説明

監視装置

【課題】複数の監視画像を録画すると共に、その時に異常があると認められる監視画像を自動的に選択して表示する監視システムを提供すること。
【解決手段】監視装置10は、複数箇所に設置されたカメラ20により撮影された動画像データをそれぞれ含む、複数の監視データを受信し、受信した複数の前記監視データを記憶し、記憶した複数の前記監視データの時間変化の評価に基づき、当該監視データのうち少なくとも1を選択し、選択した前記監視データに含まれる前記動画像データを再生表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の監視データを選択表示する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティについての関心が高まり、オフィス等だけでなく家庭においても監視カメラ等の必要性が高まってきている。このような状況の中で、例えば、玄関や車庫等に監視カメラを設置して画像を録画・再生できるシステムが利用されている。
【0003】
更に、複数箇所の監視を行うため、監視カメラを複数設置することも多々ある。例えば特許文献1には、各種用途別に設けられたカメラによる撮影画像を録画し、ユーザによる選択入力を受け付けて、録画した画像を再生するテレビドアホンが開示されている。ここでは、複数の監視画像を、用途別あるいは時系列といった予め決められた順序で表示し、録画した監視画像の確認作業を容易にすることを意図している。
【特許文献1】特開2006−157178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
監視カメラを複数設置する場合、監視画像を表示するモニタをそれぞれに用意するには、場所の確保が困難になることが考えられる。そして、モニタの数を減らした場合には、同時に全ての監視画像を確認することができないため、監視効果が低くなる可能性がある。例えば、異常のある監視画像が表示されていなければ、ユーザはそれに気付くことができないため、異常の発見が遅れてしまう恐れがある。
【0005】
例えば、前述の特許文献1の方法においても、録画済みの監視画像を確認する作業の効率化を目的としており、撮影中の複数画像の中で重要なものをタイムリーに見せ、ユーザに注目させることは依然として難しい。
【0006】
また、従来は、監視画像の切り替えに際して、ユーザの操作が必要となっている。そこで、セキュリティ向上のためには、ユーザの注目を要する監視画像へ、自動的に切り替わる監視システムが望まれている。
【0007】
そこで、本発明は、複数の監視画像を録画すると共に、その時に異常があると認められる監視画像を自動的に選択して表示する監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的のため、具体的には、以下のようなものを提供する。
【0009】
(1) 複数箇所に設置されたカメラにより撮影された動画像データをそれぞれ含む、複数の監視データを受信し、前記動画像データを画面に表示する監視装置であって、
受信した複数の前記監視データを記憶する手段と、
記憶した複数の前記監視データの時間変化の評価に基づき、当該監視データのうち少なくとも1を選択する手段と、
選択した前記監視データに含まれる前記動画像データを再生表示する手段と、を備える監視装置。
【0010】
このような構成によれば、当該監視装置は、複数箇所に設置されたカメラにより撮影された動画像データをそれぞれ含む、複数の監視データを受信し、受信した複数の前記監視データを記憶し、記憶した複数の前記監視データの時間変化の評価に基づき、当該監視データのうち少なくとも1を選択し、選択した前記監視データに含まれる前記動画像データを再生表示する。
【0011】
このことにより、当該監視装置は、複数の監視データの時間変化を評価することにより、適時表示する監視データを選択する。その結果、当該監視装置は、ユーザに対して、注目すべき監視データを容易に視認させることができるため、ユーザは、複数のカメラを用いた監視が効果的に行える可能性がある。
【0012】
(2) 前記再生表示する手段は、前記画面を分割して、選択した複数の前記監視データを同時に再生表示することを特徴とする(1)に記載の監視システム。
【0013】
このような構成によれば、当該監視装置は、画面を分割して、選択した複数の前記監視データを同時に再生表示するので、注目すべき監視データが複数の場合であっても、効率的にユーザにそれらを視認させられる可能性がある。
【0014】
なお、画面の分割数に限定はなく、画面に表示可能な数を予め設定してもよい。また、画面の分割は、選択した監視データの数に応じて、例えば2分割、4分割と適宜切り替えることとしてよい。ここで、選択した監視データの数が表示可能な数を超える場合には、ユーザから選択入力を受け付けてもよいし、自動で順次切り替えて表示することとしてもよい。
【0015】
(3) 前記監視データには、少なくとも1のマイクにより集音した、前記カメラの近傍における音声データを更に含み、
再生表示する前記動画像データと同期させて前記音声データを再生する手段を更に備える(1)または(2)に記載の監視装置。
【0016】
このような構成によれば、当該監視装置は、少なくとも1のマイクにより集音した、前記カメラの近傍における音声データを監視データとして受信し、再生表示する前記動画像データと同期させて再生する。
【0017】
このことにより、監視データは、画像に音声も加えたものとなるため、ユーザは、監視エリアの状況を効果的に把握できる可能性がある。
【0018】
(4) 前記カメラおよび前記マイクを備えたインターフォン子機との間で通話のデータを送受信する手段と、
前記通話の開始を示す信号を受信する手段と、を更に備え、
前記通話の開始に伴って、前記インターフォン子機に備えたカメラの撮影する動画像を表示することを特徴とする(3)に記載の監視装置。
【0019】
このような構成によれば、当該監視装置は、前記カメラおよび前記マイクを備えたインターフォン子機との間で通話のデータを送受信し、前記通話の開始を示す信号を受信したことに応じて、前記インターフォン子機に備えたカメラの撮影する動画像を表示する。
【0020】
このことにより、当該監視装置は、インターフォンの機能と組み合わせることにより、装置の増数や肥大を招くことなく、家屋入り口を効果的に監視できる可能性がある。
【0021】
(5) 前記監視データには、前記カメラの近傍における人体の接近を感知するセンサからの信号を更に含む(1)から(4)のいずれかに記載の監視装置。
【0022】
このような構成によれば、当該監視装置は、赤外線感知等の方法により人体の接近を感知するセンサを更に設置することにより、当該センサの信号を監視データに含むことができる。
【0023】
このことにより、当該監視装置は、人の接近等の変化を的確に判別できる可能性が高まり、ユーザは、効果的な監視ができる可能性がある。
【0024】
(6) 前記選択する手段は、記憶した前記監視データの時間変化が所定の閾値以上である場合に、当該監視データを選択することを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の監視装置。
【0025】
このような構成によれば、当該監視装置は、記憶した前記監視データの時間変化が所定の閾値以上である場合に、当該監視データを選択する。即ち、監視データに含まれる動画像、音声、センサ信号等が、所定の範囲を超えて変化した場合に、異常データとして判別し、ユーザに提示する。
【0026】
このことにより、当該監視装置は、自動的に異常を検知してユーザに提示するので、効果的な監視ができる可能性がある。
【0027】
(7) 前記記憶する手段は、前記監視データのうち、前記時間変化が所定の閾値に満たない部分を記憶から削除することを特徴とする(6)に記載の監視装置。
【0028】
このような構成によれば、当該監視装置は、前記監視データのうち、前記時間変化が所定の閾値に満たない部分、即ち、異常がないと判別される部分を記憶しない。このことにより、当該監視装置は、記憶するデータ量を低減でき、更に、不必要なデータが削減されることで、重要データの検索が容易になる可能性がある。
【0029】
(8) 前記監視データの時間変化が所定の閾値以上になった場合に、予め記憶した所定の音声データを再生する手段を更に備える(6)または(7)に記載の監視装置。
【0030】
このような構成によれば、当該監視装置は、前記監視データに異常があった場合に、予め記憶した所定の音声データを再生し、ユーザに異常があった旨を知らせることができる。したがって、ユーザは、容易に異常に気付くことができるため、安全性を高めることができる。
【0031】
(9) 通信ネットワークを介して接続された通信端末からの要求に応じて、記憶した前記監視データを、前記通信端末へ送信する手段を更に備える(1)から(8)のいずれかに記載の監視装置。
【0032】
このような構成によれば、当該監視装置は、通信ネットワークを介して別の通信端末へ、記憶した監視データを送信することができる。
【0033】
このことにより、遠隔地から監視データの参照が可能となるため、第三者による監視等によりセキュリティの向上を図ることができる。更には、ユーザは、外出中であっても携帯通信端末等からアクセスすることで監視データを参照することができる。
【0034】
(10) 選択した前記監視データに関して、前記時間変化があった旨を示すデータを、前記通信端末へ送信する手段を更に備える(9)に記載の監視装置。
【0035】
このような構成によれば、当該監視装置は、前記時間変化があった旨を示すデータを、前記通信端末へ送信する。このことにより、当該監視装置は、外出中のユーザや第三者に対して適時警告することができ、対処の遅れを防ぐことができる可能性がある。
【0036】
(11) 前記通信端末から、ユーザに提示するコンテンツのデータを受信する手段と、
前記監視データの代わりに前記コンテンツを表示する手段と、を更に備える(9)または(10)に記載の監視装置。
【0037】
このような構成によれば、当該監視装置は、通信ネットワークを介してコンテンツデータを受信し、表示することができる。
【0038】
このことにより、当該監視装置は、例えば、通信ネットワークを介して収集された防犯情報や、管理者からの通知情報等、様々な情報をユーザに提示することができる。その結果、地域やグループ内全体のセキュリティを向上させられる可能性がある。
【0039】
(12) テレビ放送を受信し、複数のチャンネルに信号変換する手段と、
ユーザから前記チャンネルの選択入力を受け付けたことに応じて、選択をされた前記チャンネルの映像データおよび音声データを、テレビモニタに送信する手段と、を備え、
前記テレビ放送に含まれない所定のチャンネルの選択入力を受け付けた場合には、前記監視データを前記テレビモニタに送信することを特徴とする(1)から(11)のいずれかに記載の監視装置。
【0040】
このような構成によれば、当該監視装置は、テレビ放送を受信し、複数のチャンネルに信号変換し、ユーザから前記チャンネルの選択入力を受け付けたことに応じて、選択をされた前記チャンネルの映像データおよび音声データを、テレビモニタに送信し、前記テレビ放送に含まれない所定のチャンネルの選択入力を受け付けた場合には、前記監視データを前記テレビモニタに送信する。
【0041】
このことにより、当該監視装置は、テレビ放送の空きチャンネルに対して監視データを流すため、例えば既存のCATVのシステムに組み合わせることで、効率的に大型モニタを流用することができる。更に、テレビに付属するリモコン等により、ユーザは、適時テレビ放送から監視データの表示に切り替えることができる。
【0042】
(13) 複数箇所に設置されたカメラにより撮影された動画像データをそれぞれ含む、複数の監視データを受信し、前記動画像データを画面に表示する方法であって、
受信した複数の前記監視データを記憶するステップと、
記憶した複数の前記監視データの時間変化の評価に基づき、当該監視データのうち少なくとも1を選択するステップと、
選択した前記監視データに含まれる前記動画像データを再生表示するステップと、を含む方法。
【0043】
このような構成によれば、当該方法を実施することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0044】
本発明の監視装置によれば、複数の監視画像等の監視データを記録すると共に、異常があると認められる監視データを自動的に選択してユーザに提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
本発明に係る好適な実施形態の一例について、図面に基づいて以下に説明する。
【0046】
[システム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態の一例に係るシステム構成を示すブロック図である。
【0047】
監視装置10は、受信部110、制御部120、記憶部130、入力部140、出力部150、通信制御部160を備えている。
【0048】
受信部110は、複数のカメラ20が撮影する画像データを受信する。ここで、入力はカメラ20からの画像データのみとしているが、これには限られず、音声データや、その他センサ(例えば、人体感知センサ、温度センサ、ガスセンサ、煙センサ等)の信号、施錠検知データ等、様々な監視データを受信することとしてよい。
【0049】
制御部120は、情報の演算、処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、監視装置10全体の制御を行う。制御部120は、記憶部130に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、受信部110が受信した各種データに基づいて、本発明に係る各種機能を実現している。
【0050】
記憶部130は、制御部120と組み合わせてプログラムの実行に使用するローカルメモリ、大容量のバルクメモリ、および当該バルクメモリの検索を効率的に行うために使用するキャッシュメモリを含んでよい。記憶部130を実現するコンピュータ可読媒体としては、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。
【0051】
入力部140は、ユーザによる操作入力の受け付けを行うものであり、各種操作ボタンを備えるコントロールパネルや、タッチパネルを含む。入力部140は、直接または介在I/Oコントローラを介して監視装置10と接続することができる。また、入力部140は、赤外線通信等の受信部であってもよく、この場合には、ユーザが操作するリモートコントローラからの操作入力信号を受信することにより、制御部120に制御信号を送信する。
【0052】
出力部150は、制御部120による処理結果の画面を表示したり、音声データを発したりするものであり、監視装置10のユーザに対して各種情報を提示するものである。例えば、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置やスピーカ等を含む。出力部150は、直接または介在I/Oコントローラを介して当該コンピュータと接続することができる。
【0053】
通信制御部160は、監視装置10を専用ネットワークまたは公共ネットワークを介して別の演算処理システムまたは記憶装置と接続できるようにするためのネットワーク・アダプタである。通信制御部160は、通信回線を介して通信端末30に対して、記憶部130に記憶する各種監視データ等を送信する。
【0054】
[監視装置概観]
図2は、本発明の好適な実施形態の一例に係る監視装置10の外観を示す図である。本実施形態においては、監視装置10は、インターフォンに本発明に係る各種機能を付加した装置であり、インターフォン用カメラと、その他3つのカメラ20とを接続し、それぞれの画像データを受信する。
【0055】
監視装置10は、インターフォンの機能として、インターフォンコントローラ15、スピーカ16、マイク17、受話器18を備えている。ユーザは、受話器18を介して、戸外の訪問者と会話する。その際、インターフォンコントローラ15により、ドアの開錠/施錠を行うことができる。また、通話ボタンを押下することにより、受話器18の代わりにスピーカ16およびマイク17によって、ハンズフリーでの通話が可能となる。
【0056】
液晶ディスプレイ11は、インターフォン子機が備えるカメラ20からの画像と、監視装置10に接続されたその他のカメラ20からの画像とを表示する。4つのカメラ20の画像を切り替えるには、表示コントローラ13が利用される。表示コントローラ13のカメラ切り替えボタンにより、ユーザからの選択入力を受け付け、選択されたカメラ20の画像を液晶ディスプレイ11に表示する。
【0057】
監視装置10は、カメラ20が現在撮影中の画像だけでなく、記憶部130に記憶した過去の画像も再生表示する。表示コントローラ13が備える操作ボタンにより、ユーザから再生、早送り、巻き戻し、停止等の操作を受け付け、液晶ディスプレイ11に当該操作に応じた画像を表示する。なお、画像と同期した音声は、スピーカ16から発することとしてよい。
【0058】
センサ状況表示部12は、玄関ドアの開錠/施錠状態、火災・煙検知、ガス検知、CO検知等の情報を表示する。これらは、それぞれ、対応するセンサからの信号を受信することによって異常をユーザに報知する。ここで、各センサは、カメラ20の近傍に備えることとしてもよく、その場合には、カメラ20の画像と連動し、センサにて異常が見つかった場所の画像を液晶ディスプレイ11に表示することが可能となる。
【0059】
ホットラインボタン14は、緊急時にユーザからの押下を受け付けると、通信回線を介して管理センタ等に設置された通信端末30へ、通報データを送信する。このことにより、管理センタでは、状況に応じて、他のユーザへの連絡や、警察への通報等の処置を行うことができる。
【0060】
なお、通信端末30への通報は、前述の各種センサの異常を検知した場合や、カメラ20の画像から異常を検知した場合等に、監視装置10が自動で行うこととしてもよい。画像から異常を検知する方法は、従来の様々な方法を用いることができ、例えば、カメラ20の設置場所によっては、画像データの変化量が所定の閾値を超えた場合に異常とする等としてよい。
【0061】
外部接続端子19は、記憶部130に記憶した監視データを外部記憶装置に転送する等、外部機器との接続のための端子であり、USB端子等であってよい。
【0062】
[監視データ]
図3は、本発明の好適な実施形態の一例に係る監視データの記憶タイミングを示す図である。
【0063】
カメラ20により撮影した画像データは、記憶部130に記憶するが、その中にはセキュリティ目的において重要ではない部分も含まれている。それらは、記憶領域を圧迫するだけでなく、重要な画像部分を探し難くしてしまうことも考えられる。
【0064】
そこで、異常を検出している間について記録を残すこととし、例えば、異常を検出した時点の所定時間前(異常発生をユーザが確認できる程度前)からの監視データを記録として保持する。一方、それ以前の監視データは、不要なものとして破棄する。
【0065】
記憶する監視データは、例えば図4に示す監視データテーブルに収める。監視データテーブルは、識別IDと共に、開始時刻、終了時刻、画像データおよびその他センサ信号等のデータファイル名を記憶する。
【0066】
[メイン処理]
図5は、本発明の好適な実施形態の一例に係るメイン処理の流れを示す図である。以下、監視データとして、カメラ20により撮影される画像データに限定して説明する。しかし、監視データとしては、前述のように、画像データ以外も組み合わせることができ、以下の説明においても、適宜読み替えることができる。
【0067】
ステップS11では、監視装置10は、電源の投入を契機として、カメラ20から受信する画像データの記録を開始する。画像データは、監視場所(カメラ設置場所)毎に、監視データテーブル(図4)に記憶する。
【0068】
ステップS12では、監視装置10は、画像データの時間変化を監視し、異常があるか否かを判別する。具体的には、例えば、画像データの変化量が、予め設定した閾値を超えた場合に異常であると判別する。あるいは、変化が所定時間以上継続した場合に異常であると判別し、訪問販売員が長時間居座っている場合等に対応できるようにしてもよい。そして、監視装置10は、異常があると判別した場合には、ステップS13に処理を移し、異常がない場合には、ステップS14に処理を移す。
【0069】
ステップS13では、監視装置10は、ユーザに注目させる画像データを選択する。具体的には、ステップS12にて異常であると判別された画像データを選択する。本実施例では4台のカメラ20を設置しているので、選択される画像データの数は1〜4となる。
【0070】
ここで、異常がある旨をユーザに知らせるため、警報として、予め記憶した音声データを再生し、スピーカ16から流すこととしてもよい。このことにより、即座にユーザの注意を監視装置10に向けさせることができ、重要な画像を見逃す可能性を減らすことが期待できる。
【0071】
ステップS14では、監視装置10は、異常を検出して選択された画像データの数に応じて、液晶ディスプレイ11の表示切り替えを行う。詳細は図6にて後述する。
【0072】
ステップS15では、監視装置10は、処理を終了するか否かの入力をユーザから受け付ける。終了する旨の入力を受け付けなかった場合には、監視装置10は、ステップS12に処理を戻し、画像データの記録、表示を継続する。
【0073】
ステップS16では、監視装置10は、ステップS15にて処理終了の入力を受け付けたことに応じて、画像データの記録を終了する。これにより、監視データテーブル(図4)の終了時刻フィールドの値が確定する。
【0074】
なお、監視データテーブルの開始時刻および終了時刻には、ステップS11およびステップS16の時刻が記憶されるが、前述のように、不要部分の削除を行った場合には、この限りではなく、必要部分が適宜選択され、その開始時刻および終了時刻が記憶される。
【0075】
[表示切り替え処理]
図6は、本発明の好適な実施形態の一例に係る表示切り替え処理の流れを示す図である。本処理は、メイン処理(図5)のステップS14にて呼び出される。
【0076】
ステップS21では、監視装置10は、メイン処理において異常を検出した画像データの数に応じて、処理を分岐する。具体的には、監視装置10は、当該数が4または3の場合にはステップS22に処理を移し、当該数が2の場合にはステップS23に処理を移し、当該数が1の場合にはステップS24に処理を移し、当該数が0の場合にはステップS25に処理を移す。
【0077】
ステップS22では、監視装置10は、液晶ディスプレイ11において、画面を4分割し、選択された3または4の画像データを表示する。画像データの数が3の場合には4分割した内の1は未使用となる。あるいは、選択されなかった画像データを表示することとしてもよい。
【0078】
図7に示す監視装置10の画面表示例では、4分割した画面に3の画像データを表示している。右下部は非表示としているが、選択されなかった画像データを表示した上で、選択された3の画像データについては、表示部分の輪郭を強調する等して区別してもよい。
【0079】
ステップS23では、監視装置10は、液晶ディスプレイ11において、画面を2分割し、選択された2の画像データを表示する。この場合、4の画像データの内、異常を検出した2の画像データのみを表示するので、ユーザに対して注意を促すことができる。図8に示す監視装置10の画面表示例では、2分割した画面に2の画像データを表示している。
【0080】
ステップS24では、監視装置10は、液晶ディスプレイ11において、選択された1の画像データを全画面で表示する(図示せず)。このことにより、異常を検出した画像データのみを表示するので、ユーザは、当該画像データに対して大きな注意を向けることになる。
【0081】
ステップS25では、選択された画像データがないため、監視装置10は、通信端末30から受信する別のコンテンツデータを表示する。図9に示す監視装置10の画面表示例では、警戒情報のニューステロップを表示している。なお、選択された画像データがない場合であっても、図7のように画像データを表示することとしてもよい。その後、例えば、通信端末30からコンテンツデータを受信したことに応じて、当該コンテンツデータに表示を切り替えることとしてもよい。
【0082】
なお、本実施形態では、画面の分割数を2分割または4分割としているが、カメラ20の数によっては、分割数に限定はない。しかしながら、ユーザの視認しやすさを考慮し、分割数の上限は予め設定しておくことが望ましい。その際、例えば、選択された画像データが当該上限を超える場合には、ユーザからの選択入力を受け付けることにより、表示する画像を決定することとしてよい。または、選択された画像データを所定の時間間隔で順次切り替えて表示することとしてもよい。
【0083】
[通報処理]
図10は、本発明の好適な実施形態の一例に係る通報処理の流れを示す図である。本処理によって、監視装置10から管理センタ等に情報が伝達され、当該情報に応じた対処を可能とする。
【0084】
監視装置10は、ステップS31で画像データの記録を開始し、ステップS32で画像データの異常を検出する。ここで、異常が検出されない場合には監視を継続し、通信端末30との間でデータの送受信は発生しない。
【0085】
ステップS32で画像データの異常を検出した場合には、監視装置10は、ステップS33で通報を行う。具体的には、異常を検出した画像データを識別するデータと共に、異常があった旨を示す通報データを通信端末30に送信する(ステップS34)。
【0086】
ここで、通報の契機は、画像データの異常を検出したことによる自動処理としてよいが、例えば、ユーザによるホットラインボタン14(図2)の押下を受け付けることにより行うこととしてもよい。
【0087】
ステップS35では、通信端末30は、ステップS34にて受信した通報データに応じて、監視装置10が記憶する画像データを要求するデータを監視装置10に送信する。
【0088】
ステップS36では、監視装置10は、ステップS35の要求に応じた画像データを、通信端末30に送信する。このことにより、通信端末30においても、当該画像データを再生表示することができ、管理センタ等の遠隔地から、通報に応じた対処が可能となる。
【0089】
[テレビとの連携構成]
図11は、本発明の好適な実施形態の一例に係る監視装置10を、テレビと組み合わせた構成を示す概要図である。
【0090】
テレビ放送を受信し、モニタ50の各チャンネルに信号を送信するチューナ40は、監視装置10と接続されている。チューナ40は、コントローラ60によってチャンネル変更の信号を受信すると、該当チャンネルの信号をモニタ50に送信し、モニタ50に該当チャンネルのテレビ映像が表示される。
【0091】
ここで、チューナ40は、コントローラ60から、テレビ放送のない所定のチャンネルを選択する信号を受信すると、監視装置10から表示データを受信し、モニタ50に表示するための信号に変換し、モニタ50に送信する。なお、当該表示データは、カメラ20により撮影された画像データであり、監視装置10の液晶ディスプレイ11に表示しているものと同一である。
【0092】
このように、テレビの空きチャンネルを利用して、テレビ用のモニタ50に監視装置10の画像データを表示することにより、ユーザは、適宜、大画面で監視画像を見ることができる。また、コントローラ60を利用することで、容易にテレビ映像と監視画像とを切り替えることができる。
【0093】
なお、監視装置10とチューナ40とは別の装置としたが、これには限られず、両方の機能を併せ持つ1の装置としてもよい。
【0094】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の好適な実施形態の一例に係るシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の一例に係る監視装置10の外観を示す図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の一例に係る監視データの記憶タイミングを示す図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の一例に係る監視データテーブルを示す図である。
【図5】本発明の好適な実施形態の一例に係るメイン処理の流れを示す図である。
【図6】本発明の好適な実施形態の一例に係る表示切り替え処理の流れを示す図である。
【図7】本発明の好適な実施形態の一例に係る監視装置10の画面表示例を示す図である。
【図8】本発明の好適な実施形態の一例に係る監視装置10の画面表示例を示す図である。
【図9】本発明の好適な実施形態の一例に係る監視装置10の画面表示例を示す図である。
【図10】本発明の好適な実施形態の一例に係る通報処理の流れを示す図である。
【図11】本発明の好適な実施形態の一例に係る監視装置10を、テレビと組み合わせた構成を示す概要図である。
【符号の説明】
【0096】
10 監視装置
11 液晶ディスプレイ
12 センサ状況表示部
13 表示コントローラ
14 ホットラインボタン
15 インターフォンコントローラ
16 スピーカ
17 マイク
18 受話器
19 外部接続端子
20 カメラ
30 通信端末
40 チューナ
50 モニタ
60 コントローラ
110 受信部
120 制御部
130 記憶部
140 入力部
150 出力部
160 通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数箇所に設置されたカメラにより撮影された動画像データをそれぞれ含む、複数の監視データを受信し、前記動画像データを画面に表示する監視装置であって、
受信した複数の前記監視データを記憶する手段と、
記憶した複数の前記監視データの時間変化の評価に基づき、当該監視データのうち少なくとも1を選択する手段と、
選択した前記監視データに含まれる前記動画像データを再生表示する手段と、を備える監視装置。
【請求項2】
前記再生表示する手段は、前記画面を分割して、選択した複数の前記監視データを同時に再生表示することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記監視データには、少なくとも1のマイクにより集音した、前記カメラの近傍における音声データを更に含み、
再生表示する前記動画像データと同期させて前記音声データを再生する手段を更に備える請求項1または請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記カメラおよび前記マイクを備えたインターフォン子機との間で通話のデータを送受信する手段と、
前記通話の開始を示す信号を受信する手段と、を更に備え、
前記通話の開始に伴って、前記インターフォン子機に備えたカメラの撮影する動画像を表示することを特徴とする請求項3に記載の監視装置。
【請求項5】
前記監視データには、前記カメラの近傍における人体の接近を感知するセンサからの信号を更に含む請求項1から請求項4のいずれかに記載の監視装置。
【請求項6】
前記選択する手段は、記憶した前記監視データの時間変化が所定の閾値以上である場合に、当該監視データを選択することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の監視装置。
【請求項7】
前記記憶する手段は、前記監視データのうち、前記時間変化が所定の閾値に満たない部分を記憶から削除することを特徴とする請求項6に記載の監視装置。
【請求項8】
前記監視データの時間変化が所定の閾値以上になった場合に、予め記憶した所定の音声データを再生する手段を更に備える請求項6または請求項7に記載の監視装置。
【請求項9】
通信ネットワークを介して接続された通信端末からの要求に応じて、記憶した前記監視データを、前記通信端末へ送信する手段を更に備える請求項1から請求項8のいずれかに記載の監視装置。
【請求項10】
選択した前記監視データに関して、前記時間変化があった旨を示すデータを、前記通信端末へ送信する手段を更に備える請求項9に記載の監視装置。
【請求項11】
前記通信端末から、ユーザに提示するコンテンツのデータを受信する手段と、
前記監視データの代わりに前記コンテンツを表示する手段と、を更に備える請求項9または請求項10に記載の監視装置。
【請求項12】
テレビ放送を受信し、複数のチャンネルに信号変換する手段と、
ユーザから前記チャンネルの選択入力を受け付けたことに応じて、選択をされた前記チャンネルの映像データおよび音声データを、テレビモニタに送信する手段と、を備え、
前記テレビ放送に含まれない所定のチャンネルの選択入力を受け付けた場合には、前記監視データを前記テレビモニタに送信することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の監視装置。
【請求項13】
複数箇所に設置されたカメラにより撮影された動画像データをそれぞれ含む、複数の監視データを受信し、前記動画像データを画面に表示する方法であって、
受信した複数の前記監視データを記憶するステップと、
記憶した複数の前記監視データの時間変化の評価に基づき、当該監視データのうち少なくとも1を選択するステップと、
選択した前記監視データに含まれる前記動画像データを再生表示するステップと、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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