説明

直接圧縮製剤および方法

本発明は錠剤、とりわけジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤化合物の直接圧縮により形成される錠剤、それらの製造法、新規医薬製剤および錠剤内に直接圧縮することができるDPP−IV阻害製剤を含む新規打錠用粉末に関する。本発明はさらに新規製剤内に活性成分および特定の賦形剤を混合し、次いで直接圧縮錠剤内に製剤を直接圧縮することによる錠剤の製造法に関する。本発明はまたビルダグリプチンの粒径分布および改良錠剤および他の医薬組成物を製造するために特に適用されるビルダグリプチンの新規結晶形に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は錠剤、とりわけジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤化合物の直接圧縮により形成される錠剤、それらの製造法、新規医薬製剤および錠剤内に直接圧縮することができるDPP−IV阻害製剤を含む新規打錠用(tableting)粉末に関する。本発明はさらに新規製剤内に活性成分および特定の賦形剤を混合し、次いで直接圧縮錠剤内に製剤を直接圧縮することによる錠剤の製造法に関する。本発明はまたビルダグリプチンの粒径分布および改良錠剤および他の医薬組成物を製造するために特に適用されるビルダグリプチンの新規結晶形に関する。
【発明の開示】
【0002】
本発明で主に指示される好ましいDPP−IV阻害剤化合物を下記する:
【0003】
本出願において、“DPP−IV阻害剤”はまた活性代謝物およびそのプロドラッグ、例えばDPP−IV阻害剤の活性代謝物およびプロドラッグを含むことを意味する。“代謝物”はDPP−IV阻害剤が代謝されるとき製造されるDPP−IV阻害剤の活性誘導体である。“プロドラッグ”はDPP−IV阻害剤に代謝されるか、またはDPP−IV阻害剤と同じ代謝物(複数を含む)に代謝される化合物である。
【0004】
DPP−IV阻害剤は当分野で既知である。例えば、DPP−IV阻害剤は例えばWO 98/19998、DE19616 486 A1、WO 00/34241、WO 95/15309、WO 01/72290、WO 01/52825、WO 9310127、WO 9925719、WO 9938501、WO 9946272、WO 9967278およびWO 9967279においてそれぞれの場合に一般的におよび具体的に記載されている。
【0005】
好ましいDPP−IV阻害剤は下記特許出願に記載されている;WO 02053548とりわけ化合物1001から1293および実施例1から124、WO 02067918とりわけ化合物1000から1278および2001から2159、WO 02066627とりわけ実施例に記載、WO 02/068420とりわけ実施例IからLXIIIに具体的に記載されているすべての化合物および記載されている対応する類似体、さらに好ましい化合物はIC50を報告している表において記載されている2(28)、2(88)、2(119)、2(136)、WO 02083128とりわけ実施例1から13、US 2003096846とりわけ具体的に記載されている化合物、WO 2004/037181とりわけ実施例1から33および請求項3から5の化合物、WO 0168603とりわけ実施例1から109の化合物、EP1258480とりわけ実施例1から60の化合物、WO 0181337とりわけ実施例1から118、WO 02083109とりわけ実施例1Aから1D、WO 030003250とりわけ実施例1から166、もっとも好ましくは1から8の化合物、WO 03035067とりわけ実施例において記載されている化合物、WO 03/035057とりわけ実施例において記載されている化合物、US2003216450とりわけ実施例1から450、WO 99/46272とりわけ請求項12、14、15および17の化合物、WO 0197808とりわけ請求項2の化合物、
【0006】
WO 03002553とりわけ実施例1から33の化合物、WO 01/34594とりわけ実施例1から4において記載されている化合物、WO 02051836とりわけ実施例1から712、EP1245568とりわけ実施例1から7、EP1258476とりわけ実施例1から32、US 2003087950とりわけ実施例において記載されているもの、WO 02/076450とりわけ実施例1から128、WO 03000180とりわけ実施例1から162、WO 03000181とりわけ実施例1から66、WO 03004498とりわけ実施例1から33、WO 0302942とりわけ実施例1から68、US 6482844とりわけ実施例に記載されているもの、WO 0155105とりわけ実施例1および2に記載されている化合物、WO 0202560とりわけ実施例1から166、WO 03004496とりわけ実施例1から103、WO 03/024965とりわけ実施例1から54、WO 0303727とりわけ実施例1から209、WO 0368757とりわけ実施例1から88、WO 03074500とりわけ実施例1から72、実施例4.1から4.23、実施例5.1から5.10、実施例6.1から6.30、実施例7.1から7.23、実施例8.1から8.10、実施例9.1から9.30、WO 02038541とりわけ実施例1から53、WO 02062764とりわけ実施例1から293、好ましくは実施例95の化合物(2−{{3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−ネオペンチル−1−オキソ−1,2 ジヒドロ−6−イソキノリニル}オキシ}アセトアミド塩酸塩)、WO 02308090とりわけ実施例1−1から1−109、実施例2−1から2−9、実施例3、実施例4−1から4−19、実施例5−1から5−39、実施例6−1から6−4、実施例7−1から7−10、実施例8−1から8−8、90ページの実施例7−1から7−7、91から95ページの実施例8−1から8−59、実施例9−1から9−33、実施例10−1から10−20、
【0007】
US 2003225102とりわけ化合物1から115、実施例1から121の化合物、好ましくは化合物a)からz)、aa)からaz)、ba)からbz)、ca)からcz)およびda)からdk)、WO 0214271とりわけ実施例1から320およびUS 2003096857、WO 2004/052850とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば実施例1から42および請求項1の化合物、DE 102 56 264 A1とりわけ記載されている化合物、例えば実施例1から181および請求項5の化合物、WO 04/076433とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば表Aに記載されているもの、好ましくは表Bに記載されている化合物、好ましくは化合物IからXXXXVII、または請求項6から49の化合物、WO 04/071454とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば化合物1から53または表IaからIfの化合物、または請求項2から55の化合物、WO 02/068420とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば化合物IからLXIIIまたは実施例Iおよび類似体1から140または実施例2および類似体1から174または実施例3および類似体1、または実施例4から5、または実施例6および類似体1から5、または実施例7および類似体1−3、または実施例8および類似体1、または実施例9、または実施例10および類似体1から531、さらに好ましくは請求項13の化合物、WO 03/000250とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば化合物1から166、好ましくは実施例1から9の化合物、WO 03/024942とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば化合物1から59、表1(1から68)の化合物、請求項6、7、8、9の化合物、WO 03024965とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば化合物1から54、WO 03002593とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば表1のまたは請求項2から15の化合物、
【0008】
WO 03037327とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば実施例1から209の化合物、WO 03/000250とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば化合物1から166、好ましくは実施例1から9の化合物、WO 03/024942とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば化合物1から59、表1(1から68)の化合物、請求項6、7、8、9の化合物、WO 03024965とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば化合物1から54、WO 03002593とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば表1のまたは請求項2から15の化合物、WO03037327とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば実施例1から209の化合物、WO 0238541、WO 0230890、米国出願番号第09/788,173号 2001年2月16日出願(代理人ファイルLA50)とりわけ実施例に記載されているもの、WO99/38501とりわけ実施例に記載されているもの、W099/46272とりわけ実施例に記載されているものおよびDE19616 486 A1とりわけval−pyr、val−チアゾリジド、イソロイシル−チアゾリジド、イソロイシル−ピロリジド、ならびにイソロイシル−チアゾリジドおよびイソロイシル−ピロリジドのフマル酸塩、WO 0238541とりわけ具体的に記載されている化合物、例えば実施例1から53の化合物、WO 03/002531とりわけ具体的に記載されている化合物、好ましくは9から13ページに記載されている化合物、もっとも好ましくは実施例1から46の化合物、およびより好ましくは実施例9の化合物、米国特許第6,395,767号、好ましくは実施例1から109の化合物、もっとも好ましくは実施例60の化合物。
【0009】
さらに好ましいDPP−IV阻害剤は米国特許第6124305号およびUS 6107317、国際特許出願、出願番号WO 9819998、WO 95153 09およびWO 9818763に記載されている具体例;例えば1−[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノエチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンおよび(2S)−I−[(2S)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタノイル]−2−ピロリジンカルボニトリルを含む。
【0010】
WO 9819998はN−(N’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン、特に1−[2−[5−シアノピリジン−2−イル]アミノ]−エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンを公開している。好ましいWO03/002553に記載されている化合物は9から11ページに記載されており、出典明示により本明細書に包含させる。公開特許出願WO 0034241および公開特許US 6110949はN−置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジンおよびN−(置換グリシル)−4−シアノピロリジン各々を公開している。興味深いDPP−IV阻害剤は特に請求項1から4に引用されているものである。特にこれらの出願は化合物1−[[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル]−2−シアノ−(S)−ピロリジン(LAF237またはビルダグリプチンとしても既知である)を記載している。
【0011】
WO 9515309はDPP−IVの阻害剤としてアミノ酸2−シアノピロリジンアミドを記載しており、そしてWO 9529691はα−アミノアルキルホスホン酸のジエステルのペプチジル誘導体、特にプロリンまたは関連構造を有するものを記載している。興味深いDPP−IV阻害剤は特に表1から8に引用されているものである。WO 01/72290において、興味深いDPP−IV阻害剤は特に実施例1および請求項1、4および6に引用されているものである。WO 9310127はDPP−IV阻害剤として有用なプロリンボロン酸エステルを記載している。興味深いDPP−IV阻害剤は特に実施例1から19に引用されているものである。公開特許出願WO 9925719はストレプトミセス微生物を培養することにより製造されるDPP−IV阻害剤である、サルホスチン(sulphostin)を記載している。WO 9938501はN−置換4−から8−員ヘテロ環式環を記載している。興味深いDPP−IV阻害剤は特に請求項15から20に引用されているものである。
【0012】
WO 9946272はDPP−IVの阻害剤としてリン化合物を記載している。興味深いDPP−IV阻害剤は特に請求項1から23に引用されているものである。
【0013】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は特許出願WO 03/057200 14から27ページにおいて記載されている式I、IIまたはIIIの化合物である。もっとも好ましいDPP−IV阻害剤は28および29ページに具体的に記載されている化合物である。
【0014】
公開特許出願WO 9967278およびWO 9967279はDPP−IVプロドラッグおよびCが安定なまたは不安定なDPP−IVの阻害剤であるA−B−C形の阻害剤を記載している。
【0015】
好ましくは、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは式VII
【化1】

[式中、
jは0、1または2であり;
ε1は天然アミノ酸の側鎖を示し;そして
ε2は低級アルコキシ、低級アルキル、ハロゲンまたはニトロを示す。]
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0016】
本発明の非常に好ましい態様において、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは式VIIa
【化2】

の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0017】
例えば式VIIまたはVIIaのN−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンおよびそれらの製造はH.U. Demuth et al. in J. Enzyme Inhibition 1988, Vol. 2, 129−142ページ、とりわけ130−132ページに記載されている。
【0018】
もっとも好ましくは該阻害剤は遊離形または酸付加塩形の式(I)
【化3】

[式中、
Rは置換アダマンチルであり;そして
nは0から3である。]
のN−(置換グリシル)−2−シアノピロリジンである。
【0019】
“置換アダマンチル”なる用語はアルキル、−ORまたは−NR(ここでR、RおよびRは独立して水素、アルキル、(C−Cアルカノイル)、カルバミル、または−CO−NR(ここでRおよびRは独立してアルキル、非置換または置換アリールであり、そして加えてRおよびRの1つが水素であるか、またはRおよびRが一緒にC−Cアルキレンを示す))から選択される1個またはそれ以上の、例えば、2個の置換基により置換されているアダマンチル、すなわち、1−または2−アダマンチルを示す。
【0020】
“アリール”なる用語は好ましくはフェニルを示す。置換フェニルは好ましくは例えばアルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから選択される1個またはそれ以上の、例えば2個の置換基により置換されているフェニルである。
【0021】
“アルコキシ”なる用語はアルキル−O−を示す。
【0022】
“ハロゲン”または“ハロ”なる用語はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を示す。
【0023】
“アルキレン”なる用語は2から7個の炭素原子、好ましくは3から6個の炭素原子、もっとも好ましくは5個の炭素原子の直鎖架橋を示す。
【0024】
本発明の化合物の好ましい群はアダマンチルにおける置換基が橋頭位または橋頭位に隣接したメチレンにおいて結合している式(I)の化合物である。グリシル−2−シアノピロリジン部分が橋頭位に結合しており、アダマンチルにおけるR’置換基が好ましくは3ヒドロキシである式(I)の化合物。グリシル−2−シアノピロリジン部分が橋頭位に隣接するメチレンで結合しており、アダマンチルにおけるR’置換基が好ましくは5−ヒドロキシである式(I)の化合物。
【0025】
本発明は、とりわけ遊離形または薬学的に許容される酸付加塩形の式(IA)または(IB)
【化4】

[式中、
R’はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−CアルカノイルオキシまたはRN−CO−O−(ここでRおよびRは独立して非置換またはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから選択される置換基により置換されているC−Cアルキルまたはフェニルであり、そして加えてRが水素であるか;またはRおよびRが一緒にC−Cアルキレンを示す)を示し;そして
R’’は水素を示すか;または
R’およびR’’は独立してC−Cアルキルを示す。]
の化合物に関する。
【0026】
式(I)、(IA)または(IB)のこれらのDPP−IV阻害剤化合物は既知であり、2000年12月26日発行の米国特許第6,166,063号、およびWO 01/52825に記載されている。特に記載されているものは(S)−1−{2−[5−シアノピリジン−2イル)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンまたは(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237またはビルダグリプチン)である。それらは遊離形または酸付加塩形で存在できる。薬学的に許容される、すなわち、非毒性のおよび生理学的に許容される塩が好ましいが、他の塩も、例えば本発明の化合物の単離または精製において有用である。好ましい酸付加塩は塩酸塩であるが、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、クエン酸、乳酸および酢酸の塩も利用され得る。
【0027】
好ましいDPP−IV阻害剤はMona Patel and col. (Expert Opinion Investig Drugs. 2003 Apr;12(4):623-33)(出典明示によりとりわけ記載されているDPP−IV阻害剤を本明細書に包含させる)の第5段落に記載されているもの、とりわけP32/98、K−364、FE−999011、BDPX、NVP−DDP−728および他のものである。
【0028】
FE−999011は化合物番号18として特許出願WO 95/15309の14ページに記載されている。
【0029】
他の好ましい阻害剤は特許出願WO 2004/052850の2ページの式Mに記載されている(1S,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル、安息香酸エステル(1:1)、ならびに対応する遊離塩基、特許出願WO 2004/052850の3ページの式Mに記載されている(lS,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシ−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ−[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル(M’)およびその一水和物(M’’)としても既知である米国特許第6,395,767号(実施例60の化合物)に記載されている化合物BMS−477118である。
【0030】
他の好ましい阻害剤は(2S,4S)−1−((2R)−2−アミノ−3−[(4−メトキシベンジル)スルホニル]−3−メチルブタノイル)−4−フルオロピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩としても既知であるWO 03/002531(実施例9)に記載されている化合物GSK23Aである。
【0031】
本発明の他の特に好ましいDPP−IV阻害剤は国際特許出願WO 02/076450(とりわけ実施例1から128)およびWallace T. Ashton(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14 (2004) 859-863)に記載されており、とりわけ化合物1ならびに表1および2に記載されている化合物である。好ましい化合物は式
【化5】

の化合物21e(表1)、P32/98またはP3298(CAS番号:251572−86−8)であって、3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンと(2E)−2−ブテンジオエート(2:1)混合物、例えば下記
【化6】

として使用される3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンとしても既知であるもの、および化合物P93/01の名においてWO 99/61431に記載されているものである。
【0032】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は特許出願WO 02/083128、例えば請求項1から5に記載されている化合物である。もっとも好ましいDPP−IV阻害剤は実施例1から13および請求項6から10に具体的に記載されている化合物である。
【0033】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は特許出願WO 2004/037169、とりわけ実施例1から48、およびWO 02/062764、とりわけ実施例1から293に記載されており、より好ましくは7ページに記載されている化合物3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびにまた特許出願WO 2004/024184、とりわけ参考例1から4のものである。
【0034】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は特許出願WO 03/004498、とりわけ実施例1から33に記載されており、もっとも好ましくはMK−0431としても既知の実施例7に記載されている式
【化7】

の化合物である。
【0035】
好ましいDPP−IV阻害剤はまた特許出願WO 2004/037181、とりわけ実施例1から33に記載されており、もっとも好ましくは請求項3から5に記載されている化合物である。
【0036】
好ましいDPP−IV阻害剤はN−置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジン、N(置換グリシル)−4−シアノピロリジン、N−(N’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン、N−アミノアシルチアゾリジン、N−アミノアシルピロリジン、L−アロ−イソロイシルチアゾリジン、L−トレオ−イソロイシルピロリジン、およびL−アロ−イソロイシルピロリジン、1−[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンならびにそれらの医薬塩である。
【0037】

【化8】

の1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩(DPP728)とりわけその二塩酸塩、
および式
【化9】

の(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237またはビルダグリプチン(非商標名−INN))およびL−トレオ−イソロイシルチアゾリジン(Probiodrugの化合物番号:上記のとおりのP32/98)、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドおよび所望によりすべての場合においてそれらの医薬塩がとりわけ好ましい。
【0038】
DPP728およびLAF237は非常に好ましい化合物であり、WO 98/19998の実施例3およびWO 00/34241の実施例1、各々に具体的に記載されている。DPP−IV阻害剤P32/98(上記参照)はDiabetes 1998, 47, 1253-1258に具体的に記載されている。DPP728およびLAF237はWO 98/19998の20ページまたはWO 00/34241に記載されているとおりに製造される。LAF237の投与のための好ましい製剤は米国仮出願第60/604274号に記載されている。本出願において、“ビルダグリプチン”なる用語はビルダグリプチンのいずれかの形、例えば無定形ビルダグリプチン、ビルダグリプチンの結晶形、ビルダグリプチンの結晶形“A”、ビルダグリプチンの部分結晶形、ビルダグリプチンの多様形、ビルダグリプチンの溶媒和物形もしくはビルダグリプチンの水和物形、またはそれらのいずれかの塩を示す。
【0039】
経口活性DPP−IV阻害剤がとりわけ好ましい。
【0040】
特に請求項の化合物および実施例の最終産物それぞれの場合において、最終産物の、医薬品のおよび請求項の対象は本明細書に記載されている出版物または特許出願を出典明示により本明細書に包含させる。
【0041】
DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)のもの、およびそれらの対応する薬学的に許容される酸付加塩は、1種またはそれ以上の薬学的に許容される担体および所望により、1種またはそれ以上の他の慣用の医薬アジュバントと組合せてよく、錠剤形、カプセル形、カプレット形などで経腸的に、例えば経口的に、または滅菌注射溶液形または懸濁液形で非経腸的に、例えば静脈内に投与され得る。該経腸組成物および該非経腸組成物は慣用の方法により製造され得る。
【0042】
DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)のもの、およびそれらの対応する薬学的に許容される酸付加塩は、DPP−IV阻害が介在する状態を処置するために有効量の活性物質を含む経腸および非経腸医薬組成物に製剤でき、このような組成物は単位投与形であり、そしてこのような組成物は薬学的に許容される担体を含む。
【0043】
DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)のものは、それらの狭い範囲のいずれかのものおよび実施例のいずれかのものを含み、光学異性的に純粋な形、例えば>98%、好ましくは>99%で;または光学異性体と共に、例えばラセミ形で投与し得る。上記投与範囲は光学異性体の量を除いた式(I)の化合物に基づく。
【0044】
DPP−IVを阻害する能力を考慮して、DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)のもの、およびそれらの対応する薬学的に許容される酸付加塩は、DPP−IV阻害が介在する状態の処置において有用である。上記および文献の結果に基づいて、本明細書に記載されている化合物は状態、例えば非インスリン依存性糖尿病、関節炎、肥満、同種移植片移植およびカルシトニン骨粗鬆症の処置において有用であることが期待される。加えて、グルカゴン様ペプチド、例えばGLP−1およびGLP−2の役割、ならびにDPP−IV阻害とのそれらの関連に基づいて、本明細書に記載されている化合物は例えば、鎮痛作用または抗不安作用を引き起こすために、または手術後の異化変化およびストレスのためのホルモン応答を軽減するために、または心筋梗塞後の死亡率および罹病率を減少させるために、またはGLP−1および/またはGLP−2レベルが介在し得る上記作用に関連する状態の処置において有用であることが期待される。
【0045】
より具体的に、例えばDPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)のもの、およびそれらの対応する薬学的に許容される酸付加塩は、経口グルコース投与に対して初期インスリン応答を改善し、したがって、非インスリン依存性糖尿病の処置において有用である。
【0046】
本発明において有用であるDPP−IV阻害剤化合物、とりわけ式I、IAまたはIBの化合物は吸湿性であり、安定性の問題が存在し、本質的に圧縮可能でない。結果として、インビトロにおいて許容される溶解プロファイルを有する強い錠剤内に直接圧縮することができる自由流動性および凝集性組成物を提供する必要性がある。錠剤は適当な増量剤を有するまたは有さない薬剤を含む固体投与医薬形として定義され得る。それらは活性成分および処理の助けのためおよび生成物の特性を改善するために選択されるある賦形剤を含む製剤の圧縮または圧密により製造される。錠剤は被覆または非被覆であり得、粉末の結晶物質から作られる。それらは様々な希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑剤、流動促進剤および多くの場合着色剤を含み得る。使用される賦形剤はそれらが行う機能にしたがって分類される。例えば、流動促進剤はホッパーおよび錠剤臼における粉末混合物の流動を改善するために使用され得る。
【0047】
錠剤の使用が広範であり、医薬投与形の大多数は錠剤として販売されている。投与形としての錠剤普及の主な理由は簡単さ、低コストおよび生産速度である。他の理由は薬剤生成物の安定性、パッケージング、輸送および調剤の便利さを含む。患者または消費者のために、錠剤は投与の便利さ、正確な投与の容易さ、小ささ、携帯できること、味の刺激性の低さ、投与の容易さおよび洗練された独特の外観を提供する。
【0048】
錠剤は装飾がない、膜または糖被覆された、二分された、型押しした、重層されたまたは持続放出のものであり得る。それらは様々なサイズ、形状および色で作ることができる。錠剤は嚥下され、噛まれまたは口腔もしくは舌下で溶かされ得る。それらは局部または局所適用のために水に溶解され得る。滅菌錠剤は通常非経腸溶液のためおよび皮下埋め込みのために使用される。
【0049】
活性成分または治療成分に加えて、錠剤は賦形剤として既知である多くの不活性物質を含み得る。それらはそれらが最終錠剤において果たす役割にしたがって分類され得る。主な組成物は増量剤、結合剤、滑剤および流動促進剤を含む。完成した錠剤に対する物理的特性を与える他の賦形剤はチュアブル錠の場合、着色剤および香味剤である。賦形剤なしに、ほとんどの薬剤および医薬成分は錠剤に直接圧縮できない。これは主にほとんどの薬剤の乏しい流動性および凝集性特性のためである。一般的に、賦形剤は圧縮される物質に対して良い流動および圧縮特性を与えるために製剤に加える。このような特性は前処理段階、例えば湿式造粒法、スラギング、スプレー乾燥球形化または結晶化を介してこれらの賦形剤に与えられる。
【0050】
滑剤は一般的に打錠用物質が杵に付着するのを防ぐため、錠剤圧縮中、摩擦を最小化するため、そして臼から圧縮錠剤の除去を可能にするために加える。このような滑剤は一般に最終錠剤混合物に通常1重量%未満の量で含まれる。
【0051】
加えて、錠剤はしばしば圧縮のために実用的なサイズをもたらす混合物の原体重量を増加するために加えられる希釈剤を含む。これはしばしば薬剤の用量が比較的少ないとき必要である。
【0052】
錠剤における賦形剤の他の有用なクラスは一般に結合剤である。結合剤は粉末物質に凝集性特性を与える薬剤である。一般に使用される結合剤はデンプン、および糖、例えばスクロース、グルコース、デキストロースおよびラクトースを含む。
【0053】
崩壊剤はしばしば錠剤が許容される割合の崩壊を有することを保証するために含まれる。典型的な崩壊剤はデンプン誘導体およびカルボキシメチルセルロースの塩を含む。
【0054】
賦形剤の他の望ましい特性は下記を含む:
・低い圧縮力で作られるべき強い錠剤ができる高圧縮性;
・製剤中の他の賦形剤の流動を改善することができる良い流動特性;および
・凝集性(加工、輸送および取り扱い中、崩壊から錠剤を防ぐため)。
【0055】
圧縮錠剤を作るために3つの商業的に重要な方法がある:湿式造粒法、直接圧縮および乾式造粒(スラギングまたはローラー圧密)。製造法および賦形剤のタイプは錠剤の急速圧縮を可能にさせる望ましい物理的特性を錠剤製剤に与えるために選択される。圧縮後、該錠剤は多くのさらなる特性、例えば外観、硬度、崩壊能力および許容される溶解プロファイルを有さなければならない。増量剤および他の賦形剤の選択は薬剤の化学的特性および物理的特性、処理中の混合物の性質および最終錠剤の特性に依存する。前製剤試験は活性成分と提案される賦形剤の化学的適合性および物理的適合性を決定するために行う。
【0056】
薬剤の特性、その投与形および操作の経済学が打錠のための最善の方法の選択を決定する。一般に、湿式造粒および直接圧縮は錠剤を構築することにおいて使用される。
【0057】
構成要素の1つ、薬剤または希釈剤のいずれかが打錠するために十分な凝集性特性を有するとき該乾式造粒法は使用され得る。該方法は混合、成分のスラギング、乾燥スクリーニング、潤滑および圧縮からなる。
【0058】
該湿式造粒法は粉末混合物を打錠のための適当な流動および凝集特性を有する顆粒に変換するために使用される。手順は適当なミキサーにおいて粉末を混合し、次いでせん断下、混合粉末に造粒溶液を加え、顆粒を得ることからなる。次いで湿った塊を適当なふるいを通してスクリーニングし、トレイ乾燥機または流動層乾燥機により乾燥させる。あるいは、湿った塊を乾燥させ、製粉機に通す。該全方法は計量、乾燥粉末混合、湿式造粒、乾燥、製粉、混合、潤滑および圧縮を含む。
【0059】
一般に、粉末は硬い、強い顆粒を形成するための十分な粘着特性または凝集特性を有さない。結合剤は、ほとんどの粉末が乏しい凝集特性のため、粉末粒子を互いに結合するために通常必要である。熱および湿気感受性薬剤は、通常湿式造粒法を使用し製造できない。多くの処理段階および処理時間が高い製造コストのため問題である。湿式造粒法はまたいくつかの医薬賦形剤、例えば微結晶セルロースの圧縮性を減少することが既知である。
【0060】
直接圧縮は粉末物質が物理的および化学的薬剤の特性を変化することなく直接圧縮する比較的速い方法とされている。活性成分(複数を含む)、直接圧縮賦形剤および他の補助剤、例えば流動促進剤および滑剤は錠剤に圧縮する前にツインシェルミキサーまたは同様の低せん断装置において混合される。この型の混合は“薬学的に許容される”投与形を製造するために必須であると信じられていた。医薬科学者の中には滑剤を製剤に加える方法は注意深く制御すべきであると信じている。したがって、滑剤は通常、穏やかな混合により顆粒に加えられる。滑剤と顆粒の長期の混合は得られる錠剤に対する硬度および崩壊時間に著しく影響することも信じられている。滑剤と造粒成分の過度の混合は顆粒の防水の原因となり、圧縮錠剤の錠剤硬度または強度を減少し得る。これらの理由のため、高せん断混合条件は直接圧縮投与形を製造するために使用されない。
【0061】
直接圧縮の利点は混合物の均一性、含まれる少ない製造段階、すなわち、全方法は粉末の計量、混合および圧縮を含み、したがって低コスト;熱および水分の除去、主用な粒子の解離および物理的安定性を含む。
【0062】
医薬製造業者は速い処理時間およびコストの利点のために湿式造粒法または乾式造粒法よりも直接圧縮技術を使用することを好むであろう。しかし、直接圧縮は通常、薬剤または活性成分が薬学的に許容される錠剤を形成するために必要な物理的特性を有する条件に限定される。しかし、多数の成分が必要な特性を有さないため、しばしば1種またはそれ以上の賦形剤を直接圧縮法を使用する前に活性成分と混合しなければならない。製剤に加えられる各賦形剤が最終産物の錠剤サイズを増加するため、製造業者はしばしば圧縮錠剤あたり低用量の活性成分を含む製剤において直接圧縮法を使用することに限定される。
【0063】
薬剤それ自体が直接圧縮される成分に対して十分な物理的特性、例えば凝集性を有するときのみ、高用量薬剤を含む固体投与形(すなわち薬剤それ自体が圧縮錠剤全重量の大部分を構成する)に直接圧縮され得る。
【0064】
例えば、DPP−IV阻害剤、例えば式(I)のものは高用量薬剤と考慮される。ほとんどの錠剤製剤は錠剤あたり70−85重量%の範囲のDPP−IV阻害剤を含む。この高用量薬剤は、直接圧縮に対するかなり乏しい物理的特性と一緒になって、最終錠剤を製造するための方法として直接圧縮を可能にしない。加えて、活性成分は湿式造粒法の使用に対して影響する別の要素である水の存在下での乏しい安定性を有する。
【0065】
錠剤の製造法として直接圧縮の別の制限は圧縮錠剤の可能なサイズである。活性成分の量が多いとき、医薬製剤者は望ましい量の活性成分を有する許容されるサイズの錠剤を達成するため、活性成分と他の賦形剤の湿式造粒を選択し得る。湿式造粒法が錠剤の望ましい物理的特性に対して寄与するため、湿式造粒法において必要である増量剤、結合剤または他の賦形剤の量は直接圧縮に対して必要である量より少ない。
【0066】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは固体投与形用の直接圧縮賦形剤として医薬産業において利用されている。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは処理されたセルロースであり、固体投与形からの薬剤放出を制御する。
【0067】
直接圧縮の利点、例えば処理時間およびコストの減少にもかかわらず、湿式造粒法は固体投与形を製造するため産業において広く使用されている。湿式造粒法が製剤における様々な成分の物理的特性と関連するなんらかの問題を克服する可能性が高いため、湿式造粒法はしばしば直接圧縮よりも好ましい。これは許容される固体投与形を得るために必須である流動特性および凝集特性を有する物質を提供する。
【0068】
直接圧縮と比較して湿式造粒法の普及は少なくとも3つの利点に基づく。第1に、特に疎水性薬剤の場合、湿式造粒法はより良い湿潤特性で圧縮される物質を提供する。親水性賦形剤の添加が崩壊および溶解問題を減少し、より親水性を有する疎水性薬剤の表面を作る。第2に、すべての顆粒が通常、同量の薬剤を含むため、固体投与形の含有量の均一性が一般に湿式造粒法で改良される。最後に、賦形剤からの薬剤(複数を含む)の分離が回避される。
【0069】
分離は直接圧縮で起こり得る問題である。圧縮される顆粒を含む粒子のサイズおよび形は湿式造粒法により最適化される。これは球形の顆粒に凝集できるように、乾燥固体が結合剤“接着剤”粒子と互いに湿式造粒されるからである。
【0070】
一般に湿式造粒法により得られる利点にもかかわらず、水の存在下での化合物の不安定性のため、高用量のDPP−IV阻害剤、例えば式(I)で定義されるものを含む錠剤を直接圧縮することが望ましい。製造業者が直接圧縮により高用量のDPP−IV阻害剤錠剤を製造することを可能にし得る技術および医薬賦形剤に対して該産業において必要性がある。
【0071】
錠剤に直接圧縮することができる自由流動性の凝集性打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を提供することが本発明の目的である。
【0072】
許容される溶解プロファイルならびに許容される程度の硬度およびチッピング耐性、ならびに短い崩壊時間を有する単位投与形の直接圧縮DPP−IV阻害錠剤を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0073】
単位投与形における直接圧縮による圧縮DPP−IV阻害錠剤の製造法を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0074】
本発明は、適当な硬度、速い崩壊時間および許容される溶解パターンを有する錠剤に直接圧縮することができる、打錠用粉末形の直接打錠する、自由流動性粒子のDPP−IV阻害製剤を提供する。
【0075】
活性成分に加えて、打錠用粉末は賦形剤として既知である多くの不活性物質を含む。それらはそれらが最終錠剤において果たす役割にしたがって分類され得る。主な組成物は増量剤、結合剤または希釈剤、滑剤、崩壊剤および流動促進剤を含む。完成した錠剤に物理的特性を与える他の賦形剤はチュアブル錠の場合、着色剤および香味剤である。一般的に、賦形剤は圧縮される物質に対して良い流動および圧縮特性を与えるために製剤に加える。
【0076】
本発明の好ましい製剤は下記を含む:DPP−IV阻害剤化合物である活性成分、微結晶セルロースおよびラクトースである結合剤または希釈剤、グリコール酸ナトリウムデンプンである崩壊剤ならびにステアリン酸マグネシウムである滑剤。
【0077】
1種、2種、3種またはそれ以上の希釈剤が選択できる。薬学的に許容される増量剤および薬学的に許容される希釈剤の例は、限定すべきではないが、粉砂糖、圧縮可能な糖、デキストレート(dextrate)、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、微結晶セルロース、粉末セルロース、ソルビトール、スクロースおよびタルクを含む。増量剤および/または希釈剤は、例えば組成物の約15重量%から約40重量%の量で存在し得る。好ましい希釈剤は繊維状の植物物質と希釈鉱酸溶液からパルプとして得られるαセルロースの制御された加水分解により製造される微結晶セルロースを含む。加水分解後、水和セルロースを濾過により精製し、水性スラリーをスプレー乾燥し、広いサイズ分布の乾燥多孔質粒子を形成する。適当な微結晶セルロースは約20nmから約200nmの平均粒子サイズを有し得る。微結晶セルロースはいくつかの供給業者から入手できる。適当な微結晶セルロースはFMC Corporationにより製造されるAvicel PH 101、Avicel PH 102、Avicel PH 103、Avicel PH 105およびAvicel PH 200を含む。本発明の実施において、最小表面積および細孔構造を有するAvicel PH 102が特に好ましい。好ましくは、微結晶セルロースが錠剤製剤中に約25重量%から約70重量%の量で存在する。この物質の他の好ましい範囲は約30重量%から約35重量%;さらに他の好ましい範囲は約30重量%から約32重量%である。
【0078】
他の希釈剤はラクトースである。好ましくは、製剤化前に約50μmから約500μmの平均粒子サイズを有するためにラクトースを粉砕する。該ラクトースは錠剤製剤中に約5重量%から約40重量%、約18重量%から約35重量%、もっとも好ましくは約20重量%から約25重量%の量で存在する。
【0079】
1種、2種、3種またはそれ以上の崩壊剤が選択できる。薬学的に許容される崩壊剤の例は、限定すべきではないが、デンプン;粘土;セルロース;アルギン酸エステル;ゴム;架橋ポリマー、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルシウムカルボキシメチルセルロースおよび架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース;大豆多糖;ならびにグアーガムを含む。例えば、崩壊剤は組成物の約2重量%から約200重量%、例えば、約5重量%から約100重量%、例えば、約70重量%の量で存在し得る。崩壊剤はまた錠剤製剤の任意であるが有用な成分である。崩壊剤は錠剤が許容される割合の崩壊を有することを保証するために含まれる。典型的な崩壊剤はデンプン誘導体およびカルボキシメチルセルロースの塩である。グリコール酸ナトリウムデンプンはこの製剤に対して好ましい崩壊剤である。好ましくは該崩壊剤は錠剤製剤中に約0重量%から約10重量%、約1重量%から約4重量%、もっとも好ましくは約1.5重量%から約2.5重量%の量で存在する。
【0080】
1種、2種、3種またはそれ以上の滑剤が選択できる。薬学的に許容される滑剤および薬学的に許容される流動促進剤の例は、限定すべきではないが、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、デンプン、タルク、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、粉末セルロースおよび微結晶セルロースを含む。滑剤は、例えば組成物の約0.1重量%から約5重量%の量で存在し得るが;一方、流動促進剤は、例えば約0.1重量%から約10重量%で存在し得る。滑剤は一般的に打錠用物質が杵に付着するのを防ぐため、錠剤圧縮中、摩擦を最小化するため、そして臼からの圧縮錠剤の除去を可能にするために加える。このような滑剤は一般に最終錠剤混合物に通常1重量%未満の量で含まれる。滑剤成分は疎水性または親水性であり得る。このような滑剤の例はステアリン酸、タルクおよびステアリン酸マグネシウムを含む。ステアリン酸マグネシウムは錠剤の圧縮および放出中の臼壁と錠剤混合物の摩擦を減少する。それは杵および臼への錠剤の付着を防ぐ。ステアリン酸マグネシウムはまたホッパーおよび臼への粉末混合物の流動を助ける。それは450−550ミクロンの粒子サイズ範囲および1.00−1.80g/mLの密度範囲を有する。それは安定であり、錠剤混合物内で重合しない。好ましい滑剤、ステアリン酸マグネシウムはまた製剤において使用される。好ましくは、滑剤は錠剤製剤中に約0.25重量%から約6重量%;好ましくは約0.5重量%から約4重量%;もっとも好ましくは約0.1重量%から約2重量%の量で存在する。他の可能性のある滑剤はタルク、ポリエチレングリコール、シリカおよび硬化植物油を含む。本発明の任意の態様において、滑剤は製剤中に存在しないが、製剤に直接加えるよりもむしろ臼または杵上にスプレーされる。
【0081】
他の慣用の固体増量剤または担体、例えばコーンデンプン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、モノ−およびジステアリン酸グリセリル、ソルビトール、マンニトール、ゼラチン、天然または合成ゴム、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸エステル、デキストラン、アカシアゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントなど、希釈剤、結合剤、滑剤、崩壊剤、着色剤および香味剤は所望により使用できる。
【0082】
薬学的に許容される結合剤の例は、限定すべきではないが、デンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロースおよびヒドロキシルプロピルメチルセルロース;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;多糖;およびゼラチンを含む。例えば、結合剤は組成物の約10重量%から約40重量%の量で存在し得る。
【0083】
有用な賦形剤のさらなる例はHandbook of pharmaceuticals,3rd edition, Edited by A.H.Kibbe, Published by: American Pharmaceutical Association, Washington DC,ISBN: 0-917330-96-X, or Handbook of pharmaceuticals (4th edition), Edited by Raymond C Rowe - Publisher: Science and Practice(出典明示により本明細書に包含させる)において記載されている。
【0084】
したがって、第1の態様において、本発明は、下記のものを含む医薬組成物に関する;
(a)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)薬学的に許容される希釈剤
ここで単位投与形において、乾燥重量基準でDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237の重量の希釈剤の重量に対する比が0.5から0.25、好ましくは0.4から0.28である。
【0085】
言い換えれば、本発明は、下記のものを含む医薬組成物に関する;
(a)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)薬学的に許容される希釈剤
ここで単位投与形において、DPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237の重量の希釈剤の重量に対する比が0.5から0.25、好ましくは0.4から0.28である。
【0086】
少なくとも1種の希釈剤が微結晶セルロースであり、そして単位投与形において、乾燥重量基準でDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237の重量の微結晶セルロースの重量に対する比が2から0.333、好ましくは1から0.333、もっとも好ましくは0.7から0.333である上記組成物。言い換えれば、少なくとも1種の希釈剤が微結晶セルロースであり、そして単位投与形において、DPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237の重量の微結晶セルロースの重量に対する比が2から0.333、好ましくは1から0.333、もっとも好ましくは0.7から0.333である上記組成物。
【0087】
20から120mgのLAF237、好ましくは25から100mgのLAF237またはそれらの薬学的に許容される酸付加塩を含む上記組成物。
【0088】
希釈剤が微結晶セルロースおよびラクトースから選択される上記組成物、好ましくは微結晶セルロースおよびラクトースである組成物。
【0089】
(c)乾燥重量基準で0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量基準で0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤をさらに含む上記の組成物。
【0090】
好ましくは
(c)乾燥重量基準で1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤をさらに含む上記の組成物。
【0091】
上記比率は乾燥重量基準でDPP−IV阻害剤および希釈剤に対して得られる。
【0092】
単位投与形はすべての種類の医薬投与形、例えばカプセル、錠剤、造粒、チュアブル錠などである。
【0093】
さらなる態様において、本発明は;
(a)乾燥重量基準で5−60重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物に関する。
【0094】
好ましくは本発明は;
(a)乾燥重量基準で20−40重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物に関する。
【0095】
好ましくは本発明は;
(a)乾燥重量基準で20−40重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で40−80重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物に関する。
【0096】
もっとも好ましくは本発明は;
(a)乾燥重量基準で20−35重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物に関する。
【0097】
もっとも好ましくは本発明は;
(a)乾燥重量基準で20−35重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で62−78重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物に関する。
【0098】
もっとも好ましくは本発明は;
(a)乾燥重量基準で20−35重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で62−78重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物に関する。
【0099】
もっとも好ましくは本発明は;
(a)乾燥重量基準で22−28重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で66−76重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で0−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物に関する。
【0100】
もっとも好ましくは本発明は;
(a)乾燥重量基準で22−28重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で66−76重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物に関する。
【0101】
(c)乾燥重量基準で1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量基準で0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤をさらに含む上記の組成物。
【0102】
本出願において、“薬学的に許容される希釈剤”なる用語は少なくとも1種の希釈剤を意味し、例えば2種または3種の希釈剤の混合物も含む。
【0103】
好ましくは上記組成物は;
i)微結晶セルロースおよびラクトースから選択される1種または2種の希釈剤
ii)微結晶セルロースおよびラクトースの2種の希釈剤、
iii)乾燥重量基準で25−70重量%、好ましくは35−55重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース、または
iv)乾燥重量基準で25−70重量%、好ましくは35−55重量%の薬学的に許容される微結晶セルロースおよび乾燥重量基準で5−40重量%、好ましくは18−35重量%のラクトースを含む。
【0104】
もっとも好ましくは上記組成物は微結晶セルロース、例えばAvicel PH 102、およびラクトースから選択される1種または2種の希釈剤を含む。
【0105】
もっとも好ましくは該医薬組成物は薬学的に許容される滑剤(d)を含む。
【0106】
本出願において、薬学的に許容される崩壊剤なる用語は少なくとも1種の崩壊剤を意味し、例えば2種または3種の崩壊剤の混合物も含む。
【0107】
本出願において、薬学的に許容される滑剤なる用語は少なくとも1種の滑剤を意味し、例えば2種または3種の滑剤の混合物も含む。
【0108】
好ましいDPP−IV阻害剤はLAF237であり、好ましい希釈剤は微結晶セルロースもしくはラクトース、または好ましくは微結晶セルロースおよびラクトースの組合せ剤、好ましい崩壊剤はグリコール酸ナトリウムデンプンであり、そして好ましい滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0109】
好ましい組成物における特定の成分は下記のものである:
(a)乾燥重量基準で20−35重量%のDPP−IV阻害剤、例えばLAF237;
(b)乾燥重量基準で25−70重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量基準で5−40重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量基準で0−10重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;
(e)乾燥重量基準で0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0110】
好ましい組成物における特定の成分は下記のものである:
(a)乾燥重量基準で25−35重量%のDPP−IV阻害剤、例えばLAF237;
(b)乾燥重量基準で25−70重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量基準で5−40重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量基準で0−10重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;
(e)乾燥重量基準で0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0111】
他の好ましい組成物は下記のものである:
(a)乾燥重量基準で約30%から約32重量%のDPP−IV阻害剤または式(I)のDPP−IV阻害剤;
(b)乾燥重量基準で約40%から約45重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量基準で約20%から約25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量基準で約1.5%から約2.5重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;および
(e)乾燥重量基準で約0.1%から約2重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0112】
他の好ましい組成物は下記のものである:
(a)乾燥重量基準で20−35%、好ましくは22−28重量%のDPP−IV阻害剤例えばLAF237;
(b)乾燥重量基準で35−55重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量基準で18−35重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量基準で1−4重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;および
(e)乾燥重量基準で0.5−4重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0113】
さらに他の好ましい組成物は下記のものである:
(a)乾燥重量基準で約22%から約28重量%、好ましくは24−26重量%のDPP−IV阻害剤または式(I)のDPP−IV阻害剤;
(b)乾燥重量基準で約45%から約50重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量基準で約20%から約25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量基準で約1.5%から約2.5重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;および
(e)乾燥重量基準で約0.1%から約2重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0114】
さらに他の好ましい組成物は下記のものである:
(a)乾燥重量基準で24−26重量%のDPP−IV阻害剤または式(I)のDPP−IV阻害剤;
(b)乾燥重量基準で約46%から約48重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量基準で約23%から約24.5重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量基準で約1.5%から約2.5重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;および
(e)乾燥重量基準で約0.1%から約2重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0115】
さらに他の好ましい組成物は下記のものである:
(a)乾燥重量基準で30−35重量%のDPP−IV阻害剤、例えばLAF237;
(b)乾燥重量基準で35−50重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量基準で18−35重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量基準で1−4重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;および
(e)乾燥重量基準で0.5−4重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0116】
さらなる態様において、本発明は、薬学的に許容される滑剤(d)のみが所望により製剤中に含まれるいずれか1種の上記組成物に関する。しかし、好ましくは該薬学的に許容される滑剤(d)が組成物中に含まれる。
【0117】
好ましくは圧縮錠剤、とりわけ直接圧縮錠剤に関して、上記組成物は乾燥重量基準で20から35重量%、もっとも好ましくは22から28重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、とりわけLAF237を含む。
【0118】
本出願において、組成物および製剤なる用語は同じ意味を有する。
【0119】
さらなる慣用の賦形剤を所望により本明細書に記載されている製剤、例えば上記慣用の固体増量剤または担体に加えることができる。
【0120】
上記組成物は、特に医薬錠剤、例えば圧縮錠剤または好ましくは直接圧縮錠剤、カプレットまたはカプセルの生産のために適合し、そして必要な物理学の当業者の要求に応じて、必要な物理的特性、溶解および薬物放出プロファイルを提供する。したがってさらなる態様において、本発明は、医薬錠剤、カプレットまたはカプセル、特に造粒、直接圧縮および乾式造粒(スラギングまたはローラー圧密)の製造のための上記製剤のいずれかの使用に関する。
【0121】
上記組成物はまた特に錠剤、とりわけ圧縮錠剤、さらに好ましくは直接圧縮錠剤の生産のために有用である。
【0122】
特に、上記製剤で得られる錠剤は、とりわけ直接圧縮錠剤形または下記直接圧縮錠剤形に加工されたとき、非常に低い破砕度問題、非常に良好な破壊強度、改良された製造ロバスト性、最適な錠剤の厚さ対錠剤重量比(直接圧縮錠剤)、製剤、とりわけ直接圧縮錠剤における少量の水、英国薬局方 1988, good Dispersion Qualityの良い分散体崩壊時間DTを有する。
【0123】
DPP−IV阻害剤の直接圧縮の本発明は混合および圧縮を含む。賦形剤のグレードの選択は粉末混合物の均一性およびDPP−IV阻害剤の内容物の均一性を可能にする範囲内に粒子サイズを維持することを考慮する。それは直接圧縮中、ホッパーにおける粉末の分離を防ぐ。これらの賦形剤を使用する利点は、それらが粉末混合物の圧縮性、凝集性および流動性を与えることである。加えて、直接圧縮の使用は競争力のある単位生産コスト、貯蔵期間、熱および含水を除去、主な粒子が解離できること、物理的安定性ならびに粒子サイズの均一性の保証を提供する。
【0124】
請求した組成物の記載されている利点はまた例えばローラー圧密もしくは湿式造粒法のため、またはカプセルを満たすために非常に有用である。
【0125】
本明細書に記載されている医薬組成物の開発において、本出願人は圧縮錠剤、とりわけ直接圧縮錠剤が下記のとき特に有利であることを発見した;
i)DPP−IV阻害剤を含む粒子が250μm未満、好ましくは10から250μmの粒径分布を有し、および/または
ii)錠剤の含水率が25℃および60%の室内湿度(RH)で1週間後10%未満であり、および/または
iii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mgである。
【0126】
本発明は、遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤を含む圧縮医薬錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤であって、該DPP−IV阻害剤が圧縮医薬錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤への打錠が見込みがないまたは非常に難しいことを表す物理的特性を有する錠剤に関する。好ましいDPP−IV阻害剤はLAF237である。該物理的特性は例えばかさ高さ、柔軟性などであり得る。本明細書に記載されている医薬組成物のさらなる開発中、本出願人は製剤の処理特性または物理的特性、例えば吸湿度、流動性、かさ高さ、柔軟性が、DPP−IV阻害剤を含む粒子が250μm未満または10から250μmもしくは50から150μmの粒径分布を有するとき、驚くべきことに改良されることを発見した。本出願人はまた驚くべきことに、錠剤が上記基準i)、ii)および/またはiii)の少なくとも1つが満たされるとき改良された物理的特性、例えば溶解度、破砕度、吸湿度、硬度などを示すことを発見した。
【0127】
したがって第1の態様(a)において、本発明は、分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を有する粒子を含み、そして少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%の錠剤の粒径分布が250μm未満または好ましくは10から250μmである圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。
【0128】
本発明は、分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を有する粒子を含み、そして少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%の錠剤の粒径分布が10μmより大きい圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。
【0129】
“少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%”なる用語は、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、もっとも好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%を意味する。
【0130】
“少なくとも25%、好ましくは35%、もっとも好ましくは45%”なる用語は、少なくとも25%、好ましくは少なくとも35%、もっとも好ましくは少なくとも45%を意味する。
【0131】
特に本発明は、分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を有する粒子を含み、そして少なくとも25%、好ましくは35%、もっとも好ましくは45%の錠剤の粒径分布が50から150μmである圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。
【0132】
第2の態様(b)において、本発明は分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を有する粒子を含み、そして錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mg、好ましくは0.01から0.03mm/mgである圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。
【0133】
上記第1および第2の態様(a)および(b)の組合せ剤は、良い圧密特性を有する圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤を提供する。
【0134】
したがって、本発明はまた、分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして;
i)少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%の錠剤の粒径分布が10から250μmであり、そして
ii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mgまたは0.01から0.03mm/mgである圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤に関する。
【0135】
好ましくは;
i)少なくとも25%、好ましくは35%、もっとも好ましくは45%の錠剤の粒径分布が50から150μmであり、そして
ii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mgまたは0.01から0.03mm/mgである。
【0136】
第3の態様において、本発明は分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を有する粒子を含み、そして;
i)少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%の錠剤の粒径分布が10から250μmであり、
ii)錠剤の含水率が25℃および60%のRHで1週間後に10%未満であり、そして
iii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mgである圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。
【0137】
好ましくは、本発明は分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を有する粒子を含み、そして;
i)少なくとも25%、好ましくは35%、もっとも好ましくは45%の錠剤の粒径分布が50から150μmであり、
ii)錠剤の含水率が25℃および60%のRHで1週間後に10%未満であり、そして
iii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mgである圧縮錠剤、もっとも好ましくは直接圧縮錠剤に関する。
【0138】
好ましくは、本発明は分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を有する粒子を含み、そして;
i)少なくとも25%、好ましくは35%、もっとも好ましくは45%の錠剤の粒径分布が50から150μmであり、
ii)錠剤の含水率が25℃および60%のRHで1週間後に5%未満であり、そして
iii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mgである圧縮錠剤、もっとも好ましくは直接圧縮錠剤に関する。
【0139】
好ましくは、本発明は分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を有する粒子を含み、そして;
i)少なくとも25%、好ましくは35%、もっとも好ましくは45%の錠剤の粒径分布が50から150μmであり、
ii)錠剤の含水率が25℃および60%のRHで1週間後に5%未満であり、そして
iii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.01から0.03mm/mgである圧縮錠剤、もっとも好ましくは直接圧縮錠剤に関する。
【0140】
非常に好ましい局面において、上記3つの態様、すなわち圧縮錠剤および直接圧縮錠剤は本明細書に記載されている組成物、例えば;
(a)乾燥重量基準で5−60重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で40−95重量%または40−80重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物、または
(a)乾燥重量基準で20−35重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量基準で40−95重量%または40−80重量%、好ましくは62−78重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤を含む医薬組成物を含む。
【0141】
好ましくは、DPPIV粒子、とりわけLAF237粒子は60%を超えるDPP−IV阻害剤、もっとも好ましくは90%または95%を超えるDPP−IV阻害剤、さらにより好ましくは98%を超えるDPP−IV阻害剤を含む。あるいはDPPIV粒子、とりわけLAF237粒子は微造粒、当業者に既知の方法により形成され得、40%までの薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0142】
好ましくは、LAF237粒子は60%を超えるLAF237、もっとも好ましくは90%または95%を超えるDPP−IV阻害剤、さらにより好ましくは98%を超えるLAF237を含む。
【0143】
DPP−IV阻害剤、とりわけLAF237の選択される粒径分布が特に錠剤の最善の圧密を提供するために重要であることを発見した。
【0144】
さらなる好ましい態様において、選択される賦形剤(b)、(c)および/または(d)の粒径分布はDPP−IV阻害剤粒子、好ましくはLAF237粒子の粒径分布と同様である。
【0145】
“同様”なる用語は、錠剤中の賦形剤の粒径分布が5から400μmまたは10から300μm、好ましくは10から250μmであることを意味する。
【0146】
適合した粒径分布である好ましい賦形剤は、例えばHandbook of Pharmaceuticals (4th edition), Edited by Raymond C Rowe - Publisher: Science and Practiceから選択できる。
【0147】
薬剤の粒子サイズ、例えばLAF237粒子サイズは結晶化、乾燥および/または製粉/ふるいにより制御される(非限定的例を下記する)。粒子サイズはまたローラー圧密および製粉/ふるいを使用し粉砕され得る。適当な粒子サイズの生産は既知であり、例えば“Pharmaceutical dosages: volume 2, 2nd edition, Ed.: H.A.Lieberman, L.Lachman, J.B.Schwartz (Chapter 3: SIZE REDUCTION)”に記載されている。望ましい粒径分布はいずれかのDPP−IV阻害剤形、とりわけいずれかの形のLAF237、例えば無定形のLAF237、結晶形のLAF237、結晶形“A”のLAF237、部分結晶形のLAF237、多様形のLAF237、溶媒和物形のLAF237もしくは水和物形のLAF237またはそれらの塩から得ることができる。好ましい粒子は結晶形“A”のLAF237から得られる。
【0148】
多数の粒子サイズを試験し、本明細書に記載されている特定のサイズ範囲が直接圧密に対して予期されない良い結果を提供することを発見した。
【0149】
分析的ふるいによる粒径分布概算:粒径分布はふるい分析、光子相関分光法もしくはレーザー回折(国際規格ISO 13320−1)、または当業者に既知の製造法であるエレクトリック・センシング・ゾーン、光障害、沈降もしくは顕微鏡法を使用し測定される。ふるいは粒径分布により粉末を分類する最も古い方法の1つである。このような方法は既知であり、該分野、例えばいずれかの分析的化学テキストブックまたは米国食品医薬品局(FDA)施行基準を記載している米国薬局方(USP)出版USP-NF (2004 - Chapter 786 - (The United States Pharmacopeial Convention, Inc., Rockville, MD))により記載されている。使用される技術は、例えばPharmaceutical dosages: volume 2, 2nd edition, Ed.: H.A.Lieberman, L.Lachman, J.B.Schwartzにおいて記載されており、良い例である。それはまたさらなる方法:エレクトリック・センシング・ゾーン、光障害、空気浸透、気体または液体の沈降を言及する(187ページ)。
【0150】
粒子サイズの空気ジェットふるい測定において、空気はふるい上の物質が流動化できるように、回転スリットからふるいを通して上向きに通風される。同時に陰圧を、回収装置に微粒子を取り除くふるいの底に使用する。サイズ分析および平均粒子サイズの測定は連続的に単一のふるいを使用することによる洗練された結果のサイズ分布から粒子を取ることにより行う。これに関するさらなる詳細は“Particle Size Measurement”, 5th Ed. , p 178, vol. 1; T. Allen, Chapman & Hall, London, UK, 1997も参照のこと。したがって当業者に対して、このようなサイズ測定はそれ自体慣用的な性質のものである。
【0151】
錠剤の含水率は当業者に既知である乾燥減量法またはKarl−Fischer法を使用し測定できる(例えば含水率は熱重量測定法(thermogrametry)による乾燥減量により測定できる)。このような方法は既知であり、例えば分析化学テキストブック(J.A. Dean, Analytical Chemistry Handbook, Section 19, McGraw-Hill, New York, 1995)または米国食品医薬品局(FDA)施行基準((2004−USP−Chapter 921)を記載している米国薬局方(USP)出版物USP−NF(2004)により記載されている。
【0152】
錠剤の厚さは寸法を測定するため、定規、ノギス、ねじゲージまたはなんらかの電子的方法を使用し測定できる。我々は錠剤の厚さをmmで測定し、mgの錠剤重量で割り比率を得る。このような方法は既知であり、例えば分析化学テキストブックまたは米国食品医薬品局(FDA)施行基準を記載している米国薬局方(USP)出版物USP−NF(2004)により記載されている。
【0153】
本発明は分散性錠剤に対する本明細書に記載されている英国薬局方試験にしたがって710μmのメッシュ開口であるふるいスクリーンを通過できる分散体を提供するために、5から15分以内に水中に分散できる特に圧縮錠剤または直接圧縮錠剤を提供する。
【0154】
本発明の錠剤ならびに水中に速く分散できる錠剤は分散時間および分散質の点では、分散性錠剤に対する英国薬局方(B.P.)試験(すなわち710μmふるいの通過)に合う追加された利点を有する。
【0155】
好ましくは本発明の錠剤の分散時間は15分未満、より好ましくは12分未満、もっとも好ましくは10分未満である。
【0156】
本発明の錠剤のさらなる利点は、錠剤がより短い溶解時間を有し、したがって薬剤がより速く血流に吸収され得る相対的に細かい分散体を形成することである。本発明の錠剤で得られるさらに速い分散時間および相対的に細かい分散体はまた嚥下可能な錠剤に対して有利である。したがって本発明の錠剤は水中で分散用および直接嚥下用の両方のために提供される。嚥下用を意図する本発明のそれらの錠剤は、好ましくは嚥下を助けるために膜で被覆されたものである。
【0157】
さらなる態様において、本発明は、分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む、粒子、すなわちDPPIV粒子、とりわけLAF237粒子を含み、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%の錠剤の粒径分布が10から250mmであり、
そして
i)0から10分に85から99.5%の活性成分を放出し、そして
ii)10から15分に90から99.5%の活性成分を放出し、
好ましくは、
i)0から10分に88から99.5%の活性成分を放出し、そして
ii)10から15分に95から99.5%の活性成分を放出するか
または好ましくは
i)0から10分に89から94%の活性成分を放出し、そして
ii)10から15分に96から99%の活性成分を放出する改良された溶解(該薬剤の溶解)率を有する圧縮錠剤に関する。
【0158】
薬剤溶解率(放出%)を測定するためのパドル法は1000mlの0.01N HClで使用される。このような方法は既知であり、該分野、例えば何らかの分析的化学テキストブックまたは米国食品医薬品局(FDA)施行基準を記載している米国薬局方(USP)出版USP-NF(2004 - Chapter 711)により記載されている。
【0159】
本発明はまた、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有する圧縮錠剤または直接圧縮錠剤の製造のためのDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンの使用に関する。
【0160】
さらなる態様において、本発明は、DPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンまたはビルダグリプチン結晶“A形”が上記圧縮錠剤に対して定義のとおりの粒径分布を有するいずれか1つの上記医薬組成物に関する。
【0161】
したがってさらなる態様において、本発明はまた分散体がDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンまたはビルダグリプチン結晶形もしくはビルダグリプチンの結晶“A形”またはそれらの医薬塩を含む(例えば上記)粒子を含み、そして;
i)少なくとも40%、好ましくは60%の製剤の粒径分布が250μm未満であり、そして/または
ii)少なくとも40%、好ましくは60%の製剤の粒径分布が10から250μmであり、そして/または
iii)少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%の製剤の粒径分布が10から250μm、そして/または
iv)少なくとも25%または少なくとも35%の製剤の粒径分布が50から150μmである、例えば本明細書に記載されている医薬組成物に関する。
【0162】
さらなる態様において、上記製剤中の医薬賦形剤の粒径分布が5から400μmである。
【0163】
本発明はまた圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤の製造法であって、該方法において使用される少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有する方法を提供する。
【0164】
本発明はまた単位投与形の圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤の製造法であって;
(a)錠剤内に圧縮好ましくは直接圧縮することができる打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量基準で5−60重量%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンであって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有するDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチン;および
(ii)希釈剤、崩壊剤および滑剤から選択される少なくとも1種の賦形剤;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む方法を提供する。
【0165】
本発明はまた単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤の製造法であって;
i)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mmであり
(a)錠剤内に圧縮好ましくは直接圧縮することができる打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量基準で5−60重量%のDPP−IV阻害剤、例えばビルダグリプチンであって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有するDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチン;および
(ii)希釈剤、崩壊剤および滑剤から選択される少なくとも1種の賦形剤;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む方法を提供する。
【0166】
本発明はまた単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤の製造法であって;
i)錠剤中の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチンを含む、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%の粒子が250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有し、
ii)錠剤の含水率が25℃および60%のRHで1週間後に10%未満であり、そして
iii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mmであり
(a)錠剤内に圧縮好ましくは直接圧縮することができる打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量基準で5−60重量%または6−60重量%のDPP−IV阻害剤、例えばビルダグリプチンであって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有するDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチン;および
(ii)希釈剤、崩壊剤および滑剤から選択される少なくとも1種の賦形剤
;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む方法を提供する。
【0167】
さらに好ましい態様において、少なくとも25%、好ましくは35%、もっとも好ましくは45%の粒径分布の本明細書に記載されている方法において使用されるDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが50から150μmである。
【0168】
好ましくは上記方法は:
(a)錠剤内に圧縮好ましくは直接圧縮することができる打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量基準で5−60重量%のDPP−IV阻害剤、例えばLAF237であって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有し;
(ii)乾燥重量基準で40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(iii)乾燥重量基準で0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および
(iv)乾燥重量基準で0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤
;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む。
【0169】
もっとも好ましくは該方法は:
(a)錠剤内に圧縮好ましくは直接圧縮することができる打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量基準で20−35重量%または25−35重量%のDPP−IV阻害剤、例えばLAF237であって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有し;
(ii)乾燥重量基準で40−80重量%または40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(iii)乾燥重量基準で0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および
(iv)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤
;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む。
【0170】
好ましくは段階(a)において使用される混合組成物は本明細書に記載されている好ましい製剤から選択される。
【0171】
好ましいDPP−IV阻害剤はLAF237であり、好ましい希釈剤は微結晶セルロースもしくはラクトースまたは好ましくは微結晶セルロースおよびラクトースの組合せ剤であり、好ましい崩壊剤はグリコール酸ナトリウムデンプンであり、そして好ましい滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0172】
最善の態様において、該方法は:
(a)錠剤内に圧縮好ましくは直接圧縮することができる打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量基準で20−35重量%または好ましくは25−30重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチンであって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有するDPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチン;
(ii)乾燥重量基準で25−70重量%または好ましくは35−50重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース、例えばAvicel PH 102;
(iii)乾燥重量基準で5−40重量%または好ましくは18−35重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量基準で0−10重量%または好ましくは1−4重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;および
(v)乾燥重量基準で0.25−6重量%または好ましくは0.5−4重量%の薬学的に許容されるステアリン酸マグネシウム;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む。
【0173】
本発明はまた単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤の製造法であって:
(a)錠剤内に圧縮好ましくは直接圧縮することができる打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量基準で30−32重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237であって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有するDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(ii)乾燥重量基準で40−45重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース(Avicel PH 102);
(iii)乾燥重量基準で20−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量基準で1.5−2重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;および
(v)乾燥重量基準で0.1−2重量%のステアリン酸マグネシウム
;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む方法を提供する。
【0174】
本発明はまた単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤の製造法であって:
(a)錠剤内に圧縮好ましくは直接圧縮することができる打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量基準で23−28重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237であって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有するDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237;
(ii)乾燥重量基準で45−50重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース(Avicel PH 102);
(iii)乾燥重量基準で20−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量基準で1.5−2重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;および
(v)乾燥重量基準で0.1−2重量%のステアリン酸マグネシウム
;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む方法を提供する。
【0175】
圧縮段階(b)の前に、ふるい段階は好ましくは基本のデラッピング(delumping)のため、すなわちなんらかの凝集物/固体を取り除くために製剤に適用される。
【0176】
他の態様において、本発明は、医薬組成物、例えば上記医薬組成物を含むカプセルであって、好ましくは;
i)カプセル中、遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む少なくとも60%、好ましくは80%、もっとも好ましくは90%の粒子が10から500μmの粒径分布を有し、
ii)錠剤の含水率が25℃および60%のRHで1週間後に10%未満であるカプセルを含む。
【0177】
より好ましくは医薬組成物、例えば上記医薬組成物を含むカプセルであって、好ましくは;
i)カプセル中、遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%の粒子が250μm未満、好ましくは10から250μmの粒径分布を有し、
ii)錠剤の含水率が25℃および60%のRHで1週間後に5%未満であるカプセル。
【0178】
最終産物は慣用の打錠または同様の機構を使用することにより錠剤形、カプセル形などにおいて製造される。
【0179】
もっとも好ましくは、本明細書に記載されている製剤、カプセル、圧縮錠剤、使用または方法のためのDPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびに所望によりすべての場合においてそれらの医薬塩から選択される。
【0180】
もっとも好ましくは、DPP−IV阻害剤は、例えば無定形状態の1−[3−ヒドロキシ−アダマンチル−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリル(LAF237またはビルダグリプチン)またはビルダグリプチンの結晶形である。
【0181】
好ましくはビルダグリプチンを含む単位投与形、例えば錠剤またはカプセルは、10から150mgのビルダグリプチン、好ましくは25から100mg、もっとも好ましくは50から100mgのビルダグリプチンまたはその結晶形Aを含む。好ましくは50mgまたは100mgのビルダグリプチンまたはその結晶形A。
【0182】
もっとも好ましくは本明細書に記載されている組成物、カプセル、圧縮錠剤または直接圧縮錠剤は下記結晶形、好ましくは結晶形“A”のLAF237を含む。好ましくは少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または98%のLAF237化合物は結晶形、好ましくは結晶形Aであり得る。
【0183】
本発明はまた、下記結晶形、好ましくは結晶形“A”のLAF237を含む本明細書に記載されている医薬組成物(医薬製剤)、カプセル、圧縮錠剤または直接圧縮錠剤に関する。製剤において、好ましくは少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または98%のLAF237化合物は結晶形、好ましくは結晶形Aであり得る。
【0184】
本発明はまた、例えば本明細書に記載されている組成物(医薬製剤)であって、1%未満または0.4%未満のLAF237は“A”結晶形であり、99%または99.6%を超えるLAF237が非晶形である組成物に関する。
【0185】
好ましくは少なくとも20または50%、もっとも好ましくは少なくとも80%の活性成分LAF237は結晶形“A”である。
【0186】
したがってさらなる局面において、本発明はLAF237(ビルダグリプチン)の固体状態物理的特性に関する。この特性はLAF237が固体形で得られる条件を制御することにより影響され得る。固体状態物理的特性は、例えば粉砕固体の流動性を含む。流動性は医薬生成物へ容易に物質を処理できることに影響する。粉末化合物の粒子が容易に互いを超えて流動しないとき、製剤専門家は流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、タルク、デンプンまたは第三リン酸カルシウムの使用を必要とし得る錠剤またはカプセル製剤を構築すること考慮しなければならない。
【0187】
医薬化合物の他の重要な固体状態特性は液体への溶解率または薬剤のバイオアベイラビリティーである。経口投与された活性成分が患者の血流に到達することができる割合の上限値を押し上げるため、患者の胃液への活性成分の溶解率は治療結果に影響を与え得る。
【0188】
例えば、同じ薬剤の異なる結晶形または非晶形はこのような溶解率のような薬学的に重要な特性およびバイオアベイラビリティーにおいて本質的な相違を有し得る。同様に、異なる結晶形または非晶形は市販品の生産のための活性医薬としての適合に影響し得る異なる処理特性、例えば吸湿度、流動性などを有し得る。
【0189】
溶解率はまたシロップ剤、エリキシル剤および他の液状薬剤の形成において考慮する。化合物の固体状態形はまた圧密性および保存性に影響し得る。
【0190】
これらの実質的な物理的特性は物質の特定の多形を定義する単位格子における分子の構造および配向により影響される。多形は無定形物質または他の多形とで異なる熱特性を生じ得る。熱特性はキャピラリー融点測定法、熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)のようなこのような技術により実験室において測定され、いくつかの多形と他の形を区別するために使用できる。特定の多形はまた粉末X線結晶学、固体状態13C NMR分析法および赤外分光光度法により検出され得る独特な分光学的特性を生じ得る。結晶形を特徴づけるために使用される方法:IR、X線粉末回折、融点測定。
【0191】
本明細書に記載されている製剤および粒径分布の開発中、本出願人はビルダグリプチンを含む医薬製剤の質および製造方法(処理、取り扱いおよび投与の容易さ)を改良するため、とりわけ圧縮錠剤のために適合した粒径分布を有する粒子を生産するための方法を改良するため、例えばビルダグリプチンの吸湿性特性を改良することにより製剤におけるビルダグリプチンの安定性を改良するため、そして他の特性、例えばバイオアベイラビリティー、溶解度を改良するために特に適合した、予期しない良い物理化学的特性を有するビルダグリプチンの新規結晶形を発見した。様々な医薬投与形の製造のために特に適当なこの新規結晶形は驚くべきことにこれらの良い物理化学的特性を表す。
【0192】
したがって、第1の局面において、本発明は:
i)有機溶媒中のビルダグリプチンまたはその塩の溶液を加熱し、
ii)ビルダグリプチンの結晶化を誘導し、そして
iii)結晶ビルダグリプチンを回収する段階を含むビルダグリプチンの結晶形またはその塩の製造法を提供する。
【0193】
好ましい態様において、本発明は、
i)有機溶媒中のビルダグリプチンの溶液を加熱し、
ii)ビルダグリプチンの結晶化を誘導し、そして
iii)結晶ビルダグリプチンを回収する段階を含む16.6°、17.1°、17.2°+/−0.3度 2θ、好ましくは12.0°、13.5°、16.6°、17.1°、17.2°、20.1°、22.5°、27.4°、28.1°+/−0.3度 2θのピークを有するX線回折パターンを有する結晶ビルダグリプチン“A形”の製造法を提供する。
【0194】
好ましくは溶媒は2−ブタノン、2−プロパノール/酢酸エチル、2−プロパノール、アセトンから選択される。
【0195】
好ましくは結晶化が;
i)有機溶媒、好ましくは2−ブタノン、2−プロパノール/酢酸エチル、2−プロパノール、アセトンから選択される中のLAF237を加熱し、
ii)約−20℃から約20℃、好ましくは約−10℃から約10℃の温度に溶液を冷却し、結晶化を誘導し、そして
iii)好ましくは加熱することなしに結晶ビルダグリプチンを回収する段階を含む。
【0196】
好ましくは上記のとおり、段階i)で加熱後、溶液の温度を約−20℃から約+20℃、好ましくは約−10℃から約+10℃の温度範囲に冷却する段階で減少させる。
【0197】
他の態様において、結晶化ii)が溶液に貧溶媒を添加することにより誘導することができる(冷却有りまたは無し)。
【0198】
本明細書に使用されるとおり、貧溶媒は溶媒中に化合物X(すなわちビルダグリプチン)の溶液を加えるときXの沈殿を誘導する液体である。貧溶媒の添加が同じ溶媒中に同じ濃度のXを含む溶液からのXの沈殿より速くまたは広い範囲で溶液からXの沈殿を起こすとき、溶液が貧溶媒を加えることなしに同じ時間に対して同じ状態を維持するとき、Xの沈殿は貧溶媒により誘導される。沈殿は溶液の濁りもしくは溶液中に懸濁したXの異なる粒子の形成として視覚的に起こり得、または溶液を含む容器の底で回収され得る。
【0199】
好ましくは、溶液を結晶化を誘導するために約−20℃から約20℃、好ましくは約−10℃から約10℃の温度に徐々に冷却する。
【0200】
好ましくは、溶液を結晶化を誘導するために約−20℃から約20℃、好ましくは約−10℃から約10℃に徐々に冷却、例えば定義の時間内に50℃に、次いで定義の時間内に30℃に、次いで定義の時間内に0℃に冷却する。
【0201】
好ましくは、溶液を100から500分以内、好ましくは250から450分以内に約−10℃から約10℃に徐々に冷却する。
【0202】
好ましくは、溶液を1から3時間、好ましくは2時間以内に50℃に、次いで40から120分以内、好ましくは80分で30℃に、次いで30から120分以内、好ましくは72分で0℃に冷却する。
【0203】
得られた結晶を次いで当分野で既知である技術、例えば濾過、遠心分離、デカンテーションなどにより回収し得る。
【0204】
結晶を次いで乾燥させ得る。乾燥は周囲圧力下または減圧下で行われ得る。好ましくは、乾燥はより好ましくは約30mmHg未満の圧力である組合せ剤中で約20℃から約60℃の温度で行われる。
【0205】
条件に依存する乾燥のわずかな時間は、例えば約2から約5時間で十分であり得る。
【0206】
本明細書で使用される、乾燥なる用語は好ましくは周囲圧力下または減圧下で行われる、熱の適用を介する溶媒の除去を示す。
【0207】
本明細書で使用される、減圧なる用語は1気圧未満の圧力、より好ましくは約100mmHg未満を示す。
【0208】
本明細書で使用される、沈殿なる用語は混合物中の小固体粒子の懸濁の形成を示す。
【0209】
本明細書で使用される、結晶化なる用語は液体または気体から結晶を形成するための方法を示す。
【0210】
少なくとも40%、好ましくは60%、さらに好ましくは80%の得られたビルダグリプチン結晶“A形”が250μm未満、好ましくは10から250μmの粒径分布を有する上記方法。
【0211】
さらなる局面において、本発明は;
i)自動撹拌を備えた1500mlの反応装置を120グラム(g)のLAF237(1−[(3−ヒドロキシ−アダマンチル−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリル)、3.6gの活性炭素、2.4gのcellflock 40、3.6gの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンおよび483gの2−ブタノンで充満し、
ii)混合物を還流温度(ジャケット温度(JT):95℃)に加熱し、30分間撹拌し、
iii)混合物を温反応装置(JT:75℃)中に濾過し、濾過ケーキを48gの2−ブタノンで洗浄し;
iv)次いでITを70℃に調節し、1.1mlの2−ブタノン中の0.102gの得られた再結晶LAF237の懸濁液を溶液に加え、
v)得られた懸濁液を30分間撹拌し、2時間以内に内部温度(IT)50℃に、次いで80分以内に30℃に冷却し、
vi)最後に懸濁液を72分以内に0℃に冷却し、さらに1時間撹拌し、
vii)この後、懸濁液を濾過し、粗生成物を37gの2−ブタノンおよび34gのt−ブチルメチルエーテルの冷(0℃)混合物で2回洗浄し、
viii)粗生成物(ビルダグリプチン結晶形A)を最後に減圧下約JT55℃で乾燥させる方法により得ることができるビルダグリプチン(LAF237)結晶“A形”に関する。
【0212】
さらなる局面において、本発明は、ビルダグリプチンの結晶形に関する。
【0213】
本発明の“DPP−IV阻害剤の結晶形”なる用語、とりわけ“ビルダグリプチンの結晶形”なる用語はまた、無水結晶形、部分結晶形、いくつかの結晶形の混合物、水和物結晶形または溶媒和物結晶形を含む。
【0214】
−無定形状態:非結晶(原子または分子の不規則に配列された3次元配列)。LAF237の非晶形は凍結乾燥により得られた。
【0215】
−結晶状態:結晶物質は原子または分子の正確な幾何学的配置の3次元周期的配列である。
【0216】
−無水結晶形:3次元周期的配列において溶媒または水分子を含まない結晶形。
【0217】
−水和物:3次元周期的配列において1個またはそれ以上の水分子を含む結晶形。
【0218】
−溶媒和物:3次元周期的配列において水以外の1個またはそれ以上の溶媒分子を含む結晶形。
【0219】
−半結晶形:固体状態において原子または分子の部分的にのみ配列された3次元配列。
【0220】
本発明において、“ピークを有する”なる用語は“ピークを含む”を意味し、制限されない。
【0221】
本発明において、“多形または多形性”なる用語は結晶形“A”と異なる結晶形を示す。
【0222】
好ましくは、本発明は、ビルダグリプチンの熱力学的にもっとも安定な結晶形(高い物理化学的安定性)に関する。
【0223】
好ましくは、本発明は、40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%のビルダグリプチン結晶が250μm未満、好ましくは10から250μmの粒径分布を有するビルダグリプチンの結晶形に関する。
【0224】
好ましくは、本明細書に記載されているビルダグリプチン粒子は、好ましくは60%を超える結晶ビルダグリプチン“A形”、もっとも好ましくは90%または95%を超える、さらにより好ましくは98%を超える結晶ビルダグリプチン“A形”を含む結晶ビルダグリプチン“A形”粒子である。
【0225】
“熱力学的にもっとも安定な”なる用語において、本出願人は異なるビルダグリプチン形を互いに対して例えば溶解度試験、溶液加熱、DSCなどにより調査し、異なる形と転移が起こる形との、本結晶形の熱力学的関係(単変、互変)を検出することを意味する。この分析に基づいて、例えば室温でまたは全温度範囲にわたって、もっとも安定な結晶形を決定できる。
【0226】
好ましい局面において、本発明は、約16.6°、17.1°、17.2°+/−0.3度 2θまたは好ましくは約12.0°、13.5°、16.6°、17.1°、17.2°、20.1°、22.5°、27.4°、28.1°、+/−0.3度 2θのピークを有するX線回折パターンにより特徴づけられる結晶ビルダグリプチン“A形”に関する。
【0227】
さらなる局面において、本発明は、実質的に図1に記載されているX線粉末パターンにより特徴づけられる結晶ビルダグリプチン“A形”に関する。
【0228】
X線データは下記実施例7.2.iに記載されている方法により得ることができる。
【0229】
さらなる局面において、本発明は、逆波数(cm−1);約3293cm−1、2925−2853cm−1、2238cm−1、1658cm−1、1455/1354cm−1、1254cm−1、1121cm−1、1054−1035cm−1、+/−2cm−1、FT−IR偏差:+/−2cm−1で示される顕著な吸収バンドを有する流動パラフィンにおけるIRスペクトルにより特徴づけられる結晶ビルダグリプチン“A形”に関する。
【0230】
さらなる局面において、本発明は、実質的に図2に記載されている逆波数(cm−1)で示される吸収バンドを有する流動パラフィンにおけるIRスペクトルにより特徴づけられる結晶ビルダグリプチン“A形”に関する。
【0231】
IR(赤外線)データは実施例7.2.iiに記載されている方法により得ることができる。
【0232】
さらなる局面において、本発明は、融点147℃+/−4℃(例えば示差走査熱量測定(DSC)法、10K/分により得られる)により特徴づけられる結晶ビルダグリプチン“A形”に関する。好ましくは約149℃+/−2℃。
【0233】
さらなる局面において、本発明は、非晶形が27℃でガラス遷移を示し(乾燥状態からペースト状にサンプルが変化)、その後再結晶発熱が50℃で始まり110℃で終わり、次いで約127℃で融解転移する間の、25℃から140℃で遷移しないDSCサーモグラムにより特徴づけられる新規LAF237(ビルダグリプチン)結晶形“A形”に関する。特に融点が約140℃から約150℃の領域において欠けている。
【0234】
好ましい態様において、ビルダグリプチン結晶形、とりわけ結晶“A形”は250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有する。
【0235】
本発明はまた、好ましくは対応するビルダグリプチン非晶形を製造するためビルダグリプチンの結晶形、A形の使用または他の多形を製造するためビルダグリプチンの結晶形、好ましくはA形の使用に関する。
【0236】
本発明はまた、対応するビルダグリプチン非晶形を製造するためビルダグリプチン結晶形“A形”の使用または他の多形を製造するためビルダグリプチン結晶形“A形”の使用に関する。
【0237】
さらなる局面において、本発明は、ビルダグリプチン結晶形“A形”が結晶化法において出発物質または中間体として使用されるビルダグリプチン多形の製造法に関する。
【0238】
新規結晶形AはX線回折および/または赤外分光法または当分野において既知の他の方法により同定および区別され得る。
【0239】
ビルダグリプチン結晶形“A形”はX線粉末回折により特徴づけられれ得る。X線回折パターンは特定の結晶形に対して唯一のものである。各結晶形は2θ角度、格子面間隔値および相対的なピーク強度で示され得る回折ピークの唯一のセットを有する回折パターンを示す。2θ回折角および対応する格子面間隔値はX線粉末回折パターンにおいて様々なピークの位置からなる。格子面間隔値は当業者に既知のブラッグの式を使用し、観察される2θ角度およびcopper (Kal)波長で計算される。
【0240】
図Iはビルダグリプチンの結晶形AのX線粉末回折の例を示す。X線データは下記実施例1に記載されている方法により得られる。
【0241】
装置はX線源の角度に対する回折X線強度(カウント毎秒、cps)を測定する。結晶サンプルは定義されている角度でのみ回折し、したがって鋭いピークは結晶形の性質に依存して観察される。各形は唯一の回折パターンをもっている。ピークの強度は粒子サイズおよび形状に依存し、したがってそれは結晶形のバッチでない特性である。回折ピーク(パターン)は分子内の各原子の位置を明確にし、得られる結晶形の結晶対称性および空間群を明確にする。
【0242】
観察される2θ角度または格子面間隔値のわずかな変動が使用される特定の回折計、分析者およびサンプル製造技術に基づいて予期されることを考慮すべきである。さらに変動は相対的なピーク強度に対して予期される。
【0243】
化合物の結晶形の正確な同定は主に相対的なピーク強度のため重要でない観察される2θ角度に基づくべきである。
【0244】
2θ角度および格子面間隔値の割り当てにおける誤差の範囲を決定するため、特定の結晶形を同定するためのX線粉末回折パターンを含む好ましい方法は既知の形のX線粉末回折パターンの上に未知の形のX線粉末回折パターンを重ねることである。
【0245】
例えば、当業者は図Iの上に本明細書に記載されている方法を使用し得られるLAF237の未知の結晶形AのX線粉末回折パターンを重ね、容易に未知の形のX線回折パターンがA形のX線粉末回折パターンと実質的に同じであるかどうかを決定できる。X線粉末回折パターンが実質的に図Iと同じとき、以前に未知のLAF237の結晶形は容易におよび正確にA形として特定できる。2θ角度または格子面間隔値は結晶形を特定する主な方法であるが、相対的なピーク5つの強度を比較することもまた望ましいことであり得る。上記のとおり、相対的なピーク強度は使用される特定の回折計および分析者のサンプル製造技術に依存して変化し得る。ピーク強度はもっとも強力なピークのピーク強度に対する強度として記録される。ピーク強度は品質管理のために有用であるがしかし結晶形同定のために使用されるべきでない。
【0246】
X線回折は固体混合物中の結晶形および/または非晶形の相対量の定量のために好都合なおよび実用的な手段を提供する。混合物中の得られる化合物の回折ピークの強度は混合物中の対応する粉末の量に比例するためX線回折は定量的利用に適合している。結晶のLAF237の成分パーセントは未知の組成物において測定できる。
【0247】
好ましくは、測定は固体粉末LAF237で行う。未知の組成物のX線粉末回折パターンは、LAF237A)形の純粋な結晶形を含む既知の量の基準と比較して、LAF237のA結晶形の百分率を特定することができる。これは未知の固体粉末組成物の回折パターンからのピークの相対的強度と純粋な既知のサンプルのX線回折パターン由来較正曲線を比較することにより行う。曲線は結晶のLAF237の純粋なサンプルからのもっとも強力なピークに対するX線粉末回折パターンに基づいて作成することができる。較正曲線は当業者に既知の方法において作成され得る。例えば異なる量のLAF237の結晶形の5またはそれ以上の人工混合物を製造できる。非制限的例において、このような混合物は、各結晶形について2%、5%、7%、8%、および10%のLAF237を含み得る。次いで、X線回折パターンを標準X線回折技術を使用して各人工混合物について得ることができる。ピーク位置のわずかな変化があるならば、測定されるピークの位置を調節することにより説明され得る。各人工混合物に対して選択される特徴的ピーク(複数を含む)の強度を次いで結晶形の既知の重量%に対してプロットする。得られたプロットは未知のサンプルの結晶LAF237の量の決定ができる較正曲線である。結晶および無定形LAF237の未知の混合物に対して、検定混合物の特徴的ピークの強度と比較して選択される混合物の特徴的ピーク(複数を含む)の強度は、無定形物質であることを決定した残りで組成物の得られる結晶形の割合を決定するために使用され得る。
【0248】
ビルダグリプチン結晶形“A形”はまた赤外分光法により特徴づけられ得る。発明者により得られるビルダグリプチンの結晶形Aの赤外線スペクトルは図2において示されている。本発明のIR(赤外線)データは、実施例7.2.iiに記載されている方法により得られた。
【0249】
さらなる局面において、本発明は、ビルダグリプチン結晶形“A形”を含む医薬組成物に関する。
【0250】
好ましくは、製剤は10から150mg、好ましくは25から100mg、もっとも好ましくは50から100mgのビルダグリプチン、好ましくはビルダグリプチンの結晶形、もっとも好ましくはビルダグリプチン結晶形“A形”またはそれらの医薬塩を含む。
【0251】
好ましくは、本発明は、ビルダグリプチン結晶形、好ましくはビルダグリプチン結晶“A形”またはすべての場合においてそれらの医薬塩を含む本明細書に上記されている医薬組成物または圧縮錠剤に関する。
【0252】
好ましくはビルダグリプチン結晶形またはビルダグリプチン結晶“A形”は本明細書に記載されている粒子形である。
【0253】
本発明のビルダグリプチン結晶形“A形”を含む医薬組成物はDPP−4阻害剤が介在する状態の処置のためにヒトを含む哺乳類への経腸的、例えば経口的または経直腸的;経皮的および非経腸的投与に適当なものである。このような状態は、そのために本発明の化合物を使用できる処置に関して下記されている状態を含む。該医薬組成物は有効量の薬理学的に活性な本発明のビルダグリプチン結晶“A形”を単独でまたは1種またはそれ以上の薬学的に許容される担体と組合せて含む。
【0254】
本発明の薬理学的ビルダグリプチン結晶“A形”は、経腸的または非経腸的適用のために適当である、賦形剤または担体と共にまたは混合されて、有効量の結晶“A形”を含む医薬組成物の製造において使用され得る。該組成物は滅菌し得そして/またはアジュバント、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶液助触媒、浸透圧を調節するための塩および/またはバッファーを含み得る。加えて、それらはまた、他の治療的に有用な物質を含み得る。該組成物は慣用の混合法、造粒法または被覆法各々にしたがって製造され、そして約0.1−75%、好ましくは約1−50%のビルダグリプチン結晶“A形”を含む。
【0255】
経皮的適用のための適当な製剤は治療有効量の本発明の化合物と担体を含む。有利である担体は宿主の皮膚の通過を助けるための薬理学的に許容される吸収性溶媒を含む。特徴的に、経皮的デバイスは、裏打ち部分、化合物を所望により担体と含む貯蔵所、所望により長時間にわたって制御されたおよびあらかじめ決まられた速度で宿主の皮膚の化合物を送達するための速度制御バリアおよび皮膚にデバイスを固定するための手段を含むバンデージ形である。
【0256】
上記定義のビルダグリプチン結晶“A形”またはビルダグリプチン結晶形“A形”を含む医薬組成物は単独でまたは例えば当分野で報告されている各有効用量で他の(例えば1種もしくは2種の)治療剤(同じもしくは異なる投与単位)と組合せてのいずれかで投与することができる。本明細書に記載されている圧縮錠剤もしくは直接圧縮錠剤または製剤はさらなる治療剤をさらに含むことができる。このような治療剤はインスリン、インスリン誘導体および模倣体;インスリン分泌促進剤、例えばスルホニルウレア、例えばグリピザイドおよびアマリール;インスリン分泌促進スルホニルウレア受容体リガンド、例えばメグリチナイド、例えばナテグリニドおよびレパグリニド;インスリン増感剤、例えばタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、GSK3(グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3)阻害剤またはRXRリガンド;ビグアニド、例えばメトホルミン;グリタゾン、例えばピオグリタゾンもしくはロシグリタゾン、α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアクラボス;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1類似体、例えばエキセンディン−4、およびGLP−1模倣物;DPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、例えばイソロイシン−チアゾリジド;DPP728およびLAF237、脂質低下剤、例えば3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えばロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルインドスタチンおよびリバスタチン、スクアレン合成阻害剤またはFXR(肝臓X受容体)およびLXR(核内受容体X受容体)リガンド、コレスチラミン、フィブレート剤、ニコチン酸、バルサルタンおよびアスピリンを含む。本発明のLAF237結晶形Aは、他の活性成分と同時に、前にまたは後に、同じもしくは異なる投与形路により別々にまたは同じ医薬製剤(同じ投与単位)で一緒に投与され得る。
【0257】
ビルダグリプチン結晶“A形”は好ましくはメトホルミン、グリタゾン(例えばピオグリタゾンまたはロシグリタゾン)、インスリン、スルホニルウレア、ナテグリニドまたはバルサルタンから選択される1種または2種の化合物との組合せ剤で投与される。
【0258】
さらなる局面において、本発明は、鎮痛作用または抗不安作用を引き起こすため、手術後ストレスによる異化変化およびホルモン応答を軽減するため、心筋梗塞、GLP−1および/またはGLP−2レベルが介在し得る上記作用に関連する状態の処置後の死亡および発病を減少するため、状態、例えば非インスリン依存性糖尿病、関節炎、肥満、同種移植片移植、カルシトニン−骨粗鬆症、心不全、グルコース代謝の障害)、IGT(耐糖能異常)、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病およびパーキンソン病、高脂血症、高脂血症関連状態またはVLDL、LDLおよびLp(a)低レベル関連状態、心臓血管疾患または腎臓疾患、例えば糖尿病性心筋症、左または右心室肥大、動脈および/または大血管の肥大性内側肥厚、腸間膜脈管構造肥厚、メサンギウム肥厚、神経変性疾患および認識障害の処置のための本明細書に記載されている製剤、カプセル、錠剤、圧縮錠剤、直接圧縮錠剤の使用に関する。
【0259】
さらなる局面において、本発明は、50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与10.5時間後の平均DPP−4阻害が少なくとも79%、好ましくは少なくとも83%または83%から94.5%、または89.34+/−3.02%である即時作用型投与形に関する。
【0260】
50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後0.25から10.5時間の間の平均DPP−4阻害が84%から98%である即時作用型投与形。
【0261】
50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後24時間にわたって、平均DPP−4阻害が64.2%+/−12.7%である即時作用型投与形。
【0262】
50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後24時間にわたって、DPP−4阻害が実質的に図7に記載のとおりである即時作用型投与形。
【0263】
投与形が本明細書および請求項に記載されている医薬組成物、錠剤、圧縮錠剤のいずれかである上記即時作用型投与形。
【0264】
本発明はまた、100mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与10.5時間後の平均DPP−4阻害が少なくとも83%、好ましくは少なくとも90%または90%から95.2%である即時作用型投与形に関する。
【0265】
100mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後0.25から10.5時間の間の平均DPP−4阻害が84%から98.8%である即時作用型投与形。
【0266】
100mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後24時間にわたって、平均DPP−4阻害が76.3%+/−13.7%である即時作用型投与形。
【0267】
100mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後24時間にわたって、平均DPP−4阻害が実質的に図7に記載のとおりである即時作用型投与形。
【0268】
投与形が本明細書に記載されている製剤、錠剤またはカプセルのいずれかである上記即時作用型投与形。
【0269】
2型糖尿病を有する患者へ投与される上記即時作用型投与形。
【0270】
50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日2回の投与後10時間にわたって、平均DPP−4阻害が少なくとも75%、好ましくは80%である即時作用型投与形。
【0271】
50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日2回の投与後10時間にわたって、平均DPP−4阻害が少なくとも50%、好ましくは60%または64.2%である即時作用型投与形。
【0272】
50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日2回の投与後10時間にわたって、平均DPP−4阻害が少なくとも70%、好ましくは80%である即時作用型投与形。
【0273】
50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日2回の投与後10時間にわたって、平均DPP−4阻害が少なくとも60%、好ましくは70%または76.3%である即時作用型投与形。
【0274】
投与形が本明細書および請求項に記載されている医薬組成物、錠剤、圧縮錠剤である即時作用型投与形。
【0275】
“50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日2回の投与”なる用語は、2回目の投与を1回目の投与8から12時間後、好ましくは1回目の50mgの投与後9から11時間後に与える、2回に分けたビルダグリプチンの投与を意味する。
【0276】
“即時作用型投与形”なる用語は投与形25から200mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、ビルダグリプチンの相加平均tmaxが2.0hr+/−1.9hrまたは+/−1.4hrであることを意味する。
【0277】
他の態様において、本発明は、下記を提供する;
i)約50mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約77.3ng/mL+/−20.8ng/mLから約195ng/mL+/−89.1ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度を提供する投与形。
【0278】
ii)約50mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約839から約1221ng・h/mLすなわち1030ng・h/mL+/−191ng・h/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)を提供する投与形。
【0279】
iii)約50mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、2.1hr+/−1.3hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【0280】
約50mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって;
−50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約77.3ng/mL+/−20.8ng/mLから約195ng/mL+/−89.1ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度、および/または
−50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約839から約1221ng・h/mLすなわち1030ng・h/mL+/−191ng・h/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)、および/または
−50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、2.1hr+/−1.3hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【0281】
約50mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、実質的に図3または4に記載されている薬物動態プロファイルを提供する投与形。
【0282】
好ましくは経口投与は健康なヒト対象において行う。
【0283】
他の態様において、本発明は下記を提供する;
i)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約186ng/mL+/−64.9ng/mLから約428ng/mL+/−165ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度を提供する投与形。
【0284】
ii)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約2071から約2629ng・h/mLすなわち2350ng・h/mL+/−279ng・h/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)を提供する投与形。
【0285】
iii)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、2.0hr+/−1.4hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【0286】
iv)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって;
−50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約186ng/mL+/−64.9ng/mLから約428ng/mL+/−165ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度、および/または
−100mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約2071から約2629ng・h/mLすなわち2350ng・h/mL+/−279ng・h/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)、および/または
−100mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、2.0hr+/−1.4hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【0287】
v)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、実質的に図3または4に記載されている薬物動態プロファイルを提供する投与形。
【0288】
好ましくは経口投与は健康なヒト対象において行う。
【0289】
他の態様において、本発明は、下記を提供する;
i)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約188ng/mL+/−132ng/mLから約327ng/mL+/−87.6ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度を提供する投与形。
【0290】
ii)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、1840ng・h/mL+/−360ng・h/mLのビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)を提供する投与形。
【0291】
iii)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、2.5hr+/−1.3hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【0292】
iv)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって;
−100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約188ng/mL+/−132ng/mLから約327ng/mL+/−87.6ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度、および/または
−100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、1840ng・h/mL+/−360ng・h/mLのビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)、および/または
−100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、2.5hr+/−1.3hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【0293】
v)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、実質的に図5に記載されている薬物動態プロファイルを提供する投与形。
【0294】
好ましくは経口投与は2型糖尿病を有するヒト対象において行う。
【0295】
他の態様において、本発明は、下記を提供する;
i)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約123ng/mL+/−51.5ng/mLから約455ng/mL+/−217ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度を提供する投与形。
【0296】
ii)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、2090ng・h/mL+/−446ng・h/mLのビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)を提供する投与形。
【0297】
iii)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、1hr+/−1.3hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【0298】
iv)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって:
−100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約123ng/mL+/−51.5ng/mLから約455ng/mL+/−217ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度、および/または、
−100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、2090ng・h/mL+/−446ng・h/mLのビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)、および/または
−100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、1hr+/−1.3hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【0299】
v)約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、実質的に図6に記載されている薬物動態プロファイルを提供する投与形。
【0300】
好ましくは経口投与は2型糖尿病を有するヒト対象において行う。
【0301】
上記セクションi)からv)に記載されている約100mgまたは50mgのビルダグリプチンを含む固体経口投与形であって、本明細書および請求項に記載されている医薬組成物、錠剤、圧縮錠剤である投与形。
【0302】
それぞれの場合、特に特許請求の範囲の化合物、実施例の最終産物、最終産物の対象、分析および測定方法(例えばUSP文書)、正しい粒子サイズを得るための方法、医薬品、賦形剤および特許請求の範囲は出版物または特許出願の出典明示により本明細書に包含させる。
【0303】
本発明は特に実施例により説明され、また実施例において指定される新規化合物およびそれらの使用およびそれらの製造法に関する。
【0304】
下記実施例は決して本発明を制限することなく、説明するためである。
【実施例】
【0305】
実施例1
25mgの錠剤サイズ(直接圧縮錠剤)を製造するため、単位あたり下記に対応する量を使用して7kgのバッチサイズを製造する:単位あたり25mgの化合物1−[3−ヒドロキシ−アダマンチル−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルを35.1mgの微結晶セルロース、17.5mgの無水ラクトースおよび1.6mgのグリコール酸ナトリウムデンプンを混合する。成分を市販のふた付きミキサー内で一緒にあらかじめ混合し、次いで500μmまたは850μmスクリーンを通してふるいにかける。混合物を再びふた付きミキサー中で混合し、次いで25mgの錠剤サイズあたり0.8mgのステアリン酸マグネシウムを製造するために必要量のステアリン酸マグネシウムを加える。混合物の均一性を保証するために各段階において混合を約150−450回転行う。ふた付きミキサー中で再び混合後、混合物を慣用の打錠機で打錠できる。25mgの錠剤に対して個々の錠剤重量は80mgである。それぞれ50mgの活性成分を含む錠剤の重さは160mgであり、100mgの活性成分を含む錠剤の重さは320mgである。混合物は望ましい錠剤サイズへの圧縮性に優れた粉末である。
【0306】
実施例2
上記実施例1と同じ方法は、下記の好ましい50mgの(直接圧縮)錠剤を製造するために適用できる。
【表1】

対応する100mgのLAF237の錠剤は、すなわち100mgのLAF237、191,36mgの微結晶セルロース、95.64mgの無水ラクトース、8mgのグリコール酸ナトリウムデンプン、5mgのステアリン酸マグネシウムで製造される。
【0307】
実施例3:
上記および実施例にしたがって製造される錠剤は下記のとおり試験することができる。
錠剤評価方法
1.平均錠剤重量。20個の錠剤を化学天秤で計量し、平均錠剤重量を計算する。
2.錠剤破壊強度(キロボンド−kp)。5個の錠剤をSchleuniger破砕強度試験機を使用し個々に試験し、平均破壊強度を計算する。
3.破砕(%減少)。正確に計量された10個の錠剤をRoche Friabilatorを使用し破砕度試験に10分付す。錠剤を脱粉塵し、再計量し、破砕に対しての重量の減少を最初の重量の割合として計算される。
4.分散体崩壊時間DT(英国薬局方、1988, Volume II、page 895 - BP 1988における規定の分散性錠剤に対する試験)。6個の錠剤を分散性錠剤に対する上記BP試験(ディスクなし)にしたがって試験する。これは19℃−21℃の温度で水を利用する。
5.分散体質。分散性錠剤に対するBPの一様な分散体試験にしたがって(BP 1988 Volume II page 895)、2個の錠剤は19℃−21℃で100mlの水に入れ、分散させる。
【0308】
造粒評価方法
1.乾燥減量(LOD)。造粒の残った含水量(LOD)を製造業者の製造法にしたがって操作される90℃でセットされるComputrac水分分析器を使用し3−4gのサンプルにおいて測定することができる。
2.中央直径の重量(WMD)。製造業者の指示にしたがってAllen Bradley音波ふるいで10gの造粒サンプルを適当なパルスおよび振幅で2分間ふるいにかける。300μm、250μm、200μm、150μm、100μm、53μmおよび40μmのふるいを使用する。WMDはコンピュータプログラムを使用しサイズ分布の累積率から計算される。
【0309】
実施例4:
改良された製造物のロバスト性
予備的な適合性評価を異なる製剤ならびにLAF 237と異なる賦形剤、例えば微結晶セルロース(Avicel PH102)の2成分の混合物を使用しCarver圧縮機上で行う。
データは高いレベルの圧力(圧縮力)で圧縮される我々の請求する組成物が錠剤強度において実質的に有用性の増加を示すことを説明する。特に、例えばLAF237とAvicelの混合物は錠剤強度において実質的に有用性の増加を示す。これらの結果は適合性の観点から、微結晶セルロース、例えばAvicelはLAF237と混合される好ましい賦形剤であろうことを示した。高い圧力(圧縮力)で、我々の請求する製剤および選択される範囲は錠剤強度において実質的に有用性の増加を示す。
適合性試験は力で器具を備えたKorsch1点圧縮機および杵の上下両方の変位センサーで行う。
LAF237錠剤が優れた適合性を有する十分な増量剤を使用し希釈しない限り、乏しい錠剤硬度/破砕強度を大抵有することを、これらのデータから明らかな兆候が得られる。我々の請求項の製剤および選択される範囲は必要な適合性を提供するように特に適合している。微結晶セルロース、例えばAvicelはこの点において増量剤のための良い選択である。
【0310】
実施例5:破砕度
評価は6つの異なる設定:66−90rpm(63,000−86,000TPH)のひずみ速度設定および7.5−15kNの力でManesty Betapressを使用し行う。該試験は250mgの錠剤に対して9mmの直径および310mgの錠剤に対して10mmの直径(試験される錠剤の重量に依存して異なった直径が使用される)に細工するFlat−faced Beveled−edge(FFBE)を使用する。錠剤総重量を9および10mmのFFBE錠剤両方が100mgのLAF237および同一の錠剤の厚さを有するように選択した。破砕度、圧縮プロファイル、ひずみ速度プロファイルおよび重量偏差は測定された結果である。試験デザインおよび試験から得られる破砕度結果は硬度結果に影響を与える変量(製剤の粒径分布、錠剤重量、錠剤の厚さおよび重量、錠剤中の含水率など)を決定するために使用される。
【0311】
実施例7:粒径分布および結晶形A(非制限的例)
本明細書に記載されている製剤、とりわけ圧縮錠剤を製造するために特に適合したビルダグリプチンの粒径分布10から250μmは下記のとおりに製造することができる。
1.直接圧縮錠剤のために適用されるビルダグリプチンの結晶形を介する粒径分布の製造法
本出願人は直接圧縮錠剤のために特に適当である粒径分布(10から250μm)のビルダグリプチンを発見した。
レーザー光回折または同様の方法により測定される粒径分布は下記のとおりに示される:×10以上5μm、×50以上35μmおよび×90以下380μm。
粒子サイズはFraunhofer光回折により測定された。
使用される試薬
分散補助剤:例えばヘキサン中の約1%のAntistatic Additive AA3, Shell
分散液:例えば約1mlの分散補助剤とイソヘキサン、Merck cat. no. 1.04333。
装置
測定デバイス:例えばSympatec HELOS, Sympatec GmbH, Germany
分散体デバイス:懸濁液細胞、例えばQUIXEL, Sympatec GmbH, Germany。
条件
焦点距離:1000mm;光学濃度:5%;測定の継続時間:60秒;キュベットを介する流量:6mm;ポンプ速度:15−30%;超音波処理時間:30秒。
【0312】
製造法:
貯蔵分散体:約0.5gの試験物質に数滴の分散補助剤を加える。徹底的に物質を湿らすため、なめらかなおよび同種のペーストを形成するため、例えばボルテックスミキサーで激しく混合する。分散体液体を有するペーストを3−6mlの最終容量に希釈し、再び分散体を混合する。
測定試験分散体を準備し、マニュアルにしたがってレーザー光回折器具を使用し累積容量分布を測定する。
パラメータは試験分散体が代表的であり、均質でありそして良く分散するものであるように調節され得る。
評価/査定:累積容量分布から10%、50%および90%の小さい値(x10、x50、x90)、および問題のさらなる値での粒子サイズを決定する。
【0313】
この粒径分布は下記方法により得ることができる。この粒径分布はビルダグリプチンのなんらかの形、例えば無定形ビルダグリプチン、またはビルダグリプチンの結晶形、好ましくはビルダグリプチンの結晶形Aで得ることができる。
【0314】
下記非制限的実施例はビルダグリプチン結晶形Aの製造法と下記機械的圧力を組み合わせる。
【0315】
A.ビルダグリプチン結晶形Aの製造法
自動撹拌を備えた1500mlの反応装置を、120グラム(g)のビルダグリプチン(1−[(3−ヒドロキシ−アダマンチル−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリル)、3.6gの活性炭素、2.4gのcellflock 40、3.6gの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンおよび483gの2−ブタノンで充満させる。
混合物を還流温度(ジャケット温度(JT):95℃)に加熱し、30分間撹拌する。混合物を温(JT:75℃)反応装置中に濾過し、濾過ケーキを48gの2−ブタノンで洗浄する。
【0316】
次いでITを70℃に調節し、1.1mlの2−ブタノン中の0.102gの得られた再結晶ビルダグリプチンの懸濁液を溶液に加える。得られた懸濁液を30分間撹拌し、2時間以内に内部温度(IT)50℃に、次いで80分以内に30℃に冷却する。最後に懸濁液を72分以内に0℃に冷却し、さらに1時間撹拌する。この後、懸濁液を濾過し、粗生成物を37gの2−ブタノンおよび34gのt−ブチルメチルエーテルの冷(0℃)混合物で2回洗浄する。
粗生成物(結晶形A)を最後に減圧下約JT55℃で乾燥させる。
ビルダグリプチン結晶形“A”の得られた粒径分布は続く製粉段階により望ましい粒径分布を得ることができる特に適合した物理的特性を有する。得られた物質は白色からオフホワイト色の結晶粉末である。
【0317】
B.機械的圧力
望ましい粒子サイズ範囲の物質を機械的圧力により無定形ビルダグリプチン、ビルダグリプチンの複数の結晶形、ビルダグリプチンの一つの結晶形、ビルダグリプチンの結晶形“A”、ビルダグリプチンの部分結晶形、ビルダグリプチンの多形、ビルダグリプチンの溶媒和物形、またはビルダグリプチンの水和物形から製造できる。この圧力は衝撃、せん断または圧縮が介在し得る。好ましくはビルダグリプチンの結晶形“A”が使用されている。
【0318】
もっとも商業的に利用されている破砕装置において、これらの原理の組合せが起こる。上記結晶化法、好ましくは機械的衝撃またはジェット粉砕により得られるLAF237結晶に対して使用される。もっとも好ましい機械的衝撃粉砕機は様々な刃、ついたて、裏当てまたはピン付きのプレートを備えることができる。我々の方法に関して、好ましくはプレートビーターおよびスリットのついたて52.5cmを有する衝撃粉砕機を使用する。衝撃スピードはバッチが変化する任意のバッチに適合するため20から100m/s(末端の速度で)で変化すべきである。我々の場合は、約40−50m/sの回転刃の速度を使用する。
【0319】
ビルダグリプチンの結晶形、好ましくは“A”形の製造と続く機械的圧力、例えばローラー圧密、製粉および/またはふるいを結合することにより得られる最善の結果(粒径分布)。
【0320】
2.結晶形Aの特徴付け:
i)X線粉末回折(XRPD)
使用される粉末回折計はType XDS 2000またはX1, Scintag, Santa Clara, USAである。
製造法:試験物質を試料ケース上に置く。X線回折パターンはCu K 放射(45kV、40mA)で2°から35°(2θ)で記録される。
【0321】
測定は下記の条件下約45kVおよび40mAで行う:
【表2】

試験物質のX線回折パターンの線と参照物質のX線回折パターンの線のすべての位置を比較する。
【0322】
試験物質のX線回折パターンは、強力および中強力バンドの位置および相対的強度が一致しており、そしてさらなるピークおよび無定形のバックグラウンドが参照物質と比較して現れないとき参照物質と一致している。
顕著なバンドのリスト:約12.0°、13.5°、16.6°、17.1°、17.2°、20.1°、22.5°、27.4°、28.1°。
【0323】
さらなるX線粉末回折(XRPD)をLAF237結晶形Aの他のバッチで行った。
【表3】

【0324】
結晶Aのもっとも顕著な回折ピークおよび単結晶構造からの計算値のリスト。
【表4】

【0325】
ii)流動パラフィンにおけるIRスペクトル(Nujol)
使用される試薬:分光法のための流動パラフィン(Nujol)、例えばUvasol Merck No. 107161、KBrまたはNaClプレート。
装置:IR分光光度計、例えばPerkin−Elmer 1725−XまたはBruker IFS−55。
方法:試験物質(必要に応じ参照物質)と流動パラフィンを混合し、4000−600cm−1の最低範囲のスペクトルを記録する。
過剰光散乱のため、主な吸収バンドがあまりに強いときまたはベースラインがあまりに傾いているとき、該方法を低濃度で繰り返すべきである。
評価/査定:試験物質のスペクトルのバンドの位置および相対的強度と参照物質のスペクトルのバンドの位置および相対的強度を比較する。
バンドの位置および相対的強度が一致するとき、試験物質のスペクトルは参照物質のスペクトルと一致する。
【0326】
顕著なバンドのリスト:
【表5】

【0327】
LAF237結晶形Aの他のバッチの分析は顕著なバンドが下記リストにおいて得られた。
【表6】

【0328】
iii)結晶学的解析
LAF237−NXA、修飾体Aの単結晶構造は、首尾よく標準結晶学的解析により解明した。
Nonius CAD4自動回折計をCuKα放射およびグラファイト単色光分光器でデータ回収するために使用した。構造は直接法(SHELXS)により解決した。パラメータをすべての非H原子に対して異方性変位パラメータで全マトッリクス最小二乗計算(SHELXL)により精密化した。次いで異なるFourierマップに25個すべての水素原子の位置を示した。H原子のパラメータを相違のマップから取り、確定しておく。他のすべての水素原子パラメータは理想化し、精密化しなかった。絶対配置は統合により得られた。
【0329】
LAF237修飾体Aの結晶データおよびの精製の詳細
【表7】

【0330】
分子内の3つの異なる型のC−N結合を区別できる:1.462Åから1.475Åの長さを有するC−N単結合、1.352ÅのアミドC−N結合および1.129ÅのC−N三重結合。窒素原子N4はsp3混成である。その孤立電子対はプロトン受容体として分子間水素結合に含まれる。
【0331】
アダマンタン部分の6員環はほぼ完全な椅子形配座である。ピロリジン環は他の4個の環原子を介して水平面から8.585ÅにCがあるわずかにゆがんだ封筒形を有する。
【表8】

【0332】
LAF237ベースの結晶格子は2つがほとんど等しい約10Åのaおよびb軸、空間群がP2を有する斜方晶系単位格子により特徴づけられる。結合距離および角度は基準値以内である。アミノNH基は隣接するカルボニル酸素と一緒になって短い分子内水素結合に係わる、NOおよびN−HO値に関して上記表参照のこと。この窒素原子はsp混成であるため、その孤立電子対は[001]結晶学的方向に並んでいるO−HN分子間接触(ON=3.134Å、O−HN=175°)の水素結合受容体である。固体状態の2個の他の弱い相互作用、c軸に沿ってC−HN接触、および該方向の分子に結合するC−HOの水素結合がある。分子間接触のこのような等方分布はLAF237ベースが固体状態で非常に安定であることを示す。
【0333】
この化合物は結晶格子において水素結合の3次元ネットワークを形成し、それはこの化合物が結晶相として非常に安定であることを示す。模擬パターンおよび実験的粉末パターンの比較は本バッチが純粋な相であることを示すことができる。SEMによる形態予測および実験的特性評価はいくつかの矛盾を得、それは溶媒作用に関して合理的に説明されている。LAF237ベースが2−プロパノールからなるとき、(011)面に対して(002)面の良い安定化のため、該最終形態は六方晶系(2−ブタノンのような)よりむしろ斜方晶系である。
【0334】
3.水分収着/脱着等温線
収着/脱着等温線はSurface Measurement Systems動的蒸気収着装置(DVS−1)を使用し測定された。測定は25℃で行った。この技術は相対湿度(RH)の相関関係としてサンプル重量を測定する。無定形サンプルは吸湿性であり、85%のRHで4.2%の水分を有するが、結晶ビルダグリプチン形Aは85%のRHで0.9%だけの水分を有するためほんの少し吸湿性である。吸湿性である形態は湿気を吸収しないように空気から保護する必要がある。湿気は製剤、安定性および分析での問題の原因と成り得る。したがって、我々の新規結晶ビルダグリプチン形Aは既知のビルダグリプチン非晶形を超えるさらなる利点を示す。ビルダグリプチンが高い水溶性を示すとき、結晶ビルダグリプチン“A形”の使用はガレヌス製剤において活性成分の改良された安定性を提供する。
【0335】
【表9】

【0336】
実施例8:DPP−4阻害活性は下記臨床試験から得られた。
試験名:75gmの経口グルコース負荷試験に挑戦している2型糖尿病患者における10、25、50、100、200、および400mgのビルダグリプチン製剤の一回経口投与後、用量反応関係を評価するために無作為、オープンラベル、プラセボ対照、7期間、交差試験。ビルダグリプチンは本明細書に記載されている投与形、すなわち製剤、錠剤およびカプセルで投与される。
【0337】
目標:
・75gmの経口グルコース負荷試験中の2型糖尿病対象におけるDPP−IV阻害のビルダグリプチンの用量依存効果を評価するため。
【0338】
設計:これは無作為、オープンラベル、プラセボ対照、7期間、交差試験であった。40人の2型糖尿病対象が試験を終了した。血糖降下薬投与前の21日のウォッシュアウト期間を含む29日スクリーニング期間があった。以前にメトホルミン治療した対象は28日のウォッシュアウトをうける必要があった。対象は、投与前最後の2週間で別々の3日間に測定した3回の平均が7.0−10mmol/L(126−180mg/dl)の平均空腹時血漿グルコースを有した。スクリーニング時のHbA1cは7.5−10%であった。
【0339】
適格の対象を14群(sequence)の1つに無作為化した。最初の投与前36時間の基準期間、7処置期間の完了のために最低3週間指定の場所での滞在、最後の薬力学評価後の試験比較評価があった。対象は標準BDA食を食べ、1日目に基準評価した。
【0340】
投与間隔は72時間だった。投与日に、対象は一晩絶食後割り当てられた用量を投与された。投与30分後、対象は75gmの経口グルコース負荷を消費した。薬物動態および薬力学サンプリングを特定の時間で行った。
【0341】
投与日に、対象は朝食を抜いた。標準昼食および夕食はそれぞれ投与後5.5時間および10時間に取った。滞在期間の残りの間、対象は標準BDA食を維持した。最後の試験評価を処置期間7についての最後の薬力学評価の完了後に行った。
【0342】
対象の数:
14人の対象が試験を完了した。全部で16人の対象がこの試験において投与された。そのうち、2人の対象が中断し、14人の対象が試験を完了した。
【0343】
含有物に対する基準:
罹病期間少なくとも3月で2型糖尿病を有する、30から70歳、そして3週間の低血糖ウォッシュアウトをうける意志のある男性および妊娠しない女性(すなわち、更年期後の、子宮摘出後の、または卵管結紮により不妊の女性)。ウォッシュアウトの最後2週間に完了した3回の評価からの平均空腹時血漿グルコースは、7.5−10%のスクリーニングで7.0から10mmol/L(126−180mg/dL)のHbA1c、C−ペプチド0.3nmol/L、および肥満度指数40kg/mであるべきである。
【0344】
治験薬:ビルダグリプチン
処置の期間:対象を処置期間あたり各10mg、25mg、50mg、100mg、200mg、400mgのビルダグリプチン、およびプラセボの一回投与をうけるために無作為化した。連続的処置中の投与間隔は72時間であった。
【0345】
評価のための基準:
安全性および耐用性:下記のとおりバイタルサイン、ECG、生化学、血液学、および検尿からなる安全性および耐用性評価。
血液学血液化学検尿:スクリーニング、基準値、3および5期間投与前、および評価比較試験
・潜血:スクリーニング、基準値、3および5期間、および試験完了
有害事象同時薬物療法/顕著な非薬剤治療:最初の試験薬剤の投与時から試験終了まで
【0346】
薬物動態:
OGTTの時間は0時と考慮される
LAF237測定のための血液回収[サンプルあたり1mLの血液、ヘパリンチューブ(血漿)]:−0.5時(ビルダグリプチン投与前)、OGTT後0.5、1.5、5、および8時
検体、媒体および方法:LC−MS/MSによる血漿中のビルダグリプチン;約2ng/mLのLOQ
LAF237に対するPKパラメータ:AUC、AUC0−t、t1/2、Cmax、tmax、CL/F
【0347】
薬力学:
午前の投与は〜0800時
午前のOGTTは投与後〜0830時
注意:下記のすべてのPD時はw.r.t. OGTTである
血漿DPP−IVペプチダーゼ活性(1mLの血液サンプル)
各処置日:
OGTT1時間前および0.75時間前
OGTT後:−0.25、0(OGTT前)、0.25、0.5、1、1.5、2、4、6、8、10、12、16および24時間
【0348】
統計的方法:
グルコース、インスリン、グルカゴンおよびGIPに関する薬力学パラメータAUEおよびEmaxの統計的比較は分散分析に基づいて行う。両方のパラメータに関して、対数変換データを固定の要素として処置、期間および群ならびに無作為な要素として群内の患者を含む線形混合効果モデルを使用して分析する。最初のスケールにおける処置平均値の割合から推定値および90%の信頼区間が各比較について提供される。処置群とプラセボ群間の比較が主な分析である。さらなる分析をまた活性処置群中で比較するために行う。
【0349】
データ分析
DPP−4活性はビルダグリプチン投与前および投与後24時間までの様々な時間で測定される。図7はDPP−4阻害%を説明する。DPP−4阻害%は下記式により測定されたDPP−4活性から計算される:
【数1】

式中、DPP−4活性(t)は時間tで測定されるDPP−4活性であり、DPP−4活性(0)はビルダグリプチンの投与前に測定される基準DPP−4活性である。
【0350】
DPP−4阻害の平均滞留時間(MRT)はWinNonlin(ver 4.1, Pharsight, CA)を使用し非コンパートメント分析に基づく各投与レジメン後のDPP−4阻害%対時間プロフィールから概算される。DPP−4阻害の平均滞留時間は下記式で概算した:
【数2】

【0351】
24時間間隔の平均DPP−4阻害はDPP−4%対時間プロファイル下の範囲を時間間隔で割ることにより概算される。下記式は24時間の平均DPP−4阻害を計算するために使用した:
【数3】

【0352】
実施例9:
健康なボランティアにおける(本明細書に記載されている製剤、錠剤およびカプセルで)25、50、100および200mgのビルダグリプチンの血漿濃度を比較するため、各期間の間に2日ウォッシュアウトを伴うオープンラベル、単回投与、4期間、4処置、無作為交差試験を行う。全20名の健康な対象を記録し、20名が全試験手順および処置を完了した。対象を21日間スクリーニングし、そして所望により、各処置前の基準値(合計で4つの基準評価)を得た。試験場所から出る前に最後の試験評価がある。対象を群あたり5人の対象で4個の投与群に無作為化する。対象は基準評価のために各期間最初の投与少なくとも12時間前に試験センターに入り、各期間少なくとも24時間後まで入院させた。最初の投与後少なくとも2日の間隔を開けて、各対象は無作為化スケジュールに従い、別の処置をうけるため試験場所に戻った。すべての対象は無作為化スケジュールに従い、試験中25、50、100および200mg処置を各1回うける。
【0353】
ビルダグリプチンの測定のための血漿サンプルを各処置分の投与後、24時間にわたって得る。すべての処置期間について、対象は最低投与前10時間から投与後4時間まで絶食した。対象はすべての安全性および薬物動態評価が完了したとき試験を完了したと見なす。
【0354】
血液サンプルを25、50、100または200mgのビルダグリプチンの一回経口投与後、薬物動態を測定するため回収する。ビルダグリプチンの血漿濃度は非コンパートメント方法を使用して薬物動態パラメータを測定するために使用し、データは図3および4、ならびに表1において要約される。
【0355】
表1.25、50、100および200mgのFMI錠剤の一回経口投与後のビルダグリプチンの薬物動態パラメータの相加平均
【表10】

【0356】
実施例10:
ビルダグリプチン100mg qdおよびメトホルミン1000mg qdを5日間単独でまたは組合せて与えたときの薬物動態薬剤−薬剤相互作用を評価するため、2型糖尿病を有する患者におけるオープンラベル、3期間試験を行う。全17名の患者が参加し、全員全試験過程および処置を完了した。対象は基準評価のために最初の投与少なくとも12時間前に試験センターに入り、全試験のために入院させた。対象を2期間の最後の日(20日)に試験最後の評価をする。全処置期間について、対象は最低投与前10時間から投与後4時間まで絶食した。対象はすべての安全性および薬物動態評価が完了したとき試験を完了したと見なす。
【0357】
ビルダグリプチンおよびメトホルミンのための薬物動態血液サンプルを薬物動態評価のために24時間にわたって回収する。薬物動態プロファイルは図5に説明する。薬物動態パラメータは非コンパートメント方法を使用し測定される、表2に示されたデータ参照のこと。
【0358】
表2.ビルダグリプチン100mg qd FMI錠剤の多回投与後、2型糖尿病を有する患者における定常状態の薬物動態パラメータ
【表11】

【0359】
実施例11:
試験は2型糖尿病を有する患者にビルダグリプチン100mg qdおよびピオグリタゾン45mg qdを単独でまたは組合せて28または7日間の多回投与したときの薬物動態薬剤−薬剤相互作用を評価するため、オープンラベル、3期間、多回投与デザインである。スクリーニング後、全15名の患者が参加し、全員試験を完了した。対象は基準評価のために最初の投与少なくとも12時間前に試験センターに入る。対象が基準ですべての適格基準に合うとき、対象は試験のために無作為化される。すべての治験薬は朝食30分前に摂取する。試験は処置期間の最後の日における最後の試験評価で完了する。
【0360】
単独でまたはピオグリタゾンと組合せで投与したときのビルダグリプチンのための薬物動態血液サンプルを7日および28日各々24時間にわたって回収する。単独でまたはピオグリタゾンと組合せて与えたときのビルダグリプチンの薬物動態プロファイルは図6に説明する。薬物動態パラメータは非コンパートメント方法を使用し測定される、表3に示されたデータ参照のこと。
【0361】
表3 単独でまたはピオグリタゾンと組合せて与えるときのビルダグリプチンの定常状態の薬物動態パラメータ
【表12】

【図面の簡単な説明】
【0362】
(原文に記載なし)
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤を含む粒子を含み、そして錠剤中の少なくとも40%、好ましくは60%または80%の粒径分布が250μm未満である、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項2】
分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤を含む粒子を含み、そして錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mg、好ましくは0.01から0.03mm/mgである、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項3】
分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤を含む粒子を含み、そして;
i)少なくとも錠剤中の40%、好ましくは60%の粒径分布が10から250μmであり、そして
ii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mgまたは0.01から0.03mm/mgである、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項4】
分散体が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチンを含む粒子を含み、そして;
i)少なくとも錠剤中の40%、好ましくは60%の粒径分布が10から250μmであり、
ii)錠剤の含水率が25℃および60%のRHで1週間後に10%未満であり、そして
iii)錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.002から0.06mm/mgである圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項5】
錠剤の粒径分布が50から150μmである請求項1から4のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項6】
錠剤の含水率が25℃および60%のRHで1週間後に5%未満である請求項1から5のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項7】
錠剤の厚さの錠剤重量に対する比が0.01から0.03mm/mgである請求項1から6のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項8】
錠剤中の少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%または90%の粒径分布が10から250μmである請求項1から7のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項9】
錠剤中の少なくとも25%または少なくとも35%の粒径分布が50から150μmである請求項1から7のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項10】
錠剤がさらなる治療剤、好ましくはメトホルミン、グリタゾンまたはバルサルタンを含む請求項1から9のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤であって、
i)0から10分に85から99.5%の活性成分を放出し、そして
ii)10から15分に90から99.5%の活性成分を放出する錠剤。
【請求項12】
錠剤中の医薬賦形剤の粒径分布が5から400μmである請求項1から10のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項13】
分散体がDPP−IV阻害剤またはそれらの医薬塩を含む粒子を含み、そして;
i)製剤中の少なくとも40%、好ましくは60%の粒径分布が250μm未満であり、そして/または
ii)製剤中の少なくとも40%、好ましくは60%の粒径分布が10から250μmであり、そして/または
iii)製剤中の少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%の粒径分布が10から250μmであり、そして/または
iv)製剤中の少なくとも25%もしくは少なくとも35%の粒径分布が50から150μmである医薬組成物。
【請求項14】
製剤中の医薬賦形剤の粒径分布が5から400μmである請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
DPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩、ビルダグリプチン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびに所望によりすべての場合においてそれらの医薬塩から選択される、請求項1から12のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤もしくは直接圧縮医薬錠剤または請求項13から14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチン、ビルダグリプチンの結晶形もしくはビルダグリプチンの結晶“A形”またはそれらの医薬塩から選択される、請求項1から12のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤もしくは直接圧縮医薬錠剤または請求項13から14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項17】
直接圧縮錠剤である請求項1から12または請求項15から16のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤。
【請求項18】
DPP−IV阻害剤またはすべての場合においてそれらの医薬塩を含む圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤。
【請求項19】
ビルダグリプチン、ビルダグリプチンの結晶形もしくはビルダグリプチンの結晶“A形”またはすべての場合においてそれらの医薬塩を含む圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤。
【請求項20】
請求項1から12または請求項15から19のいずれかに記載の単位投与形の圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤の製造法であって:
(a)錠剤に圧縮、好ましくは直接圧縮することができる打錠用(tableting)粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量で5−60重量%または乾燥重量基準で6−60重量%のDPP−IV阻害剤であって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%の該DPP−IV阻害剤が250μm未満もしくは好ましくは10から250μmの粒径分布を有するか、または少なくとも25%または少なくとも35%の粒径分布が50から150μmであるDPP−IV阻害剤;および
(ii)希釈剤、崩壊剤および滑剤から選択される少なくとも1種の賦形剤
;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む方法。
【請求項21】
請求項1から12または請求項15から19のいずれかに記載の単位投与形の圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤の製造法であって:
(a)錠剤に圧縮、好ましくは直接圧縮することができる打錠用粉末形のDPP−IV阻害製剤を形成するため乾燥重量基準で重量%として下記を混合し:
(i)乾燥重量基準で25−35重量%、好ましくは20−35重量%のDPP−IV阻害剤であって、少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%、さらにより好ましくは90%の該DPP−IV阻害剤が250μm未満もしくは好ましくは10から250μmの粒径分布を有するか、または少なくとも25%または少なくとも35%の粒径分布が50から150μmであるDPP−IV阻害剤;
(ii)乾燥重量基準で40−95重量%、好ましくは40−80重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(iii)乾燥重量基準で0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および
(iv)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤
;そして
(b)単位投与形の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成するため段階(a)中に製造される製剤を圧縮することを含む方法。
【請求項22】
混合製剤が:
(i)乾燥重量基準で20−35重量%または25−30重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
(ii)乾燥重量基準で25−70重量%または好ましくは35−50重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース、例えばAvicel PH 102;
(iii)乾燥重量基準で5−40重量%または好ましくは18−35重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量基準で0−10重量%または好ましくは1−4重量%の薬学的に許容されるグリコール酸ナトリウムデンプン;および
(v)乾燥重量基準で0.25−6重量%または好ましくは0.5−4重量%の薬学的に許容されるステアリン酸マグネシウムを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
段階(a)において使用される混合組成物が;
(a)乾燥重量基準で5−60重量%または好ましくは20−35重量%の遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
(b)乾燥重量基準で40−95重量%もしくは40−80重量%または好ましくは62−78重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量基準で0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量基準で0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤を含む組成物から選択される請求項20に記載の方法。
【請求項24】
製剤が;
i)微結晶セルロースおよびラクトースから選択される1種または2種の希釈剤
ii)微結晶セルロースおよびラクトースの2種の希釈剤、
iii)乾燥重量基準で25−70重量%、好ましくは35−55重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース、または
iv)乾燥重量基準で25−70重量%、好ましくは35−55重量%の薬学的に許容される微結晶セルロースおよび乾燥重量基準で5−40重量%、好ましくは18−35重量%のラクトースを含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
DPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩、ビルダグリプチン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびに所望によりすべての場合においてそれらの医薬塩から選択される、請求項20から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチン、好ましくはビルダグリプチンの結晶形、もっとも好ましくはビルダグリプチン結晶形“A”またはすべての場合においてそれらの医薬塩である請求項20から24のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
ビルダグリプチンまたはその医薬塩が無定形状態または結晶形である、請求項1から26のいずれかに記載の医薬組成物、圧縮医薬錠剤、直接圧縮医薬錠剤または方法。
【請求項28】
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチン結晶“A形”またはその医薬塩である、請求項1から27のいずれかに記載の医薬組成物、圧縮医薬錠剤、直接圧縮医薬錠剤または方法。
【請求項29】
ビルダグリプチンの結晶形またはその医薬塩。
【請求項30】
ビルダグリプチンの熱力学的にもっとも安定な結晶形である、請求項29に記載の結晶形。
【請求項31】
約16.6°、17.1°、17.2°+/−0.3度 2θのピークを有するX線回折パターンにより特徴づけられるビルダグリプチンの結晶形(結晶“A形”)。
【請求項32】
約12.0°、13.5°、16.6°、17.1°、17.2°、20.1°、22.5°、27.4°、28.1°、+/−0.3度 2θのピークを有するX線回折パターンにより特徴づけられるビルダグリプチンの結晶形(結晶“A形”)。
【請求項33】
結晶形が実質的に図1に記載されているX線粉末パターンにより特徴づけられる請求項32または請求項31に記載の結晶形。
【請求項34】
逆波数(cm−1);約3293cm−1、2925-2853cm−1、2238cm−1、1658cm−1、1455/1354cm−1、1254cm−1、1121cm−1、1054−1035cm−1、+/−2cm−1で示される顕著な吸収バンドを有する流動パラフィン中のIRスペクトルにより特徴づけられるビルダグリプチンの結晶形(結晶“A形”)。
【請求項35】
結晶形が実質的に図2に記載されている逆波数(cm−1)で示される吸収バンドを有する流動パラフィン中のIRスペクトルにより特徴づけられる請求項34に記載の結晶形。
【請求項36】
融点147℃+/−4℃、好ましくは約149℃+/−2℃により特徴づけられるビルダグリプチンの結晶形(結晶“A形”)。
【請求項37】
対応するビルダグリプチン非晶形を製造するための請求項29から36のいずれかに記載のビルダグリプチン結晶形の使用。
【請求項38】
他の結晶(多形)形のビルダグリプチンを製造するためのまたは対応するビルダグリプチン非晶形またはすべての場合においてそれらの塩を製造するための請求項30から36のいずれかに記載のビルダグリプチン結晶形“A”の使用。
【請求項39】
ビルダグリプチン結晶形“A形”が結晶化法における出発物質または中間体として使用されるビルダグリプチン多形の製造法。
【請求項40】
i)有機溶媒中のビルダグリプチンまたはその塩の溶液を加熱し、
ii)ビルダグリプチンの結晶化を誘導し、そして
iii)結晶ビルダグリプチンを回収する段階を含むビルダグリプチンの結晶形またはその塩の製造法。
【請求項41】
i)有機溶媒中のビルダグリプチンの溶液を加熱し、
ii)ビルダグリプチンの結晶化を誘導し、そして
iii)結晶ビルダグリプチンを回収する段階を含む16.6°、17.1°、17.2°+/−0.3度 2θ、好ましくは12.0°、13.5°、16.6°、17.1°、17.2°、20.1°、22.5°、27.4°、28.1°+/−0.3度 2θのピークを有するX線回折パターンを有する結晶ビルダグリプチン“A形”の製造法。
【請求項42】
溶媒が2−ブタノン、2−プロパノール/酢酸エチル、2−プロパノール、アセトンから選択される請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
結晶化が;
i)有機溶媒、好ましくは2−ブタノン、2−プロパノール/酢酸エチル、2−プロパノール、アセトンから選択される中のビルダグリプチンの溶液を加熱し、
ii)約−20℃から約20℃、好ましくは約−10℃から約10℃の温度に溶液を冷却し、結晶化を誘導し、そして
iii)好ましくは加熱することなしに結晶ビルダグリプチンを回収する段階を含む請求項40または41に記載の方法。
【請求項44】
結晶化ii)が溶液に貧溶媒を添加することにより誘導することができる請求項40から43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
得られたビルダグリプチン結晶“A形”の少なくとも40%、好ましくは60%、より好ましくは80%が250μm未満、好ましくは10から250μmの粒径分布を有する請求項41から44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
ビルダグリプチン結晶形の少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%が250μm未満、好ましくは10から250μmの粒径分布を有する請求項29または30に記載の結晶形。
【請求項47】
ビルダグリプチン結晶“A形”の少なくとも40%、好ましくは60%、もっとも好ましくは80%が250μm未満、好ましくは10から250μmの粒径分布を有する請求項31から36のいずれかに記載の結晶形。
【請求項48】
(a)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、
(b)薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物であって、
単位投与形において、DPP−IV阻害剤の重量の希釈剤の重量に対する比が、0.5から0.25、好ましくは0.4から0.28であり;そして
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチン結晶形、好ましくはビルダグリプチンの結晶“A形”またはすべての場合においてそれらの医薬塩である医薬組成物。
【請求項49】
(a)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、
(b)薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物であって、
単位投与形において、DPP−IV阻害剤の重量の希釈剤の重量に対する比が、0.5から0.25、好ましくは0.4から0.28であり;そして
組成物分散体がDPP−IV阻害剤またはそれらの医薬塩を含む粒子を含み、そして;
i)製剤中の少なくとも40%、好ましくは60%の粒径分布が250μm未満であり、そして/または
ii)製剤中の少なくとも40%、好ましくは60%の粒径分布が10から250μmであり、そして/または
iii)製剤中の少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%の粒径分布が10から250μmであり、そして/または
iv)製剤中の少なくとも25%もしくは少なくとも35%の粒径分布が50から150μmである医薬組成物。
【請求項50】
希釈剤が微結晶セルロースおよびラクトースから選択される請求項48または49に記載の組成物。
【請求項51】
少なくとも1種の希釈剤が微結晶セルロースであり、そして単位投与形において、DPP−IV阻害剤の重量の微結晶セルロースの重量に対する比が2から0.333、好ましくは1から0.333、もっとも好ましくは0.7から0.333である請求項48から50のいずれかに記載の組成物。
【請求項52】
希釈剤としてラクトースに加えて希釈剤として微結晶セルロースを含む請求項48から51のいずれかに記載の組成物。
【請求項53】
DPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびに所望によりすべての場合においてそれらの医薬塩から選択される請求項49から52のいずれかに記載の組成物。
【請求項54】
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチンまたはその医薬塩である請求項49から52のいずれかに記載の組成物。
【請求項55】
20から120mg、好ましくは25から100mg、もしくは50から100mgのビルダグリプチンまたはそれらの薬学的に許容される酸付加塩を含む請求項1から54のいずれかに記載の医薬組成物、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項56】
(c)乾燥重量基準で0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量基準で0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤をさらに含む請求項48から55のいずれかに記載の組成物。
【請求項57】
(c)乾燥重量基準で1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量基準で0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤をさらに含む請求項48から56のいずれかに記載の組成物。
【請求項58】
(c)乾燥重量基準で1−4重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および
(d)乾燥重量基準で0.5−4重量%のステアリン酸マグネシウムをさらに含む請求項48から57のいずれかに記載の組成物。
【請求項59】
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチン結晶形、好ましくは“A形”のビルダグリプチンまたはすべての場合においてその医薬塩である請求項48から58のいずれかに記載の組成物。
【請求項60】
請求項48から59のいずれかに記載の組成物を含む請求項1から12のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮錠剤。
【請求項61】
遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤を含む圧縮医薬錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤。
【請求項62】
DPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびに所望によりすべての場合においてそれらの医薬塩から選択される請求項61に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮錠剤。
【請求項63】
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチン、ビルダグリプチン結晶形、好ましくは“A形”のビルダグリプチンまたはそれらの医薬塩である請求項61に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮錠剤。
【請求項64】
DPP−IV阻害剤粒子、とりわけビルダグリプチン粒子が60%を超えるDPPIV阻害剤、もっとも好ましくは90%または95%を超えるDPPIV阻害剤、さらにより好ましくは98%を超えるDPPIV阻害剤、とりわけビルダグリプチンを含む請求項1から63のいずれかに記載の方法、医薬組成物、圧縮医薬錠剤または直接圧縮錠剤。
【請求項65】
少なくとも40%のDPP−IV阻害剤が250μm未満または好ましくは10から250μmの粒径分布を有する圧縮錠剤または直接圧縮錠剤を製造するためのDPP−IV阻害剤の使用。
【請求項66】
DPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩、ビルダグリプチン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドならびに所望によりすべての場合においてそれらの医薬塩から選択される、請求項65に記載の使用。
【請求項67】
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチンもしくはビルダグリプチン結晶形、好ましくは“A形”のビルダグリプチンまたはすべての場合においてそれらの医薬塩である請求項65に記載の使用。
【請求項68】
60%、好ましくは80%のDPP−IV阻害剤が10から250μmの粒径分布を有する請求項65から67のいずれかに記載の使用。
【請求項69】
結晶形、好ましくは結晶形“A”のビルダグリプチンを含む医薬組成物。
【請求項70】
少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または98%のビルダグリプチン化合物が結晶形、好ましくは結晶形Aである請求項1から69のいずれかに記載の医薬組成物、圧縮医薬錠剤または直接圧縮錠剤。
【請求項71】
1%未満または0.4%未満のビルダグリプチンが“A”結晶形であり、99%または99.6%を超えるビルダグリプチンが非晶形である医薬組成物。
【請求項72】
1%未満または0.4%未満のビルダグリプチンが“A”結晶形であり、99%または99.6%を超えるビルダグリプチンが非晶形である請求項1から71のいずれかに記載の医薬組成物、圧縮医薬錠剤または直接圧縮錠剤。
【請求項73】
ビルダグリプチン結晶“A形”および1種または2種の治療剤またはすべての場合においてそれらの医薬塩を含む組合せ剤。
【請求項74】
ビルダグリプチン結晶“A形”およびメトホルミン、グリタゾン、インスリン、スルホニルウレア、ナテグリニド、またはバルサルタンから選択される1種または2種の治療剤を含む組合せ剤。
【請求項75】
グリタゾンがピオグリタゾンまたはロシグリタゾンである請求項74に記載の組合せ剤。
【請求項76】
活性成分が同じ医薬製剤または別々の投与単位で一緒に投与される請求項73から75のいずれかに記載の組合せ剤。
【請求項77】
粒子が60%を超えるビルダグリプチン、もっとも好ましくは90%または95%を超えるビルダグリプチン、さらにより好ましくは98%を超えるビルダグリプチンを含む請求項1から76のいずれかに記載のビルダグリプチンの粒子。
【請求項78】
20から120mg、好ましくは25から100mgもしくは50から100mgのビルダグリプチンまたはそれらの薬学的に許容される酸付加塩を含む請求項1から77のいずれかに記載の医薬組成物、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項79】
50または100mgのビルダグリプチンまたはそれらの薬学的に許容される酸付加塩を含む請求項1から78のいずれかに記載の医薬組成物、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項80】
0.01N HCl溶液中において
i)0から10分に85から99.5%の活性成分を放出し、そして
ii)10から15分に90から99.5%の活性成分を放出するか
または
i)0から10分に88から99.5%の活性成分を放出し、そして
ii)10から15分に95から99.5%の活性成分を放出するか
または
i)0から10分に89から94%の活性成分を放出し、そして
ii)10から15分に96から99%の活性成分を放出する請求項1から79のいずれかに記載の医薬組成物、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項81】
組成物がさらなる治療剤、好ましくはメトホルミン、グリタゾンまたはバルサルタンを含む請求項1から80のいずれかに記載の医薬組成物または圧縮錠剤。
【請求項82】
2型糖尿病を有する患者への50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与10.5時間後の平均DPP−4阻害が少なくとも79%、好ましくは少なくとも83%または83%から94.5%、または89.34+/−3.02%である即時作用型投与形。
【請求項83】
2型糖尿病を有する患者への50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後0.25から10.5時間の間の平均DPP−4阻害が84%から98%である即時作用型投与形。
【請求項84】
2型糖尿病を有する患者への50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後24時間にわたって、平均DPP−4阻害が64.2%+/−12.7%である即時作用型投与形。
【請求項85】
2型糖尿病を有する患者への50mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後24時間にわたって、平均DPP−4阻害が実質的に図7に記載のとおりである即時作用型投与形。
【請求項86】
投与形が請求項1から19、27、28、48から64、69から72、または78から81の医薬製剤、錠剤またはカプセルのいずれかである請求項82から85のいずれかに記載の即時作用型投与形。
【請求項87】
2型糖尿病を有する患者への100mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与10.5時間後の平均DPP−4阻害が少なくとも83%、好ましくは少なくとも90%または90%から95.2%である即時作用型投与形。
【請求項88】
2型糖尿病を有する患者への100mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後0.25から10.5時間の間の平均DPP−4阻害が84%から98.8%である即時作用型投与形。
【請求項89】
2型糖尿病を有する患者への100mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後24時間にわたって、平均DPP−4阻害が76.3%+/−13.7%である即時作用型投与形。
【請求項90】
2型糖尿病を有する患者への100mgのビルダグリプチンまたはその塩の1日1回の投与後24時間にわたって、平均DPP−4阻害が実質的に図7に記載のとおりである即時作用型投与形。
【請求項91】
投与形が請求項1から19、27、28、48から64、69から72、または78から81の医薬製剤、錠剤または圧縮錠剤のいずれかである請求項97から90のいずれかに記載の即時作用型投与形。
【請求項92】
約50mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって;
−50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約77.3ng/mL+/−20.8ng/mLから約195ng/mL+/−89.1ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度、および/または
−50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約839から約1221ng・h/mLすなわち1030ng・h/mL+/−191ng・h/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)、および/または
−50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、2.1hr+/−1.3hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【請求項93】
約50mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、実質的に図3または4に記載されている薬物動態プロファイルを提供する投与形。
【請求項94】
約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって;
−50mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約186ng/mL+/−64.9ng/mLから約428ng/mL+/−165ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度、および/または
−100mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、約2071から約2629ng・h/mLすなわち2350ng・h/mL+/−279ng・h/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)、および/または
−100mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、2.0hr+/−1.4hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【請求項95】
約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチンの単回投与の経口投与後、実質的に図3または4に記載されている薬物動態プロファイルを提供する投与形。
【請求項96】
経口投与を健康なヒト対象において行う請求項92から95のいずれかに記載の固体経口投与形。
【請求項97】
約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって;
−100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約188ng/mL+/−132ng/mLから約327ng/mL+/−87.6ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度、および/または
−100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、1840ng・h/mL+/−360ng・h/mLのビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)、および/または
−100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、2.5hr+/−1.3hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【請求項98】
約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、1000mgのメトホルミン同時の単回投与の経口投与後、実質的に図5に記載されている薬物動態プロファイルを提供する投与形。
【請求項99】
約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって:
−100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、約0.5から約6時間で約123ng/mL+/−51.5ng/mLから約455ng/mL+/−217ng/mLの範囲であるビルダグリプチンの相加平均最大血漿濃度、および/または、
−100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、2090ng・h/mL+/−446ng・h/mLのビルダグリプチンの相加平均AUC(0−∞)、および/または
−100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、1hr+/−1.3hrのビルダグリプチンの相加平均tmaxを提供する投与形。
【請求項100】
約100mgのビルダグリプチン遊離塩基、または各量のその薬学的に許容される塩、および担体媒体を含む固体経口投与形であって、100mgのビルダグリプチン、45mgのピオグリタゾン同時の単回投与の経口投与後、実質的に図6に記載されている薬物動態プロファイルを提供する投与形。
【請求項101】
経口投与を2型糖尿病を有するヒト対象において行う請求項97から100のいずれかに記載の固体経口投与形。
【請求項102】
投与形が請求項1から19、27、28、48から64、69から72、または78から81の医薬製剤、錠剤または圧縮錠剤のいずれかである請求項92から101のいずれかに記載の固体経口投与形。

【公表番号】特表2008−527004(P2008−527004A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551457(P2007−551457)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/001473
【国際公開番号】WO2006/078593
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】