説明

監視装置

【課題】 監視効率を向上させ操作ミスを低減することができる監視装置を提供する。
【解決手段】 複数のカメラ部11から特定のカメラを選択するカメラ選択と、旋回によりカメラの視野を決定するカメラ視野と、センサ13からの信号の扱いを決定するセンサ処理と、カメラからの映像信号に応じた映像をモニタ部14に表示させる仕方を特定する表示方法との内の少なくとも一つの監視方法について決定して記憶する記憶部16と、指定に応じて監視方法を読み出して読み出した監視方法に応じて映像を記憶領域に記録する制御部12をもつ監視装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、侵入者や設備異常、火災等を特有のパターンに応じて監視する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、テレビジョンカメラ(TVカメラ)等の撮像装置を用いて、監視対象領域内に侵入する物体を監視することが行われている。また、監視員による有人監視ではなく、装置またはシステムが自動的に監視する監視装置が開発され普及していきている。
このような監視装置は、複数のカメラ、複数のモニタを用いたシステムが用意される場合、カメラ選択やモニタに表示する映像選択が行われ、また、カメラを旋回させてカメラ視野を任意に選択することができ、また、カメラ以外のセンサが用いられた場合は、このセンサの検出結果を監視に反映することができる。このような映像の監視方法をユーザは、運用に応じて任意に変更することができる。
【0003】
特許文献1は、監視条件に対応したパラメータをグルーピングしておき、グルーピングした各グループ内のパラメータの適切な値を監視条件の度合いに応じて予め決定しておいて瞬時に変更する監視装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−193438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の従来技術は、例えば草木のゆれの有無や、日照変化の有無、映像ノイズの有無等の条件を順番に入力することで、例えば、映像の平滑化、フレームレートの低減率、二値化閾値等の映像のパラメータを自動選択することを行っているが、監視処理においては、複数のカメラの内のどのカメラを選択すべきかのカメラ選択、各カメラの旋回をどのようにするかの旋回カメラ視野、センサからの信号をどう扱うかのセンサ処理、モニタの画面を例えば自動切換え表示するのか4分割表示にするのか等の表示仕様、等、その都度、ユーザが設定しなければならない事項が多い。これらの事項を監視装置の設定のたびにユーザが設定しなおすことは操作上、非常に煩雑になる。
【0006】
すなわち、カメラ選択やモニタに表示する映像選択、旋回カメラのカメラ視野、センサ警戒状態等の監視パターンを、ユーザが運用に応じて個別に変更した際に、ユーザ使用頻度の高いパターン(ユーザにとって最適な監視パターン)に戻す場合も、同様に個別の設定変更が必要であったため、設定箇所が多くなるほど手間がかかり、監視効率の低下やオペレーションミスを誘発する可能性がある。
【0007】
本発明は、監視効率を向上させ操作ミスを低減することができる監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決する一実施形態は、
複数のカメラから特定のカメラを選択するカメラ選択と、カメラを旋回することでカメラの視野を決定するカメラ視野と、外部のセンサからの信号の扱いを決定するセンサ処理と、前記カメラからの映像信号に応じた映像をモニタに表示させる仕方を特定する表示方法との内の少なくとも一つの監視方法について決定し記憶する記憶部と、
前記記憶された監視方法を読み出し、読み出した監視方法に応じて前記カメラからの映像を記憶領域に記録するべく制御する制御部と、
を具備することを特徴とする監視装置である。
【発明の効果】
【0009】
ユーザの使用頻度が高いパターン(ユーザにとって最適な監視パターン)をサーバまたは制御部または操作部等の内部記憶領域にあらかじめ登録することで、登録した監視パターンを操作部の操作ボタンをワンプッシュすることで読み出し、自動設定させることにより、監視効率向上やオペレーションミスの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る監視装置の構成を示すブロック図。
【図2】当該監視装置が記憶する監視方法の具体的なパターンを示す説明図。
【図3】当該監視装置の動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る監視装置1は、被写体の映像信号を出力し、旋回モータ等で旋回可能な複数のカメラ部11と、カメラ部11等からの映像信号を記録する記憶部16と、この記憶部16に予め設定して登録した監視方法を読み出して、この登録された監視方法に従って映像信号を記録する制御部12と、侵入者や設備異常、火災等を検出するセンサ13と、この制御部12にユーザの操作に応じた操作信号を供給する操作部15と、記憶部に記憶された映像信号に応じた映像を表示するモニタ部14を有するものである。
【0012】
また、カメラ部11は、一例として、電動ズームレンズや旋回機能を有するカメラ装置である。また、制御部12は、本来の機能として、例えば、操作部15との制御信号の送受信、カメラの制御、モニタ映像の選択制御、センサの設定制御等を行い、また、監視パターンを記憶部16等に保存し読み出して監視処理に用いる機能を有する。また、操作部15は、一例として、ハードスイッチパネル、またはパソコン、またはタッチパネル等で構成されるものである。
【0013】
上述した構成をもつ本発明の一実施形態に係る監視装置1は、操作部15からの操作情報に応じて、カメラ部11からの映像信号を取得して、この映像信号を記憶部16に記録し、また、モニタ部14に映像信号に応じた映像を表示する。
また、本発明の一実施形態に係る監視装置1は、図2に一例が示されるような監視パターンPを、図3のフローチャートに従って登録し、また、この監視パターンPを適宜読み出して、実行するものである。
【0014】
すなわち、制御部12は、操作部15からの操作信号に応じて、一例として図2に示されるような監視パターンPをそれぞれ登録する。具体的には、第1パターンにおいて、複数の旋回型のカメラ部11から監視に使用するカメラを例えば第5カメラとして選択する(ステップS11)。次に、このカメラの旋回モータをどのように旋回させて視野を得るかを特定する旋回カメラ視野を特定し、例えば第3プリセットに対応した視野を特定する(ステップS12)。さらに、制御部12は、侵入者や設備異常、火災等を検出するセンサ13からの検出信号をどのように扱うのか、例えば、警戒状態として扱うかどうかを特定する(ステップS13)。さらに、制御部12は、映像信号をもモニタ部14にどのように表示するのか、例えば、「自動切替表示」を行うのか、または、「4分割表示」を行うのか等のようにモニタ部14への表示方法を特定する(ステップS14)。
【0015】
そして、制御部12は、このように設定した監視パターンを、例えば第1パターン等として記憶部16に登録する(ステップS15)。その後、ユーザが操作部15を操作することで、例えば、操作部の操作ボタンをワンプッシュすることで、第1パターンや、第3パターン等を指定する等の指定の仕方によって、一つのパターンが指定されると、制御部12は、指定されたパターンに応じて、監視方法を記憶部16から読み出す。そして、制御部12は、読み出した監視方法に応じて、監視を行うものである(ステップS16)。
【0016】
なお、上述した実施形態では、監視パターンを記憶部16に記憶しているが、必ずしもここに記憶しなくとも操作部15の記憶領域や制御部12の記憶領域に記憶することも可能である。
以上、詳細に説明したように、本発明の一実施形態に係る監視装置は、このような動作により使用頻度の高い監視パターンを登録し活用することで、ユーザの使用頻度が高いパターン(ユーザにとって最適な監視パターン)をサーバまたは制御部または操作部等の内部記憶領域にあらかじめ登録することで、登録した監視パターンを操作部の操作ボタンをワンプッシュすることで読み出し、自動設定させることにより、監視効率向上やオペレーションミスの低減を図ることができる。
【0017】
以上記載した様々な実施形態は複数同時に実施することが可能であり、これらの記載により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0018】
1…監視装置、11…カメラ部、12…制御部、13…センサ、14…モニタ部、15…操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカメラから特定のカメラを選択するカメラ選択と、カメラを旋回することでカメラの視野を決定するカメラ視野と、外部のセンサからの信号の扱いを決定するセンサ処理と、前記カメラからの映像信号に応じた映像をモニタに表示させる仕方を特定する表示方法との内の少なくとも一つの監視方法について決定し記憶する記憶部と、
前記記憶された監視方法を読み出し、読み出した監視方法に応じて前記カメラからの映像を記憶領域に記録するべく制御する制御部と、を具備することを特徴とする監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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