の表示部に表示する画像表示制御処理と、
前記監視カメラごとに前記表示部に表示された表示頻度を計数する頻度計数処理と、
過去の所定期間内の前記表示頻度が予め設定された閾値以下の監視カメラである特定監視カメラが存在した場合に、不適切配置カメラ情報として前記特定監視カメラの情報を前記表示部に表示する警告表示制御処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−213124(P2012−213124A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78731(P2011−78731)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】